HPを持つ程でもない独り言的文章を不定期に綴っていきます。
sage進行でヒソーリおつきあい願います。
温かく小さな背中は震えて、アキラはなかなか泣き止まなかった。
そのアキラを抱くオレの背中側の襖を隔てた隣に六畳間の部屋がある。
といっても古い箪笥や戸棚類に半分程占領された物置きのような場所だ。
伯父が死んでこの家に来た時、先生には今のアキラの部屋を使うように言われたが、
もっぱらオレは奥のその部屋で寝起きし、碁盤に向かった。
最初の頃は毎夜のように夢枕に伯父が立ち、オレを見下ろしていた。
「あんたに付きまとわれる覚えはない…」
何度もそう叫んだが、伯父の濁った色の眼球の冷たい視線は変化がない。
自分の才能を吸い上げ奪い取って行った若々しい生命を恨むかのように。
「オレが望んだわけじゃない…!」
ヒソーリ、おめでとうございます。自分も一票入れました。
次もがんばって欲しいものです。
ノノ人ヽ /|||"|||ヽ
( ´D) ||(*゚ー゚)
( つ旦と ( つ旦O
と_)_) .と_)_)
∋/||||||~||| クルッ
||(*゚ー゚)| 彡 □←納豆
ノ つつ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
(_,,うつ ○ ̄ ̄ ̄○
♪ i⌒ヽ、
♪. /||||,||ヽヽ.
_,..(゚o゚*)| | <バナナンバナナンバーナーナ-♪
γi ⊂ヽ、υ,i⌒ヽ、
(( i i /i~`'`i""|`ヽ、i ))
((ヽi_ノヾ_,ノ_⊃ ~ ))
∪"
♪ / i'
♪ ,//||||,||ヽ
/ |(*゚ワ゚)| <バナナンバナナンバーナーナ-♪
γi⌒ц _,.i⊃ヽ、
(( i i /~`i'" i`ヽ、i ))
(( ヽi_ノ⊂_ヽ_,ゝ ~ ))
" U
ヾ∧
/ ・ |ミ
(_'... |ミ
|(゚v゚*)|||ミ <オウマサン♪
(| .、)|
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ヽ.._人
U"U
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| <||゚ワ)| <ヘビサン♪
(ノ~´ ̄))
( ̄ ̄ ノヽ
( ̄ ̄ ̄ ノヽ_ノ)
( ̄ ̄ ̄ ̄ ノ_ノ
 ̄U ̄U ̄
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| ||||,||ヽ
| |−゚)_|
| ⊂ノ
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
頂きもののAAも連れて来てしまいました。
AA職人さんにはいつも感心させられます。
その伯父の手がひょろりと伸びて来てオレの体にまとわリ付き、何度もうなされて目を覚ました。
伯父の体が覆い被さって息が出来なくなる事もあった。
伯父以外の、オレを抱いた名前も知らない男達も現われる事があった。
先生の寝室は居間を挟んだ反対側にあって、気付かれる事はないと思っていたが、
ある夜、同じようにうなされ、目を覚ました時額に手が当てられていた。
「大丈夫かい、…ひどい汗だ。」
オレは迷わず目の前のその声の持ち主に向かって両手を伸ばし抱き着いていた。
ふいに家の外に車が停まる音がして、人が降りる気配にハッとした。
アキラはなお強くしがみついて離れようとしなかった。
「約束するよ、ずっとアキラくんの傍にいる…。」
「本当に…?」
頷いてアキラの体を布団の中に横たえ、部屋を出た。
玄関に行き、鍵を開けて戸を開けると先生と夫人が荷物を下に置いて
互いの胸と背に清めの塩をかけ合っているところだった。
「お帰りなさい、お二人ともお疲れでしょう。」
「ただいま、緒方さんのお陰で助かったわ。あら、アキラも寝ないで待っていてくれたの?」
夫人の言葉に驚いて振り返ると、部屋で寝ていると思ったアキラがすぐ後ろに立っていた。
その時アキラはオレの腕に抱き着くと、先生に、
ある意味勝ち誇ったような、父親の所有物を奪い取ったかのような視線を向けていた。
先生と夫人にそのまま泊まるよう勧められたが断り、自宅マンションに戻った。
先生が若い頃過ごしたあの部屋のせいか、アキラを抱きしめた時
子供特有の甘い匂いの中に、微かに、確かにアキラは
父親と同じ匂いを持っていると感じた。その匂いに
伯父の記憶よりも何よりも奥底に封印し蘇らせてはいけないと決めた記憶を
その深淵から思わず引き上げさせられかかったのだ。
あの場所から、彼等から離れる事しかその時のオレにはできなかった。
前スレでは、こちらがネットが出来ない間話の続きを待ちながらスレ保全して
くださった方のためにやれるところまでUPしたいと思いました。
限られた時間で事態を把握して移動の決断をしなければならず、
対応が後手後手になって騒ぎが大きくなった事は反省しています。
元来脳天気な気性でもあるものですから。
この板は…どうなんでしょうね。周りを見たところ公民館のロビーのような
穏やかな空間ではありますが(w。
前スレを倉庫格納してもらおうと代行依頼のテンプレを作ったのですが
本スレに既に依頼が出ていました…。
| ヾ▼
|▽゚)
⊂ノ
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頂き物というわけではないですが倉庫行きとなるスレに残しておくのも
しのびないのでヒカルAAも連れて来ました。
それから数日して、久しぶりに先生から「碁を打たないか」と誘いを受けた。
断る事のできる理由も見つからず塔矢邸に向かった。
何か話があるといった様子は先生の声色から受け取れた。
アキラはまだ学校から戻っていなかった。ただもう彼は放課後を碁会所で過ごす事が
日常となっていたので、自分がここに来ている間に顔を合わす事はないと思われた。
打ち合って間もなく先生が静かに話を切り出した。
「…あの子は、アキラは焦れている…。」
「…え?」
「碁の道を進む上での道標を得られず、意識が宙に浮いてしまっているのだ。」
「…それは、わかります…。」
同年代に競い合う者がいない。もう少し待てば、そういう相手が現れるかもしれないし、
現れないかもしれない。オレや芦原のような一時的な目標とする対象とは違う存在である。
「…そういう相手がいないということは自分の位置を見定められず、苦しむものだ。」
「半目を凌ぎあうような対局を何度も打ち合えるような切磋琢磨の相手とは、
我々でもそう出会えるものではないですからね。まして子供の世界では、ムラや集中力の
バラつきも多いですし。」
年令をおう毎に興味の対象も広がる。ましてやこれだけ情報が氾濫している中で、
他を切り落としただ一筋の道を往く事は口で言う程優しくはない。
アキラが心から父親を尊敬し同じ道を進もうとしている気持ちに迷いは今のところは
ないだろうが、確かにライバル不在でどこまで日常的に向上心を保てるか。
大人でも難しい事だ。
アキラはまだプロではない。だが明らかにアマチュアの範疇でもない。
そしてその事を彼自身がよく知っている。
「思いきって、アキラくんにプロ試験に挑戦する事を勧めたらどうです?」
「…うむ…。」
先生が迷うのも分かる。“他にどうしようもないからプロ試験を受ける”という安易な選択を
アキラにさせたくないのだろう。
もうひとつにはあまりにも早い年令でその中に埋没してしまうと、今はいいが、
長い人生において後々何らかの機会に弊害が出て来るかもしれない。
それは父親としての正直な心情と言える。
「時間が欲しいのはどうやら私の方のようだ。…緒方君、もう少しあの子の我が儘に
つき合ってやって欲しい。あの子が今の状況の中で自分の居場所を見つけるまで。」
「アキラくんは賢い子です。ライバルが居ないなりに自分で答えを出せるでしょう。
そんなに時間はかからないと思います。」
しばらく間があり、対局の再開がなされた。
一人の父親の顔からプロ棋士の顔へと変化する。
瞬時のうちに、毎日のようにここで先生と打ち合った日々に引き戻る。
地獄の底から救い上げられたこの場所は昔も今もやはりオレにとっては
悲しいほどに眩し過ぎる。そしてそれはおそらく一生変わらない。
>19 ラスト一行 ×優しくはない→◯易しくはない
でした…
頭の中で光が弾ける。目眩がして、周囲で歪んだ映像がゆっくりと輪郭を取り戻して行く。
体の下で同じようにアキラの肢体が痙攣し汗ばみ、ルームライトの光を反射させている。
手を伸ばし、黒髪をそっと撫でるとピクリと小さく白い肩が震えた。
下肢を重ねたまま彼の背中に覆い被さり、黒髪に口づける。
唇で髪をかき分けて首の後ろに辿り着く。
彼の髪の匂いは幼い時とあまり変わらない。ほのかに甘い。
特定の洗髪剤や整髪剤を使っている訳ではないだろうが、いつも同じ香りがする。
同じ雄で在りながら雄のある種の衝動を掻き立てる香りだった。
かすかにアキラの頭が動いた。顔をこちらに向けようとしているのだ。
その両肩を押さえて、首の後ろから背骨の始まりの部分に唇を這わすと
収まりかかっていた彼の吐息が再び荒く乱れ始めた。
余震は彼の体内の奥深くで今なお長く続いていた。
言葉は交わさなくても、目を見ないでも
一度だけでは互いに欲しいものを得られない事を了解し合っていた。
先生からオレの部屋を訪れる事を黙認されるようになって、逆に以前ほどはアキラは
そう何度もやって来る事はなくなった。
やはり意地になっていた部分があったのだろう。
そのかわりこちらも出来うる限り碁会所でアキラと会うようにし、碁の相手を
するよう努めた。
その代わり、部屋に時々やって来るアキラは、それまでよりも濃密な時間の過ごし方を
求めるようになった。
パソコンに向かえば椅子を近付けて寄り添い、食事をすればただ黙って見つめて来る。
そして目が合ってしばらくが互いに押し黙ると、それが合図のように
唇を重ねて来た。
次第に触れあわせている時間は長くなり、離しても何度でもまた求めて来るようになった。
彼が自分の中に持て余しているものの行方を欲しがっている事は理解できた。
それらが発達しかけた性的な衝動と混在しているのだろう。
彼にとっての一種のマスターベーションであるその行為を禁じるのではなく、
好奇心を満たせてやる程度に与えてやった。
唇を触れあわせるキス以上の行為には進むつもりはなかった。
アキラが望んだとしても。
こちらが強く線を引いている事をアキラが気が付かないはずはなかった。
彼の中でオレとの事はささやかな冒険であり、非日常だった。
先生が望んだ通り、少しずつ彼は自らプロ試験を受ける決意を固めて言ったようだった。
一時期停滞した棋力も、彼の精神の安定を示すように上昇の気配を見せた。
そんなある日だった。
激しい雷雨のあったその日、彼は雨にずぶ濡れになった学校の制服のままで
オレの部屋にやって来た。
ここ数日、自分は碁会所に出向いていなかった。
その間にそこで起こった事を、まだオレも先生も知らなかった。
その日は棋院会館で全国子供囲碁大会があり、そちらに顔を出した後
マンションに戻っていた。
囲碁大会の会場で不思議な少年と出会った。
アキラと同年代で、囲碁大会に出る訳でもなく、出場者の対戦を見て石の生き死にを
適格に言い当てたと言う。
子供の才能は量り知れないものがある。突如鋭い勘やひらめきを伴うこともある。
ただ安易にそれを天賦のものだとか、天才だと直ちに評価できるものではない。
そのひらめきを確実に必要な場面で毎回発揮できるようにコントロールできて
初めて才能と言うべきだろう。
ただ、予感はあった。今まではその予感すら抱かせてはくれない相手が殆どだった。
数多くのイベントや、指導碁に参加しながら無意識のうちにそんな予感を抱かせてくれる
子供を探していた。探し出してアキラと引き合わせたかった。
だが中々そううまく見つかるものではない。
直接その場を見た訳ではないので、その少年が本当に一瞬で石の活路を見切ったのかは
確証は持てなかった。事実ならばアキラに並ぶ実力のある可能性があったが、
それだけの力を持った子供がそれまで一切の大会に出て来ていなかった事が
信じられなかった。
あまりにも大きな期待を持ち、それが現実のものとなりかかると、
人は喜びより先に不安や恐れを抱くものかもしれない。
ドアを開け、そこに立っていたアキラを見た時、
今まで見たことのないアキラの表情に言葉がつけなかった。
「どうした?」
そう問いかけてもただアキラは黙って俯くだけだった。
とりあえず濡れた制服を脱がせてタオルで頭を拭いてやった。
「…自分で出来ます。」
ようやくそれだけ答えるとアキラはタオルを手で持ち、ソファーに腰掛けてごそごそと
髪を拭っていた。
風邪をひかせないようにバスローブを肩にかけてやり、ミルクを温めて出してやった。
「ありがとうございます。」
彼の表情も声も硬いままだった。ミルクのカップを持つ指が白く震えていた。
かろうじて半分は意識がここにあるが、あとの半分は何処かに彷徨っているようだった。
しばらくはそんな彼の隣に腰掛け、彼が何か言葉を発するのを待った。
だが結局彼は何も説明せず、ただ深呼吸をするように息をついた。
そうして目を閉じ、開いた時は少し目にいつもの力強さを取り戻していた。
微かに、口元に笑みを浮かべてさえいた気がする。
後に彼にその事を指摘すると「覚えていない」と笑って答えていたのだが。
「…すみません。もう落ち着きました。…帰ります。」
制服はビニール袋に入れさせて置いてあった彼の服に着替えさせ、車で送ってやった。
さいもえは残念でした。前回通過した時このままイケるのではと思ったのですが(w
案内をもらって早速やってきますた。
気にかかってたが、移住先がみつかってよかった。
またマターリ(;´Д`)ハァハァさせてもらいます。
待ってたぞ!良かった良かった。
こんな板あったんだな。一見したところ深海スレに相応しいひっそりとしたスレの印象だ。
前スレの依頼出たのか・・・いろいろ思い出深いスレで、俺は保存したんだが(w
これからまたひっそり通わせてもらいます。
ついにアキラたん、ヒカルと出逢ってしまったんだな。兄貴と親父も気になる。
さいもえ・・・兄貴への愛の一票、今回は届かなかった。
| |_
| ||||,||ヽ
| |▽゚)_| 裏階段サン シンスレ オメデトウ!!!
| |◆|つ)) ツヅキヲ タノシミニシテルヨ!!!
| |∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(((((((")))
(*□Д□) コンナトコロニシンスレガ!!! オレモココデマターリサセテモラウトスルカ……
( つ旦と丶
__/\ ̄ ̄ ̄∬∬∬\_ ♪私は 愛の難破船〜♪
./ / ※ .\ ゝ二二ノ \ \ \ /
〈 〈※ ※ ※\______\ \ ┌──────┐
\ \※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ヽ \│\_____../.|
\ \ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ヽ.゛| .|!!!!!!!!!!!!!!!!!!|...|
\ `ー───────―――' | .|iiiiii[oo◎]ii|:::|
゛ー―─────────ーー'| .|iiiiii 「ロロ....]i|:::|
|\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
後に子供囲碁大会で出会ったその少年が碁会所でアキラと対局し、アキラを
負かしたという話を聞いた。しかも一度ならず二度までもだという。
碁会所の常連客からその両日の様子の話を聞いた時、オレも先生も
にわかには信じる事が出来なかった。
だがそれが棋院での子供囲碁大会に現れたあの少年が相手となると、信ぴょう性を
帯びて来る。
「…ぜひ、会ってみたいものだ。もう一度その少年に…。」
言葉は静かだったが、「たかが子供」と思わず、実力があるなら全て一人の
ライバルとして捉えようとする先生の気構えであり気質だった。
決して侮らず、その本質や正体を見極めるまで、結論を急がない。
そして先生が興味を持った事に、オレは関心を持った。
アキラのライバルを探しながら、もしかしたら先生は自分のライバルを探して
いたのかもしれないと思った。
街中の碁会所の近くでオレがその少年を見かけた事は、何かしらの運命的なものが
やはり働いたのだろう。
気がついたら思わず少年を追い掛け、捕らえた。
突然の事に当然ながら相手の少年は腕を掴まれた事に驚き、振払おうともがいた。
こちらも夢中だった。今思えば、多少のアザを彼の腕に残してしまったかもしれない。
「あの時は本当に怖かった。いきなりスーツ着たデカくて目付きのコワイおじさんに
引っ張っていかれたからさ。何されるかと思った。」
碁に関する以外の事に記憶力は自信がないと言っていた進藤だが、その時の事は
印象に残っていたようである。
もっとも棋院会館で再会した時すぐには思い出せなかったらしいが。
髪の色に特徴のある印象的な少年だった。
アキラと同じ年頃だけに、いろんな意味でアキラと対照的だった。
後になって少年と先生と引き合わせた事を後悔する事になる。
そうしてアキラと先生と、そしてオレとがほぼ時を同じくしてそれぞれの
その後の人生を変える事となるその少年と出会ったのだった。
出会ってしまったのだった。
碁会所に顔を出すと奥のいつもの席で、アキラが棋譜並べをしていた。
こちらが傍に近寄るのに気付くと、アキラは盤上の石を崩した。
そんなに石の数は多くなかったように見えた。
その段階で全力で立ち向かって来たアキラを封じ込めたのだとしたら、相当の手練だと
判断するしかない。だがその時点ではまだその相手と、あの少年がオレの中では
どうしても結びつかなかった。
「何の棋譜を並べていたんだい?」
想像はついたが、意地悪くアキラに問いてみた。
「…いえ。」
言葉少なくアキラは目を伏せた。
アキラの胸の中に複雑な感情が渦巻いたに違いない。
小さな失望と大きな希望だ。
ただその時はプライドを砕かれた傷口が大きすぎて自分が抱えている感情を
持て余しているようだった。
「一局打つかい?」
「ええ、お願いします。…あの、緒方さん、」
「なんだい?」
「置き石なしで、打たせてもらっていいですか?」
「構わないよ。」
そうしてアキラは、何かを思い返すように、一手一手に時間をかけてその対局に
取り組んだ。
意識を研ぎすまし、何かを確認するように石を打った。
オレが打つ手を、強さを、他の誰かとのものと比較するように、
碁盤を挟みながらアキラはオレではない誰かを思い浮かべて打っているようだった。
それはけっして面白いものではなかった。
だが、必死に痛みを堪えて自ら自分の傷口を覗き込み、向き合おうとするアキラを
観察する事は興味深かった。
どうしても文字数が多いのでAAがあるとホッとします。
緒方とコタツは味わいがある組み合わせだと個人的に楽しんでます。
緒方世代なら加藤登紀子でしょうね。
加藤登紀子は名人世代でしょうか(w。中森明菜でもよさげでした。失礼。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
やっぱり読んでてドキドキするよ。
ヒカルによって皆運命を変えられていくんか。
それでもアキラと兄貴の間には切っても切れないもんがあるような気がするんだなぁ。
| |
| |((((")))
| |Д□*) ♪ヒャクマンボンノ バラノハナヲ〜 アナタニ アナタニ アナタニ アゲル〜♪
| |Y |つ<@
| |∧ | ↑タッタ1ポン
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>>33 コンナAAデヨロシケレバ……
オガタナラ オトキサンモ OKデショウ
ナニセ ネンレイフショウノオトコデスカラ……
ここはどれくらいで落ちるのかな
まだ軽いから大丈夫な気もするが、わかんねえからな〜。
来週のアニメは兄貴の本領発揮だな・・・楽しみだ。
アキラは変化した。
初めて自分が打つ碁に疑問を持ったようだった。
年相応に、それ以上に十分それを超える成長を遂げていると自分自身も
周囲の誰もが疑わなかった。それが自分と同じ年の少年とああいうかたちで
出会った事でそれまでの基準点が一気にあてはまらなくなったのだ。
混乱もあったはずだ。
普通の子供ならば自信を失い殻に閉じこもるか外部に対して攻撃的になるところを
アキラはよく耐えていた。
碁会所に行けば嫌でも先日の対局のギャラリーの者達の好奇の視線を一身に受ける。
多くはアキラに好意的であるとはいえ、「上には上が…」「案外、塔矢アキラ以外にも
実力があってもアマチュアの大会に出て来ない子供が全国にはゴロゴロいるのでは」
と皮肉混じりに囁く者もいた。
雑音の聞こえる間を通り過ぎて彼の前に座った。
「あ、緒方さん、こんにちは。」
詰碁の手を止めて、アキラが顔を上げてニコリと微笑む。
耳に入れる価値のない言葉を聞き分け動じない芯の強さをこの子は持っている。
それは紛れもなく父親から受け継いだものである。獅子の子は獅子である。
碁会所にふらりとやって来て、今までこういう場所に来た事がないと言うその少年を、
アキラは初心者だと思い込んだ。
今でも彼はその事を悔いている。
何とか、自力で保守します。
この板のスレは結構皆さんまめに書き込みされているようです。
がんがれ!
文章ウマイし、すごく楽しみにしてるんだぞこっちも。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
ギャラリーしょっても平常心だったり、人を平気で物差しにしたり、ヒカルに異常に執着したりするアキラたん。
人が引くようなことを何の疑問もなくやってのけるアキラたんの感覚が好きだ。
それは彼が真正直で純粋だからだと思う。
待ってるぞ!
________
/
| ウンテンシュサン イソイデ!!
∠ オトウサ〜〜〜ン!
\________
丿ビシッ!
/|||'|||||ヽ ノ⌒ヽノ
||(;゚ 0゚)|つξ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
ノ づ(((")))) 。o ……モウヤダ…
( (;□д□) \ ヒヒ〜ン
-=≡ /⌒ヽ_ ゙J⌒ヽ/\  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
-=≡ ./⌒ヽ, / \\ ヽ/⌒ヽ,
-=≡ / |_/__i.ノ ,へ _ _ / \\/ .| /ii
-=≡ ノ⌒二__ノ__ノ  ̄ .\ヽ |./ |i
-=≡ ()二二)― ||二) ()二 し二) ―||二)
-=≡ し| | \.|| | |\ ||
-=≡ i .| ii i | ii
-=≡ ゙、_ ノ ゙、 _ノ
「彼は、一度も誰かと碁を打った事がないと言っていたんです。それで…」
「…ふむ。」
聞けば聞く程、その少年の正体に興味が湧く。
本を読んだだけの独学でいきなりそこに辿り着くとはどうしても思えない。
背後に指導者、それもかなりの高段者クラスの存在があると考えるのが自然だ。
「だとすれば、“打倒塔矢アキラ”と念じ、人知れずどこか山奥で仙人でも相手に
特訓したといったところか。」
アキラは少し可笑しそうに笑ったが、じきに真顔になった。
「…不思議な感触でした。」
「どんなふうに?」
「もしそうであれば、打っている間の彼から何らかの気負いを感じるはずなんです。
…それがまるでなかった。彼は、ボクがどう打っても、まるで自分は関係ないみたいな…
とにかく、他人事みたいに淡々と打つんです。」
「他人事…ね。それで、やはりその時のものをオレにやって見せてはくれないんだね。」
「…すみません。」
「やはり負けた碁を人に見せるのは恥ずかしいかい?」
「そうじゃありません!」
ふいにアキラが声を大にし顔を上げた。思わずこちらも煙草を銜えて火を点けるという
一連の動きを止め、そんなアキラの顔を見つめた。
「あ、…いえ。恥ずかしいのは確かです。でも、それは負けた事がではありません。
彼の一手一手は素晴らしいものでした。対局の後できちんと検討をしていれば
得られるものが大きかったはずなんです。それなのに、ボクは…」
アキラは両膝の上の手を固く握りしめた。
「ボクは、負けた事ですっかり余裕をなくして、彼が何かをボクに話し掛けてくれていたのに
それに応えられなかった。心の中でボクは叫んでいたんです。早くどっかに行ってしまってくれと。
君の言葉は聞きたくないと。…そんな自分の姿が思い出されて、嫌なんです。」
「…それだけかな?」
「えっ?」
「…いや、何でもない。」
銜えた煙草に火を点けて一息吸い、吐き出す。
彼の頑固さは良く分かっている。彼がそうと決めたものは、誰にも変えさせる事は出来ない。
「…打とうか。」
「お願いします。」
アキラはマンションに来なくなった。その少年にアキラは夢中になっていた。
もう一度その少年が碁会所に来る事がないかと、学校以外の大半を碁会所で
待ち人顔でアキラは過ごしている。そのくせ本当に彼がやって来たらどうしようと怯えているのだ。
そうして会えないまま日が過ぎる毎にアキラの熱意は宙に浮き、答えの出ない問題用紙を抱えて
途方に暮れているといった様子だった。
手合いの相手をする度こちらに救いを求めて来るのは感じた。だが無視した。
先生とあの少年が僅かだが打ち合った事を知ってアキラは驚き、少しでも何か情報を欲しがって
いるように見えた。ただ、先生からは多くを聞けないらしい。
先生は確信がない話はしないからだろう。少年に何か感じるところはあったはずだが、
当然オレにも話したりはしない。
そしてオレも、それに関する話題はそれ以上一切アキラとしなかった。
少年との手合いの棋譜を隠したまま救いを求める事が間違っているのだ。
たかが子供同士の手合いだ。なぜそれをそこまで隠す。
まるで大事な秘め事でもあるかのように。
だがアキラはその事に気付いていない。自覚していない。
嫉妬と言われれば、そういう類のものかもしれない。妙にこちらも意地になっていた。
そんなある日、やや興奮した面持ちで、アキラが突然マンションを訪ねて来た。
その少年、進藤と再会したのだと言う。
>45
力が抜けます。笑いました。
アキラと緒方の関係を明確に表現している名作AAだと思ふ。
あちらこちら、緒方がネットの闇に棲み始めていると感じる今日この頃。
「美しい一局だった」・・・あの日のアキラたんは可憐だったよな
あの後兄貴の所に行ってたんだな。いよいよか?
