*「異化」という術語=わたしたちにある表現を「異様なもの」として感じさせることのできる、「難渋な形式の手法」のことで、他の物事とのかかわりから生み出される
2げっと!!
八〇年代に、わたしたちの思考・生活や、文化・学問・経済など多岐にわたる構造の変化をもたらしたのは、任天堂のファミリーコンピュータであったことは決して疑い得ない事実である。
わたしは、ファミコンで遊ぶこと、いいかえればファミコンが提供する
電子生態系からの種々の異化作用によって、自分という意味の多くの
構造を紡ぎ出すことができた。ファミコンという異化装置がわたしに
対して、生き続けるという選択を迫ったといいかえてよいかもしれない。
異化作用の有効性はここにある。
すなわち、わたしたちにあらゆる意味での変革を迫るのだ。
ではここから、ファミコンの異化作用のルーツを探ってみたい。
ファミコンとイカ作用
はじめのうちのままではうまくノミコメないが、よく噛むように鍛錬することで
面白味のエキスが染みだし、ウマくなってくる。
まずテレビゲームにおいてはじめに確認しておきたいのは、
ファミコンの提供するゲーム世界は電子生態系である、という点である。
生き物のいる世界が確かにそこにある。
生き物はただ個体では生きてはいない。
自分の生命を保持するために他の生命とさまざまなかかわりあいを持つ。
そもそも生命が住む環境とは、広大な地理下において生き物が
部分部分で相互作用をなしながら生き、それらが全体のふるまいとなり、
そして全体が個々の生活に影響を及ぼしていく。
これを表現しうるテレビゲームは、既存の意味解釈の体系に回収されない
新しい表現の場といってもよい。
だから異化表現なのだ。
生き物はさまざまなかたちで交流している。
電子生態系には、現実世界と同様に生物の発生・遺伝・代謝・進化を
見出すことができたり、また現実世界にはない新しい生命
(人工生命と似ている部分が多い)が生きている。
たいせつなのは、現実世界と電子生態系は、
いわゆる「自己」と「他者」的な二分法に収束されるべきではなく
(現実世界は電子生態系によっても更新されるからである)、
それらを包括的に捉えた構造モデル−グローバルネットワーク−と
して見直していく必要があるという点である。
電子生態系は、わたしたち現実世界の住人とのかかわりあいによっても
通時的に変わっていく生き物だからである。
つぎに、電子生態系を生み出す環境について個別に考え、
それらから電子生態系とわたしたちのかかわりについて考えていこう。
テレビモニターとは、わたしたちの住む現実世界と、
人間が作り出したもうひとつの世界−電子生態系−をリンクするための
情報出力インターフェイスである。ちなみにアクションゲームや
ロールプレイングゲームにおけるいわゆる“一人称ゲーム”では、
カメラマンのカメラワークと、プレイヤーの視点の枠組みが一致する
場合が多いと思う。
10 :
◆AqSN8T65kQ :03/04/15 20:47
wordとか使えばいいじゃん
コントローラーとは、テレビゲーム専用の入力装置である。
人間の運動感覚と同調して、コンピュータゲームとの相互作用を可能にする。
つまり、単なる一機器としての次元を越えて、
プレーヤーの身体の一部となって、テレビモニターに展開する
電子生態系を現実世界に引き寄せたり、
電子生態系の生き物たちと一体化する機能を持つ。
なお、コントローラーを開発したのは、故横井軍平氏である。
80年代初頭当時にあった、一般ユーザーのコンピュータに対する
観念−なにかわからないがとにかく難しいもの−を打ち砕き、
コンピュータに気軽に触れるきっかけを作ったのみならず、
コンピュータは玩具としても用いることができ、
使いこなせば非常におもしろいものであるという認識を
わたしたちに教えてくれたという点で偉大な人物だった。
十字キーは、現在もコントローラーの標準装備部品であり、
これを越えるものはまだ発明されていない。
数値(パラメータ)とは、他の数値と常に関係性を持つ。
これは、CPU(Central Processing Unit)という中央処理装置
(演算装置と制御装置からなる)によって処理される。
ここで重要なのは、処理能力や速度に限界のあるCPUにかみあう、
効率的なアルゴリズム(解答方法とその手順のこと)を有する
ソフトウェアが求められる点である。
数値は、ゲームのジャンルによって、「物語」「戦闘」「個性」「得点」
などに特化して機能する。これらと現実世界との関係性によって、
プレーヤーは不意打ちを食らうのである。
言葉は決して実体(意味)を指示することはできず、仮想(関係)を
操作する。つまり、現実を構造モデル化して間接的に脳に入力する
メディア−記号系の翻訳システム−なのである。
脳の連合野は視覚情報と聴覚情報を取り結ぶ。
目から入った文字は脳の中で音(読み)になり、
耳から入った情報は視覚像になる。
こうして言葉は、抽象化した現実を脳で記録・再現するための
メディアであるといいうるだろう。
こうした要素が関係しうことで、臨場感(リアリティ)としての異化が生じる。
電子生態系というフィクショナルな集団と、
現実世界にいるプレイヤーとの関係によって生まれてくるのである。
これは、電子生命を生き物として感じることである。
わたしたちは、テレビゲームから異化作用を感受するとき、
「テレビモニター」「コントローラー」「数値」「言葉」を個別に
認識するではなく、こうした臨場感としての異化を、
ただ「直観」することしかできないから、
「ああ、なにか見慣れないなにかがいる!」と
感じてしまうのではないだろうか。
(「直観」とは、論理や理性にかかわらず、真実に到達することである)
15 :
夢見る名無しさん:03/04/15 21:46
難しそうなことがいっぱい書いてある・・・
最近ファミコン借りたから、小さい頃させてもらえなかった分マリオしています。
(^^)
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
(^^)v
直感が真実だって? ププ
って釣られる漏れもアホ。