貴方がゾイドになったとしたら

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483あぼーん
あぼーん
484あぼーん:あぼーん
あぼーん
485あぼーん:あぼーん
あぼーん
486ナチス軍:2006/08/03(木) 22:38:13 ID:+QKDFS2O
ヒトラー総統に栄光あれ!
487名無し獣@リアルに歩行:2006/08/03(木) 23:38:22 ID:???
       ____
     /⌒  ⌒\   ング ング
   / (●)  (●)\
  /::::::⌒(__人__)⌒:::: \  チュパチュパ
  |     (   \    |   
  \_   ヽυ  ::\ /
         \  .:::\

                __
       ____     |   |
     /     \     |   |
   /          \  |υ |
  /  ⌒     ⌒  \ |___|  アイスうまいお!
  |  ::::::  (__人__) :::::  | | |、
  \              //^)(ノ
       ____

       ____
     /_ノ  ヽ、_\
   o゚((●)) ((●))゚o    
  /::::::⌒(__人__)⌒::::: \         もしかしてエロかと思った?馬鹿じゃねーのwwww
  |     |r┬-|     |    (⌒)     
  |     | |  |     |   ノ ~.レ-r┐、
  |     | |  |     |   ノ__  | .| | |
  |     | |  |     |〈 ̄   `-Lλ_レレ
  |     | |  |     |  ̄`ー‐---‐‐´
  \      `ー'´     /



488野良ラプター@5:2006/08/04(金) 23:09:01 ID:???
 夜も明け、朝日が昇り目を覚ます。しかし、今自分が居るのは自宅ではない。
もちろん布団もテレビも電話も無い、荒涼とした、惑星Ziの大地だ。
これは夢じゃない。しかし、現実でもないかもしれない。
「ある朝起きたらこんな状況でした」なんて現実的に考えて在り得るか?
しかし、そうは言っても今まさにそういう状況に陥っている。
何が原因だ?幻覚キノコでも食ったのか?ならその方がマシだ。
あぁもう最悪だ、何もかもが。せめて誰かこの状況を説明してくれ!
などと思っていると、もっと最悪な事が起こった。
何の前触れも無く目の前に何かがゴロリと落ちてきたのだ。
 「ギャア!?」
思わず叫び声を上げ飛び起きるが、他のラプター達は平然としている。
こう周囲とのギャップがあると、まるで自分が異端児のようだ。というか実質異端だが。
俺が寝ている間に何が起こった?
と、そ何かをよく見るとガイサックの頭だった。
そしてその向こうには首と何本かの脚をを切り落とされたガイサックの胴体。
まだ微妙にウゴウゴと動いている。攻撃を加えようとしたのか、
僅かにスモークディスチャージャーからは煙が漏れ出している。
更に、周囲に焦げ跡のようなものが見られることから何発か撃っていたと見て間違いない。
そして、その更に向こうに、ガイサックの部品を掴んでいるラプターが。
何となくだが得意げな表情をしているようにも見える。
どうやら、ガイサックをスクラップ同然にしたのは彼らのようだ。
しかし、何故ガイサックがここに居るんだ?
489野良ラプター@6:2006/08/04(金) 23:10:28 ID:???
野良にしては汚れも目立たないし、何よりパイロットが乗って・・・乗って?
ガイサックのコクピットを凝視すると、光の反射で見え辛いが人が乗っていることが確認できた。
キャノピーが開かないのだろうか?中で色々操作したり、手動で開けようとしているのが見える。
が、それもお構いなしに、ラプターはコクピットに更に攻撃を加えようとしているようだ。
・・・って待て、それ以上コクピット壊したら中の人が・・・
出足からスプラッターな場面には出会いたくないぞ、これはちょっとマズい!
咄嗟に後先考えずそのラプターに飛び掛る。
結果、頭から突っ込み2機とも横倒し。
ガリガリと地面を削りながら吹っ飛ぶ。
その時を狙ったかのように、ガイサックのパイロットはコクピットから逃げ出す事に成功。
惨事にならずに一安心だ・・・が、食料とかそういう問題はわからない。
そしてもう一つの問題は今目の前で横倒しになったラプター。
 「ギャー!ギィ!」
めっちゃお怒りの様子。文字通り牙を向けてこちらを威嚇している。
しかしスプラッターを見ずに済んだので良し・・・と?
ふと、何故ここに有人ガイサックが居て、更に襲ってきた理由を考えてみる。
1「現在は帝国、共和国の戦争中であり、帝国軍と見なした共和国兵が奇襲をかけた」
2「戦争は終わり、野良ゾイドの駆除として潜んでいた」
3「偶然出会ったので思わず」
あくまで仮説でしか無いが、単独で、しかも目立った武装も無かったため3番だろう。
というか、3番であってほしい。
どれにしろ、野良ゾイドの群れというのは迷惑な存在であることには変わりないだろうが・・・
490野良ラプター@7:2006/08/04(金) 23:11:46 ID:???
 などと、一人(というか1機)であーだこーだ考えていると、他のラプター達は既に歩き出していた。
こうなると置き去りにされた自分がアホのようだ。
見ろ!俺がアホのようだ!などと思いつつ、群れはまた同じ方向へ進む。
地球を基準に考えると、日の出と反対方向に進んでいるので、西へ進んでいるのだろう。
何があるかはわからないが、確実に何かに向かっている。そう確信する。




 ―歩き続けて、既に10時間は経過しているだろう。しかし風景は未だ変わらず。
ラプターも一言も喋らない、もとい鳴かないので金属と金属、金属と地面が擦れる音のみが響き、
もともと人込みは好きじゃあ無いのに、街の喧騒が恋しくなってくる。
周囲は相変わらず荒地。しかも、砂嵐が吹き荒れ視界は非常に悪い。
と、砂嵐が弱まった時、前方数百メートル(目測)先に白い壁があることを確認した。
所々屋根のようなものが確認できるので、多分町か何かだろう。
で、その町から更に何かが出て・・・何だあれは?
それを察知したのか、他のラプター達は姿勢を低くし、岩陰に隠れる。
砂嵐のせいで姿はよく見えないが、かろうじてその輪郭が浮かび上がる。
偶然周波数が合致したのか、無線が入ってくる。
 『レブラプターの群を発見、7機と見られる。』
 『ゴジュラスの敵じゃないさ、さっさと片付けよう。』
 『野良か?』
 『だろうな、そうでもなきゃこんな辺境に来るハズが無い。』
・・・影の正体はゴジュラスだ。それも、2機は居る。
 「ウゥォオ゙ォオ゙!」
ゴジュラスは物陰にも隠れずボケっと突っ立っていたこちらを発見したのか、
咆哮を上げ俺を目指して突っ込んで来た。
491野良ラプター@8:2006/08/04(金) 23:12:28 ID:???
 『1機動きのトロそうなヤツが居る。まずは・・・』
うわ、やっべ!などと思っている間にも、ヤツとの距離は縮まっていく。
多分ヤツのスピードであれば簡単に逃げることは可能だろうが・・・
他のラプター達は果敢にもゴジュラスへと立ち向かって行った。
俺が呆気に取られている間に、
ラプター達はその機敏性を生かしゴジュラスの背後へ回り、爪を食い込ませる。
体格差をあえて利用し、ゴジュラスの死角から一斉に飛び掛った。
すげぇ・・・とか思ってると自分の目の前に、いつの間にかもう1機のゴジュラスが現れる。
しかし他のラプター達は残りの1機と戦っているため手助けは無いと考えていいだろう。
つまり!ここは自分でなんとかしないと間違いなくぬっ殺される!どうする、俺!
とりあえずはまず距離を置くべきだと判断し、方向転換、全速力で走り出す。
・・・そういや関節痛治ったな。流石OSモドキ搭載機なだけあr・・・
などと余計なことを考えている最中、
注意が疎かになり足元の岩に引っかかり、見事なヘッドスライディング。地面との摩擦で火花が散る。
もちろんこのスキをゴジュラスは見逃すハズが無く、
無防備な背後から肩に背負ったゴジュラスキャノンの照準をへ向ける。
全く以って悲惨な有様だ。しかし・・・そう易々と潰されちゃあ困る!
カウンターサイズを軸に反転し、間一髪でゴジュラスの砲撃を避け、
そのまま地面を蹴り加速、他のラプターを真似てゴジュラスの背後へ回り込み・・・
爪を突き立て、同時にカウンターサイズで挟み込む。
もちろんゴジュラスだって無抵抗なわけも無く、俺を振り落とそうと暴れまわる。
しかし、爪は予想以上に深く刺さり、カウンターサイズもガッチリとゴジュラスを捕らえている。
そう簡単には落とされまい。
・・・しかし、ここから先の決め手が見当たらない。
唯一残されたのは・・・この牙<キラーファング>のみ。
正直これを使うのには抵抗がある。いくら何でも人道的に「噛み付く」ってのはちょっと・・・
・・・贅沢を言っている余裕は無いらしい。爪を突き立てたはいいが、それが次第にズレ始めている。
多分このままだと数分と持たずに振り落とされるだろう。
背に腹は替えられないとは、このことか。
もう道徳とかはどうでもいい、手段は選んでられない。
492野良ラプター@9:2006/08/04(金) 23:14:19 ID:???

 「グォァアアッ!」

咆哮を上げ、全力を込めてゴジュラスの首に噛み付く。
正直この瞬間、「なんでレブラプターには遠距離系の武装が無いんだ」とは思ったが、どうしようもない。
小型ゾイドが単独でゴジュラスに挑むなど、ハナから無謀すぎたのかもしれない。
しかし、こうなってからはもう遅い。
今は振り落とされないよう全力でしがみ付き、噛み付くしか無い。
実際は数分しか無かっただろうが、この間が何十分、何時間にも感じられる。
ゴジュラスの背中しか目に入らず、周囲の状況など確認できるハズも無い。
そして、次の瞬間。
パァン、という破裂音に続き、鈍い衝撃と共にゴジュラスは動きを止め、砂埃を上げ倒れてしまった。

 何事か一瞬理解できなかったが、その疑問はすぐに解消される。
さっきと同じように、パイルバンカーが一直線にコアを貫いていた。
チタニウム合金の装甲も、至近距離からの強烈な一撃には耐えられなかったのか。
一人で無駄な苦労をしている間、彼らはとっくに片方のゴジュラスを既に倒していたらしい。
6対1とは言え、あのサイズのヤツをどうやって捻じ伏せたのだろうか?

・・・どちらにしろ、最後まで他のラプター達の足を引きずってしまった。
そんでもって死ぬかと思った。
493野良ラプター@10:2006/08/04(金) 23:14:56 ID:???
 ゴジュラスを倒した後、ラプター達はまた歩き出した。
大型ゾイド2機を倒しておいてその場に留まるのは確かに自殺行為と言ってもいいだろうが、
色々ありすぎて正直な話歩く気力も無い。
それでも彼らは進み続けるし、それに着いていくしか無いから今はひたすら進もう。
荒地を進んでいると、少しずつ景色が変わっていく。
今までは岩と地面と砂だけだったのが、枯れ草や枯れ木が立ち並ぶ斜面になっていた。
この山を越えれば、少しは水や植物が生えているだろうか。
などと考えつつも、結局は前のラプターを追っていくだけだ。
せめて、彼らの考えがわかるならば少しは楽なんだろうけどなぁ・・・


                                   (多分続く)
494野良ラプター@11:2006/08/06(日) 00:01:28 ID:???
 斜面を登り始めてからどれくらい経っただろうか?
多少風景が変わったところで根本的には何も変わっていない。
それどころか、斜面になった事で余計に足が進まなくなる。
しかも、一歩一歩を確実に踏み込まないと岩肌ごと削れて滑ってしまう。
小さな石ころであれば砕いて歩けるけども、
ゴロゴロと転がる岩などを踏もうものならバランスを崩して横転するだろう。
標高が上がるとともに、横風は強くなり、足場は更に不安定なものになる。
そしてラプター達はやっぱり何を考えてるのかわからない。

・・・それでも、ついに山頂に到着した。
しかし足場は不安定で、足を踏み外せばすぐにでも転がり落ちそうだ。
と、小石が前からイレギュラーなバウンドを起こして落ちてくる。
どうやら前を歩くラプターが崩したのが転がってきたものらしい。
ちょいと!もうちょい足元見て歩けこの・・・

前を見ると前に居るヤツの乗る一枚岩にヒビが入っているのが見えた。
もちろんそのすぐ後を歩いている俺はそのヒビ入り一枚岩に乗っているわけで・・・
そんでもってそのヒビは更に広がっているということで・・・
つまりもうじき真っ二つに


一瞬身体が宙に浮いたかと思ったら、次の瞬間地面に叩きつけられ、
その直後に視界は暗転し―
495野良ラプター@12:2006/08/06(日) 00:02:17 ID:???



