スタジオに行き、つんく♂さんに罰ゲーム終わりました、と伝える。
つんく♂さんは、お、ゴクローさん、とそれだけ言っただけだった。
ただそれだけ。
ロビーのソファに座って、何か考えてるような何も考えてないような、
とにかくしばらくボーっと放心状態でいた。
「松浦?」矢口さんが声をかけてきた。
わたしは何も答えず、うつむいた。
「大丈夫か?松浦、平気?」心配そうに矢口さんはわたしの隣に座った。
わたしはうつむいたまま、無言でうなずいた。
「元気出しなよ〜オイラ松浦の元気なトコが好きなんだからさ〜」
矢口さんはわたしの肩に手をやり、元気づけようとわたしの体を揺さぶった。
わたしはなすがままに、揺さぶられていた。
「悲しいのは、辛いのは、とっても良くわかるから、だから、ね」
矢口さんは腕をわたしの肩に回し、頭をなで、そのあとわたしを抱き寄せた。
急に、そこで涙が溢れ出してきた。泣いちゃいけない、と思いつつも止まらない。
わたしは矢口さんの胸に顔をうずめ、ひとしきり泣いた。声は出さなかった。
「お〜、よしよし。おもっきり泣きな、泣きたいときは、ね」
矢口さんはわたしの頭をポンポンとたたきながら、しばらくそのままでいてくれた。
「矢口さん」わたしは顔を上げ、矢口さんの顔を見つめた。
「お、やっとしゃべってくれたね」矢口さんは笑顔で答えた。
わたしは泣き顔のまま、矢口さんにたずねた。
「矢口さん、なんで愛ちゃんを殺したんですか?」
え?何言ってんの、松浦。やってないよ。オイラやってないよ。
オイラが高橋殺すわけないじゃん。
何。松浦オイラ疑ってるわけ?なんでそー思うんかなぁ。
え?なにがもうわかってるって?なになに、言ってみ?
……そう。そこまで。そーか。ふ〜。
あ?あー、うん。そーだね。うん。あ〜。
もーいー。もーなんも言わなくていーよ。ん〜。
あー、そーだよ。オイラが高橋を殺したんだよ。