少年犯罪者ドラマ製作委員会 第二章(sage奨励)
西暦200X年。日本では死刑制度が廃止され、代わりに追放刑という制度が生まれた。
これは更正の可能性の低い犯罪者を、ワームホールの向こうにある惑星に送り込み、現実社会から永遠に切り離してしまう制度である。
ワームホールの彼方に送り込まれた犯罪者達がその惑星で見たものは・・・・・・
なぜか日本語を喋る猫型異星人モナー族の支配する世界だった。
【主な登場人物】
サッキー(酒鬼薔薇) ・ ネオむぎ茶 ・ ネバダ ・ 桃寿 ・ 麻原 ・ 上祐 ・ アーチャリー
その他
前スレ
少年犯罪者ドラマ製作委員会
http://tmp4.2ch.net/test/read.cgi/youth/1093333247/ まとめサイト
http://www.hamq.jp/i.cfm?i=calaku この物語は実在する犯罪者の名前を当てはめたリレー式ドリーム小説です。したがって、実在の犯罪者とは性格はまったく異なるものと思ってください。
なお新たなる書き手も募集中です。我こそはと思う人は、この話の続き、または番外編を書き込んでください。
ただし、書き込むときは先に書いた人の設定に従って下さい。
※ネタスレですので、書き込むときはsageでお願いします。
乙です。
3 :
少年法により名無し:04/10/30 00:39:49
終了しました
4 :
少年法により名無し:04/10/30 00:48:42
4?
続きキボン
6 :
少年法により名無し:04/10/30 01:01:14
オナニースレ建てんなカス
マジメにやる気無いなら他スレでやれ
7 :
少年法により名無し:04/10/30 01:05:28
性格が実際とは異なるならわざわざ犯罪者にする必要無いね。
他板でやれば?
バトロワも今回のも好きだよ。応援してます。
10 :
少年法により名無し:04/10/30 01:20:45
>>10 今更なにを言ってるのかと思って
前からこういうのはあるのにw
13 :
少年法により名無し:04/10/30 16:48:23
age
>>1さん。スレ立てお疲れ様です。
せっかく立ててもらったのに、多忙のためすぐに書けません。
明日の夜あたりに続きを書きます。
今まとめサイト見てます
おもしろい
応援
>>15>>16 応援ありがとうございます。
前スレが思ったより早く落ちましたが、ストーリーはすべてまとめサイトに収録しました。
桃寿「なぜ? なぜ地球に帰りたくないの?」
B介「君は帰りたいと思うかい?」
桃寿「え?」
質問に質問で返され、桃寿は一瞬戸惑った。
桃寿「あたりまえじゃない。こんなエアコンも無い、車も無い、テレビもインターネットもシャワーもない世界なんかまっぴらだわ!!」
B介「本当にそう思う? じゃあ君は地球にいて幸せだった?」
桃寿「そ・・・・・・それは・・・・・・」
日本での生活は便利だったが、けっして幸せではなかった。
幸せでなかったからこそ、こんなことになったのではないのか?
B介「地球にいる間、僕はいつも『日常』という名の怪物に抑圧され、もがき苦しんでいた。
『日常』を吹き飛ばしたくて、鉄パイプ爆弾を作ったけど、そんなものでどうにかできるほど日常は甘くなかった」
桃寿「いったい何を・・・・・」・・・・・言っているの? と言いかけた口がその動きを止めた。
抽象的ではあるが、彼の言っていることがなぜか理解できたのだ。
B介「正直言って、僕はなんで爆弾なんか作ったのか。自分でも分からなかった。
だけど、この惑星に来てそれが分かったのさ。僕が本当に爆弾で破壊したかったのは、人でも物でもない。
日常を破壊したかったんだ。僕を縛り付ける世の中の仕組みをぶち壊したかったんだ」
桃寿「・・・・・」
B介「この惑星での生活は決して楽ではない。でも、ここには地球にないものがある」
桃寿「何が・・・・・・あるって言うの? こんな惑星に・・・・・・」
B介「生きている実感・・・・・・」
桃寿「え?」
B介「この惑星にいるとね、生きているという確かな手ごたえがあるんだよ。君はどうだい?」
桃寿「私は・・・・・・」
B介「この惑星に来てからも、一度でもリスカカットをやったかい」
桃寿「!!」
やっていなかった。地球にいるときは病気のようにやめられなかった自傷行為。なのにここへ来てからはまったくやる気にならない。
B介「余計なことを言ってごめん。とにかく、僕はこの惑星が好きになってしまった。もう二度と地球なんか帰りたくない。だがら、僕はこの仕事が終わったら、国王にお願いして滞在許可をもらおうと思っている」
続きキタ━(゚∀゚)━!!!
桃寿「まあ、だいたいの事情は分かったわ。どの道私は地球には帰れないし、かといってこれ以上わけの分からない世界に送られるよりもここの方がずっとましよ。
で、国王を救出する具体的な作戦はあるの?」
B介「ある。ここから東に数十キロ行ったところに、盗賊団のアジトがあるんだ。その盗賊団には多数の流刑者が身を寄せている。で、明日ニボシ国から討伐隊が出発するんだ。その中にオームの精鋭達も参加することになっている」
桃寿「警備が手薄になった隙に急襲しようというのね」
B介「そういう事だ。僕は国王の幽閉されている離宮を襲って、国王を連れ出すので君には逃走用の車を用意して待機していてほしい」
続く。
携帯からは過去ものは
見れないんですか?
面白い!
いつの間にか新スレが!
>>1 新スレ立て乙です!どうもありがとうございます。
>>24 乙です!なんかまとめサイトの方、まかせっきりにしてしまって申し訳ないですorz
続き
そのころ佐竹は、マタタビ国の住民が流刑者にたいして挙げたクレームの処理に追われていた。
国会議事堂内にある会議室に、被害を受けた猫たちを招いて話をきき、まとめて日本政府に報告するためである。
佐竹の隣にナツメがすわり、そのテーブルの前に猫の行列ができた。
猫A「ナツメさま、わたしは反対ですにゃ。ミケ村にすんでいたわたしのいとこ家族は人間に殺されましたにゃ。
どんな理由があろうと一部の人間に居住権を与えることはゆるせないにゃ!」
ナツメ「わかっている。しかし、我らモナ−族は所詮猫の進化系動物だ。力と知恵では人間なんぞに適わぬ。
中には、歩み寄ってくれている人間もいる。その人たちの力を借りるためにも今、こうして案を孝じているのだ。」
佐竹「本当に、申し訳ありません。同じ人間として、お詫びします」
猫A「ふん!いつかでてってもらうからにゃ!」
猫Aは踵を返すと、出口に向かった。
ナツメ「佐竹さん、いつか国民もわかってくれると思います。中にはここに順応していこうとする真面目な人間がいて、
いつかこの国に大きな利益をもたらしてくれるということを」
佐竹「そうだといいのですが・・・・私もはやく、ご迷惑をかけたみなさんに平穏な日々が戻ってくるよう、手を尽くします」
そのとき、佐竹の通信モニターが鳴った。
佐竹「ちょっと、失礼します」
佐竹はモニターをもって、隣の部屋に移る。
佐竹「L斗からだわ・・・・」
佐竹がモニターを起こし、画面を見た。
佐竹「!!!」
なんと、ここに送られた加害者の親達が写っている。その列の前にガムテープでぐるぐる巻きにされたL斗が座らせられていた。
佐竹「L斗!何があったの?」
うつむくL斗の髪をわしづかみにして顔をあげさせた長岡父が言った。
長岡父「おたく、政府の人?この状況見ればなにがおきたかくらいわかるよな?」
佐竹「・・・なるほどね。で、聞くまでには至らないだろうけど条件は何なの?」
長岡父「勿論、息子達の開放と、私達加害者家族が、胸をはって生活できる環境と引き換えだ」
佐竹「ふふ・・子供が子供なら親も親ね。もし、その条件を飲めないといったらどうなるのかしら」
長岡「こいつを殺すさ」
佐竹「あら、そんなことできるのかしら。いくらここでおきたことでも、あなたたちの籍は地球にあるの。
殺人罪に問われるわよ?」
長岡父「ふん、ばかばかしい。こんな死刑まがいのことをしている政府の連中にいわれたくないな」
佐竹「それより、ここまでどんなルートできたの?ま、だいたい察しがつくけどね。どうせえせ人権屋にお願いしたんでしょ?」
萩父「いちいちむかつく女だな!なんだってんだよ!えぇ?!」
佐竹「えせ人権屋のボスの菊田代表に伝えてくれない?桃寿さんはこちらで預からせてもらい、更生させます、とね」
初田母「桃寿までここにおくりこまれてるの?!あの子は若いけど,かなりやり手の幹部だったから、わたしたち加害者側は助かっていたのに!」
佐竹「ええ、ここにきてるわ。あの子には、加害者少年擁護なんていう馬鹿なまねはやめさせるわ。そのせいで自ら他人に殺人を犯させてしまった。でも、ここ何日かで、命に対する価値観が変わってきたみたい。」
佐竹が言うえせ人権屋とは、被害者の苦しみを無視して加害者側に付き、加害少年の擁護を繰り返したり、
ときには被害者を冒涜するといった、節操のない団体である。
かつては桃寿も、殺人という行為に背徳の美学を感じてこの団体にはいり、しまいには自分がその美学にとりつかれたのである。
L斗「どうでもいいけど俺を解放してくれよ!」
萩父「そうだったな。で、どうするんんだ?こいつがどうなってもいいのか?え?」
佐竹「どうにかって・・・どうせ何にもできないくせにどうもこうもないわよ」
長岡父「それはどうかな?」
そう言うと、長岡父は、モニターの前に宅間の死体を引きづってきた。
佐竹「!宅間!L斗、なにをしてるの?!あなたは本当に使えないわね!]
L斗「すいません・・・・」
佐竹「もう、自分でなんとかしなさい!そちらの要求は飲みません!」
なんと、佐竹は一方的に通信を切ってしまった。
L斗「・・・な・・・!」
L斗はまたしてもピンチに陥った。
続く
登場人物多いですね。大変そう。
乙です。
>>32 そうですね。ちと人大杉になってきちゃいました。お掃除するか・・・
続き
長岡父は、宅間を殺害した拳銃をL斗の頭に突きつけた。
L斗「や、やめてくれ・・・・・!」
長岡父「残念だったな。悪く思うなよ。ここでお前を殺し、また新たな獲物を見つけるまでだ」
津久井母「こっちにはねえ、菊田教授と伊藤弁護士が作ってくださった政府の飼い犬犯罪者リストがあるのよ」
梅母「このリストには、あんた以外のもと犯罪者エージェントの名前と顔写真が載ってるの」
L斗「そいつらをかったぱしから人質にしようって魂胆か!」
萩父「そういうことだ。まあ、おまえも前科者ならここでなにされようが自己責任ってやつじゃないのか?」
萩父がそういって笑いかけたそのときだった。
ドフ!!
鈍い音がした。
・・・・・・・・同時に、ドサ!!っと、銃を持った長岡父が倒れる。
L斗「・・・・・・・・・・・・・・?」
全員静まりかえり、何が起こったか分からないといった表情で、倒れた長岡父を見つめている。
すると、倒れた長岡父の胸のあたりから、ドクドクと赤黒い血が大量に流れ出した。
穐山母「きゃあああああああああああ!!!」
穐山母の悲鳴が沈黙を破った。
湊父「なんだ!!長岡さん!!どうしたんだ!!」
しかし、長岡父からは呼吸の音すら聞こえてこない。
湊父「・・・・ひゃあ!しんでる!」
L斗「!!!心臓ぶち抜かれてる!即死状態だ!」
助成陣はみな恐怖で硬直状態だ。
・・・・その時、長岡父が持っていた拳銃をとっさに萩父が拾い上げた。
萩父「ひょっとしたら、こいつの仲間が近くにいるのかもしれない!わたしらもここにいては危ないから、早く殺してずらかろう!」
そういうと、怯える女性たちを尻目に再びL斗のこめかみに銃を押し付ける。
萩父「もと警官をなめるな!」
もうだめだ!と思い、L斗は歯を食いしばった。
パン!!!!
銃声が聞こえ、またしても静寂がおとずれた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
L斗「あれ?」
銃声とともに倒れたのは萩父のほうだった。
初田母「いやあああああああああああ!!」
初田母は大声をだしながらその場を走り去った!
津久井母「は!初田さん!待って!」
その後を津久井母が追いかける。
その二人の前に、一人の青年が立ちはだかった。
初田母「きゃあ!」
津久井母「だ、誰よ!ちょっと!湊さんたちもこっちに来て!」
青年は、無言で初田母の腕を掴んだ。
初田母「はなしてえええ!!誰かたすけてええ!!」
しかし、青年は、手をつかんだまま、踵を返すと歩き始めた。
安食父「初田さん!おい、アレを追いかけるぞ!」
その言葉にみんな我に帰り、青年と初田母の歩くほうに一目散に走り出した。
すると、しばらく行ったところに、自分達が乗ってきたものと同じディスカバリーカプセルがあった。
青年は、ポケットからリモコンをだし、ボタンをおしてカプセルの戸を開けた。
そのなかに驚愕しきった初田母を放り込む。
初田母「?」
青年「お前らも乗れ。全員乗れ。地球に返してやる。」
一瞬全員きょとんとした。しかし、
安食父「なにを言ってるんだ!私達はここに送り込まれた息子を連れ戻すためにわざわざきたんだ!こんなところで引き返せるか!」
青年「気持ちはわかる。でもこの流刑はすでに法で定められたものだから、変えられない。あんたらの子供たちの居場所も教えられない。帰ってくれ」
湊父「だいたいお前はなんなんだ?萩原さんと長岡さんをやったのはおまえだろう!そんなやつの言う事などすなおに聞けると思うかね?!」
青年「だったら力ずくで言う事をきいてもらう。それでもいやだというのなら、さっきのおやじ2人みたくなるかもな」
安食父「ふん、おもしろい!こっちにはこれがある!」
安食父は先ほど萩父がもっていた拳銃を、青年にむけた。
梅母「安食さん!ここはカレにしたがったほうがいいわ!出直しましょう!」
安食「いいや!こっちは人質作戦邪魔された上に同胞二人もやられてるんだ!黙ってられるか!」
そういうと安食父はおもむろに引き金を引こうとした。
しかしつぎの瞬間、青年は腰に巻いたガンベルトからコルトを取り出すと、素早く安食父の心臓めがけて打ち抜いた。
安食父は地面に倒れ、隣に居た梅母は返り血を浴びた。
しかし、コルトの弾は、安食父の心臓を貫き、そのまま真後ろに突っ立っていた湊父の心臓にぶち込まれた。
青年「チッ、手元が狂った・・。」
馬鹿親たちは悲鳴を上げ、当初の目的も忘れてカプセルに乗り込んだ。
カプセルはオートマチックモードに設定されていたので、ドアが閉まるなり、目的地を地球に定め、ものすごい風を巻き起こして浮かび上がった。
そしてそのまま遥か上空に、物凄い速さで消えていった。
青年はカプセルを見送ると、L斗のいる方に歩いてきた。
続く
続きが沢山きてる!筆者さんたちありがとう!
書き手の方は大変でしょうね。乙。
>>40 いえいえこちらこそ読んでもらえてうれしいです。応援カキコしてくださってるみなさん
本当にありがとう!
>>41 乙。書き出すとけっこう楽しいです
続き
L斗はぽかんとした顔で青年をみつめていた。自分が記憶している脳内エージェントリストのなかに
彼は存在していなかった。青年はL斗の目の前まで歩いてきた。
L斗「助けてくれてありがとう。俺はL斗っていいます。えっと・・・・」
D太「俺はD太。エージェントじゃないから知らないだろ」
L斗「流刑者でつか?その割にはいろいろ知ってそうですね」
D太「俺は流刑者でもないよ。前科者だけどね。」
L斗「?」
D太「99年に山口県でモデルガン製造して、さらにそれを本物だって偽って高値で売りつけ
詐欺と銃刀法違反で捕まった17歳っておれ」
L斗「そんな事件あった?きいたことない」
D太「ちょっとは報道されたけど、そのすぐ後に栃木リンチ殺人事件があったから忘れられた」
L斗「そっか、たしかにここに送り込まれる程の事件じゃないね。でもエージェントでもないならなんでここにいるの?」
D太「俺は、詳しくは言えないけど、ま、フリーのハンターみたいなもんだな。チャカ製造の技術を佐竹さんがえらいかってくれて政府に協力してるわけだ。もち、報酬は億単位でね。」
そう言いながらD太はL斗の体につけられていたガムテープをとった。
L斗「ありがとう。億単位かあ。このプロジェクトってそんなに金がかかってるんだね。でも、命の危険にさらされることもあるのにいいの?」
D太「いや、俺は死なない自信がある。お前ら即席素人エージェントよりは100倍も訓練をしているプロだからね。
ちなみにおまえが今持ってるそのライトセーバー製造したのもおれだよ。」
D太はガンベルトに付けたサイドバックから、液体の入ったビンをとりだした。
D太「あーあ、かわいそうに。赤兎馬の足撃たれてるな。この薬ぬればすぐ傷は塞がると思うから塗っとく」
L斗「ああ、頼む。俺も赤兎馬からおちたとき、肩の骨がやられたかも。」
D太はその薬をL斗の肩と腰にも塗った。すると、驚くほどに痛みはすばやく引いた。
L斗「すごい薬だね。ありがとう。でも、これからどうしようかな
宅間は殺されたし、佐竹さんには見放されちゃったし・・・・・・・」
D太「お前が人質になったときに佐竹さんに一方的に通信切られたろ。実はその直後,佐竹さんは
俺に即連絡してきたんだよ。おれはそのときまだカプセルの中にいたんだけど、
丁度、着陸する予定だった砂浜のすぐ近くでおまえが拘束されてるから、助けてやってくれって言われた。
だからおれは上空からロングバレルでお前を殺そうとしてるやつの心臓を狙った。そんで、おれの
乗ってきたカプセルにそのまま奴らをのせて地球に送り返せって言われたからそうしたんだ。
もちろん、おれもXデーを迎えられたら速攻で地球に帰るよ。彼女がまってるしな。」
L斗「そうだったんだ・・・佐竹さんはちゃんと助け舟だしてくれてたんだ」
・・・・・思いつかないので別板逝ってきまつ
その1さん乙です。そうでしたか。あまりむりしないで体お大事に・・・・。
わたしは3日くらい書けません。
サイト更新乙です。
お心遣いありがとうございます。
さて、次はサッキー達の話です。
サッキー「やばそうやな」
空はドンヨリと曇っていた。今にも、雨が降りそうだ。
ネオ「バッテリーが残っているうちにエンジンを止めよう。このまま雨が降って来たら、ちょっとまずいことになるぞ」
サッキー「そやな」
船の両側で回転していた外輪が停止する。それでも、ゆっくりではあるが船は進んでいた。船は一時間前に湖を抜けて、内海に繋がる川に入っていたのだ。
エンジンを停止してから10分もしないうちに雨がポツポツと降り出した。ほどなくしてそれは豪雨となる。
ネバダ「やだ! 水が入ってきたよ!」
キャビンへの浸水が始まった。
R子(仮称)「ヒエエ! あたしゃ泳げないんだよ!」
ネバダ「だったらなんで船なんか乗るのよ! ミーシャ市に残ればよかったじゃないの!」
R子(仮称)「五月蝿いね! あたしの勝手だろ!」
ネバダ「どうでもいいけど、ボサッとしてないで掻い出し手伝いなよ!!」
バケツを手にネバダは叫ぶ。
R子(仮称)「うるさいね!! やってるよ!!」
雨は六時間降り続いた。
最初のうちは排水ポンプも使って処理していたが、一時間でバッテリーは空になり、その後はひたすら手作業で掻い出しを続けていたため、雨が止んだときには四人と一匹はすっかりグロッキーになっていた。
そして、翌朝。
パイ「大変ですにゃ!! 食料が空ですにゃ!!」
サッキー「なんやて?」
浸水騒ぎの時に、甲板に置いてあった干し魚や穀物(麦によく似ている)の入った袋が水中に落ちてしまっていた。
ネバダ「まだ船室に干し魚の袋が一つ残っているよ」
船室の扉を開いた。
R子(仮称)「ん? なに騒いでんの? モグモグ」
袋はすでに空になっていた。
R子(仮称)「たくもう!! なんであたしが一人で買出しに行かなきゃならないんだよ」
ブツブツ文句を垂れながら、森の中の道を歩いていた。この道は船着場から町へと続いている一本道だ。数分前、『食料を手に入れるまで戻ってくるな!!』と言われ船から追い出されたのである。金貨三枚を持たされて・・・・・・
R子(仮称)「このままどっか行っちゃおうかな」
実は三人がそれを期待していたのだが・・・・・・
食料の調達なら船着場の店でもできたのだが、わざわざR子(仮称)を町まで行かせたのはそのまま置き去りにしようという目論見があったのである。
ネバダ「ええ!? これだけしかないの?」
船着場の店にあった食料は精々二食分だった。
サッキー「これやったら次の町まで持たんで。それに偉く高くないか?」
店員猫「しかないにゃ。あんた達人間が暴れるから流通が滞っているにゃ」
ネオ「ここにも、流刑者が来ていたのか。こりゃR子(仮称)が帰ってくるのを待つしかないな」
ネバダ「ええ! せっかく、置き去りにしようと思ったのに」
サッキー「で、暴れていた人間達はどこに行ったんや?」
店員猫「町にいるにゃ」
サッキー「R子(仮称)にトランシーバーは?」
ネオ「持たせてない」
サッキー「僕らも、行った方がよさそうやな」
ネバダ「えええええぇぇぇ!!」
ネバダが思いっきり不満な声を上げていたころ、町では・・・・・・
_,,......... _,........ 、_ ,. -‐‐ 、 / ミ ミ ヽ
/ 彡 i =ニ _ ミ 、 /⌒i7 / '´ ``ヽ、_ /、 \ \ \ \
/ 彡 ミ ミ. ヽ / -┤/ ミ 、_ヽ / ,::::;:\ \ \ \. ヽ
/ 〃 / ミ 、 ヽヽ } 彡 ' ,|ノ ミ ヽ ,' /::/ `ヽ、 、 ヽ ゙,
i / 〃/〃 i lヽ ヽ 丶゙ i ,! 彡 ' _二、 \ _彡 ヽ | /〃 \\ヽ i
. | 〃 ,ィ// ! l| !ヾ ヽ \│/ 彡/;/ ̄ ``ヽ、 ` Z_ い! i | ,== 、 '",ゝ、 ::!
l / ' == ==ヾヽi !{ 彡::::/ ヽ`、 ニ彡 i | } | ,ィ_ェ :: こニ`ー 、 ::l
ヾ-、 | -ェヶ : ェヶ、 | ,ヘ/ヾ{::::├== 、 ,= 三 ` ヽ\ヽ、ゝ! ′| ー ′! :. ヽ ヽ:. .::l
ヽヽ.| .: : |/ ./ |}:::::| ィ_ァ '┴' ` !:/;:ミミ {ヽ ::::! {_ , ) i :. :. .::i
ヽ.」 {_ ,} l、ノ ヾ‐、! _ |:!'::::::/´ ヽ ::! _ ,. __ ! ::::::::::|
ヽ. __,:_;.__ ! ヽ /゙‐、 ,- へ、 !::::::::リ ヽ ヽ ‐ 二ニフ´ ,イ:::::::::::リ
ト、 ヾ二フ ,イ ヽ ゙-┬┬;‐テ′ ,イ::::::/ .ヾ: \ /│:::::::〃
| \ /│ 〉、 ` 三‐´ /│ヾ、_ ヾ :: ト、 / !:::::::/
|  ̄ ̄ │ /{7!\__,/ ヽ ``ヾ :|  ̄ ̄ ヾ、ヽ
小林「お!! 女がくるぞ」
沼崎「どれどれ。なんだ、ブスだな。俺はパス」
藤村「僕も。ガングロは趣味じゃないね」
,. ―‐=' ̄ ̄`ヽ、
,. ‐′``\ 、 、 ヽ. \
〃::::::::;:: ‐-ミ ミ、 ミ ヽ
i.{:::::::/ i ミ \_ ー ヽ
| i ::/ ヾ 二ニ┤
│}: ト、、 ==! ミ 、__ l
|′i ェ_、 , ェァ\ `ー- ┤ いつでも、だれでも、楽しめる
!ハ| : `ヾ!_,.、ミ| スーパーフリー
! , 、 !ノ::ヽ!
! ` " | 、:::{
ヽ ‐=一 / ヾ!
ヽ // \
ゝ―‐ ' -'′ ヽ
和田「とりあえず、捕まえてみよう。仲間がいるかも知れないし」
遠くから双眼鏡で監視されている事も知らないまま、R子(仮称)は町に向かっていた。
続く
R子ピンチか?!
スーパーフリー♪
その1氏、その2氏、乙。
さて、スーフリも気になりますが、次はユキコのエピソードです。
アーチャリー「嫌じゃ! 嫌じゃ! わらわは疲れている。行きとうない!! だいたい盗賊団程度、わらわが出向くまでもあるまい」
天蓋つきのベッドの上で二十歳になったばかりの女が駄々を捏ねている様子を、数名の男女が困惑の表情を浮かべて見ていた。
上祐「しかし、アーチャリー様。盗賊団とは言え、一国家並みの力を持っています。それに彼らの中には十人近い流刑者もいるという情報が・・・・・・」
アーチャリー「そんなのアーレフ帝国の精鋭だけで十分じゃ!! だいたいお主らは、わらわのタルパに頼り過ぎじゃ!! 盗賊団ごときにもったい無くて使えるか」
上祐「ですが、それではこちらにも犠牲者が・・・・・・」
アーチャリー「戦いに犠牲は付き物じゃ。とにかく、わらわは行かんぞ。それとユキコも駄目じゃ!! 長岡ならよいぞ」
久子「長岡はさっき死にました」
アーチャリー「なら、マット犯の残りを連れて行け。服部と国分も良いぞ。そいつらを全面に押し立てて敵の出方を見てから攻め込めば犠牲も少なくて済むだろう」
久子「あのう・・・・・・マット犯や服部、国分は犠牲のうちに入らないのですか?」
アーチャリー「あたりまえじゃないか」
さも当然のようにアーチャリーは言う。
アーチャリー「あんな一山いくらの流刑者どもなど死んだところで苦しゅうないわ。ただし、ユキコを連れて行くのは許さんぞ。あれはわらわの傍に置いておくのじゃ」
オームの幹部達が出て行った後、ユキコだけが部屋に残った。
アーチャリー「ユキコ。わらわを我侭女だと思っておるじゃろう?」
ユキコ「いえ・・・・・・そんな事は・・・・・・」(思っていますが・・・・・・)
アーチャリー「よいのだ。そういう風に思わせておかないと、あやつらは際限なくわらわに頼ろうとする」
ユキコ「はあ・・・・・・」
アーチャリー「言っておくが、わらわはケチで言っているのではない。おぬしだけには言っておくが、タルパの使用は使役者の生命力を著しく削ぐのじゃ」
ユキコ「なんですって? そのことは・・・・・・」
アーチャリー「他の奴らは知らん。はっきり言って上祐は信用できん。あやつにわらわの弱点は教えられん」
ユキコ「だとすると、『麻原』を毎日のよう出現させていたのでは・・・・・・」
彼らの前に何度も出現した『麻原』もまた、アーチャリーの生み出したタルパだったのである。
アーチャリー「姿を現すぐらいなら問題は無い。だが、タルパを戦闘などに使うと一気に生命力を削り取られるのじゃ。初田と鈴木を始末したときは、一月は寿命が縮んだわい。実際、この惑星に来てから、五年は寿命が縮んだ」
ユキコ「それで・・・・・・」(化粧で誤魔化していたのね)
化粧を落としたアーチャリーの素顔が、三十代を思わせる状態になっていることはユキコしか知らなかった。
アーチャリー「それにこの惑星にはわらわの他にも、タルパの使い手がおる。そやつらとの戦いはなるべく避けたいが、どうしても避けられないときのために力は温存しておかねばならん」
ユキコ「酒鬼薔薇のバモイドですか?」
アーチャリー「そうじゃ。今のところあれの使役者は我に敵対する意志はないようなので、懐柔しようと思っている。だが、それ以外にもタルパの使い手がおる。
その中の一人、リョフの使い手は、よりによって日本政府の手先になりよった。なんとか偽情報を流して政府の手で始末させたが、次回からはこうはいかんだろう」
朝日に照らされるニボシ国の町から三百匹の猫達と数十名の人間達が東に向かって進軍を開始した。
そう様子を双眼鏡で見ていた者達がいた。
桃寿「出発したわ」
B介「決行は夜だ」
続く
なかなか凝ってますね。初めて読みました。
乙です!
>>62 いらっしゃいませ。ゆっくりしていって下さい。
では
>>53の続き
R子(仮称)「ち! しけた町だね」
町の建物はどれも扉が閉められていた。通りには一匹の猫もいない。
と言ってもこの町が無人・・・・・・いや、無猫だというわけではない。建物の中には明らかに猫の気配があった。時折、窓の隙間からR子(仮称)の様子を窺っている猫もいる。
R子(仮称)「たく、なんだい!? あたしがここで何をしたっていうだ? この町でこんな扱い受ける覚えはないぞ」
他の町や村では、こういう扱いを受けるという覚えはあるらしい。
R子(仮称)は一軒の店の前に止まった。
食品を扱っている店である事は看板を見て分かったが、シャッター硬く閉ざされている。
R子(仮称)「おら!! 店を開けろ!!」
ドッカン!! ドッカン!! ゴカキ―ン!!
/ ドッカン
/ / ,,_ ドッカン
━━━━━'), )= ☆ゴガギーン
∧_∧ヽ\ / / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ) 〉 〉_ _ ____ ∧_∧ ∠ おらっ!店をあけろ!