             <システムフリーズ>


496野良ラプター@13:2006/08/06(日) 00:03:06 ID:???
 『おい、起きろよ。』
 『死んだか?』
 『いや大丈夫だろ。』 「ボロボロだな。』
 『どちらにしろ置き去りにはできないぞ。』
 『あんまり遅れたくないんだけど。』
話し声が聞こえる。人が居るところにでも落ちたのだろうか?
いつのまにかもう夜か、周囲は真っ暗で何も見えない。
 『頭から嵌ってるな。』
 『蹴ってみるか。』
え?嵌る?蹴るって? ・・・あ、なるほどこれは嵌ってるわ。動けない。
転落する最中、どうやら岩の裂け目に頭から嵌ったらしい。道理で真っ暗なわけだ。
脚を振り回したりしても左右にぶれるだけで全く抜ける様子は無い。
と、嵌っている途中で強烈な衝撃が襲う。
胴体のあたりが何かで叩かれているような感じだが・・・
 『とりあえず蹴って抜けなかったら考え直そうか。』
 『そうだな・・・お、だいぶ隙間が出来てるぞ。』 『なんかこうやってるとストレス発散できるな。』
おもいっきり蹴られているらしい。
脳があったら多分今頃脳震盪か何か起こしているんじゃないか?
そんでもって蹴ってるのは誰だ?
 『抜けねー。もうちょい強く蹴ってもいいよな?』 『壊れない程度にな。』
え、ちょっ・・・ギャー!折れる!骨折れる!
もともと外骨格生物であるため骨など無いことはさておき、
ノってきたのか蹴るテンポと強さがだんだんと上がって来ている。
その所為か、なんとかようやく抜けかかる・・・が。
 『あー、そろそろ抜けるな。』
というのが聞こえるとほぼ同時に、岩に挟まっていた身体は横に倒れるように穴から抜け出した。
 『あ。』
抜け出したが、斜面だったためもう一度転がるハメに。何だこのギャグ漫画的な展開は。
転がりながら何度か身体を打ち、次第に意識が朦朧としてくる。

そして2度目のシステムフリーズ。
497野良ラプター@14:2006/08/06(日) 00:03:59 ID:???
 ―目覚めると、いつのまにか山の麓まで下りていた。
下りていた、というより転がり続けてここまで到着した、と言うべきか。
そういや道中俺を蹴ったヤツは・・・ラプターしか居ないよな?
じゃああの会話は誰の声だったんだろうか。まさかラプター達の?
他のラプター達の様子を伺うが、喋るどころか鳴き声一つ上げない。
別に誰かが居たんだろうか?それとも夢でも見てたのか・・・
まぁいい、とりあえず山を降りれたから。
景色は山頂とは全く違ったもので、足元は雑草だらけ。

 そんでもって、基地らしきものがちょっと先に見えた。
入り口にはレッドホーンが鎮座していて、警備兵も居るようだ。
そしてさっきまで横に居たラプター達が居なくなっていることに気付く。
・・・いつのまにか基地の目の前に集まっていた。
追い返されるかと思ったら、軍人らしき数人が足元に立って何か話している。
 「もしかしてコイツら・・・」
 「山を越えてきたんだな。」
 「よく戻ってきた!」
もしかしてラプター達のパイロットなのだろうか?
乗り捨てられたにも関わらず、パイロットを探しにここまで来た・・・と?
すると、今度はこちらに一人の兵士が歩いて来る。
 「やたらボロボロだけど、帰ってきてくれたんだな。」
・・・どうやら、俺のパイロットだったらしい。
何か理由があって乗り捨てなきゃいけなかったのか?・・・いや、もう探る必要は無いか。
今後は落ちたり蹴られたり転がったりすることは無いって事だろう。
よくわからんけど・・・今はそれだけで十分だ。



<終わり>
498あぼーん:あぼーん
あぼーん
499名無し獣@リアルに歩行:2006/08/06(日) 03:43:18 ID:JcOXuMhJ
>>497
レブラプターたちは相棒のところに帰る途中だった訳だね。
軍属だったってことは、ゴジュラス相手に見せた戦法なんかは軍事行動で学習したってことかな?

GJ & お疲れ様。
500499:2006/08/06(日) 03:44:51 ID:???
すまん。まじですまん。うっかりageてしまった…
501名無し獣@リアルに歩行:2006/08/06(日) 03:46:01 ID:JcOXuMhJ
我らのことを温和だと 口を揃えて人は言う
砲火を潜れぬ臆病で 輜重の他には使えぬと 人は我らをそうみなす
しかし我らの為すことを
火砲の 機関の 乞うものを 戦場にまで運び込み 破壊と流血呼ぶことを
多くは無い糧運び込み 飢えたるものを戦場に 留めておいていることを
傷つきしものが癒えたなら ふたたび傷つく戦場に すぐさま連れて行くことを
人も 知らぬであるまいに
人が我らの心根を 問うてみようとせぬならば
我らがあえて言わぬとて いかなる罪もあるものか
たとえ我らがおらぬとて 諍い好むやつばらは
他の手管を見つけ出し 毫も変わらぬそのはずよ
あわれなものよ 知らぬとは
あわれなものよ 愚かとは
502あぼーん:あぼーん
あぼーん
503501:2006/08/06(日) 03:55:51 ID:???
まず謝ります。すみません。
なんか書き込むたんびにメール欄が空になってたのを気付かず2度も上げてしまいました。
いつもの癖で「sage」と入ってるもんだと思い込んでました。

それから>>501は何のことだかわかりにくいと思いますがグスタフファンの方ごめんなさい。
「全然そうは見えないヤツが実は相当腹黒い」っての個人的に好きなのと、
変なもの書きたがる性分で書いてしまいました。
別に私はグスタフに対して悪い感情は持ってないです。
「第二次世界大戦で連合国でもっとも有用だった兵器」にジープが入ってたりすることから、
実は補給用機器ってこういう側面もあるんじゃないか?と思いまして。
504名無し獣@リアルに歩行:2006/08/09(水) 23:05:51 ID:???
知らない内にSS増えてる〜GJ
505あぼーん:あぼーん
あぼーん
506電気遊戯 @1:2006/08/18(金) 16:15:00 ID:???
情け容赦なく降り注ぎ敵を粉砕する17連突撃砲。
超重装甲をも貫きいかなる障害をも突破する超硬角。
強力な砲撃をも防ぎ突撃を支える重装甲。
それを備えた重砲撃突撃ゾイドがおれ達ディバイソンだ。
ガイロスの連中を西方大陸から追い落とす決め手の増援ゾイドの一つにディバイソンが選ばれ(当然だ)、
そしてその中の一体がこのおれだ。

…の、はずなんだが…


507電気遊戯 @2:2006/08/18(金) 16:16:17 ID:???
気がついたらおれはレッドホーンになっていた。

いやいやいやいや、わかるわかる。信じられないよな。おれだってそうだ。
でも事実は事実なんだから仕方ない。
しっかし、なんか「おれ」ちょっと違くないか?
おれは「実戦処女」で、実物のガイロスのゾイドは模擬戦の相手の鹵獲されたヤツを何度か見たことがあるだけだ。
でも、なんか「おれ」はレッドホーンとちょっと違う気がする。
レッドホーンは確かに重装備なゾイドだけんども、
こんなデカい砲(何となくビーム系っぽい)やらミサイルやら積んでたっけ?
それに何となく形がカクカクしてるような感じがする。
相当動転してるな、おれ。
ちょっとした形の違いなんてどうでもいいことこんな状況で気にしてるなんて。
気にするべきはあっちの方なんだ。
508電気遊戯 @3:2006/08/18(金) 16:17:42 ID:???
ジェノザウラーがいる。
それも近くに。

なんか改造機体らしい。
バカデカい盾(?)を体の両脇につけている。
頭の形もデータで見たヤツとなんか違う。
あと赤い。
ヤバい状況なわけだが、「おれ」は今レッドホーンだからな。
ホントはディバイソンだってバレたらヤバいが、まあそれは心配しなくていいだろう。
それに恐らくはあいつからの通信ウィンドウが開いてるし。
…相手の顔の映像付とは、ガイロスゾイドは豪勢なもん積んでんな。
509電気遊戯 @4:2006/08/18(金) 16:19:45 ID:???
ぼんやりそんなことを考えてたら、いきなり横っ飛びの回避機動を取らされた。
な、なにしてんだ!?と思ったら、それが正しい行動だったことが否応なしにすぐ解った。
ジェノザウラーが撃ってきていたんである。
なななな、なんでだ!?
「おれ」はレッドホーンで、つまりガイロスゾイドなわけで、
んでもってあいつはジェノザウラーであって、ジェノザウラーはガイロスゾイドなわけであって、
それはつまり「おれ」とあいつは味方であることを意味してるわけで、
それにあいつからの通信ウィンドウが開いているんであって、
なんてことが頭の中でぐるぐる回ってるが、今問題にすべきなのはそんなことではない。
ジェノザウラーの圧倒的な戦闘能力が問題なのだ。
データを見る限り、「おれ」(レッドホーン)にどうにかできる相手ではない。
というより瞬殺されなきゃ御の字である。
とにかく死にたかぁない。
避けまくりまがら周りを見回して逃げる先を探すが、
どういうわけだがおれはいま断崖に囲まれた円形の遺跡みたいなところにいるようなのである。
落ちてもやっぱり命はないっぽい。
…じゃ「おれ」とあいつはどうやってここに来たんだ?
パラシュートらしいものは見えないから投下されたんじゃないよな。
ガイロスだからレドラーに(ホエールカイザーが降りられるスペースはなさそうだし)
吊り下げられて来てここに降ろされたんだろうか?

なんで?

510電気遊戯 @5:2006/08/18(金) 16:21:17 ID:???
そんなことはどうでもいいんだった。とにかく死なないことが先だ。
死にたくないのはおれに乗ってるヤツも同じらしく(生きもんである以上当然な訳だが)、
メッタヤタラに撃ちまくる。
でもジェノザウラーには当たらないんじゃないのかと思ったら、そこそこは当たっているようだ。
なんかミサイルは異常なまでに曲がるし。
しかしおれにはそれ以上にぶち当たっているわけで、相当やばくなっている。
自分の体力がなくなっていくのが自分ではっきりとわかる。
こんな目に会うのは生まれて初めてだが、こういうものなのか。
こんな状況になると、かえって冷静になるものなのか。
相手のパイロットがなんかいろいろしゃべっているのが聞こえる。よくしゃべるヤツだ。
攻撃してきてるんだから、ヤツは「おれ」(もしくはおれに乗ってるヤツ)のことを敵だと思ってるんだろうが、
わざわざ敵だと思ってるヤツに通信入れてまで言うにしちゃあ意味のない発言が多い。
「動くな」とか「ゾイドの使い方を知らない」とか言ってる。
挙句の果てには「荷電粒子砲だ!」とのたまった。
フェイントのつもりかと思ったら、ホントに撃っている。
なに考えてんだ?裏の裏を読んだつもりなのか?あんま意味ないよなあ。
しかしヤツの間抜けのお陰かどうかは置いといて苛電粒子砲には当たっていないが、他の攻撃が当り倒している。
驚いたのは盾の裏側からバカデカい鋏を出して斬り付けてきたことだ。あんなのあるんかい!
とにかくヤバい、おれは相当弱ってきている。
自分でもはっきりわかるほどに体力がガタ落ちになっているのに動きが変わらないのが不思議だが、
これが火事場の馬鹿力とか言うヤツか?
しかしかわし切れないことに違いはない。
次々と攻撃が飛んでくる。もうだめだ…
自分の体が崩れ落ちていくのを、おれは消えていく意識の中で感じていた。

511電気遊戯 @6:2006/08/18(金) 16:23:22 ID:???
これから言うことを聞いておれが狂ったとか思わないで欲しいのだが
(そう思われても仕方ない発言なのは重々承知の上だが)…

おれ今さっき死ななかったっけ?

確か死んだと思ったんだけど… 生きてんだよなあ。しかもかなり元気。
気がついてみりゃあミサイルが搭載可能数いっぱいになっている。
これも確かおれに乗ってるヤツが残り四分の一切るくらいまで撃っちゃってたんじゃなかったっけ?
陰も形も見当たらないけど、補給部隊が「おれ」を直して弾薬の補給もしてくれたってことか?
死んだと思ったけど実は気を失ってただけで、気を失ってたからほんの少ししか時間がたってないように感じただけで、
実際にはそれだけ長い時間がたってたってことか?
でも周り見るとさっきと同じとこなんだよな…
こんなところで修理と補給したのか、それともわざわざまた運んできたのか?
どっちかわかんねーけど、どっちにしてもわけわかんねーことするなあ。
そう思いつつまた周り見てたら、とんでもないものが目に入った!
512電気遊戯 @7:2006/08/18(金) 16:25:04 ID:???
改造ジェノザウラーがまだいる!

一瞬さっきのヤツの同型機かとも思ったが、
相変わらず開かれっぱなしの通信ウィンドウにはさっきのパイロットが映っている。

はい、おんなじヤツですね。

こいつはいままでなにしてたんだ?
倒した敵が修理(または回収)されるのを黙って見てたのか?
それともどっか行ってまた戻ってきた(ってゆーか、連れてこられた)のか?

