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急増している少年の横領犯については、多くを自転車盗・バイク盗が占めていると
言われますが、これも交通弱者の生活必需品である自転車や、高級自転車・バイクの
パーツを狙った悪質な犯行であり、微罪と看過できません。少年層一般にわたる広範な
規範意識の低下が憂慮されます。
警察の捜査方針変更や認知件数の急増などによる暗数の顕在化を示すデータは存在せず、
警察官は犯人を逮捕するまで少年か成人かを知ることはできないので恣意的・選択的な
捜査は不可能であり、近年の少年犯罪の増加・凶悪化は明白な上にも明白です。
長期的に見ても、終戦直後の混乱期であり少年犯罪の増加もやむをえなかったといえる
昭和20年代初頭の水準にくらべ、刑法犯少年人口比は倍増しているのです。
近年の著しい検挙率低下を考慮すると、かろうじて検挙率を維持している殺人以外の
少年犯罪の実数はさらに大きいものと推定されます。これについて同時期にあった
警察の捜査方針変更による見かけ上のものとする、直接の証拠は何もありません。
また認知件数の増大が従来隠蔽されてきた犯罪の露呈によるもので実数の変化はない
とする直接の証拠もありません。むしろ一般刑法犯認知件数の増大に比べて顕在化
しやすい暴力的9罪種の認知件数が増大していることを考えると、実数の増大は明白です。
http://www.moj.go.jp/HOUSO/2002/images/z06.jpg 刑法犯の少年人口比が成人人口比の5倍にまで達している現状を考慮すると、
認知されているが検挙されていないこれら暴力的9罪種の80%以上が少年の犯行と
推定されます。これは少年犯罪の凶悪化を示す有力な数字です。これを補正値とすると
平成13年の少年による暴力的9罪種の推定犯行実数は最低でも15万人以上と考えられ、
質的な凶悪化も戦後最高水準に達していることは確実なのです。
http://www.moj.go.jp/HOUSO/2002/images/z07.jpg