いんどの山奥でん

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12 ◆CPUinDOop.
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/mog2/1218302183/659
について
とりあえず、夢みたいな話ばかりしていてもしょうがないので、
現実的な話をば

この業界で一番心配なのは
「一番最初に切られるのは文化関係」
ということかな?
つまり、定職になかなか就けず困っている上に、そのうち仕事自体がなくなる心配です
歴史(教育)って重要重要言われている割には、一番疎んじられている気がするからなあ
哲学や国文学に較べればましかもとも思っていたり


以下、歴史系の職場に関する雑感
<大学>
・統廃合により歴史学関係のポストが少なくなってきている
 昔は短大もたくさんあり、日本史関係の職はたくさんあったが
・国立大学法人化による予算の削減→人文系は特にきつい
→助手を置かない大学、教員の定年退職や転出後に後任を採用しない大学もある
・首都大学東京問題(説明するのが難しいからググってみて)
 石原は歴史教育を重視していない
 大阪府立大も明日は我が身か?
13 ◆CPUinDOop. :2008/08/28(木) 22:59:48 0
>>12のつづき

<博物館>
・指定管理者制度問題(これもググってみて)
・財政悪化による経費削減はまず文化財行政からくる
・箱物行政の終焉
 ex.大阪府立博物館の統廃合
・学芸員は雑芸員
 展示企画や研究、収蔵品の整理といった本来の仕事以外にも
 事務的な仕事が山盛り、小さな自治体の博物館では
 清掃業者を雇えずに掃除までやる学芸員もいるくらい
 総合学習の場となっている=忙しくて学習計画が立てられない中学教員に押しつけられる
・こんなサイトもあるから参考まで
 ttp://yondaro.fc2web.com/

<自治体史関係>
・日本史の院生・ポスドクの収入減の多くは自治体史のバイト
 編さん事務局の臨時職員・嘱託もマスター終了後やポスドクの仕事
・財政難で一番カットされるのはこれ
・トップ(市長・副市長(助役)・教育長や部長級)が変われば
 文化財行政も変わり、自治体史の編さんにも影響が
 刊行冊数が削減されたり、刊行計画がなくなってしまった自治体史もあり
 市長が名を残すためにはじめるのも自治体史だったりするのですが
・編さん計画満了後も色々問題が
 収集した資料の保存・公開のために文書館・博物館計画がたつ場合もあるのですが、
 それ自体もなかなか実行に移されず
 某市史なんかは万博のせいでまさしく「文書蔵」と化しました
 (古文書を扱える職員がいないため、
 何十年もかけて蒐集した資料が眠っているだけという)
14 ◆CPUinDOop. :2008/08/28(木) 23:00:03 0
>>13のつづき


<高校教員>
・公立は今がねらい目
 団塊の世代の定年により教員採用数は増えています
 佐賀県問題もあり、教員採用試験の透明性は以前に比べ高くなるでしょう
・私立は正職をおかずに非常勤ですます傾向がある
 僕たちにとっては良い収入減なんですけどねえ

<その他>
・文科省の大学教育や学位等に関する基準は理系である
 つまり、歴史学は短期間で成果がなかなか現れないのに、
 論文の点数による評価制度を人文系にも強制しようとしている
 学位についても論文博士の廃止、課程博士のみの一本化の方向
 →学部卒やマスター修了でも高校教師や学芸員の現場で経験を詰みながら
  こつこつと論文を書き続け本を出版、それが論文博士の学位請求論文となる
  ケースが結構あったのですが、それが難しくなります