上海式。

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320 ◆Pv2JOidGac

本日『家守綺譚』読了。
沁み渡る清澄感に心根の安らぐを見る。
紹介与ったNに感謝頻り。

思うに、矢張りわたしは境界線上の存在に心惹かれるのだ。
境とは何か。
隔てるもの、その要素。
例えば物と物を隔てる壁があるとして、その壁の内外も又同様に何かしらの壁で隔てらるるのではないか。
即ちゼノンの喩えに陥らんことは自明の理なれども、其処に考え至らざるを得ず。
果たして境の内と外は如何程確かに隔たっているのか。
時に堅固なる事巌よりも更なりて、時にあやふやなる事霧霞の如し。
意識の俎上に上ればこそ其の存在嵩も厚みも無尽蔵に増し、一度意識を外れるや忽ち朧気ならん哉。

あやふやを恐れ、縛らんが為に人は咒を編み出したのではなかろうか。
321 ◆Pv2JOidGac :05/02/06 22:50:49 0

帰ってきてから薩摩芋の甘露煮を。
割とおいしくできた。
冷めると又おいしーのだわこれが。



西洋科学技術の発展は元来、『自然は神の手により作られた』とする思想を裏打ちせんが為のものであった。
が、その思想とは裏腹に、次第明確になって行く自然の理は、神の存在を否定した。
隅隅迄を照らす光は神のものであった筈なのに、それによって照らされた神は、其の姿を薄暮の向こうへと消した。

残されたのは、明確に境を決められた世界。
其処に奇蹟の介在する余地はない。