亜弥　日記

まったくカオリは甘い、甘すぎるよ、これはもう戦争なんだよ。
保田はそう思ったが、リーダー飯田を立てて口には出さなかった。
こういう有事の際はやっぱり先代組長の裕ちゃんの方が向いてるんだろうな。
カオリはやっぱり平和な平時の時の仲良しグループ用のリーダーなんだな。
とはいえ、カオリは一生懸命やってるとは思うよ。頑張ってる。
だからあたしがカオリをサポートしてあげないとね。
しかし現時点では、敵が誰なのかがさっぱりわからないので、
反撃の矛先を何処に向ければいいのかわからない。
だからどうしても守備的な戦略をとらざるを得なくなる。
ハローのみんなを護らなくてはならない。
そのためにはあたしは何ができるのか。
そのためになら、あたしは喜んでヨゴレ役をやろう。
そう、悪鬼にもなるわよ。

矢口はまだ辻加護とじゃれ合っていた。
「ほげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ」

このような暗く重く悲しい雰囲気の中、わたしは１６歳の誕生日を迎えた。
もちろん時期が時期だけに、派手なお祝いが出来るわけがなかった。
喪に服すってヤツだ。
だからわたしは、わたし一人だけで、心の中で自分の誕生日をしめやかに祝った。

♪はっぴばーすでーつーみー、はっぴばーすでーつーみー

１６歳おめでとう、わたし。

なんかどっかで見たよなシーンだなて思たら、長谷川町子先生の「いじわるばあさん」の
漫画で読んだな、コレ。