そら

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19夢見る名無しさん
病院内はエアコンがきいていた。
とりあえず僕は受付っぽいところに足を運んだ。
「そらって子いますか?」
「え?」
あせった。
(そらっていう女の子が入院してるんですがどの病棟ですか?そうきかなければいけなかったかも・・いや、みょうじもいわないと・・・でもみょうじしらない!)
どれも言葉にはならず黙っていると、受付の女性は
「ちょっとまっててね」
そういって後ろにあるパソコンをいじりはじめました。
1,2分待たされた。すると
「そらさんは13歳の女の子?」
(えっとたしか去年12だったから・・)「そうです!」
そういうと受付のひとはわかりやすく丁寧に教えてくれた。
「ありがとうございます」そういうと笑顔で僕を見送った。

病棟の廊下は人が少ない。
いわれた数字にむかってカウントダウンしていく自分だった。
とうとう彼女の名前をみつけた。
「柏原 空」と書いてあった。フルネームをはじめてしった。
ここにきて僕は大きくとまどった。
(俺もしかして結構変なやつなのか・・・わざわざこんな遠くまで一人で・・あいにくるなんて。恋人でもないのに・・ちょっと話しただけじゃん。なんていえばいいんだ)
必死でここに来た言い訳を考えた。考えた。10分も部屋の前で考えた。
ガラっと僕は空けてないのに扉が開いた。
部屋の中からおばあさんが出てきて
「なんだあんたは〜」
そういわれ言葉がでなくなり逃げようとまでおもうと手をつかまれた。
本気で逃げたくなった。しかし腕に力がはいらずおばあさんに手を引かれた。
そして部屋にはいった。
20夢見る名無しさん:04/04/12 17:02
「だれのお見舞いよ??」
言葉が出ない
すると大きな声をだしはじめた
「おぉ〜い誰の知り合いだね〜」
(このクソババア!)と心の中で叫ぶが口ではいえない。
次々にカーテンが開く。
シャーという音がすごく恐かった。
もう全速力でこの病院から出たいと思った。
向かって奥から二番目の左のカーテンが開いた。
「あ」
知ってる女の子の声だった。
目があった。
(もう死にたい)恥ずかしさで汗だくな僕は目をとじた。
「あんたのしりあいか」
もうショック死しそうだった。馬鹿だ。ここまできた俺が馬鹿だ。
そう思うとここまできたお金がもったいないとおもいはじめた。

「はい。友達です」
「え?」

そういわれた僕は生きてて一番うれしい気がした。
友達になってたのか。覚えていたのか。