その問いかけに
私は 少し悩んだ
私が悩んでいるうち
彼女は 無言のまま
何やら細長い
鈍く黒光りした
金属のようなものを
丁寧に テーブルの上に
並べ始めた
いたたまれなくなった私は
意を決してこう答えた
長めのスポーツ刈りで
お願いします
わかりました〜
彼女はそういうと
私の首に
何かを巻き付けた始めた
少し苦しいような
でも
呼吸は問題なく出来る
何とも曖昧な強さで
私の首を
締め付けてきた
どうやら
マントのようなものだ
なにか
飛沫でも飛ぶのだろうか
これから起こる惨劇を
少し
予感させるものだった
彼女は
テーブルに並べたものの中から
細めの鋭利なハサミを選び
手に取った
彼女はそれを
私の頭に向けた
作業の邪魔になるからと
私から眼鏡を取り上げ
ザクザクと 無造作に
斬りつけ始めた
クレヨン様、1000が見えてますね。来週火曜日くらいでしょうか・・
まれに見る良スレでした。パート2を期待してます( ´∀`)
クレヨン様
→様!?
1000が見えて
→はい ようやく
来週火曜日くらい
→ですね 鋭いです
まれに見る良スレ
→のわっ!?
パート2を期待
→ええええっ!?
ええい
この誉め上手
でもパート2はないなぁ
相変わらず
留守番も出来ない
ままですが
というわけで
「惨髪」〜さんぱつ〜
第2話
*前回までのあらすじ*
散髪屋さんに行きました
長めのスポーツ刈りに
してもらおうと思ってます
時には
何か液体らしきものを
私の頭に振りかけながら
そして時には
ハサミを替えながら
彼女は 私の頭の形を
少しずつ変えていく
為す術のない私
話すこともない
ただ黙って
この重苦しい時間が
一刻も早く過ぎるのを
願うしかなかった
20分は経っただろうか
彼女はハサミを置き
私の前に立った
こっちへ来い
頭を出せ と言う
私は指示通り
頭を突き出した
まるで 独裁女王に
ひれ伏すかように
後頭部を押さえつけられ
泡の出る不思議な液体を
頭にかけられて
毛が全部
抜けるんじゃないか
という勢いで
なでくりまわされた
かなり痛い
それが終わると
今度は頭からお湯を
無造作に
バシャバシャとかける
少し熱い
それを数回繰り返した
みそぎか何かだろうか
いずれにせよ
私には為す術がない
耳の中に
お湯が入り込む
ムズムズする
みそぎが終わり
私は上体を起こし
再びイスに背もたれた
まだ少し
耳がムズムズしている
すると 彼女は突然
私のイスの背もたれを
何も言わずに
倒し始めた
私は不意をつかれた
倒しますね〜 とか
普通は言うだろう
ちょっとビックリした
じゃあ 顔剃りますね〜
ああ 私も今
顔を剃るんだろうな と
思っていたところだ
この状況にも
少し 慣れてきた
「惨髪」〜さんぱつ〜
第3話
〜前回までのあらすじ〜
イス倒すときは
事前に伝えて欲しいです
彼女は
別の刃物に持ち替え
それを 弄ぶように
私の首筋に這わせ始めた
こんな無防備な体勢で
頸動脈に刃物を
押し当てられる恐怖
しかし
やはり私は為す術がない
そんな恐怖が
私の神経を狂わせる
あろう事か
刃物を押し当てられたまま
私は眠りに落ちた
どのくらい経っただろう
突然 私のイスの背もたれが
起きあがりだした
おこしますね〜
とか彼女は言わない
しかし私も多少は
学習能力があるようだ
今回は
そんなに驚かなかった
ほぼ完全に
背もたれが起きあがってから
彼女はこう言った
顔剃り 終わりました〜
ああ 私も今
終わったんだろうな と
思っていたところだ
その後
肩を何度も鷲づかみされたり
何だかスースーする液を
頭に吹きかけられたり
またハサミで
チャキチャキされたりしたが
私はもう
どうでもよくなっていた
そして
はい おつかれさまでした〜
終わった
私の 長い長い戦いが
およそ60分
なんだろう
前評判の割に
内容がイマイチなドラマを
騙されて見てしまった後のような
けだるい感じだ 憔悴している
しかし そのけだるさも
何だか心地良い
ようやく
私は解放されるのだ
スレが終わる前にラー油の続編を!