なんで?
513電気遊戯 @8:2006/08/18(金) 16:27:05 ID:???
とにかくヤツがいる以上は仕方がない。逃げられないことはもうわかってるし戦うしかない。
撃ちまくる。ヤツも撃ってくる。「おれ」に乗ってるヤツはなんかコツみたいなのつかんだらしく、結構かわす。
こっちの攻撃は割と当ってるんだが、時々倒れはするものの、ヤツに損傷や破損をした箇所は見当たらない。
それに動きも悪くならない。
もんのスゲェ装甲と撃たれ強さだ!
…と思って絶望がコンニチハしようとしていたら、ヤツが突然崩れ落ちた。

死んじゃったっぽい。

なんで!?

いや、元気でこっちを攻撃し続けてくれちゃったりしてたらモノすごい困るわけだけど、
全然壊れてなかったしエラいぴんぴんしてたやん?
なに?やせ我慢だったん?
…とかあっけにとられてたら、いつのまにか最初に立っていた位置に立っていた。
何が起こった!?とびっくりしたのも一瞬、おれはさらにびっくりすることになった。
514電気遊戯 @9:2006/08/18(金) 16:29:13 ID:???
ヤツが立っている。何事もなかったかのように。

通信ウィンドウにあのおしゃべりさんが映っているところを見ると、同型の別機体ではないようだ。

死んだフリしてたのか!?何のために!?
いやそれともいつの間にか生き返ったのか!?
そんなナゾの蘇生がさっきおれにも起こったんだとすれば、おれが生き返った(?)時のやつの反応も理解できる
(もっとずっと根本的に激烈に理解できない事態が起こったことになるが)。
それに気付いてみればいつの間にかまたミサイルが搭載可能数いっぱいになっている!
んっなっ!?いつ誰が補給した!?
しかしそんなこと気にしている時間は与えてもらえなかった。
ヤツは撃ってくる、こっちも回避しつつ応戦する。
今度はあっちの方がコツをつかんだのか、なかなか当らない。それに射撃も正確になっているようだ。

じりじりとした攻防が続き、おれは焦ってきた。それは乗ってるヤツも同じだったらしい。
直線的にヤツに突っ込んだ。クラッシャーホーンでド突くつもりだろう、それが決まればさすがにヤツでも、と、その時、「荷電粒子砲だ!」
しまった!!これじゃかわせん!!
おれは破滅の光条に突っ込んでいく。
終わりだ… と思ったおれの目に、信じられない光景が飛び込んできた
(いや、レッドホーンになっちゃってっから信じられる光景なんかずっと目にしてないけどさ…)。
515電気遊戯 @10:2006/08/18(金) 16:30:36 ID:???
ヤツが崩れ落ちた。

死んじゃったっぽい(2回目)。

なんでぇぇぇえええええ!?
いや、死んじゃうんならおれの方だと思うんですけど!?
おれ確か荷電粒子砲喰らったはずなんですけど!?
やつはスゲェぴんぴんしてたんですけど!?
えええ、なになになに!?
それに考えてみればジェノザウラーに「おれ」(レッドホーン)が勝てるってのがおかしいんですけど!?
もしかして「おれ」ってレッドホーンに似てるだけで実はガイロスの新型!?
レッドホーンとなんか微妙に見た目違うし!
思い返してみれば走ってる途中いきなりスライディングして相手のほう向き直ったりとかして
スゲェ運動性能だったし!
それとも情報部の連中がジェノザウラーのデータ間違ってる!?
ジェノザウラーって確認された数少ないらしいし。
あるいはヤツは共和国が研究かなんかのために作った見た目ジェノザウラーみたいなゾイドで、
本物のジェノザウラーとは比べ物にならないくらい弱かった!?
形とか違うし!
だとしたらガイロスゾイドである「おれ」を攻撃してきたのもわかるんだが。
いずれにしても報告しないといけないよな。ちゃんとデータ残ってるかなあ…

いやいやいや、そんなこと気にしてる場合じゃない!
またヤツが生き返る(もしくは死んだフリしてるのをやめる…何のためにそんなことしてんだって話になるが)
かもしれないじゃないか!
ヤツに当てた攻撃から考えてむしろさっきより今回の方がその可能性は高いくr
516506-515:2006/08/18(金) 16:34:33 ID:???
とりあえず今回の書き込みはここまでです。残りは後日書き込みます(多分)。
一発ネタを続き書き込みにしてどーすんだって気が自分でもしますが。
517電気遊戯 @11:2006/08/21(月) 02:00:57 ID:???
話を再開する前に言っておくッ!
おれは今この世界の不思議をまた一つ体験した
い…いや…体験したというよりはまったく理解を超えていたのだが……

あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!

『おれは外界と隔絶された遺跡にいたと
 思ったらいつのまにか断崖絶壁に囲まれた砂漠にいた』

な… 何を言ってるのか わからねーと思うが     
おれも何が起こったのかわからなかった…

頭がどうにかなりそうだった…

ジャミングだとか超スピード輸送だとか
そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ 

もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…

何が起こった!?これが音に聞くデッドボーダーやオルディオスがやったという時空移動か!?
いや、待て、ヤツはどうした!?ついて来てるなんてことは…
とっさに周りを見回すが、良かったことに改造ジェノザウラーの姿は見当たらなかった。
しかし悪かったことに、違うゾイドの姿が目に入った。
518電気遊戯 @12:2006/08/21(月) 02:02:28 ID:???
ディバイソンがいる。
近くに。

この距離、しかも視線を遮るものはない(すぐ脇にデカい岩があるが、不幸にしてその陰から出てしまっている)。
確実におれに気付いてるはずだ。
おれが実は共和国軍に鹵獲使用されてるレッドホーンで、だからさっきの改造ジェのザウラーが攻撃してきたんで、
共和国ゾイドであるディバイソンとは戦わなくていい…とかだったらいいな…
そんな願望とも妄想ともつかないことがおれの頭をかすめた。が…

はい、申し訳ございません。わたくしが甘うございました。世の中そんなに都合よく出来てるはずがございませんね。

撃たれております。

いや、「おれ」はガイロスゾイドだけどおれは共和国ゾイドで、だから共和国ゾイドとは敵なんだけど味方で、

あーもう、なに考えてんだか自分でもさっぱりわからん!

とにかくっ!

おれと同じ(はずの)ディバイソンとは戦いたくない!

だが、俺たちを囲い込む断崖絶壁には全く切れ目がない。
逃げるのは不可能だ。
相手のパイロットとナシつけるのは多分もっと不可能だ。
わざわざ回線開いといて「うぉぉぉ!」だの「撃て!」だの「うお!」だのしか言わないヤツ相手に会話が成り立つ確率は
ガリウスがキングゴジュラスに勝利する確率より低いだろう。
戦うしかないようだ。おれは自分にそう言い聞かせた。
もっとも、俺が戦いたくない理由は自分と同じ(はずなんだよなあ…)ゾイドと戦いたくないという
センチメートルなモンだけじゃない。ある意味、こっちの理由の方が重大なんである。
519電気遊戯 @13:2006/08/21(月) 02:07:26 ID:???
やられる可能性が高いのだ。

おれがディバイソン(のはずだよね…?)だから言う訳じゃないが、
ディバイソンはレッドホーンに対して完全に優位に立っている。
情報部はそう分析しているし、鹵獲レッドホーンを使用した模擬戦でもそれを裏付ける結果が出ている。
何しろ開発年度とその背景が違うのだ。むしろそうでなかったとしたらそっちの方がおかしい。
現に、こっちの攻撃が当っているにもかかわらず、ヤツにはダメージが見受けられない。
時々倒れはするものの、ヤツに損傷や破損をした箇所は見当たらないのだ。
それに動きも悪くならない。

………………………………………………………
……確かさっきもこんなことなかったか……?

それに気付いたか気付かないかの瞬間、その「さっき」にも起きた不思議現象が再びおれの目の前で起こった。

ディバイソンが崩れ落ちた。

もうこれくらいでいちいち驚くほどおれも暇じゃないが、
やっぱり「おれ」ホントはレッドホーンにはただ似てるだけの強え新型じゃないんか?

そこでおれは「さっき」にも起こったある意味こんなことどうでも良くなるくらいのトンデモないことを思い出した。
もしかしたらまた…!
520電気遊戯 @14:2006/08/21(月) 02:08:49 ID:???
そのもしかしたらだった。
いつの間にか、ディバイソンは何事もなかったかのように立っていた。
もちろん通信ウィンドウにはあの熱血くんが映っている。

はい、まだ戦わなきゃならないわけですね。
戦いますよ、戦えばいいんでしょうよ。
やってやりますよ、ぼかぁ。
…ふーん、またダメージもないのに死ぬんですかぁ。
それでまた生き返るんですかぁ。
ええ、わかってますよ。また戦えばいいんでしょう。
お気に召さないかも知れませんがね、さっきより回数が増えただけですからね、こんなことじゃもう驚かないわけですよ。
ほらまたなんか熱血くんがわけわからないこと言うみたいですがね、もうn

「メガロマックス、ファイヤー!」

び ー む で て る ―――――――――― っっっっつつつつ! ! ! ! ! ! !

いやいやいやいやまてまてまてまてええええええ!!!!????
なんすかあのビックリドッキリビームは!?
おれの記憶が確かならディバイソンは
(本来自分と同じ機体である相手についての発言で、記憶が確かなら、ってのもどうかと思うが)
あんなゴンブトビーム撃てないはずなんですけど!?
あれ改造機体!?
もしかしたらディバイソンにはただ似てるだけの新型!?
やっぱりあいつもなんかカクカクしてるし!
それともあれは「体中の気を集中して」的な何か!?
なにあいつ何か極めてらっしゃる!?

パニクリまくりのおれをよそにあいつはまた崩れ落ちた。なんなんだろうな。
521電気遊戯 @15:2006/08/21(月) 02:12:03 ID:???
突然、辺りが暗くなった。
いや、また空間移動したのだ。
薄暗い遺跡か秘密基地の内部のようなところへ。
そして、その場の中心、おれの目の前には…

で で っ で っ で っ で で で で で 、 で す ざ う ら ー だ あ ! ! ! ! ! ! ! !

やばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばいやばい!!!!!!
逃げ…

荷 電 粒 子 砲 だ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ あ ! ! ! ! ! !

うわおい、なんで接近する!? …ああ、荷電粒子砲がおれの頭上を飛び越していく、そういうことね。
よし、ヤツが撃ち終わった!さあ逃g
522電気遊戯 @16:2006/08/21(月) 02:13:24 ID:???
うん、おれも何事にも逃げずに向かってゆく勇気はすごく素晴らしいものだと思う。

でもね、デスザウラー相手にそれを発揮しちゃあいけないじゃん!!
それもよりによっておれに乗ってるときに!!
なに撃ってるのさ!!
ああまた荷電粒子砲が!!!避け切れn

…荷電粒子砲ってこんなに威力低かったっけか?

いや、自分が体力的にかなりやばくなってるのを差し置いて
あの「荷電粒子砲」が絶対的な意味で威力が低いなんて言うつもりはない。
凄まじい威力だ。それは認めざるを得ない。
だが、そんなことは百も承知だし、
生まれてこの方これ以前に荷電粒子砲なんて喰らったことがあるどころかホンマモンを見たことすらないし、
それに何より本っっ当にありがたいことに命があるのにこんなことを言うのはなんなんだが、
確かデスザウラーの荷電粒子砲って
おれ(この場合ディバイソンだとしてもレッドホーンだとしても同じことになる)が喰らったら
跡形もなく消え去っちまうほどの威力があるもんのはずじゃなかったのか?
ガイロスの連中のデスザウラー復活計画がうまくいってないってことの一つの証拠なのか?
それともやっぱり「おれ」、レッドホーンそっくりのでたらめ強力ゾイドなのかなあ。

しかしどの道やばい状況なのには変わりがないわけで、デスザウラーからの攻撃でおれはさらに弱っていく。
まずい、意識が遠のいてきた。いやだ、死にたくない。
なにかいろいろ昔のことが浮かんできた。
あれ、河の向こうで誰かが呼んでいる。
何故か知らんが、あっちに行ったら楽になれるということが確信的にわかる。

あっちに行こうかな…


523電気遊戯 @17:2006/08/21(月) 02:14:42 ID:???
あ ー っ 、 や ば か っ た ! ! ! ! !

なんか二回くらい死んじまったぜ!
うち二回目は柄にもなく悟りだか解脱だかっぽいものを得そうになったしな!!
まあいっか!
あれは夢だったんだし、今おれはちゃんとディバイソンなんだしな!
おっ、なんか敵が目の前にやってきたぜ!
イグアンか!
ちょいとばかし急だったもんで、一発喰らっちまったが、
このおれ(聞いて驚け、おれはディバイソン様だ!)の装甲だ、大したこたねーぜ!
よし反撃だ!
超硬角だあ、喰らえやあ!
…ふん、くたばんなかったか。そこそこは骨のあるヤツのようだな。だが、止めw
…待て、なぜまた仕切りなおす?
そしてなぜ相手が攻撃を出すのを黙って見ている?
…そう言えば今までディバイソンに戻れたもんで興奮しちまって気がついていなかったが、
おれさっきまでなっていたレッドホーンやさっき戦ったディバイソン以上にカクカクしてないか?

