みっともなくだらしない私の通ってきた道を、独り言。
私の人生は、18歳の春からはじまった。
…それより前のことはほとんど覚えていない。くすんだ灰色の制服に身を包んで
死んだ魚の目で学校に通い、友達もなく、当然恋人もなく、生きる目標も楽しみもなく、
一日中言葉を発せず、ただ粘土のように存在するだけだった気がする。
どうしてそんな人間に育ったのかは分からないけれど、本当に高校卒業までの18年間、
何をして何を感じていたのかほとんど記憶にない。
でも時々、きっと自分は一生友達も恋人もできることなく孤独のまま死んでいくのだろうと
思い、ひどく惨めな気分になっていたのは覚えている。
18歳の春。
大学へ行ってこれ以上勉強したくもなく、かといってまだ社会に出たくもないという
無気力かつ人生ナメくさった考えで、私は専門学校に進学した。
そこはクリエイター系の学校で、本気でその分野で食べていくために入学した人もいれば
私のように社会に出る前に執行猶予が欲しいだけの人もいた。
全体的に男ばかりの学校で、私の入った学科には女の子は7人しかいなかった。
そしてそのうちの1人、Kちゃんに話しかけられたところから、私の人生は幕を開けたと
言っても過言ではない。
「ねぇ次の教室って4Fでいいんだよね?一緒に行こう?」
…あぁ、この人私が18年間友達いない異常な人だって知らないんだ。
私に話しかけるなんて可哀想。ごめんなさいね、そのうちあなたも私が普通に友達の輪に
入れない異常者だって分かるから。
どうせそしたら離れていくんだろうから、友達になれるかもなんて余計な期待はしちゃいけない。
そう自分に言いきかせつつ、私はKちゃんと一緒に4Fに向かった。
どうやら彼女は『新しい学校で最初に友達になるターゲット』に私をロックオンしたらしく、
いろいろと話しかけてくる。
まともに人と話したことがなかった私は当然うまく答えられず、Kちゃんは困った顔をして
次第に無口になり、その授業の終わり頃には他の女の子に話しかけていた。
やっぱり私に友達なんてできっこない。余計な期待をするのはよそう。
しかし翌日もその次の日も、一週間が過ぎ二週間が過ぎても、Kちゃんが学校に来て最初に
「おはよー」と話しかけるのは私だった。
どうしてこんな暗い女に話しかけるのだろう。なにか罠でもあるんじゃないだろうか。
本気でそう疑い、避けるようにしても、彼女は屈託なく私に笑いかけ、当然のように毎日
「今日お昼どこで食べる?」と言ってくれる。
そしてゴールデンウィークを過ぎる頃、私は半信半疑ながらも、自分の身に起こった奇跡を
認めることにした。
………私は、Kちゃんの友達。
1人友達ができると、ほんの少しだけど自信がついた。
もしかしたら他の女の子とも仲良くできるかもしれない。
それにKちゃんは基本的に私とつるんでいるけれど、他の女の子達とも仲良くしようとしてる。
一応彼女の『相方』である私も他の子達に溶け込んでおかないと、彼女に恥をかかせたり、
嫌われたりしてしまうかもしれない。
そう思って、私は極力他の女の子とも話すようにした。
それはひどく苦痛だったけど、既にKちゃんという友達がいた私は、18年間のけものにされて
いた人間だということには気付かれず、そこそこクラスになじんでいくことが出来た。
つづく。レズじゃないよ。
続きはまた今度?
文章力あるなあ
読んでて面白い。
わぁ、レス付いてる。ありがとうございます。
だらだら続けていきますので、良かったら読んでやってください。
(Kのつく人がこれから沢山出てくることに気付いたので、以下登場人物は仮名)
Kちゃんこときよかちゃんは、とても可愛らしい女の子だった。
小柄で細身で色白で、きれいなストレートヘアには天使の輪っかができていた。
その上私と友達になれるほどだから、性格もとても良い。
ただでさえ女の少ない学校で、彼女がモテないはずがなかった。
入学して一ヶ月ほど経った頃から、彼女と一緒にいると、ある男の子が頻繁に
話しかけに来ることに気付いた。
……そーゆー事態にとても鈍感な私が気付いたのがその頃だったのだから、
もしかすると入学直後からアタックされていたのかもしれない。
彼は整った顔立ちにすらりとした高身長で、ものすごく奇抜なセンスの作品
ばかり制作し、クラスの中で少し浮きつつも一目置かれる存在だった。
そんな彼がふらりと私達の前にやってきて、「ん。」ときよかちゃんに何かを
渡して去っていく。
私の「何もらったの?」の質問に、きよかちゃんが困った顔をして見せるものは
片手のないゴジラのフィギュアだったり、卑猥な単語ばかりがプリントされた
Tシャツ(ゲーセンで取ったらしい)だったり、本人の運転免許証だったりした。
「あの人なんなのかなぁ…」
きよかちゃんは困惑しきっていたが、私は密かにドキドキしていた。
私なんかの身には起こったことのない『恋愛』ってやつが、今私のすぐそばで
始まろうとしている。
それは見ていてとても楽しかったけど、心のどこかで妬ましい気持ちもあった。
……私も、こんなことされてみたい。
この前まで友達もいなかったくせに、身のほど知らずな羨みだけど。
眠れなくて夢板フラフラしてたら面白そうなスレがあるじゃないですか。
恋は人を強くしたり弱くしたりするね。俺はダメになるタイプw
1さん、続き楽しみにしてます。
ちんぽ
私も典型的な恋をしたらダメになるタイプ。
おかげで今現在けっこーしんどいです。だから自分自身を見つめ直すべく
スレを立ててひとりごちるのです。
気まぐれな彼の行動が、きよかちゃんへの求愛行為だと気付いてから数日後。
「実は××(私)にね、言わなきゃいけないことがあるんだ…」
少し照れくさそうに彼女は切り出した。
内容は聞かずとも想像はついた。少し離れたところで、例の彼がニヤニヤしながら
彼女と私を見守っている。
「昨日隆志に告られてね、悩んだんだけど、お付き合いすることにしたの」
「そうなんだ!おめでとう〜」
胸の中を、決してプラスの方向ではない様々な思いがよぎったが、私は無邪気に
友達を祝福した。
きよかちゃんは照れながらえへへと笑い、その日私は昼食を、他の女の子たちの
輪に入れてもらって食べることとなった。
初めて身近で見る『恋人のいる生活』というものは、灰色の18年間を送ってきた
私にとって、信じられないほど眩しいものだった。
毎日一緒に駅まで帰ったり、お揃いのキーホルダーをしてきたり、当たり前の
ように同じペットボトルに口をつけたり。
彼らにしてみればごく普通のことが私には羨ましく、密かに妬ましく、そして
何より自分が惨めでたまらなかった。
普通の人はこんな輝かしい生活を、当たり前のこととして楽しんでいるんだ。
私なんて18歳にしてやっと友達ができて、その奇跡が嬉しくてたまらないというのに。
きよかちゃんのことは、誓って大好きだった。
私を灰色の生活から引っ張り上げてくれた、一生の恩人だ。
だけどその一方で彼女が隆志さんと仲良くしているところを見ると、妬ましさと
自分の惨めさで、いてもたってもいられなくなった。
それでも私は必死に平静を装って、彼らカップルと接していた。
二人の間に流れる、ある空気に気付くまでは。
なんかドキドキする。
ある日の昼休み、きよかちゃんと話していると、この前の日曜に初めて彼の家に
遊びに行ったということを聞かされた。
「へぇぇぇー。で?チューとかされちゃったりしたわけ?」
半分冗談で突っつくと、きよかちゃんは困ったような、申し訳なさそうな顔をして
「んー……。彼、強引だから…」と言葉を濁した。
―――否定しない。キス、したんだ。
頭の中にあの2人のキスシーンがちらついて、私は慌てて首を振る。
そりゃ恋人同士ならばすることなのだろうけれど、少しだけショックだった。
そこへ噂をすればなんとやら、彼がやってきた。
気付いた私に(しぃーっ)と人差し指を立て、背後から恋人に忍び寄った隆志さんは、
いきなり彼女の髪をくちゃくちゃにして大笑いする。
振り返り「もー!!」と憤慨するきよかちゃん。
そのままじゃれあう二人の姿は、妬ましくも微笑ましい光景だった。
が、それを笑いながら見ていた私は、ショックを通り越して凍りついた。
じゃれあいの延長線で隆志さんは彼女のTシャツの襟ぐりに指を入れると、白い
ブラジャーの紐を引っぱり出して伸ばし、パチンと打ち付けた。
「痛っ…ちょっともう!!ばかぁーー」
きよかちゃんは少し慌てこそすれ、そんなに動揺はしていない。
この2人は、ブラジャーの紐を引っぱられても動じない関係だったんだ。
「彼、強引だから…」という言葉の真の意味が分かるとともに、私の頭には清楚な
きよかちゃんと飄々とした隆志さんが、裸で絡み合う姿が生々しく浮かび上がった。
垢抜けず無知な生娘の私は、思いがけず目の前に流れたセックスというものの存在に
対応しきれず、凍ったように立ち尽くしてしまった。
そのとき私は一体どんな顔をしていたのだろう。
きよかちゃんは私を見て少し目を見開き、恋人の腕から離れた。
「ちょっとトイレいってくるね」
できるだけ動揺を見せないようにそう言って、私は1人その場を逃げ出した。
教室のドアを閉める瞬間、後ろから隆志さんの声が聞こえた。
「あの子純情そうだからねぇ…」
つづく。なんだか無駄に長ったらしい文章で読みにくいですね…
いや、おもしろいですよ。
私もおもしろいと思う。
普通に面白いです。
体脂肪率は68%って感じ
神尾米は度胸あるって感じ
早く続きが読みたくなりますね
>>21 無駄に長ったらしくないし、読みにくくないよ☆
てか、気持ちよくわかるな〜。私も親友に初彼が出来たときはなんかすっごい複雑な気分になったもん。
おもしろい…。続きがとっても気になる。1さん、頑張って。
ホンマに文章力あるなぁ。読ませる文章やと思う。
29 :
夢見る名無しさん:04/02/22 18:42
なんだか、最初友達が出来なかった頃の>>1さんとうちの小学2,3年の時
ってにてるきがする。(うちなんかににてるなんていやかもしんないけど・・)
きっとうちも最初出来た友達が彼氏作ったらものすごく嫉妬する。
>>1さんどころのしっとじゃぁきっとすまない。頑張ってもっと書いて欲しい。
レスつけてくれた皆様、ありがとうございます。
読んでくれただけでもありがたいのに、結構好評で嬉しい。頑張ります。
(ああでも、これからの私の転落人生っぷりにひかれないかしら…心配)
トイレに入って鍵をかけると、なぜかぼろぼろと涙があふれてきた。
あの2人は私の知らないところでセックスをしている。
きっと世の中の18歳は当たり前のように恋をして、キスをして、セックスをして、
一度きりの青春を謳歌しているのだろう。
でも私に恋人はいない。過去にも、現在にも、きっと未来にも。
学校では他の人に紛れて「私は普通の女の子よー」という顔をしているけれど、本当は
友達もほとんどいない。地元ではいまだに街を歩く時はコソコソしている。
なんて私は惨めでくだらない人間なんだろう。
身の程知らずな願いだけど、私だって彼らのように輝かしい日々を過ごしたい。
18年間積み重ね、この数ヶ月で膨れ上がったコンプレックスが爆発し、私は始業の
ベルが鳴るまでずっと泣き続けていた。
梅雨が明ける頃、私はクラスの中に完全に溶け込んでいた。
一度とっかかりを掴んでしまえば、友達を増やすことは難しいことではなかった。
もう誰からも話し掛けられず、いてもいなくても気付かれない存在ではない。
きよかちゃん以外の女の子達とも楽しくおしゃべりできるようになったし、男友達も
沢山できた。…もっとも、彼らのほとんどはきよかちゃんと仲良くなりたいがために
私とも仲良くしているようなものだったが。
周りが自分を『普通の人』として扱ってくれるのが嬉しくて、学校に行くのが
楽しくてたまらなかった。
18年間友達がいなかったというコンプレックスは、次第に薄れていった。
しかし、もう一つのコンプレックスのほうは、毎日が楽しければ楽しいほど大きく
膨れ上がっていた。
…私には恋人がいたことがない。セックスをしたことがない。
それらを経験しないうちは、私は『普通の人』になれない。
そんな強迫観念を持つまでになっていた。
…今ならわかる。18歳で恋人がいなくて処女でも、そう異常なことではない。
でもその頃はメディアと狭い周りだけを見て、盲目的にそう思い込んでいたのだ。
ほほう。。
29です。もっとかいて欲しい。なんだか・・気持ちがわかってくる・・
ような気がする。やっぱりなきたくなる。自分がよく知ってる人が、
自分の知らない所で、そんなことをしているなんて。私の場合は親だった。
小学校5年生の頃だっけ、保健の授業を受けて、しばらくしてそういう知識が
増え始めた頃、「自分が生まれたっていうことは、お母さんとお父さんは・・」
と思うと死にたくなってきた。友人たちが体験談を語り合っているのを
聞いたときも、あとでその中で一番の親友だった人にメールして、もう遊べない。
ッて打った。悲しかったナァ・・:人のスレにきて長文書いてスマソ・・
29さん、共感してくれてありがとうございます。
私は最近両親の寝室からコンドーム発見して数日間鬱でした(笑
レスつくの嬉しいんでスマソなんて言わないで。
その頃、きよかちゃんと隆志さんの関係は少しづつ変化していた。
隆志さんは彼女にクラスの男友達が増えたことが面白くないらしく、時々
「俺とあいつらとどっちが大事なわけ?」と文句を言ったりしていた。
きよかちゃんも時々、私に隆志さんの愚痴を漏らすようになった。
「あたしがクラスの男の子たちと仲いいのは、ただの友達じゃん?やましいこと
なんてないのに怒られるのは納得いかないよ。それに隆志だってエミちゃん
(クラスの女の子の1人)と仲良くしてるし。皆と仲良くするのはいいけど、
特定の1人と仲いいのはなんかやだな…」
それでも2人は毎日一緒に帰っていたし、おおむね仲良しだった。
夏が近づくにつれ、学校の雰囲気は盛り上がっていった。
なにせ予定表には毎週のように学科の飲み会や校内のイベントが連なっている。
浮き足立つなという方が無理な話だった。
そして私は、一縷の期待を抱いていた。
これだけイベントがあれば、男の子と知り合う機会も増えるだろう。
もしかしたら…そう、とても身の程知らずな願いだけどもしかしたら、こんな私
にもどさくさに紛れて恋人というものができるかもしれない。
……身の程知らずもいいところだった。
いくつかのイベントを消化していく中で、私は現実を思い知らされた。
分かってはいたことだけど、私と仲良くなる男の子は総じて、きよかちゃんと親しく
なりたいがために『相方』である私に近寄ってくるのだ。
飲み会で話していた男の子がふと遠い目をして
「きよかってさぁ…隆志と別れないのかなぁ…。でもそうだ、もし別れたとしても
小林とか沢渡とか、絶対きよか狙ってるしなぁ…」
と呟く度、私はああお前もか、とため息をついた。あなたは知らないだろうけれど、
小林くんも沢渡くんも、この前の飲み会のとき私にそう言っていたんだよ。
今までの人生からは考えられないほど、毎日とても華やかで楽しかったけど、惨めな
気持ちは募る一方だった。
つづく。
お。更新されてる。相変わらず続きが気になる文章やなぁ…(´-`)
続き、待ってます。応援してますよ、1さん。
素直な文章だし、わかりやすい。
私もコンプレックスだらけなんですごく共感する。
>>1さん、続きがたのしみ。
うん、読みやすいし面白い。続きが楽しみです
同じく。
ここに過去を吐き出すことがかなり精神の安定に繋がっているのですが、見る人が
見たら一発で誰のことだかわかってしまう書き方ですね…。
リアルきよか嬢や専門学校時代のクラスメイトのプライバシーを侵害しているのでは
ないかと心配です。
少しぼかしや脚色を入れて書きますので、ここに書き連ねることはすべて事実を元に
したフィクションだと思ってください。