ぞ…そくへん…!?
ラー油の!?
え〜っと じゃあ
「惨髪」〜さんぱつ〜
番外編・ラー油の行方
〜前回までのあらすじ〜
ラー油奪還作戦の
成否やいかに
なんて言うほどの
話じゃないんですけど
あっさり奪還したんすよ
カウンターにおいてあったの
店の子も
覚えていてくれてて
「あれ?
ラー油の人ですよね」
の一言で万事解決
そのラー油は通常
障子紙風の
少し透けた包み紙で
優しくくるまれて
可愛く売られてまして
それをさらに
透明の薄いナイロンで
優しくくるんで
緑色のモールで止めて
ちいさな荷札をつけて
保管しててくれてたんです
荷札には
「○月○日 カウンター」
と書いてありました
なんだか
ちょっとしたプレゼントを
もらったような気分
「ラー油の人」呼ばわりは
恥ずかしかったですが
帰り際にも
「ラー油持ちました?」
とか言われて
恥ずかしかったですが
もう食べ切ったので
近々また
お店に行くつもりです
と言うわけで行きますか
1000まで一気に
「惨髪」〜さんぱつ〜
第4話
〜前回までのあらすじ〜
散髪屋さんでスポーツ刈り
顔も剃ってスッキリ
彼女は最後に
私から取り上げた眼鏡を
返してくれた
こんな感じでどうですか〜
私は戻ってきた眼鏡をかけ
鏡に映る自分を見た
おかしい
頭頂部に丸みがない
いや
むしろ平坦なシルエット
これは
角刈りではないのか
私は愕然とした
だが
もちろんそんなことは
口が裂けても言えない
昨日 彼女の母上から
山で採ってきたタケノコを
もらったばかりだ
だいたい
そんなことを言えば
また あの黒いイスに
座らされるのだろう
そして
重苦しい時間が
流れる中
彼女は再び 私の頭に
某かの金属を
向けることになるのだ
それだけは
もう耐えられないのだ
うん コレで良いよ
とにかく早く
ここから出なければ
彼女は最後に
金を要求してきた
なるほど そう来るか
金で開放してくれるなら
それでいい
私は慌てて財布を取りだし
彼女の要求通り
3,150円を支払った
ありがとうございました〜
またお願いします〜
そんな彼女の声を振り切り
私は急いで建物の外へ
飛び出した
もうここには
二度と来ないぞ と
強く心に誓いながら
あれ ペース配分失敗?
998でさるさん出ちゃうかコレ
「惨髪」〜さんぱつ〜
最終話
〜前回までのあらすじ〜
角刈りになりました
か〜み〜を〜き〜った
わた〜〜〜しを〜〜〜
み〜ん〜な〜
わら〜ってるぅ〜〜〜
そ〜んな〜に〜
に〜あわ〜な〜い〜かし〜ら〜
わ〜た〜し〜
か〜な〜し〜いわぁ〜
だから散髪は嫌いなんだ
実際 散髪に行くときは
毎回こんな感じ
行くと決めるだけでも
一苦労
特別嫌な思い出が
あるわけでもない
人が嫌いなわけでもない
ただ
あの空間がとにかく
耐えられない
散髪のイスにすら
満足に座れない
ラー油すら
満足に持ち帰れない
満足に料理など
出来るわけもなく
満足に留守番など
出来るわけもなく
でも
1000まで書くことは
出来そうだ
7ヶ月以上もかけて
成し遂げたぞ
よく続いたもんだ
出来ることが
全くない訳でも
ないらしい
留守番すら
満足に出来ないけど
こんなくだらないスレを
立ててくれた人
ありがとう
こんなつまらないスレに
付き合ってくれた人
ありがとう
次の留守番は
ちゃんと出来るかな
出来るといいな
1001 :
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もう書けないので、新しいスレッドを立ててくださいです。。。