私など留守番すら満足に出来ないので

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952クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/02(水) 14:33:56 0
その問いかけに
私は 少し悩んだ

私が悩んでいるうち
彼女は 無言のまま
何やら細長い
鈍く黒光りした
金属のようなものを
丁寧に テーブルの上に
並べ始めた
953クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/02(水) 14:35:01 0
いたたまれなくなった私は
意を決してこう答えた


長めのスポーツ刈りで
お願いします
954クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/02(水) 14:35:58 0
わかりました〜

彼女はそういうと
私の首に
何かを巻き付けた始めた
955クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/02(水) 14:37:33 0
少し苦しいような
でも
呼吸は問題なく出来る
何とも曖昧な強さで
私の首を
締め付けてきた
956クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/02(水) 14:44:58 0
どうやら
マントのようなものだ
なにか
飛沫でも飛ぶのだろうか

これから起こる惨劇を
少し
予感させるものだった
957クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/02(水) 14:46:57 0
彼女は
テーブルに並べたものの中から
細めの鋭利なハサミを選び
手に取った
958クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/02(水) 14:49:17 0
彼女はそれを
私の頭に向けた

作業の邪魔になるからと
私から眼鏡を取り上げ
ザクザクと 無造作に
斬りつけ始めた
959夢見る名無しさん:2010/06/03(木) 08:12:04 0
クレヨン様、1000が見えてますね。来週火曜日くらいでしょうか・・
まれに見る良スレでした。パート2を期待してます( ´∀`)
960クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 09:28:06 0
クレヨン様
→様!?
1000が見えて
→はい ようやく
来週火曜日くらい
→ですね 鋭いです
まれに見る良スレ
→のわっ!?
パート2を期待
→ええええっ!?
961クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 09:30:17 0
ええい

この誉め上手

でもパート2はないなぁ
相変わらず
留守番も出来ない
ままですが
962クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 09:34:03 0
というわけで

「惨髪」〜さんぱつ〜
   第2話

*前回までのあらすじ*
散髪屋さんに行きました
長めのスポーツ刈りに
してもらおうと思ってます
963クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 09:40:11 0
時には
何か液体らしきものを
私の頭に振りかけながら
そして時には
ハサミを替えながら
彼女は 私の頭の形を
少しずつ変えていく
964クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 09:53:13 0
為す術のない私
話すこともない
ただ黙って
この重苦しい時間が
一刻も早く過ぎるのを
願うしかなかった
965クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 09:57:47 0
20分は経っただろうか
彼女はハサミを置き
私の前に立った
こっちへ来い
頭を出せ と言う
私は指示通り
頭を突き出した
まるで 独裁女王に
ひれ伏すかように
966クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 10:03:15 0
後頭部を押さえつけられ
泡の出る不思議な液体を
頭にかけられて
毛が全部
抜けるんじゃないか
という勢いで
なでくりまわされた
かなり痛い
967クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 10:07:15 0
それが終わると
今度は頭からお湯を
無造作に
バシャバシャとかける
少し熱い

それを数回繰り返した

みそぎか何かだろうか
いずれにせよ
私には為す術がない

耳の中に
お湯が入り込む
ムズムズする
968クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 10:13:21 0
みそぎが終わり
私は上体を起こし
再びイスに背もたれた
まだ少し
耳がムズムズしている

すると 彼女は突然
私のイスの背もたれを
何も言わずに
倒し始めた
私は不意をつかれた
969クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/03(木) 10:16:38 0
倒しますね〜 とか
普通は言うだろう
ちょっとビックリした

じゃあ 顔剃りますね〜

ああ 私も今
顔を剃るんだろうな と
思っていたところだ

この状況にも
少し 慣れてきた
970クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 09:34:31 0
「惨髪」〜さんぱつ〜
   第3話

〜前回までのあらすじ〜

イス倒すときは
事前に伝えて欲しいです
971クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 09:37:23 0
彼女は
別の刃物に持ち替え
それを 弄ぶように
私の首筋に這わせ始めた
972クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 09:39:20 0
こんな無防備な体勢で
頸動脈に刃物を
押し当てられる恐怖
しかし
やはり私は為す術がない
973クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 09:43:37 0
そんな恐怖が
私の神経を狂わせる
あろう事か
刃物を押し当てられたまま
私は眠りに落ちた
974クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 09:52:47 0
どのくらい経っただろう
突然 私のイスの背もたれが
起きあがりだした

おこしますね〜
とか彼女は言わない
しかし私も多少は
学習能力があるようだ
今回は
そんなに驚かなかった
975クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 09:59:06 0
ほぼ完全に
背もたれが起きあがってから
彼女はこう言った

顔剃り 終わりました〜

ああ 私も今
終わったんだろうな と
思っていたところだ
976クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 10:04:31 0
その後
肩を何度も鷲づかみされたり
何だかスースーする液を
頭に吹きかけられたり
またハサミで
チャキチャキされたりしたが
私はもう
どうでもよくなっていた
977クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 10:06:05 0
そして

はい おつかれさまでした〜

終わった
私の 長い長い戦いが
およそ60分
978クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 10:09:18 0
なんだろう
前評判の割に
内容がイマイチなドラマを
騙されて見てしまった後のような
けだるい感じだ 憔悴している
979クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/07(月) 10:11:54 0
しかし そのけだるさも
何だか心地良い

ようやく
私は解放されるのだ
980夢見る名無しさん:2010/06/07(月) 18:29:59 P
スレが終わる前にラー油の続編を!
981クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:25:15 0
ぞ…そくへん…!?
ラー油の!?