…もしかして、おれはまだ…



524506-523:2006/08/21(月) 02:28:21 ID:???
終わりました。変なもん書いてすみません。   



個人的にゲームのHPを減らしていくってのがなんか腑に落ちません。
その原理で行けばガードの上からジャブ当て続けてKO取れることになるだろーって。
別にパンフロ好きだから言ってるわけじゃありませんけどね。
そこらへんの納得で鬼無里を込めて書いてみました。
ちなみに想定してるのは∞とPSゾイド、
途中の対ディバイソン戦はCPU戦の途中で乱入されたってことにしてます、わかりにくくてすみません。
調べてみたんだけど、CPU戦で
ジェノ(ザウラーでもブレイカーでも可)→トーマディバイソン→デスザウラー
って繋がることないみたいだったんだよなあ。
∞ほとんどやったことないからもしかしたらあるのかも知れんけど。
525名無し獣@リアルに歩行:2006/08/23(水) 18:17:01 ID:???
>>524
乙。いつの間にか更新してるんで驚きました。
521あたりでデスが出て「あれ、この順番は?」と私が思ったのは、ゾイドカードコロシアム。
ゲーム舞台というのは斬新な発想ですね。文章も面白かった。
そうそう、レッドホーンの横っ跳び回避、ちょっとかわいいんだよねw
526506-523:2006/08/24(木) 00:46:24 ID:???
>>525
どうもです!

>ゾイドカードコロシアム。
実は俺これやったことないんですよね。近くにないし…
ブレードさんカードを使うと凱龍輝が凱龍輝デストロイになるって知ったとき、
「ブレードさんスピードにばっかなっててデストロイには一回しかなったことないやん」
って脳内ツッコミ入れたのは俺だけじゃないはずだ。

>そうそう、レッドホーンの横っ跳び回避、ちょっとかわいいんだよねw
ゲームのゾイドってかわいいのありますよね。PSゾイドのグライドラーの羽ばたきとか。
「これはひょっとしてかわいさで敵に戸惑いを生み出す高度な戦術か!?」
とか思うくらいに。
実はあのゲームでサイカーチスとダブルソーダの死に様が結構お気に入りだったり。
「虫の死に方だ〜」って。
527空と光と @1:2006/08/26(土) 00:39:38 ID:???
風を捕まえ、風に乗り、舞い上がる。
大地は遠ざかり、高みに至る。
ここから見る世界は、いつも美しい。
哀しいほどに。
あの下界から自由になれないことをより強く心に刻み付けられる…

528空と光と @2:2006/08/26(土) 21:44:28 ID:???
「流星になれないレドラー」
周りの奴等は俺をこう呼ぶ。
529空と光と @3:2006/08/26(土) 21:46:18 ID:???
俺達レドラーは、共和国のレイノスに最高速度でも運動性でも劣る。
しかし俺達の武装は格闘装備だけだから、文字通りの意味で相手に追い着かなければ損害を与えられない。
そこで、自分たちより最高速度で勝る相手に追い着くために、ダッシュ性能の差を活かした一撃離脱戦法が採られる。
レイノスの最高速度は俺達のそれより上とはいえ、それはアフターバーナーを使用して初めて得られるものである。
アフターバーナーはその燃料を激しく消費する。
しかもゾイドの燃料―俺達にとっては餌という感覚だ―とは異なる系統のものであるので、
補給面での融通が利かず、また生産上の観点からも手軽に手に入れられるものというわけではない。
このため、通常アフターバーナーは使用されず、いざというときだけ用いられることになる。
ここで重要なのは、アフターバーナーによる加速とレスポンスはマグネッサーシステムによるそれらより鈍いということだ。
つまり、相手に気付かれる前に一気に接近すれば、その加速の差により追い着くことも可能になる。
530空と光と @4:2006/08/26(土) 21:47:09 ID:???
この戦法を最大限有効に用いるために、可能な限り後上方からの急降下攻撃が選択される。
発見されにくい方向から、重力の助けを借りた加速で迫るのだ。
だが、後上方からの攻撃が脅威であるのは、レイノスと言わずおよそ空中戦を行うものにとって常識というべきもので、
当然以前の問題としてこれは警戒されている。
その上レイノスにおいては、後方を向いた72mバルカン砲が2基装備されている。
そこでクローズアップされるのがレドラーが垂直離着陸可能だということである。
これはレドラーは機体の上方向きに自重以上の推力を発揮することが出来ることを意味している。
また、レイノスのバルカン砲はコンピューター制御であるため、
突然の動きの変化への対応がどうしてもゾイドや人間より劣る。
そこで、上方推力と、ロールと、通常の方向変換を組み合わせ、細かく位置を変えながら距離を詰めるのだ。
この機動により突入経路の微修正も行う。空中格闘戦は位置取りが非常にシビアなのだ。
もっとも、前方への推力を大きく下げると振り切られる可能性がその分大きくなるので、
この機動を取る際上方へ振り向けられる推力は小さなもので、修正というのに相応しい。
この急降下攻撃は、その落下するかのような機動と速度から、戦意を高揚するためか、「流星」という勇ましい名で呼ばれた。
531空と光と @5:2006/08/26(土) 21:48:20 ID:???
そこで俺の話だ。
俺はコアのせいなのか生産時の誤差のせいなのか、
今話したような急降下しながらの位置の変更が細かさに欠けるところがある。
そのため、俺は急降下攻撃をしにくい機体とされ、「流星になれないレドラー」という忌み名を与えられた。

こいつがそんな俺のパイロットにされたのは当然の流れと言えた。
532空と光と @6:2006/08/26(土) 21:50:59 ID:???
戦闘航空ゾイドは戦争においては脇役だ。
戦闘航空ゾイドの真の役割は敵機を撃墜することではなく、
友軍航空ゾイドの近接航空支援、爆撃、偵察といった地上の戦闘を優位に導く行動を支援すること、
また、逆に、敵軍航空ゾイドのそれらの行動を妨害することである。
故に、現在の、ともすれば自機や僚機を危険に曝してまで相手と戦おうとする、敵機撃墜偏重に走りがちな傾向を改め、
友軍攻撃航空ゾイド、爆撃ゾイド、偵察航空ゾイドに敵を寄せ付けないこと、
敵軍攻撃航空ゾイド、爆撃ゾイド、偵察航空ゾイドの行動を妨害することに、より重点をおくべきだ。
また、自機と僚機を危険に曝さないことにも注意を払わなければならない。
一機の敵戦闘航空ゾイドを刺し違えて墜とすことより、
生き延び続けて友軍爆撃ゾイドに襲い掛かろうとする敵戦闘航空ゾイドを追い払い続けること、
敵軍攻撃航空ゾイドに回避、応戦のため爆装を捨てさせ続けることのほうがはるかに価値がある。
533空と光と @7:2006/08/26(土) 21:51:51 ID:???
こいつは元いた部隊でそう主張していたそうだ。
結果追い払われるように転属、戦闘に向かないと言われる俺のパイロットにされた。

「そう言うのなら、お前は戦闘航空ゾイドを墜とせないレドラーで十分だろう」

そういうことだ。

耳を傾ける価値があるのに、Zi人の気質に合わない主張をしただけでこれだ。
Zi人は、地球人は皆権力を持った人間か、金持ちか、またはその身内だと思っている。
だが、例外の無いものは「例外の無いものは無い」ということだけだ。
現に、こうして不当な扱いを受けてもそれを撤回させてくれる人間がいない者もいる。
地球人全てがやっかみの対象に相応しいわけではない。
534空と光と @8:2006/08/26(土) 21:53:54 ID:???
最初に会ったとき、こいつが語りかけた言葉を、今でもよく覚えている。

「「流星になれない」、か…」

その時のこいつの目は、俺を見つめているようでもあり、俺を通り越してもっと別の何かを見ているようでもあった。

「でも、修正が細かく効かないだけで、急降下自体は出来るんだろう?それならいい」

何を言い出すのかと思った。

「敵に攻撃されるという圧迫を与えられれば、
 味方への照準をじっくりとつけさせないことも出来るし、こっちに注意を引き付けることも出来る。
 爆装を捨てさせることだって出来る。
 レイノスの方が最高速度は上だって言うが、それは身軽なときの話だ。
 そう敵の思い通りにはことが運ばないようにはさせられる。
 それで上出来だ。
 空権を取れる状況じゃないからな」

不思議なことに、この言葉をどう聞いたのか、俺はどうしても思い出せない。

「確かにこのやり方じゃ敵はなかなか減らせないさ。ただ…」

後から考えてみれば奇妙なほどにきっぱりと、こいつは言った。

「どうしても敵を墜とさせたいなら、指導層がもっと状況を良くせねばならん。
 後方支援能力、開発能力、生産数… つまりは国力をつけねばならんということだ。
 ま…そんな国力があればこんな状態にはなってないし、こんな状態になってから言っても仕方ないが。それに…
 戦争は殺し合いが目的じゃない。殺し合いはあくまで戦争の手段だ。
 殺し合いが戦争の目的だと思ってる奴等は、結局のところは国家のことより自分達の命のことを重視してるのさ」

目の色が少し変わったような気がした。その顔で、また違う話をし出した。
535空と光と @9:2006/08/26(土) 21:54:46 ID:???
「エースや英雄と呼ばれる人間が、皆例外無く持っている共通点がある。
 なんだかわかるか?」

同じ表情のまま、こいつは続けた。

「そう呼ばれるようになった由縁の業績をあげるまで死ななかったってことさ」

最後の言葉が力強いものだったのかどうか、俺にはまだ良くわからない。

「流星は、必ず燃え尽きる」

536空と光と @10:2006/08/30(水) 01:25:28 ID:???
積荷が重い。
俺達は“木漏れ日”作戦に参加していた。
包囲され陸路での補給を絶たれた友軍部隊に、空中投下による補給を行うのだ。
いつも思うのだが、効果が疑問な作戦だ。
包囲下の友軍部隊を生かさず殺さずの状態に止め置いているだけではないかと思える。
しかし任務は遂行せざるを得ない。
そして当然それに伴う危険も甘受せねばならない。

補給物資投下が始まろうというその時、レイノスの来襲が察知された。
537空と光と @11:2006/08/30(水) 01:26:54 ID:???
包囲下の友軍が対空砲火を撃ち上げる。

俺達レドラーの武装は格闘装備だけだ。
だから、攻撃するためには、まさに文字通りの意味でくっつくほど相手に接近しなければならない。
それ故、誤射を避けるため、
友軍対空砲火はレドラー部隊が敵航空ゾイドと直接戦闘してないときに限って放たれることになっている。
これがなかなか厄介で、レドラー部隊が戦闘しているときと対空砲火が放たれているときの間の時間が
離れ過ぎれば敵を利することに繋がるし、近過ぎれば無論のこと危険である。
レドラー部隊と地上部隊の間で緊密な情報のやり取りが必要なのだ。

俺は物資投下の順番が早いグループに属し、
迫ってくるレイノス部隊とそれを追って近付いてくる対空砲火を尻目に投下を完了した。
そしてこれから物資を投下するレドラーの援護にまわるべく、高度を上げた。
538空と光と @12:2006/08/30(水) 01:28:16 ID:???
敵は二手に分かれていた。

一方は高度を上げ、もう一方に合わせて動いていた。護衛班のレドラーから、もう一方を護る役だろう。

もう一方は物資を投下しているレドラーに接近しようとしていた。

誘導妨害の優位により、それに対処でき、かつ撃ち離しが可能な誘導システム、
航空ゾイドに命中させられる機動性、
地球で使われていたという軍用機をはるかに凌ぐ防御性能を有する軍用航空ゾイドに通用する威力を併せ持つ
対航空ゾイドミサイルは、サラマンダーやシュトルヒに搭載されているそれのようにどうしても大型化してしまう。
その為、一般的な機体規模の戦闘航空ゾイドに、無理なく十分な数を搭載できる対航空ゾイドミサイルは、
外部からの誘導を必要とする形式のものになる。
こうしたミサイルの誘導の際には、当然発射母機の機動は制限され、対空砲火による被害が出易くなる。
ある程度以上レドラーに接近すれば、地上の対空砲火は中断せざるを得ない。
物資をぶら下げたレドラーより、対空砲火の方が怖い相手だ。
さらに、格闘兵装を活かすには離れているが、対空砲火の誤射を避けるには近過ぎる距離を保つことが出来れば言う事はない。
それに、同高度に位置していれば、レイノスはレドラー相手に優位に立っている。
レイノスが相手となれば、護衛役のレドラーは、その護衛対象より高度を上げざるを得ない。
その高度を上げ、結果攻撃目標である物資投下中のレドラーと離れた護衛役のレドラーは、分かれた味方に任せる。
そういう判断が働いているのだろう。

そう思い通りにことを運ばせてなるものか。
539空と光と @13:2006/08/30(水) 01:30:58 ID:???
戦闘開始を命じる通信が入ると、俺達は護衛班のレイノスに突っ込んでいった。
たちまち火線が飛んでくる。回避機動を取りつつ接近するも、被弾し墜ちていく友軍機体が見える。
護衛班のレイノスとの格闘間合いに入るか入らないかで、俺は急降下に移った。

