('A`)クダラネェ スレタテヤガッテ
うんこゲッツ
「撃ち方!用意!」
ダブルソーダの観測情報は、十分信頼できるものであった。
アンダー海の制海権を巡る争いに敗れた共和国軍であったが、強電磁海域トライアングル・ダラスに
航行可能な回廊を発見し、暗黒大陸への進撃路の確保に成功した。
我が海兵師団も、暗黒大陸に上陸し、ガイロス帝国に止めを刺すべき、トライアングル・ダラスを北上
していたが、我々を待ち受けていたのは、祖国を守るべく防衛線を敷いている帝国軍でもなく、暗躍する
謎の部隊アイゼン・ドラグーンでもなかった。
海岸で接触した村の人々は、奴らの国をディガルド武国と呼び、奴らのゾイドを「銀色のゾイド」と呼ん
で恐れていた。その「銀色のゾイド」とやらは、実弾兵器もビームもレーザーも通用しないと聞く。その情
報がでたらめでない事は、奥地へと向かった偵察部隊が、その身を犠牲にして証明した。そして、奴ら
がこちらに向かってきていることも教えてくれた。
「ハジメ―!!」
海兵師団の保有する1個重砲大隊(ゴルドス中隊×1・カノントータス中隊×2)の砲撃が始まった。
その圧倒的火力。村人達も驚き目を丸くしている。
数分後、砲撃が終わった。
ダブルソーダからの報告によれば、辺り一面が黒焦げになり、森が1つ消滅しているという。
「やったか?」
海兵師団の全員がそれを期待した。だが…
<駄目だ!損害は軽微!奴らがまた前進し始めた!>
戦いは始まったばかりであった。
「カトキハジメー」
「かときすなをー」
「イシガキジュンヤー」
「オオガワラー」
「コバヤシマコトー」
インスパイア乙。
ブレードライガーとゼロシュナイダー大活躍の予感。
連中のレーザーブレードは理論上すべての物質両断できるし。
しかもそれが部隊編成できるほどいる。
逆に言うとそれ以外の連中はせいぜい荒法師。
元ネタスレほどの活躍は期待できないな。
共和国軍(ガイロス・ゼネバス両帝国軍)がディガルド武国に対して優れている点
・空軍の作戦能力
単機における性能は、ディガルド側にも見るものがあるが、飛行ゾイドが珍しがられるあの世界の
空軍力は、戦略爆撃機(サラマンダー)や早期警戒機(レドームプテラス)まで保有する共和国空軍に絶対に及ばない。
共和国空軍は、レドームプテラスの警戒能力を生かし空中戦をできる限り避け、対地攻撃を重視するだろう。
・情報収集能力
ディガルド側もゾイド探知機を保有しているらしいが、ゴルドスやゴルヘックスなど専用の電子専用ゾイドを保有する
共和国軍に対して、索敵能力や通信能力において劣っていると考えられる
・戦術、戦略面
これまで大国との大戦を何度も経験した共和国軍と小規模なレジスタンス集団との戦闘しか経験していない(と思わ
れる)ディガルド軍との間には、雲泥の差がある。
ジパングのようなスレだなw
>>1 元ネタの分家は好きだ。
特に大日本帝国が〜のやつが。
まあなんにせよSS職人が居ないことには始まらない。
>>11どっかでリーオ弾頭製の砲弾作らせればいけるかも、、
>>16 でも、大量生産は難しそうだから、
ガンスナイパーかスナイプマスターあたりに狙撃させるか
ディガルド軍の補給部隊発見の報が偵察部隊より届いて10分。
「銀色のゾイドの弱点は口」ディガルド討伐軍の使者を名乗る人物が言った事だ。
その使者とやらは、上空でこちらの様子を見ている。
<照準は?>
「問題ない。すべて順調だ」
スナイプマスターのスナイパーズシートに座る狙撃手は、照準装置に映る「銀色
のゾイド」、バイオラプターの一点に集中していた。
「今だ!」
トリガーに添えられた指が引かれ、スナイパーライフルより144ミリ弾が放たれる。
風を切り、空気を貫き、進む砲弾は、ものの見事にバイオラプターの口に吸い込まれた。
同時に周りを囲んでいたスナイプマスター、ガンスナイパーが次々と射撃を行なう。
護衛のバイオラプタ―4機は、20発以上の精密射撃を受け、ついに沈んだのだった。
そして、その後は、一方的な戦いとなった。ガンスナイパーの8連装ミサイルポッド
より放たれたマイクロミサイルが、輸送用のバラッツに殺到した。
「なんて力…」
上空を旋回するレインボージャークのパイロットは、その圧倒的火力を前にただ驚くばかりであった。
「当分、こんな戦い方できないな」
スナイプマスターの狙撃手は、コナゴナになったバラッツを前にタバコに火をつけた。
彼らの予備弾薬は、決して多くはない。今回、ガンスナイパーのミサイルを景気よく使ったのは
使者へのサービスに過ぎず、いつもは歩兵を前進させ、制圧する。
「まぁ、なんとかなるか」
ウホッ燃えるな!!!
つーかこのネタでアニメの続編つくれるんジャマイカ?
ゾイドも兵器として重要だが歩兵は軍隊にとってもっとも重要な物だから
武装SSや親衛赤軍を配備汁!!
戦場からリーオの弾丸回収する場面希望
24ゾイドがいればバラッツ以上に活躍できるのに…
>>11 マッド部隊に依るサンダークラッシュっつか、サンダーホーンとか、ウルトラの踏み潰しとか。
本当に、他のゾイドじゃ効かないのか?と。他は・・・キンゴジュのSSBとかか?
プラズマ粒子は効くんだろ?お空の人がバイオに使うだろうし。
ギガがバイオをぶちのめすSSキボン
それはこの板で読めたと思う…
偽りーのーこのー場ー所でー夜明けをー待ーち続ーけたー
遠く、遠く、あの日見た空のよーぅにー♪
キングゴジュラス単身でディガルト軍のバイオゾイド部隊を
蹂躙・壊滅させて、ディガルト軍に戦慄を奔らせるSSを。
さすがに禁ゴジュが出てくると、話の収拾が
付かなくなるんジャマイカ?まあ何にせよSS職人gj!
「全く、バケモノっていうのはああいう連中のことを言うんだろうな」
ヘリック共和国陸軍アーノルド=ハイマン曹長は誰に語りかけるでもなくそう吐露した。
今、彼とその乗機コマンドウルフAUは苦境に立たされていた。
彼の小隊は部隊間の連絡の任務を遂行中であったが、
現地調達の地図が非常にいい加減なものであったために
自分たちの現在地を確認できず、アーノルドは霧の中で部隊とはぐれてしまった。
そんな時に絵本の中に出てくるようなラプトルのお化けとでも言うべきゾイド、
3機のバイオラプターと遭遇してしまったのである。
完全に虚を付かれた形となったアーノルドはじりじりと追い詰められつつあった。
こうなったのもすべてはあの訳のわからない骸骨野郎が原因だ。
決してミスで道に迷ったせいでも、機体の整備状態が不十分だったからでもない。
そうとでも思わずにはいられなかった。
あの日、共和国軍第一次ニクス大陸上陸部隊が目的地である暗黒大陸ではなく
この月が一つしか見えない謎の世界にたどり着いてからはまさに受難の日々であった。
ここが惑星Ziであることは現地の住人がモルガやコマンドウルフをはじめとする
西方戦争やかつての大陸間戦争で用いられたゾイドを所有していたことと、
部隊に同行している地質学者や天文学者の見解からも明らかであった。
ただ、彼らと共和国軍では大きくゾイドに対する認識が異なっていた。
ここではゾイドは"造る"物ではなく"掘り出す"物であることだ。
そのため部品の調達が事実上不可能であり、(弾薬や弾はなぜかそれなりに出回っているが)
破損した場合は自己治癒能力による再生を待つか、
同型のゾイドを分解して部品にする共食い整備での対処が強いられた。
また、恐竜型のゾイドはなぜか現地調達が出来ない為、
部隊内でも配備数の減少が問題となりつつある。
そして、ここには惑星Ziや地球の古代の征服者達がそうであったように
武力によって世界制覇を成し遂げんとする大国が存在していた。
その国、「ディガルド武国」は各地の町や村を制圧し、日に日にその勢力図を広げていた。
共和国軍は偵察部隊がゲリラに誤認されたためかディガルド武国に攻撃を受け、
その部隊を迎撃、殲滅させたことにより彼らと敵対することとなっている。
今、共和国軍は生き延び、帰還するための方法を探す時間を得るために
対ディガルド組織と連携を取ろうとする派閥が中心であるが、
ディガルドと通じてこの世界で地位を得ようと考える者も少なくは無かった。
今、アーノルドが遭遇している「バイオラプター」と呼ばれるゾイドは
ディガルド武国の主力機である。
純粋な機体性能は帝国軍のレブラプターとさほど変わらないが、
髑髏のような外見の銀色の装甲は通常の攻撃は受け付けない。
正面から対抗するにはエース用の機体であるブレードライガーや
最新鋭機ライガーゼロシュナイダーの持つレーザーブレードを用いるか、
ウルトラザウルスやゴジュラスをはじめとする大型機の重量で
内部のフレームを粉砕するしかなかった。
もし怒れる雷神マッドサンダーが完成していれば大きな戦力となった可能性が高いだろう。
ひょっとしたらジェノザウラーなどが持つ荷電粒子砲も有効かもしれない。
上陸部隊の精鋭、閃光師団やウルトラザウルス護衛部隊はともかく
大多数を占めるそれ以外の機体では口の中の火炎弾発射口を狙う必要があり、
これまでより複雑な戦略、戦術が求められた。
準備が整っている攻撃作戦ならともかく単機で、
しかも支援は期待できない現状で1対3の数的不利、
さらに装甲の性能の違いと言う状況から考えるまでも無く
これを打ち破り本隊に合流することは至難の業と言わざるを得なかった。
周囲に敵機の気配は無い。しかし奴らは確実にこの近くにいる。
アーノルドは慎重に歩みを進めた。
1対1ならば自分にも勝機がある。そう思っていた。
しかし現実はそんな希望的観測を許してはくれなかった。
視界の外から轟音を上げて飛んでくる火の玉を確認した時にはもう遅かった。
左前足に直撃した敵弾は装甲板を吹き飛ばし、コマンドウルフの動きを止めさせた。
相手に先手を打たれてしまったのだ。爆音を耳にした他の敵機も集まってくる。
アーノルドは恐慌と焦りのなかで、自分が今とるべき行動に対して考えを巡らせた。
こんな異郷の地で死ぬのはゴメンだ。そう思いながら、ふと視線がある一点に注がれた。
バイオラプターのコクピットの中、奇妙な計器類に囲まれ、コードでつながれた
不可思議なスーツを纏い、異様な覆面を被ったと思われる姿のパイロットは
ボイスチェンジャーを通したかのようなくぐもった声で自らの本隊に現状を連絡していた。
コマンドウルフタイプ一機撃破。
周囲にその味方と思われる反応はあったが追撃中にレーダーからの反応が消失、
追跡は断念せざるを得なかった。また、コクピットにヘルファイヤーが直撃したため
データの収集は不可能と判断、謎の大部隊に関する情報は未だ不明……
ある小高い丘の上で一人の男が去っていくバイオラプターを見つめていた。
「やっと行ったか…アイツには可哀相なことをしてしまったな」
その呟きは自分の身代わりとなった相棒に対して向けられた悼みの言葉であった。
その姿はアーノルド=ハイマン曹長その人だった。
彼はとっさにシステムを自動操縦に切り替え、コマンドウルフから脱出していた。
その時に持ち出したゾイドギアを握り締め、アーノルドは丘の下を見やった。
そこには白い大型の狼型ゾイドが先程の戦闘の流れ弾で地中から姿を現していたのであった。
アーノルドはもちろんそのゾイドが何であるかは知らない。
暗黒大陸に乗り込んですぐの頃の共和国軍には
未完成であったため配備されていない機体であるからだ。
しかし彼はそのゾイドが持つ力強さを直感で感じ取り、たまらずコクピットに滑り込んだ。
その瞬間彼の脳裏に一つの名が浮かんだ。
「ケ…ケーニッヒ…ウルフ……?」
ケーニッヒウルフ。初めて見るゾイドの名称が突然思い浮かぶなど非科学的だと思いつつも
彼の心はかつて感じたことのない高揚感に包まれていた。
真に命を預けるに値する相棒と出会う瞬間とはこのようなものなのであろうか。
即座にゾイドギアからコンバットシステムをインストールさせ、起ちあげる。
これで計器はすぐに使えるはずだ。間接類にもほとんど異常は見られない。
地中に埋まっていたはずの機体がこうも簡単に動き出すことに軽い衝撃を覚えていた。
問題はせいぜい燃料がわずかしか入っていない程度である。
早速レーダーに目をやるとレーダーにはノイズがかかっている。
このかかり具合から判断すると友軍のゴルヘックスに間違いない。
それもかなり近くまで来ている。どうやら捜索部隊の様だ。
そう結論付けた次の瞬間、アーノルドはゆっくりと新たな相棒に呼びかけた。
「おはようケーニッヒ、腹ペコのところ悪いが早速友達を紹介してやろう」
上手く書けてますGJ
最後の行に感動した。
よし、今日からここはSSスレだ!
今俺の中でSS職人は神
>>26 マイバトストスレで見たぞ。後は自分で探せ。
ケーニッヒが白で良かった
43 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/09(水) 23:27:03 ID:KCokGOxU
up
「共和国軍がCE世界に召喚」なら考えた事があるんだがなぁ
カオスっぷりが半端じゃないぞ、それw
ウルトラ艦隊が消えてしまった元の世界ではどうなったか考えてみる。
アンダー海海戦で大打撃を受ける前に消失が起こったとすると、ガイロス主力艦隊は未だ健在。
共和国軍はトライアングルダラス回廊を確保できず、エウロペに封じ込められてたーり。
戦争が長期化すると国力差からガイロス軍の攻勢は不可能になり、なし崩しに本土防衛・洋上阻止型に基本戦略がシフト。
プーも全面戦争の混乱に乗じたゼネバス復興を諦め、ガイロス帝国の実権掌握と穏健的なゼネバス人地位向上策に
転じざるを得なくなたーり。
>>32 念のために言っておくが
第一話でカノントータスの荷電粒子砲
見事にはじかれてたぞ。
今週ディガルドの裏に天空人がいることが明らかになった訳だが
もし天空人が共和国軍が召還された事を知ったら
ギルドラゴンとかデカルトドラゴンが投入されるだろう
49 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/15(火) 21:00:16 ID:5FFxgqdW
>>47 知らない人が多いんだけど
第一話で出てきていた亀はビームトータスといってBLOXの一種。
あの光線兵器が荷電粒子砲であるかどうかもわからない。
ゾイドの名前からして荷電粒子じゃない可能性が高いような。
その前に荷電粒子砲だってピンキリな事に気付いてよ。
下はディロフォースから上はガン・ギャラドまでって所か?
いや、下はサイカーチスから上はキングゴジュラスまで、だろ
ミロード村の亀さんの粒子砲はドムの粒子砲と同じ威力しかない罠
ウルトラ艦隊だけってのが苦しいな。もっと色々と自由度高めても良いと思うのだが。
艦隊1つ分だから色々乗ってると思うよ。
ギガ以降のゾイドが使えないじゃないかと叫びたかっただけでふ
スンマセン
>>54 >>1に帝国も可って書いてあるくらいだし、ウルトラ艦隊にこだわる必要はないでしょう
東方大陸に撤退後再び中央大陸に上陸するときの艦隊とか。
むしろ現共和国軍と新たに召喚された旧ゼネバス/ガイロス帝国軍との
対決のシチュエーションも見てみたい。
槍もちデッドボ反則だよウボアーみたいな。
運命のいたずらによって時空を超え、未知の世界へと降り立った
ヘリック共和国軍第一次暗黒大陸ニクス上陸部隊は
侵略国家ディガルド武国との対立の構図を深めていった。
共和国軍はディガルド軍と対立している人々との協力体制を結び、
彼らからはこの世界の情勢に関する知識やゾイドや弾薬、
食料や医療品といった生活必需品にいたるまでの様々な物資の調達を受けた。
一方の共和国軍は、単純な戦力の貸し出しや作戦立案などの直接戦闘行為から
荒廃した都市の復興、大規模開発の援助や技術指導も行った。
基本的に中世レベルの技術力しか持たない彼らに対して必要以上に肩入れし、
「技術の前倒し」的なことを引き起こすのはどうかと言う意見もあったが、
こちらが隠そうとしても好奇心旺盛な職人たちは次々と学び取っていってしまった。
さながら幼い子供が恐ろしい勢いで本の中身を記憶するようであったと言う。
いずれは彼らも共和国やディガルドに匹敵する技術力を持つことになるだろう。
共和国軍とディガルド軍の戦況は現在、「一応」共和国軍側優勢で進んでいる。
なぜなら共和国軍から見て、ディガルド軍の戦略レベルはせいぜい近代レベルである。
それ故に現代的な戦略を駆使し、なおかつ強力な航空戦力や電子戦力を持つ共和国軍にとって、
ディガルド武国の軍隊自体はさほどの脅威ではない。
完全な共和国ペースで戦況が進まないのは圧倒的な耐久力を持つ敵機、
バイオゾイドに原因があった。
作戦行動自体はお粗末であるが、撃っても撃っても弱点に当たらなければ何度でも立ち上がる
ゾンビのような外見通りのタフネスさは、まさに一騎当千と言っても過言ではない。
そしてもう一つ、非常に大きな落とし穴があった。
当然だがディガルド武国と戦うのは共和国軍だけではない。
元キダ藩藩主ラ・カンを筆頭とした反ディガルド組織の者達である。
もちろん彼らの中にも青い未確認型のライガーを駆るエース、ルージ・ファミロンのような
目覚しい活躍をあげる者も決して少なくはない。
しかし、大多数の兵士たちは功名心ばかりに目を奪われ、
隊列を乱してそれぞれがバラバラで敵に向かって自滅していく等、
全くと言っていいほど部隊内の連携がとれていなかったのである。
先程ディガルド武国の軍事レベルを「近代レベル」と評したが、
ゲリラ部隊の軍事レベルは例えるなら「中世レベル」に毛が生えた程度であったのである。
また、彼らが戦力と考えているゾイド乗りも、乗るのが精一杯の者も多い。
共和国軍もそんな兵士に足を引っ張られる形での手痛い敗北も幾度となく経験している。
そのため彼らに対する軍事関連の教育はこの世界を生き抜く上で
非常に重要な課題の一つであった。
……
ここは高山地帯のカールイっていう村。
俺達第13プテラス小隊はこの村の近くに潜伏しているという
反ディガルド組織の連中の訓練のためにやってきた。
ここに着くまで敵と出会わなかったのは本当にゴルドス様々って奴だ。
ディガルドの連中が今のところ電子戦にはからっきしって噂は本当みたいだ。
ゲリラとは割りとすぐに合流することが出来た。
あいつらも俺達と同じ飛行ゾイド乗りで、そのことに誇りを持っている。
飛行ゾイドはこの世界では非常に希少というからだ。
確かにここに来てから、レイノスやストームソーダーどころかプテラスの一機も見たことがない。
だから、あいつらの誇りに思う気持ちも十分理解しているつもりだ。
俺のじいちゃんもペガサロスやレイノス、バトルクーガーを乗り継いだ歴戦の空の勇者だから。
……でも、口には出さないけど俺も、ハル隊長も、他の皆もこう思ってるに違いない。
「Ziに初めて降り立ったグローバリーの乗組員ってやっぱりこんな気分だったんだろうか?」
あいつらと初めて会ったとき、山ほど驚かされることがあった。
合流ポイントに指定されたのは森の中の洞窟だった。もちろん隠れ家なんだが、
一つ大きな理由があった。それはあいつらのゾイドが、ザバットだったからだ。
ザバットの野性体は元々鍾乳洞に住んでいるからこんなところに集めたんだろう。
むしろ以前中央大陸にいた頃散々煮え湯を飲まされた"あの"ザバットが
味方と言うことに驚かされた。しかしそんなのは小さな事だ。
実際、ここじゃ帝国のモルガもライモスも共和国のゾイドに混じって普通に運用されてる。
永遠のライバル機であるはずのシールドライガーとセイバータイガーが
肩を並べて戦っていたのを見た時は正直な話ちょっと感動した。
また、新兵の俺が言うのも変だが腕も悪くはない。
代々ゾイドを受け継いできた家系というから、俺より若い奴でも
時々ハッとする様な華麗な操縦テクニックを見せる。
下手にシステムに頼らないからゾイドの本来持っている資質を生かしていると言えばいいのか。
(まぁその分生まれつきゾイドを動かせないって奴もいるが)
それを見たあの厳格なハル隊長が「これなら操縦訓練は必要ないな」と微笑んでいたのが印象に残った。
でも今、その我らが隊長様はストレスで胃をやられて寝込んでしまっている。
まぁ、その、はっきり言うとあいつらとの関係はあんまり上手くいってない。
きっかけは最初の操縦訓練後のことだ。
いい物を見せてもらったお礼にサービスのつもりで
うちの部隊のメカマンがザバットを軽くばらしてメンテしていたら、
「ご先祖様の遺した一族の宝に何をする! 」だってさ。
今度は逆に機械のことをほとんどわかってないのが悪い方向に出たみたいだ。
マグネッサーの"マ"の字もわからないのにかなり無茶な運用をして、整備はほぼ自己修復任せ。
かなりガタが来てたらしい。あの華麗な操縦にも裏が色々あるみたいだ。
それ以来、何をするにも連中と俺たちの間ではトラブルが巻き起こる。
例えば、連携行動の訓練中にもターゲットのデコイへのとどめを、
こっちが指定した操縦者以外もターゲットを狙ってしまって
訓練にならなかった。その事について問いただしても聞く耳を持たない。
そのほかの訓練にしても同じだ。俺たちの言うことは聞いてもらえず、
その度にあいつらはこう返してくる。
「俺たちには俺たちのやり方がある。だから指図は遠慮してもらいたい」…ってな。
人をわざわざこんな遠くまで呼びつけておいてどういうつもりだ!
…と、みんな思っているだろう。俺だって当然怒ってないわけがない。
でも、俺はこう思う。戦闘訓練は単なる言い訳に過ぎない。
あいつらはきっと自分達の力を自慢する相手が欲しかったんだ、と。
さっきも言ったけど、この世界で飛行ゾイドにはめったにお目にかかれない。
こんな都市から離れた場所ではなおさらだ。
そこに同じ空飛ぶゾイドに乗った連中が来てくれると言う。
それがどれだけ嬉しいことかぐらいは俺にだって想像できるから、
少なくとも俺は、多分他のみんなもあいつらを責めたりしない。
俺たちもあいつらも、根っこをたどればおんなじ空に魅せられたモノなんだ。
いつかお互いにどういうやり方で付き合えばいいか自ずとわかってくるだろう。
それはきっと、上下の関係とかじゃない単純な共感みたいな物だろうから。
…でもしばらくはハル隊長の胃痛は止まらないだろうなぁ。
次の日の昼、相変わらず仲良く?ケンカしながら訓練を続けていると、
俺の隣を飛ぶヘキサ伍長のプテラスに何かが命中した。
失速し、不時着していくプテラスの翼は凍り付いて動かなくなっている。
レーダーのギリギリから高速で飛行してくる機影が五つ確認できる。
―敵襲だ!
俺たちではゲリラの連中をかばいつつ、フォーメーションを組もうとするが上手く行かない。
原因は肝心の隊長がまだテントでおネンネの真っ最中であることと、敵機の性能のためだった。
敵の新型バイオゾイド「バイオラプターグイ」の性能は未知数だ。無茶は出来ない。
しかし敵は冷凍ガスのようなものを吐いて遠慮なく、また確実にこちらを追い詰めてくる。
万事休すか…? そう思ったときだった。
あいつらから通信が入ってきた。
「お前達は多くの敵と戦う術を知っていると言ったな? どうすればいいんだ!?」
それは、あまりカッコのいいことじゃなかったかもしれない。最悪、惨めに写るだろう。
それでも、その時確かに俺達は初めて思いが通じたように思った。
それから俺たちがディガルドの新型を撃退するまでにさほど時間はかからなかった。
単純な戦法だが、時間差攻撃を利用したのだ。
まず俺たちのプテラスで牽制攻撃を仕掛け、相手の体制を崩す。
飛行ゾイドは基本的に旋回中に回避行動を取るのは不可能だ。
そしてそこに個人の操縦技術に優れるゲリラのザバットで確実にとどめを刺す。
敵の装甲は例によって堅牢だが、飛行中にバランスを失った者を待つのは地面だけだ。
無理に相対速度をあわせ、弱点をつく必要はない。
万が一ゾイドが無事でも中のパイロットが無事では済まないだろう。
一機、また一機と敵の新型はきりもみながら山肌に墜落していく。
最後に残った一機も最高速度はザバットやプテラス以下だったと見え、逃げ切れず草原に落ちていった。
その一機が泡を上げながらフレームが蒸発し、骨の残骸が残される。
俺達は勝った。元の洞窟近くの広場で、俺達は声を上げて抱き合い、
散っていった仲間のために声を上げて泣き、最後に勝利の雄たけびを上げた。
そこにはもう昨日までいがみ合っていた兵隊と戦士の姿は無く、
同じ空で、同じ志の下で戦った戦友同士の姿があった。
何だ、やっぱり皆単純だったんだなぁ。
調査の結果、見張りのゴルドスも凍りつき、通信機能が使えなかった事がわかった。
どうやらディガルドは電子戦の対抗策をどこかから入手し、こちらのアドバンテージを
徐々に奪いつつあるらしかった。
俺達はいつまでも未来人気取りではいられない。
でも、いや、だからこそ、甘いかもしれないけど俺はこう思う。
同じ想いがあるならばいつか、誰とだって肩を並べて歩ける。
そこに生まれた時も場所も関係ない。
目指すものが、根底にあるものが一つならばそいつはもう仲間で、友達だ。
…と。
追記。
↑を真顔で言ったら周囲から一斉にツッコミが入ったのはここだけの話にしておいてくれ。
やっぱりこのスレって面白ッ!
久しぶりにSS職人が来てくれるとは起きてた甲斐があるってもんだ。
プテラスとザバットが共同戦線とは燃えるシチュエーションだぜ。
いいね。
なんかGZザバット欲しくなってきたぜ
年 月 5日
年代日付共に不明。日付は遭難からのカウント日数とする
気候的には夏が近づいていると推測されるが、
元のZiとは気候がまるで違うので今を春と呼んで良いのかは不明。
地軸が3以上の回数のベクトル変動を受けている。
1日の公転周期は98.94%。一年は96.5%程度(実地データ不足)。
衛星が2つ消滅。惑星上に衛星の残骸リングらしきものが存在することを重力場で観測。
やっと少し落ち着いた。私はどうやら未来と推測される別世界で生きている。
地獄にしては随分変わったところだと思っていたが、謎の新兵器で死んだわけではないらしい。
不謹慎ではあるが、私はこの事態を喜んでいる節がある。この点は周囲に隠したほうがよいだろう。
運良く配備されていたのが環境及び、地質調査の装備を積んだゴルドスだったこともある。
調査対象が暗黒大陸から、はるか未来と推測される場所に変わっただけだ。
とりわけ、私の命題とする、惑星そのものが生命の進化を促すゾイドではないのかという仮定に
大変興味深いサンプルとしてこの惑星がある。興味は尽きない
<eof>
帝国も召還されるのだろうyか
ZAC世界から減った分はどこの世界から来る何で穴埋めされるのだろう
年 月 7日
スタートレックという宇宙の冒険と異性人との接触を描いた地球のテレビドラマがある。
このシリーズで開拓期をテーマにしたものがあり、言葉が通じない未知の異性人と
コンタクトを取るのが主な話であった。私は少々滑稽であると思いながらも楽しんでいた。
まさか我々がそれと同じ状況になるとは思っていなかったが。
我々の現地人(?)とのファーストコンタクトは人口数百人の小さな都市であった。
そして言葉が通じなかった。大将を金銀に着飾って偉い人だと分かりやすく表現したりと
苦心してみたが、大隊である我々は、彼らには宇宙からの侵略者とも写ったのだろう。
なかなか交流はできず、城壁の入り口付近で睨み合いの形となった。
転機が思いもよらないところで起こる。ディガルドと呼ばれる勢力が、銀色のゾイドに乗って
街を襲い、それを撃退することで敵でないことを証明できた。
急務の翻訳機の製作には苦心をした。主に古代ゾイド語を元にしているが、
語尾の変化ヴァリエーションが非常に多彩である。
隊に古代語マニアがいたのが幸いであった。たった半日で基本的な会話パターンを
くみ上げることができ、ある程度の意思疎通が可能になった。
しばらくは、ここでの言語のさらなる研究が任務となるだろう。
言語においても、我々とこの星では、かなりの共通点がある。
そう時間がかからず、現地語(?)を覚えることが可能と、例のマニア談。
また、はるか未来の惑星Ziであるという可能性がさらに高まる。
うp
78 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/23(水) 22:33:38 ID:sW+DfFEF
「どわあああ!」
せっぱ詰まった声をあげてフットペダルを思い切り踏み込む
右足を軸に急旋回したゴドスは間一髪ヘルファイヤーをかわした
偵察小隊の仲間はさっさと後退してしまったらしく目の届く範囲にはバイオラプターしかいない
こっちは1体相手は4体うれしくて涙が出る
1体のバイオゾイドがこちらに向かって跳躍する、回避しようにも逃げ道は無い
その時敵ゾイドの横っ面に銃撃が叩き込まれた
「援軍か?」
俺のゴドスと銀色のゾイド、両者が首を回した先に彼らはいた
赤、青、黄色、ピンク、緑
五つの色に染められた5体の虫型ゾイドが
そらあかんわ
共和国軍がバラッツのコアブロックス見たら何て言うかな
おったまげただー!
あげ
>78
もっとも当てにならない援軍がーーw!!
83 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/24(木) 20:59:00 ID:v1Q3jlPc
「蝶のように舞い蜂のように刺す」かつてそう称された名ボクサーがいた
「ゴキブリのように這い南京虫のように咬む」彼らにはこの言葉を送ろう
フットワークを駆使し隙を見て大顎で攻撃する虫型ゾイド(フィラソードという名は後で聞いた)
だがその攻撃はバイオラプターに何のダメージも与えていない
バイオラプターもこれだけ体格差のある相手はやり辛いのかチョロチョロと逃げ回るフェラソードをとらえきれない
加勢しようかずらかるか
蚊帳の外に置かれた俺が身の振り方を考えているうちに一団となって遁走に移るフィラソード
一団となって追いかけるバイオラプター
俺もゴドスを走らせる
別に考えがあったわけじゃない、気は心というやつだ(違うか)
出足で距離をかせいだフィラソードだが直線コースでは馬力の差がものを言う
じりじりと距離を詰めるバイオラプターはフィラソードを追って岩山に空いたトンネルへ殺到する
ごべしゃっ!!
トンネルの入り口で見えない壁に激突したかのように大破するバイオゾイド
「は、はは・・・はははははははははっ!」
何が起きたのか理解した俺は狂ったように笑いだした
よく見るとトンネルの入り口はフィラソードが一列縦隊で通るだけの大きさしかない
バイオラプターはトンネルの周囲に黒ペンキ(?)で描かれた偽物のトンネルに頭から突っ込んだのだ
84 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/24(木) 21:31:50 ID:+Cnyq9vJ
超無敵期待age
(´・ω・`)知らんがな
年 月12日
我々は現在2つの課題を抱えている。
ひとつは、どう生き延びるか。
もうひとつは、どうやって元の世界に帰るか。
前者は問題ない。彼らは生粋の戦士だ。新しい戦場、戦術に即座に対応をしている。
問題なのは後者だ。頻繁に議題にあがる。そして私はその答えを出せずに、
未来である可能性すら隠している。
仮にここが未来である場合、戻る方法は絶望的だと考えるからだ。
単純に未来に来ることは難しくない。冷凍睡眠をして適切に解凍される状態があればいい。
しかし、過去に戻る方法は存在しない。数万という年を一瞬で我々は寝過ごした可能性があるのだ。
この大地が仮に遥か未来であるならば、親しい友人、愛すべき家族、国家、
その全てがこの地で一生を終え、骨となり、やがて大地と溶け合い完全なる無に帰している。
我々の多くは、その戦う目的の多くが、かけがえのない守るべき仲間によるものではないのか。
そして、守るべきものを、予期せぬ事態により一瞬で永久に失ったのではないか。
その迷いから、私はここが未来だと決断できないでいる。
わが息子、アリサ、マーク。最愛の妻、エネス。
おまえ達に二度と会えないならば、何も言えずに私が消えてしまったのなら
ここは地獄以上の地獄だ。死よりも残酷な限りない理不尽の極みだ。
哀れなほど必死に、別の宇宙や別の時間軸の星である証拠を探している。
>>83 フィラソードの中に一匹だけティンポくわえてるのがいてワロタ
正直、いままでの職人さんが書いたSSが分からなくなってきたんだが…
>88
その人にトリップ付けて貰ったらどうだろう?
ただその人以外お断りみたいな空気になるとそれはそれでつまらんと思うが
>>88 俺は混沌としてるこの流れがいいと思う
いままでの人も1人とは限るまい…だったりして。
よく見たら作品ごとに読点、句読点が
文末に付いてたり付いてなかったりするので少なくとも二人はいると予想。
こんな事言うと作者認定されちゃうかもしれんがw
無敵団のくだりも良かったと思うぞ
作中で取り上げられてもおかしくないようなナイス作戦だったし
ギガがいたらバイオラプターなんてサックスティンガーと同じ運命(※)を辿りそうだ。
※ 文字通り塵と化す(ギガのバトストより
装甲は耐えられても関節の方がいかれて・・・って奴か
まとめサイトが欲しい所だよね
まだ100レスも無いじゃないかー
どっちかって言えば過疎気味だよな
でもだからといって人一杯来て荒れるのも嫌だからこのままのマイナースレでも構わない
>>87 何言ってるかわからなかったが、やっとわかった。
一箇所だけフェラソードになってるw
どうせならこの世界の技術を取り入れて、リーオ製の牙と爪を装備したゴジュやジェノの
活躍も見たいもんだ!!俺は文章力無いからパス
デス様マダー?
101 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/25(金) 21:45:58 ID:3lUCTafd
「こんな漫画みたいな手でバイオゾイドを倒しちまうなんてなあ・・・」
感心すべきかあきれるべきか
俺がリアクションに困っていると岩山の頂上に隊長機らしい赤いフィラソードが現れた
「仮面はつけてないだろな」(何を言ってるんだ俺は)
とにかく挨拶はせねばなるまい
岩山に向かってゴドスを進ませると突然立ち上がるバイオラプター
やべ、くたばり損ないがいたか
ヘルファイヤーの砲口がフィラソードに向けられる、考えるより先に愛機が反応した
「ゴドスキィーック!!」
必殺の前蹴りがヒットするとジョイントがへたっていたのかバイオラプターの頭は首から外れあさっての方向へ飛んでいった
今度こそ4体とも機能停止したのを確認し改めてフィラソードへ向き直る
ハッチが開くと馬鹿でかいライフルを背負った少女が姿を現した
少々キツ目だが顔もスタイルもなかなかだ
にやけそうになる顔を引き締めると俺はコクピットを開け放ち立ち上がって手を振った
ワクワクテカテカしながら続きを待つよ
ゾ版の職人はレベル高け〜な。
素直に面白いわ、続きヨロです。
職人さんたちの登場ゾイドセレクトが渋くて好き
ビーム兵器やっぱりバイオに効いてないね、
死んだフリだったし。
直撃しないとな。
107 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/27(日) 14:32:03 ID:ZLM9xXQG
「うーまーいーぞー!!」
俺は今無敵団(最初聞いた時はギャグかと思った)のキャンプで晩メシを御馳になっている
本隊と合流しようかとも思ったが現地の反ディガルド勢力とコンタクトを取るのも任務の一つだ
フトモモに釣られたわけではない、断じてない
オカッパ頭の少年が作った料理はしばらく携行食が続いていた俺には口から怪光線が出るほどの衝撃で冒頭の歓喜の叫びとなった訳だ
このまま一生ついていこうかと結構真剣に考えたのはここだけの秘密だ
彼らのキャンプはコンテナの間に天幕を張った簡素なものだった
聞けば決まったアジトを持たず生活用品一切を背負って各地を転々とするジプシーゲリラ部隊だと言う
なるほど本拠地を持たず常に移動を続ける相手を捕らえることは困難だ
言動はふざけているが馬鹿ではない
なんて事を考えているといきなり結構近くで轟く爆発音
「サイコ!」
「承知!!」
リーダーの少女の呼びかけに答え刀を背負った少女が大木に駆け上がると跳躍して姿を消す
おのれは甲賀者か?
公式設定ではオーガノイドシステム改良型がエヴォルトらしいよ、
こりゃあムゲンライガー、デスザウラーくらいなら簡単に倒しそうだな。
HJ設定は公式じゃありません。HJの香具師が勝手に考えた設定です。
って言うか、HJのストーリーとかはHJが勝手にやって勝手に
でっち上げたもんだったはず。何しろトミーの香具師が
HJ誌上でのインタビューで、ゾイドの設定に対する質問に、
各自で自由に作って楽しんでくださいとかそういう投げやりな事
言っちゃったばかりに・・・。いやいや本当ご苦労様。そして残念でしたね。
俺はCAS改良型であろうと勝手に思ってる。これなら付け替え用の支援機とか必要ないし。
111 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/28(月) 21:24:03 ID:7E2XRGNA
「ムウ、ゴトシ、移動準備だ!テンは周囲の警戒!!」
ぬう、プロの兵隊顔負けだぞこやつら
慌ててゴドスを起動させるといつの間に戻ったのかNINJYA娘が自分のゾイドから通信を入れて来る
「状況は把握した。ガイスティングが1体、バイオラプター2体に追われている」
「仕掛けは使えるか?」
「4番が近いな、上手い具合に今夜は雲が多い」
「よし、あたいとサイコが行く。あとの奴らは4番で待機だ,無敵団出動!」
「「「「「ラジャ!!」」」」」
いかん、ついノッてしまったorz
年 月 18日
私は戦争部品回収のジャンク屋に生まれた。
泥棒まがいの貧しい暮らしのうえに明日の命の保証がない生活が嫌で必死で勉強をした。
しかし、ジャンク屋の生まれが非常に役立っている。皮肉なものだ。
ここでは、ゾイドは掘り起こすもので、ほぼ換装が済んだ状態で埋まっているようだ。
また野生ゾイドというものも、今のところはであるが、見当たらず、人の手によって
戦闘ゾイド化するという方法もないようである。
当然ながら補給は受けられないので、主に発掘ゾイドからの部品供給に頼らなければならない。
はじめ私は発掘ゾイドからの部品は我々のゾイドとは性質が少々違う部分があるので
神経パルスの拒絶反応を起こすのではと疑った。
しかし、実際には何の不都合なく高い適合をしており、むしろ、発掘ゾイドの部品が元の体で
あったかのような具合でもある。
この現象の解明にかなり時間を費やしたが、どうも、その理由は燃料物質であるレッゲルにあるようだ。
レッゲルはジェネレータから産出されるイオン化したゲル状の物質で、私の科学の常識としては
限りなく非効率な燃料である。外気に触れて12時間もすると石化をはじめ(このメカニズムは不明)
イオン濃度も薄く、不純物だらけなのである。我々が泥水に砂糖を入れて栄養補給するような、そんな燃料だ。
しかし、レッゲル使用による効果なのか、我々の持ち込んだゾイド自身が
この星に合わせて適合、進化を行っているようなのだ。
また、多くの不純物は、自然治癒再生能力を劇的に高めている。本来神経系のない外装にまで
新陳代謝を行い薄い保護幕、皮膚を形成しているのである。
換装が終わったままの状態で保護されて発掘する理由にも関連がありそうだ。
検査設備がないので詳しくは調べられないのだが、レッゲルにはナノマシンの類が
含まれている可能性が高い。そして、そのレッゲルを出すジェネレータの謎がより一層深まる。
部品交換をするだけでも、さまざまな発見があり、謎が蓄積される。
整備班と共同の肉体労働が面白いという研究者は私くらいだろう。
>>112 いいね…これ。
個人的にこのたった一つの書き込みで
ドラマを想像させて物語が完結してるように見えるのが好き。
この調子で読んでいきたいなぁ
>113
同感
各職人さん達はこれからもどんどん書き込みしていって下さいな
116 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/29(火) 08:01:06 ID:1E2YnXhi
俺は今黄色とピンクと共にキャンプからちょい離れた谷底にいる
俺の目の前には得体の知れないスクラップで組まれたフィラソードのハリボテが鎮座ましましている
「何をやろうってんだ?」
「すぐに分かるわよぉ」
心臓に悪いからオネエ言葉はやめてくれデヴ
「ジェロニモー!!」
やたらノリのいい掛け声とともに降ってくる3体の虫型ゾイド
そら無茶やでと思ったがよく見ると谷間に何重にも張られたロープで落下の勢いを殺している
見事に着地を決めた赤と青のフィラソードとガイザックよりふたまわりほど小さなサソリ型ゾイド(これがガイスティングだろう)が岩陰に隠れると同時にハリボテに点火するピンク
この暗さなら遠目には転落したゾイドが大破炎上したとしか見えない
谷底で息を潜めること数分、上で見張っていた緑から連絡が来る
「行っちゃったです〜」
「よっしゃ、作戦成功!」
「やりましたね御姉様」
「フッ、ディガルドのぼんくらどもが我らの智謀を見破るなど一億と二千万年かかっても無理なこと・・・」
ホント見てて飽きない連中だ
GJ!!
ホント、読んでて飽きないSSだw
GJ!!
119 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/11/29(火) 22:05:37 ID:RI632rwJ
舞台は再度無敵団のキャンプ
ガイスティングに乗っていたのはアネットと名乗る少女だった(ここで萌えキャラ投入か)
彼女の村はディガルド討伐軍に協力した疑いをかけられ見せしめのために村人全員が処刑されると言う
それを聞いて黙っている無敵団ではない、だが問題は
「相手はメガラプトル3体、それと歩兵が3〜40人か」
「まともにぶつかるのは自殺行為だな」
「今からじゃ罠を仕込む余裕もないわねぇ」
どう知恵を絞っても勝てる要素は
「あった!!」
突然大声を出すアネット、もう恍惚の人か?
「村からひと山越した所にある遺跡でゾイド用の武器が掘り出されたんです、村のバラッツには大き過ぎたんで遺跡に置きっ放しになってるけどあのゾイドなら・・・」
熱い視線の先には俺のゴドス、畜生そう来たか
そんな訳でアネットの案内で遺跡にやって来た俺達
防水シートの下から出てきたのは
「くそ、パイルバンカーだぜ!!」
>>119 イイイイイイィヤッハァ!wJ!!
そいつあぁ漢の証!!w
wJGJ!!
121 :
1/2:2005/11/29(火) 23:15:03 ID:???
お 袋 さ ん
ウルトラザウルスがこの世界に辿り着いてから放った通算6発目のバスターキャノンが、
事の発端だった。轟音と共に銀色の敵ゾイドを吹き飛ばし追い散らした着弾地点、すり鉢状
に穴の開いた斜面の一部分には、ぽっかりと口をあけた空間があった。地元の <ゾイド堀り>
たちが <ねぐら> と呼ぶ、古よりゾイドが眠り続ける空洞である。
これが、私達と「埋もれたゾイド」の2つ目の遭遇例となった。本国からの機体と資材、備
品の補充がままならず、現地で機獣を購入するすべの乏しい(何しろこの世界では戦闘に
堪えうるゾイドが市場に出回る事すら非常に稀なのだ)現状においては、はるか暗黒戦役時
の夏始にも等しい恵みである。すでに音紋による地中探査が技官の手により発案され、
<上陸地点> 付近では数度試みられていたものの、未だ芳しい成果は上がっていない。そこ
に来ての「小型ゾイド10機分発掘」の報であった。私が士官・下士官・兵を問わず艦隊における
全兵士の規律を預かる立場でなければ、同僚達とともに貴重な蒸留酒を1杯ずつ回し飲みす
る程度には喜んでいただろう。
そうなのだ。問題はその機種にあった。正しくは、その機種10機分の操縦席と同化したパネル
にデザインされ配置されていた碑文が私の頭を悩ませた。
幸せな発掘例であった1例目、ケーニッヒウルフと名づけられた白く大きな狼型とは対照的な、
赤く小柄で丸い饅頭のような蟹型戦闘機械獣。その窮屈な操縦席へと真っ先に踊りこんだ民間
人の研究者によれば、キラードームという名が判明したという(直ちに私のもとへと報せを届けて
くれた彼がもし軍人ならば、ケンドール章を授けたいところだ)。重装甲で覆われた頭頂部に設け
られた操縦席には、私達が対峙する筈だったガイロス帝国特殊部隊の暗い秘密がのたうつ蛇の
如く刻印されていた。
『我ら鉄竜騎兵団、ガイロスの為に戦わず 只ゼネバスの為に死す』
122 :
2/2:2005/11/29(火) 23:16:20 ID:???
軍上層部の間では、ガイロス帝国の暗部には旧ゼネバス軍閥による一大勢力が存在するという
ほぼ常識となっていた。し
かも敵ガイロス国防軍の権力構造の相当上部まで食い込んでいるという見解すら、一般的であった
と聞いている。だがそれも
昨日までは話の上でのことであった。目の前に我が軍の知らぬ新型ゾイドという実体をとって現れた
復讐は私の心を打ち砕か
んばかりであった。
我が艦隊の人間のおよそ3割が、デルポイ大陸西部出身者である。多かれ少なかれ地底族・ゼネバス
の血を引く兵士達。
浅黒い肌に快活な気性がとても魅力的な彼ら。ニクス大陸において捕囚となっている旧ゼネバス系の
人々を共に救い出さんと、私のような大陸東部の人間と同じ未来を望み進んで軍務に就いている彼ら。
彼らが悠久の時を経て今尚生き永らえる呪わしき呪文に触れたとしたら、どのような思いを抱くのであろう
か? 自らの血脈に流れる炎が再び燃え上がるような事はあるのだろうか。万が一かつての世界への
帰還を果たせたとして、この先に三度風族・海族と地底族が争う未来が約束されているのだとしたら……。
既に発掘の吉報は艦隊中を走り回り、最早隠し立てすることは不可能であった。私は憲兵隊の士官達を
引き連れ、地元の工員を使って金属板を上から1枚ずつ溶接させて隠蔽に及んだ。ひとまずは封じ込める
事ができた。
しかしながら永きに渡る眠りの内に、あのパネルがキラードーム自身の肉体そのものと認識されていた
場合はその限りではない。今はただ、あのおぞましい呪詛のごとき一文が操縦席に浮き出る事のないよう.
願うばかりである。
2/2の上半分が改行ヘンだ、スマソ。
ここは大陸東部のとある山岳地帯。
私、ハインツ=ガスター少佐が不本意ながら指揮しているヘリック共和国軍工兵部隊は
ある情報を頼りにここまでやって来た。
俗称を「仙人の山」という。
昔からこの辺りではゾイドが数多く発掘されており、発掘を生業とする
言うなれば「山師」のような者が隠れ里に今も篭っていると言われている。
「言われている」というのは、近年その山に登る者もめっきりと減り、
またそこの住人も俗世間を捨てて、仙人のような暮らしを好むと言われ、
詳しい現地の状況が確認できないためである。
しかし、これが事実ならば不足しがちなゾイドの機体や部品を調達できる良い機会である。
また、人の住むところには「レッゲル」を産出するジェネレーターがある。
レッゲルとはこの世界特有の赤い液状もしくはゲル状のゾイド用の燃料だ。
詳しくは現在研究チームによって解析が進められつつあり、
その特異性とゾイドに与える影響が注目されていて、研究者にとっては魅惑の新素材と聞くが、
私からしてみれば品質が場所によってまちまちであるのが難点の代物である。
また、学者共に言わせるとジェネレーターは一種の環境浄化装置のような役割をしていると言う。
だがそれも私には関係ないことだ。
私はただ任務をこなすだけだ。そこがどこであろうと関係ない。
それより、有力なレッゲルの産地が次々とディガルド武国に抑えられている以上
こちらとしては少しでも多くのレッゲルを確保する必要性がある。
司令部は直ちに実態の調査と発掘したゾイドやレッゲルの輸送ラインの確保のため、
新型ゾイドスピノサパーを擁する私の部隊を派遣した、というわけだ。
スピノサパーは新型機ではあるが純粋な戦闘用ゾイドではない。
50年前の旧大戦時の教訓を元に、
地形の複雑な暗黒大陸ニクスにおいて旗艦ウルトラザウルスの進行ルートを
大型削岩機「レーザーエクスカベイター」や電動ノコギリ「レーザーチェーンソー」をもって
切り拓くために開発された戦闘工兵ゾイドである。
これから赴く場所の情報が不明瞭な現状、この任務にこれほど適したゾイドはいない。
しかし今はまだ我々はホバーカーゴの中で待機を強いられている。
以前バトルローバー隊やレドームプテラスが手に入れた地形データを元に立てた綿密な計画も、
ここに来て今一度考え直す必要があるからだ。それというのも……
「てぇへんだ親方!」
少佐と呼べ。今私は作業日誌の執筆で忙しいのだ、用事なら後にしてくれ。
全く、どうもうちの部隊構成員には大工気質な者が多くて困る。
正直私は未だ彼らに馴染めないでいる。
参謀室の左官クラスの私がこうして現場に出ているのは深刻な人材不足のためだ。
本来ならこのような現場の人間とともに行動することはなかったはずなのである。
何処の何者かは知らないがこのような事態を招いた者にはそれ相応の裁きを下してやりたい。
「すいやせん、つい…そんなことよりまたいつものアレが出やがりました。
コレじゃあとてもじゃねぇけど作業なんてできやしやせんぜ!」
またか…。
我々の行く手を阻む物、それは敵軍ではなく自然現象であった。
このどこまでも続くかのような深い霧である。
そもそもレドームプテラスが地形情報だけを持ち帰り、
現地に人がいるかどうかを確認できなかったのがこの霧のためであった。
レーザー解析によって地形は把握できたものの、これで着陸できるわけがない。
その上電波を通さないため現地の状況をつかむことは不可能であった。
しかもプテラスが調査した頃はまだ限られた地域だったのが最近は明らかに拡大している。
もはや人為的な匂いさえするこの霧をどうにかしない限り我々の任務はスタートさえ出来ない。
荷電粒子砲でもブチ込んだら晴れるかなーと、ふと考えて溜息をつく。
「少佐、気を確かに! 目が座ってましたぜ…というかそんなもの俺たちゃ持ってませんよ」
む。考えている事を口に出してしまっていたというのか、いかんいかん。
そもそも撃ち込んだところでどうにかなるものでもないか。
私としたことが冷静さを欠くとは…いかんいかんいかん。
しかしどうしたものか。これでは仮に工事を、もとい任務達成し、ルートが確保されても
グスタフやホバーカーゴもまた視界を奪われ、まともに移動することさえ出来ないだろう。
全く「仙人の山」とはよく言ったものだ。
地球の伝説によると霊山に住む仙人は霞だけを食べて生きていると言うが、
これでは大豊作にも程がある。
「て、て、てぇへんですぜ、親方!!」
だから少佐と呼べと言っているだろう貴様ら。それとノックくらいしろ。で、今度は何だ。
霧ならもう間に合ってるぞ。それとも恐怖のノコギリ男でも出たか?
「す、すいやせん、おや…」
OK次言ってみろ、私には明日の貴様の食事を抜きとする準備がある。
ていうか貴様ら絶対ワザと言ってるだろ。
「申し訳ありません、サー!」
わかればいい。で、話はそれたが結局何があったというのだ?
大分あわてていた様子だったが。
「へ、へい。今日もこの霧じゃ工事なんてできねぇと思いまして」
任務遂行、な。我々は大工とか工事会社ではないのだから。
「へ?でもここに来る前はでかい川に橋を架けたりしましたぜ」
横から茶々を入れるな。あれは戦略上必要なことだった、ただそれだけだ…って
また話が脱線しそうだ、先に来てたお前は下がってよし。では続きを。
「へい。それでスピノを引っ込めてたら、いきなり子供が出てきて…」
怪我をさせたのか! それとも踏み潰したか!? いかん、私の出世が!
「…いえ。ケガはしてないんスけど、はしゃいで暴れて手が付けられないんで、
どうすればいいかと思いましてね」
とりあえず私の首はつながったと見え、ほっと一息ついた。
…が、すぐに疑問が湧き上がってきた。そもそもその子供は何処から来たと言うのだ?
ここから最も近い村でも50km程離れた所にある。
決して無理な距離ではないが子供の足だ。その上この霧の中ではあまりに不自然である。
何かが引っかかる。それを解明すべく、私はその子供と会う事にした。
その子供はところどころ穴の開いた痛んだ服を身に着けて黒目がちの大きな目を輝かせ、
スピノサパーやプテラスの周囲をうろちょろしていた。
「少佐、あの子供です」
見れば分かる。何か分かっていることはないのかと部下に訊ねたところ
「いやね、だいたいああやってゾイドの観察してるんですが俺たちが話しかけると、
『やっと来てくれたんだね』だの『早くお空に連れてって』だの、なんか
俺たちを誰かと勘違いしてるみたいなんスよ」
と、どうにも要領を得ない。やはり直接尋問するしかなさそうだ。
「おっちゃんがここのいっちゃん偉い人? ねぇねぇ、早く僕をお空に連れてってよ!」
誰がおっちゃんだ。とはいえ一目で私を責任者と見抜くとはなかなか見る目がある。
少年よ、なぜわかった?
「だって偉そうにいばっててさ、それに服の感じもぜんぜん違うもん。誰だってわかるよ!
あと、僕の名前はザズっていうんだ。ちゃんと名前で呼んでよ!」
何様のつもりだ、これだから最近の子供は…という思いを封じ込め、質問をすることにする。
「お…少佐、大人気ないッスよ」
何、私はまた考えていることを口に出していたというのか?
「いえいえ、見りゃ分かるッス」
そうか、善処しよう。それとザズ君…だったな。私も出来ればおっちゃんではなく
ハインツ少佐と呼んでいただきたい。お空に連れてってというのはどういうことかな?
それと、どうしてこんなところにいるのか説明してくれないか?
「うん。わかった、ハインツのおっちゃん!」
どうやら私にとって肝心なことが彼には伝わっていなかったようだ。
ともかく、そのザズ少年の言うところによると、こういうことである。
ザズ少年はここから最寄の村の住人ではなく、霧で地形が判別できない地域の村から来たという。
つまり情報は事実であり、今でもゾイドが次々と発掘され、ジェネレーターも大きくはないが
存在し、純度の高いレッゲルを産出し続けていると言う。
それにこの霧も昼間ならば村を外敵の侵入から守るために川から得た水をジェネレーターで加工し、
量を調節して辺りを覆うことができるという話だ。
ではなぜザズ少年はこんなところにいるのかと部下の一人、ヤガミ軍曹が問う。尤もな意見だ。
外界から隔絶された暮らしを好む彼らの方から我々に接触してくる理由はないからである。
「銀色のゾイドだよ。あいつらが僕らの村を乗っ取っちゃったんだ!
父ちゃんや母ちゃんたちが僕たち子供を逃がしてくれたんだけど、その後で
旅の人に助けられたんだ。」
じゃあ君はどうして一人でこんなところにいるんだと聞こうと思ったが、やめた。
大方この霧で他の皆とはぐれてしまったと言うのが関の山だろう。
それより目的地にディガルド武国が先にたどり着いていたと言うことが問題だ。
これでは私の任務は果たせないし、出世にも響いてくる。
殲滅するにしても現状の戦力はスピノサパー5体、プテラス1体、バトルローバーが三体であり、
兵士もそれほど多くは無い。応援部隊の到着は霧のために延期させられている。
これ以上連絡を取ろうものならたちどころに察知されてしまうのは明白だ。
彼我戦力差もザズの話によると敵は一個中隊クラスだ。少なくとも十機はいると見て間違いない。
しかも相手は天然の要塞とも言える仙人の山に陣取っている。
どうやってたどり着いたのかは知らないがこちらの不利な点を挙げるだけで頭が痛くなる。
「坊主、お空に連れてってってーのはどういう意味だ?」
話の腰を折るなヤガミ軍曹。とはいえ気にはなっていたことだ、黙って聞くことにする。
「だから坊主じゃないって言ってるだろ、僕はザズ!」
それにしても生意気な子供だ。情報提供者でなければ一生会話を交わすことはなかったであろう。
最近の子供とはそりが合わなくて困る。
「何度も言ってるんだから人の名前くらいちゃんと覚えてよ! 失礼だろ!」
全く同感だ、ザズ君。君とは実に気が合いそうだ。
そう言って彼の肩を叩いたら実にショットイーグルがTRZ20mmパルスレーザーを喰らったような顔をした。
鳩 豆鉄砲
お空に連れてって…ザズ君が旅人から聞いた、とある地方に伝わる伝説と言う。
ある日世界が大洪水に見舞われ、文明は破壊しつくされた。
ここまではこれまでもよく聞いた話だ。どこの地方でも伝わっていることから、
かつてこの星が我々の世界の50年前の大異変クラスのジェノサイドに巻き込まれたことは間違いない。
少し違うのは、その伝説によると巨大なゾイドがさながら地球の神話のノアの方舟の如く、
災害にあえぐ人々やゾイドを救い、空の彼方へ飛んでいったと言うことである。
ザズ君は旅人からもらったと言うそのゾイドの絵も見せてくれた。
その瞬間、ザズ君以外の私を含む全員の表情が凍りついた。
その巨大ゾイドの名を知らぬ共和国軍の兵士はいない。
「超空の最終破壊兵器」「地獄の使者」
かつて単独無補給で暗黒大陸から当時の共和国首都を爆撃し、ゴジュラスmk2やマッドサンダーなどの
並み居る強豪ゾイドを歯牙にもかけない鬼神の如き強さを発揮し、今なお恐怖を持って語られる
ガイロス帝国史上最も共和国に痛手を与えた破壊神、DBOZ−17/ギル・ベイダーの姿だった。
色は分からず、頭部のデザインにも差異がありデフォルメの激しい絵ではあるが、
その全体のフォルムと内蔵されている回転ノコギリのようなビームスマッシャー発射装置は
間違いなくギル・ベイダーと呼ばざるを得ない。
「どしたの、おっちゃん達。顔真っ青だよ?」
その声にハッと我に返る。そしてすぐこのゾイドは今どこでどうしているのかと訊ねた。
オルディオスもゴッドカイザーもキングゴジュラスもいない現在となっては
ギル・ベイダーに対抗する術は無い。もしこれが実在し、敵となればディガルドなど
問題にならないほどの強敵となることは間違いないからだ。
「ん〜とね、確かお空の果てまで飛んでって、今はどこにもいないって聞いたけど。
でもね、いつか困っている人を助けるために助けに来てくれるんだって言ってたよ。」
どうやら未だ伝説の域を出ない程度の話ではあるらしい。私達はひとまず胸をなでおろした。
「お、お、お、親方ぁ…」
貴様、明日食事抜きな。
「えぇっ!? それは勘弁…って、そんなことよりザズ坊の村を取り返すいい作戦が浮かんだんスよ!」
その日の夕刻、霧が薄れ、視界が何とか確保できたところでザズ君の村の子供達と旅人に出会うことが出来た。
その旅人にいろいろ話を聞いたが、どうやら件の伝説はヨークという村に伝わるもので、
その内容もザズ君に聞いたことと大差はなかった。
むしろ旅人と言う身軽な立場から見た世界各地の様子や、
我々を取り巻く世界情勢などの情報が入手できたことの方がはるかに有意義であったと言えよう。
また、交渉の結果彼は今後も我が共和国軍に対して定期的に記録を送ってくれる事になった。
そのかわりに支払ったバトルローバー一体は高い報酬であったと言わざるを得ないが。
「少佐ぁ、準備が整いやしたぜ!」
ヤガミ軍曹が誇らしげに大きな声でそう告げた。
作戦遂行のための準備も整ったようだ。ディガルドめ、見ているがいい。
私が伊達に参謀の肩書きを持っていないことを見せてやるいい機会だ。
ではヤガミ軍曹、仕掛けを見せてもらおうか。
あ、そうそう。次はノックを忘れないでおいてくれたまえ。
こっそり見ていたザズ君が「思いついたのはおっちゃんじゃないじゃん」と言っていたのは
聞こえなかったことにしよう。部下の手柄は私の手柄。
そして私の手柄は部隊の手柄…うん? 何で私はそんなことを考えているんだ。
部下達は皆私の部下に過ぎない、そのはずだ。
133 :
駄文:2005/11/30(水) 01:40:07 ID:???
ガイロス帝国軍大尉ゴーディ・レイバック。
ニクシー基地での戦いで愛機アイアンコングを失った私は、共和国軍の捕虜として暗黒大陸に帰還するはずだった。
しかし今いるのは営倉ではなく、アイアンコングのコックピットの中だ。
「こいつが土の中から掘り出されたものだとは、未だに信じられんな…」
ゴーディが営倉から出された時、周囲の事態は信じられない事になっていた。
ニクスへ向かうはずだった共和国軍は謎の世界へ飛ばされ、敵対勢力との交戦を開始していたのだった。
共和国軍の士官に外に連れ出され、目前の崖で発掘されているアイアンコングを見せられた。
敵対勢力「ディガルド武国」のゾイドは火器が通用しない特殊装甲が使われているため、強力な格闘戦闘力を持つコングの重要性は極めて高いらしい。
そして私は言われるがままにそのゾイドのパイロットとなったのだ。
そして今では共和国軍と共に行動し、ディガルドという国と戦い続けている。
ゴーディは監視役のシールドライガーと共に150km程先にある荒地に向かっていた。
情報によるとそこには大型ゾイド数機が埋まっている形跡があるらしい。
ゴーディのアイアンコングには発掘された時点では武器が装備されていなかったため、アタックブースターを無理矢理装備している。
そのおかげでシールドライガーと作戦行動が可能なのだ。
「生きるためとはいえ、共和国と手を組む事になろうとは…」
ゴーディはゼネバス系の軍人だ。
ガイロス帝国に良い印象はないが、それは共和国に対しても同じ事だ。
しかしニクシーで散っていった同胞達の戦いを「あの方」に伝えたい。そのためにゴーディはあえて生き恥を晒しているのだ。
134 :
駄文:2005/11/30(水) 01:46:37 ID:???
『どうやらここのようだ……』
シールドライガーのパイロットから通信が入る。目の前には剥き出しの崖。そこから特徴的なパーツが突き出していた。
「あ、あれは……」
ゴーディの頬に一筋の涙が落ちる。
長く伸びた鼻と雄大な牙……エレファンダーだ。
ニクシー基地で壮絶な最期を遂げた同胞達の顔が次々と頭をよぎる。
この世界では我々の知るゾイドが過去の遺物と化しているとは聞いていたが、なんという巡り会わせだろうか……
その時、辺りに大きな鳴き声が響いた。恐竜型ゾイド独特の咆哮音。彼方から土埃を巻き上げながら3体のゾイドが接近してくる。
陽光を反射しながら走ってくる小柄なラプトルタイプ…
「バイオラプターか…」
たった3体の小型ゾイドだが、その戦闘力は侮れない。
『撤退するぞ』
シールドライガーが踵を返す。
生半可な攻撃が通じない以上、大型ゾイド2機でも厳しい相手だ。ライガーのパイロットの判断は正しい。
しかしゴーディのアイアンコングは後退しようともせず、敵に向かい走り出した。
「あれの前で敵に背を向けるのは……誇りが許さんっ!」
ゴーディの後ろにはエレファンダーがいる。同胞達の魂を感じるあのゾイドを前にして無様な姿を晒したくなかった。
135 :
駄文:2005/11/30(水) 01:50:11 ID:???
アタックブースターを点火し、凄まじい加速でバイオラプターに迫る。
「うおおおおっ!」
コングが滑るように地を走り、ラプターに肩から体当たりする。
銀色の機体が吹き飛び、そのまま激しく地にたたき付けられた。バイオゾイドといえども凄まじい加重攻撃を加えれば破壊可能だということはすでに分かっている。
吹き飛ばしたゾイドの行末を見る間もなく、次のラプターにターゲットを絞る。
アタックブースターの最大出力で跳ねるように宙を舞い、2機目のバイオラプターの頭上から急降下した。
コングの全体重がバイオラプターにのしかかる。脚の下でまだ動いているラプターの首を掴み、ギリギリと引っ張っていく。
「銀のゾイドだって首をぶち切ればくたばるだろ……」
バイオラプターの首から火花が散り、その抵抗が止まった。
「最後の1機はっ…!!」
背後の反応にコングを振り向かせると、口を開けたバイオラプターがその炎をシールドライガーに浴びせようとする瞬間が目に映った。
おそらく避けられない。
「……ちいっ!」
ゴーディは反射的にスロットルを全開にした。
そして戦闘が終わった。
バイオラプターは全滅し、残った2体のゾイドは黒いススに塗れている。国の違う2人のパイロットは肩を組みながらただ、大笑いしていた。
ゴーディはエレファンダーに心で語りかける。
『すまない、今は国を忘れたいんだ……』
イイヨイイヨー!!!皆ガンガレ!!!
一気に増えたなあ
読み応えがあるわ
職人さん達、乙!
