大久保さんは「今の未婚男の特徴は『なんとなく結婚しない』という漠然とした感じと、
自分の幸せしか考えない身勝手さがあること。人を幸福にするという考えがない。
他人をおもんぱかる感受性が鈍く、一人でいればいるほど枯れていく」と話す。
結婚問題に詳しいエッセイストの岸本裕紀子さんは未婚男が多いわけを
こんなふうに分析する。「未婚男は大きく分けると二つのタイプがある。
ひとつはバブル期に青春時代を送った30、40代。
値の張る趣味や快適な暮らしのパターンが確立され、
そこに結婚という形で他人が入ることが煩わしい。
一方、フリーターなど低収入の人たちは結婚生活を営むのが物理的に難しい。
いずれにしても、結婚して家族に責任を持つことに魅力を感じなくなってきています」
男たちは主導権を握りたがらない。
親や職場から「結婚しないのは半人前」と言われる圧力も薄まり、
決定を先延ばしする「生煮え男」が増えているようだ。
とはいえ、大久保さんらがまとめた05年調査では60年代生まれで
子ども2人を持つ既婚男性の73%が「生活に満足している」と答えたのに対し、
同年代の未婚男性のそれは33%。
「40代から急に物足りなさを感じる未婚男は多い。
夢も趣味も大したものではないと気づくんですよ。
でもそのとき、男としての活力、市場価値は明らかに落ちている」と大久保さんは言う。
毎日新聞 2006年9月12日 東京夕刊
http://12355528.at.webry.info/200609/article_28.html