護衛役と果し合いをする気は無い。

物資投下中の友軍を狙っている連中の攻撃を妨害する。

何機かのレイノスが俺を追尾しようとするが、そいつらは他のレドラーが攻撃してくれる。
すでに墜とされた奴もいる。
それに他のレドラーだったら微修正に使う推力を推進力にまわしているため、俺はその分速い。
投下中のレドラーの攻撃にまわったレイノス群に突っ込み、かき回すように機動してそのまま下に突き抜ける。
経路修正が完全ではないのだ、切断翼は当らない。
だが、数機のレイノスに回避機動を取らせることに成功した。
狙い通り、友軍レドラーへの照準を定めようとしていたレイノスに。
追撃が無いことを確認して引き起こしに掛かる。
固定目標の防空じゃない。
物資の投下が完了するまで敵をかき回し続けられればいい。
幸いにも弾切れになることは無い。
ちらりと心の中で確認し、再び高度をとろうと上昇する経路を探す。

その時。
540空と光と @14:2006/08/30(水) 01:32:36 ID:???
衝撃が俺の体を突き抜けた。

見る見るうちに力が抜けていくのが自分でもわかる。
追撃はされていなかったはずだ。では何故…

唐突に、それがわかった。

友軍の対空砲火である。

射撃間隔が開いたのか一時的に中断しただけだったのかはとにかく、連携の不備である。
航空ゾイドは空力で飛行していない。
それに地球で使われていたという軍用機に較べてはるかに重防御なので、
地球の軍用機であればそうなる程度の損傷から、
飛行不能になったり、機体がバラバラになったり、
燃料弾薬に誘爆したりすることはあまり無い。
そのため、航空ゾイドに対する対空砲火は、地球の軍用機に対するそれに較べて、直接的な破壊力が大きい。
確実に戦闘、飛行能力、そして命を奪うために。
541空と光と @15:2006/08/30(水) 01:33:37 ID:???
目の前が暗くなっていく。
そうだ、あいつは脱出したのか?
いや、まだ乗っている。操縦している。
なにをしているんだ…と思った次の瞬間、その目的に思い至った。
このままでは俺が友軍に突っ込むのである。
それで俺の落下方向を変えるつもりなのだ。

あんな奴等のためにそんなことをしてやるのか。

強制的に射出しようかという思いが一瞬よぎった。
しかし何故かそう出来なかった。

周りがどうなっているのか俺にはもうよくわからない。
俺一人で友軍を巻き込まないように落下方向を変えるのは不可能だ。
ならば、せめてこいつの操縦に今の俺に出来る限り素早く反応しよう。
一秒一瞬でも脱出を早くするために。
俺は入力される操作に集中した。
それに可能な限り早く反応し、ほとんど無理矢理体を動かす。

…早く…

意識はどんどん遠くなり、力はますます抜けていく。

そして意識が消え去る刹那、俺は座席が射出される感覚と、「すまん」と言うあいつの声を信じられないほどはっきり捉えた。

「すまん」?……何を謝る必要がある。俺は…お前に…




542空と光と @16:2006/08/30(水) 01:35:04 ID:???
美しい。
視界の中は美しい世界でいっぱいの空を、俺は飛んでいた。
今まで見たどの光景よりも美しい、しかし哀しみは全く生じない。
気がつけば、あいつが乗っていた。
脱出したんじゃなかったのか?
まあいいさ。
この美しい世界に一緒に俺達がいるということなのだから。
もう俺達を縛り付けておくものはない。
あの下界から、永遠に、俺達は自由だ。
根拠は何もない。
そうだと知らせるものすらない。
だが、はっきりと、自分の存在するということと同じくらい確かに、それがわかる。

風を捕まえ、風になり、舞い上がる。

そして俺達は、哀しみの手の届かない高みへと、空の底の下界へと光を投げ掛ける水面へと、どこまでも昇っていった。




543527-542:2006/08/30(水) 01:44:43 ID:???
上の書き込みは、
「ゾイドとガンダムはどっちが兵器として使えるか」(前)スレ、「空戦ゾイド速すぎる」スレでの議論、
及び「もっと殺伐とした渋いゾイドが見たい」スレの書き込みからインスパイアされて書いたものです。
考察に矛盾等を感じるところがあれば、それは全て私(と、あんな設定つくったトミー)の責任です。

なんかいろいろと心残りがある…
対空砲火の二次被害とか何故ミサイルが誘導しにくいのかとか考えたが
上手く組み込めず断念…
544名無し獣@リアルに歩行:2006/09/03(日) 19:46:17 ID:???
落ちたかと思ったら細々続いてたのねこのスレ。
SS投下してる人達GJ!
545あるゾイドの呟き @1:2006/09/09(土) 18:57:19 ID:???
世の中にはバカと呼ばれるヤツがわんさかいるが、
その中でも真にバカと呼ばれるにふさわしいヤツとして俺に乗ってるヤツを推したい。
546あるゾイドの呟き @2:2006/09/09(土) 18:58:25 ID:???
コイツはゾイドバトルにでている。

知っての通り、ゾイドバトルとはゾイド同士が戦うスポーツみたいなエンターテイメントである。
そして実戦ではなくエンターテイメントであるから、人を殺しちまったりしまいようにいろいろと規制がある。
で、その結果として起こることの一つに、一撃必殺が―特に射撃で―成立しにくいというのがある。
それで攻撃を何発も当てる必要がでてくるので、実戦と較べて攻撃を連続して出せるゾイドが有利になる。
547あるゾイドの呟き @3:2006/09/09(土) 18:59:26 ID:???
それにゾイドバトルは決められた会場でやるもんである。
そして物理的経済的社会的な理由からして、その広さは戦場とは比べ物にならないほど狭いわけである。
それで射程はあまり(というかほとんど全く)関係なくなり、
それに距離を詰めるのが簡単だから、実戦と較べて機動性が高いゾイドと格闘能力が高いゾイドが有利になる。
548あるゾイドの呟き @4:2006/09/09(土) 19:00:33 ID:???
さらにゾイドバトルはチーム戦がメインとはいえ、戦場で一つの軍として共同する数と較べたら仲間の数は極めて少ない。
戦場で支援を受けたり支援を与えたりする兵科のゾイドは戦いにくくなる。
それに撃ってくるやつが少ないから回避がその分ずっと簡単になり
―いつどこから撃たれるかわからず、撃ってくる相手の多い戦場では、
 目の前の相手に集中してそいつの攻撃をかわせばいい、なんてわけにはいかないのだ―
こういう理由でも機動性が高いゾイドが有利になり、装甲の重要さが相対的に低下する。
549あるゾイドの呟き @5:2006/09/09(土) 19:01:25 ID:???
俺が言いたいことは何か。

つまり、実戦と較べてゾイドバトルにおいては機動性の高く、連射性能の高い、近接戦闘兵科のゾイドが有利だということだ。

重装甲でも機動性が低かったり、大威力で射程が長くても連射性の低い火器を搭載していたり、
支援砲撃向きだったりするゾイドは不利になるわけである。

これが意味するところは、ゾイドバトルでたとえばカノント―タスみたいなゾイドを使うヤツはバカだということである。

そして俺はカノント―タスなのである。
550あるゾイドの呟き @6:2006/09/09(土) 19:02:51 ID:???
いや、ゾイドバトルでカノント―タス使ってるからってバカ呼ばわりするのは早計というものだ、
チームメイトのゾイドとの連携でカノント―タスがいいってこともありうるじゃないか、というツッコミ精神溢れる人もいるかもしれない。
だが俺に乗ってるヤツのチームメイトのゾイドはマルダー2体なのである。
思うさま機体の性格がかぶっている。どうしろというのだ。

いや、それでも、乗ってるヤツの腕とゾイドとの相性で、カノント―タスでも驚くほど強いのではないか、
という夢見がちな人もいるかもしれない。
なるほど、それはロマン溢れる魅力的な話だ、素晴らしい。
ガレージの入り口をあんなにへこませるヤツにそんな腕があればの話だが。

しかもコイツは、もう古くて使えないからとゾイドバトル用に改修されて軍から放出された俺を
「こいつがいい」と全く持って微塵の合理性も感じられないセリフを吐いて買い取ったのである。
ゾイドを選ぶ目が無いことはいささかの疑いもあるまい。
551あるゾイドの呟き @7:2006/09/09(土) 19:03:47 ID:???
その上何考えてるのかわからんことに、そのゾイドがこんなに不満たらたらだというのに、
ガレージにはちょっとした鍵がかけてあるだけで、当のゾイドがその気になりゃすぐ逃げられるような状態だ。

え?じゃあなんで逃げないのかって?

そりゃあお前、コイツは相棒だからだよ。

552545-551:2006/09/09(土) 19:11:13 ID:???
>>464
>このスレおもしれえ!!のでage。軍属のゾイドの話も読みたいなあ
ってのを見て、実は逆にゾイドバトルの出てくるSSが少ない(ちらしの人のだけ… しかもバトル専用ゾイドの話はない)
ことに気付き書いてみました。
「だったらバトルシーン書けや!」
ってツッコミはカンベン。
553名無し獣@リアルに歩行:2006/09/10(日) 18:40:43 ID:???
最後の一言にドキっとした。
こういうのもアリか。乙!
554545-551:2006/09/12(火) 01:46:11 ID:???
>>553
どうもです!
実はコレ下書きした後「文体変えてツンデレっぽくしようかなあ」とチラッと考えました。
でも小生女書けないのと、ツンデレって聞きかじりでしか知らないの、
それとあるゾイドを女性で書いてみようと思って、そっちの印象を強くする目的でやめました。
まあ「あるゾイドを〜」ってのは俺解釈俺設定がエライことになってるのと、
小生の苦手方面(苦手じゃない方面だってたいしたこたないんだが)なので書くかどうか。

余談ですけど、(このスレだけじゃなく板全体的に)過疎ってますねー。寂しい限りです。
555名無し獣@リアルに歩行:2006/09/12(火) 07:01:46 ID:???
過疎ったっていいじゃない
           ゾ板だもの

         みつを
556名無し獣@リアルに歩行:2006/09/23(土) 09:13:43 ID:???
ほしゅ
557名無し獣@リアルに歩行:2006/09/28(木) 06:55:00 ID:???
俺も保守
558名無し獣@リアルに歩行:2006/10/06(金) 21:55:41 ID:???
過疎ーん
559名無し獣@リアルに歩行:2006/10/07(土) 21:01:35 ID:???
しかし下手にアゲてもな・・・
560名無し獣@リアルに歩行:2006/10/27(金) 23:55:49 ID:???
多分このスレは保守で1000まで行くだろう
561名無し獣@リアルに歩行:2006/10/28(土) 07:24:46 ID:???
        キュッ    
       ∧_∧    
      ( ・∀・ )彡  
     ⊂    つ  
       人  Y       
      し (_)
562名無し獣@リアルに歩行:2006/10/31(火) 11:15:15 ID:???
          道程

                 バイオゾイド

ジェネの前にバイオはない
ジェネの後にもバイオはない
ああ、タカトミよ
田島よ
僕を一発ネタにさせた東京03の角田に似た父よ
僕から手を引かないで展開させることをせよ
レミコトに入れてる力を僕に充たせよ
この迷走してるゾイドの今後のため
この迷走してるゾイドの今後のため

――――

いやレミコト展開してるのはタカトミ田島じゃないってのはわかってるけど
バイオゾイドにしてみたら文句の一つも言いたいんじゃないかと思って。
563名無し獣@リアルに歩行:2006/11/18(土) 03:23:19 ID:???
バイオどころが、
ジェネに出演しているゾイドや人物は全て、レミコトの引き立て役だったに過ぎない。
コト姉!コト姉!
564あるゾイドのボヤキ @1:2006/11/23(木) 00:28:19 ID:???
 一般的に言って、ある人間が嬉しそうにしているとその周りの人間も何とはなしに嬉しくなってきたりするものである。
感情は伝染するという奴か、俺が今まで見てきた人間に対してこれは結構当てはまるようだ。
 ここで断っておくが、俺はゾイドである。
 ゾイドである俺の心理的な構造が人間のそれと同じであるという保障はどこにも無い。
 しかし、俺がコイツの笑顔とそのほざいてる事に直面して嬉しいのとは真逆の心理状態になっていることは
ゾイドと人間の心理構造の違いなんぞに起因するのでは断じてないだろう。
 コイツはエライ勢いでガレージに飛び込んできてこう抜かしやがった――
「喜べよカメ太、バトルが決まったんだぜ!」