みなさん愛がありますねぇw
面白いです。
しばらく油断している間にイカシタSSが大量に…最高GJ!
寝て起きたら3本も増えてた!
ディガルド側に例の部隊を送り込んで良い?
どんな部隊かは知らんが、ディガルドに付くパターンはよほど腕がないと書きづらいぞ。
ディガはソラノヒトの技術独占で他を完全に見下しているから、対等な同盟は難しそう……
ラプターパイロットの中身とか、触れようとしてもまだわからない事だらけだしな
ゆっくり進めるのがいいのでは・・・
肉球。アレをむにむにするのはほんと堪んない。
ゴバク('A`)
うわぁスゲー良作が次々と、職人の方々GJ!!同じ世界観で違う話を展開するって、アンタ達何モンだ?!
「村長、いいかげんに我々ディガルド武国にレッゲルを供給していただきたい。
我々とて力に訴えるような真似はしたくないのです」
濃い朝靄の中、村の中央の広場で、幾人かの人影が対峙している。
もう何日もこのような状況が続き、お互い疲弊していた。
仙人の山の隠れ里。
今やここはゾイド掘りにのみに生きがいを持つ偏屈な山師のみの村ではなかった。
この十年ほどの動乱で、ディガルド武国の侵略により故郷を失った人々が最後に辿り着く
安息の地となっていたのであった。
「こんな朝っぱらから、あんた方もしつこい人じゃな。
大体霧を起こす丘を乗っ取っておいて今更それもないもんじゃわい」
「ワシらは戦だの何だのから逃れ、やっとここに辿り着いたのじゃ。
どうかそっとしておいてくださらぬか?」
村の老人達は疲れきった表情でそう懇願する。
彼らの精神は長期にわたる対立でもうピークに達していたのだった。
また、ディガルドにしても同じ事が言えた。彼らがここを発見したのは全くの偶然で、
中隊規模の部隊と言っても初動段階で村の持つ多くのゾイドを相手取ることを不利と判断し、
交渉のみで事を済ませようとしたのが彼らの失敗だった。
確かにゾイドは多いが村人の多くは老人か非戦闘員ばかりで
実はまともにゾイドを動かせるものは少なかったのだ。
それにまだ気がついていない上、真っ先に占拠した人工霧発生装置の影響で電波が通じず、
なかなか本隊とは連絡が取れず、取るべき態度を決めかねていたのだった。
だが、一旦本気になればこの村は瞬く間に炎に包まれ、数多くの犠牲が出ることだろう。
そして、運命の時は刻一刻と近づいていた。
「えぇい、かまわん!このような村、まとめて焼き払ってしまえ!」
「ディガ!!」
ついにディガルドの指揮官が痺れを切らし、命令を下すと同時に
一斉にバイオラプターが轟音を上げ、動き出す。そして今まさに凶弾が放たれんとしたその刹那…!
霧の中に七色の光の輪を背負った巨大な翼を持った影が彼らの目の前に姿を現した。
「た、隊長!化物が、う、うわぁぁぁぁっ!?」
「ひぃぃぃぃっ!?」
「各員落ち着け!あれはただの…うおぉっ!?」
パニックを起こし、土偶のような姿のパイロット達が不明瞭な発音で口々にそう叫びながら
一機、また一機と四方八方から無数に放たれるビームに的確に弱点を付かれ、倒れていく。
狂乱の中、何かに気づいたような一機のバイオラプターがその影の逆方向に向かっていくが、
その途端全てのビームはその一機に注がれた。それは破壊させることはかなわず
ひたすら直進している。しかしその次の瞬間、
バイオラプターは何かにコアの辺りを粉々に粉砕されてしまい、機能を停止した。
その光景は、他のパイロットにさらなる恐怖心を与えるに十分だった。
「た、隊長、これは一体!?」
「あ、あのウワサは本当だったんだ!」
「悪魔だ…翼を持った……悪魔だ…そ、総員撤退!」
蜘蛛の子を散らすように生き残ったディガルド軍は逃げ去っていく。
それは時間にしてせいぜい二十分ほどの出来事であった。
「やったぁ!すごいぜ、おっちゃん!」
少佐な。しかし思いのほかうまく行ったな。おい、貴様の食事制限を免除してやっても構わんぞ。
「へい、ゴチになりやす!」
少々用法が違うだろう、それ。しかしこの奇襲作戦が成功したのは間違いなく彼の功績だ。
敵を混乱させるためにギル・ベイダーの影を作りだすという案は、
この自然状況ではいとも簡単に作ることが可能であった。
霧の中で太陽等の光源を背にすると霧をスクリーンに自分の影が浮かび上がる。
ブロッケン現象と呼ばれるものだ。
そこにプテラスをシルエットだけならギル・ベイダーに見えるよう
ハリボテをかぶせて改造し、ライトでその姿を浮かび上がらせたという訳だ。
改造作業も手先の器用なスピノサパーと職人ぞろいのパイロットたちには朝飯前だ。
この姿が彼らを恐怖のズンドコに
「あの、どん底では?」
だから茶々をいれるな。恐怖するかどうかはともかく、レーダーに映らないとはいえ
視界がきかない中でいきなりそんな巨体が浮かび上がって来れば足並みを乱すことが可能である。
しかしさすがに近付かれたら種がばれてしまうので半分賭けのような物だった。
近づいてきた時はライティングを任せていたエクスカベイター装備の
スピノサパーが出力全開でコアを抉り潰したから助かったが。
バイオゾイドに攻撃を仕掛けたのはスピノサパーだ。
スピノサパーの装備は決して工事道具ばかりな訳ではない。
四門のビーム砲塔が自動で敵をロックオンし、貫くという高い命中精度を誇る第三の装備
「4連装インパクトカノン」を扱うことができるのだ。
四方から取り囲めばこの霧の中だ、敵はまともに対応することは出来まい。
さらに霧の中で自分の位置を見失うことの無いよう、助力を申し出てくれた勇敢な協力者達がいる。
自分の村を取り戻そうとするザズ君をはじめとした隠れ里の子供達だ。
彼らにとって、霧がかかっているといえども森は遊び場のような場所である。
そこでスピノサパーの近くにバトルローバーの残りの二機を配置させ、
子供達に同乗してもらい、そこから無線で道案内を行ったのだ。
この霧が電波をかく乱すると言っても近距離ならノイズが入る程度で十分使用に耐える。
…まぁザズ君は方向音痴がひどいので参加は見合わせてもらったが。
ともかく、私は隠れ里の存在を確認し、ディガルドを撤退せしめる事に成功した。
気がつくと、記録を終えた私を部下達が取り囲んでいた。
私に何かしようというのかと思ったが、そうではない。
彼らは私を担ぎ上げ、その場で胴上げをはじめたのであった。
「少佐、お疲れさんです!」
「少佐はやっぱり俺たちの親方だぁ!」
「あんなちょっとした思い付きでここまでうまくいくなんてさぁ、さすがだよな!」
突然のことに私は面食らってしまったが、なぜか私の心を不思議な感覚が包む。
それは会議室の中に篭っていたのでは決して味わうことの出来ない充実感であった。
それから数週間たったある日の日常風景である。
「少佐ー、今日の報告書もって来ました」
「あー」
「すいやせん少佐ぁ、この書類にハンコもらいたいんですがね」
「おー」
「…隣のうちに囲いができたってねぇ」
「へー」
「…親方?」
「貴様、晩飯抜き」
「いや、しっかり聞こえてんじゃないスか!」
あの一件以降、ハインツ少佐はすっかり昼行灯の異名で通るようになってしまった。
確かに少佐の率いる部隊は情報どおり隠れ里に到達することに成功した。
しかし争いを避け、隠れるように身を寄せ合い暮らす多くの村人達は
彼ら共和国軍への協力を拒んだのである。
結果として骨折り損のくたびれ儲けとなってしまい、
それなりの戦果を挙げたものの少佐は閑職へと回されてしまった。
今では彼の部隊は戦闘で荒廃した地域の復興活動に日々従事している。
隊員達やスピノサパーは自分が一番活躍できる場を与えられ、充実した日々を送っている。
そしてハインツ少佐はかつてのアクの強さも影を潜め、
ほとんど投げやりに毎日を過ごしているように見えた。
「少佐、ザズ坊たちは皆元気にやってますかねぇ?こう言うゴーストタウン見てると、
あいつらと同じように故郷おん出されちまった子も一杯いるって…つい、思っちまうんスよ」
「…そうだな。私はあの一件でいろいろな物を失ったが、私達は確かにあの村を守った。
あそこはあれで良かったのかも知れん。
戦いで傷ついた人々が安息を享受するための場所は必要だ。
こうして戦いの爪あとを見続ける日々を続けていると、特にそう思う。
傷ついた人々が安らげる場所を作り、守ることも大事な戦いだ」
そう言ったハインツ少佐の目には、新たな強い光が灯り始めていた。
「なぁみんな、ハインツのおっさん達って本当はお空の人だったって思うか?」
「う〜ん、違うんじゃね? だってうちのじっちゃんに絶対あいつらに近寄るなって言って怒られたぞ」
「あたちはおそらのひとだとおもう! だっておいたんたちのぞいどおそらをとんでたんだもの!」
「ザズ、お前はどうだ? 最近ぼーっとしちゃってさ」
「え? うん、あのおっちゃん達は空の人じゃないよ、たぶん。
でもさ、いつか僕もゾイドに乗れるようになったら、おっちゃん達みたいにさ」
「おっちゃん達みたいに?」
「かっこ悪くても困ってる人たちの力になれる、そんな男になりたいって…思ったんだ」
常に霧の耐えない仙人達の住まう山。
そこに生きる少年の瞳にも小さいが、強く輝く灯火が宿っていた。
大災害の中、自らの体を傷つけながらも他の命を救うため嵐の空を駆けたギルドラゴンの伝説を、
最悪の状況の中でも持てる知恵と力全てをもって銀色の亡霊に立ち向かった男達の姿を追って、
彼もやがて一人前のゾイド乗りに成長していくことだろう。
傷ついた人々の心の支えとなる、真の勇敢さを持った「英雄」に。
125-132続き〉〉凄いイイ話ダターヨ、感動した。
いろいろなことを飲み込んで活躍する、名も伝わらない共和国兵士たち(一部帝国兵士)に…敬礼!!
157 :
119続き:2005/12/01(木) 20:32:35 ID:VjhHWf1V
それからが大騒ぎだった
両腕のハサミで重作業をこなすガイスティングとメカに強い無敵グリーンの踏ん張りで超特急でパイルバンカーを装着
村を見下ろす丘の上に到着したのが夜明けと同時
これから処刑が始まるらしく村人は村外れの空地に追い立てられている
こうなっては作戦もクソもない
俺がメガラプトルを引き付けているうちにバラッツで歩兵を蹴散らし村人を逃がす
それだけ打ち合わせると二手に別れ全速力で丘を下る
奇襲で2体を倒せたのはラッキー以外の何物でもない
だが残る1体と正面きってのどつき合いになってしまった
こうなるとこちらは逃げ回るしかない
リーオ鋼とやらのパイルバンカーがあるとはいえ肝心の使い手がただの量産機と雑魚パイロットだ
1分と持たずヒートハッキングクローでしこたま切り刻まれたゴドスから脱出する俺
勝ち誇ったメガラプトルが俺を踏み潰そうと無造作に近づく
ありがとう、ベストポジションだ
「インパクト!!」インカムに叫ぶとパイルバンカーが作動
無人のゴドスから打ち出された長槍がメガラプトルを貫いた
付いてて良かったボイスオートマ
年 月 20日
ジェネレータ。
研究者の間では環境改善、しいてはテラフォーミングを目的にした装置では
ないかというのが大まかな見解だ。
我々は、プテラス、ハンマーヘッドなどの海空のゾイドを所有しており、
私達、研究班は新たに発見された無人島にあるジェネレータを調査することとなった。
誰にも手をつけられていない、この点で、ジェネレータの本質を調べられる良い機会となった。
無垢なジェネレータを調査すると、自らの排出したレッゲルに埋もれ
循環系をほとんど失っており、かろうじて機能しているという程度の存在であった。
どうもジェネレータは人の手を介して掃除を必要として、適度にレッゲルを使ってもらわないと
効率的には活動できないようなのだ。逆に、手入れというかレッゲルを多量に使われているジェネレータは
その周囲数キロに渡って森林が生い茂り多彩な生態系を育んでいる。
豊かすぎると思える程である。その上、必要以上にゾイドを動かせるエネルギー量のレッゲルを提供する。
しかし、レッゲルは使用時間制限が短いのである。
また、ジェネレータのない場所には荒涼とした土地が広がり、その間の移動にゾイドを必要とする。
何も無い土地の割合が多すぎるのも気になる。
仮に私がジェネレータをデザインすることができるのであれば、
もう少しレッゲルの量は減らし、密に点在をさせて、惑星全体を豊かにするようにするだろう。
また人の手を介さない自律した新陳代謝を行わせるだろう。
ジェネレータは非合理なのである。自然発生をしたにしては不自然すぎる存在なのである。
距離をもって点在し、人の手を必要として、ゾイドを短時間のみ必要以上に活発に動かすことができ、
まるで、人を飼ってゾイドを使って戦争をさせたがっているかのような印象さえ与える。
ジェネレータは神の悪戯なのだろうか?
首都ディグのジェネレーター最上階
天空人「今月のレッゲルにも粗悪品が見うけられますが
説明をしていただけますでしょうか?」
ララダ3世 「・・・・そ、それは各地の抵抗勢力の
反撃が予想した以上に激しくさらに最近
我が武国と同等・・・いや考えたくもありませぬが
もしかするとあなた方と同等の科学技術を有する
未知の軍勢力との交戦状態にあり・・・レッゲルの
収拾もままならない状態でして・・・」
天空人「下手な言い訳など考える暇があるのでしたら
我等が与えた技術や戦略をもっと有意義に活用してもらいたい
ものですね(嘲笑)・・・報告にある未知の軍事勢力については
我等も監視を続けていますので来月にもそのデータを提示する
事もできますが・・・来月のレッゲルに期待していますよ」
160 :
157続き:2005/12/02(金) 22:01:42 ID:IzV9DtE4
いきなりヘルファイヤーの直撃を受け爆発するゴドス
「ノー!アナキン、ノー!!」思わず混乱して訳の分からん叫びをあげてしまった
先刻俺が駆け下りた丘を今度はバイオラプターが駆け下りてくる
畜生、夕べの奴らか
立ち上がろうとしたが体が動かない
今頃になって脇腹にでかい破片が食い込んでいることに気づいた
ショックで痛覚がイカレたか、おいおい冗談じゃねえぞ
仕方ないので腰のホルスターから拳銃を抜きヤケクソ気味にぶっ放す
大爆発とともにバイオラプターが吹っ飛んだ
ウソダドンドコドーン
爆音と突風を叩きつけ巨大な影が頭上を駆け抜ける
低空で飛来したプテラスの編隊が収束爆弾を投下しては上昇していく
連続して上がる火柱の向こうに共和国軍の大部隊が現れた
来るわ来るわ、ガンスナイパー、コマンドウルフ、シールドライガーにゴジュラスまで
いつの間にか俺の傍らにはアネットがいた
泣きそうな顔で俺を見つめている
「頭の悪い監督が撮った戦争映画みたいだな・・・」
俺は気絶した
小説で『・・・小説より奇也』を演じるとはw」
今までのポップな感じから急展開?悲しい結末はいやずら・・・。
おいらはこの前見た、バンドオブブラザーズの
「来たな!第2機甲師団!」
を思い出した。
で、よく見直したら、プライベートライアンであることに気づいた
言われてみればそうやね
・・・って言うことはスピルバーグw
164 :
一発ネタ:2005/12/03(土) 03:27:09 ID:???
__,.-‐v‐、/^ン^ヽ
,. -一'´ ,fl〃リk'ニヽ、
/ ,-、 '}jリ'^´ レ',ハヘ
' ,」ハl|レ' /,:仁テ,ハ、
j厂リ'-、、 ッ一' ̄´ l
∠_−、>∠、 |
∠_ー 、ン´ ̄`ll l _
r‐イ−、ン'´ リ 丿 / /|) <・・・どこなんだ・・・此処は・・・・・?
V/ / ぃ | ̄|
\/__ム〉 / /
!?
鉄竜騎兵団もやってきたことをあらわしているんじゃないかと思ったり。
167 :
160続き:2005/12/03(土) 08:17:04 ID:FyHFgsn9
「本当に死ぬかと思ったんですよ、景気よく出血してたし『アパム弾持って来い』なんてうわごと言ってたし」
笑いながら怒るという器用な表情でアネットが顔を寄せてくる
胸の開いたワンピースを着ているので目のやり場に困る、誘っているのか?
あの後遺跡には工兵大隊が派遣され大規模な発掘が行われている
無断で隊を離れたうえゴドスを失った俺はめでたく歩兵に降格となった
今は村の入り口で歩哨などしつつアネット持参の弁当を広げている
「あの人達にお礼も言う暇もなかったわ」
無敵団の5人は村の解放を見届けると風のように去っていったそうだ
戦う相手は同じでも軍隊とつるむ気は無いのだろう
あれで結構骨のある連中なのだ
「きっとまた会えるさ」
抜けるような青空を見上げ俺はそっと歌いだした
「む、む、む、むーてーきー・・・」
>>168 ドラグーンネストとか、もう少し楽観的な解釈をしてあげようよw
172 :
164:2005/12/03(土) 12:20:02 ID:???
ウルトラ艦隊を導いたマッカーチスも一緒に飛ばされたと妄想しました。
本隊との連絡がつかず、任務性ゆえにウルトラ艦隊と合流するわけにもいかない・・・
たった一人の鉄竜騎兵団の戦いが今・・始まる!!
173 :
赤い悪魔:2005/12/03(土) 17:10:47 ID:FyHFgsn9
年 月 23日
ウエダ村を出発してトポステに向かったグスタフ12両からなる補給部隊がバイオラプター2個小隊の襲撃を受けた
護衛のゴドスはわずか3機、もはやこれまでかと思われたとき
突然先頭を駆けていたバイオラプターが転倒すると光を発して煮え崩れていく
全てのバイオラプターが残骸と化すのに1分とかからなかった
「一体どうなってんだ?」
「どうやら狙撃兵にたすけられたようだ」
「まさか、発砲音も聞こえない距離からバイオ装甲の隙間を狙って命中させるなんて人間技じゃない」
「出来るさ、『赤い悪魔』なら」
「なんすかそれ?」
「お前も聞いたことあるだろ、『マンダ峡谷の戦い』って」
それはラヴェンナ港攻防戦の最中に起こった、帝国軍1個大隊が前線を突破したのだ
帝国軍がダマに突入したら共和国軍は総崩れになる
その時後方のデポで砲身の交換を終えたばかりのガンスナイパーがあった
パイロットは機体を目立つ赤色に塗ると単身マンダ峡谷で帝国軍を迎え撃つ
ガンスナイパーはわざと自分の姿を晒し追ってきた敵をやり過してから狙撃する戦法で帝国軍を翻弄する
シールドライガーを主力とした高速ゾイド部隊が到着した時には帝国軍は30機のゾイドを失い退却を始めていた
「それからそのガンスナイパーのパイロットは『赤い悪魔』と呼ばれるようになったのさ」
はるか彼方の山頂に佇む真紅のガンスナイパー
通信を傍受していたエルザ・フリューゲル特務曹長は特徴的な赤い髪をかき上げ微笑んだ
「よく知ってるじゃないか、私のこと」
>>173 素直にナオミにしとけばよかったじゃん
と言ってみる。
いやいや、職人さんの料理次第でもっと面白くなるかもよ?
年 月 日
ディグ攻撃任務報告書
報告者 閃光師団第2大隊司令官 セレス=アルドワーズ中佐
本日、ゲリラにより企画されたディグのバイオゾイド工場攻撃作戦に対する第2大隊全機による支援任務は予定通り終了した。
大隊の損害は無し。弾薬の消費も予定範囲内。
ディガルドにとって「悪名高き」ゲリラの中心人物たちが陽動と主攻を交互に行うことで敵の混乱を誘うというプランが完璧に決まった。
当初プランを聞いた時点では敵本拠地守備隊がこんな見え透いた手に嵌ってくれるかどうか疑問だったが、敵の索敵能力・即応能力
・指揮統制能力は予想以上に低いようだ。
最終局面で敵新型ゾイドが登場したことによりゲリラの攻撃が頓挫しかけたが、我が大隊の支援攻撃により予定以上の戦果を治めた
ことが航空偵察で確認されている(資料A)。師団が保有するパンツァーパーツのほぼ全てを集中運用した圧倒的な火力なくして今回
の戦果はありえなかった。火力の集中と言う一般原則の重要性が確認できた。今後とも我が大隊による集中運用を続けることを要請する。
工場での生産が確認された新型を含めて多くのデータが採取できたが、本件については現在技術部にて解析中であるため小職からの
報告は解析結果を待って行いたい。
尚、支援攻撃により市街地に多少の損害が生じたことに対して、ゲリラのエース、ルージ氏より強硬な抗議があったことを付記する。
ゲリラ側から司令部に対し同様の抗議があった旨聞いているが、資料Aを見ればわかるように敵根拠地への攻撃と言う任務の重大性
に比すれば許容される範囲内の損害であることは明白である。現代戦を理解しない者による感情的な批判であり、我が大隊将兵は
優れた技量で犠牲を最小限に抑えていることを強調するものである。
いや、ガッチガチの軍人さんならこんなもんじゃない?
映画とかで部下の命令違反の行動が戦果を挙げて、その上
言動やら何やらが批判されて失脚するタイプ。
おお、仕事ハヤス
レイフォース自重しろw
斬りこみ部隊としてやる気まんまんだったろうから、血の気多そうだもんねえ
181 :
176:2005/12/04(日) 12:06:43 ID:???
年 月 日
セレスとレイの会話
「よぉ、珍しいな。大隊長殿が酒保にいるなんてよ。」
「たまには飲みたくなる時もあるさ。」
「・・・市街地に被害が及んだことか?だが、ありゃお前のせいじゃないだろう。
事前ブリーフィングで市街地に被害が及ばないよう使用兵器・攻撃範囲を厳しく制限していたじゃないか。
新型出現にに慌てたとはいえ、全弾ぶっ放す馬鹿がいるなんてレイフォースの名が泣くぜ、まったく。」
「それもある。だが、それだけじゃない。」
「経緯に間違いないかどうか師団長から確認に見せられたが、あの報告書のことか?
ああ書かなきゃ、馬鹿が処分される。馬鹿とはいえルージの坊や達を救おうとしてとっさにやったことで
戦果も上げたんだ。お前がかばおうとしたことは間違いじゃないだろ。」
「軍人ならそう考えて当たり前だな、確かに。」
「あん?」
「お前だって納得はしていないんだろうが、軍人ならそうやって自分を騙せる。
ルージ君に正面から責められたのが一番応えてるのさ。我ながら情けないが。
自分達だけならこんな被害は出なかった。俺達が来てから戦闘が拡大するばかりだと。
格闘戦主体の彼らの戦法なら確かに周囲への損害は最小限で抑えられる。
俺が得意な火力による制圧と違ってな。」
「味方の被害を抑えるためには火力による制圧が一番ってのはお前の持論だろうが。こっちにきてからも
立証され続けてる。・・・俺としては坊やの言うことに共感しちまうが、お前のやり方が間違いだとも思わねえよ。」
「俺だって自分が軍人として間違っているとは思わない。だがな、坊やの言うことが綺麗ごとだとも思わない。」
「じゃあ、なんだってんだ?」
「こんなときは酒でも飲むより他にしょうがないのさ。」
俺、閃光師団嫌い。何かすかしてる感じがしてさ
まぁ、その後懲罰部隊として働かされたからいい気味だけどさ
>>176 今回の話で、共和国軍が解析したデータを基に
バイオメタル製の砲弾等を作ったりするのかも。
・・・時間は掛かるのだろうが。
>>182 懲罰部隊になるかわりにバトストの最後を飾りやがったけどな
結局ゼロかよと
「我ら鉄竜騎兵団、ディガルドと天空人の為に戦わず 只ゼネバスの為に死す」
・・・って鉄竜騎兵団が現れたら面白そう。
既にいるジャマイカw一人の戦士が!!!
>186
どうする気だろう彼はw
いや、マッカチンの中には一台ビークル内蔵されてるから二人かも
…って、すでに
>>172で作者本人に一人と断言されてるかw
俺もウルトラ追尾任務の鉄竜使おうと思ったんだが…
鉄竜騎兵団が来ているとすると、共和国軍よりも危機意識が強いんだろうな・・・。
ジェネシス世界に閉じ込められたままだとゼネバス再興なんて無理だもの。
少数精鋭だからいなくなった自分達の代わりなんていないはずだろうし。
とりあえずこの世界の共和国軍と戦っても何のメリットもないから、動かすとしたら
協力関係・・・?
S(すこし)F(ふしぎ)調に鉄竜騎兵団の人のタイトルを夢想するなら
ひとりぼっちの時空戦争
とか、
大短編ザリえもん
>>164と鉄竜無敵団
みたいなw
>>190 共和国軍やグイを開発していたディガルドに対して危機感を
もった天空人が出現した鉄竜騎兵団に接触して、自分達に協力
すれば、君達を元の時代に帰せるって唆すかも。
本当に天空人が、彼らを元の時代に帰せるかどうかは別として。
>>192 共和国軍(ウルトラ武国?w)に対してもソラノヒトは同じ事言いかねないな。
あのタイツの人達の誰かを演じさせてもらうとしたら、自分は貴方達の子孫だ!とか適当言って
艦隊丸ごと味方につけたい俺エミー・カノー
鉄竜騎兵団のこの時点での任務は、ウルトラ艦隊を暗黒大陸へと引き込むことだから
自分だけが帰っても仕方ないんだよね。かといって共和国軍に素性を知られる訳にもいかなくて。
194 :
駄文2:2005/12/04(日) 23:58:45 ID:???
ガイロス帝国軍大尉、ゴーディ・レイバックは任務の為、ブレードライガーと共にある村に向かっていた。
「ある村で空戦用ゾイドが発掘されたらしい。」
それは霧の川という峡谷の間近にある村で、数週間前に突然の濁流により村は水没し、削られた丘から鳥のようなゾイドが見つかったらしい。
この世界には飛行ゾイドを修理できるメカニックは皆無に等しい。
それで我々の出番となったわけだ。
ブレードライガーの後部座席には空戦ゾイド担当の技術者が乗っている。
かなり優秀との話だ、必ず修理してくれるだろう……
「だが、これは無理だろうな……」
村の跡に付いた我々を待っていたのは、巨岩に胴体を押し潰されている見慣れない翼竜型ゾイドの慣れの果てだった。
とりあえず、他の街から来ていたこの世界の技術者(職人と言うべきか)と共同で発掘作業を行うことになった…
私のコングも作業に借り出される。
195 :
駄文2:2005/12/04(日) 23:59:58 ID:???
一晩かけて掘り出されたそのゾイドは、ストームソーダーほどの大きさだった。
しかし、共和国でも帝国でも同じようなゾイドは見た事がない。
共和国軍技術者、マイヤーは潰された胴体を調べている。
「胴体のパーツに、この世界で使われている“バラッツ”のコアに酷似した物が見つかった。
だが、胴体があれじゃ復元は無理だな……」
空戦ゾイドの増加はかなりの戦力増になるだけに、彼の顔からは明らかに落胆の色が見えている。
その憤りは職人達に向けられる。
「あいつら、胴体そっちのけで翼にばかり集まってやがる。意味がわからんよ…」
確かに、この世界の職人達の興味は翼にばかり集中している。
そして、彼等は我々に許可も取らずにグスタフで牽引してきた倉庫に、その翼を運び入れてしまった。
「なんだってんだ、あいつら……」
196 :
駄文2:2005/12/05(月) 00:00:51 ID:???
職人達が倉庫に篭ったまま出てこないので、我々はそのままなし崩し的に警護をすることになってしまった。
憤慨して事情を聴きに行ったマイヤーも、倉庫に行ったきり出てこない。
「くそ、技術者って奴らは揃いも揃って……」
何を考えているか解らない。
そう、我が軍の技術者達もそうだった。
ゾイドの怒りを煽るシステム。
人の手で操ることの出来ない凶戦士。
ゼネバスの為にと引き揚げられた謎の小ゾイド。
全てはゼネバス帝国再興の為に……
ドオォォォォン……
回想に耽るゴーディの思いを突然の爆音が引き戻した。
「…敵か!」
爆音はブレードライガーの担当する警護区域から聞こえたようだ。
アタックブースターを展開し、急いでコングを急行させる。
197 :
駄文2:2005/12/05(月) 00:02:17 ID:???
現場を視認した時、ゴーディは思わず目を疑った。
「なんだ?あの巨大なバイオゾイドは……」
バイオラプターより一回りほど大きなラプトルタイプのゾイドが2体、ブレードライガーと睨み合っていた。
ブレードライガーは右頬から片口にかけて切り裂かれており、シールド発生機にダメージを負っているようだ。
「私が1体引き受けるっ!」
ビームキャノンで牽制攻撃をする。3発目のビームが片方のラプトルに直撃し、ダメージを与えないまでもその巨体をぐらつかせた。
案の定、そのラプトルタイプはこちらに向かってくる。
アタックブースターを使い、爆発的な加速で跳びかかるコング。
だが、その瞬間ゴーディは信じられないものを目にした。
バイオゾイドも凄まじいスピードで跳んで来たのだ。
「ちいっ、奴にもブースターがっ…」
叫びを全てを吐き終わる前に、2体のゾイドは空中で激しく激突した。
198 :
駄文2:2005/12/05(月) 00:03:32 ID:???
「うわぁぁっ!!」
不意を突かれたコングは、バイオゾイドの体当たりを受け不様に地表にたたき付けられる。
バイオゾイドはそのまま優雅に地上に着地した。
「ううっ…やられたな……」
ゴーディの額から血が滴る。
着地のダメージで左のアタックブースターが完全にオシャカになっている。
各部関節にもダメージがきているようだ。
ラプトルはトドメを刺そうとゆっくりと近づいてくる。
ゴーディの脳裏に死の実感が沸いてくる。
『ガイロス野郎!おい、聞いてるか!』
不意に鳴り響く通信、マイヤーの声だ。
背後を見ると、グスタフがこちらに向かってくるのが見えた。
「マイヤー…か…」
『こっちだ、ガイロス野郎!倉庫、倉庫の中に…』
バイオゾイドが走ってくる。
咄嗟に残った右のアタックブースターを点火し、コングは激しく回転しながらグスタフの方に滑り込んだ。
そして振り上げた腕で勢いよく倉庫の扉をぶち抜いた。
199 :
駄文2:2005/12/05(月) 00:05:55 ID:???
「こ、こいつは……翼、か?」
倉庫の中には発掘されたゾイドの左右の翼が継ぎ合わされ、くの字状になっていた。
なんだってこんなものを…そう考える間もなくラプトルがブースターを吹かし、飛びかかってくる。
「この野郎ぉっ!」
ゴーディは反射的に倉庫の翼で殴り掛かった。
ズルリ。
バイオゾイドはその翼に切断され、真っ二つになって地面に激突した。
マイヤーの声が響く。
『その翼、プテロスラッシャーはリーオでできている!
バイオゾイドを斬れるぞっ!』
しかし、その切れ味を再確認することはなかった。僚機を撃破されたバイオゾイドはそのまま撤退したからだ。
「職人達が興味を持っていた理由はこれか…」
マイヤーが笑い声を上げる。
『そうだ、こいつがバイオ装甲に効果のある唯一の金属、リーオだ。』
この世界に存在するレアメタル・リーオはバイオ装甲を切り裂ける数少ない金属である。
とりあえずこのプテロスラッシャーのおかげで命拾いしたわけだ。
200 :
駄文2:2005/12/05(月) 00:07:15 ID:???
任務を終え、グスタフと共に帰っていくゴーディ達。
その様子を地中からうかがっている者がいた。
ゴーディ達の姿が見えなくなって十数分、そのゾイドは地上に姿を現した。
巨大なサソリ型ゾイド、凶戦士・デススティンガーだ。
パイロットはヘルメットを外すと、まとめていた長い金髪をほどく。
「こんな状況じゃウルトラザウルス監視任務も意味を為さない…私のできる事は……」
盗聴していた通信データを再生した。技術者とパイロットの掛け合いが聞こえてくる。
「ゴーディ・レイバック…捕虜となり、今は裏切り者……
私とこのKFDが貴方を裁いてあげる。貴方はこのふざけた異世界で死ぬのよ……」
金髪の女パイロットは憎悪の瞳でゴーディの去った方向を睨み付ける。
その肩には赤き竜の隊章が付けられていた。
「貴方は私がここで一人で戦う心を保つ為に必要なのよ…同胞とも故郷とも切り離された私には……」
いかんな、長い割に内容が無い…
駄文スマソ
エビサソリage
海蠍の人はザリガニの人なのかな?
それとも二人目の鉄竜団?
鉄竜団とか書かれると、無敵団みたいだな…
ずいぶん前にSS職人は神とか書いたけどやっぱ神
絶望したジェネシスに絶望した
「何でこんなことに・・・」
ガイロス帝国諜報員ロイド=ハウマン(偽名)はジリジリと照りつける午後の太陽を見上げながら呻いた。
(スパイ・コマンドである俺が、なんでこんな所で呑気にバトルローパーの整備をせにゃならんのだ)
スパイ・コマンド 敵地に忍び込んで情報を入手し、必要とあらばたった一人で戦うことのできるエリート超人である。
彼は「方法は問わない。共和国の進軍を妨害せよ」との命を受け。単身、揚陸師団に潜り込み破壊活動を行う予定だった。
ただ、問題があったとすれば揚陸艦隊丸ごと他の世界(?)に飛んでしまったことだろう。
(まあ兎に角、目的は達成されたわけだ)
彼は強引にポジテブシンキング(都合よく解釈)をした。だが間違いとはいえないだろう。
揚陸師団は丸々戦域から離脱し。現在はゲリラへの戦力提供でジワジワと戦力は減っている。もはや、元の世界へ戻っても
ガイロス帝国とやり合うだけの力は残らないだろう。
いや、そもそも戻れるのだろうか?
「あー、もうどうするかねー・・・ったく。ボンクラ共め・・・いい加減な整備しよってからに・・・」
彼が潜り込んだ部隊は問題児揃いの独立愚連隊であった。そのためか配備されているゾイドは大半が破損、あるいは欠陥を抱えており
酷いものには起動すらしない機体まであった。
しかし、この世界に来てからは見た目だけは派手に装飾するように上から命令されていた。この世界の人に舐められないためだろうか?
「うっし、おわりっと。しかし、強化接着剤で腕を直接ボディにくっつけた物を回して来るとはな。
しかも誰もそれを整備しないと来たもんだ・・・ん?他の整備員はどこにいったんだ」
周りを見てみると、仮設の整備キャンプには自分一人しかいない。
そういえば、この駐屯地は配備されている人数に比べたらやけに広いよな・・・などと考えながら人の姿を探すと、
近くの工具ロッカーの張り紙が目に留まった。あんなものはローパーの整備前には無かったはずだ。
その紙にはこう書いてあった。
「俺達は愛と共に生きる! 第144突撃!!独立愚連隊一同」
とりあえず冷静に工具箱へロッカーを張り紙ごと叩き込み、ローパーを駐機場へ移動させようか、それとも金目のもの全部奪って逃げるべきか
あるいは逃げた奴らを追って皆殺しにしてやるか。と、ロイドが考えながらローパーに乗り込んだ。
その瞬間、駐機場の方角から爆音が響き渡った。
「敵襲ー!!」
むなしく自分の声だけがキャンプに響き渡った。
「一体どうなっているのだ!我々の装備が奴らに全く効果が無いぞ!」
破竹の進撃のはずの鉄竜騎兵団は、共和国軍ではない敵の猛攻の前に窮地に陥っていた。
低空では、レドラーをも凌ぐグレイヴクアマのソードウイングが敵飛行ゾイドに
通用せず、次々と落とされていき、圧倒的な耐久力を持つ敵機の前に、鉄竜騎兵団
の攻撃は全く受け付けず、兵士とゾイドは次々と倒れていく。
その敵ゾイドの前にはダークスパイナーのジャミングブレードさえも効果が無かった。
追い詰められた司令部は虎の子である先行量産デスザウラー数体を前面に押し立てて
防戦に努めたが、しかし敵ゾイド軍団の驚異的な防御力と圧倒的物量の前に鉄竜騎兵団
はじりじりと後退していった。
本来の作戦予定ではヴァルハラの爆発確認を合図に、クック湾へと上陸し主力の殆ど
を暗黒大陸に送った共和国軍残存部隊を制圧しつつ、反乱を起こした旧ゼネバス領民衆と
共に共和国領土を無人の野を駆けるが如く進撃し、共和国首都へと攻め上る事ができる
はずだった。
だが、上陸したもののどうも様子がおかしい事に気付いた。月が一つしか見えない、
飛び交うはずの共和国の通信量も少なく、地形もまるで違う。
戸惑う彼等を待ち構えていたのは、少数の共和国軍残存部隊ではなく、謎の銀色
のゾイド軍団だったのだ・・・。
そしてついに鉄竜騎兵団は包囲され、残された選択は降伏か死のどちらかとなった。
覚悟を決めたヴォルフは残ったズィグナー等部下達と供に最後の戦いに臨もうとし
ていたその時、意外な援軍が現れ彼等鉄竜騎兵団を救った。
それは本来敵であるはずの共和国軍大部隊だったのである。
デスザウラー数体がいたらディガルドは国ごと滅亡ですよ。
バイオゾイドってそこまで無敵じゃないし。
大口径荷電やジャミングウェーブが聞かないってのはオリジナル?どうもそこまで
バイオ装甲は無敵ではないのでは?
ジャミングウェーブは同種の装備と思われる
レインボージャークのパラクライズが効かなかったからいいんじゃ?
鉄竜騎兵団の転移させられた元の時間軸は共和国軍より後なのか。
ヴァルハラ陥落後っぽいし、ダクスパいるし。
>>207-208 潜入工作員ってところは面白い。
正しくはローパーじゃなくてローバーだけど。
なんというか、いろんな時間軸のバトスト部隊を召還してディガルドをいじめる
展開になってきてるな、これはこれで面白いんだが。
妄想戦記キャラとか無印や/0のキャラを出しても面白くなりそうだ。
それと同時にライガーマンセーな展開になりそうなのが欠点だが。
>214
個人的には他のアニメのキャラは勘弁願いたいかな
これバトストのキャラと軍隊だからジェネの世界とマッチしてる気がするし
>ライガーマンセー
今までの作品群見る限り、皆あえてその路線は外してるっぽいから
割と安心して見てられる。
むしろ命中精度の高い射撃武器を持つゾイドが活躍できている感じ。
それならアニメの共和国or帝国ならいいんじゃね?
たとえばレッドリバー戦のハーマンの部隊&シュバルツの部隊とか
駄文の人のキャラって他のキャラと絡みやすそうだな。
セイジュウロウと共闘してジェットソウルタイガー!とか書いてほしい。
ハーマンはガチでウルトラ艦隊にいるような気が。
バトスト版だが。
>>219 艦の指揮はとっていないだろうが、ほぼ確実にいるだろうね
アニメ世界からハーマンが出張してきたら対消滅しそうw
旧バトストからデスザウラーがやってきました
旧からの召喚もおもしろそうだな
でもあんまりいろんな時間軸からの来客があると収拾つかなくなりそう
>>221 補給と整備さえしっかり出来れば
ディガルドは壊滅です。むしろ天下取れます。
ロン「ジェノザウラーの一個中隊もあれば、
ディグも攻略できたのになぁ。惜しいことをした」
ルージ「ジェノザウラー? なんですか、それ」
ロン「おっといけない、口が滑った。
お伽噺に出てくる、とっても悪いけど強いゾイドのことさ」
デス出てもいいけど、象が踏んで壊れる程度のバイオごときに苦戦した日にゃ暴れるぞ?
>「ジェノザウラー? なんですか、それ」
>「とっても悪いけど強いゾイドのことさ」
ヒドス
悪いゾイドなんていませんよ
いけないのは使い方なんですよ!
共和国+ディガルド討伐軍
ディガルド武国+天空人
これだけでも結構お腹一杯な感じ。
本音は追加反対(鉄竜は数えるほどの小勢力ならいい)だが、追加したとしても一勢力、ガイロス+ゼネバスくらいじゃないか?
表向きはガイロス、しかし内部では反目し合っているような体制で…
あまり召喚しすぎると単なるゾイドサーガだ。
1200_ウルトラキャノンの爆心地にいた部隊が実は転移していた、なんてのを希望。
ゼネバス軍は地元戦力を取り込んで、征服戦争を始めちゃいそうな気もするな。
征服と言ってもトップがヴォルフだから善政を布くだろうけど。
>>229 どうだろう?ヴォルフが善政を布こうと思っていても、実際にはゾイテックの社長拉致?とかで
脅迫したりしていたしなあ。ヴォルフじゃ上層部を押さえつけられないのか?
もしヴォルフが国起こして、もし連戦連勝で勢力を強めていったら日和見している国と外交したりして
ゾイドの世界ではあまり見られない政治の駆け引きとか見れそうだな。
マジレスすると三虎はヴォルフの生きていた時代より100年近く後
…でもゾイド人だしなぁ。死んでるとは言い切れない
ゼネバスの目的は中央大陸への帰還なんだから、その方法を探す為に戦争そっちのけで調査ばかりするような気が…
ガイロスなら打倒共和国とか領土欲とかありそうだが。
あ、ヴォルフ召喚は反対。
最上級指揮官はズィグナーとかジーニアスあたりで。
>>231 む、社長誘拐は3虎だったか。
ネオゼネがやったのは東方大陸が協力しないのであれば進行するぞって脅迫を
ちらつかせたんだったか。
>>213 むむ、ローパーじゃなくてローバーでしたか。今後は注意せねば。
では続きをば。
「本当に誰も居ないのか!!!??」
駐屯地の防衛部隊として配備された部隊は、任務を捨てて全員逃走。自分以外の整備員も既に逃げた後のようだ。
流石独立愚連隊だ。クオリティが高い!高い!!まあ、それはもういいや。
駐機場のゾイドに敵は集中しているのか、こちらに来るゾイドは居ない。だが、ここへ来るのも時間の問題だろう。
取り合えず、ここで突っ立っているわけには行かない。しかし、このままローバーで逃げたとしても着の身着のままでは
敵の主力であるラプターに会えば、逃げられない可能性が高いだろう。
また、この近辺では凶暴な野良ゾイドが多数確認されており、そんなものと鉢合わせでもしたらたまったものではない。
しかし野良ゾイドなどに対抗できる装備を探しに行けば、襲撃してきた敵に見つかってしまうだろう。
どちらの選択も危険が伴う。
「と、いうわけで第3の選択!!退路の確保は欠かさない。それがスパイ・コマンドクオリティー!!」
ロイドは懐に隠してあった多機能ゴーグルとガスマスクを付け、同じく懐から取り出した「危険!取り扱い注意」と書かれたスイッチを押した。
ネオゼネがやったのは軍用ブロックス供給を東方大陸の企業ZOITECに強要したこと。
戦力増強のための恫喝であり、領土欲なんかは関係ないし、東方大陸全体を脅したりもしていない。
>鉄竜騎兵団の転移させられた元の時間軸は共和国軍より後なのか。
上陸部隊が召喚されなかった別世界からきたんだろ。
上陸部隊が消えた時点でその世界の歴史はかわっとる。
そしてゾイテックは「おまえらにブロックス提供するぐらいなら、共和国と協力して倒したるわ!」とファビョった
ぶっちゃけ阿呆か馬鹿かと設定作った奴を小一時間(ra
あっちこっちの時間軸が交差して、まるで、ゾイドVSEZ(i)のゲームのストーリーの様。
そう云えば、アレのあちこちの時間軸を繋いでいたモノもジェネレーターと呼ばれていたか。
あの辺の時代から、「ジェネレーターに依る時間移動にしては、違和感が無かったか?」みたいな
感じから始まる、ジェネシス世界に紛れ込んでしまった、元・共和国兵士みたいな
展開の話をやりたかったんだが・・・SSを書く才能が大いに欠けていて断念した。
何かに似てると思ったらジパングか
むしろ
>>1の元ネタスレを参照していただければ。
あとは戦国自衛隊。
ブルーホールってのもあったな。
個人的にトライアングルダラスで起きた、って事が関係あるのではとか思ったりした。
バミューダ・トライアングルや偉大なる航路みたいな、科学では説明できないってのも面白い。
「磁気嵐が吹き荒れ金属生命体が狂う場所だ、何が起きてもおかしくない!」
244 :
山猫は眠らない:2005/12/07(水) 21:40:54 ID:E9lF/otV
「楽にしたまえフリューゲル曹長」
出来ません
二週間振りにキャンプに戻るなり拉致同然にプテラスの後部座席に詰め込まれた
今はウルトラザウルスの会議室でベタ金オヤジ共に包囲されている
猛烈に嫌な予感がする
文学的表現をすれば「パンツを下げたところを捕まった」というやつだ(違うか)
「これを見てもらいたい」
手渡された写真には棺桶のような箱を背負ったコングタイプと文字どおり四つに組んだバイオゾイドが写っていた
「何ですかこの化物は?」
一緒に写っている建物との対比からコングタイプがアイアンコングと同クラスだと分かる
そのコングタイプも隣のバイオゾイドと比べると子供にしか見えない
「バイオティラノ、ディガルド軍総司令ジーン大将の専用機だ」
「変形コードは『テラライズ』ですね」
「何を言っとるのかね君は?」
だってティラノサウルスだし司令官だし・・・
「フリューゲル曹長、君に特別任務を命じる」
そら来た
「君の狙撃でバイオティラノとジーン総司令を仕留めてもらいたい」
今、惑星Ziに風雲急を告げる戦鐘が鳴り響く!
ディガルド武国はディガルド討伐軍やヘリック共和国軍に苦戦を強いられていた。
多くの種類のゾイドと物量を高度な戦略、戦術によって駆使する共和国の軍勢と
優れたエースがバイオ装甲を切り裂く刃を振るい、各所で奇襲を仕掛けてくる討伐軍の前には
これまでのようにバイオゾイドは絶対的な戦力ではなくなっていた。
この現状を打開すべく、ディガルド武国開発陣は秘密裡に
発掘された貴重な飛行ゾイドのデータを用い、バイオラプターをベースとして
ついに飛行バイオゾイド、「バイオラプターグイ」を完成させた。
ディガルド討伐軍の精鋭たちと閃光師団がディガルドの首都ディグで発見したそれは
程なくして戦技教導に出向いた小隊が遭遇、交戦し、その力の一端を見せ付けた。
飛行型にもかかわらずその耐久性は一般のそれを凌駕し、
対空能力を持たない多くの現地ゾイドや各所の街にとって大きな脅威となるだろう。
これに対し、共和国軍はその全てを守ることはかなわずとも
黙って事態を見過ごすことが出来るはずもなく、
各所に部隊を派遣しこれに対抗することを命じたのだった。
しかし、運命のいたずらはまたも彼らを弄ぶというのであろうか。
これはある夜、ディバイソンと現地補充の機体、カノンフォートで構成された
重砲突撃部隊が街の守備に向かうさなかに出会った悪夢のような戦闘の記録である。
その夜もまた霧が出ていた。
ディバイソンを駆るマイケル=タウンゼン大尉はふと自分達がこの世界に召喚された日を思い出していた。
確かあの日も窓の外がいつの間にか霧に包まれていた。
それもこういう普通の霧でなく、何かの微粒子がきらきらと乱反射でもしているかのような
不気味に美しい霧だった。
今思えば、あれこそが自分達をこの世界に呼び寄せた力だったのだろう。
まだ目的の街に付くまではグスタフの足では時間がかかる。
また、霧は身を隠すには絶好の状況であったためか、彼の心に一瞬の隙が出来た。
連日の疲労が出てきたのであろうか、突如睡魔が彼を襲い、少しの間眠りに落ちてしまったのだ。
少しの間があって彼は目を覚ましたが、窓の外の世界は眠りに落ちる以前のそれと
大幅に趣を変えていた。
「大尉、大変です!外が!」
通信機から部下のあわてた声が聞こえてくる。
「わかっている、現在地を特定できるか?」
マイケルは部隊長として冷静さを保つように努めていたが、そうはいってもこの状況である。
内心は困惑と衝撃で埋め尽くされていた。
窓の外は自分達がこの世界に飛ばされた時と全く同じ光景が広がっていたのだから。
地面や周囲の木々が確認されたためここはそれまでの場所と同じ地点のようである。
飛ばされたのではないのか…いや、我々が周囲の地形ごとワープしていないと言う保証はどこにも無い
それとも…何かが飛ばされてくる!?
そう思った次の瞬間、グスタフの対衝撃シェルに何かが直撃し、横転した。
「敵襲!総員発進せよ!」
マイケルがそう叫ぶと同時に戸惑いながらもディバイソンとカノンフォートが次々コンテナから飛び出して行く。
霧が少しずつではあるが薄らいでゆき、月が一つしか見えないことを確認すると
グスタフにダメージを与えたものの正体を確かめさせた。
それは巨大な槍のようなものであった。
槍…?一体どうしてこんなものがと考えていると、脇のカノンフォート一体が突如爆発、炎上した。
あわてて周囲を確認すると、爆煙の向こう、大岩の上から自分達を見下ろす影がそこにいた。
「巨大な…アロザウラー……?」
彼が思わずそう呟いた瞬間、その影の各部が妖しい緑色の発光を始めた。
そして一陣の風が煙をはらい、月をバックにした一体のゾイドの姿に部隊は戦慄した。
旧大陸間戦争時、共和国に牙を剥いたガイロス暗黒軍(現帝国軍)の尖兵にして
強固な装甲とエネルギー発光体ディオハリコンから産み出される強力なパワーで
少数ながらも次々と共和国軍をなぎ払った強力なゾイド、
DPZ−09/デッド・ボーダーがそこにいた。
数時間前まで断続的だった稲光は、今では休み無く現れるようになっていた。
強電磁海域トライアングル・ダラスでは、獲物を大渦の底へと引き込むために稲妻も意志を持つの
だろうか?
艦橋で航行を補佐する任務につくジェイムズ・ニールセン海軍少佐は、力の限りパネルにへばりつく。
このままではウルトラは持たない、そんな考えを必死に振り払おうとする。
荒れ狂う波飛沫は僚艦を視認する事すらおよそ不可能なものとしてきたが、彼の視界の片隅には、
補給艦の舳先を狂ったように噛み砕く護衛のバリゲーターが見えたような気がした。
ふと後ろを振り返ると、さきほどまで進路に目を凝らしていた艦隊司令をはじめとする自分以外の
乗員の姿がかき消えていた。実際に舵を握っていた部下のルディット大尉の姿も見えない。いつの間にか
救命艇で脱出したのだろう、なぜかそう考えたジェイムズは激しく上下する波間に目を移す。
そこにはジェイムズの妻が寝巻き姿で静かに浮いていた。アーサ市の自宅で静かに眠っているはずの
シンディ・ニールセン。最愛の人が荒れ狂うパルスの中に沈もうとしていた。
分厚いキャノピーがあるはずの艦橋から慌ててダラス海にダイブしたジェイムズは、必死に妻のもとへと
近づいてゆく。出発の数日前に妻と口論になった彼には、告げなければならないことがあった。
デルポイからエウロペへ、そしてニクスへの航海。夫の長期間の不在を前にして、妻は子供が欲しい、と
言った。そしてジェイムズは、二人の間に子供をもうけることへの返答を避けた。シンディは自身のかつての
不貞が原因だと思い込み、数日間ふさぎこんだ。結局、出発の朝もジェイムズは妻を起こすことなく基地への
車に乗り込んだ。あれは、結婚の少し前の出来事だというのに。もう解決したと思っていたのに。
きみを愛している。そう口にしようとしても、流れ込む塩水のせいで音声にならない。違うんだ、俺がためらった
のは昔を気にしてのことじゃない、これから先のことなんだ。例え君が望んだとしても、この先、俺がもし家に
帰って来られないようなことがあったら…子供なんて…。
必死で立ち泳ぎをするジェイムズの目の前で、彼の妻はゆっくりと波間に沈んでいった。
圧倒的な窒息感に襲われたはずの彼は、海中ではなく固いベッドの上で目を覚ました。
ここはウルトラの居住区。士官に与えられている狭い個室。非番の朝であった。
トライアングル・ダラスの冷たさは、この世界にやってきてから何度目かの悪夢だった。
ここは我々が知るZiではない。ZAC2101年でもない。ましてやニクスの大地などでもない、名も知らぬ大陸なのだ。
昨晩入れたきりの冷えたコーヒーをがぶ飲みすると、地元との経済協力の一環で仕入れた奇妙な生地でできた
タオルを引っ掴み、知らぬ間にかいていた大量の汗を拭く。
ふと、コーヒーポットを枕元に置きっ放しにしたままの自分に苦笑する。一月ほど前からウルトラは波の震動から
解き放たれていた。陸にも、もうだいぶ慣れた。
立ち上がると、据付の小さな端末に暫定司令本部からの呼び出し履歴が残っていたのに目が行った。受話器を
取り連絡をつけると、航海長の指示が待っていた。
「士官の人手が足りない。艦長から頼みごとがあるそうだ、司令部まで出頭せよ」
流石に近頃は不規則な勤務が続く。ロッカーから取り出した制帽も、心なしか疲れ気味に見えた。
ウルトラのブリーフィングルームに設けられた仮説の司令部までは、隔壁にさしかかるごとに頭をかがめる窮屈な
歩行が続く。発電機用の燃料が不足しているせいで照明が落とされた通路は、ジェイムズの暗澹たる気持ちを
ますます募らせた。ここでも手に入る燃料を使った動作ができるように発電機の改良が行われているという話は聞くが、
地元勢力が発する際限のない出動要請に応じているせいで、工兵隊の─特に腕のいい連中は一週間も出稼ぎから
帰ってきていない。
通路とは対照的に煌々と輝く室内には、派遣艦隊を動かしているそうそうたる顔ぶれが揃っていた。直立不動の
姿勢をとるジェイムズは、かつて勤務していたハーミーズ級ミサイル駆逐艦 <> 艦長のカリャド大佐から声をかけられた。
「疲れているようだな、少佐。しかしこれから数日間は無理にでも元気を奮い起こしてもらわないと困るぞ」
正確には、室内には今回の上陸作戦において足を任された機動部隊の艦長達が集まっていた。本来ニクスに送り届ける
べき閃光師団の高官の姿は見えない。
命令は何でありますか、と聞いたジェイムズに、いかにも古強者といった風貌のウルトラの艦長が1歩前に踏み出して答えた。
「ここは、ニクス大陸ではない。それは君にもわかるね」
艦長が後ろを振り返ると同時に、プロジェクターでプテラスから撮影されたこの地方の航空写真が映し出された。
「現在我々はいくつかの戦線において地元の巨大勢力であるディガルド武国と交戦状態にあるが、早急にこの事態を打開
しなければならない。栄えあるヘリック共和国海軍は、どうあっても本来の任務を完遂しなければならないのだ。戦線は拡大し、
物資は枯渇する一方。失ったゾイドを得るために発掘地を広げ、レッゲルを採取するために遠方の町々とも相互援助条約を
結び、それが更なるディガルドとの軍事的衝突を招いている。」
場の空気が、本質的に重大な事態であることを告げていた。
「残念なことに我々共和国軍は、ふたつもの指揮系統を確立させてしまっている。我が艦隊の積荷である
閃光師団は状況調査を名目にホバーカーゴ群で独自の行動を取っているが、これは最早離脱したものと
捉えてもおかしくない状況だよ」
今まで末端までは知らされていなかった情報。戸惑うジェイムズに、艦長に続けてカリャド大佐が告げた。
「不良少年には更生が必要。これより我々艦隊指揮官の主だった人間は閃光師団司令部との交渉に向かう。
最悪の場合は海兵隊1個中隊をもって司令ホバーカーゴを制圧し、指揮権を取り戻さなければならない。
併せて、とある重要な佐官の奪還もだ」
息をつく暇もなく、ジェイムズ自身にも命令が下された。
「士官である君は、昨日我々がかき集めたチームを率いて地図にさすこのあたりの山岳地帯へ行きたまえ。
交渉を行ってもらうのは、閃光師団が接触し大規模な合同作戦を行っている地元武装勢力。噂には聞いて
いるだろう、ラ・カンという男率いる一大勢力である」
つづく
美味しいところで続く…かよw!!
続きをワクテカしながら待ちますよ
「やぁ、いいシャワーだったよ」
ザイリンがバスローブ姿で湯気を立てながらシャワー室から出てくる。
「ときに、ブレードくん・・・」
通りすがりで顔を見るだけで腹の立つザイリンにあったうえに
なにやら用事を頼もうとするのにブレードは怒りをこらえるのに必死だった。
そもそも、ザイリンが着ているのはブレードのバスローブ、
それもうさぎマークのついたお気に入りだった。
(落ち着け、ゾイドの名前を『あ』から上げていくんだ)
ザイリンの言葉はほとんどブレードには聞こえていない。
なぜ、こんな奴が少将で、サベッジハンマーのホエールキングに乗っていて
まるで元からの住人のごとく施設を使っていて、
俺の部屋がこいつのものになって、俺はガレージの隅で寝泊りしていて
あまつさえ遊撃軍としてこいつの名目上とはいえ、指揮下に入らなければならないのか。
『理不尽』という言葉が記憶からなかなか出てこずにブレードはいらだっていた。
あのブルーシティを襲った事件が解決し、RD達が半ば英雄として祭り上げられた後、
マッハストームはゾイテック社が公式スポンサーとなり順調であった。
それに対し、サベッジハンマーはサンドラをリーダーに、ブレード、リュック、バートンを
かき集めた、不仲でぎくしゃくしたという雰囲気のヒールチームとして
なんとかZi-ファイトに参加している状態であった。
事件は、ブレード達のホエールキングが試合に向かう移動中に起こった。
相手チームのドラグーンネストと十字に交差する進路で、
意地を張って互いに道を譲らないでぶつかりあう瞬間に、
ブレード達は、この世界にホエールキングごと、飛ばされてしまったのだ。
あのときは、右方優先でサンドラの方が航空ゾイド法違反だよな
なんで煽ってたんだろ俺とブレードは思うも、既に時は遅い。
ディガルド国の首都、ディグ付近に現れたホエールキングは
直ちにディガルド軍と交戦に入った。
しかし、ブレードの凱龍輝の威嚇のために撃った荷電粒子砲がディグの司令部に直撃。
ディガルド側は休戦を申し入れて来た。ブレード以外にもこの世界にやってきた戦力があり、
サベッジハンマーは補給を得る代わりに完全な独立遊撃隊としてディガルドと共戦することになる。
その際に、ザイリン少将と部下数名が乗船することなる。
突然、アラートがなる。半ディガルドゲリラによる砲撃を受け、サベッジハンマーは交戦体制に入る。
何か言うザイリンを無視して格納庫に走り、凱龍輝に乗ったブレードは、
カタパルト前に、出口に対して横方向に停めてあるバイオメガラプトルを見て絶句する。
「ブレードさん、先に出ます」
バスターイーグルに乗るリュックと、ロードゲイルのバートンがブレードの上方を飛んでいく。
ブレードは荷電粒子砲のトリガーを引くのを堪えつつ艦内の回線を開き、ザイリンと繋ぐ。
「指揮官が裸で出るわけにもいかないだろう?」
ブレードは全身全霊をかけて耐えた。窒息しかけの精神に小学生の頃、
先生に空気をもっと読みなさいと怒られていて、RDやスイートが笑っている記憶が蘇る。
「待たせたね、ブレードくん」
メガラプトルに乗ったザイリンは向きを変え無遠慮にブースターを吹き、凱龍輝を熱に晒す。
その瞬間、怒りに耐え切れずブレードは荷電粒子砲のトリガーを引くも、
発射までの間にメガラプトルは地上に姿を消している。
目標を失い、空しく地上まで伸び、森を焼く、怒りの荷電の束。
それが地上のゲリラ達に見たことも無い兵器で恐れおののき恐怖となり戦意を失わせているのだが
そんなことはブレードには関係ない。
「おのれ、RDィィイイイイ!」
地上に降りた凱龍輝は容赦なくゲリラ達のゾイドをただただ破壊していく。
青い恐竜型とそのパイロットに何らかの”通り名”が付く日も遠くは無い。
(´-`)。oO(面白い展開だけど、マッハストームとサベージハンマって最後合併してなかったっけ…)
スイッチを押した次の瞬間、駐屯地が爆音と共に白煙に包まれた。
いざという時のための脱出用に、駐屯地の要所に仕掛けられた煙幕とチャフを打ち上げる装置が発動したのである。
しかし装置は簡易的なものしか用意できなかったため、効果時間は5分も無いだろう。
(だが隠しておいた装備を取って逃げるだけなら十分だ)
にやりと不敵な笑みを浮かべ、ロイドはジャンクの山へとバトルローバーを走らせた。
ジャンクの山を駆け上がり、頂上のモルガの残骸をけり崩すと。中から巨大な斧のような刃を持った大剣と、ボロボロのスーツケースが顔を出した。
それをすばやくバトルローパーのアームで掴み。スーツケースを背部ラッチに取り付け、ロイドは大剣を掲げた。
「この大剣さえあれば野良ゾイドなど敵ではないねえ・・・さて、さっさとここを出るかね」
その大剣は、かのスケルトン部隊が使用したという武器を、物好きの技術者が復元したものであった。
ロイドがバトルローパーを森の方向へ駆けさせた瞬間、白煙の中から一体の小型ゾイドが顔を出した。
ディガルド帝国の主力ゾイド「バイオラプター」である。
久々でも続きが読めるのはいいもんだ。
作家のみなさんはマターリ続けてください。
みなさんGJ
続き楽しみにしてます。新作の「作るべき未来」すごいBSっぽくてしゅき
デッボ気になるw
旧大陸間戦争時代の共和国軍がジェネシス世界に来たらどうなるかな?
設定としては惑星Zi大異変の影響で飛ばされたとか
禁がどこに行ったのかの説明がついちまうな。ギルドラゴンが復活しようがどうなろうが、
共和国勝利が確定だね。・・・やはり、禁がでるとストーリーが完結するのか。
さすが「終焉の使者」w
Zナイト「よかった、光の速さで飛んでくるキンゴジュはいなかったんだ」
キンゴジュはZナイトでないと倒せないからなぁ。
Zナイトまで、転送? もう、何がなにやら。
268 :
シンレッドライン:2005/12/12(月) 21:14:26 ID:zcVoryqC
「どーは都都逸のどー、れーは蓮根のれー」
いい天気だ、空気もいいし景色もいい、ミュージカル映画のオープニングにしたいくらいのロケーションだ
だがここはディガルド第8方面軍アラヨット山分遣隊基地で
分遣隊唯一の女性隊員であるアタシは飢えた野郎共のセクハラ攻撃で溜まったストレスをジュリー・アンドリュースの真似して晴らしてる訳だ。ああ楽しいなあ、訴えて勝つぞ魂痴苦笑
それもこれもディグが攻撃を受けたためディガルド軍が防衛体制の改善に着手したからだ
具体的に言うと奇襲を未然に防ぐため砂漠や沼地、それに山奥といった人が住むには適さないがその気になればゾイドで踏破できる場所に監視所を設け小規模な分遣隊を常駐させる、早い話が島流しだ
とはいえ実際こんな所に敵が来るなんてことあるわけ・・・
「アズサ少尉!」
「どうした、またカイザがナメクジモドキ食って腹壊したのか?」
「いえ、ゾイド探知機に反応が」
来たよ
>>267 いやいや、さすがにキンゴジュとかZナイトはネタだからw
>>268 何気にディガルド側のSSはお初か?
ワクテカ
>>266 大丈夫遥かな未来から強い相手を求めてディアブロタイガーが倒しに来てくれるさ。
>>268 俺がディガルドの人達と性欲を結びつけにくいのは、やっぱフェルみんの影響かな?この前の「服を着たまえ」のおっちゃん以外みんな全然フェルみんのこと女として意識してないんだもんなぁ。
>>271 ディガルドの兵隊さんは占領した国のお姉ちゃん達で性欲を発散して…
以後の文は検閲により削除されました
ディガルドには自我がない兵士もいるけどな
274 :
一発ネタ:2005/12/13(火) 15:58:49 ID:???
我輩は土遇兵士である。名前はまだない。どこで生まれたかとんと知らぬが、気付いた時にはバイオラプターの中でディガディガ言っていた…以下略
それは〈我輩は猫である〉だろうがw
276 :
シンレッドラインそのに:2005/12/13(火) 21:44:54 ID:lkBDHBW5
「バイオラプターを出せ、出撃するぞ!」
更衣室に駆け込むとパイロットスーツ(通称土偶スーツ)に着替え始める
どうせ覗きに来るだろうが今はかまってはいられない
アラヨット山はドスコイ山系の真ん中にあり四方を7,000ペクト級の山に囲まれている
普通の旅人や商人が通る場所じゃない、つまり今こっちに向かって来ているのは十中八、九敵だ
それにしても何で下着まで脱がにゃならんのだ、こんなスーツ発明した奴は魔女の婆さんに煮込まれちまえ
格納庫の中ではアタシの愛機「クロべえ」が出撃準備を整えて待っていた
クロべえと名付けたのはアタシのバイオラプターが一般兵用の機体よりちょいと性能のいい黒い装甲の奴だからだ
そう、アタシはエースなんだよ
それがアタシをベッドに引っ張り込もうとした連隊長を投げっ放しジャーマンで三階の窓から投げ捨てたせいで
よそう、済んだことだ
コクピットに潜り込んだアタシは発進前の儀式に取りかかる
右手に持っていたお守り(訓練キャンプに出発する朝に下の妹から貰ったものだ)を首から提げる
両手をお守りの前で組み心の中で唱える、アタシは不死身!アタシは無敵!!アタシは最高!!!