そしてそれは、校内一大イベントであるバーベキュー大会のときに訪れる。
全学科全学年が入り混じって酒を飲み肉を食らい、暴れる人、吐く人、流血する人
続出の狂乱の宴。
今まで経験したことのないようなこのバカ騒ぎはとても楽しくて、慣れない酒も
手伝い、私はハイになっていた。
喧騒の中心から少し離れてちまちまと甘いお酒を飲むきよかちゃんは、男の子に
囲まれて楽しそうに話している。
彼女にやましい気持ちは全くなく、楽しくおしゃべりしているだけというのは
良く知っていたのだけど、正直隆志さんが怒るのも無理はないと思えた。
楽しそうなきよかちゃんと男の子たちのお邪魔をする気にはなれず、私は騒ぎの
中心で何本目かのビールをあおる。と、その時
「いい飲みっぷりだねー。酒強いん?」と話しかけてくる人がいた。
「全然強くないよ〜。もうフラフラ!」
よく知らない人だったが、飲み会のノリで明るく答える。
「いや、その顔は酒呑みの顔だね。これ飲む?結構強いけど」
そう言って彼は茶色いブランデー(?)の小瓶を差し出す。明らかにアルコールの
強そうな香りに躊躇しつつ私はそれを受け取り、一口飲んで盛大にむせた。
「あっははは、大丈夫ー?」彼は笑いながら私の背中をさすってくれた。
その人は同じクラスで、席も近い。だが今まで一度も話したことはなかった。
気合いの入った金髪にピアス、サングラスをかけ、格好はいわゆるギャル男そのもの。
底抜けに明るい性格でクラスの中心人物ではあったが、真っ昼間から性病について熱く
語っていたりして、私にとっては異世界の住人だった。
その彼と私が今、騒ぎから離れ2人で話している。
「いやぁ、ナニゲに喋るのはじめてッスねぇ。学校どうよ?」
「楽しいよ。クラスのみんな面白いし。」
「わっかる。皆ヤバいよねー」
「あなたを筆頭にね」
「うわ、ひでぇ」
普段なら絶対に喋れないような人種だったが、アルコールの力は偉大で、私は臆する
ことなく彼と話すことができた。
いかにも遊んでいそうな彼は、私には想像もつかないような華やかな日常の話(自分が
ボーカルを務めるバンドのこと、よく行くクラブのこと、高校時代にやったちょっと
シャレにならない悪さのことなど…)を面白おかしく語ってくれた。
私は笑い転げながら、彼とお近づきになれたことを密かに喜んでいた。
だが、少し離れたところで男の子に囲まれころころと笑っているきよかちゃんを見て
ああそうか、と思い当たり落胆する。
「あなたも、あの子目当て?」
「は?」
意味が分からないという表情をする彼に、私はハーレム状態のきよかちゃんを指した。
「私に話しかけてくる男の子って、大抵相方のほうに気があるから」
…我ながらひがみ根性丸出しの醜い発言だった。
「あー、きよかさんねぇ…」
だが、彼は首をかしげて言った。
「俺あーゆータイプはダメだわ。可愛いとは思うけど、なんつーかこう、ヤリてぇー
ってのが湧かないんよ」
いきなり性的な言葉が出てきて、私は内心びくりとした。男の子と性のからむ話を
するのは初めてだった。
…その時の私は、性的なことや恋愛にまつわることについて大きな劣等感を抱えている
くせに、そういうことへの興味はあった。むしろ、貪欲に欲していた。
そしてきよかちゃんのことは大好きなのに、彼女の魅力を否定する男が初めて現れた
ことに、意地悪な喜びを感じていた。
それに何より、私は酔っていた。アルコールと、喧騒の雰囲気と、遊び人の彼の話に。
「じゃあさ、私とはヤリてぇーって思う?」
自分の口から遊び慣れた女のような言葉が出たことに、わずかに残るしらふの私は
驚いた。彼も目の前の地味な女がそんな発言をしたことに、少し驚いたようだった。
だがすぐに余裕の笑みを浮かべ、
「そりゃーこうして話しかけて一緒に呑んでるワケですから。」と返す。
「じゃ、もし私がしてって言ったらするの?」
「当たり前。据え膳食わない男はいないっしょ」
「あら嬉しい。じゃあいつの日か、是非一度お相手お願いしますねー。」
「はは、それはこちらこそお願いしたいッスねぇ」
冗談めかしたやりとりだったが、彼の目は笑っていなかった。
私の心臓は慣れない会話にばくばくしていて、軽薄な発言に自己嫌悪を感じてもいたが、
どうしようもなくときめく気持ちを押さえることができなかった。
『セックス』が、今私のすぐ近くにあった。
早く続き読みたい。
(´-`).oO(まだかな・・・・)
おぉ。すごい展開。ドキドキしてきた…。続き待ってます。
激変していくのか…?どきどき。
やがて宴はお開きとなり、参加者たちは二次会に行く人、家に帰る人と散りぢりに
なってゆく。
きよかちゃんは門限があるからと一足先に帰っていた。
クラスの友達はカラオケで二次会をするそうで、私も誘われたが、一同わらわらと
車に乗り込んでいくのを見て参加するのをやめた。
…皆、運転手役の男の子がさっき一升瓶をらっぱ飲みしていたのを見てたでしょ…?
というわけで1人取り残された私は、とぼとぼと駅まで歩いて帰る。胸の中でさっきの
彼との会話を何度も反芻しながら。
『それはこちらこそお願いしたいッスねぇ』
その言葉を私は曖昧な笑みで流し、彼もそれ以上その話題を追及しなかった。
だけどこの私が、18年間家族以外とろくに話したことのなかった私が、地味で可愛くない
こんな私が、誰かの性的欲望の対象になり得るだなんて。
汚い、怖いと思う気持ちより、新鮮なときめきと喜びのほうが圧倒的に強かった。
その時、すぐそこの道路で車のクラクションが鳴った。
私のすぐ横に白い車が止まり、運転席の窓からさっきの彼が顔を出している。
「おーす。カラオケ行かないのー?」
立ち止まり、私は答えた。
「行かないよ。てゆかあれ明らかに飲酒運転じゃん」
「まーね、素人の飲酒運転は怖いからね。でも俺は慣れてるからヨユー。乗りなよ」
そう言って彼は、助手席のドアを開ける。私はしばし呆れてしまった。
どうしてみんな飲酒運転に抵抗がないのだろう。事故ったらどうするつもりなんだか。
もちろん、断固拒否するつもりだった。
しかし、彼とさっき交わした会話が頭をよぎり、高揚した気分が再びよみがえる。
彼の車は見たことのない装飾が施され(今思うにいわゆるDQN車ってやつだが)、車内は
点滅するブラックライトの光と大音量のトランスと甘いココナッツの香りに溢れていた。
この車に乗ったら、彼ともっと仲良くなったら、惨めだった私の人生もさっき聞いた
彼の華やかな世界のように変われるような気がした。
もうちょっとだけ深入りしてみよう、そう思い私は彼の車に乗り込んだ。
車は低い音を立てて夜の道を飛ばす。
彼と私は他愛もない話をしながら、二次会のカラオケへと向かって…いるはずだった。
しかし窓から見える景色は、カラオケのある繁華街からどんどん離れていた。
ふと、不安が胸をよぎり私は彼に問う。
「ねぇ、この車はどこへ行くの?」
彼はニヤリと笑って答えた。
「俺んち。いいだろ?」
…行けば自分が何をされるのか、いくら無知な生娘とはいえ想像はついた。
あれはただの冗談だと言えば、彼はそうッスよねぇと笑って車を降ろしてくれるだろう
ということもわかっていた。
だけど私はうなづいて言った。
「うん、いいよ」
自分が自分の知らない女になっていく気がした。たぶんもう、戻れない。
つづく。文章を簡潔にまとめることができなくてもやもや。
そんじょそこらの小説より(・∀・)イイ
簡素じゃない方が情景わかって(・∀・)イイ!! よ
いや、ほんとおもしろい。たのしみにしてます。
1さん文才ありますよ
ドキドキするー☆
わたし、小学5年のときに両親のセックルをみて、ものすごいショックを受けて
泣きましたよ。両親は下半身丸出しで、2人とも上半身は服を着てたのが
なんだか余計ショックでした・・・。
おぉ。寝てる間に続きが。相変わらず魅せる文章やなぁ。
状況がとってもよくわかるから読みやすい。読んでて楽しい。
1さん、続き楽しみに待ってます。無理しない程度に続けてくださいね(´∀`)ノ
( ´-`).。oO( どきどき )
素晴らしい。
余計な装飾を省いた文章を淡々とsageで進め、
最後の一撃でメッセージを込めてageるなど、
まさに手練、という印象。
n,,,,,,n
ミミミヾミ゙::::・::::::・ヽ <糞スレずざーーーー!w
ミミヾ/ゝ;;;;;;●;;) (´´
ミミヾ|::( ´ー`)ノG□~ (´⌒(´
゚ ○―○ ≡≡≡(´⌒;;;≡≡≡
( ´-`).。oO( いつも書いてる時間が日が変わる前後なんですね )
( ´-`).。oO( おつかれさまです )
( ´-`).。oO( そして 続きを期待しています )
きよか,たかしって知り合いの組み合わせいるからドキドキ
プロフは違うけどね。続きキボンヌ
うわわ、なにやら分不相応なお褒めの言葉が。
こんぐさんが現れるスレは繁栄するというのは本当なのかしら…
>>67 ドキ。両方仮名ですが本人だったらどうしようかと一瞬焦りました。
>>68 なんだ〜おもしろくね。ちなみにこんぐは全てのスレに現れます。こんぐは複数いるしなw
彼の家は、意外にも畑に囲まれた静かな田舎町にあった。
離れの車庫を改造した彼の部屋は、ギターに車の模型にエロ本、お酒の空き瓶、
床に散乱したトレーディングカードといった、女の子の部屋ではまず見かけない
ものばかりがごった返していた。
初めて入る男の部屋に緊張する私をよそに、彼は念入りに部屋の鍵を確認し、
さてと、と私の前にあぐらをかいて座り込んだ。
「まぁ座って。ここまで来たと言う事は、そーゆーつもりと解釈するけど?」
私はおずおずと正座し、彼の顔を伺う。
「…やっぱだめって言ったらどうする?」
「それはもう無理。俺のテリトリーに入った女は俺の獲物だから。逃がさない」
その顔からは、いつもクラスのムードメイカーな彼の表情が消えていた。
最後に残っていた恐れもモラルも、その表情の前に消えていった。
「逃げも隠れもいたしません。どうぞ宜しくお願い致します」
緊張を悟られないよう、芝居がかった仕草で三つ指ついてお辞儀をする私。
彼は呆れたように言った。
「初めてってわけじゃないんだから、そんなかしこまらなくても」
…まさか本当に初めてだとは、思いもしないだろう。
お。始まった。早く寝ないと明日も仕事だが寝たくない俺がいるw
1さん、ドキドキしながらレス待ってて良かったよ。続き楽しみにしてます。
明かりを消して、Tシャツをまくり上げ、片手だけでブラジャーのホックを外し、
彼は固い床に私を押し倒した。
間近に感じる煙草と香水の匂い。初めて触れた男の人の体は余計な柔らかみがなく
ごつごつしていて、部屋は暑いのに伝わる体温は心地よかった。
むき出しになった胸に、生温かく濡れた舌が這った。
早鐘を打つ心臓と震える体を鎮まらせようと、私は目を閉じてそこから意識をそらす。
虫の音が静寂に響いていた。
初めてだと悟られたくなくて、私は必死に『それなりに慣れた女』を演じようとした。
だけど相手は根っからの遊び人だ。さすがに処女だとは思わなかっただろうが、私の
ぎこちない反応に、経験の乏しさを見抜いていたと思う。
処女の体は当然、なかなか男を受け入れられるような状態にはならず、彼は困り果て
何度も「やめとく?」と訊いた。
…今、彼の立場になって考えると、自分からほいほい付いて来た遊びの女が満足に
濡れもせず、不慣れに痛がっていれば萎えて当然だ。はた迷惑な話だと思う。
だけど私は必死だった。
「大丈夫だから、続けて」
半ばヤケクソのようになった彼は力任せにねじ込もうとし、私は必死に痛みに耐える。
何度も挑戦するうちに体は不快な汗にまみれ、沈黙に虫の音がひどく耳障りに響いた。
結局、貫通はできたのだがそれ以上進めず、白けたムードで『セックス』は終了した。
帰りの車の中では、彼も私も沈黙気味だった。
「ごめんね、なんか久しぶりすぎてダメだった」
見栄を張ったウソを信じてもらえたかどうかは分からないが、彼は首を横に振る。
「いーや、なんか俺もテク不足で申し訳ねえッス」
「そんなことない。本当ごめんなさい…。」
来るときの高揚した気分はすっかりしぼんでしまい、私は何度もごめんなさい、を
繰り返していた。
「わかってると思うけどさ、」
駅に着き、車を降りようとする私に彼は言った。
「お互い今日のことは言わないってことで、な。これからの学校生活もあるワケだし」
それはたったさっき獲物を追うハンターの目をしていたとは思えないほど情けなく、
私の顔色を伺うような表情だった。
「わかってるよ。また月曜ね」
物分かり良くうなづくと、彼の目に露骨に安堵の色が浮かぶ。
「おぅ。んじゃお疲れー」
ひらひらと手を振り、窓を閉めると、それっきり一度もこっちを見ることなく彼は
車を発進させた。瞬く間に白い車が夜の闇に消えていく。
足の間でじんじん響く痛みは、抜かれた後もずっと引きずり続けていた。
最後まではできなかったが、私はもう処女ではない。
今日私は、人生で初めて男の人の車に乗って、男の人の部屋に行った。
そしてあれだけコンプレックスを抱き、盲目的に素晴らしいものだと思い、渇望して
いたセックスというものを経験した。
セックスをすれば私の世界は180°変わり、すべての劣等感は消え、きよかちゃんや
隆志さんや世の中の18歳と一緒の『普通の人』になれると思っていた。
だけど今、いつもの駅に降りた私は相変わらず地味で不細工でコンプレックスの塊で、
何一つ、変われてなどいなかった。
つづく。
羞恥心と、彼の名誉毀損にならないかという心配で、書いては消し書いては消し…。
起きてて良かった・・・・
79 :
夢見る名無しさん:04/02/25 04:04
いいねぇ。これできあがったら応募しちゃえばいいのに。売れるよ。ディープラブ(だったっけか?)が本になったんだからこっちの方が売れそう。タイトルもさ、恋愛履歴書はサブタイトルかなんかにして、あばずれってタイトルのがドキッとするし…なんて。
>>1さん、勝手な批評ですみませんね。おもしろいよ。恐れ多いが、私はきよかタイプかなとか思ったりしてました‥Wしかし中身は主人公とおなじだったりする。
ディープラブに蹴り背中。最近は少女?文学全盛だもんね。俺は何とも言わないけどさ〜
あ,処女喪失か〜どうでもよくて引っ掛けたオナゴが処女だと男の方もヤーな感じに
なりますよー
全部ネタだろ
おぉ。ドキドキの展開。このスレをチェックするのが日課になってる罠w
毎日配信なweb小説読んでるみたい。1さん、続き待ってます。
最初らへんは山田詠美の'蝶々の纏足'を彷彿とさせるものがありますな(´-`)
早く続き読みたい
毎日6時半に家を出て、帰ってくるのが10時過ぎってどーよ…。
疲れてグダグダな文章しか書けそうにないので、本日はお休みします。
りさタソの文章は緻密でオサレで結構好きです。ディープラブは……。
ゆっくり休んでください。
お。1さん、お疲れ様です。何かプレッシャーかけて申し訳ないです。
ゆるりと休んでください。
流れをぶった切って、現在進行形の独り言。
『猫になりたい 君の腕の中 寂しい夜が終わるまでここにいたいよ』(スピッツ)
この曲をよく歌っていたのは、本気であなたの猫になりたかったから。
猫ならあなたに構ってもらえた。身一つであなたの街に行けた。傍に居て一緒に眠れた。
私はまだ夜毎あなたのことを思い出してため息をついているけれど、あなたはきっと
もう私がいたことなんて忘れているのでしょう。
おやすみなさい。
88 :
夢見る名無しさん:04/02/26 04:12
>>35です。ずっとPC開いてなくて、ひさしぶりに来させて頂きました。
やっぱり、あばずれ(ッて呼びたくないナァ)さんの文章力最高。神降臨。
とってもすてき。私はネタだとは思ってないけど、ネタでも良い・・
割と沢山本を読む私でも、こんなにいい文章読んだ事あったっけか?