キタキタキタキタ━━━━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!!!!
兄貴とアキラたんの間の緊張感、兄貴の嫉妬ハァハァ(;´Д`)
兄貴だけのものだったアキラたんの視線が、だんだん兄貴からヒカルに移っていくのか?
それにしたがって兄貴も・・・。
どうなっていくんだハァハァ(;´Д`)
「今度受験する海王中の校長先生に呼び出されて行って来たのですが、ちょうど今日、
中学の囲碁の大会が海王中で行われていたんです。そこに、進藤が葉瀬中の生徒として
出場していたんです。」
部屋にあげてアキラの為にこちらが紅茶用の湯を湧かしに台所に立っている横で
彼は興奮気味に捲し立てた。
「中学生の大会に?進藤が?」
「腕を見込まれて頼まれたんでしょう。結局それで葉瀬中は失格になりましたが…、
でも、三将戦ではありましたが、進藤が海王中相手にとても素晴らしい碁を打っていました…。」
アキラはお茶を入れるのを手伝い、二つのティーカップをトレーに乗せてソファーのある部屋に運ぶ。
オレはキッチンで煙草に火を点け、一息二息吸ってから移動した。
本音を言えば、ドアホンが鳴ってその相手がアキラであるとわかった時は嬉しかった。
いつまでも現れない相手を待つのに疲れてここに来たと思った。
オレと2人で過ごす時間を恋しがってやって来たのだと、そう思ったのだ。
ソファーの長椅子のアキラの隣に腰掛けた。
アキラはネクタイにベスト、半ズボンという服装だった。
海王中から直接ここに来たのだろう。進藤に再会した興奮をそのままに。
「進藤の実力は、間違いありません。今日見たあの碁も、おそらく全力のものではなく
彼のほんの一部分でしょう。初めてボクと打った時もそうでした。強いだけではないのです。
彼の中に揺るぎない碁に対する神聖な気持ちが伺えるんです。対局を見た者に
素直に感動を与える程の…」
「…えらい誉めようだな。」
「でも本当にそうなんです。彼が葉瀬中に進学するのがわかっただけでも良かった。」
アキラは高揚した気持ちのままにまるで自分に言い聞かせるように話しを続ける。
「間違いない、彼は、進藤は…。あんな碁を打てる人は、他にいない…」
紅茶に口をつけることなく、アキラは自分の両手を開いて見つめ、強く握る。
そんな彼の肩に手を置く。アキラはオレの方を向いて、ニコリと笑んだ。
「今度進藤を碁会所に連れて来ます。緒方さんにもぜひ…」
そのアキラの言葉を遮り、顎を指で軽く掬い上げて、唇を軽く重ねた。
アキラの体が僅かに強張るのを感じた。
久しぶりのキスだった。
顔を離すと、アキラは黙ってオレの目を見つめていた。
そこには今までなかった動揺する光が見て取れた。
そんなアキラを見て、進藤の存在がアキラの中のオレに対する感覚すら変えつつあるようだと
感じた。それでもまだ、アキラは自分からはオレから離れようとはしなかった。
そして自分からキスを返そうともして来なかった。
ただ、アキラは何かを迷っているように見えた。
「…どうかしたのか?」
「…いいえ、…。」
もう一度アキラの顎を引き寄せ、唇を重ね合わせた。今度は深く、長くそれをした。
アキラの肩に置いた手に力が入った。アキラはじっとしていて動かなかった。
顔を離すとアキラは小さく息を吐いた。
「オレが怖いか?」
アキラは首を横に振った。だが僅かに膝が震えていた。
「…緒方さん、ボク…、今日は…これで…」
そう言いかけるアキラの頬を手の平で押さえ、再び唇を唇で捕らえ舌をその中に差し入れた。
ビクリと、アキラの体が竦むのがわかった。
今までは決してしなかった行為だった。彼に対してしようと思わなかった類のキスだ。
アキラは反射的に口を閉ざした。
怯えた目でオレを見つめている。それでも何故か体を離そうとしない。抵抗しようとしない。
その時、オレは自分でも自分が何に苛立っているのかわからなかった。
「…口を開きなさい。」
そのオレの言葉に、アキラは一瞬大きく目を見開いた。
しばらく間があって、閉じていた唇を躊躇いがちに開く。
「もっとだ。」
素直に従ったのか、それとも何か言葉を言おうとしたのかもしれない。
さらに開いたアキラの唇を塞ぎ、深く舌を絡め入れる。
今まで空気を通してしか感じなかったアキラの甘い味と匂いを濃厚に感じ、貪った。
さいもえ昼間出先から投票したのですが、佐為が勝ったようですね。良かった。
明日は正座してテレビ(ビデオ)を観る事になるでしょう…。ああ、今から既にしんどい。
キタキタキタキタ━━━━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━━━!!!!!!!!!!
ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)
ついにか…!半ズボン…半ズボン…半ズボンハァハァハァハァ(;´Д`)
|
|∀・)ダレモイナイ・・・スンスンスルナライマノウチ・・・
(・∀・)スンスンスーン♪
(□д□)ハッ!
(・∀・)スンスンスーン♪
(□д□)イヤァ スンスンスンスーン
(・∀・)スンスンスーン♪
(□д□)イイヤヤイヤァ
(・∀・)スンスンスーン♪
(□Д□)イヤンイヤンイヤンイヤンズーン
(□Д□)ヤ! (・∀・)スンスンスーン♪
(□Д□)ヤ! (・∀・)スンスンスーン♪
(□Д□)イヤダモンモン
(□Д□)ヤ! (・∀・)スンスンスーン♪
(□Д□)シケタクルマ
(□Д□)ヤ! (・∀・)スンスンスーン♪
(・∀・)スンスンスーン♪
(□∀□)イヤーア!
(・∀・)スンスンスーン♪
(□∀□)イヤーア! (´Д` )スンベスンベゾンスンスンバ
(・∀・)スンスンスーン♪
(□-□)ブベラ!
(´Д` )スンスンスン
|((((((~)))
| (□∀□)ノヤパーリクルマハRX-7ダロ!!
↑すみません。一度サロンの緒方スレで見かけてすごく気に入ったAAで
保存したいと思っているうちに落ちてしまい突然思い出して探して拾って来てしまいました。
いつの間にか、兄貴とケコーンするはずだった女ははじかれてたんだな。
女のカンは正しかったということだハァハァ(;´Д`)
女はアキラたんの中だけでなく、兄貴の中にもこうなるニオイを嗅ぎ取っていたのだな。
しかし嫉妬でランドセルたんに手を出そうとしるヘタレな兄貴萌えハァハァ(;´Д`)
ってかなんか切ないな。
オレの腕の中でアキラは人形のように動かなかった。
見開かれていた目は閉じられ、時折苦しげに呼吸を継いでいるが、凍り付いたように
四肢を強張らせて投げ出している。
右腕でアキラの肩を抱き唇を捕らえたまま左手でアキラのベストのボタンを外しにかかり、
ネクタイを緩めていった。
そのままソファーの上にアキラの体に覆いかぶさるようにして倒すと緩めたネクタイの
奥のシャツのボタンを外した。
そしてもう一度顔を離し、アキラの表情を見た。
アキラは一瞬オレと目を合わしたが、すぐに空ろに横を向いた。青ざめた顔をしていた。
アキラのシャツの胸元を開くと幼さの残る顎から首筋のラインが露になった。
耳たぶに唇を軽く触れさせる。
「あっ…」
アキラが眉をひそめ、肩を竦める。産毛の生えた頬や首筋の毛穴が立つのが見えた。
幼い頃から、そんなに直に触れる機会がなかった。オレだけでなく、
肉親ですらあまりアキラと触れあっているような所を見た事が無かった。
そのアキラの皮膚に唇を吸い付ける。
滑らかで透き通るように白い表面だった。
耳たぶは冷たかったがその下の首の付け根辺りは体温が高く感じた。
抗う動きを見せたわけではなかったがアキラの両手首を握って軽く押さえ、
首筋にそってキスを繰り返した。
「…アッ、あ…」
触れられている部分を反らすようにして頬を自分の肩に押し付けアキラは吐息を漏らした。
心の中でオレはアキラが拒絶の言葉を吐くのを望んでいた。
そうでなければ、自分を抑える事が出来なかった。
アキラの体の甘い香りの中に潜むもう一つの匂いに惹かれていた。
ふいに、その時電話が鳴った。
驚いてオレが体を起こすとアキラはホッとしたように息をついていた。
救われたのはオレの方だったかもしれない。
ソファーから下りてパソコンの脇の電話の受話器を取ると芦原の明朗な声が響いた。
「緒方さん、時間ありますか?碁会所に来て打ちませんか?」
「…そうだな。」
軽く頭痛がしていた。受話器を耳に押し当てながら軽くこめかみを押す。
「…もう少ししたら、行くよ。」
「ボク、アキラくんにすっぽかされちゃったみたいなんで。」
ちらりとリビングの方を振り返ると、アキラは体を起こし、ソファに座っている後ろ姿が見える。
芦原と2〜3言葉を交わして電話を切って戻ると、緩んだネクタイも外されたボタンもそのままに
アキラはそこに居た。
深くため息をつき、髪を掻き上げながらアキラの傍に戻り隣に座るとアキラの全身に
再度緊張感が走るのがわかった。
そんなアキラに手を伸ばし、ボタンを留め、ネクタイを締め直してやる。
「…何をされようとしていたか、わかるな。」
アキラは目を伏せて頷く。一瞬泣いているのかと思ったが、そうではなかった。
「…もう一人でここには来ないことだ。」
弾かれたようにアキラは顔を上げてオレを見つめた。
「…なぜですか?」
オレはカッとなった。
「わからないのか!?オレはお前を…」
その後の言葉を続けられなかった。
アキラがオレを睨んでいた。
「…芦原さんと碁会所で会う事になっていたんです。…先に行きます。」
納得出来無い怒りを押さえるようにため息をついてアキラは立ち上がると、別の椅子に
掛けてあった上着を手に取り、玄関に向かった。
そして立ち止まり、振り返った。
「緒方さん」
その表情には幼さは欠片も残っていなかった。
それは彼とオレとの間が、少なくともこの部屋の中では対等である事を主張していた。
「ボクは進藤を追います。彼を追う事で何かが掴めるような、そんな気がするんです…。
……でも、」
そう言いながら彼はゆっくりこちらに近付いて来る。
オレは射すくめられたようにソファー上でアキラの方を見たまま動けなかった。
「…でもそれは、決してあなたから離れるという事ではありません。」
アキラの手が伸ばされてオレの眼鏡を外し、テーブルに置くと、
オレの肩を抱き寄せるようにしてアキラが唇を重ねてきた。
今までのものと変わらない、あやされ宥められているような軽く優しいキスだった。
つまらない嫉妬をしている事を彼に見抜かれていた。
「…“その時”は、ボクが決めます。もう少し待ってください…。」
意味深い言葉と共に微笑むとアキラは玄関に向かい、もう一度振り返ってオレを見つめると
部屋を出て行った。
力が抜けたようにソファーに腰を落としたまま、額に手を当てた。
情けなかったと感じるとともに、アキラがオレに対して持つ底の知れない感情を感じ取った。
彼にとって完全にオレは彼が所有するところに在るものなのだろう。
彼がそう決めた以上、そこから逃れる事は出来ないのかもしれないと思った。
キテタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!
今の展開にはハァハァさせられっぱなしっす!
毎回、ここ覗くの楽しみにしてます。
アキラはまだ子供だし、緒方を受け入れるのには躊躇があるのか、
ヒカルの存在がどうアキラに関わってくるのか、期待しています(;´Д`)ハァハァ
たぶん倍近い年齢差のアキラに牛耳られる兄貴(w
それでもアキラからは離れられないんだろうな。
電話がこなけりゃ、やらせてたかもしれんが。
彼がそう決めた以上、そこから逃れる事は出来ないのかもしれないと思った。
ってのにグッとキタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
アキラの所有物になりたいハァハァ(;´Д`)
初雪記念カキコ
前スレ、裏階段さんがもう戻らないと知ってから書き込んでないが、なんか
一日一回は見に行ってしまうんだよな。
今は沈み行く難破船を厳かな気持ちで見守ってるって感じかな。
つづき待ってます!
なんかあちこちdat越智が激しいみたいだ。
新OPアキラたんの麗しいこと(*´Д`*)ハァハァ
晴れて海王中学に合格し、初めて真新しい春先から通うその学校の制服に
身を包んだアキラが碁会所にやって来た時はちょっとした騒ぎになった。
シンプルなラインのデザインの制服はアキラに良く似合った。
半年ほど前から受け付けとなった市河嬢はもともとアキラ贔屓であったが
彼女のはしゃぎっぷりはすごかった。
「ちょっと、アキラくん、もう一枚!」
手にしたデジタルカメラで何枚もの写真を撮る。この日を予測して前々から
準備していたものらしい。
他にもアキラが制服で来たと聞いてわざわざカメラを家に撮りに行く輩が居て
碁会所内は撮影会会場になった。
当然常連客らは撮るだけでなく争ってアキラと同じ画面に収まりたがる。
「未来の名人候補だ。家宝になる。」
「市っちゃん、わしもお願いするよ、老い先短いジジイの冥土の土産にさせてくれ。」
「ああん、これじゃああたしがいつまでもアキラくんと一緒に写れないじゃない!」
騒ぎの外側でオレと碁を打っていた芦原までうずうずしていた。
「あのアキラくんが中学生ですか…、早いものですね。ボクらも年をとるはずだ。」
「…お前が年寄り気分になるのは勝手だ、芦原。オレまで巻き込むな。」
そう言いながらも、無意識に煙草の煙の合間からアキラの姿を目で追っていた。
会うのはあの日別れて以来だった。
元々アキラは他の子供と比べて大人びた印象があったが、こうして見ると
すらりと背が伸びて、表情も物腰も一層落ち着きが出て来たようだった。
進藤との一件の直後はふさぎ込み元気のない表情も見られたが、最近は全て
吹っ切れたようなところがあった。
進藤の所在がはっきりした事が大きかったのだろう。
彼がその後この碁会所にやって来る事はなかったのだが、機会があれば彼と打てる、
その事から自分は逃げずにいつでも受けて立つと言う気構えが全面に出ている。
自分以外の存在に目を向け、目に力を宿してそれを追おうとするアキラが、
ありがちな言い方だがひどく眩しく見えた。それは確かだった。
ふいにアキラと目が合い、彼がこちらにやって来た。
何となく煙草を灰皿に押し付けて消していた。新しい制服に不似合いな匂いを
付けたくなかった。
「お父さんがみんなに挨拶しなさいって言うからちょっと寄ってみただけなのに、
なんだかすごい事になっちゃった。」
当の先生本人は不在だった。入学式は地方で防衛戦で不在だったために一度あらためて
アキラと共に海王中を訪れて学校長に挨拶し、その帰りにアキラだけが
ここに来たという事だった。
「アキラくん、海王中の制服良く似合うよ。うん、すごい頭良いって感じ。」
「試験はなかなか難しくて…ダメだったらどうしようかなって思った。」
照れくさいというよりは、困ったような笑顔でアキラは芦原とにこやかに会話を
交わしている。
そしてアキラがオレの方を見た。
何か言ってやった方がいいかと思ったが、黙って見つめ、消した煙草の代りにコーヒーを
口に運ぶくらいしか出来なかった。
「緒方さんもアキラくんの制服姿がよく似合うって言っていたよ。」
芦原が他意なく話し、アキラがにこりと笑う。
頭では思っても口にした覚えはなかったが、芦原はそう聞いた気になっていたようなので
とくに否定しなかった。そういう顔をしていたのだろう。
「せっかくだから、お三人で。」
市河がカメラを構えて寄って来た。
「この場合、アキラくんを間にするべきかもしれないけど、ちょっとしのびないなあ。
真ん中は早死にするって言うだろ?」
「別にそんなの関係ないですよ、芦原さん。ボクは構いませんが…。」
「…オレは別にいい。芦原とアキラくん、2人で撮ってもらえ。」
そう言って立ち上がるとアキラが何かを言いたげにこちらを見た。
「そんな事言わないで、緒方先生。じゃあお二人ずつね。いいでしょう。」
市河に返事をする間もなくアキラが傍に立ち、カメラの方に顔を向けるよう目で要請してきた。
どんな顔をして写ればいいのやら、わからなかった。ただ、
嬉しそうにオレの隣に寄り添うアキラの表情は覚えている。
囲碁関係者に撮られたものは別にして、先生にあまり写真やビデオといった記録を残す趣味がなく
アキラのそういった日常で撮ったような写真は意外な程少ないらしい。
「…だからボクにとって、これは大切な写真の一枚なんです…。」
後日市河から預かった写真をオレに渡す時、アキラはそう言葉を添えた。
まだ前スレが沈んでいないのに少し驚いた…。
底に沈みながらなお海流や地核変動で揺れ動かざるをえないというか
なるようにしかならないのが2ちゃんなのでしょう。
新OP、たとえワンショットでも緒方がいてくれて嬉しい。
眼鏡を外すシーンをひたすら待つのみと(w。
確かにアキラの美麗さにはひたすら敬服。でもあかりも愛らしくて嬉しい。
(“GO!”という文字が果たしてあった方が良かったのかどうかには触れず)
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
待ってたハァハァ(;´Д`)
海王中学の制服に身を包むアキラ・・・何も言わなくても
なんとなくだが兄貴の気持ちがわかるような気がする。
スポットライトに照らされた華やかな場所がアキラには似合う。
すごく眩しい存在。
そんな子が俺に視線を向けてくれたら、ウレシさより戸惑いの方が大きいだろうな。
制服アキラタン(*´Д`*)ハァハァ
嬉しそうに兄貴に寄り添うアキラタン(*´Д`*)ハァハァ
アキラたんの制服姿。
兄貴の中には、あの赤ん坊がここまで成長したかという父性愛と
美しく成長した姿を、己のセクースの相手として、掻き消しても意識してしまう面と
両方あるんだろうか?
それから暫く、アキラの事を思考の外側に押しやる必要があった。
タイトル戦への挑戦があった。
リーグ戦まではコンスタントに残れてもその先へ行けなければ意味がない。
小さなタイトルばかりが手元にあっても嬉しくはないのだ。
実感として、ようやく波が来つつある事を感じていた。
だがそれは並び立って名を上げて来た倉田四段、いや、段位は直ぐに追いつかれるだろう、
気紛れな神の手によるさざ波はわずかな隙で彼の方に向かうかもしれない状況だった。
碁の頂上への道はそのまま先生への道でもある。
先生は、十段戦を制し四冠を獲得していた。
紛れもなく日本囲碁界のトップ棋士だ。
十段位獲得の翌日、塔矢門下内で特に騒ぐ事なく普段通りに研究会は行われた。
その場にはアキラもいた。
研究会が終わって玄関を出て車に向かおうとするとアキラが見送りに出て来た。
「…名人にはおそれいったよ」
「ボクもそう思います。」
アキラはニコリと笑って答える。
「まだプロにもなっていないクセに。」
少しばかり意地の悪い言い方をしてしまったが、アキラは特に表情を変える事はなかった。
「生意気言ってすみません。」
「アキラくんもどこの馬の骨か分からない奴なんて追っかけていないで少しでも早く
プロになるんだな。」
さすがにアキラの表情が揺れた。
「…気に食わんな。」
アキラを残し、車に乗り込むと発進させた。
進藤という少年を追いながらオレも手放そうとしない。
それもまた、王者の血というものなのだろうが。
初めて先生の打つ碁を見た日から、予想していた事が現実になりかかっていた。
この人が打つ碁は多くの人を惹き付ける。自分はそれを追い続ける。
そしてこの人を追い詰め、捕らえる。
オレは一人だけを追うのに精一杯だった。それは今でもそうだ。
先生の打つ碁の流れを誰よりも自分が引き継いでいると言う自負があった。
アキラよりも。
8大タイトルを賭けて先生と打ち合う、そんな日をずっと追い求めてここまで来た。
そうして碁聖戦が、間近まで来ていた。
それに立ちはだかったのが桑原本因坊だった。
「若手の旗手と言われて浮かれているようじゃが、最近の若手自体がふがいないからのオ。」
あちこちの会合で挑発的な言動を繰り返しているのは聞いている。それに対する反発を糧に
精力を維持しているようなものである。
初めて桑原と碁盤を挟んで座り合った時、桑原は「ホオ」と何かに感心するように声をあげ
隅々まで値踏みされるように眺められた。何に関心を持たれたのかはわからなかった。
とにかくその時のその視線が、オレは気に入らなかった。
どこか、伯父を思い出させるところがあった。
ここでひっそりアキラくん16才おめでとう。
新スレのリンクにまだ前スレが残されていたようで申し訳ないです。
あれは次回はもう外した方が良いでしょう。
ここの事を気にかけて貰えて嬉しいです。もし次回新スレ移行時に加えてもらえるのであれば
“「秘密の小部屋」(兄貴ファン必見!)”部分を“(兄貴ファン向け)”程度に直して(w
ここのリンク先を並べていただければと思います。
ジジィキタ─wwヘ√レvv~(゚∀゚)─wwヘ√レvv~─ !!!