/ ⌒ ̄ / "'''"'| || (`∀´ ) \___________
| | ̄l | |/ / \
. | | | | || | | /\ヽ
| | .| | | へ//| | | |
( | .| ロ|ロ ゙!l''ヽ/,へ \|_ | | |
| .lヽ \ | | ヽ\/ \_ / ( )
| .| 〉 .〉 | | | |
/ / / / | | 〈| | |
/ / / / | | || | |
/ / / / └──┴──┘
シャッターを叩いたが、開く様子はない。
小林「無駄無駄。その店の商品は品切れなんだ」
R子(仮称)が振り返るといつの何か背後に見知らぬ男が立っていた。
小林「小林という者です。貴女は?」
R子(仮称)「あたしはR子(仮称)。品切れってなんでだよ」
小林「そのままの意味です。この町の商品はすべて僕達が買い占めました」
R子(仮称)「買い占めた? かっぱらったの間違えだろ」
小林「ノーノー。略奪なんてそんな野蛮なことはしません。正当な代価を払って譲っていただいたのです」
R子(仮称)「なんでもいいよ。食料はあんたらが持っているって事だろ。分けてくれよ。金なら出すから」
小林「良いですよ。では、僕の後についてきてください」
サッキー達が町に入ったのは、その一時間後のことだった。
ネバダ「ずいぶん静かだね」
ネオ「でも住民がいないわけではないみたいだな」
ネオの視線の先で、窓がピシャ!!と閉められた。
サッキー「人間を怖がっているんやな。先にこの町に来た流刑者達が暴れたんやろう」
和田「暴れたとは人聞きが悪いね」
突然響いた声の方に顔を向けると四人の男達が立っていた。それに混じって R子(仮称)の姿がある。
サッキー「誰や?」
和田「和田という者です。酒鬼薔薇君とは言うのは君ですか?」
サッキー「そや。なんぞ用か?」
和田「君達だけですか? 他に仲間は?」
サッキー「おれへんで。僕らだけや」
和田はR子(仮称)の方を向き直った。
和田「話が違うじゃないですか。若い女の子はどこですか?」
R子(仮称)「いるだろう。そこに」
ネバダを指差して言う。
ネバダを見てフーバーフリーの面々は一斉に顔をしかめた。
沼先「こりゃ若いっていうじゃなくて幼いだろう」
藤村「『若い』と『幼い』の区別がつかないとは、これだから低学歴は」
ネバダ「ちょっと!! あんたら!! あたいになんか文句あんのかよ!!」
小林「別に君に文句はない。もう帰っていいよ」
ネバダ「なんかムカつく」
和田「とにかくR子(仮称)さん。これでは食料と女の子を交換するという取引に
は到底応じられません。お引取り下さい」
R子(仮称)「バ・・・・・・馬鹿!! ここで、そんな事を言うな!! あたしの立場がなくなるだろう」
手遅れであった。すでにサッキー、ネオ、ネバダの目は、完全に怒りの色に染まっている。
サッキー「どういう事や? 和田はん。僕らに分かるように事情を説明してもらえまへんか」
ネオ「まあ、聞かなくても、だいたいの事情は分かるが」
ネバダ「殺す」
R子(仮称)はサッと和田の背後に隠れた。
和田「いえね。さきほど、R子(仮称)さんが食料を譲ってほしいと来られたのですが、彼女の持っているお金では全然足りないのですよ。しかし、貴方達もこれからの旅に食料が必要でしょう。
ですから女の子を紹介して頂けるなら、この金額でお譲りしますということになっていたのですよ」
ネオ「ようするにネバダを売り飛ばそうとしたわけか」
R子(仮称)「めっそうない!! あたしはただネバちゃんを、こちらの和田さんにご紹介しただけですよ。別に売ったわけでは」
ネバダ「じゃあなんで隠れるのよ」
R子(仮称)「いや・・・・・・その・・・・・・なんか誤解されているみたいなので」
サッキー「ちょい待ちいな。和田はん。R子(仮称)にはモナー金貨三枚を持たせたはずやで。金貨一枚で干し魚の大袋三つと交換できるはずや」
藤村「インフレという言葉を知らないのかね。君達は。これだから低学歴は」
ネバダ「インフレぐらい小学生だって知ってるよ」
ネオ「単にあんたらが食料を独り占めして勝手に値段を吊り上げているだけだろ」
和田「まあ、そういうことかな」
サッキー「人のことさっきから低学歴と馬鹿にしてはるけど、あんたらこそ大学出てて独占禁止法も知らんのかい。ここは地球やないけど、モナー族の国にも似たような法律はあるで」
和田「ナンセンス!! なんで人間である僕達が猫ごときの法律に従わなきゃならないのか? いや、そんな必要はない」
ネバダ「なに言ってんのよ!! ここはモナー族の国よ」
和田「僕達が来るまではね。でも、今ここは僕達が支配する国さ。分かるかい? ここでは僕達が法律なんだよ」
つづく。
スーフリキタ━(゚∀゚)━!!!
「きみ和田さんの好みだよ」って台詞はまだでてこないか・・・。だめだろうなネバダとR子じゃw
乙です。
>>45 続き
L斗が胸をなでおろしたそのとき、通信機が鳴った。
L斗「はい」
佐竹「L斗、突然で悪いけど、今回のことであなたに処分が下ったわ。」
L斗「・・・・え・・・?処分って?」
佐竹「あなたはエージェントとしての自覚がなさ過ぎる。今回の失態は、あなたがきちんと流刑者探知機を確認して、用心していれば防げたのよ」
L斗「すみません・・・おれ、松田が死んで・・・」
佐竹「その上公私混同するし、秘密ごともぺらぺら喋りまくるし、あたしはいつもあなたの尻拭いにおわれているのよ」
L斗「すみません・・・それで、処分って・・・おれ、死刑になるんですか・・・」
佐竹「いいえ、あなたからは一切の武器等をとりあげ、一流刑者として扱います。」
L斗「そんな・・・じゃあもう地球に帰れる話しはチャラなんですか?」
佐竹「そういうことになるわね。わたしとの連絡もこれが最後よ。」
L斗「・・・もう一度、チャンスをもらえませんか?」
佐竹「もう上が決めたことよ。いまさらどうにもならないわ。」
L斗「・・・・・・・・」
佐竹「早くこの星に順応し、普通に暮らしていけるようになればいいわね。それじゃ・・・」
佐竹は通信を切る。
L斗はショックのあまり、しばらく呆然と立ち尽くしていた。
続く
続きたくさんキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!!!!!!!!!
もっと気のきいた感想言えたらいいんだけど
乙としかいえない。いつも応援してます。
>>73 いいえ、いつも読んでくださって本当に嬉しいですよ。乙です。
もし、入れて欲しい犯罪者とかいたらリクエストしてくれてもいいですし。
D太「L斗、武器と赤兎馬をもらうぞ。安心しろよ。ここからしばらく戻ったところにミケ村って村があるから送ってってやるよ」
L斗はしばらく黙っていたが、おとなしく武器と通信機をD太に渡した。
D太「さんきゅ。佐竹さんに返しとく。」
D太は、通信機の場所がわかるようになっている探知機の設定を切った。これでもう、佐竹からは、L斗の居場所はわからない。
L斗「これでもう、おれは地球に帰れないんだね・・・・。こんなことなら、エージェントの仕事なんて引き受けないで、地球で肩身の狭い思いで生きていくほうがましだった」
D太「・・・・・・・・・・・・」
L斗「・・・だいたい、おれのせいじゃないんだ!あいつが中学の時におれをいじめたからこうなったんだよ!!なのに・・・」
D太「・・・おまえなにいってんの?」
L斗「・・・?」
気がつくと、なんとD太が銃口をこちらに向けている!
L斗「・・!!」
D太「はあ。これだからガキは嫌なんだ。人を殺すのにいちいち理由つけて自分を正当化しやがってよ!」
L斗「ちょ、ちょっと待ってよ!」
D太「おれはてめえらみたいな殺人クソガキが大嫌いなんだよ!あほか?殺せばネットで英雄にでもなれるとか思ってんだろ!」
D太の目のいろは明らかに変わっていた。
L斗「や、やめろ!なにか気に障ったなら謝るから!」
D太「この際だから教えてやるよ。おれは政府に協力するふりをしながら、クソガキを見つけ次第始末する気でここにきた。」
L斗「・・・・なんだって?お金が欲しいからじゃなかったのか?それに君だって犯罪者だろ?」
D太「おまえら人殺しと一緒にするな。おれがどうしてこんなことしてるのか教えてやるよ。」
D太は拳銃をおろした。
D太「おれには弟がいた。弟は15歳のときにクラスのいじめっ子どもに殴り殺されたんだよ。
そいつらは保護観察処分になり、今はのうのうと人生をエンジョイしてんのさ。
おれの両親は何もしてくれなかった学校と、加害者どもの親を相手取り、民事裁判をおこしたけど、
慰謝料すらはらってもらえない。金のかかる裁判を繰り返していくうちに、おれんちの家計は火の車になった。
母親はストレスで倒れたけど、病院には連れていけなかった。お金もないし、なにしろ世間からの目が冷たかったから。」
D太は下をむいたままはなしを続けた。
D太「そんな時、チャカの偽造詐欺を思いついて、金を稼ごうと思ったんだよ。当時高校生だった短絡的思考で、あえなくおれも逮捕されたけどなw」
L斗「だ、だったらそいつらに言ってくれよ!おれは確かに人殺しだよ!相手に復讐しようとしてこうなったんだ。糾弾されてもしょうがない。でもきみだって同じだろ?!復讐でやってるんだろ?!」
・・・・それを聞いてD太はしばらく黙り込んだ。
確かにそうだ。L斗とD太は同じだった。L斗は、D太の弟と同じく、ひどいいじめにあっていたのも事実だった。
D太は拳銃をしまった。
D太「そうだな・・・。悪かった。冷静になって考えてみたらそうだな。」
L斗「だ、だろ?!俺なんかに言われたくないかもしれないけど、そんな血で血を洗うようなやり方、あとで激しく後悔するよ!」
D太「後悔したっていいんだよ。おれはどうしても許せないんだ。なんの罪もない人間を殺した人間が生きているということがどうしても我慢できない。」
L斗「そこできみがそいつらを殺したら、そいつらと同じになるよ。俺もそうだけど」
D太「いや、ちがう。おれは、罪のない人間を殺しておきながら償いもせず、のうのうと生きている悪人を始末したいって言ってるだけだ。」
L斗「それはそうだけど・・・」
D太「おれはもう決めたんだよ。だいたい、流刑者に認定されたようなやつは、実際人権も認められないような鬼畜ばっかりだ。
ここで鬼畜どもを始末できれば、政府には「任務遂行妨害されたのでやむをえなく殺害」とでも報告しておけばいいし。」
L斗「・・・止めたいけど、意志は固そうだね。」
D太「おまえ、おれに協力しないか?」
L斗「なんだって?」
D太「もし協力してくれるんなら、地球に帰る件、佐竹さんにもう一度掛け合ってやってもいいけど?」
L斗は考えた。確かに地球には帰りたい。しかし、なかにはこの星になじんでうまくやっていこうとしている流刑者だっているはずだ。
そういうものまで闇討ちにするようなまねは、はたしていいことなんだろうか?
L斗「もし、断ったら?」
D太「だったら悪いけど死んでもらう。おまえは知りすぎた」
L斗「 (自分からべらべら喋っておきながら・・・・)・・・わかったよ。協力する。」
D太「そうか。命拾いしたな。とりあえず、おれの弟を殺した加害者グループが今日この付近に落ちたと思うんだ。そいつらをさきにやる。」
L斗はほぼ強引に、D太の復讐劇に付き合わされることになった。
ちなみにD太の弟のエピソードは、私の妄想ですので。そんな事件一切ありません。
続く
翌朝、L斗が目を覚ましたときには、すでにD太の姿はなかった。しかし、荷物はそのまま残してあった。
L斗「・・・どこいったんだろ・・・トイレかな」
しばらくすると、頭に木の枝や葉っぱをつけたD太が戻ってきた。
L斗「プッなにそのかっこw」
D太「昨日話した、おれの弟を殺したやつら、やっぱりすぐそこの林の中に落ちたみたいだな。
今偵察に行ってきた。やつら8人もいやがんの」
L斗「きみの腕ならそのまま狙いを定めて撃ち殺すこともできただろうに」
D太「やだ。あいつらには苦しんで死んでもらう。弟と同じ苦しみを与えてやるよ。」
L斗「どうすんの?」
D太「そうだなあ。一番いいのはお互いを殺し合わせるのが面白いな」
L斗「そうだね。こっちは2人しかいないし、腕力は適わなそうだ」
D太「第一、汚らしくてあいつらに触りたくないんだよ。」
L斗「なに?潔癖症?」
D太「俺はあいつらみたいに身も心も醜いやつとは話したくもないし目も合わせない」
大河内君事件や川口市いじめ事件の加害者と松田がやりあったとき、D太がいたらさらに恐ろしいことに・・・
と、L斗は思った。
すると、D太の流刑者探知機が発信音を奏でた。
D太「ん?なんだ?この周辺にもう一人接近してきてる。誰だ?」
D太はデータの解析に取りかかった。
L斗「一人なの?危ないな。」
D太「でたでた。えーっと?リストによれば・・・ああ、こいつミュージシャンのO山田じゃん」
L斗「O山田?コーネリアスの?」
L斗は一度、CDショップで流れていた曲を耳にしたことをおもいだした。そのときは、L斗の好きな
ミュージシャンの曲をハードテクノリミックスでカバーしたものが流れていて、サウンド自体はなんとなく気に入っていた。
しかし、某雑誌でひどいいじめを行っていたことを自ら暴露し、ここに送り込まれたのであるw
D太「にやり。こいつを使おう」
L斗「ええ?使うってどうやって?」
D太「うははwwO山田の必殺技を見たいだろ?」
コーネリアスキタ━(゚∀゚)━!!?
その2さん乙です。
中々書きこみにこれなくてすみません。
D太とL斗、いいコンビになりそうですね。
O山田の必殺技が気になります。
ゆっくりでいいですよ。続き。
>>84ありがとうございます。
>>60の続きです。
ニボシ国の首都から、東へ一キロほど離れたところにある小高い丘の上に小さな櫓が立っていた。
櫓の周りは果樹園になっていて、本来は果樹泥棒を見張るために建てられた物であるが、今ここは軍に接収されている。
夜になり、櫓に明かりが点った。その明かりの下で二匹の猫が暇潰しに賭け事をしている。
猫A「それにしても、地球人て凄いにゃ。こんな小さな箱で遠くの猫と会話できるにゃんて」
猫B「いじっちゃダメにゃ! 壊れたら怒られるにゃ」
猫Aに窘められ、猫Bはトランシーバーから手を離した。流刑者に与えられたトランシーバーは一キロくらいしか電波は届かない。しかし、このトランシーバーには中継機としての機能もあった。
アーレフ帝国遠征軍は一キロ置きにこのような中継所を儲けて本国との連絡を保っていたのである。
桃寿「こんばんは」
猫AB「ヒエエ!」
突然、桃寿にのぞきこまれて猫達はあわてふためく。ちなみにこの櫓、桃寿の身長と同じくらいの高さである。
猫A「異常にゃいです」猫B「サボってにゃんかいません」
この二匹は、桃寿をアーレフ帝国の人間が見回りに来たと勘違いした。
桃寿「どうでもいいけど、差し入れよ」
桃寿は包みを差し出した。
猫A「これは、これは、ワザワザ・・・・・・んにゃ?」
猫Aの脳裏に過去の記憶が蘇った。オカカ国遠征のときに宅間と神作がネバダに一服盛られた時に近くのいたのが彼だった。
猫B「何してるにゃ? 早く開くにゃ」
躊躇している猫Aの持っていた包みに猫Bがサッと手を伸ばした。
猫A「待つにゃ!! 開けちゃだめにゃ!! 差し入れがあるなんて話聞いてないにゃ」
遅かった。すでに包みは開かれ中から香ばしい香りが漂ってくる。
猫A「これは!?」猫B「最高級マタタビにゃ」
二匹の猫はたちまちのうちに匂いに酔いしれてしまった。
桃寿「これでよし」
桃寿はトランシーバーの蓋を開けて中に小型爆弾を仕掛けた。爆弾といっても威力は爆竹程度だが、トランシーバーを破壊するにはこれで十分。タイマーを一時間後にセットして桃寿は櫓を離れバギーに乗り込む。
桃寿「一時間後に作戦開始ね」
バギーはB介との邂逅予定地点へひた走った。
続く。
また、しばらく書けません。
サイトの方更新しました。
>>86 その1さん乙です。猫A,Bがかわいいwサイト更新おつです。
続き
しばらくすると、静かに接近してきたO山田の姿がこちらからもはっきり見えるようになってきた。
O山田はこんな状況にも関わらず、ニットキャップをかぶり、ブランドの靴をはいたままうろうろしている。
D太「あいつあほか?遊びに来てんじゃねーんだよwなんだあのかっこ」
D太は茂みの中からその様子を伺い、薄ら笑いを浮かべた。かきねをひとつ隔てた向こう側には、D太の弟殺害犯がたむろし、今後の計画を練っている。
D太はそいつらに気づかれないように、L斗に渡した発信機に合図を送った。
しばらくすると、O山田の前に、赤兎馬に乗ったL斗が現れた。
L斗「どうも」
O山田「お前誰?」
L斗「流刑者です。すでにこの星の住民になってます。あなたもこれからこの星に住むのなら俺たちのアジトに来ませんか?」
O山田「いやだ。おまえあやしすぎ」
L斗「べつに怪しくないです。どうしたら信じてくれますか?」
O山田「俺のいうことに従えば信じてやる」
L斗「スカトロ以外だったらやりますよ?」
O山田「だったら食料よこせ」
L斗「「はいどうぞ」
O山田は警戒心剥き出しの表情を浮かべながら、L斗から差し出された袋を覗き込んだ。
O山田「・・・!!おまえ、どこで手に入れた?」
ふくろのなかには、決してこの星では手に入れることができないカップラーメンやらコンビ二食やらが入っていた。なんと、下のほうにはタバコまで入っている。
O山田「助かった!おれはこの星にきた初日から与えられた非常食食べ尽くしちまってたんだよ!」
L斗がO山田に分けた食料は、D太が本部から定期的に差し入れられるものなので、流刑者は決して口にすることはできない。
L斗「俺達のアジトにくればそんな食料腐るほどありますよ。」
O山田「まじで?」
L斗「まじです。なにげにこの星には地球とおなじようなものがあるんです。あなた以外にここに送り込まれたミュージシャンもいますよ」
O山田「だれがいんの?」
L斗「おざけんとか」
O山田「まじで?!おれおまえんとこに世話になるわ!」
O山田はあっさりL斗に乗せられ、D太弟殺害犯がたむろしている森の入り口まで連れてこられた。
L斗「じゃ、おれ一応リーダーのおざけんに報告してきます。ここまっすぐいけばアジトに入れますんで、同士にあったらこれ見せてください。入団許可書っす。」
L斗はまるっこい包みをO山田に手渡した。
O山田「さんきゅ。じゃああとでな。」
そういうとO山田は歩いていった。
L斗「・・・・あ、もしもしD太?うまくいったよ?こんな幼稚な作戦にひっかかるとは思わなかった。やっぱ流刑者に食料作戦は効くねw」
D太「おk。じゃあおれの出番だなっと♪」
D太はL斗との通信をきると、サイドバックのなかからちいさな手榴弾をとりだした。
この手榴弾は、爆発音が出ないようにD太が改造してある。暗殺目的で作ったものだった。
D太は、ピンを引き抜くと、かきねの向こうに放り投げた。
・・・・・・・・・・
一瞬明るくなるが、全く音は聞こえない。
一方かきねの向こうでは・・・
加害者A「襲撃だ!!!だれかこの近くでおれらをねらってるぞ!!」
加害者8人のうち5人が、D太の放り込んだ手榴弾で爆撃を受け、瀕死の状態になった。
加害者B「犯人さがせ!!」
ちょうどそのとき、なにもしらないO山田が登場し、さらに最悪な事態になった。
加害者A「てめえか?!」
O山田は惨状を理解できずにぽかーんとしていた。
加害者B「おれらの仲間をこんなにしやがって!やっちまえ!」
O山田「おいまてよ!おれはL斗ってやつに誘われてここにきたんだよ!リーダーの小沢に言えばわかる!」
加害者C「はあ?L斗?小沢?なんのことだ?!」
O山田「おい!みろ!これを見せればなかまにしてくれんだろ?!」
O山田はさっきL斗にもらった包みを取り出した。
加害者A「は?なんだそりゃ!あやしいもん持ってきやがって!あけてみろ!」
O山田は包み紙を開いた。
O山田「!!」
なんと中身は、プラスチックの入れ物に入った赤兎馬のふんだった。
続く
わたしも3日くらい書けません。
92 :
少年法により名無し:04/11/13 13:20:58
誰か続きを
おもしろい!
応援書き込み
続ききぼん
>>92-95 ながらく書けませんでした。すまぬ。
続き
加害者A「てめえ!ふざけやがって!このはげおやじ!!」
O山田「ちくしょ〜あのクソガキだましたな!!!」
加害者B「おいじじい!おれらはなあ、高校のときに同級生をぼこって殺してんだよ!てめえみてえなじじいも殺すなんてわけないんだよ!」
O山田「ああ?それがどうした?おれなんて障害者にうんこくわせたことあんだよ!この場を借りてお詫びします(笑)」
加害者C「そんないじめ自慢はいいからはやくやっちまえ!」
3人はO山田に飛びかかった。
O山田はつかさず手に持っていた赤兎場の糞を加害者Aに投げつけた。
加害者A「むぐ!!」
糞は加害者Aのくちにジャストフィットした。
その勢いで後ろによろめいた加害者Aに、すばやくバックドロップを食らわすとO山田は逃げ出した。
かきねのかげからその様子を見ていたD太は大爆笑だ。
D太「最高に笑えるなあっひゃっひゃwww」
L斗「笑ってる場合かよ、まったく・・・・」
D太「だっておまえ、いじめっこが逆にいじめられてんだぞ。いいざまじゃん。精々笑わせてもらおうよあっひゃっひゃww」
D太が爆笑しているあいだに加害者B、CはAをおいてO山田を追った。
D太「おい、おれらもおいかけるぞ」
D太はL斗の腕をつかんで走り出す。
O山田は捕まるまいと懸命に走ったが、どんどん森の奥深くへと迷い込んでしまった。
加害者B「はげ!どこだこのやろー!」
加害者C「みろ!くつのあとがある!この先がとがったギャルソンのくつ、はげが履いてたやつだ!」
2人はくつのあとを追ってゆき、あっさりO山田を追い詰めた。
O山田「わかったわかった!この場を借りてお詫びします。だから助けてくれよ(藁」
加害者B「うっせーこら!」
加害者BとCは、O山田に掴みかかった。
加害者A「そのままおさえてろ!」
いつのまに追ってきたのか、Aも後ろから現れた。
加害者A「てめーよくもやってくれたな!てめーも食え!」
加害者Aは、さきほど自分の口の中にいれられた糞を手掴みで、O山田の口のなかに押し込んだ。
O山田「むぐむぐ(!意外にいける味だ!」
その様子を木の上から伺っていたD太はまたしても大爆笑だ。
L斗「わらってんなよ。おれは気持ち悪くてはきそうだよ。おぇ」
D太「あー、おもしろいもん見せてもらったなwそろそろ始末すッカ」
そういうとD太はコルトをとりだして、O山田の頭を狙い、撃った。
加害者たちはまたしても大騒ぎになる。
加害者B「やべーよ!殺し屋でも近くにいるんじゃねーか?早く逃げようぜ」
加害者A「てめーら、さっきおれがうんこ食わされたとき笑ってたろ!」
加害者C「なにをこんなときに・・・」
加害者B「わ、笑うわけねーだろ?・・・・プッ」
加害者A「てめえ!ぶっ殺すぞ!!」
加害者Aはそこに落ちていた棍棒を拾うと、Bの頭をかちわった。
加害者B「ぎゃあああああああ!!!」
加害者C「なにしてんだよてめー!!」
加害者CとBも、石や棒切れなどを拾ってAに襲いかかる。
D太「始まったな。これでしばらく放置プレーしとけば全滅するだろ。」
L斗「・・・・・・・」
D太「どうした?いくぞ」
L斗「・・・うん」
2人は森を後にした。しばらくしてからD太が探知機を確認すると、流刑者たちの反応は全て消えていた。
乙乙
その2さん乙です。
私も長らく書けなくてすみません。
O山田の必殺わざはやはりそれでしたかw
D太が少しコワいキャラになってますね。
>>86の続きです。
B介「桃寿は上手くやったようだな」
B介が桃寿からの信号をキャッチしたのは、ニボシ国王宮の横に設けられた小屋の中でのこと。小屋の中にはB介の他に中年の女が一人いた。
直子「何か言った?」
B介「いえ・・・・・・なにも」
B介はサッとエージェント専用の通信機をポケットに隠し、机の上に置かれたトランシーバーに目を戻した。このトランシーバーは複数の中継器を通して遠征部隊との連絡に使われているのだ。
直子「B介。あなた、昼間どこに行っていたの?」
B介「え? ちょっと散歩ですが」
桃寿と打ち合わせに行っていたなどとは言えない。
直子「散歩にしては長かったわね」
B介「そうですか」(やべ。マインドコントロールにかかっているフリもそろそろ限界かな・・・・・・)
トランシーバーのコール音が鳴ったのは丁度そのときだった。
直子「こちら本部。遠征部隊どうぞ」
上祐『こちら遠征隊。盗賊団アジトを包囲しました。今のところなんの抵抗もありません。夜明けともに攻撃を開始するとアーチャリー様にお伝えください』
直子「こちら本部。了解」
通信を切った後、直子は話題を蒸し返したりしなかった。
そのまま時間が過ぎる。
定時通信の時間が来た。だが、連絡が来ない。
直子「こちら本部。中継所なにしてんの?」
第一中継所からの返信もない。
直子「中継所で何かあったみたいだわ。私は様子を見に行ってくる。お前はアーチャリー様にこの事を報告しろ」
B介「了解」
B介はテントを抜けアーチャリーの部屋に向かう。背後でモーター音が鳴った。
振りぬくと高橋克也の運転するバギーに直子が飛び乗っていた。
B介「これで現在この町に残っている人間はアーチャリーと僕、そしてユキコだけ」
アーチャリーの部屋をノックするとユキコが顔を出した。
B介「遠征隊との連絡が途絶えましたとアーチャリー様に伝えてください」
これでアーチャリーが幽体離脱して遠征軍の様子を見に行けば、ここで何が起きても分からないだろう。
ユキコ「分かりました」
部屋の奥に戻りかけたユキコの背後からB介は声をかける。
B介「ユキコ」
ユキコ「なんでしょう?」
B介「いや・・・・・・なんでもない。僕はもう行くよ」
ユキコ「はい」
B介は踵を返して走り去った。
B介「すまん。ユキコ」
B介はそのまま離宮へ向かった。離宮の手前でマオゴック・ラムダと落ち合う。
ラムダ「お待ちしてましたにゃ」
B介「それじゃあ行くよ」
B介とラムダは正面から離宮の入り口へ向かう。
衛兵猫A「待つにゃ!! 止まるにゃ!!」
離宮の中から数十匹の猫が飛び出してきた。
ドーン!
B介が放り投げた爆弾が猫達の手前で炸裂。
衛兵猫A「怖いにゃ!!」衛兵猫B「逃げるにゃ!!」
猫達は蜘蛛の子を散らすように逃げ出す。
その隙に離宮の中にB介とラムダは突入した。
離宮の中でも抵抗にあったが、ほとんどの猫は人間の姿を見ただけで逃げ出していく。
ほどなくして国王の部屋にたどり着いた。
国王「ラムダよ。良くぞ助けに来てくれたにゃ」
ラムダ「礼はこちらの方に言ってくださいにゃ」
B介「礼は後でいいです。今は逃げましょう」
一人と二匹は、そのまま離宮の廊下を駆け抜けて外に出た。出たところにバギーが待ち構えている。
桃寿「こっちよ!! 早く乗って」
全員が乗り込むのを確認すると、桃寿はバギーを発進させた。
桃寿「このままどこへ行けばいいのかしら?」
B介「北へ向かってくれ。オカカ国のさらに北にミーシャ市という町がある。そこへニボシ国の国王派が集まっている。うわわわ!!」
突然バギーが停止した。
B介「なんで急に・・・・・・う!!」
バギーの前方には、アーチャリーと麻原が立ち塞がっていた。
続く。
筆者1さん乙カレー。
桃寿たちピンチ!
続き
弟の敵を討つことが出来たD太とL斗は赤兎場にのり、再び海岸へ戻った。
L斗「これからどこに行くの?」
D太「ちょっと、船を手に入れたいんだ」
L斗「船?」
D太「そう。この海を突っ切って、むこうの大陸まで行きたい」
L斗「どうして?」
D太「たぶん、もうこっちの大陸にはクソガキはいないと思う。おれが来る前に、松田ってやつがだいぶ裁いてくれたらしいからな。」
L斗「うん。かれとはしばらく行動を共にしてたよ。死んじゃったけど。」
D太「知ってる。本部から連絡があったよ。本当は松田も俺が始末する予定だったんだけどな。」
L斗は複雑な心境になった。
D太「おいおい、そんな微妙な顔すんなよ。まさか犯罪者に同情してるわけじゃないよなあ?」
友達だと言いかけたが、やめた。
書き手は大変だなぁ。おつかれ
一気に最終回まで読みたい。
>>105-106 読み手さんも乙。
最終回は、たぶんその1さんにおまかせしようかなと、思ってます。わたしもこういうの書いたの初めてで、うまく完結できそうにないんで・・・。
続き
L斗は、今自分がしていることに疑問をもっていた。自分は地球でとある人間の命を奪い、それを償うためにここに来た。
しかし、ここでも同じことのくりかえしになっている。
もちろん、ここに送り込まれた加害者たちに人権はない。流刑という仕打ちは当然であるが、L斗も同じく殺人者なので、
彼らを裁く権利はないような気がする。
D太「どうした?ぼーっとして。もうすぐ船着場につくよ」
L斗「D太は平気なの?こんなに平然と人の命をうばったりして。」
D太「はあ?人じゃねーよ。」
L斗「そりゃあ、被害者の命と加害者の命を同等に考えるのは間違ってると思う。加害者は人権を奪われても仕方ないほどのことをしてると思うよ。でも、こんなことしてたらやつらとやってることは一緒だろ?」
D太「一緒じゃないね。罪のない人の命を面白おかしく奪い、さらに死後も冒涜するようなことと、罪の有るものを必要に応じて殺すのじゃあ、全く違うとおれは思ってる。べつにだれに同意して欲しいなんて思ってないぞ。」
L斗「中には、罪を償おうとしてるやつもいるよ・・・絶対!」
D太「償えばそれでいいのかよ?おまえ、本当の償いがどういうもんなのか知ってんの?」
D太「償いとは・・・・反省・更生していれば自殺せずにはいられない
未だに生きていることは無反省・更生不可能である証拠である
償いは加害者の死と損害賠償金で成立する
加害者の両親、兄弟姉妹及び親戚の方々は加害者を殺す義務がある
損害賠償金を支払う義務がある
加害者を殺すことは簡単にできるはずである、損害賠償金も真面目に働き
生活を切り詰めれば定期的に支払うことはできるはずである
自らの手で殺せないのであれば、第三者に依頼することも可能であり、
賠償金も生命保険での支払いが可能である
加害者を殺せないのであれば、未成年犯罪者の保護者としての責任を
まっとうするという理由で自らに保険をかけて死んで償う選択肢もある
やる気があれば簡単に実行できるのである
実行しない加害者の身内は加害者本人同様、無反省であるといえる
加害者もろとも罵倒糾弾され地獄へ落ちるべきである
・・・・・・・・・・・・・・・ということなんだよ」
109 :
少年法により名無し:04/11/19 01:22:35
続き希望age
凝ってるね。
続き
償い=死というのであれば、当然L斗も死んで償う義務がある。しかし、L斗の場合、動機が動機なだけに、
まだ自分のなかで自分を擁護する余地もなくはなかった。
そう考えると、愉快犯なんかは絶対に死刑にしなければならない。
L斗「おれたちがここに送られてから、けっこう日が経ってるけど、今この星にいる犯罪者は何人くらいなんだろう。」
D太は、流刑者探知機をいじって、のこりの人数を調べた。
D太「最初に比べればかなり少なくなったと思う。向こうの大陸にいるだけで、10にんちょいってとこだな。
でも、さらに新しいやつが送られてくるかもわからん。」
L斗「きみの指名は、凶悪な流刑者を追い出すという名目で、抹殺することだよね。もう凶悪なやつなんていないんじゃないかな?」
D太「いや、おれが個人的に抹殺しなければならないと思ってるやつが一人いるんだ。」
L斗「だれ?」
D太「酒鬼薔薇聖斗」
続く
2,3日かけません。
その2さん乙です。なかなか書きにこれなくてすみません。
このまま行けば、サッキーとD太の対決になりそうですね。早いところスーフリを片付けないと
ところでR子の本名が分かったようですが、もうしばらくはR子のままにして置きます。
>>69の続き
サッキー「話にならんわ。帰ろう」
サッキーの言葉を合図にネオとネバダは踵を返してその場を去りかけた。
和田「待ちたまえ。食料はいらないのかね?」
サッキー「いらんわ。そんな高いもん。よその町で買えばええ」
和田「まあ、待ちたまえ。話によっては食料を分けてもいいのだがね」
サッキーは振り向きもしないで答える。
サッキー「ネバダを寄こせ、というのやったらあかんで」
和田「だから違うって。いくら僕らでもそういう趣味はないので」
サッキー「ほな。どない話があるんや?」
和田「いやなに。僕らの仕事に、少し協力してほしいのだよ」
ネオ「ごめんだね。人殺しの僕らが他人を非難することはできないけど。強姦に手を貸すなんてまっぴらさ」
和田「ノンノンノン。それは高尚な趣味。仕事はそんなことじゃないよ」
三人は立ち止まって振り返った。
ネバダ「どんな仕事?」
和田「僕ら国は、他のグループと抗争中なんだよ。僕らの戦力になってくれないか?」
サッキーは少し考え込んだ。そしておもむろに周囲をも回す。
サッキー「!?」
彼の目は、藪の中からのぞいている筒状の物体を見つけた。
サッキー(なんやあれは?)「少し考えてからでもええか?」
和田「いいとも」
サッキー「ほな。一度、船に戻らせてもらうで」
和田「待ちたまえ。君の恋人を人質に置いてってもらうよ」
ネバダ「え! そんな」
一瞬、ネバダの顔が引きつる。が、和田の視線はネバダに向いていなかった。背後を振り向くとR子の襟を掴む。
R子「あいたた!! なにすんだよ?」
和田「君達が帰ってくるまでR子君は返さないよ」
サッキー「え?」
三人は一瞬、あっけに取られる。
和田は人質の人選を間違えたようだ。
ネバダ「あの女。自分のことをどう説明したのかしら?」
ネオ「まあ、だいたい想像はつくけど」
ネバダ「R子!! 心配しないで!! あたい達があんたを見捨てるとでも思っているの?」
R子「思いっきり思っているよ!!」
ネバダ「やっぱち」
和田「ハハハ!! そんな下手な芝居をしてR子君に人質としての価値がないと思わせても無駄だよ」
ネバダ「いや。芝居じゃないんですけど・・・・・・」
和田「さあ。彼女が惜しかったら、一時間以内に戻って来るんだ。いいね」
『惜しくないからいいです』という言葉が危うく出そうになるのをこらえ、三人は船に引き返していった。
続く
D太vsサッキー(゚∀゚)ワクワク
>R子「思いっきり思っているよ!!」
>ネバダ「やっぱち」
warota
いつも大変でしょうが、ゆっくりでいいので続き楽しみにしてます。
R子萌え
しばらく見ないうちに話進んでる!