と思いました・・これは・・そこらの本よりどきどきする。
89 :
夢見る名無しさん:04/02/26 05:01
age
あばん?
ストラッシュ!
>87
♪消えないようにー傷つけてーあげぇるぅよー
アバン先生、まさか生きてるとは思わなかったのは私だけかしら。
コンビニ版で読んで驚いていたら「普通に想像つくだろ」と言われたんですが。
>>90 21歳、女、会社員です。
処女喪失の鈍い痛みは、一夜明けると何事もなかったように治まっていた。
そして月曜の朝学校に向かう頃には、あの夜の出来事は夢なのではないかとすら
思っていた。
初めて触れた男の人の体、間近で感じたその匂い、体温、息遣い。
確かに記憶には残っているのに全く現実味がなく、まるで自分の身に起きたこと
とは思えなかった。
だから教室に入り、きよかちゃんと彼女を取り巻く小林くん、沢渡くん、横尾くん
といったいつもの男友達に挨拶し、その輪に加わってバーベキュー大会での話で
盛り上がっている間も、あまり彼とのことは思い出さなかったのだ。
そういえば。と私を睨み、小林くんの口から彼の名前が出るまでは。
「お前途中からずっと木村と2人きりで話してただろー。きよか寂しがってたし、
俺らも密かに心配してたんだぞ。あのチャラ男にお前がたぶらかされやしないかと」
……どきっとした。
一瞬、彼らに全てがバレているのではないかと思ったが、それならこんなに堂々と
言ったりしないだろう。
だが沢渡くんと横尾くんも口々に私を責める。
「しかも木村二次会に来るっつってて結局来なかったしさ、電話も繋がらないし」
「実はどっかで2人で飲んでるんじゃないかって他の奴らも話してたぞー。」
私は慌てて否定した。
「知らないよ!大体あんな住む世界の違う人とはお友達になれません。」
「まぁあれは明らかに遊んでますって人種だけどな〜。」
まだ少し疑いのまなざしを向けつつも、一応納得する小林くん。
そこでタイミングよく始業のベルが鳴り、彼らはそれぞれ自分の席へ戻っていった。
私も荷物を片付け席につくと、少し遅刻して例の彼、木村が教室に入ってきた。
彼の席は私のななめ一つ前。横を通るとき確かに視界に入ったはずだが、彼は私を
見ようとはしなかった。
少しだけ寂しい気もしたが、元々バーベキュー大会以前は一度も口をきいたことの
ない2人なのだから、それが当然なのだ。
彼と私の名誉の為、絶対にあの夜のことは誰にも知られてはいけない。
そのときの私はそう思っていた。
つづく。
>>94 あれは「それだけはやっちゃいけないだろ…イタタタタ…」だったなあ…
あれで一気に評判下がった気がする。
どうなるんだろう…どきどき
100ゲトと共に期待満々sage。
いまのとこそんなにあばずれじゃないみたいだよね・・・
コテのせいで今後の成り行きが余計気になる…。
1さん、仕事も頑張ってくだちい。無理しない程度に。
続き、楽しみにしてます(*´▽`)
今日はオヤスミかな
数々のイベントで盛り上がった夏のテンションは、8月の学園祭で最高潮に達する。
私のクラスはコスプレ喫茶をやることになり、資格試験や作品制作そっちのけで
準備に走り回る日々は、この上なく充実していた。
あの日彼とした行為のことは、リアリティに欠けつつも常に頭の片隅に残っていて、
ふとした瞬間に蘇っては(ああ、私は既に処女ではないのだな)と思い出させた。
だけどそれによって変わったことは一切無く、私は相変わらずコンプレックスの
塊で、彼は全く住む世界の違うただのクラスメイトだった。
忙しい毎日の中でふと一人になったとき、よく私は考えた。
この押しつぶされそうな劣等感の源はなんなのだろう。
友達ができても、セックスを経験しても消えなかった「私には何かが足りない」
という焦燥感は、一体何を手に入れたら満たされるのだろうか。
その答えは、そのときの私には導き出すことが出来なかった。
学園祭当日。
きよかちゃんと色違いで揃えたチャイナ服に身を包み、教室に行った私は、周りの
気合いの入ったコスプレっぷりにしばらく笑い転げた。
白いスーツに白髪のかつら、怪しげな眼鏡でカーネルサンダースに扮する人。
頭からすっぽりと馬のお面をかぶり、何を訊いても「ヒヒーン」としか言わない人。
派手なスーツの胸元に薔薇を一輪、隆志さんのいでたちはまるでホスト。
「彼」こと木村はというと、ルーズソックスにミニスカートの女子高生になりきって
いた。ご丁寧にすね毛まで剃ってある。
こんな面白い人たちに囲まれて学生生活を送ることができて、自分は本当に幸せだと
実感する瞬間だった。少なくともこの18年間、こんなに笑った記憶は他にない。
そんなコスプレ喫茶は同じ科の2・3年生にも爆笑を買い、なかなかの盛況だった。
しかしきよかちゃんは終始浮かない顔をしていた。
ここ最近、というかバーベキュー大会より後、隆志さんとうまくいってないらしい。
あの日隆志さんはバイトがあって参加できなかった。だから本当はきよかちゃんにも
参加して欲しくなかったそうだが、彼女は無理を言って出てきた。
それだけでも既に機嫌を損ねていたところに、更に誰から伝わったのかは知らないが
きよかちゃんが男の子達に囲まれて楽しく飲んでいたということが耳に入り、普段
から彼女の男友達との付き合いをよく思っていなかった隆志さんはついにぶち切れて
しまったらしい。
「あたしはただみんなと仲良くしたいだけなのに…」
きよかちゃんはそうつぶやいて小さくため息をついた。
確かに傍から見たらハーレム状態ではあるが、彼女にそんなつもりはなく、ただ
男の多い学校で普通に友達の輪を広げていたらこうなってしまっただけだという
ことは、『相方』である私もよく分かっていた。
だけど隆志さんがそれを快く思わない気持ちもよく理解できる。
きよかちゃんは「そんなワケないじゃん!」と否定するが、いつも彼女が仲良くして
いる小林くんら男友達は皆、心の底では彼女を狙っているのだから。
…そこで(一応)親友の私が強く忠告すれば、彼女の男友達に対するスタンスも変化
したのかもしれないが、当時自分のことでいっぱいいっぱいだった私はそこまで
気をまわすことができなかった。
つづく。
木村君が遊び人だとよくわかる描写力。
続きが楽しみ〜。
>>1さん、お疲れ様です。
ドキドキしながら続きを待ってます。状況が頭に浮かぶ文章力、尊敬。
日頃の疲れを癒すべく、お休みを満喫してくださいね…(*´▽`)
相手が遊んでよーが真面目だろうが、なんとなく胸にひっかかるSEX相手っていますよねえ・・・
>>112 いるいる。漏れもやり捨てした後,も一度エッチしようとしたら勝ち誇ったような
悲しいような顔して拒否されますた。何ともいえない気分になりやすたよ。
その当時その女はやり女だったんですけど。。。
学園祭は盛況のうちに幕を閉じ、後片付けのあとは学校のホールを貸し切って
全学科混合の打ち上げが行われた。
この夏最大のイベントも終わり、明日からは夏休み。
中高生の頃は夏休みが待ち遠しくてたまらなかった私だが、今年は夏休み
なんてなくていい、毎日学校のみんなに会いたいのに、と憂鬱ですらあった。
クラスのコスプレ喫茶が大繁盛だったおかげで、今まであまり交流の無かった
上の学年や他の学科にも知り合いができた。
私はエミちゃんという子と一緒に接客をしていたのだが、そのときやって来た
同じ学科の三年の先輩がたと仲良くなり、打ち上げでもエミちゃんと先輩陣と
一緒になってお酒を飲んでいた。
飲み会ばかりで忘れかけていたが、私の学校はクリエイター育成の場だ。
今日知り合った先輩がたは、モノを創るという意識のとても高い人たちで、
今度自分達でグループ展を開くという話をしていた。
エミちゃんは「凄いですねぇ、私もいつか仲間とやりたいです!」と目を
輝かせているが、ただ遊ぶためだけに専門学校に進学した私は肩身が狭い。
珍しく真面目に、友達の輪を広げることに腐心する以外にも大事なことは
あるのだな、と反省したりした。
新たにお近づきになった彼らの世界は、この前木村に付いて行って垣間見た
世界とはまた違った眩しさを放っていた。
ふと、きよかちゃんはどうしているのかと辺りを見回すと、離れたところで
床に座って隆志さんと話している。
遠くて表情までは見えないが、そう険悪なムードでもなさそうだ。
「あの2人最近喧嘩してるみたいだったけど、大丈夫そうだね」
何気なくエミちゃんにそう言うと、エミちゃんは2人の方に視線を向け
「ああ、隆志さんときよかちゃんねー。今喧嘩してるの?」
と訊いた。
「うーん、なんか隆志さん、きよかちゃんに男友達多いのが気に食わない
みたい。怒るのも分からないではないんだけどね」
「…そうだね、きよかちゃんってなんかいつも小林くんたちといるよね」
どうやら隆志さん以外のクラスメイトの目にも、彼女はそう映っているらしい。
そのとき唐突に、私は思い出した。
少し前にきよかちゃんが言っていたことを。
「あたしが男友達と仲良くするのは怒るくせに、隆志はエミちゃんとよくメール
してるの。人生相談の相手なんだとか言ってるけど、皆と仲良くするのはダメで
特定の一人と仲良しなのはいいなんて納得いかないよ」
学校では親しそうなところを見たことがないが、エミちゃんと隆志さんは交流
があるらしい。
一体どんな相談をしているんだろう。
軽い気持ちで訊こうと口を開きかけたとき、エミちゃんがぽつりとつぶやいた。
「私だったら彼氏の前でそんなこと絶対にできないけどな」
…視線は2人の方に向けたまま。
穏やかでないものを感じてしまったのは、私の邪推だろうか。
そのうち、なんとなく居辛くなって先輩がたとエミちゃんから離れ、私は
ステージの前の人ごみにもぐりこんだ。
ステージではバンドを組んでいる学生たちが入れ替わりで曲を披露していた。
ハイロウズ、19、バンプオブチキン。
周りは盛り上がっているが、人並みの明るい青春を送ってこなかった私は
どうもこういった青春ソングを聴くと劣等感が刺激され、卑屈になって
逆に気分が盛り下がってしまう。
そこも早々に離れ、一人2階に上がった。
ホールの2階は、売店と食堂になっている。
普段は常に学生で賑わっている場所だが、今は下での喧騒を逃れて静かに
飲みたい少数の人のみで閑散としていた。
私はベンチに腰かけ、ひとつため息をついた。
明確なクリエイター意識を持った先輩方は、とても格好良かった。
同じ学科なのに遊んでいるだけの自分が恥ずかしい。
元々たいした目的もセンスもなく、ただお絵描きが好きというだけの理由で
専門学校に入った私だが、真面目にデザインをやっていつか彼らに認めて
もらいたいという意欲が湧いてきた。
そして、エミちゃん。
勝手な想像だけど、もしかして、もしかするのかな。
そうだとしたら切ない。クラスでは女の子全員が仲良しだけど、密かに
彼女はきよかちゃんに負の感情を抱いていたりするのだろうか。
きよかちゃんのことは大好きだが、エミちゃんだって友達だ。
この先クラスでの友達関係が崩れるようなことになったらどうしよう。
複雑な思いに悩みながらぬるくなったビールをすすっていると、階段に
通じるドアが開いて渦中の人、隆志さんがやってきた。
彼は隅っこで一人飲んでいる私を見つけると、「どーも」とやってきて
隣に腰をおろした。
「どうも。」挨拶はしたが、私は少し戸惑っていた。
きよかちゃんといる時に何度か会話をしたことはあるが、彼と私はあまり
親しくない。二人だけで話すのは初めてだ。
それに正直、私は隆志さんが苦手だった。
以前彼が目の前できよかちゃんのブラジャーの肩紐を引っぱり、彼らに漂う
性的なニュアンスに耐えられず私が逃げ出した時、彼は言った。
『あの子純情そうだからねぇ』
被害妄想かもしれないが、その口調は地味で垢抜けず男性経験の乏しそうな
私を見下しているように思えた。
だが、親友の彼氏を明らかに避けるわけにもいかない。
すぐ隣に座っているのに、一言も口をきかないのは不自然だろう。
「きよかちゃんはどうしたの?」
先程まで二人で話していたのを思い出し、そう話し掛けてみる。
すると隆志さんは露骨に顔をしかめた。
「知らないよあんな女。どうせまた小林達と一緒なんだろ。」
「え、さっきまで二人でいたじゃない」
「まぁね。でも『あたしは友達も大事なだけなの』とかわけわかんないこと
言ってるから無視することにした」
「無視って…。」
「俺としては小林とか沢渡とか、あの程度の男にチヤホヤされて浮かれてる
ような気持ちがわからないけどね。」
「………。」
言葉が出なかった。
今までほとんど話したことがなかったので、彼がどんな人柄なのかという
ことはあまり知らなかった。
独特のセンスを持ち、常に人と少し違ったことをして、周りの驚く反応を
軽く受け流し我が道をゆく、飄々とした人だと思っていた。
アルコールのせいもあるのかもしれないが、まさかこんな他人を見下すような
発言をするような人だったなんて。
絶句する私をよそに、彼はなおも続ける。
「今後のあいつの態度次第だけど、もう別れるかも。他にも問題あるし」
「…他の問題って?」
「あいつ、あんまりやらせてくれないんだよね」
唐突に性的な話が飛び出したが、処女でなくなったせいか、私は以前より
驚きや嫌悪といった反応をせずに済んだ。
「それだけで愛情を測っちゃだめだよ。きよかちゃん、確かに男友達多いけど
あなたのことは別格でちゃんと好きだと思う」
「そうかねぇ」
隆志さんは私の前のビールに手を伸ばし、勝手に一口飲んで「ぬるい。」と
缶を戻す。
…さっきまで私が飲んでいたものに、男の人が口をつけた。
こういうことを普通に友達同士でもできる人もいるのだろう。だけど男と
いうものにほとんど免疫のない私にとって、それはどうしても意識して
しまう行動だった。
このビール、私は再び口をつけていいものなんだろうか。
そんなことに悩んでいたとき、唐突に。
隆志さんの手が、私の両肩を掴んだ。
「………!?」
驚いて顔を上げるとすぐ間近に隆志さんの無表情な顔があった。
お酒くさい息。この人、見た目よりかなり酔っている。
閑散とした2階の食堂にいつの間にか他の人の姿はなく、私と隆志さんの
二人きりだ。
あまりに突然のことに硬直する私に、隆志さんの唇が近づいてきた。
つづく。
(どうしても木村氏をはじめ一部の人が悪者のように見えてしまう…。
私の書き方が悪いだけで、本当は一人残らず良い人です。みんな大好きです。
あくまでもフィクションなんです。懺悔。)
エェェ(;´Д`)ェェエ
怒涛の新展開。休みの日はレスが進みますね。(・∀・)イイ!!
