自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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282ジェノ名無し−
>>281の続き

『闇ゾイドバトル』(12)


砂塵を巻き上げ、大地をえぐり、熱い風を切り裂いて、焼けた砂の上を二体の機獣が駈けて行く。
並走する二体を事情を知らぬ者が見たら仲良くランデブーしてる様に映ったかも知れない
しかし、決してそうでは無い。
可動式の武装を持たない二体のゾイドは、並ぶ事で互いを牽制しているのだ。
「どうしたヴィル?ヤケに遅いじゃないか!」
相変わらずオープンになったままの通信機からカルの挑発が聞こえる。
或は作戦的な挑発では無く、ただ単にヴィルをおちょくっているだけかも知れない。
その証拠にカルのサイクスがジワジワと幅寄せして来ている。
「ぬかせ!貴様こそライトニングサイクスを使ってその程度か!ええ?共和国の犬!」
サイクスが近寄った分だけ離れ、距離を一定に保ちながら挑発を返すヴィル。
「!?貴様!良いだろう見せてやるよ!!コイツの貴様が欲したサイクスの性能を!!」
カルは言いつつプラスチックカバーで厳重にシールドされたスイッチを叩き押す。
瞬間
残像を残し、一気に加速するサイクス。
「な、なんてスピードだ…離される!?」
「ヴィル!その場で方向転換!岩場に向かって!!」
かつての仲間がGFになって潜入捜査に来た事。その仲間の目的が相棒のヴィルの殺害
だった事。なにより、二人が殺し合いを始めたショックで茫然自失としていたアーシャだったが
自分の役割を思い出し果たす。
アシストとはいえ、彼女もまた戦士なのだ。ヘタな感傷でやるべきことを見失ったりしない。
「酷いじゃないか〜キミを助けようとしてるんだよ?僕は」
通信を傍受したカルが割り込みながら、サイクスを反転させヴィルの追撃を始める。
「このままじゃ勝ち目は薄いわ、岩場で運動性を活かして!」
「「了解」」ヴィルとカルの声がハモる。
「!?」
ヴィルは初めてカルの狂気に恐怖を感じた。