http://www.chikumashobo.co.jp/web/taguchi/t001102.html は傑作だよー。ランディは「空虚」だから、編集の人が一生懸命ネタ振りして
くれないと何も書けないんだって。「書きたいと思わせてくれなければ」
書かないよーと、今は懐かし「くれない族」みたいなことも言っているよ。
―――以下引用
文藝春秋の大村さんという編集の方がいらっしゃった。今後の執筆予定など
聞かれたので正直にお答えすると「お忙しいんですねえ」とため息をつかれる。
奥ゆかしい方らしく「こういうのを書いて下さい」とは決して言わない。
私は執筆依頼順に小説を書こうなどとアホらしいことは思ったこともなく、
自分の書きたいものを書いているだけなので、書きたいと思わせてくれなけ
ればたぶん一生涯書くことはないだろうと思った。
別れ際に「私は空虚なんですよ」と言ってみた。「は?」「私はね、自分
には何もない。からっぽなんです」「空虚ですか?」「そうです。だから編集
の方が何か注ぎ込んでくれないと何ひとつ書けない。あなたとの出会いが私の
作品です。あなたに何もなければ、私は何も書けません」
大村さんは狐につままれたみたいな顔をして帰っていかれた。出会いはある
のかな。