何で水戸黄門に辻と飯田が出てるんですか?

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122ashinobu ◆Askaw.ME
>>114のつづき

 いつの間にか眠ってしまったわたしでしたが、寝るのはおそかったのに、
ずいぶんと早く目がさめてしまいました。外はまだ真っ暗でした。
 向かいの飯田さんの部屋で、小さな話し声と物音がきこえます。
わたしがおきてしまったのは、たぶんそのせいでしょう。
 時計を見ると、5時55分です。もう、カメラを回収しに行く時間でした。
飯田さんと矢口さんは、出かけるしたくをしているようです。
 寒いせいもあっていつもはなかなか起きられないわたしでしたが、
このときだけはすっきりと目がさめて、ぴょんと飛び起きました。
そして、となりに寝ている亜依ちゃんを起こしました。
「あいぼん。朝だよー。カメラ取りに行くじかんだよー。」
「……んあ…まだ眠いよ〜。かんにんしてや〜。」
「だめだよあいぼん。飯田さんと矢口さんは、夜中もちゃんと学校に
行ったんだよー。朝くらいいっしょに行かなきゃわるいよー。」
「……うーん…しゃあないなー…。」
123ashinobu ◆Askaw.ME :02/01/02 23:53 ID:???

 平家先生は、きのう見たときのまま、中澤さんと一緒のこたつで
口をあけたまま寝ていました。そんなだったので、けっきょく
夜中の2回は飯田さんと矢口さんだけで学校へ行ったのだそうです。
 朝も二人だけで行こうとしていましたが、そんなにたいへんなことを
しているのにわたしたちだけ楽をしていてはいけないと思ったし、
なにより早く結果を見たかったので、一緒に行くことにしました。
亜依ちゃんはかなりいやがっていましたが……。
 冬の朝6時はとっても寒くて、息がまっ白です。わたしは、
痛くなった耳を手ぶくろをした手でおさえながら歩きましたが、
そうするとこんどはゆびのほうがいたくなってきます。
みんな何かをしゃべっていないとがまんできません。
124ashinobu ◆Askaw.ME :02/01/02 23:53 ID:???

「矢口、手袋履いてこなかったのー?」
「あーっ!忘れたよー!でもまあいっかー。」
「今朝なんてなまら寒いっしょ?よくそんな平気でいられるじゃん?」
「それよりもさー圭織?手袋って『履く』って言ったっけ?」
「そんなの普通だよー。」
「でもいいらさん、とうきょうではいわないれすよ。亜依ちゃんとこは?」
「そ…そんなこと…い…言わへんなー。うーっ寒っ。」
「北海道じゃ言うの。あっちは本場だからカオリのほうが正しいんだよー。」
「キャハハー。本場って何だよー。」
125ashinobu ◆Askaw.ME :02/01/02 23:54 ID:???

 学校まではほんの2〜3分なのですが、校門につくまでには
空はだいぶ明るくなってきていて、まわりのけしきが青っぽく
はっきりと見えてきていました。こんな時間でも、会社にいく人とか、
おおぜいの人が道をあるいています。
「この時間になれば、もう犯人は来ないよ。部室見てみよう。」
 わたしたちは、飯田さんを先頭に、まっすぐに運動場をよこぎって
部室にむかいました。
「よーし、じゃあ開けるよ。」
 矢口さんが鍵をさしこんで、扉があきました。いっせいにのぞきこんだ
わたしたちが見たものは……

きのうとまったく変わらない、きちんとせいとんされた部室でした。

つづく