乙です。応援してます
応援ありがとうございます。
>>115の続きです。
マタタビ国の地下。佐竹が誰かと通信をしていた。
佐竹「よかった。無事だったんですね。え? 負傷した。どの程度です?」
佐竹はメインディスプレイに視線を移す。そこにはこの惑星の地図が表示され、そのところどころに光点が表示されている。光点の一つ一つが流刑者だ。
佐竹「比較的協力的な流刑者が三名、近くにいます。彼らと連絡を取ってください。ええ。素性を明かしてかまいません」
通信を切った。
サッキー、ネオ、ネバダの三人は船に戻る道を急いでいた。
人質になったR子を一刻も早く救出するため・・・・・・んなわけない!!
R子に人質としての価値がないということに、気づかれる前にとっととトンズラこくつもりなのである。
ネオ「でも、食料はどうしよう?」
サッキー「一食分はあるやろ。次の町まで、なんとかそれで持たさんとな」
程なくして、船着場に着いた。
桟橋でパイが出迎える。
パイ「お帰りなさいにゃ。留守の間にお客様が来てますにゃ」
サッキー「客?」
船室の中にその男はいた。足を怪我しているらしく、ふくろはぎに包帯を巻いている。
年のころは60を過ぎているだろうか。髪にはほとんど白髪になっていた。
その初老の男の周りに二匹の猫がいて男の世話をしていた。
徳田「すまんが、留守の間に上がらせてもらった」
サッキー「だれや?」
徳田「徳田という者だ。以前に、信用金庫に拳銃を持って立てこもった男さ」
ネオ「聞いたことあるな。でも、あの事件は死人が出なかったんじゃないのか?」
徳田「そうだ。この際、包み隠さずに話しておこう。私は流刑者ではない。流刑者に紛れて送り込まれたエージェントの一人だ」
続く。
> 人質になったR子を一刻も早く救出するため・・・・・・んなわけない!!
warota
エージェント!
その1サン乙です。エージェント!
続き
しばらく海沿いを逆に歩くと、小さな稲城小屋みたいなものが見えた。
もちろんモナー星の造りなのでかなり小さい。今にも倒れそうな粗末な小屋だった。
小屋には、桟橋のようなものがあり、一目で船着場だということがわかった。
D太「L斗、おまえはここにいろよ。俺一人で船を調達してくるから」
L斗「なんで?一緒にいくよ」
D太「人間が2人もいったら相手が怖がるだろ?赤兎馬も乗れる質のいい船をてにいれなきゃなんない。
誠意をもってお願いしないと」
L斗「わかった。ここで待ってる」
D太は片手に小さな袋を持って、小屋まで歩いていった。
袋の中にはまたたびとモナー金貨80枚がはいっていて、それを船と交換してもらおうと、
D太が調達しておいたものだ。
D太は小屋の戸を小さくノックした。
しかし返事はない。D太は顔をしかめてもう一度戸をノックした。
またしても返事はない。
D太は少し考えたが、ドアのくぼみにてを掛け、
D太「失礼しまーす」
と、戸を開けた。
なんと、血まみれの猫が2匹倒れている。
D太はあわてて駆け寄った。
D太「おい!大丈夫か?!」
そういって、心臓に耳をあてる。微妙だが、なんとか鼓動は聞き取れた。2匹とも生きているようだ。
D太「L斗!!こっちにきてくれ!!大変なことになってる!!」
L斗が息を切らして小屋に入ってくる。
L斗「・・・・これは!どういうこと?!」
D太「さあ。とにかく手当てが先だ!手伝ってくれ!」
そういうとD太はサイドバックの中から、さきほどL斗と赤兎ばに使った万能薬を取り出した。
D太「ちょっとしみるぞ。」
意識の無い相手に意味の無い問いかけをしながら、万能薬を傷口に塗りこむ。
すると、またしても傷はうそのように治り、2匹とも意識を取り戻した。
D太「気がついたか?よかった・・・」
猫A「あなたが助けてくれたのですかにゃ?」
D太「おれたち船を譲って欲しくてたまたまここをたずねたら、2人とも倒れてたから
ちょっと手当てしただけだよ。」
猫B「ありがとうですにゃ。助けてくれたお礼に一番いい船をあげますにゃ。
その馬ものれるようにゃ。」
D太「いいのか?ありがとう。これ、気持ちだから受け取ってくれ」
D太はまたたびなどが入っている袋を猫Aに渡した。
猫A「いらないにゃ。手当てしてもらっただけで充分にゃ」
D太「いいや、頼むから受け取ってくれ!」
D太は袋を猫Aに強引に握らせた。
D太「それと、一体なにがあったんだ?だれにやられた?」
猫AとBは顔を合わせて身震いした。
猫A「人間に・・・・いや、アノ化け物にやられたにゃ・・・・」
D太「?あの化け物?」
続く
一気に読みました。
化け物?
続き
猫たちは互いに身を寄せ合って震えている。
L斗「化け物ってどんな?」
猫BはL斗のほうに向き直った。
猫B「背格好はきみとおなじくらいにゃ。でも、そいつの顔はこの世のものと思えないくらいに恐ろしかったにゃ」
D太「そいつはなにか言ってたか?なんのためにここに来たとか」
猫B「言ってたにゃ。なんでも向こうの大陸に行きたいから船をよこせ、といってきたにゃ」
D太「それで断ったらこの騒ぎか」
猫A「怪しいし、金も持ってないから断ったにゃ。そしたらいきなり襲いかかってきたにゃ」
D太「・・・・そうか・・・そいつは一体何なんだ?流刑者だったら探知機が反応するはずなんだけど・・・もしかしてほんとうにゴーストか?」
それを聞いて猫たちとL斗は震え上がった。
L斗「そ、そんなわけないじゃん!多分人間だよ。探知機の不調か何かじゃない?」
D太「どうだろうな。でもこんなことするくらいだから、どちにしても有害だな。捕まえたほうがよさそうだ」
そういうと、D太は床に散らかした荷物をまとめた。
D太「俺らもいくぞ。そいつの正体突き止めて佐竹さんに報告しないと。」
猫A「船はこっちに繋いで有りますにゃ」
ねこ達は桟橋にD太達を案内した。
D太「・・・・・・・あの、船ってこれか?」
D太達の目の前に現れたのは、どう見ても遊覧船だった。しかも先端は猫をかたどったつくりになっている。
猫A「この船はこの星で一番いい船にゃ!まだ誰も乗ったことがない、船職人のぼくの力作にゃ!」
自信満万に猫Aが言った。
D太「いや、いくらなんでもこれじゃスピードでないだろ。もっとほかにないのか?」
猫B「もう一隻、モーターボートがあったけど、さっきの化け物が持っていってしまったにゃ」
猫Bはうなだれた。
D太「まあ、いいか・・これ、もらってく」
D太達は船に乗り込んだ。
猫A,B「いってらっしゃいにゃー」
桟橋の先端で猫達が手を振っている。
D太は操縦室に入ると、ハンドルを動かし、船を出した。
D太「L斗、この船はソーラー式だった。よって昼間しか走れない。もし海を横断中にひが沈んだら、近くに陸地があればそこに降りよう」
L斗「わかった。俺は運転できないから任せるよ」
D太「何言ってんだ!お前もこっちにきてナビしろよ!」
L斗「進路くらいわかるでしょ?通信機の機能使えば。」
D太「行った事ないとこにいくんだぞ!間違えるかもしれないだろ」
L斗「はは〜ん。もしかしてD太って方向音痴なんでしょ?」
D太「うるせ!がたがたぬかしてないで早くこっちこいや!」
D太は顔を赤らめて怒鳴りつけ、L斗はニヤついた顔で操縦室にはいって行った。
化け物は人間なの?
D太いいやつっぽいですね。
>>133 (((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル
>>134 一般的な香具師を一人出したかったのでつ。
続き
L斗は、通信機のマップを開いて東がわの大陸に印を付けた。
L斗「このまましばらくまっすぐでイイと思う。そうすると右側に小さい島があるみたいだよ。」
D太「わかった。今日はひとまずそこに降りてみよう。」
しばらくD太は運転に専念した。
D太「・・・・・・・・なんだ?あれ?」
L斗「どうした?」
D太「ほら、なんかいる・・・・」
D太はハンドルを片手に持ったまま、真っ直ぐ先を指差した。
L斗は視力がないので、一生懸命に目を細めてD太が指差す先を見た。
L斗「!なんか水の上に立ってる!・・・・ひとか?!」
D太「L斗、ちょっとハンドルもっててくれ」
L斗「ええ?」
D太「大丈夫、真っ直ぐ持ってるだけでいいから」
D太は強引にL斗にハンドルを預け、床に置いていたかばんから双眼鏡を取り出した。
L斗「どう?なんかわかる?」
D太「・・・・なんだ?ありゃ人間じゃないか・・・」
乙!続き書くの大変でしょうが、最後まで頑張って!
>>136 ありがとう。なんか最近煮詰まってるみたいですね。気を取り直して・・・・
続き
D太は双眼鏡を持ちなおしてもう一度みたが、やはりどうみても人間だった。
L斗「ちょっと。俺も見たいよ」
ハンドルを一方的に押し付けられたL斗が言ったがD太には聞こえていなかった。
D太「・・・なんだあいつ、良く見たら下に沈んだボートの先端の上に立ってるのか。沈んじゃったんだな。」
L斗「見せてよ!」
D太「・・・・ということは、やっぱりあいつがボートを盗んだ化け物だな。なんだ、子供じゃん。」
L斗「もう!貸して!」
D太「おい!なにすんだ!」
L斗は強引に双眼鏡をD太から取り上げた。
L斗「・・・・・・あれは・・・・・」
そう言うとL斗は双眼鏡を落とした。
D太「おい!!なに落としてんだ!それ高いんだから気をつけろ!」
D太はハンドルを放り、慌ててL斗の足元に駆け寄ると双眼鏡を拾った。
D太「傷でもついたらどうしてくれんだよ!きいてんのか!」
D太は怒鳴りながらL斗の顔を見上げた。
D「・・・・・・・・!どうした・・・・?」
L斗は涙を流して立ち尽くしていた。
D太「なんで泣いてる?知り合いか?」
L斗「・・・・」
D太「黙ってたらわかんないだろ?」
L斗「生きてたのか・・・・・・・・・・・・・・・・松田」
D太「?!松田?!って、まさか、松田U1??!!」
D太は慌てて犯罪者リストを取り出した。
D太「いや、そんな訳ないぞ。松田は確実に死んでるっていう情報しか受けてない。」
L斗「・・・そうだ・・・・。あいつはあの時崖から落ちて確かに死んだはずだ・・・・なんでだ?」
D太「とにかく、行ってみよう」
D太はハンドルを切り、松田と思われる人物がいるほうに船を進めた。
松田らしき人物は、ずっと背をむけていたが、こちらが近づいてくる音に気づいたのか、一瞬肩を動かした。
船は松田のすぐ後ろで停止した。松田はまだ向こうを向いたままだ。
L斗は船の上から声をかけた。
L斗「松田か?」
松田はなおも振り向かない。
L斗「松田だよな!生きてたんだな!俺うれしいよ!」
松田はまだこちらを見ようとしない。
L斗「・・・・・・・・・?」
D太「おい、様子が変だぞ?」
L斗「松田、おれがわかんないのかよ!L斗だよ!こっちむけったら!」
L斗は船から身を乗り出した・・・・・・
・・・・その時だった!
D太「あぶねえ!!」
いきなりD太が上からかぶさり、L斗を床に押し倒した。
・・・・ドン!!!
同時に物凄い衝撃が走り、訳がわからなくなる。
・・・・30秒後、L斗が目を開けると、上に覆い被さったD太が顔をしかめて、口から血を流している。
D太「・・・・・うぁ・・・」
L斗「D太!!だ、大丈夫?!!」
L斗がそうさけんで身を起こそうとした時、床に転がった2人のうえに影が落ちた。
さっきまで水上にいた松田が、なんと一瞬で船に移動し、D太を攻撃したのだった。
L斗は松田の顔を見上げた。
L斗「ああああああ!!!!」
思わず叫び声を上げてしまった。
そこで二人を覗き込んでいたのは、もはやもう松田ではなかった。
崖から落ちた衝撃で、片目が潰れ、もう片方の目は真っ赤に充血した、血まみれの顔の呂布が、
そこにはいた。
2.3日書けません。
復活松田キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
乙華麗。D太まさか死ぬ?
松田生きてたのか?
松田というか、呂布っすね。
続き
L斗「おまえは・・・・・・」
呂布「・・・・あひゃw驚いたか。いっとくが俺は人間じゃあない。あんなとこから落ちたくらいじゃ死なないんでね。」
L斗「・・・松田はどうなったんだ?」
呂布「本体のほうか?あれなら死んでるよ。いまは俺の魂が死体に入った状態なんだよ。」
L斗は真っ青な顔で気を失っているD太を、そっとどかして立ち上がった。
L斗「・・・それじゃあ、松田が生き返ったわけじゃないんだな?お前は死体までも利用しようって魂胆か?」
呂布「あひゃひゃwそうだよ。次の寄りシロが見つかるまではこいつの体を使わせてもらうぜ。」
L斗「そんなことさせない!今すぐ俺の友達の体から出てけよ!」
呂布「あひゃひゃひゃwwおまえあいかわらずおもしろいなw俺を誰だと思ってるんだ?」
その時、D太が目を覚ました。
すんません。145はわたしでつ。
L斗「D太、気がついた?!大丈夫?!」
D太は背中をさすりながらもぞもぞと体を起こした。
D太「・・・・いてぇ・・・」
呂布「あひゃひゃひゃwおれの波動をくらっただけで気絶してやがるw人間は弱いなw」
D太「・・・おまえ、タルパだな?」
L斗「こいつは松田の体に生まれつき取り付いている悪霊だよ!松田はこいつに殺されたんだ!」
D太「なるほど。だから、探知機が反応しなかったのか。おまえ、なにが目的なんだ?」
呂布「次の媒体を探してる途中さ。生きてる人間なら誰でもいいとおもったんだがな、
おれは媒体に最適な人間をみつけてしまったのさw」
D太「なにぃ?その人間ってのはだれだ?」
呂布「お前らに教える必要はない。しかし、今その人間は別のタルパに体を貸してやがる。面倒だから力ずくで媒体を奪うまでだけどなw」
D太「残念ながら、媒体になってる人間からタルパを引きずり出すのは、その人間が死なないと無理だぞ」
呂布「あひゃひゃwwお前わかってないね。この世界には特殊な力を持った層がいる。
そいつにお願いすればわけないんだよw」
L斗「カルカン山にいるやつか?!」
呂布「ほう・・・その層とやらはカルカン山にいるのかwいいこと聞いたなw」
L斗ははっとして口を押さえた。その横でD太が呆れた顔でL斗を睨み付けた。
乙乙!
続き
呂布「よし。俺は今から媒体をカルカン山におびき寄せる。・・・ククク・・
おれがこの世界を支配する日は近いな・・・あっひゃっひゃひゃw」
D太「・・・・そうやって自分の行動口にするところが頭悪そうだね。邪魔してほしいのか?」
D太は呆れたような顔で言った。
呂布「ばーか。わざとだよwおまえら人間の邪魔が入らなかったらおもしろくねーだろw」
L斗「おい!遊びじゃないんだぞ!いい加減にしろ!」
L斗はD太のガンベルトにさしてあったライトセーバーを勝手に抜き出し、光の刃を振り出した。
呂布「あいかわらずいさましいねえwきみは。だがな、そんな勇ましさはなんら無意味」
そういうと同時に、呂布は片手を大きく振りぬいた。
その瞬間、かぜが巻き起こり、L斗は後ろに飛ばされて尻餅をついた。
L斗「うわ!」
D太「おい!大丈夫かよ!」
2人を尻目に、呂布は甲板の柵の上に飛び乗り、背を向けた。
D太「おい!待て!」
呂布「あっひゃっひゃひゃっひゃwじゃあな。邪魔したければカルカン山で待ってな!」
そういうと呂布は柵からいっきに飛び降りると、水上をすべるように消えていった。
L斗「あいつ、水上を自由に移動できる能力まで持ってるのか。だったらなんでわざわざ船を手に入れたんだろう?」
D太「たぶん、殺戮を楽しんでるってのと、俺達政府側の人間をおびき寄せようとしてやったんじゃないかな?」
L斗「そんなことのために犠牲になりかけた、さっきの船着場の猫たちがかわいそうだ!」
D太「タルパというのは、残忍だというのはわかっていたけど、ここまで残忍だったとはな。
たぶん、あいつは、元の媒体・・つまり松田U1が生まれるまえから宿ったものだから、成長を共にしているぶん、余計な能力を付けすぎたんだろ。
たちが悪いな・・・」
L斗「あいつ、新しい媒体をみつけたっていってたけど、誰のことだろう。」
D太「さあ、でも、向こうの大陸にいる流刑者のなかにタルパを宿してるものがいたとしても、おかしくないけどな。」
D太はぽりぽりと頭をかいてしばらく考え込んだ。
D太「よし、進路を変えて、カルカン山に行こう。あいつを野放しにするのは危険だな。
L斗、赤兎馬に餌と水あげてくれ。おれは佐竹さんに報告してくる。」
D太はそういうと、操縦室に戻っていった。
L斗は甲板の隅においてあった桶に水を入れようとかがんだ。
L斗「・・・・っ」
突然激しい痛みが胸のあたりに走り、息がつまった。
L斗「ぅ・・・・げほげほ」
続いて咳が止まらなくなる。
L斗は桶を放り投げて、その場にしゃがみこんだ。
>新しい媒体をみつけたっていってたけど
まさかサッキー?!
はげしく続き希望。
>>150 ニヤリ。
続き
・・・くるしい・・・一体なにが起こったんだろう。
気がつくと、口を押さえていた手の中が濡れている。
L斗は咳き込みながらそっと手をとって目の前にかざしてみた。
L斗「・・・!!!!」
なんと、手のひらにはのっぺりと、血がついている。
しかし、L斗のショックをよそに、せきはひどくなる一方だった。
だんだん意識も薄れてくる。D太がその様子に気づいて操縦室から飛び出してくる記憶を最後に
L斗は気を失った。
L斗死ぬのか?病気?
D太殺されるかと思ったら、何ともなかったのね。
乙華麗!
>>152 L斗は体の弱い子なのでつ。
>>153 乙華麗!D太はもうちっと生きててもらわないとね。
それにしても筆者1さん最近出てきてないけど、どうしたんだろうか?
続き
・・・・・・どれくらい時間がたっただろうか。ふと目を開けると、船室の天井が見える。
ああ、自分は眠ってしまっていたんだと、L斗は思った。しかし、まだ意識ははっきりしないし、
相変わらずの息苦しさが続いている。なんだか顔が熱く、あたまがくらくらする。
D太「気がついたか?」
上からD太が覗き込んだ。
L斗「・・・・・D太・・・おれ・・・」
D太「無理して喋るな。いま、水を持ってきてやるから。」
L斗「・・・・いや・・・いい・・いらない・・・」
D太「だめだ。お前今熱があるんだよ。水分摂らないと」
そういうとD太は立ち上がり、部屋を出て行った。
L斗はそっと、手をおでこに当ててみた。
じとっとした汗の感触に混じって、熱さが伝わってくる。結構な高熱らしかった。
その時、D太が水の入ったコップを持って戻ってきた。
D太「おい、薬もあるから飲め」
D太はポケットから錠剤を二粒出した。
L斗「なんでもあるんだね・・・感心するよ。」
D太「なんでもあるっていうか・・こういう病気対策にはバファリンしかもってないぞ。でも何もないよりいいだろ?」
L斗は体を起こして、D太から受け取ったバファリンを水で流し込んだ。
その時、部屋の片隅においてあったD太の通信機が鳴った。
D太「お、佐竹さんだ。もう解析終わったんだ。さっすが、仕事はやいね〜」
L斗「解析?何の解析?」
D太「悪いけど、お前が寝てる間にちょっと血抜かしてもらった。そのデータを佐竹さんの送って、なんの病気か調べてもらってたんだよ。」
L斗「そう・・・ただの風邪だといいよね。」
D太「心配すんな。たぶんそうだよ。佐竹さんも大袈裟なんだよ。なあ?」
D太はL斗を嗜めると、通信機を持って出て行った。
D太の後姿を見送りながら、L斗は一人呟いた。
L斗「ただの風邪だよ・・・たいしたことない・・・すぐに元気になるさ・・・」
その1氏どうしたんだろうね。
その2氏毎度乙。
その2さん乙です。
どうも、長いこと留守にしててすみません。
ここ一週間ほど作家教室の課題に取り掛かっていました。
こっちの続きを書こうとしていたのですが、なかなか頭の切り替えがてぎなくて。
ただいま、B章の続きを書いています。
しばし、お待ちを……
このまま行くと呂布とバモイド、D太。三つ巴の戦いになりそうですね。
徳田がエージェントについて語り終わったのはそれから小一時間ほど経ったときだった。
サッキー「ここが流刑地でなくなる? ほな、僕らどないなるねん?」
徳田「もう一度、無人の居住可能惑星を探し、流刑者達をそこへ移住させることになる」
ネバダ「そんな!! せっかくこの惑星に慣れて来たのに」
徳田「まあ、落ち着きたまえ。君達はここに残ることができる」
ネオ「どうして?」
徳田「この惑星の政府。つまり、モナー族の国から許可をもらえば、ここに残れるのだ。君達にはすでにオカカ国から許可が出ている」
サッキー「オカカ国か。そういえば宅間はとないしてるかな?」
徳田「宅間は死んだ」
サッキー、ネオ、ネバダ「え?」
徳田「宅間だけじゃない。オカカ国も、ニボシ国……いや、アーレフ帝国の侵攻を受けて征服された」
ネバダ「それじゃあ、ミュー達は?」
徳田「ミューは無事だ。首都を脱出した後、難民達を引き連れて北へ向かった。そして昨日、君達とは入れ代わりにミーシャ市に入った。君達を当てにしていたようだが」
ネバダ「そんな……あたいら全然知らなくて……」
徳田「まあ、君達があの場にいてもどうにもならなかったよ。相手がオームではね」
ネオ「オームの奴ら、やっぱり来てたのか? 実は僕らはミーシャ市でオームの村井に会ったんだ」
徳田「村井? バカな! あいつは前世紀に死んでいるはず……そうか!! タルパだな」
サッキー「タルパを知っとるんか?」
徳田「詳しいことは分からんが、生霊のようなものらしい。実はニボシ国に潜入したエージェントが麻原の姿を目撃している。村井も、麻原と同じくアーチャリーが生み出したタルパだろう」
ネオ「本人もそう言っていたけど」
徳田「そうなのか」
サッキー「それはともかく、徳田さんは僕らになんの用があって来たんや?」
徳田「そのことだが、君達はスーパーフリーに会わなかったか?」
サッキー「会ったで。いけ好かん連中やった」
徳田「奴らを倒すのに手を貸してほしい」
続く
>>157 そうだったんですか!お疲れ様です。
その2氏もいつも乙です。
D太っていいやつだけど死ぬんだろうな。
サッキー、呂布、D太、麻原、アーチャリーが気になる。
応援ありがとうございます。
さて、お待たせしました。
>>102の続きです。
B介「やばい!! バックだ!! 桃寿」
桃寿「やってるわよ!!」
ギアはすでにRに入っていた。なのに、車はまったく動かない。エンジンが虚しく空回りするだけ。
国王「うわわ!! なんにゃあれは……」
後部座席にいた国王が騒ぐ。振り向くと、真っ黒な人型をした物体がバギーを後から押さえつけていた。
B介「タ……タルパだ!!」
桃寿「タルパ……?」
B介「生霊だよ。アーチャリーが操っているんだ」
アーチャリーはゆっくりと両手を正面に向かって差し出した。B介の顔に緊張が走る。
アーチャリー「無駄なことはやめて車から降りよ」
桃寿「どうするのよ?」
B介「降りよう。なるべく、脅えた顔をしてくれ。可哀想だけど、隙を見てアーチャリーを射殺する」
B介は袖の下にピストルを隠してから、助手席の扉を開けた。反対側の運転席から桃寿も降りる。
B介「アーチャリー様。遠征軍を見に行ったのではないのですか?」
アーチャリー「ふん。たかが、通信が途切れたぐらいで幽体離脱などという疲れることができるか。わらわが一々出向かなくても、どうせ勝ち戦じゃ」
B介「やれやれ……あてが外れたな」
アーチャリー「残念だったの、B介。おぬし、マインドコントロールにかかっておらんな。
察するところ日本政府のエージェントじゃろう?」
B介「だとしたら、どうします?」
アーチャリー「猫達を置いてそうそうに立ち去れ」
B介「逃がして頂けるというのですか?」
アーチャリー「八つ裂きにしてやりたいところだが、今は日本政府と無闇にもめたくはない」
B介「それはありがたい。おっと」
B介は躓いたふりをして、地面に倒れこむ。袖の下に隠していた銃を掴んだ。
パン! パン!
二発続けて撃つ。
B介「やった」
仕留めたと思ったそのとき。
アーチャリー「それがおぬしの返事か?」
アーチャリーの正面に麻原が立っていた。
B介「くそ!!」
パン! パン!
さらに撃ったが、弾はすべて麻原に弾き返される。
アーチャリー「死にたいか? B介」
B介「いえ……できれば、末長い老後を……」
アーチャリー「それは次に生まれてからにせえ」
アーチャリーの放ったフォースをB介はまともに食らった。
十メートル後方の地面に叩き付けられる。
B介「グ……」
桃寿「B介!!」
桃寿が駆け寄る。だが、B介はそれを手で制して言った。
B介「トランクを……開け」
桃寿「え?」
言われるままにバギーのトランクを開いた。ショットガンが目に入る。
桃寿「これでどうしろと?」
疑問符を頭に浮かべつつもショットガンを構えた。
アーチャリー「まだ分からんのか。わらわにそんな玩具は利かん」
B介「それで……アーチャリーを撃て」
桃寿「だって?」
B介「いいから、撃て」
桃寿はショットガンをアーチャリーに向けようとした。そのとき、バギーを押さえていたタルパが桃寿に襲い掛かってくる。
桃寿「キャー!!」
バン!!
思わず、タルパに向かって発砲する。
桃寿「え?」
効果はないと思っていたのだが、タルパは一瞬にして消滅した。
桃寿「どうして?」
だが、アーチャリーの方はそれほど慌てていない。
アーチャリー「なるほどな。やはり、ヒヒイロカネの弾か」
言い終わると同時にフォースを放った。
桃寿「キャー!」
アーチャリー「タルパがこの世界に干渉するエネルギーを吸収する物質。それがヒヒイロカネだ。わらわに逆らおうとする以上、そのぐらいの用意はしていると思っていたわ。不意を着いたつもりのようだが、残念だったのう」
桃寿「そんな良い物があるなら早く出しなさいよ」
B介「すまん」
アーチャリー「さて、そんな物騒な物を持ってる奴を生かしておくわけにはいかんな。死んでもらおう」
桃寿「お前が死ね!!」
ショットガンをアーチャリーに向ける。
バン!!
桃寿「なんで……?」
ショットガンは麻原の背後に立つアーチャリーに全く効果がなかった。
B介「桃寿……すまん。二発目は通常の散弾なんだ。
桃寿「ぬわんですって!! 弾はどこにあるの?」
B介「バギーのトランク」
バギーがアーチャリーのフォースを受けて吹き飛ばされたのは、その直後だった。
続く
筆者1さんキタ━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━ !!!
乙です!作家教室?そんなのがあるんですか?ひょっとして教えるほうですか?
体調崩してるかな?と思ってたんで、よかったです。
続き
夜の海にぽつんと浮かんだ遊覧船の甲板で、D太は佐竹と通信機で会話していた。
太陽の光がないと船はうごかせないので、今日はこのまま停止させて朝を迎えるつもりだった。
D太「・・・・・そうですか・・・・わかりました。じゃあ、俺も念のため血液のデータ送ったほうがいいですかね?」
佐竹「いいえ、あなたは大丈夫よ。もう二十歳すぎてるもの」
D太「え?そうなんですか?子供しかかからないんですか?」
佐竹「一概には言えないけど,成人して体の組織が出来あがった人間が感染するのは稀なことだって聞いてるわ」
D太「なるほど、じゃあ、このままL斗と一緒に居ても問題はないですよね?」
佐竹「でもあなた、仕事できるの?病人を抱えながらなんて何かと大変よ?それに・・・こんなこと言いたくないけど・・・」
D太「なんですか?言ってくださいよ」
佐竹「L斗はもうエージェントじゃないの。いち流刑者よ。あなたみたいに政府から仕事を引き受けているものが
一人の流刑者だけに肩入れしてるなんて、あまり賢いことじゃないわね。」
D太「・・・・・・・・言いたいことはそれだけですか?」
佐竹「それだけじゃないわ。あなたの仕事振り見させてもらっているけれど、少し行き過ぎなところがあるわね。」
D太「行き過ぎ?なんのことです?」
佐竹「たしかに、あなたにあたえた任務は、この星に降りた有害な流刑者を
一人残らず殺すこと・・・・だった。でも、あなたを見てると私怨で動いてるようにしか見えないわ」
D太「私怨でもなんでも、任務は遂行できてんだからいいんじゃないですか?」
佐竹「いいえ、殺す前に相手が本当に有害かどうか確認はしているの?
この前の2件、O山田とあなたの弟さん殺害犯たちの時にはそうは見えなかったわよ?」
D太「あれは勝手にあいつらがやりあったでけですが?
