自分でバトルストーリーを書いてみよう!!

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177ミーティング
>>175の続き
誇りと刃と復讐と(9)

 ミーティングも終わり、アドッサは、会議室を出た。
 連隊長などいう大役を預かったせいで、今まで休みなしで作戦をまとめ、一々、作戦の概要を伝えた・・・肩が凝る様な思いだ。
 息を吐く、あまりいい気分ではではない。相棒を失い、慣れない仕事。そして仲間たちの消沈した雰囲気。
 ジェノザウラーの説明をした時、皆、その性能に愕然していた。
 あれが量産体制へ完全に移行する事になれば、もう共和国に勝ち目はない・・・。
 ジェノザウラーに対する対処法は、一応、無理はしない程度に足止めをする。遠距離攻撃に徹する。荷電粒子砲を撃ちそうになったら、逃げる。という消極的な行動をする事に決めた。
 圧倒的な戦力差に、どの兵器、戦術をぶつけても意味がないからだ。
 恐らく、奴が量産化テスト機体であり、あまり無理をしてまでこちらに攻撃をかけず、じわりじわりとこちらを嬲る様に攻撃をしかけてくるだろうというだけが唯一の望みだった。
「隊長、本当に撤退ですか? 私は、納得いきません。」
 声をかけて来たのは、ハイドの続く、アドッサの部下の生き残りミゼルフ・ミニマ少尉だった。彼もまたレオジョッキー、真面目が軍服を着ている典型的な古風な軍人で、愛国精神にあふれている。中々、端正な顔の造りをしており、普段は伊達めがねをかけていた。シールドライガーDCS『セラフ』を扱い、正確な射撃の腕は、アドッサも信頼を寄せていた。
「あのなぁ、ミゼルフ・・・。説明したろ、この基地にはもう、あの中隊とやり合うだけの能力はないんだ。」
 ミゼルフは根が真面目なだけに、苦い顔で諭すようにアドッサは応えた。
「我々の任務は帝国の脅威から共和国を守る事です。ここで、踏ん張ってみせないと、後方の仲間が・・・。ジョニーも、ラオも、キース、彼らの死が無駄になります。」
 先の戦いで失った部下の名前だ。全員、コマンドウルフの操縦者だった。
 全員、警戒の尖兵として、編隊の前部を担当しており、ジェノザウラーに真っ先にやられた。同じ小隊であったアドッサ達のライガー三機はその後ろに続いていたのだが、敵はライガーに挑むのは得策とは思わなかったらしく、そのまま、別に部隊に攻撃を仕掛け始めた。アドッサ達はその場で遠距離攻撃の足止めを食らったために仲間を助けられなかった。
「そんな事、言うな。分かりきった事だからな。」
「『レオダスター』の名が泣きますよ。」
「お前までそんな事言うか。」
 アドッサは、更に苦い顔をした。