え〜っと じゃあ


「惨髪」〜さんぱつ〜
番外編・ラー油の行方

〜前回までのあらすじ〜

ラー油奪還作戦の
成否やいかに
982クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:27:55 0
なんて言うほどの
話じゃないんですけど
あっさり奪還したんすよ
カウンターにおいてあったの

店の子も
覚えていてくれてて
「あれ?
 ラー油の人ですよね」
の一言で万事解決
983クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:38:59 0
そのラー油は通常
障子紙風の
少し透けた包み紙で
優しくくるまれて
可愛く売られてまして

それをさらに
透明の薄いナイロンで
優しくくるんで
緑色のモールで止めて
ちいさな荷札をつけて
保管しててくれてたんです
984クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:42:23 0
荷札には
「○月○日 カウンター」
と書いてありました
なんだか
ちょっとしたプレゼントを
もらったような気分
「ラー油の人」呼ばわりは
恥ずかしかったですが
帰り際にも
「ラー油持ちました?」
とか言われて
恥ずかしかったですが

もう食べ切ったので
近々また 
お店に行くつもりです
985クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:45:12 0
と言うわけで行きますか
1000まで一気に

「惨髪」〜さんぱつ〜
   第4話

〜前回までのあらすじ〜

散髪屋さんでスポーツ刈り
顔も剃ってスッキリ
986クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:48:28 0
彼女は最後に
私から取り上げた眼鏡を
返してくれた

こんな感じでどうですか〜

私は戻ってきた眼鏡をかけ
鏡に映る自分を見た
987クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:56:38 0
おかしい
頭頂部に丸みがない
いや
むしろ平坦なシルエット

これは
角刈りではないのか
私は愕然とした
988クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 09:58:18 0
だが
もちろんそんなことは
口が裂けても言えない
昨日 彼女の母上から
山で採ってきたタケノコを
もらったばかりだ
989クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 10:02:48 0
だいたい
そんなことを言えば
また あの黒いイスに
座らされるのだろう

そして
重苦しい時間が
流れる中
彼女は再び 私の頭に
某かの金属を
向けることになるのだ
それだけは
もう耐えられないのだ
990クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 10:05:26 0
うん コレで良いよ

とにかく早く
ここから出なければ

彼女は最後に
金を要求してきた
なるほど そう来るか
金で開放してくれるなら
それでいい
私は慌てて財布を取りだし
彼女の要求通り
3,150円を支払った
991クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 10:08:23 0
ありがとうございました〜
またお願いします〜

そんな彼女の声を振り切り
私は急いで建物の外へ
飛び出した

もうここには
二度と来ないぞ と
強く心に誓いながら


あれ ペース配分失敗?
998でさるさん出ちゃうかコレ
992クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 10:56:15 0
「惨髪」〜さんぱつ〜
   最終話

〜前回までのあらすじ〜

角刈りになりました
993クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:03:00 0
か〜み〜を〜き〜った
わた〜〜〜しを〜〜〜
み〜ん〜な〜
わら〜ってるぅ〜〜〜
そ〜んな〜に〜
に〜あわ〜な〜い〜かし〜ら〜
わ〜た〜し〜
か〜な〜し〜いわぁ〜

だから散髪は嫌いなんだ
994クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:11:58 0
実際 散髪に行くときは
毎回こんな感じ
行くと決めるだけでも
一苦労

特別嫌な思い出が
あるわけでもない
人が嫌いなわけでもない
ただ
あの空間がとにかく
耐えられない
995クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:14:17 0
散髪のイスにすら
満足に座れない
ラー油すら
満足に持ち帰れない

満足に料理など
出来るわけもなく
満足に留守番など
出来るわけもなく
996クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:16:31 0
でも
1000まで書くことは
出来そうだ
7ヶ月以上もかけて
成し遂げたぞ
よく続いたもんだ

出来ることが
全くない訳でも
ないらしい
997クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:17:22 0
留守番すら
満足に出来ないけど
998クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:21:41 0
こんなくだらないスレを
立ててくれた人
ありがとう
こんなつまらないスレに
付き合ってくれた人
ありがとう
999クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:22:37 0
次の留守番は
ちゃんと出来るかな
1000クレヨン ◆jACrayonZw :2010/06/08(火) 11:24:36 0
出来るといいな
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