184話「最高の場面」
時田、顔に汗を浮かべて立ち上がりながら
(誰か…砕かれた“自信”を…誰か…)
(誰かもとにもどしてくれ)
(戦わなきゃならないんだ…)
時田の脳裏に小西の姿が浮かぶ
小西「時田…」
時田「…」
小西「時田…」
時田(僕は 現在の激しく強いマキさんと 戦える…
それを目指してきた とにかく ソレだった…)
時田下を向いて笑いながら「「旬は逃すな」……か」
時田の脳裏の小西
「超美人100人だって いずれババア100人だ」
「「旬は逃すな」」
「もう長生きなんて いらん」
時田、うつむいていた顔を上げながら
「なるほど…」「永遠に生きられるなら 人間は戦わない か…」
(ゆるやかに過ぎていく時間を “幸せ”とでも呼ぶのかな)
(最高に強いマキさんと戦う…)
(そのマキさんは… 目の前にいる)
(そうだった)
(今 この場は僕にとって・・・最高の… 最高の場面だった)
時田の目に光が戻る
(自分を出しきれば それでいい 迷わず“僕の答え”に辿り着く!!!!!)
(行きます…)
マキに向かっていく時田
深道(ひらきなおったか時田… 渺茫までの最後の壁だ 壊してみろエアマスター)
時田の同撃酔拳がマキの顔にかすり血が出る
マキ「来な」
時田の連続攻撃がすべてマキの顔をかするが、直後同撃のパンチを目を閉じたマキに弾かれる
時田(同時に撃ってなお 弾かれた)
マキの連続蹴りが避けようとする時田の顔に連続で当たる
時田鼻血を吹いて倒れながら
(やはり 素晴らしい)
「僕はっ」
「弱いですかっ」
「マキさんっ」
泣きながら叫んで床にドサと倒れる
「受けとめて・・・・もらい・・・ます」
起き上がりながら
「僕を マキさん… 全部」