 ここで一応説明しておくと、このカメ太というのは俺の「名前」である。
 軍から放出された俺を買い取った(全く持って遺憾なことに)俺の所有者であるコイツが、
「やっぱり仲間には名前をつけなきゃな!機体の名前とか番号とかで呼ぶんじゃなんか仲間じゃないみたいだからな!」
と言い放ってカノントータスである俺に名前をつけたのである――カメ太と。
 気体の名前や番号で呼ぶのでは仲間であるという感じがしないと発言しておいて
カノントータスにそのまま過ぎるほどそのままのカメ太という名前をつけるのは
狡猾な嫌がらせ以外の何物でもないようだが、
コイツの言動を見ていくうちに、
コイツには狡猾な嫌がらせなどといった行為が可能なほどの知性は無いことが明らかになった。
 よりタチが悪いことが発覚しただけとも言えるが。
565あるゾイドのボヤキ @2:2006/11/23(木) 00:30:40 ID:???
「ニック!ニック!」
と俺の所有者は己の頭の中身に相応しい馬鹿声を出してガレージに入ってきたチームメイトの一人のところに走っていく。
そしてさっそくバトルが決まったことを報告している。
 ちなみにこれはコイツがバトルの話を取ってきたことを示すものではない。
 恐らく話を取ってきたのは(いつものように)他のもう一人のチームメイトなのだろうが、
舞い上がった馬鹿というものはその舞い上がった理由を他人に触れて回らなければ気が済まないものなのである。
 俺の持ち主がチームメイトと話しているのを見ながら、
俺はいつものようにぼんやりとそのチームメイトに関することに考えをめぐらせていた。
566あるゾイドのボヤキ @3:2006/11/23(木) 00:31:37 ID:???
 最初ここに来た時は、こんな負けてばかりいそうなチームでも食っていけるとは、
ゾイドバトルのファイトマネーを出すヤツは馬鹿が付く気前のいい奴か、
気前がいいがつく馬鹿な奴かなどと思っていたのだが、わかってみれば何のことはない。
 コイツらはバトルの他に何でも屋もやっていたのである。
 主に運送をやっているようだが、一つどうにも引っかかることがある。
 俺のいるチームの所属ゾイドは、俺、カノントータスが一体と、マルダーが二体なのである。
速度より重装備の機体の動かすためのパワー重視の機体であるので、機体規模の割には運搬可能量が大きい。
が、この「機体規模の割には」というところに注意して頂きたい。
中型や大型の、ずっと脚の速いゾイドを使って運送をやる連中も多いのだ。
せいぜい狭い路地なんかで重いものを運ばなければならないときくらいしか有利な点が思いつかない。
 にもかかわらず、結構仕事が舞い込むのである。
実際にゾイドバトルのエントリー料を払ってなおかつ食えていくくらいに。
 俺はこのことが不思議でしょうがないのだが、
コイツらの話の節々から推察するに、どうもその辺りの鍵はこのニックにあるらしい。
ニックがいるからニック目当てで仕事を頼むヤツが多いということなのだ。
567あるゾイドのボヤキ @4:2006/11/23(木) 00:32:20 ID:???
 断っておくが、俺はゾイドである。
 人間の嗜好というものは直接にはわからない。言動を通して推測することができるだけだ。
 そしてその俺の見聞した範囲で判断する限りだと、
確か人間というものは30過ぎて女装している男のことを気持ち悪がるものではなかったか。
そういうものだと思っていたのであるが、どういうわけかニックは好かれているようなのだ。
笑いを取るキャラクターとして人気があるのではないらしい。
(これもあくまで俺が見聞した人間の言動から推測していることではあるのだが)
笑いを取るキャラクターとして好かれているのであれば、
ファンサイトなるインターネット上の集まりや、親衛隊なる熱烈な応援団や、
憧れる女性やら、ストーカーなる非合法な行動に走るファンといったものは存在しないはずである。
 一方これまたわからないことに、ニックは身内以外の人間がいるところで男装から女装、
またはその反対の着替えをすることを固く禁じられているらしい。
 人間というものは、全くゾイドの想像の埒外の生き物のようである。
568名無し獣@リアルに歩行:2006/12/23(土) 09:26:14 ID:???
        キュッ    
       ∧_∧    
      ( ・∀・ )彡  
     ⊂    つ  
       人  Y       
      し (_)
569名無し獣@リアルに歩行:2007/02/01(木) 18:31:03 ID:???
ほしゅ
570名無し獣@リアルに歩行:2007/04/05(木) 17:51:20 ID:???
保守
571(^^)エヘヘ:2007/08/09(木) 19:33:37 ID:???
↑普通
572名無し獣@リアルに歩行:2008/01/02(水) 19:31:46 ID:???
         _√ィ⌒)), < `ヽ /  `> 、((_r≦ヽ
       / 厶=ミ ∠__   `      ´── {f以}〉)\
.       /  《ゞツ辷ー           ニ 二 ̄ `ベ((_) 、\
      / / ((¨´   ̄        l     iト、   ∨  }  i
.     / / (__))    i   i | i l i| |li||il| | i   }  ,′|
     ' /     | i| l   i | | l l| |li||il| | l i /  {   ,
    〈 {  /  i| l| | l i | | l l| |li||il| | l i {  ヽ   ヽ
     , ', /  l| l| | | l | ))i l i| |li||il| | l lハ   .   }
      ハ i {   il| l| l |, =彳|! l| ,」li⊥⊥⊥L! l ト  }  ,′
    / l i ヽ  il| ! | | r{辷ト、 | | l| | l⊥⊥_! l | l l }ヽ  /!
.  /′ ! i  ト 、ハl| l/バY^ト{ | リi イf弐_ケ`l ヽl  / /  //
/ /   }∧ ヽ ヽヽ ゞ弋ソソ      ` 冖'^ ∧ l  { /  / ′
. /   /  ,  ) } ハ ` ̄))  、       / }ハ ハ  ' |
 ′ (     } / // ∧ ((   、_,     イ イ '、ハ l  !
      ヽ  / /  {   /  > 、       イ ノ/,小、 \j l  、
      丿 '/{  ヽ { .ィ`Y´ > .. <ノ⌒´// i| `丶、\ヽ \
    / / ィ )(⌒ヽ.i.=fjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfjfj=.i: r¬ ) ) ',  ヽ
. / / // //⌒) .|                |_) {_ .イ  i i|
  /   '/./    ゝ.|                   .| ニ、ー- 、| lハ
' /   / /      |    あ け ま し て      .|    ヽ } } ヽ丶 '、
/    / ′    .r‐┴、   お め で と う   ./´ヽ   } ' ハ ヽヽ.\
    / !    (` ー、 ヽ           / /ヽ } / .イ i  i }  \
   {    ヽ/  .r'ー-、 ゝ',           (_./ /  |/ /  !   l ノ   ヽヽ
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573名無し獣@リアルに歩行:2008/01/02(水) 19:32:16 ID:???
         _√ィ⌒)), < `ヽ /  `> 、((_r≦ヽ
       / 厶=ミ ∠__   `      ´── {f以}〉)\
.       /  《ゞツ辷ー           ニ 二 ̄ `ベ((_) 、\
      / / ((¨´   ̄        l     iト、   ∨  }  i
.     / / (__))    i   i | i l i| |li||il| | i   }  ,′|
     ' /     | i| l   i | | l l| |li||il| | l i /  {   ,
    〈 {  /  i| l| | l i | | l l| |li||il| | l i {  ヽ   ヽ
     , ', /  l| l| | | l | ))i l i| |li||il| | l lハ   .   }
      ハ i {   il| l| l |, =彳|! l| ,」li⊥⊥⊥L! l ト  }  ,′
    / l i ヽ  il| ! | | r{辷ト、 | | l| | l⊥⊥_! l | l l }ヽ  /!
.  /′ ! i  ト 、ハl| l/バY^ト{ | リi イf弐_ケ`l ヽl  / /  //
/ /   }∧ ヽ ヽヽ ゞ弋ソソ      ` 冖'^ ∧ l  { /  / ′
. /   /  ,  ) } ハ ` ̄))  、       / }ハ ハ  ' |
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574名無し獣@リアルに歩行:2008/01/02(水) 19:33:00 ID:???
         _√ィ⌒)), < `ヽ /  `> 、((_r≦ヽ
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/    / ′    .r‐┴、   お め で と う   ./´ヽ   } ' ハ ヽヽ.\
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   {    ヽ/  .r'ー-、 ゝ',           (_./ /  |/ /  !   l ノ   ヽヽ
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575(^^)エヘヘ:2008/01/03(木) 06:00:48 ID:???
↑オッパッピー
576名無し獣@リアルに歩行:2008/07/16(水) 23:05:38 ID:57qzcY+p
まだこのスレあったのね!
2年ぶりに見たわ〜
577名無し獣@リアルに歩行:2008/07/16(水) 23:06:38 ID:???
        キュッ    
       ∧_∧    
      ( ・∀・ )彡  
     ⊂    つ  
       人  Y       
      し (_)
578名無し獣@リアルに歩行:2008/07/16(水) 23:07:10 ID:???
        キュッ    
       ∧_∧    
      ( ・∀・ )彡  
     ⊂    つ  
       人  Y       
      し (_)
579名無し獣@リアルに歩行:2008/07/16(水) 23:10:58 ID:???
        キュッ    
       ∧_∧    
      ( ・∀・ )彡  
     ⊂    つ  
       人  Y       
      し (_)
580名無し獣@リアルに歩行:2008/07/16(水) 23:11:49 ID:???
        キュッ    
       ∧_∧    
      ( ・∀・ )彡  
     ⊂    つ  
       人  Y       
      し (_)
581名無し獣@リアルに歩行:2008/08/18(月) 03:34:20 ID:???
今日このスレを発見しました。ちらしの方の小説を全部読んだ後
自分も小説を書きたくなりました。まだ年齢も低く
マトモに書けるかわかりませんが、書かないよりはましなので投下してみます。
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ん〜、今日も嫌な朝か。昨日は父親にバスタオルを貸したからか
目が開かない・・・目やにかな・・・。ったくバーロ・・・
それにしても、いつねたんだか。
いつもより体が重く感じ、ってそれにしても足元が冷たい。
あ、人の声がって、やっぱここは家じゃないな。
とりあえず耳をすましてって、耳の感覚もなんか変だな。
「重量感があるね。でもなんかイイ!」子供の・・・声?
「この値段で入手できるのはこれだけだったんだ。」おっさん声。
ひょっとしたら親子なのかな・・・と思っていたらいきなり・・・
「んじゃ、早速乗ってみるか」おっさんが言った・・・。ちょw何w
あ、もしかしてもしかしたら・・・・ ゾイド・・・?俺・・・ゾイド?
ってことは夢の中だろう。ふぅ、妙に安心した。
そして、子供の声がした・・っと思ったらいきなり頭が パカッ! 
となる妙な感覚に襲われた。うげ、乱暴だよ。クラクラする・・・
と思ったら、目が見えるようになった。うほ、これは・・・ガレージ?
582名無し獣@リアルに歩行:2008/08/18(月) 03:35:15 ID:???

そしたら、頭の中にこんな音が入ってきた「いいか?そこにレバーが
2本。といってもたべもんじゃないぞ?操縦するためのレバーが2本ある。」
無線でつながれてるのかな?「そしたら、まずは遠隔操縦で私が外まで操縦するので
いいというまでレバーには触れるな。」おっさんは語る。
子供は少し緊張した様子で「は、はい」と答えた。
次の瞬間、足がズンと持ち上がった。この重量感、なんとなく自分と
似た感じ・・・・このゾイドは ブ タ 型 だ 。
そして、20歩くらい歩いただろうか。不思議と四足歩行にも抵抗がない・・。
そしておっさんの声「では、操作について説明する。まず、右のレバーは右前足を。
左のレバーは左前足を動かせる。そして、足元にあるものに気づいただろうか。
このペダルは右が右後ろ足を、左が左後ろ足を動かせる。んで」ここで子供が割り込む
「おっけー!」高い声だな・・・。「あぁ。ようは、右前足が前に出るときは
左前足が後ろになっいてる。そのときには右後ろ足は後ろになっている。左は前だ。」
ふむ、友達が言ってた、『俺流ゾイド操縦方式』と似てら。
「では、ゆっくりとさっき言った操作をしてみてくれ。もしものときのために
アシストはしっかりつけた。」おっさんの声の後、足がゆっくり動いた。
赤ん坊がハイハイするようにゆっくりと、慎重に進んでいく。
583名無し獣@リアルに歩行:2008/08/18(月) 03:36:59 ID:???

