「あんた、もう分かってるじゃない。私がどういう人間か」
「は、はあ・・・」
クニコは一息置いてから、少し目を細めていった。
「私が『読める人』だろうが、アンタの判断はアンタのもんよ」
「・・・」
「いちいち、聞かなくていいの。そういうのうざいのよ」
「・・・はあ」
斎藤はクニコの言っていることがよく分からなかった。
よく分からなかったが、何だか母親とクニコをダブらせているような気がしていた。
それも、父親がいなくなった後の母親だ。
このこともばれているんだろうか?と不安に思ったが、
クニコは鼻歌で「ビバリーヒルズコップ」のテーマを歌っていた。
「もうすぐ着くわ」
・・・
朝はすがすがしい。
頭は少し重いが。
斎藤は歩いている。自分の小学校に向かって。
結局、ヨミノクニで酒を飲む羽目になった。
「泊まっていきなさい。何もしないから」
「はい・・・」
クニコはそこだけ、女性らしい顔を見せたような気がするが、斎藤は酔ってるフリでやりすごした。
というか、本当に酔っていたと思う。
自分がロリコンであること。自分の教え子に、ほのかな恋心を抱いたことがあること。
その生徒が卒業するとき、自分も教師を辞めて、告白しようとしたこと。でも、できなかったということ。
そして、自分の母親のこと。いなくなった父親のこと。
全部話した。全てだ。
クニコはそれを黙って聞き、曖昧な相槌と中途半端なおつまみとで相手をしてくれた。
斎藤は酔いながら、冷めた目で自分を見ている自分に気づいていた。
それはクニコの目が最後まで、自分を離さなかったからかもしれない。だから、余計酒をあおった。
そこからは覚えていない。
朝に起きると、おいしそうな朝食とともに、「いってらっしゃい」とのメモが残っていた。
「先生おはようございます」「おはよう」
斎藤は笑顔で通り過ぎた生徒に挨拶をする。いつもの朝。
いつもと違うのは、一歩一歩歩く足の感覚がハッキリしている。
そんなことぐらいだ。
おしまい
強引age
というか
>>42の時点で終えた方がよかったか・・・うーん。
まいいや。
思いつきたらかいてちょ。
ネタ模索中age
>>26・・・と、あったので駄文を一つ失礼します。
始業前、外の掃き掃除を終えてふと顔を上げると、事務の女子社員が玄関
前で、独りきりで屈んでいた。僕と同じく掃除中で、どうやらちりとりを使って
いるらしい。
僕より年齢は下だが先輩の彼女は、うぶと言うよりもおぼこといった性格で、
他の女子社員からは妹の様に可愛がられていた。少なくとも僕の目にはそう
映っていた。
そんな彼女を見ているうちに、強烈な不安がゆらりと湧き上ってきた。
嫌な事、辛い事、泣きたくなる事、死んでしまいたくなる事、今迄はもちろん、こ
れから先も沢山彼女の身に降りかかるのだろう。でも、きっと最後にはハッピー
エンドが待っていてくれるのだろう。本人はもとより、周りの人もそれを望んでい
ることだろう。
しかし、彼女の様な心を、自分の手で放り投げた僕にハッピーエンドを幸せと感
じることが出来るのだろうか。折角手にしたそれを、そうとは気付かずに、同じく
自分で投げてしまうのではないだろうか。
僕の視線に気付いた彼女は、只無表情な視線を返し、素早く社内へ消えていった。
おしまい
我ながら臭いんでsage
くるりの「ばらの花」を思い出しました。
すごいいいです。これからも書いてくれると刺激になるよ。サンクス!
>>54
ありがとう〜。誉めてもらえてすっごく嬉しい。
また、ネタができたら書き込ましてもらいますね。
よろしくー。
(^^)
五年ぶりに故郷と呼ばれるところに帰ってきた。
僕はいわゆる、「都落ち」組みだ。
中学までは東京に出るのも、電車一本というような、中途半端な街に育った。
風景も住宅も人も空気も、全てが中途半端。全てがあるような、ないような。とりあえずな生活。
そんな生き方が容認され、むしろ推奨され、誰もが有耶無耶にしていく。
若い僕には、この生活が生温い地獄のように思えてしまった。
だから、この故郷から離れた。
だが、それはどこでも一緒だと知るには、一年もかからなかった。
「〜がない」と嘆くのも、「〜はある」と喜ぶのも、さほど変わらない。
現状維持と現状打破を同時に満たそうとしていたようなもんだ。
自嘲しながら、慣れない煙草を吸ってみる。煙草を覚えたのはラッキーだったたかとも思う。
故郷の街は思ったより、変わっていた。
駅前の古本屋は100円ショップに。
公園通りの薬局はカフェに。
記憶の中にあるとダブらせようとしても、ずいぶんと苦労する。
そこに住む人間は変わってないのに。
僕は駅前を足早に歩いた。
雨が降りそうだ。
このあとは主人公が初恋の女の子と再会させるだけど、
ちょとひねりたいなあ。
何かないかな?