ヤパーリジジィも濃く絡んでくるのか(w
今回テンプレ作る時、迷ったんだ。
ここを入れたかったんだが、ここを入れるということは、また塔矢スレの
荒氏をここに呼び込んでしまうことにもなるから。
せっかく平和なここを乱す結果になるんでは、と思って。
だが出来ればリンク貼って皆に読んでもらいたいと思ってたので、裏階段さんにいいと
言ってもらえて良かった。
圧縮があったようです。
一度浮上してみようかと…
79さん、気を使ってもらってすみません。
何があってもどうとでもなるでしょう。
では浮上。
この板にやって来た理由は板の看板が気に入ったからというのが大きいですね。
でも果たして本当に圧縮があったのかは知りません(w
なかったっぽいです。
保守を兼ねて書き込みテスト
ちょいと寝る前にここで一服。
緒方と桑原の対局はどうなったんだろうねえ。早く見たいもんだが。
煙草税もあがるんだとさ。あ〜あ。
| |_
| ||||,||ヽ
| |ー゚)_|
>>78 アリガトウ!!!
| |◇|)
| |∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
人には誰にでもある弱い部分を、柔らかな贓物を的確に探り出しえぐり出そうとする
禿鷹のような目だ。伯父も晩年はそういう目付きで打っていた。
体力的に立ち打ち出来ない代りに選ばれる武器だ。戦略と言うべきか。
桑原翁を苦手と感じる原因に、彼が囲碁界に関してあらゆる物事を、
ある意味、スキャンダルといった醜聞に及ぶまで熟知しているという面がある。
伯父は借金の為にオレを何人かのプロ棋士の下へやった。
たださすがに伯父も相手を選んだのか、既にプロとは言い難い、
正道から大きくそれてしまった特殊な方面の連中が相手だったと思う。
同じ囲碁界でも一線が引かれた場所の人々だった。
オレの名前はその相手に伝えられる事はなかった。
伯父の家で、あるいはどこかの旅館のようなところの碁盤がある部屋で一人で
待たされていると、やがて襖が開き、その相手がやって来る。
面白がって取りあえず一局打つ者、打たずにそのままオレの背後に座り
体を弄るだけの者も居た。最初にきつく目隠しをされて顔も分からないまま
行為を済まされる事もあった。
それで借金の返済時期の延長どころか、新たな借金の承諾も得られていたようだった。
その中の一人に、顔つきはあくまで人の善さげな、気の小さそうな小太りの男が居た。
大抵の相手が一度きりだったのがそいつに限って何度か引き会わされた。
変わった男で、ただ普通に碁を打ち、時折オレの髪や手に触れるだけで
満足して帰っていった。
よほどオレの事が気に入ったのか、伯父に内緒として小遣いを置いていく事もあった。
裕福な資産家の嫡男で、その嗜好のせいで独身であるらしかった。
伯父以外にも多くの相手に金を貸し、その関係で面倒に巻き込まれ結局
自殺してしまったという。
その男が桑原の門下生だった可能性があることを何かの拍子に知った。
ただ、オレの相手になっていた頃は既に破門されていたという事だったが。
桑原がその男の件で―つまりオレの過去の事で何か知っているような事を
匂わせる発言は今だかつてしてない。
ただ、嫌な感じがする。それだけだ。
先生は桑原と交流があり、桑原を尊敬している。
先生が信頼を持てる相手なのなら、そういう部分において信じられる。
そう考えるしかない。
気にする事は何もないのだろう。桑原と打つ若手の誰もがそれなりに嫌悪感を抱いた。
「対局前に桑原本因坊と言葉を交わさない方が良いよ。」
そういう話もよく耳にした。
そうして対局の時が来た。
だがその碁聖戦では、桑原は言葉では特に何も語らず、
老獪なる打ち手は意外にも真っ向から力碁でねじ伏せに来た。
それならばこちらに分があると思った。
僅かにも驕りと隙があったのだろう。
全てが後手に回り、追い付けず投了するしかなかった。
「塔矢門下きってのキレ者と聞いて楽しみにしておったが、
…まあ、こんなもんかのう。」
好々爺に笑みながら席を立つ桑原の後ろ姿を膝の上で手を握りしめて
見送るしかなかった。
立続けに緊張感を伴う大きな対局が暫く続き、それがようやく途切れた。
「緒方さん、この間に温泉でも行って来たらどうです?
リフレッシュも大切ですよ。」
芦原なりにそれとなく気を使って言ってくれたのだろう。
久しぶりに顔を出した碁会所で会った早々そう声を掛けられた。
蝉の煩さが気になり始めたこの季節に温泉という気分でもないだろう。
「そこまで疲労してはいないよ。」
「緒方さんが来ない間、ボク、大変だったんですよ。アキラくんの特訓に
つき合わされて。」
「特訓?」
芦原は小声になった。
「…アキラくんがそう言ったわけじゃないけど、中学の囲碁の大会、…今日だっけ。
なんでもアキラくんを負かしたっていう例の子が出て来るんでしょう?
アキラくん、コワイくらい気合い入っていて、何度も対局させられました。」
小声で話していたにも関わらず聞き付けたのか、常連客の老人が言葉を挟んだ。
「うちらとしては一刻も早くアキラ先生にはプロになって欲しいところですがねエ。」
中学生になった事で一層アキラをプロへとせき立てる声が周囲で高まっているのは
知っていた。先生の後援会会長は前回アキラがプロ試験を見送った事にさえも
何か小言を言ってきたらしい。親子鷹を好む風潮は根強いものがある。
今日、某かの結論が出る事だろう。
アキラがやって来るような気がして、その日は早々にマンションに戻った。
先生は桑原との碁聖防衛戦で地方に滞在中のはずである。
アキラと食事でもして、ゆっくり進藤との一局を検討してやってもいい。
夕方になってインターホンが鳴った。
「…ボクです。…いいですか?」
通話器越しに聞こえてきたアキラの声は想像していたものより低く、大きな
失意を抱いているのは明らかだった。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
兄貴とジジィの背景が凄いな。そういうふうにインスピレーションが
広がってくのが感動だ。
桑原ジジィの人物描写いいなぁ。
兄貴には過去がトラウマのように付きまとってくるんだな。
いつか昇華出来ればいいのだが・・・。
さっき小説上げた直後から規制かかって書き込めなかったのですが。
どうもです。桑原好きなもんで。
>88のアキラくんもどうもです。うれしい。来てくれてありがとう。
これからも遊びに来て下さい。
玄関のドアを開けると湿度を含んだ外の熱気が室内に流れ込んだ。
そこに海王中の制服のままのアキラが立っていた。
疲労感を滲ませたアキラのその表情から今日の進藤との対局がどういうものに
終わったか、想像がついた。
それはオレも先生も可能性として心配していたところだった。
アキラが全力を尽くしてなおかなわない相手などそういない。少なくとも日本においては。
過度の期待は手痛い反動を呼ぶ。
「理想的なライバルはそんなに都合良くは現れてくれないものさ。良くわかっただろう。」
「…上がってもいいですか?」
「どうぞ。」
オレの言葉に反応する様子もなく、アキラはそのまま無言でリビングに向かう。
てっきりキッチンで何か冷たいものでも飲むつもりだろうと思っていたが、
そこを通り過ぎて奥のバスルームのドアの前まで行く。
アキラはその場で服を脱ぎ始めた。
「おいっ…」
驚いて声を掛けたがアキラはこちらに背を向けたまま全裸になった。
真っ白な背中から腰にかけてのラインと丸い臀部が露になった。
そしてアキラは一瞬こちらを振り返ると睨むようにオレを見つめて、
バスルームに入っていった。シャワーを使う音がした。
呆気にとられたようにして溜め息をつき、乱雑に脱ぎ捨てられたアキラの服を拾った。
夏の雑踏を歩いて来た、若さ相応の汗の匂いを感じた。
制服はハンガーに掛け、それ以外のものは洗濯機に放り込んだ。
以前アキラが泊まりに来ていた頃に残していった服の類はもう小さくなっている。
仕方なくオレのバスローブを脱衣所のカゴに置いてやった。
ソファーに腰掛けて雑誌を開く。
だが内容が頭に入るわけではない。
頭に血が登っている彼に、彼のプライドを傷つけることなく宥める方法を
考えていた。
「よけいな事を言うんじゃなかったな…。」
後悔は先に立たずだった。
しばらくしてバスローブを着て
頭からバスタオルを被ったアキラが出てきた。
脱衣所の前に立ったまま、タオルの中の、濡れた前髪の間からオレを黙って見つめている。
「ここに座りなさい、アキラくん。…とにかく話を聞こう。」
雑誌を傍らに置き、隣に座らせるつもりで腰を少し移動させた。
アキラは傍までは素直に寄って来た。
だがソファーに座るのではなく、膝を乗せて上に登って来た。
「…?」
アキラはそのままオレを跨ぎ、オレの膝の上に間近に向かい合うように腰掛け
オレの首に手を回してきた。
そしてオレの唇に自分の唇を重ね合わせてきた。
重ねては離し、強く何度も唇を押し付けてきた。
「…待ちなさい、アキラくん、」
さらに顔を近付けようとするアキラの肩を掴んで止めた。
だがアキラは両手でオレの眼鏡を外そうとした。
そのアキラの手首を掴んだ。
「落ち着くんだ、アキラくん。」
眼鏡を床に落とされないよう、アキラの手から眼鏡を取りかえして畳み、
ソファーの隅に放った。
体格に合わないバスローブの合わせた前がはだけてアキラの鎖骨から薄い胸板が
見える。
頭から被っていたバスタオルが肩にずれ落ちていた。
そのバスタオルでアキラの濡れた髪を包んでゴシゴシこすってやった。
「これからは出来る限り碁会所に顔を出すよ。」
髪を拭きながらそう伝え、アキラの額に軽くキスをした。
「…緒方さん」
何かを決意したような目でアキラがオレを見つめた。
「…ボク、プロ試験を受けます。…プロになります…。」
お!待ってたよ!!
「ふざけるな!!」の後にやっぱり兄貴の所へ行ってたのか・・
今度こそいよいよか???
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
気が立ってるアキラ・・・まるで猫みたいだな。
ヒカルへの失望に任せ兄貴を襲うとこなんぞ最高だ(w
まさに王者の血か?
兄貴は一応はアキラをヒカルから取り戻したわけだが、これからどうなるハァハァ(;´Д`)
めっさ気になる。
「…そうか、名人も喜ぶだろう。」
「プロになって、緒方さん、あなたを追います…。」
空ろがかっていたアキラの視線が今はもうしっかりとこちらを見据えていた。
「それなら…捕まらないように逃げないとな。」
そう言いながら、アキラの体を膝の上からどかそうとした。
だがアキラは再びオレの首に腕を回して強く抱き着いてきた。
言葉はなかったが、アキラがここに来た理由は明白だった。
自分の意志でそう決めてやって来た。それが彼にとって重要なのだろう。
「…後悔しないか。」
耳元で囁くと、アキラはオレの頬に顔を添えたまま頷いた。
「…もうボクには…緒方さんしかいないんです…。」
消え入りそうな、悲鳴のようなアキラの言葉だった。
そんな事はないだろう、まだまだいろんな出会いが君にはあるはずだ、と
綺麗な言葉を与えてやれる程オレは人間的に完成してはいなかった。
アキラの肩を掴んでいた手をアキラの背に滑らせると、そのままアキラの体を
きつく抱きしめた。
アキラが大きく溜め息を漏すのが聞こえた。
アキラの背から下へ手を動かし、それぞれのアキラの両膝へバスローブの上から
撫でて行く。
そして今度はバスローブの裾から手を入れて、直接アキラの肌に触れた。
アキラはオレの首にしがみついたまま身を硬くした。
彼の鼓動と脈が速まり、呼気が熱く乱れるのがわかる。
手を外へ引き出し、バスローブの紐をほどく。
そしてまた手を入れて背中にまわし直接アキラの体を抱き締める。
その瞬間、今自分の手の中にいる者がどんなに脆く華奢な、大切に扱うべき
対象か思い知る。
いくら背丈が大きくなったとはいえ、まだ成長期にほんの差し掛かったばかりの
幼さが残る肉体だった。そういう行為に耐えられるはずがない。
その事を自分に説得するようにアキラの体の各部分に手を這わす。
首の後ろから肩へ、腕へ、そして背中に戻り、脇を辿って膝の上へと動かす。
それを繰り返すだけでもアキラが時折体を震わせ、躊躇うような息を漏す。
こちらの心音も高まってきていた。
ここで踏みとどまれなければ、自分を制御する自信はなかった。
葛藤が渦巻く。
先生が知ったら、少なくとも先生の世界においてオレは抹殺されるだろう。
「…緒方さん…ボクを助けて…」
手の動きを止めたオレの最後の留め金が、アキラのその言葉で外れた。
膝の上で止まっていた手は、そのままアキラの体に戻る。
今度は背中ではなくその付け根へと向かう。
アキラの腕に力が込められる。
両側から手の平で、アキラの臀部を包んだ。
背中や膝とは違う皮膚の感触がそこにはあった。
アキラの肌はどこも滑らかで肌理が細かかった。だがそこはそれ以上に
しっとりと手の平に吸い付くような柔らかな触感だった。
オレの膝に跨がっていることでその谷間は無防備に大きく開いている。
指先がその近くを掠めた。
「あ…」
ビクリとアキラの体が震えた。
「…嫌か?」
そう尋ねるとアキラは顔をこちらの肩に預けたまま首を横に振る。
それでも相当アキラが緊張しているのは感じた。
片手をその箇所から、ゆっくりと膝へ戻して今度はその内側からアキラの体に
辿る。アキラの両足の間に滑り込ませる。
「…んっ…!!」
苦しい程にアキラの両腕がこちらの首を締め付けて来る。
アキラのその部分は想像していたよりすでに熱く大きく昂っていた。
本人以外の者の手によって触れられ捉えられて、激しく脈打っていた。
ヒカルたんの碁に失望しての兄貴との初エッチか・・・。
アキラたんは中1だよな?!!2人のこれからの関係はどうなって行くのか??
シャワーでは消えないアキラの匂いを抱いていた。
『…ボクを助けて…!』
あの家で、あの夜、同じ言葉を吐き出し、オレは先生に縋った。
先生はひどく躊躇っていた。それでもオレは必死だった。
あの時受け容れてもらえなかったら精神が崩壊しそうだった。
アキラが何に追われ、何に怯えていたのかは分からない。
才能や将来に対する過度の期待やプレッシャー、考えつくのはそんなところだ。
だがそれだけの事でここまで誰かに救いを求めるだろうか。
アキラが本当は何に怯えていたのか、その時はわからなかった。
昂ったアキラのモノの根元を軽く握り、先端に向かって手を動かす。
「んんー…」
アキラがくぐもった呻き声を漏す。
すでに先端から蜜が溢れていて指を濡らした。
おそらくシャワーを浴びた直後から、いや、それ以前から、
アキラは精神的にも肉体的にも激しい興奮状態にあったようだった。
進藤に対する怒りと失意と自分に対する同じものがアキラの中で渦巻き
意識の下に潜んでいた衝動を揺り動かしているのだろう。
それらをもてあまし抑え切れないでいた。
そしてオレのところにやって来た。
そこから手を離してアキラの体をソファーの上に仰向けに倒した。
バスローブを左右に開いた。
明るい室内のライトの下に自分の体の秘部が曝け出されながら不思議なくらい
アキラは静かだった。
潤んだ瞳で天井を見つめ、両手を投げ出し、呼吸に胸を上下させている。
オレに見られる事で新たな興奮を得ているようだった。
幼さが残るように見えて、うっすらと色づき柔らかなそのラインは
ひどく淫猥に見えた。透き通る程に白い肉体の中で性的な箇所だけが
鮮やかに紅色を放っている。
清楚な物腰や衣服の下に隠されていた正体を見せつけられた気がした。
誘っているのだと直感的にそう感じた。
無抵抗なそのアキラの体を夢中で貪った。
唇と指で、アキラの体のあらゆる部分に触れ、感触を味わった。
張り詰めた糸を弾くようにアキラは敏感にどんな微量な行為にも反応した。
頭の上でアキラの小さな悲鳴が断続的に聞こえた。
だが拒絶の言葉は一切なかった。
アキラにとって、オレにとっての不幸はその時は不粋な電話も訪問者もなかった事だ。
冷静さを取り戻すきっかけがないまま儀式のような行為は続けられた。
一度だけアキラの手が、オレの脱ぎ捨てた服が掛けられたソファーの背の上を
彷徨い、そこを掴んでオレの体の下から動こうとした。
「嫌なのか。…だったら止めるぞ。」
そう言うと怯えたようにアキラの手はそこから離れた。
王者のように気高く決して普段誰かの意志に従うことのない相手がそうして
こちらの命令に一切従順な事に理屈なくオレは興奮していた。
手が届かない、自分には相応しくないと思っていたものを一気に陵辱する。
背信行為だとわかっていても、止められない。
むしろ当然の権利のような気がした。
自分を抱いた男の息子を抱くという行為が。
初エチー進行中━━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━━━!!
アキラたんの身体はいま辛抱たまらんって状態なんだろうな(;´Д`)ハァハァ
そして兄貴はやっぱり、闇が深そうで魅力的だ。
名人と兄貴、兄貴とアキラたん。因縁の関係から目が離せません(;´Д`)ハァハァ
うわぉぉぉぉぉ!コーフンしる!(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ
もっとジックリ読み返します。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
兄貴と元名人との過去と今が交差して・・・ドラマだ。
「ボクを助けて」なんて言われたらなあハァハァ(;´Д`)
最後の方の文章、アキラのツボのひとつってそこのような気がしる。
兄貴視点で描かれるアキラ・・・ドキドキするなあ。
なぜか今、赤ん坊だったアキラを見ていた兄貴を思い出す。
宿命だったのか!?ハァハァ(;´Д`)
メリークリスマス!つづき待ってます。
アキラの体をうつ伏せにし、指で慣らせた部分に腰を合わせた。
スローモーションのように白く細い背中が反り上がりしなるのを覚えている。
ひときわ高く切れ切れの悲鳴をアキラに吐かせた。
ゆっくりだが、確実にアキラのそこはオレを呑み込んで行った。
痛々しい程痩せた細い腰でありながら臀部は小高く丸く形良く盛り上がり
その中央奥の秘口は想像していたよりは肉厚で柔らかだった。
ふと、アキラは普段からここを自慰行為の対象にしているのではとさえ思った。
それを否定するようにアキラの腰の下に脱げ落ちていたバスローブの上に
赤い染みが落ちて広がった。
一度に全てを受け容れさせる事はできなかった。
それでも確かに、二つの肉体は物理的に繋がった。
「…辛いか?」
体の下で肩を震わせているアキラに尋ねた。
アキラは数回息を吐いた後無言で首を横に振った。
そのアキラの下肢に手を這わした。
ここに宿りつくまでに何度か精を吐き出させ、熱を無くしたアキラの分身を
労るように手で包んでそっと摩った。
そしてアキラの体をしっかりと抱き締めた。
互いに全身が汗ばみ雄の芳香が部屋中に漂っていた。
片手でアキラの頬を探るとアキラが声もなく泣いているのがわかった。
「…もう少し我慢しろ…。」
そう伝えると、ビクリとアキラの体が震えた。
ゆっくり腰を引いてアキラの奥から離れかける。
「ああ…」
アキラが大きく溜め息を漏す。その口に指を差し込みアキラの歯列に触れた。
抜けかかった腰を再び奥へ進める。それを繰り返す。
アキラの歯がオレの指に食い込み、バスローブに赤い染みの欠片が増えて行った。
アキラが受けている苦痛はオレもよく知っている。
オレの場合はそれを望んでいない相手だった。
酒臭い何かが濁ったような吐息の中で、伯父は太い指を無理矢理オレの中に
ねじ込み、オレの意志と関係なく自分のモノを突き容れて来た。
伯父に捨てられたら行き場のなかったオレは、ただ歯を食いしばって
自分の身に何が起こっているのかも分からないまま時間が経つのを待つ他なかった。
次の日の朝、自分の布団に残った血染みを惨めな思いで拭った。
年令の割に発育が良かった肉体が多少乱暴な伯父の行為も許容した。
そういったものに自分の体が馴染むのに時間はかからなかった。
ある日その最中に伯父が倒れ、助けを求めて外へ出た時先生がそこに居た。
部屋に入った先生は、そこで何が行われていたかすぐに察したはずである。
オレと伯父がどういう関係だったかも。
だがその事には一切触れず、先生はオレを自分の家に招き入れてくれた。
先生に感謝しながらもオレは心のどこかでいつか先生も夜中にオレの部屋に
来るのではと怯えていた。
だが先生は来なかった。その事に安心していたはずだった。
それがいつからか不安に変わった。
先生がオレを預かったのは本当に災難になった事に対する一時的な同情心だけで、
いつかはオレを突き放すのではないかと怯えた。
先生を捕まえなければ、何か、つなぎ止める方法はないかと考えた。
だがそう考える事が愚かしくて直ぐにやめた。
これ以上のものを求めてはならないと。
そんな心の闇の隙間を狙うように悪夢がオレを襲った。
夢の中で毎夜のように伯父が囁く。
お前はこの場所に相応しくないのだと。
『考えてみろ。どういう類の何人の男をお前は相手にしたかを―』
そう言って伯父は耳まで裂けるくらい口を開けて笑った。
濁った匂いが蘇って鼻についた。同じものが自分の体からも出ているような気がした。
「大丈夫かい、…ひどい汗だ。」
悪夢にうなされ、目を覚ますと目の前に先生が居た。
オレは迷わず先生に向かって両手を伸ばし抱き着いていた。
周囲に漂っていた濁った匂いが消えて、碁盤や先生の家が持つ独特の
木の匂いと着物から微かに放つ香のような落ち着いた匂いがした。
「…助けて…」
ただひたすらに先生に縋って乞いた。
確証が欲しかった。先生を繋ぎとめる絆が欲しかった。
先生の手は戸惑うようにオレの髪に触れた。だが、それ以外の場所に動こうとは
しない。それでもオレは先生の胸に顔を押し付け、そこで鼓動が大きく
打ち響くのを感じた。
先生の着物の前が割れて、逞しい胸板が見えていた。
その隙間に顔を入れて、直接先生の肌に頬を触れさせた。
それは一つの賭けだった。
先生が驚くように大きく呼吸をつくのがわかった。
隙間にそって顔をあげて、先生の首元に唇を押し当てて軽く吸った。
髪を撫でていた先生の手が、オレの肩を掴み、もう片方の手がオレの体を
包んできた。
それでも先生はオレの顔を見つめたまま迷っていた。
先生の首に両腕を回して唇を寄せると先生は横を向いてしまった。
「…一度だけでいい」
必死だった。体中で訴えた。
「一度だけでいい、先生…、…それで…ボクは救われる…」
それはウソではなかった。
先生が目を見開いてオレを見た。
後にも先にも、オレがただ一度だけ見た、先生が生々しく雄の光を目に宿した瞬間だった。
先生も人間だったのだ。欲求を持たないわけだはなかった。時間の多くをひたすら
碁に打ち込み、異性との交わりは殆ど持たず打つ事で昇華してきた人種だった。
だがその一瞬だけはオレを欲してくれた。
抑え込んでいたものを手放したような激しさだった。
始めから最後まで先生の手の動きは不器用で辿々しいものだった。
だがひたすら優しかった。
衣服の下に隠されていた先生の肉体は想像以上に鍛え抜かれた大きな骨格だった。
いつもよりさらにその肩幅が広く圧迫感を感じた。
伯父の死後しばらくそういう行為から遠ざかっていたオレの体はその体格の主の分身を
簡単には受け入れられなかった。
それでもオレは一切声を出さず、先生と出来る限り深く長く結合していたいと望んだ。
朝が来れば何事も一切なかったかのような日々が始まるとわかっていても
少なくともその夜だけは確かにオレは先生を捕らえる事ができたのだ。
メリークリスマス…だったんですね。あまり関係なく過ぎてしまいましたが。
でもケーキは食べました。
新スレお疲れ様です。修正どうもありがとうございました。
アキラ〜〜〜!
挿入キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)
兄貴〜せつねえ!兄貴と親父との一回こっきりのセクース。
こんなにせつねえセクースもあるんだな。
以外に激しい親父(・∀・)イイ!兄貴は今でも親父を吹っ切れないでいるんだろうか?
