食事もひととおり出つくして皆も落ち着いてきた頃、つんく♂の言い放った
今後のスケジュールを聞いて、高橋と藤本は
やばい
と思った。
高橋は後藤卒業の後、安倍とともに前面に推されていくであろうということ、
それとミニモニに加入すること。それは彼女を非常に不安がらせた。
まだまだ自分に自信を持てなかったし、またそれは彼女の自覚の無さに
起因するものではあったのだが。
一番不安なんはミニモニで、自分とはキャラも全く合わんし、ダンスもバレエとは
全然ちゃうし、大丈夫なんやろか?亜弥ちゃんに聞いてみよ。
藤本の方は、1st.シングルもソコソコ売れはしたがやっぱりソコソコで、去年の
松浦のようなパンチに欠けているというのは、本人にもわかっていて、2枚目
3枚目の完成度または売上によってはつんく♂に見放されてしまうかも、
と非常に危機感を抱いていた。
もっともっと自分を前に前にアピールしてかなくっちゃ。あやっぺに習おう。
つんく♂さんの今後のスケジュールを聞いたときには、とってもビックリした。
みんなもビックリしてた。
一番ショックを受けてたのは矢口さんと吉澤さんで、矢口さんは小さくうつむいてて、
前に座ってるわたしの方からでさえも、その姿が見えないほどだった。
吉澤さんはショックのあまり、おう、おぅ、お〜ぅ、と声を漏らすだけだった。
平家さんと目が合った。平家さんは優しく微笑んでくれた。
わたしも笑顔で返した。けど引きつってたかもしれない。
わたしは何も言えなかった。