「できたよ〜!」子供が異常にはしゃいでいる。ん、あれ子供の顔曇ってきた
「あれ、とまらない、とまらないよ!!」俺は走り出していた。
とめたくてもとまらない。でも、このままじゃあの壁に衝突して・・・。
「大丈夫だ、このアシストが、あ、あ、ああああれ・・・コントロールができない」
壁まで後800mはある。だが、このブタ型ゾイドも加速してるとはいえ
そこまでスピードは出ないだろう。「待ってろ、今助けてやる!」おっさんの声だ。
ん、相手もゾイドに乗っている・・・。機種は・・・コマンドウルフロングレンジ・・
嫌な予感が脳裏をよぎった。このまま俺は遠距離からコアを撃たれるのでは。
まぁ、夢の中ならよいだろう。夢の中なら・・・・。
だが、先ほどから感じていたこのあまりにもリアルな感覚・・・。
よくわからないが、本当にゾイドの世界にいるようだ。
と、いろんなことを考えているうちの、むこうで「ズギュン」という
音がした。なんというか、力が抜けてきた・・・。
「よし、やったぞ」という声が聞こえたような気もする・・・。
目の前が見えなくなってきた・・・・・・。

「はよぉおきんしゃい」声が聞こえた。気がつけばベットの上にいた。
どうやら、いつもの世界のようだ。やはり夢だったんだろうか
それとも・・・・      (完)

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3つに分かれてしまいましたが、登校完了です。
眠りそうになりながら書いたというのもあってgdgdですが
少しでもこのスレが活気付いたら幸いです。
584名無し獣@リアルに歩行:2008/08/18(月) 16:24:14 ID:???
>>581-583
GJ!
585581:2008/08/18(月) 22:50:25 ID:ITz0uWyE
>>584
ありがとうございます。また新ネタを思いついたら登(ry
投稿してみますね。
586名無し獣@リアルに歩行:2008/08/19(火) 00:14:54 ID:???
sage忘れました、申し訳ないです。
587名無し獣@リアルに歩行:2008/08/20(水) 03:21:34 ID:???
カノントータスになって、天体観測するよ
588名無し獣@リアルに歩行:2008/08/20(水) 10:32:39 ID:???
モルガになってあんなことこんなこと・・・
589ドラゴンスレイヤー @1:2008/09/28(日) 01:18:01 ID:???
 いつの間にやら戦争は終っていた。どっちが勝ったのか、俺は知らない、いや、知ったことではない。
いずれにせよ、俺は軍から登録を抹消された。
とどのつまり、長いことこき使われてきたあげくにもう必要ないとあっさりとお払い箱にされたという訳だ。
 それならせめて、故郷か仲間達と一緒のところで朽ち果てたいと俺が願ったのは、至極当然のことだろう。
 だが、その切なる希望すら叶えられなかった。
 俺は民間に払い下げられた。
流出した兵器で武装した野盗やら野良化した戦闘ゾイドやらがうろつきまわってるこんな御時世では、
強力な自警団を持ちたいと各地の住民が思うのは不自然な話ではない。
しかしそうは言っても、あまりに強力な戦闘ゾイドを放出してしまえば、この御時世の悪循環を加速させる訳であり、
だから、つまり、俺はいざとなったら軍を使って押さえ込める程度と値踏みされ、
苦しい財政(台所事情)の中、治安維持を民間に委託しての予算削減と、
余剰となった戦闘ゾイドを払い下げての小銭稼ぎより価値が低いと決め付けられたということだ。

 最低の矜持を保つことすら、俺には許されなかった。
590ドラゴンスレイヤー @2:2008/10/05(日) 16:10:45 ID:???
 買い取り手の自警団のゾイドプールに連れて行かれるとき、最初に目に入った戦闘ゾイドはレッドホーンだった。
 その規模の戦闘ゾイドとしては例外的なまでに生産数が多く、
それ自身の設計に加え、配備数が多いことから整備の器具、ノウハウが揃っていることもあり、
維持管理が比較的容易な戦闘ゾイドである。
その戦闘能力は費用対効果の面で見れば現在でも最高クラスだろう。
だからこそ元設計の古さにもかかわらず先の大戦でも第一線で主力として使われたといえる。
 このような町の自警団の装備としては、極めて良い買い物だ。
 調達担当者が見る目のある人間なのか、それとも価格の問題から薦められるままに買ったのかはわからないが。
591ドラゴンスレイヤー @2:2008/10/05(日) 16:11:52 ID:???
 同じように、この自警団に見る目のある人間がいるのか軍に薦められるままに購入するゾイドを決めたのかの
判断に迷うのが、
レッドホーンに近接戦闘仕様と支援砲撃仕様がいることだ。
 敵小型戦闘ゾイドに町の中に入り込まれてしまったら対処が難しいから、
砲撃で阻止区域を作り町への突入を防ぐのは理に適っていよう。
 もっとも、限られた地点の防衛なのだから、地雷の方がより確実かつ安上がりに同じ役割を果たすだろうが、
現実的な往来を確保するためには複数の道がなければならず、当然そこには地雷を設置できないから、
その開けておかねばならない地雷原の隙間をカバーする必要があるし、
対ゾイド地雷単独では人の手で容易に除去されてしまうから、対人地雷も併せて敷設する必要がある。
対ゾイド地雷に較べずっと小さくて軽い対人地雷は、豪雨等で敷設した位置から動いてしまう可能性がある上に、
子供という奴は行ってはいけないと言われた場所に万難を配しても行く生き物だから、
このような一般的な町の防衛では住民や来訪者に被害が出る恐れもあるのは事実だ。
 さらに踏み込んで考えれば、どうしても敵の攻撃を支えきれなくなった場合、
町の周囲を地雷原で固めてしまっていると、自らを閉じ込める結果になってしまう可能性すらある。
592ドラゴンスレイヤー @4:2008/10/05(日) 16:12:34 ID:???
 次に見付けた戦闘ゾイドは、カノントータスだった。
 これもやはり支援砲撃仕様のレッドホーンと同じ疑問を抱かせる戦闘ゾイドだ。
その重装甲と大口径砲、そして小型であるということから、
市街地で建造物に立て篭もった敵を排除する任務に当った歩兵を支援するのにうってつけの戦闘ゾイドではあるが、
こんな町では建造物一つ潰すことも覚悟しなければならないような立て篭もり事件とは無縁だろう。
ただ、町の中に侵入した敵を駆逐するための押さえには良い戦闘ゾイドであるとはいえよう。
593ドラゴンスレイヤー @5:2008/10/05(日) 16:13:14 ID:???
 このような町への侵入に対する押さえを考えているらしいのは、
物々しい増加装甲を纏ったゲルダーが見えることからも伺えた。
 ゲルダーは相当に設計の古い戦闘ゾイドではあるが、基本の防御性能は優秀で、装甲強化マージンも大きい。
火器の能力と機動性は―――少なくともこんな町の自警団に可能なレベルの改修では―――向上は見込めない。
しかし、敵大型ゾイドの町への侵入はレッドホーンが食い止める手筈になっているだろうし、
それでも侵入されてしまった場合はやはりレッドホーンが街中にまで入ってきて対応することだろうから
―――レッドホーンは街中での機動には制約が多いだろうが、相手が大型ゾイドなら同条件の筈だ―――、
ここのゲルダーは、街中で敵小型ゾイドを相手にする役割を負う筈だ。
とすれば、射程や攻撃力に不足は生じないだろうし、あまり高度な機動性を求められる機会もまず無いだろう。
つまり重視すべきは防御力であるわけだが、少なくともここから見る限り、
この自警団のゲルダーには増加装甲が適正に取り付けられているようだった。
この点からすると、ここの自警団には軍から復員した人間がいるように思われた。
594ドラゴンスレイヤー @6:2008/10/05(日) 16:13:58 ID:???
 そして、町に侵入された際の押さえと、町の外での近接戦闘を兼任できる戦闘ゾイドとして、
新たに、高い防御力と火力を併せ持つ中型ゾイドであるブラックライモス―――つまり俺―――が調達された、
というところか。

 レッドホーンの予備パーツと一緒にグスタフのトレーラーから降ろされた俺を出迎えたのは、
いかにも冴えない若造だった。
ゲルダーの増加装甲の取付け方等から、ここの自警団には復員した人間がいると思っていたが、露骨に嫌な予感がする。
「お待ちかねだったな」
グスタフを操縦してきた男が若造に声をかける。
「うん、自分のゾイドは自分で迎えに行きたかったけどね」
悪い予感は当ったようだ。
大方、復員してきた人間はそう多くなく、その人間だけでは充分な人員が確保できないから、
こいつのような若造も自警団に入れられているのだろう。
俺はなんだか全てを否定された気分になった。
595ドラゴンスレイヤー @7:2008/10/13(月) 01:54:47 ID:ENPaEcBC
 そもそも俺は平和主義者であり、争いなど起こらないほうが良いと思っている、
兵器である戦闘ゾイドが平和主義者だとは何を言うかと思われるかもしれないが、
兵器だ武力だなどというものは、元来、存在している、それそのこと自体により抑止力たることがその存在意義であり、
兵器を並べていたのに戦争になってしまいました、などというのは、孫子を引くまでもなく、
とりわけ、戦争によってもたらされる損害が極めて増大した近代以降にあっては、失策中の失策なのである。
だから、もし、兵器である俺が平和主義者でないとしたら、
それは、いわば、肉屋が世に菜食主義者が増えることを願うようなもので、
つまるところ兵器である俺が平和主義者なのは至極当たり前のことなのであるが、
こいつの操縦で自警団の訓練に参加するようになってから、ますますその意を強くした。
 やはり、どこかの誰かに災難が降りかかり、そのついてない奴が自分である可能性がある、というのと、
ほぼ確実に自分の身に災難が降りかかる、というのでは、心持が違おうというものだ。
596SS書いてるヤツ:2008/10/13(月) 01:56:31 ID:???
アホだ上げちまった… orz
597名無し獣@リアルに歩行:2008/10/13(月) 12:20:45 ID:???
ダークスパイナーになって最大出力でジャミングウェーブを放出し
仲間のゾイドたちを堕落した人間どもから解放する
598ドラゴンスレイヤー @8:2008/10/13(月) 21:15:23 ID:???
 俺に乗る奴のゾイドの操縦そのものの技量は悪くないレベルではある。
会話の内容も合わせて考えるに、もともとこの町の人間の中では民間ゾイドの操縦経験と技量が高く、
またそのために自警団の人員に加えられたのだろう。
 しかし、ゾイドを操縦できれば戦闘ができるか、というとそれはまた別の問題なのである。
599ドラゴンスレイヤー @9:2008/10/13(月) 21:15:59 ID:???
 戦闘の基本、そして本質は自分の身を守ることである。
これがわかっていないことが、この若造の戦闘技術が上達しない理由だというのが俺の印象である。
 無論、状況によっては自ら命を投げ出すような行動を取ることを要求されることもあり得るが、
その状況下でも可能な限り身を守る努力はするべきであるし、
そのような真に命を投げ出すことが要求される場面に辿り着くより前に死んでしまいました、
ではまるでお話にならないのだ。
 さらに、戦闘を進める主体は結局のところは人間の意志である。
そして戦闘で壊滅的な損害を被る前に後退するのが―――少なくともトチ狂ってない人間の―――常識であるから、
一々目の前の相手に止めを刺すことにこだわって自分がやられてしまうのは、
味方に不必要な損害を発生させる行為以外の何物でもないのである。
600ドラゴンスレイヤー @10:2008/10/13(月) 21:16:37 ID:???
 それが模擬戦で見せつけられるこの若造の勇姿ときた日には、
遮蔽物から飛び出して「敵」の目の前に仁王立ちになり「射撃」しようとする、
射撃位置を変えようと移動する「敵」を追いかけて「敵」のど真ん中に突っ込み「集中砲火」を喰らう、
次の遮蔽物への躍進中に何を思ったかいきなり向きを変えて「敵」の方に突っ走り「味方」の「援護射撃」を自分が喰らう、
遮蔽物の陰に隠れた「敵」を追い出そうとしてそいつの砲口の前にのこのこ出て行く、
隠れながら後方に回り込むべき状況で真っ正面から突撃する、
最短距離で突っ込もうとして「敵」との間にあった地面の隆起をその頂上を通って真っ直ぐ乗り越える、
と、全く大した英雄ぶりなのだ。
601ドラゴンスレイヤー @11:2008/10/13(月) 21:17:33 ID:???
 ある敵味方識別実弾射撃訓練のときなど、こんなことがあった。

 それは、決められたコースを走行する訓練で、
コースの周囲のあちこちに、遠方でスイッチを入れるとボード状の標的が起き上がる装置が隠してある。
そしてそのボードには、ゾイドや人間の絵が描かれており、その絵のゾイドや人間には敵と敵ではないものがある。
コースを走行しつつ、ボードが起き上がったら、そこに描かれているのが敵なのか敵でないのか
―――つまりさらに言えば撃ってはならない相手なのかそれとも撃つべき相手なのか―――を見分け、
敵ならば撃ち、敵でないならそのまま通り去る。
このボードに描いてあるのが敵だった場合、それに命中させないとその標的の位置より先に進むことが出来ないルールである。
この審判には、遠方にいる訓練統制要員があちこちに設置されたカメラを通して命中したか否かを判定し、
もし命中させていないのに通り過ぎようとする奴がいた場合、無線で注意を与えることになっている
(遠隔操作でボードを起き上がらせられるなら、
 命中させたと訓練統制要員が判定したときボードを倒すことでわかりやすく訓練を進められるのではないか
 と思うかもしれないが、
 射弾が命中したか否かを自分で識別するのも実戦では重要な能力である)。
 やはりどうしても実際に実弾を撃つ訓練は必要であり、
そして当然その訓練は自警団の戦闘ゾイド同士の模擬戦ではできない。
 また、錯綜する戦場で何物かを見付けたときにまずやらねばならない敵味方識別を訓練するのは、
見知った戦闘ゾイドと人間が、敵役味方役をはっきりと示す標識をつけて行う模擬戦では限界がある。
 そんなわけで、このような訓練が行われているのだ。
602ドラゴンスレイヤー @12:2008/10/13(月) 21:19:03 ID:???
 さて、その訓練に参加していた俺がコースを走っていると、敵の絵の描かれたボードが起き上がった。
俺の頭の中の奴はそれを目標に撃ったのだが、射弾はボードの中の敵の絵の輪郭に当った。
そして俺の頭の中の奴はそのまま走り抜けようとした。
もっとも当ってはいたわけだから、この行動自体には俺は特別とやかく言わない。
そこへ訓練要員から注意の無線が入った。
あの当り方では命中判定を与えることはできないということだろう。
これもまたもっともな行動である。
それを聞いた俺の頭の中に座ってる奴は少し引き返し、また同じ標的に射撃して二発目で今度こそ命中弾を得た。
このときこいつは当っていたのにとつぶやいていたが、
誰でもお前は失敗したなどと言われるのは面白くないものだから、
その場では俺はそのことを気にかけはしなかった。
 そして走っていくとまた別のボードが起き上がった。
そのボードには荷物を持った人間が描いてあり、それはちょっと見には何か歩兵用火器を操作している人間の絵に見える。
引っ掛けというヤツだろう。
そしてやはりというべきか案の定というべきか、俺の頭に鎮座してる奴は引っ掛かった。
その標的に向かって掃射を始めた俺の乗り手のところに、当然のこと訓練要員からの注意の無線が入る。
 すると何を思ったか、こいつはあちこちのモニターを見ながらコースなど全くお構い無しに俺を走り回らせ、
挙句の果てにはカメラもセンサーも信用ならんとばかりにハッチを開けて身を乗り出し、そして―――
あの名ゼリフを吐いたのだ。