アキラに親父を投影してるところもあるみたいだな。
関連スレに入れてしまいますた。
難民板まで追っかけてきて相変わらず引っ付いてる嵐だし
ヒカ碁スレ全部と削除依頼スレまでチェックしてるみたいだから(w
ここもすぐ見つけるかもしれん。
だが、裏階段さんのように普段と変わらずに
楽しむことだけを考えていれば、きっと大丈夫だと思う!
みんなもあまり嵐に乗せられないでくれるといいのだが。
ここも嵐が来ると急に人増えるんだよな(w
兄貴と名人、いったいどういうわけで・・・と思ってたがそういう事情だったんだな。
何も言わずに兄貴を引き取ってくれた名人、大人だ・・・( ´Д⊂
その大人な名人が一瞬の激しさを見せるのがまた(・∀・)イイ!!んだが
考えてみれば勝負師としてあんだけ迫力のある一手を打つ人なんだから
激しさを内に秘めていて当然なのかもな。
なんてったってあのアキラたんの親父だしな。
年内にもう少し進めたかったのですが無理そうなのでとりあえず保守のみ。
来年出来るだけ早く原作緒方に会える事を祈りつつ。
高永夏の言動が緒方に近いのが興味深い。
あるネット関連会社の社長は、「いずれにしても2ちゃんねるは
資金が底をつけば終わり。あまり知られていないことだが、
2ちゃんねる内部関係者によると今、大手通信会社系が調査費名目で資金提供している。
だが、それが止まれば続けてはいけないだろう」と証言する。
2ちゃんねるが判決によって力を失った場合、資金提供の打ち切りも予想される。
http://ascii24.com/news/reading/causebooks/2002/07/01/636911-000.html 以下、別の記事から引用
2ちゃんねるに近いあるインターネット関連会社の社長は、2ちゃんねるの幹部から得
た話として証言する。「2ちゃんねるは、運営者や幹部などがそれぞれ別々に会社を
作りカネの流れを見え難くしているが、実際の資金源は複数の大手通信会社系からの
調査費名目のカネ。月額で計約700万円と言い、年間にすれば1億円近く。額はともあ
れ、これは通信会社系的には、ぼう大なトラフィックを調査すると言う表向きの理由
が一応は立つ。自社系に都合の悪い書き込みがされた時に優先的に削除してもらうこ
とも期待している」と前置きし「通信会社系の削除の期待も含めて、2ちゃんねるは
総会屋と同じになっている」と言うのだ。
その具体的な理由として社長は、こう話す。「2ちゃんねるはボランティアの削除人
が書き込みをチェックして、好ましくない書き込みを一所懸命削除している、という
ことになっているが、あれはウソ。削除人には給料が支払われ、その給料の原資と
なっているのが、まずいことを書き込まれた企業が削除要求とともに渡す裏金。これ
はまさに、総会屋の構図そのものだ。これまで裁判になっているのは金額で折り合え
なかったり、裏金を出さない強い態度の企業とだけだ」
裏階段さん今年はアリガトウ!来年もまたヨロシクな!
つづきが またまた気になる展開だ。
とうとうアキラたんをいただいちまったこの後、名人との関係はどうなっていくのか。
またこれにどうヒカルが絡んでいくのか、つづき楽しみに待ってます。
| |_
| ||||,||ヽ
| |▽゚)_| アケマシテ オメデトウ!!! コトシモ ヨロシク!!!
| ⊂ノ
| |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
新年明けましておめでとうございます。
今年もひっそりとよろしくお願いいたします。
穏やかな天気で何より。緒方の羽織り袴姿が見てみたたいものです。
あけましておめでとう!
そうだな。兄貴の袴に手を入れて、
挑発しるアキラたんも見たいしな(;´Д`)ハァハァ
明けお目ホシュ!
(((")) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(□Д□/"lヽ<゙アキラクン コトシモヨロシクナ゙!…ハァハァ
/´ ( ,人) \__________
( ) ゚ ゚| |
\ \__, | ⊂llll
\_つ ⊂llll
( ノ ノ
| (__人_) \
| | \ ヽ
| ) | )
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/ / (___)
(___)
あぼーん
「…誰の事を考えているんですか?」
吐息混じりの声で、静かに、冷ややかに問われて
記憶の窓が次々と閉ざされ、ホテルのベッドの上の現実に引き戻る。
「…初めて君を抱いた時の事を思い出していたんだよ。」
今は向き合い、オレの体の下でアキラがこちらの真意を推し量ろうとするように
見つめて来る。それを阻もうと腰を深く突き入れ激しく動かすと
しばらくしてアキラはようやく目を閉じて再び甘く溜め息を漏らし出した。
肉体は成長してもアキラの内部の狭さは変わらない。
むしろ筋力が発達し、引き込み締めつける力が強まったように感じる。
声変りの途中で止まってしまったかのようなハスキーな声と、
背が伸びた事で華奢なラインが強調された躯。
艶やかな黒髪と滑らかな白い肌と程好く色付いた唇が競い合うようにして
こちらの本能を揺さぶる。
魔性的という他に彼を形容する言葉は見つからない。
うーむ、続いて書き込めない。
少し様子見します。
誰よりもアキラ自身が自分の魅力を理解しその武器を最大限に利用して
オレをつなぎ留めようとしているのがわかる。
これでもかと見せつけるように顎をのけ反らし胸部を跳ね上げ、
腿をさらに大きく開いて自ら腰を使い深く濃密にオレを受け容れようとする。
初めて関係を持った直後、無理な体位に疲れ果て痛みに貧血を起こし
ソファーの上でぐったりとしたアキラを見て我に還った。
放心状態のアキラをバスルームで汚れを洗い流し傷の手当をしながら
激しく自己嫌悪に陥った。
伯父を含めて伯父がオレを抱かせた男達の多くはある意味囲碁界で何らかのかたちでつまづき
何かに対する憎しみのはけ口をオレに向けた。
それと同様にオレも何かに対してのはけ口をアキラに向けていた。
一度は先生を手に入れかけて、その後は望みながら一向に近づけぬ自分が腹立だしかったのかもしれない。
新春一発目キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
名器キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!引き込み締め付け ハァハァ(;´Д`)
そしてハスキーな声ハァハァ(;´Д`)魔性!魔性!ああアキラたんハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)ハァハァ(;´Д`)
アキラたんは兄貴の心の中に誰かがいることを知ってるんだな。
アキラたんの兄貴への想いはなんなのだろうな。今現在の想いは。
これから描かれてゆくヒカルとの再会によって兄貴への想いは変化してきたのか・・・兄貴、名人共に。
それはヒカル編で明らかにされていくのだろうけど。
そして、元名人と兄貴の過去を知り、兄貴の名人への想いが更に複雑なものであることを知る。
ヒカル登場によりこの四つ巴がどんな風に展開していくのかワクワクしているよ。
だが、今しばらくはアキラたん編に浸っていたい。
出来るだけ長く・・・それだけこのアキラ編に魅せられていますハァハァ(;´Д`)
それでもアキラはその後もオレのマンションにやって来た。
その日をきっかけにアキラは当然のようにオレの車の助手席に座り、
当然のようにどこへ行くにもオレの傍らに寄り添うようになった。
アキラのその行動はかつての先生に対するオレの姿そのものだった。
はっきりとオレに問い正したわけではなかったがアキラは気付いていたのだ。
自分が父親の代わりに抱かれたという事を。
一度始まった関係は火が着いたように何度も激しく繰り返された。
泊まる泊まらないに関わらずアキラが訪ねて来るとそれを了解とし、
会話を殆ど交わす事無くソファーの上で、バスルームで、
ベッドの上で二人の行為は始まった。
弾けるような若々しさからか性的要求と興味に溢れたアキラの肉体は
痛みを超えてどん欲に刺激を欲しがり回数を重ねる毎により敏感に
反応を示すようになった。
互いに取り憑かれたように、埋められないものを埋めようとするように、
何か大事なものから目を逸らすようにして相手を貪り合った。
道具や薬の類を使う事もあったがアキラは一切拒否せず黙って
オレが与える全てを受け止め続けた。
アキラには自信があったのだろう。
そうする事で自分が父親に成り代われると。
オレもそう感じていた。それを期待していた。
自分の中で大きくなり過ぎていた先生の存在が良い意味でいつしか薄れ、
過去の悪夢から完全に解放される時はそう遠くないと考えられるようになった。
そう思うと自分の横で寝息を立てるアキラとそうして過ごす時間が何より安らげる
価値あるものに見えた。
それがいつからか重荷に感じるようになってしまった。
身勝手なのは承知している。
先生を自分から断ち切らせた別の存在に出会ってしまったからだ。
だがその事に気が付いたのが随分後になってからだった。
それが傷口を深くした。
以前も今でもアキラは行為の後は暫くオレの体の上に横たわり、
余韻を味わうかのように胸に片耳を当てて心音を確かめたがる。
「父の代わりになれる、そうボクは思っていた…」
ポツリとそう呟いたアキラの言葉にこちらが僅かに動揺する。
「緒方さんがどうしてもダメだと言うのなら、今日が最後になってもいい。
だけど…」
アキラが体を起こし、オレの目を見つめる。
これだけは一歩も引かないという決意の眼差しを向けられる。
「もうボクを抱かないと言うのなら、それでもいい。だけど…」
その先を言わせたくなくて指をアキラの唇に当て、口に含ませる。
アキラはオレの指を吸う。
初めてあの家の彼の部屋で、布団に横たわった小さな生命だった彼の
唇に指が触れた時の感触が甦る。
同時にそれは彼の体内の感触にも似ている。
オレの指はもう何度もその箇所に深く入り込み、
痙攣し強く締めつけるその部分をアキラが泣き出すまで嬲り続けた事もあった。
その時と同じような動きでアキラの柔らかで温かく濡れた口内を撫でる。
もう二度と得ることのない感覚だろう。
ひとしきり指を吸うと
アキラはオレの手首を掴み口から離させた。
「進藤も…、ボクを抱かないのなら進藤も二度と抱かないで欲しい…!」
それは今までもう何度も言葉には出されなくてもアキラから訴えられて来た
願いだった。
(塔谷アキラ編:終わり)
年末にここまで上げるつもりでした。
何だかんだとPCに触れず今日も調子が悪く…。
保守のご協力ありがとうございます。
削除依頼をしてくださった方、削除人さんありがとうございました。
しばらく立て直しをはかり「進藤ヒカル編」に入ります。
塔谷スレの方々、ありがとうございました。ただもちろんアキラや行洋との関係も描きつつ、
最終章としていきたいと思っております。
でも本当に本編で早くその後の緒方を見たいものです。
ほんとうに兄貴とアキラの因縁の関係にドキドキさせられてきて、
今もここまで読んでドキドキしてる。
アキラ編が終わってしまうのは淋しいが、この後本当の意味での
兄貴とアキラの関係の結末が描かれていくのだと思うし、兄貴の行き止まりみたいな心に
癒しが訪れる日は来るのか、ますますドキドキしてるっす。
これからも裏階段さんのペースでつづけてくれ。
アキラ編おつかれさまでした。ありがと〜!
塔矢アキラ編乙!!!ありがとう!!!本当にドキドキした。
今年もマイペースで楽しませて下さい。ヒカル編を期待してるYO!!
気になったので一つだけ。
”塔谷”じゃなくて”塔矢”なんだ…
(^^)
どへえ、ホントだ…確認したつもりでなんで最後に間違うんだ…
塔矢です。ハイ。ありがとうございます。
アキラ編が終わってしまった……ショック。
なんかアキラたんが可哀想で。
小さい頃から追ってきた兄貴を結局は掴み取る事が出来なかったのかな。
兄貴とアキラたんの十何年間が走馬灯のように浮かんでくる〜!
アキラたんはどうなってしまうんだろう…続きが気になる。
ともかくお疲れ様でした。
塔矢編完結、お疲れ様でした。
いつも独特の緊張感を楽しませてもらってます。
前スレの時も荒しを連れてきたんで迷ったが、魔境新スレで関連スレに入れさせてもらいます。
なんせ次はヒカルたんご指名〜とあらば(;´Д`)ハァハァせずにはいられないからな。
マターリな深海に無用な光を当てるのは無粋なのかもしれないが…
泰然とした裏階段さんならなにが来ても大丈夫だろう。
緒方よ、ヒカルたんを気持ちよくしてやってくれ(;´Д`)ハァハァ
>142
こちらこそお世話になります。ありがとうございます。
三谷、アキラ同様自分でできる限り大切にヒカルも描かせてもらいます。
ヒカル編にとりかかるまでもう少し時間がかかりそうですが…。
4ドア&4シーターのRX-8が売り出されるらしい。価格400万円。
緒方、桑原を叩き潰した暁に買い換えはこれだな。
400万は7の方だった。8は200万円台らしい。
アキラたんと対局しる兄貴を見ると、カコイイ!渋い!(例えその後唇を震わせてたとしても)
あれを見ると、兄貴のRX−7はシルバーあたりかなという印象。
33歳が俺理想なんだが
ビンテージレッドが若さを感じさせる。もしかして若いのか?
もう少し時間がかかるのでとりあえず今のうちに一度ageます。
白とかグレーは確かに転売し易い事からディーラーに勧められるようですが
本音は派手な色を持ちたいと思うものでは。やんちゃな棋士だったら。
行洋は免許とか車とかどうなのだろう。洋服姿を見たら、それなりに高級国産車を
乗り回す勇姿を見たいものだと考えたが。
アキラは早々と免許を取りそう。何となく。
ヒカルは椿の影響でバイク派となる気がする。
あの赤は兄貴の上昇志向が表れてるなあと思った。
おしゃれなマンションに熱帯魚に白スーツそしてスポーツカー。
いかにもって感じの胡散臭さがいい。
アキラ・・・ハンドル握ると本性が出そうでコエ〜(w
バイクの後ろでヒカルの背にもたれ、腹に手を回すアキラっての、なんかいくないか?
赤面しそうだ。
>148
自分で書いて赤面するなって。
でも手合いの日にタンデムで棋院会館に乗り付けて来る若手棋士の旗手2人
(18〜9才、そのころは両者とも5〜6段?)を見て、新初段の少年とかが
あこがれたりしそうだ。
まあ越智タイプで「ケッ」とか言う奴もおるかもしれんが。
150 :
夢見る名無しさん:03/01/14 00:42
( ゚д゚)、ペッ
碁盤模様のRX-7見た・・・。悪くないと思ったりして・・。オガタが乗るぶんには。
陰影礼讃という言葉があるが、古き良き日本家屋は光と供に闇を大事にした。
強い光、障子を透した柔らかな光、軒下の漆黒の闇、天上の梁の隙間の薄暗さ…。
全ての物事に光を当てずそれぞれをそのままにそっくり家の中に宿すことを、
闇に隠れ潜む存在があることを赦したという。
碁盤の上では陰と陽が鬩ぎ合う。最終的には明確に二つの世界に裂かれる。
そうしながらも境界線は混在して在る事を赦している。
どちらのものでもあり、どちらのものでもないない領域を残すこともある。
若さはそれだけで凶器に近い眩しさを持つ。
生命あるものである以上どうしても逃れられない欲求の対象となる。
そこに人並み外れた才能が加わっていればなおのことだ。
若々しい魂が放つ光りは無条件で人を惹き付け魅了する。
オレとの事でアキラのその輝きを僅かも失うところはないのかもしれない。
だからといって良心の呵責からは逃れられない。
アキラがオレの中の闇を感じ取り、それを共有しようとしてくれた事には感謝していた。
だが当時は自分にそこまでされる価値があるのかと自問する日々が続いていた。
中学の囲碁の大会の日の後2〜3度、アキラはオレのマンションに来ていた。
夏休みというタイミングのせいもあった。
アキラと2人で会いながら、塔矢邸での検討会に何食わぬ顔をして参加している
自分に嫌悪した。
先生にどう向き合えば良いのかわからない。
己の感情の中の何かを遮断し、碁に打ち込む振りをして周囲と自分自身を
誤魔化すしかなかった。
同じ部屋の空間の中にアキラが居る。
互いに言葉を交わしたり目を合わす事はなかった。
「…気のせいかな。少し見ない内に随分アキラくんは大人っぽい顔つきになったねえ。
プロになるという気構えのせいかな。」
研究会に参加していた棋士にそう言われてアキラは少し気恥ずかしそうに笑んだ。
確かに以前のような幼さはいつのまにか消えたように思える。
それ以外に特にアキラの様子に前と違う面はなかった。
ただ時々、ふとアキラの視線が物憂げに宙を漂う時があった。
碁盤の方に顔を向けているが何も見ていない、そんな感じだった。
間抜けな事に、オレはアキラのその様子を多少なりとも自分との事のせいなのではと
自惚れのような心配を抱いた。
だがそうではなかった。
生物も棲まず波風の立つ事のなかった深い地底湖に沈み込んだ一つの小さなガラス片に
アキラは目を背けようとして出来ないでいたのだ。
湖の主に振り向かれる事無く湖底に埋没するかと思われたそれは
どこからも差し込むはずのない光を受けて煌めき、存在を主張し続けていた。
プロ試験の真っ最中であり、周囲の者も静かに見守る感じで必要以上にアキラに
話し掛ける事はなかった。
この家の縁側で感じる日溜まりが眩しすぎて廊下を立ち止まり庭を眺めることなど
そうなかった。体質的に強い光が苦手だったこともある。
研究会の後、煙草を吸うでもなく、何となく気詰まりがして自分には珍しく庭に降りた。
日光に人を裁く力があるとしたらオレの体は瞬時に焼けただれていたことだろう。
何一つ変化なく時が過ぎる事に罪悪感を感じていた。
本当は先生も周りにいる全ての人間がとうにオレ達の事を知っていて影で冷ややかに
見下していた、という悪夢にうなされる事もあった。
誰かがアキラの腕を掴み「目を覚ませ」と怒鳴ってくれたらと望んだ。
ふと人の気配がして振り返ると、そのアキラが縁側に立っていた。
「緒方さん、何だか最近元気ないですね。夏バテですか?」
気遣うような言葉を先に言われてしまった。
反射的に周囲を見廻したが先生らは奥の部屋でまだ談笑しているらしく、
他に傍に人はいないようだった。
「…そっちこそ検討会に身が入らないようじゃないか。」
家の廊下の柱に手をかけ、何処となくぼうっと庭を眺めるアキラにそう答えた。
「別に、そういうわけでは…。」
焼けただれないまでも夏の昼下がりの日差しの熱気は容赦なく肌を射す。
だが、軒下の影に佇むアキラの顔を見ているだけで暑さを忘れる事ができた。
彼の周囲だけにはいつもどこか凛とした涼やかな空気が流れていた。
それが碁盤を挟んだ戦いの時だけ灼熱の業火を纏うのだから不思議なものだった。
「そうだ、アキラくん、明日空いているかい?」
「え?」
その時、なぜアキラを「それ」に誘う気になったのだろう。
予感があったのかもしれない。
消えたはずの、消えていない光が再び立ちのぼり巨星が誕生しようとしていた。
オレやアキラの知らないところですでにその布石は打たれていた。
一つの夏が終わろうとしていたが、それは始まりの夏でもあった。
今まで以上にマイペースになると思います。
マグネット碁盤などというものを買って棋譜並べなどチマチマやっていますが
…やりにくいですね、あれは。
万波さんの笑顔にはホッとします。結城聡九段はかなり緒方に近いイメージが
あると思いました。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
いよいよヒカル編だな。全体にヒカル=光を配したすげー印象的な始まり方、ゾクッときた。
兄貴とアキラの関係がヒカルによってどう変化していくのか、兄貴、アキラ、名人の内面をどう変えていくのか。
ケミストリー!楽しみっす。
(^^)
|<山崎渉 対策ホシュ
以前に塔矢邸での研究会に参加していた島野というアマチュア棋士が
日本代表選手として東京で行われる国際大会に出場する事になり、
多忙な先生の代りに激励に行く事になっていた。
それにアキラを誘ったのだ。
プロ試験本戦を前にどこかアキラが閉塞している部分を抱えたままなのは心配だった。
このままではいけない。
下手にどこかに連れ出すよりお互いに気分転換になると思った。
棋院会館までは一緒に来たが、アキラはプロ試験本戦の日程を確認するために
上の階に立ち寄り、ひと足先に会場に入った。
そこで一つの騒ぎが持ち上がっていた。
まだ競技が続いているにもかかわらず会場内はある人物の話題で持ち切りとなっていたのだ。
「どうもインターネット碁で非常に強い人がいるらしいんです。」
久しぶりに顔を合わした島野は困惑気にそう言った。
島野はそのネット碁の強い日本人に間違われ、対局の合間に複数の外国人選手に
その件で同じ質問をされたらしい。
その人物のネット上の名はsaiというHNの他は何の情報もないという。
「saiはプロじゃないっスよ。ただそいつ、秀策みたいなやつとか思ったんスけど。」
その会場内の者で唯一、saiと言葉を交わしたと言う少年が力説していた。
彼は質実剛健さな手堅い手筋を好む事で有名な森下九段の門下生だった。
だとすれば単なる思いつきや感覚でものを言う事はしないだろうと思われた。
実際、その師匠に傍らでたしなめられつつもそれでもsaiの話をやめようとしない。
それだけsaiの打つ碁というのが魅力的なものらしい。
「それくらい強いっていうか、何局も見たんですけど、強くなっているんス。そいつ、
まるで秀策が現代の定石を学んだみたいに…。」
「秀策」という名は、本格的に囲碁を学ぶ者であればそう安っぽく扱われるものではない事は
誰でも知っている。その上でそういう感触を受けたわけだ。
「秀策が現代の定石を…?」
その話にはその場にいた、saiの対局を見た者らは誰も否定しようとしない。
「それは―神か?…化物か?」
本能的に血が騒ぎ思わずそう口にしてしまい、心の中で苦笑いしていた。
そんな存在が本当にあるとしたらぜひ見てみたいものだが、果たしてネットの中に、
ネットの中だけにそれがいるというのだろうかと疑問に思うところだった。
そんな騒ぎの最中にアキラも会場にやって来た。
「どうかしたんですか?」
すると先程の少年が突然嫌悪感を露にした表情をアキラに向けた。
「おまえの知らねーことだよ!あっちいってろ!」
「あ、キミは…」
少年とアキラは同じ今度のプロ試験を受ける知り合いのようだった。
かなり堂々と森下九段が「打倒塔矢門下」を謳っているのは周知の事だったので
少年のアキラに対する態度には無理からぬものがあった。
実質アキラがプロ試験を受ける事はそのまま枠が一つ消える事と同じなので
そこから来るものもあったのだろう。
そんなアキラと同世代の少年、その少年とだけ無防備に言葉を交わしたというsai…。
何か直感のようなものがオレの頭の中をよぎった。
それを裏付けるかのように、少年は周囲の大人に説明を続けた。
「でもオレ思うンすけど、そいつ、子供じゃないかな…。」
夏休みの間に現れた、プロとは思えない、だがプロに匹敵する、
あるいは超える実力の持ち主でsaiと名のる「少年」。
縁側で庭先を眺めていたような虚ろいがちだったアキラの瞳が、
一瞬意志的な力を蘇らせたのをオレは見逃さなかった。
「心あたりはないのかい、アキラくん」
そう尋ねるとアキラが驚いたようにこちらを振り返った。
見合わせた互いの意識の先には共通の人物像が浮かび上がっていた。
だがアキラすぐさまそれを否定した。
「ありません、緒方さん。彼の事を言っているなら見込み違いです…。」
安易に期待を抱いて裏切られる事への拒否感がそこにあった。
アキラは視線を床に落とした。
進藤についての記憶を呼び覚まされる事にすら嫌悪しているようだった。
だがアキラの頭の中にははっきり彼がいるのは明白だった。
結局碁会所での一局も中学の大会での進藤との一局を見せて貰えていない。
そのどちらもいろいんな意味でよほどインパクトが強かったのだろう。
そこへ棋院の職員がネットが出来るノートパソコンを持って来た。
オレは迷わずsai探しをアキラにさせた。
緒方の誕生日に何とか続きup。
お祝いされてどうこうという世代ではお互いないでしょうが
とりあえずお誕生日おめでとうございますと。
それにしても本当にいったいいくつなのでしょうねあの方は。
裏階段の続き、キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
漏れはこのsaiで大騒ぎの辺りが大好きだったんだよな。
兄貴視点で語られるとまた格別。続きが楽しみだよ。
兄貴、誕生日おめでとう!年齢が謎なところも兄貴らしい(藁
このあたりから兄貴がアキラたんにヒカルをけし掛けるような場面が
多くなったんだっけな。
兄貴の真意はなんだろう?