1さん、続きを楽しみにしてます(*´▽`)
レスが進むって何だ…。スレが進む、でしたね。
_| ̄|○ イッテキマス
「恋ははじけ飛ばされたモノがいつも悪者なのよ」
「恋愛と戦争に禁じ手無し」
ですからね。いや,予想通りの展開。主観的な視点から見て,男女関係書いたら
誰かが悪者になrますよ,だ。そんなに悪者にゃ見えないっすよ〜別に悪いことし
てないしね。
悪者とは思わないですよ。あーこういう人いるいるって感じ
キャラがわかりやすくて(・∀・)イイ!。
あばずれさんの心境変化も読んでておもしろい。
人に読ませる文章になってる。
132 :
夢見る名無しさん:04/02/29 22:41
面白い。。
僕らはいつまでも 僕らはいつまでも
笑いあっていたいと 願うけれど
旅立つ日が来るならば せめてこの時間よ
止まれとは言わないよ ゆっくり進め (レミオロメン)
感想書いてくれる方、ありがとうございます。
仕事忙しいので毎日は来れませんが、こんな陶酔文体の自分語りでよければ今後も
読んでやって下さい。おやすみなさい。
おやすみなさい。良い夢を。
今夜も楽しみにしています。
昔好きだった人に会ったら、私が好きだった頃とは別人になっていた。
今でも好きであることに変わりはないけれど、思い出は思い出のままにして
おくのがよかったのかな、と思いました。
(書いていく上で『私』に名前がないと不便だということに気が付きました。
あばずれ、ではあんまりだし『リサ』とでもしておきます。適当だなぁ…。)
「…………やだっ!!」
唇が触れる寸前、顔をそむけ隆志さんの腕の中から逃れた。
なんなのこの人。信じられない。いくら酔っているとはいえ、彼女の友達に
キスしようとするなんて。
唖然とする私を前に、隆志さんは悪びれもせずへらへらと笑っている。
まだ心臓は早鐘を打っていたが、こみ上げてくる怒りに思わず詰め寄った。
「なんでこんなことするの!?」
「きよかの友達だから」
平然と答える彼。ああ、この人は私の絶対に理解できない人種だ。
たったさっき男として意識してしまったことが悔やまれるほど、私は彼に
呆れていた。
「…もう行くね」
そう言って私は立ち上がった。
きよかちゃんへの後ろめたさもあり、早く目の前の男から逃れたかった。
だが、隆志さんは逃がしてはくれなかった。
狙いすましたかのようにコンプレックスを突く発言で、私の足を止めた。
「リサさんは本当カタいねぇ。」
もし他の人にこの言葉を言われたならば、誉め言葉として受け取ることもできた
かもしれない。
だが彼はそのとき、明らかに私を見下すようなニュアンスを込めてその言葉を
吐いた。そしてそれは、的確に私の痛いところに突き刺さった。
お堅いねぇ。遊び慣れてないんだねぇ。ダサいねぇ。お子さまだねぇ。きっと
まともに男に相手されたことないからそんな反応するんだろうねぇ。
そんな嘲りが彼の「カタいねぇ」に凝縮されているような気がして、私の足は
動かなくなった。
それは被害妄想からくる考えすぎかもしれないのだけれど。
何か、言わなきゃ。
もはや何に対して抱えているのかよく分からない、けれど確実にのしかかる重い
劣等感に押しつぶされそうになりながら、私は必死に考えた。
…そんなことない。確かに昔は粘土のようなでくのぼうだったけど、今は違う。
友達だってできたし、遊びも知ったし、セックスだって経験した。
もう誰かから見下されるようなつまらない存在なんかじゃない。
嘲られても否定できるだけの根拠がある。自信がある。
私は、変わったんだ。
「そうかなぁ。私あなたが思ってるよりお堅くないよ?」
「はぁ。そうなんだ?」
「だって私、この前のバーベキュー大会の後、クラスの男とヤッたもーん。」
へぇ、と少なからず驚いた顔をする隆志さんを見て、一瞬だけ(勝った)と思った。
でもその次の瞬間には猛烈な後悔が押し寄せていた。
木村の言葉、『今日のことは言わないってことで』。私は、約束を破ってしまった。
「ちなみに相手は誰?小林とかあのへんの奴ら?」
隆志さんは興味深々に尋ねてくるが、もちろんそれ以上何も明かさない。
馬鹿にされたのが悔しくて見栄を張ったと思われたかもしれない。だがもうそれは
どうでもよかった。
木村は私に知らない世界を垣間見せてくれた。劣等感の一つだった処女という殻を
破ってくれた。
一般的に見ればただのヤリ捨てかもしれないが、私は木村に感謝していた。
なのに、彼との約束をこんなノリで破ってしまった。
隆志さんから逃れて、再び喧騒に満ちた一階に降りる。
頭の中は愚かにもひとつの考えでいっぱいだった。
……木村に、正直に話して謝らなければ。
つづく。書いてて当時のアホさ加減にいらいら。
相変わらず面白いなー。
小出しなのがまたにくい。
………げげ。
リサとか書いてますが別に綿矢りさタンにリスペクトしちゃってお名前拝借した
わけではないです。
おやすみなさい。
私も1さんに似た経験ありますね
続きが激しく気になる罠(;´Д`)
やばいです。面白いです。続きが気になって無駄に更新ばかりしてますw
続き、ドキドキしながらお待ちしてます。
今夜はなしかー。明日に期待。
まさか落ちないだろうけど、保守・・・
こんな時間に始まったかと思ってびびりました。これからも期待してます。
うおおお
初めてココ見たけど「あばずれ」面白すぎ
早くつづきが読みてええ
織田クンとこの女性版みたいなスレだ 読むほどにハマる(*´Д`)
>>141とか見て思ったけど、相当真面目な子だったんだな
今はあばずれとかいう名前になってるが、何があったのかちょー気になる
保守ありがとうございます。
白い巨塔を見れないような時間まで残業なのは泣けてくる…。
>>144 詳細をキボンヌしてもよいでしょうか。
>>150 織田クンとは??気になる…
暗いホールの人ごみの中、木村の金色の頭はすぐに見つかった。
男18歳、ヤリたい盛り。彼はバーベキュー大会で私にしたのと同じように
ブランデーの小瓶を他の学科の子に勧めていた。
見つけたはいいものの声をかける勇気が出ず、しばらくそこに立ち尽くす。
すると彼は私に気付き、「よぉ」と笑顔でこちらへやって来た。
酒が入ったせいか、普段とは別人のように友好的な態度だ。
その豹変振りに少し驚いたが、あんなことがあった後もお酒の席では普通に
話しかけてくれるんだな、と嬉しく思った。
「この前はどーも。」
「いえいえこちらこそ。」
ややぎこちなくあいさつをして、比較的人の少ない隅っこのベンチに腰掛けた。
「また女の子に声かけてるんだねぇ。」
「かわされちゃったけどねー。いやぁモテない男は辛いッスよ」
「よく言うこと、このすけこましが」
この前のように軽口をたたいてけらけら笑える。すっごく楽しい。
だけど私には彼に謝らなければならないことがあるのだ。
いつ言おうかと内心悩みながら他愛もない会話をしていると、少し改まって
木村は言った。
「あーでも良かったよ。ふつーに話してくれて安心した」
「どうして?」
「あのことで怒ってるかなとかちょっと思ってた。こう見えて結構小心者なんで」
言うなら今しかない、と思った。
「……怒られるのは、私のほう。ごめんなさい」
「何?もしかしてデキちゃった?」
彼は軽いノリで茶化す。こんなに楽しく話せるのをぶち壊したくない。けれど…。
「人に、話しちゃいました。」
思い切って、自分の罪を告白した。
言ってしまうと少し気持ちが軽くなったが、言われた方はたまらないだろう。
人の表情筋が滑らかに形を変えるさまを、初めて私は目の前で見た。
友好的な笑顔を浮かべていた顔から潮が引くようにすぅぅと笑いが消え、表情を
無くした顔の中で徐々に瞳に怒りの炎が宿っていく。
木村は静かに言った。
「それは――――怒る」
つづく。おやすみなさい。
そんな時間まで残業とは・・・おつかれさまです!
お疲れならあんまり夜更かしせずに休んでくださいな
健康第一ですよヽ(´ー`)ノ
うわー!!超気になる終わり方だ。
どうなるんだろ…
>>151 今携帯なんでPC復活したらあぷしますね
会話のとこがリアルで(・∀・)イイ!
リサさんのコンプレックスにもはげどう。
保守
161 :
夢見る名無しさん:04/03/07 22:05
続きが気になる
162 :
夢見る名無しさん:04/03/08 06:16
いつも楽しみにしてます(´∀`)
お言葉に甘えて思いっきり休んでしまった…
落ちてなくてひと安心。保守ありがとうございました。
常に饒舌な彼のことだから、きっと怒ったらありとあらゆる罵詈雑言を
浴びせてくることだろう。
そしたらひたすら謝って、なんとか許してもらおう。
話してしまったのは隆志さん一人だし、『クラスの人とヤッた』と言った
だけで、木村の名前は出していない。
謝れば許してくれる。私はそう考えていた。
だが、彼の反応は予想と違っていた。
静かに怒りをたたえた眼でしばし私をにらむと、ふいとその場を去ろうとする。
「待ってよ!」
私は慌てて後を追った。
「ごめんなさい。本当に反省してます!ねぇ…」
「うるさい」
低い声。私はこの人を心底怒らせてしまったのだと直感した。
だけど怒られたままにしておきたくない。こんな状態で夏休みを迎えたくない。
恋愛感情ではなく、私は彼が好きだった。彼の粋な(今ならばDQNな、と言うの
だろうが)生き方に憧れていた。
ただの遊び人のように見えて、実は学校で作る作品はとても洗練されていて
密かに尊敬していた。
何よりこんな私を女として見てくれた。それにとても感謝していたのだ。
嫌われたくなくて、なおも私は彼を追う。
「最後まで聞いてよ、話したのは一人だけだし、」
「うるせぇっつってんだろ」
「ねぇ待ってってば!」
木村はうんざりした様子でホールを後にすると、私の目の前で扉をばたんと
閉めて外で煙草を吸いはじめた。
その背中と闇に溶けてゆく紫煙を見ながら、私は途方に暮れた。
「ねぇ…」
隔たる扉を開けたのは、彼が二本目の煙草を踏み消してからだった。
彼はちらりとこちらを睨み何も言わない。その傍に立って深々と頭を下げた。
「ごめんなさい、許してください」
「………俺の立場がどーなるかとかは考えなかったわけ。」
「あなたの名前は出してないです。」
「バーベキューのときずっとお前と話してただろ。バレバレじゃん」
「…ごめんなさい」
木村は憎々しげにこう言った。
「つーかお前俺のことナメてるだろ?」
「そんなことない。あなたのことはすっごい尊敬してる」
断じてナメてなんかいない。私は彼の生き方や世界に憧れているのだ。
それが伝えたくて口にした言葉だったのに、途端に木村は激昂した。
「はぁぁ!?お前マジでバカにしてんな!?」
皮肉やおちょくりに聞こえたのだろうか。慌てて否定する。
「違うの、私は本気で…」
「…頭きた。消えろ。今すぐ消えろ」
「ごめんなさい、許して」
「しつこい。消えろ」
「ねぇ…!」
なおも食い下がった、そのときだった。
ガン、ガン、ガツン。
顔面に三度、鈍い痛みが走った。よろけた拍子に階段を踏み外し、私は
アスファルトに倒れこんだ。
衝撃と混乱で頭がうまく働かない。何が起こったのかを把握するより先に、
見たこともない怒りの表情をした木村が「死ね」と吐き捨ててきびすを返し、
大股で去っていくのが目に映った。
起き上がって砂を払っているうちに、ようやく何が起きたのか理解した。
右の頬骨と、額と、左目の上が熱い。
私は、彼をキレさせてしまったのだ。
18年間生きてきて、人に殴られたのは初めてだった。
三ヶ所の熱を持った痛みは、衝撃が治まった後じんじんと強さを増してゆく。
だけどそれより私が痛かったのは、心底憎々しげに私を睨んだ彼の眼だった。
『消えろ』、『死ね』、純粋な憎悪を向けられたのは初めてで、人に憎まれる
ということはこんなにも痛いことなのだと実感した。
私は声をあげずにぼろぼろと泣いた。
涙が殴られた個所を伝い、痛みを鋭くした。
見えないけれど、多分三箇所とも腫れていると思う。右の頬骨からは血も
しみ出していた。
その上こんな泣き顔じゃ、楽しい飲み会の中には戻れない。
帰ろう。最悪な夏休み突入のしかただけど、全部自業自得だ。
あぁ、でも荷物がまだ中のベンチに置きっ放しだった…
そのとき、一瞬ホールから漏れる喧騒音が大きくなり、後ろで声がした。
「大丈夫か?」
振り向くと一人の男が心配そうな顔でこちらに歩いてくる。
…彼がこの後私の人生に大きな波紋を投げかける人になるとは、そのときの
私には思いもよらなかった。
つづく。ネムネム…
うわぁん!
続き早く〜!
次回またも急展開なのかー?
>>172 わ、あげてないのに見つかっちゃった。
おやすみなさい。
すごすぎる・・・
あ、きょうは早いんですね
やっぱ続きが気になる!!
44まで、主人公が男だと思って読んでた。ごめん。
けど、これ本当に面白いです。
つづきがんばってください。
うお。めっちゃ続きが気になる終わり方だ。週刊連載出来ますよw
続き、楽しみにしてますね。
179 :
夢見る名無しさん:04/03/09 03:19
本で出たら買っちゃいますー!(´Д`;)気になるぅぅぅぅぅぅぅヽ(Τ∀Τ)/ウワァァン
ある人に面白いよって紹介されてきてみました。
読んでてまるで自分の事のように一緒にドキドキしたり
悲しくなったりしてます。
こんな夢中でスレ読んだの初めてかもw
まさか殴られるとは(;´Д`)早く続き読みたい!