有害かどうかも、両者が遭遇したときのやりとり見ればわかるでしょ?」
佐竹「もっと時間を置いて様子をみるべきだったんじゃないの?」
D太「そんなことしてたらまた、罪のないモナー族に犠牲がでますよ?少年だからって、甘く見るのは危険です。」
佐竹「・・・・・・・わかったわ。あなたに任せたのは私だし、責任をもって見届けさせてもらうから。
でも、質問してもいい?」
D太「なんです?」
佐竹「どうしてL斗と行動しようと思ったの?彼もあなたが許せない少年犯罪者のうちの一人でしょ?」
D太「それは・・・まあ・・・・・また今度話します。あんまり物理的な話じゃないんで。それじゃ・・」
D太は通信をきると、船室に戻っていった。
ドアを開けると、L斗はベッドから心配そうな表情でD太の顔をみた。
D太「遅くなったな。佐竹さんと込み入ったはなしをしてたんだよ。調子はどう?」
L斗「いや、大丈夫じゃない・・・・だるい・・・」
D太は歩いていって、ベッドの隣に置いてある椅子に腰掛けた。
D太「心配するな。おまえは大したことなかったよ。この星特有の・・・・地球で言えば麻疹やリンゴ病みたいなもんさ。」
L斗「何それ・・・・両方子供の時にやったんだけど・・・・」
D太「今だって子供だろ。まだ10代の体が完全に大人になってないやつがかかる特異な伝染病なんだって。」
L斗「・・・・・・・・・・・・・・・」
L斗は目を見開いて不安をあからさまにした。
D太「心配すんなよ。この星の猫達はみんな、成人する前にこれにかかる。3日もすればなおるらしいぞ」
D太がそう言うとL斗は安堵の表情を浮かべた。
D太「安心したろ?今日はもう寝ろ。おやすみ」
D太はそう言うと、部屋を出た。
D太は甲板の端で休んでいる赤兎馬のとなりまで歩いていき、座った。
D太「・・・・・・・・一体どうしろっていうんだ・・・・・」
D太は呟きながら赤兎馬の鬣をなでた。
赤兎馬は賢そうな目でD太を見つめる。
D太「おまえを犠牲にするのは政府が絶対許さないよな。俺もいやだ。でもこのままだとL斗は・・・・」
D太の目に涙がたまっていった。
D太「俺は犯罪者どもに復讐すると決めてから、情を捨てようと努力したつもりだったけど、俺には無理だ・・・・。」
そう呟きながらため息をついた。繰り返し、繰り返しため息をついた。
D太「あいつは・・・・・L斗は・・・・・弟に似てるんだ・・・・・・」
わざとなのか、通信機のボタンはONになっていた。
その通信機の向こうでD太の独り言を聞きながら佐竹は複雑な気持ちになった。
3日後、L斗は治るどころか余計に咳がひどくなり、身体にあかい湿疹ができた。
D太はあせる気持ちが空回りしはじめた。
しばらく見てないうちにかなり進んでますね
乙です
>>166とんでもない、私は教わるほうですよ。そういう教室はいっぱいあります。
L斗の病気は治るんでしょうか?気になりますね。さて、
>>164の続きです。
アーチャリー「これで、予備の弾は無くなったな」
アーチャリーは燃え盛るバギーからB介達に視線を戻した。
国王「どうするんにゃあ!? このままじゃ殺されるにゃあ!!」
ラムダ「王様!! ラムダがお守りしますにゃ」
アーチャリー「心配しなくても、国王は殺さぬ。まだ利用価値があるからな。けど……おぬし達にはない」
アーチャリーは掌をB介達に向けた。
桃寿「く」
桃寿はショットガンを構えた。
バン!! バン!! バン!! カチ、カチ
弾が無くなった。
アーチャリー「気が済んだか? ではあの世へ逝け」
B介「もう……だめだ」
B介は目を瞑った。
アーチャリーの掌に気が収束する。
アーチャリー「ぎゃああぁぁぁ!! 貴様……なんのまねじゃ?」
B介が目を開くと、アーチャリーが右手で左腕を押さえていた。
左腕には小さな投げ矢が刺さっている。
アーチャリーのさらに背後には小さな人影が立っていた。
B介、桃寿「ユキコ?」
続く
173 :
少年法により名無し:04/12/01 18:19:50
続き希望あげ
>>171の続きです。
ユキコ「アーチャリー様。就寝時刻でございます。寝室へお戻りください」
アーチャリーは掌をユキコに向けた。が、目の焦点が定まらないため、フォースを放てない。
アーチャリー「ユ……ユキコ……貴様……矢に何を塗った?」
ユキコ「麻酔ですよ。命に別状はありません」
アーチャリー「く……パパ。わらわを……宮殿へ……」
麻原がアーチャリーを抱きかかえるとそのまま空へ飛び上がった。
ユキコ「さあ!! 早く、バギーへ」
ユキコの背後には、ライトを消したバギーが止まっていた。
B介「ユキコ……おまえ?」
ユキコ「なに」
ユキコは悪戯っぽい笑みを浮かべた。
ユキコ「まさか、本当にマインドコントロールにかかっていたと思っていたの? あたし達アンチマインドコントロール訓練を受けていているのよ。それに、時々合図送ってたんだけどな」
B介「あ!」
B介の脳裏に、ユキコが洗脳室から出された時の光景が蘇った。ユキコはあの時、自分に向かってウインクしたように見えたが、錯覚ではなかったようだ。
桃寿「貴女、わざと捕まったのね」
ユキコ「あら? 分かった」
桃寿「オーム信者が大勢いる前で、彼らを挑発するような事を言ったそうね。マタタビ国で会ったときはそんなドジを踏むような人には見えなかったわ」
ユキコ「あら? それはちょっと買いかぶり過ぎかも。あの時は結構成り行きで行動したんだけど。まあ、久子に見付かった時はとっさに誤魔化そうかとも考えたけど、このまま捕まって内部から探った方がいいかなって思ったんだけどね。おかげでいろんな事が分かったわ」
B介「どんなこと?」
ユキコ「今は詳しく話している暇はないわ。一刻も早くここを離れましょう」
三人はバギーの残骸から使えそうな物を回収すると、ユキコのバギーに乗り込み出発した。
続く
乙華麗。
>>177 げ。すいません。自分で書いて忘れてました。訂正ありがとうございます。
そして更新おつです。
続き
L斗は汗ばんだ顔で苦しそうにD太に言った。
L斗「・・・・くるしい・・・・・3日で治るって・・・言ったのに・・」
L斗が寝ているベッドの傍らのいすに座っていたD太は、必死にL斗を嗜める。
D太「ちょっとお前のはたちが悪いから、治りが遅いだけだよ。1週間もすれば治るから・・・」
L斗「・・・・・・このまま・・・死んだら・・・やだな・・・」
D太「ばかなこというな」
昨日の夜、D太は腹を決めたはずだった。
しかし、その覚悟も今は崩れ去りそうだった。D太はてんぱった頭で昨夜、佐竹と話したことを思い出していた。
佐竹「データの解析によると、L斗はこの星特有の、小児感染症にかかった恐れがあるわ。」
D太「小児感染症?おたふくとか、水疱瘡みたいなものですか?」
佐竹「そんなとこかしら。どうやらこの星の猫達が、子供の頃に経験する病気で、猫の場合、3日くらいで治るものらしいわ」
D太「一体どこからもらってきたんですかね?」
佐竹「多分・・・空気感染かもしれない。L斗はエージェントのときにオカカ国に一度潜入させてるからそのときにもらってきたのかも」
D太「そうですか。でも,大したことなさそうですね。」
佐竹「・・・・それが・・・・」
D太「どうしたんです?」
佐竹「D太、落ちついて聞いて。この病気はね、あくまで猫の病気なの。それゆえ人間に感染すると、免疫不全になる・・・」
D太「・・・・・!なんだって・・・・?じゃあ・・・・・」
佐竹「L斗はとても危険な状態なの。普通は人間がこんなものにかかるなんて滅多にないんだけど、
多分、L斗は相当体が参っていて、免疫が落ちていたんだわ。もともとからだが弱かったとは聞いていたけど、ここまでだったなんて」
D太「・・・・・ワクチンはないんですか?」
佐竹「・・・・・・それが・・・・赤兎馬の骨髄液の中にワクチンになりうる物質があるかもしれないの。」
D太「・・・・・でも・・・それを取り出すには・・・・・・」
佐竹「・・・赤兎馬を殺さなければならない。でも、そんなこと政府がゆるさないわ。」
D太「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
佐竹「この星の動物は特殊な遺伝子を持っていて、すこし組替えをするだけで、地球では作り出すのが不可能な
動物に生まれ変わらせることができる。赤兎馬もそうやって作られたの。今はまだ遺伝子組替え動物がどこまで
人間の役に立てるか、ということで、あなた達に使わせて様子を見ている段階だけど、
もし上手くいったら、赤兎馬をもとに大量に遺伝子組替えをして、地球に繁殖させるのが政府の目的なのよ。
だから、赤兎馬からワクチンをとることはできない」
D太「・・・・・他に方法はないんですか?」
佐竹「残念だけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
続ききぼんぬ
アーチャリーハァハァ
L斗!L斗!
その2さん乙。L斗を選ぶか、赤兎馬を選ぶか……難しいところですね。
さて、
>>159の続きです。
三人は困惑の表情を浮かべた。
正直言ってスーフリには関わりたくない。もちろん、奴らを倒せて、食料が手に入るならそれに越したことはないのだが……
サッキー「とりあえず、話だけでも聞いてみよか」
情報は多いに越したことはない。自分達は相手の情報を何も知らず、相手はR子の口からどのくらいの情報が知られたか分かったものじゃない。戦うにしろ、逃げるにしろ、情報は必要だ。
徳田「いいだろう。さっきも話したとおり私は囚人達に紛れ込んで、この惑星の調査にやってきた。
私と一緒のカプセルにいたのは三人の娘……横浜市高校イジメ自殺事件の犯人達だ。
最初は彼女達もモナー族を見つけると略奪行為を始めた。だが、私が誠意を込めて説得したところ、彼女達も略奪行為をやめてまじめに働きだした」
ネバダ「どうやって説得したの?」
徳田「うむ。最初は彼女達も私の言うことなど耳を貸さなかったのだ。そのとき、彼女達の周囲に蚊が飛んでいることに気がついた」
ネオ「なんでそこで蚊が? ていうかこの惑星に蚊なんていなかったぞ」
徳田「いたのだよ。彼女達が刺されては大変だと思い私は追っ払ってやったのだ。このようにして」
バン!
徳田はいきなりピストルを抜き、天井向かって撃った。
徳田「蚊を追っ払ってやったことがよほど嬉しかったのか、その後は彼女達も聞き分けがよくなったのだよ」
サッキー「誰だって聞き分けがよくなるで……そりゃ……」
誠意ある説得の図。
_,. --...,,_
,.'`~ ,.....,,,,, `)_
i' / ,.-""` `、
i' ,''i i ヽ l
'i ノ `" ,,,, i_ ノ
ヽノ ,--.,,..;'',,..`-ノ.i
'i-i' ''",' '、_,.ノ i_ノ蚊がいるよ。
`、`''" i__,ゝ .i
'i、 ,,....- ,iヽ
,..,,,,,,,,,/i` 、 , ' i ヽ-'''-,,,,,,
/ ,.-.,,//ヽ..,,` -'',,,,/i へ`ヽ" ``ヽ
,..'''" ◎ ヾ"''''" /il`'`ヽヽ ヽ
/ (||.||) ヽヽ ,'--' l `、、 `、
( (~.l__li~`, `y' l ヽヽ `、
>'''"~>'' `、||)>-' i l ヽヽi ヽ
( , ' i :二二フ i i ヽヽ ヽ
`∨ `、_,,..--' i 丶 l l ヽ
ヾ、、_ /) i i l l ヽ
`-、_ノ i i l/"~ゝ ゝ
l < i l l~~''''、 ヽ
徳田「その後、近くに別のカプセルも落ちてきた。その中からも女の子ばかりが出てきた。最初はその子達も略奪を始めたのだが、私の誠意ある説得により、略奪をやめた。と、そこまではよかったのだが……」
サッキー「スーフリがやってきたんやな」
徳田「そうだ。奴ら、略奪はしないでまじめに働いているように見えたので、見逃してしまっていた。ところが、奴らがやっていたことは実は悪徳高利貸しの手先だったのだ」
ネオ「モナー族の世界にも悪徳高利貸しはいるんだな」
徳田「奴らは悪徳高利貸しの下で取り立てをやっていた。そうしてる間にモナー族の経済の仕組みを把握すると、こんどは自分達で金融業を始めた。
その経営の仕方はK信用金庫も真っ青になるほどの悪辣ぶりだった。そして、その頃から我々のグループと接触を求めてきた」
ネバダ「どうせエッチが目的でしょ」
徳田「そり通り。馬鹿娘達もさすがに奴らが地球でやっていた悪行は知っていたので、誘いにはいっさい乗らなかった。そうすると奴らは、この辺りの食料を買占めだしたのだ」
サッキー「それで、どないなった?」
徳田「食料をめぐって我々は争いになったのだ。スーフリの奴らも最初は十人近くいたが、そのうち五人は倒した。だが私も負傷してしまい、娘たちとも離れ離れになってしまった。
探知機のおかげで森の中に隠れているのは分かったが、私も怪我しているので会いに行けない」
ネオ「探知機って?」
徳田「実は君達の身体には、地球を出る前に体内にICタグが埋め込まれているのだよ。それの出す電波で君達がどこにいても探知することが可能なんだ」
サッキー「なんやて?」ネバダ「ドラえもんの道具に、そんなのがあったような……」
ネオ「トランシーバーで連絡取れないのか?」
徳田「盗聴の恐れがあるので使用は禁止している」
サッキー「当然やな。僕らも同じことやってたし」
サッキーはしばらく考え込んだ。
サッキー「協力したってもええで。おっちゃん」
続く
キタ━(゚∀゚)━!!!
192 :
少年法により名無し:04/12/05 00:20:18
乙華麗
筆者1さん乙です。スーフリは少し知能がある分、コンクリ犯と同様たちが悪いですね。
>>186 禿ワラw
>>180続き
それを聞いて、D太は後頭部をハンマーで殴られたかのようなショックに襲われた。
D太「それは諦めろってことですか?」
佐竹「・・・・・・・・・・仕方ないわね。」
D太「そんな・・・じゃあ、せめてL斗をちゃんとした医療機関で手当てしてやってもらえませんか?
この星にも病院くらいあるでしょう?」
佐竹「それはできないわ」
佐竹はきっぱりと言った。
D太「何でですか?!人命がかかってるんですよ?!」
佐竹「免疫不全の人間の体に入り込んだウィルスはどんどん増殖を始めている。今のL斗が猫の病院なんかにいって
新たな菌に感染した場合、それこそ劇症になり即死してしまうわ。かえって今の場所にいさせたほうが安全なの。」
D太は膝をついた。
D太「もう・・・・・・・・・どうしようもないんですね・・・・・・・・・・・L斗に残された道は・・・・・・・・・このまま死ぬしか・・・・・」
佐竹「・・・・・・・・・・・かわいそうだけど・・・・・・・・・・これがあの子の運命なのね。きっと・・・・」
D太「・・・・・ワクチンが手に入れば一番いいことですけど・・・・・・・・・・赤兎馬を殺すのもいやです。」
佐竹「・・・・・・・・・・・・・・・」
D太「せめて、せめてあいつがひとりぼっちじゃなくてよかった・・・・・おれが最後までついてるから」
佐竹「D太、少し冷静になって。情にほだされていたら仕事にならないから。厳しいことをいうようだけど、こんな時だからこそあなたがしっかりするの!いいわね?」
しかし、D太の思考は停止したままだ。佐竹の声は耳に届いていない。
佐竹「D太!!聞いて!!しっかりしなさい!このままだとあなた、しぬかもしれないわよ?!流刑者がどこに潜んでいて、こっちを狙ってるかわかったものじゃないんだから!」
佐竹は通信機の向こうで怒鳴りつけた。
その言葉に、D太ははっとした顔をした。
やがて目にひかりが戻ってくる。
D太「・・・・・・・・・・・・すいません、取り乱して。そうですね。俺が冷静にならないと」
佐竹「そうよ。しっかりしてちょうだい。あなたらしくないわよ」
・・・・・・・・そうだ。こんな時ほど冷静にならなきゃいけないのに・・・クソッ・・・・
昨日の夜のことを思い出し、なんとか平常心を保とうとしたD太だったが、L斗が苦しそうにすればするほど
それは困難だった。
L斗「・・・・・・・・・・・・・・D太・・・・・・きいて・・・・・・・・・・・・・」
L斗がとぎれとぎれ喋る。
D太「なんだ?!俺はここにいるよ!」
L斗「・・・・・・・・・ごめん・・・・・・・・・・」
続き
D太「・・・・・・・・・?なにが?」
L斗「俺の・・・・せいで・・・・こんな・・・・・・」
D太「何言ってんだよ。あやまんなくていいよ。俺は何もおもってないよ。」
L斗「・・・・・・・・くるしい・・・・・・・」
D太はL斗の手を握って言った。
D太「大丈夫だよ。おれが必ずなんとかするから。」
L斗「・・・・・・・・ありが・・・・・・・・と・・・・・・」
そういうと、L斗は目を閉じた。
D太「・・・L斗・・・?」
D太が呼びかけても返事はない。
D太「L斗?!おい!」
この非常事態だというのに、D太の頭の中はとある記憶が蘇ってきた。
病院のICUのビニールの中、ベッドに寝かされた弟が浮かんでくる。
その周りのガラス越しからD太と両親が中を覗いている。
弟は口や鼻に呼吸器を付けられていて、顔は原型をとどめないくらいに腫れ上がっていた。
中で医者や看護婦たちが必死で治療しているが、弟に取り付けられた心電図越しに聞こえる心臓の鼓動はだんだん途切れ途切れになっていった。
D太の父親は、ただ舌打ちしながら床を蹴っていた。
母親も泣き崩れてしまい、その場にいた看護婦が一生懸命になだめていた。
D太はガラス越しに、たった今死んでしまった弟を見つめながら心の中で激しい感情が芽生えた。
「弟の命を奪った犯人共を同じ目に合わせて殺してやる・・・・もう2度と弟は死なせない・・・今度は俺が守ってやる」
・・・・D太は我に返った。目の前にはL斗がうつ伏せで目をつぶったままだった。
L斗の口もとにそっと手を当ててみると、微妙だが呼吸をしていた。
D太は立ち上がると、ガンベルトからコルトを引き抜いた。
そして、立ち上がると、赤兎馬のいる甲板へむかった。
>そして、立ち上がると、赤兎馬のいる甲板へむかった
立ち上がると」2回出てきたんで、削除でお願いします。すんません。
D太って誰に弟殺されたんだろう?
サッキーに恨みがあるようだけど、サッキーじゃないよね?
犯人共って言ってるしね
すみません。クラスのいじめっ子でしたか。
L斗死にそうな予感sage
>>200 D太カコを語るの巻き。
>D太「おれには弟がいた。弟は15歳のときにクラスのいじめっ子どもに殴り殺されたんだよ。
>そいつらは保護観察処分になり、今はのうのうと人生をエンジョイしてんのさ。
>おれの両親は何もしてくれなかった学校と、加害者どもの親を相手取り、民事裁判をおこしたけど、
>慰謝料すらはらってもらえない。金のかかる裁判を繰り返していくうちに、おれんちの家計は火の車になった。
>母親はストレスで倒れたけど、病院には連れていけなかった。お金もないし、なにしろ世間からの目が冷たかったから。」
>D太は下をむいたままはなしを続けた。
> D太「そんな時、チャカの偽造詐欺を思いついて、金を稼ごうと思ったんだよ。当時高校生だった短絡的思考で、あえなくおれも逮捕されたけどなw」
続き
D太が甲板に出ると、風がやや強くなっていた。髪の毛がぐちゃぐちゃになって、目の上にかぶさったが、
そんなことは気にならなかった。
もう何も細かいことは考えられなかった。目の前で息絶えようとしている人間を救うことで
D太の頭はいっぱいだった。
たとえ他のものを犠牲にしてでもL斗を助けたい。
甲板の端に赤兎馬がいた。近づいてくるD太に気づいて静かに顔を上げた。
D太は赤兎馬に銃口を向けた。
赤兎馬はすぐに、自分が置かれている状況に気づいた様子で身を起こした。
そして、背筋を伸ばし、まっすぐな目でD太を見つめた。
D太も鋭い目つきで赤兎馬を見つめる。
しばらくそうして見詰め合ったあと、D太は思い切って引き金を引こうとした。
D太が死ぬ予感
その2さん乙です。了解しました。
>>197はサイト収録時に修正しておきます。
中々書き込めなくてすみません。続きはもう少し、お待ちを……
>>206 乙です。すいませんがお願いします。
暇なときにでも、続きおまちしてますよ。(^-^)
続き
D太「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・だめだ・・・・・・・」
D太は小さく呟いて、コルトを投げ出した。そしてその場に座り込み、うつむいた。
D太「おまえにはなんの罪もないもんな。・・・・俺はL斗の死を受け入れるしかないのかな」
D太はゆっくりと立ちあがって、L斗が寝ている船室に向かった。
ドアを開けると、L斗は死んだように静かに眠っていた。
D太はかばんから万能薬と抗生物質をとりだし、調合すると、注射器のなかに入れた。
D太「この万能薬が病気にも効果があればいいけどな。怪我にしか効かないんだ。でも、何もないよりはいい。」
そういうと、L斗の腕の血管をさぐり注射をした。
D太「これで、明日の朝まではもつかな。せめてこのまま楽に死なせてやれれば・・・」
翌日、朝日が昇ると同時にD太は船を出した。
幸いなことにL斗は、虫の息だが辛うじて命があった。
通信機のマップ機能を頼りに、真っ直ぐ先にあるはずの小島を目指した。
いつもは方向感覚がなく、苦労を強いられるD太だったが、このときばかりはなんとかうまくいった。
島は思ったよりもだいぶ大きかった。緑も多く、人間が生活できそうな程の環境だった。
D太は双眼鏡で観察しながら、船で島の周りを一周した。
D太「・・・?何かいる」
D太は木々が動く方を目を凝らしてもう一度見た。
よくみると、林のなかにたくさんの動物がいた。どれも見たことがない珍しいものばかりだった。
D太は船を岸辺につけ、降りてみた。たまたまそこに切り株があったので、ロープで縛って船を固定した。
続いて甲板の方に行くと、足場をつくり柵を開けた。
D太「ここで降りろよ。このまま一緒にいると、おれは昨夜みたいに混乱して、またお前の命を狙うかもしれない」
D太は隅に座っている赤兎馬に言った。
赤兎馬は言葉を理解したようで、身を起こすとこちらに進み、足場を使わずにそのまま陸に飛び降りた。
D太「よし、いいこだ。おれが本部に連絡して誰かにむかえに来させるからそれまでここにいろよ。
ここなら他の動物もいるし、寂しくないだろ?」
赤兎馬はしばらくD太の顔を見つめたが、納得したかのように林の方に歩いて行った。
それを見送ったD太は再び船のなかに戻り、佐竹に連絡をとって一部始終を話した。
佐竹「・・・わかったわ。正しい選択ね。安心して。迎えはよこすから」
D太「お願いします。」
D太は通信を切り、L斗のいる船室に入った。
キタ Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
>>206 その1氏、ゆっくりでいいですよ。いつもお疲れです。
赤兎馬しぬと思ってた
その2氏も毎度乙。
続ききぼんぬsage
応援してくださってるみなさん、有難うございます。
続き
ドアを開けるなりD太は取り乱した。
L斗が口から大量の血を吐いている。あお向けに寝たままの状態だったので、シーツや枕が血に染まっていた。
D太「L斗!L斗!!L斗!!!」
D太はL斗に駆けより、肩を掴んで揺さぶった。
しかし、L斗は目を開けてくれなかった。口からはまだだらだらと血が流れていて、ヒューヒューと
僅かに呼吸の音が聞こえた。
D太はシーツを掴むと、慌ててL斗の口を押さえた。
D太「・・・とまらない・・・・」
すぐにシーツも血に染まり、びしょびしょになった。
だんだん呼吸の音が弱くなっていき・・・・・やがて、なにも聞こえなくなった。
D太「「・・・・L斗?」
D太はL斗の顔を見つめた。そして心臓に耳をあてる。
・・・・なにも聞こえない。
D太は頭が真っ白になった。
D太「・・・・・・・うそだ・・・・・・・」
D太はL斗の胸に両手を突いた。そして心臓マッサージを始めた。
D太「L斗!!目を覚ませ!死ぬな!・・・L斗!!!」
叫びながらD太は何回も心臓マッサージと人口呼吸を繰り返す。
L斗の口の中に溜まっていた血が、自分の口の周りや髪の毛にべっとり付いたが構っていられない。
ひたすらL斗の名前を呼びながら、蘇生法を続けた。
男どうしで人工呼吸ってきもいな・・・おぇ・・・・
ジュラシックパークを思い書いてけど・・
後悔・・・・OTZ
続き
・・・・・・・・どれだけ時間がたっただろうか。D太ははっとした。
ほんの一瞬だが、L斗の眉間のあたりが少し動いた。
D太「・・・・・L斗?!」
D太はL斗の胸にもう一度耳をあてた。
・・・・動いてる!!
ゆっくりゆっくり、鼓動が戻ってきていた。
D太は声がつまり、泣きたい気持ちになったが、こらえながら蘇生法を続けた。
すると、かすかに呼吸の音がきこえた。
舌がつまってはいけないと思い、D太はもう一度気道の確保をした。
L斗「・・・・・・・かはっ・・・・・・・・」
L斗が咳を発し、喉の奥に溜まっていた血を吐き出した。
D太「L斗!!目を開けてくれ!」
しかし、何回か咳をしたあとL斗はまたぐったりしてしまった。
D太「L斗!!」
D太は、L斗の心肺機能がしっかりもどったかどうかもう一度確認し、手を離した。
D太「・・・・・・よかった・・・・・」
D太は安心し、きれいな布でL斗の顔についた血を拭いてやった。
その時、何かが船室のドアをノックした。
D太「・・・・・・・・なんだ?」
D太はびっくりして振り向いた。
するとまた、「とんとん」と何者かがノックする。
D太は立ちあがって歩いていき、警戒しながらドアを開けた。
D太「赤兎馬・・・・・?」
そこにはさっき逃がしたはずの赤兎馬がいた。
赤兎馬は何かを口にくわえていた。D太はそれを手にしてまじまじと観察した。
D太「なんだ?」
それは変わった形をした木の葉だった。
D太は赤兎馬を見つめ、訝しげな顔をした。
「その葉は薬草なんだ。」
ふいに、赤兎馬の後ろで誰かの声がした。
L斗てっきり死ぬとばかり。
217 :
少年法により名無し:04/12/11 14:43:15
続き希望あげ
このスレで最終回いく?
沢山キテル━━━━━【*゚д゚*】━━━━━!!!!!
その2さん乙です。後にいるのはいったい何者?
