正当理論-第110回-架け橋
■ヨーロッパで最も有名なスポーツジャーナリスト、ドイツ人マーチン・ヘーゲレ氏の告発
日本が韓国と2002年ワールドカップを争っていた1995年の事だ。訪問した日本でたくさんのプレゼント
(ボールペン、キーホルダー、ワッペン)を貰った。品物には全て「World Cup 2002 in Japan」と印刷されて
いた。同じ招待旅行でも韓国を訪れた記者は、日本とは全く違う物をプレゼントされていた。ボールペンや
キーホルダーのような可愛いプレゼントではない。「高価な品々」「連日のパーティー」「酒」そして「女性」まで
用意されていた!全ては招致活動を指揮していた鄭夢準の指示だった。彼らはこうやって海外記者の歓心を
買おうとしたのだった。
私はこういう汚い手段を徹底的に憎む。ジャーナリストに対する行為で、最も卑劣な事だ。アルコールで
酔わせ、女性を提供した事実で相手を脅迫する。
私が長年、アジア・サッカー界で最も権力を持つ人物を国際的メディアで批判し続けてきたのも、これが
理由だ。鄭夢準はこういう事があったので、私をソウルでのワールドカップ開催式とFIFA総会から閉め出
そうとした。彼はフランツ・ベッケンバウワーとDFB(ドイツサッカー連盟)会長に、私の取材を禁止するように
要請する書簡を送った。
しかし、ベッケン・バウワー氏もDFB会長もこれを断った。逆に、鄭夢準に警告を送ったのだが、私としては
彼との対決はむしろ望む所でもあった。鄭夢準の行為を公衆の下に晒す事が出来たからだ。