自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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78赤羽広々
>>74の続き

「ガニメデ」(2)

真紅の城壁がそびえ立ったかのようだった。その機械獣の雄姿に、味方はみんな沸き返
り、敵は恐れおののいた。レッドホーン一列横隊が敵陣地に一斉突撃、敵兵も敵ゾイド
も、何もかも踏み潰し、雌雄を決する。これこそが帝国軍機甲部隊がいくつもの戦場を
制覇した伝統の戦術だった。敵主力に対し真正面から挑み、勝利することこそが機甲兵
の、誇り高きレッドホーン乗り達の最高の誉れだった。

しかし、2月大攻勢以来の共和国軍の新たな戦術の前では、帝国軍機甲部隊伝統の戦術
も、レッドホーン乗りの誇りも、無意味だった。完全に制空権を手中に収めたプテラス、
サラマンダーによる猛爆撃。ウルトラザウルスを始めとする、重砲部隊による圧倒的な
砲撃。戦況は明らかに不利だったが、それでも前線の兵士達は信じていた。レッドホー
ンが敵陣目掛けて突撃すれば、敵は大慌てで逃げ出すに違いない。レッドホーンは必ず
勝つ、と。それは彼ら、レッドホーン乗り達も同じ思いだった。俺達は、絶対に負けな
い。だが、激しい爆撃と砲撃に耐え続けながらその時を待った彼らの目の前に現れたの
は、長年決戦の相手として思い描いてきたゴジュラスではなく、新鋭の小型ゾイド、カ
ノントータスの大群だった。