「さて、行きますカニ」
>>276 そのうちメガラプトルに乗ったりするんだろうか・・、今は静かに続きを待ちます。
278 :
WhereEagleDare:2005/12/14(水) 22:39:12 ID:WvOtnqMG
「いやー絶景かな絶景かな」
見渡せばどこまでも蒼い空を背景に頂に雪を被った山々が龍の背骨の様に連なっている
ロン・グッドウィンの音楽に乗って冬季迷彩のJu52が飛んで来そうなロケーションだ
だが浮かれてはいられない、私は極秘任務を帯びて単身敵地に潜入する凄腕スナイパー
「赤い悪魔」ことエルザ・フリューゲルその人なのだ
今回は長距離ミッションなのでヴィーゼルユニットを装備している
支援部隊が近くにいない状況で多数の敵と遭遇したら自前の火力だけが頼りだ
ビームガトリングガンとミサイルポッドも追加しようかと思ったが遠い子孫に「邪道」と言われそうなので止めた
いい加減山歩きも飽きてきた所で突然足元が崩れ急斜面を滑り落ちていくガンスナイパー
機体のコントロールを失ったらおしまいだ、転ばないためには足を前に出すしかない
止められない止まらない、覚悟を決めて空中に飛び出すとバーニアを吹かして大跳躍(ジュテ・グラン)
向かいの山の垂直に近い岩肌に取り付きアンカークローを打ち込む
昔観たまんが映画のワンシーンをを思い出した、悪い伯爵に捕まったお姫様を泥棒が助けるやつ
「いやーいいもの見せてもらったわ」
いつの間にか隣の尾根の頂上に黒いバイオラプターが
「お捻りを受け取りな!」言い終えるなり特大の火の玉を飛ばしてくる
助けてスーパーピンチクラッシャー
え、続きじゃねえの?
エルザ・フリューゲル VS アズサ少尉
という両軍パイロットの立場から状況を語ると言うバトストらしい展開かと思って
ワクテカしてたのに。
281 :
TimeToHunt:2005/12/15(木) 21:57:05 ID:xYn3CWHJ
「お捻りを受け取りな!」
最大パワーで発射したヘルファイヤーが着弾した時には赤いゾイドはその場にはいない
背部スラスターを吹かして斜面を駆け上ると稜線の反対側に姿を消す
それから夜も寝ないで昼寝しての追跡行は三日目に入っていた
痕跡を追いルートを予想して先回りする、その間にこっちは3回直撃弾を受けている
バイオ装甲のお陰でダメージは無いがアタシのプライドは大いに傷ついた
これでも郷里じゃ村一番の狩りの名手だったんだ
認めなきゃいけないだろう、奴の地形を読む能力はアタシと同等かそれ以上だ
だが追いかけっこももうすぐ終わりだ
奴は隠れる場所がないモナー平原に出る前に勝負に出るだろう
足跡はV字型に切れ込んだ涸れ谷の奥へ続いている
間違いない、奴は涸れ谷のどん詰まりで待ち構えているはずだ
アタシがどの方向から接近してくるか予測しながら
最初は裏をかいたつもりがその裏をかかれた、二回目は裏の裏を読んだらそのまた裏をかかれた
三回目は・・・いかん、知恵熱が
しばらく考えたアタシは覚悟を決めた
「さあ狩りの時間だ」
つ「SS作者にはトリップ推奨」
283 :
TimeToHuntしょのに:2005/12/16(金) 20:28:18 ID:hv3IAZgD
空が紫色に変わりはじめ夜明けが近いことを知らせるが私が身を隠した涸れ谷の終点はなお深い闇に包まれている
この三日間の間私と追跡者は互いに相手の動きを読み合い迂回と待ち伏せを繰り返してきた
その間何度か追跡者を狙撃する機会があったが決定打を与えることは出来なかった
そして亡霊のようにつきまとう黒いバイオラプターを振り切ることも出来ずこうして追い込まれている
認めたくないが追跡者は超一流のハンターだ、私と同等かあるいはそれ以上の
だがそろそろ決着をつけるときだ
思ったとおり追跡者は正面からやって来た、私が背後の岩山を警戒していると予測してだ
地形を最大限利用し僅かな出っ張りや窪みに身を隠しながら確実に距離を詰めて来る
だがバイオラプターが身を隠している岩棚と私のいる亀裂の間の約千メートルには射線を遮るものは何も無い
出し抜けに追跡者は遮蔽物から飛び出すとラストスパートに入った
まっしぐらに駆けてくるバイオラプターの口に十字線を合わせるとゆっくりとトリガーを引き絞る
あんたは最高だったよ
人差し指に最後の力をかけようとしたときスコープの中が白い光で満たされた
しまった!朝日が氷河に反射して・・・
何も見えないまま私はトリガーを引き切った
こんなにカッコよくなるとは。
…これはどうしたことだろう。
彼は操縦桿を握りながらも、その思考は困惑に満ちていた。
ZAC2052年。
先ほどまで、彼は上陸してくる共和国軍に対し、挟み撃ちを仕掛けるため
トライアングルダラス付近の船上で待機していたはずだった。
それが急に稲妻が激しく鳴り出したかと思うと、
辺りが不気味な霧に覆われはじめ、気がつくと「そこ」に彼はいた。
3つあった月は1つしか見えないし、仲間もどこにもいない。
そもそも自分は海の上にいたはずなのになぜ足元には地面があるのか?
そんな彼もあるものを見つけ、自分の使命を思い出した。
視界に写ったのはなぜかでかでかと共和国軍のマークに良く似た絵をシェルに書いてあるグスタフ。
何の意図があるかは分からないがこれでは自分が共和国軍と言っているようなものだ。
少しつついて出てきたのは案の定、共和国のディバイソンと報告にあった新型のカノンフォート。
ここがどこで、一体自分の身に何が起こったのかさえ定かではないが、
目の前には共和国軍と思しきゾイドが群れを成している。
ならば、自分が成すべきことは一つしかない。この誇りある飛竜の紋章に懸けても。
そう考えをまとめた彼は浮き足立つ共和国軍に重力砲の照準を定めた。
時を越えた死闘の幕は、今、大地に響くデッド・ボーダーの咆哮によって幕を開けたのである。
「各機、隊列を整え、時間差で近接砲撃を仕掛けよ!突撃ぃっ!」
部隊はマイケルの命令にすぐさま態勢を立て直そうとしたが、際限なく発射される重力砲のために
地形が穴だらけとなり、足場が崩れるたびに部隊は少しずつ追い込まれてゆく。
重砲突撃部隊は高い砲撃能力と重装甲を併せ持ち、牛型ゾイドの特徴である角を用いた突撃戦法を得意とする。
また、それらを組み合わせ、ショートレンジ〜ロングレンジ全ての戦局において
その力を発揮することの出来る優秀な戦力であった。
しかし、一方で小回りが効かない、前方に武装が集中しすぎといった欠点を持ち合わせてもいた。
この戦闘の場合のように凸凹の激しい地形ではその力をフルに発揮することは難しい。
そのためそれらの弱点をカバーすることの出来るライガーゼロ装備一式の支給を求めていたが、
結局それは聞き入れられないままここまで来てしまった。
それ故にデッド・ボーダーのパイロットが取った策は非常に有効といえる。
なにせ彼にとってカノンフォートの情報は少なすぎる上、
ディバイソンの角はスピードによってはデスザウラーの装甲をも貫く。
単騎でこの部隊を撃破するにはまず「足」を封じることは非常に重要であった。
もちろんマイケルもそのことに気付いていなかったわけではない。
この戦いは両者ともに時間こそが全てを握っている。
いくらデッド・ボーダーの稼働時間が短いと言っても自分達を全滅させるのは決して不可能ではないだろう。
従って、まだ全速力で敵に接近できるうちに何としてもデッド・ボーダーの弱点を衝き、
これを打ち倒さなくてはならない。
現状の戦力ではこのオーバーテクノロジーを駆使する怪物に勝つのは困難であるからだ。
データによるとデッド・ボーダーの抱える致命的な欠陥は二つある。
一つは全身にエネルギーを供給するフェルチューブ。
これを絶たれるとディオハリコンから発せられるエネルギーを供給させることが出来なくなり、
そのパワーは通常ゾイドとほぼ同等となり、撃破もたやすくなる。
そしてもう一つは―
マイケルがいかにしてこの死の境界線を乗り越えるか思案を巡らせる間も、
眼前に立ち塞がる黒い暴竜の攻撃の手は緩まない。
猛牛たちの足場をほとんど奪ったデッド・ボーダーのパイロットは機体各所の砲門で牽制をかけつつ、
自らが最初に放ったデッド・ボーダー専用の巨大槍を回収した。
初期ロットのデッド・ボーダーはウルトラザウルスすら投げ飛ばすと言われるパワーで知られるが、
後期ロットと比較して優れているポイントはパワーだけではない。
潜伏・準備期間に施した厳しい訓練によって手先も非常に器用であり、
まさに人間並みの挙動を実現させることに成功している。
特にこの巨大な槍は共和国、帝国いずれの記録にも残っていないが、
当時、一度投げるとレイノス、サラマンダーF2を同時に貫くという未確認情報まで流れていた。
ただし後期ロットの機体は低コスト化の弊害によって使用ディオハリコンの減少や、
戦闘訓練の期間短縮に伴いパワー、動作の精密さ全てがレベルダウンしているため
次第に戦場での脅威ではなくなっていったという。
ともかく、デッド・ボーダーが槍を振るうことの恐ろしさは兵士なら誰でも聞き及んでいた。
先手必勝とばかりに若い兵士が次々無謀な突撃を試み、挑みかかってゆく。
しかしデッド・ボーダーのパイロットは極めて冷静であった。
「あまり引き延ばす事は出来ない…だが!」
そう言うと彼はスラスターをふかし、自らの機体を岩場の影に向かわせた。
あえて狭いところに身を置く事で1対1の状況を作り出し、迎え撃つことにしたのである。
もちろん稼働時間の限界から考えて賢い選択とはいえないだろう。
しかし、自らの弱点を知っているかのように集中して攻撃を仕掛けてくる軍勢に対し、
彼は性能差があるとはいえ単騎で挑むことの力不足を痛感していた。
それだけではない。槍を携えた相棒デッド・ボーダーへの多大な信頼と自らの操縦技術への自信、
一言で表すなら「本気でぶつかり合ってみたい」
ゾイド乗りとしての血が騒いだと言うのが本当のところだったのかもしれない。
次々と挑みかかっていくものは破壊、そうでなくとも戦闘能力を奪われ、
部隊は気付けばその数を当初の半分にまで減らしていた。
マイケルはこの敵機の戦い振りと味方の命令違反に苛つくと同時に、
なぜか安心感と高揚感を覚えていた。自らもあそこに突っ込んで行きたい。
自分にもゾイド乗り魂の欠片が眠っていたのかと、戸惑いを隠せないでいた。
そう思いつつも、正面から挑みかかるのはあまりに馬鹿げていると言う軍人としての考えに従い、
残存兵力で地形ごと敵機を叩き潰す作戦に出た。
デッド・ボーダーは確実に友軍機を撃破するためにわざと狭い岩場に陣取った。
1対1で突っ込めば御覧の通り、ならばここから砲撃を敵に向けるのではなく、
敵の頭上の岩壁を破砕し、これを埋没せしめる。
もちろん敗北し、動けない友軍機を巻き込まぬよう誘導を行う必要がある。
確率からいえば五分五分といったところだろうか。
だが、この状況からいえば十分だ。我々は共和国軍の名にかけて何としてもこの境界線を越え、
本来の任務を完遂する必要がある。もはや躊躇する時間すら惜しい。
そう決意したマイケルは声を張り上げ、味方機に砲撃の開始を指示した。
操縦桿を握る手に力が入る。
デッド・ボーダーのパイロットは敵の行動が変わったことを即座に察した。
自分をここから追い払うことにでもしたのだろうか、砲撃の空気が変わった。
たまらず一旦飛びのくと、敵の指揮官機らしきディバイソンの砲門からペイント弾が放たれる。
直撃コースではなかったそれははるか頭上の岩壁に命中。
それが何を意味するか、すぐにはわからなかったが直後放たれた無数の砲撃によって
彼はすぐにその行動の真意に気付かされた。
「全弾、目標に着弾を確認…これであいつも生き埋めですね、大尉!」
歓喜に沸く友軍機の一同。確かに作戦は上手く行った。こちらの砲弾は見事に敵機の頭上の岩壁を砕き、
対象は生き埋めになった。しかしマイケルのの心は満足感ではなく、嫌な予感で埋め尽くされていた。
奴がこのままで終わるとは到底思えない。なぜかそう思わずにいられなかった。
そしてその予感は的中してしまう。
土煙が治まった中から、ほとんど無傷のデッド・ボーダーが現れたのだ。
降注ぐ大小無数の岩塊が目に入ると同時に、デッド・ボーダーのパイロットはとっさに
自慢の大槍を両腕で回転させ、直撃を防いでいたのだ。
「面白い…だが、策を弄しすぎたな!」
共和国軍が足並みを乱した一瞬の隙を突き、尻尾を振り上げて岩塊をまとめて放り投げる。
逆に彼らの頭上にそれを浴びせた。
もちろん岩はすぐに迎撃されるだろうが、隙を突いて身を隠すにはそれで十分だった。
岩塊を攻撃した部隊の視界が再び爆煙によって奪われる。
ひるんだその次の瞬間、一機のディバイソンが槍に貫かれ、倒れた。
それに呼応するかのように部隊に混乱が広がっていく。
ある者は恐怖におびえ、動けないでいるところを重力砲で潰された。
またある者の場合は、理性を失い、突撃砲を辺り構わず乱射して同士討ちを招いた。
煙が晴れ、マイケルが辺りを見回した時…
まともに動くゾイドは彼のディバイソンと、デッド・ボーダーのみだった。
「良く戦った。共和国軍の戦士達よ」
突如デッド・ボーダーのコクピットからマイケルに呼びかける声が響く。
「お前達は我が戦いの遍歴の中で最も知略に優れ、そして勇敢だった」
勝ち誇っているつもりか…?
マイケルは妙に冷静にその声に聞き入っていた。
「その戦い振りに免じて、お前達に言付を託す。そしてこの戦いを本国の連中に伝えるがいい」
こいつ、何を言っているのだ?
「次に遭う時、また心昂る手合わせができることを願おう」
そう言い残し、デッド・ボーダーは彼らに背を向けた。
うほぉおお
続きキタコレ
マイケルは自分達生存者が生き残れることを知った。
それならばすぐにグスタフのところに戻ろう。
自分は唯一の五体満足な者として、部隊長の義務として、生存者を救助し本隊に合流せねばならない。
そしてそれなりの責任を取らされることになるだろう。
しかしそれでもやがて再び戦場に立つ備えをする必要がある。
ましてやこの異世界だ。我々の命の価値は元いた世界よりはるかに重い。
生き残る事。それもまた職業軍人、部隊長としての務めだ。
それにこの異世界だ。放って置いても奴一人で生きていけるわけが無い。
その内無様に死んでいくのが関の山だ。
彼はそう考えをまとめ、実行に移すべく動き出した。
なのに、引き返すはずのこの足はなぜアイツの目の前に立ち塞がるのだろう。
戦っても単騎では勝ち目は皆無だと言うのに。
負けたままで終わりたくない。なぜそう嘆く相棒の心が痛いほどに伝わってくるのだろう。
「あぁ。そうだな」
違う。
「ディバイソン…二人で倒そう、あいつを」
違う…違う……違う!!
なんでそんな事を言っているんだ、俺は。
敵討ちがしたいわけではない。個人的な感情に囚われるのは閃光師団のような不適格者のすることだ。
それでも、体は動く。自らの意思に反して。
マイケルが頭で理解したことと魂が悟ったことは違っていた。
そう、自分は情けをかけられ、活かされたのだ―彼は無意識にそう悟った。
それを自らの中で消化できないのか、心が命じるまま彼の両腕はスロットルを全開にしていた。
いつの間にか彼は兵士としての行動ではなく、戦士の本能に突き動かされていたのだった。
未来の科学を身に付けた中世の騎士。
心理学者は惑星Ziの人間、特に軍関係者をこう評価するが、
実にその通りだとマイケルは他でもない自分自身の姿にそう思い知らされていた。
そんなマイケルの思いに呼応するかのようにディバイソンは目にかつて無い程の光を走らせ、
大きく高い唸り声を挙げて力強く大地を踏み込んだ。
向かってくるか…ならばそれにふさわしく、一撃で終わらせてやろう。
それもまた、戦士の情けだ。
デッド・ボーダーのパイロットは静かに、だが力強く操縦桿を握った。
それに合わせるようにデッド・ボーダー自身もまたディバイソンの嘶きに力強い咆哮を返した。
改めて槍を構え直し、ディバイソンと対峙した。
そして急所めがけて一閃を加えようとしたその瞬間―
夜が明け、朝日が両者を照らす。
そして二人の目が慣れた頃…
目の前に広がっていたのはディバイソンの角がデッド・ボーダーのコアを貫く光景であった。
そう、デッド・ボーダーの二つある致命的な欠陥のもう一方が勝負を分けたのだ。
デッド・ボーダーは強力な光を浴びせられると、その光をディオハリコンの発する光と誤認して
一瞬だがその動きを阻害されてしまう。
頭部感覚器官を保護するシールドを被っているとはいえ、
いきなり朝日を全身に浴びてしまったデッド・ボーダーは動きが止まってしまい、
突っ込んでくるディバイソンを止める事が出来なかったのであった。
最後の最後まで戦う意思を捨てない勇者には勝利の女神が微笑むこともある。
戦士以前にゾイド乗りとして永く生きてきたが、今更そんな言葉を思い出した。
戦士に情けをかけるべからず。それは最大の侮辱である。
彼は悟った。自分が慢心ゆえに敗北したことを、それ故に相棒を死なせてしまったことを、
それ以前に勇敢な戦士の誇りを傷つけ、胸のガイロス飛竜の紋章さえ裏切ってしまったことを。
崩れゆくコクピットの中で、彼は自らの裁きを天に委ね、静かに瞳を閉じた。
自らの住む世界を自分の手で否定してしまったという慙愧の念に囚われて。
マイケルには最後の大仕事が残されていた。
デッド・ボーダーの全身のフェルチューブを断ち切り、エネルギーを空気中に開放することだ。
なぜならコアを失ったゾイドはもはや倒れるしかない。
ましてや超エネルギーディオハリコンで稼動する上に
念の入ったことに重力砲まで装備しているデッド・ボーダーの場合はなおさらだ。
行き場を失ったエネルギーは暴走し、周囲の地形を巻き込み大爆発を起こす。
いや、重力磁場が暴走してメルトダウンの危険性すらある。
まだ辺りには動けない兵も多い。今これを成し遂げることが出来るのは彼のディバイソンだけだ。
そう考えた彼は
戦闘で何本か千切れているとはいえ、とにかく時間が少ない。
何とか角で千切ろうとするが、ここに来てマイケルの腕は緊張感からか震えが止まらなくなり、
ディバイソンの角が抜けずにいた。いくら試しても焦るばかりで動きが取れない。
もはやこれまでかと覚悟した瞬間、複数の銃撃が別の方向からチューブに穴をあけた。
そこから光の粒子が勢いよく噴出し、デッド・ボーダーの全身の発光部はようやく光を失ったのである。
マイケルがそちらの方向を見やると、そこには生き残った部下達がいた。
どうやら彼らはゾイドから降り、自分達の拳銃でチューブを撃ち抜いたと見える。
歓喜の声をあげながら隊員達が駆け寄ってくる。
自らもコクピットから飛び降り、彼らの輪の中に飛び込んでいく。
自分は一人で戦っていたのではなかった。
今はただ、この敬愛すべき仲間達に笑顔と言う返答をしなくてはならない。
こうして戦士マイケルは共和国陸軍大尉、マイケル=タウンゼンに戻ったのであった。
…その数日後、とある街の酒場で人々はある話題で盛り上がっていた。
「あの黒い大トカゲからは誰も見つからなかったんだって?」
「野良ゾイドか?」
「ちゃうちゃう。死体も何にも無い本当の無人」
「あぁ、キョーワコクの連中も天地がひっくり返ったかの騒ぎだそうだ」
「なんでもあのトカゲ、あいつらの国じゃ50年も昔にしかいなかったらしいぜ?」
「じゃあ…幽霊!?!?」
共和国軍がたった一匹のゾイドに苦戦を強いられたと言う噂はディガルド諜報部の策で
必要以上に尾ひれが付けられ、広まっていた。
これ以上抵抗勢力を図に乗らせたくないディガルド武国に情報戦の格好の材料にされた形だ。
「でもキョーワコクも大したことねーな。幽霊とはいえたった一匹に三百もやられたなんてな」
「あれ?千匹じゃなかったか?」
「…いや、大体十五だ。それに最後には勝ったさ」
酒場の片隅で誰に言うわけでもなくそう呟いた人影があった。
しかし、人々がそちらを見た瞬間にはもうその影は姿を消していて、
以降その姿を見た者はいないという。
「皇帝陛下、神が生きろと言うなら私はもう少しここで生きてみます。
陛下や戦士の誇りを裏切った代償は重いですが、その代わり…語り継ごうと思います。
私の生きた証…我が戦士としての生き方を、ゾイドとともに生きると言うことを。
それから…」
その人影は空に一つポツンと浮かんだ月を見上げ、潤んだ瞳でこう呟いた。
「何かと戦うということがどういうことかを」
最高
アウチ! ミス発見。
>>295 そう考えた彼は
↓
そう考えた彼はすぐにディバイソンの操縦桿に手をかけた。
あと改めて見直すといろいろと単語の被りとか間違いとかあってちょっとorz
間を空けてしまったのに皆様付き合っていただいてサンクス!
これの続きが読みたくなっちゃったじゃないか!
どうしてくれるんだ!GJ!
「ズーリねぇ・・・」
ホエールキングを操船していたサンドラは深いため息をついた。
ザイリンのいい加減な山や川を頼りにした方向指示で
攻撃目標のズーリとは正反対の方向、大陸の途切れる海についたのだった。
途中から明らかに方向が間違っているのは分かっていて、
ザイリンの洞察力と言い訳を聞いてみたく黙っていたのだが
「もうちょっと南に海沿いで」と真顔でザイリンは言う。
この少将には、はっきりと方向が違ってますよと言わないと分からないのだろうと
思ったものの、戦争に参加するよりは旅をしていたほうが気楽だと思い
もう少し黙っていようとサンドラは思う。
ディガルドの工作によって船が奪われようとしたときに
はったりの自爆スイッチを片手に大将と交渉をして、船の独立を勝ち取ったのは
つい最近のことなのだが、こののんびりした雰囲気のせいか、遥か昔のことのように感じられた。
燃焼効率の悪いレッゲルという燃料のせいで、ホエールキングは
観光用のバルーン程度の速度で燃費を最重視した飛行を要求され、
また、一定高度を超えると超上空から謎のレーザー攻撃を受けるので
あまり高度が出せず、地上の景色を眺めるのに最適な移動を、
大自然を眼下に遊覧飛行を楽しむような飛行であった。
ブリッジの横でなにやらザイリンとブレードがお互いにプレッシャーを掛け合っているが
サンドラは見なかったことにして観光気分に戻ろうと思った矢先。
レーダー反応。警戒レベルがあがる。
バートンが計測されたデータを送ってくる。
手元の情報パネルは告げる。ゾイドは4機。相手はまだ気付いていないようだ。
ライガーゼロ、ブラックライモス、ハウンドソルジャー、ワイツウルフ。
いずれもカスタム機か変異種と。
ゼロ!
条件反射で飛び出す馬鹿が一人いるので、
サンドラは、バートンに黙れのジェスチャーサインを送る。
サインの何を勘違いしたのか、バートンはその馬鹿に聞こえるように、
「ライガーゼロを見つけたぞ。ブルーフレームの特殊な・・・」
こいつも馬鹿だったと後悔するサンドラは、
ちゃんと説明を聞いてくれていれば、お前の付けねらうゼロじゃないと
ブレードの方向を向く。頼む分かって欲しいと祈る気持ちで。
「・・・ライガーゼロ!」
ゼロの言葉でデッキから駆け出すブレード。
サンドラが失意のあまり頭を抱えようとする前に
「ブルーのライガー・・・ルージくんか!」
もう一人の馬鹿、ザイリンが何かと勘違いして同じくデッキを飛び出す。
出入り口付近でかけっこした馬鹿二人がもみ合って、
つっかえたが、サンドラはもう止まらないと思ったので諦めて、何も行動しなかった。
相手は小規模な旅の一座か何かだろう。できたら関わらずにいたかった。
馬鹿とはいえあの二人の戦力は異常だ。
ゾイドと共に生きる何も罪もない旅人を、いきなり叩きのめすのは無粋な行為で美しくない。
それと損害賠償、裁判と貧乏人はネチネチうるさい。と、そんなものはこの世界にはなかった。
パネルモニタに拡大されたゼロの歩き方を見て、女が操縦しているような気がした。
「たまたま運が悪かっただけよ。ごめんなさいね。フフ・・・」
とりあえず冷静になって、いつものキャラを取り繕ってみるサンドラ。
「サンドラさん!いいんですか?」
唯一のまともなメンバーのリュックだ。
放っておくと荷電でハッチに穴が空きかねないので
サンドラは、ハッチオープンの指示を投げやりに出す。
「ですけど、ここ上空800mですよ!」
ハッチ操作をしつつリュックが叫ぶ
「おのれーRD!!!許すm
「はっはっはっ!待っていたよルーj
馬鹿が落ちていく。
この程度の高度ならあいつらのゾイドは着地で
サスペンション系を大破するくらいで無事だろう。
旅人は不運になることもなさそうだ。
このまま、あいつらをここに置いていこうかと一瞬迷ったあと、
サンドラは着地と回収の指示をスタッフに出す。
バートンとサンドラの和解は無いんじゃねーの?
ギャグにしても、フュザのキャラ背景の再現がチグハグで、
今一、入り込めねー。
>ライガーゼロ、ブラックライモス、ハウンドソルジャー、ワイツウルフ
ミドリ御一行か?
ジェネレの世界はジェネとはパラレルだから連中もジェネ世界に召喚されたのか
昼から噴いたwww
思わず凱龍機とメガラプ並べてしまっ
今日の放送で思った
ソラノヒト達が航空戦力を恐れているんなら、共和国軍を放って置く訳無いじゃないか
ギル様どころかデカルト軍団でさえ共和国を圧倒するくらい訳ないぞ
>308
共和国軍はディガルドの戦力を削る手段として申し分ない駒だとおもうが
>>308 そもそも天空人の存在を知られてるディガルド武国と、
知らないであろう共和国軍では対処が違ってしかるべきだと思うが。
存在知られたく無いだろうからちょっかい出さなくて当たり前。
情報収集でスパイを派遣してる可能性も…あ、これSSのネタになりそう。
ギルベイダーがラスボスとして登場したら
ここも祭りになるだろうな
312 :
TimeToHunt三乃太刀:2005/12/18(日) 20:29:55 ID:l7D24JRa
朝日を受けて輝く氷河の照り返しが涸れ谷の奥から闇を払うと同時に奴の放った銃弾がクロべえの頭を掠めた
「かかりやがったな!」
ヘルファイヤーを連続放射に切り替え発砲炎が見えた辺りに炎を浴びせながら全速で突進する
炎の中から赤いゾイドが飛び出した
全身に取り付けた火器を投棄するとまっすぐ突っ込んでくる
アタシとステゴロでやろうってのかい
「最高だよアンタ!」
二人は一陣の風に乗って急速に接近していった、生と死の交錯する接点にむけて!!(ナレーション・永井一郎)
フューザーズ見た事無いが面白かった。青いライガーははやり…
ディバ対デッド
最高でつた!!!久々に血が沸き立った。両者とも違う時代から来たとことかSFですな
316 :
TimeToHunt四発目:2005/12/19(月) 21:54:59 ID:pIH/2H/k
戦い済んで陽が暮れて(いやまだ早朝なんだが)
疲れた、とにかく疲れた
私のガンスナイパーと追跡者のバイオラプターが激突しようとしたまさにその時
野良エレファンダーの群れが襲撃して来たのだ
気が付くと私達は十年来の戦友の様に協力して戦っていた
前衛を勤めるバイオラプターのヒートスパイクがエレファンダーを切り裂く
後方に下がった私のスナイパーライフルが鉄の巨象を撃ち抜いて行く
戦いが終わるとそこには12体のエレファンダーが屍を晒していた
「続きをやるかい?」隣に座ったバイオラプターが聞いてくる
「止めとくよ、肝心の商売道具がこれじゃあね」私は力無く垂れ下がった尻尾を振って見せた
最後のエレファンダーのチャージを食らった時にアクチュエーターを破損したらしい
砲身をロック出来ない状態で射撃しても自分の尻尾を吹っ飛ばすのがオチだ
後から考えると自分から武器が使えない事を明かすなんてどうかしているとしか思えなかったのだが
「よかった、実はアタシもバテバテだったんだ」
こっちも十分変な奴だった
「じゃあ勝負は次の機会に」
「気を付けて帰れよ」
もっと休ませろとゴネるガンスナイパーをなだめながら私は長い帰路に着いた
お?一段落か?GJ
318 :
TimeToHunt蛇足:2005/12/20(火) 20:05:57 ID:WBiw7go9
赤いゾイドを見送ったアタシがこっちも引き上げるかと腰を上げたとき
地平線の彼方から土煙りをあげて爆走してくる1体のムカデ型ゾイドがモニターに写しだされた
「ありゃアタシの基地のコネクテスじゃないか?」
「アズサ少尉ーっ大丈夫ですかー!!」
よく見ると整備班の連中のほかにコックや庶務係までが夜店のバナナのように荷台にぶら下がっている
畜生なんていい奴らなんだ、目から汗が出てきたじゃねえか
「何だよお前ら基地を放り出して」
「少尉の『乳』に比べたら小さなことです!」
「少尉の『乳』はオレ達の生きる希望です!」
「死にさらせー!!」
アタシは跳躍すると怒りの大往生流鶴足回拳を繰り出した
+ ☆ 。゚
入 + ゚ ゚ _†
。ノ乂。 _/ /ヽo +
+乂ハゝ 。/ i_ i i o
彡リJ八/ / /ヽ\
ノイ\ド| ̄ ̄|ロ|‖ロ|
ロo|リ|ロ|∩∩| |‖ |
""゙`"゙"卅卅、--"`"゙゙
゚ 。 ☆゚+
†_ ゚ ゚ ゚+ 入
+o/ヽヽ_ 。 ノ乂。
。| i_i \。 乂ハゝ
//ヽ\ \彡J八*
|ロ||ロ| ̄ ̄|ノイ\トヾ
| || |∩∩|ロ|リ|oロ
゙"`--、卅卅"゙゙"`゙""
無敵団並に、オチに笑った
321 :
鷲は舞い降りた:2005/12/21(水) 22:38:18 ID:ho6yQ2h0
「これは不味いわねえ・・・」
淡い光に満たされた操縦槽の中でフェルミは気だるげにつぶやいた
ジーンがその場しのぎについたの嘘のおかげで本来の性能の半分も発揮出来ないバイオラプター・グイは各地で共和国軍の飛行ゾイドに苦戦を強いられていた
ソラノヒトから更なる技術供与を受けグイの性能向上を図る(という筋書きが不自然に見えない状況になる)まではバイオプテラが孤軍奮闘するしかない
「労働基準法違反よ・・・」
ついつい愚痴をこぼすフェルミ
今日もアミンの町を攻略する第7師団の上空援護に出動しストームソーダの編隊とのドッグファイトを終えたところなのだ
戦いはディガルドの勝利に終わりフェルミもストームソーダ1機を撃墜したが予想より多くの燃料を消費してしまった
「この辺は味方の兵力の空白地帯なのよねえ、不時着なんかしたら夏と冬にビッグサイトで売られる本みたいな目に合っちゃう」
などと言いながらGPSを使って直近の基地を検索する
「アラヨット山かあ、バイオラプターがあるならレッゲルの補給くらい出来るわね」
バイオプテラは大きく羽ばたくと雪を頂いた山脈に向けて進路をとった
322 :
鷲は舞い降りた(2):2005/12/22(木) 22:15:49 ID:by6usaOH
「女神様だ、女神様が降臨なされた!」
「黒髪ロングフォー!!」
「どう見てもお水のお姉さんです、本当にありがとうございました」
ゾイド探知機の点検から戻ったら整備班の連中がおかしかった
あいつらがおかしいのは今にはじまったことではないがいつもの異常指数が300ザイリンだとしたら今は2750ザイリンくらいだろうか
不審に思いながら着替えを済ませ待機室のドアを開けると悪魔が紅茶を飲んでいた
「お久しぶりアズサちゃん」
ちょ、単位がw
1ザイりんでも危ないのにw
>1ザイりんでも危ないのにw
ヒドスw
ザイリン本人を1万ザイリンとした上での単位なんだよ。
地球の直径の何万分の一が1mとかと一緒で。
1ザイリン=10ブレード=10000ソウタぐらいか
0・005ヒルツ=1ザイリン=10ブレード
329 :
名無し獣@リアルに歩行:2005/12/24(土) 13:58:18 ID:dMhuVpvz
ヒルツはザイリン未満かw
てか、そんな奴と死闘を行ったレイヴンとバンって・・・
330 :
鷲は舞い降りた(3):2005/12/24(土) 16:33:52 ID:QPrKAZkD
「寄生虫じゃな」
顕微鏡で血液サンプルを調べたテレンコ大尉の言葉は簡潔だった
「助かるのか?」
ベッドに横たえられた少年の華奢な手を握りながらアタシは聞いた
「こいつは特殊な虫でな、発病するのはそれこそ30年に一人いるかいないかなんじゃよ。当然治療薬も一般には出回っておらん」
「治せるのか治せないのかさっさと言え!!」
この基地が出来てからずっと食料を届けてくれた麓の村の少年だ、基地の全員が友達と言っていい
「確かポルポトの病院に在庫があったはずじゃが・・・」
「ポルポトなら先月から共和国軍の占領地よ」
アンニュイな声で横槍を入れるのはバスタオル一枚のフェルミだ。あ、テレンコ大尉が鼻血出して倒れた
「話は聞かせてもらったわ」
>>329 ヒルツは変態じゃなくて電波だからね。ザイリン値は低くて当然さ。
1ヒルツ=20ザイリン=200ブレードとなってヒルツの方が高く・・・
って、そうか。ザイリンさんは1万ザイリンだったか。
ではヒルツは何ヒルツでブレードさんは何ブレードと言う事になるがまぁ、気にしないでいよう。
1アァァァンビエントヒルツ
200許すマジブレード
3分の2ルート5オコーネル
まだプーという単位を聞いてないぞ
なんかさ、ヒルツとかプーとかの話題してるとSSに誰かが書きそうな気がするから
やめないか?
ブレード日記スレの末路みたいなことにこのスレはなってほしくない。
337 :
鷲は舞い降りた(4):2005/12/25(日) 18:26:37 ID:j6C13HNB
「Zi−ユニゾン、バイオプテラプター!」
「何じゃそりゃあ!!」
アタシは空を飛んでいた
正確にはアタシの乗ったクロべえがフェルミのバイオプテラに吊り下げられて飛んでいた
「見ろ、人がゴミのようだ」
いかん、生まれて初めての体験に少々舞い上がっていた様だ
「それにしても何で自分から協力するなんて言い出したんだ?」
「ただの気紛れよ」
いつものように面倒臭げに答えるフェルミ、だがアタシの良過ぎる耳はそのあとの独り言も聞いてしまった
「ホント、こんな事したってあの子が帰って来る訳ないのにね・・・」
・・・何か来た。憂鬱間という何かが。
ゾイドジェネシス放映後に書いてくれてるバトスト?が無いところを見ると
過疎化まっしぐらかな。
今回の話は前編みたいな内容だったからな
ある程度一区切りついてからでないとアニメの展開と絡ませるのは危険
よい子のお約束
デス、ギガ等の決戦ゾイドは出さない(間違いなく荒れる)
バトストやアニメのキャラ等と必要以上に絡ませない(ネタならともかくマジでやると荒れるもと)
以上、好き勝手なチラシの裏でした
>デス、ギガ等の決戦ゾイドは出さない
旧大戦のギルがトライアングルダラスの影響でジェネシス世界にすっ飛ばされ、
ソラシティ近くを飛んでるところを10倍近い体格さのギルドラゴンにボコられる
のを妄想。
あくまでもネタ。
厨性能で有名なメッキゾイド群も駄目だろうな。
>デス、ギガ等の決戦ゾイドは出さない(間違いなく荒れる)
マイバトストスレの話になるが、某氏はその反則技を二度もやっているw
また別の某氏はヘルファイヤー食らったらギルベイダーでも危ないと書いていた
(中の人がチンってだけで、機体は平気ってフォローはあったけど)
でも、どうでも良い話だな。
このスレはこのスレで独自の道を切り開いてくれい
ギルが出たらクルーガー主役で書こうと狙ってるんだがやめたほうが良いかねぇ。
イメージはアニメ設定を一部取り込みつつ「クレイジーホース」クルーガーの現在の姿。
白煙の中から現れたバイオラプターは、突然現れたこちらの姿を見て一瞬思考停止に陥ったようだった。しかしロイドはその隙を見逃す気は全く無かった。
バトルローバーを跳躍させ、大剣をラプターの首の装甲の隙間に向かって切り上げる。そのまま跳躍の勢いを利用してラプターの背を踏み台にしラプターの背後へ着地した。
着地すると同時に、何か重い物が地面に落ちる音と何かが倒れる音が辺りに響いた。これであのラプターはもう追って来れまい。
そろそろ煙幕が切れる頃合か。あまり時間がないな・・・などと考えながらロイドはローバーを駐屯地の外に広がる森へと全力疾走させた。
森まで後300mという所で、何かが背後から近づいてくる音が聞こえてきた。振り向くと3機のバイオラプターがこちらに迫ってきている。どうやら先ほどの機体に仲間を呼ばれたらしい。
彼我の距離は大体200mほどといったところか、駆けっこなら問題なく森まで逃げ切れるだろう。ただ鬼が飛び道具を使うとなれば話は別である。
3機のラプターは同時に口を開け、こちらにヘルファイアーの標準を合わせた。
万事休す、と思われた瞬間。3機のラプターに突如弾丸の雨が降り注いだ。
弾丸の雨に乱打され、堪らず地面に叩きつけられるラプター達。しかし並のゾイドならコマ切れになるほどの弾丸を受けても、この化け物は破壊できない。
突然、弾丸の雨が止んだと思うと3機のラプター達に影が差した。
次の瞬間。ラプター達は、ゴジュラスの腕と大剣を持つ異形のサラマンダーに両断された。
待ってましたと目に涙
すわガブリエーレかと目に涙
キター(゚∀゚)ー!!
「なんて勘のいい野郎だ畜生!」
俺は強力な“獲物”を手にしたバイオメガラプトルを睨んで毒づいた。
バイオゾイドとやらの装甲(ヘルアーマー、っつたな)にはリーオってヤツでできた武器しか通用しない。
共和国に突きつけられた大いなる試練ってわけだ。この試練を乗り越えるため、我等が誇る偉大なる技術者どもは
リーオ製のブレードと弾体を開発した。俺らはその試験を命じられた。
どういう訳かは俺にゃわからんが、ヘルアーマーはそれをつけているバイオゾイドのコアが活動を停止すると
変質して耐弾性がガタ落ちになるらしい。つまり、ヘルアーマーへの効果を調べるには、生きてるバイオゾイドへの
試し撃ち・試し斬りが不可欠なわけだ。今回の試験の目玉はリーオ製の弾体で、とりあえずという感じで
カノントータス用に試作したヤツが送られてきた。俺のブレードライガーにもついてる
リーオ製ブレードみたいな、格闘兵装はいくつか試作されてるが、リーオ製の弾体はこいつが始めてだ。
「これでやっと砲撃戦ができるな」
マイクに話を振る。ゾイドの系列よりも搭載火砲で機体を選ぶという、ゾイド乗りとしちゃ××××なんじゃないか
ってほどぶっ放すのが好きなこいつのことだ、うれしくてたまらんだろう。
「そうなるな」
明らかに顔がニヤつくのを抑えている。
「ところでなんだ、アレは」
俺が言っているのは、弾体から伸びる長いケーブルのことである。
「なんでもな、リーオってのは少ないだろう、だから使い捨ては弾薬の供給に問題が出るからあれつけて回収すんだと」
「もったいねえってことか」
「そういうことだな」
弾薬登載中だっつーのにマイクは自分のカノントータスに乗り込んでしまい、俺もあのクソったれケーブルのことは
頭の隅のほうに行ってしまった。
「ゾイド搭乗!」
時間が来たようだった。
「ファイア!」
マイクはメガラプトルに向けてぶっ放した。一緒にいたバイオラプターは俺とキースのリーオ製ブレード換装
ブレードライガーがつぶした後だ。俺らはマイクのカノントータスやデータ取りのみんなの護衛と、
標的を一体だけにするのが任務だった。
「…チッ!」
メガラプトルに乗ってるヤツはいい腕をしていたらしい。マイクの弾を避け切れはしなかったものの、
致命傷は避けていた。弾はそいつの肩に突き刺さり、ケーブルがそこから伸びてい…、
ケーブル?
「!!!」
「!マイク!!」
あろうことかメガラプトルはケーブルを掴んでカノントータスを引きずり回し始めた。
「マイク!ケーブルを切り離せ!」
「そんな機構ねえ!」
後でこぶをつくった技術屋から聞いたことだが、切り離し機構をつけると発射の衝撃に耐え切れず、そこから
外れてしまうのではないかという危惧から切り離し機構をつけなかったという。
「今助けてやるぞ!」
キースが突っ込む。しかし、なんとメガラプトルは、カノントータスを振り回しキースのブレード目掛けて
叩き付けた。キースはそれを何とかかわす。俺もキースの反対側から突っ込む。
しかしぶん回されるトータスに脚を止められる。メガラプトルは勢いに引っ張られるように前進していく。
あけおめ
ところで、レーザーブレードはリーオ製にしなくてもバイオゾイドに通用する、ってことにしたよな。
ストームソーダーのブレードが通用するかどうかで悩んでたりするんだが。
「…うがっ…!!」
「キース!」
メガラプトルとデータ取り班との間に割って入ろうとしたキースのブレードは、首の付け根に斜め上から
トータスを喰らって屑折れた。俺は殆ど反射的に逆上し、差し違え覚悟でヤツに突っ込む。だが慌てて
相手に左を見せるようにターンして急停止する。差し違え覚悟だとマイクまで巻き込みかねない。その僅かな
隙を突いてトータスが叩き付けられる。横に跳んでかわす。突然、金属の擦れ合ういやな音が響き渡る。
「…まずったか…?」
さっき俺のライガーの左のブレードがキースのライガーに当たった。しかし、キースの機体には表面に
引っかき傷がついた程度。俺とキースの機体は、リーオの希少性から、右のブレードだけがリーオ製なのだ。
左は欺瞞のため右のブレードに似せたカウンターウエイトで、ありふれた金属製なのである。急停止したとき
左を相手に向けたのもそのためだ。まずい。まず過ぎる。相手に観察力があれば今ので気づかれたかもしれない。
>352しまったそうだった…う〜ん困った、ええと、こいつらはレーザーブレード装備してない機体用の
リーオ製ブレードを開発するためのテストもしてるってことで…。御指摘感謝
「なんて勘のいい野郎だ畜生!」
気づかれた。メガラプトルは俺の左へ左へと回りこんでくる。トータスが何度も叩き付けられる。必死で
かわしていたが、とうとうしくじった。かわしきれず、当てになるほうのブレードを取り付け部から
叩き落されてしまったのである。
「すまんな…、キース、仇討てなくてよ…、ごめんな…、マイク、助けてやれなくてよ…」
トータスがくる…、俺は呆然とそれを予測する。あのケーブルのせいで…、あのケーブルの…、
ケーブル?
「やってやる!」
俺は操縦桿を握り直した。
で、今俺達は捕獲したメガラプトルを運んでるとこだ。あの時、俺はブレードにトータスを
もぐり込むようにかわさせ、ケーブルを銜えさせた。そのままヤツのまわりを全速力でぐるぐる回り…、
後はご想像の通りだ。
「これで我が開発部の天才方に貴重な研究材料を御進呈できるってことだ」
キースがわざと丁寧な口調で言う。どんだけ頑丈なんだ、コイツは。
「そういうことだな」
マイクが応じる。あんだけぶん回されてこぶとあざだけか、オマエは。
「まあな」
おれはちょっと苦い口調で言ってみる。問題は我等が天才方は味方を苦しめる天才だってことだ。
「リーオ製の弾を回収…」ってとこから思いついて勢いで駄文書いちゃいました、すみません。
>352に指摘されたミス犯してるし。えー、リーオ製の兵装装備ってのはもういやなひとは無視しちゃってください。
元旦からGJ!
>>355 >リーオ製の武器
ロンのパンダ二号機もしれっとセイリュウサーベルとか装備してるし、
入手は難しいけど不可能じゃない程度の扱いでいいのでは?
何にせよGJ
>350
新年からグッジョブ!
別に揚げ足を取ろうと思ったわけじゃなかったんだが、申し訳ない。
変なタイミングで書き込んじまった。
バイオラプターが2機こちらに向かっている。
その後に紫色のフレームのバイオメガラプトルが一機いる。
おそらくこれがリーダーだろう。
バイオゾイドには攻撃が通用しないという事は先の町で聞いた。
その成りはメガネをかけた男が言っていた。
我々は元の世界に戻れるのだろうか・・。
それは無理かもしれないが、ディガルドと言う国が存在するかぎり安全に元の世界に戻ることも
ここで暮らすこともできない。今、我々にできることはなるべく敵を叩くことだ。
初心者なのでまだまだ未熟ですが、目を通してもらえると嬉しいです。
ストラトはかって共和国の中ですご腕のライガー乗りだった。
格闘戦が得意でレオマスターのアーサーも注目している。
しかし、ある理由で戦線を退くことになり、フリーの傭兵となっていた。
その愛機はブレードライガー。
かってシールドライガーに乗って活躍し。アーサーのブレードよりも早く
シールドをブレードに改造した男でもある。それはアーサーにも極秘で開発されていた。
元々のシールドの時から基本性能が高く、初期のOSを組み込む事によりさらに強化されたブレードライガーとなった。
研究者の中では数あるブレードライガーの中でも最も強力と言われている。
ストラトは当時、傭兵として戦っていた。
プロイツェンのデスザウラーとルドルフのセイバーが戦ってるときである。
何気ないさっきでデスザウラーの格納庫に近づいたが近づいた瞬間、デスザウラーが爆発したのである。
とっさにEシールドを張ったが、衝撃で気を失ってしまった。本来なら死んでいただろう。
しかし、気がついたストラト軽い怪我ですんでいた。それどころか、目の前の風景が今までいた場所と違うのだUU
「ここは、どこだ?爆発に巻き込まれたはずなんだが・・・。夢なのか・・・。」
夢かと思いほっぺをつねった、しかし、痛い。
夢ではない、とりあえずブレードライガーでその辺りを探索していた。
とある町に行き着き、情報を仕入れた。どうやらここは元いた世界と違うようだ。
情報を仕入れているとある一人の男に声を掛けられた。
「あの青いライガータイプのゾイドはあんたのかい?」
メガネをかけた奴が言った。
「ああ、俺のゾイドだ」
「あんな大きくてでかいライガータイプなんて珍しいなぁムラサメライガーとは違うのかい?」
と聞いた。
「ムラサメライガー?何だそれは、新型か?」
と会話が成り立っていない状態になり、ストラトは事情を説明した。
「ロンと言うのか、その情報が本当だとしたら敵はやっかいな奴だな。リーオと言うのは希少なんだろう?」
「ああ、希少さ、でも探せば見つかると思うし、僕のゾイドにも積んでいる」
バイオゾイドというのはリーオの攻撃でしか効果がないらしい。
二人は別れ、ストラトはブレードに装備するためのリーオを探していた。
その時である、町のはずれで爆発音がしたU
ヘアファイターらしきゾイドがバイオゾイドとやらと戦っていた。小型のレブラプターのような奴と、
大型のジェノクラスの奴だ。
「なるほど、あれがバイオゾイドか・・。ロンによると小さいのがバイオラプターで大型のがメガラプトルか・・。」
バイオラプターは機械的な動きなのに対し、メガラプトルは並以上のゾイド乗りが乗っていると思われる。
「一対三じゃあ分が悪い、悪いけど退散させてもらうよ・・」
とロンが言い、バンブリアンの笹ミサイルでかく乱し退却していた。
その攻撃で敵も無傷ではなく、リーダー格のゾイドも退却していた。小型はおそらくやられたのだろう。
その時、ブレードのレーダーに反応がUU
うん、職人さん達GJ!!ところで、ロンの笹ミサイルのリーオが尽きないのはやはりソラノヒト(ry
ブレードの付近に3機のゾイドがいる・・。機影からしてバイオゾイドだ。
「ちっ、リーオも手に入れてないのにどうやって相手すんだよUちっさっきのようにかく乱して逃げるか」
確実に近づいて来ている、ようやく姿が見えた。
「2体はバイオラプターだな。もう一対はさっきの大型のと色が微妙に違いがあるが・・」
ブレードライガーが攻撃態勢に入ったとたん、バイオゾイド達がこっちに向かってきた。
おそらく気づいたのであろう。ブレードも負けじとつっこむ。
「まずはラプターからだな・・いくぞっ、ライガーU」
ブレードはラプターの攻撃をあざやかに交わし片方のラプターにストライククローの一撃を食らわせたU
ラプターは吹っ飛ぶU並みの中型ゾイドでも一撃で破壊する事は可能な攻撃だったU
しかし、吹き飛ばされたラプターは立ち上がっている・・・。
「これがさっき聞いたバイオゾイドの装甲か・・」
たしかに吹き飛ばされたラプターにはところどころショートはしているものの
これと言って大きな傷はない。おそらく装甲自体にはかすり傷程度だろう。
もう一機がブレードにとび掛かってきたUUストラトはこれは紙一重でかわし、爪の反撃を加える。
しかし、あまり効いてはいない・・。
「くそっ、何てバケモンだ・・はっ、待てよ・・・」
ストラトは少し考えた。それで考え付いた攻撃をしてみた。
ラプターが2機爪をきらびかせてこちらに向かってくるU格闘でもいどんでくるのだろうU
しかし、チャンスだ・・・。「よし、いくぞーーU」ストラトは叫んだU
バイオラプターが2機爪で飛び掛ってくるUそこを最小限でかわすライガー。
ライガーを両爪でラプターを叩き伏せたUしかし、これだけでは効いてはいない・・。
その時ライガーは前足に力をかけラプターを押しつぶしたU
「装甲がダメなら、中身をこわせばいいだけだ。」
ラプターを倒したストラトはもう一機突っ込んでくるリーダー格のゾイド、メガラプトルと一騎打ちになった。
「こいつは厄介だな、さっきの攻撃では倒せそうにない・・・」
ラプトルが火の玉を吐きながら襲ってくる、しかし、またもやそれをあざやかにかわすライガー。
「こいつの動きにはさっきのような人間的なうごきがない・・。一対なんだ・・?」
ライガーも挑むUしかし、中々攻撃が効かないUUその時である・・・。
ブレードライガーとストラトが精神リンクしたのであるU
ブレードライガーの本来あるべき戦い方をブレードライガーが精神リンクを通じてストラトに呼びかけたのである。
「そうか、ブレードか・・・しかし、効くかどうかは分からないし。もうブレードを使うのは辞めたんだ」
「だが・・・ここで巻けたらあいつに顔向けできないU絶対に負けられないU」
ブレードは走り出したUラプトルに向かって。
ブースターを点火し、ますます早くなるブレード。
ラプトルも火の玉を打ち出し迎撃しようとしている。
しかし、そんなものはものともしないライガーU
ライガーの両脇からレーザーブレードが展開されるUとても輝かしい光に包まれて。
「いっくぞーーUブレードアタックU」
メガラプトルの攻撃をかわし、メガラプトルの首に切り込んだU
すかさずライガーは回避体勢に写る、
「やったのか・・・?」
メガラプトルはこちらに向かっている・・・。
「やはりダメか・・・。」
その時、ラプトルの体は一刀両断になりくずれおちた・・。
多少の沈黙の後、ラプトルをリーオ以外の武器で倒した事に気づき、
「リーオの武器でなくても倒せるのか」
これを早くあいつに伝えなければU
ライガーは走ったU
つづく
GJ!つづくか、シリーズ化か期待。
ムラサメ:「お前…、援護とかしろよ」
シールド:「うるせえ!俺みたいな一般ゾイドをお前らみたいなでたらめゾイドの
万国ビックリショーにまきこむんじゃねえ!」
「これはアレか、放置プレーってヤツか?」
俺は誰に言うとでもなくつぶやいた。返事はないがキースは同じ気持ちのハズだ。マイクは確実に
違うが。そしてそれは俺とキースがヤツの機体の斜め後ろのポジションから外れないことに
神経磨り減らしてるのと同じ原因を持ってるんだが。
共和国技術陣が絶対の自信と共に送り出した“最強”の海戦ゾイド。それがハンマーヘッドであった。事実、ハンマーヘッドは
その初陣でガイロス帝国海戦ゾイドに対し圧倒的とまで言える優位性を示し、最強の海戦ゾイドの名を
欲しいままにした。そう、あいつが現れるまでは…。
ウオディック。ガイロスが復活させた“真の”最強海戦ゾイドである。ウオディックの実戦投入により、一度逆転した共和国と
帝国の海洋におけるパワーバランスは再び逆転された。しかし、そんなことで挫ける我等が偉大なる技術者様どもではない(非常に
残念なことに、彼らを挫けさせるものはこの世に存在しない。そう、予算を除いては)。なんとか鹵獲したウオディックの何割かを、
節操の無…、優れたものはそれがどこで創られたかを問わず取り入れる我等が開発部は、研究のため入手した。そしてそれらの内の
一部は、開発部による改造を施され、ウルトラザウルスを旗艦とする部隊の海中護衛としてニクスへと向かった。
その部隊のその後は…皆さんもよく知る通りだ。そして今俺達が乗ってるのは…件のウオディックだ。
マイクの顔が人類の理解を超えたものとなっていた。そりゃそうだ、この火器を少女漫画の目で見つめる生物に音波砲なんてもん
与えちまった日にゃ。マイクは早速技師達を(彼の言う所の)説得して、音波砲に改造を加えさせた。
音波(というか波、振動)は発生源から放射状に広がっていくもんである。音波砲は、波の干渉を利用することでその軌跡を
直線的なものとしている(そりゃそうだ、もし放射状にでも広がろうもんなら敵味方関係なく周りにいるヤツを巻き込んじまう)。
マイクは、この機構に改修を施すことで音波砲の軌跡を従来のほぼ直線のものと前方約90度の範囲に広がるものに切り替えられるように
させたのである。軌跡を広げた場合、威力はやや低下してしまうが、マイクは御満悦であった(ヤツの顔の示す歓喜は
御満悦どころの騒ぎじゃなかった)。これでお解り頂けたであろう、なぜこの現世に恋い恋いとする我等二人が、
この至福の時を味わいたくてうずうずしている戦友の斜め後ろから外れないようにしているのかを。
面白いんすけどメル欄に入れるならsageの方がよろしくてよ
この世界に来た当初、敵ディガルド武国の情報は全く無いといってよかったため、当然自分達共和国を基準にとって
考え、連中も海軍を持ってるもんだと思われていた。そして、遭遇した連中の陸戦ゾイドが極めて強力だったため、
敵の海軍は強力な海戦ゾイドを備えてるもんだと考えられていた。
となりゃ、我等が技術者様どもの採るべき道は一つ。海戦ゾイドの充実を上層部に訴え、
そのための資金と権限を確保したのである。
しかし、この世界についての理解が進むにつれ、この考えは全く見当違いだったことが分かってしまった。
そもそも、ディガルドのヤツらはろくな海軍も海戦ゾイドも持っちゃいなかったんである。
この世界は(少なくとも今俺らのいる大陸は)ほぼ大陸内だけで政治・経済等人間活動が完結しており、
さらに(まさしく俺らを除いて)大陸の外から人間の大集団が来ることなんて無かったもんで、
強力な海軍は必要なかったんである。大人しく歴史に詳しいヤツの言うこと聞いてりゃ良かったわけだ。
「ライガー補正」
「ん?何か今聞こえなかったかキース?」
「俺には何も聞こえなかった」
「いやでも確かに」
「俺には何も聞こえなかった」
「でもさ…」
「俺には何も聞こえなかった」
「…」
ここで技術者達どもは驚くべき行動に出た。確かに対海戦ゾイドとしての海戦ゾイドは必要ないが、
もし戦略的な兵装を海戦ゾイドに搭載できれば、正に究極の切り札となると意見具申したのである。
全くたまげたことにこの主張は受け入れられた。確かに、戦略級の兵器を積んだ海戦ゾイドを配備できれば、
相手にそれに対処する手段が無い以上それは究極の力を得ることに等しいだろう。ガキでも解る理屈だ。しかし、
この世界で我々に戦略兵器を創り出せる可能性など皆無であることは赤ん坊でも解る理屈だ。
>373うん。書き込んでから字数ミスったの気づいた。気をつけよう。御指摘感謝。
「これはアレか、放置プレーってヤツか?」
そんなとばっちりを受けて、俺等はウオディックの試験をやらされてる。俺等以外敵も味方もやってきそうも
無いところ、海で。
「暇だよな」
「ああ」
この会話を交わす二人の斜め前方には暇とは全く正反対の存在がいるんだが、やはりすること無いのはつらい。
ふと、名案がひらめく。
376 :
373:2006/01/02(月) 00:14:53 ID:???
>>375 いやいや、別に字数を指摘した訳ではないんですが…
「今からウオディックの走行性能試験をしよう」
「いいね!」
ここでぷかぷかしてるだけよりコイツを歩かせてみた方が遥かにマシ、そして何より…、ほんっとうに
重大なことだが…空気に音波砲撃ってもあまり威力が出ない。キースは早速賛同する。
さすが“解ってる”。
「コイツはウオディックSSBなんだけど…」
マイクはやや間を置いて不機嫌そうに言う。走行試験については表立って反対できないんで、
別のところにケチつけたんだろう。
「悪ぃ悪ぃ、それお前がつけた名前だったよな。ところでSSBってどういう意味だ?
まさかスーパーソニックブラスターの略だったりしないよな?」
「そんなわけないだろ」
「だよな」
「すごいソニックブラs
「じょ〜おり〜く」
>376確かに字数って表現はおかしかったですね、重ねてすまんです。
ウオディックを歩かせるの想像していたより面白かった。体をひねって殆ど動かない足を前に
運んでいくという、他にあまり例の無い歩き方だからだ。俺とキースはすっかりご機嫌で、
呪文みたいな通信が聞こえてこないところを見るとマイクもそう悪くはなさそうだ。
「結構歩けるなコイツ」
「ああ、砂浜だけじゃなくこんな結構硬い地面を歩き続けてても…」
硬い地面を歩き続けてる…?硬い地面…?
「まずいな、結構海岸から離れちまったようだ」
「ああ、こんなとこでバイオの奴等に見つかったら最悪だ」
「はは…なるほどね…こういう状況が最悪っていうわけだ…」
俺とマイクはキースに指示された方を見た。メガラプトルがいた。
俺等はそりゃあもう必死だった。全高が小さいこともあって幸いにも先に相手を発見したんで、
こっそりとしかし急いで海岸のほうへ移動していったが、やはり途中で見つかってしまった。
ヤツはあっという間に距離を詰めてくる。地獄で仏だったのは、ウオディックの防御力が
高かったことと、浸水対策がしっかりしてるので燃焼剤が入り込まず、ナパームに意外と強かった
ことだ。でも、はっきり言ってそんなん気休めにもならん。
「くそったれが!」
ここで悪い癖が出て、俺は逆上しヤツの方に向き直ってレーザーを撃った。当たったところで
無意味なんだが、陸上でウオディックを細かく操るのは難しく、当たるどころか
明後日の方向に飛んでった。機体の向きを変えたことで
メガラプトルに追いつかれやすくしただけだった。
「ここで俺は死ぬのか…」
ヤツが何かに脚をとられて転んでくれないものか。それは無いな、こんな平らで硬い地面じゃ…、
硬い地面?
「キース!マイク!俺が跳べっつったら全力で跳び上がれ!」
「なにいってんだオイ!?」
「いいから言う通りにしろ!」
「あのさ!」
「なんだよ!」
「ここでお前の名前叫びたいんだがお前の名前がわからん!」
「書いてるヤツも考えてなかったことをここで聞くな!」
俺はタイミングを計る。まだだ、もう少し、もうちょい、あと一呼吸、今だ!!
「跳べぇーっ!!!」
「しかしまあ、よくもあんなこと思いついたもんだな」
キースが大して感心しても無いように言う。
「ああ、大昔の地球に爆発の衝撃波を地面に伝えて建物を破壊する爆弾があったってのを
マイクから聞いたことがあってな。それに今までの戦闘データ見ると
バイオゾイドも衝撃に影響受けるみたいだったし。ま、博打だったけどな」
あの時、俺はヤツを十分接近させてから、かわされないよう軌跡を広げた音波砲を
ヤツの足元の地面に向けて撃った。キースとマイクに跳び上がらせたのは
巻き添えにならないようにするためだ。水を媒質にすると海戦ゾイドの装甲をも
打ち破る音波砲の衝撃波は、メガラプトルの直接地面についた脚部フレームに伝わった。
それでも多分、ヤツは脚部フレームの不具合で一時的に走れなかっただけか、最高でも
パイロットが軽い脳震盪を起こした程度だったろう。その短い足止め時間で、
日頃の行いと火事場の馬鹿力のお陰で海の中へ逃げ込めたわけだが、その時間を作る
為だけにウオディック二体がオシャカになった。着地が早すぎたマイクの機体と、
音波砲を放った俺の機体である。マイクの改造は、音波砲の軌跡を広げた場合の
自機への衝撃の伝わり方をろくに考えてなかった節がある。
コクピットから半分気絶した状態で脱出した俺は、無事だったキースの機体の方へ
ふらふらと歩いてゆき、キースとマイクの二人で俺を
キースの機体のコクピットに引きずり込んでくれたらしい。
「ま、ウオディックでなければできなかったことだったわけだ」
マイクが妙に感情のこもらない声でつぶやく。
「そういうことだな」
俺も同意する。確かにそうだからだ。
「すると今回ばかりは、開発局に感謝せにゃならんのかな」
キースがさっきのマイクみたいな、妙に感情のこもらない声でつぶやく。
確かに開発局がウオディックにこだわっていなかったら俺達はあれに乗ってなかった。
「そうかもしれないな…」
そう答えている俺である。今日は帰ったとき技術者を殴るのはやめとこう。
ふと、キースがつぶやいた。
「…でも、ハンマーヘッドだったら飛べてたんだよな」
やっぱ殴ろう。
で、sageはどうなったのかね?
385 :
痛撃!:2006/01/02(月) 02:26:01 ID:???
>373、>375、>384俺実はネット初めて日が浅いもんで、sageについてなんか馬鹿な勘違いしちゃってた
みたいなんです。今ちょっと見てみたらE-mail欄にsageとかくとか書いてある…。もっと勉強してきます。
まあ、ageた方がいろんな人に読んで貰えるからいいんじゃない?
この板はageてもそれほど業者や荒しは来ないし。
SSB スーパーsageブラスターの略
388 :
痛撃!:2006/01/02(月) 17:21:49 ID:???
>386 ageとsageって関係あるものだったんですか!(両方何のことだか知らない)字面が似てるだけの
全く別の二つのものかと思っちゃってました…←また一つネットへの無知ぶりを曝してしまった俺。
ちなみに俺のしちゃってた馬鹿な勘違いっていうのは、
「一回の書き込みの字数が多いと、新着書き込みがまとめて見られるページだと途中で表示省略とかあったりして見にくくなるから、
一回の書き込みは字数少なめにして下に表示される新しい書き込みにまわした方がよいですよ」
と言ってくれてるものだと勘違いしちゃってたことです。書き込みを下げ(sage)た方がよいですよと(←馬鹿でしょ俺)
373さん、噛み合わないこと書いちゃってすみませんでした。
ちゃんと調べないとダメですね…。よし調べよう。そして今度はバリゲーター出そう(ネタは考えてある)。
>>388 とりあえず2ちゃんねるブラウザを使った方が良いと思うよ。
390 :
388:2006/01/02(月) 17:50:02 ID:???