>>218なるべくその方向でいくつもりですが、もしかするとスレをもう一つ消費するかもしれません。
では
>>175の続きです。
バギーは北に向かってひた走っていた。次第に東の空が明るくなってくる。
あれからアーチャリーのタルパが追いかけてくる事も無かった。
ユキコ「そろそろいいかな」
ユキコはバギーを停止させた。
B介は助手席から降りると衛星通信用のアンテナを用意した。
B介「準備できたぞ」
ユキコ「ありがとう」
ユキコは車載通信機にメモリーカードを差し込んだ。
桃寿「何を送っているの?」
ユキコ「報告書よ。オームの構成員や、マインドコントロールの手口。そして、奴隷化された他の流刑者達のリスト……」
B介「リストなら前に僕が送ったよ」
ユキコ「残念だけど、あなたのリストは不完全よ」
B介「なぜ?」
ユキコ「B介は、探知機を頼りにリストを作ったでしょ。でも、オームの奴らは身体に埋め込まれたICタグに気がついていたわ。すでに何人かは外科手術で摘出している。あそこにはあなたのリストにあった人数の倍はいたわ」
B介「マジかよ?」
ユキコ「ええ」
B介「まいったな……」
ユキコ「後はタルパについての報告よ」
B介「何か分かったの?」
ユキコ「ええ。タルパは術者の生命力を著しく殺ぐのよ。だから、アーチャリーは無闇にタルパを使えないの。だから、アーチャリーが目を覚ましても、あたし達を追いかけてくる可能性は低いわね」
桃寿「そういう事は早く言ってほしいわね。いつあいつが追いかけてくるか気が気じゃなかったわ」
ユキコ「そうね。でも、気は抜かない方がいいわよ。残骸から回収できたヒヒイロカネ弾頭は二発だけ。三体以上のタルパに襲われたら対抗手段がないわ」
桃寿「じゃあ、こんなところでのんびりしている場合じゃ」
ユキコ「通信だけは送っておいた方がいいの。アーチャリーは自分の弱点をあたしに知られていることは知っている。だから、口封じが可能なうちなら攻撃してくる可能性はあるわ。でも、佐竹さんにデータを送った後では、あたしを攻撃する意味がなくなるわね」
桃寿「でも、通信を送ったことなんて向こうには分からないんじゃ……」
ユキコ「分かるはずよ。あたしの残してきた通信機で、傍受しているはずだから」
桃寿「そっか……え!? て、ことはこの場所もばれているのじゃ……」
ユキコ「大丈夫よ。アーチャリーは感情的に動くタイプに見えるけど、実際は計算で動いているのよ。割りに合わないことはやらないわ」
B介「おい!! 地平線の方に土煙が上がっているぞ。バギーがこっちへ来る!!」
B介は双眼鏡片手に叫んだ。
桃寿「探知されたじゃないの!!」
ユキコ「違うわ。探知してから追いかけてきたにしては早すぎる。おそらく、中継所を見に行った奴らが、引き返す途中であたし達の轍を見つけたのだと思う」
言うが早いが、ユキコは運転席に飛び乗った。
ユキコ「B介君。向こうの装備と人数は分かる?」
B介「人間は二人。オームの菊池と高橋。後はモナー族兵士。武器は……」
ユキコ、桃寿「武器は?」
B介「ロケット砲」
ユキコ「かっ飛ばすわよ!! みんなしっかり捕まっていて」
バギーの後方三十メートルに初弾が着弾してのはその時だった。
続く。
このスレに書いたことは本にできないな……
筆者1さん乙です。
そうですね。この内容を本にしたら恐ろしいことになりそうだ・・・・
ユキコはなかなか頭がいいんですね。
続き
D太「・・・?誰だ?」
赤兎馬の後ろの人影が、姿を現した。
D太「あ、おまえは・・・・・・」
Q一「・・・あれ?D太先輩・・・??」
偶然にも顔見知りだった。
Q一は、1999年、東京都豊島区で幼児を人質にとり、 汚職を厳罰化しなければならないという主張を
訴え、捕まった前科を持っていて、D太と同じくフリーで動いている。
D太とは訓練所で一緒になり、よきライバルでもあった。
Q一「佐竹さんから、赤兎馬をむかえに行くように言われてきたんす。そしたら病人がいるから」
D太「ああ、なんとか延命できたけど、いつまた発作が起こるか分からない。いつ死んでもおかしくない状態なんだ」
Q一「心配いらねっす。この薬草を使えば。これは赤兎馬が沢で見つけてきたんですよ。
赤兎馬はある意味、人間よりも知能が高いんです。だから未知のものをかぎ分けることもできるんです。」
D太「・・・・!なんだって?!治るのか?!」
Q一「はい。たぶん」
D太「ばかな。佐竹には何も手が無いって言われて・・・・それでおれは・・・・・・!」
Q一「たぶん、佐竹さんは試したんじゃないですか?D太先輩がどういう行動にでるのか」
D太「なんだって?」
Q一「だって、D太先輩、最近おかしいって言ってたから。公私混同してるようなことも言ってたし。信用がなくなってたとか」
D太「ふざけんな!あのときL斗は死んでたかもしれないんだぞ!」
Q一「ぶっちゃけ、政府にとっては、生半可に首つっこんだもとエージェントなんて、厄介なんすよ。できれば死んでくれたほうが都合がいいんです」
D太「てめぇ!もう一回いってみろ!」
D太はQ一の胸倉をつかんだ。
Q一「ちょっ・・・待ってくださいよ!俺と佐竹さんはそんなことおもってないですよ!全部上の命令なんですから」
D太は我に返り、あわてて手を離した。
D太「ごめんな・・・・」
Q一「このL斗ってコも、ほんとは死刑にされるところを佐竹さんが便宜を図ってくれて、エージェント契約解除だけですんだんですよ」
そこまでいうとQ一は、ポケットからナイフを取り出して、先ほど赤兎馬がもってきた薬草を切り刻んだ。
Q一「ちょっとまずいけど、我慢してくれよ。」
Q一は薬草をL斗の口に押し込んだ。
D太「・・・・だめだ・・・飲み込む力すらないんだ」
Q一「それじゃあ、注射にしてみますか?」
D太「そのほうがいいかもしれないな。俺がやるよ」
D太は、薬草をすりつぶして、液状にしたものをL斗に注射した。
Q一「たぶんこれでいいと思います。まあ、俺も訓練所の医学の授業、毎回寝てたんで詳しくないんすけど、
だれでもかれでも100%治る訳でもないらしいんで、気をぬかないで見ててやってください。じゃあおれはこれで」
D太「ありがとう。助かったよ」
Q一「いやいや。なんもしてねっす。あ、それと・・・・俺からこういう事言うのはあれかな・・ってかんじなんすけど、
佐竹さんにも言われたと思うけど、一人の流刑者に肩入れしてるとなにかと面倒なことに・・・」
D太「それはおれが決めることだよ。今日はありがとう。赤兎馬をよろしく」
D太はきっぱり言い放った。
Q一は腑に落ちないような顔で会釈するし、赤兎馬を連れて船にのりこむと、西の方角に出発した。
225 :
少年法により名無し:04/12/13 13:25:35
age
乙。しばらく見ないうちに話についていけなくなった・・・
まとめサイトよむか・・・
うーんと、真面目に読むならバトロワ、
娯楽で読むならこっち。
個人的にこっちおもしろいし、すきだな
ちょびっと文が荒いけど
けどバトロワは描写が上手
でもこっちすき
いつもお疲れ様。
228 :
少年法により名無し:04/12/13 22:49:39
SF系かな?続きキボンヌ
>>223訂正
>D太「ばかな。佐竹には何も手が無いって言われて・・・・それでおれは・・・・・・!」
敬称(さん)がぬけてました。D太何様のつもりなんだ・・・・
>>224訂正
>Q一は腑に落ちないような顔で会釈するし→× 会釈し→○
感想&応援カキコありがとうございます。そうですね。娯楽気分でマターリ読んでいただければと思います。
ちなみにバトロワってもう見れないのかな?ググッテみようかな。
続き
D太はQ一を見送ると、部屋に戻った。
D太「・・・・・L斗」
その時だった。
L斗「・・・・・・ん・・・・」
D太「・・・!!」
L斗が発声とともに顔をしかめた。
D太「L斗!!L斗!!聞こえるか?!」
L斗がゆっくりと目をあけた
D太「L斗!!」
気づくとD太は叫びながら泣いていた。
L斗「・・・・・・・・・・・・・・・・」
L斗は仰向けに寝た格好のまま、天井を見つめていた。
D太「よかった・・・まさかこんなにすぐ効き目があるなんて・・・気分はどうだ?」
しかし、L斗は返事をしないどころか、D太の方をみようともしない。
ただ、さっきから何回も瞬きを繰り返したり、さらに目を見開いたりしている。
D太「・・・・・・・・・?まだ、声が発せられるまで回復してないのか?」
するとL斗の手が、何かを探るように動いた。
D太「どうした?何を探してる?」
L斗は答えない。
D太「まあ、いまはなんもするなよ。とりあえず水でも汲んできてやるよ。」
そう言って、D太は部屋を出ようと、ドアまで歩いていった。
L斗「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ない!」
突然L斗が叫んだ。
D太「?!」
D太はぎょっとして振り返った。
するとL斗はさらに悲痛な顔で叫んだ。
L斗「見えない!何にも見えない!!」
D太 「・・・・・・・・・・え?!」
D太は思わず持っていたグラスを落として割った。
ガシャンという音とともにD太の心の中のなにかも一緒に割れた。
L斗の視力・・・。・゜・(ノД`)・゜・。
>>229 くそ餓鬼の酒鬼薔薇王国で読めましたよ。
>>232 情報ありがとうございました。読んできました。
なんか、萩原のへたれぶりに禿笑えましたw
ところで、この酒鬼薔薇王国ってサイト、作ってるのって小班住民なんですかね?随分と加害者よりなかんじが・・・
続き
L斗「・・・D太、俺、たしかに目開けてるよね?何にもみえない・・・真っ暗なんだけど・・・・」
D太「・・・おれの顔も見えないのか?」
L斗「なんにも見えないよ?どうしたらいい?」
L斗はパニックに陥り、泣きそうになった。
D太「大丈夫だ・・・心配すんな。今だけかもしれないだろ?」
D太はなんとかL斗を宥めながら、通信機を立ち上げた。
佐竹「D太?どうしたの?まあ、状況はある程度把握してるけど」
D太「なんてことしてくれたんですか?!あんたたちが俺を試そうなんて馬鹿なことしてる間に
L斗は・・・・・・・L斗は・・・・・」
佐竹「・・・・・・・・・・D太、気持ちを落ち着けてからもう一度連絡して頂戴。私も忙しいの。」
D太「なんで、あの薬草ひとつで治ることを教えてくれなかったんですか?!もっと早く教えてくれれば・・・」
佐竹「D太、いい加減に気づいてほしいわ! 一人の流刑者に肩入れするってことはそういうことなのよ!
この機関の上の人間は、あなたがL斗に肩入れしすぎてることで不振に思いはじめてるの。
もし、契約を破棄させられてしまったらあなたは死刑になるのよ。
L斗の時はなんとか頑張って減刑を乞うことができたけど、もうこれ以上は無理なの!」
佐竹はいつになく感情的に言い放った。
それを聞いたD太は、黙り込んだ。たしかに、L斗を連れて歩くのは自分の勝手だった。
しかし、他の人間に迷惑をかけていることに気づかなかった。
きっとL斗を庇ったときに佐竹にも、上からそれなりのお咎めはあっただろう。
佐竹「それに、Q一にも言われたと思うけど、あの薬草で100%治るわけじゃないの。
L斗はもともとからだの弱い子だったから、きっとおそかれ早かれ失明することは変わらなかったのよ。」
D太「じゃあ、一生L斗は目が見えないまま生きていくんですか?なにか治す方法はないんですか?」
佐竹「わからない・・・・ここが地球なら、いくらでも方法はあるんでしょうけど・・・・」
L斗はなんとかベッドから起きあがると、手探りでドアの前までたどり着き、2人の会話を聞いていた。
・・・・・きっと、バチが当たったんだ・・・・・・おれは人を一人殺しておきながら、図々しくまだ生きている。
生きる権利なんてないし価値もない・・・
そんなことを思いながら、しばらくその場に座り込んでいた。
235 :
少年法により名無し:04/12/15 20:09:49
乙あげ
続き
L斗「・・・・・・・・・死のうかな・・・・・・・・・・・・・」
L斗は呟いた。
きっと、このまま生きていてもD太の迷惑になるだけだし、目が見えなくては
きっとあらゆることが困難になるだろう。
本来ならば、償いのためにつらさを引きずって、謝りながら生きなければならないのかもしれないが、
子供のL斗はそんな勇気がなかった。
というか、自分の犯した罪に対する埋め合わせもできないのだ。
人を殺すのはある意味簡単なのかもしれない。
しかし、その後の償いというものがとても難しいのだ。というか、人間の許容範囲ではないのだ。
だからみんな償いを恐れて、殺人を犯さない。
当時のL斗はそれがわからなかった。しかし、加害者になった今、それが痛いほどわかるようになった。
いまさらわかっても遅かった。大抵の人間は罪なんか犯さなくてもそんなのわかっている。
D太「死ねるなんておもうなよ。」
気がつくと、ドアが開き、D太がそこに立っていた。
しばらく見てなかったんですが、続ききてますね。
読み応えあります。お疲れさまです。
感動
>>237-238 ありがとうございます。
読んでくださってる方たちにはほんと感謝です。
続き
D太「死なないでくれ、おれのために」
L斗「・・・・・・・・でも、もうつらいよ・・・・・我慢できないよ・・・・」
D太「我慢してくれ。おれのワガママを聞いてくれよ」
L斗「・・・無理だよ・・・こうして喋ってても、D太の顔見えないよ・・・ああ・・・・・もう本当にいやだ・・・楽になりたい・・・」
D太「L斗、死にたい衝動に負けないでくれよ!頼むから!負けないでくれよ!」
D太はL斗の正面にしゃがみこんで手を握ってやったが、視線は合わなかった。
D太「L斗!ここで頑張って乗りきれよ!死にたいほどのことを乗り越えた人間になれるチャンスだぞ!」
L斗「乗り越えたって・・・どうせ俺は人殺しだよ・・・・先が見えないよ・・・・」
するとD太はL斗の肩を掴んだ。
D太「だからこそここで生まれ変わるんだ!この苦悩を乗り越えればおまえは、綺麗な心の人間になれるんだよ!」
しかしL斗はなにも考えられないようだった。死期の近づいた顔になっている。
D太は、これ以上何を言っても今はだめだと思った。
D太「L斗、ごめんな」
そう言うとD太は手を振りかざすと、L斗の首根っこあたりを、トンッと、一回叩いた。
その瞬間、L斗は意識を失い、床に倒れた。
D太「といあえず今は眠ってろよ。そのほうがいい」
D太はL斗を負ぶってベッドまでつれてゆき、寝かせた。
>>239 訂正
>D太「といあえず今は眠ってろよ。→×
とりあえず→○
>そう言うとD太は手を振りかざすと→×
そう言ってD太は→○
タイプミス多すぎ。すみません。
。・゜・(ノД`)・゜・。
>>240 タイプミスなんて気にしないで下さい。いつも乙です。
>>241-242 ありがとうございます。なんせ、話が思いつき次第、ぱーっと書くもんで、
もっともちついてやろうかなと・・・・
続き
D太は再び甲板に出ると、通信機を立ち上げた。
そして、ぽけっとから小さなメモリーカードとコードをだし、通信機に差し込んだ。
すると、画面はテレビの砂嵐になった。
D太はたちあがり、船室に戻ると、その辺をきょろきょろ見回した。
D太「・・・・あった!これでいい」
D太は船室の床に収めてあった、円形の鉄板を手に取った。
これは、マンホールの蓋のような形になっており、この船をつくった猫が魚を獲るために、
床下から水中に潜ることを考えてつくられたものだった。
D太は甲板に行くと、柵に鉄板を固定した。さらに、鉄板に木の枝と通信機のコードをくっつける。
すると・・・・なんと、いままで砂嵐だった画面が鮮明に映し出された。
画面のむこうには、とても綺麗な顔立ちの、かみの長い若い女が現れた。
歳のころはD太と同じく23、4くらいだった。
女「・・・・・D太!!無事だったのね!!!」
若い女は涙ぐみながら言った。
D太「・・・・瑠璃・・・・・・」
D太は地球にある、自宅のPCにアクセスしたのだった。
当然、ワームホールを挟んでの距離なので、常人の知識では到底無理なことなのだが、
佐竹をはじめここに送り込まれた政府の人間や、訓練をうけたプロのハンターたちには
地球へのアクセスなど訳のないことだった。
そして瑠璃というのはD太の彼女である。
D太「おまえこそ。元気そうだな。なんかやせたんじゃないか?」
瑠璃「あたりまえじゃない!あなたのこと心配で・・・・いつ帰ってくるの?」
D太「それはわからない・・・・・・・あのさ、地球を出る前にもおれいったよね?おまえに・・」
瑠璃「やめて!聞きたくない!」
瑠璃はモニターの向こうで耳を塞いだ。
D太「聞いてくれよ!瑠璃!頼む!」
瑠璃「・・・・・・・・・・・・・・ごめん・・・・・・・・・」
D太「・・・いや、いいんだ・・・俺のわがままなんだから・・・」
瑠璃「・・・いいの・・わたしそんなことがあっても、あなたの考えを受け入れるって、あのとき約束したもんね・・」
D太「・・・やっぱりおれは、当分かえってこれそうにないんだ。だから・・・
俺のことは忘れて、他のやつと幸せになってほしい」
瑠璃はしばらく沈黙を続けたが、涙声になりながら答えた。
瑠璃「・・・・・・・・・・わかった・・・」
D太「わかってくれてありがとう・・・・・おれは、両親も、弟にも先立たれてひとりだったけど、おまえだけは
いつもそばにいてくれたこと、本当に感謝してるよ・・・・」
瑠璃「・・・・うん・・・わたしもD太と出会えたことに感謝してるよ・・・」
D太「それに・・・・・」
瑠璃「なあに?」
D太は言いかけてやめた。
D太「・・・なんでもない。それじゃあ・・・・」
瑠璃「まって!このままわたしたち、二度とあえなくなるの?!もう恋人じゃないけど・・お願い、
せめて友達として、またいつかどこかで会ってよ!」
D太「・・・わかった。必ずどこかで会おう。約束する」
瑠璃「・・・必ずよ・・・・」
D太「ああ・・・それじゃあ・・・・・」
D太は通信を切った。
途端に涙が溢れてきた。それを手で拭いながら通信機をたたんで船室に戻る。
さっき、瑠璃に言いかけたこと・・・・・・
D太「おまえのこと、本当に好きだ。その気持ちはいまでも変わらない」
やっぱり言ってやればよかったかとも思ったが、別れをきりだした側の人間が口にしていい言葉ではないと思った。
センチメンタル〜♪
>>188 続き
サッキーは徳田への協力を承諾した。
正直、こども3人だけでこれ以上行動するのには無理がある。
いままではなんとか、少年院でつけた知恵を振り絞り、ここまでやってきたが
いつまたバモイドが発動するかわかったもんじゃない。
そうなったとき、徳田ならなにか力になってくれるだろうという期待が少しあった。
ネオ「サッキー、大丈夫なのか?これが罠だってことないよな?」
ネオはまだ納得していないようだった。しかし、
サッキー「いや、彼を信用しても大丈夫やとおもう。俺の勘にまかしとき。」
ネオ「勘だけ?危ないな・・・・」
サッキー「いままで俺が信用したやつに悪いやつなんておったか?最終的には助けてくれたような
人間ばっかやろ?」
ネオ「まあ・・・いいだろう。おれはおまえに付いて行く覚悟だから、なんでも決めてくれ」
サッキー「てんきゅー。まあ、まかしとき。」
徳田「ミーティングは終わったか?早速だが、作戦を練りたい。」
サッキーとネオは徳田のもとへ歩いて行き、腰を下ろした。
しかし、ネバダだけは一向に動こうとしない。
>>247訂正
サッキー「いままで俺が信用したやつに悪いやつなんておったか?最終的には助けてくれたような
人間ばっかやろ?」
人間という表現は間違いですね。すいません。
その2氏おつかれ〜。
その1氏きませんね。
乙
>>249ー250
ありがとうございます。
その1氏どうしたんだろうか。
続き
サッキー「ネバダ、どうしたん?」
サッキーは立ちあがると、ネバダの前に歩いていって、肩に手をおいた。
ネバダはなんだかすぐれない顔色をしていた。
サッキー「ネバ・・・?」
するとネバダは下腹部をさすり出した。
ネバダ「・・・・・いたい・・・」
サッキー「なに?大丈夫か?!」
ネバダ「・・・・いたい・・・もうだめ・・・」
ネバダは苦痛に耐えかねてその場に座り込んだ。
異常に気づいてネオも駆け寄った。
ネオ「おい!ネバ、大丈夫か?」
呼びかけながらネオは、ネバダが手で押さえている個所をみてはっと気づいた。
ネオ「ねば、痛いのはいつからだ?」
ネバダは顔をしかめながら涙目でネオを見上げた。
ネバダ「・・・もうずうっと・・・・あたいらがオカカ国を出て・・・森に入って一夜明かした時から・・・」
ネオ「・・・ひょっとして、おまえ記憶の記憶が一時なくなってたときからか?」
ネバダ「・・・・そう・・・でも今日までは・・・こんなに酷くなかったから黙ってたけど・・・・」
・・・やっぱり・・・
ネオは痛みの原因がなんなのか、いち早く気づいた。
サッキーは相変わらず状況を読めずに訝しげな表情をしていた。
ネバダ「・・・なに?なんか知ってるの?」
サッキー「なんや、ネオ、どうしたん・・・・・・はっ・・」
どうやら鈍感なサッキーも気づいたようだった。
ネバダ「ねえ、一体なにを隠してるの?!教えてよ!」
ネバダは声を荒げていった。
ネオは一生懸命、サッキーに目で合図を送った。
・・・頼む、外してくれ。このことはお前はしらないことになってる・・・・
サッキーはネオの突き刺さるような視線の意味を理解した。
サッキー「ほな、おれは徳田はんと相談するから、ネオ、ネバは頼むわ」
そう言い残すとサッキーは徳田のいるほうへ歩いていった。
妊娠!?
支援sage
続き
ネオは、自分達の声が聞こえない位置にサッキーが行ったことを確認すると、
小声で話し始めた。
ネオ「ネバ、痛みはどんな感じ?生理痛みたいに痛い?」
ネバダ「うん・・・そんな感じ・・・・でも、ネオは男の子だし、こんなこと話しにくい・・・」
ネオ「しょうがないよ。サッキーに知られるよりかはいいだろ?おれも妹がいるから、
女の子の・・・・その・・・体のハンデとかはほんの少しだけど、相談にのってあげられると思うし」
ネオは恥ずかしそうに言った。
ネバダは躊躇したが、こんな状況では仕方が無いと思い、はらをくくって話し始めた。
ネバダ「・・・・じつは、生理痛っていうか、なんか切り裂かれたみたいにおなかがいたいのよ・・
あたい、なんかしたかな・・・?」
ネオは真剣な面持ちになった。そして言った。
ネオ「ネバ、ひょっとしたら、おまえは・・・・その・・・・赤ちゃんができたかもしれない・・・・・」
・・しばし、沈黙が訪れた。
ネバダは目をまん丸に見開いて、しゃがんだ格好のままネオを見上げていた。
ネオも真剣な顔でその顔を見つめ返した。
すると、ネバダは笑い出した。
ネバダ「あはははははwwwなんでそうなんの?だいたい覚えがないんですけど!
てか、ネオのギャグにしてはちょっとおもしろかったww」
ネオ「ギャグじゃないんだよ!おまえは・・・・!あのときおまえは・・・!」
ネオのあまりの鬼気迫るような表情に、ネバダの笑い声は消された。
ネバダ「・・・・・・・え・・・・?あのとき・・・・・?あたいなにしたの???」
しかしネオはどうしてもその先が言えなかった。
ネバダ「・・・ねえ!答えてよ!!あたいなにしたの?!ネオ!!」
ネバダはたちあがると、ネオの両腕をつかんでゆさぶった。
ネオ「落ち着いてくれよ!まだ妊娠してるかどうか決まったわけじゃ・・・・」
ネバダ「じゃあ相手はだれなのよ!!なんであたいの記憶がない間にそんなことになってるの?!!」
ネバダはつに泣き崩れ、その場に座り込んだ。
・・・・本当のことは言えないと、ネオは思った。つらすぎる・・・・・。
つらすぎる・・・・??あたりまえじゃないか。彼女には罰が当たったんだ。彼女が地球でしたことをよく考えてみろよ。
このままここで、何事も無かったかのように生きていくなんて、神様が許すはず無いだろう?
彼女だけじゃない・・・・きっと、おれやサッキーにもいつかはここで、生き地獄を味あわなければならない時がくる・・。
ネオはそんなことを考えながら、ネバダを見つめていた。
この災難が当然の報いならば、ネバダに本当のことを打ち明けるしかないように思った。
しかし、自分はここに来て少し変わった。ここ何日かのあいだに少しだけ、
人に対して思いやるということができるようになったと自負していた。もうこれ以上、
ひとを傷つけることはしたくなかった。
ネオは心に区切りをつけた。そして、泣いているネバダの肩に手を置いて話し始めた。
ネオ「ネバ、そんなに泣くなよ・・・・お前が心配することなんかなにもないんだよ」
ネバダ「・・・・・・・・・・・」
ネバダは泣きじゃくりながら顔を上げた。
ネオはその目を優しくみつめながら話した。
ネオ「・・・・・・・・・・・もし、おまえが本当にできてるんだとしたら・・・・
お腹の子の父親は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・サッキーだ・・・・」
ネバダはこれ以上ないくらいに驚いた顔をした。
しかし、その表情には絶望や混乱のようなものはふくまれてはいなかった。
ええええええネオ、サッキーがやった事にするのか!w
一方サッキーは、徳田にこれまでの経過を話して聞かせた。
バモイドのこと、それを体から追い出すためにカルカン山を目指していること、
自分は更生プログラムにより武器がもてなくなったことなど・・・・。
徳田「きみがダルパの媒体だったのか。話は本部から聞いている」
サッキー「ご存知なん?そら話がはやいわ。しかし、政府がらみで話題になるゆうことは、
やっぱりバモイドは危険因子なんや・・・・はやくなんとかせんと・・・」
徳田「実はタルパの媒体になっていたのは君だけじゃない。」
サッキー「ほかにもいんの?」
徳田「ああ、2003年に長崎でおきた幼児突き落とし事件の松田雄一。
やつもきみたちとほぼ同時にここに送り込まれたが、何日もまえに死んだことが確認された。
しかし、本部の調べによると、媒体の松田は死んだものの、タルパだけが生き残り、
また悪事を繰り返しているらしいな。」
サッキー「じゃあ、俺が例え死んだとしても、バモイドだけが生き残ることはあるんか?」
徳田「どうだろうな。松田のほうは先天的なものがあるからな。
しかし、いずれにしてもお前は政府からマークされている。目立った行動は控えておけ」
サッキー「ご忠告どうも。どっち道武器がもてへんのやから、たいした事はでけへんわ。」
訂正
>徳田「実はタルパの媒体になっていたのは君だけじゃない。」 ↓
>徳田「実は流刑者のなかで、タルパの媒体になっていたのは君だけじゃない。」○
徳田「それで、対スーフリ策なんだが、やつらは手ごわい。腕力では対したことないと思うが
なんせき点が聞くし、団結力がある。こちらも大人数で臨んだほうがいいに決まっている。」
サッキー「おっさんのはぐれた仲間の女のコたちを探さなあかんな。」
徳田「俺は怪我していて動けない。そこできみたちにたのみたいんだ。
もし無事にスーフリを蹴散らせたら、ますますこの星に住みやすくなるぞ。」
サッキー「そやな。じゃあ、俺らだけでいってくるわ。おっさんはその怪我で一人やと
大変やろ?パイを置いてくわ。」
パイ「よろしくにゃ」
徳田「それは心強いな。では、娘達を全員探し出せたらここに戻ってきてくれ」
サッキー「了解」
そういうとサッキーは踵を返して、ネバダとネオがいるほうに歩いていった。
続きを!
262 :
少年法により名無し:04/12/25 13:06:21
続き希望age
続き
ネオ「サッキー、ちょっと話があるんだ、ネバ、ここで待ってて」
サッキー「なんや。」
ネオは船からもネバダからも離れた場所にサッキーをつれていった。
サッキー「で、ネバダには上手くはなせたんか。」
ネオ「おれサッキーに頼みがあるんだよ。」
サッキー「なんや、改まって。」
ネオ「あの夜のこと、本当のことはネバダに言えなかった。だから俺つい嘘をついた」
サッキー「嘘?ああ、あんな状況ならしかたないな。本当のことは話さないほうがあいつのためや
せやけどネバダ、体は大丈夫なんやろうか?」
ネオ「・・・たぶんできてる・・・・」
サッキー「・・・・・・・・え・・・・ほんまに・・・?・・・どうしたらええの・・・?」
ネオ「だから、そこまでは話すしかなかった・・・・相手が誰かまではいえなかった・・・」
サッキー「・・・・あいつら・・・・・」
サッキーは怒りがこみ上げてきた。勿論ネオもそれは同じだった。
まさかここまで来て、かなり前に決着を着けた相手に苦しめられるとは思ってもみなかった。
サッキー「でも、まだ決まったわけやないんやろ?」
ネオ「ああ、でもあれだけ痛がってるって事は、そうでなくてもたぶん傷ついたりして体がおかしくなってる」
サッキー「・・・・で、あいつは相手がだれだかきかなかったん?」
ネオ「きかれたよ。おれそこであいつに都合のいい嘘ついてしまった。」
サッキー「あいつに都合にいい嘘?どんなん?」
ネオはしばらく沈黙したあと、しどろもどろはなし始めた。
ネオ「もし出来てた場合・・・・サッキーが父親ってことにしてくれないかな・・・」
サッキー「・・・・・・・・・」
サッキーはしばらく黙り込んだ。ネオは哀願するような目でサッキーを見つめた。
サッキー「・・・・で?もうネバにそう言ってしまったんやろ?」
ネオ「ああ・・・ごめん・・・・それしか方法が無いと思って・・・・」
・・ネオがそこまで言いかけた時だった。突然サッキーのパンチがネオの顔面にヒットした。
バキ!!
ネオ「ぶっ!!!」
ネオはよろけて地面に倒れた・
ネオ「・・・・・・・・」
ネオは鼻を押さえてサッキーの顔を見上げる。
サッキー「なにしとんねん?!なんでそんな勝手なことするん?!俺にどうしろって?!」
ネオは鼻時を手で拭いながら、よろよろと立ち上がった。
ネオ「・・・・だって・・・サッキーきづかないのか?!あいつはお前のことすきなんだぞ!!いい加減その気持ちに応えてやれよ!!」
サッキー「そんなこととっくに気づいてるわ!あれだけアピールされればな!せやからおれうまく逃げてたのに!」
ネオ「逃げてた?!・・・おまえそんなやつだったのか?!」
サッキー「勘違いすんな!おれは年下には興味ないし、そないな面倒なこと嫌いやねんな!それよりお前、やけにネバのこと思いやるよな?!お前がすきなんちゃう?!」
それを言われてネオの動きが止まった。顔が次第に赤くなっていくのがわかった。
サッキー「・・・・・図星なん・・・・?」
恋愛のもつれキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
ネオはやはり好きだったのかw
その2氏乙!
三角関係キターw
続き
ネオは顔を真っ赤にしながらめがねをとった。
サッキー「なんや、だったらなんで俺とネバをくっつけようとするん?」
サッキーがそこまで言いかけたとき、ネオのキックがサッキーの肩にヒットした。
サッキー「うが!」
サッキーは地面に倒れる。
ネオ「ふざけんな!!じゃあもう2度とネバに優しくするな!!お前は思わせぶりなんだよ!!」
サッキーは蹴られた肩をさすりながら立ち上がった。
サッキー「いって・・・・・わかったよ・・はいはい、何でも俺が悪いことにすればええよ。それで満足やろ?」
それを聞いたネオはますます胸糞がわるくなった。
ネオ「おまえはいつもそうだな・・・すこし高いところから俺を見下してる・・・」
サッキー「なんでやねん!俺がいつおまえのこと見下した?何月何日、何時何分、地球が何回まわったときや?」
ネオ「ほら、それだよ!ひとが真剣になってるときに面倒だからって、うまく誤魔化して逃げることばっかり考えてんだろ?!」
サッキー「人聞きのわるいこと言うな!おれなりに考えてんねんで?!それが駄目だっていうならお前とはやってけへん!」
ネオ「そうかよ・・・!おまえは所詮その程度の人間だったんだな。そうだな、もと連続通り魔だもんな。いいやつのはずないしな。」
するとサッキーはいきなりネオに飛び掛り、胸倉をつかんだ。
その勢いで2人とも地面に倒れこむ。
サッキー「おまえ・・・たしかにおれは人殺しや・・・・でも、お互いに過去のことを口にだすのは
やめようってこと、約束したやんけ!!」
3人はオカカ国にいたとき、間違ってもお互いの過去にふれるようなことはやめようと、
決めたのだった。正直、ここに送り込まれたとき、3人とも精神的なダメージがとても大きかった。
だから、過去にとらわれているとどうにもやっていけそうにないので、前しか向いてはいけないことを誓っていた。
ネオ「なんだよ・・・むかついたのか?殺しが愉快でたまらないんじゃなかったのか?」
サッキー「うるせー!!おまえみたいなバスジャック犯にいわれたくないわ!そんなやつが女の子に恋してるやって?!
しかもあいても同級生殺しやて?こら笑えるわ!」
ネオ「ネバのことまで悪くいうなよ!!」
ネオがサッキーの頬を殴ろうとした・・・・・・・そのときだった。
ネバダ「やめてよ!!!」
遠くにいたはずのネバダがいつのまにかすぐそこに立っていた。
ネバダ聞いてたのかよ!(゚∀゚)ワクワク
続き熱烈キボンsage
ドロドロの展開キテル Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒Y⌒(。A。)!!!
その2氏おつかれ〜。その1氏を最近みませんね?
>>270 ネバダはけっこう敏感なのでつ。
>>271 その1氏見ないですね。修行中とおっしゃってたので、忙しいんだろうか。
続き
ネオ「・・・・ネバ・・・・(やべ)どこから聞いてた・・・・?」
ネバダは悲しみのどん底に突き落とされて、いまにも死んでしまいそうな顔になっていた。
ネバダ「・・・・・ネオもういいよ・・・・あたい・・・・あの日の事思い出したから・・・・・」
ネオ「なに?!」
ネオの心の中で何かが崩れた。・・・・・もうおしまいだ・・・きっとネバダは死んでしまうかもしれない・・・
サッキー「・・・・ネバ・・・・・ちがうねん・・・・・・」
ネバダ「なにがちがうのよ!!!」
ネバダの声にあたりが静まり返った。
すると、ネバダの目から大粒の涙がぼたぼたと流れ始めた。
ネバダ「・・・・・ひどいよ・・・二人とも・・・知ってて隠してたんだ・・・・こんなあたいの屈辱的なこと・・・・
知ってて隠してたんだ・・・・・」
ネオはサッキーを突き飛ばし、あわててネバダのそばに駆け寄った。
ネオ「・・・ネバ・・・ごめんな・・・・おれは・・・・」
そういいながら、ネバダの涙を拭おうとした。
しかし、ネバダはそれを手で制した。
ネバダ「あたいに触らないで・・・・・」
ネオ「ネバ・・・・・!!」
ネオは後頭部をハンマーで殴られたようなショックに襲われた。
ネバダ「あのとき・・・・殺してくれればよかったのに・・・・!」
サッキー「なに?!」
ネバダの顔が屈辱で歪んでいった。またしても大量の涙があふれ出てくる。
ネバダ「こんなことされて・・・・二人にも知られて・・・しかも気使われて・・・死んだほうがましよ・・・」
ネオ「ネバ・・・・」
ネバダ「死んだほうがましよ!!!!」
ネバダはそういい捨てると森の方へ走り出した。
サッキー「ネバ!!まってくれ!!」
サッキーはネバダを追いかけるべく、あわてて身を翻した。
しかし、それをネオが邪魔した。
ネオ「おまえがいっても逆効果だってことがわかんないのかよ!」
サッキー「えらそうに・・・・!」
パン!!
突然乾いた銃声が聞こえた。
かと思うと、2人の足元の土が飛び散り踊った。
サッキー「うわ!」
ネオ「なっ!!」
遠くのほうから様子を見ていた徳田が2人の足元に向けて発砲したのだった。
徳田裏切りですか?!
