自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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178ミーティング
 長いので分けた。
>>177の続き

 レオマスター、シールドライガーを駆るレオジョッキーの中でも特に優秀なパイロットに送られる憧れの称号だ。旧大戦の頃、ある戦線の戦況を覆したシールドライガー突撃部隊全員に送られたのが最初であり、なごりで戦争のなかった時代でもその称号は共和国軍で脈々と受け継がれていた。現在7人ほどいる。また、シールドとレオの紋章を授かる。
 実は戦争が始まる直前ぐらいにアドッサ中尉も階級アップと共にその称号に選ばれた事があった。ただし、それを名乗っていられたのは、たった一ヶ月である。
 レオマスターはその強さの証としてシールドライガーDCS―Jと呼ばれるカスタマイズされたシールドライガーを受理することになる。
 DCS―J。DCSとは、ダブル・キャノン・スペシャルの略で腹部ギミックに搭載された大砲二門を積んだ兵器ユニットの事を指す。Jとはジェット、内部機関を強化したと言う意味だ。
 DCSユニット搭載に伴い、20t近くも機体が重くなった為に通常であるならばライガーの機動力は落ちる。しかしDCS―Jは、それを「内部機関を徹底的に強化する」という事で補うという、無茶苦茶な発想の元、カスタマイズされた機体だ。
 だが、無理をした結果、非常に扱いづらい機体と化し、乗りこなせる人間が極々少数に限られた為に製造はたった7機で終わった。レオマスターが七人しか居ないのもその為である。
 扱いづらいが、当然、乗りこなせれば強い。レオマスターの称号を授かった人間はそれを当然、扱ってみせた。レオマスターの証であるこれにケチをつける者など今までは居なかった。
 だが、10分ほど試運転をしていたアドッサ大尉は、突然格納庫に戻ると整備兵に、後に伝説となる台詞を言い放った。
「DCSユニットが重い、外せ。」
 上層部はこれに対し心良く受け止めなかったし、何より技術班の反応が良くなかった。DCS―Jは、DSCとJで一つの完成形であるのだ。示しが付かないからユニットを付けたままで納得しろと、再三勧告したのたが、アドッサはその度に「俺の愛機は最速である必要がある! というか『ルーク』の方がいい!」といって突っぱねた。
 そうこうやっているうちに一ヶ月が立ち、いきなり戦争が始まった。帝国が西方大陸に侵入したとの報告を受けた共和国は、軍を至急西方大陸に送る事を決定した。
 上層部は優秀ではあるが問題のあるアドッサをこの派遣軍に入れる事に速攻で決定。レオマスターの称号の剥奪、DCS―Jの返却、おまけで特進取り下げで、西方大陸行きの輸送船に彼の小隊ごとぶち込んだ。
 しかし、レオマスターの称号こそ失った物の、称号より自機に対するこだわりに掛けた事にほんのちょっとの尊敬と、多大なる皮肉を込めて皆、彼をレオマスターをゴミ箱に放った男、『レオダスター』の愛称で呼んでいた。