>389
御教え感謝です。それ調べてみます。
>>390 ばりげーたーハァハァ
ばりぎゃん期待しとくばい
つづき
ライガーは走っていた、しかし、バンブリアンは見つからなかった。
「さすがに、時間かかりすぎたな」
ストラトは半ばあきらめつつも、あの日の事を思い出していた・・・。
「あの爆発でここの世界に来たって事は・・、他にも巻き込まれてこの世界に来た仲間がいるんじゃないか?」
と、・・・
一方その近辺では、爆発に巻き込まれたガロスと言う男がいた・・・。
「ここはどこだろうか?とにかく落ち着いて辺りを探索するか・・・。」
ジェノザウラーに乗ったガロスは、冷静に行動をする・・・。
このスレはゾ板全体の過疎化にも負けないようにしような・・・。
394 :
345:2006/01/07(土) 10:35:35 ID:???
クルーガー主役で書いてみた。嫌だったら言ってくれ。
共和国空軍大佐R=S=クルーガーはいらだっていた。
理由は彼の指揮下にあるレイノス部隊の士気が低下していることにある。
共和国空軍にとってサラマンダーと並び、復活が待ち望まれていたレイノス。
性能とコストのバランスで言えば最良の空戦ゾイドと言えるだろう。
ストームソーダーは確かに高性能だがそのサイズと複雑な機体構造が災い
して、けっして生産性が高いとはいえない。
サラマンダーは制空に使うにはあまりにも高価すぎる。
共和国空戦ゾイドの基幹はレイノスしかないのである。
それが・・・
「報告します。任務を完了してただいま帰還しました。レイノス隊の損害は0。
・・・敵機が来たら、逃げ回っていましたから。」
敵拠点への爆撃任務の成功を報じる第2大隊第3中隊長の顔はさえない。
「代わりに護衛のストームソーダーがまた堕とされました。」
「任務ご苦労だった。ストームソーダー隊には俺から感状を出しておく。」
「・・・連隊長。いつまでこんなことを続けるのですか?これではストームソーダー
隊に負担をかけるばかりです。バランスを崩して地上に叩き落せばバイオゾイド
だって破壊できることは確認済みです。自分達も制空任務に」
「何度も言っただろうが。こっちの攻撃でダメージを受けない相手と格闘戦をやるのは
危険すぎる。そりゃ以前のたまにバイオプテラが単機で出てくるだけなんて状況なら
複数で格闘戦を仕掛ければやれたかも知れん。だが、現状では自殺行為だ」
そう、グイとかいうディガルドの新鋭機。あれの登場が状況を一変させた。不死身の
バイオゾイドがしゃれ抜きで空を埋め尽くしてやってくる。高空性能は低く、運動性も
劣悪。しかし、数と防御力がその欠点を埋め合わせていた。
395 :
345:2006/01/07(土) 10:36:17 ID:???
バイオゾイドを倒すには、リーオの武器を使う、口の中を狙う、レーザーブレードで叩
ききる、圧倒的なエネルギー(位置エネルギー含む)で蹂躙する、のどれかしかない。
リーオの武器もレーザーブレードもレイノスには無い。口の中を狙うといっても3次元
機動を繰り返す空中戦のさなかにピンポイントで銃撃を叩き込むなんて真似はそうそう
できるものではない。残された手段は位置エネルギーで蹂躙する(平たく言えばバランス
を崩して落とす)しかないわけだ。だが。
「接近して翼を蹴っ飛ばしてバランスを崩す。彼我の運動性能を考えれば1対1なら確か
にできる。だが密集陣形を組んだ相手にそんな機動をとろうとしても狙い撃ちにされる
だけだ。蹴飛ばす際にこちらの動きも止まる。同じ格闘戦でもブレードですれ違いざま
に斬るストームソーダーのようにはいかん。」
何度も繰り返してきた説明をまた繰り返す。部下もわかっている事は承知の上で。
「しかし、我々は空戦ゾイド乗りです。その我々に爆撃に専念して敵が出てきたら逃げろ
と言うのでは、士気が保てません!」
「それを何とかするのが指揮官の務めだろうが!」
思わず語気が荒くなる。「あばれ馬」としては部下の言うことをもっともだと思うが、
空軍大佐連隊長としては同意するわけには行かない。その苛立ちが声に出る。
憮然とした顔のままの中隊長が部屋を辞すのを見送ってから、壁に拳を叩きつける。
手が無いわけではないのだ。かつて自分がオルディオスでやったようにグイのヘルファイァー
を交わしながら正面から突進し、口の中を銃撃する。だが。
「正面から攻撃をしかけりゃ、相打ちになる可能性が高い。しかも向こうは口の中以外に
喰らってもノーダメージと来てる。分が悪すぎる。」
自分の命は惜しくないが、部下の命を分の悪い賭けに乗せるわけには行かない。
考えても、埒があかず苛立ちは募るばかりであった。
(続く)
>>393 むしろ今年は活性化してるほうだ。
・・・まぁ来年以降はわからんが・・・
>>395 GJ!
アニメだとグイは冷凍兵器使ってないけどこのスレ的にはどうなん?
パッケージ設定準拠の方が面白いと思うんだが
3機のラプターが両断された隙を逃さず、ロイドは森の中へと駆け込んだ。
とりあえずここに隠れていれば、ラプター達には見つからないだろう。そう思い、飛来した異形のサラマンダーを観察することにした。
まず、目に入るのは右手に持った大剣と左手に持った盾だろう。
大剣はラプターを切り伏せた事から、噂に聞くバイオ装甲を切り裂くリーオ製の剣だろうか。しかし共和国にはそんな技術は無かった筈だ。
おそらくは武力提供先の反ディガルト連合からもらった物なのだろう。
盾は鹵獲したフリーランウンドシールドをそのまま使っているようだ。
エクスブレイカーは外されており。盾には大きく共和国の紋章が書かれている。
これらの装備を自由自在に扱う腕はゴジュラスのものを使用しているようだ。おそらくは手持ち武器無しでもかなりの格闘能力を持つだろう。
さらに翼面は特殊膜が張られパワーを高めてあるタイプだ。
そしてその姿は白いカラーリングにより、さながら天使のようである。
それは子供のころにゾイド大図鑑で見た改造サラマンダー「ガブリエーレ」だった。
3機のラプターを一瞬で片付け、次の獲物を探すガブリエーレ。
すると燃え盛る基地から増援のラプターが9機現れた。敵は相当な数をこの基地に送り込んでいるらしい。
ラプター達はガブリエーレの姿を確認するや、三日月状の陣形を組み。じりじりと間合いを詰める。
その様子を「ハンデだ」と言わんばかりに見ているガブリエーレ。
相手が仕掛けてこないのを見るや、9機のラプターが一斉にヘルファイアーを発射する。
通常なら避けようの無い十字砲火は、大空に舞い上がったガブリエールを捕らえることは出来無かった。
〜!〜って題名のヤツ書いてた者です。sage調べてきました。ちゃんとsageになるかまだちょっと不安ですが(初心者練習スレで練習はしてきた)。
>391 うわ、期待して下さってる方いる!ありがとうございます。ちょっと忙しかった… では始めたいと思います。
「誤魔化しゃいいのにな」
笑みが浮かんできた。
バリゲーターは設計の古いゾイドである。西方大陸戦争ではブラキオスに遅れをとり、
さらにハンマーヘッド、ウオディックといった強力な水中用ゾイドが投入され、
シンカーのような飛行能力を持つわけでもないバリゲーターは、能力の低いゾイドという烙印を押されてしまった。
しかし、この世界に来たことでバリゲーターの評価は一変する。
しかし賑わう時と過疎ってる時の差が激しいスレだな
誰かが投下したら他の職人さんもほぼ同時に投下する感じで。
まぁ自分が言いたいことは皆様GJということだけなんだが
うんうん、寂しい時は寂しいからね、ココ。
ところでさ、階級と地位の関係ってどこかにわかりやすい指針は無いかな?
ハーマンが中佐で装甲大隊長、セレスが中佐で閃光師団第2大隊長
シュバルツが中佐で装甲師団長
帝国の方が低い階級で上級指揮官になれると考えればいいのかな?
>>404 シュバルツは将来を期待された超エリート。なので階級以上に権限がある希ガス。
ハーマンは大統領の息子で上級エリート。大統領の息子であるせいか権限はでかい感じ。
ので、この二人はあんまり参考にならないかと。
ありがとう。
>406氏の教えてくれたHPを見るに、帝国は第3帝国ぽく、大佐の師団長が認められると言うことかな。
>405氏の言われるようにシュバルツはエリートだから、特別ってのもあるんだろうけど。
普通は連隊長は大佐の仕事ということなので、クルーガーは連隊長で大佐で良いみたいです。
多謝。
ところで、無印の共和国軍に将官がいないのはスイス同様大佐を最高位としているせいなんだろうか。
勉強になるな。
最近きだしたばかりなんですけど、確かに書き込みの集中する時と無い時の差が大きい気がする…
では続き
大きな河川というヤツは、大型ゾイドの安定した使用が可能になる以前の時代には重要な物資運搬経路だったので、
その経緯から大河川の周りには流通・交通の拠点が多い。
また、大きな道を建設するのに向いた平野にはたいてい大きな河川が流れているものだ。
このため、俺達より工業力の劣るディガルドの大規模な補給経路は近くに河川があることが多い。
このことを突いた、水陸両用かつ隠密性が高いという特性を活かした後方への攻撃・破壊活動で、
バリゲーターは大戦果を挙げた。こうした後方への敵の攻撃を理解し対策を立てている共和国や帝国のような相手では
ここまでうまくはいかない。が、ディガルドの連中は、俺達が来るまで補給経路には小さな組織による
規模の小さい攻撃しか受けたことがなかった(こういう組織の中には、それぞれ違う原色に塗られたフィラソードという
小型ムカデ型ゾイドを使用するヤツラがいるという噂を聞いた)。組織的な大規模攻撃を補給経路に受けたことは
無かったため、これへの対策法を確立していなかったのである。
連中が有効な対水中ゾイド探知法・攻撃法を持っていなかったことも拍車をかけた。
河川を防御に“有効に”利用しているくらいなのだ!
また、水運に対する破壊活動も行われ、その結果ディガルドは運河や大河川を使った輸送に大きな制約を負った。
効率のいい水上輸送はただでさえ重要であるところにきて、道路網の未発達なこの世界で
これは極めて大きな戦果といえる。バリゲーターは、極めて大きな戦略的価値を獲得したのである。
そして、護衛として付き添っていたため、バリゲーターは俺等のゾイドの中では比較的数が多く、
また、設計が古く特殊な機構がないということは、信頼性が高いということでもある。
性能が要求のために十分ならば、古いことは必ずしも悪いことではないというわけだ。
この世界で、バリゲーターはまさに水を得た魚のように活躍したのである(ワニなんだが。魚は散々だったんだが)。
だが、ディガルドの連中も馬鹿じゃあない。補給経路の防御対策を立て始めた。
まず、警戒・護衛のバイオゾイドを大幅に増やした。
そして、補給経路を幾分河川から離れたところに設定し始めた。
俺等が試験を命じられたバリゲーターは、まさにこの状況に対処するために開発された。
河川から離れたところまですばやく侵攻し、バイオゾイドに遭遇する前にとっととズラかるために、
陸上での走破性と速度の向上が図られた。そのため、脚が少し延長され、そう長い距離ではないが、
脚を伸ばして体を持ち上げた体勢で走ることができるようになった。
それに、ディガルドの連中のセンサー関係が共和国のものより大きく劣っていることを突き、
こっちは見透かせるが連中は見透かせないというレベルの発煙弾を撃てる発射機が装備された。
直接大きな戦果を挙げられれば万々歳、もしそこまでいかんでも、これで補給線にプレッシャーをかけて
警戒のバイオゾイドを増やさせることができれば、その分直接戦闘に参加するバイオゾイドを減らせる。
コレ書いてるヤツはUボート意識しすぎだ。
「コンテナの追加?」
俺は眉をしかめた。ま、出し抜けにわけのわからんこと言われんのは慣れてるから、
別にいぶかしんだわけじゃなく単なるポーズなんだが。
「ああ、この世界は大きな橋が少ないだろう、それで河を横切る輸送にゾイドを使いたいらしい。
で、輸送用のコンテナをバリゲーターにつけられねえかだと」
マイクが面白くなさそうな顔で言う。
「ボートじゃ見つかっちまったときに逃げ切れん、新型輸送用河川ゾイドは開発余裕がないってワケか…」
また俺等に皺寄せだ。
「御命令御命令、っと…」
バリゲーターは体をくねらせ、尾を振って水中での推進力を得ている。このため、胴体や尾には
コンテナが付けられないし、牽引式にすると牽引用ケーブルが尾に絡まる恐れがある。
そんなわけで…
「噛み付けなくしやがって」
コンテナは頭を改造して造られた。なんだかヒゲクジラの頭みたいになった。
そういやこんなワニが恐竜が生きてたころの地球にいたってなんかで読んだな。
長距離移動試験。俺達は河を上っていった。
「ガチガチに目的地決めやがって…」
ザ・無茶言うーズ(上の連中)は、試験での到達地点をかなり細かく決めてきた。敵地へ侵入するのが
目的の機体だからどこまで行けるか調べるのは当然ではあるのだが、こうも融通が利かんとは。
かなり上流のほうまで来ている。川は浅くなって、川幅も狭くなっている。もうすぐ目的地だが、
この分だとそこはバリゲーターが泳いでいける限界の水深かも知れん。
「レーザーブレードでも切れんほどの石頭なんかねえ」
「だろうな。ん…、なんだ…?チッ、歩かんとな」
俺等の遡行してる川の近くで土砂崩れかなんかあったらしく、でかい岩が川の中にいくつも転がっていた。
バリゲーターが通り抜けられるだけの隙間はなさそうだし、
岩の上を泳ぎこすのも水面までの距離を見るに無理そうだ。
「目的地をガチガチに決めやがるからなあ…」
文句を言いながら川岸に上がる。上流に向かって歩き出す。
不愉快なハイキングが続く。
「全くついてねえ」
「ホントだぜ全く」
「これよりついてねえことなんかありっこねえ…ハズだろ畜生!」
バイオラプターのお出ましである。
「マイク!口を狙え!」
こっちに駆けてくるバイオラプターの姿に焦りながら怒鳴る。
「わかってる!」
川には逃げ込めない。となれば射撃しかない。神業クラスってほどじゃないが、
マイクが射撃がうまいのがせめてもの救いだ。うまくやってくれよ…
「がっ!」
マイクが声を上げた。
「どうした!?」
「仰角が足りねえ!」
脚を延長して体を持ち上げられるようになったとはいえ、バリゲーターは背が低い。そこへ持ってきて
装備してるビーム砲の俯仰角が小さいもんで、この距離ではバイオラプターの口の高さに
向けられないのである。ミサイルはこの場合みたいな特定の部分を狙うようにはできてない。
そうこうするうち、ヤツの火球がすぐ近くに着弾して派手に土煙が上がった。
「チイッ!」
ともかく発煙弾を撃つ。やはり…と思ったが、
ヤツは警戒して速度を落としただけで、こっちに来ることには変わりない。
「どうする!?」
畜生、もっとバリゲーターの背が高ければ…、背が高ければ?
「聞け!」
俺は大慌てで説明する。
「ぇえ!?外したら終わりだぞ!?」
「このままでも終わりだ!それとも他の手考えるか!?」
「すごい名案だやろう!」
その間にもヤツは近づいてくる。
むこうからも薄ぼんやりとは見え始めたらしい。煙の中で、火球を撃つべくバイオラプターが口を開く。
その口の中に
「喰らえッ!」
ビームが飛び込む。口の中で爆発が起こり、崩れ落ちるバイオラプター。
「まるでブレーメンの音楽隊だな、こりゃ」
寝そべった俺の機体の上にキースの機体が寝そべり、その上にマイクの機体が前脚をついていた。
背中のゴツゴツしたバリゲーターでなければ滑り落ちてたかも知れん。
「泥棒の金は手に入りそうにねえけどな。そろそろどいてくれ」
キースに答える。とっとと移動したい。
「わかったすぐどく」
二人が順に降りる。
「さて、行くか戻るか…」
イレギュラーな事態とバイオラプターとの遭遇。試験を打ち切る口実としちゃ十分だ。
「やっぱり戻…げえっ!!」
マイクの驚きの理由はすぐわかった。バイオラプターが5,6体、こっちに向かってきている。
さっきのヤツが近くにいたコイツらを呼び寄せていたらしい。
「打つ手なし…」
急に、いろんな思い出が浮かんでくる。はは、こいつぁーいいや。
「短い人生だったな…」
キースの声だ。コイツらとも短い付き合いになっちまうな。
さて…、なんとなくバイオラプターの方を見る。
火球で焼き殺されるのか?
それとも爪で切り裂かれるのか?ほら、後ろの方のヤツの首が切り落とされた。あんなふうに…
って、ちょっと待て!!!
「誤魔化しゃいいのにな」
俺はさっきの会話を思い出していた。バイオラプターを撃破し、
俺達を救ってくれたゾイドのパイロットとの会話だ。
共和国軍は反ディガルド組織と協力体制にある。このため、互いの物資や人の交流が必要だ。
しかし、そんな行動をディガルドが放っておくわけはなく、警戒が厳しくなってきた。
そこで比較的警戒の手薄な寡占を利用した輸送はできないか?
そのためのルートを確かめるのに、俺等は使われたのである。
そのことを事前に聞かされなかったのは、万が一俺等がとっ捕まったとき真相をゲロんないようにするためだ。
反ディガルド組織側もこのことは知っていたが、計画がディガルドに露見しないよう動きは見せなかった。
だが、俺達の命の恩人は、どうしてもそれに耐えられず、俺達の目的地の近くまで一人できていた。
そしてバイオラプターどもを発見した…というわけだ。
情報の漏洩を防ぐため、適当なことを言って誤魔化せばいいのに、命の恩人は正直に話し、真摯に謝った。
本来こちらが頭を下げるべき人間に頭を下げられて、俺達は大いに恐縮した。
「まっすぐすぎるヤツだったな」
キースが言う。うれしさを抑えた声で。
「おかげで俺達は助かったが」
マイクもわざと皮肉っぽい口調で言う。
「まだガキだったからなあ」
俺も二人と同じようなしゃべり方をする。あんなやつがいるのか…あいつに会えて良かった。
俺の瞼の裏には、あの少年と、刀を背負ったライガーの姿がいつまでも浮かんでいた。
長々と駄文書いちゃいました…
ところで、ディプロガンズの元になった片割れのディプロカウルス型ゾイドにヘルアーマーつけた
オリジナルのディガルド側ゾイドってこのスレ的にどうなんでしょうか?
もしアリなら、そいつの出てくるバリゲーター部隊の話一本書きたいんですが…
(ディガルドに水中用ゾイドがいないもんでオリジナル出さんと絡ませようがない)
フィラソードはカミキリムシ型な。
ムカデ型はコネクテス。
>416 あ、そうだ。勘違いしちまった。
書きこむ時にE-meil欄にsageと入力すると
書き込みしてもスレの順位が上がらず荒らされにくい
ゾイド板は基本的にsage推奨が多いので
sageることをお勧めします。
ageはその逆でスレの順位が一番上になり
多くの人に見てもらえるが荒れやすい(質問スレ等はage推奨)
まあ文章的には、名前が間違って伝わったってことでリカバーできるかな。
420 :
遅すぎた機:2006/01/10(火) 00:19:26 ID:???
>418 なるほど、sage関係にはそういう事情があるんですね。これからはsageで行こう。
>419 ナイスアイデア感謝。件の文の後に
「まあ、噂のレベルで、この噂だってどこまで正確かなんぞわからんのだが…」
という文追加で。
月が二つある。
街の明かりが見える。
戻ってきたんだ、元の時代に…
時間移動は自然現象としては非常に重大な事だが
ヘリック共和国軍兵士、いや、中央大陸の人間としての俺にはもっと重大な事がある。
教えなければならない、急いで―
遠い未来にいたとき、俺はおかしなことを言う奴らに出会った。
そいつらも過去から来た共和国軍兵士だといっていた。だが、俺たちよりも少し後の時代から来たと。
そして奴らはこう言った。ガイロス帝国摂政プロイツェンはゼネバスの息子で、
ニクスに兵力を送って手薄になった共和国にネオゼネバス軍が攻めてくると―
もちろん俺も、パトロール中のバディで一緒にそいつらに出会ったケニーも、そんな話は信じなかった。
ゼネバス贔屓か妄想屋の戯言だって。確かにあいつらのゾイドは俺の知らないものだったが、
軍は下っ端の俺なんか知らない新型を持っててもおかしくないし、掘り出したものかもしれない。
そう、信じちゃいなかったんだ。ゾイド発掘の警護任務についているとき、あれを見てしまうまでは―
「お、ライガーゼロだ」
「ほんとだ、でも見たことないアーマーだな、CASの新型か?あれ?見ろよ、ゼネバスの紋章なんかついてるぜ」
今見たら420の名前欄が変だ。ミスった… では続き
どうする?俺の思考は引き裂かれかき混ぜられた。そうだ、ケニーに相談してみよう。あいつもあいつらにあったんだから。
俺は非番の日、一人でケニーの任務地平行とした。その途中であれが起こったんだ。
それが俺達が未来へ来るときに起こったこととそっくりだったのに気づいたのは、この時代に戻ってきた後だった―
なんとか共和国軍の基地に辿り着き、この時代では俺達が消えてから三週間ほどたっていたことも分かった。
そして愕然とするような話を聞いた。新しくニクスに軍を送る計画が進んでいるという。
なんとしても止めねば。俺は何度も訴え、ついに上層部の人間達の前で話す機会を得た―
「これは、いえ、この戦争自体が、プロイツェンの罠です!共和国とガイロスとを戦わせて両方を擦り減らせ、
ニクスに共和国軍を引き付け、その隙にネオゼネバス軍で中央大陸を支配する気です!」
いろいろな表情が目に入った。嘲り、困惑、同情、侮蔑、嘲笑―
俺はそれからも訴え続けた。しかし取り合ってもらえず、新ニクス派遣軍第一陣が出撃してしまった。
どこからともなく俺はニクスへの軍の派遣を妨害するために送り込まれたガイロスのスパイだという噂が立ち、
俺は拘束された―
独房の中で俺は考え続けた。そうだ、時間移動なんて現実に起こるわけないじゃないか。
尋問官の言う通りだ、俺はきっとガイロスの海軍にでも捕まって、共和国を裏切ってガイロスのスパイにされたんだ。
時間移動なんてのは、ガイロスの連中に洗脳か何かでそう信じ込まされてるだけに違いない。
軍の高官達が間違ってるわけがないじゃないか―
当然、俺の房の前に男が現れた。尋問のとき何度か見たことのある、記録係をしていた男だ。ひどく興奮している。
「な、何が…」
「とぼけやがって裏切り者が!テレサの敵だ!」
拳銃が向けられた。何のことだ、俺は解らない、俺は知らない、俺は違うんだ―
大慌てで飛んできた警護兵達に男はあっという間に取り押さえられ、何か大声で泣き喚きながらどこかへ引きずられていった。
俺の房の鍵が開けられ、俺は房から出された。高級将校らしい男が俺の目の前に現れて言った。
「君にかけられていたスパイの嫌疑は晴れた。ゼネバスが侵攻してきたのだ。
あんなことをしておきながら、こんなことを頼めた義理ではないことは解っているが、事は共和国の存亡にも関わる。
君の未来の情報を持って、ゼネバスへの対応に協力してほしい」
違う、俺もこれから後のことは知らない、知らないんだ―
>>415 ディプロカウルスは両生類のような。だから恐竜縛りのバイオじゃどうか?
作るとしたら、グイの手足を水中対応させたような改造機か、素直に首長竜型バイオ
四つ足を開発するような気がス。
425 :
415:2006/01/10(火) 17:53:29 ID:???
>424
なるほど恐竜縛りか… ディガルドがバイオをフレームから創れるか分からんかったから
ありもん使うってことでディプロカウルス挙げてみたんだが、よく考えたらヤツらグイ創ってるしな。
よし、ラプター基本体(バイオラプターとグイに使われてるヤツ。こんな感じの区分してると思う)を
使ったモササウルス型はどうだろう(モササウルスゾイドがモサスレッジだけってのはどういうことだ!
もっと出せや富井ボケエ!)。背鰭か鰭が斬撃兵器になってるの。
…ところで、最近ミクロラプトル(グイのモデル。つーかコイツの種名の一つにグイってのがあるんだが)って
後足を前に突き出して、複葉機みたいな状態で滑空してたんじゃないかという説がある。
恐竜の股関節は横に広げにくいことからも、説得力あると思う…
皆さん、グイの飛行シーンってどうしたらいいと思います?いや、俺はグイ書く予定は今んとこないんですが…
>>425 まず木によじ登ってからおもむろに滑空……
>426 わはははは、それ最高。
ルージ「グイは木に登ってからでないと空を飛べません。
ですから、辺りの木を切り倒してしまえばグイを地上で撃破できます」
ガラガ「なるほど!一丁やってみるか!」
斧で木を伐ってるデッドリーコング。
戦争やると自然は壊れるばかりだな
429 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/11(水) 01:12:06 ID:W5iIcUbI
>>407 いまさらだけど、ウリは
シュバルツは、あくまで連隊長だけど、1200ミリの砲撃を受けて、師団司令部が全滅し,臨時に師団長やってる
、と脳内補完している
ヘルファイアーが届かない高度まで一気に飛び上がり、盾を構えラプター達に急降下するガブリエーレ。
避けようの無い十字砲火を「空を飛ぶ」という方法で回避され。浮き足立つラプター達。
その隙を逃さず、ガブリエールはシールドを構えたままラプターに突っ込む。
金属が激しくぶつかり合う音と共に、シールドアタックに吹き飛ばされたラプターがそのまま後ろにいた味方を巻き込みながら転倒する。
次の瞬間、体制の崩れたラプターにガブリエールが大剣を振り上げながら突進し。横なぎの一撃で2機のラプターを屠った。
体勢の崩れたラプターをガブリエールが屠るのを見るや。残りのラプター達は攻撃後の隙を逃さずにヘルファイアーを浴びせかける。
しかし、その攻撃をスライド移動だけで悠々と回避していくガブリエーレ。
高速ゾイド並みの運動性でラプター達を翻弄し。避けきれない攻撃は盾と大剣で受け流しながら、次々とガブリエーレはラプター達を仕留めていく。
数分も経たないうちにラプター達は一矢報いることもできずに全滅した。
スティンガーとクロスボウ兄弟がデスステにやられた時ジェネ世界に飛ばされていたSSキボンヌ
あれ?あれって囚人全員が死んだのか?
もしあの3人がジェネ世界に飛ばされたら、ディガルドに金で雇われて討伐軍に潜り込んでそうだなw
433 :
345:2006/01/11(水) 21:06:19 ID:???
R=S=クルーガーは機上の人となっていた。
「連隊長、司令部から通信。トラフ基地が落ちたそうです。」
「そうか。頑張っているな、ゲリラの連中。基地の防衛体制を問い合わせたいところ
だが・・・ 無線封鎖中ではそうもいかないな。」
「事前の偵察では、電探・対空砲台とも穴だらけの配備です。
所詮、ディガルドの連中はバイオゾイドの性能に頼りきっているだけですよ。」
「奴らが急速に戦争のやり方を学習している、と言う報告が複数上がってきている。
油断するなよ、電子長。」
現在、俺はディガルド軍が空軍拠点の一つを置いているバルミを目指している。
直率しているのは、SS2個中隊、レイノス4個中隊。
そしてこの俺のサラマンダーボンヴァーン指揮官専用機。
434 :
345:2006/01/11(水) 21:06:53 ID:???
ただでさえ鈍重なボンヴァーンにさらに指揮通信装備を追加したこの機体の航法席が今の俺の指定席だ。
昔の俺なら2秒で切れているな。
上の連中は何が何でも俺に空戦ゾイドを操縦させたくないらしい。
餓鬼じゃあるまいし、昔のような無茶をする訳は無いのだが。
『無茶をされて、空軍英雄に死なれる訳にはいかない』の一点張りだ。
士気を高めるために陣頭指揮を執っているんだから、もう少し景気のいい機体を操縦させてくれても・・・
「連隊長、後3分で山陰から出ます。」
っと、もうついたか。今回の作戦は単純だ。夜間低空飛行で山の陰から進出、軍事施設を爆撃し、地上
部隊の到着を待つ。これまでグイを配備している基地に対しては積極的に仕掛けていなかったが、あれ
の特性がわかった結果この作戦が立てられた。カタパルトが無くては迅速に離陸できないのだ。
不意討でカタパルトさえつぶしてしまえば、機体を破壊できなくても脅威ではなくなる。
バイオプテラだけならSSで対処できる。
435 :
345:2006/01/11(水) 21:07:35 ID:???
「山陰から出ました」
「作戦第3段階発動。無線封鎖解除。全機突入せよ。」
「了解。レーダー始動。全機に指令発信。」
高度を上げた編隊が基地に突入していく。レイノス隊が投げ落とす集束爆弾が飛行場を赤く染めていく。
「バイオプテラ6機確認。上昇してきます。続いてグイ4、いや6上昇中。」
「制空隊第1中隊はプテラ、第2中隊はグイにあたれ。」
数で圧倒している上にこちらは上をとっている。プテラさえ潰せば、後はよたよたとあがってくるグイを
落として終わりだ。
SSが逆落としで突っ込んでいく。俺も後に続きたいという思いが胸に湧く。部下を叱れんな・・・
「っ?う、上に敵機!」
「なに?電子長、何故気がつかなかった!」
「レーダーに反応がほとんどありません。ステルス機と思われます。」
爆撃を終え離脱しようとしていたレイノスが煙をはいて堕ちて行く。
目視した限り、敵機はプテラタイプ2機。いや、もう1機!?
サラマンダーの機首でヘルファイヤーが弾けた。閃光が夜になれた俺の目を灼く。
436 :
345:2006/01/11(水) 21:08:12 ID:???
「操縦士!」機体のバランスが崩れたのを感じて呼びかける。半ば覚悟していたとおり返事は無い。
航法席の操縦桿を握りながら怒鳴る。
「レイノス隊、爆弾を投棄。ずらかれ!」
管制官が俺の叫びを具体的な指示に変える。レイノス隊が退避を始める。
「敵機は3機。本機を包囲してきます。」電子長が腹が立つぐらい冷静に報告してくる。
なめるなよ、ディガルド。サラマンダーを鈍重な爆撃機だと思うな。
俺は無意識に戦闘機動をとっていた。
機体をひねりこんで第1撃をかわしながら、キャノン砲と対空ミサイルをぶっ放す。
1機が爆炎に巻き込まれ、動きが止まる。
間合いをつめ翼でぶっ叩く。錐もみ状態で堕ちて行く。
437 :
345:2006/01/11(水) 21:08:54 ID:???
残りは・・・下か!バルカンファランクスの自動追尾を起動する。ちょうどヘルファイヤーを
撃とうとしていたらしく開いていた口の中に火線が跳ね回る。プテラの頭が爆ぜる。
もう1機。どこだ。探す間もなく、機体が揺れる。ファランクスが動かなくなる。
前方斜め下。ちょうど頭部が邪魔で俺から見えない位置。
勘で火炎放射器を発射する。ヘルファイヤーに誘爆すれば・・・
炎に包まれた機体が上に突き抜けていく。再び衝撃。キャノン砲が片方脱落していく。
駄目だ。格闘戦をやる気でいやがった。ついでに今のでこっちの手がばれちまった。
火炎放射器のエリア内ではもうヘルファイヤーを使わないだろう。
だが・・・パワーでは負けない。格闘戦ならば、まだやれ
見上げたプテラにミサイルが突き刺さる。連続した弾着でバランスを崩した機体に数機のレイノスが
襲い掛かって蹴り落とした。
一瞬虚を突かれた俺のレシーバーから声が聞こえる。
「連隊長。あぶないところでしたね。」
第2中隊長か。っておい。
「レイノス隊は退避するように命じたはずだぞ」
「あばれ馬殿こそ空中戦をするなと命じられていたのではありませんか?
だいたい、空軍英雄を見捨てて帰る訳にはいきませんね」
は、少しは根性があるようだ・・・っていかん、命令違反をどう叱るか考えなけりゃ。
(了)
おっさんかっこえええ・・・・
>>432 スティンガー(「ガラガを見て、あら、なかなかイイ!(・∀・)男じゃない、私と や ら な い か しら?」ガラガ「ウホ!」ゴトシ「ナ、ナンデスッテ-!!煤i゜Д゜)」
ひときわ茂った森林の隅に、一筋の光が走り
木々は人工物の放つ光に震え、鳥達がまだ見ぬ異変を察知し空を彷徨う
デスザウラーの放った荷電粒子砲は空間を飲み込み、目標地点を地面ごとえぐり取った。
しかし、つい以前までそこに存在していた共和国軍の超大型ゾイドは
影も形も無く消え去っていた。だが、ひとえに目標を撃破したという様子でもない。
アレだけ大きな目標が破片の一つも残さず消え去る事はあり得ないのだ。
荷電粒子吸入ファンの無骨な作動音と、熱を帯び軋む金属音だけが、その空間を支配する。
ただ呆然とするように、デスザウラー含む帝国軍一個大隊はその場で立ち尽くした。
帝国軍の共和国軍陸上戦力掃討作戦の一次報告は、結果的に失敗に終わる。
デスザウラーの頭部に座する、明らかに隊長格と思われるそのパイロットは
目標を喪失したレーダーを眺めながら無言でヘルメットを脱ぎ捨てた。
「なんなんだ、あれは…直前に回避した様子も無かったが…
もっとも、あのタイミングだとして逃げ切れるとは到底思えん」
少し遅れて、腹部レーザー機銃を担当するパイロットから通信が入る。
「隊長、非常に申し上げにくいのですが」
「なんだ?お前も先刻の現状を見ただろう、何だったんだアレは」
「じ、自分も何を言っているのか分からないのでありますが…
目標の共和国軍は、荷電粒子砲の着弾直前に消えてしまったものと思われます!」
「……始末書はお前が書くのだろうな?」
帝国軍で間違いなく隊長格のその男は、額に手をつき大きなため息を漏らした
「全く…上層部への顔が立たないな。我が愛機の宿敵とも呼べるアレを逃がしたともなると…
しかし、ここは敢えて交戦を避けるのが得策だったか?ううむ、篭城は好かんな」
だが、そんな帝国軍の考えは杞憂に終わる。
帝国軍の前から突如姿を消した共和国軍ゾイドは、確かに現存していたのだ。
―――遥かに因果律を超えた先の世界、現実と紙一重の現実。
未知なるバイオゾイド率いるディガルド武国と、
それに抗う反ディガルド軍と名乗る組織が争う戦乱の世界に。
―――突如として姿を消した共和国軍の超大型ゾイドは
空間を捻じ曲げ、鬱蒼とした森林の真上に転移、実体化した。
月が一つだけの、遠い未来の惑星Ziへ。
そしてその瞬間、状況を飲み込んでいない共和国軍の目に飛び込んできたのは
形式不明の青いライガータイプのゾイドと
赤い鎧に包まれた正体不明の恐竜型ゾイドが、互いに火花を散らし争う光景だった。
共和国軍の超大型ゾイドが、捻じ曲がる空間からの実体化が終わるその瞬間
状況を冷静に見据えた共和国軍司令官が、全隊員に伝達。
「総員、不時着の準備だ!下からの衝撃に備えろ!!」
巨体の各所に散らばっている共和国軍兵士を即座に纏め上げ、対不時着防御体勢を取らせた。
しかしその重量からか、超大型ゾイドは怒りの如く大地を大きく揺るがし着地する。
と同時に、辺り一面に砂埃が広がり、視界はすぐにゼロになってしまった。
共和国軍司令官は不測の事態にも動じず瞬時に指揮を取る。
「各員、損害状況を報告しろ!」
すぐさま、通信機から困惑した声で状況報告がなされた。
「ど、動力系統に異常ありません!」
「電子機器及び計器類、復旧まで時間がかかりますが異常は認められません!」
「砲撃兵装及び近接兵装、若干の出力低下が認められますが問題ありません!」
「レーダーが復旧したらすぐに敵ゾイド反応を調べろ。
もっとも、目視確認できているだけでも今の所…二体。デスザウラーが見当たらないが、それにしても…」
眉間にしわを寄せ、司令官は前方に視線をやると未確認のゾイド二体が互いに争っているのが分かる。
不時着した地点が幸運にも森林の真上であったため、向こうからこちらの様子には気付かれていないようだ。
「司令!一体何が起こったのであr 」
「うるさい!静かにしてろ!目の前の光景が目に入らんのか」
他の兵士を牽制しながらも、司令官自信もこの状況に戸惑いを隠せなかった。
確かにその数秒前、デスザウラーは荷電粒子砲を発射していたのだ。
そうして司令官は記憶を元に考えをめぐらせ、すぐに一つの仮説にたどり着いた。
「…すぐに現在の座標と大気成分を調べろ!動力部・各兵装はすぐ使えるようにしておけ!」
(まさか…な。)
「くそおおぉぉぉっ!!ザイリンっっっ!!!」
青く、大剣を背負ったライガータイプ ムラサメライガー
「はは、さっきまでの勢いはどこへ行ってしまったのかね、ルージ君!!」
燃え上がる焔の鎧に包まれたバイオゾイド ヴォルケーノ
ムラサメライガーが背の大剣を真横に構え、ヴォルケーノの隙を突き胴を狙う。
が、明らかに勝るパワーではじき返され、逆に体勢が崩れたところを
ヴォルケーノが執拗に付け狙う。右の鋭い爪が躊躇うことなく即座に振り下ろされ、
間一髪のところで斜め後ろに飛び退くムラサメライガーだったが、
「甘い!!」
ヴォルケーノの口から豪火球が放たれ、足元をかすめたムラサメライガーは
爆風によって、背中から大木に打ちつけられた。
「うわああぁぁぁぁぁっっっ!!」
遥か高みから見下ろした口調で、ザイリンが高らかに喋る。
「ルージ君、君には散々煮え湯を飲まされてきたが、それもこれで最後のようだ。
メダカはメダカのうちに殺しておかなければ後で大変な事になるという
いい教訓になったよ。」
「く…くそぉっ………こんな所で終わる訳には…」
体勢をすぐに立て直せないルージに、じりじりと忍び寄るザイリン。
ムラサメライガーを両手で固め動きを封じたヴォルケーノが、
口を大きく開き豪火球の発射体勢を取る。
そして、ザイリンの声色が瞬時に変わり、ルージの背筋は凍りついた。
「それが最後の言葉か……残念だがさよならだ、ルージ君!!!」
刹那、大地がドスン と大きく揺れた。
森林の奥で鳥達が騒ぎ逃げ出す所を、ザイリンは見逃さなかった。
そしてルージも、危機的状況ながら目を丸くして森林の方向を見つめた。
「な 何だ、今の……………」
「ゾイド反応…?しかし新手の援軍とは考えられんな。
メガラプトル出ろ、状況の確認をして来るんだ。援軍なら殺しても構わん」
ザイリンが怪訝な表情で森林を見つめ、手下の量産型メガラプトルを三体送る。
しかしその間に退避を試みたムラサメライガーを見逃すザイリンではなかった。
鋭い爪を振り上げ、起き上がろうとするルージを威嚇するように止める。
「おっと、君にはまだ逃げられちゃ困るのでね。状況が分かるまで大人しくしててもらおうか」
「くっ……そぉ」
その時、ヴォルケーノのレーダーから偵察用メガラプトルの反応が全て消え去った。
「んなんだと!?メガラプトルを倒すとは……………謀らずとも並みのゾイドではなかったようだな」
ザイリンの驚愕の表情が瞬時に緊張へと変化する。
この思考の切り替えの早さが、ザイリンが少将たる所以でもあるのだ。
「丁度いい、ヴォルケーノはまだテストが終わっていなかったのでね。
ルージ君…冥土の土産代わりに見ておき給え、ヴォルケーノの真の力を!!」
ヴォルケーノの口に高エネルギーが収束し、驚異的な大きさの豪火球を
レーダーに映る一機のみの敵ゾイド反応に向かって打ち出した。
豪火球は森林の木々を燃やす暇も無く消し去り、速度を落とすことなく目標に向かった。
しかし、
ヴォルケーノが放った豪火球は目標に命中することなく、何かによって掻き消されてしまった。
その不可思議な光景に、ルージは愚かザイリンまで一言も発する事が出来なかった
「んな゙……ぁ゙……っ!!並みのゾイドなら消し去るほどの威力だったんだぞっ!?」
度重なる不測の事態にザイリンの表情がみるみる変化し、頭に血が上っていくのが分かる。
そして、痺れを切らしたかのように
共和国軍の超大型ゾイドは、2人の前に突如姿を現したのだった。
司令、形式不明のゾイド三体がこちらに接近中!」
恐ろしい速度で迫るゾイド反応をレーダーにより確認した兵士が叫ぶ。
「いくら予想通りとは言え……総員、第一種戦闘配置!!」
超大型ゾイドは待機モードを解除し、主兵装の照準を敵ゾイド反応に合わせ、身構えた。
「事を荒立てるなよ。まだ状況は飲み込めていないが、何が起こるか分からん」
司令が荒々しく、しかし慎重な面持ちで兵士に命令を下した。
木々の間を縫うようにすり抜けて、恐ろしい速度で近づくメガラプトル。
その三体が間も無く連携を取り、牽制の火球を一斉に発射する!
「未確認ゾイドから射撃反応、5秒後に着弾予定!」
「反荷電粒子シールドを最小限のエネルギーで展開しろ」
司令の的確な指示により、迫り来る火球は反荷電粒子シールドによって物静かに掻き消された。
自らの攻撃が通用しないと分かると、直前でメガラプトルは急停止をかけて
超大型ゾイドの周囲を取り囲むようにして、様子を見始めた。
狂雷様キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!…けど、決戦級ゾイド増やしちゃうと大変だぞ?
作劇的にも住人の反応的にも。
まぁ、この狂雷は大異変前の狂雷よりも弱体化してるから決戦級とまではいかないのでは?
すまんアク禁になった・・・
アク禁になったはずだがかきこめるっぽいので、もう少し付き合ってくれ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ま、こんなもんか…
総員に告ぐ、現時点を持って未確認ゾイド三機は敵として確認する!
おそらくレーダーに映っている残り二機も同様…攻撃目標として認識しろ!」
司令が命令を下すとほぼ同時に、一機のメガラプトルが横に回り込み鋭い爪を振り下ろした。
が、超大型ゾイドの異常なまでに強固な重装甲が傷付くことは無く、ゆうに倍以上もある巨体を
全速で旋回させ、太い尻尾の重い一撃がメガラプトルの内部フレームを粉々に砕いた。
状況を見た二機が後方を取り、全速力で突っ込んでくるも、
超大型ゾイドの背中に装備された二連大口径衝撃砲が牙をむいた。
地形がクレーター状に歪む程の超威力で地面に叩きつけられ、メガラプトルは程なく沈黙した。
「敵ゾイド、完全に沈黙したものと思われます!
引き続き状況報告、現在の座標は現存する地図データのいずれとも一致せず、
大気成分が軽微ながら異なる模様、しかし未だ原因は不明!」
「やはりな…ここは先程とは違う地のようだが、まだ詳細は掴めんか…
ではこれより残るゾイド反応二機の迎撃に向かう!敵は正体不明だ、ぬかるなよ」
そうして超大型ゾイドは足取り重く、目標に向かって歩き始めた。
「司令、目標から高エネルギー反応が接近中です!」
「反荷電粒子シールド最大出力!移動速度は落とすな!」
ヴォルケーノから放たれた超エネルギーの豪火球はシールドによって物の見事にかき消され、
受け流されるようにして砕けた炎が周囲の木々をなぎ倒した。
「んな゙……ぁ゙……っ!!並みのゾイドなら消し去るほどの威力だったんだぞっ!?」
焦りと恐れが、ザイリンの表情に満ちていく。
高速で迫り来る未だかつて無い脅威に、ザイリンは生まれて初めて心の底から恐怖していた。
その光景を見てルージは希望を取り戻したが、言い知れぬ不信感に包まれていた。
「味方……なのか?」
「司令!敵ゾイドが射程距離内に入りました!」
「よし、マグネーザー出力40%で回転開始!まずは赤い奴からキツイのをお見舞いだ」
眼前に広がる草木を掻き分けながら進む光景を見て、司令は不敵な笑みを浮かべた。
頭部に二基装備されたマグネーザーが重々しい音を立てて回転を始め、なおも移動速度は最大。
森林の木々をなぎ倒し、間も無く現れるであろう未確認ゾイドの影にザイリンは固まった。
「で、でかい……こんな化け物まで発掘されているのかッ!?」
そしてルージも、そのあまりの存在感に思わず身構えた。
「これも…ゾイドなのか…?ムラサメライガーやバイオゾイドとは、何か違う……」
マグネーザーとサンダーホーンを前方に構え、全身を重装甲と重兵器で武装した
共和国軍の陸上戦闘最強ゾイド、そこに現れたのは紛れも無くマッドサンダーであった。
ヴォルケーノに照準を定めたマッドサンダーはマグネーザーで相手の胴を挟み込むと、
ムラサメライガーの横をすれ違うように突進し、ヴォルケーノを山の岩壁に押し付け羽交い絞めにした。
「今だ!!マグネーザー高速回転、出力最大!!」
マッドサンダーの二本のマグネーザーは目で捉えるのが困難な程に高速回転し、
通常破壊不可能と言われているバイオ装甲を、力押しで削ぎ落としていった。
「ぐうおォォおぉああぁああああ!!!!!」
「ほう、マグネーザーをこの出力で耐えるか。ならば即座に仕留めるが得策だな」
司令が凄いのかマッドサンダーが凄いのか、共和国軍はザイリンを終始圧倒し続けている。
ヴォルケーノの装甲にヒビが入ると、マッドサンダーは岩盤を横に突き破り、ヴォルケーノを振り捨てた。
「ぐっ……こ…の……なめるなあぁぁぁぁーーーーー!!!」
ザイリンが叫び疾風の如く襲い掛かるも、二連大口径衝撃砲がヴォルケーノの振り上げた左腕を直撃。
最も弱い間接部分から引き千切られるように、肘の先が後方へ吹き飛ばされた。
「体勢を立て直してる………今がチャンスだッ!!!」
その瞬間、ルージと司令官は確実に同調していた。が、その事実を知る者は居ない。
マッドサンダーのローリングチャージャーが唸りを上げ、前方へとエネルギーが集中し始める。
マグネーザー、サンダーホーン、反荷電粒子シールドが金色に輝いているのを
ルージはムラサメライガーのコックピットの中で恍惚として眺めていた。
雷神かっこええ・・・・
うぉぉぉぉぉキターーーーーーー!
マッド神 降 臨!!!
流石はGメタルをも砕くマグネイザーの威力、恐るべし。
マグネーザー>Gメタル>バイオアーマー
か
また上手い人が来たなぁ
ところで
GメタルとメタルZiは同じもの説を一人で主張しておく。
某所、海岸の一角。
ゆっくりと、久しぶりに触れる土のその感触を確かめるがごとく、それは姿を表した。
「…ま、リハビリはゆっくりな。でないと関節もイカれちまうし」
現れたそれの露出した部分をなでながら、言う。
まさか海底から現れた「こいつ」が、弱りながらも未だにしっかりと生きているとは、
彼女も予想だにしていなかった。
いかなる経緯でこんな所に埋もれたのかは知る由も無い。しかし、出て来た地層から考えると、
かなり昔からそこにいたのだろうと言う予想が出来た。
やがてそれは、地中から完全に姿を現す。
「…蠍、か」
深海の色を連想させる深い、禍々しさすら感じさせる蒼。
所々に走る紅が、いっそう蒼の深さを際立たせている。
一目惚れ、と言う表現は不適切かもしれないが、とにかく彼女はその姿に惹かれていた。
「乗れんのかな、これ」
知らず呟く。一応ゾイドの操縦に関しては十分な技術と経験はあるものの、
目の前のこれにどこまでそれが通用するか。
「…まあなんにせよ、やってみてから、だな」
名はネーゲル、姓はアスタロス。
考える前にまず動く、そんな彼女の日常は、その性質が故にここから狂い出す事になる。
デスステ
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━???
って、こいつを止められる機体あるのか?
KFDか量産型かな。
真オーガノイドを搭載してないから、なんとか普通のゾイド乗りでも扱えるでしょう。
それこそ召喚されたての狂雷様がwその前に合流させんとな
後は閃光師団とかバイオティラノとか。
そっちのスティンガーかよっ!!と言いつつ、実はガイサックだったというオチを考える漏れはネタ専門
結論から言えば、蠍には乗れた。と言うより、
ネーゲルが乗り込むのを拒絶するだけの力が残っていなかった、と言う方が正しい。
コアの出力が、地中から脱出出来た事が不思議なくらい低下していたのだ。
恐らくあのまま放置していたら、コアの停止は時間の問題だったろう。
「運がいいのか、しぶといのか…」
そのコアの出力も、今では普通に移動できる程度まで回復している。
どういう構造をしてるんだこの化け物は、とつい苦笑するネーゲルだった。
彼女は、一応鉄竜騎兵団の諜報員と言う事になっている。
最近は特に目立った動きも無いため、やることと言えば定時連絡だけと言う、なんとものんきなものではあるが。
ゼネバスの人間ではあるし、再興はしてくれればありがたいものでもあるのだが、
戦争に興味がまるでない彼女は、自分のしている仕事に対して誇りも生き甲斐も感じていなかった。
別に戦争が間違っているとまでは思わないが、体力と時間の無駄以外の何物でも無いように思えるのだ。
そんな彼女だが、ゾイド操縦の技術はかなりのものである。
ついさっきまで持て余していた蠍を、今では完全に御せるようになっていた。
これからジェネ関係の展開あるの?
ロンが天空人からリーオの武器の安定供給とか始めると
パワーバランスが一気に傾くんじゃないかと心配。
数と戦術で押す共和国・ゲリラ連合がバイオゾイドへの
対抗手段を手に入れた時点で今までの流れだと終わりだよね。
このまま続けるんなら(それこそアニメが終わっても)、ディガルド
側へのてこ入れがいるのかも。
かといって、ただの行っちゃってる集団のディガルドと組みそうな
勢力が難しい。鉄竜騎兵団は民を踏みにじるやり方に嫌悪感を
示しそうだし。
禁断のアニメねたかなぁ。
>>462 なんか鉄竜本隊と連絡とっているように見えるのは気のせいか?
とか思ってたら過去にもザリガニとかKFDとかいたな。
共和国軍の転移に巻き込まれた鉄竜の人のネットワークでもあるんだろうか。
>>464 共和国&ゲリラ連合がディガルドを押し始めたら発掘ゾイドや傭兵部隊をディガルドが使うようにしたり
ゲリラ連合の戦力を脅威とみなした国家がディガルドと同盟を結んで襲ってきたり
発掘ゾイドと共和国のもたらした技術で野望に燃える国家が天下取りをはじめたりと話には事欠かない希ガス。
467 :
462:2006/01/13(金) 16:07:10 ID:???
「…隊長」
恐る恐る、といった口調。声のトーンも少し高い。どうやら少年兵のようだ。
それでいて乗機が量産型バイオメガラプトルである事を考えると、技術はそれなりだと考えられる。
「あ?」
「さっきからセンサーが拾ってるエネルギー反応なんですが…」
「…これか」
隊長機(バイオラプトル)のそれにも、エネルギー反応を示す点が現れていた。
ゆっくりと動いてはいるが、どこに行きたいのかさっぱり推測出来ない。
「どーせどこかの偵察兵じゃねーの?」
隊長、名をキース。
自分から死ぬ機会増やす事もねーべさ、とくだらなさそうに返す。
「そうならそうでも良いんですけど」
少年兵、名をアルヴィン。
対してこちらはどうも腑に落ちないらしい。
「それにしても変じゃないですか?」
「お前の顔がか?んなわけないだろ、お前の顔はカッコイイを幼くしたカワイイなんだからよ」
「よしてください。そうじゃなくて、このゾイドの反応がですよ」
「お前のメガラプトル、俺には微動だにしてないように見えるが」
「…………」
「わかったわかった、俺が悪かったよ。
で、この蠍の形した未確認ゾイドのどこがおかしいっておっしゃるんですかい、アルヴィンくん」
468 :
462:2006/01/13(金) 16:32:49 ID:???
そう茶化してはみたが、キースにもアルヴィンが言いたい事は大体わかっていた。
「なんか、心臓見てる感じがするんですよね」
言い得て妙だ、と思う。
初めてセンサーが感知してから今に至るまで、エネルギー反応が安定している時間が一時たりともない。
大きくなったり、小さくなったり。それも、
小さくなるときは元に戻ると言う所まで行かない。
アップダウンを繰り返しながら、だんだんと反応が強くなっているのだ。
必然、モニターに出る反応結果を象ったシルエットは、心臓のようにゆっくりと膨張収縮を繰り返す事になる。
それを見てサラっとそういう表現を思いつくアルヴィンが、キースはうらやましかった。
「いやあ、有能な部下に巡り逢えて、俺は幸せだなぁ」
「凄まじいまでに白々しいですね。
事あるごとにこき使ってくる戦闘バカな上司を持った僕は、激しく不幸ですよ」
…実際は幸せなんでしょうけどね。
その言葉を飲み込み(言ってしまうと浮かれてしまって任務どころではない)、
アルヴィンはキースに見つからないようにそっと含み笑いをした。
大河のほの暗い水の中。隊長のバリゲーターの信号灯が明滅する。
「停止セヨ」
バリゲーター達がゆっくりと停止する。俺たちの視線が隊長機に集中する。
隊長機は潜望鏡深度まで浮上する。隊長機から潜望鏡が伸びていく。
「十一時ニ 敵輸送用小型船舶多数 一部ニ バイオラプターガ 搭乗
相対速度 プラス4 オヨビ マイナス0.5 各機 左右順ニ 照準合セ 浮上砲撃用意」
緊張か興奮かあるいはその混合か。胸が高まる中、いよいよその信号が送られる。
「浮上砲撃セヨ」
俺達は一気に水面を割って浮上し、敵の船舶向けてビームを叩き込む。発射、発射、発射!
「潜行!」
隊長の声。俺達は水面を切り裂いていく。隊長は潜望鏡深度で止まる。戦果の確認と次の行動の判断だ。どうなる?
再び俺達の視線が隊長機に集中する。
「命中多数 戦果 大ナリ ナルモ 敵残存船舶 多数 再攻撃ヲ 行ウ 我ニ 続ケ」
俺達は再攻撃に向いた位置へ移動していく。また敵は船を失うだろう。
俺達のやり方をゾイド乗りの戦い方じゃないと言う奴もいるかも知れない。
そう言う奴は俺達がディガルドの連中になんて呼ばれてるか思い出すといい。
“水底(みなそこ)よりの悪魔”―
それが俺達の通り名だ。
470 :
462:2006/01/14(土) 08:38:40 ID:???
一方、ネーゲルはと言うと。
「…なんだありゃ?」
銀色か灰色かの恐竜の化石が歩いている…ようにも見える。
しかし、化石は生きているはずもないから違う。当然だが。
多分ゾイドだろう。イカしたデザインで、
少しばかりイカレてもいる。
あの細身じゃ太っちょパイロットは乗れないだろう。
開発した奴の顔が見てみたい。
「いかにも柄悪そうな面構えだけど…」
それでも何となく、親近感を覚える外見だった。
恐竜型だと言うのも一つの要因だろう。
「ここのゾイドは、みんなあんななのかね…」
この時代の人間はどんなセンスをしているのだろう。
少しばかり、話がしてみたくなった。
「パイロットがいい人でありますように…と」
「…隊長」
「また心配事か?」
「さっきの蠍から通信が入ってるんですが」
「……は?」
気付かれたのか。様々な場合を考えてみる。
1:道に迷ったか、このあたりに詳しくないゾイド乗りが助けを求めている(一番無難)。
2:実はあの機体はこちら側の試作機で、現在秘密裏にテスト中だ(軍人として出した仮説1)。
3:その真逆。要するにあれは反ディガルドの(以下略、軍人としての仮説2)
4:俺へのラブコールか何か(自意識過剰も甚だしい)。
471 :
462:2006/01/14(土) 09:27:46 ID:???
5:その他(4もこれに含まれるべき事柄だろうが、何となく特に挙げてみた)。
取るべき対応は場合によってバラバラだが、
どの場合にも共通してしなければならない事がある。
「何か用かい、妙ちきりんな蠍に乗ってるパイロットさん」
「隊長、誰に対してもそれなんですね」
その通信に出ることである。
472 :
462:2006/01/14(土) 11:30:16 ID:???
「用なんてそんな大層なもんじゃないだろうね。
ちょいと聞きたい事があるだけさ」
女性の姿がモニターに出た。よく見えないが、
見たこともない服を着ている。
「む」
いきなり2〜4の可能性が消えた。
あれこれ考えていた自分がバカみたいに思える。
「それ、どこの誰が開発した機体なんだ?」
……だから、ついこの言葉に答えてしまった。
相手がどんな職業についているか分からなかった点を差し引いても、
はっきり言って不注意すぎる。
「んな事知らねーよ。
俺が知ってんのは、これがディガルドの主力機体って事ぐらいだ」
「……」
「それ以外俺は一切知らん。
俺は、これに乗ってるだけだから」
放っておいてもどんどん話してくれそうなので、
ネーゲルは話すに任せる事にした。
「性能はすげーんだけどな、これ。
どういう仕組みなのかはとんと知らねーけど、 ひょろひょろした外見に反してかなり打たれ強いんだよ」
「…へえ」
どうやら、未知の性能を有する機体らしい。
まあ、性能と外見が釣り合わないのはゾイドの鉄則だから、
特に何とも思わない。
「大抵の攻撃にはびくともしねーし、それに…」
彼の愛機自慢を聞きながら、ふとレーダーに目をやると、
「…っ!?」
473 :
462:2006/01/14(土) 11:56:15 ID:???
レーダーに反応。その数、
「11!?」
ゾイドの群れか何かが、こちらへ近づいている。
しかも、かなり速い。
「話の腰を折るようで悪いんだけどさ」
そう言って注意を促す。
激突でもしたら大変だ。
「なんだ?」
「何か近づいてる。
危ないからそこから少しばかりずれたほうが良いんじゃないかな?」
「あ、これね。大丈夫大丈夫、ぶつかりゃしねーよ」
「いや、これは確実に衝突事故に発展する速度だよ」
そうこうしてるうちにも、その群隊は接近してくる。
もう後数秒でここまで到達してしまうだろう。
「あーもー、のんきな奴だな!」
コンバットシステムを起動させ、トリガーに指をかける。
威嚇射撃で、無理やり退かそうと思ったのだ。
しかし、これはかなり無謀である。
デススティンガーに、そんな用途に用いられる武装など搭載されていない。
デススティンガーの武装は、どれもこれも捕捉した敵機を確実に撃破できる威力をもっている。
もし当たったら、(彼の自慢話を加味しても)無事ではすむまい。
そして、慌てていたがためにそのトリガーに今何の武装がアサインされているか確かめずに引いてしまった。
あろうことか、荷電粒子砲を起動させるトリガーを。
荷電粒子キターーーーー―――!!(°∀°)
いいよいいよぉ〜、職人さんGJフォー!!
476 :
462:2006/01/14(土) 15:45:05 ID:???
ロックオンもしっぱなし。威力も絞っていない。
「あ!」
そう言った時にはもう遅かった。
荷電粒子の縮退が異常に速かったため、キャンセルも間に合わず。
ほとんどのゾイドを一撃で消失させてしまう威力を持った光線が、
彼のバイオラプター目掛けて放たれてしまった。
「おわぁああぁあ!?」
直撃寸前で回避行動をとっても間に合うはずもない。
敢なく直撃を受け、
後方へ吹っ飛ばされた。
「…え?」
二回、三回とバウンドし、大きな岩を破壊してやっと止まる。
何故か、破壊されていない。
それでも直撃した点を中心に装甲が所々蒸発し、
内部メカがむき出しになっていた。
477 :
462:2006/01/14(土) 15:59:22 ID:???
打たれ強いとは聞いたが、まさか物理法則に真っ向から逆らいかねないほどとは。
装甲の構造ないしは材質が特別なのだろう。
「駆動系がイカれちまったか……」
見た目以上に損傷は深刻らしく、ぴくりとも動かない。
「何不意打ち喰らわせてんだよ」
どうやら通信は生きているらしい。
痛みに耐えている時の抑揚の無い声が雑音混じりに聞こえてきた。
「すまん、暴発だ」
素直に謝る。慌てていたのが災いした。
「俺は一向に構わんが…
お前は逃げた方が良いと思うぞ」
「…え?」
「さっきの連中、お冠みたいだからさ」
「な!?」
いつの間にか、同型機に囲まれていた。
その数、11。
478 :
462:2006/01/14(土) 16:09:33 ID:???
「さっきのは、これか」
なるほど、慌てないわけだ。
ネーゲルは大きなため息をついた。
「状況はどうあれ、撃ったのはアンタだからな。
ここから先の責任、俺は持てんぞ」
「薄情者」
「自業自得だ」
言葉を交わす間も、じりじりと間合いを詰められている。
…話し合いでは、解決できそうもない。
「こいつの性能テストは、
もうちょっとじっくりやりたかったんだがな…」
仕方ないか、とネーゲルはつまらなさそうに言った。
「ついでだ、相手してやるよ。
どうせ、やらなきゃ気が済まないんだろ?」
なんで荷電粒子きかへんの?
480 :
462:2006/01/14(土) 18:01:36 ID:???
>>479 ヘルアーマーに当たった際に指向性失って
荷電粒子が飛び散ったために派手にダメージを与えてないだけで
実際中身はずたずたになってるって事にしてみた
普通荷電粒子はそのままじゃ空気中では直進しない(飛ぶ前に空気と反応して勢いを失う)から
レーザーか何かに混ぜて指向性を持たせて放つ
で、ビームは効かないけど荷電粒子の金属との反応はするから
ダメージの受け方が地味、と
こんな感じ
>>480 デスザウラーの荷電粒子砲では、どうなるのだろうか?
482 :
462:2006/01/14(土) 20:04:09 ID:???
どうだろう
発射の仕方自体は多分変わらないから、
後は出力の問題になってくるんだろうけど
多分ゼネバス砲だったら簡単に蒸発すると思う
あれだけの長さで加速された質量が直撃すれば
風穴くらい軽いべさ
483 :
462:2006/01/14(土) 20:32:38 ID:???
バイオメガラプトルのコクピットの中。
一人乗りのはずのそこに、今は二人乗っていた。
キース―レブキース・アシュラムと、
アルヴィン―アルヴィン・ファーレンドである。
「すまないな、いつもいつもそんな役回りで」
「もう慣れました」
アルヴィンは、普通に答える。
「しかし、狭いな二人乗りは」
「基地に帰還するまでの辛抱です。
一刻も早くあのゾイドの事を知らせないと。
部隊どころか軍がまるごと殲滅されかねない事態ですから」
「ホントに、身の毛もよだつとはあの事だな…」
>>480 d、そゆ設定にしたんですかロン先生、でもバイオみんな本編でギルが地形ごと吹っ飛ばしそうだな・・・。
485 :
462:2006/01/14(土) 20:54:28 ID:???
デススティンガーが敵機を殲滅するのに要した時間は、わずか数分。
その間の光景は、筆舌に尽くしがたいものだった。
まるで玩具をいじくりまわした揚句に壊してしまう子供のような、
と言う表現がふさわしい混じり気の無い残酷さで以て戦域を塗り潰したのだ。
あるものは紙でも斬るように容易く裁断され、
またあるものは力任せに体を引きちぎられ。
無造作に地面に叩きつけられ砕かれるものもあれば、
デススティンガー自身の重さに押し潰されたものもあった。
コクピットには何一つ攻撃を加えていないうえ、
パイロットは全員命に別状なしと言う結果が、逆に恐ろしい。
「怖い奴だな」
「本当に、怖い人でしたね。
出来れば二度と会いたくないです」
「俺も御免こうむるわ」
そして何より怖いのは、
それが操縦によって行われたと言う事だ。
見た目の割にエグイ事するなぁ、とキースはため息を一つつく。
もちろん彼らの願いは叶うはずもなく、
ほどなくして再び相見える事になる。
「あぁ…なんだってこんな…」
帝国軍技術仕官ユーリック・エルドスは乗機ディアントラーのなかでつぶやいた。
彼の任務はBLOXを生産工場から前線基地までグスタフで輸送するというものだった。
しかし彼は一人でこの場所にいる、
グスタフも道順の記憶と遠隔操作可能な自動操縦機である、人は乗っていない。
しかし、そんなことより彼に重くのしかかっているのは
ここが何処であるかさっぱりわからないことである。
「ああぁ…輸送任務中に迷子なんて洒落にならないよ、軍法会議物だ…」
ユーリックはうわ言のようにつぶやき続けた。
しかし、これから彼には初めての戦いとキメラたちとの妙な心のふれあいが待ち受けているのであった。
えっとこんな導入部だけど、ブロックスしかもキメラのストーリーはいいですか?
