自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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52赤羽広々
>>50の続き

「帝都防空隊」(7)

サラマンダー編隊が大きく動いた。十数機だけが猛然と急上昇し、残りの大部分のサ
ラマンダーは急降下し始める。100機もの翼竜達が目の前で上下に散開する様は、ど
んな航空ショーよりも壮観だったが、もちろんそれはショーを披露するための動きで
はない。急上昇したのは護衛の空戦仕様サラマンダーだ。一旦上昇し、上空からシン
カー隊の頭を押えようとしているのだ。そして急降下する敵機こそ、帝都を焼き尽く
すための爆弾を満載した、爆装サラマンダーだ。ノルトマンは迷わずシンカーを反転
急降下させ、ダイブする爆装サラマンダーを追う。サラマンダーはシンカーより遥か
に速い。この機を逃せば、シンカーはサラマンダーに追いつけない。

突入してくるシンカー隊へ向け、80機を越す爆装サラマンダーの弾幕射撃が始まった。
回転式2連対空レーザー2門、翼端の小口径レーザー4門、全機合わせて500門近いレー
ザー砲が撃ち出す弾幕は、オレンジ色の光の壁のようだ。この時ばかりはシンカーの
視界の悪さがありがたい。余計なものを見なくて済む。爆撃機の弾幕に臆していては、
迎撃戦闘など出来ないのだ。シンカーの持てる全ての力を絞りだし、突入する。シン
カーが震える。いや、ノルトマンが震えているのか。炸裂する光の壁の、さらに向こ
うへ。

弾幕を突破したノルトマンの眼前には、横長いキャノピーには収まりきらないほど巨
大な青い翼竜、サラマンダーの姿があった。