そら

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12夢見る名無しさん
彼女は病院を移っていました。
恥ずかしながらも受付の人にきいたのです。
「〇〇〇の市民病院にうつりましたよ」
僕の地元は畑だらけで、市民病院も大きくないです。
〇〇〇は県内でも一番栄えてる市で、直感で思ったのは
「あいつの病気は重い」

僕は半分あきらめた。
病の全快して、元気に学校にかよっていた。
〇〇〇には電車で1時間かかる。
中学生の僕がいけるわけがないと思った。
お金もないし、親にもたのめない。
学校生活の中、とうとう中学3年になった。部活が終わり、顧問から衝撃的なことをいわれた。
市内大会で個人ベスト4にはいったペアは〇〇〇で県大会だ。
といわれました。
その日から、部活は一日も休まなかった。
軟式はダブルスだけど、ペアそっちのけだった。ペアはまじめなやつではなかったし、強要するつもりもなかった。
顧問がときどききてくれた。
近くの高校生と試合したりもした。
どうしてもいきたかった。いっても会えるとはかぎらない。でもいきたかった。
3年最後の大会の一週間前、顧問に頼んで練習試合を組んでもらった。
相手は市内で団体のベスト1位常連。個人ではベスト8中6人がこの学校。という学校だった。
みんな負けるつもりでいってる。ゲームをもってくるやつもいた。
練習試合。相手学校3番手に負けた。2番手に負けた。そして、1番手に勝った。
夢中でコートをはしりまわった。とうとう大会の日。
13夢見る名無しさん:04/04/12 12:29
大会ははじまった。
太陽が真上にのぼるころに、一回戦がはじまった。
負けた。
「いままでの苦労は」とか「おまえのせいで」とか思わなかった。
ただくやしかった。
一回戦で負けたのははじめてだった。
もう会えない。これでもうあえなくなった。と思うとただ泣いた。
3年の夏休みは暇だった。部活もない。
ただクーラーの効いた部屋でゲームをしたり漫画をよんだ。
ふと彼女のことを思い出した。
市民病院へいった。
彼女のことをきいた。
「〇〇〇の市民病院にうつりました」
といわれた。
そのまま最寄の駅にいった。
〇〇〇までの料金をみた。
約往復2500円。
今思うと安いが、当時は高く思えた。
そのまま市民病院へ向かった。
汗だくの僕はまた同じひとに
「〇〇〇の市民病院の場所をおしえてください」
といった。受付のひとは笑顔で「はい」といい紙をわたしてくれた。
僕は一礼をすると急いで家に帰った。
自分の財布の中をみると1000円もなかった。
僕は部屋にころがるゲームをかきあつめた。

ゲームを8本売った。
古いゲームばかりで、新しいゲームはうらなかった。
それでも2700円で売れた。
2700円を財布に収め家にかえった。