アキラたんの中のヒカルが生きてるか確かめたいのか、何かに
引き寄せられるようにそういう行動に出てしまうのか。
saiが進藤であるならば、アキラの名に反応する事もありえる。
アキラが同じ可能性を抱いていたかどうかは分からないが、意外にあっさりとオレの指示に
素直に従い、パソコンの前に座した。
果たしてsaiの名はそこにあった。
「…オレ、いろんな意味で緒方先生に感謝しないといけないだろうなあ。」
ボソリとそう進藤が呟く。
「眠っていたんじゃないのか。」
こちらに背を向け、オレの右腕の上に乗っていた進藤の頭がごそりと動いて体ごと上を向く。
「緒方先生が塔矢をあの大会に連れて来なかったら、…あ、ううん、それより前に、
街なかでオレを捕まえて元名人の前に引っ張っていかなかったら、オレの中の囲碁に対する
強い気持ちや、塔矢とのつながりは生まれなかったと思う…。」
「オレはお前を元名人の元に連れて行った事を後悔しているよ。」
そう言ってやると天井を見上げたまま進藤が「ヘヘッ」と嬉しそうに笑った。
「そして多分、アキラくんにその事で恨まれている。…あの会場にアキラを誘った事でもな。」
今度は進藤は笑わなかった。ただ黙って古めかしい旅館の暗い天井を見つめている。
「…緒方先生は、悪くないよ。」
「…そう言って貰えると有り難い。」
「ねえ、塔矢が初めてネットでsaiと出会った時ってどんなだった?」
そう言って進藤がこちらに顔を向けて来た。
ふわりと進藤の柔らかい前髪が動く気配がして温かい息が頬に降り掛かる。
話を続ける前に、一度進藤の方に顔を向けてその顎を捕らえて軽く唇を重ねる。
すぐに進藤がオレの手を掴んで顔を引き離す。
「だからー、そういうのヤだっていつも言ってるだろっ!」
僅かに窓の外から入る月光によって、進藤が不満そうに唇を尖らせるのがわかる。
ついさっきまで何度もそれらの行為を繰り替えした事などなかった事のように怒り、
掛け布団から出て行こうと体を起こす。
首から下の華奢な裸身が月の光に浮かび上がる。
こちらもすぐに体を起こして宥めるように背中側から進藤の体を腕で包む。
「すまなかった。ちゃんと話を続けよう。」
進藤が納得半分に溜め息をつき、体重を預けて来たので進藤の体を抱いたまま元の位置に
体を戻した。
初夏とは言え山深い場所にある温泉宿の深夜の室内は肌寒さを感じる。
「痛いよ…」
無意識の内に腕に力が入っていた。進藤の声で慌てて弛めた。
「あれは見ものだったよ。あんなアキラを見たのは、初めてだった。」
日々対戦希望者が増え、その日もsaiに対局を申し込む者が多かったはずである。
saiはそれらを断ってアキラに対局を臨んで来た。
打ち始めて間もなくアキラの様子は激変した。
「まさか…、…まさか…」
「アキラくん?」
声をかけても耳に入らない様子で、魅入られたように、まるでパソコンの画面から白い腕が
伸びて抱きかかえられてしまったかのように精神を絡め取られて、
アキラはパソコンの画面に釘付けになった。
他に何を問いかけてもアキラは答えようとせず画面の向こうに居る者から意識を
外そうとしない。
正直に言えば、その時嫉妬に近いものがオレの中を奔った。
あれ程に進藤に対する失意を抱え、他の誰の処よりもまずオレに縋りに来たアキラが
一瞬の間に一気に別の者の元へ駆け戻って行ってしまったように感じた。
画面上で進んだ手は、確かに卒なく両者布石としては申し分ない流れだった。
これから局面が展開していこうとするところでアキラは突然投了してしまった。
周囲でsaiとの観戦に湧いていた選手らは皆溜め息を漏した。
「このままでは大会の運営に支障をきたします…、後日改めて対局を申し込みます。」
確かにアキラのその判断は正しかった。
だがオレには、アキラが進藤との逢瀬を別の時空で果たそうとしているように見えた。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
>アキラが進藤との逢瀬を別の時空で果たそうとしているように見えた。
っていう兄貴視点すげーな。
なにがどうなってヒカルとこうなったのか!?
その間のアキラの想いは・・・つづき待ってます。
(^^)
つづき待ってるぞ〜!
-= /||||||"||ヽ
-=≡ ||(*゚▽゚)|
-=( つ┯つ テレビキョクニ イッテキマース♪
-=≡/ / //
-=≡(__)/ )
-= (◎) ̄))
-= (((((("))
-=≡ (;□-□)
-=( つ┯つ ア、アキラクンッ!!! ハヤイナ……
-=≡/ / //
-=≡(__)/ )
-= (◎) ̄))
抱き締める力を弛めると、進藤はホッとしたように両腕を引き抜き、こちらの胸の上に
顔を乗せて来た。耳を当てて心音を確かめるようにして片手で胸から肩口へと手の平で触れて来る。
無意識下で進藤はよくこういう所業をする。
実体であるのを確認するように。
そんな時は優しく髪を撫でてやると進藤は安心したような穏やかな呼吸になる。
相変わらず痩せてはいるが、進藤の体は以前よりもひと回り大きくなったのは確かだった。
それを感じさせないのは一向にそれ以外の第二次成長期の変化の兆しがないからだろう。
未だに気分が高揚した時に、よく通るかん高い少女的な声を出す。体毛が極端に少なく色が薄い。
肌が元々見事に全身均等に淡い小麦色をしていたのでその分目立たないのだ。
碁を始める前は夏はプールに通い詰めだったらしいが、水着をつけていたはずの箇所と
日に灼けたところが互いに侵食し合ってしまったように区別がない。
一度それに気がつき、面白がって押さえ付け、まじまじと明るいライトの下で眺めていたら、
やはりひどく進藤の機嫌を損ねてしまった。
進藤は行為の時は極端に明かりを嫌った。当然日が落ちない間は許可しなかった。
「他の誰かに見られているわけでもないだろうに」と言ってもダメだった。
部屋の全ての明かりを完全に落とすまでは決して自分の体を開こうとしない。
初めて抱いた時も、進藤の心と肉体を説得するのに相当の時間を要した。
今日もたまたま地方都市でのイベントに進藤と一緒に参加する事になったものの、
こうして2人だけで会えるとは思っていなかった。
それはそのまま、まだ進藤の心の傷が癒えていない事を指していた。
大会のお土産が他の何よりアキラとsaiのネット再戦の日時を持ち帰る事となって
参加者が興奮気味に会話している会場を後にして、黙ってアキラを見つめた。
アキラは少し怯えたようにオレと目を合わそうとしなかった。
唇を噛み締め、「ボクは悪くない」と言いたげだった。
sai探しをアキラにさせたのはオレなのだから当然だろう。
「今度の日曜日の朝10時…か。さてと、名人には何と説明するつもりかな。」
そう言ってやると初めてアキラは「あっ」と大事な件を思い出したような顔になった。
手を口元に持って行き、暫く考え込む。
そしてこちらに顔を向けてはっきり答えた。
「プロ試験のことは、大丈夫です。…絶対合格しますから。」
そこには今日の事も全て自分が先生に説明するから余計な口出しをしないで欲しいという
要請が含まれていた。
「わかっているよ。」
そう答えるしかなかった。進藤を追う事とオレとの事は一切別の話なのだろう、と。
取り引きをするかのようにその日アキラはオレのマンションに寄っていった。
その時はそれまでより若干手荒いやり方になったがアキラは黙って従った。
「お前もアキラくんとsaiのネット対局をどこかで見ていたのか。」
「うん。…見てたよ。」
オレの胸に顔を伏せながら、少し進藤が体をぶるりと震わせた。
一度後始末はさせたつもりだったが体内の残留物の影響が出始める頃だった。
「バスルームに行くか?」
そう聞くと、進藤はこくりと頷いた。答えるや否や進藤の体が跳ね起きて駆け抜け、
部屋の奥にあるその場所へ消えていった。
後をついていきたいのはやまやまだったが、それをやったらまた姑くの間進藤が口を聞いて
くれなくなるので我慢した。
少なくともこのイベントの間は彼とは穏やかに過ごしたかった。
腕を伸ばして灰皿とその脇にあったライターと煙草を取り、口に咥え火を点ける。
その紫煙の向こうにこちらを見つめるアキラの冷たい表情が浮かび上がった。
「君も悪いんだよ、アキラくん…」
そう語りかけるとアキラが消え、今度はアキラとsaiの一戦が、あの時の棋譜が蘇った。
自室で見守ったあの対局。
約束の時間通りにそれは始まった。
会場ではアマチュアの棋士らが騒ぎ過ぎているように感じたが、こうして実際に見ていると
時間の使い方や攻守の切り替えのタイミングなど、アキラの数段上をいく格の違いを感じさせられた。
なおかつ明らかに余力を残しているのだ。
「…驚いたな…。ネットの中にこういう打ち手が居たとは…。」
アキラにも十分それがわかったのだろう。彼らしく自力では挽回不能と判断して早々と投了した。
あれ程に進藤に惹き付けられ捕われたのも頷ける。
ただしあくまでsaiの正体が進藤であれば、の話だが。
自分も子供囲碁大会で進藤が黒石の死活を見切った場に居合わせたわけが、実際その現場を
見た訳ではない。
大事な対局の場で不用意な発言をした少年と、成熟した精神の高みを思わせるこのsaiとは
どうしてもオレの中では結びつかなかった。アキラも恐らく葛藤していることだろう。
もちろんプロ棋士の中にsaiのような打ち方をする者は何人か思いあたる相手が居たが、
彼等に確かめる気にはならなかった。
それはアキラがやる事であってオレの仕事ではなかった。
碁会所でアキラに会った時にでもネット対局の感想でも尋ねようと思った。
そして進藤をネットカフェで見かけたと常連客から聞いてアキラが飛び出していった話を
市河から聞かされた。
>172
サンクスです。嬉しいです。今流行りの…?
商店街を実際このツーショットが駆け抜けていったら楽しい(w
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
ヒカルとはいつそうなったんだろう。佐為が居た頃からだろか?
光りを嫌がるのは佐為の名残りすかね。
兄貴の接し方が三谷ともアキラとも違う気がした。惚れてんのかな。
ヒカルはなんで兄貴とこうなったんだろな。
兄貴との崩壊に向かうアキラハァハァ(;´Д`)
アキラ編終局までの兄貴、アキラ、ヒカル・・・なんか胸の辺りがざわざわするっす。
>172
ほんと和むんだよな〜。
俺、ヒカルがされてるのってあんまり好きじゃないんだけど、
裏階段さんの作品は何でかすんなり入ってくる。不思議だ・・・
受攻にこだわる書き込みする、同人女ウザイ
(´Д`)つ
>181
なんかカワイイ…ポッ(*´Д`*)
やがて碁会所に戻って来たアキラの表情には、以前中学の囲碁大会の後にオレのマンションに
やって来た時のものとほぼ同質の疲労感が滲み出ていた。
その様子を見ただけで進藤とどういう会話が取り交わされたのか見当がついた。
単に強い者が居ると聞いただけで彼はsaiと対局したわけではない。
何かを期待して今一度進藤に会い、それがまた裏切られたのだろう。
市河や他の常連客に何やら声を掛けられても上の空といった感じで碁会所の中を横切り
奥のいつもの場所に腰掛ける。
碁盤の上の碁笥の一つを両手で包むように持ち溜め息をつく。
そしてようやくこちらの存在に気付いたようだった。
「緒方さん、いらしていたんですか。」
アキラは笑顔を浮かべて直ぐに立ち上がりこちらに来ようとした。
それを拒むようにしてオレも席を立ち、そのまま出口に向かった。
「緒方さん…!」
アキラの呼び掛けに応えず市河に怪訝そうな表情をされるのにも構わずに碁会所を出た。
その日はマンションに戻らず、少し前に行きつけていた店に久々に寄り、翌朝思いがけない部屋で
目を覚ました。
いや、正確にはその部屋もまた随分久しぶりに訪れた場所だった。
自分が寝ているベッドの隣を見て、その視界に入って来た黒髪に一瞬驚く。
こちらに背を向けて横たわっている黒髪の持ち主は、掛け布団の上に出ている背中や肩のラインは
成熟した大人の女性のものであって彼ではない。
当然のシチュエーションとして2人とも何も身につけてはいなかった。
体を起こして朦朧とする頭で夕べの記憶を辿ろうと試みる。
すぐ横を見ると白い華奢なデザインの脚がついたサイドテーブルに灰皿と
ライターと煙草が置いてあった。
スーツはきれいに整えられてハンガーに掛けられ、眼鏡は部屋の中央のテーブルの上にあった。
煙草を咥えて火を点け、ゆっくりと見回す。
「何も替えていないでしょ、カーテンも家具も。…あなたが選んだものと。」
背を向けていた黒髪の持ち主がゆっくりと振り向き、体をこちらに向けた。
そうだったかな、と心の中で呟き、さらに記憶を遡って辿ってみた。
彼女の買い物につき合い、「あれとこれ、どちらがいいかしら、こっちがいいわよね、ね?」
そう聞いて来る彼女に適当に返事をしただけだったような気がする。
店の片隅でグラスを傾けていると、すぐ傍らに来て立つ女性がいた。それが彼女だった。
突然何の電話も連絡も取らなくなった男に対し、その事を責める訳でもなく彼女は隣に座り、
ぽつりぽつりと自分の近況を話した。
転職したことや、お見合いもしたが結局断った事まで教えられた。
「いつかはあなたがここに来るような気がしたの。」
素直にそれは嬉しいと感じた。こんなオレにもそういう存在がまだ居るというのが不思議だった。
「とっくに見放されたと思っていたよ。」
「…あせらない事にしたの、あたし。」
彼女が店にほとんど毎夜のように通って来ていたという話を少し後にマスターから聞いた。
彼女が未だにアキラの事を疑っているのは間違いないだろう。
その事に一切触れようととしない態度でわかる。
悲しくて淋しい女だと思ったが、そんな彼女に縋りに来たオレはさらに惨めな存在だった。
手に入れたくて手に入らないもの、欲しくもないのに手放せないもの、せっかく手に入れながら
失おうとしているもの、それらの区別がつけられない。
それら全てがいつまでも永遠に、少し手を伸ばせば届く場所に漂っていて欲しい、と願っている。
「欲張りなのだろうか、オレは…」
煙草を咥えた口で呟く。
「子供なのよ。」
哀れむような視線でそう言うと彼女はガウンを纏ってシャワーを浴びにバスルームへ移動した。
煙草を灰皿に押し付けるとオレも後を追った。車を預けた場所を彼女から聞かねばならなかった。
バスルームからシャワーの音がする。
用を済ませた後で進藤が浴びているらしかった。
このままオレが目を閉じ、寝た振りをしていればそのまま進藤は服を着て音もなくこの部屋から
出て行ってしまうだろう。
気が向けば明日の夜も来るだろうし、もう来ないかもしれない。
『ボクを抱かないのなら、進藤も二度と抱かないで欲しい…!』
アキラに言われるまでもなくもう久しく進藤と会う機会がなかった。
とくに連絡を取り合う仲でもなかった。
皮肉な事にアキラにそう言われた直後にこの仕事が急に入ったのだ。
ただアキラが思っているようにオレと進藤の関係は対等ではなかった。
オレに釘を刺しても何の意味もないのだ。
オレと会うかどうか、寝るのか寝ないのか、全ては進藤が決める。
それにオレが従うだけなのだ。いつの間にかそういう事になっていた。
そろそろ原作緒方の禁断症状が…北斗杯もいいが一方その頃緒方はみたいに描いてもらえないものか。
壊れ具合が期待出来るだけに…
それとそろそろ浮上するべきか…
週末来れるとは限らないので今のうちにageることにします。
こういう時ってこのスレって便利と言うか。独り言並んでいて不自然じゃないし。
それでは浮上。
関係ないですが深夜にウルフレインというアニメを見かけました。
狼人間という設定がなにげに懐かしかったです。
何でもかんでも緒方にあてはめるのも何なんですが妙にハマりそうでした。
あと鉄拳(お笑い芸人)のビデオを観ました。
「こんな〜はいやだ」ネタの原点がそこに。
つづき キタ━( ´∀`)´_ゝ`)`Д´)´Д`) ̄ー ̄)−_−)・∀・)´・ω・)=゚ω゚) ゚Д゚)゚∀゚)━!!!!!
あの女はまだ緒方が忘れられなかったのか。
アキラたんは緒方とヒカルたんがヤッちまったのを知っちまったんだな。
主導権はヒカルたんにあるのか。
アキラの気持ちを知りつつ、ヒカルたんの誘いを拒めない緒方。
いろいろ話が展開していく。楽しみだ(;´Д`)ハァハァ
ログ流しお手助けいたす。
ウルフレイン、鉄拳???なんのことやら。つきあえなくてスマソ。
最近はビデオに録っても見ないままにストックが増えていく。
どんどんついていけない話が増える(´・ω・`)ショボーン
待ってたぞー!
マリモみたいで可愛いっす。
泡をまとって浮上
゜。
。●°
∵
続き楽しみにしてるぞ!
攫ってきた。
/||||||"||ヽ ボクハ ヤラレタラ ヤリカエスヨ!!!
|||(*゚ぺ)||つ~#
__/\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_
/ // ※\ \ \
〈 〈 ※ ※\_____ \ \
\ \ ※ ※ ※ ※ ※ ヽ \
\ \ ※ ※ ※ ※ ※ ※ヽ \
\ `ー──O(((; □-□)))O─ アキラクンヲオコラセルト コワイゾ……
ゝ、, ___________〉
>194
どうもです。自分も家族が観ていてたまたまそういうのを見たというか。
空いた時間を全てネットやパソコンの勉強(独学)に費やすとテレビは観なくなりますね。
マリモって浮かぶんですか!?ずっと沈んでいるものと…
196のはアキラが緒方のヅラを剥いだやつでしたっけ。
あ、196を見てたら今後の展開を考える上でいいヒントになりました。サンクスです。
続き、キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
漏れも主導権がヒカルたんにあるっつー関係に、どきどきだ。
もしかして、ヒカルたんにすがってるのは兄貴の方なのかな。
>196はヅラの話とはまた別だ。アキラたんを苛めてみたいといったヤシへの返事だyo。
職人さんの刺激になったんならよかった。
ついでに似たようなバージョンがある。こっちは役には立たんかな?
/||||||"||ヽ
|||(*゚ー゚)||
>>564 ボクヲカラカッタカラ チョットケッタダケダヨ!!!
__/\ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\_
/ // ※\ \ \
〈 〈 ※ ※\_____ \ \
\ \ ※ ※ ※ ※ ※ ヽ \
\ \ ※ ※ ※ ※ ※ ※ヽ \
\ `ー──O(((; □Д□)))O─ キンタマガツブレルヨウナケリヲ 「チョット」トハイワナイダロ……
ゝ、, ___________〉
.
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
この女気になってたんだよ。兄貴がケコーンまで考えたこともあったんだよな。
女がアキラに噛み付いた直後からもう連絡してねえんかな。
それにしてもヒカルニ失望するとすぐさま兄貴に微笑むアキラ(w
そういうのに不信感もあったのだろか。
ヒカルは性欲処理に兄貴を利用してるっぽいが今のとこ。
兄貴とアキラの関係は知ってるのか?
そうだな・・・最近兄貴を見るのはアニメOP、EDでの猿セットと
DVDCMのオカマショットだけだもんな。
>196がヒントになったってのすげー気になる!どうなるんだ!楽しみだ。
保守がわりにちょっとここで一服…
しかし本編緒方の影もかたちも出てこんな…。
| |
| |(((")))
| |Д□;) イッテオクガ ツギノデバンニソナエテ セイケイシテイルワケデハナイカラナ…
| |Y⊂)
| |∧ |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
彼女の部屋から自分のマンションに戻って間もなくインターホンが鳴った。
アキラだった。
一瞬彼を部屋に入れるのを躊躇した。
「あたしも出掛けるから途中まで送って欲しい」という彼女を車に乗せたが、
車に乗り込むとすぐに彼女はオレの首に腕を廻して口づけてきた。
自分の容姿に自信があるのか、同年代の他の女性に比べると彼女はメイクに時間を
かけない方らしかった。何が基準かは知らなかったがかつて本人がそう言っていた。
それでも必要以上に甘く人工的に強められた滑らかさが唇に張り付いた。
彼女を下ろしてすぐに煙草を取り出した。
その彼女の香水の移り香が微かに服に残っているかもしれない。
首元かどこかに知らないうちにゆうべの再会の印を残されているかもしれない。
そんなふうに考えを巡らす自分に苦笑いし、ドアを開けてアキラを招き入れた。
部屋に入るなりアキラは、些末なものに気を廻す気配もなく言葉を切り出して来た。
「…すみませんでした。緒方さん…。」
「なぜ君が謝るんだ。」
アキラの方を振り返らず熱帯魚の水槽に向かう。
餌を与え、魚らが集まり舞いひらめく様子を眺める。
「見ていたんでしょう、ボクとsaiの対局を…。大事なプロ試験を休んでまで臨んだのに、
あんなふがいない戦いをしてしまいました。…他の事に気をとられて…。」
「実力を出し切れていれば勝てたとでも?」
アキラが言葉を詰まらせる。それでもオレのすぐ背後に寄り、食い下がるように言葉を続けた。
「お願いします、ボクと碁を打ってください!ボクは…、ボクはもっと強くなりたいんです!
