ライガーの剣に胸を貫かれたデスザウラー。
ヒルツは薄れ行く意識の中で不思議な感覚を覚えていた。
「痛くない、いや、むしろ優しく暖かい・・・この感じ、どこかで。
以前私がアンビエントと出会った時の感覚に似ている・・・
わたしの人間を憎む気持ちが争いをもたらしていたのかもしれない。
でも嬉しいよ。最後に忘れていた大切なものを思い出せて。ありがとうバン・・・」
そしてデスザウラーは崩れ落ち、惑星に平和が訪れた。
二ヵ月後。バンとレイヴンは英雄として褒め称えられていた。
レイヴンはGFの一員になり二人は軍の尊敬の的だ。
そんななかGF本部に連絡が入った。
「正体不明のホールがイヴポリスに出現!」
イヴポリス。ヒルツの生まれ故郷。そしてヒルツの眠った町。
行ってみるとゾイドイヴのあたりに光り輝く層ができていた。
また続きは後で
とうとう現実逃避の為に小説まがいのモノを書き始めたか。
しかも始めからパクりが爆発しているw
到着したバンたちはもう何が何だか理解不能だった。
「あの層は一体・・・」
ドクターディが口を開く。「まさかこの光は・・・異次元ホール!?」
「何それ?」
「異次元ホールとはゾイドイヴなどをはるかに越えた存在、この世と別の次元、空間が混ざり合っている。このホールはいわばこことむこうをつなぐ門・・・」
ディが話の続きをしようとしたとき、バンたちの元に何かが飛んできた。
赤いオーガノイド。その上に乗るのはかつてのライバル、ヒルツだった。
「お〜い、バン!」「な!お前、ひょっとしてヒルツ!?何で?死んだんじゃ・・・」
「わたしは今までの罪を思いながら死ぬ瞬間、声が聞こえた。
死んではいけないと。自分にはやり残したことがあるはずだと。
そして、気づけば私はゾイドイヴの前に立っていた。
バン、君に負けたあの日からわたしはいろいろ考えた。人間もゾイドも
愛しあうために存在するのだということを!」
再会を喜ぶヒルツ。嬉しさあまりバンに抱きつこうとしたその瞬間、ホールを突き破って何かが出てきた。ゾイドじゃない、見たことも無い怪物だ。
なんだあの大きさは。惑星以上ではないか。突然怪物が語りだした。
「わが名はイド。全宇宙の支配者。我はこの世界も抹消してくれる!」
イドの口が光り、あたりを包み込もうとしたその瞬間。
ヒルツが叫んだ。「聖龍召喚!神よ、私に力を貸してください!」
空から500メートルを越す超度級ゾイドが降臨。デスザウラー?
いや、違う。形はデスザウラーだが、色が白い。背中には輝く羽がついている。
以前の凶悪さは感じられず、暖かいものが満ち溢れていた。
「こいつはもはやデスザウラーではない!絆の化身、セイントドラゴンだ!」
「氏ね!!!!!」イドの宇宙破壊光線が降り注ぐ。絶体絶命か?
しかし、ゾイドの世界は何の被害も受けていなかった。
セイントドラゴンの羽からEシールドが展開されている。
「馬鹿な!宇宙を消す攻撃に耐えたというのか!?」
「当たり前だ。そんなもので愛を抹消することができるものか。たとえ貴様が神であっても
わが絶対守護の盾は、いかなる邪悪も跳ね返す。
破壊のみに生きる愚か者よ・・・生命の重さ、愛し合うことの尊さをかみしめよ!」
セイントドラゴンの口から巨大な光が放たれ、それはイドを一瞬で消し去った。
しかしその攻撃で宇宙どころか惑星さえも傷一つつかなかった。
「愛の光は邪悪のみを焼き、生命には希望を与える・・・」こうして惑星は救われた。
消えゆくイドを見てヒルツは過去の自分を思い出していた。
古代の戦争で友達を失った悲しみ。それゆえ人類を憎み、破滅させようとした。
その時から自分は大切なことを忘れてしまった。強さのみを求めるようになり、デスザウラーになってしまった。
でもバン、君のおかげで思い出せたよ。ありがとう。
最後にバンは一言。「主役変わってるっぽいんですけど・・・」