乙〜。ネバダ自殺なんてしないよね?
サッキー「な、なんやねんな!」
ネオ「どういうことですか?」
2人は驚愕した顔で徳田を見た。
徳田は構えていた銃を下ろした。
徳田「おまえら、はなしは聞かせてもらったぞ、あんまり五月蝿いから静かにしてもらおうとおもってな」
サッキー「げ、そんな遠くにいてもきこえてたんかいな!」
ネオ「しまった・・・おれらの声が大きすぎたのか・・。ネバにも聞こえてるわけだ・・・」
徳田は銃口を下ろし言った。
徳田「おまえたちは自分の立場ばかり考えていないで、あの娘がもし、本当に身ごもっていた場合
どうするのかを少しかんがえたらどうだ?」
サッキー「どないもこないも・・・・」
ネオ「・・・・そうですね・・・それを第一に考えるべきでした。それなのに俺らは・・・・」
徳田「気をおとすな。この星にも、清潔とはいえないが医療機関はある。幸いおまえたちが先ほどまでいた
港町にあるから連れて行って調べてもらえばいいだろう」
サッキー「しかし、町にはスーフリが・・・・・」
徳田「そのためにもやつらを倒さないとならないな。まず。さっきの娘を追いかけて、なんとか説得して
連れ戻せ。それから私の連れの娘たちもな。女同士、相談しあえれば、あのこも少しはおちつくだろうから」
サッキー「徳田はん、あんたいい人やな・・・」
そういうとサッキーはネオのほうに向いた。
サッキー「ネオ、すまんかった。はよ、ネバをおいかけるで」
ネオ「おれも、悪かった、でもどうやってネバを連れ戻す?あいつ俺らにはもう会いたくなさそうな・・」
サッキー「ネバを捕まえたら考えればいいやんけ。はよ行かないとほんまにあいつが死んでしまうかもわからん」
ネオ「ああ・・・」
2人は森の方に走り出した。
徳田イイ奴じゃん。てっきり裏切るつもりかと。
乙!!
お待たせしてすいません。
>>277 エージェント系の人間はなるべくわるくならないように書いていこうと思ってます(^^;)
森の中は殆ど太陽の光が届かないくらいに木が茂り、少しじめじめしていた。
こんな場所に徳田の仲間の少女たちがかくれているとは到底思えないほど暗かった。
ネオ「くそう・・・・ネバダはどこにいったんだ?こんなに暗かったら探すの難しいぞ」
サッキー「ネオ、この木にしるしを付けとく。ここから分かれてネバダを探そう」
そういうとサッキーは後ろにあった木にペンで印をつけた。
ネオ「大丈夫かな?もしこれをスーフリが見つけてしまったら・・・」
サッキー「大丈夫やろ?さっきやつらの少しはなしたときにわかってんけど、やつらは相手の出方を待つタイプみたいやな。自分達から行動することはありえへん」
ネオ「そうだね。この森に自らはいってくることはなさそうだ。・・・わかった。じゃあおれ西の方にいってみる。」
ネオは方位磁石を見ながら言った・
サッキー「ああ、じゃ、おれ東へいくわ。トランシーバーはしょうがないからスイッチ入れといて」
ネオ「でも、さっき徳田さんも言ってたけど、盗聴されないか?」
サッキー「かもな、でもしゃあないな。盗聴されようがなんだろうが、ネバを探すことが先や。」
ネオ「そうだね。なにかあったら連絡するよ。」
そういうとネオは木から西に伸びた獣道の方角を向いた。
サッキーも東の方に歩き出そうとした。
ネオ「あ、サッキー。待ってくれ」
サッキー「なんや」
ネオ「あのさ、俺、ネバのこと好きだよ」
サッキー「ああ、わかってる・・・・さっきはわるかったな」
ネオ「いいんだ・・・・おれは、もしおまえがネバに振り向いてくれればネバはきっと幸せそうな顔してくれるだろうと思ってた」
サッキー「ああ」
ネオ「だからあんな嘘をついた。お前のことも考えず・・・・」
サッキー「もうええよ」
ネオ「いや・・・この後に及んでこんなこと言うなんて、おれはどうしようもない馬鹿なんだけど・・・・」
サッキー「なんやのん・?」
ネオ「ネバのこと、本気で好きになってくれないかな・・・・」
サッキー「・・・・・・・・」
ネオ「・・・いや、無理なのはわかってるんだ・・・・なんでこんなこと言っちゃったんだろう・・・俺馬鹿だな・・・w」
サッキー「・・・・・おまえ、ひとつきいてもいい?」
ネオ「なに?」
サッキー「なんでそんなことが言えんの?だっておまえはネバが好きなんやろ?普通は誰ともくっついて欲しくないと思うはずうやろ?」
ネオ「・・・・・・・・それは・・・・・・」
サッキー「いや、別に偽善者ぶってるんやないことはようけわかっとるで。ただ、好きな子のためにここまで献身的になれるもんなの?」
ネオ「・・・・・・わからない・・・・今までのおれならこんなことはなかったかもな・・・・・ただ・・・・・」
サッキー「ただ?」
ネオ「ただ、おれはこうして、どんなときも相手の気持ちを最優先にして、自分のきもちは少しでも押し殺して生きていくことが
俺が殺してしまった人への償いなんだと思ってる。」
ネオいい奴じゃないか。
その2さんおつかれ〜。来年もよろw
>>282 読み手さんたちも毎度乙です。
なかなか話が続かない時なども、気長に待っていて下さり、本当にアリガトウございます。
続き
ネオはここに来てから、ここまで自分の心情を語ったのは初めてだった。
あまり人と話すのは得意ではないので、なかなか上手く言えなかったのだが、サッキーには
明確にその意思は届いていた。
サッキー「・・・・ネオはたぶんおれなんかよりずっと大人なんやね。」
ネオ「えw?」
サッキー「正直、おれはいまだに償うことがどういうことなのかわからへん・・・・・」
ネオはしばらく考えた。言葉を捜したがなかなかみつからない。
サッキー「いや、なんでもない・・・・忘れてくれ・・・
さ、はよネバを見つけんと」
ネオ「そうだね。じゃあ」
二人は反対方向へ歩き出した。
サッキーは、しばらく森の中を歩いたが、ふと水の音が聞こえることに気づいた。
近くに川でもあるんやろか・・・・そう思いながら懸命に耳を澄ました。
しかし、昼間だというのに森のなかは暗い。
サッキーは暗闇の中で足を掬われるのが少し怖かった。もし、なにものかが息を潜めてこちらの様子を伺っていたらどうしよう。
やはりネオと一緒に行動したほうがよかったのだろうか。なんせ自分は今武器が使えない。
リュックの中に収めたボウガンだけが緊急時の頼みの綱だった。
・・・くそう、こんなにくらいなら歩くことも困難やな。たいまつをつけようか・・・しかし、そんなことをしては、
敵から丸分かりだ・・・でもこれではネバを探せない。しゃあない・・・・
サッキーはリュックにさしたたいまつを抜いた。そしてポケットから火種石を取り出す。・・・が、
サッキー「ああ!しまった!」
サッキーは石をうっかり落としてしまった。
サッキー「あかん・・・どこへおちた・・・?」
サッキーは静かにしゃがむと手探りで石を探した。
サッキー「お、あった」
偶然にも右手がそれらしきものに触れた。
サッキーはそれを拾い上げようと、左手をついて身を乗り出した・・・そのとき・・!
サッキー「うわー!!!!」
体が思い切り前のめりになり、一瞬無重力を感じ・・・・落下していく・・・・!
ダン!!!
サッキー「ぐあ!!」
サッキーはまんまと深い穴に転落した。
とりあえず、今年はここまでです。
来年もこつこつと地道に書いていきますのでよろしくです。
では、よいお年を〜ノシ
久しぶりに読んだんだが、面白い!続きが気になる・・・。
その2氏乙かれ〜。よいお年をw
あけましておめ。筆者さんたち、新年もよろしくおねがいします。
おめ。これからもよろ。
読み手の皆さん、あけましておめでとうございます。
今年も「異世界in犯罪者」をよろしくです。
続き
サッキー「う・・・・・いってえ・・・・どこやここは・・・」
サッキーは着地したときに打ち付けた腰をさすりながらぼやいた。
穴は真っ暗で、一ミリの日の光さえ届かない。
しかし、どこかで水のおとが、より鮮明に聞こえる。
サッキーは腰をさすりながら起き上がった。
すると、目の前に、大きなあなが飛び込んできた。
サッキー「・・・!!なんや・・・洞窟の入り口か・・・?」
それは、サッキーの目の前でぽっかりと開いており、奥にみちが続いていた。
水音はその奥から聞こえてくる。
サッキー「なんだか下水道みたいやな・・・・・」
そいうと、リュックから予備の火種石を取り出して、松明に日を点した。
すると余計に穴の奥がはっきりと覗えた。
サッキーは自分が落ちてきた上を見上げた。
かなりの深さで、到底ここから上りきれるようなものではない。
サッキー「しゃあない・・・こっちに進むか・・・・」
サッキーは覚悟を決め、洞窟の奥へと進んでいった。
新年初続きキタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
291 :
少年法により名無し:05/01/02 15:46:06
新年あげ
さて、どんどんいきますよw
続き
洞窟の中は真の闇だった。松明で照らされた所意外は何も見えない。
かすかな水の音だけが聞こえてくる。
サッキーはその水音に吸い寄せられるかのように奥へ奥へと足を踏み入れた。
・・・一方ネオは、森の中を警戒しながら探索していたが、ふいに視界が大きく開けた場所に出た。
ネオ「・・・・・・滝・・・?」
ネオは絶壁の中にある大きな滝にでぐわしたのだった。
ネオ「こんな大きな滝がこの森にあったなんて、きっと川のほうはさっき俺らがいた海辺に続いてるのか?」
ネオは方位磁石を取り出した。
さっきまで自分が目印をつけながら歩いてきた方角から、忠実に西に進めているようだった。
ネオ「サッキーは大丈夫かな?はやくネバを見つけて戻れたらいいが・・・」
そうつぶやいたときだった。
ネオ「・・・・・これは・・!」
ネオの足元には一足の靴が並べて置かれていた。
その靴は、先のとがったパンプスをかたどったピンクのスニーカーで、ネオはそれをよくみたことがあった。
ネオ「うわあああああああああ!!!!うそだああああああああああ!!!!!」
ネオはそのスニーカーを抱きしめた。そしてキチガイのごとく、反対側に走り出した。
そう、それはまちがいなくネバダのスニーカーだったからだ。
ネバダ自殺sage
続き
滝の周りを囲む絶壁の直径は、推定でも1キロ以上はあった。
しかし、ネオは今そんな事を気にする余裕はなかった。
普段運動の不得意なネオだったが、意外なスピードで反対側の絶壁の淵にたどり着いた。
ネオは息を切らして、転びそうになりながら木を掻き分けて下を覗いた。
向こうに比べてこちら側の水の流れはゆったりしている。
それに、そこまで深そうな川でもなかったので、ネオは根拠のない安心感を少し抱えた。
川の流れは、さっきネオが立っていた場所からこちらにむかっていたので、
もしネバダが飛び込んだのならきっと、こっちに流れているだろうと思った。
たのむ・・・・生きていてくれ・・・・・・
そのとき、水の中に人の髪の毛のようなものが浮かんだ。
ネオ「・・・・・!!まさか・・・・!」
もう一度よく目を見開いて水面を覗き込む。
それはまちがいなく人間だった。しかもどうやら女の子らしい。
しかし、どうみても死んでいるようにしか見えない。
ネオは不安に押しつぶされそうになりながら荷物をおき、飛び込む準備をした。
こんなときにやたら冷静でいられる自分が不思議だった。
あそこで溺死しているのが自分の好きな女の子かもしれないのに。
ネオはそんなことをかんがえながら、眼鏡をはずした。
そして2,3度軽くジャンプをして弾みをつけ、一気に飛び込んだ。
ザブン!という音とともに自分は曇った水の中にいた。
しかし、顔を上げようと軽く水を手で掻いた瞬間、流れに吸い込まれた。
ネオはパニック状態になり無理矢理手足をばた付かせた。
悪戦苦闘を強いられた後、なんとか顔を水面の上に出すことが出来た。
ネオ「ぶあ!!」
ネオは水を吐いた。しかし流れはとまることなく、ネオを吸い込もうとする。
ネオはなんとか抵抗しようと闇雲に水を掻いた。
・・上でみていたよりもずっと流れは早い・・・・くそ・・・!
流されながら、さっきの女の子を探した。
ネオ「いた!」
幸いなことにネオがいるところより少し下のあたりで岩に引っかかっている。
ネオ「そこに・・・いてくれ・・・!いま・・・」
ネオは必死に水をかきながら、うまく流れを利用した。
途中で何回も脱線しそうになったが、そのたびに岩につかまったりしながらなんとかたどり着けた。
ネオは岩に引っかかっている女の子の髪をかきあげた。
少し耳のあたりから頬の色が覗えたが、すでに赤みを失っており、
どうみても死人の顔色になっている。
ネオは張り裂けそうな気持ちを抑えながら、顔に手を当て、こちらに向けた。
そしてその顔をよく覗き込んだ。
ネオ「ネバじゃない・・・・・!」
その少女は、まったくの別人で、見たこともない人間だった。
よくみると、こめかみに銃で撃たれたあとがあった。
脈を触ってみたが、確実に死んでいることがわかった。
ネオ「なんだ・・・?いったいここでなにがあった?ネバはいったいどこにいったんだ?」
ネオはまたしても激しい不安に襲われた。
ひょっとしてネバダは、流されてしまって探すことは不可能なんじゃ・・・・
そんな考えをなんとか頭から追い出した。
大丈夫だ・・・きっとあいつは生きてる・・・!
ネオは自分に言い聞かせた。
そのときだった。
パン!!
ネオ「うわ!」
突然銃声が聞こえたかと思うと、ネオのつかまっていた岩に弾がぶつかってはじけた。
どうやら絶壁の上の森のほうから何者かがこちらを狙っているようだった。
パン!!パン!!
そしてさらにもう2発。
こんどは2発とも、ネオの横で死んでいる少女にあたり、血が吹き出た。
ネオ「やめろ!!おれは怪しいものじゃない!!」
ネオは上にむかって叫んだ。
しかし、相手は一切聞き耳を持たなかった。
パン!!
またしても耳をつんざくような銃声が聞こえたかと同時に、ネオは右肩にもの凄い衝撃を覚えた。
ネオ「ぅあ・・・!」
弾丸がネオの右肩に打ち込まれ、血が飛び散った。
ネオ「うぅ・・・・」
ネオは思わず岩から手を離した。
そのままもがくこともできずに、流れてゆく。
・・・・ああ・・・痛い・・・・苦しい・・・・・一体なにが・・・・・
ネオの意識はそのまま薄くなり・・・・途切れた。
支援sage
その1氏きませんね?その2氏一人で毎度乙です
その1氏きませんね。
このスレが終わるまでいらっしゃらないようだったら、
わたしのほうでもまとめサイト作っておこうかな・・・・
続き
サッキーは延々と続く洞窟の中を歩き続けた。
あいかわらず狭く暗い道が続いている。しかも、間に合わせのように作られた道なので、
全く舗装されておらず、足場が究極にわるいため、
サッキーはなんども転びそうになった。
サッキー「ふう・・・なんだか疲れた・・・・」
サッキーは地面を手で触って、乾いているかどうか確認した。
そして松明を土にさし、その場に腰を下ろした。
いったいこの洞窟はなんのためのものだろうか。
モナー族の貯蔵庫かなにかにしてはかなり大きいな。
サッキーはネオから何も連絡がないのが気になった。
しかし、こんなに離れてしまってはきっと、トランシーバーもやくにたたない。
しかし、僅かな期待を持ち、ボタンを押す。
サッキー「ネオ、聞こえるか?」
しかし応答はない。
サッキー「あたりまえやな。こんな地下からは電波がいくはずもない」
サッキーはそうぼやいてトランシーバーを下ろした。
そのときだった。
サッキー「・・・・・?!」
一瞬、洞窟の奥から物音が聞こえた気がした。
サッキーは身を硬直させながらよく耳を澄ました。
この洞窟に入ったときから聞こえていた水音に混ざってもう一度、
ひとのあるくような音が聞こえた。
・・・・誰かがくる・・・・・・?
サッキーは恐怖に打ち震えた。
正直こういう雰囲気は昔から苦手だった。
暴力などにはかなりの耐久性があるが、こういった得体の知れないものは本当に弱い。
サッキーは松明の火を消した。そして立ち上がり、さっきまで歩いてきた方角とは逆に走り出した。
すると、サッキーの走る足音に向こうが気がついたようだった。
サッキー「・・・・追いかけてくる・・・・!」
暗闇の向こうにいるものは足音を早める。
サッキー「に、逃げ足ならまけへんで・・・!」
そういうとさらに加速しようと地面を蹴った。しかし・・・
サッキー「おわぁ!!」
サッキーは道に出ていた木の根っこに躓いてすっころんだ。
明かりが無いため見えなかったのだ。
サッキー「いっ・・・・」
サッキーは地面にうつ伏せに倒れたまま振り返った。
追跡者はすぐそこまで迫ってきていた。
相手の持っている明かりで、だんだんあたりが照らされてゆく。
サッキー「おわあああ!!やめろー!!くるなー!!」
サッキーは顔の前に手をかざし、絶叫した。
追跡者はサッキーの足元でとまったようだ。
サッキーは恐ろしくて見上げることができなかった。
「あなた誰?」
女の声だった。
サッキーは意表を付かれた。
「ねえ、だれよ」
その声色にはなんの危険も感じなかった。
サッキーはおそるおそる顔を上げる。
そこにはサッキーと同年代の少女が立っていた。すこし気が強そうだが、
まあ、かわいいと言ってよかった。
サッキーはゆっくり立ち上がり言った。
サッキー「おれはあやしいもんやないで。流刑者や。酒鬼薔薇といえばわかるやろか?」
それを聞いて少女はすこしたじろいた。
サッキー「心配せんでええよ。おれは地球で更生プログラムを受けて、武器類が一切もてへん。
せやから、仲間と一緒にこの星に馴染もうとしてるとこやから、誰とも争う気はない。」
少女は少し安堵の表情を見せた。
少女「あたしは2000年、神奈川県で暴力を振るう父を刺殺してここに送り込まれたの。名前はひかる」
サッキー「その事件きいたことがある。彼氏といるとこ見られて逆上されたってやつやんな?
でもそれって正当防衛やろ?なんでここに送り込まれた?」
ひかる「表向きには正当防衛だけど、あたしはまえから父が憎かったの。だから殺意があったとみなされた。
すごいわね。このプログラムは全部はがされて調べられてしまうのよ。それに今も反省なんかしてないわ。」
サッキー「ほら、それや。そういうこと言ってるからここに送り込まれたんやで。」
ひかる「まあ、いいじゃない。それよりここになにしに来たの?」
サッキーはこれまでのことを簡潔に話した。もちろんバモイドのことは黙っているつもりだった。
ひかるはそれを聞いてますます安心した様子だった。
ひかる「よかった。あなた随分とまともな人みたいで。酒鬼薔薇ってきいたときには正直怖かったけど」
サッキー「おれからもきいていいか?なんでこんなところに女の子一人だけでおるん?」
ひかる「あたしはあと5人、一緒に来た流刑者の子たちがいるの。みんなおんなだけど」
サッキー「ひょっとして徳田はんのつれか?」
ひかる「徳田さんをしってるの?」
サッキー「ああ、徳田はんの考えできみらを探してんけど、その前におれの仲間の女の子探しとった。
よかったわ。一石二鳥やね」
ひかる「そうだったの・・・でも、今私達はいろいろ大変なの・・・徳田さんがこっちにこれないかな?」
サッキー「大変?どないした?徳田はんは今怪我してて動けへんから無理やで?」
ひかる「そうだよね・・・実はあたしたち、今仲間割れしてて大変なの」
サッキー「仲間割れ?」
ひかる「そう。もともと徳田さんはあたし達とは別のカプセルに乗ってきて、そのときにかれと同乗してた
3人の女の子たちがいたの。」
サッキー「あ、横浜高校いじめ自殺事件の娘3人衆やろ?徳田はんに聞いた」
ひかる「そう。最初は徳田さんの誠意ある説得で、みんな一つになってなんとかうまくやろうとしたんだけど、
スーフリとの抗争に巻き込まれて、徳田さんと離れ離れになってから、その横浜いじめ事件の3人のなかの1人が、
裏でスーフリと繋がってるって、あたしのグループのある子が言い出して、そして割れてしまったのよ」
サッキー「うん、それで?」
ひかる「それで、両方気性があらい者同士だから、口論の末殺し合いになったのよ」
サッキー「なに?それで死者は?」
ひかる「うん、もうこっちは2人やられた。あたしふくめて4人。たぶん向こうも一人やられてるはず」
サッキー「おいおい、こんな状況なんやからそんなことしてたら、みんな死んでまうよ。うまくやらなああかんよ」
ひかる「それはあたしも考えてるよ!だけど、あたしのグループの子たち、98年に長野県で起きた
暴走族の抗争の加害者だから、ものすごく怖いし聞く耳なんて持たないわよ」
サッキー「そうは言ってもスーフリをなんとかせなあかんしなあ・・・・」
するとひかるはサッキーの顔を突然覗き込んだ。
サッキー「・・・・え?なんやねん?」
ひかる「ねえ、お願いがあるんだけど・・・」
ひかるはキラキラした瞳でサッキーを見つめる。
サッキーは慌ててめを逸らしたが、ひかるはその方向にまわってもう一度見つめた。
サッキー「・・・・・な、なに?」」
ひかる「あたしたちのアジトまで案内するから、彼女たちにこんなことはやめるよう、説得してもらえないかな?」
サッキー「ええ?おれが?!」
ひかる「こういうときに男の子が行けば、意外に彼女達もいうこときくんじゃないかとおもって。あなたなかなかイケメンだし」
イケメンといわれてサッキーはまんざらでもない気持ちになった、が・・・・
サッキー「いやだ。ネバを探さなあかんからそんな時間ないし、それにめんどくさいわ!」
するとひかるはサッキーのてを握った。
ひかる「もしこの話受けてくれたら、あたしなんでもする!ねえお願い」
サッキーは考えた。どっちみち彼女たちは徳田のもとにつれて帰らなければならないし、
うまくいけば、一緒にネバダを探してもらえるかもしれない。なんでもするといってくれたのだから
そのくらい協力してくれるだろう。
サッキー「わかった。案内して」
ひかる「きゃーwやったー」
ひかるはサッキーの手をとって、洞窟の奥へ奥へとエスコートした。
2日くらい書けません。
久しぶりに来たら続きが沢山w
乙
支援sage
おもろい。
お待たせしました。
サッキー「しかし、なんで横浜高校いじめの3人のうちの一人が、うらでスーフリと繋がってるなんてわかった?」
サッキーは自分の腕に絡み付いて、寄り添うように隣であるくひかるに話しかけた。
ひかる「・・・・・最初はみんな森の中で対策を考えてたの。とにかくあたしたちは、やつらに顔を覚えられているから、
森から出た途端やつらに捕まるのをおそれてひたすら隠れ、徳田さんが迎えに来てくれることを願っていたわ」
サッキー「しかし、徳田はんもあんな怪我やしなあ・・・」
ひかる「うん。きっと彼にもなにかあったんだろうと思い、しばらくはここでとどまるしかなかった。
でもそのうち食料が切れてしまって、しかたないからあの横浜娘3人のうち茜祢って子と美華っていう子、
それとあたしたちのグループからゆかりって子、計3人で町に行ってもらって食料を調達することになったの」
サッキー「危険やな、みんなで行けばよかったやん?」
ひかる「そんなことしたら余計動きにくいでしょ?もともとあたしたちはそんなに仲良くなかったから。
勿論、調達係は順番で決めてるのよ。たまたまその3人がじゃんけんでまけて1番手になっただけ。」
サッキー「ほほう。それで?」
ひかる「それで町へ行かせたんだけど、ゆかりは帰ってこなかった。茜祢と美華は少しの食料を抱えて帰ってきたんだけど」
サッキー「なに?そのこはそうなった?」
ひかる「茜祢たちが言うにはスーフリに見つかり、撃たれて死んだって。
あたしたちはそれに納得して、少量の食事を分け合って寝たわ」
ひかる「でも、あたしのグループのともみって子が夜中にふと目を覚ましたときに見ちゃったの」
サッキー「見たって何を」
ひかる「茜祢と美華と横浜娘のもう一人、麻緒っていう子が、あたし達に渡した分よりも
遥かに大量の食料をかくしているところを目撃したの。で、ともみは3人がゆかりのことを
食料と引き換えにスーフリに売ったんじゃないかって問い詰め出した。3人は否定したけど
食料の出所も言わないもんだから、喧嘩になり、ともみは殺された。それで3人はここから逃げたというわけ」
サッキー「とても長くて恐ろしい話やね」
ひかる「でも3人の居所は大体掴めてるのよ。この洞窟の奥に川があってそこがあたしたちの塒なんだけど、
その壁のうらに滝が流れてる。たぶん3人はその上にいるわ。」
サッキー「なるほど。ところでこの洞窟の入り口の落とし穴も君らが掘ったん?」
ひかる「ちがうよ。ここは天然洞窟でもとからあったの。ねえ、それよりサッキーはいくつ?」
サッキー「え?17やけど・・・」
ひかる「ふーん年下かあ。あたし19。」
サッキー「あらら、おねいさんやね。よろしく」
ひかる「フフwよろしくね。さ、急ぎましょ」
ひかるはサッキーの腕を引っ張り、歩調を速めた。
>>309訂正
>サッキー「なに?そのこはそうなった?」× →「なに?そのこはどうなった?」○
ハァハァ
皆サッキーと呼ぶんだなw
その1氏キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
>>221の続きです。
桃寿「なんで、奴らそんな物騒なもの持っているのよ!?」
疾走するバギーの中で桃寿は叫ぶ。
バギーの周囲に次々とロケットが着弾していく。
B介「この世界で作ったんだよ。ロケットと言っても、黒色火薬で飛ばす花火みたいな奴だ」
ユキコ「喋らないで! 舌かむわよ」
ユキコはバギーを蛇行させ、ロケットを防ぐ。
B介「あせらなくても、大丈夫だ。命中率も威力も大したことない」
桃寿「どうしてそう言い切れるのよ?」
B介「だって僕が作ったんだから」
桃寿「オマエが作ったんかい!!」
ユキコ「なんで、そんなもん作るのよ!?」
B介「いや……まさか……自分に向けられるとは思わなかったので……」
国王「ひええ!! 次が来たにゃ!!」
B介はグローブボックスを開き、ボタンを一つ押した。
ロケットがぶつかる寸前にリアウインドーが装甲シャッターに覆われる。
ドーン!!
装甲シャッターに直撃された。
だが、シャッターは持ちこたえた。
桃寿「どうなってんのよ!? この車。ボンドカーじゃないの?」
ユキコ「まあ、エージェント仕様だから……」
桃寿「ひょとして、ミサイルとか爆雷とか」
B介「それはない。しかし、あのロケット弾ならバギーの装甲で防げる」
桃寿「装甲って……このバギープラスチック製じゃない」
B介「ただのプラスチックじゃない。単結晶炭素繊維強化プラスチックだ。黒色火薬程度じゃ傷もつかないよ」
ラムダ「ヒビが入ってますにゃ」
B介「え゛?」
小さいが装甲シャッターにヒビが入っていた。
そのとき、斜め右前方五十メートル付近にロケットが着弾する。
猛烈な砂煙が上がった。
桃寿「黒色火薬にしては、威力が強すぎるわよ」
ユキコ「そういえば、この前、上祐が新しい火薬を合成できそうだとか、アーチャリーに報告していたけど」
B介「どんな事言ってた?」
ユキコ「はっきり覚えてないわ。ただ、発煙硫酸が合成できたとか、トルエンが手に入ったとか言ってたけど」
それを聞いてB介が蒼白になる。
B介「まさか……?」
桃寿「どうしたの?」
B介「発煙硫酸はTNT(トリ・ニトロ・トルエン)の合成に使う薬品だ」
さっきより近いところにロケットが着弾する。凄まじい量の砂が巻き上げられた。
B介「この威力……黒色火薬じゃない。TNT火薬だ!!」
桃寿「あんたが作ったんじゃなかったの!?」
B介「ロケット本体は僕が作った。弾頭部分は後から付け替えられたんだ」
続く。
遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
その1氏キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!!
あけましておめでとございます。続き楽しみにしてます。
>>310 続き
・・・・・ここはどこだ・・・・?おれは一体・・・・・・・
木と木の間から僅かに木漏れ日が落ちている。本当に僅かだった。そんなものはまったく役に立たないほど
この森は暗い。そして不気味なほど静かだった。
・・・・・ネバダ・・・・きみはどこにいるんだ・・・?
ネバダ「あたいはここにいるよ」
突然目の前に彼女は現れた。そして静かに微笑んだ。
・・・・そこにいたの・・?心配したよ。生きていてくれてありがとう・・・おれの祈り通じた?
ネバダ「通じたよ。ありがとう。ネオ、命をわけてくれてありがとう。あたいは一人で生きてる訳じゃない、
一人で生きてる人間なんて一人もいない。そのことに気づかせてくれてありがとう」
・・・・ああ、おれに「ありがとう」なんて言わないで。もったいなすぎるから・・・・・
ネバダ「悲しいこと言わないで・・・・・」
彼女は悲しそうな顔をした。
・・・待ってくれよ・・・・どこに行くの?おれを置いてかないでくれ・・・・!
しかし彼女はこちらに背を向ける。
・・・ネバダ・・・!行くなよ・・・!
おれの声を尻目に彼女は消えてゆく。
叫ぼうとしたが、声が詰まってしまってできない。
こんなはずじゃ・・・・こんな・・・・・
突然頭が冴え、ネオは現実に引き戻された。
相変わらず薄暗い森の中にネオはいた。びしょぬれの衣服を着たまま地面に転がっている。
・・・あれ?いったいここはどこだ?おれは確か・・・川の中で何者かに撃たれて・・・
それから・・・なんだっけ。全然おぼえてないや・・・・・
ネオは一生懸命に記憶をたぐりよせたが、思い出すことは不可能だった。
とにかく身を起こそうとおもい、手を突いた瞬間、物凄い激痛が右肩に走った。
ネオ「っ・・!」
しばらく苦痛に顔を歪めていたが、もう一度、今度は左に重心をかけてなんとか起き上がった。
そして周りを見回し、なんとなく自分があのあとどうなったかが想像できた。
ネオはあのあと気を失っていて、しばらく川を漂流したが、運よく下流の岩場に流れついたようだった。
しかし、荷物などは滝に飛び込むまえに置いてきてしまったので、ネオは途方にくれた。
ネオ「・・・はあ・・・どうしよう・・・」
荷物をとりに帰りたいが、またさっきの敵と出くわし、攻撃を喰らったらひとたまりもない。
しかし、荷物がなければ自分の怪我の手当てもできない。
ネオ「だからってここにいてもどうにもならないな・・・」
ネオは当てもなく歩くことにした。
撃たれた肩をおさえながらふらふらと、ゾンビのように彷徨った。
筆者その2は女性特有のやわらかさがありますね。
その1氏ひさしぶり!そして今年もよろしく。
ところで・・・ネバダ死んだの?
