自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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210罠(2)
>>209の続き
「えっ」
 何が起きたのか、アドッサには分からなかった。
「アドッサ!」
 アリアが叫ぶ。
 足元の何かが爆発した。設置されていたのは地雷だった。
 脚だけを?ぎ取る事を目的とした普通の地雷とは違う、殺傷を目的としたゾイド用大型地雷。
 アドッサの乗るコマンドウルフは呆気なく、爆発に飲み込まれた。
 警告音と共に急にレーダーに反応が出始める。敵の存在を表す光点で6つ。
囲まれた。戦力分散をしていたのが、仇になった。
 待ち伏せしていたのだ。
逃げ出すグスタフは、本命でもあったが、囮でもあったのだ。
 派手に逃げる事で、こちらの注意を引く。分散させ、各個に撃破するつもりなのだ。
 敵の戦力を見誤った。
見やる。前方に半月状に囲むように、コマンドウルフ5機、そして、その後方にシールドライガー・・・。
「な・・・。」
 まさか、敵もシールドライガーを持っているとは思いも寄らなかった。

 シールドライガーは共和国内では、ゴジュラスに続く高級機だ。戦闘用ゾイドの生産管理は、非常に厳しく。しかも生産後は軍で厳密に管理される。兵器が民間人に流出するのを防ぐ為だ。
 だが、違法所持戦闘用ゾイドの数は、国内ではたくさんあると言われている。
 その理由が、グランドカタストロフィー。
こいつは恐らく、グランドカタストロフィーのドサクサに紛れて、共和国軍の管理から離れたシールドライガーだろう。
グランドカタストロフィーは、政府の機能を著しく低下させた。その時にこの様な「ならず者」が大量に現れたのだ。
今では、力を取り戻した共和国政府が対応し、随分と駆逐されたが、彼らは彼らで組織化し、裏の世界に溶け込む事で生き延びている。
 後で分かった事だが、敵はその派閥の中でも屈指の組織だった。
 彼らは、日々強化されていく保護政策に対し、ついに強行手段に出てきたのだ。
暗がりでよく見えないが、赤黒いシールドライガーだ。
「アドッサ!」
「何とか・・・。く、やられました。大尉。逃げてください。俺は、もう駄目です。前脚が完全に死んでます。」
「舐めんじゃないわよ。私は、誰だとお思い?」
「しかし。」
 アドッサは、通信系を確認する。
 良かった、まだ辛うじて生きている。
「各機に連絡、本機は現在、戦闘中。援助求む。」
 だが、返ってくるのは、ノイズだけだった。妨害電波発生装置が近くにあるのか、遠距離通信が封じられていた。
「大尉!」
「やかましいわよ。いいからさっさと離脱しなさい!」
 しかし、一人でこれだけの数、しかも相手には同系機であるシールドライガーまでもがいるのだ・・・。
「行くわよ、『ルーク』!」
 構うことなく、アリアの乗る『ルーク』は突撃を開始した。