>>486 ロドゲVSラプターグイをジェネレイションズで体験済みだからおk、次元は全然違うけども。
>486
いいんでない?旧共和国軍とかネオゼネバスとかでもいいって言ってることだし。
本家のバトルストーリーを考えてみるに、キメラ無しでは
ネオゼネバスに関わる話がしっちゃかめっちゃかになりかねんし。
「またやられに来るのか」
「学習せん連中だ」
偵察プテラスの報告によると、ディガルドの奴等がまた懲りもせず大河を航行してるそうだ。
「長生きしたければ、敵を馬鹿にせんことだ」
にやけている俺達の耳に、隊長の低い声が入ってくる。
「敵のことは観察と論理的な思考で判断しろ」
そして俺達は獲物へと忍び寄っていった。
荷電粒子砲喰らったらバイオゾイドといえども蒸発だと思うが。
「警戒セヨ」
隊長機から発せられたのは、全く意外な信号だった。思考が空転していた俺の目に、薄ぼんやりとあいつの姿が見えてきた。
大きさはバリゲーターより少し大きいくらいか?全体の形はバリゲーターと似ていなくもない。
だが頭部はバリゲーターより高さがあって短い。それに脚ではなく鰭がある。
そして何より大きく違うのは―
その身を銀色の装甲で包んでいることだ。
「バイオゾイド?水中用の…?」
恐らく、隊の全員が俺と同じような不透明な疑問と冷たい不安を抱いていたはずだ。
「どこから近付ける…?」
俺は少しあいつのほうへ動いた。バイオゾイドに火器が効かないのは無論知っていたから、
どの方向から接近するのがいいのかを見てみようと思ったんだ。
振り返ってみれば、ここで「どうやって逃げるのがいいか?」を考えたのではなかったのが、驕りであり、
俺の罪の元凶だったのかもしれない。
「!?」
いきなり、隊長のバリゲーターが俺のバリゲーターの目の前に飛び出してきた。
その驚きは、すぐに巨大で悲痛な驚きに押し潰された。
隊長のバリゲーターが爆発を起こした。あいつの魚雷にやられたんだ。
「!隊長―っ!!」
声が届くはずもない。そんな声も届かない水底よりも深いところへ、隊長は沈んでいく。
俺が隊長を殺したんだ、俺が隊長を殺したんだ、俺が隊長を…
もう一機のバリゲーターが沈んでいくのが見える。あいつは二本撃ったらしい。さらに、
あいつに同じ方向から突っ込んでいった二機にも魚雷がぶち当たる。完全に我を忘れてしまったのだろう、
二手に分かれて突っ込まないとは。あいつが向かってきた。魚雷はもう無いらしい。それでどうする気だ…?
それはすぐにわかった。あいつは鰭で、回避し損ねたバリゲーターを切り裂いた。
沈んでいく…俺の仲間達が、悲しみさえも届かない深みへ。
俺の目に、あいつの鰭が映る。他のものが頭に入らない。そしてそれに吸い込まれてゆきそうな気がし始めたとき。
視野の隅に、まだ生き残っているバリゲーターの姿が飛び込んできた。急に視界が広くなる。隊長の言葉が聞こえてくる。
「論理的な思考で判断しろ」
俺はあいつに向かっていった。
>>490 実際に喰らっている媒体が無いもんだから判断難しいんだよなぁ。
前にもこういう話でたが性能もサイカチ〜キンゴジュまでピンキリだし。
でも俺もジェノレベルならともかくデス様クラスだと貫いてくれると信じてるが。
水中用の機体は完成しても、パイロットはまだゾイドの水中戦を理解し切れてはいないはずだ。
この判断に、全てを賭ける。
俺はあいつに気付かれたから逃げようとしたふうを装って向きを変える。あいつは追ってきた。いいぞ…。
恐らくあいつは全速力、最高速度はあいつのほうが上なのか、みるみる距離が縮まっていく。だが…、
それは最高速度の違いのせいだけじゃない。あいつが鰭を広げる。すれ違いざま斬り付けようというのだ。
「ゾイドの水中戦を教えてやる」
俺はわずかに避ける。俺のバリゲーターと紙一重のところを、冷たく光る鰭が通っていく。
ゾイドの水中での動きは、地上での動きと空中での動きの特徴が入り混じっている。
地上のように進行方向と違う向きに動ける。空中のように三次元機動ができる。地上のように細かく動ける。
そして…空中のように止まりにくい。
俺は鰭をやり過ごしあいつの尾に噛み付いた。そしてそのまま機体をロールさせる。あいつは俺を振りほどこうともがく。
暴れろ暴れろ。やっぱりこいつは水中戦を理解し切れていない。この場合は、俺と一緒に回転すべきなのだ。さもないと―
あいつの尾が間接から捩じ切れた。
494 :
462:2006/01/14(土) 23:51:36 ID:???
期待に答えられんですまんな
でも撃った時点ではデススティンガーの調子はまだ戻ってないんだ
そこのところも加味して欲しい
主推進器と主蛇を兼ねる尾を失い、事実上機動性を失ったあいつは、前鰭、後鰭、頭と、胴体から捩じ切られた。
俺は軍を抜けた。バリゲーターで渡し守のようなことをして暮らしている。
あの後、生き残った仲間に俺は言った。あいつを撃破した俺が無傷で変えれば、
上層部はあいつの力を過小評価し、対策が遅れるだろう。今迄の俺達に対する態度を考えれば、十分ありえる。
だから、俺はあいつと相打ちになったことにしてくれ―。それは聞き入れてもらえた。だが、それが、
論理的な判断だったのか、それとも、逃げる言い訳だったのかは―
俺はまだ答えを出せていない。
「もう一回。」
ユーリックは再度ディアントラーのレーダーシステムとGPSを祈りながら再起動させた。
[レーダーシステム起動・・・チェック中・・・異常無し・・・ショートレンジモード作動中]
[GPS起動・・・チェック中・・・衛星回線接続中・・・リンク不可能・・・異常有り…レーダーからの情報所得中・・・]
「やっぱりダメなのか。」
もうかれこれ10回は見た結果である。
「何でこうなったんだっけ。」
思い返すとば先ほどの戦闘がよみがえる、シャドーフォックスに捕捉されたのが最初だった、
その後コマンドウルフに引っ掻き回され、最後には見たことも無いドラゴン型とガンブラスターに出会った気がする。
おかげで最初に率いていた3機のグスタフはいつの間にか1機だけに、牽引しているコンテナも所々にひどい傷痕がついている。
ピー!ピー!ピー!ピー!ユーリックは鋭いレーダーからの警戒音に現実に引き戻された。
少し震えが残る手でレーダーの範囲をショートレンジからロングレンジへ切り替えさらに高精度モードへと切り替えた、その時
「これはさっきのシャドーフォックス?さっきからずっと後をつけて来ていたのか!!」
周囲30km圏内の状況を確認したときユーリックは絶望した。
シャドーフォックスの周りには未知の機体を示す光点が10〜16確認できたからだ、お終いだ・・・そう確信した。
しかし、相手からの攻撃は無いそれどころか未知の光点とシャドーフォックスは戦闘行為を行っている、
敵の敵は味方?混乱しているその刹那、
『・・い!!そこの出来損ないに乗ってるやつ!こっちが見えているんだろ?この際誰でもいい手を貸せ!!』
「は!?」
これが共和国第8偵察小隊所属モンド・T・ロウ少尉との初めての会話だった。
>490>492>494
アニメその他の劇中で喰らったことが無いのももちろんだが、
ヘルアーマーがどういう原理でデタラメな防御力発揮してるのかという設定が無いのが痛いよなあ。
劇中に出てきたことの無い兵器にどういう耐性を示すのか判断材料が無い。
まあ、ティラノがラプター吹っ飛ばしてたっていうから(←寝坊してこの回の最初のほう見てない… ビデオ壊れてるし)
砲撃なんかに対しても防御できる限界はあるっぽいが。
498 :
462:2006/01/15(日) 00:12:52 ID:???
地獄絵図の傍らで、ネーゲルはしゃがみこんでいた。
別に何か珍しい物が落ちていたわけではない。
ただ単に、吐き気と戦っているだけだ。
「……っ」
全身から、嫌な汗が吹き出しているのを感じる。
戦闘を開始しようとした刹那に感じた何か強烈な感覚が、
未だに負担をかけているらしい。
五感も、意識も、まともに働いていない気がする。
「なんなんだ、これは」
自分できちんと制御はしていた。できていた。
ここまで消耗する理由が、分からない。
吐けば少しは楽になるのかも知れないが、生憎今胃の中は空だ。
もしかしたら、自分はとんでもない物を見つけてしまったのかもしれない。
抜き差しならない状況の中、彼女はぼんやり考えていた。
499 :
462:2006/01/15(日) 00:29:19 ID:???
「目の敵認定ですか」
「最優先目標、だ。
そんな強大な力を持ったゾイドを野放しにしておいたら、
こちらが壊滅しかねんからな」
ディガルドの基地。
キースらからの報告を受け、司令部は彼らが交戦したと言う蠍型ゾイドを
当面の最優先目標に認定した。
「しかし、12機ものバイオラプターをわずか数分で全滅させたか…
生半可な策では返り討ちに遭うのがオチだな」
一応バイオティラノを配備できるようにはしてあるが、
それでも不安が残る。
「…で、俺らに情報収集をしろってわけですか」
そこで、無傷で(キース機の被害は完全に無視されているが、それは仕方が無い)
帰還した二人に、その蠍型ゾイドの調査を命じる事にしたのだ。
空中から落ちたグイは転落で壊れるみたいだから、どこぞのPS装甲のように
あらゆる衝撃を無効化できるってわけではないと思う。
荷電粒子砲は結局重粒子を超高速で打ち出す物理衝撃という側面も持っているわけで
エネルギー兵器が効くかどうかはさておいて、物理衝撃だけでも何とかなるんじゃないか。
501 :
462:2006/01/15(日) 00:44:27 ID:???
「行ったり来たりですまないが、
余りに急な事ゆえ人員が割けないんだ」
「別にそのぐらい構いませんよ。
ある程度予想ついてた事ですし」
「…ありがとう。決心がついたよ」
ほっとしたような口調で感謝の言葉を述べ、
厳格な口調で命じる。
「蠍型ゾイドについての情報を、出来る限り収集せよ。
可能ならば撃破しても構わない。ただし」
一呼吸おいて、司令官はいつも部下に言う決まり文句を口にした。
「…私より先に死ぬ事は許さん。以上」
「了解」
キースは敬礼で答えた。
「ついては、貴官にバイオメガラプトルを支給する。
好きに使ってくれて構わん」
「良いんですか?」
「それはむしろ私が言いたい」
>>440-445,449-451
GJ
マッドサンダー好きとしては、是非とも今後も読みたい。
>>457,462,467-468,470-473,476-478,483,485,498-499,501
スティンガー乙
>>469,489,491,493,495
バリゲーター乙
>>486,496
ブロックス乙
>>446-447,452-456幾つか疑問が。
・ヘルアーマーをマグネーザーで挟み込んで摩耗させた場合、マグネーザーの側は加熱・摩耗しないのかな?
・ヘルアーマーって、殆どの射撃系攻撃が効かない事になってたと思うけれど、二連大口径衝撃砲ならいける?
まぁ、近射ならデスにもある程度有効な程の衝撃の様だから、たとえ無事でも確実に体勢は崩すと思うが。
・反荷電粒子シールドって、狂雷の頭部に基本的に内蔵だったと記憶しているが、アレって、
Eシールドの様に空間に展開する物でもなければ、荷電粒子砲以外には効果無い代物じゃなかったっけ?
WebコミックのでEシールドの様に展開していたから、新マッドのは強力なEシールドみたいな扱いなのかな?
・寧ろ、決戦ゾイドなのは、ヘリック共和国対ゼネバス帝国な頃のマッドと新マッドな気がする。
旧バトスト後期のマッドは量産ゾイドで咬まされ役だった一般ゾイドな感じ。まぁ、強さは[旧>新]だろうが。
>>479-482 荷電粒子砲って、ビーム兵器扱いじゃないの?ビーム系はヘルアーマーには効かない事になってた様な・・・。
まぁ、アーマーの無い部分から内部壊しそうではあると思うけれど。
>反荷電粒子シールドって、狂雷の頭部に基本的に内蔵だったと記憶しているが、アレって〜
セラミック振動体を使って空気の壁を作り炎を防いだんだ!と原理もよく知らずに言ってみる。
仮に装甲は耐えたとしても全身防御してるわけじゃない。
フレームそのものははただのゾイドなので、
ジェノクラス荷電粒子砲:フレーム蒸発→抜け殻崩れ落ちる
デスステ・デス荷電:フレームも装甲も一瞬で蒸発
になると思われ。
荷電粒子砲を完全に防ぐにはEシールドしかない。
つづき、
ガロスはその辺りを探索していた。
「レーダーのも反応はない」
みたこともない景色に違和感を覚えた・・。
彼のジェノザウラーの説明をしておこう。
ジェノザウラー Type S(ガロス・バルツァー・ルートヴィッヒ仕様)
本機は出力と射撃兵装を重点的に強化した、ジェノザウラーの上位機種である
EZ-026type Sの、ガロス中佐専用機で、機動力を重視される作戦で主に使用される。
以降ジェノザウラーで呼ぶ。
しばらく探索すると町が見えた。
近くに町があるな、とりあえず補給をしなくては、
ガロスは村の人々に事情を話し、聞き込みをした。
「ここは何と言う町なんですか?」
と聞いた。すると町の人が
町人「ここはねぇ、大和町という町なんだよ。あんた見慣れない格好してるなー」
ガロス「大和町?聞いた事がないぞ?」
町人「まぁ話しは最後まで聞け。この大和町の北にある洞窟になぁ〜、何百年も前から怪物がいるって噂なんだよ」
ガロスは答えた。
「怪物?どういう怪物なんだ?」
町人「なんだって、はるか昔にいたゾイドらしいんだが、体から奇妙な光を出して、通りかかったゾイドを襲っているらしい」
町人「しかもよぉ・・・。やられたコマンドは体全体がペシャンコで滅茶苦茶だぜ??ありえるかよ・・・。大きさはあんたが乗ってる変わったゾイドぐらいしかないのによぉ」
ガロス「ペシャンコ?踏み潰された訳ではなさそうだな」
ジェノと同暮らすの機体でコマンドクラスをペシャンコに潰せるだろうか?ハイパークローが大きい爪とはいえ、体全体をペシャンコにするのは無理だろう・・・。
町人「あんたまさか来たに行くつもりじゃないだろうな?」
ガロスは少し沈黙した後答えた。
「行ってみようと思う。」
町人「やめとけよU確かにあんたのゾイドも強そうだが、あの怪物には勝てない・・・」
ガロス「それは行ってみないと分からない」
「とりあえず、数日してジェノの傷が癒えてから行く。宿を紹介してくれ」
町人「分かった。俺の家に泊まっていけ」
ガロスは数日間聞き込みなどをし、自分がどういう立場なのか理解していた。
「ディガルドと言う国は、この町貧困からを救ったのか。」
今日はディガルドの部隊が補給にくるらしい。
町人「おーい。門をあけろーU補給部隊がきたぞーU」
グスタフ2機にバイオラプターが6機護衛でついている。
ディガルド兵「あのゾイドはお前のか?」
ガロス「ああ、そうだ。」
ディガルド兵「見たこともないゾイドだな・・・。とりあえずジーン司令に連絡しろU」兵A「ディガU」
兵A「大和町にて型式不明の大型ゾイド発見しましたU」
ジーン「なに、パイロットはいるのか??」
兵A「はいU軍服のようなものを着た男がいますU」
ジーン「そうか、そいつはそこにまだいるのか?明日そちらへ私が直に向かおう」
兵A「了解ですUディガ」
ジーン「面白いことになったな・・・。まあいい、私の意見に背けばバイオティラノの演習相手になってもらおう・・・。」
そして翌日。
ガロス「ジェノも元通り正常になったし今夜はあの洞窟に行ってみるか・・・。」
そして、大和町にジーンの乗ったバイオティラノが近づいていた・・・。
つづく
>>504 >荷電粒子砲を完全に防ぐにはEシールドしかない。
荷電粒子砲と一口に云ってもピンキリ在るが、Eシールドも
生中な物は破られているし、反荷電粒子シールドでも
ジェノやフューラー程度の貧弱な物は勿論の事、
通常デスの物なら防いでいるし、制御されたデスステ程度の
物迄なら恐らく防げるがOSデスには破られてしまった負の
実績があるし、恐らくゼ砲は防げないだろうし…
荷電粒子砲を完全に防ぐにはキンゴジュ装甲位しかない。
んじゃないかと…
509 :
462:2006/01/15(日) 11:32:47 ID:???
長いこと風に吹かれて、漸く人心地がついてきた。
「…はぁ」
精神へのダメージは思ったより軽かったようだ。
「まず、人探さなきゃな…」
呟いて立ち上がり、辺りを見回す。
と、さっきまではいなかった人影と、ゾイドと思しきものの姿を認めた。
「…女の子?」
かなり背が低い。
茶色の綺麗で長い髪を持ち、服装も暖色系統でまとまっている。
逆立ちしても、悪人には見えない。
少し遠かったので初めは分からなかったが、
どちらもこちらの方を見ている。
「……」
多分、ネーゲルに対して真後ろにある光景を目にして愕然としているのだろう。
表情がそんな感じだ。
さて、どう話を切り出したものか。
>>508だが文章の順番ミスだなorz
反荷電粒子シールドでも通常デス程度の物なら防いでいるし、
ジェノやフューラー程度の貧弱な物は勿論の事、
制御されたデスステ程度の物までなら恐らく防げるが、
OSデスには破られてしまった負の実績があるし、
恐らくゼネバス砲は防げないだろうし…
だな。荷電粒子砲を防ぐ事に関しての考察は。
511 :
345:2006/01/15(日) 11:35:58 ID:???
マッドが今活躍するのはいいんじゃない?
・・・そろそろギルが復活してきそうだしさ。
512 :
462:2006/01/15(日) 11:52:00 ID:???
「…何見てるんだ、お嬢さん」
いろいろ考えて、一番無難な方法を選ぶ。
「…あたしと同じ方向を見れば分かります」
やはり、少女には少々刺激が強いらしい。
戦い慣れている雰囲気はあるが、恐らく今まで目にした事があるのは
ゾイドの「残骸」だけなのだろう。
ゾイドの「死体」が転がる惨憺たる光景を改めて眺めてみると、
何とも生々しい印象を受ける。
やっぱりゾイドも生物なんだなあ、とか他人事のように思った。
「あー…まさに地獄絵図だね」
人間って恐ろしい。
一度慣れてしまうと、二度目以降は何とも感じなくなってしまう。
「スケッチして、来て欲しくない人が家に来る時玄関に飾るのに向いてるか」
「悪趣味」
「盛り塩よりは効果あるでしょ」
「それは、そうかも」
「どんぐりの背くらべの域は出ないけどね」
513 :
462:2006/01/15(日) 12:16:07 ID:???
「へぇ、カタカナ三文字か。随分短い名前があるもんだね」
少女は、名をレ・ミィと言った。
いい名前だ。フルネームで自己紹介しても口が疲れない。
「あたしの他にも結構いるわよ、字数が少ない名前の人」
「へぇ」
おてんばお嬢様、と言う表現がしっくりくる人物だ。
ちょっと背伸びした話し方は、そっちの趣味を持っている人が聞いたら
多分一撃でKOだろう。
「…あんなの見た後だってのに、よく食べるわね」
「食べてるだけさ。生憎味はさっぱりわからん。
それに…アレを見た後で丸焼きを作るお前さんも、人の事言えないよ?」
どうやら、これしか出来ないに等しいようだ。
なんとなく、先が思いやられた。
彼女と日々生活している人間は、こう言う状況をどう切り抜けているのだろう。
514 :
462:2006/01/15(日) 12:30:34 ID:???
そのあたりの事を聞いてみようと、ミィに水を向けてみた。
「ミィって、恋人かそれに類する男の子とかいるの?」
……ビンゴだった。
ミィの顔が、炎よりも赤くなった。
「なな、な、ななな、何を、いきなり」
「いやいや、いたら大変だなぁと思ってさ」
「…何でよ」
努めて冷静に話そうとする努力は認めるが、やはりまだまだ若い。
隠しきれていない。
「デートの時のメシが毎度毎度これじゃあな、と」
「むー…」
「バカの一つ覚えはいつか飽きられるぞ。
…そんな顔をするな、私は可能性を述べただけだ。
だから涙目でそうやって睨んでくれるな」
純粋だなぁ。ネーゲルは正直にそう思った。
>>508 とりあえずEシールド張っておけば、
一般兵が遭遇する荷電粒子砲搭載型ゾイドには
即死はないつうことで。デス・デスステに出会ったら
おまいの運が悪かったと。
実はアニメで結構出てきてんだよね、バイオゾイドが砲撃の衝撃の影響うけるって描写。
ただ、同じような砲撃に見えるのに影響受けてたり受けてなかったりしてるように感じるんだが。
衝撃の影響喰らってんのにヘルアーマーは無事、ってことがあるってことは、
ヘルアーマーは衝撃緩和・吸収系の装甲ではないんだろうか。
>>502 すまん、漏れの技量が足りなかったせいだ
>マグネーザーの側は加熱・摩耗
しますけど漏れの中で基本的にマッド>バイオなので
そこは信者的補正がかかってると思ってください
どのみち長時間は無理なので途中で横に投げ飛ばしたりしてみました
>二連大口径衝撃砲なら
一応、ヴォルケも内部の肘関節が先に逝ったということで腕を破壊する描写ではなく
吹き飛ばす描写にしておきましたが、やっぱだめか。
量産メガラプトルも破壊せず、地面に埋めたり吹き飛ばしただけのつもりだったんだが・・・
すまん、漏れみたいなヘタレが
小説書いちゃいけないことがよく分かったので去ります(´・ω・`)
スレ汚しスマソ
今日も砲撃で吹っ飛ばされたけど沼に足を取られてなかなか立ち直れないってな描写あったな。
>>517 まぁあまり気に病みなさんな
>>517 >>502です。此方こそ、口が悪かったみたいですスマソ
そんな事云わずに、是非とも続きを書いて下さいm(_ _)m
今日のバイオ粒子砲の威力を共和国軍の人達が見たら
何てコメントするだろう。
アニメ補正かかってたからな・・・
ムゲンのキット設定の「バイオ粒子砲にも耐える」ってのが白々しくなるくらい。
デス荷電にも耐えるマッドとギガなら多分大丈夫だろうけど。
バイオゾイドの耐久力の話だけど…
実は(ってほどでもないが)デッドリーコングにぶん殴られて崖に叩き付けられただけで
戦闘不能になったとしか思えない描写がアニメに出てきたことあったんだよね…
このことやムゲンがケントロに砲撃叩き込んで動きを封じた描写見るに、
衝撃で直接ダメージを与えることを狙うような(まさに衝撃砲とか)、強力な衝撃を与える攻撃を喰らったら、
バイオのフレームがいかれるなり壊れるなりしてもおかしくない、というより当然の気が…
ラプターのフレームなんかランスタッグの角で押し潰されると壊れちゃうし。
ところで、ふと思ったんだけど、ゾイドって金属生命体って設定なんだから、
バイオゾイドって言葉としておかしくない(bio- 「生」「生命」「生物」の意)?
ここでのバイオはセントラルドグマの意味での生命で、ゾイドはパシヒフィックドグマの意味での生命だ、
とか言われるのかもしれないけど…
523 :
462:2006/01/15(日) 22:52:03 ID:???
要するにゾイドにおけるサイボーグのような意味合いなんだろ
一般にゾイドは核となる部分を除いては全て兵器なわけだし
(それを生物としてのゾイドに近づけようと言う最初の試みがOS)な
524 :
522:2006/01/15(日) 23:14:00 ID:???
なるほどゾイドのサイボーグか… 確かに一般ゾイド(←変な言い方だ…)って核以外殆ど人工物だったな
マグネーザー側の磨耗・加熱の話だけど、
加熱についてはマグネーザーに無茶苦茶強力な冷却装置付いてるとか考えられないかな?
現実のシールドマシン(でかいトンネルとか掘ったりする機械。やたらでかい)なんかにも冷却系等はあるんだし、
そういうものとは比べ物にならんほど急激に装甲に穴を開けるマグネーザーに
強力な冷却機構があるとするのは自然だと思う。
磨耗については、冷却も含めたコンディション制御で磨耗のしにくい状態にしてると(ちょっと苦しいか)。
525 :
462:2006/01/16(月) 00:06:40 ID:???
「うわー、全然近づける状況にないじゃんこれ」
キースは今にも逃げ出しそうな口調だ。
「瞬殺される不純な意欲があれば何ともないですよ」
アルヴィンはにべもない。
「やるならお前だけな。
思い残す事の量を計測しようと思ったら東京ドーム何個分になるか分からんし」
「隊長の肩書きが泣きますよ」
「俺の両親は今頃草場の陰で泣いてる」
「親不孝者だったんですね」
「それ激しく今更だから」
あの暴走超特急な小娘同伴では、いくら彼らでも生きて帰るのがやっとだろう。
情報収集など望むべくもない。
「やれやれ、白昼堂々出歯亀ですか…俺、これでも佐官なんですけど」
「いやらしい事考えてる暇があったらさっさと突撃して派手に散って来て下さい」
「やだ」
526 :
462:2006/01/16(月) 00:36:02 ID:???
他愛もない話を取り留めもなく続けていたら、
「…そういえば、アナタの名前って何て言うの?」
ミィにそう問われた。
ネーゲルだと答えようとして、思い止まる。
さすがに「悪魔の爪」と名乗るのは気が引けた。
ここは一つ、洒落た偽名を考えよう。
ネーゲルと言う名だって、諜報の仕事のために本名をもじって作った偽名だし、
本名でない名前で呼ばれる事に、特に抵抗はない。
「……フェン」
少し考えて、思いついた名を口にする。
「フェン・シェンズ。そう、呼んでくれればいいよ」
今回の偽名には、本名との関連性が一切ない。
完全に、別人の名前である。
他意はないが、異世界で自分をネーゲルと認識される事に抵抗があったのかもしれない。
「フェン、さんか。なんか根無し草な印象…」
なかなか面白い事を言ってくる。
そして、渡りに船だ。
「その通りなんだよね。
今も一応宿探ししてるし」
真実ではないが、寝床が欲しいのも事実だった。
その点では、嘘は言っていない。
「うーん…許してもらえるかな…」
ミィは腕組みをして考える。歳の割に、様になっていた。
「とりあえず、掛け合ってみて、か」
527 :
462:2006/01/16(月) 21:16:28 ID:???
「で、ここまで連れて来られたわけだけど」
椅子に腰を下ろし、フェンことネーゲルは深々と息を吐いた。
ゆっくり出来るのはいいのだが、自分の管轄外で事がホイホイと進むのは
あまりいい気持ちのするものではない。
ミィが言うには、ここはもともと民宿だったのだそうだ。
最近はディガルドと言う国家が世界制覇をうたって始めた侵攻のせいで、
訪れる者もなく、商売あがったりになってしまったが、とのことだ。ふむふむ。
フェン(周りにそう呼ばれる事になるため、以後は彼女の名をこう記述する)が現在いる部屋は、
いくつかある部屋の中でも大きめのものだ。
大きなベッドがあるのは有り難かった。軍に入隊してからこっち、
仕事の関係でベッドというものと疎遠(無縁と言っても何ら差し支えない)
になっていたからだ。
さっきだって、コクピットで寝る事を覚悟していたくらいである。
「…っと」
ミィはここで連絡を待てと言っていたが、それまでは暇だ。
眠るという選択肢もあるにはあったが、初対面の人に起こさせるようなバカな真似はしたくない。
そこで、傍らにひっそりと立っている本棚を調べてみる事にした。
528 :
462:2006/01/16(月) 21:38:11 ID:???
長い間放置されていたのだろう、埃こそかぶっていなかったが
金具部分はすっかり錆び付いて開きにくくなっていた。
「御開帳、っと」
面白がって言ってみる。勿論聞いている者などいるはずもない。
中の本は、空気に触れずにずっと放置されて、もとい保存されていたためか、
かなりきれいだった。
少しばかり紙が黄ばんでいるが、それは許容範囲内だ。
何の気無しに、一ページ目をめくる。
実はこの行動が彼女の運命を変える事になるのだが、それはまた後程。
所変わって、ディガルドの凸凹コンビの二人はと言うと。
「お前、飯の時間もきっちりしてんのな」
「貴方がルーズなだけでしょう」
「俺は仕事柄だな」
「同じ任務を遂行する身にその言い訳を使う気ですか」
「う…恩知らず」
少し遅い昼食の時間だった。
キースの部隊の食事は、大抵隊長御自ら作る。
練習を兼ねている、とは本人の言だが、多分それは謙遜だろう。
事実、隊員たちにはかなり好評なのである。
529 :
462:2006/01/16(月) 22:18:11 ID:???
「知ってますよ恩の意味くらいは。
てゆーかそんなので恩を数えていいのなら
僕の隊長に対する貸しは東京ドーム何個分になるんでしょうね」
「……相変わらず手厳しいな」
ばつが悪そうに頭を掻くキース。
「薮蛇でしたね」
平然と言ってのけるアルヴィン。
「はは、全くだ」
「ついでにおかわり」
「はいよ」
この二人、軍服を着ていなかったら兄弟か漫才コンビに見えないことも無い。
「……良いのか?私なんかが作戦会議に加わっちゃって」
そう口では言うものの、フェンは今不安で一杯だった。
戦力的にゲリラ的な戦い方しか出来ないはずなのに、
作戦だけは立派な軍のそれなのだ。
要するに、ただでさえ少ない戦力をさらに分散させる。
サシで敵のゾイドとやり合える技術をもっているのはわずかしかいないにもかかわらず、だ。
どうしても、口出したくなる。
ゼネバスの参謀(彼女の本職は諜報ではない)として、我慢ならないのだ。
何度目になるか分からない溜息をつき、その衝動を抑えた。
連投回避で一泊。
職人さん乙、土偶が弁当パクパクおいしい!!
532 :
462:2006/01/17(火) 01:17:39 ID:???
「フェンさん、何か意見ありますか?」
それを何十回と繰り返した頃、意見を求められた。
「あるにはあるけど……言っちゃって良いんですか?」
「どうぞ、ご遠慮なく」
先程から話し合いを仕切っているこの男に、フェンは好意をもっていた。
慇懃無礼な感は否めないが、人をきちんと見ている。なかなかのやり手らしい。
ならば遠慮はいらないだろう。多少暴走しても、上手くまとめてくれるはずだ。
「聞いた感じ、貴方達はゲリラである事に嫌悪感を抱いてらっしゃるようですが…」
ゆっくり、切り出す。やるなら、なるだけ完璧にやりたい。
「その前に規模考えましょうよ。
数も少ないし、指揮系統もあやしい。
そんな部隊が一端の軍を気取ろうなんて、茶番もいいところです」
遠慮なく言わせてもらう。あんたらは、組織戦ってもんを分かってない。
「ゲリラである事に甘んじない点はよしとしても、背伸びするのは愚行です。
むしろゲリラである事で生じるアドバンテージを活かす方が大事だと思いますよ」
ゲリラと正規軍の最大の違い。それは、勝利条件である。
簡単に言えば、通常ルールで編成したドッヂボールチームが、
王様ルールのチームに挑むようなものだ。
533 :
462:2006/01/17(火) 08:48:07 ID:???
正規軍の場合、リーダーが倒れたら大抵の場合撤退する。
司令塔が不在だと、任務遂行に支障をきたすからだ。
しかし、ゲリラは基本的に全滅するまで撤退はない。
もしその前に撤退したとしても、悟られにくい。
そこを利用すればいい、と言っているのだ。
「こうやって散開させて一気に全機仕留めようとするんじゃなくて…」
まさか基本の講義をこんな所でするとは思っていなかった。
自分もお人好しになったものだ、とちょっと自嘲ぎみに笑った。
「初めての組織戦、か」
地中に隠しておいたデススティンガーのコクピットに戻り、
必要なデータを入力していく。
正直言って、かなり心配だ。多分、予定の10%もいかないだろう。
最善最良どころか、次善佳良すら望み難い。
「まあ、慣れてると言えば慣れてるのか」
でも不安ではない。
失敗をフォローするのは得意だ。それを買われて参謀に抜擢されるくらいだから、
きっと周りも認めるところだろう。少しばかり、自負もしている。
「後はやってみてから、っと!」
少し気合いを入れ、コンバットシステムを起動する。
この瞬間の感覚が、フェンは好きだった。
「これは・・・・・連中こんな物を・・・・」
俺は薄暗い帝国の研究室の端末に映し出されたデータを見て鳥肌が立った。
そこに映し出されたいた物はデスザウラー用に開発されている新型荷電粒子砲と見たことの無いゾイドのデーダだった。
「ロード・・・ゲイル・・・とにかく、このデータを共和国に持ち帰らなければ・・・えぇい、ケチって安物のデータスティックなんか使うんじゃなかった。転送速度が遅い・・・。」
俺はデータの抽出の遅さにイラつきながら部屋の入り口を警戒する、何時帝国の兵士や研究員が戻ってくるかわからないこの状況では落ち着いて作業すら出来ない、
その上こちらはほぼ丸腰、研究員の白衣を着ているため怪しまれないとは言え、
持っているといえば携帯用の小型ナイフと自決用の薬の入った指輪だけ。
抽出完了まであと20秒・・・・15秒・・・・長い・・・その時廊下で人の気配がする、
「ちぃ、戻ってきやがったか・・・後5秒・・・・。」
扉が開き中に白衣を着た研究員が二人入ってきた、俺は寸での所で完了したデータカードを抜き取り物陰に隠れ気づかれないように扉へと向かい外に出た。
廊下の過度を曲がった所で警報が鳴り警備兵が駆けてくる侵入がばれたんだろう、当然だ、モニターもそのままデータをいただくために繋げたコードもそのままなのだから。
らしくないミスをしてしまった。
俺は怪しまれないように駆けて行った兵士をやり過ごし脱出用ゾイドを調達するためにゾイド工場へ足を進めた。
>>534続き
「貴様!そこで何をしている!今は警戒中だ!」
どうしてこうも今回のミッションは失敗が多いのだろう、俺は工場の入り口で警備兵に止められライフルを突きつけられている。
「いえ、ちょっとこっちに戻る時に警報が鳴って急いで戻ってきただけです。」
我ながらとっさについた嘘とはいえ、下手な嘘だ。
「IDカードを見せろ!」
「IDですか、ちょっと待ってください、」
「怪しいな・・・・『こちらデルタ4、工場前で不振人物発見』」
やばい・・限りなくやばいそんなもん持ってない、ここはこいつを倒すしかないか、俺はポケットにしまっていたナイフを持ち覚悟を決めた
「あぁ、有りました、これです」
無線機を片手にした兵士の喉にナイフを突き刺し脇腹に蹴りを入れ警備兵を倒し銃を奪う
「こうなりゃやけだ!」
俺は銃を構え工場に突入し目の前のライトニングサイクスへ走る途中現れた研究員を数人ライフルで殴り飛ばし
コクピット前で乗り込もうとしていたパイロットらしいヤツを蹴り倒しコクピットに滑り込みハッチを閉める。
「うごけよぉーー!」
アイドリング状態でったサイクスは直ぐに動き出し機体を固定していたハンガーを壊しながら発信させ、シャッターを突き破った。
出た所で数機のイグアンが出てきたがこのサイクス相手では追いつく事すらできない、スロットルを全開にしアクセルをベタ踏みし一気に最高速度へ持っていく
もともとコマンドウルフ乗りだった俺はこういう高速ゾイドとは相性がいい、直ぐにイグアンの射程外へと抜けるが砲戦仕様のゾイドが居るのか後方からの砲撃がやまない、
そしてその爆煙の中から一機のシュトルヒが突き抜け追ってくるそしてサイクスのブースターパックに取り付くとエアブレーキをかけ地面に押し付けようとしてくる。
「貴様!よくも私を足蹴にしてくれたな!その上私の機体まで!!」
>>534>>535続き
どうやらこいつに乗り込む前に蹴り倒したパイロットらしい、さすがにサイクスを宛がわれるだけあってシュトルヒのような軽量ゾイドにもかかわらずサイクスを押さえ込むだけの技量を持っている。
そして俺とこのパイロットの文字通りの力比べが始まった、サイクスは振り落とそうと左右に振りながらも速度を上げ
シュトルヒは空力を使用しサイクスを地面に押し付ける、それがしばらく続いた後工場の方角が突然光りだした・・・・・。
-------------------------------------------------------------------
「アレを共和国の豚共にに流してはならん!試作荷電粒子砲を出せ!」
研究所の司令部では所長の怒鳴り声が響いていた、
「しかし所長、まだアレは実験段階です!精密射撃が出来ません!!」
「かまわん!撃て!!最大出力で薙ぎ払えばいい!」
「ハ、ッハッ!荷電粒子砲」
「了解、荷電粒子砲スタンバイ、出力最大レベル、照射ポイント2・5・73・・・・」
「照射準備完了、発射します!」
オペレーターはケースで保護されたボタンを押した。
>>534>>535>>536続き
サイクスの警報がビービー鳴り響く、『後方から高熱源接近、回避』を意味している
工場のほうから光った光は地面を巻き上げながらまっすぐ此方へ向かってくる。
「なに!?私が居るというのにアレを撃つのか!!!あの男は!!」
そういうとシュトルヒはサイクスから離れ光を避けるように上昇をした。
「くそっ!」
俺はサイクスを光を避けるように横へ走らす高速移動中の方向転換、視界が赤く血が充血していくのがわかる
飛びそうになる意識を堪え回避行動を取るが光は尚もサイクスを追い続ける。
-----------------------------------------------------------------------
「まだ仕留められんのか!!」
所長の怒号が飛ぶ、オペレーターはレーダーを頼りに砲の方向を動かしていく、その時
今までと違う警報音が司令部に鳴り響く
「荷電粒子砲の炉の温度が急激に上昇!?駄目です!このままでは!!」
悲鳴に似たオペレーターの声が警報と共に辺りを包む
「予備の冷却装置を稼働急速冷却!」
「だめです!!間に合いません!!10秒後にメルトダウン!!」
所長がその言葉を聞き取れたか取れないかその瞬間工場は光に包まれ消失した。
支援
作品投下するときは一旦メモ帳辺りに書いてまとめてある程度たまったところで
いっぺんにコピペして書き込んだほうがオススメ
539 :
462:2006/01/17(火) 12:01:15 ID:???
「高エネルギー反応捕捉!シルエットが蠍型ゾイドと符号します!」
オペレーターが強い口調で告げる。
フェンのいる街に攻撃をかけようという、まさにその瞬間にその反応は現れた。
否応なしに緊張が走る。
「慌てるな、我等は精鋭部隊だ。
いくら一般兵を十、二十と仕留められたところで、我等に敵うかどうか。
そう簡単に負けるはずがない」
隊長機に乗る男が、全員に激を飛ばした。
「でも、キース中佐の情報では、」
「あんな若僧の言う事等、聞き流してしまえばよい」
部下の言葉にも取り合わない。
精鋭である事のプライドには、頭を固くする効果もあるらしい。
そして、その言葉を話している時間が命取りになっている事にも、気付いていなかった。
「蠍型ゾイドのエネルギー上昇!攻撃、来ます!」
「各機散開!周りをかこむように…」
その言葉を最後まで言う事は出来なかった。
蠍型ゾイドのいる地点から放たれたビームが、
隊長機のコクピットを含めた大部分を蒸発させたからだ。
荷電粒子砲。
その威力も存在も、キースの情報を無視したがゆえに彼等はまだ知らなかった。
>>534>>535>>536>>537続き
サイクスを追う光が一瞬消えた、だがそのあと別の光と衝撃がサイクスを弾き飛ばした。
中に浮く様な感じがし、直後にレッドアラート、モニターには地面が近づく、
ギリギリのところで着地するも衝撃に耐え切れず横に転がり砂に埋もれながら停止する。
「くっ・・・つぅ・・・・・どうなったんだ・・・・。一応、助かったのか・・・?」
俺はレーダーを起動させ近くの警戒をしながらダメージチャックを行う。
カメラーの一部が損傷し画像が悪い物のモニターにはコレといって以上は無い、レーダーも異常なし
駆動系は着地の衝撃で左足のダンパーが馬鹿になりかけているが通常の歩行には支障はなさそうだ。
ブースターパックは一応生きてはいるが姿勢制御用の羽が動かない。
「高速移動はもう無理か・・・・。」
そしてレーダーが接近してくるゾイドを知らせる、機影は3機、データは・・・・・サーベルタイガー・・・・。
「く、さすがに逃げ切れないか・・・。」
そしてモニターでも確認できる距離まで接近してきたタイガーのカラーは黒
「新鋭隊カラーかよ、ついてねぇ・・・。」
>>534>>535>>536>>537>>540続き
「おーいこの辺だったよな!さっきの光が落ちた場所」
「あぁ、そこの砂煙のあがっている所だ!」
「ディガルトの新兵器って訳じゃなきゃいいんだが!」
俺は耳を疑った、
「こんな時にスピーカーで会話だなんてジャミングが効いている訳でもないって言うのに・・・。」
相手は素人?どっかのゲリラが掻っ攫ったというのか?
「とりあえず1機だけでも・・・」
そう言いながらサイクスを戦闘モードに切り替え砂煙から飛び出し先行している一機に飛び掛った。
「ぎ、銀色のゾイドだ!!ディガルトだぁーーーー!」
黒いタイガーはスピーカーで悲鳴を上げながら倒れ後の2機は一目散に後退して行く。
「な、なんなんだ?」
俺はあっけに取られていたそして倒したタイガーから這い出たパイロットを見つけ俺は
コクピットから威嚇射撃をしてパイロットを拘束した。
そう、コレが始まりだった・・・・。
>>538 そうだな、迂闊だった、ちょいと次のシナリオからはそうしてみるわ。
誤字も多いし・・・。
とりあえず飛ばされる原因とかその辺をチィと書いてみたかったのでスレ違いだったらすまねぇ。
>>534>>535>>536>>537>>540>>541続き
#02
「じゃああんた、ディガルドの兵士じゃないのかよ」
拘束した男、ムマドは俺を睨む様に言った。
「あぁ、俺はそのディガ何とかとは全く関係ない、共和国軍第6師団のゲヴェールだ。第一その何だ、ディガルドというのは」
「きょうわこくぅ?聞いたことねぇな。ディガルドってのは最近あたりの町や国を武力で制圧してきているディガルド武国だよ、しらねーのか?」
訳が解らない、俺は確か大陸の帝国軍ゾイド兵廠に潜入してそこで爆発に巻き込まれて居るはずだ、そんな国境をやエリアを軽く飛ぶ事なんてありえない。
一体何が・・・・?
「とりあえずあんたがディガルドじゃねぇっていうのならその銃下ろしてくれねぇかな。」
俺はすまないと言いながら構えた銃を下ろしムマドと向かい合う形で地面に座り込んだ。
「でーあんたのゾイド、バイオゾイドじゃないのか?」
ムマドは俺の後ろに鎮座しているサイクスを指差し聞いてくる
「バイオゾイド?何だそれは?こいつはライトニングサイクスといって帝国から失敬してきた物だ。」
「何だあんた一体どこの田舎から出てきたんだよバイオゾイドもしらねーのかよおめでてーな、バイオゾイドってなぁー光の玉も鉄の玉もどんな攻撃も受け付けない銀色のゾイドだ。」
「あんたが乗ってたやつも銀色だろ?違うのかよ?」
銀色?こいつ何を・・・と思いサイクスを改めてみると外装は8割溶けかけて塗装もはげ下地のシルバーが剥き出しの状態になっていた。
「たしかに・・・、銀色だな。だがこいつは違うぞ元の色は黒と赤だ、ただ爆発に巻き込まれてそのダメージでこうなっただけだ。」
「そうかい、まぁ、そんな事よりもじきに夜になる、この砂漠は夜になると野良が出る俺の町まで行こうぜ。」
「野良?」
「野良ゾイドだよ、まったく、ホントに田舎もんだな。ついて来な。」
そういうと彼は転倒した自分のセイバータイガーに乗り込み、来た方角へと歩き出した。
「とりあえず、町で情報を集めるか・・・。共和国軍と連絡が取れるかもしれない・・・。」
少し遅れてサイクスはセイバータイガーの後ろをついてゆく。
544 :
462:2006/01/17(火) 14:17:41 ID:???
「まず、一機」
自らを落ち着けるために、静かにカウントした。
出力が完全に戻った状態の荷電粒子砲の威力は、予想を遥かに上回るものだった。
ジェノザウラーのそれだって、ここまでの威力はない。
「化け物呼ばわりされるわけだ…」
KFDの開発に兵器開発部が乗り気でなかったのも、
開発にてこずっていたのも、納得がいった。
出力を少し絞ってもこれである。全力はおろか、普通に撃つのもまずいだろう。
「しばらく封印かな、これは」
システムを切り替え、近接攻撃武装に荷電粒子砲に充てていたエネルギーをまわす。
前の戦闘では、相当エネルギーを込めないと斬れなかった。
エネルギーの無駄遣いはしたくないし、ついでだ。
「っ!」
システム調整終了直後、攻撃を告げる警告アラームが鳴る。
直後に飛んできた火球を、Eシールドを展開して防いだ。
荷電粒子砲の発射点から動いていないのだから、狙われて当然だ。
「そろそろ動きますか…」
射撃武装の射程内に、銀色の化石みたいなゾイドが入って来ているのを確認してから、
フェンは機体を移動させ始めた。
545 :
462:2006/01/17(火) 14:39:07 ID:???
「あー、言わんこっちゃない!」
通信機から聞こえてくるのは、激しい雑音と断末魔の叫び声だけ。
キースの現在地は、戦域から北に少し行った所だ。
高台になっているため、ここからだと戦域が見渡せる。
見えるのは、味方がやられる姿だけだったが。
「どうします?周りは反乱軍に囲まれてますし、このままじゃ敗北確定ですよ?」
アルヴィンのいつも変わらない口調は、こういう場合には助かる。
落ち着きが簡単に取り戻せるのだ。
「とりあえず…俺とアルヴィン以外は一旦後退、どこか安全な場所で待機!」
「了解!」
味方が後退したのを確認して、キースは前へ出る。
「僕は道連れですか」
「俺がもし一人で死んだら、誰が俺の骨を拾ってくれるんだ?」
「死ぬ気なんかさらさらないくせに」
「死にたいとは、誰も言ってないぜ」
坂を一気に駆け降り、通信機に叫ぶ。
「おい、そこの綺麗な姉ちゃん!とりあえず止まれ!
命が惜しかったら戦闘をやめろ!」
アルヴィンが溜息をついていた事には、勿論気付いてなどいなかった。
546 :
462:2006/01/17(火) 15:21:57 ID:???
「……これほど説得力のないセリフもないな」
筋金入りのバカか、はたまた仲間思いの直上径行か。
きっとフェミニストなのだろうと言う事は確かだ。
気持ちは分かるが、もうちょっと威厳ある声は使えないのだろうか。
フェンはデススティンガーがハサミで捕らえていたバイオラプターをそちらへ向けて投げた。
「がふっ!」
綺麗に直撃を受け、ド派手にすっ転んだ。
…避けなかった。
「痛ってーな、何しやがんだ!」
しかしすぐに体勢を立て直した。技術は相当らしい。
「避けなかったお前さんが悪い気がしないでもない」
「認めたくねーけどな」
その割に、意外と素直に認めている。
「で、本題。今までの破壊行為は水に流してやるから」
「死んだ奴もいると思うが」
「それは運が悪かったんだ。お前の機体を見誤った奴の手落ち」
「あっさりだな」
「それが戦争だ。ってそんな事はどうでもいい、要するにとっとと下がれ」
「話が分かりやすくて助かるが、それについては生憎、な」
547 :
462:2006/01/17(火) 16:12:43 ID:???
「まさかアンタ…反ディガルドだったのか?」
信じたくない、と言う口調。まあ事実は事実だから仕方がない。
「ついさっきなった、の間違いだ」
そしてそれを聞いたキースはちょっと笑って、
「あーあ、無所属だったら勧誘しようと思ってたのに」
心底残念そうに、言った。
「戦争ってのは、なんでこんなに理不尽なのかね」
「そもそも人間が理不尽だからだろ」
「全くだ。今この瞬間、俺の未来予想図は台なしになったわけだし」
「私も、お前さんの事いい男だなって、思ってたんだけど」
「「タイミング、最悪だな」」
そして一合渡り合おうと互いに一歩踏み出しかけた、その瞬間だった。
「隊長、下がって!」
アルヴィンの叫び声が聞こえた。互いに驚き、反射的に間合いを離す。
そこを、おびただしい数の火線が通り過ぎていった。
「なっ!?」
「何をするのかと思ったら…」
「くそ、外れか」
三者三様の反応。声はフェン、キースと、パンツァーのパイロットのものだった。
「うむ・・・いい仕上がりだ」
陸戦格闘戦強化サラマンダー・ガブリエーレMk-2のパイロット、イーゲル・アインス中尉は満足そうに呟いた。
反ディガルド軍から提供されたバイオクラッシャーという名のリーオ製の大剣は素晴らしい切れ味を発し。
ガブリエールはジェノザウラーと渡り合える位の驚異的な運動性能とパワーでバイオゾイドを蹴散らした。
素晴らしいゾイドに出会えるのはゾイド乗りの本懐だというのに。今回の作戦を考えると、様々な不安が鎌首をもたげてくる。
月が一つしかない謎の地に共和国軍が飛ばされてから数ヶ月。共和国軍は様々な問題に頭を悩まされていた。
一つ目は元の世界に戻れるのかという問題。これは原因も何も分からない状況だという。
二つ目は弾薬や整備用資材、機材などの物資の不足。これはある程度共和国軍が反ディガルド軍に技術提供をすることによって解決が図られているが
あまり進展していないようである。おかげで殆どの部隊が共食い整備で使用不能機体が増えるという有様である。
また、なぜか発掘される見たことの無いゾイドの所属争いも問題になっている。ゼロフェニックスは空挺ゾイドだから空軍所属だと言い張るはまだいいとして。
ブラストルタイガーが顔が熊だし火力が高いから突撃部隊所属だ!というのは無理があると思う。名前がタイガーだし。
そのような感じで、軍内部でも部隊間の軋轢が高まり険悪なムードになってきている。一部の部隊にいたっては、ディガルドの悪行捨て置けん。とばかりに
独断専行する者まで出ているそうな。何を隠そう閃光師団だったりするが。
若さのあまり正義の怒りが炸裂するのはいいけど、空気を読めないのはおじさんどうかと思うなあ。
また、反ディガルド軍と共和国軍も軋轢が高まってきている。
問題となっているのは作戦方針らしいが・・・どうにも圧倒的な火力による砲撃は、開放するべき町を傷つけすぎる。という声が上がっているらしい。
おかげで砲撃部隊は臆病者だとか疫病神だとか言われる始末である。だが、そういうことは無駄に戦域を広げて、被害を広める人が言うもんじゃあないと思うがなあ。
その辺の問題を強引に解決するために、上層部はとんでもない作戦を考え付いた。
軍内部の不穏分子を一箇所に集め。どうでもいい施設をあたかも重要な施設であるように敵に見せかけ、敵の部隊をおびき出し。
施設ごと砲撃と空爆により敵を一気に殲滅する。という旧大戦で行ったようなオトリ作戦をえげつなくアレンジしたのだ。
暴挙ともいえるオトリ作戦に各部隊から反対の声が上がったものの。発掘された新型(というには語弊があるが)や改造ゾイドや武器弾薬を今回の作戦に参加する部隊に
優先的に回す事が決まるやいなや反対派は声を潜めた。
この世界に来てからは、補充の機体どころか下手をすると弾薬すら回ってこないのだ。そこへこの大盤振る舞いである。
消耗の激しい部隊や、機体数が足りないがために空中分解寸前の部隊は作戦参加に我先にと名乗りを上げた。何しろ乗るゾイドが無ければ歩兵に回される可能性だってあるのだ。
どうせ生贄はあの嫌われ者部隊・・・それで補充のゾイドが来るのならこんなおいしい話はそう無い・・・ゾイドから降ろされ歩兵として戦場に立つくらいなら・・・
様々な人々の思惑が渦巻く中。通常なら行われることの無い作戦は進んでいったのである・・・。
550 :
462:2006/01/17(火) 20:05:35 ID:???
「何者だお前。また見たこともないゾイドに乗って、またまた俺の邪魔して」
呆れの混じった口調で言うキース。
「確かに私達の邪魔をしたのは感心しないが、
私の友達に向けて何者だとはご挨拶だな。
簡単に紹介しておくと、私の親友だよ」
フェンの紹介を受け、
「フィアス・ラグーンです。いつまでの付き合いになるか分からないけど、一つよろしく」
パイロット―フィアスは自らをそう紹介した。
フェンは一つ頷いてから、
「しかし今日はどういう風の吹き回しだ?
ごてごてしたのは好きじゃないと言っていたお前が、
そんな移動砲台みたいな機体に乗っちゃって」
問うた。
「借り物だから。オレの専用機じゃない」
簡単に答える。
「自分のものじゃないから我慢する…か」
ちなみに彼の普段の乗機はブレードライガー(AB標準装備仕様)である。
「まあ挨拶はこのぐらいにして、本題です。ヘリック軍が接近してます。とりあえずここを離れて下さい」
551 :
462:2006/01/18(水) 00:09:11 ID:???
穏やかな口調で、しかし強く言う。
「多分貴方達が今まで戦っていた反乱軍よりも数枚上手です。
そこに所属してるオレが言うんですから、確証は高いと見ていいと思います。
本当は斥候としてここまで来たんですが、死者はなるだけゼロに近づけたいので」
要するに、逃げろと言っている。
レーダーには、確かに多数の反応があった。
いくらキースやアルヴィンと言えど、これだけの数を相手には出来ない。
「…逃がしておいて後ろから、って事はないよな?」
「それはありません。ご所望なら別ですが」
「遠慮しとく。じゃ、今日のところは失礼させてもらうか…」
「本当に裏、無いんですかね?」
撤収の道すがら、アルヴィンは言った。
口ぶりから、ずっと疑っていた事がうかがえる。
「さあな。俺達を逃がそうってのに裏はないだろうが、
他に何か狙いがあると考えても不自然ではないよな」
不可解だぜ、とキースは肩をすくめた。
552 :
462:2006/01/18(水) 11:58:36 ID:???
「で、なんだ。はぐれたやつらは皆合流できたのか?」
デススティンガーにホースで水をぶちまけながら、フェンことネーゲルはフィアスに聞いた。
「まだ6割どまりだね。
まだ何処に行ったのかあたりすらついてないのも多い」
「災難だな」
「ゼネバス人に気遣ってもらえるとは恭悦至極」
「声がデカいって」
「失敬」
彼―フィアスはネーゲルが鉄竜騎兵団の諜報員兼参謀である事を知っている。
ネーゲルと親友(恋人ではない)になってからしばらくたったある日、彼女が自分から明かしたのだ。
その時の会話はまさに言葉で行う戦争と言っても差し支えないものだった。
書くと日が暮れるのでその内容は割愛させていただくが、
それが互いが互いを気に入るきっかけとなり、今に至っている。
そのため、フィアス率いる小隊の中ではネーゲルの素性は半ば公然の秘密と化していた。
言うまでもないが、ネーゲルもこの小隊の所属になっている。
「しかし、とんでもない拾い物を…」
デススティンガーを見上げ、フィアスは肩をすくめた。
「バレなきゃ良いんだよバレなきゃ。どうせここは異世界だ」
「持って帰るんでしょ?上から聞かれた時どう答えるのさ」
553 :
462:2006/01/18(水) 12:20:16 ID:???
「拾い物でも奪い物でも、言いようは沢山あるさ」
落としきれていない土を手で払い落としながら、事もなげに言った。
「楽観的だな。機体が機体だよ、それじゃ通らないんじゃないの?」
「その時は現職復帰するさ」
関節が土を噛んでいないか調べながら答える。
「まあ、その時はその時か。それはさておき」
諦めたように溜息をつき、話題を変えた。
口調まで変わるのが、ちょっとおかしい。
「それ、きちんと制御出来てるの?」
「多少振り回される感はあるけど、概ね大丈夫。暴走のそぶりは全くないね」
それは、パイロットであるネーゲル自身も変に思っていた事だ。
デススティンガーなのに、きちんと操縦できる。巷で流布している噂が嘘に思えるくらいだった。
「何か改良が施されてるのかな…」
「真オーガノイドじゃないとか、ってのは?」
クイズの答えを言うような、そんな感じでフィアスは言った。
「え?じゃあこれは何だ?」
「量産型、とか」
「量産って」
「もしくは増殖したうちの一機とか」
「あと三十は地下に埋まってるって事か」
「ゴキブリじゃないんだから…って、地下?」
「うん。話すと長くなるんだが…」
フィアスとネーゲルがいつ知り合ったのかよく分かりません支援
ところで今までスレで挙がった設定やキャラクターを
ある程度主観入りでリストアップしてみたんだが欲しい人いる?
欲しい。特に共和国軍の有利な点・不利な点の設定のリストが欲しい。
なんか各職人さんの設定の有利な点と不利な点を総合したら
えらい強いんだか弱いんだかわからない軍隊ができそうなんで見てみたい。
556 :
462:2006/01/18(水) 16:20:29 ID:???
>>554 半年程前
正体明かしたのは二ヶ月前
任務で二人きりになった時に明かした、と
共和国軍兵士とジェネシス時代の女性とのラブロマンス希望〜
>557
ひとつ
>>78,83,101,107,111,116,119,157,160,167の作者の人に続きを書いてもらうと。
559 :
554:2006/01/18(水) 17:37:05 ID:???
560 :
462:2006/01/18(水) 19:19:27 ID:???
561 :
462:2006/01/18(水) 19:33:55 ID:???
「やっぱ転送ってのは、いろいろと大変なんだな」
海岸で一人、ネーゲルはぼやいていた。
ここがどこだか分からないうえ、原隊からも大きく離れている。
所属が違うせいだろうか、一人だけはぐれた。
ここに来るまで乗っていたシールドライガーは、
転送のショックか何かでゾイドコアがほとんど停止してしまっている。
盗品ではあるのだが、やはりなんともやりきれない。
「後で回収してもらえるかな……ほったらかしはコイツに悪いし」
手元の多機能端末が壊れていないだけ幸いだった。
自身がどこのどんな場所にいるのかに関しては全く分からないが、
通信機能だけは生きている。
「……さて」
状況確認終了。
とりあえず、海岸伝いに歩いてみよう。
「……」
静かではあるのだが、なんとも殺伐とした雰囲気のある海岸だ、と思った。
人気も生命の気配もない。まるで、天災が起こった跡のような感じだ。
気を落ち着かせようと歩いてみたが、
殺伐とした空気が延々と続く中を歩くのは逆効果だったらしい。
「…はぁ」
溜息とともに、座り込んでしまった。
562 :
462:2006/01/18(水) 19:55:38 ID:???
その時だった。
―端末が、異常を告げるアラームを鳴らす。
念のため、画面を見てみると。
「……え?」
弱い熱反応。熱源の距離、大きさなどから計算すると……
「こんな所に、ゾイドが埋まってるのか?」
普通では考えられない深さ。それなのにここまで熱が届いている。
「生きてるのか……」
そして微弱な震動があると言う事は、外へ出ようともがいていると言う事だ。
しかも、震動に関しては海岸を歩き出した時から感知している。
多分、自分がここへ現れる前から、ずっと頑張っていたのだろう。
自然、口元がほころんだ。
一瞬でも諦めようとしていた自分が、馬鹿みたいだ。
「しょうがないな……待ってろ、今微力だけど助太刀してやるから」
563 :
462:2006/01/18(水) 20:01:40 ID:???
緊急用に用意しておいたニトログリセリンをありったけ撒き、時限装置をセットする。
どのくらい吹き飛ばせるかは分からないが、端末の計算結果を信じるならば、熱源までは届く。
切り立った崖になっているためか、潮風に当てられて強度が著しく低くなっていたのだ。
後は、このゾイドがどちら向きかと言う問題があるが、それは考えない。
「一か八か……」
10カウント後、大爆発が起こった。
「要約するとこんな感じだね」
あっさり締めたネーゲルに、
「君って、いつも後先考えないよね」
フィアスは頭を掻きながら言った。
「そんな事を考えていたら世界の終わりの日がそれだけで終わってしまう」
「そうじゃなくて。熱源って、ゾイドコアだろ?
もし装甲がニトロの爆風防げないくらい弱ってたらどうするんだよ」
「ゾイドを信じて賭けてみた。それだけだ」
単純かつ明快。彼女の人柄をよく表している。
「……いい奴だな、君は」
「今更気づいたのかい?」
「ゼネバスの兵士に対する認識を改める必要もあるかな」
「だから声がデカい」
564 :
462:2006/01/18(水) 20:06:28 ID:???
夕方の分カキコついでに突っ込み
デススティンガーは量産型(非KFD)
フィアスの階級は大尉(閃光師団所属は当たり)
キースは中佐
アルヴィンの乗機は量産型メガラプトル
階級は少尉
備考として、フェン・シェンズは漢字で書くと"風信子"
こんなとこ
565 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/18(水) 22:12:03 ID:7tgS/Bou
嵐の中を鋼鉄の凶龍が駆ける
雨に打たれた鉄の肌はネイビーブルーに濡れ光り
全身に突出した禍々しい刃は稲妻に照らされ青いクリスタルの輝きを放つ
青い機龍の行く手を銀の機龍が塞ぐ
「ブルー・ヴォルケーノ捕捉」
「殲滅セヨ」
無機質な声が交わされ8機のメガラプトルが青いヴォルケーノに殺到する
「邪魔・・しないで・・・」
青いヴォルケーノの操縦槽で女が呟く
「私は帰るの・・・ゼルフトに・・リームのところに!!」
背中に並んだ放熱板状のクリスタルスパインを発光させブルー・ヴォルケーノの放った白熱光が8機のメガラプトルを一薙ぎで蒸発させた
>>554 ブレードさん達が華麗にスルーされててワラタ
567 :
462:2006/01/19(木) 00:48:08 ID:???
ついでにキャラのスペルを出してみる
蛇足かも知れんが
ネーゲル/フェン:Nagel Ashtoreth/Feng Shen-Zu
キース:Revkeese Assurum
アルヴィン:Arvine Farlend
フィアス:Fierce Lagoon
新しいキャラのスペルは登場次第出してみようかと考えてる
蛇足かも知れんが
しかし、暇だな俺
ストーリーまとめたメモ見返したらこれだけで一本アニメが作れそうに思えたorz
568 :
462:2006/01/19(木) 07:28:29 ID:???
「…?」
どこか、見覚えのある文字だった。
と言うか、何でこんな物が製本されて保存されているのか。
誰に、そんな事が出来る程の暇があったのだろうか。
「これ、軍の機密じゃないのか?」
戦争の記録や報告書など、普通なら軍の資料課に置いてあるはずの物がそこにはあった。
「……へえ」
今の時点で決定されている未来の事まで載っている。
となると。
「部屋の方はいかがですか?」
考え込んでいる所へ、民宿の主人が声をかけてきた。
「最近までまともな寝床が無かった身には、地獄に仏、砂漠にオアシスだね」
フェンはこう言う時、とても器用な事をする。
応答する際、それまでしていた事をピタリと全て一時中断する。そこまでは良いのだが、
顔以外は一切動きを見せない。例えば、何か書いている時に声をかけると、
どんな文字を書いている場合でもその時点で筆が止まり、そして右手はそこから一ミリたりとも動かない。
まるで映像の一時停止を見ているようだ。
「それはなによりです」
「ところで、ここに置いてある本って、誰が製本したものなんだ?」
主人は、そこでフェンが本を手にしている事に気付く。
そして、顔色が変わった。
569 :
462:2006/01/19(木) 08:00:46 ID:???
「それ…読めるのですか?」
「まあ、ね」
じゃあ、目の前の彼は、これを読めないのか?
怪訝に思って聞いてみると、こちらが聞いていない事まで答えてきた。
「先祖からの言い伝えに、戦いあるいは大いなる災いが出来した時にはここを開けよとあるんです。
だからそれに従って開けては見たんですが、いかんせん古代文字が混じってて内容が分からなくて困ってたんですよ」
「ふーん…」
古代文字と言う事は、やはりここは未来なのか。
「もしかして、読める人ってかなり珍しかったりする?」
「はっきり言って少ないですね。いない事はないでしょうけど」
「…そうか」
主人が部屋から出ていくのを見届けてから、資料に目を戻す。
次の項目は…
「ニカイドス島事件、か」
>>566 何かアニメキャラは外してあるって書いてあるぞー?
571 :
462:2006/01/19(木) 10:13:43 ID:???
デススティンガーの清掃と簡単な整備を終え、コーヒー片手にネーゲルとフィアスは話していた。
「へえ、バイオゾイドか」
「先鋒もしくはザコがラプター、中堅がメガラプトル、大将がティラノ。
…と言う感じらしい」
「さっきの奴らはどっちもメガラプトルだったけど、中堅って感じじゃなかったぞ」
バイオゾイドに関する詳しい情報がようやく分かり、
色々と抱えていた疑問が解決した。
バイオゾイドの装甲が、言うなれば「点を面に広げる」構造である事や、
その関係で火力が相対的に貧弱である事も初めて知った。
「それはパイロットが強い、って事でしょ」
「実際にやり合う前にお前に横槍入れられたわけだが」
「はは、悪い悪い」
「いいけど。…それにしても」
機体を解体して調整できるような施設や設備がないのは痛い。
再生力が異常に高いデススティンガーはともかく、
一般機では一度大破したらもう見殺し、と言う事にもなりかねない。
「下手を打つ事が許されないってのは苦しいな」
それは、ひいては元の世界に戻るためには誰も撃破されてはいけない、と言う事も意味していた。
タイム・パラドックスの問題など既に無視しているが、大きな歪みは生みたくない。
572 :
462:2006/01/19(木) 13:24:43 ID:???