>>322 やわらかですかね。なんか登場人物の人間性重視でかきたいな、と思ってます。
続き
何度も躓きながら、なんとかネオは岩場から脱出した。
探るように左手をポケットのなかに突っ込むと、方位磁石が入っていた。
ネオ「ああ、よかった。これだけは持ってたんだ。」
しかし、方位磁石は狂っている。ずっと回ったままで方向を指し示さない。
ネオ「まいったな・・・・いま自分がどこにいるのかもわからないや」
ネオは自分がきた道を何度も振り返るが、かなりの距離を流されたため、全く見当がつかなかった。
ネオ「はあ、だめだ・・・・肩が痛い・・・・何とかしなきゃ・・・・」
ネオはその場に座りこみ、撃たれた肩をよく見た。
幸い弾は貫通していた。しかし、傷口は膿んでいるようだ。
・・・くそう・・・ここで野たれ死ぬのだけはいやだ・・・
額に手を当てると熱が伝わってくる。
だんだん意識が遠くなる・・・・
そのとき、目の前に小さな影が落ちた気がした。しかし今の自分にはそれすら認識できなかった。
するともうひとつ、小さな影が出現した。
・・・・?・・なんだ・・・?
そこでまたしてもネオの意識は途切れた。
>>323 ネバはどうなったんだろう・・・・・生きてるといいですね。
気が付くとネオは小さな部屋の中にいた。なぜ小さな部屋に思えたかというと、
天井が目の前だったからだ。
そして自分は布団に寝かされている。
ネオ「・・・・!ここは?!」
ネオははっきり意識をとりもどし、起き上がった。
ネオ「いってぇ・・・!!・・・・・?!」
起き上がった瞬間、肩が痛んだので、慌てて手を当てたが、包帯が巻かれていた。
ネオ「手当てされてる・・・?」
「無理して起き上がったらだめにゃ」
うしろで声がした。
振り向くとそこには、2匹のモナーが心配そうに立っていた。
イル「熱はさがったかにゃ?ペス」
ペス「イル、今計ってみるにゃ」
ペスと呼ばれたモナーがネオの額に手を当てる。
ペス「うん、さがってるにゃ」
ネオ「あのう・・・助けてくれたんですか?ありがとう。」
イル「さっきペスがきのこを採りに出かけたところ、あなたを発見したらしいにゃ。
でも、何用でここに?この森はきこりのモナー以外は近づかないにゃ。」
ペス「ここはこの星の中心になるから方向が狂うにゃ。だから我々きこり以外は迷子になって野たれ死ぬにゃ」
ネオ「人を探してるんだ。女の子を」
ペス「人間の女の子?どんなコにゃ?」
ネオ「どんな・・・・?そうだな・・背は小さく、髪型はセミの襟足おさげで、ノースリーブパーカーにカーゴパンツ」
それを聞くと、2匹は顔を見合わせた。
イル「ひょっとして裸足かにゃ?」
ネオ「・・・!そうだ!途中で靴を発見したから・・・!」
ペス「じゃ、あのこにゃ」
ネオ「ネバをみたのか?!」
ネオは2匹に詰め寄った。
その2さん乙です。
ネバの手がかりが見付かりそうですね。
>>318の続きです。
続いてバギーの真正面に着弾した。
ユキコ「しっかり掴まってて!!」
ユキコが叫んだ直後、バギーはできたばかりのクレーターに突っ込む。
何度も横転しそうになるが、ユキコは巧みなハンドルテクニックで切り抜けた。
しかし、バギーのスピードが著しく落ちる。
B介「今ので、何発目だ?」
桃寿「八発目よ。最初から数えていたわ」
バギーは砂煙を抜け、再び加速を開始した。
B介「まだ、七発は残っているな」
桃寿「まだそんなにあるの!?」
そのとき、通信機のコール音が車内に鳴り響く。
B介がスイッチを入れた。
直子『B介!! この裏切り者!!』
ディスプレーに菊池直子が現れる。
B介「直子さん。なんでこんな事するんですか!?」
直子『しらばっくれるな!! お前が離宮を襲って国王を連れ出しているのを警備のモナー族が見ているんだ』
B介「ちっ! ばれちゃしかたないな」
直子『大人しく車を止めろ。命の保障はしてやる』
B介「お断りします」
直子『今ならまだ間に合う。アーチャリー様には黙っててやるから』
桃寿「まだ、アーチャリーとは連絡取れてないみたいね」
桃寿は小声で言った。
B介「手遅れです。アーチャリー様には、すでに知られています」
直子『私からとりなしてやる。だから、戻ってきてくれ』
桃寿「今更、無理よ。昨夜は殺し合いになりかけたんだから」
直子『止まってくれ。お前を殺したくない』
B介「そっちこそサッサと帰ってもらえませんか。こっちも丸腰じゃないんですよ」
直子『それなら、なぜ攻撃してこない?』
B介「僕は平和主義者なんですよ。でも、これ以上近づくと主義を変えますよ」
直子『よく分かった。ならば、戦うしかないようだな』
桃寿「あのおばさん、妙にしつこかったわね。B介に気があるんじゃないの?」
B介「知らないよ!!」
ユキコ「二人とも呑気な言ってる場合じゃないわよ」
ユキコはバギーを一気に加速させた。
続く。
あちこち話が進んでますね。書き手も覚えておくの大変そう。
その1さん乙です。
直子がB介をねらってますね。。。wこれからの展開が禿気になります。
>>330 それが以外に混乱しないんですよ。
一つずつ繋げていくので、それまではちょっと読みにくいかも。すまぬ。
続き
ネオの勢いに押されて2匹はたじろいた。
ネオ「あ・・・悪い・・・それで、その子は?!」
ペス「 わからないにゃ・・目をつぶって寝てるようだったにゃ」
ネオ「え?どういうこと?一人でこの近くを歩いてたんじゃないのか?!」
ネオはまたしても身を乗り出す。
ペスは後ろにヒキ気味になりながら答えた。
ペス「一人の少年に抱きかかえられていたにゃ。」
ネオ「なんだって?!そ、そいつはいったい・・・!」
イル「きみよりも2.3こ若いくらいの少年だったにゃ。顔半分にひどい怪我をしていて、服にも血がついてたにゃ」
ネオ「・・・・一体何者なんだ?!ネバをどうする気だ?!」
イル「ちょうどこの小屋の手前でそいつらに出くわしたにゃ。少年は怪我してたから、
手当てをしてやろうとおもって近づくと、突然襲い掛かってきたにゃ」
そういうとイルはネオに腕を見せた。
ネオ「・・・!そのときにやられたのか?!」
イルは頷く。
イルの腕には打撲のような痣があった。
ネオ「危険なやつなのか・・・それで、そのあとどうなった?!」
ペス「物凄い速さで女の子を抱きかかえたまま、森の中を移動してったにゃ。」
イル「というか・・・あれは宙に浮いてたようにゃ・・・」
ネオ「人間なのか?そいつはどこに行くとか言ってなかった?」
ペス「言ってたにゃ。たしか、カルカン山がなんちゃらかんちゃら・・・・・」
ネオ「・・・・!!カルカン山だって?!!それは俺らが目指してたとこだよ!!」
イルとペスは訝しげに顔を見合わせた。
イル「カルカン山に何用で?」
ネオ「ちょっと・・・野暮用で・・・」
ペス「勧められないにゃ。帰ったほうがいいにゃ」
ネオ「なんでだよ!!どうしてもいかなきゃならないんだよ!」
そういうとネオは布団をどかして起き上がった。
ネオ「カルカン山はどういけばいい?教えてくれ!」
イル「やめるにゃ!まだ傷も治ってないにゃ!」
ネオ「助けてくれてありがとう。この恩はいつかかならず返す。頼む、教えてくれ!」
ペス「まずこの森をぬけなきゃにゃ。ここをずっと北にいくにゃ。ちょうど今夜になって星が出てきたにゃ。
おとめ座の星スピカを目印にまっすぐ。そしたら森を抜けられる。そこから港町に続く一本道を歩いて船にのる。
そのあとふたご座を目指してさらに北へ進むにゃ。そうすると海の中のどこかに山がある。頂上だけ突き出ていて
その上に神殿が建ってるにゃ。」
ネオ「海のどこかって・・・それじゃわからないよ」
イル「しかたないにゃ。だれもそこにたどり着いたものはいないにゃ。
それとこれをあげるにゃ。森の中でも使える方位磁石。それとこれ」
イルはネオに磁石とモナー金貨を渡した。
ネオ「ありがとう・・・本当に。人間のせいでこの星がこんなことになって・・・・」
ペス「気にするにゃ。言っとくけど、ここまでは助けてやるが、あとは自己責任だからにゃ。だめだとおもったら引き返せよ」
ネオ「ああ。ありがとう、それじゃあ」
ネオは2匹に見送られ、再び森の中に消えた。
洞窟の奥には小さな川がながれていた。そこには人間が暮らしていると一目でわかるような道具が
あちこちに転がっていた。
ひかる「こっちよ」
サッキーの手を引き、奥に連れてゆく。すると、そこにはテントがはってあり、あかりが点っていた。
ひかるはサッキーをその中に通した。
中には2人の少女がいた。
2人とも、ひかるとはちがって、どうみてもヤンキー少女だった。
まき「ひかる!!りさがやられた!撃たれて川に流された!」
ひかる「なんですって?!」
さおり「あっちは思ったより手ごわい。やっぱりスーフリと裏取引してたのは本当だよ!援護されてんだ!」
ひかる「落ち着いて、いま助っ人を連れてきたの。サッキーよ」
サッキー「どうも」
まきとさおりは一瞬動きが止まった。そして軽く髪の毛を直した。
まき「よろしく」
さおり「びっくりした・・それでどう協力してくれるの?」
サッキー「民主主義の基本は話し合いやから、相手に説得に応じてもらいます」
その2さん乙です。
ネバはリョフの手に落ちたようですね。
それにしても、サッキーモテモテですね。
>>328の続きです。
通信が途切れてから二十分。カーチェイスはまだ続いていた。
距離はほとんど変わらない。
追跡側はけっしてロケット砲の射程距離より離れようとはせず、しかしショットガンの射程距離には入ろうとはしない。
桃寿「あいつら、いつまで着いてくるつもりかしら?」
B介「おそらく、こっちのバッテリーが尽きるのを待っているのだろう」
ユキコ「なに言ってるのよ。こんないい天気なのに……」
B介「さっきから太陽電池の発電効率が著しく落ちてるんだ。ロケット砲攻撃でかぶった土砂が屋根に積もったままみたいだ」
ユキコ「落とせないの?」
B介「誰かが屋根に上って落とさないことには」
桃寿「あたし、屋根に上って落としてみるわ」
ユキコ「よしなさい!! 振り落とされるわよ!!」
B介「いや。屋根には僕が上る」
ユキコ「あんたが上っても同じよ」
B介「いいから。僕に考えがある」
B介はサンルーフを開けて屋根に上った。
続く。
ネバダ、リョフにつれてかれたのか。
支援sage
その1さん乙です。
呂布の登場、ばればれでしたねw
このままの展開ですと、サッキーとネオは終盤まで別行動になりそうです。
続き
まき「はぁ?そんなことで解決すると思ってんのかよ?今更。もうすでに死人がでてんだろ?」
サッキー「だって、あいてがスーフリと確実に繋がってるなんて、まだ分からんやん」
さおり「絶対つながってるよ!だって繋がってないっていう証拠がないじゃん!」
ひかる「まあ、サッキーの話をきいてよ」
サッキー「さんきゅ。ひかる。とにかくおれは、仲直りの方向にもってきたいの。ムダに面倒なことしたくないねんか」
サッキーはだるそうにため息まじりの声でいった。
まき「無理無理。こっちは3人も死んでる。ちなみに向こうも一人死んでるし、仲直りとかのレヴェルじゃないんですけど」
サッキー「そないなこと言われても、徳田はんと約束してんだもん。きみら全員そろえて連れて行くって」
するとひかるが笑い出した。
ひかる「はははwサッキー面倒なこときらいとか言って、一番手のかかることしようとしてるしw」
サッキーはなんとなく気持ちを読まれてしまい、微妙に照れくさくなった。
しかしそれをきっかけに、場の雰囲気が柔らかくなった。
せっかくひかるが作ってくれた空気を無駄にしないように、サッキーは言った。
サッキー「とにかく、犠牲者が出たのはお互い様や。先の先を考えんと。この星に馴染んでうまくやってきたいやろ?」
まきとさおりはうなずく。
サッキー「それやったらまずは根源を作ってるスーフリを倒すこと考えなあかん。それと、彼女らが確実につながってるって証拠を掴むまでは攻撃したらあかんよ。」
ひかる「それじゃあ、何をしたらいいの?」
サッキー「とにかく、俺があっちに出向いて話しつけるほかないな。俺が戻ってくるまで攻撃せんといて。」
しかし、まきとさおりは納得しきれない顔だった。
ひかる「ねえ、彼を信じてみようよ。結局あたしたちはここに馴染みたいだけだよ?このままだとあたし達全員死ぬかもしれない」
まき「・・・・そうだね・・・そうするしかないか」
さおり「うん、そうだよね・・・・・でも、あいつらがスーフリと繋がってなくたってあたしは謝らない。」
ひかる「わかったわかった。まあ、それは後で考えるとして・・・サッキー、相手はこの岩の裏の滝にいるわ、こっちからいけるから」
ひかるはサッキーの手をとり、入り組んだ岩場の中に入る。
まき「サッキー・・・くん?頼んだよ!」
突然後ろでまきがいった。
サッキー「まかしとけ、サッキーって呼んでええよ」
サッキーは振り向きザマに言うと、ひかるに手をひかれて岩場に消えていった。
岩場の中は裏で流れる滝の音が大きかった。
ひかるはサッキーの手を握り、どんどん奥へと進んだ。
サッキー「おい、まだ岩場から出れないんか?」
サッキーは大きな声で言ったが、
ひかる「え?!なんかいった?!」
滝の流れる音が大きすぎてひかるはうまく聞き取れなかったようだ。
サッキー「なんでもない!!」
サッキーは口を大きく動かして言った。
すると、滝の音がより鮮明に聞こえてきた。すぐ近くまで来ているようだった。
ひかる「ここからでるの!!」
ひかるは滝のおとに負けないように大きな声で言った。
そこは岩と岩の切れ目で、向こうに流れ落ちる滝のしぶきがこちらまで飛んできている。
2人は用心しながら表へ出た。
サッキー「おわあ・・・・こんなおっきな滝があったんやな・・・・」
支援支援sage
その2さん乙です。
サッキーは果たして彼女達を説得できるか。
さて、
>>334の続きです。
太陽電池パネルの上には一センチほどの厚さで土砂が堆積していた。
B介「アチャー。思ったより酷いな」
B介はサンルーフから半身を出すと、専用のモップで土砂を押し出した。
しかし、これでは大して効果はない。
B介「しょうがない」
B介は全身を屋根の上に出した。
風圧や振動で落とされないように匍匐前進しながら、少しずつ土砂を落としていく。
桃寿「命綱ぐらいつけなさいよ!」
桃寿がロープを持って、サンルーフから顔を出した。
B介「いらない。かえって邪魔になる」
桃寿「B介!!」
B介「入らないって!」
桃寿「そうじゃない!! ミサイルよ!!」
B介「え?」
振り向くと、火炎の尾を引いて細長い物体が向かってくるのが目に入る。
B介はサンルーフに向かってジャンプした。
桃寿はB介の邪魔にならないように車内に引っ込む。
だが、B介は車内に戻らないで外からサンルーフを閉めた。
桃寿「え?」
直後に、ミサイルがバキーの近くに着弾した。
桃寿「B介?」
爆風が収まった後、桃寿が再び屋根の上に顔を出した時、B介の姿はそこになかった。
えええ?!
B介どうなるの?!
その1さん乙です。
なんだか最近B介はいいおとこになりましたね。
>>340 続き
サッキーとひかるは、滝の流れる大河にでた。
周りは絶壁で囲まれていて、その上に森の木々がみえる。
サッキー「ひかる、この上に彼女たちはおるんやな?」
ひかる「うん」
そのときだった。
ガツン!!
サッキー「いてっ!!」
突然サッキーのこめかみに、石が飛んできてぶつかった。
ひかる「サッキー!大丈夫?!」
サッキー「いってー・・・・」
サッキーはこめかみを押さえた。幸い血は出ていない。
ひかるは素早く上を見上げた。
サッキー「やつらの仕業か?」
ひかる「そうみたい。あたしたちもう見つかったのよ。隠れたほうがいいわ」
そういうとひかるは、サッキーの腕を引っ張って、再び岩陰に隠れようとした。
しかし、サッキーはそれを制した。
そして上に向かって叫ぶ。
サッキー「攻撃しないでくれ!!おれは徳田はんに言われて、君らを迎えに来た!こっちは降伏宣言する!」
その声は木々を伝ってこだました。
間違いなく相手に伝わっただろう。
そのときだった。
パン!!
銃声がすぐそばで炸裂した。
ひかる「きゃあ!!」
サッキー「うわ!!やめろって!!こっちは丸腰やで?!」
銃弾はさ2人が立っている足場の岩に当たった。
サッキー「信用してくれへんわ。」
ひかる「あたりまえだから。きっと罠だと思ったのよ!」
するとサッキーは荷物を地面に置き、両手を挙げた。
ひかる「なにしてんの?!また撃たれるわよ!」
ひかるはサッキーの上着の裾を掴み、引っ張る。
しかしサッキーは動かなかった。
サッキー「ひかるは隠れとって。」
サッキーは目線だけ動かしてひかるに言う。
ひかる「サッキー・・・・」
そのとき
パン!!
さらにもう一発撃ち込まれた。
サッキー「っ・・・!!」
ひかる「サッキー!!」
ひかるはサッキーに駆けよるが、サッキーの顔の横を弾が通過しただけだったので
頬にかすり傷ができただけだった。
サッキー「いってぇ・・・おーい!きこえるか!こっちはなんも武器もってへんで!!
おれらの姿見えてんのやろ?!話し合いに応じてくれへんかな?!」
サッキーは両手を挙げた格好のまま、再び上に向かってさけんだ。
「あんただれ?!!」
すると、上の森の方から女の声がした。
サッキー「おれは酒鬼薔薇や!!さっき岬で徳田はんに会って君らのこときいてん!!
みんなでこの星で生きてけるように、おれらに協力してほしい!!
従って君らにも争いをやめてほしい!!こっちの3人のコたちはその話にのってくれてんか!!
もう君らとけんかする気はないんやて!!だから君らにも話聞いてほしいねん!!」
ひかる「そういうこと!!もう争うのやめましょう!!冷静に考えたら、このままこんなことしてたらあたしたち全員しぬわ!!」
ひかるも両手を挙げて叫ぶ。
すると、森のほうで人影が動いた。
そして、一番手前の木の影からひとりの少女が顔を出した。
麻緒「本当に武器とか持ってねえよなー!!嘘だったらぶっ殺す!!」
麻緒という横浜3人娘のうちの一人が叫んだ。
ひかる「やった・・!聞く耳もってくれそうだわ!サッキーすごい・・」
サッキー「べつにすごかないわ!みんなやろうとしなかっただけやん。こんな簡単なこと」
麻緒「話、聞いてやってもいいよ!!こっちあがってこいよ!!でもひかる、おめえはくんな!!」
ひかる「どうして?!そんなに信用できない?!」
麻緒「つーか、おまえ嫌いなんだよ!!かまととぶって調子こいてんじゃねーぞ!!ばーか!!」
ひかる「ちょっ・・!!それどういうこと?!」
サッキー「まあまあ、そういうことならしゃあない、ひかるはいかないほうがええわ。」
ひかる「何よ!サッキーまで!」
サッキー「しゃあないやろ。今はひたすら向こうの機嫌とりせんと。おれだけ行くわ」
ひかる「でも、心配だよ・・・」
サッキー「大丈夫やって。先にあじとに戻って待っとって」
サッキーはひかるの肩をぽんぽんと軽く叩くと、麻緒たちがいる森の絶壁の下に向かった。
すぐ真下までくると、麻緒が上で言った。
麻緒「よし、そこでとまれ。本当に武器とかもってねーよな!身体検査するから服ぬげよ」
サッキー「ええええ?!そんな殺生なあ・・・!」
麻緒「うっせえ!!やれ!!やんないと撃つぞ!!」
サッキー「ひいい!わかりましたよ!でもセクシーおパンツまでは勘弁してな」
麻緒「てめえ!!野球拳じゃねーんだからそこまでするかよ!!ふざけてるとぶっ殺す!!」
サッキーは末恐ろしい娘に脅され、ちびりそうになりながら服をぬいだ。
>サッキーは末恐ろしい娘に脅され、ちびりそうになりながら服をぬいだ
ハゲワラw
続き
麻緒「よし、そこで待ってろ」
麻緒はそういうと、一度サッキーの視界から消えた。
サッキー「ん?どこいったんやろ?」
麻緒「おい、こっちだ」
麻緒はサッキーの立っているところの左の岩場に下りてきていた。
どうやらまわり道をしたようだ。
サッキーはそちらに行こうとしたが、
麻緒「動くな。まだそこにいろ」
麻緒は拳銃を向けていうと、こちらに歩いてきた。
そしてサッキーのすぐ隣に立つと、全身をじろじろと観察した。
サッキー「あんまり見ないで。恥ずかしいから」
麻緒「ふうん。どうやら本当に武器とか持ってないみたいだね。」
サッキー「だからそう言うてるやろ?」
麻緒「どうでもいいけどそのパンツださ」
しまった・・・!とサッキーは思った。まさかこんなとこで披露するとは思わず、
グラマラスな外人の絵がプリントされている変なトランクスをはいてきてしまったのだ。
・・・うわあ・・恥ずかしすぎるわ・・・立ち直れへん・・・
サッキーは今まで生きてきた中で、これほど死にたいと思ったときはなかった。
麻緒「あはははwなに?泣かないでねw?」
サッキー「くそう・・・もの凄い屈辱や・・・・でも君らに協力してもらわなあかんから、俺は絶える!」
麻緒「そこまでして仲直りしてほしいの?まあいいや。あたしらのアジトに連れてって話きいたげる。でもその前に・・・」
麻緒はサッキーの服をすばやく掴むと、
いきなり川の中に放り投げた。
サッキー「ああ!!なにすんねん!!」
麻緒「勘違いすんな。まだ完全に信用するなんて言ってね−だろ。おまえがひかるたちと組んで、なにかうちらに仕掛ける気かもしれないからな!」
サッキー「だからって・・・おれはこのパンツと靴だけでこれから先やってかないかんの?とほほ・・・」
麻緒「そういうことだ。信用されたければ自分をさらけ出すことだな。さ、行くぞ」
麻緒は左の方に向き直ると、さっさと歩き出し、岩と岩の間の坂道を登りはじめた。
サッキー「まってまって!」
サッキーは慌てて麻緒を追った。
坂道を登りきると、上の森にたどり着けた。
麻緒は用心深くなんどもサッキーを振返りながら歩いた。
サッキー「・・・あれ・・・?なんや、木に印がついとるな・・・・」
もしかして・・・・とサッキーは思った。
ひょっとしてネオがここを通ったかな・・・?
> グラマラスな外人の絵がプリントされている変なトランクス
warota
いいじゃんか。w
>>351 いやいや、サッキーが穿いてたのは、派手なプリントにスパンコール付きで、
お尻の部分に「FUCK」とか書いてあるやつですw
続き
一方ネオは、ぺスとイルに言われたとおりにスピカを目印にして
真っ直ぐ北に進み、ようやく森をぬけることができた。
目の前には大きな一本道が続いている。
ネオ「ここから港まちにいけるのか。しかし、サッキーはどうなったろう。
出来れば一緒に行動したかった」
しかし、連絡をとる手段はない。それにスーフリとの問題も残っている。
ネオ「ネバ探しは俺ひとりでやるしかないようだな。サッキーたちも問題が片付いたらいずれカルカン山までくるだろ」
ネオは強引に納得して、港町に向かい歩いていった。
しばらく歩くと、さっきまで荒野のようだった道にも建物が増えてゆき、だんだんにぎやかになってきた。
モナーたちはちらほら外をあるいていたが、ネオを見てびっくりしていた。
しかし、珍しそうな顔はするものの、怯えた様子はなかった。
ネオはレンガ作りのゲートをくぐり、まちの中心にはいった。
町の中心からは、港に留まっている船や市場なんかが見えた。
ネオはモナーたちの視線を無視し、入り江まで行くと、そこで釣りをしていたモナーに話しかけた。
ネオ「あのう、内海にでて、向こうの大陸までちょっと行きたいんですけど、船を譲ってくれませんか?」
話しかけられたモナーは一瞬びっくりして止まったが、
立ちあがると、街の中心に走っていった。
ネオ「ちょっとまってくれよ!おれはあやしいもんじゃないよ!お金も少しならあるんだ!」
ネオは叫んだが、モナーは聞く耳を持たずに行ってしまった。
ほかのモナーたちもこちらを見ながらなにかひそひそと話している。
ネオ「弱ったな・・・・」
すると、さっきのモナーが別の年老いたモナーを連れてきた。
ネオ「・・・?あの・・・」
町長「話はきいたにゃ。船が欲しいそうだにゃ。幸い沢山あるからひとつやろう」
ネオ「本当ですか?ありがとうございます。助かりました」
町長「ただし条件があるにゃ。この町で雇ってる人間の用心棒と勝負して勝ったら、船をやるぞ」
ネオ「人間の用心棒??」
町長「おい、出番だにゃ」
町長は後ろを振返り、その用心棒とやらを呼んだ。
いっきに最終回まで書けボケ!
>>354 もちつけ
続き
するとひとりの少年がこちらに歩いてきた。
町長「かれがこの町で雇われてる用心棒にゃ。さあ、闘え」
少年「おまえネオむぎ茶だろ。おれが誰だかしってっか?」
少年はネオを見るなり言った。
ネオ「ごめん・・ちょっと分からない。流刑者だろ?」
少年「ああ。おれは福岡で下級生に呼び出されて殴られたから、むかついて刺し殺してやったんだよ。そしたらここに送り込まれた。名前はE太郎」
ネオ「ああ、おれも九州だよ。佐賀県佐賀市。その事件、新聞で読んだ」
すると一匹のモナーが野次を飛ばした。
モナー「馴れ合いはいいにゃ!さっさと盛り上げろ!」
その声を皮切りに、周りに集まってきたモナーたちはしきりに騒ぎ出し、
あっという間に人だかりというか猫だかりが出来た。
前列に居座ったモナーたちは、酒のビンを片手に煽りはじめる。
ネオ「なんだ・・・?この町は・・・」
E太郎「この町のモナーたちはみんな漁師ばかりだから血の気が多いんだよ。
こういうバトルショーをみるのが大好きなのさ。前もこの町で奪略行為をしやがった馬鹿流刑者がおれと勝負して死んだ。そのときもこいつら嬉しそうに観戦してやがったぜw」
ネオ「他にもここに流刑者がきたのか?」
E太郎「来たよ。でも肛門鍵棒差込み事件の加害者どもだから気にしなくていいよ。
おれもそいつらとおなじカプセルでここに来たけど、パシリにされたからむかついて、ぶっ殺してやった。その強さを見込まれてこの町で雇われたんだ。
これからもここで住民たちと仲良くやってこうとおもってる。だから町長の言うことは絶対なんだ。悪いけどお前をぶちのめすぜ。覚悟しな」
E太郎はそう言うと、両手を出して構えた。
ネオ「ま、待ってくれ!おれはそんなつもりじゃない!」
ネオは焦った。今はなにも武器をもってないし、眼鏡をかけていないので景色が微妙にかすんで見えていた。
こんな状態で闘ったらそれこそぶちのめされてしまう。
そんなネオの気持ちを無視するかのようにE太郎は向かってきた。
モナーたちの声援や野次が飛び交う中、E太郎はネオの顔面のにパンチを繰り出した。
ネオ「うわ・・・!」
ネオは慌てて後ろに飛びのいてよける。
E太郎「ちっ!」
E太郎は舌打ちしながら次のパンチを繰り出す。
ネオ「やめろって!」
今度はしゃがんでよけた。
次の瞬間、ビュッ!!という風を切る音がしたかと思うと・・・
バキ!!
ネオ「ぶ!!」
ネオの顔に蹴りが入った。
ネオは顔を押さえてその場に崩れる。
E太郎「もう終わりか?!立てゴルァ!!」
E太郎はネオの胸倉をつかみ、無理やり立たせた。
ネオ「・・・・・っ・・」
ネオは顔を押さえたまま動くことができないでいた。
E太郎「情けねえやつだな!」
E太郎はそのままネオを脇に突き飛ばした。
ネオはそのままそこに建っている出店の荷車に突っ込み、中に積まれたフルーツが散乱した。
その様子に観衆は大騒ぎし、E太郎にビンごと酒を飲ませた。
E太郎は調子に乗って煽られた酒を一気のみし、少しほろ酔い状態になった。
その周りにはモナーたちが集まり、E太郎の勝利を祝う。
その猫だかりのそとで、ネオはフルーツにまみれて倒れていた。
そこに町長モナーがきて話しかけた。
町長「残念だったにゃ。船の話はちゃらにゃ。害はなさそうだから命だけは助けてやるにゃ。さっさとここを立ち去れ」
ネオは鼻血を流しながら町長の顔を見上げてつぶやいた。
ネオ「・・・・まだだ・・・まだやれるよ・・・・」
町長「にゃに?!」
ネオは鼻血を手で拭うと、よろよろと起きあがった。
そして、猫だかりのなかに無理やり割り込んでE太郎の前に行った。
猫たちはざわつき始めた。
E太郎「あれ?まだやんの。おもしれえ。今度は死ぬぜ?いいのか?」
ネオ「おれは・・船をもらってどうしても海にでなきゃいけないんだよ・・・!」
E太郎「なんでそこまで海に出たいんだよ?その向こうになんかあんの?」
ネオ「説明すると長くなる。早く決着をつけよう」
E太郎「わかった。やるか!」
E太郎は飲んでいた酒のビンを脇にいたモナーに渡し,口を拭った。
モナーたちはまたしても歓声を上げた。
E太郎「今度はお前からかかってきな。」
E太郎は両手を後ろに組んだ。
ネオ「あんまり馬鹿にするなよ・・・!」
そういうとネオは走っていってパンチをしようと手を振り上げる。
E太郎は涼しい顔をしてさっとよける・・・が、
ネオはパンチをやめて左足を振りぬき、蹴りの体制に持っていった。
E太郎「ばればれだぞwお前」
そういいながらE太郎は軽くジャンプしてよけた。
E太郎「それでフェイクしたつもりか?残念だったなw」
ネオ「ふーん・・・なるほどな・・・・そういうことか・・・」
E太郎「は?何がだ?」
ネオ「いや、なんでも。さ、続けようか」
E太郎「感じわりーな!なんかむかついてきた!」
そういうとE太郎はネオに向かってきた。
ネオは間合いを詰められると困るので、後ろにさがった。
E太郎は少し加速すると、軽やかにジャンプした。
そして空中で蹴りの体制をつくり、そのままネオの頭上に振り下ろした。
ネオはすばやく促したつもりだったが、肩に少しあたり、痛みが走った。
しかしネオはそれに耐え、着地した瞬間のE太郎のわき腹につかさずカウンターを食らわせた。
E太郎「ぐあ!」
E太郎は一瞬よろけたが、ネオの攻撃力がさほど強いわけではなかったので、すぐに体制を整えようとする。
・・・チャンスは一回だけだ・・!
そんなことを考える間もなく、ネオはE太郎に突進する。
E太郎も防御体制に入るが、一箇所だけ弱点があった。
腰だった。E太郎には若干腰を落とすくせがあり、後ろからは隙だらけだったのだ。
ネオはそのことをばっちり見ぬいていた。
突進するふりをして物凄い速さで後ろに滑り込むと、こん身の力をこめて蹴りをいれた。
その2さん乙です。
サッキーの説得工作は上手くいくかな?
