自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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74赤羽広々
「ガニメデ」(1)

ZAC2039年(旧バトスト設定で)
コンクリートで塗り固められた坑内に灯る明かりが、わずかに揺らめいている。壁や
天井に走る数え切れないほどのひび割れが、ぼんやりとした明かりに照らし出されて
いた。いつまで持つだろうか。ウィッテは震える坑道をまっすぐに歩いていく。地響
きのような低い音が絶えず聞こえてくる。それが敵の放つ砲弾の炸裂音なのか、耳鳴
りなのか、ウィッテには分からなかった。体に纏わりつくような湿った空気、灰色の
コンクリートの壁、どこまでも続く薄暗いトンネル、そんな空間に弱々しく灯る電灯。
全てがウィッテの気を滅入らせた。しかしこのトンネルこそが共和国軍の猛攻から、
彼らを今日まで守り抜いてきたのだ。ガニメデ要塞。共和国軍にとっては避けて通れ
ない最大の難関、帝国軍にとってはゼネバス帝都防衛の、最後の砦だった。

長いトンネルを抜けたウィッテは、大きく息を吸い込んだ。そこには狭苦しいトンネ
ルとは打って変わって、広大な空間が広がっていた。十数機の巨大なゾイドが整然と
並んで出撃の時を待っている。これほど大規模な地下ゾイドハンガーは他にないだろ
う。だが…。ウィッテは愛機に歩み寄り、語り掛けた。

「お前には窮屈か?レッドホーン」