やーめた。
新たな物を作りましょう。
今日は何も出ないけど。
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
そもそも自動車学校にきたのが間違っていたのかもしれない。
車に興味などないし、運動神経もない。
というか、小さい頃渋滞中の車内で漏らしてしまった事が一番大きいかもしれない。
これもトラウマでしょ?と、誰かに聞いてみたい気もするが、まあ、言えない。
ビニール袋に・・・とか言えない。
さとしはそんな事を思いながら、ロビーで時間を待っていた。
とは言え、とりあえず仮免は取った。長い道のりだった。
ひどい話で、足が短いことが災いし、ブレーキもアクセルもろくに踏めたもんじゃない。
毎時限、乗り終わるたびに足は痙攣しているほどだ。
でも、座席を前に出すことは、安いプライドが許さない。安全運転もあったもんじゃない。
エンストを繰り返し、なんなら、「止まってるときは安全だから」などと思ったこともある。
それでも、なんとか仮免を奪取した。泣きが入っていたのは、同乗の人の目にも明らかだった。
「やまがたさーん」「はい」
さとしの名が綺麗な受付嬢に呼ばれる。ひそかに「マドンナさん」と呼んでいるお気に入りの人だ。
「配車窓口にどうぞ」「はい」
この会話?のやり取りだけで、今日も危険な交通戦争に足を進めることが出来る。
さとしは半分、家族と別れねばならない兵士のような、切ない目線をマドンナさんにおくった。
当然マドンナさんは、さとしを見ず、つめを弄っていた。
「あ、指導員は・・・」
さとしは勇気を出して聞いてみる。
「ジョンソン指導員で」「は?」
ジョンソン?何だそりゃ。
さとしは、聞き返すタイミングを失い、「はあ」とだけ言って、今、窓口に立っている。
どう考えても、日本人の名前ではない。いや、かもしれないが、まあ、見込みは甘い。というか、外国人だろう。
「恐い」とか「厳しい」なら、真っ当にビクビクするが、「意思の疎通が図れない」なんて、自動車以前の問題だ。
さとしの脳裏には、テレビで見たことがあるヒップホップのラッパーのイメージで埋め尽くされた。
そして、それは八割がた当たっていた。
違ったのは、ジョンソン指導員がきちんとスーツを来ていたことぐらいか。
「ヨロシクネ〜」
大きな手を握るよう、さとしは求められたのである。
で、あげ。
オチがなさ杉。
浮かばないのよねー。
で、あげ
70 :
夢見る名無しさん:03/04/24 20:46
期待age
71 :
夢見る名無しさん:03/04/24 20:48
飽きたわけでは・・・age
初めに、彼女は海で横たわっていた。
僕はそれを何だか見てはいけないもののような気がしていた。
今から十年以上前の話だ。
母の実家は海の側で、潮の香りがおきまりの夏休みの思い出だった。
田舎の朝はとても、清清しく早起きも苦痛ではなかった。
田舎の昼はのんびりとしたときで、いつまでも太陽が照っていた。
田舎の夜はにぎやかに、笑顔が絶えないものだった。
祖父は趣味以上の釣り好きで、殆ど毎日僕を海に連れて行こうとした。
初めは嫌だった。
魚は臭いし、潮はベタベタする。
それでも、海に落ちる夕日を見たとき、幼いながら、自分の中で何かが変わる瞬間を感じていた。
その日もひとりで夕日を見に来ていた。
なんだか習慣になりつつあり、今となっては恥ずかしいような生きてる実感を
感じていた。
そこに彼女は倒れていた。
夕暮れの終焉を知らせる、暗闇の中でも、その顔は映えていた。
しかし、真黒な髪の束が不規則に流れ、手足の生気のなさは、それが何を物語っているのか
あからさまに分かった。
彼女は死んでいる、と。
続きは思いついたら適当に。
気づくと頭を抱えてる、訳でもない。
ああ、もう夏だなって思ってる、訳でもない。
恋してんでしょ?何かもう誤解を解く気がない、訳でもない。
必死な自分を失うとどうなるのか分からない、訳でもない。
な訳でもない。
不安を口にすると、腐っていく。
何もせず、ただ眠っていると、腐っていく。
今日笑ったことを思い出すと、腐っていく。
誰かに通じてると思うと、腐っていく。
もう、抜け出さないとと思うと、腐っていく。
分かった気にさせてください。
分かるように教えてください。
分からせないように気をつけてください。
分かるまで放置してください。
分からないままにしないでください。
もうさー、気分で全部決まっちゃってんだよね。
人生が。
誰かいらっしゃいよ。
思いつかない間はこんなだから。
84 :
夢見る名無しさん:03/05/08 03:19
呼んだ?
