337 :
名無しさん@1周年:
そして少女は今夜も語り出す。
それは偉大なる少年が犯したという不思議な少年犯罪を、一人の少女が一生懸命考えるという物語。
それは一人の少女が作り出した空想の物語。
少女は仲の良い友達に囲まれ、優しいコテハンと共に暮らし、そしてほのかな恋をしている…。
皆が明るく、前向きに、そして幸せに生きている。
そこは決してネガティブな感情が生まれることのない、優しく暖かな世界。
それが少女の望んだ世界だった。
そこにいる限り、少女は幸せでいることができる。
そこにいる限り、少女は過酷な現実を直視せずに済むことができる。
「そしたらクソちゃんがね…」
シチューをゆっくりと食べながら、少女は自ら作り上げた世界について嬉しそうに語り続ける。
私はそんな少女の笑顔にどうしようもない痛々しさを感じながらも、少女の語る架空の物語に耳を傾けていた…。