頷いて、フィアスは話題を少し変えた。
「転送の原因だけど、何か考えついた?」
「それなんだけどさ。ニカイドス島って、知ってる?」
「トライアングルダラスの近くにあった島だっけ。ゼネバスが滅んだとか言う」
その位置の関係上、あまり実態が知られていないニカイドス島だが、
実はとんでもない事が起きていた。
「時空の歪み?」
「そ。しかも人為的に」
何者かの手によって、そこに特異点が出現した事があるのだ。
しかもその際、その時代の技術では考えられない性能を持った、
見た事もない姿のゾイドが観測されている。
「今と、状況が似ているわけか」
相槌を打ちながらフィアスは腕を組む。
「小さな島の中で完結した出来事でないことを除けば、ほとんど同じだよ」
ネーゲルは頷いた。
「ここが惑星Ziである事が確かなら、恐らくあの辺りに手掛かりがあると思う」
あわよくば、特異点がまだ残っているかも知れない。
「なるほどな…調査に行く価値はありそうだ、今度行ってみよう」
「位置分かるのか?」
「トライアングルダラスの位置は簡単に分かるから」
「迷子になっても知らんぞ」
573 :
462:2006/01/19(木) 18:16:43 ID:???
「行くとしたって近くまでだ。ダラスから見てどっちの方角なのかも分からないし」
「略すな」
「良いじゃないか、今は三角に近い形をしてないかも知れない」
ネーゲルはその言葉にはは、と笑ってから、
「何にせよ、地図は欲しいな。作戦会議の時見たのは局地的なものだったし」
そう言って、冷めかけたカップの中身を一気に飲み干した。
「今更だけど、その情報どこから仕入れたの?」
と、フィアス。口調がなぜか慌てた感じだ。
忘れないうちに聞いておきたい気持ちはわかるが、
お前の記憶は某数学の教授ほども保たんのか。彼だって80分は保つぞ。
と言いたい衝動を抑え、
「とある民宿で、昔話の本を見つけたんだ」
さらりと、そう答えた。
574 :
462:2006/01/19(木) 19:05:59 ID:???
「前から聞きたかったんですが」
「あん?」
「なんでディガって言わないんですか?」
「言いたくないから。そんでもって敬礼に惚れてるから」
「なるほど、コクピットで敬礼する際に肘を何度ぶつけても、
懲りずに陸軍式の敬礼をするのはそういう事ですか」
「学習能力がないとも言う」
「自分で言ってどうする」
いつもと変わらぬやりとりだが、
パイロットスーツ(二人とも自前のものである。間違っても土偶ではない)は着ていない。
ゾイドにも乗っていないがしかし、きちんと任務中である。
どうしたものか考えた揚句、パイロットに直接聞いてみる事にしたのだ。しかも、いつもの軍服姿で。
大胆不敵にも、いきなりストライクゾーンのど真ん中を狙った事になる。
キースの提案を聞いたアルヴィンは、呆れも怒りも通り越して、むしろ清々しささえ覚えた。
キースの魅力と形容しても、差し支えないのかも知れない。
「…で、逢えるんですか?彼女には」
「分かるわけねーだろ」
あっさりと言ってのけた。おいおい。
そうこうしながら、フェンことネーゲルがいる街のはずれに位置する小さな酒場に入った。
「酒飲みたいだけなんじゃないですか?」
「それもある。否定はしない」
575 :
462:2006/01/19(木) 19:46:29 ID:???
「何かきつめのものをもらえる?」
「僕もお願いします」
「まだ未成年だろお前」
「19も20もあんまり変わりませんって」
マスターは軍服姿の二人に怪訝な顔をしていたが、
悪意がないところをみるとカクテルを作り始めた。多分ギムレットあたりだろう。
「…来ますかね?」
酒を待ちながら、
背中に刺さる視線を受け流しながら、アルヴィンは少し心配そうに言った。
「それよりも俺は客がよってたかって放ってる帰れオーラが気になるな」
「そりゃあ腐ってもディガルドですし、反感買うのも当然でしょう」
「例えるなら蝿くらいだけど」
「おいおい」
そんな彼らに、
「ディガルドの方とは、また珍しいお客様がいらっしゃったものですね」
絹ずれのような声がかかった。振り向く二人。
「息もぴったり合って、まるで兄弟のようだし…
こんな素敵な人に最後に逢ったのはいつかしら。ホントに素敵…」
少女だった。少なくとも、外見は。
576 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/19(木) 20:03:11 ID:Cj8QuvSc
それは戦争からも見放されたさびれた町だった
町に一軒しかない民宿兼食堂の前に一人の女が立っている
美しい女だった
年齢はおそらく二十代後半、やつれた表情が陰のある色香を放っている
ボロボロのマントを羽織り素足で路上に立つ女はしばらく逡巡したあと食堂の前を立ち去ろうとする
「よう姉ちゃん、見かけねえ顔だな」
気が付くと三人の男に囲まれていた
女は無言で男達の間をすり抜ける
「つれないまねすんなよ」
肩を掴まれ引き戻されると女のマントがはだけ白い肌が露わになる
「おい、こいつ素っ裸だぜ!」
「追い剥ぎにでもあったのかい?」
「馬鹿、遊んで欲しいんだよ」
下卑た笑いを浮かべマントの下の柔肌をまさぐる男達
「いや!誰か・・・」
口を塞がれた女はあっという間に路地裏に引っ張り込まれてしまった
577 :
462:2006/01/19(木) 20:22:05 ID:???
服装はどこにでもあるそれだ。やや大きめの服をゆったりと纏っている。
背中まで伸びる豊かな銀色の髪は緩やかにウェーブしており、
透き通ったエメラルドの目とともにその肌の白さを際立たせていた。
「真っすぐで強くしなやかな方と、静かに、しかし強い炎を燃やし続ける方と…」
言いながら、キースとアルヴィンの前にトランプのカードを一枚ずつ伏せて出す。
二人は顔を見合わせると、同時にオープンする。
キースはクラブのエース。アルヴィンは、クラブのジャックだった。
「ブラックジャック、ですか」
アルヴィンはそう言って、少女を見た。
「まさにそれに相応しいと思いましてね」
上品な微笑とともに、そっと言う。
「…スペードじゃないんだ」
キースは、珍しく真顔だ。
「スペードに例えるには、お二方はあまりに優しいですから」
全てを悟ったように話しているが、不思議と説得力があった。
「人をお待ちのようですね」
「まあな。敵の大将と直談判しに来たんだ」
来るかどうかわかんねーけど、と肩をすくめるキース。
しかし少女はゆらりと首をふり、
「多分、もうすぐいらっしゃると思いますよ」
そう、言った。
578 :
462:2006/01/19(木) 20:59:56 ID:???
「…分かるのか?」
少女はキースの問いに答えぬまま、無造作にカードを一枚入口に向けて投げる。
誰かが、それをキャッチした。
「…ディガルドの奴がここに来ていると聞いて来てみたが…やはりお前さん達か」
聞き覚えのある声。
「…ホントに来たよ…」
フェンとフィアスが、そこにいた。
「初めまして。見事なカード捌きだな」
カードを少女に返しながら挨拶するフェン。
カードは、ジョーカーだった。
「こちらこそ、お初にお目にかかります」
優雅に挨拶を返すと、受け取ったカードを混ぜ、
そのまま流れるような所作でカードをシャッフルし、ケースにしまう。
「それはそうと…私に何を聞きに来たんだ?」
キースの隣に座りながら、フェンは聞いた。
「分かってるなら話が早い。あの蠍の事、俺に教えちゃくれないだろうか」
キースは、ストレートに用件を伝えた。
579 :
462:2006/01/20(金) 00:34:30 ID:???
「分かりやすくて助かるが、何も知らない相手の頼みをはいそうですかと素直には聞き入れられないな」
意地悪そうな笑顔でフェンは言った。
「一晩語り明かすのも良いが、生憎私達には時間がないのでそれは無理だし」
「じゃあ、どうするんだよ」
口をとがらせるキースに、
「うってつけのモノを、彼女が持っているじゃないか」
フェンは少女を親指で示した。
「大丈夫だよな?」
「そう来ると思っていました」
少女はトランプを今一度取り出し、ジョーカーを抜いてシャッフルしていた。
音がかなり小さかったため、キース達は気付いていなかった。
「ゲームは何にします?」
「無難にポーカーで」
「承知しました。ついでに自己紹介をしておきましょう。
わたしの名前はシエラ。趣味は見ての通りです。以後お見知りおきを」
「レブキース・アシュラム。賭け事なら何でも来いだ」
「フェン・シェンズ。恥ずかしながら、趣味は人を欺くこと」
「ジャックモアベターなど複雑なルールは一切なし。ファンブルはその場で負け。後は一般ルールに沿って、と言う事で」
「了解」
「承知」
整然と、カードが五枚配られる。
「よろしいですね?それでは、オープン・ザ・ゲーム」
580 :
462:2006/01/20(金) 00:49:43 ID:???
そして蛇足
新キャラのスペル
シエラ:Ciela
ところで職人さん達は名前どう決めてる?
俺は劇中での役割を連想させる言葉を用いる場合と
辞書と格闘しながら語感と掛け合わせてつける場合があるんだが
462の段々話の展開がよく分からんようになってきた、つうか蛇足過ぎ
>>581 同意、ちょっとシエラの登場が(サイレントナイト翔のヒロイン並みに、たとえがわからない人はスルーして)唐突かな。
583 :
462:2006/01/20(金) 06:25:31 ID:???
「……と言うわけで情報を入手する事は出来たんですけど」
ディガルド、司令部。
キース達はあの後フェンから蠍型ゾイドの情報を入手する事ができた。
しかし、オーガノイドだの荷電粒子砲だの何だの謎の単語だらけで詳しい事は何一つ分からないし、
唯一分かった「人工的に生み出されたゾイドである」と言う事も納得が出来なかった。
「…あれは危険過ぎます。少なくとも、あれに使われてる技術の再現は不可能ですし」
何でそんな技術を持っているのかと言う点に恐怖したのもある。
しかし、何よりもキースをして「無理だ」と思わせたのは、倒す相手を知りすぎたと言う事実だった。
(スペードにしては優し過ぎる……か)
ここまではいい。だがこの任務は、撃破を前提としているもの。
もう、これ以上は踏み込む気になれなかった。
いくら敵だからと言って、わけも分からぬままこの世界へ迷い込み、
帰るあてもない過酷な状況に陥っている者に引き金は引けない。
「ご苦労だった。以後は目標の撃退、あわよくば撃破に専念してくれ」
予想通りの指令。それにしても、現実とは残酷なものだ。
「…了解」
司令部を後にするキースの顔は、笑っていなかった。
584 :
462:2006/01/20(金) 07:05:29 ID:???
「地図は入手出来たけど…大丈夫なの?」
フィアスは少し心配そうだ。
「何が?」
「結構突っ込んだところまで話してたからさ、あんなに打ち解けちゃっていいのかなと」
「軍人だからな」
フェンは一言だけ答える。フィアスにはそれで理解出来たようで、
「切り替えの速い奴だな君は」
と肩をすくめていた。
「それにしても、彼女は何者なんだ?全て理解したかのように話してみたり、カードの扱いが上手かったり…」
「答えてやってもいいんだが…ま、もう少し待て」
「……?」
気がつくと、フェンは街の外へと歩みを進めていた。
「何かが上手くなると言う変化には、二つ場合があるって知ってるか?」
「は?」
「それがたまらなく好きな場合と―それしかする事がない場合だ」
「まあ、その通りだね」
「そして、アレの場合は後者だ」
探偵が謎解きをするような口調で言う。かなり板についていた。
「なんで分かるんだ?」
「理由は単純、そうだと知ってるからさ」
585 :
462:2006/01/20(金) 07:20:55 ID:???
「…さっきはじめましてって言ってなかった?」
「会うのは初めてさ。ただ、外見の特徴その他に関しては聞き及んでいる」
「…叙述トリックとは手が込んでるな」
「まさかこんな時代まで生きてるとは、予想していなかったがね」
立ち止まり、顔だけ後ろに向ける。
「デススティンガーがらみの奴は、化け物ぞろいだな。なあシエラ」
つられて後ろを見るフィアス。
「"風"とは…いい名前を考えつきましたねフェンさん」
さっきの少女―シエラがそこにいた。
「それとも―イシュタ・テロンと呼んだ方がいいかしら?」
「今はフェンでいいよ」
そう、と夜空を見上げるシエラ。月は、一つしかない。
「イシュタ?」
「私の本名だ。確かフィアスには話した事があったと記憶しているけど」
「…ああ」
頷くフィアス。すぐに思い出した。
「で、あれは何なんだ?」
「結論から言うと、ゼネバスの人工生命体だよ」
586 :
462:2006/01/20(金) 07:44:40 ID:???
「…人工?」
「有名なところではユーノ・エラがいたかな。聞いた事ない?」
「聞いた事だけなら」
デススティンガーやデスザウラーを操るために、
その細胞を埋め込まれた生命体。確か、そんな事を聞いた。
「もとは真オーガノイドを制御するために作られたが、肝心の真オーガノイドが予定より早く実戦に投入され、
結果暴走、ロストしたために不要になってしまった。
確か軍の資料では"廃棄処分"となっていたか」
「よくご存知ですね」
まあね、と答えるフェン。
フィアスは、話を理解しようと頭をフル回転させていた。
要は…その、なんだ。
「ずっと生きてたのか?今日の今まで」
「そうですよ」
街に戻り、民宿はフェンの部屋。
テーブルの上にはキースからもらった地図と、"昔話の本"。
「とりあえず、手掛かりは得られたね」
「後は、これをどう生かすかだな」
フェンは、地図を広げた。
587 :
462:2006/01/20(金) 08:58:50 ID:???
「どこが中央大陸かは分からないけど、もしこれが同じ位置関係で書かれているなら、ダラスはこの辺りか」
「だから略すな」
端末の地図と照らし合わせて、大体の位置を仮定する。
「となると、ニカイドス島―便宜上の呼称だが―はここと仮定できる」
フェンが示した辺りは、ディガルドの勢力圏内のど真ん中だった。
「地殻変動による重力変調を考慮すると、キロ単位でずれるから…」
ペンで自分が示した所を中心に綺麗な円を描く。
「もしあるとするなら、特異点はこの円の中に出来するわけだ」
「…ここまで突破しなきゃならんわけか。大変そうだね」
「しかもこれは推論でしかないと言うおまけ付きだ」
もしそこになかったら、またふりだしに戻る。それだけではなく、下手をすれば袋のネズミだ。
可能性の低い、辛い賭けでもあった。そう考えると、とても怖かった。
「…なあ」
耐えられなくなったフィアスは、心細げに心情を吐露し始めた。
「ん?」
「オレ達、本当に戻れるのかな…」
「……」
「戻れないとは思っちゃいない。けどオレ、正直怖いんだ。
戻れたとしても元の時代かどうかなんて分からないし、
オレたちがいない間に皆死んでしまったかも知れない。そう考えると、ぞっとするんだ」
588 :
462:2006/01/20(金) 09:19:10 ID:???
「……安心しろ、私も怖い」
フィアスの言う事はもっともだった。フェンも、何度も考えた事だ。
「だけど、世界ってのはそうそう危惧してる方向には動かないもんさ」
「なんでそんな自信たっぷりに言うんだよ」
「世界がそういう駆動方式だからだよ。大抵は受動だ。この世界で能動に因るものなんて、
"選択"とか"決定"くらいしか思いつかないな。
だから、私達が考えればいいのは"選択"とか"決定"だけだ。それさえ出来れば、
後はある程度こっちに都合のいいようにまわってくれる」
「ある程度までって、それで動くわけ?」
「残りは私達の力でなんすればいい。そこからは実力勝負だ、確率なんて関係ない」
賭ける事を選び、決めた。後は実力でなんとかする。
今日のポーカーで、ストレートを捨てフルハウスを引いた時の事が思い出された。
ああ、納得。
「…なるほどね。参謀が聞いてあきれるよ」
「褒め言葉として受け取っておく。さて…」
言いたい事を言い切ると、ベッドにもぐるフェン。
「どうしたの?」
「寝る」
それは見れば分かる。
「明日から行動に移すわけじゃないし、細かいツメはまた日を改めてやろう」
「…そうするか」
フィアスは、フェンの隣にもぐりこんだ。
589 :
462:2006/01/20(金) 17:43:50 ID:???
フィアスが目覚めた時には、先に起床したらしく既に隣にフェンはいなかった。
のそのそと起きて顔を洗い、昨日の記憶を一つ一つ読み込んでいく。
再認識もきっちりできた。今日は調子がいいらしい。
とは言ってもこれは感覚の問題で、
別に記憶障害があるとか、自分が機械駆動だとか、そういうわけではない。
「……」
さっきまで寝ていた部屋のテーブルの上は、昨夜のままだ。
ふと、フェン―ネーゲル、あるいはイシュタ―の言葉を思い出した。
「世界は受動で動く…か」
だから、動けば変わる。
[…あたしです。とりあえず言いたいのはあたしのパンツァーでどこをほっつき歩いているのかと言う事で
要するにネーゲルさんが見つかったならちゃんと連れて帰って来てまだだめならその旨を伝えて
あーもー長いからもっと要約して要はネーゲルさんとかあたしの愛機とか状況確認とか連絡とか]
…相変わらず饒舌なヤツだ。
端末に残されていたメッセージを聞きながら、フィアスは苦笑していた。
「ホントにもーあんたって人は他人のゾイドを何だと思ってるんですか」
「お前のゾイドでしょ?」
第一声がこんな姦し娘(いやらしく見えないでもない)なフィアスの部下は、一人しかいない。
590 :
462:2006/01/20(金) 18:21:48 ID:???
エレノワール・クレセント。ニックネームはエレナ。
フィアスの小隊きっての特攻娘兼ポイントゲッターである。ちなみに階級は曹長。
「で、見つかったんですか?」
かなりご立腹らしい。随分とそっけなかった。
まあ、こういうのも悪くない。
「ああ。さっきまで添い寝してた」
「な!?」
「ちなみに手は出してないから」
「なんで聞いてない事まで言ってくれやがるんですか!」
「いや、面白いし」
あはは、と笑う。エレナは、むっと黙り込んでしまった。
「まあ惚気はさておき。
元の世界に戻るあてが、見つかったよ」
「…わ。冗談うまいな。ホントにそうみたいに思えるよ……オホン。、っ、マ、ジですか?」
「生憎尻は健全だし、今のところそんな趣味はないが…大マジだ」
「うわー…いい仕事するなぁ。世が世なら人間国宝だ」
「おだてには乗らないよ。とりあえず詳細を説明するから、メモでもしておいて。まず…」
「Ф(.. )」
(この話では、大型:ゴジュラスクラス、中型:ライガークラス、小型:コマンドクラスという区分を用いています。
ご了承下さい)
「優柔不断だからこんなことになるんだ畜生!」
俺は怒りを吐き出した。
なんてこった
>>554のリストが見れねえ… いろいろ試しても「ページが表示できません」って画面になる…
>>580 FB読むと、どーも共和国系は英語系の名前で、帝国側は独語系の名前って傾向があるみたいだから
それ意識して決めてる。まあ、バリゲーターで軍を抜けた彼は英語系の名前じゃないんですが(裏設定の関係で)。
でも、なんでZi人が地球の言語みたいな名前なのかなあ。言語体系違うのが当然だよねむしろ。
「ヘリック」「ゼネバス」「ガイロス」「ムーロア」と、聞いたことが無いような名前だったのが、次世代だと
「ルイーズ」「ギュンター」「ヴォルフ」「ルドルフ」あるよね、これ。でも、旧バトストでも
「ダンカン」「エリクソン」「ホバート」「チェスター」…
まあ地球系なのかもしれないけど(特に後の二人は技術系だし)。ネーミングについても地球化が進んでるのかな?
だとしたら「地球系の名」+「聞いたこと無い(Zi固有の言語)姓」ってヤツがいるかもしれない。
バイオゾイドの装甲を打ち破る方法は三つある。一つは大エネルギーで押し潰す事。これは大型ゾイドでないと不可能だ。
中・小型ゾイドで可能なのは残りの二つ、レーザーブレードを使うか、リーオ製の武器を使うかだ。
レーザーブレードは生産をコントロールしやすいが武装そのものに出力が要る。
リーオは希少なため材料の供給に問題があるが武装そのものには出力が要らない。
このどちらかを選ぶべきかは重要な問題で、特に大・中型ゾイドに比べて出力の小さい小型ゾイドについては難問だ。
この問題に答えるための情報集めの一環として、俺等に改造ベアファイターを使った試験が命じられた。
テストベッドにベアファイターが選ばれたのは、小型ゾイドであること、格闘戦向きの機体であること、
小型ゾイドの中では防御力が高いこと(つまり、試験中になんかあったら攻撃に耐えて逃げ帰って来いってこった)
なんかが理由だ。
リーオ製のクローと、爪の一本一本がレーザーブレードになってるクローの二種類が試作され、比較試験されることになった。
「なんでほうをとっちまうんだなにかんがえてんだかくとうしかあたまにないひとつおぼえのばかかd
ベアファイターに乗ったときからマイクの呪文が続いている。
レーザーブレードの出力を確保するために、ベアファイターの背中の砲を外して増槽を付けたからだ。
もっとも、今回レーザーブレードがついているのはキースの機体だけで、
俺とマイクの機体にはリーオ製のクローが付いてる。
機体ごとに取り替えてテストするためと、
ゾイドとパイロットの“利き手”に合わせてクローの左右を入れ替える
(リーオは希少だしレーザーブレードは出力喰うから左右のどちらか一方だけなのだ)ため、
クローは取り外しと付け替えができるようになっている。
マイクとの回線切っちまおうか…と真剣に考え出したとき。
「いたぞ」
キースからの通信。バイオラプターが四体歩いていた。
バイオラプター達が火球を放つ。俺達は散開し、火球をかわしながらそれぞれ狙った相手へと間合いを詰めていく。
バイオラプターはちょっと面食らったように見えた。ベアファイターが走っているところなんか見るのは初めてだろうから
無理も無いかもしれない。コイツは一見鈍足そうだが、その実案外機敏に動くし短距離なら走るのも速いのだ。
バイオラプターはさっきよりもっと面食らったように見えた。そりゃそうだろう、
それまで四足で走っていたゾイドがいきなり後脚で立ち上がったんだから。
「隙だらけだッ」
こちらと正対しようとしたバイオラプターの首にリーオのクローを叩き込む。
小型機のせいか今ひとつ傷が浅く、もう一撃叩き込んで止めを刺す。しかしどうも妙な感じだった。変な音もしたような…?
「うげぇっ!」
マイクが変な声を上げた。反射的にそっちに目をやる。声の感じからするに、やられたのではなさそうだが?
マイクの機体が目に入ったとたん、俺はすべてを理解した。
クローが?げている。腕との接合部の辺りから。慌てて俺の機体のクローを確認する。
付いてはいる。だが、しっかりとではない。
これでは次に打撃しても、クローが接合部からはじけ飛ぶだけで、相手には殆どダメージを与えられないだろう。
バイオラプターはキースの狙った相手の他にもう一体いる。こうなったらキースが頼りだ。
相手を叩き切るリーオのクローより、レーザーブレードのほうが受ける衝撃は少ないだろう。
なんかもうすがるような気持ちでキースのほうを見る。だが…
「こンのド畜生!」
キースの罵りの理由は一目で理解できた。クローは輝きを失っている。クローへの出力供給機構に破損が生じたんだ。
さあこれでプラプラしたクローしかないベアファイターとクローの?げちまったベアファイターと
使えないレーザーブレードをぶら下げたベアファイターとバイオラプターが揃ったわけだ。全く持ってありがたい状況だ。
「優柔不断だからこんなことになるんだ畜生!」
罵れども罵れどもわが状況楽にならざりぢっと手を見る… いかん怒りのあまり思考が変な方向行ってる。
バイオラプターが火球を撃ってくる。かわし続ける。どうする?
さっきベアファイターは案外速いといったがそれはあくまで短距離の話。バイオラプターから逃げ切るのは無理な注文である。
畜生、クローがこんな外れかけじゃなけりゃ戦えたのに。クローが外れかけ?クローが外れかけ…
「一か八かだ!」
俺はヤツ目掛けて突っ込んだ。
頭の無いバイオラプターが倒れている。
あのとき、俺はバイオラプターのすぐ横を駆け抜けながらラリアットの要領でヤツの口の中にクローを叩き込んだ。
思った通りクローは俺の機体から?げてヤツの口の中に残り、
ヤツの吐こうとしていた火球は口の中でリーオの蓋にぶち当たり、火球はヤツの頭を吹っ飛ばした。
「無茶するよなあ…」
キースが呆れてるのか感心してるのかわからない口調で言う。
「無茶したんじゃない。無茶させられたんだ。」
あまり意味の無い訂正をする。
「ところでどうする?アレ回収するか?」
マイクの言うアレとは俺の機体に付いていたリーオ製のクローのことである。
「ほっぽっと…いやまて」
一旦はあてつけに回収しないで帰ろうと思ったが
「やっぱり回収してこう」
コイツはなんとしても持ち帰らなければならない。貴重な証拠だ。
リーオが悪かったんじゃなくて我等が偉大なる技術者様達が悪かったんだという。
うげっ 今書き込んだヤツ見返したら変な表記になってる!
「?げて」ってのは「もげて」ってのを漢字で入れたトコです。これ表記されないんだ…
どうも済みません。
598 :
462:2006/01/20(金) 21:46:46 ID:???
その?に入る漢字を考えろとか言ってくると本気で考えた俺勘繰りすぎ
599 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/20(金) 21:46:46 ID:3ckhfJj0
「バイオヴォルケーノ・ブルーバージョン、ですか」
「現場ではBV(ブルー・ヴォルケーノ)って呼んでるらしいけどね」
ここはディガルド第8方面軍アラヨット山分遣隊基地
ポルポトの病院に殴りこみをかけて以来平穏な日々が続いていたアタシの人生は
基地指令ヒップ中佐に呼び出されまたしてもキナ臭くなってきた
「そのBVがね、運用試験中に脱走しちゃったんだな」
ヒップ中佐は普段はそれこそ空気並みに存在感が無いが中央に独自の人脈があり
機密のはずの情報もいつの間にか入手している
ここに左遷される前は首都防衛隊の要職にいたという話もデマではないかもしれない
「で、ソイツがここを通ると?」
「通るかもしれないし通らないかもしれない」
「じゃ何でアタシを呼んだんです?全部うたってくれないと暴れますよ」
中佐は真っ直ぐアタシを見ると平坦な、しかし僅かに憤りを感じさせる声で言った
「BVのパイロットは『徴発組』だ、ゼルフトに娘がいる」
>>598 ぁああしまったあ!そうすりゃよかったあ!!
こうして俺はまた一つネタを書く機会を自ら潰してしまったのであった。
>>599 アズサ少尉の新しい話が読めるィヤッホーイ!!楽しみにしてますぜ!
そして俺は次の話ではアレを出す。アレを出してしまうのだよ、ふはははは…
ヨロヨロ
>>554氏
乙
そしてなかなかこのスレに戻ってこれずスマソ>>ALL
頃合をみはからって、前に投下したのの続きを修正して…
キャラまとめが出来たけど、
これ利用して作者間のクロスオーバー(キャラだけとかパワーバランス考慮しつつ)
とか出来ないかな、とトリップテストがてら言ってみる
あんまりクロスオーバーとかに気を取られすぎると失敗する経験談アリ。
この手のスレでは作者は我が道をゆくのが一番。
まえのエルザとアズサは偶然に話が一致したんだよな。
クロスオーバーは、時間軸の縛りが全体に及んでしまい、相手の時間の進展に
束縛され、怠慢なヤツが混じってると、お見合いで全体が進まなくなっちゃう欠点
があるのだよな。
発行ペースがキッチリしている、公的出版物ならいいけど、好きなペースで進行
している、マイ・ストーリーだと、まず上手く行かないから、それぞれ独自に進行
するのがイイよ。
まあクロスオーバーっていうか、
このスレで確認のカキコした上での設定なり登場人物なりのインスパイアはよいのではないかと思う。
あとは、もう自由に使ってくれってキャラを流すかか
610 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/21(土) 07:13:29 ID:vUif/d4d
いや、エルザ・フリューゲルとアズサ少尉はどちらもワタクシのキャラです
エルザさんは/0のナオミのご先祖
アズサさんは4人姉妹の次女で実家は温泉旅館という設定
そのころ。
「特訓と言ったって、してやれることが思い付かないぞ?」
「なんでもいいんです。
…強くなれるなら、まともに戦えるようになるなら」
フェンは、少年と会話をしていた。
必要以上に(フェンの基準で)強さを求める彼は、フェンの事を聞いて会いに来たのだという。
と言うか、いつの間にそんな噂が広がっていたのか。
「もう、足手まといにはなりたくないんです」
しかも困ったことに、彼の求める強さは単純な力ではない、
言ってみれば大人が求めてやまない「強さ」なのだ。
子供は守られて当然だと言うスタンスを持つフェンは、
その年でそんなものを求める少年の行動の意味を理解しかねた。
その事について問うてみたら、こんな答が帰って来た。
「ルージとか、レ・ミィとか、ぼくとほぼ同い年の人が日夜頑張ってるのに、
ぼくは守られてばかり…それが嫌なんです。ぼくも、人の役に立ちたい」
殊勝な心掛けである事は認めたい。しかし、この場合異常なのはルージやレ・ミィの方であって、
むしろ当面目標を明確に持った少年の姿は子供の手本かも知れない。
芯も相当強い。大人になったら、頼れる男になりそうだ。
「……一つ事前に聞いとかなきゃならない事がある」
「何ですか?」
「お前、今この場で死ねるか?」
少年は固まってしまった。
「そ…それ…は」
「まあこれは極論だけど、戦争ってのはそういうモノだ。
次の朝日を拝めるかどうか分からないのが普通、人が死ぬのが普通。
その対象がお前になった時の覚悟はできてるか?」
「……」
すぐには二の句が継げない少年。まあ予想通りではあったが。
「……そんなこと」
やっと出た声も、絞り出すようなそれだった。
「そんなこと、できるわけないです」
その言葉を聞いて、フェンの顔がほころぶ。
…決まりだ。
「少年、名は何と言うんだ?」
「レオン、です」
「ではレオンくん。…本当に、私で良いんだな?」
もしこの問いに「ある」と答えたら、断るつもりだった。
どんなに頑張っても、思い残しというものはなくならない。
百八煩悩とは言うが、きっと、あるいはそれよりはるかに多いはずだ。
そしてそうだから、生き残っていける。
戦争の間にかいた生き恥なんて軽い。生きてさえいれば、そんな汚名は簡単に返上できる。
逆説、人間らしさを失わないのが戦争で生き延びる秘訣なのだろうと、フェンは考えていた。
「え…?」
言葉の意味が分からないのか、それとも分かるが信じられないのか。
レオンは、聞き返した。
「それは、どういう…」
「要はそういう事だ。二度は言わないぞ」
ついてこい、と言わんばかりに背を向けて歩きだす。
「……はい!」
「確かに返したからね、パンツァー」
一方フィアス。
エレナにパンツァーを返し、すぐさま愛機(ブレードライガーAB)に乗り換える。
フェンのもとに戻るためだ。
「ゆっくりして行かないんですか?」
「まだやらなきゃいけない事があるから」
614 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/21(土) 18:00:44 ID:SIsknVPL
女が荒野を歩いている
マントの下にはパンと干し肉、そして新品とはいえないシャツとズボン
男達に捕まった女は町外れの納屋に連れ込まれそこで男達に(以下検閲により削除)
満足した男達は気を利かせたつもりかぐったりと横たわる女の裸の胸に幾らかの硬貨を落としていった
女がたどり着いたのは先史文明の廃墟だった
かつては野球やサッカーが行われていたドーム型競技場の中で青いバイオゾイドが女を迎える
女は突然幻聴に襲われた
(勘違いするな、支配しているのはお前ではなく俺だ。お前に従う振りをしているのはそれがお前の苦しみと絶望を長引かせるからだ)
女はヴォルケーノの脚に殴りかかる
鞣革のような感触の流体金属装甲を
殴った、殴った、殴った、殴った、殴った、殴った、殴った、殴った、殴った
また殴った
指の皮が剥け血が滴り落ちると女はようやく殴るのを止めた
買ったばかりのシャツを裂いて包帯にすると手を止血し何日かぶりの食事をとった
クロスオーバーってのも面白そうだけど、
>>607の言った問題点とか、それぞれの職人さんの都合とかあるだろうから、
>>608,
>>609の提案したやり方が妥当なんだろうな。
アズサ少尉の新しい話が思ったより早く読めるようになって良かったなあ。
俺、ソウタがどうなるかはっきりするまで読めないかと思ってたよ。
>554氏のまとめってどうやれば読めるの?
ダウンロードするボタンが見当たらないですが。
少し文字が小さいから分かりにくいかもしれんが、
ちゃんとダウンロードの文字はあるぞ
618 :
>616:2006/01/21(土) 23:39:27 ID:???
462 ◆ZRfufNuqlYさん、ありがとうございます。
ところで、俺は>345なわけですが、レイノス乗りの第3中隊長をラストで第2中隊長と書き間違えていたことに
気がついたorz。違う人になっちまっただよ。
それはそれとして、クルーガーはR=Sでロイ・ジーなので直していただけると幸いです。>554氏
閃光師団は完全にラ・カン隊と同行なのか。動かしやすくなったな。次はバックスと姉ちゃんにでも出演願おうかな。
619 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/22(日) 09:32:37 ID:NM6G11GW
「どうしろってんだよ・・・」
ヒップ中佐から渡された資料を見てアタシは頭を抱えた
「上が気にしてるのは新型が敵の手に渡ることだからね、残骸と一緒に死亡報告送っとけばうるさいことは言わないでしょ」
つまりパイロットは見逃すがBVは破壊しなきゃいかんというわけか
簡単に言ってくれるが中佐が入手した断片的な性能諸見を見るだけでもアタシのクロべえじゃ荷が重い
ファッティーでストライクドッグ、いやラビドリードッグに挑むようなものだ
だが今回ばかりはアタシの辞書に諦めるという文字はない
「徴発組」それは色々とクソッタレな事の多いこの戦争の中でも悪質さでは1,2を争う
関係者の誰もが汚物袋に突っ込んで見て見ぬ振りをする最上級の糞の山だ
「助けてやるさ絶対に・・・」
いかな一騎当千の閃光師団と言えど、
一個小隊でバイオゾイド級の防御力を持つものを40も50も相手にはできない。
「ついでに、皆にも機体スタンバっとくように言っといて。詳細は追って連絡する」
「了解」
「なんでお前はいつまでたってもAB仕様のままなんだ?」
「何が?」
「ミラージュタイプに改修したって差し支えないだろう、どうせABは装備しっぱなしなんだから」
「性能はこれで充分だし、何より色がオレの好みじゃなくてね」
「だからと言ってダークブルーベースにブラックとパープルってカラーリングもどうかと思うぞ」
「いいじゃないかカッコいいんだし」
「私にはアンチヒーローカラーに見えてしかたがない。…あ」
そこまで言ったところで、フェンは自分がシールドライガーを乗り捨てて来ていた事を思い出した。
「そういえばさ。レッゲルって、ゾイドが自力で取り込んだりする事ってあるのかな?」
「レッゲルって、シエラが教えてくれたゾイドのエネルギーになる物質だっけ。ない事はないんじゃないか?」
野生化したやつとかさ、と付け加える。
「……」
盗品ではあるが、あのシールドライガーはOS性能評価仕様だから、ロストするといろいろまずい。
アーサー・ボーグマンが飛ばされた設定で単発の短編よろしいでしょうか…
乗り捨てた時は、確か虫の息ではあったが死んではいなかったはずだ。
「どうしたの?」
「いやさ、シールドライガー今頃どうしてるかなと」
「どこに乗り捨てたの?」
「デススティンガー見つけた地点の近く」
「ちゃんと折りを見て回収に行っとかないとな。帰ってから地獄を見る」
「言われなくてもするよ。ところで、さっきまで何してた?」
今日は半日別行動だったので、互いが何をしていたかを話す事にした。
「ちょっと例の作戦に関する下準備を色々とね。そっちは?何か汗かいてるけど」
「弟子入り志願者と特訓」
「その様子だと、ゾイド使ってないな?」
「使ったら間違いなく相手が死ぬよ。それに相手は新人だぞ、しかも子供の」
実弾を使用した特訓はまだまだ先だし、それ以前に
それが出来るようになるまでこの世界にいられるかどうか。
「じゃあ、何したのさ」
「至近距離のゴム弾を避けさせたよ」
フィアスはずっこけた。
いきなりキツい特訓メニューだなオイ。
「鬼教官かお前は」
「あんなのと一緒にするな」
>>621 自由にやればいい
やっても問題ないでしょ
こーゆーのは内容次第になるのかな?
624 :
621:2006/01/22(日) 14:53:39 ID:???
了解です。一応ジェネ世界の時系列はディガルドのトラフ奪還戦前か後ぐらいで。
625 :
無題:2006/01/22(日) 14:57:47 ID:???
アーサー・ボーグマンはゆっくりと目を開けた。
もうあちこち欠けていたはずのモニターは完全に復旧し、閃光のシャワーに撃たれたはずの
自分は生きている。
徐々に記憶を辿ってみる。自分は、ジェノブレイカーと戦い、デススティンガーと戦い、
そして……? その先の記憶には白い影が覆い被さっている。
――まあ、いい。
とりあえずは生き延びたらしい。それで充分だ。
「しかし……あの砂漠にこんな所があったかな」
周囲に広がるのは荒廃した遺跡でも砂漠でもなく、豊かな森と白い山脈の織り成す
美しい景色。無造作にシャッターを切り、映像記録としてブラックボックスに残しておく。
その夢のような風景の中、闖入者が二人。
「ありゃあ……見たことのないゾイド、だな」
ブレードライガーが警戒している。まるで、存在してはならない幽霊でも見るように。
距離を詰めてくるゾイドは二体、いずれも恐竜型でサイズが違う。銀色の風変わりな装甲は
戦場で目立つのではないか――などと観察に耽っていたアーサーは、
<ソコノゾイド、ウゴクナ。ワレワレハディガルドグンデアル>
唐突に警告を受けた。
ディガルド。聞いた事の無い名前だが、西方大陸には小国が混在している。その内の一つかもしれない。
「あー、悪いんだが、迷っちまってね。この辺りの地図のデータ、送ってくれないか」
作戦開始に当たってインストールされた西方大陸の地図が、どういうわけか役に立たない。
データの破損を考えたアーサーは、相手に呼びかけたのだが――
<……モクテキフメイ。ゾイド、シキベツデータナシ……レンコウスル>
敏捷に小さい方のゾイドが動いた。鋭い爪でブレードライガーを掴むと、細身からは
想像もできないパワーで機体を引きずっていこうとする。
「おいおい、いまは作戦中なんだ!」
共和国の命運、ひいては惑星Ziの命運が掛かった戦いをしていたのだ。ジェノブレイカーも
デススティンガーも行方が知れない以上、ここで拘束されているわけにはいかない。
一閃。滑らかにレーザーブレードが光の弧を描き、銀色の機体の頭部を叩き落す。
<――テキタイシタナ。セントウモードイコウ、ハカイスル>
626 :
無題:2006/01/22(日) 14:59:45 ID:???
大型の機体が動く。脚部の付け根に配置されたブースターを吹かし、思いのほか
強力な加速性でブレードに迫る。冷静に高密度ビームを撃ち込んだアーサーは、
ジェノブレイカーの盾ですら防ぎきれなかったビームが容易く跳ね返されたのを見て驚愕した。
――小国の技術にしちゃあおかしい。こいつら、何者なんだ。
今度は爪を振り上げ、飛び掛ってくる。しかしその慣性落下軌道はアーサーにとって
これ以上ないほど予測の容易い動き。すれ違いざまにレーザーブレードで腕を斬りとばす。
「? どういうこと……だ?」
先程の、ハイデンシティビームキャノンに対する防御力から見れば、こいつは
デススティンガークラスの装甲を持っていることになる。しかし、レーザーブレードで容易に切断できる。
相手の特性は戦いの中で掴むしかない。とりあえずアーサーは、現時点で敵の装甲を
以下のような性質を持つと判断する。
一:射撃攻撃に対してはかなりの防御力を発揮する
二:しかし衝撃が一点に集中し、かつ圧力が一定時間持続する格闘攻撃に対しては通常以下である
厄介だが、もともと格闘戦を得手とするレオマスターの彼だ。これしきのハンデで敗れはしない。
敵が口腔内から、射程の長い火炎を放ってくる。それを横へ飛んでかわし、ショックカノンを撃ちつつ
一気に間合いを詰める。
ショックカノンを顔面に受け、仰け反った敵機が無防備な胴体をさらす。コックピットと思しき
球体がむき出しだ――悪いが、斬らせてもらう。
ブースターを開き、一気に加速してレーザーブレードを叩きつける。少しばかりの抵抗と共に、
未知の大型ゾイドは横一文字に両断されていた。
「……国境付近で哨戒部隊がロスト? ゲリラだってそんなところには現れまいよ。
戦略的にも戦術的にも、まったく価値のない場所だ」
この時点では中将に昇進していない、ディガルド随一のエース、ザイリン少将。
部下からの報告があった場所は、たしかにディガルド首都ディグから近い位置ではあるものの
拠点を築くには立地条件が悪し。彼の言葉どおり特に価値もない場所――。
627 :
無題:2006/01/22(日) 15:02:17 ID:???
「まあいい、ヴォルケーノの調整もかねて私が行ってみることにしよう」
「え、いや、少将殿がわざわざ出向かれるまでもないかと!」
あたふたする部下を尻目に、ザイリンは格納庫へ向かう。
――彼がそこへ向かったのは、本当に気まぐれから来る偶然だった。
「本部、ウルトラザウルス、誰でもいいから、答えてくれ」
共和国共通の通信コードを使って広範囲に呼びかけを続けるが、返ってくるのは砂嵐ばかり。
位置も方位も解らない以上、迂闊に動けない自分がもどかしい。デススティンガーを倒さねば
ならない。そして、あのジェノブレイカーともう一度……。
その時、視界の端に赤い機影。
「! ――ジェノブレイカーかッ!?」
いや、違う。木々を掻き分けて現れたゾイドは、先程交戦した銀色のゾイドに良く似ている。
しかしその全身を染める鎧は深紅。身体中から突き出した半透明の刃が、禍々しさを引き立てる。
ブレードライガーが異常なまでに昂っているのを感じる。間違いない、この感じは
あの時と同じ――ブレードが、恐怖を隠している。
そのゾイドはブレードから距離を置き、通信を送ってきた。
<こちら、ディガルド武国第一師団―いまは独立混成団だが―ザイリン少将だ>
やっとまともな会話が可能な奴が来たか。ホッとしたのも束の間、彼は単刀直入に聞いてくる。
<そこのバイオラプターと、メガラプトルをやったのは貴様か?>
バイオラプター、メガラプトル。それがさっきの連中の名前か。――すぐそこに白骨死体が転がってるのに
誤魔化せるはずもなかろう。嘘はつけない。
「そうだ。勝手に他人様を連行しようとしやがったんでね。……あんたの部下かい?」
相手は答えず、注意深くこちらを観察している。その姿は臨戦態勢に入っていないにもかかわらず、
僅かの隙もない。熟練のゾイド乗りだ。
「本当にただ迷っただけなんだ、ここらの地図をくれりゃあすぐに立ち去る」
沈黙が返ってくる。様子を見るしか無いアーサーは、不意に背筋が冷えるのを感じた。
<……残念だが、我が軍の機体を破壊した以上はゲリラの仲間と見なす。覚悟されたし>
628 :
無題:2006/01/22(日) 15:04:03 ID:???
始めにそのゾイドを見たとき、ザイリンは名状しがたい感覚を覚えた。
蒼いライガータイプ。しかしルージ君ではない。その機体から放出される気迫は、
もっと老成したゾイド乗りのそれだ。
ムラサメライガーのエヴォルトでもない。基本フレームが違いすぎる。
「こちら、ディガルド第一師団――」
簡潔な自己紹介からの短い問答。どうやら相手は迷ったらしい。嘘をついているとは思わない。だが。
ゾイド乗りとしての血が騒ぐ。強い相手を前にした時の歓喜。この男と、戦いたい。
「……残念だが、我が軍の機体を破壊した以上――」
理由などどうでも良かった。相手も心の奥では戦いを楽しむ根っからのゾイド乗りであることが
感じられたからだ。スッと膝を曲げ、ヴォルケーノが低く沈む。
通信で聞こえぬように、呟く。
「君の力を見せてくれ、奇妙な迷子――!」
ブレードライガーが左へ飛ぶ。半瞬おいて、ブレードの立っていた位置を矢のように紅の龍が貫く。
横手から浴びせられるハイデンシティビーム――やはり、弾かれる。
それならと接近を試みるブレード。が、ヴォルケーノのバーニングジェットが火を吹くやいなや
超絶的な加速で逆に迫り来る。間合いを狂わされたブレードは跳躍し、相手を飛び越えて正面衝突を逃れる。
ヴォルケーノの脚力と六基のジェット。一瞬で最高速に達することの出来る特性。
速度は時速にして380km――ジェノブレイカーをも凌ぐ。
大してブレードが勝っている点は、角度を変えられるブースターによる良好な運動性。
攻撃力はどうか? ヴォルケーノが猛攻を加えんと横から向かってくる中、
突然減速し、敵を前に捉える。そして再加速し、背部からレーザーブレードの一撃を加えんと――
激突の金属音。
レーザーブレードは弾かれ、カウンターの爪で肩部アーマーが切り裂かれる。
巨大な爪はアーマーの内部にもダメージを与え、ブレードの動きが鈍る。
「まずい……」
アーサーはブースターで強引に機体を横滑りさせ、距離を取る。と、敵機の口から火球が吐き出される。
それはメガラプトルの火炎放射とは比にならぬ破壊力を発揮し、爆風でブレードは木の葉のように吹っ飛ぶ。
どうやら、攻撃力でもあちらが圧倒しているらしい。
629 :
無題:2006/01/22(日) 15:06:14 ID:???
ザイリンという男には決まった戦闘スタイルがない。それは周囲の状況、相手の特性などから
臨機応変に戦術を変更できるという特技の裏返しでもある。今回の相手は武器の特性などから
ハヤテライガーに似たタイプだが、スピードが遥かに遅いため速攻に出たのだ。
しかし相手は絶望的な性能差を覆さんばかりの奮戦を見せている。こちらの攻撃を最小限の動きで
かわし、金色の刃で弾き、クリスタルスパインの隙間に刃をねじ込もうと必死だ。
いつしか日は沈みかけ、夕日が世界をオレンジに染める。ヴォルケーノの装甲が
燃え立つ焔のような色彩を帯びる。
致命傷は避け続けているものの、ブレードライガーはすでに全身に小さな傷を負っている。
クリスタルスパインは並みの装甲など掠っただけでも斬ってしまう。お世辞にも厚いとはいえない
ブレードの装甲で耐えられる代物ではなかった。
「頑張ったが、そろそろ終わりだ」
ヴォルケーノは実質的にまだ無傷。勝利は目前――ザイリンでなくともそう思っただろう。
しかしアーサーは見抜いていた。クリスタルスパインによるすれ違いざまの斬撃は脅威だが、
相手は速すぎて方向転換が効かない。減速して爪で攻撃しようとすれば、守りの薄い正面を
さらけ出す事になる――打つ手はある。
ヴォルケーノはトップスピードのまま飛び込んでくる。それをブレードは冷静に避ける。
再び突進、そしてかわされる。更にもう一度――高速のヒットアンドアウェイが
通じないと悟ったザイリンは、アーサーの予測どおり減速しての近接戦でとどめを刺そうと
爪を開いて走ってくる。
あたかも取っ組み合いに応じるかのごとく、止まって迎え撃つブレードライガー。
しかしそれは罠だ。ヴォルケーノが爪を振り下ろす刹那、アタックブースターが炎を吹き上げる。
そして同時にブースターの連結が解き放たれ、即席ロケットとなった二基のブースターは
ヴォルケーノに激突。その体勢を崩す。
そしてブレードライガーは自前のブースターを吹かし、むき出しになったコックピット目掛け
レーザーブレードを振りかざして飛び込む。さえぎる物は何も無い。
630 :
無題:2006/01/22(日) 15:08:22 ID:???
アーサー・ボーグマンは『勝った』と思った。
ザイリンは『殺られる』と感じた。
しかし次の瞬間眩い光がザイリンの網膜を灼き、視界が回復した時には
蒼い獅子の姿はどこにもなく――。
―エピローグ―
後日友軍の手によって回収されたブレードライガー先行実験機とアーサー・ボーグマンの遺体。
コックピット内に残されたブラックボックスには奇妙な映像が一枚混ざっていたと言う。
――そこには、どこで撮ったものか息を飲むほど美しい森と山の景色が映し出されていたのだ。
煤煙に覆われたディグの空の下、ザイリンは不思議な敵に思いを馳せる。
あの時、あのまま敵が消えなければ死んでいたのは自分だった。
負けた――そう感じる。そして、彼に勝ちたいとも。
またどこかで会えるだろうか。やや年老いたような声で飄々と喋るあの男に。
彼に勝てたときこそ、自分は求めていた物になれる気がする。『最高のゾイド乗り』に。
「ふん……ルージ君以外にも楽しみが出来てしまったな」
なお、ザイリンが再びアーサー・ボーグマンの駆るブレードライガーに出会うことは
終生なかったと言われる。
これは、遥かな過去と未来で『ゾイド乗り』であることにこだわった男達の
奇妙な戦いの記録である。
-The End-
キターーーーー―――!!(゜∀゜)
アーサーvsザイリンのストーリーGJ。
読み応えありました。
gj
いい物読ませてもらったよ
634 :
:2006/01/22(日) 17:42:01 ID:7mnUDzr5
a
gj!
何か少し切なさに目が潤んできた。 つд`)
「…で、結局戦うんですね、彼女とは」
アルヴィンの口調はやっぱり変わらない。
「…なんで」
何事からも一歩引いたそのどこか冷めた言い草は、
「なんで、俺は」
熱くなった自分を抑えてくれたり、慌てた自分を落ち着かせてくれたりした。
「"軍人"になりきれないのかな…」
だが今回ばかりは、その口調も刃か鞭か、傷口にすりこまれた塩のように感じられる。
「俺―やっぱり間違ってるのかな…」
戦う事を決意しようと世界大戦レベルの自己問答をした結果、決意はできた。
「そう言う事決めるだけでこのザマだなんて」
しかし、心はそのあおりをまともに喰ってボロボロになり、
ルーチンワーク(要するに生きることである)以外は何もできない状態になっていた。
事実、アルヴィンとのまともな会話も今の今までできていない。
「…それが正しいんじゃないんですか?」
「……っ」
「確かにやることはトリガー引くだけですよ。それで終わり、10秒とかかりません。
けど、人の命が懸かってるんです。それが終わった時には人が死んでるんです。
そのくらいの葛藤が出来ない人に、トリガーを引く資格はないと思います」
637 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/22(日) 21:34:10 ID:NM6G11GW
泣き叫ぶ娘が人形の様な兵士に引き立てられていく
(ああまたこの夢だ)
娘と引き離され強制的にディガルド武国のゾイド乗りにされたものの肉体訓練に付いて行けなかった女は
他の脱落者と共にディガルド本国に送られ新型バイオゾイドのテストパイロットを勤めることを強いられた
ゾイドコアの出力もパイロットへの負荷も未知数の新型機の起動試験は多くの死者とさらに多くの廃人を出した
女も実験の度に全身の神経をワイヤーブラシで削られるような激痛に耐え操縦槽から引き摺り出されると裸の
まま作業台に乗せられ技術者達に全身を弄られる
死んだ魚の目をした技術者がグロテスクな器具を手に迫って来たところで女の眠りは中断された
ヴォルケーノが低く唸りクリスタルスパインが明滅している
自動索敵機能が接近してくるゾイド反応を捕えたのだ
638 :
618:2006/01/22(日) 21:34:58 ID:???
「いけえ、ブレードアターック!」
「バックス、技の名前を叫ぶの恥ずかしいからやめなさい。」
「なんだよセリカ先輩、折角もりあっがてるのに。」
俺はバックス。閃光師団所属の准尉でブレードライガー改パイロットだ。
「おっし、本陣陥落だぜ。やっぱりこいつら指揮系統が混乱してやがる。
まともな部隊配置ができてねぇ。」
「にしても、本隊から離れてこんなことしてて本当にいいのかしら」
「今更何だよ、先輩。皆で話し合って決めたんじゃないか。
今目の前で苦しんでいる人たちを救うために戦おうって。」
「あのね、バックス。私達は正義の味方じゃないのよ。
ただの軍人なの。」
「でもさ、国と民を守るために戦うのが軍人だろ?その国が無えんだから、
目の前の民を守るしかないじゃねえか。」
「あんたは割りきりが早くていいわね。」
俺達閃光師団はラ・カン率いるゲリラ、いやディガルド討伐軍に丸ごと
身を投じた。部隊の温存を図るあまり、消極的すぎる上層部についていけ
なくなったからだ。閃光師団は部隊の特性上好戦的で個性の強い連中が
そろっている。
姉さんが迷うのはわかる。俺達軍人は自分の判断で自分決めた目的のため
に戦うことに慣れていねえ。
だが、やると決めたんだ。俺達の手でこの戦争を終わらせてやるって。
639 :
618:2006/01/22(日) 21:36:02 ID:???
あ、ルージの奴、ガボールさんに抱きつかれてる。いーなー。」
「あら、あんたガボールさんがタイプだったの?」
「そりゃ男として、きれいなお姉さんは、ってなんで聞こえてるんだよ、先輩」
「あたしのガンスナイパーの集音能力を甘く見ているからよ。」
「俺のプライバシーはどこにあるんだよ。」
「あら?誰かしらあの大柄な女性。」
「って無視すんなよな」
「・・・やれやれ、どうも連戦になりそうよ」
「え?」
「あの人、自分の村も助けてほしいって、ルージ君に言ってるわ」
「ルージの性格から言って、断らないだろうな、そりゃ」
「こっちに駆けてくる彼の表情から見るとそういうことみたいね」
「あいつ、自分に休養が必要なことわかってるのかね?」
「『英雄』だからね、彼は。無理もしてもらわなくちゃいけないんでしょうけど」
「『英雄』がつぶれちまったら、どうするつもりだよ、あいつら」
「なら、そう言って来なさいよ」
「言って聞くような奴じゃないだろ。ああ、しょうがねえな、俺が助けてやる」
640 :
618:2006/01/22(日) 21:36:42 ID:???
とは言え、この村の戦闘での消耗が結構激しい。結局ガボールさんたち部隊の
半分以上は返すことになった。
「主力はルージと俺、サポートに先輩、後は、討伐軍の連中かよ。」
「きれいなお姉さんが帰っちゃって残念ね」
「茶化すなよ。俺は純粋に戦力面の不安をだな」
「ま、情報では大した規模じゃないみたいだし。弾薬の補充と整備は万全よ」
「おお、さすが先輩」
「に、しても通商だけでここまでの弾薬や部品が手に入るのはおかしいわね。
やっぱり、解放軍に物資を供給してる連中がいると考えた方がよさそうよ」
「裏があるってことかよ。そんな雰囲気は感じねえけど。」
「怪しい連中のめぼしはついてるわ。今は調査中。彼らが打ち明けてくれた方が
手っ取り早いんだけどね。」
「信用されてないってことかな。仲間のことを疑うのも気分が悪いぜ」
「ま、信用されるためにも正義の味方を頑張りましょう」
641 :
618:2006/01/22(日) 21:37:42 ID:???
敵部隊は情報どおり大した規模ではなく、一撃でけりがついた。
・・・つーか、半分以上ルージが片付けた。
あいつのライガーにはBL改でもついて行けねえ。
俺がやったのは、あいつが足滑らせてピンチになったときに
助っ人に入ったぐらいだ。
もう少しこっちを頼ってくれるとお互い楽になると思うんだけどよ。
「ふらついてたわね、ルージ君。」
「明らかに疲労の蓄積だよ、ありゃ。高速ゾイドはただでさえ体力使うのに
連戦に演習、ゾイドに乗ってない時もやらなくていいことまでやってる。
体が持つわけがねえよ。」
「とはいえ、ムラサメライガーへの信頼は絶大だしね。」
それはわかる。ムラサメライガーが来たというだけで、ゲリラの雰囲気がかわる。
「共和国軍にとってのレオマスターだな。戦意向上効果は抜群だ。
けどよ、一人で全部背負い込むのは無理だぜ。レオマスターだって
交替で前線に出てるんだ。」
「そうなのよね・・・。代わりがいればいいんだけど。ん?・・・代わり」
先輩が考え込んでる。こういうときは大体ろくでもないことを考えてるんだ。
その予想が正しかったことはすぐに証明されることになった。(ToBeContinue)
短いなりにも戦場で人を殺してきた、それを葛藤の末決めてきたアルヴィンの、自分なりの結論だった。
「でも隊長はその葛藤の末に引くって決めたんです。やらなかったら彼女に失礼ですよ」
彼女も―フェンも言っていた。
「役を揃えるべくチェンジするカードを選ぶのは、見た目以上に大変な事なんだ」と。
「要するにそれが生死を分けるわけだしね。こうやって間髪入れずにチェンジしてるけど、
実は頭の中じゃ世界大戦級の自己問答の真っ最中なわけだ。
え?ファンブルしたら?そんなの考えるはずないじゃないか。
綱渡りしてる時に、もし落ちたらって考えるか?同じ事だよ。
どのみちファンブルしたら、その瞬間問答無用で負けなんだから」
後悔なんて、しない方がおかしい。だから、その時の事は考えるだけ無駄だ。
故に、決めたらとりあえずやる。
やらなきゃ自分に恥ずかしい。
彼女のように、失敗したら「自分はその程度の人間だった」と諦める事はできないが、
それでもやり残さないことだけはできるはずだ。「…だな」
キースの口調に、生気が戻ってきた。
「それに、今しかチャンスないしな」
「何がですか?」
「好きだって言う事」
作戦決行まで、あと一週間。
ジェネシス世界で特殊光学迷彩を使ったらどれくらい効果あるかな?
シャドーフォックスがいるが、おそらく使えないか使い方を知らないかなんだろうけど。
ディガルド首都の管制室?とか真空管みたいなのがあるみたいだし、
それなりに役に立ちそうなんだが、発見されやすいものかな?
我が部隊も当初は9機のレイノスと30機のプテラスが配備されていたが。度重なる戦闘や野良ゾイドの砲撃などで、その数を半分に減らしていた。
当然のように機体が補充されることも無く。しかし、飛行ゾイドは航空戦力と対空兵器をろくに持っていないディガルドに対して非常に有効なため。連日激戦を繰り広げていた。
更に最近ではディガルドも飛行バイオゾイドを開発、量産に成功したため。通常の火器では決定打を与えられないバイオゾイドとの戦いは、今まで以上に過酷な戦いを強いられる事となった。
「このままでは、そう遠くない内に部隊は解体される。そして俺たちは歩兵部隊に回されてしまうのではないか」
そのような噂がまことしやかに部隊内で流れ。日に日に部隊内でも不安の色を隠せないパイロットが現れ始めた。ついには他部隊から強奪計画を企てる者まで出る始末である。
幸い計画は未然に防げたものの、事態は深刻であった。
「ゾイドの補充予定は未定のままか。やはりあの作戦に参加するしかないのか・・・」
イーゲルは補給物資の予定表を見て苦々しく呻いた。
補充ゾイドは当然のように無し。更に弾薬などの消耗品もかなり少ない。
満足な補給が受けられないのは百も承知だが。連日連戦を重ねる飛行ゾイド部隊に弾薬すら回ってこないのは非常に不味い。
格闘装備があるレイノスはまだしも、それすらないプテラスにも弾薬無しで同じくらいの働きをしろというのは無理という話だ。
最早一刻の猶予も無い。気は進まないが作戦に参加して補充ゾイドと物資を得ねばなるまい。
イーゲルは苦虫を噛み潰した顔をしながら通信機に手を伸ばした。
「これだけのゾイドと補給物資はどこから来たのかねえ?」
補給されたゾイドの慣熟飛行を見ながら、イーゲルは副隊長に語りかけた。
上層部に作戦参加の旨を伝えてから3日後。補給部隊のグスタフが半ダースほど駐屯地に急行してきたのだが
プテラスが3機と弾薬などの物資が1コンテナ分でも補充されれば上等だろうと思っていたイーゲルは、その陣容を見て思わず唸った。
対バイオゾイド装備の改造サラマンダーが1機に、ナイトワイズという名前の小型ブロックスが10機。
更に予備の武器弾薬電子機器などの物資を満載という豪華さである。
爪に火を灯すような今までの補給とは桁違いである。いや、むしろ不自然すぎる量だ。
更に驚いたのは補給されたゾイドの性能だ。
特にテスト飛行でのナイトワイズの性能には驚いた。低空ではプテラスを超える空戦能力に加えて、強力なレーダーと電子機器による爆撃精度は恐るべき物だった。
「これだけの物資をどこから捻出したのかも気になるが。ここまで高性能な機体を回してくるって事は、今回の作戦ではそれだけの強敵と戦うって事か」
「強敵」と聞いて副隊長は困惑した表情を浮かべた。
どうやら怖がらせ過ぎたらしい・・・無意識に人を不安にさせるのは悪い癖だな。と思いつつも、イーゲルは不敵な笑いを浮かべながら
「まあ、そう怯えなくてもこのガブリエールMk-2があれば並みのゾイドには負けはせんさ」
そう言って副隊長の背中を軽く叩きながら、ガブリエールMk-2の慣熟飛行へと向かった。
646 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/23(月) 20:27:43 ID:CDKBUzTs
運用データ収集段階のブルー・ヴォルケーノにはパイロットスーツは用意されていない
棺桶じみた操縦槽に滑り込んだ女は拘束具のようなリンケージチューブを素肌に巻きつける
「んく・・・!」
BVを起動させると収縮したチューブが柔肌に食い込む
血管の中を蛆虫が這い進むような不快感に耐えながらモニターを開くと見たこともないライオン型のゾイドが写しだされた
あれが噂に聞くディガルド討伐軍だろうか?だとすれば保護してもらえるかもしれない
女にとって不幸だったのは遭遇したのが共和国軍
それも若い命が真っ赤に燃えてライガースパーク空高く(意味不明)な閃光師団でも札付きの熱血馬鹿の集団だったことだ
彼らは目の前に現れたディガルドの新型バイオゾイドに投降の意思があるなどとは欠片ほども考えず一斉に砲門を開いた
名前でもトリップでもなんでもいいから入れてくれ、続けて読みにくい。
648 :
CDKBUzTs:2006/01/23(月) 22:14:32 ID:CDKBUzTs
「引けー!力の限り引けー!根性見せてみろー!!」
「おらおらチンタラやってんじゃねー!夜が明けちまうぞー!!」
ミッドウエイ海戦時の空母赤城の兵装転換のごとき喧騒の中でアタシは地図とにらめっこしていた
ヒップ中佐が明らかにした本国をペテンにかける計画は全隊員に熱狂をもって迎えられたことにBVのパイロットが若い未亡人でかなりの美人だという情報が伝わったときのテンションの
上がり具合はニトロでブーストしたかのようだった
整備班を中心にアタシと中佐の練り上げた計画のための仕掛けが作られていく一方それをどこに配するかはアタシの読みにかかっている
「今戻ったぜアズサちゃん」
アタシの部屋に入ってきたバーコード頭の中年は通称サイコロ(本名は誰も知らない)
基地の経済活動を一手に仕切る裏の顔役にして闇取引と横流しのプロだ
「例の物は?」
「俺が手をまわしゃ一発さ、それにしてもメガラプトルの追跡用ビーコンなんて何に使うんだ?」
「そいつは後のお楽しみさ、それよりなんでビーコンと物々交換に使ったのがアタシの使用済み下着ってのは何なんだ!?!」
「自分の商品価値を知らねえんだな、脱ぎたてをもらえりゃメガラプトル本体だって調達できるぜ」
「失せろ!!」
やっぱりこの基地の連中は最低だ・・・
649 :
618:2006/01/23(月) 22:49:47 ID:???
ブレードさん御一行の作者様、ブレードさん達をお貸し願えないでしょうか。
殺したりゾイド壊したりしませんので。
650 :
647:2006/01/23(月) 23:22:52 ID:???
広々とした、人気のない荒野。
セイバータイガーと、デススティンガーが対峙していた。
「それにしても上達が早いなお前は。もうそこまでやるようになったか」
「それほどでもないですよ」
よく見ると、デススティンガーの装甲に所々、爪の形の傷が見られる。
レオンとの特訓を始めて、五日ほど経った。
初めは本人の言う通りまともに正面から対峙する事すら出来なかったのが、今ではこれである。
その上達ぶりは、まさに土が水を吸うようだった。
その土の中には、強さと言う名の種が静かに芽生えの準備を進めている。
「後はもう実戦の中で身に付けていくしかない部分だから…な」
素質はあると見込んでいたが、まさかここまでのポテンシャルを有していたとは予想外だった。
そろそろ、最後のステップに進むのもいいだろう。フェンは、レオンにその旨を伝えた。
「ホントか?それは」
「恐らくは。意図的に情報が漏らされているようです」
某所、ディガルド野営地。キースは、アルヴィンがどこからか聞いてきた情報に耳を傾けていた。
いわく、反乱軍が勢力圏内のど真ん中に攻め込んで来るとの事。
「…彼女かな」
なんとなく、情報を漏らしたのがフェンであるように思えた。
653 :
618:2006/01/24(火) 08:01:21 ID:???