続きが気になって眠れません
この板は最近来たばかりなのですが、炎氏のスレがとても面白くて好きです。
こんなところでこっそりファンコール。
>>177 レスを見て、主人公を男だと思って
>>1-44読んでみたらとても気持ち悪いw
「来ないでください!」
咄嗟に顔を隠して叫んだのは、やってきた人物が自分にとって、みっともない
ところを見られたくない人のうちの一人だったからだ。
しかしその人は気にせず私のそばに寄ると、
「傷になってないか見せてみなさい」と顔を覗き込んだ。
「いやです…」
「どうして?」
「先輩にこんなこと格好悪いとこ見せられません……」
なにワケわからないこと言ってんだばか、と無理やり顔を上げさせられる。
真剣なまなざしで傷を見るその人は、昼間仲良くなった同じ学科の先輩方の
一人、牧さんだった。
牧先輩は右頬の傷を見て顔をしかめる。
「あー、これは後でアザになるわ。冷やしといた方がいいよ」
私は恥ずかしさと情けなさで消えてしまいたいくらいだった。
クリエイター意識あふれる格好良い先輩たち。夏休みが終わったら真面目に
デザインの勉強をして、いつか私を認めてもらいたい、そう思っていた人なのに
男の人に殴られてぶざまな顔で泣いてるところを見られてしまうなんて。
「あの、なんで分かったんですか…?」
恐る恐る尋ねると、
「二階で煙草吸ってたら、外できみとあの1年の金髪の声がしてさ。見てたら
いきなり殴られてるし。超びびったよ」
と呆れたように言われて、ますます縮こまった。
「まぁまずは中に入りなさい。傷冷やさなきゃだし」
手を引かれるのを頑なに拒んで、首を横に振る。
「嫌です…こんな顔皆に見られたくないから、もう帰ります…」
先輩はわがままを言う子供を見るような困り顔で私を見た。
「んーー。一人で帰れるか?」
「大丈夫、です…。」
「でもなぁ、見ちゃったからには放っておけないんだよなぁー」
「中からバッグだけ取ってきてもらえれば、一人で帰れますから…」
「うーーーーん…」
しばし眉間にしわ寄せて唸った後、先輩は「よし」と私の肩を叩いた。
「俺もそろそろ帰ろうと思ってたから、一緒に駅まで行こう。」
「そんな、気遣ってもらわなくても大丈夫ですから…!」
「ばか。後輩が泣いてるのを放っておける先輩がいるか。」
バッグの柄を聞き、「ちゃんといい子で待ってるんだぞ」と言い残して中に
戻って行く牧先輩を見送って、私は階段に腰かけた。
高いクリエイター意識を持ち、木村の持つ世界とは違った眩しさを放つ先輩方は
お近づきになれただけでも光栄な、いわば高嶺の花だった。
その人が私なんかを心配してくれて、駅まで送ってくださるだなんて。
申し訳ない気持ちの反面、優しくされることがとても嬉しくもあった。
たったさっき木村に憎悪され泣いていたくせに、憧れの先輩の一人に気にかけて
もらえてもう少し舞い上がっている。
なんて軽薄、なんて不謹慎なんだろう。
そう思いつつも既に(身の程知らずにも)先輩を男として意識しつつあった私は、
その頃からあばずれとしての片鱗を見せていたのかもしれない。
…すみません、だいぶ文章グダグダですがつづく。
続き(*´Д`)ハァハァ
いっちょまえにトリップなんぞ欲しいなぁと思いまして、暫定的にこんなの付けてみたり。
おやすみなさい。
トリプー取得おめです
191 :
夢見る名無しさん:04/03/11 03:01
セクースイグーーーあげ
あばずれば影が見えてキタ━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━!!!!
>>191 ワラタ
あばずれば ×
あばずれな ○
財前せんせぇぇぇぇ・゜・(ノД`)・゜・。
来週も見れるといいな…
>194
せっかくなんだからトリップ使ってよ
財前って食道癌?
肺ガンでは?
いや、東先生が術野見て固まってたから、肺癌だけではないだろうと。
白い巨塔は救命病棟24時の続編かと最初本気で思ってました。
200 :
夢見る名無しさん:04/03/12 19:07
今夜もなしかな?
広告に200ゲトされちゃった…。
しばらくの後、右手に私のバッグ、左手に缶ジュースを持った牧先輩が
喧騒をかき分け戻ってきた。
「お待たせ。はい、これで冷やしておきなさい」
冷えた缶が額に当てられる。少ししみるけど、ひんやりしてて気持ち良い。
「ありがとうございます…」
鞄と缶ジュースを受け取って礼を言うと、先輩はあーあ、とおおげさに
ため息をついてみせた。
「俺って本当いい先輩だよなぁ。お礼に今度売店でコーヒーくらいおごって
もらってもバチは当たらないよなぁぁ」
まだ鼻をすすっている私を、笑わせようとしてくれてるのだろうか。
私は笑顔を作って答えた。
「尊敬する先輩の為なら、何杯でも貢いじゃいますよ」
「マジで!?じゃあコーヒーよりGUCCIの財布がいいなぁ」
「…前言撤回します…」
駅までとりとめもないことを話しながら、私と牧先輩は夜の道を歩いた。
その日お祭り気分でおろしたてのミュールを履いてきた私は、歩きながら
何度もつまづきそうになる。
やがて先輩はその日何度目かの「ばか。」の言葉と共に、私の手を取った。
「きみはどうしてこう世話が焼けるのかねぇ…」
呆れた口調に優しさを感じる。
この優しさは、後輩だから可愛がってくれているのだろうか。それとも…
目の前の人は私なんかでは絶対手の届かない高嶺の花。
それは分かっているのに、身の程知らずな期待は膨らむ一方だった。
今日はこれで終わり?
私の住む地方は結構な田舎で、夜遅くなると一時間に一本しか電車が出ない。
駅に着いて時刻表を見ると、既に終電まで待たなければならなかった。
方向は違うが先輩もしばらく電車がないらしく、二人で駅の近くの公園で
待とうか、ということになった。
公園のベンチに腰かけ、煙草に火を付けて、先輩は質問を口にした。
「そんで、どうしてあの金髪に殴られたわけ?」
彼には全て打ち明けて今後のアドバイスをもらいたい、そう思ったが、事情を
喋ってしまったら私はまた木村を怒らせることになる。
「それは言えません」
私は答えた。もう遅いかもしれないけれど、これ以上約束を破りたくない。
「ふーん。これだけ世話になっておきながらきみは先輩に隠し事をすると。」
「だって言っちゃったからこそ殴られたんだもん…。」
「なんだそりゃ余計気になる。ぜってー聞き出す。」
「ぜってー言いません。」
「なにー!?」
牧先輩は腰を浮かすと、おもむろに顔を近づけてくる。
私は隆志さんがした同じ動作を思い出しドキドキした。まさか…
しかし、殴られていない方の頬に触れたのは唇ではなく、
「痛い痛い痛いやだぁぁぁーー!!」
「隠し事をする後輩にはこうしてやるぞ〜」
先輩の、中途半端に伸ばしたあごひげだった。ごりごりと押し当てられると
素肌に突き刺さってめちゃくちゃ痛い。ついにギブアップして私は答えた。
「あの人の秘密を知ってて、絶対誰にも言わないって約束したのに、人に
喋っちゃったんですー!」
少し言葉足らずだが、嘘ではない。
「ああ、それはきみが悪いね。」
ようやく顎を離すと、あっけらかんと先輩は言った。
「ですよね。だから殴られて当然なんです」
「いやそれは違うだろ。どんな理由があろうと女殴る男はアホ。」
「でも結構シャレにならない秘密だったんです、だから謝ろうと思って…」
「きみは青いねぇ、そんなんわざわざ謝りに行ったら怒るに決まってるじゃん。
黙ってればいいんだよ。」
2つ上の先輩はオトナの顔でそう諭す。そして
「てか俺に言わせりゃあの金髪もガキ過ぎ。いきがってるけど女に手ぇ上げる
ようなのはただのヘタレだね。」と続けた。
私にしてみれば手の届かないような華やかな世界を生きる木村を、この人は
『ヘタレ』のひとことで片付ることができるんだ…!
それはかなりの衝撃だった。
一体、この人はどんな人なのだろう。
クリエイティブな活動に燃えているのはわかるけど、一体どんな世界で生活して
いるのだろう。そしてどうして、こんな私なんかに優しくしてくれるのだろう。
木村に憎悪された痛みも、隆志さんから受けた衝撃も、たったさっきのことなのに
ほとんど頭から消えていた。とても軽薄なことだと思う。
だけど高嶺の花とでも言うべき人が目の前にいて、木村のようにあからさまに
体目当てということもなく、ただ優しくしてくれている。しかも、思い過ごしかも
しれないけど、過度のスキンシップ込みで。
あぁ、この人のことがもっと知りたい。もっともっとお近づきになりたい。できれば、
終電がきても帰りたくない。
私の頭の中は、既に目の前の先輩のことでいっぱいだった。
つづく。
セクースイグーーーとどっちがいいかなぁ。
おやすみなさい。
先輩sage
sexトリップはDQNのカホリなのでトリプ無しキボンヌ
214 :
◆4jqFzaGDMI :04/03/15 06:45
test
うん。面白い。
でも、いつまで続くかなー。
今夜も期待sage
sage
本日は休載ですか。
いつになったらふつーの女の子からあばずれに脱皮するのだろう。
これ以上は無理なので寝る。
明日倍増ページと期待しよう。
いつ完結するんだ
/iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiir、 ,/\,,ヘ/\,/\,/\
/liiiiiiiiiiiiiiiiiiiiリiトiiiiiiiハiil iil liiiハiiiiiiリiiiiiiiiiiiiiiii、 >
" 'liiiiiiiiiiiiiiiiiii/iリiiiiハ/ lil il liii/liiiiトiiiiiiiiiiiiiiiil 早く続きを聞かせてぇーーーー!!
/iiiiiiiiiiiiiiリii/--トiiii/ i _lil" liil liiiiiiiiiiiiiiiト >
riハiiiiiiiiiiil ii ,,__"`'r、 ,i i, _,,/,, yrーir、 liハiiiiiiiiii〈 >
ii liiiiiiiiiil yr"~~`''y,^",‐` -''r''~,, “ liiiiiiiirヘ,, ^
/,liiiiiiiil 〈l,` "_,,/~ / "//ヘ/\,,^\,,/\
/⌒ヾ,i--l _,,....,,_ ,./ `r,,‐-、
ヽ , ヘr..,,_ ,,r-_''"- ー--丶、 / 〉
_,, 」 ヽ、 rl'" ゝj, ,/ l'~
l ヽ、 l" 'l l ヽ,, ヽ,
`''+, i, l ..... ,, ー ,. l, l ヘ ,r-"
r" , `、 l / ヾ,,.l / ヽ, l
ヽ,,_ / } lrv l.l ,r l/'"
,l / 〈 ヽヽ、_____ ,,,,,....// l i,
ヽ、/ lゝ、 `ー- ,,,...... -ー''" ,,/l 'i
/ /l `' 、 ,/ / l ヽ
独り言を強要って。。。
強迫観念に押しつぶされないでくださいね
マターリで(´・ェ・`)
気長に待ってますよ
マターリ
それだけ語り方がうまいんですな
こんな独り言でも楽しみにしてくれる方がいるんですね、感謝です。
どうやら私は辛いこと悲しいことのはけぐちとしてこのスレに過去を綴っている
らしく、気分が落ち着いているときは筆が、いやキーボードが進まない…。
良いんだか悪いんだか。明日こそは続きうpします。
てゆーか白い巨塔、最終回のタイトル『財前死す』って!
>>213 今となっては筋金入りのドキュソなので、あえてこのトリで。
>>218 今のダラダラした文体では当分脱皮しそうにないです。簡潔な文を心がけます。
>>221 ありがとうございます。マターリヽ(´ー`)ノ 。.:*・゜
もう巨塔最終回なんですね
一気に1から読んだけど面白いね
.。::+。゚:゜゚。・::。. .。::・。゚:゜゚。*::。.
.。:*:゚:。:+゚*:゚。:+。・::。゚+:。 。:*゚。::・。*:。゚:+゚*:。:゚:+:。.
ウェ━.:・゚:。:*゚:+゚・。*:゚━━━━゚(ノД`)゚━━━━゚:*。・゚+:゚*:。:゚・:.━ン!!
。+゜:*゜:・゜。:+゜ ゜+:。゜・:゜+:゜*。
財前先生、薄っぺらい改心をすることなく最後まで信念を通して逝った…カコイイ。
でも、あの終わり方は納得いかないです。
もうちょっと時間をかけて死後のことも描いて欲しかったなぁ。特別編は邪道。
財前先生を抱きしめてあげたかったです。
今日こそは…などと言っておいて、諸事情により無理でした。おやすみなさい。
次回に期待sage
どんま〜い
今はあばずれさんの精神が比較的穏やかなんですねぇ。何より。
久々に2チャソ見てこんないいスレ発見できてよかった…。続きを待つのはストレス溜まるのを待ち望むみたいで心許ないですが、期待保守。
あの人が好きだ。
私じゃ無理だということがわかった今でも好きで好きで好きでたまらない。
でもこの好きってなんなんだろ?
あの人のことよく知ってるわけじゃないのに、こんなにも恋焦がれるなんて。
あの街であの人は、今も強く前向きに生きている。
だから私も頑張るしかないのだ。
もう高嶺の花を摘もうなんて願いは持たないけれど、せめて醜い芋虫から、
あの人の咲く高さまで飛べる蝶になりたい。
今まで人様に読ませるための文章なんぞほとんど書いたことがなかったのに、
独り言を綴っていたら面白い。とか文章がいい。とか分不相応なお褒めの言葉を
頂いてしまい。
すごくすごく嬉しかったのですが、褒められたからにはもっと良いものを…と
気負っては自分の文章の未熟さに落ち込むばかりでした。
でももういい!開き直りました。
独り言だから文法グダグダだろうが内容がいっこうに進まなかろうが話が
つまらなかろうが構うもんかーーー!!(*゚∀゚)アヒャ。
という訳で復活。スレ立て当初の目的に戻って、自分語りを書き殴ります。
たぶんこのまま終電の時間がきたら、牧先輩は「じゃあまた夏休み明けに」とでも
挨拶をして、私と反対方向の電車に乗り込むだろう。
そして休み明けには高嶺の花である先輩方の一人として、何事もなかったように
後輩の一人である私に接するのだろう。
容易に浮かぶ今後の想像をして、…そんなの嫌だ。と思った。
そのとき、突然ぱらぱらと冷たいものが頭上から降り注いできた。
「うわ、降ってきた」
空を見上げしかめ面をする先輩の、黒いシャツの肩がみるまに雨に染まっていく。
雨足がどんどん強くなる中、私と先輩は慌てて荷物をまとめて立ち上がった。
「走るぞ。ほら、手!」
差し出された手を握ろうか少し躊躇していると、強引に繋がれる。
そして二人で雨の中、駅に向かって駆け出した。
雨に濡れた手は冷たいのに繋がれた部分だけとても熱く感じて、密かにドキドキした。
私の手を引いて半歩先を走る先輩は、自転車置き場を抜け、駅構内ではなく人けの
少ない駐車場へと入っていく。
「どこ行くんですかー!?」訊ねながらもそれに逆らわず付いて行ったのは、多分
木村の車に乗ったときと同じような期待をほんの少しだけ抱いていたからだろう。
そして、その期待は外れなかった。
駐車場の奥まったところまできて立ち止まった先輩は、私を見て複雑そうな顔をし
うーんと唸った。
「なんですか?」
「きみはどうしてこう、構いたくなるようなオーラが出てるかなぁ」
「……え?」
ちきしょう。悔しげに呟いて、先輩は私を抱き寄せた。
期待はしていたことなのだけど、唐突で心の準備ができていない。私は息を呑み、
先輩の腕の中で立ちすくんだ。
「…いやそんな固まらずとも。」
いつまでも硬直していると、先輩は困ったような、呆れたような顔で腕をゆるめた。
「だって……」
言葉が出ない。
セックスは、経験した。
だから、私を性の対象として見てくれる人も居る、ということは分かった。
だけどこの人は、多分セックス目当てで私を抱きしめたわけではない。
「……どうして?」
やっとのことで口にした、その質問の裏には畏れ多くも一抹の期待があった。
この人、私を女として意識してくれている?
