北海道旭川市の市立中学校で男子生徒らが女子生徒に暴行を繰り返した事件で、
被害者(19)と両親が「事件は教諭ら学校側が安全配慮義務を怠った結果」として、
国家賠償法に基づき旭川市と北海道に総額約四千四百三十万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が三十日、旭川地裁であった。
斉木教朗裁判長は「学校が加害男子生徒の指導を徹底すれば、女生徒が悲惨な性暴力にさらされることはなかった」として、
旭川市と北海道に計二百万円の支払いを命じた。
訴状によると、中学一年当時から始まった男子生徒らの被害者に対する性的嫌がらせは次第にエスカレートし、
中学三年時の一九九六年には、男子生徒十人に校内のトイレで暴行などを受けた。担任教諭らは、
女子生徒から被害の相談を少なくとも三回受けたほか、わいせつ行為を目撃したことがあったにもかかわらず、
男子生徒らに適切な指導を怠り、事件後の真相解明を求める被害者側に対し責任逃れに終始した、としている。
男子生徒十人は、旭川家裁により少年院送致や保護観察処分などをすでに受けた。
裁判で女性側は、男子グループによる性的いたずらや性的暴力は在学中の三年間にわたり、
中学三年だった一九九六年十二月には、校内で集団暴行を受けたと主張。担任ら複数の教諭が現場を目撃し、
相談も受けていたのに、学校側は安全配慮義務を怠り、事件後も責任逃れに終始した――と訴えていた。
斉木裁判長は判決で、訴えを全面的に認め、「少なくとも相談を受けた九六年六月の時点で予見は可能だったが、
詳しい事情聴取をせず、指導強化も怠った。女性はこの相談以降、少なくとも六回の暴行を受けた」と学校側の過失を認定。
さらに、集団暴行事件について「教頭は両親に暴行の事実を隠して胸などを触られただけと説明し、
事件が闇(やみ)に葬り去られる危険性もあった。これだけでも重大な違法行為にあたる」と厳しく指摘し、
「前代未聞の悲惨な事件」と断じた。
そのうえで、損害賠償額は一千万円が相当としたが、加害生徒から支払われた示談金八百六十万円を考慮して、
女性には市と北海道が連帯して百七十万円、両親にはそれぞれ十五万円を支払うよう命じた。
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