…あのsaiに勝てるくらいに、…あ、いえ、せめて対等に戦えるくらいに…!」
そんなアキラに向き直り、荒々しくその腰に腕を廻し、顎を捉え上に向かせる。
一瞬怯えたように目を見張り、すぐに覚悟したようにアキラは体から力を抜き目を閉じる。
不条理な行為に対してまでまるで聖職者のように受け入れ許容しようとするその
殊勝な態度に腹が立った。
顎を捉えていた手をアキラの細い首に移動させて包み、力を込めた。
「…っ…!」
じわりと首が締まる感触にアキラが苦しげに眉を顰めた。
「…プロをなめるな。」
「…なめてません…、本当です…。」
首を捉えたオレの腕にアキラは両手を縋らせては来たが、抵抗する兆しはない。
2人だけでこうして会うようになってアキラがオレのとる行為に対し抗った事はない。
さらに力を加える。
「saiの正体などゆっくり突き止めて行けばいいだろう。昨日君は何をそんなに焦ったんだい。」
「別に…それは…」
圧迫されて殆ど出ない声でアキラが答える。
「確かに君はプロに通用する実力を持っているかもしれん。試験も合格するだろう。だが、
本当の魔物も化物もプロの世界にはうようよいるんだ。勘違いするな。」
与えながら同じ息苦しさを自分でも感じていた。思わずさらに指に力が入った。
アキラの顔色がうっ血して赤黒くなり、唇が震え始める。
「…ごめ…んなさ…」
ふいに我に還って手の力を緩めると失神しかけたアキラの膝が折れて床に崩れそうになった。
その脇の下に手を入れて支え、立ち上がらせる。
「アキラ…!?」
ぐったりと後ろにアキラの首が倒れる。驚いて両肩を掴んで揺さぶると、
激しく咳き込んでようやく意識を取り戻し空ろな視線ではあったがオレに目を向けた。
身を屈めてアキラの体を思いっきり抱き締める。
「…すまない…。」
本音はもっと単純に、ただ進藤にもう一度会いたかったのではないのか、と問いつめて
いるだけだった。
「…緒方さん…は…悪くありま…せん…」
―…ただ進藤にもう一度会いたかった。
プロの世界に入ればアマチュアの大会に出る事はもうない。
進藤が碁を打ち続けていたとしても、正式な対局をする機会はなくなる。
進藤との接点が一切なくなってしまう。
「…彼に、今年プロ試験を受けているという話はしたのか?」
「…いいえ、…なぜですか?」
荒い呼気が混じった声でアキラが答える。
冷たいフローリングの床に震動でアキラの肩甲骨や腰骨が軋んで擦れる音だけがする。
彼の衣服だけが全て剥ぎ取られて床の上に散っていた。
「いや、いいんだ。」
アキラの体を床に押し付け深い箇所で繋げた部分を激しく動かすと、彼は目を閉じて
苦痛と快楽の波間に漂う。
波動の頂点に辿り着き身を仰け反らして喘ぐ彼の首に蒼く指の痕が残っていた。
薄い皮膚を通して、従順な態度と仮面の下にある彼の真意がオレには見える。
その事に彼自身が気付いていない。
saiの一件が良い例だ。
今後も強い相手とぶつかる度に進藤と比較し気持ちを結び付けて行くのだろう。
アキラに対して抱いた怒りがあるとしたらその事においてだった。
教訓:調子が乗ってきてセーブしないで一気に長文を打ち込んだ時に限って
フリーズするものである…ううう…
∧((("))∧
( □Д□) オレなんてほったに放置されたままフリーズしっぱなしだぜ…
( \,; シュボッ
(),
|E|
>209
アハハ…ハハ…ハ…ヽ(`Д´)ノ ウワァァァァァァン!!!
暴力兄貴キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
兄貴はヒカルの存在を恐れてたんだな〜アキラの知らないうちから。
いずれそうなってしまうと思いながら、止められるもんじゃない。
アキラとヒカルってどうなってくんだ!?それが兄貴のその後に影響を
与えていくんだろし・・・気になる。
板の間ファックハァハァ(;´Д`)可愛さあまってハァハァ(;´Д`)
月間ジャンピでもどこでもええんで大人な兄貴番外編頼む・・・ほった。
随分長い間時間をかけて進藤はシャワーを浴びているようだった。
嫌な予感がした。
ふと気配がして煙草を灰皿に押し付け、そちらの方を見ると
全裸で頭からずぶ濡れの状態の進藤がバスルームのドアの前に立って居た。
シャワーの音が続いたままになっている。
バスルームの光の前に立って暗い室内に向かっているため表情は分からないが、
何かを見つめるように瞳を大きく見開いているのはわかる。
「進藤?」
問い掛けても返事がない。
精神をどこかに杭打ち付けられたように無言で、カタカタと小さく肩が震えている。
まただ、と思った。
布団から起き上がって彼のすぐ前に立つ。
彼の視界にこちらが入っていないのはわかっている。
取りあえずバスルームにいってシャワーを止め、タオルを掴んで戻る。
進藤の唇が蒼ざめて小刻みに震え、何かを唱えるように呟いている。
バスタオルを頭からかぶせて軽く濡れた髪を拭き、そのままそっとタオルで
体を包みこむようにして抱き締める。
それですぐに意識を取り戻す時もあるが、症状が長引く事もある。
「…違う…、やだ…、…かな…いで…」
うわ言のような言葉を漏し始める。
今回のは後者のようだった。
ホテルでは棋士一人一人に狭いが個室に振り分けられていた。
ロビーの受付で鍵を受け取りエレベーターに向かう廊下の途中で、棋院の関係者や他の
棋士らと共に一足先に着いていた進藤と出会った。一瞬進藤がこちらを見た。
すれ違いざまに声をかけてみた。
「大丈夫、…お前にはもう、何もしない。」
だから気が向いたら部屋に来い、という意味だった。
進藤はその時は返事をせずに背を向けて立ち去った。
「何もしない」という約束が実行された事などなかった。
それでもオレ達の間に関所を渡る護符のようにその言葉は必ず交わされた。
最初からそれを望んでオレのところに来るわけではないという前提が彼には必要だった。
一通りの仕事が終わり、食事を済ませたあとちょっとした酒宴の席も用意されたが
早々に退席した。進藤が酒の匂いのする息を好まなかったからだ。
そして進藤はオレの部屋にやって来た。
ノックする音がしてドアを開くとこちらの返事を聞く事もなくするりと隙間から体を入れてくる。
「へへっ、…久しぶり、緒方先生」
ラフなジャージを着込んだ進藤はすでに自分の部屋でシャワーを浴びて来ていて
石鹸の香りを漂わせていた。
「オレはこれから風呂だ。部屋に戻るか、ロビーで誰かの碁の相手でもしてやれ。」
古い日本家屋調の宿には大きな温泉風呂があったが、進藤の世代は共同風呂というものが気恥ずかしく
馴染まないのか、内風呂ですましてしまう事が多いと聞いていた。
「んー、今日は疲れたからいいや。大体もう遅いし。ここでお留守番してる。」
敷いてある布団にごろんと横になりテレビをつける。
「構わんが、人が来ても出るなよ。」
「出て欲しいなら、でるよ。」
布団に大の字に横たわったまま進藤がこちらに顔を向けて悪戯っぽく笑う。
「…一応、鍵はかけていくからな。」
部屋に進藤を残してドアを閉め、鍵をかける。何だか妙な感じがした。
その時の無邪気な進藤とは別人の進藤がここにいる。
彼の頭の上に顎を乗せるようにし、両手で肩と頭を包み込んで皮膚を摩ってやる。
保護者のようにして、こちらが体が大きな事をしきりにアピールして
宥めるのがコツだと言う事が何度か同じ事を経験するうちに分かって来た。
そして彼を正気に戻すには儀式が必要であることも。
「行かないで…、…い、そばにいて…」
強い力で進藤の腕がこちらの体にまわされて抱き着かれる。
こういう時の彼の体温は非常に低い。
ただ呼吸と、下腹部の中央部分だけが熱く昂っている。
その下腹部をこちらの膝に擦り付けて来る。
その進藤の体を抱え上げて布団に運ぶ。
「お願い…早く…、欲しい…」
体を横たえらせると瞳をうるわせ、呼気を熱く速めて両手をこちらに差し伸べる。
両膝を大きく開いて腰を浮かし、蜜を滴らせた先端を切なげに突き上げる。
先刻までの明かりを恥じらい唐突なキスに腹を立てていた進藤ではない。
「…早く来てよ…、…、い…、…」
この時の彼が繰り返し口にする名前が自分のものではない事も知っている。
甘い声でねだる進藤の顔に唇を寄せて、その額と頬に優しくキスをしてやる。
キスを首筋に移動させ、既に立ち上がりかけた胸の突起の周囲に舌を這わすと
くぐもった声を漏し、我慢出来ないように自分の手でもう片方の突起と下腹部のモノを
弄り始める。
「…ん…、く、は…ア…っ!」
声が大きくならないように彼の唇をこちらの唇で塞ぐ。
すると進藤は夢中でこちらの顔を両手で包んで捕らえ、舌を舌で捕らえて吸い始める。
唾液を残らず吸い取って飲み下す。
本人の意識が途絶した中での、本人の記憶に残らない進藤のこの状態を知っているのは
オレとアキラだけだった。
だがアキラは、進藤のこの姿に耐える事が出来なかったようだった。
ヒカルの秘密。
こういう展開になるとは・・・スゴイなあ。面白いっす。
ヒカルの媚態でもなんでも、なんか一度はアキラに置き換えて
ハアハアしてしまう自分にどうしようもねーなと思いつつハアハア。
アッキラたんの前でもやってるのかヒカル。
やはりそんなに簡単には昇華出来なかったんかな。
祝!兄貴友情出演!
良かったな〜兄貴。いったいどんな手使ったんだ?
どうもジジィの力で出たっぽいと踏んでしまう俺。
∧((("))∧
( □Д□) テレビ出演はオレの人徳の成せる業だろう。それ以外に何がある?
( \,; シュボッ ジジイの口添えだと? フッ、知らんな…
(),
|E|
ちょっとした出来心だったのだ。
魔が差したと言っても良い。
アキラの首に蒼く残った自分の指の痕を見た後、このままでは互いに破滅すると思った。
いや、恐らく破滅するのはオレ1人だろう。
アキラは決して自分で選んだ自分の行為を悔いたり否定することはない。
例え間違いに気付いたとしても十分取り戻せる時間と強さを持っている。
そんなアキラの若さが妬ましかった。
棋院会館の受付で進藤の姿を見かけた時、直感的にアキラを追って来たのだと感じた。
ふと、進藤にアキラを追わせてみたいと思い、院生試験を受けさせるための口添えをした。
当然のようにプロ試験に光りを掴む事を許され歩み始めたアキラの細く白い手首に
小さな枷をはめたかった。
進藤はそういう存在になり得ると思った。
院生となった進藤を見て、切り捨てたはずの存在の進藤が自分を追って来ていると
知った時のアキラの姿は、予想通りのものとなった。
心の奥で戸惑いと歓喜に震えながら何の興味もないように平静さを装おうアキラの様子は
見ものであった。はっきりと今までにない変化が起こり、それは新初段シリーズの
対座間王座戦に如実に顕われた。
ほとんどアマチュアの大会に出る事のなかったアキラが、それまでの定石に忠実で無理をしない
優等生的な打ち方から抜け出てハッキリと好戦的な性質を公の場で見せた。
プロ棋士・塔矢アキラの鮮烈なデビューとなった。
そんなアキラを支配しきれるかどうかというオレの中での賭けでもあった。
その後も必要以上に進藤を煽りアキラを煽り、進藤をより強くアキラと囲碁界とに結びつけていく
役割を担った。おそらくオレがそれをしなかったとしても他の誰かがその役割を負っただろう。
「ん…ふっ…あ…、ハア…」
細く唾液の糸を光らせて互いの唇を離すと、進藤は淫らな吐息を惜し気もなく漏して
オレの下腹部を弄り、オレ自身を両手で包む。
「…んあっ、…?…ハア…ハア…」
それを自分の下肢の間に運んで当てがうが、十分な硬さがないために思いが果たせず
焦れったそうにオレの顔を見上げる。
黙って進藤の顔を見つめるが進藤の瞳の光は空ろなままで自分を取り戻す気配はない。
オレが彼の中でどういう人物に摺り替えられているのかは確かめようがない。
もしかしたら誰でもないのかもしれない。
痴れ者のように今の進藤はただそれをひたすらに欲しがって手で摩る。
「…ハア…、ンん…っ!」
それでも一向に望みを叶えてくれる状態にならない事に次第に苛立ち、
進藤は体を下の方にずらしてそれを口に含ませようとした。
「わかった…好きにしろ」
こちらが仰向けになると進藤はそれを追うように体を起こし、オレの体の上に跨がるような
格好になった。
「…んっ…ん…」
オレの下腹部部分を口一杯に頬張り、喉の奥まで呑み込もうとする。音を立てて吸い上げる。
バスルームの明かりに照らされて目の前に進藤の淡い小麦色の滑らかな双丘が浮かび上がる。
進藤のこの状態を初めて知った時、正確にはアキラからそれを知らされた時、
自分が進藤をそこまで追い込んだのかと思った。アキラも同様にそう考え苦しんだ。
だがそうではなかった。
進藤が誰に怯えそこまで追い詰められたのか、
進藤が誰に対し何を負い目を感じて来たのかは誰にもわからない。
彼の意識がある時の抱き方は極めて淡白なものだ。
ほとんど進藤自身が快楽を得ているとは思えない。最低限必要なだけの下準備を施し挿入する。
進藤はただ痛がり、うんざりした顔でこちらが気が済むまで仕方なくつき合っているという
感じのものだ。先か後に一度進藤を追い上げてやる。
2人で同時に行き着く事はほとんどない。
性的に無知で性交自体にあまり関心がなく、行為が終わった後の、熱を帯びた肌を合わせる事が
目的であって彼にとってsexはあくまでその為の付属品でしかない。
行為の後で進藤は体の不調を訴えた。頭痛がする、吐き気がする…等。
アキラが一切そういうものを表に出さないのと対照的だった。
体質的なものだと思っていたが、そうではなく進藤は精神を病む程に温もりに飢えながら、
それを満たそうとする行為に呵責を負っているのは確かだった。
唾液で指を濡らしてその根元に這わせ、窄まりの周囲をそっと撫でてやると
塞がった喉で小さく呻いて腰を突き上げる。
先刻の行為の名残りで微かにうっ血しているところにさらに血流が集まり脈打っている。
痛々しくも見えるその中心に指を2本揃えて宛てがい、押すと抵抗感なく吸い込まれて行く。
「ふっ、くんんっ…」
ビクッと進藤の背中が強張り仰け反る。それでもオレから口を離す事なく行為を続ける。
指が根元まで入り込むと初めてそこでその部分が収縮して指を喰わえ込み離すまいとする。
それに逆らってゆっくり抜けかかるまで引き抜く。
「ひっ、あっ…っ…!」
さすがに耐え切れず、進藤が口を離して呻く。
指の動きに倣って外へ押し出そうと腸壁が動くき始めたところへ再び内部に指を進める。
「あ…んっ…んっ…!」
振幅の大きな抽出を繰り返し、次第に動きを速める。
常にそうして内壁の蠢きの反対の動きを与えてやると腸壁の隅々まで血液が行き渡って
腫れ上がり、表面が滑らかになる。
さらに直接口をそこに当てて唾液を注入しながら舌で狭道を押し開く。
「…んああっ、…ハ…アア…、」
しっとりと十分に奥まで濡れほぐれ、鮮やかな赤みを放つそこはほとんど女性の器官と
変わりない具合になる。その頃には進藤はただオレの下肢に取りすがり、
泣き声に近い喘ぎを断続的に漏す事しか出来なくなっている。
その進藤の体を脇へやって上に覆いかぶさり、腰の部分を重ね、進藤の耳元へ唇を寄せて囁いてやる。
「…ヒカル…」
すると進藤は歓喜の溜め息を漏し安心し切ったように体から力が抜けていく。
ゆっくりと進藤の内部へと進める。
「…ん…、ん…、ん…っ」
燃えるように熱く柔らかな肉壁がオレを押し包んでざわめく。
それはそのまま進藤が強く感じている状態を示している。
「あ…、あっ、ああ…っ!!」
「…ヒカル、…ヒカル…」
今にも背中から翼を広げてさらに手の届かぬ空間に飛び立とうとする魂を
地に縫い付けるように押さえこみ追い上げる。
少なくともその瞬間だけは紛れもなくオレの一部が彼の中に溶け込み一体化すると錯覚出来る。
時折書き込めなくて焦る…
緒方アニメに出演したんですね。驚いたけど嬉しかった…が、
タイトルホルダーの車に乗っかる名もない元院生伊角…いいのか?
少なくとも緒方は気に入ったというわけですね。
もしくはヒカルの情報を得るためには手段を選ばないという解釈のほうが?
キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
裏階段さんの話は読ませるなぁ・・・心理描写とか好きだ!
続きキタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━ !!!!!
ヒカルたんの状態が気になるなぁ。佐為の喪失でそうなってると
思うけど、兄貴やアキラたんには分からないものな。
三人とも辛そうで、これからの展開が気になる。
兄貴、アニメ特別出演、おめ!(*´Д`)
続き待つ(;´Д`)ハァハァ
続き期待保守(;´Д`)ハァハァ
「うあっ…、あ…!あ…!」
「…ダメだヒカル、まだだ…」
呼び掛けながら腰の動きを速める度に、進藤が身をよじり両手でシーツの上をあてなく動かし掻く。
進藤の下腹部にまわした手で彼のモノの根元を握り、湖面を蹴って今にも飛び立ちそうな
白鳥を捕らえる。翼が激しく打ち据えられ白い羽根があたり一面に散る。
「ああっ、う…あっ、やああっ…!」
飛び立てないまま内部を激しく嬲られて進藤が悶絶するような悲鳴をあげる。
限界だと思い、手を緩めると同時に強く抜き上げ、腰を激しく動かす。
「ひ…あ」
その瞬間進藤は一気に弾けた。
「うああああーーーーーー…っ!!!」
電流を奔らせ痙攣する彼の体に感電するようにこちらの体にも耐え難い波動が起こる。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
裏階段さん、早起きだな。それとも今から寝るのか?
俺は今から寝る組。
佐為がいなくなってからのヒカルはなんか裏腹な魅力あるよな。
やっぱ生き急いでるのか?そうせずにはおれないのかな。
俺としては、本編でアキラたんもイジメテ欲しいんだがな。
いつも楽しみにしてるんでよろしくな!
「くっ…、…う!」
しなやかで精密に締まる筋力によって魂を吸い取られるように我が身を絞り抜かれる。
「くうっ…ふっ…ぐ」
アキラとの時にも滅多に漏れぬ声が漏れる。
自分をなくした状態の進藤と体を合わせた時だけ、こうしてその一瞬を共有できる。
進藤との交わりはアキラとはまた別の味わいがあった。
アキラとのsexが相手の存在を確かめ合い極めて人間臭い精神的な交感が起こるのに比べて
進藤とのそれはもっと動物的なものだ。本能的で、そして刹那的だ。
暫くの間声もなく身を震わせ続けた後、シーツに手を置いて海老反るように身を起こしていた
進藤の体は気を失うようにして脱力し崩れ落ちる。
全身がびっしょりと汗にまみれ、四肢が僅かに痙攣する彼の体をそっと抱き起こすと
涙の筋が幾つも頬やこめかみを伝った痕が残されている。
様子を見て、呼吸があるのを確かめてそのままそっと体をタオルで拭き取り、布団を掛ける。
進藤の唇が動き誰かの名を呼ぶ。
それが聞き取れないのはオレ自身が心を閉ざしているからだ。
その唇が自分の名を綴る事はないとわかっていたからだ。
「…緒方さん、緒方さん…」
アキラがオレの名を呼ぶ。
光に包まれた場所の中から真っ直こちらに駆け寄ってくる。
幼い時のもののようであるし、ほぼ目線が変わらぬ今の姿のようでもあった。
彼はどんな事があってもそうやってオレを慕ってくれるのだろう。
オレがどういう人間であっても、彼にどういう仕打ちをしてきた者であっても。
アキラがブロ試験に合格し、久々に先生に呼ばれ
先生の部屋で2人で碁盤を挟み向き合った。
先生の表情はどこかホッとしたように穏やかだった。
アキラの実力はわかってはいても、それでも親として嬉しかったのだろう。
「…そんなに安心していられませんよ。アキラ君はこれからなんです。」
「わかっている。これからも一層厳しく接していくつもりだ。むろん、緒方君、君も…」
「わかっています。」
そして一瞬言い淀んで先生が言葉を続ける。
「…アキラは相変わらず君のところによく行っているようだが…」
ドクン、と胸が高鳴ったが先生には気取られぬよう表情を変えなかった。
「いえ、最近はそうでもないですよ。」
その時の為に選び用意していた淡々とした口調で答える。
それは事実そうであった。ただ昨日アキラはオレの部屋に来ていたが。
「…そうか。…」
何か言葉を継ごうとしながら、先生はそのまま盤上に視線を落とした。
その頃には、アキラと肌を重ねた翌日でも先生と普通に会話出来るようになっていた。
先生がオレを、いや、アキラを信じようとしているのがわかるから、
オレはそれを裏切らないように、アキラのウソの共犯者となるしかなかった。
先生もまた共犯者だったかもしれない。
進藤という枷を受けながら、アキラはオレとの関係を空気のように肌に馴染ませていった。
それすらも彼の中では昇華され彼の聡明さを少しも曇らせるどころか、
年令を超えた凄みや深みの色を重ねていく。
その仮面をオレとオレ以外の大人の前で鮮やかにつけ変える。
「…恐るべき子供…か」
無意識にそう呟き、棋院会館のエレベータに乗る。
そのドアが開いた時、ロビーで魚の映像に何やらぶつぶつ話し掛ける奇妙な行動を
とっている少年を見かけた。
進藤だった。
「何をひとり言言ってるんだ?」
ふいに声をかけられ、「あっ」と無防備な声を上げて進藤が振り返る。ふっくらと頬が丸く
産毛が光り、体格に合わないぶかぶかの学生服に着られていて、かなり幼く感じた。
アキラの事を考えていた後だけによけいそう感じたのかもしれなかったが。
院生の友人に誘われて研究会に来たようだが、研究会自体の事もよく知らないと言う。
「塔矢名人の研究会に来ないか」
試しにそう尋ねると、瞬時に進藤の表情が締まった。
「アイツも―塔矢もいるの?」
彼とまともに言葉を交わすのはこれが初めてだった。
目上のものに敬意もへったくれもない物言いで、本当にアキラと比べてもどうしようもない
子供だった。だが不思議に腹は立たなかった。
>229
今夜は書き込もう、今夜は書き込もうと思いながらいつも寝てしまい
…最近書き込めない夜が多かったですし。それで、じゃあ早朝に来てみようと。
さすがに朝は大丈夫みたいですね。
裏階段さん、キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
朝から(;´Д`)ハァハァをありがとん。
けっこう兄貴はヒカルたんに惚れてるっぽいな。アキラたんとはまた違う魅力を
感じてるんだろうか。密かに名人との共犯関係にも(;´Д`)ハァハァ
保守すれば(・∀・)イイ!!
ホシュ!