先輩はしげしげと私を見て、ため息まじりにつぶやく。
「あーぁ。ガキは本来相手にしないんだけどなぁ。俺も落ちぶれたもんだ」
そして再び、私を抱きしめた。
アスファルトを叩く雨の音は、激しさを増すばかりだった。
「…先輩は、どんな女の人が好きなんですか」
「年上オンリー。てか一緒に居ることで自分を高められるような女かな。」
「私といて、何か得るものはありますか…?」
「なさそう。きみ2コも年下だし、精神的にだいぶガキっぽいし、いい作品
作ってるわけでもないし、服とか化粧もダサいし」
「おっしゃる通りです……」
「あーーーー悔しい。なんで放っとけないんだろ。ああきっと酒のせいだ」
「そうじゃなかったらいいな…」
「酒のせいだ。そうに決まってる」
口調とはうらはらに、先輩の腕は優しく私を抱いていた。
濡れた服を通して伝わる体温は、直に触れるより熱く感じられる。
だけどそれよりも私の胸の内側は、今まで感じたことの無い暖かさで満たされて
いた。
ああ、願わくばいつまでもこうしていたい。
月並みな言葉だけど、このまま時が止まってしまえばいいのに、とすら思った。
終電の時間が近づき、ホームに降りる頃には雨は少しずつおさまっていた。
私は2番線、牧先輩は向かいの3番線。
「まぁ休み中に一回くらいデートしよう。暇な日に連絡しなさい」
そう言って先輩は番号とアドレスを表示させた携帯を差し出した。
私は慌てて自分の携帯をバッグからひっぱり出し、電話帳に『牧先輩』データを
作成する。デートという言葉の響きに、少なからずドキドキしながら。
「暇な日とか言ってると明日にでも連絡しちゃいますよ?」
「うっわ、マジうぜぇ」
「ひどーい!」
そんな会話の後、先輩はじゃあなと手を振って向かいの電車へと歩き出す。
その後ろ姿を見送って、私も電車に乗り込んだ。
159cm、48kg、Dカップ。
顔は垢抜けない不細工だし、中身はコンプレックスの塊だけど、18歳の女の肉体に
それなりの商品価値があることはなんとなく分かる。
だから木村が私に「ヤリてぇ」と思ってくれたことは、まだ納得がいった。
でも、あの先輩は違う。手を握ったり、抱きしめたり、番号教えてくれたりした
優しさの最終目標は、たぶん「ヤリてぇ」じゃない。
どうしよう。嬉しい。幸せだ。ドキドキする。
今まで味わったことの無い甘い感情が渦巻いて、自然と頬が緩んでしまう。
…そのとき。
ドアが開き、黒いシャツに細身のジーンズ、黒髪で中途半端なあごひげを生やした
男が電車の中に入ってきた。
どうして?と思う間も無く、男は私の座るボックス席の向かいに立つと
「忘れ物」そう言うなり私にくちづけた。
それと同時に、発車のベルが鳴り響く。
先輩は唇を離すとニッと笑い、駆け足で去っていった。
……見つけた。
なにげにファーストキスだったのだけど、そんなことは後から思い出したことで。
呆然とする頭の中で、思ったことはただ一つ。
18年間満たされなかった、私の劣等感を埋めてくれるものがなんだか分かった。
それはあまりにもありふれているけれど、今までの私には到底得られなかったもの。
男の人に、愛されるということ。
つづく。
>>233の人は牧さんにあらず。
大量更新乙です。
しかし何じゃそのメール欄は。
そーゆー曲があるのです。確か。
おやすみなさい。
お。久々ー。楽しみに待ってましたよー(*´▽`)
何かプレッシャーかけてるみたいで申し訳ないですね…。
マターリお待ちしてますんでマターリ続けてくださいね。
面白かったんでsage
劣等感。
分かる。。。
なるほどです。これからも頑張ってくださひ。
今夜も更新あるかな?
実のところ、あんまりあばずれではない人ですね。
謙虚な人とみた。あくまで現代若者風という範囲において。
といつものように期待sage。
これからあばずれ化してゆくのかも・・・!
あばずれ化を期待
( ´-`).。oO( 共感とか全然ないけど 読んでいてとても興味深く感じています )
( ´-`).。oO( これからどうなっていくのかドキドキものです )
( ´-`).。oO( 期待してますよ♪ )
大量更新乙です(つ´∀`)つ
無理せず自分の書きたい時に書いてくださいな
ほす
うわぁ気が付けば全然書いてない。
ほすありがとです。やっと土曜なので明日は書きます。
生産性の無い独り言。
私的じゃがりこランキング。(味を覚えているものに限る)
チーズ≧肉じゃが>>ジャーマン>のり塩≧サラダ>>>>>ピザ、キムチ
後ろ二つはじゃがりこと認めない。
チーズおいしいですよね。いやチーズしか食べたことないんですけどね
ほすありがとって言われて嬉しい(´∀`)
260 :
夢見る名無しさん:04/03/28 03:39
ほす(´∀`)
2日おきぐらいでいいと思うYO!
あうあう…。もう出現予告するのはやめよう。。
263 :
夢見る名無しさん:04/03/29 09:22
また、来てね。
,,,,.,.,,,,
ミ・д・ミ <ホッシュ!ホッシュ!
""""
ほすほすほっす(´∀`)
モニタ壊れたーー!画面の右半分が真っ青になってます。
あと、仕事でいろいろあってしばらく書けそうにないので、ほしゅ不要です。
まだ書く気はあるのですが。。
気長に待ちまっせsage
オラも待ちまっせ(´∀`)
いつでもいいですよ
モニタ全体が青に…。
どうしようもないので日曜にiMac買いに行きます。ついにマカーに転向ですよ。
6年間お世話になったwinとお別れ記念に、青い画面と格闘して書いてみました。
書きます、といった日に書かないで、しばらく書かないと言った翌日に現れる
天邪鬼な奴ですみません…。
夏休み一日目。
早朝、枕元で携帯が鳴り響く。
半分寝ぼけたまま取ろうと寝返りをうって、頬に走る激痛に声にならない
悲鳴をあげた。
まだはっきりしない頭に、昨日一日のめまぐるしい出来事が蘇る。
楽しかった学園祭、エミちゃんの不穏な視線、隆志さんとのキス未遂、木村に
受けた憎悪と暴力、そして……
「……!!」
いっぺんに目が覚めて飛び起き、携帯を開く。
着信音は電話ではなくメールだった。そして送り主の名は、『牧先輩』。
『地元で遊んでて今帰宅。デート可能な日を早めにメールしなさい。おやすみ』
思わず、奇声をあげながら携帯を握り締めてじたばたしてしまった。
夢じゃない。牧さんは本気で私とデートしてもいいと思ってくれている。
しかもマジうぜぇとか言っといて、自分からメールくれたし!
きゃーきゃー言いながらベッドの上を転げ回る私に、隣の部屋で寝ている妹が
「うるさーい!」と叫んだ。
学校のみんなと会えなくてつまらないはずの夏休みは、牧先輩の存在によって
期待とときめきに溢れるものになっていた。
木村に殴られた部分は予想以上にひどいアザとなり、その後一週間くらい
腫れと痛みが引かなかった。
ファンデーションでごまかせるようなものでもなく、バイトに行く以外ずっと
家にひきこもっていた。元々、学校がなければ遊ぶ相手もいない。
うっかり傷を触ったりして痛みにうめく度、私は木村に向けられた憎悪の眼差し
を思い出し、自分の愚かさ軽率さに落ち込んだ。
彼は私を許してはくれないのだろうか。夏休み明けにはまた同じクラスで毎日
顔を合わせることを思うと、学校が始まるのが少しだけ憂鬱だった。
そんな生活の唯一にして最大の彩りは、2日に1回のペースでやってくる牧先輩
からのメールだった。
内容は『俺のバイト先のレンタルビデオ屋に1年の××が来たぞ』とか『地元で
仲間と花火行ってきた』とか本当に他愛も無いことで、だけど私はその他愛の無さ
が嬉しくて仕方なかった。
今まで、どうでもいいことで頻繁にメールをくれた男の人など居なかったから。
バイトの空きを照らし合わせて決めたデートの日が近づく頃、私の単純な頭は
もはや牧さんのことしか考えられなくなっていた。
牧さんと学園祭の日に話した一言一句。
牧さんがくれたメールの一通一通。
逆立てた硬そうな黒髪、伸ばしかけのあごひげ、鋭くもどこか優しい目つき、
私を抱いた細く筋肉質の腕、ラッキーストライクの味がした薄い唇。
一日中彼について知る全てのことを想い、記憶を反芻し、甘くせつない思いに
ひたる。
今までなったことのないその状態はまぎれもなく、大学デビューならぬ専門学校
デビューを果たした私の、遅咲きな初恋だった。
それはときに切なく、ときにどうしようもないほど幸せで、恋をするとこんなにも
毎日が極彩色に感じられるのか、と驚きつつも楽しくてたまらなかった。
初めての『恋』という感情に酔いしれる私は、まだその想いの持つ魔物のような
一面を知らずにいた。
つづく。
がんがれ。
両思いってなったことないからドキドキ。(´∀`*)
両想いって長続きしたことないからドキドキ(*´Д`)ハァハァ
(*´д`*)ハァハァ
ハァハァ ┌(_Д_┌ )┐
(´ー`)o O ( オレが語り出したら怒られるかな・・・
是非語ってください!
どうもスレ主は当分ネットできなさそうなので…
ハァハァ
ふぅ〜
┌(_Д_┌ )┐ ふぅ〜
286 :
夢見る名無しさん:04/04/12 03:07
ぶひゃぅ〜
287 :
夢見る名無しさん:04/04/12 03:54
語り口がばばくせえな。アババァ
アババァ?┌(_Д_┌ )┐
半年振りくらいに、別れて一年経つ元元彼と会った。
白い巨塔、ASIAN KUNG-FU GENERATION、暴君ハバネロ、DEATH NOTE、最近の
ハマリものがけっこう共通していて(まぁどれも流行りものですが)楽しかった。
過去のしがらみを捨ててこのまま友達にシフトしていけるといいなぁ。
……嗚呼、デスノート。来週のジャンプがめちゃめちゃ怖いんですけど。
ボーボボもかなり好きなだけに余計に。
8月の真ん中の、ひどく蒸し暑い日の午後3時。
私は精一杯のおしゃれをして、精一杯のメイクをして、牧さんを待っていた。
…だがその精一杯ぶりは、今思うにかなりイタかった。
牧さんの隣を歩いても恥ずかしくないような女にならなければと思うあまり、
普段身につけないようなものばかりで自分を飾った。
その結果が大人っぽくなりたいが故の(夏なのに)ロングスカート、歩き方を
ぎこちなくさせる不慣れなピンヒールのミュール、ピアスをあけていないので
イヤリング(!)といったちぐはぐな格好。
痛々しいにもほどがある。
待ち合わせは、駅の改札口前。
期待と不安と緊張で震えながら一分一分を過ごす私の前に、牧さんは余裕で
欠伸をしながら15分ほど遅れてやってきた。
「遅すぎですよ〜」と頬を膨らますと、眠そうな顔をした牧さんはけだるく
笑い、人差し指でつんと突いて私の頬の空気を抜く。
「悪い悪い。徹夜で夏休みの課題の絵やってたから眠くってさー」
「わぁ、どんなの描いてるんですか?」
「それは秘密。まぁ秋の発表会を楽しみにしてなさい」
歩き出しながら私の手を取ろうとして牧さんはしまった、という顔をして
自分の手を見、こちらにひらひらとかざしてみせた。
節くれだったその手は、赤と緑の絵の具でまだらに染まっていた。
デートの行き先は、彼が好きだという画家の個展。
それはおどろおどろしくエキセントリックな作品を描く著名な画家さんで、
少しでも芸術方面に関心のある人ならばその名を知らないはずは無い。
だが18年間適当に同人臭いお絵描きを描き殴っていただけの私に、芸術を愛でる
という高尚な趣味は無かった。
前日牧さんに「××の個展行こうぜ」と言われ、知ったかぶりをして話を合わせた後
慌ててネットでどんな画家さんなのかを調べた始末だ。
昼下がり、スタバのキャラメルフラペチーノを飲みながら、好きな人と街を歩く。
そんな夢のような状況を喜ぶ余裕は全く無く、どうかボロを出さないようにしよう、
そのことだけで頭が一杯だった。
個展そのものは、芸術に全く疎い私でも楽しく見れるものだった。
その画家さんの持つ気ちがいじみたアングラな世界観はとても好みだったし、一応
デザイン系の専門学校に通って数ヶ月経つ者として、興味深く見れるものではあった。
だけど一緒に行ったその人との、意識レベルの違いはどうしようもなかった。
牧さんは一枚一枚の絵を食い入るように、舐めまわすように、視線で味わい尽くす。
あまりにまじまじと見ているので、最初は冗談じゃないかかと思った。
だけど一枚の絵に何分も見入り、その世界を自分の中に取り込もうとする彼の姿勢は、
怖いほどに真剣だった。
「これって画材なんだとおもう?」
一枚の絵を正面から横からしげしげと見た後、牧さんは何度か私に話し掛けた。
「え…と……」
答えられるはずがない。
しどろもどろになる私にそれ以上構うことなく、彼は再び絵に没頭する。
私じゃ、この人の相手になりえない。少なくとも、芸術方面に関しては全く。
絶望的なまでの感性の隔たりを思い知って、私は打ちのめされた。
優しくしてもらったり、女として扱ってもらったり、他愛の無いメールをしたりして
すっかり思い上がっていたけれど、そうだ、この人は高嶺の花だったんだ。
改めてそれに気付き、高揚した気分はすっかりしぼんでしまった。
繋いだ手がなんだっていうんだろう。同じ絵を見ても、きっとこの人は私なんかが
思い至らないようなことを考えている。
「あーーーー、超満足。後はキミの好きなとこに付き合うよ〜。」
数時間後、満ち足りた顔で伸びをしながら会場を出る牧さん。その後ろを追う私は
肩を落としうつむきながら歩いていた。
「元気ないねぇ。キミにあーゆーところは向かなかったか」
「そんなことないです!超楽しかったし、勉強になりました!!」
慌てて背筋をぴんと伸ばし明るい声を作る。
「そっか、ならいいんだけどさ」
明らかに無理をしてるのが分かったのだろう、牧さんは苦笑いを浮かべた。
しばらく街をぶらぶらした後、日が暮れる頃に、学校の飲み会の二次会などで行く
よりもちょっと高級な居酒屋に連れて行ってもらった。
二人きりで美味しい料理を食べ、お酒を飲み、ディープな話をする。
牧さんの話はとても引出しが豊富で人を飽きさせず、とてもとても楽しかった。
だけど「じゃあキミは?」と話を振られる度、私は言葉に詰まった。
無趣味でひきこもりで友達のいない私は、牧さんの広い世界に対応できるほど
沢山の引出しを持っていなかったのだ。
「これってジェネレーションギャップってやつなのかな。なんかさぁ、」
やがて、突き放すような言い方ではなかったが、決して褒め言葉ではないニュアンスで
牧さんは私に言った。
「キミは、ほんとになんにも知らないんだねぇ」
また一つ、コンプレックスが積み重ねられた。
私は、18年間なにもせずに生きてきた。
友達と遊ぶことも、恋をすることも、部活に燃えることも、何かに熱中することもなく、
ただありあまる時間を浪費し、若さを食いつぶしてここまで来てしまった。
今は友達はできたし恋もしているし、デザインの勉強を頑張りたいという意欲もある。
だけど物心ついた頃からそれをやってきた人間とは、明らかに『格』が違うのだ。
まだ18なんだからこれから経験すればいい、まだ巻き返しはきく。そうポジティブに
考えることもできた。
だけど、私はたった今、それが欲しいのだ。
この人に釣りあう女になりたい。この人に失望されたくない。この人の隣にいたい。
終電に乗り込む私に手を振って、逆行きの電車へと向かう牧さん。
心の底で密かに待っていたのだけど、今日はキスしにきてはくれなかった。
つづく。簡潔にまとめたいのに…。
応援してますぜ。
お仕事頑張ってください。
十分簡潔だと思います。
更新キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!
スレを最初から読んでみると感づいてる人が結構いるんだねー。
わたしは予感だけで確信は無かったから作品を楽しむ事にしてたけど。
また以前みたいな終わり方になったら嫌だから、本気で入れ込まないでね>読んでる人
どっちにしろ、完結だけはさせるだろう
アバンババンバンバン♪
アバンストラッシュ
アババンババンバンバン♪
>>299をはじめ、一体何のことを言われているのだろうと
昨夜から気になって気になって仕方なかったのですが、
仕事中にふと思いつき、いてもたってもいられなくなって携帯カキコ。
もしかして前に似たような作風のアバンって人がいたんですか?
スレ主だけ流れが読めてないのはなんともはがゆい。。
>>1以外のギャラリーは土足で入り込んだ侵入者でつ。
>>305 俺はあんま似て無いと思うけどね
まああんま気にしなくていいんでない?
