自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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255最後の決断
>>238の続き
誇りと刃と復讐と(19)

嫌な風切り音がまた聞こえた・・・。それは死神が鎌を振るう音だ。
カノントータスの方向と、敵ライガーの方向は、一致していない。正面に敵ライガー、14時の1kmの後方にカノントータス。そして、真後ろにアドッサの乗る『ポーン』。
迷っている訳には行かなかった。
助走を付けて、跳ぶ。
アリアは、Eシールドを全開にして、『ルーク』を形成炸薬弾の弾道に分け入らせた。
着弾!
それは轟音と閃光と煙を辺りを撒き散らした。
その瞬間、『ルーク』のコクピット内は、赤一色に染まり上がった。
 カノントータスの突撃砲を真正面から受けたのだ、それはコマンドウルフを5機を相手をして4機撃破したばかりの『ルーク』に取って、相当な過負荷だった。
 機体各部のコンディションセンサーが異常を知らせるべく、けたたましい音と光を走っている。
 ディスプレイが悲鳴を挙げるかの様に、文字が流れていく。
 そして、FCSが絶望的な一文を寄越してきた。
『エマージョンシー:Eシールドジェネレーター出力低下:Eシールド使用不可』
 空気を震わせる音と共に、Eシールドは壊れかけた蛍光灯の様に、数回点滅して『ルーク』の正面から消えた。
無論、敵ライガーがこんな場面を逃すわけがなかった。
間合いを取りながら、ニ連加速ビーム砲が火を噴く。
着地と共に、着弾。
何とか、体をよじり、直撃だけは間苦れたが、コクピットの後方、たてがみに相当するEシールド発生装置を奪い去った。
 そして激震を襲うコクピット内で、彼女はその事に気付いた。気付いてしまった・・・。
「ふっ」
一瞬逡巡してから、何かを覚悟して不適に彼女は『ルーク』のコクピット内で笑った。
口の端から、一条の血が流れた。それをそのままにして叫ぶ。
「決めるわ。覚悟なさいな!!」
 敵を前方に見据えて、操縦桿を力一杯に前に押し込んだ。
 Eシールドを持たない『ルーク』に取って、それはまさに特攻に近い物であった。