「無線にジャミングだ! たぶんどこかにダークスナイパーがいる!」

「ダークスナイパー」がやってくる可能性は皆無だろう。
「ダークスパイナー」にしてもお出でなさる可能性は殆ど皆無だろうが。
 それにしても、「無線にジャミングされてる」のに、無線で味方に警告を出してこいつは一体どうするつもりだったのか。

603ドラゴンスレイヤー @13:2008/11/03(月) 14:08:06 ID:???
 現実には到底起こり得ないようなことが何をまかり間違ったのか実際に起こることは世の中に数あれど、
よもやその現象を自ら目にすることになろうとは、全くこの世というものとは不可思議なところである。
604ドラゴンスレイヤー @13:2008/11/03(月) 14:09:28 ID:???
 実際、自分で見るまでその話は冗談の類だと思っていた。
それが突如
―――いや、話題に上っていたのを聞いてはいたから、「突如」というのは必ずしも正確ではないのだろうが、
   それまでまるで現実のこととして捉えていなかったのだから、
   やはり俺の感覚の上では「突如」としか表現の仕様がない―――、
現実と空想との境界が溶融でもしたかのように、奴はその恐怖の具現のような姿を現したのだ。
 集中独立運用されていたために、軍に配備されていた時でさえ現物を目にすることはなかったあの戦闘ゾイドに、
よもやこんなところで遭遇しようとは。
その機械仕掛けの竜(ドラゴン)はグスタフのトレーラーから自警団のゾイドプールに降り立ち―――駐機姿勢をとった。
ただそれだけの何ということもない動き、
それなのに、奴の周囲からあの恐怖することすら忘れさせる禍々しい空気が広がっていくのが手にとるようにわかる。
 それも無理は無かろう、先の大戦を生き延びた者にとり、
彼の竜(ドラゴン)はまさしく破壊という概念が実体化した姿の一つ、
畏怖をすら超え畏敬の念さえ抱かせる存在なのだ。
605ドラゴンスレイヤー @15:2008/11/03(月) 14:10:47 ID:???
 オーガノイドシステムを初めて搭載され、
その絶大なる戦闘力をもって多大な戦果を挙げ、
後の戦闘ゾイドの在り方にさえ影響を与えた戦闘ゾイド、
虐殺竜ジェノザウラー。

 破壊と殺戮の希求という狂気の一つの結晶が、
この世界の背景としてただそこに存在しているだけのようなごく平穏でありふれた町に現れたのだ。
 その姿を見ながら、俺は、覚醒しているにもかかわらず悪夢の奥底に沈んでいるような、奇妙な現実感の無い感覚に捕らわれていた。
「すごいな、あれがジェノザウラーか!」
「本物だぜ、本物なんだぜ!」
腹立たしいほど呑気な声が俺を忌々しい現実に引き戻す。
そのおかげで、俺の脳裏に幾分現実的な思考がよぎった。
軍がジェノザウラーなど放出する訳が無い。
つまり、あれがここにいるのは何らかのまともでないルートによっての筈だ。
強力な戦闘ゾイドの前に目の曇った穀潰しの調達担当者がどんな連中と接触したかなど知ったことではないが、
これは禄でもないことが起こる。
なまじのことではすみようのない禄でもないことが。
無論、あれが、どこかの業者の連中があちこちの戦場から拾ってきた残骸をパッチワークして
何とか動けるようにはした代物である可能性もある。
だが、俺にはどうも拭い去れない嫌な予感がしていた。
そして、予感という奴はそれが嫌なものであればあるほど良く当る、というのが俺の経験則だ。
俺の思考は、再び、不安と恐怖の混沌の渦中に沈んでいった。

606ドラゴンスレイヤー @16:2008/11/30(日) 00:48:10 ID:???
 神経を引きむしられるような数日間が過ぎた。
 これまでのところは、俺の懸念は杞憂と呼べそうな気配であった。
 ドラゴンライダーに抜擢された自警団員もジェノザウラーに習熟し始め、
時宜と見た自警団は、ジェノザウラーを模擬戦に参加させることにした。

 自警団の模擬戦は、町への侵入を阻止する訓練と、町に侵入した敵を駆逐・排除する訓練とがあるが、
今回のジェノザウラーが初参加する模擬戦は、町の東に広がる荒地で、侵入阻止訓練として行われることとなった。
 ジェノザウラーは、これまでの自警団が配備していた戦闘ゾイドとは比べ物にならない機動性を誇り、
そして、この町にはジェノザウラーもしくはそれと同等以上の機動性を持つ戦闘ゾイドの部隊に
配属された経験のある人間がいなかったことから、
自警団としては、この強力だが一体しか所持していない戦闘ゾイドをどう活用するのがよいのか計りかねているらしかった。
そのため、そもそもジェノザウラーが戦闘状況下でどのくらいの動きができるのかから把握する必要があり、
その機動性を発揮したジェノザウラーの観測がこの町の周辺で最もし易いこの荒野が訓練場に選ばれたようだ。
607ドラゴンスレイヤー @17:2008/11/30(日) 00:49:06 ID:???
 破壊の化身が駆けていく。
 阻止側に割り振られたジェノザウラーは、アグレッサー隊の側後方に回り込むべく、驚異的な機動を披露していた。

 今回の模擬戦で、阻止側は、町に襲撃をかけてくる敵に対し、
その側後方にジェノザウラーを回り込ませ、その絶大な火力を以って敵を撹乱・分断させ、
他の戦闘ゾイドは、態勢を崩し自らに無防備な姿を晒している敵を仕留める役と、
ジェノザウラー及び止め役に対する火力支援役とを行わせるという戦闘法を採ることとしていた。
 仮想敵はこの町に襲撃をかけてくる盗賊や野良化した戦闘ゾイド程度であるとはいえ、
勢子役がジェノザウラー一体だけとは少な過ぎる気がするが、
この模擬戦の目的の一つが、ジェノザウラーが戦闘状況下で発揮できる動きの把握にあるため、
このようにジェノザウラーを「存分に暴れまわらせる」戦闘法を採ることは必要であるし、
この模擬戦の推移を見て勢子役に他の戦闘ゾイドを加えるかどうか考えるつもりなのだろう。
また、ジェノザウラーにこの自警団の他の戦闘ゾイドと足並みを揃えさせると、
どうしてもその機動性をスポイルさせることとなってしまう。
もっとも、極端な話、ジェノザウラーは戦闘機動させずにトーチカとして使用しても強力ではある。
だが、ジェノザウラーそのものの操縦訓練の一環としてもう何度も町の中を移動させているので、
敵の侵攻状況に応じ、町の中を通って適切な射撃位置に移動する、
いわば「迅速にその位置を変えられる強大な火力を持ったトーチカ」としての使用法については
既にある程度の活用可能なデータがある。
ならば、模擬戦によりジェノザウラーの機動性を存分に活かした戦闘法の検討をしたい、というのは自然な考えである。

 ただ、俺には、一体しかいないジェノザウラーにその高い戦闘機動性を発揮させる戦闘法を採りたい、というのは、
どうも色気を出し過ぎなような気がしてならない。
大抵において、色気を出すと碌なことにならないものだが……

 まあいずれにせよ、あのドラゴンライダーがああしているのはれっきとした理由のためであり、
あの機動からも、今俺の頭の中にいる奴のように醜態を披露するのが目的ではないことがわかる。
608ドラゴンスレイヤー @18:2008/11/30(日) 00:52:05 ID:???
 ジェノザウラーは濁流に舞う木の葉のような軌跡でアグレッサー部隊の側面に回り込むと「荷電粒子砲を発射」、
たちまちのうちに「射線」上のアグレッサー機のヒットインジケーターが点灯する。
側面を脅かしている敵に反撃しようとするアグレッサー機には阻止側戦闘ゾイドの「射線」が降り注ぎ、
その機を逃さず俊敏な竜は「パルスレーザーを撃ちつつ」打撃位置を変える。
 こんな町の自警団風情にしては、異様にも感じるほど見事な連携である。
 どんな陸上戦闘ゾイドも、正面装甲のほうが側後面装甲より強固なものだが、ジェノザウラーは特にその「落差」が大きい。
つまるところ、遮蔽物とその高い機動性を活用して優位な位置取りを確保しなければならないわけだが、
移動もすれば反撃もしてくる対象を相手に優位な位置取りを確保し続けるには、
味方戦闘ゾイドからの支援射撃が不可欠である。
 まさにこの金科玉条に従った行動でジェノザウラーと阻止側戦闘ゾイドはアグレッサーを痛撃している。
 見事、実に見事、だが、やはり、殴り込みをかけているのがジェノザウラー一体だけでは無理があるのではないか、
「支援射撃をしつつ」状況の推移を見ながらそう思っていたら、案の定ジェノザウラーに「射線」が集中したらしい。
 戦場情報システムにより、各「友軍」戦闘ゾイドのコンディションデータは共有されているが、
そこからジェノザウラーが「側面から手酷く被弾し続けている」ことがわかる。
撃たれているのが演習用レーザーでなく実弾なら、とっくに蜂の巣状態の屍を晒している筈だ。
609ドラゴンスレイヤー @19:2008/11/30(日) 00:52:49 ID:???
 だが、ジェノザウラーのヒットインジケーターは点灯していない。不具合だか何かを起こしているらしい。
そのため当然のことアグレッサー側にはジェノザウラーが「撃破されている」ことが伝わらないから、
ジェノザウラーはずっと「撃たれ続けている」。
 ドラゴンライダーはどうして無線でジェノザウラーが「撃破された」と言わないのか、
このジェノザウラーの状態では、照準レーザー警報やら損傷警報やらがコクピットに充満しているはずだから、
そんな状況では、あのなかなかの技量の持ち主でも混乱してしまっているのか、
そう思ったそのときになって、
ようやっと俺はジェノザウラーのコンディションデータ中の乗員の項目が何を示しているのかに気がついた。
 ―――何だこれはっ!

 突如高速の巨大な物体がアグレッサー部隊に突入し、その突入箇所に「レッドホーンを形成していたもの」が散らばった。
610ドラゴンスレイヤー @20:2008/11/30(日) 00:53:31 ID:???
「ジェノザウラーから離れろ! 暴走だっ!」
 見ればわかる!
 その無線警告が終るまでにも、
魔竜の牙は更に二体のレッドホーンを引き裂き、その射るような光を放つ眼は次の犠牲者の姿を捉えていた。
611名無し獣:2009/01/01(木) 10:38:12 ID:???
コマンドウルフがいいな
612 【大吉】 【360円】 :2009/01/01(木) 21:50:00 ID:???
>>611
俺も
613名無し獣@リアルに歩行:2009/02/09(月) 19:14:12 ID:???
千のモルガになって〜
614名無し獣@リアルに歩行:2009/02/09(月) 19:14:47 ID:???
モルガ千匹
615名無し獣@リアルに歩行:2009/03/09(月) 00:09:05 ID:???
1ヶ月ぶり
616名無し獣@リアルに歩行:2009/03/16(月) 07:21:34 ID:???
1週間ぶり
617名無し獣@リアルに歩行:2009/04/16(木) 00:07:37 ID:???
1ヶ月ぶり
618名無し獣@リアルに歩行:2009/05/16(土) 00:18:43 ID:???
1ヶ月ぶり
619名無し獣@リアルに歩行:2009/08/17(月) 23:42:41 ID:???
久しぶり
620名無し獣@リアルに歩行:2009/08/29(土) 23:18:01 ID:QywpzhJY
ライトニングサイクスになって走り回りたいな
621名無し獣@リアルに歩行
めちゃめちゃ癖のある重武装ディバイソンで乗り手は傲慢な若造
死に様はどうにもならん最強肉食恐竜系荷電粒子砲搭載帝国ゾイドと死闘を繰り広げる
増援が来るまで守らなければ・・・
そして精魂尽き果て地面に方膝をつく雄牛
最期の荷電粒子砲が打ち込まれようとするその直前、パイロットを放り出し石化

その後若造は愛機を守ってやれなかったことを悔い、訓練に明け暮れた
五年後、共和国No.Tゾイドパイロットとなった彼は帝国パイロット達を凍り付かせたのだった