>>210 誇りと刃と復讐と(16)
コマンドウルフは5機。アリアは馬鹿正直に突進してくる奴を『ウルフ1』と名付け、その右後方で援護をするのが『ウルフ2』、左後方で援護するのが、『ウルフ3』と『ウルフ4』、真後ろに控えているのが『ウルフ5』とそれぞれ名付けた。
シールドライガーは、そのもっと後方に居た。
自分が出る幕でもないと判断したのだろう、面倒くさがり屋の悪党の考えそうな事だ。
「好都合な事、まぁ、そこで見てないさい。慌ててからじゃ遅いけど。」
彼女はそう微笑むと、操縦桿を押し込んだ。
彼女と『ルーク』はすごかった。
その俊足は、何者も寄せ付けはしなかった。
接近し、飛び掛って来た『ウルフ1』の首筋に噛み付き、振り回して、敵の射撃を防ぐ、そして、『ウルフ3』、『ウルフ4』の方に投げ飛ばす。
驚いた『ウルフ3』、『ウルフ4』は一瞬、躊躇した。
だが、『ウルフ2』、『ウルフ5』は、まだまだ撃って来る。
放たれる『ウルフ2』のニ連砲は、首を振って正面からEシールドがはじき返した。『ウルフ5』のはそもそも当たらなかった。
すかさず、背部の装甲の下に収納された二連装加速ビーム砲が展開して、Eシールドカット、カウンターとして発射する。『ウルフ2』は正確にコクピットを打ち抜かれて、その場に崩れ去る。
射撃後も体勢を崩すことなく、すかさず左に飛びすがり、『ウルフ3』の二連砲を避けた。
シールド全開で間合いを詰める。後3機。