続き楽しみにしてるよ
↑なに?これw
訳知り顔のギャラリーが増えましたねw
変な沸き方。
そんなに誰もが知ってるほど
自分は有名だったとでも思ってるのか。
アバンって誰
もう遅いw
いや、1じゃないんだけど
ファンとか自称する奴が出てこないことを祈る。
>前に似たような作風のアバンって人がいたんですか
え?どこにアバンって人がいるって書いてあるの?
物や食べ物や口癖とも取れるのに、なんで人なんですか?
食べ物じゃなくて、ドリフのテーマじゃん。>あばばんばばん
1さんは、深読みしすぎなんじゃないかな?更新たのしみにしてます。
>>318 ありがとー。
あばずれさん本人は良く知ってるみたいだけど、何なんだろうね。
あばずれさんの話よみたい!!
fu^
………………。
大人の対応じゃないのはわかってるんだけど、久々の重い生理で気が立ってて
はけぐちが必要になったときに、スレがこんな状況になるなんて…。
流れが全く読めませんが、
>>316を見る限り私の推測は当たったようですね。
少なくとも私は今まで過激恋愛板と私のニュース板以外に自スレを立てたことは
ないので、心当たりはありません。
でも一度スレに決まった流れが元に戻ることは難しいと思うので、このスレに
続きを書くことは放棄します。自分の癒しにならない独り言は言えないよ。
一番書きたかった人のことを書く前でよかった。
今まで読んで下さった方、ありがとうございました。こんな終わり方でごめんなさい。
なんか変な流れになってるな
終了宣言出てるし・・・
なんでこうなったの?アバンて何?
誰かオスエテ
流れなんて決まってないよぉ。
誰かとカン違いした人たちの書き込みに、スレ主が凹むことない!
続きを書いて欲しいな。
なんか嫌な展開に…
やる気が無くなるのはわかるけどショボーン
流れが全く読めないといいつつ
流れをバッチリ読めてるオバン
アバンじゃなかったらやめるなんて意味不明だし
328 :
夢見る名無しさん:04/04/14 01:46
純粋に楽しみにしてる方は自分も含め多いと思うので、続きを書いてもらいたいです(´∀`)
でも辛かったら放棄してもいいと思いますよ!
偉そうにスマソ
私も意味不明・・・
アバンって何?
>>1さんとその他の人は分かってるみたいだけど
普通の人には全然わかんないよ?
推測が当たったとかも、意味不明。
私みたいな一般人は頭悪いからそんな推測自体思いつかなかった。
誰かがそういうのは関係ないってフォローいれてるけど
>>1サンは必死にその話題に食いついてるし・・・
お話を楽しみにするだけじゃだめなんですか?
荒らされたわけじゃないのに、終了するの?
やっぱり文のとおり、誠実で真面目な人だね!
繊細なんだよ。
331 :
夢見る名無しさん:04/04/14 09:55
このスレを放棄しただけで、りささんが
書くことをやめるとは決まってない。
いつかどこかで会えると思っておこうよ。
そうやって無理強いするのはよくない。
私もそう思う。ここで続けてたら、また良くわからない人たちがくるかもしれないし。
リサさんが息抜きに書いてたことなんだし、ここは独り言板だから
他人の独り言を強要するというのもおかしな話だし
よくわからない人達と共通話題を持ってる
リサさんもよくわからない。
話を書いているとき以外のリサさんには興味ない。
さようなら。
す、すごい。なんかイヤミの言い合いっこになってる。
┌(_Д_┌ )┐ 続き読みてぇ〜
無理強いすると逆切れされそうでできない・・・
でも読みたい・・・
あれ終わっちゃうの?楽しみにしてたのに残念だな。
まあこう荒らされちゃ続けにくいわなw おつかれさん。
スレッドとしては荒れて無いけど、彼女の心の中の
触れてはいけない部分に土足で入り込んだ輩が居る模様。
理佐さんだけ、いつになく荒れていた。怖かった。
スレッドもめちゃめちゃ荒れてるじゃんw
>心当たりはありません。
心当たりがありそうなのは何で?
人気スレ、人気コテを潰す人がいる。
スレ主さんは、まんまと罠にはまってしまったみたいですね。
続けても病的なまでに粘着されるだけだから、
今引いたのは賢明ですよ。
で、どれが自演?
よくわかんないけど
1さんと、その仲間たちが
内輪ネタで盛り上がって、勝手に撤収しちゃったっぽい。
おいてけぼり・・・ショボーン
荒らしなら通報に協力したりできるけど、
そうでもないみたいだから何にも出来なかった。
1さん元気でね。
>>338 いつもは低姿勢で、謙虚で、優しい雰囲気だったけど
生理で気が立って前置きするほどだったもんね。
こんなの荒れてるうちに入らないよ。
名指しで中傷されてるならまだしも、
そんなの一つもないじゃん。
たしかに嫌な雰囲気になりそうだったけど・・・・・・
夢板って有名コテのスレが荒れる法則があるみたいだし
荒れる前に頭のいいあばずれタンが引いた、って感じ。
話が読めないのは辛いけど、賢明な判断だと思う。
347 :
夢見る名無しさん:04/04/14 22:47
勝手に撤収?
これ以上負担かけるなよ。
嫌気がさして辞めた人に対して、
遠まわしに期待で圧力かけんな。
あまいらアバン知らないの?
>>348 殆どの人にとって、謎の存在>アバン
1さんとあなたは知ってるんだよね?
私は348じゃないけど、アバンって確か去年、夢板でスレ持ってた人
でもなんで急にアバンの名前が出て来たのか聞いてもいいっすか?
あと、りささんって誰だ???
mimizunで検索したけど引っかからん>アバソ
誰かリンク貼ってけれ
りさ=1
ごめんなさい。
自分の煽り耐性のなさを生理のせいにするのはみっともないけど、ちょっと
安定してからスレを読み直してみたら、
>>323はほんと大人げなかったです。
昨日は凄い荒らされてると思ってぶち切れてしまいましたが、冷静になると
荒れてるのは私一人ですね。。
1さんとその仲間たち、と思われてるようですが、本当に私もワケわかんないです。
最新の独り言を書いて以降、突然意味のわからないレスがついて混乱していた
のですが、
>>301-304を読んで
>>91を思い出し、もしかしてアバンって人が前に
いて、私はその人と間違えられてるのかな?と思いついて
>>305を書いたのですよ。
そしたらどうやら当たっちゃったらしく(当たったんですよね?)、家に帰って
スレを開いたらますますワケの分からない流れに。
もうあばずれ=アバンって断定の方向で話が進んでいるし。
最初は弁解のレスを書こうとしていたのですが、今まで2chを見ていて、一度流れが
変わってしまったスレが元の雰囲気に戻ったのを見たことが無い。
それにいくら否定したところでますます「必死だな、プッ」みたいなレスが付きそう
だなぁと思い、最近の激務と生理2日目の不機嫌もあいまって(←これは言い訳)
ぶち切れて
>>323を書いてしまいました。
高校卒業まで『普通の人』から排除されて生きてきたもので、他人が自分のことに
ついて何か言ってるのを見ると、悪い方へ悪い方へと考えてしまう癖があります。
ちょっと勘違いされただけなのに、病的な被害妄想を繰り広げて暴走しちゃいました。
以後気をつけます、と言ってもスレを読んでる人にとってはどうでもいいですね…。
見苦しい逆切れをお見せして不愉快な気分にさせてしまたことを心からお詫びします。
ぶっちゃけアバンとか知らないし、仮にその人でもいいし
とりあえず完結するまで見届けたいのです 私はね
私も。アバンかどうかなんてどうでもいいよ。
>>355 あー、それ分かる。
日常だと口に出せないから、他人から見たらそれでおしまいだけど、自分の
なかではずーーーーっともんもんとしちゃったりね。
個人的には続けてほしいなぁ。
続けて欲しいに禿しく一票。
360 :
◆fgBOLAN6mg :04/04/15 02:30
続けて一票
でも本人しだい。
続けてください
過去のことはどうでもいいよ、続けてほしい
漏れも続けて欲しいに一票。
でも無理はして欲しくない・・・。
あえて終了してほしい
と言ってみる
アバンならもっと一文一文が短いと思う。
他にも変換の癖や記号の使い方がアバンとは違うと思うなぁ。
まぁどっちでもいいんだけど、私は最後まで書いて欲しいと思うので
どうかマターリ続けてくださいな。
アバンって、そんなに有名じゃないし
スレッド保存してる人が果たして何人いるか。
もう少し考えてレスしろよ。
ていうか、蒸し返して
>>1の逆鱗に触れたいのか?
愉快犯はさっさと失せろ。邪魔だ
逆鱗てなに?w
辞書も引けない厨房だらけ(ププ
放置って言葉をそろそろ覚えまちょうね。
まだ春休み中なのか・・・
会社のパソがネットに繋がってないから、すっかり取り残されちゃったよ。(´・ω・`)
>>あばずれさん
2ちゃんでこれぐらいはぜーんぜん荒れてるうちにはいらないよ。
そもそも荒らされるスレって、目立っててスレ主に関心があるとかそういう
ことじゃないかなー。
つまんなくて無関心なスレだったら荒らされもしないよ。
私も続けてほしい。
文章がっていうのもあるけど、ひきこもりだったところとか、
とまどう心境とかすごく共感する。
不器用なぐらいの素直さを感じるよ。
┌(_Д_┌ )┐ りさぁぁぁぁぁぁ〜っ!!!!
「一度言ったことを簡単に覆す子はきらいだなー」
大好きだった人がかつて私に言った言葉。
その人に愛されるような素敵な女の子になりたくて頑張ってきたので、
「このスレに続きを書くことは放棄します」を簡単に撤回するのはかなり
ためらわれるのですが、その人のことを書きたくてスレを立てたので
やっぱり最後まで語らせてください。
自分の言ったことに責任を持てないばか女ですみません。
ていうか一時の激情で取り返しのつかないことを言ってしまうこの性格、
どうにかしないとなぁ…。
またそのうち書きますので、気が向いたら読んでやって下さい。
おやすみなさい。
わーうれしい。根気よく来ますんで、ゆっくり更新していって下さいね。
┌(_Д_┌ )┐ ←これ好き
わーい
1さん、ふぁいとー。
あばんさんはね、ジサクジエンしてたけど
私は好きだった。
少なくとも、惹き込まれてしまう何かがあった。
あそこに足跡残しちゃうほど、インスパイアというか、、あれだ。
なんだか甚だしくすれ違いすまそ。
>>1 んじゃ。
>ていうか一時の激情で取り返しのつかないことを言ってしまうこの性格、
>どうにかしないとなぁ…。
私も・・・・・・・il||li_| ̄|●il||li
>>374>>380 みーとぅ。
特技:前言撤回。
てかちょっと読んだけど荒れてる???
これぐらい叩きでも煽りでも荒らしでもないと思う。
頑張って続けてください。気長に待ちます。
今日初めて読ませてもらったのですが、今まで読み漁ってきたどんな文章よりも
心惹かれました!!尊敬の一言です。
心から応援しているので、これからも無理せずマイペースで続けていってください。
終了
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┌(_Д_┌ )┐ この体勢で待つのはきつい
ワラタ
潮時かもね
わくわく
みたい
終了でいいよ
待つよ
終わってもいいんじゃないの
書き込んだら保守になるよ
みんな気になってるんだね。
待ってます。
いくら本当のことでも、あばずれと呼ばれるのは結構イタイことに気付く。
なのでコテはこれに変更。
通勤片道2時間半ということを考慮しても、5時半に家を出て帰ってくるのが
11時ってありえないよぅ。いや、もっと大変な人はいっぱいいるのですがね。
リフレッシュリフレッシュ。
鮮烈な光の射す場所には、必ず同じだけの影が落ちる。
私にとって牧さんはまさに、真夏のその日降り注いだ強烈な日差しのような
眩しさを放つ人だった。
彼のもたらす光は、18にしてやっと(陳腐な言い方をするならば)青春という
ステージに上がることができた私を、劇的に照らしてくれた。
だけどその光は同時に、自分の抱える劣等感の正体を、原因を、その根深さを、
これでもかというほど私に思い知らせてくれた。
『デート』の日以降、牧さんからのメールの頻度は激減した。
それの指す意味は、いくら恋愛経験値の低い私でも推し量ることができる。きっと彼は
私に失望したのだろう。そしてデート前より確実に、私への興味を失ったのだろう。
何も知らない、引き出しの少ない薄っぺらな女。
持っているのは時をやり過ごしただけの18年の歴史と、ごく狭い範囲での友達と、
垢抜けないファッションセンスと、たった1回経験しただけのセックス。
男の人の欲情の対象になることはあっても、中身を愛されることは決して無い。
気まぐれで興味を持って優しくしてくれた人もその本質を知り、去っていこうとしている。
私が切実に欲しているあの人は、そのうち他人の顔になる。
……そうなる前に、どうにかしなければ。どうにかしなければ。
灼け付くような焦燥感。だけど私は『どうにかする』手段を知らない。
気持ちばかり追い詰められても、前に進もうとする足は空回るばかりだった。
専門学校の夏休みは短い。
8月最終週の月曜、五階の教室に向かうエレベーターを待つ私の胸中は複雑だった。
きよかちゃんを始めとする、クラスの皆との毎日が再開するのは嬉しくてたまらない。
だけどそこには木村もいる。顔のアザはどうにか休み中に消えたけど、私は一体
どんな顔をして彼に会えばいいのだろう。
そして何より、会いたくてたまらないけれど顔を合わせるのが怖い人がいる。
学校で会った時、あの人はどんな態度で私に接するだろう。まさか無視はしないだろう
けれど、きっとどこかよそよそしくなっている。
私もきっとぎこちない対応しかできない。そしてどんどん気まずくなって、一度
縮まった距離は日常生活に流されてみるまに他人になって…。
嫌な想像ばかりが浮かんでくる。それらを振り落として、私は教室に向かった。
「リサちん会いたかったぁぁ!!」
久し振りの教室に入ると、きよかちゃんが一目散に駆け寄ってきた。
そして、熱い抱擁。
「えー!?なに〜〜!?」
あまりの歓迎っぷりに戸惑う私に、きよかちゃんはわなわなと両手を震わせ
「もぉ聞いて欲しいことがちょーいっぱいあって待ってたの!」
と訴えた。
「そんなに!?夏休みにメールくれれば良かったのに」
「メールじゃ語りきれないよぉぉ。ていうかあたしもうどうしていいかわかんない〜」
「なに?一体何があったの!?」
むぅぅ。と口を尖らせ上目遣いで、きよかちゃんは黙り込む。
どうやら込み入った話のようだ。
夏休み明け初日は、課題の提出と簡単な清掃のみ。
普段から遅刻魔である木村は結局清掃終了まで現れず、私は気が抜けたような、
ほっとしたような気分だった。
学校が終わり、きよかちゃんと私は人けの少ない食堂で夏休み中の出来事について
ぶっちゃけトーク大会を繰り広げることにした。
「そんで、何があったの?」
売店でコーヒーを買い、席について、膨れっ面のきよかちゃんに訊ねる。
「わかんないぃぃ。むしろあたしが聞きたい〜〜」
「えー?隆志さんと何かあったの??」
「………ウン。いや、あたしはなんもなかったんだけどね?」
嫌な予感がした。
「夏休み中、隆志バイトが忙しいとかで全然会えなかったの。それは仕方ないって
分かってたからあたし別に文句言わなかったんだよ?そんで休みの真ん中くらいにさ、
朝の5時に電話があって、今から会えないかって。でもウチから隆志の家まで超遠いし、
そんな時間に電話してくるの非常識だし、無理って言ったの。そしたらその日から
全然メール返ってこないし電話しても出ないし…」
切々と語るきよかちゃん。
相槌を打ちながら私は、彼女の口から一人の名前が出ないことを祈っていた。
「でね、それを友達に愚痴ったの。高校の頃の友達で、今こっちで一人暮らししてる子
なんだけどさ。そしたら、その子エミちゃんと同じアパートに住んでるんだけどぉ、」
うっ。
「『きよかの彼氏この前うちのアパートの階段で会ったよ?』って言われたの〜〜!!」
彼女はテーブルに肘をついてぶんぶんとかぶりを振った。
そして私は、予想通りの嫌な展開に頭を抱える。一体この先どうなってしまうのだろう。
中途半端なところまでですが、眠いのでつづく。
すごく続きが気になります(´Д⊂
あなたが書く文章をすごく楽しみにしています。
お仕事毎日しんどいと思うけど頑張って下さいね。
おやすみなさい*:.。..。.:*・゜゚・*:.。..。.:
保守しますねー
うお。めっちゃ続き気になるw
楽しみに待ってます(・∀・)
終わったと思ってたら更新されとるやんか
>>リサ
片道2時間の通勤はきつい。
2時間半だし。(;´Д`)
あああああ。GWってなぁに?涙涙涙。
ひび割れそうな心に、誰か、水をください。
ざばーーーー
中堅ハチ公のように待ちます
まつ
┌(_Д_┌ )┐ 松
いっっぽんまつ
>>409 大変そうですが、がんがって( `・ω・´)っ旦
土日はちゃんとお休みなのかな?そのときはゆっくり体休めてくださいまし
417 :
(*`∀´)だめぽ ◆DQNDQNxIeM :04/05/06 03:09
最初から全部読みました。
続きが気になるのでまた来ますね。
今日、はじめてこのスレ見つけて読んだけど、おもしろい!