そのどうしようもないガキが、いっぱしにあの塔矢アキラを意識している。
それが妙におかしくて思わず吹き出しそうになる。
いや、一番おかしかったのは自分自身だ。進藤を院生としてこちらの世界に引き込んだ
だけではモノ足りず、どうにかして早くアキラと対面させ同じ場に居合わせようと
大人げなくけしかけている。
その場を眺めて楽しもうという好奇心を剥き出しにしている。
「アキラくんもいる。お互い刺激になるだろ?」
「行かない」
即座にきっぱりと進藤にほお、と内心感心した。
昔から相変わらず塔矢門下の研究会に参加したいという要望は多い。
碁を打つ者なら、ましてや院生であればそこに参加する価値がわからないはずがない。
子供とは言えさすがにそう易々とこちらが吹く笛に踊ってくれそうになかった。
吹く曲は選ばなければと言うべきか。
「塔矢と勉強なんかしたくねーよ!オレはアイツと戦いたいんだ」「戦いたい―か」
アキラ側の人間に対し無謀な意地を堂々と言ってのける態度が可愛らしかった。
「ではそれをオレも待つことにしよう」
塔矢アキラが何者なのかまるでわかっていない。
だがそんな無垢さが今のアキラに対して最も有効な武器であるのかもしれない。
汚れのない魂を持った者が手にした曇りのない剣によってならばアキラの肉体を
斬りつけ血を流させる事が出来るかもしれない。
彼なら再び孤高の聖域の城からアキラを引きずり出してくれるだろう。
ふと見ると、目の前に別の院生の少年が怪訝そうな表情でこちらを見ていた。
師弟関係でも同門でもない高段位の棋士と一院生とがフランクに言葉を交わしているのが
奇異に映ったのだろう。
視線を向けるとその少年はハッとしたように慌ててオレに頭を下げた。
確か以前、囲碁のアマチュア大会でsaiの存在を教えてくれた子供だっただろうか。
だとすれば彼もまた、アキラと進藤を繋ぐ重要な役割を担った者だ。
親しい間柄らしく進藤のもとに駆け寄り2人で言葉を交わしている。
「オイオイ、緒方先生と何話していたんだよ」
「研究会に誘われた」
「なんで緒方先生がおまえなんかを誘うんだ!?」
彼にそう問われても進藤にしてみれば、何故そんなふうに聞かれるのかと言いたいところだろう。
進藤の中では自分こそアキラのライバルたりえるという確信があるのだから。
「…若獅子戦が3ケ月後か。キミとアキラくんの対局はそこで見られるかもしれんな。」
「若獅子戦?」
オレから向けられたその言葉の意味がわからず首を傾げる進藤に、院生仲間の少年が手短く
若獅子戦とは院生とプロ棋士との対局の機会である事を教える。
「キミは出られるんだろう?」
何を必死になっているのだろうと思いながら浮かぶままに進藤を煽る言葉を吐く。
小雀に奏でてやる楽曲を選んでいる。
「出るさ!もちろん!」
瞳と同様に清んだ良い声が追いかけて来た。
「キミとアキラくんがぶつかるようなら、その時はオレも見にいくかな」
進藤に返したその言葉は本気だった。進藤にはもっと本気になってもらわねばならなかった。
2重3重に規制の壁が…
しばらくは慣れない環境でupする事になりそうです…
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
>彼なら再び孤高の聖域の城からアキラを引きずり出してくれるだろう。
っての俺にとってはすごいキタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!! だった。
その前の曇りのない剣の部分も。
選ばれた者にしか音色を聞かせない楽器のようなアキラハァハァ(;´Д`)
兄貴は自分の位置をどう捉えてるんだろうな。
俺はいつも普通に書き込めるぞ。長すぎるとかの制限かな?
続き、キタ━━(゚∀゚)━━( ゚∀)━━━( ゚)━━( )━━(゚ )━━(∀゚ )━━━(゚∀゚)━━!!!!!
棋聖じゃない規制がかかってんのか。裏階段さん、大変だな。
アキラとヒカルの裏で糸を引く感じの兄貴がすげー(・∀・)イイ!!
緒方の画策が進む。今の状態に飽き足らないんだろうな。
アキラとの関係が変わるのを待ってるんだろうか。
この間までこの鯖、人大杉で2chブラウザでないとみられなくなってた。
それに、このところYBBやらAsahi-netやら規制のかかってるプロバイダがあるからな。
ムリせんでがんがってくれ。
塔矢邸での研究会の集まりの皆がいる前でさりげなくその話をアキラにした。
「アキラくん、この前進藤に会ったらね、彼若獅子戦に出ると言っていたよ」
「進藤って?」
耳慣れぬ名前に脇に居た芦原が身を乗り出して聞き返してきた。当のアキラ本人は視線すら
動かさず無関心を装っている。むしろその方が不自然なのだが。
その少し以前にこの研究会で最強棋士に関する話題が出た。
囲碁の歴史上一番強い棋士―本因坊秀策。
その本因坊秀策が現代の定石を覚えたとしたら―そんな存在がいるとしたら…。
そう例えられていたsaiという存在。
もちろんオレの中でそのsaiと進藤は結び付いてはいなかったが、アキラは両者をどこかで並ばせ
意識している。進藤に対する執着心はいくらも色褪せてはいないようだった。
「楽しみじゃないかい?」
再びその進藤と同じ空間に立つ感想をぜひ聞かせてもらいたかった。自分でも今のオレの顔は
さぞかし意地が悪いものだろうと思う。
アキラも一瞬瞳の奥でオレを睨んだ。だが思ったよりは反応は鈍かった。
「…別に、ボクは彼のことなどどうでも…」
返事に言い淀むアキラに代わって先生が答えた。
「…例の子か」
やはり先生は覚えていた。
瞬時、オレとアキラの間の駆け引きに見かねて口を挟まれたのかとヒヤリとしたが、単純に先生も
進藤にある意味興味があるようだった。例え一時的にしろアキラが視線の中に捉えた相手だからか、
それとも他の者には感じ得ないものを進藤から嗅ぎ取ったのか。
俯いたアキラが軽く唇を噛むのが見えた。
先生の中では進藤がどういう位置付けなのかはその時は読めなかった。
ただ、先生とオレとアキラと、3人の意識の中に確かに進藤が「居る」事を互いに知った。
そして間もなく新入段免状授与式があった。
トップ棋士の御子息の入段式ともなれば華やかにと棋院内では色めき立つ者もいたようだが、先生は顔を
出さないとして、それとなく申し入れをし普段と変わりなく淡々と式典は進められていった。
| |_
| ||||,||ヽ
| |ー゚)_| ウラカイダンサンモ クロアメ ドウゾ
| |●|つ⌒・
| |∧|
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
裏階段さん、キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
着々と兄貴の裏工作が進んでるな(.藁
アキラたんも出張、ご苦労さん。
アキラに対して好意的でない視線も確かに存在する。
やはり実績を見せてもらうまでは様子見という姿勢を構える者も多い。
「緒方さん、緒方さん…」
式典の会場の人込みの中でアキラがオレの名を呼ぶ。
「緒方さん…!」
オレの姿を見つけて人込みの間をすり抜け真っ直にアキラがこちらに早足で駆け寄ってくる。
オーダーメイドのスーツが上品な物越しに合ったラインをつくる。
成長期の最中に海王中学の制服も常にぴったりとしたサイズを着用していた。それはそのまま
その家の財力を示す。特に一人っ子となればそうして自分にとって最適なものを与えられる事が
当り前という感覚となっていくのだろう。
我慢や妥協を強いられる機会がない分、選美眼が養われる。
数有るものの中から的確に最上級のものを掴み出す。
幼い頃から大人達の間で過ごす機会が多かった彼も、さすがにこの日の空気はどことなくいちもと
違うものを嗅ぎ取り心細さを感じたのだろう。今後は子供扱いは許されなくなる。
指導の為に研究会などで自分と碁を打ち合ってくれた相手らが、これからは互いの身を食い合う
ライバルとなる。
それでも、オレだけは他の者とは違うと思ったのだ。先日の進藤に関するオレの余計な
手出しの一件もすっかり忘れているようだった。
自分にとってオレが特別というよりも、オレにとって自分は特別であろうという期待に見えた。
「ようこそ、プロの世界へ」
あえて突き放すような表情でかけたその言葉にアキラは一瞬足を竦め、ハッとしたように目を
見開いた。瞬時にいろんなものを受け取ったようだった。
「…よろしくお願いします。」
深々とアキラはオレに頭を下げた。そして顔を引き上げた時は笑顔は消えていた。
もう二度と見せまいと奥にしまいこんでしまったようだった。
薄明かりに浮かぶ進藤の顔面に手をかざす。
あまりにも静かで、呼吸をしていないかと不安になったからだ。
時を止めて凍てついてしまったように表情も動かない。
それほどに深い眠りの中に進藤はいた。このままかざした手でその鼻と口を塞いで
永遠に自分一人のものにしてしまいたい、誰にも連れていかれぬように、そんな誘惑にかられる。
アキラと同様に寝顔はまだあの頃とそう変わらず幼く見える。
端正に整った顔立ちとは言えないが、あの三谷という少年のように
年齢や性別を超え、人という魂を超えた獲難い存在に見える。
はち切れそうに健康的に丸みを帯びていた頬は今ではごっそりと削げ落ちている。
それでもまだ唇や顎のラインは少女のように優しく儚げだ。
「…ずっとそこに居たいのか…?」
深い眠りの中で彼はどんな夢を見ているのだろう。夢も見ない暗黒の、あるいは
光の概念すらない世界に遡り佇んでいるのかもしれない。
そんな進藤の顔を見つめながら、なぜあの時のアキラの姿が頭に浮かんだのか考える。
記憶の限りでアキラがオレに向けた、幼い頃の面影を残した最後の笑顔だった。
進藤という半透明のフィルターに互いの思惑を透かし合い重ね合う日々の始まりだった。
生命を維持するための最低限の呼吸を静かに繰り返す進藤の髪に触れながら
軽く目眩がして、もう片方の手で自分の目を押さえる。するとその指先が濡れた。
自分が泣いていると気付くと次々と涙が溢れて頬を伝わって流れた。
自分の中にまだそういう感情が残されているのが不思議だった。
アキラがどう受け取っているかは別にして、彼には酷い事をしたと思う。
その罪から逃れるつもりはない。だからアキラの代わりにこうして進藤とここにいる。
誰一人それで報われる事はないとわかっている。
先生を追い続けていた。先生の存在が全てだった。
アキラに追われ、アキラに捕らえられたはずだった。
進藤をいつから追い始めていたのか考える。今こうしてふたりでいる、ふたりで寄り添い合っている意味を考える。
>247
差し入れどうもです。うれしいです。
鳩にパン屑でも投げるような投げやりさがアキラらしいです。
信じる者は救われるというか…いや、アニメの話です。だから原作でもきっと
もうすぐ緒方が派手に再登場すると信じてます。たぶん桑原と供に。
あの二人は運命共同体化してますね。
>>253 裏階段さん、キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
静かに涙する兄貴もいい。アキラたんを突き放してみたり、ヒカルたんを
包んでみたりと忙しいな。
先週のアニメは、また兄貴とジジイがセットで笑っちまった。
そういや、トレカも運命共同体のヤツが多いよな(藁
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
なんか兄貴もアキラもヒカルもせつないな。
愛してる奴の心が別の誰かを見ていて永遠に自分を見ることはないと
知ることはせつないよな。
アキラとヒカルの間には何かあったんだろうか・・・気になる。
>253
>鳩にパン屑でも投げるような投げやりさ
ワロタ。
それにしても兄貴の度重なる不自然なアニメ登場が嬉しいやら笑えるやら。
原作ではまた兄貴の私生活がかいまみれるエピキボン!だ。
256 :
夢見る名無しさん:03/03/05 16:09
何か?
兄貴!アニメ出演&棋聖、おめでd
またジジィとセットなのは仕方ないが、貫禄あったよ。
原作では佐為編はもう出番がないはずだが、最終回には顔ぐらい出して
くれるかな。
∧((("))∧
( □Д□)
>>257 ああ、ありがとう。まあ棋聖より賞金の少ない碁聖だがな…。
( \,; シュボッ
(),
|E|
>>258 兄貴、すまない!棋聖と碁聖を間違ったよ・゚・(ノД`)・゚・。
こんな漏れだが、陰ながら兄貴を応援してる。がんがってくれ。
|゚)
偶然こちらを発見して一気読みしてしまいました。
裏階段さん素敵です!心理描写が群を抜いてすばらしい!
兄貴が格好よくもせつなくていいです!
…あの、前スレはどこにあるのでしょうか?
今までの内容も読みたいです…。
わざとらしいファンレス
偶然発見して「兄貴」つーのも不自然なわけだが(w
緒方=兄貴は他スレでも使ってるからだよ
そういう>262-263も偶然来たのか?(藁
緒方=兄貴な他スレを見ているなら今までの内容も読めるだろうに。
わざとらしい感は否めませんな。
紛らわしくてゴメソ。漏れ、>261とは別人なんだ
別人だと思ってのレスですが。
なんかボロボロですね私…。
えと、常駐スレにヒカルハァハァスレのリンクが張られていたのでたどり着きました。
全レス読んで、ここでは緒方=兄貴なのだな、と思い使わせてもらいました。
ご不快でしたら申し訳ありません。
>>267 そうなのかΣ(゚Д゚)ズガーン!!
勘違いされてんのかと思ってたよ
お詫びに兄貴の車を洗車しに逝ってきます・゚・(ノД`)・゚・。
801板あたりからいらしたんですかね…
魔境経由で来てるなら、ちゃんと探せば以前のも読めるハズなんですけど。
細かい事にいちいちこだわる奴がいるもんだな。
∧((("))∧
( □Д□)
>>269 洗車が終わったらオレと寿司でも食いに行くか?
( \,; シュボッ
(),
|E|
>>272 あっ、兄貴、ぜ、ぜひお供させて下さい・゚・(ノД`)・゚・。
碁会所内は独特の空気と時間が流れている。
競って人生を語り合うような熟年層の男性らの背中が並び、灰混じりの据えた匂いが
鼻につく。斜陽に差し掛かった、あるいはとうにそれを超えた世代が、それこそ
自分の息子や孫程度の年令の者を「先生」と呼ぶ。
そう呼ばれる人種と彼等との違いは、極めて限定された一つの才の為にいかに他の代償を支払い、
そして生涯支払い続けていく事を選ぶ事が出来たかどうかの違いだろう。
アキラが来ている。碁会所のドアから一歩入った瞬間にそれがわかった。
この碁会所の連中のアキラを崇拝する意欲は日に日に強まって行く。無理もない。
誰もが願ったプロ棋士、塔矢アキラの誕生がとうとう現実のものになったのだ。
ここは紛れもなくプロ棋士塔矢行洋が経営する碁会所であり、その名に惹かれて
常連になった者が殆どであるが、先生に対する尊敬や畏怖の念はそのままアキラに
何の問題もなく継承されていくだろう。
月並みな言い方だがそれほどに両者が持つオーラやカリスマ性は一致していた。
いや、むしろアキラの方が勝ると言っても過言ではない。
オレが足を踏み入れた時、その碁会所内の空気が若干緊張した。
オレにしてみればただ夢中で先生を追い続けて、気がついたら塔矢門下生のトップに
立っていた。それだけの話なのだが、彼等にしてみればオレを飛び越してアキラに塔矢門下の
看板を背負わす期待を抱く事に後ろめたさを感じるのだろう。
そんなものなど願った事は一度もないのだが。
「彼のことなどどうとも」思っていないはずのアキラは碁会所の片隅で黙々と
インターネットでのsaiとの対局の棋譜を並べていた。
棋院から若獅子戦の対戦表が送られてきているはずである。その内容はオレも知っていた。
対戦表を最初に見た時思わず笑いが込み上げて来た。
「…まさか本当に勝ち上がってくるとはな」
進藤の名がそこにあった。しかも対戦者は違えど僅かな空間を隔てて2人の名が並んでいた。
これを見たアキラがどう感じるか想像しただけで可笑しかった。
つくづく進藤とは面白い存在だと思った。
確かに院生試験を受ける段階での口添えはしたが、自力で合格し、そしてアキラとの対決の
可能性がある場へ他を押し退けてやって来たのだ。
まるでこちらが投げたボールを大草原の彼方まで真直ぐに追い掛けて拾い、脇目もふらずに
駆け戻って来た忠実な飼い犬のようだ。失礼な例え方かもしれないが。
アキラはじっくりと、一つ一つの石を置いていた。合間のその時その時の自分の考えに立ち返り
検証するように。しばらくは黙ってその様子を見ていた。
saiとの一局はインターネットで多くの者達の目に触れた。だからふいにオレが背後から現れても
アキラは今までのように慌てて盤面の石を隠そうとはしなかった。
「あれからsaiは一度も現れないんだろ?」
「…はい。ボクが見ている限りでは一度も」
アキラは手を止めようとしない。
無遠慮に向いの椅子に腰を下ろして煙草に火を点ける。
紫煙がアキラの視線から隠すように盤面を覆った。
アキラとの対局を最後に、付け加えればアキラがインターネットカフェで進藤と会ったのを
最後にsaiは消えた。それも興味深い「偶然の一致」だったが、それはあえて口にしない事にした。
「saiか…。魅力的な打ち手だった」
それは本音だった。紫煙の下の石の並びを眺めながら改めてそう思う。
古風でいて斬新。saiの対局見たさにネットに観客が殺到したのもよくわかる。
だがプロの打ち方とも違う。
流行りの流行画家が描いたものではなく、古の良き時代の匠が遺した造型物を再現されたような
奥行きのある碁…大袈裟な言い方をすればそんな感じだった。軽い嫉妬すら感じるほどの。
「だが表に出てこない者に興味は持てん」
上質な分、どこか浮き世離れした生活感のない碁だった。
さしあたって経済的に困難のない、時間に恵まれた道楽者が何の制約も受けず興じればあるいは
生み出せるものかもしれない。自分達とは違う世界の碁、というべきか。
「若獅子戦の進藤を見にいこうかと思っているよ」
遠回しにsaiの事を話題にするより今は直接進藤をアキラにぶつける事のほうに関心があった。
「saiは消えたが、進藤は出て来た。名人の言葉通りだ。」
アキラが怪訝そうな表情で顔をこちらに向ける。
それとなく先生も進藤に関心がある旨を伝えたが、それに対するアキラの反応は淡白だった。
「2回戦でキミと進藤はあたるんだろ?是非彼には1回戦勝ってほしいところだな」
それでもアキラは静かだった。ただ黙ってオレを見つめて来た。静かな程に深さを感じた。
正直、羨ましいと思った。
峠を挟んで別々の山野から咆哮しあう狼のようにこの2人は確かに共鳴している。
威嚇しテリトリーを主張しながらも同族の証を呼び覚まし合おうとしている。
「緒方先生、指導碁お願いします」
市河嬢のその呼び掛けに救われるようにしてその場を離れた。進藤をけしかけ楽しんでいた
自分の姿をアキラの前に晒しているのが急に恥ずかしく思えたのだ。
ただ進藤の実力を直接目にしたいと思ったのは確かだった。
目にしたものでなければ信じれない。
若獅子戦の会場に着くとまず進藤の姿を探した。
会場内には棋院の雑誌編集関係者らもいて怪訝そうな視線をこちらに向けるのがわかった。
だからこそ真直ぐ進藤の居る場に向かい、立った。
鼻が利く彼等にここに何かが居るぞと教えてやりたかった。
だが果たして地中深くの変動を、進藤の対局を見る事で果たしてオレにも感じる事が
出来るだろうか。アキラや先生が感じたように。
まるで踏み絵を踏まされるような心境でオレは進藤の対局を見つめた。
自機種で書き込めるってスバラシイ…何の規制だったかは言えませんが。
>261
どうもです。前スレはdat落ちしました。塔矢スレの方の御好意でそちらの小説倉庫の
関連の倉庫に前スレの分を置かせて頂いています。
続きキタ━━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━━!!!!!
原作と上手くリンクしてて本当に面白い。俺もしばらく規制されてたよ。
やっと書き込めるようになって嬉しい。
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
原作でもここいらのアキラは悩ましげというかなんかそそるし、兄貴もヘンな含みがあってええんだよな!
また読み返してみたくなった。
崇拝を呼ぶカリスマアキラに今週の北島オサーンを想う(W
最近あっちもこっちも初心者厨ばっかでウッザー
?
ほしゅ
同じ会場にアキラがいた。
進藤に背を向け、彼は淡々と打っていた。
そうしながらも彼の神経が進藤に向けられているのが可笑しい程によくわかる。
自分の目で進藤の対局を確かめたくてたまらないだろう。
安心しろ、オレがじっくり眺めてやる、と心の中でその背中に声をかけてやる。
時間が経つにつれて対局を終えた者らが、それ以前から居たギャラリーに混じって
まだ終わっていない対戦を見守り、ところどころで人が集まり出す。
アキラの周囲にもかなりの人が集まっていた。
進藤に興味を向ける者は1人も居なかった。
見始めてしばらくの感想としては「こんなものか」という程度だった。
若獅子杯に出られる程度の実力、それ以上のものでもそれ以下でもない。
相手の村上ニ段も、特に面白い打ち方をする訳でもない。
二回戦のアキラとの対局を意識し、最小限の労力でさっさと目の前の院生を
片付けたい、そんなところだろう。
そんなところへころりと進藤は奇妙な手を打った。
プロと違いやはり院生としての限界、ここまで、という読みからの余裕の表情が
村上に出た。ただ格下相手に露骨に感情を見せる事に抵抗があるのだろう。
もちろん、進藤のその一手が悪手であるかどうかはその後の展開で変化するから
即時に判断は出来ない。
一つの局面を迎えた。
次からの進藤の数手を、非常に興味深い流れをオレは目にする事が出来た。
ふいに大きな音と怒声が会場内に響いた。
何やらギャラリーと打ち手でのちょっとしたトラブルだったらしく、
場内は騒然とし全ての注目がそちらに移った。
その騒ぎから切り取られた空間に居る者らがいた。
進藤と、進藤の相手の村上、それを見守るオレと、そしてもう1人。
対局を終えたアキラが立ち上がり、一歩一歩こちらへ近付いて来る。
興味がないと言っていたはずの、進藤の盤面に引き寄せられてやって来る。
若獅子戦の翌日、行き付けの店までオレを探しに来たアキラはその後オレの部屋で、
健気な程に口には出さず進藤の碁の内容を得ようと努力していた。
あまりにもアキラの行動が明確であからさまで、それをいい事にオレは弄びたいだけ
アキラを弄んだ。本心を話さぬその口を別の事に使う方法を教えこんでやった。
ホテルの最上階の窓から見える夜景は、どこも似たようなものである。
目にする者の心境でそれは違ったものに見える。
手に入れたい物が多すぎたその時のオレにとって、その夜景はひどく薄っぺらい
壁紙のようにしか思えなかった。
夜景を眺めながら、アキラには語らなかった進藤の一局を思い返す余裕もあった。
面白い手合いだった。
勝敗を決定付けるような悪手にしか見えない手を打ちながら、それをもって
相手を誘いこみ、好手に変化させるという流れはプロを相手にそう易々と
出来るものではない。
結果的に進藤は負けたが、その原因は終盤の経験量の違いから来るヨセの技工の差だ。
用意された演出のように、その場に居合わせてそれを見届ける事が出来た。
「―アキラや先生と同じように、オレも進藤を気にかける資格を得られたという
わけだろうかな…」
「やア、緒方くん」
せっかくいい気分に浸っていたところを聞きたくはない声で名を呼ばれ、仕方なく振り返る。
「…今お着きですか、桑原先生」
本因坊タイトル戦の相手がひょうひょうと笑顔で近付いて来る。
「北海道など近いものじゃな、どうだ、前夜祭など抜け出して夜の街に繰り出さんかい?」
今まで何度となくタイトル戦で桑原とはぶつかってきた。
だが今までオレはこの老棋士からは最終的な勝利を奪えないでいた。
相性以前に、世程前世でこの人物から恨みをかうような事でもやらかしたらしい。
「お元気ですね。明日から二日に渡って一局打とうというのに」
「キミはちょっと肩に力が入り過ぎじゃの」
そう言いながら頭のてっぺんから足先まで舐めるようにオレを眺めるクセも相変わらずだ。
何よりそれをオレが嫌っている事を知っていて、あえてそれをする。
それでもまだ、会話する気になれたのは先の一戦で勝利を奪えていたからだ。
向こうは向こうで脇を通りがかった「一般人」にサインを求められてえらく御機嫌である。
「ワシのようなジジイに人気が集まるようじゃ囲碁界も先が思いやられるわい、のオ、緒方クン」
慣れた手付きで一筆認めて色紙を相手に渡す。
そうして再びこちらに向き直った時はその表情は一変していた。
「一局目はやられたが今度は負けんよ。このジジイから本因坊のタイトル、取れるものなら
取ってみな」
桑原お得意の緩急を加えた脅し方だ。好々爺の表情の後で妖怪のような目で睨む。
「…桑原先生、囲碁界に新しい波が来ます。これは予感です。」
そう伝えながら、オレの脳裏に走ったのはアキラだけでなく進藤の姿だった。
アキラの足音だけは、いくら情勢に疎い老いた連中もそろそろ聞き分ける頃合だ。
その足音の影で、アキラを追うもう一つの足音がある。まだその名を、進藤という存在を
この男に伝える事はしなかった。
だがあの若獅子戦の時からオレの耳もはっきりその足音を捉え始めたのだ。
アキラが二段に昇格したという知らせを本因坊戦さなかの出先のホテルで聞いた。
若獅子戦優勝に続き、大手合いでも連勝を続けるアキラを誰もが驚きの目で見つめていた。
進藤の一戦の内容をアキラに説明してやらなかったことが
目に見えない魔物から必死に逃れようとするかのようにアキラを奔らせていた。
そしてオレもまた、歩を速める必要が来るだろうということを漠然と感じた。
>283
実は自分も落ちたと思っておりますた。助かりました。ありがとうございます。
続きキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
裏階段さん、早起きだな。朝から楽しませて貰ったよ。
ヒカルたんをエサにアキラたんを弄ぶ兄貴の手管はさすがだな。
変わり始める碁会の雰囲気がすごく出てて(・∀・)イイ!!
