自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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47赤羽広々
>>46の続き

「帝都防空隊」(4)

共和国軍サラマンダー戦略爆撃団による帝都と、ゼネバス帝国最大の工業
地帯、ウラニスクへの爆撃は、もう1年以上に亘り行われていた。当初こ
そシンカーの奮闘と激しい対空砲火により敵機を多数撃墜していたが、共
和国軍が夜間超低空侵入爆撃による飛行場と対空火器制圧を行った後、黎
明に本隊が高高度より大挙侵入、爆弾を雨のように投下する、という方法
に切り替えてからは、帝国軍の損害は恐ろしい勢いで増大していった。帝
国軍は高高度迎撃能力、そして共和国軍主力飛行ゾイド、プテラスに匹敵
する運動性能を持った飛行ゾイド、シュトルヒをついに開発したが、ウラ
ニスクを焼き尽くされた今となっては、最新鋭のシュトルヒを量産するこ
とも出来なかった。帝国軍は手許に残されたシンカーのみで絶望的な抗戦
を続けるほかに、道はないのだ。

「基地指令ヨリ全機ヘ。ガニメデ市レーダーサイトヨリ敵機発見ノ報。ソ
ノ数オヨソ100。高度1万メートル。西北西ヘ向カウ」

「隊長機より各機。1万1千メートルに占位し敵機を邀撃する。我に続け」

いつもより力がこもった隊長の声が通信機へ届く。シンカー隊はすでに高
度1万メートルに達していた。間に合ったのだ。今日はやれるぞ。ノルト
マンの操縦桿を握る手にも力が入る。レーダーレンジモニターに敵機を表
す輝点が1つ、2つと増えていく。スロットルレバーを押し倒しシンカーの
力を解放するノルトマンの目に、遥か遠くで朝日を反射してきらめく敵編
隊が映った。