アンタ才能あるよ!
久々に読んだ。早く続き〜。
エミちゃんって誰?って思っちゃったので抽出してみたら
思いっ切り書いてあった…。
俺の記憶力はだめだめだ。
420 :
夢見る名無しさん:04/05/06 23:34
同じく今日初めて読んだけど、おもしろくていっきによんでしまった!
お茶&お水ありがとです。潤いました。
そんでもって面白いと言ってくださる方もありがとです。嬉しいです。
でもこの先、人生の汚点を晒しますので面白いとは言えなくなるかも…。
牧さんとの一部始終(さすがに仲良くなったきっかけの詳細は言えなかったが)を話すと、
きよかちゃんは目を輝かせて「よかったじゃん!!」と言った。
「でももう無理だよー!絶対がっかりされた、芸術を理解しない奴だって〜」
テーブルに突っ伏す私の頭をぽんぽんとたたき、彼女は明るく励ましてくれた。
「それくらいじゃ嫌いにならないよ。学校始まったんだからいくらでも会えるじゃん?
終わったとか思うことないってー。」
「…そうかなぁ。」
「そうだよぉ。後ろ向きにならないの!」
「んーーーー、頑張ってみる……」
「頑張れ!あたしも隆志とちゃんと話して、仲直りできるように頑張るから!」
きよかちゃんは、どこまでも明るく前向きだ。改めていい子だなぁと実感する。
一時間ほど話したところできよかちゃんの携帯が鳴り、隆志さんと一緒に帰るから
ということでぶっちゃけトーク大会は幕を閉じた。
きよかちゃんの励ましはとても嬉しかった。少しだけ前向きになれた。
だけど夏休み中に熟しきった不安と焦燥と更なる劣等感は、簡単に消えるものではない。
つくづく思う。私という女はなんて暗くて後ろ向きな奴なんだろう。
自分では変われたと思い込んでいるが、結局18年間で培った人間性は、専門学校デビュー
できたからといっておいそれと変われるものではなかったのだ。
せめて、牧さんに会ったら顔を上げてちゃんと挨拶しよう。うまくできるか分からない
けど、ネガティブな部分を見せないようにしよう。
それがきっと最善の道なのだ。
きよかちゃんを見送って、私も帰り支度をした。
階段を降りる途中、下から派手な金髪の男がやって来るのが見えて一瞬足が止まる。
今更登校してきても教室閉まってるのに……って、そうじゃなくて。
…どうしよう。教室の中ならまだしも、こんなところで一対一で鉢合わせてしまった。
何か言われるんだろうか、あぁ、怖い…!!
すれ違う瞬間、彼に面した半身の肌が緊張でぴりぴりと熱く灼けた。
息を呑む私の横を木村はあまりにもさりげなく、だからこそ逆に不自然に、誰にも
気付かなかったかのように通り過ぎて行った。
…そうか、バーベキュー大会の後と同じなのか。
お酒の席ではいろいろあっても、この人と私は、日常生活では全くの他人なんだ。
ものすごく気まずいけど、何も無かったように装っていけばそれでいいんだ。
少しだけ肩の荷が下りた気分だった。
彼の怒りが解けないことに変わりはなく、それはとても悲しかったけれど。
こうして休み前とは微妙に雰囲気の違う、けれど普段通りの学校生活が始まった。
牧さんと会ったのは、学校が始まってから3日目の朝のことだった。
いつもの電車に乗り遅れ、一本後ので駅に来た私は、学校への道を猛ダッシュしていた。
あと2分で始業のベルが鳴る。なのにこんな時に限って学校の前の横断歩道で赤信号に
引っかかってしまった。
早く、早く…。やきもきしている私の頭に、ばこん、と軽い物で叩かれた衝撃があった。
「痛っ!?」
振り向くと、書類の入ったプラスチックファイルを片手にニヤリと笑う牧さん。
「うっす。おはよ」
「あっ…えっと、あの、おはよう…ございます!」
「なにキョドってんのさ」
慌てる姿を見て呆れられてしまったが、今の私に、何の心の準備もなしに会って
動揺するなという方が無理な話だ。
「だって、遅刻……」
挙動不審な態度の言い訳をすると、牧さんは首を振った。
「大丈夫。毎朝ここの信号は始業時間ぎりぎりで変わるから」
「…詳しいですね」
「3年間通ってるからねぇ。ほら青だ、急ぐぞ!」
「あ、はい!」
広い背中を追って走り出す。繋いだ手はないけれど、にわか雨のあの夜とおんなじだ。
階段を5階まで一気に駆け上り、始業のベルが鳴り響く中、私と牧さんは「じゃ、また」
と手を振って別れた。
普通に、話し掛けてくれた。普通に、明るく受け答えできた…!
急に世界が明るくなった気がした。
あの人と話せた、それだけでこんなにも幸せな気分になれるなんて。
牧さんが好きだ。牧さんのことしか考えられない。もはや牧さんに関することでしか
喜びを見いだすことができない。
恋の病という言葉があるように、今の私はまるで病気だ。
分かっているのにもう止められない。どこまでも、どこまでも深みにはまっていく。
そろそろ自分でも気付いていた。
恋って、恐ろしいものなんだ。
つづく。
書いてから思ったけど
>>421、後ろ向きなのは今も変わらずだわ…。
゚・*:.。. レッツ(・∀・)ポジティブ! よかったらこの先も駄文にお付き合いくださいな。
おやすみなさい。
わあ、続きだ(*´∀`)
起きててよかった
おやすみなさい。
おもしろい
恋はええよね(´〜`*)
過去への執着復活しまくり、筆も進みまくり。
いいことなのか悪いことなのかは分からないけど、とりあえず書いたら気分は
落ち着きました。
結局一度失ったものは取り戻せないのでしょう。何回も期待させられてその度に
こんな気分を味わってる。いい加減大人になれ自分。
気ちがいじみた表現をするならば、もはや牧先輩という人は私にとって神様だった。
憧れであり、絶対の正義であり、思考や行動全てに影響を及ぼす、まるで宗教だった。
その宗教にどんどん溺れていく私は、今思えば実際少しずつ狂っていった。
だけど当時は、ただただ必死だった。
少しでも牧さんに近づきたかっただけなのだ。
次の日から私は、毎朝一本遅れの電車で登校するようになった。
もちろん、この時間に来れば牧さんに会えると知ったからだ。
「最近朝よく会うねぇ、電車変えた?」
一週間ほど経ったある日、信号待ちの間にふと訊ねた牧さん。
「そういうわけじゃないんですけど、朝起きれなくって…」
下心を隠して口ごもりつつ言い訳をする姿に、なにかを感じたのだろうか。
翌日の朝から、いくらダッシュで学校に向かっても彼に出会うことはなくなった。
夏休みに二人きりで飲んだとき、牧さんは言っていた。
「学校から歩いて10分のところにあるレンタルビデオ屋でバイトしてる」と。
どこのお店だろう。美人の店員はいるだろうか。いつも偉そうで余裕たっぷりの
あの人が、どんな顔をして接客のバイトをしてるんだろうか。
一度思い出したら気になって仕方なく、私は毎日放課後、学校周辺のビデオ屋を
こっそり見て回った。
そしてとうとうある店で、入った瞬間真前のカウンターに立つ牧さんと鉢合わせたのだ。
探していたくせに、実際会ってしまうとどうしていいかわからず、立ちすくむ私。
「いらっしゃいませ」を言いかけて吹き出す牧さん。
「なんだよビビったぁ。借りにきたの?」
「はい、でも…やっぱいいです……!」
「ワケわかんねぇ。じゃ、あと15分でバイト終わるけど一緒に帰るかい?」
「いいんですか!?お願いします…」
その日は楽しく話をしながら一緒に駅まで帰れた。
だけどそれに味を占めて数日後もそこを訪れると、忙しそうに働く牧さんはちらりと
私を見て手を振った後、ひたすら仕事に没頭していた。
そこで止めておけばよかったものを、めげずに何度も訪れるうち、いつしか手を振って
くれることすらなくなり、気まずくてそこには行けなくなった。
ある食玩シリーズを集めていて、どうしても出ないものがあるというのを聞けば、
それが出るまで買いつづけて「××出ましたよ!」とメールをした。
この映画が面白かったいう話を聞けば即見に行ったし、パンツよりスカートの女が
好きと聞けばスカート派に変えた。
昼飯を買いに行くのは学校近くのセーブオンではなく、少し離れたローソンだと知って
毎日ローソンまで足を伸ばした。
○○(この市の繁華街の一部)らへんの居酒屋によく行くというのを聞いて、当時の
バイトを辞めて居酒屋のアルバイトを始めた。
彼がバイトのない日は大体何時の電車で帰るかを突き止めて、その時間帯に合わせて
駅に向かったりした。
そのうちエスカレートして、毎日のように放課後まずビデオ屋を外から覗き、姿が
見えなければ駅に行ってうろついたりするようにすらなった。
自分でも分かっていた。…私は狂ってる。
9月が終わる頃には、牧さんからのメールはなくなっていた。
こちらからのメールにさえ、返事は来たり来なかったりになっていた。
学校で会えば挨拶はするが、いつも忙しそうな彼と雑談することはめったになかった。
ただ、たまに言葉を交わしたときはそれなりに仲良く話せることだけが救いだった。
自分が奇行をしているという自覚があっただけに、牧さんが私に冷たくなったことは
当然だと思った。自分でも自分が気持ち悪くてたまらない。
きっとあの人は恋心に振り回され、見苦しくあがく私の本心を見抜いているのだろう。
もしかしたら偏執的なまでのストーカー行為にも、全て気付いているのかもしれない。
経験豊富でスマートな憧れの先輩。醜い外見に醜い行動、何も知らない、何も持たない私。
もはやこの人に愛されたい、なんて身の程知らずな願いは持たなかった。
それが絶対にありえないと分かっていたからだ。
だけど重苦しい恋心も、ストーカー的行為も、どうしても止められなかった。
きよかちゃんと隆志さんは別れた。
「もうお前とは無理って言われたし、あたしも無理だと思ったから別れた…」
涙目のきよかちゃんにそう報告を受けた少し後から、毎日放課後、駅とは逆方向の道を
歩く隆志さんの姿を見た。
一度飲み会帰りに寄らせてもらったから知っている。その先はエミちゃんのアパート。
しょせん他人事なのだけど、私は隆志さんが憎くてたまらなかった。
夏祭りの打ち上げでのこともある。私の大好きなきよかちゃんを悲しませたからと
いうものあるし、クラスの女性陣の雰囲気を微妙なものにされたという恨みもある。
だけど一番許せなかったのは、もっと青臭い理由からだった。
かつて私の前できよかちゃんと繰り広げた、幸せな『恋人のいる生活』。
それはとても幸せそうで、お互い好きあってるのが伝わってきて、本当に羨ましかった。
なのにこんなに簡単に別れて、しかも別れてすぐにエミちゃんへ行っている。
人の心は移りゆくもの。男の人と付き合ったことのない私はある意味潔癖症でそれが
信じられず、隆志さんが許せなかった。
人を好きになるってもっと強くて深いものじゃないの?
現に私は今、牧さんのことが好きで好きでたまらない。胸の中で燃える赤黒い炎に
突き動かされ、まともじゃなくなってしまうほどに。
あらゆる面で、私は幼かった。そして弱くて、どうしようもなく愚かだった。
……今でも弱くて愚かなのは変われていないけれど。
つづく。
なんつーか必死になりすぎると男でも女でもひかれると思うよ
恋は好きになった方が負けなのかねぇw
でも好きでいたい あー私もこども
眠れなくて来てみれば新展開が…。(・∀・)イイヨイイヨー
1さんガン(・∀・)ガレ!!
443 :
夢見る名無しさん:04/05/10 03:39
やばいだろ
更新━━━━┌(_Д_┌ )┐━━━━!!!!
444ゲトおめ
☆彡
ツンツン( ´∀`)σ┌(_Д_┌ )┐
恋のど真ん中で苦しんでるときは安らぎが欲しいと願うのに、安らぎを手に入れると
刺激が欲しくなるというのはいかがなものか。
恋がしたいような、安らぎを手離すのが惜しいような。
どっちにせよ8月までは身動き取れないのですが。8月にかけた願いが叶いますように。。
おやすみなさい。
8月までか。ようわからんけどがんがれ。
好きすぎて宗教じみてくるのわかるなぁ。
90%ぐらい実話ですか?
hο∫hμ..._〆(゚▽゚*)
あれ?!
hο∫hμ..._〆(゚▽゚*)
かつて私の前できよかちゃんと繰り広げた、幸せな『恋人のいる生活』。
それはとても幸せそうで、お互い好きあってるのが伝わってきて、本当に羨ましかった。
なのにこんなに簡単に別れて、しかも別れてすぐにエミちゃんへ行っている。
人の心は移りゆくもの。男の人と付き合ったことのない私はある意味潔癖症でそれが
信じられず、隆志さんが許せなかった。
人を好きになるってもっと強くて深いものじゃないの?
現に私は今、牧さんのことが好きで好きでたまらない。胸の中で燃える赤黒い炎に
突き動かされ、まともじゃなくなってしまうほどに。
あらゆる面で、私は幼かった。そして弱くて、どうしようもなく愚かだった。
……今でも弱くて愚かなのは変われていないけれど。
がんばれー
┌(_Д_┌ )┐待機
↑ いつもその体勢で辛くない?
┌(-Д-┌ )┐ハァハァ
保守
壁|∀・)ジー
仕事がとんでもなく忙しくてスレ書いてる余裕がありません…。
まだ続きを書く気は充分にあるのですが、忙しくなくなる日のめどが全く立たないので
ほしゅ不要です。ゴメンナサイ。
余裕が出来たら多分またこの板に同じ名前のスレを立てると思いますので、いつの日か
見かけたらまた読んでやって下さい。
馬鹿女の自分語りにお付き合いありがとうございました。再見。
いろいろ大変そうですが、どうかお元気でー。
再見!!
え・・・
終わっちゃったのか?
なんだよー、終わるのかよー。
そりゃないぜ姉さん。
・・・・・┌(_Д_┌ )┐・・・・・。
しばらく見れなかった間に…
再開楽しみにしてます。
うん。いつでもおいでよ。
ここまで続いたのにこのまま終わるのはもったいない。
えーと中国語で再見。
ほしゅをかねて超ナツメロうたいます。
♪スマイル フォーミー
スマイル フォーユー
あなたが あなたが まぶしいわー♪
がんがって、また新しく書き始めてくれるのを待つことにするか
ほしゅ♥