>>651 ありがとうございます。大切に使わせてもらいます。
どなたかアニメで華麗にスルーされっぱなしなハウンドソルジャーを登場させてやって下さい。
「一応ここからも遠くないし、行くくらいならあまり負担にはなりませんよ」
「で、見つかればラッキーと…」
椅子の背もたれに体を預け、空を見る。
あの蠍型ゾイドの色みたいな、いつになく深い色の空模様だった。
「それに、あの青いライガーが出て来ちゃうと一般機じゃ太刀打ちできませんし」
「俺が敵うと思ってんのか?俺はしがない一佐官だぜ?」
「ええ、もちろん当然一ミリの疑う余地もないくらい信じてますよ、隊長じゃ瞬殺されるって」
「要するに死ねと言ってんのか」
言って、キースは視線をバイオメガラプトルに向ける。
ゾイドは生物だ―そう、フェンが言っていたのを思い出した。
「…ごめんな、こっちの事情で勝手に振り回しちまって」
そして、そっと言う。
「部下たるもの、振り回されてなんぼです。人生経験蓄積されますし、何より楽しいですよ」
「ホント、俺は良い部下を持ったよ…」
「僕は不幸ですね。今最高に幸せだから」
「そうか」
今度逢ったら、最初に何と言おうか。
蒼空を見上げながら、キースはそんな事を考えていた。
>>618氏がブレードさん達書くのか…
前の書き込み見ると、閃光師団とバックス、姉ちゃんと絡むのか?
657 :
CDKBUzTs:2006/01/24(火) 20:45:50 ID:FezHup4l
「何考えてんですかね」
最新情報によるとBVは本国の追撃隊や共和国軍を蹴散らしながらカルマ盆地を真っ直ぐ南下している
いくら素人でも見つかりやすいルートを避けるくらいの知恵はあるだろうに
「何も考えていないというか考えられる状態じゃないんだろう」
ヒップ中佐が言うにはヴォルケーノはパイロットが意識を失っても最後の指令をもとにある程度自律して行動できるらしい
早速A計画(パイロットを説得してBVから降りてもらう)は没になったわけだ
「もっと明るいものの見方をしなさいよ」
ドナルド・サザーランド演ずるどこぞの戦車隊長みたいな調子で中佐が言う
「今のBVはほとんど条件反射で動いてる、一発ブチ込んでやれば簡単に誘導できるっしょ」
「それやるのアタシですよ」
「グッドラック!」
なに爽やかな笑顔でサムズアップなんかしてんだよ
「これで終わり…か」
フィアスは深く息をついた。
運がよければ、これで元の世界に戻れる。
そのはずなのに、彼の胸中は複雑な思いに満たされていた。
もしダメだったら、ではない。そうならまた可能性を探せばいいだけだ。
彼が考えているのは、そんな事ではない。戻った時、世界がどうなってしまっているのか。
それが分からないと言う事実に対する恐怖である。
もしかしたら、この短い間にヘリックが滅んでいたり、
そうでなくても自分達の知っている世界ではなくなっているかも知れない。
そうでないと言う希望はある。しかし、なまじそれがあるだけ、どうにも恐怖を感じる。
ネーゲルに励まされた事で幾分か楽にはなったものの、それでも拭い去れはしない。
「オレ―ネーゲルみたいに割り切れないよ…」
フィアスは、普段から事あるごとにネーゲルに対してよく分からない劣等感を抱いていた。
アイツは器用だ。軍人として冷静に任務を遂行しながら、人間性を完璧に近い形で保持している。
対する自分は、どうしても肝心の所で迷ってしまう。こんなんで、良いのだろうか。
「…誰も割り切れとは言ってないぞ」
声に振り向く。
…ネーゲルだった。
659 :
CDKBUzTs:2006/01/25(水) 21:54:27 ID:lsUggD2l
「うっきゃああああああああああ!!」
ミもフタもない悲鳴をあげてひたすらクロべえを走らせる
甘かった、奴に仕掛けるくらいならエレファンダー百頭を相手にした方がマシだ
なんて考える暇もなく背中を焦がすようなプレッシャーが膨れあがる
後ろを振り向く余裕は無い
勘を信じて左に跳ぶと奴の放った熱線(炎なんて生易しいものじゃない)が右横を通過する
誰か芹沢博士かゴードン大佐呼んでくれ
と言ってもムダなのでヘルファイヤーを炸裂弾モードで三連射
狙いは斜め上方の山肌だ
せめて落石で行き足が鈍ってくれればと思った途端青い旋風が頭上を通過する
ここでブーストジャンプですかあー!
目の前に着地した青い死神がクリスタルの刃を煌かせて迫る
「コマネチー!!」
ジャンプ一番空中でヨガのポーズをとり全ての斬撃をかわせたのは自分でも奇跡だと思う
神様ありがとう、もう一生姉貴の悪口は言いません
「なんだ、いたの。…いつから?」
「お前が帰って来た時から」
「ずっとかよ」
「気付かないお前が悪いと思う」
言いながら、フィアスの隣に腰掛ける。
「それにしても、私がお前の知性を買い被っていたとは認めたくないんだが」
「はい?」
「割り切る割り切らないの話、だ。そんなのは数学が関わっている時だけで充分だろ」
まるでどうでもいい事のように言っているが、それ自体はいつもの事だ。
「私は割り切れと言ったんじゃない。割るなといったんだ。初めから割り切れない事は分かってるんだから」
「そんな状態では行動できないと思うんだけどな」
フィアスの反論に、ネーゲルはそりゃそうだ、とあっさり頷いた。
割らないと言うことは、ともすれば何も考えない事にもなりうる。
「けど、そこで自分に対して出した答は、自分を慰めたりごまかしたりするものになりかねない」
だが、そこで割り切ってしまうと、行動の主体が厳密な意味で自分ではなくなってしまう。
普通は殆ど気にしない程度だが、しかし決定的な違いが現れる。
「それじゃダメなんだよ。自分がいなきゃダメなんだ。
他の何かに押し付けたって、結局は自分に帰ってくるんだから」
だから、割り切らない。
不条理なのを理解し、それでも敢えて自分はどうするかを決める。
「お前は私じゃない。私の真似は多分無理だ。
だけど、それでも自分に責任を負わせて自分を信じてやる事はできるだろ?」
そして、信じる。
自分の選択の結果に後悔をしながら、それでも自分に失望しない。
物事を敢えて割り切らないネーゲルのスタンスはちょっとやそっとで真似できるものではないが、
確かに自分を信じる事は簡単かもしれない。
「…君、ホントに参謀なの?すごいロマンチストに見えるんだけど」
「人間はみなロマンチストさ。将来の夢だって、哲学的に突き詰めればそれにつながる事も多い」
そして一呼吸おいてから、
「それに、ロマンのかけらもないような世界なんて、味気なくて仕方ないよ」
笑って言った。
「疑いしかない世界じゃないって信じたって、罰はあたらないだろ」
「…ま、その通りだけどね」
決戦前夜の二人の元に、ゆっくりと夜が訪れた。
「絶妙なエスコートってのはこんなに難しかったんかね!」
いやな汗に溺れそうだった。
それは全くもって驚くべき知らせだった。キングゴジュラスが再販されデスバーンまで商品化されたとしても
その驚きはこの驚きの足元にも及ばないだろう。
“バイオゾイドのようなゾイドを掘り出した”
この世界の協力者がこう知らせてきたのだ。ある山で骨のような見た目のゾイドを発見したという。
バイオゾイドも発掘されるものだったのか?それにしてはディガルド軍に配備されてる数が多過ぎる気もするが、
連中は支配地の広さとかたくさん埋まってるところを見付けるとかで何とかしてるのかもしれん。
いや、もしかすると、連中は発掘したゾイドを基に新しいゾイドを開発していて、
今回見付かったのは、その、いわばバイオゾイドの原型とでもいったものなんだろうか。
とにかく、こんな情報をほっとくヤツなんかいるわけない。早速、俺等に回収にいくよう命令が下った。
俺等が選ばれたのは、いろんなゾイドに乗ってるぶん、
未知のゾイドに対しても柔軟な対応ができるんじゃないかという、言いがかりにしてもできの悪い理由と、
発掘現場の近くにいて回収に回せる部隊で戦闘能力が一番高いのが俺等だったという、台所事情丸出しな理由からだった。
663 :
CDKBUzTs:2006/01/26(木) 21:00:15 ID:sKmBO7h3
「ふははははははは私は不死身だ!私に弾は当たらんのだはははははは!!」
当たると即死という攻撃を紙一重で避け続けているうちにストレスが限界値を超えたらしく
アタシは異常にハイになっていた
もう脳内麻薬だだ漏れ、なんていうか「神の領域」?
「来いコノヤロウ!全然効かねえぞコノヤロウ!!」
地下闘技場で横綱を挑発するプロレスラーのようにおいでおいでをする
アタシを追って川の流れに分け入ってきたBVが頭を赤く塗った岩の前まで来ると
ガッキイイイイイイイン!!
川底に仕掛けた特大のトラバサミがヴォルケーノの下半身に食いついた
ありあわせの材料で作った罠で奴を抑えておけるのはせいぜい2〜3秒
そこで次の一手
クロべえの右腕に装着した円筒形のランチャーから槍の穂先のような金属片が撃ち出される
サイコロが調達し整備班が改造したメガラプトルの追跡用ビーコンだ
ケーブルの尾を引くビーコンが青い装甲の隙間からフレームに突き刺さる
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛計算どおりだわびゅ」
全身を焼け火箸で貫かれるような痛みに耐えながら勝利の悲鳴(?)をあげる
擬似神経ケーブルで繋がれた2体のバイオゾイドは互いの生体信号を混信させシステムダウンを引き起こす
ブルー・ヴォルケーノとクロべえは枕を並べてぶっ倒れた
「しかしよく動くもんだな…」
口には出さないが、俺は驚いてるのか呆れてるのか自分でもよくわからない感情を抱いていた。
表情を見るに、マイクも同じ感情を持ってるようだ。
俺とマイクは案内人(この世界の人間だ)のゾイドの背中に括り付けられた乗客用と思しき何かに乗っていた。
回収用に乗ってきたグスタフが、発掘現場に向かう途中で道が悪くてそれ以上進めなくなったので、
そこにグスタフと警戒のためキースの乗ったブレードライガーを残して、俺とマイクが案内人と一緒に行くことになったのだ。
“お宝”をグスタフのいるところまでどうやって運ぶかという問題は残るが、
案内人は掘り出したゾイドはたいてい問題なく動くと言うし、仮にそうでなかったとして
現地で修理して自走させるとしても、実際にものを見てみないことには始まらない。
癪な話だが、いつ止まるかわからん試作ゾイドに乗せられてる俺等を派遣したことが正解だったことになるかも知れん。
俺とマイクの驚きの理由に話を戻そう。案内人の乗ってきたゾイドはゲーターだった。詳しく見てみたわけじゃないが、
武装が無い(どうせバイオゾイドには効かないから取り外してしまったという)以外は、
全てのパーツが揃っていて全く問題なく動くらしい。
こいつを見るに、掘り出したゾイドはたいてい問題なく動くという案内人の言葉は、
厳然たる事実に裏打ちされたゆるぎない真実かもしれない。
驚いてるのか呆れてるのかわからない状態から、感心してるのか呆れてるのかわからない状態になって
しばらくたったときだった。持ってきた通信機に呼び出される。
「バイオラプターが一機そっちへ行った!」
キースが素敵なことを叫ぶ。
「バイオラプターが四機来たんだが、そっちの足跡見付けたらしい!一機がそっち行った1
悪いが俺は三機相手にしててそっちにいく余裕がねえ!!」
どうしたもんか!?
「発掘現場まで後どれくらいです!?」
「もうすぐです!!」
俺の質問の意図を察したらしく、案内人はゲーターを高速ホバー機動させ始めた。
着きましたという案内人の言葉が終わるより先に、俺とマイクはゲーターから飛び降りた。
もうこうなったら発掘されたというバイオゾイドが動いてくれることに賭けるしかない。
岩場であちこち深い裂け目があったりするが気にしてる余裕は無い。
バイオゾイドが埋まってると思しき、砕かれた岩が散らばってる、人だかりのできてるところに全力疾走する。
祈るような気持ちで砕かれた岩の間から飛び込んだ俺等の目に、それは飛び込んできた。
大腿骨を思わせる脚部。
脊椎に酷似した尾部。
その骨格のごとき外形に相応しい白磁の機体色。
「「 ガ リ ウ ス じ ゃ ね ー か ー ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! ! 」」(←はもってる)
続く
ふと、思った。「ここって『自分でバトルストーリーを…』スレと何が違うんだ?」と。
すまん、聞き流してくれ。
確かに、このスレ混沌としてきた様な気がする
ハッキリ言って、ゴジラ対キンゴジュスレと変わらんな
それに「共和国軍が」のスレなんだから帝国軍はいらないだろ
職人として敵方も書きたくなるからじゃないか?まず俺がそうだ
転送されたときにガイロスやらゼネバス(時期的にアイゼンだが)やらが巻き込まれたと考えてもなんら不思議はないし
スレ立てた人の予期しない方向に進むのだって今に始まったことじゃない
そこまでストイックに共和国軍にこだわるこたねーべさ
462よ登場人物が増えてきて、人間関係がよく分からんごとなってきた
一度、キャラクター関係表でも作ってくれ
もういっそGの影忍みたいに滅茶苦茶やったらどうか?
マグマの中で戦うとか、ザイリンが素手でレーザーブレードを真剣白刃取りするとか
お題はジェネシス世界に「過去でありながら進んだ文明を持つ人が来たらどうなるか。」なのだからジェネシスサーガにならない程度なら
誰が来ても目くじらを立てるものではないのかと。
要するにスパロボα外伝路線だな
アーバイン(バトスト)が主人公の話だが、愛機との出会いまで投下させて貰う。
「おいおい、何で俺はこんなとこにいんだ?」
彼―アーバインは一つ一つ思い出し、考えた。
オーガのコクピットに照準が向いているのに気付いたこと。
次の瞬間、閃光弾など比べ物にならないくらい眩しい光が体を包んだこと。
そして次の瞬間、何故か登場していたオーガが無くなり、砂漠に立っていたこと。
「さて、どうする相棒?」
彼は以前の愛機であるコマンドウルフの記憶データが入ったメモリスティックに話しかけた。
当然、返事は帰ってこない。
そこらにある野良ゾイドに乗り込んでみようかとも思ったが、全く見つからなかった。
彼は食料を持っておらず、水もないことを思い出し、集落を探して歩き出した。
幸いなことにすぐ近くに村があった。
「悪いんだがゾイドを一体貸してくれ。料金なら後で払う。」
いつもの彼ならそう言っていたことだろう。
しかし、そこにはゾイドは居てもゾイドショップは見つからなかった。
村人に聞いてみる。
「おい、ゾイドはどこで手に入んだ?」
「おめえ、どこの田舎もんだ?大昔の機体を発掘すんだよ」
返事はこうだった。冗談と思い、周りの人に聞いてみたが、同じ答えが返ってくるばかりだった。
幸いにもこの辺りはよく機体が発掘される場所だと言う。
地図を見せて貰うと陸続きになっているが、自分がニクスにいるのだと推測できた。
機体が発掘されたという報告があったが機体の損傷が激しいらしい。
彼は自分が整備兵をしていたことがあるという旨を告げ、その場に同行させて貰った。
それは黒かった。しかしフレームは赤かった。それはレーザーブレードを持っていた
それは犬型だった。
「ジークドーベルじゃねえか………」
彼は偶然に驚きながらも喜んでいた。
この機体にメモリスティック内のデータを移植できる可能性がある。そう思った。
「ああ、こいつぁもうダメだな。駆動系がイカれとる。おめえも戻ったほうがええぞ」
村人たちはそう言って立ち去った。
数時間後、アーバインはジークドーベルに乗っていた。
それはゴジュラス用のキャノンを装備していた。それは灰色と黒と小豆色で構成されていた。
そして、コマンドウルフの記憶と意識を持っていた。
「新しい体はどうだ、相棒?お前にゃもう一稼ぎさせてもらうぜ」
ジークドーベルは空に向かって嬉しそうに咆吼した。
>>666 たぶんあっちでジェネシスネタやると荒れると思う・・・
バトスト派はジェネ嫌いな人多そうだし
>>665 ガリウスGJ!www でも勝てるのか!?
>>677 ジェネシスネタならあちらでも普通にあるけど。
すまん今久々にのぞいたらジェネシスネタあった
今は亡きかつてのブレードさん日記スレに捧ぐ。
「なぁ、セリカ先輩。これ歩きにくいんだけど。」
「バランス崩れてるんだからしょうがないわね。
本格採用になったら設計しなおしたげるから、我慢しなさい」
ルージの負担を軽減するにはどうすればいいか?討伐軍での会議の席で先輩は
「身代わりを作ればいいんです!」と力強く発言した。
その結果、俺のライガーは馬鹿でかいレーザーブレードを背負って、外装を
全体にムラサメっぽく改装されたわけだ。
何故俺かと言うと、大佐いわく「おまえセリカに逆らえんだろう?
なら他が全員断った後はどうせお前がひきうけることになるんだから手間を省く。」
んだそうだ。冗談じゃないぜ、まったく。
「にしても本当に使い物になるのか、このムラサメもどき。」
「ブーストライガー改と呼んであげてください、レイ中尉。
AB完成前の試作品のパーツを流用してるんです。
最高速度350km、高出力レーザーブレードはシュナイダーにも
匹敵しますよ。」
「バランスを崩さずに切りつけられるもんならな。
あのブレードは本来正中線上にとりつけてたはずだろ?」
「まぁ、将来的にはカウンターウェイトをつけたり構造を変えたりでカバーする予定
ですから。とりあえず今回は現場で『実用性』を確認すると言うことで。」
「だぁ!2人して勝手なこと言うな。俺とライガーの身にもなってみろ。」
「だから心配してついてきてやったんだろうが。お前は『英雄』の代役なんだから、
やられてもらっちゃ困るんだよ。
この分じゃ最前線は無理だろうから俺の後ろからついてきて適当に走り回ってろ。」
「自分が暴れたいだけじゃねえのかよ。」
「なんかいったか、おい。」
「ま、まあ確かに中尉最近いらだってませんか?何かありました?」
「向こうに置いて来ちまったからな。」
「みんな同じだろ?」
「家族とか任務とかじゃねぇ。あのティラノ型。あいつだけが心残りなんだ。」
「ティラノって、中尉がゼロを見つけた基地にいたって奴のことか?」
「ああ、奴と奴のパイロット。あのままじゃいけなかったんだ。俺がやらなけりゃ。」
「なんだよ、そりゃ」
「わからなくていい。俺とゼロにはわかるんだ。」
な、なんか受信してるっぽいぞ。こういうときは話題を変えるんだ、先輩。
「え、えーと、中尉もその爪と牙のテストを兼ねてるんですから無理をしないでくださいね。」
レイ中尉のライガーはタイプ0。本来ならばバイオゾイドに対して無力に近い形態だ。が。
「折角のリーオ製の入れ歯と付け爪だ。しっかりつかってやらなきゃかわいそうだろ。」
そう、討伐軍のロンって奴が発掘品のゼロ用のリーオの爪牙を持ってきたんだ。
本当に凄い調達能力だよな。
支援要請を受けたユミル村についた俺達はゲリラから歓迎を受けた。「ムラサメライガーが来て
くれればこっちのものだ」って感じだ。この村の連中がルージの名前を知らないことは調査済み。
俺がパイロットだとわかっても特に問題は無い。はず。ライガーがムラサメじゃないのは
ばれないようにしなきゃいけないが。
村のジェネレーターの近くに立て篭もっているのはメガラプトルが1、ラプトルが12。
大した数じゃないが、ジェネレーターを傷つけるわけにはいかないので、砲撃を仕掛けて牽制して
からと言うわけにはいかない。最小限の目くらまし程度の支援を受けながら飛び込むしかないわけだ。
こっちの戦力は俺と中尉のライガー、先輩のガンスナ改、後は討伐軍のウルフが4機と現地ゲリラの
ベアが4機。作戦は先輩が支援射撃、俺がシールドを張って盾になって、後は一気に突っ込むって
ことになった。
「おりゃあ、ブレードアタ・・・うぁ」
やっぱりバランスがとりづらいぞ、これ。
「いいから後ろに下がってろ。襤褸が出る前にな。」
いきいきしてんな中尉。俺がもたついている間にもうメガラプトルを片付けちまった。
でもな、ゲリラの手前もあるから何もしないわけにもいかねえんだけど。
「バックス、5時の方向から大型飛行物体接近中よ!」
「竜ってやつか?」
「いえ、違うわ。これはホエールキングタイプよ。識別信号は未知のもの。」
なんだと?こっちに来てからそんなもの見かけなかったぜ。
低空を高速で突っ込んできたのは確かにホエールキング。ハッチから2体のゾイドが飛び降りてくる。
「ぁぁぁぁRDぃぃぃぃぃい」
「見つけたよ、ルージくぅぅぅぅんんんん」
一体はバイオヴォルケーノ。もう一体ははじめてみる恐竜型。ジェノシリーズに似てるが・・・
ってうわ、いきなり荷電粒子砲なんか撃ちやがった。レイ中尉はかわして・・・ラプトルが巻き込まれてる。
後先見てないぞ、こいつ。
「ようやく見つけたぞ、RDぃぃぃ。今日こそ決着をつけてやるぅぅぅ。」
「誰だよ、RDって。中尉、なんかまともじゃないぜ、あいつ。」
「くっくっくっく、そうか外装をつけるとこうなるのか。」
「ちゅ、中尉?」
「手を出すな、バックス。奴と同じゾイドだ。代わりをしてもらう。」
突っ込んで行っちまった。おお、あの新型、中尉の突撃を受け止めて
「どこを見ているんだ、ルージ君?」
うるせえ、俺はルージじゃねえよ馬鹿野郎、と通信を返す暇も無くヴォルケーノが突っ込んでくる。
そこからが悪夢だった。俺の兵装で奴に通用するのはレーザーブレード、それもまともに振り回せない代物
だけ。相手は最強クラスのバイオゾイド。しかもパイロットが並みじゃねえ。ザイリン少将。機体の性能を
出し尽くしてきやがる。必死に攻撃をかわしながら、大降りの一撃を繰り出して、バランスを崩して反撃を
喰らう。徐々に俺のライガーに傷が増えていく。シールドが無きゃとっくにお陀仏だ。
セリカ先輩は・・・見慣れない悪魔みたいなフォルムの飛行ゾイドと遣り合っている。
助っ人は得られそうに無い。切り札を使うしかないか。
シールドのエネルギーまで突っ込んで、スラスターを全開にして突っ込む。火球が外装を削り取っていく。
さんざん繰り返したおかげでブレードの使い方は体得した。バランスが崩れることを前提で体勢を考えれば
いいんだ。ありったけの運動エネルギーを上乗せした大剣を叩き込む。
「この程度、受けられないとでも?」
奴のあざけりが聞こえる。今のうちに笑っていやがれ。二つの強制排除ボタンを押し込む。
大剣が千切れ、受け止めていたボルケーノの姿勢がわずかに前に流れる。
そして、腹のレーザーブレードを隠していたカバーがはじけ飛び、本来のレーザーブレードが現れる。
ここだ、こいつを叩き込んでや
意識が一瞬飛んでたらしい。横殴りに頭を叩きつけられて吹っ飛ばされた。なんでだ、なんでわかった。
「本来の刃を意識していなければ危なかったよ、ブレードライガーのパイロット。」
「てめえ、気がついてやがったのか」こいつがムラサメじゃないことに。
「ルージ君のムラサメと一番多く戦っているのは、私だよ?最初は間違えたがね。
そして、ブレードライガーも私にとって忘れられない機体だ。」
クソ、だが手ごたえは確かにあったぞ。早く起き上がらなけりゃ。
「こいつと俺も忘れられなくなっただろ?ペド趣味のストーカー野郎」
こっちが立ち直るまで、おしゃべりにつきあってくれよ。
「生意気な男だな。だが、残念ながらもう終わりのようだ。ぐぅ・・やりすぎたようだね・・・
バイオ粒子砲発射モードが起動してしまったようだ・・・」
奴の意識が機体から消えるのを感じる。これはトラフで見たあの?
やばい、あんなもん喰らったら灰も残らねぇ。
動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け
エネルギーが溜まっていくのが見える。まにあわねぇ。
閃光の束が俺に向かってくるのが、やけにゆっくりと見える視界を「何か」が塞いだ。
光が「何か」に吸い込まれ、そして光が戻っていく。
そして
光が消えた後にはショートする恐竜型ゾイドと半身を削り取られたヴォルケーノ。
後ろを振り返るとボロボロのゼロが見える。どうやら最後の力を振り絞って奴を投げ込んだらしい。
しかし、何が?
「くう、凱龍輝の集光パネルが。エネルギーが大きすぎたか。
おのれ、貴様、卑怯な真似を!」
「レイ・グレックだ。RGとでもよんだらどうだ、おい?」
「貴様ぁ」
「ブレード、撤退するわよ」
女の声?誰だ?
突然煙幕弾が打ち込まれた。
怯んだ隙に突っ込んできたホエールキングに、悪魔型と新しく出てきた鷹型が凱龍輝とヴォルケーノを
運び込む。
「次は、俺一人でぶちのめしてやるからな、ザイリン少将」
「・・・ふ、威勢だけはいい男だな、貴様は。このザイリン中将の敵足りえるのかね?」
「共和国軍准尉、バックスだ。俺とブーストライガーを忘れるんじゃねえぞ。」
「レイ・グレックぅ!実力では俺が勝っていたことを忘れるなよ」
「逃げ出した負け蜥蜴が何をわめいてやがる。納得がいくまで何度でも叩きのめしてやるから
かかって来な」
「おぉのれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
敵はいなくなった。作戦は終了だ。
さっきの通信を聞いたゲリラの連中が「ムラサメじゃなかったのか」と問い詰めてくるのを
先輩と討伐軍の連中が必死に言い逃れてる。
うっとおしい。
「なにしょぼくれてんだ、バックス。」
「なに吹っ切れた笑顔なんすか、中尉。」
「ゾイド乗りと久しぶりに戦えたから、か。
やっぱりあのゾイド半端じゃねえ。パイロットもかなりのもんだがな。」
「楽しそうっすね。」
「楽しかったんだよ。あいつ、全力でかかってきたが殺し合いをする気は無いみたいだった。
純粋にゾイド乗りとして力を出し尽くせた。ああいうのがいるんならこっちも悪くねぇ。
それが片思いしていたゾイドに乗ってきやがるんだからな。楽しくないわけがねえだろ。」
「俺は完全に負けだ。」
「ああ、そうだな。まぁ、あの性能差でゾイドともども生き残れたんだ。喜べよ、とりあえず。」
「完全に死んでたはずだぜ、俺は。」
「ああ、あの凱龍輝とかいうのにあんな機能があるとはな。俺もびっくりしたぜ。
しかも、あいつが打ち返したバイオ粒子砲がヴォルケーノをかすめてくれるなんて。
本当に今日はついてたな」
「結果として生き残っただけじゃねえか、俺は」
「しかし、生き残った。「次」のチャンスをもらえたんだ。戦場では貴重だぜ?
ライガーともどもチャンスを生かすんだな」
「ああ、やってやるさ。見てやがれ。」
俺とこいつで。
(了)
ブレードさん御一行の作者様ありがとうございました。
凱龍輝の性能がバトスト準拠なのはパラレルってことで勘弁してください。
「自分が関わった自覚のないままにお前のせいだと責められるのは具合いが悪い、か」
結構前に同じ事を言われた覚えがある。
「そこは要修正って言われてたっけ。はは、やっぱりまだ変われてないな」
「ここまでくるとそれが前の性質なのかと思ってしまうよ」
まあ変われなくても何の支障もないがね、とネーゲル。
「三つ子の魂百までとはよく言ったものだね」
「全くだ」
笑って、夜空を見上げる。月は、一つしかない。
「酒でも買ってくれば良かったかな…」
「孤独な月の見納めか?」
「この世界の酒の飲み納め、だよ」
「全機、スタンバイ終了しました!」
今回の作戦では、フィアスが全体の指揮を行う。
旧ニカイドス島周辺の地域の制圧及び特異点の発見、その確保。
当初反ディガルド勢力はこの話に乗り気ではなかったが、
素性を明かすと協力を申し出てくる者が現れはじめ、
とりあえず強襲の作戦遂行に見合う数(ネーゲルの計算である)は揃った。
心配はある。しかし、ここまで来たらやらないわけにはいかない。
「…よし、行くか」
頬を叩いて気合いを入れてから、全軍に告げた。
「作戦―開始だ!」
「敵性ゾイドの接近を確認!現在斥候と交戦中と思われます!」
「数は?」
「およそ40程度、10機単位で行動しているようです。
詳しい数はまだ分かりませんが…」
「OK、わかり次第また教えてくれ」
普段からは想像もつかないような冷静な声でオペレーターと言葉を交わすキース。
「戦端が開いたわけですね。思ったより早い」
対してやっぱり変わらないアルヴィン。
「善は急げ、って言うしな。敵同士じゃなかったら支援してやりたいくらいだ」
それに答えながら、キースは機体をあさっての方向へ進める。
「そっちでいいんですか?」
「俺の推測が正しければ、あいつはこっちに来るはずなんだ。
あの蠍は集団戦闘のできる性能じゃないし、あの辺りはかなり手薄だから。
改善を訴えたのに上の頭の固いこと、一向に動きがなかったのは記憶に新しい」
多分そこを突いてくるだろう。そうキースは確信していた。
「と、ここまでが理論的な部分。残りは直感だ」
「残りと言う割に、明らかにそっちの比重の方が大きいですよね」
「当たり前じゃないか」
ちょっと誇らしげに言うキースだった。
690 :
CDKBUzTs:2006/01/27(金) 21:35:01 ID:A164m16R
作戦は終了した
BVから救出された女性は洒落にならん状態だったがテレンコ大尉の診断ではリハビリに時間をかければ問題ないそうだ
ゼルフトに送り返す方法についてはサイコロが何とかするだろう
で、アタシは何をしているかといえば
整備班謹製のミニスカメイド服と猫耳カチューシャ装備してウエイトレスやってんだよ!!
ヒップ中佐の音頭取りで開かれることになった分遣隊員の慰労パーティーは基地で一番広い建物
つまり格納庫で行われた
麓の村で調達したウシモドキの丸焼きがハンガーの中央に鎮座し
もとスパイコマンドーのライバック料理長が熟練のナイフ捌きで肉汁の滴るステーキを切り分けていく
「似合ってるよアズサちゃん」
アタシは無言で殺意の篭った視線を向ける
ほんとはこんな格好したくはないよ、でも
「今回は整備班の連中も不眠不休で頑張ったんだしそのくらいのサービスはいいんじゃない?まあ君が自分は
『戦友愛』とか『奉仕の精神』とかと無縁の人間だというんなら強制はしないけど」
なんて言われたら断れないじゃないか
つい料理の皿を叩きつけるように置いたらナイフがテーブルから落ちてしまった
中佐が目配せする
アタシは溜息をついてナイフを拾うため屈みこむ
ガチャガチャガチャーン!
一斉に落としたナイフを拾うふりをして這い蹲った整備班の連中が地を這うような視線を向けてくる
アタシはゆっくりと歩き出す
格納庫の入り口に据えられた60口径四連装機銃の砲手席に腰を降ろすとテーブルに向かって掃射を開始した
MBスレとの違いが全く解らん
むー、確かに優れた科学技術をもった少数集団が異世界にタイムスリップして、どうこうってのが
戦国自衛隊とかジパングとかアーサー王宮廷のヤンキーとかの肝だからなー。
一般技術はともかく、ゾイドの能力的には大差ない共和国軍inジェネワールドでは難しいのは
確かだと思うよ。
かく言う自分も普通に共和国が活躍して終わりみたいになっちゃってるし。反省。
>>692 >一般技術はともかく、ゾイドの能力的には大差ない共和国軍inジェネワールドでは難しいのは
確かだと思うよ。
そういう意味ではスパロボα外伝に例えるのが一番妥当なのかもしれん。
現在から未来に飛ばされた人(UCガンダム系&特機の皆様)は
未来の人(ザブン&ターン&X)の知らない技術を持っている一方で、
未来の人は未来の人で、現代の人も知らない凄い技術を持ってたって感じだった。
いずれにせよ双方のカルチャーギャップが面白い
確かにこのスレではそのカルチャーギャップを如何に作品内でうまく扱えるかがバトストスレとの違いになるな
カルチャーギャップネタならバトストスレでもあるんじゃない?
積極的にディガを支援する召喚され組というのは難しいのかな
ボラー少将に個人的に恩義を感じていて・・・みたいな
俺も
>>693の認識を持って執筆やってるつもりなんだが、
結果的にバイオゾイドには踏み台になっていただいて
アリガトウというかスンマセンというかワンパターンというか。
んなこと言いながら新作がだいぶご無沙汰な俺。
>>696 ディガルドが単なる侵略者で、大義名分もなにもあったもんじゃない、ってのが味方を出しにくい理由です、自分的に。
ゼネバス(新旧)軍には差別の打破、暗黒軍には死活的な経済問題という(一応の)戦争をする理由がある。
対してディガルドはソラノヒトにレッゲルを献上してご褒美をもらうために戦争を始めて、いつの間にか単純に世界征服
が目的になってしまった集団に(今のところ)思える。
誰かがディガルドに共感して味方になるというのが、そのキャラクターを貶めるような気がするのですよ。
あ、脅迫されてるブレードさんたちは別です。
アニメの悪役陣はあっさり味方しそうな気がする人たちもいるけど、アニメキャラを増やすのは抵抗があるしー。
ディガルドの最終目的がソラからの地上解放ならまだ納得なんだが
戦争に大義名分が必要になったのは20世紀に入ってからの話だからなぁ。
未開人に急にテクノロジーを与えれば、まぁこんなもんだろう。
あらためて考えるとジェネ世界は戦国時代に近いんかノウ
野心を実行に移す権力者と、戦争が善し悪しを問う以前の日常として存在する場所。
「時間です」
アタシとライバック料理長が同時にナイフを置く
ヒマ潰しに始まったジャガイモの皮剥きはいつの間にかアタシと料理長のジャガイモ一刀彫り対決になっていた
アタシの作品はAKEBONOにラリアット気味の喉輪をかます琴欧州
自分で言うのもなんだが傑作だ
「10点、9点、10点、9点、9点、合計47点です」
むう、満点には届かなかったか
料理長の作品は、何だこのやたらヒラヒラした可愛らしいのは?
「説明が要るかね?カードキャプターさくらのコスプレをした『ガサラキ』の村井中尉だ」
いやそんな真面目くさった顔と大塚明雄みたいな声でそんなセリフ吐かれても
「10点、10点、10点、10点、10点、満点です」
ウソダドンドコドーン
「甘いな少尉、常に『萌え』は『燃え』に勝るのだよ」
「納得いかーん!!」
やり直しを要求するー!と暴れ出そうとしたその時、拡声器がカリカリと鳴り出した
「あーこちらヒップ指令、第7地区で複数のゾイド反応が確認された。これより当基地は第1級非常体制に入る、演習じゃないから念のため」
702 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/29(日) 16:36:11 ID:1LcDHYat
>>47 カノントータスのは粒子砲ではあるけど家電粒子砲ではない
703 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/01/29(日) 17:15:20 ID:1LcDHYat
>>313 むしろSAGAの小説が刊行されれば買おうと思っている今日この頃
その異変にフェンが気付いたのは、戦闘開始からしばらく経ってからだった。
乱戦の中、戦域を少し外れたフェンの機体のセンサーが、警告を発する。
―上に、歪んだ形の熱反応。
「何か空でも飛んでるのか…っ!?」
見上げると、すぐそこにバイオメガラプトルの機影。
爪を、振り上げていた。
「いつの間に…っ!」
斬撃がわずかに下がったデススティンガーの顔面をかすめ、地面に巨大な爪痕を作る。
明らかに、コクピットを狙った攻撃だった。
「ふー…ここであったが百年目、ってな」
直後に通信が入る。
不敵な笑みと、やる気のなさそうな声。
「ようやく決着つけるチャンスが来たぜ…いや、もうって感じか?」
キースだった。後ろには、アルヴィンもいる。
「そっちに任せるよ。―フィアス、聞こえてるか?」
「はいなんでしょうか」
「ライバルのおでましだぞ」
ため息と、頭を掻く音。
「オレ隊長なんだけど」
「指揮権はエレナにでも渡しとけ。あいつなら上手くやるだろ」
一方、指揮権を知らぬ間に渡されてしまったエレナは。
「あーもー、格闘しかダメージ与えられないってどーゆーことなのよ!」
大量のバイオラプターとラプターグイに悪戦苦闘していた。
バイオゾイドに有効な武装を装備したゾイドに乗り、なおかつ強い二人がどこかへ行ってしまった今、
双方ともあまり有効な打撃が与えられない状態になってしまっていたのだ。
ヘルファイアはカスタムされたパンツァーの装甲を破壊するにはいささか威力が足りず、
パンツァーの射撃攻撃もヘルアーマーを通らない。
辛うじてストライクレーザークローでダメージを与える事は出来ても、
口に当たらないためにそれ単体では撃破に至らず、
結局互いの中の人にダメージが蓄積されるだけと言う結果だ。
それだけならば五分五分なのだが、相手の方が数の面で大幅に上回っている。
はっきり言って、分が悪い。
既に後ろを取られないように慎重に立ち回るだけで精一杯になりかけてもいた。
当然、口を狙うチャンスなどあるはずもない。
「一体何個師団いるのかしら…」
バイオラプターを爪ではねのけながら、苦しげに漏らす。
そろそろ、限界だった。
「もーこんな所でアズサちゃんに会えるなんて〜」
天真爛漫を通り越して白痴的とさえ言える笑顔と砂糖菓子に蜂蜜ぶちまけたような声
プロポーションこそ劇的にエヴォルトしているがコイツはちっとも変わってない
クロべえで出撃したアタシが発見したのはコマンドウルフの群れに追われる牛車だった
(ディバイソンが牽引してるんだから牛車で間違い無いハズだ)で、警告がてら一発ブチ込むとウルフはさっさと逃走
牛車に乗っていたのはアタシの幼馴染にして大陸一の大金持ちチャンプ商会の御令嬢メアリー・チャンプその人だったワケだ
「いやーお懐かしい」
「10年ぶりかしら〜」
お供の二人(?)組、謎の機械人形セバスチャンとベンジャミンも相変わらずだ
聞けば父親のドリー・チャンプ・シニアに勧められた見合いが嫌で家出してきたという
「で、誰と見合いするって?」
「ジーンT世」
思わず噴いた
「…敵を知り己を知れば、か」
キースの技術は予想以上だった。さすがは中佐だ(あんまり関係ない)。
常にデススティンガーの後ろを取るように動き、隙あらば荷電粒子砲を破壊しようと狙う。
しかも、僅かな隙も見逃さない。ちょっとでもためらおうものなら、すぐさま爪が飛んでくる。
「そろそろ、疲れが出始めたか?」
「一応、これでも女なんでね…」
言いながら、荷電粒子砲のトリガーを引く。
普通の人間なら反応する事すらかなわない距離から、光線がメガラプトルに向けて放たれる。
しかしキースは、少し機体を横にずらすだけでそれをやり過ごしてしまった。
「その手の武装の弱点は、既に把握できてるぜ」
いくら縮退が速いからと言って、発射までの時間がゼロになるわけではない。
…それにしてもそこを突いてくるか。
「一つは発射までのタイムラグ、二つは動きながらは撃ちにくい事、
そして―連射が基本的に不可能な事だ!」
そしてそのまま飛び掛かってきた。全く情け容赦がない。
「…そろそろ本気出した方がいいかな…」
Eシールドでその攻撃を防ぎながら、やる気のない声で独りごちた。
バトストだとEシールドってビームしか防げないんだっけ。
>>665までのあらすじ
現地協力者からのバイオゾイドらしき骨のようなゾイドを発掘したという情報を受けて、回収に向かった主人公(名無し)たち。
悪路のため途中でグスタフ・ブレードライガーと別れ現場に向かうが、バイオラプターが向かってくるとの警告を受ける。
発掘されたというゾイドに望みを賭け現場に急ぐが、そこで待っていたのは骨は骨でも骨と皮のほうの骨ゾイド、
ガリウス(ガリガリで薄いヤツの略)であった―
「てめえメカボニカ掘り出しやがってコンチクショウ…」
伝説の兵器アイフラッシャーを装着したかのごとき目で追いついてきた案内人を見据える。
「え…、も、もしかしてその…、これちがうんですか?…、ええと、そのあれ、えー、ばいおぞいどじゃないと… いやそのあれなんです、ほら、わたしたちってぞいどのことあなたがたほどしらないし…、えー、みてくれにその、だまされちゃったと…
俺は頭を抱えた。周りにここにいる連中の(だよな)ゾイドがいくつかいるが、
アタックゾイドみたいな小さな虫型のヤツ(バラッツとかいうらしい)ばっかりだ。
バイオゾイドどころか、全部で束になってもガリウスにさえ勝てるかどうかわからんようなゾイドだ。
掘り出されたゾイドに望みを賭けるしかなかったわけだが、それがよりにもよってガリウスとは。
もっと掘り出された機体の特徴について訊いとくべきだった。
しかしこんなこといまさら言ってもどうすることもできん。こいつらを地獄の底に引きずり込むくらいしか。
後悔先に立たずだ。
「ガリウスまともに動かんね」
マイクが抑揚の感じ取れない声で言う。なんかもうヤケになって一応調べたらしい。
「どんくらいなら動く?」
なんかもうヤケになって一応訊く。
「歩くんはゆっくりならってとこ。走んのは無理。腕と火器系統は一応ちゃんと動く」
恐ろしい事態である。火器くらいしか使いようがないと言ってるようなもんなのにあのマイクがちゃんと絶望的になってる。
ガリウスの火器は腹の辺りから前向きに突き出している。
物影に隠れて火器だけ出して狙撃というわけにはいかんようだ。全くたいしたお宝だ。
ああ、そういやゲーターもあるっちゃあるんだな。ゲーターさん分身の術とか使えないかな。
そうすればゲーターさん足だけは速いからみんなで逃げれるかもしれん。ホバーでぴゅーっと…
…いや、待てよ!?
「聞け!」
時間はあまりない。
「絶妙なエスコートってのはこんなに難しかったんかね!」
俺はゲーターを蛇行しながら走らせていた。バイオラプターの火球が俺の周りに盛大な土煙を上げている。
この裂け目だらけの岩場で、射線をかわしながら走るってのはなかなかに難しい。
だがそんなことよりもっと難しいのは、ヤツとの距離を一定に保たなくてはならないことだ。
「いくぞ、いきますよ、トチんないでくださいよ!」
俺はでかい裂け目を飛び越えた。
俺達はバイオラプターの残骸を見ていた。あのとき、俺はマイクの乗ったガリウスが中で仰向けに寝転んでる裂け目を飛び越えた。
そしてマイクは俺を追ってきたバイオラプターのヘルアーマーに覆われていない下腹部に射撃し…こうなった。
それから少ししてキースから通信が入り、俺たちを迎えに来ると言っていたのを聞いて、
なんだか妙にこの光景に現実感が感じられなくなった。
「いやー助かったな」
マイクが気が抜けたような声で言う。
「ああ全くだ、こいつが惰性で裂け目を飛び越えてくれて…。お前の上に落ちたらどうしようかと」
「何!?お前そんな重大なこと黙ってたのか!」
いかん、気が抜けてホントのことを!
「い…、いやさほら、おまえは…あれだよほら、まえにめがらぷとるにぶんまわされたときもさほら、ぶじ…だったし、しょうげきとかにはつよいかな〜なんて…さほら、それにさほら、ゆうしゅうなへいしだからだっしゅつとかもできちゃったりする…かななんて…
周りのヤツラをちらりと見る。含み笑いをしてやがる。畜生、さっきの仕返しってやつか。人には温かい態度で接しておくもんだ。
後悔先に立たずだ。
「しくじったそうだな愚弟、やはりお前にまかせたのは失敗だった」
「はっはっはっ何いってるんだか、最初にメアリーを逃がしたのはあなたでしょう。もうアルツハイマーですかマイブラザー」
「ふっふっふ・・・」
「くっくっく・・・」
互いの額をグリグリ押し付け合いながらイイ笑顔で視殺戦を繰り広げるいい年をした大人二人
兄の名はドリー・チャンプ・ジュニア
弟の名はテリー・チャンプ
二人はチャンプ商会の跡目を巡って「仁義無き戦い」か「日本の首領」かという組織抗争を繰り広げていたが
愛想をつかしたドリー・シニアが跡目は娘に継がせると宣言した途端に一致協力して父親に対して武力闘争路線を爆走中という実にアレな人達である
「どうするのだこれから?メアリーがディガルドの基地に逃げ込んだ以上表立って荒事を起こすわけにはいかんぞ」
「そこであいつらの出番さ」
二人揃って窓の外に目を向ける
そこには共和国軍のゾイド部隊がずらりと並んでいた
「…お怪我は、ありませんか?」
呆然としていたエレナに、目の前のゾイドから通信が入る。
「一応…大丈夫ですけど」
何でこんなに冷静に応対できるのか、自分でも不思議なくらいだった。
「そうですか。それは良かった」
「あ、あの。あなた、何をしに来たんです?」
「結論から言わせていただくと、貴女達を助けに来ました」
そのゾイド―レドラーのパイロットは、そう言って微笑んだ。
高空から現れた勢いそのままに、
パンツァーに襲い掛かろうとしていたラプターグイを叩き落とすあたり、ただ者ではない。
「わたしの独力のみでどれだけ助けになるかは分かりませんが」
彼女の名前がシエラで、色々と訳ありな人だったと言う事が分かるのは、まだ先の事である。
「くそ…何なんだよこいつは―」
そう呟くキース。
気がつくと、先程と状況が逆転していた。
さっきまでの緩慢な挙動が打って変わって、
的確な攻防と隙を見せない巧妙な立ち回りへと変化している。
状況的には不利だ。しかし、それに対して焦りや不安を感じる事はなく、
むしろ気持ちが高揚していくのを感じていた。
一方。
「…やるね。年格好で判断してしまわなくてよかったよ」
「これでも、いっぱいいっぱいなんです、けどね…」
既に息が切れはじめているアルヴィン、まだ若干余裕がある風を見せているフィアス。
しかし、それは経験の差が表れたものでしかなかった。
技術は明らかにアルヴィンの方が上だし、戦況的に有利なのもアルヴィンである。
(くそ…口は狙えないブレードは当たらない、このままじゃ競り負けちまうよ…)
執拗に放たれるヘルファイアをかわしながら、フィアスは頭をフル回転させていた。
対するアルヴィンも、有利ではあるが余裕はなくなっていた。
こちらの方が圧倒的に有利なはずだったのに、目の前の男は戦略のみでその差を埋めてしまった。
その事実が、彼を焦らせているのである。
ブレードの当たる間合いに入るまでは全く攻撃しないため、結果隙が生じない。
だからこちらから飛び込みたいところなのだが、どうやら彼はカウンターを得意としているらしい。
もう何度か試してはいるが、ことごとく切り返され、既に機体の一部が不能になってしまった。
(相手の機体はまだ無傷…それにあの盾…どうすりゃいいってんだよ)
アルヴィンは、小さく舌打ちした。
「じゃあメアリーさんご自分のお兄さん達に命を狙われてるんですか?」
「お嬢は何かの間違いだって言ってるけどセバスチャンとベンジャミンがなあ・・・」
先刻のスクランブルで昼飯を食いそびれたアタシは食堂でヘレナさんが用意してくれたサンドイッチをパクついていた
「まだお若いのに苦労してるんですねえ」
そりゃアンタだろと心の中でツッコミを入れる
ブルー・ヴォルケーノのテストパイロット(というかモルモットというか)をやらされていたヘレナさんは
脳にヤヴァイ負荷がかかったせいか記憶をスコンと失っていた
体の方はすっかり回復したし(たまに後遺症からか天井に逆さに張り付いてURYYYYYなんて吠えたりするが)
ゼルフトがディガルド軍に占領されている間は送り返す訳にもいかんだろということで
今はここアラヨット山分遣隊基地で住み込みのお手伝いさんをしている
そういやアタシ達もディガルド軍なんだよな一応
ちなみにヘレナという名前はヒップ中佐が考えた
意外とセンスいいなと思ったらルンガ沖で沈んだ巡洋艦の名前だそうだ
そりゃ黙ってりゃ分からないだろうけどさ
>>209の様な共和国軍より後の時間軸に転移させられた
鉄竜騎兵団の話しを書こうと思うんだけれど。
この場合の鉄竜騎兵団の上陸部隊は、どういった立場になるんだろう。
「そこ、どいてくれないかしら」
「まかりならんな。敵に道を譲る道理はない」
目標地点の手前。
シエラの案内のおかげで、弾薬以外にこれといった損失なしにここまでたどり着く事ができた。
もう少しで、元の世界に帰れる可能性を手にできる。
「どうしてもと言うのなら、俺の屍を…ってやつだ」
しかし、新手にそれを阻まれた。
体力はどうにか回復している。が、残弾はほぼゼロ。しかも相手はバイオヴォルケーノ。
このまま戦うには、明らかに不利だった。
「拒否権は…行使するだけムダか」
…となると、やはりやるしかない。
「やるか?」
「……」
「無言の肯定と取らせてもらうが」
「……」
見極めろ。チャンスは一度きりだ。
深呼吸を繰り返し、相手の動きに集中する。
「来ないのならば、こちらから行かせてもらうぞ!」
声と共に放たれたバイオ粒子砲が、パンツァーに迫る。
しかしそれより一瞬早くアーマーを脱ぎ捨てたゼロは、それを紙一重で避けた。
>>717 >>698−700
で議論してるっすけど、どこに協力するのか、協力することの理由付けができるかがクリアできればいいと思うですよ。
ただ>210−238ぐらいで結構否定的な意見も出てるので、ある程度空気を読まないと拒否されちゃうかもしれないです。
ヴォルフをはっきり出すのは明らかにパワーバランス崩れるからNGとみた
そうでなきゃいいんじゃね?
バイオゾイドのデータを欲しがるヤツが両軍のどっちかには居るぞ
バイオゾイドの残骸をなんとか加工して装甲とかにしようとする奴もいると思う。
使える物はなんだって使う。それが戦争ってもんだと思うからね。
723 :
717:2006/02/01(水) 23:35:55 ID:???
う〜んヴォルフを出すのは、パワーバランスが崩れる
と言う理由がよく分からないけど…。
まあ、考えてみます。
劇中だと、バイオゾイドのヘルアーマーって機体が機能停止すると、必ず
解けて白い骨だけ残して消滅するよな。
機密厳守の為、任務失敗時は自動的に消滅する仕様なんじゃねーの?
泡になって消えるショッカー戦闘員みたいに。
伝説虎のデータとかフュザ系ゾイドのデータだけでも十分戦力になると思うけども。
バイオゾイドの製造工程は確かに魅力的だな。
基礎工業力の無い連中にも作れるんだから、コピーできないこともなかろうし。
>723
ヴォルフがいる=鉄龍騎兵団中央大陸侵攻軍本隊、ってことでウルトラ艦隊に比べて優勢すぎるってことじゃないかと思う。
>>725 >723
ヴォルフがいる=鉄龍騎兵団中央大陸侵攻軍本隊、ってことでウルトラ艦隊に比べて優勢すぎるってことじゃないかと思う。
そんなもん、別のSS書きが共和国軍の増援として、旧バトスト時代から
キンゴジュの一機も召喚すれば、帳尻が合う。
とか云うのは乱暴過ぎますか?orz
だから決戦級ゾイドをホイホイだすなと(ry
でもギャグ話で後に尾を引かないならいいかもと思う俺ゴジュ厨。
ヴォルフ=ムーロア皇帝がジェネシス世界に来ると過去の歴史が狂って、
ジェネシス世界が消えちまいそうな感じがしますね。影武者立てればいんでしょが。
まぁ決戦ゾイドはマズイっしょ。旧ゾイド末期のは特に。
決戦機ならバランス取るなら精々GTOぐらいじゃない?
と言ってみる
マッドがもう来てるんだから、デスの一体ぐらいはいいんじゃない?
むしろやばいのはダクスパ。
今の共和国や討伐軍には対抗手段が無い。
>今の共和国や討伐軍には対抗手段が無い。
デドコンやソウル虎が、満月と大地の影響で踊ってたからジャミングウェーブが
効きそうで怖いね。
>だから決戦級ゾイドをホイホイだすなと(ry
これ見て思ったが
他の書いたやつと何が何でも繋げならんの?
完全にパラレルワールド化しちゃうって事か?
それだとそれこそ
>>1の前提が大きく崩れて
決戦ゾイド乱発→決戦ゾイドtueeeee→糸冬了
って流れになりそうな悪寒
とにかく強いゾイド出してジェネゾイドを蹂躙させたいだけの厨とか居そうだしな。
マッドの話とか正直言って酷い。
続けて大量に放たれたヘルファイアをも難無くかわし、ヴォルケーノへ飛び掛かる。
「勝手が違う世界だからあんまり使いたくなかったんだよね、これ」
白熱化するほどのエネルギーを叩き込まれたストライクレーザークローが、ヴォルケーノをたやすく叩き潰した。
「あー…やっぱダメだわ俺。冷酷に徹しきれねー」
そうぼやくキースのメガラプトルは、現在身動きがとれない状態である。
「それがお前さんのいい所だと私は信じて疑わないんだがね」
デススティンガーのハサミに捕らえられてしまったのだ。
避けようと思えば避けられるタイミングだった。
メガラプトルのスピードはデススティンガーを上回っているのだから、反撃も簡単なはずだった。
しかし、彼自身が避ける事も反撃も放棄した。これではどうしようもない。
「この状況でもか?」
「それだけいい手を持っててドロップできる奴はそうそういないよ。
ともすれば死ぬって選択肢を敢えて自分から決定できるその意志は、賞賛に値する」
皆生きる事前提だからな、とフェンはため息混じりに言った。
「お褒めに預かり光栄だけど」
そんなフェンに、キースはさらっと言う。
「早く行かなきゃ、まずいんじゃねーのか?」
>>730 来てるマッドが今一あてにならない新マッドだからな。
同じ咬まされ役マッドでも、マッドジェットとかなら、対デスやる事になっても
少しは安心感、と云うか信頼感が持てるんだが。マッドサンダー好きとしては。
まぁ、どちらも咬まされ役には違いないのは同じで、寧ろ新マッドの方が立場的には
決戦ゾイドに近いんだが。何せ対デスの為に復元させた希少なゾイドだからな。
マッドジェットは、大量に生産された量産マッドの改造型の一つで、突撃能力を強化して
飛行能力を付加、一部武装を追加しただけの代物だからな。しかも、量産マッドは何かしらの形で
皆、改造型に改装されてしまっている、ってのもあるから、特に特別って事も無いしな。
まぁ、立場的には、旧バトスト前期のマッドは決戦ゾイド区分になるんだろうし、
実力・総合力的には、旧バトスト前期のマッドに遅れをとらない筈のマッドジェットは、
旧バトスト前期の決戦ゾイド級程度の実力を持ったゾイドとは云えるんだろうが。
逆に新マッドは、作業を急いだ為もあり、実力・総合力的に旧マッドに足りてない事が明言されているが。
新デスザウラーって「出力は見違えるほど向上して」いて、
新マッドサンダーって「僅かながら弱体化して」いて、
それでも「両者の間には、かつてあった圧倒的な力の差は、なくなってい」る程度。
どんだけ化け物だったんだ旧マッドはと。
個人的には各SSは独立してて構わないと思うけどねえ。クロスオーバー的なヤツは別として。
>>728 共和国軍がジェネシス世界に召喚された
時点で、もう十分狂ってます。
「俺が何をしたってんだ全く!ただ俺はこれを掘り出しただけだってのに!」
突然だが、俺は今見たこともないゾイドに乗って懸命に逃げている。
カモノハシの上にカニが乗っかった、実にコミカルな形のゾイドだ。
名前はキラースパイナー(データを見たらそうあった)。
俺を追っかけているのは、コマンドウルフの大群。その数10。
どうやらカニがレドームの役割を果たしているらしく、相手の位置や向きがよく分かった。
しかし、何故俺は追い掛けられなきゃならんのだ?恐竜型なのがまずいのか?
今日の占いでは「拾い物に福がある」とあったからって発掘作業のペース速めたのがまずかったか?
「どっちにしても誰か助けてくれー!俺はシロだー!」
ちなみに俺の名前はルディアス。自称トレジャーハンターだ。友達からはルディと呼ばれてる。
昔は色々いわくつきのモノを探すのを生業としていたけれど、
最近は珍しいゾイドを発掘する事が増え、いつしかそれが中心になっている。
それがこんな事になるなんて。ああもう夢なら覚めてくれ。
「マジで信じてくれってんだよもう…」
頬をつねったら痛かった。
どうしよう。
俺、もしかしてとんでもないモノ見つけちゃったのか?
740 :
名無し獣@リアルに歩行:2006/02/02(木) 17:15:18 ID:qDmydLg0
キラースナイパーってカニが乗っかってても電撃使えたっけ?
>>740 使えないだろう。代わりにハサミ使えて全方位レーザーが撃てる
あと ス パ イ ナー な
そもそもダクスパの時点で恐竜型=発掘されて出てくるのがNGな件について
きっとカニと合体して絶滅の危機を免れたのさ…デカルトと同じようなもんだ
743 :
739:2006/02/02(木) 17:46:54 ID:???
>>742 お前は俺か
デカルトいるし、カニが出て来たSSあったから
カニに引っ付く形で例外になるのもありかなと思って冒険してみたんだけど
スパイナーが恐竜型ってことで問題になってるみたいだが…
俺普通にガリウス出しちゃったんだがそのへんどうか。
ゲーターもでてるね・・・
電穂世界だと思えばいいのかもしれんけど。今月号はガンスナが平然といたし・・・
>>744 ジェネシス世界でなら問題だと思う。
エレファンタスなら良かったかも。
ところでCDKBUzTs氏、貴殿のSSに関して
どうしてもはっきりさせておかなくてはならないことがあるので質問させてもらう。
ヘレナさんの仕事着は整備班作成なのか否か。
748 :
744:2006/02/02(木) 19:38:27 ID:???
>>745、
>>746 なるほどね… あれジェネ世界としたらまずかったわけだ。
恐竜型は出さんほうが良かったか。
その答えはいずれストーリーの中で明かされるでしょう
というかそこまで考えてなかったorz
共和国軍が召還された後、今まで一度も発掘されなかった恐竜型ゾイドが頻繁に発掘
される様になった。
時空跳躍の影響は、別の意味においても、この時空に深く影響を及ぼしていると考えられる。
と言うのはどう?
752 :
751:2006/02/02(木) 22:03:40 ID:???
タイムパラドックスで共和国軍が消滅した為、その後の歴史に変換が齎され、
恐竜型ゾイドが絶滅しなかった歴史が発生し、時間軸に割り込んだ、とも考えれる。
フェルミみたいなソラの裏切り者がコッソリとソラで管理している恐竜型をディガルドに流すとか
あるいはそれを強奪して使うとか
これって思えばアレだよな。
ゾイドが好きなごく普通の高校生、レイとヴォルフ (略
俺たちが目覚めたそこは見知らぬ戦乱の異世界だった。
恐竜がいるからって別に悩む必要は無いのではないか?
「例外がいた」
の一言で全て解決させる
760 :
739:2006/02/02(木) 23:52:16 ID:???
「俺を捕まえて、どうしようってんですか」
「まあそう焦るな。別に尋問したり拷問したりなんて事はないから。
…茶、飲むか?」
「お言葉に甘えて」
…俺の声は、どんな形で天に届いたのだろうか。
俺を助けてくれたのは、何故かディガルドの人だった。
「ただ、いくつか聞きたい事がある。それに対する黙秘権は認めないぞ」
ギブアンドテイクってやつだ―そう笑う顔に、裏はないように見える。
「フィルさん、任務放棄の件で上がお怒りのようですけど」
「人助けだって言っとけ」
しかも、俺を助けるために任務放棄までしたらしい。
悪名高いディガルドも、一枚岩ではないようだ。
「で、聞きたい事ってのはだな」
俺の向かいに座りながら、彼は話を始めた。
「それを見つけた状況について、だ」
「状況ですか。それが、何か?」
「お前も分かってると思うが、恐竜型のゾイドが発掘されるって事は本来ありえない。
だが、それは現にお前の手で地中から掘り出され、そこに立っている」
確かに、言われてみればそうだ。
「その点が実に不可解なんだよ。だから俺はそれが聞きたい」
「えーっと―カニ掘り出したら下にカモノハシがくっついてました」
フィルさん、思いきりずっこけた。
>>759 例外を出す人がどれだけ自制できるかにかかってるな
強いゾイドを好き勝手に出すための免罪符にしないのであれば
例外は大いに結構だと思う
それはそれで楽しそうだし
>735
>462 ◆ZRfufNuqlY
お前ウザイよ、マジで>734になってる
マイバトストスレでのジェネシスネタの場合、
・それぞれの話は独立した別のお話
・主人公はどの勢力にも付いてない
・ディガルドを倒す事を目的にしてるわけじゃない
・大人数じゃない
って形になってるみたいから、強いゾイドが出ても問題は無さそうだが、
このスレの形式だと大変な問題みたいだな。
軍団規模でジェネシス世界にタイムスリップするわけだし。
「…ん?」
「いやだからさ」
ちょっと息を吐いてから言った。
「その時間は命取りだぞ、って事だ」
次の瞬間。
―鈍い衝撃と、警告。
機体がバランスを崩すが、なんとか持ち直す。
尾にダメージ。かなり大きい。多分荷電粒子砲はもう使えないだろう。
「―っ、お前…」
「フェンの例えに乗っからせてもらうとだな―俺はまだドロップを宣言してない」
「…、なるほどな」
メガラプトルを放し、二機を視界にとらえられる距離まで下がる。
「フィアスの相手は、どうしたんだ?」
「僕じゃ相手にならないんで、逃げてきました」
アルヴィンだった。
「二対一か……」
荷電粒子砲が不能になった今、有効な攻撃はハサミくらいしかない。
Eシールドは一応使えるが、二対一では使える状況が限られる。
装甲は度重なるキースの攻撃によってかなり損傷している。再生はしているが、これではきっと保たない。
(全部話してるから弱点も承知済みか…くそ、どうする?)
彼女もバイオゾイドの弱点は聞いている。しかし、それを突く方法がない。
恐竜型ゾイドの話なんだが、・強いヤツは出さない ・ユニゾンしてたらいける
の二つを条件に説明でっち上げてみると…
恐竜型ゾイドは強力である。しかしこれは裏を返せばエネルギー消費が激しいということでもある。
このため、地中に埋まった後、ジェネシス時代までエネルギー補給の無い状態に耐えられず、“餓死”してしまった。
“餓死”の危険は非恐竜型ゾイドにもあったが、それらには恐竜型ゾイドは持っていない、
エネルギー消費を抑えた仮死状態になるという能力を持っていたために生き延びることができた。
このため、発掘されたゾイドは特別な人間が乗り込み、
精神リンクにより仮死状態から醒める信号のようなものが入らないと動くことができない。
ユニゾンした恐竜型ゾイドが生き延びることができたのは、コアがリンクしたユニゾン相手が、
共倒れを防ぐために仮死状態になれる“プログラム”を恐竜型ゾイドのコアに入れたためである。
また、エネルギー消費量が極小さい(=すごい弱い)恐竜型ゾイドにも、ごく一部生き延びたものがいる。
こんな感じになったんだが…
策士策に溺れる。
認めたくないが、まさにそう言う状況だった。
「…く…」
「あれ?さっきまでの余裕はどうしたんだ?」
言葉とともに、容赦のない攻撃が立て続けに繰り出される。
「…さっきの攻撃を受けた時に、どこかに放り出しちゃったみたいだ」
それをなんとかかわしながら、苦笑い。
全く、随分と甘くなったもんだ。
「冷酷じゃないが本気ではある、か。まさか私のスタイルを丸きり真似てくるなんてな」
「一応思いつきの作戦なんだよ、これ」
「慎んで賞賛させていただくよ」
饒舌をふるえる余裕がまだ残っている事を確認しながら、フェンは策を練り直す。
(さて…どうしたものかな…)
珍しく、真顔になっていた。
「考えなしに脱いだのはまずかったか…」
ヴォルケーノが指揮官機かと思ったのが早計だった。
まだ、いた。
「パンツァー着け直すには時間かかるし…他のCASパーツはあるはずがないし…もうどうしよう」
体力は言うまでもなく、エネルギーも先程の一撃でほとんど使い切った。
ここまで消費してしまうと、短時間での回復は望めない。
「ああもう、だから勝手が違う世界は!」
追いすがるヘルファイアを必死に避ける。
しかし体力切れ寸前では、いくらゼロでもかわし切れるはずがない。
当然追い付かれ、攻撃を受けそうになった。
「…エレナさん!!」
だが、その攻撃がゼロに届くことはなかった。
横から走り込んできたセイバータイガーが、
ゼロに斬りかかろうとしていたバイオラプターを体当たりで弾き飛ばしたのだ。
「レオンくん!?」
「大丈夫ですか?」
「いいえと答えたいところ…」
「そうですか…」
レオンは頷くと、決意の篭った口調で言った。
「こいつらの相手は僕が引き受けます!エレナさん達は、先に行ってください!」
>>765 でもその理論だと「発掘さえされない」理由の説明はできないが・・・
769 :
765:2006/02/03(金) 11:28:42 ID:???