ごめん。ありがと。また頼む。
ねぇあたしのどこがスキ?って、私は必ずそう聞く。新しい彼氏に。
それで理由を挙げられても別に嬉しくないし
かといって「全部」って答えだとつまんない男だなって思う。
ねぇあたしのどこがスキ?顔が好き?ねぇ可愛いでしょう?
だって作り物だもん。
3年前につくり上げた顔は、108万もかかってる。
高校を卒業してすぐに水商売でこつこつ貯めたお金で上京し、
私は顔を買った。実家には帰ってない。
母親は整形美人で、
「あんたは若い頃の私にそっくりよ、可哀相に」
そういって私の髪をなで、女と出て行った父親の顔とダブらせては
醜い私を殴った。今の私の顔は一体母に似ているんだろうか。
恋人が出来てもいえない秘密。騙してるあたし。偽者のあたし。
楽しいのに悲しくて、笑い声が頭の中で叫んでいる。
「もう戻れない」何かが叫んでいる。
そんな時だったよ。篤朗に会ったのは。
篤朗は高校生の同級生だった。そんなに親しくない。
だけど大好きだった人。
正義にかこつけて何かをする人ではなかったから
クラスメイトにいじめられている私をおおっぴらに助けてはくれなかったけど
いつもはくるくる光るその瞳を曇らせて、しんと降る雪の積もるような視線で
じっと見守ってくれていた。
度が過ぎないように。ぎりぎりまで。
あからさまに助けるなんてことはちゃんとしないでくれていた。
そんなことになったらもっと困るのは私だ。
でもいじめっ子たちが欲求をある程度吐き出した頃にふっ、と
彼らの心を連れて行ってくれる。例えばゲームの話。例えば女の子の話。
彼らの興味を引いて魔法のように。
卒業して彼がどこへいったのか何も知らなかった。東京の大学に行く、とそういえば誰かが言っていたかもしれない。
だからといって整形して作り上げた顔で行った友達の学園祭で
焼きそばを作ってるとは思わないじゃないか。
しかも友達の彼の友達。つまり私に紹介しようとした男の子。
友達が下の名前しか言わなくて良かった。顔だけなら気が付かないもんね。
でもね、でもね。ずっと恋をしていた人に、こんな秘密をもったままなんて、
なんて辛いんだろう。なんて辛いんだろう。
あー疲れた。じゃぁネタ提供したので続けて続けて★
んじゃねー。
愚痴ろうと思ってきたのね、今。
でも、駄目だ。
いいね、ホントマジで。
ありがとう。
>>88
「可笑しいのは、僕でも君でもなく、今流れてる空気なんだよ」
彼はそうやって皮肉ってみせる。
ああ、なるほどって思うけど、だからどーしたっていう感じ。
貴方っていつもそうだよね、私が分からないと思って、簡単にまとめる。
ドラマチックなのは卒業したのよ。のつもりなの。
とは言わない。
私は黙ってアイスコーヒーの中の氷をストローでつつくだけ。
そうやって自分の心をつつきたいだけ。
誰かが見てる。貴方じゃない誰かが私をずっと見てる。
そう思うようになったのも貴方が、私に付きまとうから。
嫌じゃない。けど、おかしくなるほど見えなくなるんだ、自分が。
そう、はっきり言えたら、貴方は席を立って、煙草に火をつけて、時計を見て、帰ってしまうのだろうか。
それならきっと楽なのに。
立ち止まるべきところで、私は逃げて
逃げるべきとき、立ち止まった。
そんな自分をひどく憎いと思うし、同時に可愛らしいと思ってる。
救えない、救われないままの時間と周りの景色。
きっとどこかで誰かが笑うだろうな。なんてね。
午後は天気が悪くなる。
そんな予感がする。
そんな間抜けな昼間に、貴方と二人きり。
あ、続きじゃないんだけど、何か乙女チックになってみたつもり
>>88 さてと、またこよっと。
95 :
夢見る名無しさん:03/05/13 08:35
二流固定
テストスマソ
二流か、ちょっと嬉しい。
リアクションがないのも、それは一つの返答なんでしょうかね。
上手くいかないものです。いろいろと。
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―