(^^)
>あまりにもアキラの行動が明確であからさまで、それをいい事にオレは弄びたいだけ
>アキラを弄んだ。本心を話さぬその口を別の事に使う方法を教えこんでやった。
この2行で珍子勃起しますた
キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
>291に同じく。たった二行なのになんて鮮烈にエロいんだ!ハアハアハアハアハアハア(;´Д`)
本編でも、ギョピちゃん屋までアキラが聞きに来るシーンは何気にエロかったが
あの時俺が漠然と頭に浮かべたその後の二人のイメージだ。
兄貴が妙に加虐的に見えたんだ。そしてアキラは加虐心をそそった。
アキラを罰したのか?
/⌒ ̄ \
 ̄ ̄ ● \
__ _) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
く||*゚-゚)||~~ < ホシュ
―――ヽ二二二/ \_____________
>293
このヘビ?に食われてるアキラたんが大好きだ!
またキモイAA張りやがって。糞。死ねよ
一部プチ住人の本音だな。
「兄弟スレは魔境ではなく、ここだ」と。
>293
このAA見て、プチの強制フェラ、思い出したよ。
しかし、ここも春だねぇ・・・
アキラが歩みを速めれば自然オレとの距離が縮まる。
既にオレが感じている程の距離感は彼は持っていないのかもしれない。
実際オレを射程内に捉えているかのようなアキラの言動が鼻につき始めていた。
その焦りが悪い方に出た。
桑原を破る事は出来なかった。
封じ手をあえてとらされ精神的に揺さぶられるという小細工にまんまと引っ掛かってしまった。
終局が見えた盤面をこちらが歯噛みをして見つめる様を桑原は最上の娯楽でも眺めるように、
生きた鼠を檻のまま水に沈めてもがき溺れ死ぬのを楽しむかのようにしていた。
「…ありません…」
冷えた指先で眼鏡を押さえて表情を見られるのを防ぎ、答えるのが精一杯だった。
「ふむ。」
腹の中で高笑いをしているだろうに、表向きは神妙な面持ちで桑原は頷く。
その脳裏でさぞかしオレを嬲り者にして味わっている事だろう。
防衛を果たした老齢のベテラン棋士をたたえるカメラのフラッシュが瞬く中で
その部屋を出て扉を閉めるまでは自分を押さえる事が出来た。
「緒方クンはよくやったよ。新しい波を受けて立つに役目というものは何度やっても
骨が折れるわい。ヒッヒッ」
意気揚々と声高にインタビューに答える桑原の声に捕まらぬうちにそこを離れた。
他のどの対局を落とすよりもその桑原との一戦は痛かった。
何かが軋み、骨と肉が分離するような違和感を感じていた。
「塔矢門下生での若手ナンバー1」「若手の旗手」などと長く呼ばれていたが、
それらの声がいつしか皮肉混じりになりつつあるのも感じていた。
このままでは先生を追う資格すら失うような喪失感を感じた。
東京に向かう飛行機の中で、ホテルから見た同じ街の夜景を眼下に眺めながら
突然、実は自分はまだ何もてにしていないのではないかという不安にかられた。
手に入れたようなつもりになっていてその実何も手の中に残っていないような、
アキラとの事さえも淡い夢だったような、そんな虚無感に襲われた。
心身共に疲れ果ててマンションの自室に戻り、シャワーを浴びて強めの酒を呷りすぐさま
ベッドに潜り込んで眠ろうと努力した。
ふと、若獅子杯の次の日にここに来ていたアキラの姿が浮かんだ。
非道とも言えるオレの行為を黙って受け入れていた痛々しい彼の姿だ。
「…もう二度と来ないかもしれないな…」
商売女にさせるような行為をアキラにさせたのだ。
オレの名を呼び、オレを慕い、寝ているオレの唇に重ねてくれたアキラの柔らかい
美しいその箇所をオレは汚した。
その奥の凛とした涼やかな声を出す場所に自分の分身を押し込み灼いた。
その箇所が他の者の名を呼び親愛の言葉を唱えるのを封じたのだ。
その味を味わったアキラはすぐさま洗面台に駆け込み胃液と共に戻した。
青白い顔でベッドルームに来たアキラに再度同じ行為を与えて二度目は洗面台に立つ事を禁じた。
泣きもせず、ただ空ろな表情でアキラは従った。
考えてみれば、碁の神様に最も愛されているであろう少年にそんな事をやらかした者に御褒美が
与えられるはずがない。このままもう一度最下層に堕ちていくかもしれない。
それもいいかもしれない。今のオレに相応しい場所へ戻るのだ。
その夜は当然のように悪夢を見た。
誰とも分からぬ闇の向こうの相手と碁盤を挟み、次の手を打とうとする。
だが指に触れたものは碁石ではなかった。ぬるりとした感触を持ったそれは眼球だった。
碁盤の上に落ちたそれはぎょろりとオレを見つめる。盤上の石全てが同様に一斉にオレを見つめた。
碁盤の向こうに桑原の高笑いが響く。他の棋士らの笑い声も同時に聞こえた。
『出て行け!お前にはその座は相応しくない。碁盤を汚すものは去れ!』
叫び声を上げて飛び起きた。
汗で湿った夜着を脱ぎ捨て、のろのろとベッドから下りて台所に向かった。
アルコールの類を探そうと思ったのだ。
その時玄関のドアホンが鳴った。
小さな紙包みを持ったアキラが立っていた。
「…プロのお仕事で地方のイベントに行ったんです。お土産…なんてほどの
ものではないのですが…」
バスローブを羽織ってミネラルウォーターを喉に流し込むオレの背中にアキラは話し掛けて来る。
桑原との結果はもう伝わっているはずだ。
地方の碁のイベントに参加し、講習会を受けに来た者のなかに陶芸家がいて、返りに他の棋士らと
その人の個展に立ち寄ったという話をアキラは続ける。
「お父さんと色違いで選んでみたんですが…」
包みをアキラはテーブルの上に出した。
開けてみると深いチャコルグレーのシンプルなデザインの筆置きだった。
「緒方さん、雑誌に碁の解説の文章を載せる事があるじゃないですか。それで…あ、でも今は
全部パソコンで書いてしまっているんでしたっけ…」
そう言いかけてパソコンの机を覗き込もうとしたアキラの手を握って引き寄せる。
一瞬アキラは表情を強張らせるが、いつものように黙って従う。
抱き締めた瞬間に彼の全身から力が抜け落ちる。何故彼がここまでオレに対して
無抵抗なのかわからない。
限り無く優しい悪魔と限り無く残酷な天使――手の中の存在は果たしてどちらなのか。
どちらにしてもオレはその時はただ夢中で彼を抱いた。力が入り過ぎないよう注意を払い
優しく髪を撫で続けた。
オレの腕の中でアキラはただ静かに目を閉じている。
「…もう一度チャンスをくれないか…」
「…何の…ですか?」
アキラは小さな声で問い直し、首を傾げる。
その透明度の高い瞳を見て、オレはいかに自分が思い上がっていたかを知った。
アキラを汚すほどの力など、最初からオレにはなかったのだ。そしてこれからも。
>293
保守ありがとうございます。AAはスレの宝です!!!
どこかで見た緒方のジジイ発言AAには驚きました。あれをAAにしようという発想がすごいというか。
わふっ一番乗りだ!キタ━━━(゜∀゜)━━━━━━!!!!
すげー切なくなった。今回の兄貴にやられた〜!ハァハァ(;´Д`)
そして最後の方のアキラとの関係も。兄貴によって汚されることのないアキラ。
兄貴がアキラではなくヒカルを求めたとすればこれなのかな?
いや、逃げた結果ヒカルに行ったのではなく惚れてしまったんだろうけど。
ヘタレ兄貴イイ!すげ〜イイよ〜!
ゲーム今日発売・・・どうすっかな〜。ハードねえし。
鉄拳の本買ったよ(w
>303
別に鉄拳のファンというわけでは(w
でもぜひ鉄拳には「こんな神の一手はイヤだ」ネタやって欲しいものです。
続きキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
ジジィと兄貴の因縁を感じます。
碁の世界の厳しさも兄貴の様子を見てると伝わってきて胸を突かれました。
306 :
夢見る名無しさん:03/03/23 23:47
出過ぎた事してすみません
保守らせてください
え?!なんであがってるの?!
さっきまではメル欄にsageと入れてたのに...
ごめんなさい逝きます
保守だ(;´Д`)ハァハァ
アキラを壊す事が出来る者などいない。
例えいたとしてもその相手も無事では済むまい。
おそらく己の中の一部を、あるいは全てを壊してしまうに違いない。
進藤とオレに対するものは全然別のものだとアキラは何度も口にした。
それに縋る事にした。
アキラだけを責める事は出来ない。
オレの中にもいまだ先生を求める思いは強い。
それは精神的や肉体的な繋がりに対する要求ではなく棋士として先生を
追い詰めたいというものだった。
それは伯父の家で初めて先生の打つ碁を見た時から抱いていた願望だ。
ようやくそこに還っただけだった。
桑原すら打ち落とせない者には無謀な願いだという自覚はあった。
願いをシンプルに持つ事にした。欲が張った自分の姿にようやく気付いた。
ホテルの窓から見た夜景が安っぽかったのではなくそこに映った自分の姿が
存在感のない薄っぺらな存在だったのだ。
碁会所で久々に芦原と打った。
アキラはプロとしての仕事が増え、アキラ自身も意欲的にそれらに取り組んでいたので
碁会所にやって来る回数はかなり減ったようだった。
芦原は性格そのものの大らかでおっとりした碁を打つ。
状況判断や分析力に優れながら彼には野心がなく、リーグ入りには縁がない。
学者的な打ち手なのだ。その代わり根気良く丁寧な解説が出来るので彼の参加するイベントは
棋院にわざわざ問い合わせがあるほど人気がある。
それでも何かきっかけがあったら彼のようなタイプは一足飛びに化ける。
ある意味塔矢門下の中ではアキラ以上に警戒しなければならない相手とも言える。
「…ボクがこんな事を言うのも変ですが、緒方さん、アキラくんに優しくしてやって
ください。」
いつになく神妙な面持ちで打っているな、と思った矢先芦原がそう切り出してきた。
思わず手にしていた煙草を落としそうになった。
アキラとある議員らとの4面持碁の話をその時芦原から聞かされた。
「ボクみたいにマイペースになれとは言いませんけど、碁って一生掛けて向き合うものじゃ
ないですか。アキラくんはなぜあそこまで全力で駆け抜けようとするのか、見ていると
恐くて…やっぱりジジムサいですかね、こういう言い方は…」
芦原はアキラが碁石を持ち始めた頃に塔矢門下にやって来た。
地方の子供囲碁対局で、先生がたまたま芦原を見かけ、年令に似合わず丁寧で無理のない
打ち方が出来る事に感心し、声をかけたのがきっかけだったようだが詳しくは知らない。
よく研究会の時や庭先で煙草を吸っていた時のオレを遠巻きに興味深そうに眺めていた。
芦原に言わせると、最初オレが幼いアキラを疎ましく思っているように見えたらしい。
「すぐそれは誤解だってわかりましたけどね。いつだったか、大きな碁のイベントで先生が不在の
間、緒方さんが控え室でずっとアキラくんと碁を打ってあげていたじゃないですか」
と言っても芦原は当時はごくたまに研究会に顔を出す程度だった。
「それでもわかりますよ。アキラくんを見ている時の緒方さんの目ってとても穏やかですから」
「そんなに普段目を血走らせて打っていた覚えはないんだがな」
「恐かったですよ。何て言うか…言葉は悪いですが、何かに復讐するかのような凄みで打って
いましたよ。で、オレがアキラくんに聞いたんです。緒方さんが恐くないのかって」
「おいおい」
「アキラくん、即答でしたよ。『緒方さん大好きだよ』って。その頃はオレもちょくちょく
アキラくんと打ってやっていましたから、ちょっと妬けましたね。いつでもアキラくんにとって
緒方さんは特別な存在のようでしたから」
いつの話かは知らないが、どうでもいい事をアキラに言わせたものだと思った。
「とにかく、あんなやり方していたらアキラくん、一気に燃え尽きてしまいますよ。」
見当はついた。確か進藤がプロ試験の予選を通過していたはずだ。
「それもいいじゃないか。…芦原、お前はライバルはいるか?」
「えっ?」
いきなり聞かれて芦原は戸惑うように自分の手の平を見つめて指を折る。
「ええっと…倉田くんにはここんとこ全然歯が立たないし…戦績でいえば森下門下の白川さんとか
冴木くんとかが五分五分かな…あまりそういうの意識した事ないけど」
「…お前、ライバルの意味をわかっているのか?」
「ひどいなあ、じゃあ緒方さんのライバルって誰なんですか?まさか桑原先生なんてのはなしですよ」
おっとりしていながら時々芦原は強烈な一言も吐く。
思わず苦々しい顔で煙草を灰皿に押し付ける。それに構わず芦原は反撃できたと言わんばかりに
鼻歌を歌いながら上機嫌で碁を打ち続ける。
新しい煙草に火を点け、一息つく。
「…ライバル…か」
アキラがすぐ背後まで駆け上がってくるのは間違いない。
ただその時オレの頭の中に形にならない、まだイメージになり切らないものが浮かんだ気がした。
青白いモニターの向こうに存在した、アキラを手玉に取りより高みへと誘うような打ち手。
時や世俗の呪縛から解き放たれた、年令や性差の区別も掴みかねる優しく、それでいて力のある
不思議な石の流れ。
その名が浮かぶ前に頭を振ってそれを打ち消した。アキラと同じ霧の中に迷うつもりはなかった。
保守ありがとうございます。
307さんもどうもです。この板は落ちるのが早いので大丈夫です。
ふいな圧縮の方がこわいということがわかりました。
アニメ終わってしまいましたね。新章のダイジェストならば本来
「首を洗って待っていろジジイ」と仁王立ち緒方であるはずがなぜああなったのか…
キタ━(^▽^)━( ^▽)━( ^)━( )━(^ )━(▽^ )━(^▽^)━ !!!!!
裏階段さんの兄貴、カッコイイ!
ライバル・・・兄貴のライバルが桑原・・・何か笑えるな
>314
確かに(w 「首を洗って待ってろ」見たかったかも。
裏階段さん、キタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)人(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━!!!
兄貴、アニメ最終回出演おめ!
i i / , ‐ 、 、、 \ ヽ、
. ! .i / / / / , ヽ,r‐、 ヽ、 ヽ、 '、
l ! i ! / / / /! ,.、 ヽ '、 ヾ'、',
| | ! l! .i l i /lルヘ小 l. i l !|
| l! i l i l| ! / l .! l l l |. | l l!
| ,' ヽl、! l | l | l l | l ノ | ./! l! ,! !
jl.!ト`'! ,ト、l、| ヽハ |- 、ヽト、! _,,、‐'jノ_」. ,'} ,/
_/:l! ','、_レ' \r t‐tテ‐、 `Y==f-ァテフ | /ノ'′
:;:;:;:;ll ト、_ ヽ. ! `''"´′ ノー‐!、  ̄ ,/'゙:;:ヽ、
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あぼーん
あぼーん
ヘタレ兄貴ハァハァ(;´Д`)
俺もアキラと供に壊れてみたいハァハァ(;´Д`)
それに縋る事にした。っていう兄貴にハァハァ(;´Д`)
裏階段兄貴の人間臭いとこが好きだ。
アニメ最後の最後までジジィとカプールだったな(w
新章で早く登場して欲しい!
321 :
夢見る名無しさん:03/03/30 13:14
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マチガエタ。
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おお、懐かしいな。
エイプリルフール保守!
午前中の宿のロビーで煙草を吸っているとそこに進藤も休憩にやって来た。
小さな温泉街を見下ろすかたちになる山の中腹にある会場のホテルで、
ほぼ壁の全面が窓になっている外は初夏の若緑色の光で溢れていた。
その光に包まれている向い側のソファーに進藤は腰掛け、大きな欠伸をひとつつく。
頬と前髪を柔らかく光が照らす。進藤にはやはり陽の光がよく似合う。
「すげー、良い眺め。いい旅館だよね、ここ。へえ、遠くに海も見える…」
深く背もたれに体を預けて伸びをする。
夕べの記憶は彼の中に残っていない。酷使された肉体の痛みも若い回復力でどうとでも
なるらしい。彼にとってそれは大した事ではないのだろう。
朝、目を覚ました時進藤の姿はなかった。自分の部屋に戻り、着替えて
他の棋士らと宿の大広間で朝食を平らげたらしい。
「アキラくんは碁に関する仕事ではスーツを着用するのを心掛けているんだがな。」
進藤はいつまでたってもGパンにシャツやパーカーといったラフな格好のままだ。
もちろん棋士全員がいつも堅苦しい服装の訳ではないが、低段位者が囲碁以外で
自分を主張しようとしていると受け取られかねない。
ただひと頃のような派手なデザインや彩色のものはさすがに控えるようになったようだ。
大人しい子供が多い中で場所をわきまえず大声を出したり動き回っていた姿を思うと
今時の若者にしては十分落ち着いている方なのだろう。だがどうしてもアキラを基準にして
見てしまう。
「格好じゃないやい、中身だ。」
と進藤は豪語する。
そんな進藤に眉を潜める古参の棋士らもいるが、今や進藤が塔矢アキラと並ぶ
若手の最注目株である事は誰もが認めつつあった。
あるいはそれ以上の、という声を漏す者もいる。
それはアキラが幾分完成された独自の打ち筋を持つのに対し進藤はまだまだ
対局によって大きく変化し、時としてとんでもない大敗を食らう事があったが
それだけまだ伸びる余地と可能性を持っていると想起させた。
進藤にもその自覚があるのだろう。
自分にはまだ足りないものがあると。
その何かに辿り着く間では、格好とかその他の雑事に気を向ける余裕がないという感じだった。
仕事自体は夕方には終わる。進藤らはバスで最寄りの駅まで移動し、それぞれの帰路につく。
「…進藤、」
温かい日差しに短い休憩時間でもうとうとし始めた彼に呼び掛けた。
進藤が眠たそうに半分閉じた目蓋で顔を上げた。
「ん…?なに?」
「この仕事の後、…時間あるか。」
しばらく進藤はぼんやりとオレを見つめ、こくりと頷いた。
進藤はまだオレが進藤とsaiを同一人物だと確信している事を知らない。
アキラがそう感じている事は気付いているようだったが、彼等の間でその話はもう
交わされていないらしい。
正確にはアキラは進藤とsaiの識別を放棄した。そうすれば楽になると信じたのだ。
それは先生にも言えた。
進藤の中にsaiと共通する印象を持ちながらあえてそれに目を閉じ、
ただひたすら先生はsaiとの再会を静かに待ち、saiのために以前にも増して日々碁に対する
精進を重ねている。
日増しに追い上げて来る進藤の棋士としての実力がsaiの面影と完全に重なる日を待ちながら。
先生が帰国した僅かの合間を縫って、時おり進藤と会い、碁を打っているという話を
何かの拍子にアキラから聞かされた事があった。
「…それは本当なのか」
その時アキラはこちらの微妙な声色の変化を感じ取って一瞬怯えた。
「別に…隠していた訳では…。父も進藤も、特にその話をボクにしなかったので…」
その時感じたものは言葉ではうまく説明できない。
オレとアキラと同様に、先生もまた進藤を意識の中に捉えているとはっきりわかったのは
プロ合格を決めた進藤との対局を条件に新初段シリーズに出る事を決めた事からだった。
当時先生のスケジュールは多忙を極めていた。
僅かでも時間が空けば休養をとることを誰もが勧めていた。それをあえて進藤のために
自らが腰を上げて出向いたのだ。
先生がそこまで進藤に興味を持ったのもやはりアキラの挙動があったからだろう。
プロ試験の終盤、アキラが熱心にとあるプロ試験を受ける越智と言う院生のトップの少年の
家に指導碁のために通っているらしいと聞いたが、それが進藤を意識しての行動である事は
すぐにわかった。
だがアキラにとっての最大の関心事は進藤が合格するかというより進藤の本当の実力だった。
少なくとも進藤が対戦する相手の中で最も最強と思える者の戦力を更に増強させる事で
アキラなりの関門を設置したわけだ。
それを進藤が超えられなければアキラにとって再び心静かな安堵の日々が、そしてとてつもなく
退屈な日々が戻って来る事が約束されることを意味していた。
その日、進藤がその関門を抜けた日はアキラがいつになく激しかったのでよく覚えている。
「…来る…」
ぽつりとアキラが呟いた。
「…何か言ったか…?」
当然のようにアキラは答えず黙って首を横に振る。
何度目かの熱を代りにアキラに与える。それがアキラの期待するものの足下くらいには
及ぶものかどうかはわからなかったが。
設定した関門が突破されたのなら更なる難関を設置したくなるなるものである。
逆コミというハンデを背負っての進藤との戦いに名乗りをあげたのは、先生が自らその関門を
かって出てたようにも思えた。
「アキラくんのためですか?」
棋院のエレベーターで先生と2人で乗り合わせた時に何気なく尋ねてみた。すると先生は
静かに笑い、答えた。
「…いや、もしかしたら…あの子には恨まれるかもしれん。」
オレとしてはようやく桑原との一戦から精神的な落ち着きを取り戻し、流れ的に誰もが予想した
結果を覆して若手の覇者倉田を叩き潰してやった直後だっただけに、気持ち的に余裕があった。
アキラが進藤のプロ試験の件でピリピリしているのを面白く見させてもらった部分がある。
人が気負ったり焦ったりするのを目の当たりにすると反作用として周囲は冷めてしまうものだ。
ただ先生のその言葉が気になって、その日、新初段シリーズが行われる日本棋院会館に
自然足が向いた。
冷えた張り詰めた外気の中に空のどこか遠くで降る雪の細やかな欠片が混じる日だった。
裏階段さん、キタ━━━━(Д゚(○=(゚∀゚)=○)Д゚)━━━━━ !!!!!
今週はジャンピの休載のせいか、小説が心に染みます。
過去と現在に交差する兄貴の心情に(;´Д`)ハァハァ
エイプリールUP(w 保守してくださる方、いつもありがとうございます。
>316
サンクスです!カッコ良いですねこのAA緒方!
あと何やら来ていたようですが削除以来をして下さった方、削除人さんありがとうございます。
この板は本当に対処が素早いようですね。
>320
スレタイトルの由来は別のことろにあったのですが確かに今の緒方に似合う曲かもしれません。
翼の折れたエンジェルとか。
以来ではなく依頼でした…
>331
どうもです。休載、本当に多いですね。単行本のためでしょうか。
オリジナルポスターとかつけて欲しいです。隅っこでいいので緒方入りのやつ。
>>333 来月発売の赤マルジャンプのヒカルの碁ポスターに
兄貴も大きく写っていて欲しいもんです(ノ´∀`*)