>>768 そこで石化の設定を。
死ぬと時間が経つにつれて石化し(アニメの設定だな…)、さらに時間が経つとグズグズになってしまう。
このため発掘さえされないと。
石化でなくてもいいけど死後分解の設定がないと、どうしても「死骸さえない」の説明がつかないからな…
あとは恐竜型はソラノヒトがゴッソリどっかにつれてっちゃった、とか…
こっちだと、ユニゾンゾイドはソラノヒトも捕まえ切れなかったとか、弱い恐竜型は「まあいいや」ってなったとか…
結論
それでも恐竜ネタやりたい奴はマイバトストスレへ逝こう
恐竜型って大異変前にほぼ絶滅してて、
かろうじて生き残ってたデスレイザーとパラブレードを天空人が保護したって設定でしょ?
バイオゾイドは天空人が保存してた恐竜型ゾイドコアをディガルドに提供したって考えると、
やっぱり恐竜型が発掘されるのはおかしくないかな。
BLOXだったらコアが人工だから発掘されてもありかと思うが。
たまたま恐竜がいない地方が舞台になってたって可能性もある。
後、飛行ゾイドが殆ど存在しないってのも恐竜の抹消並に謎な設定じゃね?
カブトムシ型とかクワガタ型バラッツは一応飛べるっぽい(?)けど
ジェネシス中じゃその設定は抹消されたし、ダブルソーダーでさえ
徒歩しか出来なくなった。
>>772 虫型ゾイドの飛行能力は元々プテラスとかとは比較にならないんだから
このスレの中では飛べると言う事にしといても問題ないと思うけどね
774 :
554:2006/02/03(金) 13:04:09 ID:???
石化設定はジェネでは存在しません
「でも、レオンくんは…」
「僕の事なら大丈夫です。少しは自分の事も心配して下さい」
「そうじゃなくて、レオンくんはまだ若いから…」
「何ふざけた事言ってるんですか!」
怒鳴るレオン。少年とは思えない、芯の通った声だった。
「あなた達はこの世界の人間じゃない!
この期に及んで、なんで命の危険を冒してまで僕たちを助けようとするんですか!」
「それは…」
「僕達はあなた方を元の世界に帰すために今頑張ってるんです。
それを無にして、あまつさえ骨をここに埋める気ですか?
見返りのない事に命費やして、僕達の気持ちまで踏みにじるんですか?」
「……」
確かに、ここで死んでは元も子もない。反論の余地はなかった。
エレナは、機体の向きを変える。
「……死なないでよ」
「大丈夫です」
走り出すゼロ。その後ろを守るように、セイバータイガーが前へ出る。
「…大丈夫です」
祈るように、レオンはもう一度繰り返した。
>電穂世界だと思えばいいのかもしれんけど。今月号はガンスナが平然といたし
ジェネレイションズにはディガルト武国そのものが無いぞ。
後ジェネレのバイオゾイドはメタルZi製武器でないと絶対倒せない(ジェネのバイオはフレーム破壊でメタルZi製武器無くても倒せるが、ジェネレのバイオにはその手は通用しない)。
>>777 明らかにメタルZi無いバイオスピノがバイオゾイドを食う描写があったけど、
轟音を立てて20機を越すゾイド部隊が出撃して行く
彼らの名は第74護衛戦隊
元は共和国軍に協力する地元商人をエスコートするため臨時に編成された部隊なのだが
戦域が拡大し司令部の監視の目が届かなった今ではチャンプ兄弟の私兵となって悪逆非道の限りを尽くしていた
そんな兵隊ヤクザの一団を見送るバーコード頭の小男がいた
南部の密輸業者に扮しアッタカの補給廠で仕入れたコンビーフの缶詰を売りつけに来ていたサイコロは何食わぬ顔で歩き出す
共和国軍のマークをつけたゾイド部隊が走り去った方角と自分の基地に現れた予期せぬ客
考えるまでもない
自分のコネクテスに戻ったサイコロは関節に詰まった泥を掻き落としていた助手に耳うちした
「ダグ、デイトン基地までひとっ走りして無線でアズサちゃんに伝えろ。デートの相手が団体さんで向かってるってな」
780 :
739:2006/02/03(金) 23:31:20 ID:???
「あー、その…なんだ。初めから合体してたって事か?」
うわ、痛そうだ。
「そうです」
すすった緑茶は、とても熱かった。
「何かおかしな点とかなかった?まあこの状況が既におかしいんだけど」
頭をおさえながら、質問を再開するフィルさん。
…涙目になってるし。
「下は既に死んでました。カニがどうにかこうにか形を保たせてただけみたいで…」
変わった事と言えば。
ダークスパイナー(データから引用)の方が掘り出した時点で完全に死んでいた。
カニがいたおかげか何かで体は保持できていたけど、多分切り離したら即崩壊だろう。
多分エネルギーもカニが提供していると思われる。
どうやらカニの付属品として体だけ残った、という事らしい。
まあ、カニが陸地で生き延びるためには仕方ない事なのかな?
「ふむ…自然の神秘とはよく言ったもんだな」
「体が残ってた事がですか?」
「んな事してまで陸地にこだわる物好きのカニがいたって事が、だ」
>774
いつも乙です。早速直していただきありがとうございます。
ところで、ケイ・イスルギがどんなしゃべり方するかわかる資料って
なにかありますかね?
SALの妄想戦記に少し会話シーンがあったような気がするけど…
もう見られなかったかorz
一人称は「拙者」もしくは「小生」だと勝手に妄想してた時期が俺にもありました
思ったんだが、バイオゾイドはメタルZiの攻撃じゃないと・・・って設定にするなら
恐竜不可って設定は意味は無かったんじゃないかな?
恐竜がいてもメタルZi持ってないとバイオ倒せないんだし。
それとも、実は恐竜型にのみバイオの特性を無効化出来る何かがあったのだろうか・・・
バイオゾイド同士なら普通にダメージ食らってたりするし、
「お、撃たれてる?撃たれてるぞ畜生!」
「やられた、脱出する!!」
無線から流れる罵声と悲鳴にリンチ少佐は歯軋りした
簡単な仕事のはずだった
ディガルドのゾイド探知機がゴルヘックスのECMで無力化できることは実戦で証明されている
あとは奇襲で一気に押し潰せばいい
だが現実に奇襲を受けているのは自分たちだ
それも隠れる場所のない谷底の一本道で両翼の高台から十字砲火を浴びるという最悪の形で
「暗黒大陸戦役時代のECMとは古典もいいところだな」
「生憎アタシ達のAIは300年以上進んでるのよね〜」
人口知能ならではの分割プログラム並列稼動によって1機を直接操縦し1機を遠隔操作する
セバスチャンとベンジャミンはディバイソン4機分の凶悪な火力を容赦なく叩き込む
「とにかく走れ、ここから抜け出すんだ!」
闇雲に突っ走った第74護衛戦隊の残存兵力13機が袋小路に追い込まれたことに気付いたとき
アズサのバイオラプターが舞い降りた
「はあ、はぁ、は―っ」
荒い息をつきながら、フェンはデススティンガーを立て直す。
「凄いな、その巨体でその動き」
回避に集中したおかげで損傷が増えることはなかったが、肝心の自分が疲労困憊という有様だった。
「褒めてくれるのは、ありがたいが…生憎、私、は、戦闘要員じゃないからね…」
「だけど、その疲労じゃ勝負は見えてるだろ。
…尻尾、よこしてくれないか?」
対して、気遣うような口調のキース。
本気で戦ってはいたが、冷酷に徹しきれないのもやはり本音らしい。
「は?」
「俺達は倒した明かしと見たこともない武装の両方を一気に手に入れられる。お前は命を拾う。
…要はそう言う事だ」
「取引、ねぇ」
息を整えながら、フェンはそれでもきっぱり言う。
「さきほどから至れり尽せりで嬉しい限りだが、お断りさせていただくよ」
自分でもこの選択は不本意だと言う感じの、少し諦観の入った口調だ。
「もう、そんな取引できる余地はない。カードは既にチェンジしてしまった」
「ちょっと待て。何を言って―」
「私は戦闘要員じゃない。参謀だ。そんなこちらが損するだけの取引に など、乗れるはずもない」
たっぷり一分ほど間をおいて、キースは答を出した。
「―じゃあ、仕方ないのか」
搾り出すような声。
「前に言わなかったかな?そもそも人間が理不尽だと」
苦渋の選択であることは、フェンにも分かる。
だが、もうそんな取引はできない。
「あーあ、俺っていつもこんな役回り」
「それは私もだ。お互い様という事にしておけ」
斬りかかるキース。
そう、取引の余地はもう存在しない。
「やはり、そう来たか…」
呟いて。
ニヤリと、笑った。
「お前さんほどの人間でも、気付かなかったか」
バイオメガラプトルの体が、真っ二つになった。
「な…」
斬り分けられた体が、別々に崩れ落ちる。
それが完全に終わるまで、アルヴィンには何が起こったのか分からなかった。
「アズサさん大丈夫でしょうか?」
「ないない心配ない」
シックなメイド服(製作は整備班のオリベ伍長だがアズサの監修によって肌の露出は極力抑えられている)に身を包み椅子に腰掛けたヘレナをモデルにヒップ中佐が絵筆を振るう
顔に似合わず中佐の趣味は油絵だったりする
当初芸術性を強調しモデルに全裸を要求したものの居合わせたアズサの鉄拳を交えた説得に最終的に中佐が折れた
ついでに右の奥歯も一本折れた
「アズサ君が前いた部隊で何と呼ばれていたか教えよう」
心配そうな表情のヘレナに語りかける中佐の目は珍しくマジだ
「狩猟者(プレデター)だよ」
789 :
739:2006/02/05(日) 00:00:11 ID:???
「ふう…」
ルディアスが帰ったのを確認し、タバコに火をつける。
「どうでした?」
図ったように、眼鏡にショートカットの部下が戻って来た。名前はリリである。
「一応概要だけは。あれ自体は何の変哲もない、ただの掘り出しもんだったよ」
「じゃあ、"研究"には結び付かなかったわけですか」
「ところがそうでもない」
紫煙を細長く吐く。
「形だけとは言え、恐竜型ゾイドが残っているのにはやはり疑問が残る」
「何か、あのカニに秘密があるんでしょうか?」
「と言うか、自然にあの二機が合体したとはどうも考えられないんだよ。
どうしても、人為的に合体させられた可能性を疑いたくなる」
「何せカニと恐竜ですものね…」
また紫煙を吐き、話を続ける。
「後は、あれを追ってたゾイドだ」
「コマンドウルフ…ですか?」
眼鏡に手をやるリリ。表情自体は変わらないが、驚いてはいるようだ。
「あの戦い方は反乱軍のそれじゃない。しっかりした組織戦になっていたし」
「そういえば、かなり手強かったですね」
「嚇かす形で追っ払ったけど、今度遭ったら通用するかどうか…」
小雨は降っていた。その中を蒼い獅子が走っていた。
獅子は、ある村を見つけると、立ち止まった。
獅子の額から、1人の青年が降りてきた。
降りた青年は、雨の中、畑仕事に精を出している男に近づいた。
「オノダ少尉ですね?」
男は青年の問いかけを無視して、畑仕事を続けている。
「俺は…ルージ・ファミロンです…」
男の手が止まった。
「オノダ「元」少尉だ…」
そう。元少尉。それはオノダと名乗る人物が、かつて・・・それも数百年、数千年も前の時代に
属していた軍隊の時の階級である。
オノダは、ルージを自分の家に案内した。
「なにをしにきた」
「謝りに来ました…あなたがここに生きていると聞いて、謝りに来ました」
ルージがそう言って頭を下げた。するとオノダは笑い出した。
「ははははは。かつての討伐軍の英雄が俺みたい男のために謝りに来た?上等だ!」
「えっ!」
「所詮、俺はな。逃げてきた男だ。そんな奴の為にお前みたいな英雄が謝ることは無い」
「でも、もし、あの時、俺たちが・・・」
「もし?歴史のifなんて無意味なことだ」
「だけど…」
オノダはかまわず話を続けた。
「風の噂によれば、今は教師をやってるそうじゃないか?だったら、知ってて損は無いぞ。
歴史にもし、なんて禁句だ。あるのは事実のみ。俺たちがディガルドに敗れて、俺が生き残った。
それだけだ。お前らとは、何の関係もない…」
「オノダさん。聞きたいことが・・・」
「なんだ?」
「逃げてきたって言いましたよね。」
オノダの顔色が変わった。
「いったい、あの時、なにがあったんですか?そもそも、あなたは…いえ、あなたたちは何者なんですか?!」
オノダは真剣な力強い口調で答えた。
「聞きたいか?いいだろう、全てを教えてやる…」
そう全てだ。たくさんの事を語る必要がある。
我々がいた世界のことを…
信頼すべき指揮官であったウィンターズ大尉のことを…
我々の盟友にして、偉大なる指導者であった「影虎のジョシュア」こと、ジョシュア・ノートンのことを…
恐るべき好敵手、ディガルド武国軍第7師団長、トレド中将と第1中隊長テルル大尉のことを…
全ては、ZAC2097年。人々が長き平和を謳歌していた時代に遡らねばならない。
私の率いる共和国軍歩兵小隊が、ゾイド部隊と連携しての盗賊殲滅作戦に参加した時だ。
792 :
739:2006/02/05(日) 08:36:50 ID:???
ペンをポケットから取り出し、受け取った紙にさっき聞いた内容を簡潔にまとめて書く。
「恐竜型ゾイドの発掘に、
見た事もない戦法を使う敵。
彼らが口々に言っていたガイロスだのゼネバスだの聞いたこともない単語…
関連性があるかはまだはっきりとは分からないが」
どっちにせよ謎だらけだな、と肩をすくめる。
「俺、変な事に関わり始めてるかな?」
「古代文明の研究って時点で変だと思いますが」
「―ま、否定はしねーよ」俺ことフィルは、一応考古学者を名乗っている身だ。
古代に関する資料がないのなら自分の手で作ってしまおう―と言う魂胆なのだが、
最近ディガルドに徴発されてしまったおかげで研究に時間が割けなくなっていた。
「で、はい。報告書一枚追加」
報告書をリリの胸板に押し付ける。
「ついでに、ルディくんがカニ見つけた辺りの地層データと、
最近反乱軍に援軍が出された形跡はないかを調べといて。
…任務放棄に関して怒られる量も、これで減るかな?」
「どうだか」
あ、去り際にため息つきやがった。
「繰り返すようで悪いが、私は戦闘要員じゃない。参謀だ。
参謀が、勝ち目のない戦いを延々続けたり、戦いの中で意味のない行動を易々ととると思うか?」
アルヴィンは、呆然と眺めていた。
地面に転がるバイオメガラプトルの残骸の傍らに立つ、ブレードライガーの姿を。
先程振り切ったきり、彼の存在をキースも、アルヴィンも忘れていた。
「…いつ、チェンジを済ませたんですか」
「お前がここに来た時。思ったより早かったから、そう遠くまでは行ってないだろうと踏んだ」
「じゃあ、初めから僕がここに来る事を想定して…?」
フェンは頷く。
「まあ、初めは当然の事ながら可能性止まりだったがね」
―と言う事は。彼女はそのために、自分達の攻撃を必死に避け続けたと言う事か。
しかし、とてもそうには見えなかった。…いや。
―フェン・シェンズ。恥ずかしながら、趣味は―
「まさか、趣味って」
「いかにも。これが戦場で手足になる者と、頭になる者の違いであり、
そして―絶対的な格の差だよ。さて…」
荷電粒子砲の銃口をアルヴィンの機体に向け、
「しばらく時間をやる。合図はしないからな」
死刑宣告のように、淡々と言った。
「んあー、極楽じゃあ〜」
湯船の中で手足を伸ばし思わずじじむさいセリフを吐く
お嬢を狙って来たゾイド部隊を待ち伏せて殲滅したアタシは戦闘後の命の洗濯を楽しんでいた
ちなみにアタシが風呂を使っているときは基地で唯一全幅の信頼が置ける強敵(と書いて「とも」と読む)ライバック料理長が完全武装で歩哨に立っている
今、ここだけはアタシの聖域だ
なんて思っていたら
「だ〜れだ」
いきなり後ろから胸を鷲掴みにされた
「お、お嬢!なんでここに!!」
「んふふ〜おっきくてやわらかーい」
しまった、コイツは昔から風呂の中で過剰なスキンシップを求めてくるヤツだった!!
メイデイ!メイデイ!このままではピンク板みたいな展開に・・・
オトリ作戦決行日。この暴挙に天罰が下ったのか、事件は起こった。
最後の打ち合わせをするため、通信を送ってきた司令官が口にした内容の恐ろしさに戦慄が走る。
「作戦に参加する陸軍が壊滅状態ですか?」
今回の作戦に参加する陸軍には、ゴジュラスやディバイソン、少数ながらもガンブラスターが配備された虎の子部隊を含んでいるという話だった。
それが壊滅?敵はどれだけの戦力を繰り出してきたというのだろうか。
まるで背中に氷柱でも入れられたような感覚を覚えながら。イーゲルは司令官に聞き返した。
「今回の作戦に参加する陸軍は精鋭揃いです。それだけの精鋭部隊が壊滅状態とは、敵はどれだけのゾイドを送り出してきたのですか?」
すると司令官は苦悩の表情を浮かべながら、搾り出すように答えた。
「いや、陸軍のゾイドはコマンドゾイドの1機すら損傷していない。だが未知の細菌に陸軍の人員の約半分が感染し、とても戦闘に耐えれるものではない状況だ。
それどころか行軍も野営地の防衛も難しい」
目の前が真っ暗になってくる。未知の地域なのに、未知の風土病が無いとは言えないことを今の今まで忘れていた。
更に追い討ちをかけるように司令官が口を動かす。
「現在医療部では抗体を完成させ、量産体制に移っているが。全患者に行き渡るにはあと数日はかかる。それでは敵が無防備なオトリ基地を破壊して今回の作戦は失敗だ。
そこで、まだ感染していない貴様の部隊だけでオトリ基地に集結した敵部隊を叩いてもらう事になった。可能な限り敵を撃破してくれ。後は貴様に一任する。以上だ」
そこで反論する間も無く通信が切られた。頭痛がするのは気のせいだろうか。
とりあえず命令を受けた以上、何もしないわけにも行かない。
しかも作戦決行日は今日で時間が無いときた。頭の中で素早く作戦を組み立て、ブリーフィングを開始した。
「本日行われる作戦は諸般の都合により我が部隊だけで行われることとなった」
隊員達にどよめきが走る。
当然だ。今回のオトリ作戦には相当な数の敵を呼び寄せている。それを我々だけで出来る限り撃破しなければなら無いのだ。
「あー静かに、静かに。確かに無茶な作戦だが、流石に一般常識と物理法則をも無視できる司令部も、我が部隊だけでどうにかできるとは思ってはいない。
あくまでも出来る限りの範囲内で対処しろとの事だ」
``出来る限りの範囲内で、、と聞き少し落ち着く隊員達。それを見て作戦を伝える。
「作戦の概要はこうだ。まず、ガブリエールとレイノスで敵部隊を空中から掃射。その隙を突いてガブリエールを降下させ敵を引き付ける。
レイノス部隊は降下地点に進入する敵の数をコントロールしてくれ。プテラスとナイトワイズはレイノスの支援をしつつ隙の出来た敵を攻撃。適当に蹴散らし撤収する。
皆、無茶はするなよ。」
作戦を聞いてすかさず隊員が意見を具申する。
「隊長!それでは隊長に負担が掛かりすぎます!」
イーゲルは笑いながら
「知らんのか?おいしいところをいただくのは隊長の特権だぞ?」
と、言い放った。隊員達から苦笑が漏れる。
「さて時間もないことだし。これより作戦を開始する!」
798 :
953:2006/02/06(月) 19:18:08 ID:???
>>774(554)氏作成のリストやっと見られた。
全く持ってよくできております。
「戻ってしまった男」という素晴らしいネーミングには感動&多謝。
名前つけんでよかった(←そういう問題じゃないだろ俺)。
あの話書きあがってみたら「「世にも奇妙な物語Ziの特別編」みたいだなあ」とか自分で思ったわけですが、
そういう雰囲気にぴったりです。
あとせっかくなので裏設定を少々。
・「〜!〜」の主人公の名前つけました。「トム・トット」です。階級は伍長。
名前の由来は糸をつむぐアレ。「名前がない」っつーのをネタにしてます。
・マイクのフルネームは「マイケル・マックイーン」。階級は一等兵。
ちなみに小柄なメガネキャラ。その手のお姉さま(及び一部のお兄様)受けのよさそうな見てくれしてます。
・キースのフルネームは「キース・ダビッドソン」。階級は兵長。
・こいつらの階級はテストパイロットにしちゃ低すぎと感じる人もいるかと思いますが、
こいつらはジェネ世界に来た際、テストパイロットの不足から臨時にそうなったので出向扱いな為です。
選抜理由は「どんなゾイドに乗ってもエース級の能力は発揮できないがどんなゾイドでも標準以上に動かせる」
という器用貧乏振りを買われて。
あとマイクにはある契約書にサインするような人間が共和国軍人多しと言えどもこいつだけだったという理由もあります。
・バリゲーターのパイロットの名前は「リート・シュメーカー」、軍を抜けたときの階級は伍長。
所属部隊は「第7002独立水陸両用ゾイド大隊(Z)第2中隊“ウォーラス”」。
名前と部隊名のZから察せられるとおり、旧ゼネバス軍関係の人です。
彼の性格や劇中の行動はこの部隊設定が大きく影響してます。
ヘレナさんの元ネタがわからん…orz
799 :
798:2006/02/06(月) 19:22:31 ID:???
>>798の名前欄ミスった… 「〜!〜」ってヤツ書いてるもんです。
結論から言うとアズサの貞操の危機を救ったのはリンチ少佐だった
冗談のような話だがゾイドを全損したにもかかわらず第74護衛戦隊の人的損失は正確にゼロだった
部下を掌握したリンチはウルトラザウルスの気象班が作成した天測図とコンパスを頼りに行軍を開始したのだ
腐ってもプロの戦争屋である彼らはゾイドを失ったくらいでは
否、ゾイドを失ったからこそ尻尾を巻いて引き下がるという選択肢は問題外なのだ
そして彼らの襲撃はこんな山奥の基地に徒歩で攻めてくる物好きはいないだろうという分遣隊の油断を完璧に衝いた
「やられたな・・・」
襲撃は突然でしかもあっという間に終わった
出し抜けの爆発音で戦闘モードに移行したアタシがお嬢をうっちゃりで投げ捨て湯上りの肌にバスタオルを巻いて走り出した時には
弾薬庫は独立記念日(どこのだよ)の花火さながら景気良くハジケまくり侵入者は格納庫のコネクテスを盗んで逃走に移っていた
追撃しようにもクロべえのハンガーにはこれみよがしに爆弾が仕掛けられている
しかも被害はそれだけに留まらなかった
「こう結論付けるのは甚だ不愉快ではあるが」
作戦室の机の上に広げられたものに目を据えヒップ中佐が言った
「ヘレナ君は連中に拉致されたと考えるしかないな」
それは引き裂かれたメイド服とまだ温もりの残る女物の下着だった
>>791 ―ZAC2097年
―中央大陸 山岳地帯
俺は、1個歩兵小隊の指揮官として、メガトプロスの砲手席に乗り込んでいた。
操縦席に乗るのは、サリサ上等兵。若いが優秀なメガトプロス乗りだ。
メガトプロスの後ろに3台のモルガが続いていた。それらは蒼く塗装され、共和国軍マーク
がつけられていた。かつてゼネバス帝国で使用されたものを共和国軍が接収して使用しているのだ。
大異変以降のゾイド不足はそれだけ深刻なのだ。
先頭のモルガには第1分隊8人と分隊付軽迫撃砲1門が載せられている。兵士達は誰もが若かった。
「少尉!オノダ少尉!」
最初の異変に気がついたのは、サリサ上等兵だった。
「あれを見てください」
サリサが指さしたのは、空に浮かぶ二つの衛星…今日はなぜか不気味に青白く輝いていた。
「なんなんだあれは…」
その時、俺たちは、その後に起きる事をまったく予想することができなかった
―共和国軍 集結点
部隊は、街道の合流点で集結する事になっていた。
「来ているのはお前らだけか?」
部隊の指揮官であるウィンターズ大尉のゴジュラスらが集結点に到着した時、そこで待っていたのは
補給物資を満載したグスタフと護衛のベアファイター2機だけであった。
「補給部隊が先行するとは何事だ!後ろからついてこいと言った筈だ!」
ゴジュラスを降りたウィンターズは、グスタフのパイロット、ホランド軍曹に怒鳴りつけた。
「そう言われましてもね。最後尾になるように進んだ筈なんですけど…いつのまにか、こんなことに…」
ホランドはなにがなんだか分からないといった表情だ。
「見ろ!集結地だ!」
俺は、思わず叫んだ。ゴジュラスが見えたからだ。青白く輝く衛星…そこから生まれる不安は、
仲間を見つけたことで吹き飛んだ。
「ん?」
その時、横の林からなにかが出てきた。
「わぁ!」
出てきたのは、大砲の代わりにクレーンを搭載し、全部にドーザを装着した工兵仕様カノントータスであった。
「バッツ少尉!」
「おぉ、すまんな」
技術将校バッツ少尉は、既に60代に突入した老兵だが、まだまだ元気そうである。
「あれは、ダブルソーダだ!」
サリサが突然叫んだ。確かに空には、戦闘飛行ゾイド、ダブルソーダが飛んでいる。
ウィンターズ大尉もこっちに気がついたようだ。彼の右腕であり、大尉と同じゴジュラス乗りのハレル少尉の機体が
やって来た。
「おい。なにをやっている!なんがあったんだ、バッツ少尉!」
「それがなぁ、突然、コンパスが狂って」
なにもかも、おかしいことだらけだ…
そして、それは起こった…
804 :
739:2006/02/07(火) 00:20:12 ID:???
「繰り返し聞くようだけど」
「うん」
「それ、カニがメインなのよね?」
「だからダークスパイナーは足扱いだって」
これで七回目だ。
俺―すなわちルディアス―がダークスパイナーのコクピットに乗っているのがどうにも不満らしい。
「顔と手と胴体があるだけの単なる足だから」
「余計なモノの多い足ですこと」
現在、俺は居候と二人暮しである。それも、つい最近からだ。
女性と二人暮しなのだから、喜んでしかるべきなのだろうけど、正直なところ心中は複雑だ。
それというのも。
「しかし、恐竜型にこんな短期間に二回も会っちまうなんてな…」
出会った時、彼女も恐竜型に乗っていたのだ。彼女いわく、名前はジェノブレイカー。
ガイロス(兵器開発企業の名前だろうか)の新型で、しかも先行試作型らしい。
外見から抱いた第一印象は、カニだった。
…いや、これはどう見たってカニバサミだろ。色もカニ連想したくなる赤さだし。
顔がきちんとしているから恐竜型で納得できたけど、そうでなかったらどうだったか。
「このあたりでは、恐竜型は珍しいの?」
しかも、発言がイマイチ現実離れしている。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
空を振り仰ぐ。声を絞り出す。どんなに手を尽くしても、失ったものは還ってこない…
806 :
739:2006/02/07(火) 00:39:55 ID:???
優雅な立ち居振る舞いからどこぞのお嬢様かとも考えられるけど、
そんなのがゾイド乗りをやっているというのも信じがたい。
ヴィルヘルミナ(ヴィーラかミーナと呼んで、との事)と言う名前は分かっているが、
それ以上の素性は聞いてもはぐらかされるため分からないままだ。
「珍しいも何も、絶滅してるはずのものなんだけど」
「あそう…」
別に不可解な事に付き纏われるのは何とも思わない。飽きないし。
でも、今回ばかりは少し毛色が違う気がしてならない。
短い期間に固まり過ぎている点でも、明らかだろう。
「はあ……」
やっぱり俺、とんでもない事に関わっちゃったかな…。
今となっては時既に遅しだけど。
「どこ行くの?」
「ちょっと寝てくる。走り通しで疲れた」
「…じゃあ、私も寝ようかな」
……はい!?
「うち、ベッド一つしかないの知ってるよね?」
「ええもちろん。だから二人で寝ましょう」
…こ、こいつは一体何を考えてるんだ!大人の男に対して何のためらいもなく「一緒に寝ましょう」って!
「……」
ああ、ゴッド。
俺は、この状況をどうとらえれば良いんでしょうか。
航空ゾイドによる地上襲撃というのは、相当に有効な攻撃手段である。
バイオゾイドに効く射撃はできないが、補給用ゾイドや物資、橋梁に施設等、破壊できる重要な目標はわんさかある。
当然、この世界に来たての頃はディガルドの連中が有効な迎撃手段を持ってなかったもんで、実質損害無しで大戦果を挙げられた。
しかし、あるディガルド側ゾイドの実戦投入でこの状況は一変する。
そう、皆さんお分かりの通りバイオラプターグイの出現のことである。
バイオラプター以上にゾイドとしての性能とパイロットの腕が共和国軍のそれとの差が大きいが、なにしろあの装甲がある。
サラマンダーやストームソーダー以外のこっちの空戦ゾイドとしては、バランスを崩させるしか手が無いわけだが、
実はこれが大きな問題を孕んでいるのである。バランスを崩させ、しかも自分がそれによってバランスを崩さないとなれば、
相手に合わせて相当細かく動かなければならない。この動きに要求される高い旋回性を確保するためには、
翼面荷重が低くなくてはならない。そしてそのためには…せっかく抱えてきた爆弾が邪魔になる。
このことへの対応として、爆装していない、護衛に回る機体を同行させるようになった。早い話がまともな運用に戻ったわけだが、
このやり方だと、飛行ゾイドの限られている現在の状況では爆撃を行う機体の数が少なくなりすぎるとかなんとかいうことを
上層部(歳食い過ぎて前線勤務はできなくなったがしつこく退役しない人達)が言い出した。
過去(つってもえらい最近なんだが)の全機爆撃というおいし過ぎる状況を忘れられないだけなんじゃねーのか言うだけ言わしとけ
と思ったが、さすがは偉大なる開発部様様である。さっそくのっかりやがりになられた。
つまりこうである。最近変化が見られるとはいえ、未だにディガルド側は索敵・通信・管制等が我々よりも大きく劣っている。
この点を衝いて、グイのいない空域を探し出してそこに素早く進出・攻撃し、奴さん達が迎撃に来る前にとっととズラかる。
こんなんどうでしょうダンナ、おおええんじゃないかのう、
んじゃこのためには管制用ゾイドの増加と情報リンクシステムが要るんで先立つもんをよろしく、ってなことだ。
そんでもうお分かりだと思うが俺等に命令だ。
「のりごこちがよさそうだねのりごこちがよさそうだねのりごこちがよさそうだねのりごこちがよさそうだねのりごこちがよさ
俺とキースは、メガネが飛んじまうもんで自分は後方警戒機銃付ダブルソーダに乗れないマイクの“電波”攻撃を受けていた。
こんなもん気休めにもならんのだが、ザ・アレにはそんなこと関係無いのである。しかも自分は尾に火器に換えて
レーダーを装備したガイサックに乗せられているという“おぞましい”事実が、“電波”を増幅している。
何故にこの機種の組み合わせか、というと、偏に見付かりにくいの一点に尽きる。
地形に隠れられる航空ゾイドだからダブルソーダー、レーダーつけた尾だけ出して他の部分は隠せるからガイサック、
こういうわけだ。辞書の「安直」の項に例として載せたいくらいだ。
ふいに“電波”攻撃がやんだ。呪術攻撃に切り替える気かと思ったらぐびぐびいう音が聞こえてきた。
しゃべり続けで喉が渇いたから水を飲んでいるだけらしい。
ガイサックは待ち伏せをよく、しかも砂漠でやるもんだから水入れ容器とエアコンがついてる。
よく知らんヤツはこのエアコンのことをうらやましいとかぬかすが、こいつはコクピットを快適にする装備などではない。
生物学的な限界を超えた温度を人間の限界を超えた温度のレベルにまで持っていくための装備なのである。
俺等の試験しているガイサックは、長時間の哨戒任務に対応するのとダブルソーダー側の分の水も供給するため、
デカい水タンクを外付けに追加している。
「あがっ」
どうも“電波”攻撃ではないようだ。
「どうした?」
「レーダーがおかしい」
俺とキースはマイクの傍に降りていった。
「なんかもう当然過ぎるよな…」
索敵範囲の広いレーダーをスペースのないガイサックに無理に詰め込むようにしたもんだから、不具合が出ないほうが超常現象だ。
見るには見たが、こんな野っぱらで修理できるもんじゃないってのがわかっただけだ。
「どうするよ帰る?」
「そうするしか…いやちょっと待て」
携帯コンロを引っ張り出してティーバッグと菓子を探す。
「野外のお茶会としゃれ込もう」
少しくらいの時間なら誤魔化せる。俺が茶とケーキバー(携帯食のメニューの一品で細長くてちょっと硬いケーキ。
開発部の唯一にして空前絶後の成功作。人類の三大発明のひとつ)の種類の組み合わせについてHAL並みの演算をしている間に、
マイクは湯を沸かし、キースは周辺警戒をしている。キースも手伝ったほうが早いんじゃないかと思われるかもしれないが、
俺とマイクには食物に対する正常な嗜好がある。ゆえに、キースに料理させるという非常事態は阻止せねばならない。
そのキースが出し抜けに叫んだ。
「敵機!」
地面に黒い影を投げかけたそいつは、冷凍ガスを吹きつけながら突風とともに駆け抜けた。そして急上昇する。
恐らく、あのグイもこっちに気付いたのはすぐ近くまで来てからで、正確な攻撃コースに乗るのが間に合わなかったのだろう。
そこで急上昇したということは… コースを修正した攻撃が来る!
「ちいッ!」
俺はダブルソーダーの操縦席に飛び込むと、ガイサックの水タンクを引き剥がした。
「キース!乗れ!」
俺は後方警戒機銃手席に滑り込む。操縦席に飛び込むキースに怒鳴る。
「あの水タンクを抱えて上昇!」
キースの動きが一瞬止まった様に感じたが、理由を聞いている暇は無いと悟ったのか、そのままダブルソーダーを始動させる。
グイがぐんぐん距離を詰めてくる。当然だ。ダブルソーダーは空飛んでるくせに地べたを走ってるマーダに抜かれるほどの
低速だ(どちらかというとマーダのほうが間違ってる気がしなくもないんだが)。だがこの速度差が―
今は武器になるかもしれない。
グイの下顎が下がる。俺たちを射程に捉え、冷凍ガスを吐こうというのだ。
「上昇!ループ!」
グイも上昇に入る。その顎が、大きく開かれていく。
「タンク!放せ!」
ダブルソーダーの陰から、タンクが現れる。俺はそれに向かって機銃を放った。
「アイスショットガン… 待てシルバークリスタルシャワー… いや白銀の散弾か…?」
マイクはさっきの攻撃の名前を考えている。
あの時、引き裂かれた水タンクから飛び出した水は、グイの吐いた冷凍ガスで無数の氷になった。
そしてそこに高速で突っ込んだグイは、あたかも散弾に頭から突っ込むような形になり外部視察用光学機器が破損、
そこをついたダブルソーダーに突き落とされ地面に叩きつけられた。
キースはへたり込んでいる。当然といえば当然だが。何やるかわかっていた俺だって相当怖かっ…
ふと、俺はあの時目の前に並べていたケーキバーが無いことに気付く。辺りを見回すと―
悲惨と絶望の見本市が広がっていた。あのときの突風に飛ばされて…、
愛しのストロベリーショートと麗しのショコラは岩に叩き付けられて潰れている。
艶やかなモンブランと清楚なシナモンは陰も形も無い。
そして…
あの、可憐な、愛くるしい、儚げな、この下界の美をその一身に集めたフルーツミックスは…
転んだマイクの下敷きになって…
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
腹の底から何かが湧き上がる。頬を熱いものが伝い落ちていく。パイン増量だったのに!パイン増量だったのにィィィィ!
夕日も沈み、星空の下、
俺が救出を待つモンブランとシナモンを探して駆け回る足音と、
マイクが攻撃の名前を考えている呟きと、
キースのもう帰ろうよぉーという懇願が、
いつまでも聞こえていた。
「打つ手無しか・・・」
作戦室は重苦しい雰囲気に包まれていた
念の入ったことにハンガーに仕掛けられていた爆弾はあからさまなダミーで本命はクロべえに仕掛けられていた
そして苦心惨憺解体してみると中に入っていたのは爆薬ではなく「おとといおいで」と書かれた紙切れ一枚
解体に当たったシーゲル技術軍曹(通称シゲさん、又はメガネ)は逆上のあまり屋根の上でバイオリンを弾いている
なぜバイオリンなのか、なぜ曲が「笑点」のOPなのかはおいといて
「かくなるうえはこちらも強硬手段をとらねばならんな」
ヒップ中佐がアタシを見据えた
猛烈にイヤな予感がする
「アズサ君、フェルミ少将とお友達だったよね?」
「ちょっと待ってください!禁ゴジュを出すのは反対です!」
「なんでだ?」
「確かに禁ゴジュを出せばギルドラゴンなど簡単に倒せてしまうでしょう… ですが…」
「もしそのあとむこうがZナイトやアニデスをつれてきたらどうするんです?」
「あーっ、そうか!強さのインフレで収集つかなくなるもんな!」
「でしょう!?旧末期は地雷ですよ地雷!!」
何の会話だw
「格の違い、か。よく言ったもんだね」
そう言うフィアスの口調は、何故かため息混じりだ。
「八割がたハッタリなのに。ねぇ」
「はぁ、ふう―ブラフをそうだと悟られないのも、技術のうちだよフィアス君」
アルヴィンが撤退して気が緩んだのか、ネーゲルは息も絶え絶えだった。
「いやいや…本当に助かったよ。心から礼を言おう。冗談抜きに死ぬかと思った」
「貸しにしておくからね」
したり顔のフィアス。余程こう言いたかったと見える。
「返せない事を保証させていただくが?」
「オレの気持ちの問題だから」
「そうか。まあ、止めはせんよ」
また大きく息を吐き、シートに体を任せながら言った。
「あー…しかもこれで終わりってわけにはいかなかったんだな…」
「何が?」
「シールドライガー、回収しないといけなかったんだった…」
「珍しいわねアズサちゃんから呼び出しがあるなんて」
私も暇じゃないんだけどーと恩着せがましくいいながら万年低血圧女がやって来た
「まあ」
そこに立ちふさがり
「まあ、まあ、まあ」
両手を胸の前に組み瞳に獅子座流星群を飛ばしながら
「素敵〜」
フェルミを華麗にスルーしてバイオプテラに駆け寄るお嬢
「ちょっとあなた・・・」
思わず声をかけたフェルミに超信地旋回で向き直る
「これ、いただくわ」
「はい?」
「おいくら?」
「な、なんなのこの娘・・・」
おお、あのフェルミが押されている
状況が許せばもっと見物していたいところだが
「お嬢」
アタシの一言でメアリーは現実に帰還した
「ご免なさい、つい・・・」
「で、何の用なワケ?」
当然フェルミの矛先はアタシに向く
「ご免、何も聞かずに力を貸してくれ」
「うそだろ…まだ立ち上がるのかよ…」
バイオラプターのパイロットが、思わず声をもらす。
既に、普通なら立ち上がることも不可能なまでにダメージを受けているはずなのに、
目の前のセイバータイガーはまるで傷を受けていないかのように何度も何度も立ち上がってくる。
「まだ、動けるな」
うわごとのように言うレオン。今までの彼なら、こうなる前に逃げ出していただろう。
その彼がここまで頑張れているのは、強くなりたいと言う強い意志と、フェンから教わった事に支えられているからだった。
「強さの基本は身技体だなんて言うけど、実際その通りなんだよね」
「そうなんですか」
「…話しがいのない奴だな君は。まあいいがね。どうせ独断と偏見が混じってるしな。
で、まず身。これは言葉通り、呼んで字の如くの強さだ。レオン君の場合はこれは既に備わっている」
「え?これで、ですか?」
「それだけあれば充分だよ。次に技。これは言い換えれば経験、慣れに因る強さだな。
これは場数踏まないとダメだし、踏みさえすれば自然と得られるから、あんまり心配しなくていい。
…くせ者は最後の心でね。他の二つと比べてかなり厄介なんだよ」
「朝日を背にして低空で侵入する!目標から1キロの地点で音楽を流すぞ!!」
「1キロって何だよ、音楽って何だよ!?!」
「言ってみただけよお」
アタシのクロべえは再びバイオプテラに抱えられて空を飛んでいた
「見えたわよ」
目的地の上空に達したバイオプテラはロールを打つと急角度の螺旋降下に移る
「タイミングはまかせるぞ」
「なんだかんだいっても体の相性はバッチリなのよね私達」
「誤解を招く表現はやめろー!!」
怒鳴った途端バイオプテラがクロべえを放す
「いってらっしゃ〜い♪」
アタシは怒りの咆哮とともにチャンプ兄弟のキャンプのど真ん中に着地した
「こんな形でお会いするなんて残念ですわお兄様」
舞台は再度アラヨット山
ラスベガスのホテルの様に微妙に間違ったオリエンタル趣味のトレーラーからお嬢の兄貴の片割れを拉致したアタシの目の前で
お嬢はスカートの下から馬鹿でかいリボルバーを引っ張り出した
「撃つなら向こうでやってねお湯に血が飛ぶから」
お前はなんでさも当然といった風情で風呂に入ってる、てかその風呂桶はどこから出した?
「憶えてます?昔お兄様がお父様のコレクションから持ち出して『こいつは44マグナムっていって人間の頭なんてスイカ同然なんだぞ』って言ってたやつですよ」
「憶えてるとも、お前の頭に載せたリンゴを撃とうとしたところを親父に見つかって僕だけ裏庭のモミの木に回転式逆さ磔にされたろう。
僕が試し撃ちに使おうとしたリンゴをお前がふざけて自分の頭に載せたのに」
ひょっとしてコイツの性格が歪んだのってお嬢のせいか?
821 :
717:2006/02/08(水) 23:41:39 ID:???
皆さんご教授有り難うございました。・・・色々と難しいですね。
自分の理由付けとしては、鉄龍騎兵団中央大陸侵攻軍本隊が、
トライアングルダラスから発生した強力な磁気嵐に巻き込まれて、ヴォルフ達を含む
本隊の一部が、ジェネシス世界へ召還されてしまい。
どうにか上陸したものの、状況が把握できず混乱していた時に、反ディガルド勢力
討伐に燃えるディガルドの大部隊と衝突。
ディガルド武国のバイオゾイドに対して鉄竜騎兵団ゾイドは相性が悪く、その
物量の前に半数を失い窮地に陥っていた所を、ルージ達、反ディガルド勢力に
助けられ。
後に、ディガルド武国の支配から人々を解放すると言った考えに自分達の信念で
ある、共和国の圧政からゼネバス領の人々解放すると言う目的と重ね合わせて共感し、
レイフォースとの軋轢が生じつつも、彼等と共にディガルド勢力との戦いに協力し
ながら中央大陸帰還の方法を模索していく。といったものでした。
自分としては、ディガルド武国との共闘は考えにくいし、共和国と戦うのなら
兎も角、反ディガルド勢力と戦う理由が見つからない。
とにかく、ディガルド武国と戦っている間、共闘はできると思ったんですけどね・・・。
ヴォルフマンセーSSにならない自信があるならひとまずは大丈夫じゃない?
ついでに
いくら話の分かるヴォルフでもきっと共和国軍とは共闘しないとおも
それこそ戦いにむなしさを覚えたジェットファルコンのバトスト後でないと無理だろうな
824 :
739:2006/02/09(木) 18:07:50 ID:???
―目覚めたら、裸だった。
奴さん、寝ている間に何か俺にしたらしい。
下着は手付かずだったので、ひとまずそっち方面の事は大丈夫のようだ。
「……」
時計を見る。三時間くらい寝ていた事が分かる。
予定を一時間ばかりオーバーしているが、まああの人なら許してくれるだろう。
「……」
鏡を見る。特に何も変化はない。
寝ている人の体(顔ではない)に落書きするいたずら、やめたのかな…?
「……」
隣を見る。ヴィーラさん、二度寝だろうか。
…きりがないので、さっさと用事を済ませてくる事にした。
「やあやあルディ君。今日も息災のようで嬉しいよ。
見た所寝起きのようだから、予定時刻を過ぎている点は不問にして、さっさと本題に入ろう」
「今日は早く切り上げたな。いつもこのくらいだと嬉しいんだけど」
「その時間を潰したのは君だぞ。全く無責任な事を言ってくれる…」
「じゃあ、これからは常に遅刻すればいいんだな。そうすれば今日を何度でも再現可能だ」
「勘弁してくれ」
ドリー・チャンプJrの話
ある日ディガルド討伐軍のキャンプにボロボロの一団が現れた
彼らはディガルドの大群と戦いゾイドを失って逃げてきた共和国軍だという
彼らの服装は確かに何度か一緒に戦った共和国軍兵士と同じものだった
討伐軍のキャンプで一泊した彼らは寝込みを襲いゾイドを奪ったうえ
討伐軍のメンバーを縛り上げてテントに放り込み火を放って逃走した
予定時間になっても合流地点に現れないため様子を見に来たレインボージャークのパイロットが
焼死寸前のところを救出したもののリーダーのボントレガーは部下の目の前であんなことやこんなことを
されまくったショックで寝込んでしまった
「という訳で調査をはじめた共和国軍に第74護衛戦隊が捕まって連中の雇い主が私だと知れるのは
商売上非常にマズイのだよ」
酷いことするな〜、おい。
スンマセン
ついムラムラと共和国陣営に問答無用で悪い奴を出したくなったもんで
できればヒゲダンスとかクックロビン音頭をやらされたということで納得していただければ
キニスルナ
リアリティが増して面白いから
マニアックなネタが多くて濃いめな味なのも好きだし
さらにドリー・チャンプJrの話
リンチ少佐とその部下の行方はいまだ掴めていない
現在テリー・チャンプが各支店を回って情報収集にあたっており
チャンプ商会の情報網を使えば共和国軍に先んじて所在を掴むことは難しくないだろう
ただ問題なのはどうやってリンチとその部下の身柄を押さえるかだった
人間性に問題はあるがそれなりに実力のあるゾイド乗りである彼らにはチャンプ兄弟の子飼いのゾイド乗りでは太刀打ちできない
「心…ですか?」
「ん。で、その厄介な点ってのがだな」
「が?」
「ヒントを何一つ与えてやれないって事だ」
「……」
「そんな眼で睨んでくれるな。事実だぞ」
「……僕は、」
弾かれ、地に転がされるセイバータイガー。それでも、彼が眼を閉じることはもうない。
「戦争は嫌いだ。闘うのも、殺し合うのも、逃げるのも、大嫌いだ」
まだ立ち上がる。その事実に、ディガルド兵は恐怖さえ感じ始めていた。
「貴女には、話したかしら?ここが未来の惑星Ziである事は」
「隊長から聞きました。未だ信じられませんが」
「…そうですか。それは良かった」
「既に聞いていた事がですか?それとも信じていない事?」
「両方です。話す手間が省けますし、まだ貴女達に希望が残っていると言う事ですから」
「希望、ですか。なまじあると知ってるだけに、つかめなくて落胆する物の典型ですね」
「そこまでひねくれる必要もなくてよ。世界に転がる事象なんて、大抵そんなものですから」
「だから賢人は死にたがる…友人の受け売りですが」
「良い友をお持ちのようね」
「色々事情は複雑ですけど、いい人ですよ」
「……分かっていますよね?この未来も、可能性の一つでしかない事は」
「もちろん。最初はあまりのショックに信じそうになりましたが」
「面白い人。ふふ、もっと言葉が要るかと思ったけど、それなら一言で大丈夫そうね」
「―貴女を、貴女達を、信じますよ。未来を担う、過去の人」
まとめとかつくらねーか?
と、言ってみるテスト
>>832 つ
>>774 彼(いや彼女かもしれんが)なら今後もフォローしてくれることだろう。
しかしこのまとめ見てて思ったんだが、帝国の人間多いな
(いやあくまでスレタイに比べるとそういう印象受けるってだけだが)。
で、ディガルドの人間かいてる人は三人だけ… むう… やはり皆本家バトストが好きってコトなのか?
あと、キャラに女っ気が少ないなあ。もしキャラの人気投票とかやったらえらい偏った結果が出そうな…
個人的な希望(妄想?)だが、キャラデできるイラストのうまい人にキャラ描いて見せてほしい
(上であんなこと書きながら俺がイラスト見てみたいキャラはゴーバック大尉と地質調査の人と
デッドライダーの人だったりする… 渋い男キャラ好っきゃねん)。
834 :
833:2006/02/10(金) 18:29:56 ID:???
すまん × ゴーバック大尉
○ レイバック大尉
素で間違えてもうた。
>>833 帰れ大尉ってw
キャラデザかぁ、良いかも知れんな
設定なら緻密なの書けるんだが、絵は無理ぽ
描いてくれる方が見つかったらいっその事このネタで合同誌とか…うわやめろきさまらなにをs(ry
836 :
833:2006/02/10(金) 19:39:43 ID:1hZTkeM9
>>835 ふふ… ファーストネームとファミリーネームがごっちゃになってしまったのさ…(ゴーディ・レイバック大尉)
まあ、彼らには無事もとの時代に帰ってほしいんだけどね(上手くもねえしフォローにもなってねえから、俺)。
合同誌か… なんかいっぱいかかれそうだなヘレナさんの十八き…うわやめろきさまらなにをs(ry
837 :
833:2006/02/10(金) 19:41:15 ID:???
すまんageちまった。
イヤ、ゴーバック大尉 イイ!!
出しちゃえ、出しちゃえ w
誤爆大尉。
いや、すまん、なんとなく言ってみたくなったんだ。
あれかい、「あれ、あの大尉の話まだ続きが書き込まれてないなあ」と思ったら
他のスレに書き込まれてたりするのかい。
それは輝いた。
それは弾けた。
それは消し去った。
それは吹き飛ばした。
そして静寂がその場を支配した。
「成功だな…」
アルフレート・ストーンは呟いた。感情の読み取れない声だった。
「そこで相談なのだがキミ達でリンチとその部下を始末してはくれないだろうか
もちろん引き受けてくれるならもうメアリーは狙わないし相応の報酬も約束しよう
特にキミとは是非個人的にお付き合いしたい、どうだろう話の続きはキミの寝室でうわらば!!」
いい加減我慢の限界に来たアタシはどさくさまぎれに手を握ってきた優男のレバーに手加減抜きの四本貫手をブチ込んだ
「どうでした、実験は」
アルフレートに共和国軍士官が話しかけてきた。
「計算通りだったよ、エバンス少尉」
もし担当外のパートの報告書に間違いが無ければね― そう付け加えるのはやめておいた。
自分の護衛を担当しているこの少年の面影を残した少尉は、当然、
この計画が機密を守るため上層部の一部しか全体を具体的には知らされていないのは承知しているからだ。
「そうですか計算通り、ですか…」
アルフレートが他の技術者や高官達と視察用の掩蔽壕から実験を観測している間、
ニック・エバンス少尉は他の護衛担当の軍人達と別の壕で待機していた。
だから、直接その瞬間を見てはいないが、アルフレートを迎えに来るとき実験場の様子は見たはずだ。
それゆえのこの口調なのだろう。
「それで…本当にあれをビッグ・ママに?」
エバンスはどの意味でウルトラザウルスのことをビッグ・ママと言ったのだろう…、アルフレートは一瞬考え込んだ。
ビッグ・ママという呼び名にはいくつかの意味が込められている。
ひとつは、船舶というのは女性形を使われるものなので、空母として使われているウルトラをその巨大さから。
ひとつは、この唯一実戦配備されているウルトラが、皆の敬愛するルイーズ・テレサ大統領の専用機だから。
そしていまひとつは―
「万が一…そう、これは万が一になんですが、もしウルトラが破壊されでもしたら、皆の精神的な支えが―」
やっぱりそうか。その意味か。
ビッグ・ママ― 祖国、故郷から、いや、いるべき時間からすら遠く離れ、
そこに戻れるかどうかさえわからない今ここにいる共和国の人間にとって、たった一つの帰るべき場所―
母なる大地。
「ああ、サイズからいってあれはサラマンダーに積むかウルトラにランチャーをつけてロケットで発射するかしか
ないわけだけど、最近の戦況じゃサラマンダーだと墜とされる危険があるから―」
嘘ではない。これも理由の一部には違いない。本質的な理由に比べればあってないようなものだが…
だが、そっちは言わなくてもいい。言う必要は無い。知ってほしくない―
「ええい、何度言ったらわかるんだあの石頭の老いぼれどもは!」
目付きの鋭い大男がデスクに拳を叩きつける。
「また却下されたのですか、少佐」
「そうだ。また同じ理由でな」
デイビット・マクドゥーガル少佐はケイン・スミス中尉のほうへ向き直った。
「現実というものを直視できとらんのだ、連中は」
デイビットはディガルドと結ぶべきだと主張している人間であった。
とはいえ、この世界での地位を得ることを期待してのことではない。
ディガルドと反ディガルド組織、このどちらと結んだほうがこの戦乱を早く終わらせられるか?
無論ディガルドのほうだろう。
ディガルドの支配が確立すれば、圧政が終わることなく続いてしまうのではないかという問題はある。
だが、それは共和国軍がその軍事力を後ろ盾にして牽制していけばいい。
「我々が元の時代に帰った後はどうするのか、だと?」
いつもこの理由で却下される。
「この期に及んで、まだそんなことを言ってるんだ!」
元の時代に帰る― ここにいる全ての共和国人の願いである。そんなことくらいデイビットにわからないはずはない。
しかし―
「だったら、その元の時代に帰れるあてはあるのかというんだ!」
手掛かりすらない。悲痛なことだが、これが現実なのである。
ならば、戻れないものと覚悟を決めてこの時代での最善を尽くすべきだ。
それがデイビットの考えであった。
「そのことでですが、少佐」
ケインが低い声で話し始めた。
「例のものが実用段階に入ったようです。実験も成功したと」
ディガルドを牽制していくためには、共和国軍が絶大な破壊をもたらせることを示すのが最も有効だ。
少なくとも、デイビットはそう考えていた。
そして、今の共和国軍が持っている兵器ではそれは不十分だとも。
「そうか、使えるようになったのか」
デイビットの眼が、どこかを睨む。
「“シヴァ”が―」
「嵐吹くとも吹雪くとも我等は進む鋼鉄の歩み♪」
骨太なオヤジの合唱をBGMに茶褐色のゾイドの群れが荒涼とした大地を行く
最後尾のコネクテスの頭部には狩りの獲物のようにボンネットにロープで括り付けられた黒髪の美女が一糸纏わぬ姿を晒している
運よく使い慣れたコマンドウルフを入手出来たリンチ少佐はご機嫌だった
発掘品のせいかFCSを中心にいくつかの機能が死んでおり満足な作戦行動が出来るのは昼間の有視界戦闘だけという体たらくだが
それでもゾイドに乗っていれば気分は無敵である
「ん?」
ふと前方に不自然な物体を見つけたリンチはモニターを望遠に切り替える
それがスクリーンに映し出された途端リンチの顎がガクンと落ちた
846 :
739:2006/02/10(金) 23:48:07 ID:???
「大丈夫ですか?やつれてますけど」
リリ、感情の感じられない声。
「しっかりしぼられたよ…やっぱ任務放棄の罪は重いね」
俺、疲れ切った声。…非常に対象的だ。
「当然です」
「―ま、否定はしねーよ」
答えながら、胸ポケットからタバコの箱を取り出す。吸わなきゃやってられない。
「話聞いてたのが、軍閥のカタブツ連中じゃなかったってのが責めてもの救いだな」
ディガルドは、現在二つに割れている。
ジーン武帝以下頭の固いお偉いさん方で構成された軍閥派と、元民間人中心の反軍閥派である。
表立った対立こそないものの、事ある毎に衝突を繰り返しており、両者の関係は険悪そのものだ。
青いライガーの存在がなかったら、とっくに内部分裂を起こしていることだろう。
ちなみに俺ことフィルは、話から分かる通り後者に属する。
「ふぅ……俺の話は置いといて。ジェットファルコンの解析、進んだ?」
「もう詰めの段階です。楽しみにしてて下さい」
お!と言う事は。
「ええ、ビンゴでしたよ」
よっしゃああぁ!
847 :
739:2006/02/11(土) 00:09:30 ID:???
「な、何やってるの?」
帰って来たら、ヴィーラさんがキラースパイナーのコクピットで何かやっていた。
悪戯かと思ったけど、どうやらそうでもないらしい。
「整備ですよ。やっぱりほったらかしはまずいですから」
「…へぇ、エネルギー配分もいじれるんだ」
「覚えておくといいですよ。損はありません」
見ると、エネルギー兵器が全て使用可能になっていた。実弾兵器は弾がないためもとより使えないが。
掘り出した段階では、どこかまずい所があったらしく武器が全く使えなかった。
武器を使う機会はないとは思う(そう信じたい)けど、やはりいざと言う時がないとは言い切れない。
それを考えると、とても有り難かった。
それにしても、彼女の職業は一体何なんだ…?
「ヴィーラさんって、普段は何やって―」
どどどどどどどど…
「地響き?」
何かが近くを走り抜ける音。音の大きさから考えて、多分大型ゾイドだろう。
と、そんな事を考えていたら、ヴィーラさんはキラースパイナーのコクピットから飛び降りて、
「え?…え?」
ジェノブレイカーに乗って、
「ちょっとちょっとちょっと!」
その音を追い掛けて行ってしまった。
キラースパイナーに乗り、俺もその後を追う。
「フーンフーンフッフーン フンフンフンフンフンフンフーン」
女が鼻歌を歌いながらシャワーを浴びていた
曲がワーグナーのマイスタージンガー第一幕なのも謎だが
場所が荒野のド真ん中というのがもっと謎だ
一応四方を天幕で囲ってはいるが縦の幅が辛うじて胸元から股下を隠すまでのサイズしかない
水滴を散らし妖しく輝く白い肌に見惚れ思考停止に陥っていたリンチ少佐は
モニターの中の女が自分に向かってウィンクしたのを見て「ジェダイの復讐」のアクバー提督の様に叫んだ
「イッツ トラップ!!」
あたりまえです、少佐。
「しつこいなぁ、もう…」
共和国軍の人達が全機突破完了したのを見計らって撤退しようとしたのだが、
さっきまで戦っていたバイオゾイドの部隊がそのまま追いすがってきた。
このままでは早晩追い付かれてしまうだろう。
武装が完全に破損している今、それは死をも意味する。
他の反乱軍の人とははぐれてしまったし、この速度で通信をしても舌を噛んでしまうので、
とにかく今は逃げるしかなかった。
しかし、傷だらけのセイバータイガーでは出せる速度もたかが知れている。
「くそ…これまでなのか…」
レオンは今、何故か海の方へと機体を走らせている。
海ではバイオゾイドは戦えないから、と言うわけではない。
何かに引き寄せられるように、自然とそちらへ逃げていたのだ。
「なんとか、もってくれよ…」
その頃、フィアスとネーゲル。
「こんなところに転送されたわけ?」
驚きの混じった口調。
「実際には、もうちょっと先だが」
シールドライガーの回収のために、ネーゲルが転送された海岸地帯の一地点へと向かっていた。
「いいなぁ君は。オレたちなんて戦域のすぐ手前だぜ?」
「いい気味だ」
「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!」
クロべえの鍵爪が目にも留まらぬ速さで振るわれコマンドウルフだったモノは17個の金属塊に分割されて地面に転がった
セバスチャンとベンジャミンのディバイソンに加えサイコロが調達したモルガキャノリーとビームトータス(「レンタル品だから傷付けるなよ」byサイコロ)も猛烈な攻撃を加える
特にモルガとトータスに乗った整備班の気合いの入りようは異常とさえいえた
「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね!」
「俺だってヤリたくてもできないヘレナさんにー!!」
「何でバルタンまで萌えキャラにしやがったああああ!!!」
何か変な電波拾ってるのもいるが・・・
連中が人質にするつもりだったヘレナさんはフェルミを囮にしている間にライバック料理長が確保している
かくして短いが激しい戦いの後第74護衛戦隊は再びアタシ達の前に敗北した
それにしてもゾイドはバラバラなのに何でコイツら全員ピンピンしてんだ?
さてどう始末するかと考えていると
「待て待て待て〜!!」
暑苦しい声を響かせて漆黒の鉄ゴリラがやって来た
「そこを動くなディガルド野郎!雷鳴のガラガ様が相手になってやる!!」
「そいつらには指一本触れさせねえ!」
そいつらってクロべえの足元でホールドアップしてる極悪人どものことか?
事情を説明してもいいけどなんか人の話を聞きそうに無いな
黒コングの後にはセイバータイガーの一団が続いている
「どうやらディガルド討伐軍がさっきの戦闘に気付いて駆けつけたみたいね〜、どうする?」
バイオプテラに乗ったフェルミが上空からお気楽に声を掛けてくる
ヘレナさんを救出した以上長居は無用だ
「みんな後退してくれ、アタシはあいつらを足止めする」
「喰らえ!」
ゴリラの放つ右フックをスウェーしてかわす
がら空きのボディーに前蹴りを叩き込もうとすると
「気をつけて!!」
ゴリラの背負った箱から飛び出したアームが死角から迫ってきた
「ぬおお!」
アームの先に並んだ鍵爪を踏み込んでかわすと首を捻ってアームに噛み付く
そのままアームを巻き込みつつゴリラに密着し
「だっしゃ!!」
払い腰で投げ捨てる
「次は鳩でも出るのかな?」
余裕綽綽を装いつつも実は冷や汗ビッショリだったりする
フェルミの警告がなかったら危なかった
「やってくれるじゃねえか」
ゆっくりとゴリラが立ち上がる
動きは緩慢だがどこにも隙がない
「後悔するぜ、俺を本気にさせたことをよ」
セリフは格闘漫画の三下だが肌に感じるプレッシャーはさっきまでとは桁違いだ
「盛り上がってるところ悪いんだけど後ろ見たほうがいいよ」
「後ろがどうしたって何い!?!」
案の定見た目共和国軍のゴロツキ共を助けようとした討伐軍のパイロットがセイバータイガーから放り出されている
「どうなってんだこりゃあー!!」
うがーっとオーバーアクションで咆えるゴリラ
何か親近感憶えるなあ
854 :
739:2006/02/12(日) 00:18:12 ID:???
「大変だ、バイオメガラプトルが奪われた!」
「誰に?」
無線機から聞こえてきた大声に顔をしかめながら応答する。
うるさいのもあるが、今の場合はゲームの邪魔をされたと言うのもプラスされている。
「それは分からない。多分討伐軍だとは思うけど…」
俺達が夜営地を構えた所から最も近い場所にある基地からメガラプトルが奪われたらしい。
いつもと違ってそれ以上の事が"何も分からない"と言うのが不可解だが、
多分緊急事態で情報が錯綜してしまっているのだろう。
「とにかく、拿捕するか破壊するかしてくれ」
「りょーかい…」
どのみち拒否権はない。
全く、グラディウスIIの一周くらいクリアさせてくれよ…
俺、まだクリスタルコアも墜としてねーぞ?
「ジェットファルコンの準備は?」
「万端です。それは良いんですが…」
「何か問題ある?」
「乗れるんですか?」
普段余り感情を表に出さないだけに、リリのこう言う心配そうな表情は新鮮な感じがする。
「…大丈夫だと思うぜ」
初めてのはずなのだが、不思議と不安はない。
初めてバイオラプターに乗った時も、こんな感じだったのを思い出した。
855 :
739:
「速い速い速い!きゃーっ!」
リリのラプターグイが飛び立った後を追ってジェットファルコンを発進させたら、
そのままリリを追い抜いてしまった。
しかもまだ加速する。
「これ、どんだけ出るの?」
「マッハ3との事ですが」
「うひゃあ」
そんなに!?F−15でも2.5止まりなのに?
レバーで制御するのも初めてだってのに、そんなスピードで動く機体を操りきれるかって話で。
「しょうがない、ちょっと落とすか…」
それにリリを置き去りにするのも悪いので、マッハ2くらいまでスピードを落とす事にした。
メガラプトルは既に捕捉が済んでいるし、速度の関係で見失う事はない。
「しかし、変ですね」
「状況が不透明過ぎる所がか?」
「ええ…」
確かにそうだ。しかも、普段なら追って連絡が来るはずなのにそれもないし、
何よりメガラプトルが奪われたと言うのに俺達以外の追撃部隊が見当たらない。
「…ま、メガラプトル潰してからゆっくり上を質せばいい話だけどな」
「潰すって…」
「ゲームの恨みは恐ろしいって事だ」