自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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257ジェノ名無し−
>>254の続き

『闇ゾイドバトル』(7)


「あと、10日だね♪」
アーシャの突然の呼びかけにヴィルの思考が中止される。
「今回は割増報酬だったし、浴衣でも買おっかな〜♪」
まだ、完全に現実に戻ってない頭でぼんやりと生返事を返すヴィルを気にするでもな
く、アーシャは話続けている。
「…でね、どう思う?」
「え…スマン、聞いてなかった…」
意見を求められて初めてアーシャの顔を見ると、普段の3倍ほどに頬を膨らませて、
こちらを睨んで不満を表している。
こうゆう時は子供っぽいんだよな、と自分が怒らせた事を棚に上げて吹き出しそうに
なりながら「浴衣だろ?白系のがいいな」と話をそらす。
「…それじゃなくて、」白系のがいいな、が効いているのか顔を赤くしながら続ける
「なぜ、特別割増なんてしてくれたのかって事よ」
「さあな?何せよく理解できん人だし…」
そう言いながら、ヴィルは知っている、例の依頼の前報酬だ。
内容が内容なのでアーシャには秘密いしてある。
「ん〜ま、いっか♪ ね、次はどこに行く?」
アーシャのこの明るさに何度救われたことか、それでも、いや、だからこそ今回の話
は秘密にして置いた。あまりに残酷だから…

何軒かの店を回り浴衣を買ったり、ゾイドのパーツを注文した。
終戦記念祭の派手な飾りが付けられた時計台を見やりそろそろ時間なのを確認して小
腹が減ったな、と話を切り出す。
アーシャはその挙動に気付きながらも「そうね、どこかで食べて行く?」とあわせる。
ヴィルが言わないと決めたら決して言わない事を知っているから、それが、大抵は自分
のために気を使っての事も知っているから、アーシャは気付かぬフリをする。
もちろん、ヴィル自身それには気付いている。
理解しながら、理解し合えない二人は自分の道を行く事しか出来ないまま、一軒のラウ
ンジへと向かった。