>>211 『ルーク』に向けて火線が飛び交う。
だが、それはすべてシールドに寄って阻まれたり、そもそも当たりはしなかった。
彼女の操縦センスはすごかった。
緩急を付けた走り、左右への反復。まさにスピードを操っている。
まるで火線の中を泳ぐように『ルーク』が駆ける。
飛翔。
突然、目の前の敵を見失い、うろたえたウルフ3に頭上から激突。
脚に装備されたストライクレーザークローで圧し掛かる。
ウルフ3は呆気なく、だが凄まじい圧壊音を立てて四肢を崩壊させ、その場に潰された。
その衝撃で砂埃の舞う中、『ルーク』は沈黙した『ウルフ3』を足蹴にして、右腹側部の8連小型ミサイルポッドを展開させ、ノーコントロールで近くの『ウルフ4』に向けて全弾発射した。
それを目隠しにして『ウルフ4』に飛び掛り、ミサイルが多少被弾して体勢を崩した『ウルフ4』の頭を…コクピットを右前脚で、はたき倒す。
前のめりに『ウルフ4』は倒れ込み、沈黙した。
一分強の時間で、後、一機。
『ウルフ5』は、逃走を図ろうとしていた。
アリアは、それを見逃す事にした。アドッサのことが気になっていた。
しかし、逃走しようとした『ウルフ5』は、何物かによって離れたビームによって、コアを打ち抜かれ撃破された。
見やる。
赤黒い色のシールドライガーがそこに居た。
どうやら、自分の出番だと判断したらしい。
二機のシールドライガーは200m程の間隔を隔てて静かに対峙した。