では
>>342の続きです。
身を乗り出して後の方を見ると、地面にB介がうつ伏せで横たわっていた。
桃寿「B介が落ちたわ!! 引き返して!!」
ユキコ「ダメよ。今、引き返したら私達もミサイルの餌食だわ」
桃寿「あなた、仲間を見捨てる気!?」
ユキコ「落ち着いて。今、私達がやられたら、誰がB介を助けるの」
桃寿「それは……」
ユキコ「今、後の車がB介のそばで止まったわ」
桃寿「……」
ユキコ「大丈夫。直ぐに殺されたりはしないわ。それより、せっかくB介が時間を稼いでくれたのよ。今のうちに岩陰に隠れて反撃の態勢を整えましょう」
B介はうつ伏せに倒れたままピクリとも動かない。
その近くにバギーが停止した。
バギーの中から直子がしばらく様子を窺っていた。
程なくして、窓を少し開く。
直子「気絶してふりはやめなさい。分かっているのよ」
それでもB介は起き上がらない。
直子「ふん」
懐からナイフを取り出した。
肩の辺りを狙って投げる。
ナイフが刺さる寸前にB介は身体を反転させてナイフを避けた。
直子「やはり起きて……」
そこまで言いかけて直子の顔が凍りつく。
B介の手にピストルが握られていた。
バン!
一瞬、早く直子は顔を引っ込めた。弾は直子の頭上を掠めて天井に当たってめり込む。
直子はすばやく窓を閉める。
そのときB介は直子にかまわず、バギーの屋根によじ登っていた。
直子「振り落としなさい!!」
高橋「はい!!」
高橋はバギーを急発進させてジグザグに走り回った。
しばらくして、B介は振り落とされる。
その直後、車載通信機がトランシーバーの通信を傍受した。
B介『桃寿! ユキコ! ロケット砲に石を詰めた。奴らを挑発してロケットを撃たせるんだ!』
直子「なんですって!?」
高橋「どうします?」
ユキコの運転するバギーが岩陰から現れ猛然と向かってくる。
屋根の上から桃寿が半身を出してショットガンを構えていた。
すでに屋根の土砂は取り払われている。
直子「どうせ、ハッタリよ。無線を私達が傍受している事だって知っているはずだわ」
ロケット砲のトリガーを握った。
高橋「しかし、事実なら我々は木っ端微塵です」
直子「く! いったん引き返しなさい。安全なところで確認するわ」
高橋はバギーを反転させ猛スピードで走っていった。
B介は桃寿に手をふりながらバギーに走っていく。
桃寿「早く乗って!! 追いかけるわ!!」
B介「ダメだ!! すぐにこの場から離れるんだ」
B介は助手席に乗り込んだ。
ユキコ「じゃあ、やっぱりさっきの無線はハッタリね」
B介「ああ。屋根にしがみついているのがやっとで小細工をしている暇なんてなかったよ」
バギーは再び北を目指して走り出した。
続く
乙!!!!!!!!!!!!
366 :
少年法により名無し:05/01/15 00:32:04
支援age
その1さん乙です。
B介カクイイ!
続き
E太郎「うああ!!」
思いのほかE太郎はぶっ飛んだ。
ネオ「やった・・・」
E太郎はそのまま観衆のなかに突っ込む。
モナーたちはますますヒートアップし、金切り声を上げた。
E太郎はうつ伏せに倒れたまま動かなかった。
ネオ「・・・大丈夫か・・・?おい・・・!」
ネオはそういうとE太郎に近づいた。
するとE太郎はゆっくり起き上がった。
E太郎「いってぇ・・・・うわあ、さすがに応えた・・お前やるじゃん」
E太郎は腰をさすりながら言った。
ネオ「これで1対1だな」
E太郎「ああ、いいよそれで。ちっくしょう!ちょっと飲みすぎた。しらふならあんな動き読めたのによ!」
ネオ「俺だってメガネさえあればもっと強いよ」
E太郎「はっw!もやし体型がなに言ってんだ。ま、とりあえずおれから一本取ったんだから酒飲んでくれ」
気が付くとネオの周りには、酒のビンをもった女の子モナーたちが集まり、しきりに煽りだした。
ネオ「ちょ、ちょっとまってくれ、おれは未成年だから飲めないよ!」
ネオは無理矢理飲まそうとするモナーたちを手で制した。
E太郎「なーにいってんだ。そんなのこの星に関係あるかよ。飲めって。ここのスピリッツは最高だぞ。」
ネオ「いやあ・・そう言われても・・・酒飲んだことないんだよ」
E太郎「じゃあ味を覚えるいい機会じゃねーか。しらけるマネすんじゃねーよ。早く飲めって。」
ネオは断りきれなくなり、仕方なくビンを受け取った。
そして一口飲んでみた。
ネオ「・・・・・・・・」
E太郎「どうだ?うめえだろ」
ネオ「・・・なんか変な味がする・・・・」
E太郎「ま、最初はそんなもんだよ。じきにそれがうまく感じるようになんのさ」
ネオはなんだか少しいい気持ちになった。頭がくらくらして頬が熱くなって来る。
E太郎「おいおい、一口でもう酔ったのか?第3ラウンドいけるか?」
ネオ「・・・ああ、らいじょうぶだ・・・・やろうか・・・・・」
E太郎「いや、やめたほうがいいって。お前確実に酔ってるよ。町長に話つけて船はやるから。」
ネオ「なにいってんだ・・・らったらこっちからいくよ」
ネオはジャッキーチェンとおなじ構えをした。
E太郎「おい・・・!」
E太郎はあっけにとられたが、気が付くとネオはもう目の前にいた。
E太郎「!!!」
バキ!!
E太郎は驚く暇も無く、瞬時に頬にパンチを受けた。
E太郎「ぶ!!」
E太郎は後ろによろめく。
ネオは人間のスピードとはおもえない速さで後ろに回りこむと、さらに背中を蹴り上げた。
E太郎は前のめりになってぶっ飛ぶ。
E太郎「が・・!!」
E太郎は地面にうつ伏せに倒れた。
観衆は静まり返ってことの事態を見守っていた。
E太郎は咳き込みながら起き上がった。
E太郎「げほげほ・・・・う・・・なんだイキナリ・・」
その向かい側でネオはしゃっくりをしながら、直立不動に立っている。
E太郎「おもしれえ・・・実は強いんじゃネーか。よし、おれも本気ださせてもらうか・・」
観衆は再び声援を送るべく騒ぎ出した。
E太郎「いくぞ!!」
そういうとE太郎はネオに向かって走る。
そしてものすごい速さでコンボを繰り出した。
ネオ「うぃー・・・ヒック・・」
ネオはクネクネと体を左右に動かして見事に全部よけた。
E太郎「ちっ!」
E太郎は舌打ちをすると、今度は体を落とし、素早くソルトをくりだす。
ネオ「・・・ヒック・・・ヒック・・・・」
ネオは信じられない高さまでジャンプしてソルトを回避した。
E太郎「にがすか!」
E太郎も即座にジャンプしながら右足を垂直に振り上げた。
ビュン!!という音とともにその場の空気が切り裂かれ、ネオの顔に風が吹いたかと思うと、円月輪のような動きのE太郎の蹴りがネオの肩にヒットした。
ネオはそのまま下に落下した。
E太郎も動きを追って着地の体制に持ち込む。
しかしネオは着地の瞬間、右足の親指一本をばねにして再び宙に飛び上がった。
そして微塵も時間を与えずにE太郎の腹部に強烈なパンチを繰り出した。
E太郎「かはぁ!!!!」
E太郎はその動きに全く付いていけず、大人しく攻撃を喰らうしかなかった。唾を飛ばしながら観衆の中に突っ込む。
そしてそのまま気を失った。
静まり返っていた観衆も、わらわらとE太郎の手当てに取り掛かった。
ネオ「ひっく・・・ひっく・・・」
ネオはしゃっくりをしながら、さきほどE太郎に空中で蹴られた肩を抑えていた。
ちょうど森にいるときに撃たれた部分だ。
しかも、E太郎の蹴りの破壊力は尋常ではなく、その効果が今頃現れた。
ネオは痛みで意識が薄くなり、その場に倒れた。
救護班は二手にわかれて双方の手当てをする。
町長「約束どおり船をやらにゃきゃいけにゃいにゃ」
sage
その2さん乙です。
ネオだけまだ潜在パワーを引き出してなかったのですが、酒がきっかけになりましたか。
さて
>>363の続きです。
マタタビ国の地下で佐竹はユキコからのデータを分析していた。
佐竹「まいったわね。ICタグを外した受刑者がこんなにいたなんて……オームを侮っていたわ」
猫C「佐竹様。地球からお客様ですにゃ」
佐竹「お通して」
連絡員「どーも」
若い男が入ってきて、佐竹にクリップボードを差し出した。
佐竹「ヒヒイロカネ弾がたった三発! これしか用意できなかったの?」
連絡員「なにせ急でしたから、次の便ではもっと用意できます。それと空間穿孔砲も次の便で届きます」
佐竹「そう。結局そうなったのね」
連絡員「受刑者達を一度地球に戻すのは大変ですからね。いっそ、この惑星でワームホールを開いて受刑者を送り出した方がよいということになりました」
佐竹「分かったわ」
連絡員が帰ったのを見送った後、佐竹は考え込んだ。
三発しかない弾をどっちのグループにまわすか。
D太はこれからリョフと戦うために弾を必要としている。
一方、ユキコ達もアーチャリーの追撃をかわすために弾は必要だ。
その頃、ユキコ達は……
停止したバギーの屋根の上で桃寿が足を体育すわりして北の空を眺めていた。
あたりはすっかり暗くなり、空には宝石箱をぶちまけたように星が輝いている。
あれから、オームの追っ手が現れることはなく、走り続けこのオアシスにたどり着いたのは夕方頃のこと……
ユキコ「桃寿。B介達から、連絡よ」
サンルーフからユキコが顔をのぞかせた。
B介はラムダを連れて近所にあるモナー族の集落に行っていたのだ。
ユキコ「モナー族は歓迎してくれるそうよ」
桃寿「ユキコ。あれ見て」
ユキコ「ん?」
桃寿は北斗七星を指差していた。
ユキコ「北斗七星がなにか……? え!?」
ユキコは桃寿の言いたい事を理解した。
ユキコ「うそ!? カシオペアもある!!」
桃寿「ここって、地球から何光年も離れた惑星じゃなかったの? 地球から離れると、星座って崩れるんだったよね?」
ユキコ「うん」
桃寿「ひょっとして、ここって未来の地球じゃないの?」
続く
ネオやネヴァはサッキーみたいに何かついてないのか?
>桃寿「ひょっとして、ここって未来の地球じゃないの?」
そうなの!?
その1さん2さん乙です。久しぶりに読みました。
その1さん乙です。
>>376 考えもしなかった展開になりそうですね。
>>375 ネオはとくになにか憑いているというわけじゃありません。
実は酔拳の使い手だということが発覚したということです。
ネバの説明はその1さん願います。
続き
気がつくと、ネオは部屋の中に寝かされていた。上から数匹のモナーたちが心配そうに見下ろしている。
町長「気がついたかにゃ?」
ネオはガバっと起き上がった。
ネオ「す、すいません、俺はどのくらいここでねむってましたか?」
町長「半日くらいねむってたかにゃ?」
ネオ「しまった・・・こんなときに・・・早く行かないとネバダが・・・!」
町長「なにかいそいでいるにゃ?船は入り江に用意したから行きなさい」
ネオ「ああ、ありがとうございます!」
ネオはふ布団から起き上がった。
町長「ちょっとまつにゃ」
ネオ「・・?あ、そうか!船の代金ですね?これで足りますか?」
ネオはポケットに入っていたモナー金貨をあるだけ出した。
町長「受け取れないにゃ。面白いものを見せてもらったから船はただで譲るにゃ。」
ネオ「いいんですか?」
町長「あのE太郎を倒す人間なんてただもんじゃにゃいな」
ネオ「おれもどうしてイキナリあんなに強くなれたのか分からないです。体が勝手に動いてるみたいだった・・・そういうえばE太郎は?」
町長「入り江にいるにゃ。それからこれを君にやるにゃ。」
そういうと町長は後ろに置いてあった箱から何かを取り出し、ネオに渡した。
それは誰のものか分からないが、めがねだった。
ネオ「これは?」
町長「この前E太郎に倒された略奪流刑者のうちの一人がかけていたものだにゃ。きみはこれがないと不便にゃんだろう?」
ネオ「ありがとうございます!誰のかわからないけど助かります。これがないと全く見えなくて」
ネオはメガネをかけた。
ネオ「度もちょうどいいな。よく見える。」
そしてモナーたちに向き直り言った。
ネオ「みなさん、お世話になりました。この恩は全てがおわったら必ずここに寄ってお返しします」
そういうとネオはドアをあけ、入り江に向かった。
入り江の桟橋にE太郎がいた。
おそらくネオに渡されるであろう船が欄干につながれている。
E太郎はネオにきがついた。
E太郎「おう、もう肩はいいのか?」
ネオ「ああ、大丈夫だよ。お前も腹は大丈夫か?」
E太郎「ああ?おまえみたいなもやしのパンチなんて大したことねーよ。すっかりよくなった。
しっかしさ、お前酒飲んだとたんにいきなり強くなったよなあ・・酔拳っておれ初めて見た!」
ネオ「おれもあんなことができるなんて知らなかった。でもお前もかなり強かったよ。とても人間とはおもえないな」
E太郎「いや、おれはまだまだだよ。でも、お前っていう目標が出来た。次に会うときはおれの方が強くなってるぜ」
ネオ「そりゃ怖いな。追いつかれないように俺も努力するよ」
ネオはそういうと船に乗り込んだ。
E太郎「なあ、なんでお前は海の向こうなんか目指してんだ?」
ネオ「海の向こうにカルカン山ってのがあるんだけどしってるか?」
E太郎「カルカン山?きいたことねえ。そこになんかあんのか?」
ネオ「好きな子が悪い奴にさらわれてそこに連れてかれたんだ・・・・」
E太郎「そうなのか・・・・なんか大変だな。でも、お前の強さなら大丈夫だろ?」
ネオ「なあ、E太郎、一緒に行かないか?お前みたいに強いやつが一緒に来てくれれば心強いな」
E太郎「いや、やめとくよ。おれはここで町のみんなを守らなきゃいけない」
ネオ「そうだよな。それじゃ、頼みがあるんだ。サッキーってやつとその仲間があとでここに来るかもしれない。そのときは助けてやってくれないかな?」
E太郎「サッキーね・・わかった。いいよ。お前も気をつけろよ」
ネオ「ありがと。それじゃ・・・」
ネオはE太郎に別れを告げて、船を出した。
風向きは良好で、船は順調に進んだ。
ネオはふたご座を目印にして、ひたすら北に進路を取った。
乙。
RPGみたいだな
その2さん乙です。
ネオはただの酔拳だったのですか。
ネバァの取り付かれてます。それが表面に出てきたのがハイパーネバァダです。
さて、この惑星は秘密は地球なのか?
それはこれからのお楽しみ。
>>373の続きです。
ユキコ「ええ!? いくらなんでも、飛躍しすぎじゃないの。単に、太陽系からそんなに離れていないから、星座が崩れていないだけかもしれないし……」
桃寿「かもね。でも、ここが未来の地球なら、モナー族が日本語を喋ることに説明がつかない?」
ユキコ「未来の日本人が猫を遺伝子操作で知性化した。とでも言いたいの?」
桃寿「そうでも考えなきゃ、まったく違う種族が同じ言語を喋るなんて、ありえないわ」
ユキコ「でもさ、どうして私達が未来へ行ってしまうわけ? サルの惑星みたいに亜光速宇宙船で旅行したならともかく、私達はワームホールを使ったのよ」
桃寿「何年か前に携帯コンテンツで連載された小説に、一万年前の惑星と現代の北海道をつなげる話があったけど、ワームホールって時間も越えられるんじゃないの?」
ユキコ「ありえないわ。だいたい、ここが地球だとするなら人類はどうなったのよ?」
桃寿「それは……やはり……絶滅したんじゃ」
ユキコ「じゃあどこかで、自由の女神が倒れているかもしれないわね。もし、そんなものがあったら佐竹さんが調査した時に見つけているわよ」
桃寿「そうね。正直言って、あたしも自分で言ってて信じられないけど……でも、ここが地球じゃないとしたら、この星座はどう説明するの?」
ユキコ「それは……」
トランシーバーのコール音が二人の会話に割って入った。
ユキコ「はい。こちら、ユキコ」
B介『おおい。早くこっちへ来いよ。せっかくのご馳走が冷めちゃうぞ』
ユキコ「わかったわ。直ぐ行く」
ユキコはトランシーバーをしまった。
ユキコ「このことは後で話しましょ。ここで議論しても始まらないわ」
桃寿「そうね」
二人はバギーを降りて、モナー族の村に向かう。
村に入ると二人は村長の屋敷に案内された。
屋敷に入ると国王を上座に据えて、数十匹の猫が集まり宴会を開いている。
B介「おおい。こっちだ、こっち」
B介は国王の横に座って手招きしている。
ユキコ「大丈夫なの? こんなに浮かれていて」
ユキコはB介に囁いた。
B介「なにが?」
ユキコ「ほら。よくあるじゃない。勢力争いに敗れた王族が、地方に落ちのびて現地の豪族のだまし討ちに遭うってパターン。最初はこういうふうにご馳走をふるまって油断させておいて、酒で酔いつぶしてから……」
B介「それなら大丈夫だよ。この村で歓迎されているのは王様じゃない。僕達さ」
ユキコ「なんでよ?」
B介「なんでも、数日前からこの村で流刑者が暴れているらしく、僕達に退治してほしいと……」
ユキコ、桃寿「それを早く言わんかあ!!」
ユキコと桃寿はB介襟を掴んで思い切り揺さぶった。
村の猫達の話では、湖の中の島に流刑者を乗せたカプセルが落ちてきたのは三週間ほど前のことだと言う。
中から出てきた流刑者は一人だけ。
だが、彼はその島を離れる事はなく魚を釣って暮らしていた。
最初はのうちは……
しばらくして、夜中に村の猫が行方不明になる事件が相次いだ。
犯人が島に住み着いた人間であることが分かったのは十日前。
湖の岸辺を散歩していた猫が拉致されそうになって命からがら逃げてきたことにより判明した。
村では他の人間を何人か雇って討伐に向かわせたが、帰ってきた者は一人もいない。
これまでの犠牲者はモナー族が十六匹。人間が三人。
桃寿「かなり、大事になってたんじゃないの?」
ユキコ「のんびり宴会なんかしている場合じゃないでしょう!!」
B介「別にのんびりしていたわけじゃないよ。ちゃんと事情聴取もやっていた」
ユキコ「とにかく、一度バギーに戻りましょう。奴に装備を奪われたらえらいことだわ」
三人が屋敷の出口に差し掛かったその時……
「うにゃあああぁぁぁぁ!!」
甲高い猫の悲鳴が響き渡った。
支援
いかん!!
>>381訂正
ネバァの取り付かれてます。→ネバァは取り付かれてます。
さて、この惑星は秘密は地球なのか? →さて、この惑星は地球なのか?
ワクワク
ディルクル━━(゚∀゚)━━!!?
>>384の続きです。
三人は一斉に走り出した。後から猫達もついてくる。
途中でB介が立ち止まり懐中電灯を点けた。
「ひにゃあああぁぁぁぁぁ!!」
再び悲鳴が聞こえた。
桃寿「あっちだわ」
桃寿の指差す方に光を向ける。
何かが倒れていた。いや、散らばっていると言った方がいいだろう。
それはすでに命があったときの原型をとどめていなかった。
あたり一面真っ赤な血に染まり、一個の生物を更正していたパーツがその中に点在していた。パーツは一つ一つを観察すると、それがかつて猫であったことが辛うじて分かった。
ユキコ「ひ……ひどい……」
B介「誰だ!? そこにいるのは!!」
B介が向けた光の中一人の男が現れた。透き通るような白い顔に銀縁メガネをかけ、嘲るような笑みをこちらに向けている。
B介「……」
見覚えのない顔だったが、B介はその男を見てなぜか一瞬寒気を覚えた。
B介「これをやったのは……おまえか?」
男は無言で首を縦にふった。
次の瞬間。男は踵を返してB介達とは反対方向に走り出した。
B介「まてえ!!」
パン!
威嚇射撃をしたが男は止まらない。
B介は後を追い始めた。
しばらく走り続けたが、男との距離は縮まらない。
しかし、広がることもなかった。
B介「止まれ!! 止まらないと撃つぞ!!」
B介は三秒だけ待った。
パン! パン! パン!
B介「くそ! 当たらない」
その頃、桃寿とユキコはバギーに向かって走っていた。
桃寿「今、銃声が聞こえたわね」
ユキコ「ええ。B介大丈夫かしら?」
ようやく、バギーまで辿り着いたとき、B介から連絡が入る。
B介『だめだ。見失った』
ユキコ「落ち着いて。無闇に動いちゃだめよ」
B介『しかし……』
ユキコ「大丈夫。相手が流刑者ならICタグで見つけられるわ」
B介『そうか。その手があったか』
ユキコと桃寿はバギーに乗り込むと直ちにコンピューターの電源を入れた。
ユキコの手が流れるようにキーボードの上を動き回った。
ユキコ「さあ出たわ」
コンピューターの画面の中心に青い光点と、赤い光点が重なるように現れた。
桃寿「この光点は?」
ユキコ「赤い光点はあなたよ」
桃寿「ええ!? あたしの身体にもICタグが入ってるの?」
ユキコ「それは仕方ないわよ。あなたも流刑者なんだから」
桃寿「そりゃそうだけど……青い光は?」
ユキコ「私のペンダントに入っているICタグよ」
桃寿「ふうん。で、なんでこれしか映ってないの?」
ユキコ「まだ、狭い範囲しか出してないからよ。探知範囲を少しずつ広げていくわね」
探知範囲を広げていくと、やがて画面の端に青い光点が現れる。
ユキコ「これがB介。近くに奴がいるはずよ」
だが、いくら範囲を広げても、B介の近くに赤い光点は現れなかった。
桃寿「もう逃げちゃったんじゃない?」
ユキコ「みたいね」
ユキコは通信機を取った。
ユキコ「B介。あなたの近くに奴はもういないわ」
B介『了解。逃げられたか』
ユキコ「B介から逃げられたけど、私からは逃げられないわよ」
桃寿「その言い方、ちょっとコワい」
ユキコはさらに探知範囲を広げた。ついに赤い光点が現れる。
ユキコ「見つけた! うそ! B介から七百メートルも離れているわ。いつの間にこんなに離れたのかしら?」
桃寿「ちょっと。ここって湖じゃないの?」
ユキコ「待って、今地図と重ねる」
地図と重ねてみると、赤い光点は湖の中心にある島の上にあった。
ユキコ「そんな!! こんな短時間で奴は湖を渡ったの?」
桃寿「こいつ、誰なの?」
ユキコはICタグの情報をリスト照合した。
ユキコ「ディル!?」
桃寿「え?」
ユキコ「猫殺しディルヴァンガー」
続く。
さっさと一気に最後まで書けよ〜
>>396 なんとなく先がみえつつあります。
もう少しのご辛抱を。申し訳ない。
その1さん乙です。ディルヴァンガーがくるとは思いませんでした。
わくわくしながら読みましたよ。
>>379続き。
しばらくすると、ネオの視界を遮るかのように霧が出だした。
最初はそれほどのものでもなかったので、ネオは特に気にせず船を漕いでいた。
しかし、霧はみるみる濃くなり、全く前がみえないくらいになってしまった。
ネオ「どうしよう・・・こんなに見えないなら闇雲に前に進めない・・・」
ネオは途方に暮れた。
すると、なんだか船が揺れている錯覚に襲われた。
ネオ「・・・?なんだ・・・?」
しかしそれは錯覚ではなかった。
さっきまで静かだった水面が、少々荒くなってきていた。
ネオ「一雨くるかもしれない・・・!」
ネオの予感は的中した。
ぽつぽつと空から水滴が落ち、船の床を濡らしたかと思うと、
あっという間に暴雨になった。
このままだと船に水が溜まり、転覆してしまう・・・・!
ネオは船をこいで戻ろうかとも思った。
しかしさっきの港町からはだいぶ来てしまっている。
簡単にもどれる訳がなかった。
近くに陸地を探そうにも、濃霧のせいで周りが見えない。
そう考えている間にも、水はどんどん船の中に浸入する。
そしてあっというまに溜まり、重さに耐え切れなくなった船は、ぎしぎしと音を立てて沈み始めた。
ネオは泣きそうになりながらも、手で水を掬っては外に出したが、物凄い暴雨のため、一向に追いつかなかった。
そして船は無惨にも転覆した。
ネオは肩の怪我のせいで泳ぐことが不可能だった。
必死に沈んで逆さになった船にしがみつき、なんとか溺れないようにバランスを取る。
雨は一段と激しくなった。
そのうち風も出てきて、ネオは流された。
しかし、幸いなことに風向きは、ネオの目指している北側に向かっていた。
ネオは漂流しながらどこかに陸地はないかどうか、よく目をこらした。
しかしこの霧と暴風雨のなか、そんなものはあったとしても、見えるはずもなかった。
どれだけ流されただろうか。ネオは完全に生気を失っていた。
もう進路を確認する体力すら残っていなかった。
油断すれば今にも気絶してしまう。
しかし、ネバダを救出するというたった一つだけの思いが、なんとかそれを防いでいた。
ネオ「死ぬわけにはいかない・・・・・・」
ネオは呟いた。
すると、さっきまであんなに激しかった暴雨が、徐々に治まってきた。
霧もだんだん薄れてゆく。
同時にネオの意識も薄くなっていった。
ネオ「・・・もうだめか・・・・・・」
そう呟いたときだった。
ネオの目に、明かりの点った大きな船らしきものが飛び込んできた。
ネオ「・・・・!」
それは間違いなく、大きな遊覧船だった。
それは静かにネオの目指す方向に進んでいる。
・・・救われた!!
ネオはもうそれしか考えられなかった。
今にもなくなりそうな意識を呼び戻し、最後の力を振り絞った。
そして、怪我した肩のことも忘れ、必死に泳いでその船を目指した。
肩の痛みは激しかったが、そんなものは気にならなかった。
我武者羅に泳ぎ続け、ようやくその船の甲板の下にたどり着く。
人気はないが、確かに船室と思われるところの窓から明かりが漏れている。
ネオ「だれかいないのか・・・!」
ネオはなんとか甲板によじ登ることが出来た。
そして柵を越え、中に入る。
甲板は誰もいないようだった。端にバケツやらロープやらが放置されている。
ネオは船室に向かった。
ネオ「誰かいませんか?」
ドア越しに問いかける。
しかし返事は無かった。
、
ネオは思い切って船室のドアを開けてみた。
中には誰もいなかった。
天井の低い粗末な部屋の奥に、小さなベッドが置いてある。
ネオ「やっぱりモナー用か」
すると、ネオの目に血の付いたシーツが飛び込んできた。
ネオ「・・・!誰の血だ?!」
部屋はここともう一つ、操縦室がある。
もしそこに行ってだれもいなければ、この船は無人だということになる。
ネオは船室の戸を閉めて、操縦室の方に向かった。
操縦室の扉は赤茶けていて小さかった。やはりモナーサイズで作られている。
ネオはドアにてをかけ開けようとした。
・・・そのときだった!
ネオ「うわ!!!」
突然後ろから何者かがネオを羽交い絞めにした。
・・人間の手?!
ネオは振り向こうとした。
しかし、相手は物凄い力でネオを押さえつけていたので、それすら出来ない。
「うごくな」
男の声だった。
少年の声ではないが、それ相応に若い男の声だということがわかる。
ネオ「す、すいません!勝手に入り込んだりして・・!おれは危害を加えるつもりは・・」
「黙れ!このくそがき!」
ネオ「!!」
相手はネオの喉にナイフを突きつけていた。
ネオ「・・・・・!」
ナイフは新品のものらしく、鏡のように光っている。
そこに相手の顔が映った。
22.3歳くらいの男の顔だった。
顔立ちはまあまあ良いほうだが、なんだか目がぎらぎらしている。
そのオーラにネオは押され、足がすくんだ。
ネオ「お、おれをどうするんです・・・?」
D太「返答しだいじゃ生かしておけねぇな」
D太とネオ対面キタ━(゚∀゚)━!!!
支援かきこ
カキコしてくれた方々アリガトウこざいます。
続き
D太はさらに腕の力を強めた。
ネオの首に痛みが走る。
ネオ「ぐうぅぅ・・・」
D太「おい!L斗!もう出てきても大丈夫だ!」
D太はさっきネオが入ろうとした操縦室に向かって声をかけた。
すると操縦室の赤茶けた扉が少し開いた。
そしてその隙間からL斗が顔を覗かせた。
ネオ「・・・・?」
L斗は顔を覗かせているものの、ちっともネオと視線が合わない。
L斗は扉を大きく開けると、廊下に出てきた。
手探りで前に進む姿にネオは疑問が浮かんだ。
ネオ「・・・ひょっとして目が・・・?」
D太「うるせー。お前には関係ねぇ!おれらになんの目的で近づいた?答えろ!ネオむぎ茶!」
ネオ「なんでおれの名前をしってるんです?!あなたはなんなんですか?」
D太「答えるまえにボディチェックだ。」
そういうとD太は左手でネオを押さえつけたまま、右手で服の上を探った。
続ききぼん
支援かきこ!
お待たせしました。
ネオ「そんなことしたって何も出てきやしませんよ!」
D太「うそつけてめえ、これはなんだ?ふざけてんの?」
D太はネオのズボンの後ろポケットからスピリットの入った小さなビンを取り出した。
それはこの前港町を出発するときに、E太郎に餞別でもらったのだった。
D太「がきのくせにこんなもん、何でもってんだ?おまえ怪しすぎ」
ネオ「それは・・・・・」
ネオは今までのいきさつを話した。
D太は疑わしさを消せない表情でそれを聞いていたが、呂布の話が出た途端、表情が変わった。
D太「それで、呂布のやろう、カルカン山にいくって?」
D太はネオから手を離して尋ねた。
ネオは慌ててD太の元から離れる。
ネオ「はい、多分俺達をそこにおびき寄せてるつもりなんだと・・・」
D太「なるほど。じゃあ、おまえか酒鬼薔薇のどっちかが媒体か・・・・」
ネオ「・・・え・・・・?」
D太「いや、なんでも。で、酒鬼薔薇もカルカン山に来るんだな?」
ネオ「はい、いまはあっち側の大陸で、他の問題を片付けてます」
D太「そうか。こりゃ手間が省けたな。おれらもカルカン山を目指してる」
D太はにやついた表情を浮かべて言う。
ネオ「・・・?」
D太「さて、お前をどうするかな・・・・・」
すると、横で座って聞いていたL斗が初めて口を開いた。
L斗「D太、彼は多分わるいやつじゃないよ。ひどいことはしないであげてくれ!」
そういいながらも、相変わらずL斗の目線は変な方に行っている。
D太「なんでそういい切れるんだ?声聞いただけでわかんのか?」
L斗「わかるよ。俺、見えなくなってから余計にそういうのわかる。かれは悪い奴じゃない」
D太「わかったわかった。お前の第六感を信じるよ。」
D太はネオに向き直って言った。
D太「てめぇ!少しでも変なマネしてみろ!その時は一瞬でミンチにしてやる!」
ネオ「し、しません!なんにも!」
ネオはガクブルしながら答えた。
するとD太はそこにあったロープできつくネオの手を縛った。
D太「L斗、おれはいまから本部と連絡取るから甲板にでる。
こいつになんかされそうになったらでかい声で叫べよ?いいな」
そういうとD太は通信機をもって甲板に出て行った。
D太が出てゆくのを見送ると、L斗が言った。
L斗「安心してくれよ。D太は本当は優しいんだ。そのうちきみのことも信用してくれるよ」
ネオ「かれ、本部とかいってたけど、もしかして政府の人?どうみてもそうだよね」
L斗「そうだよ。彼はフリーのエージェント。俺ももとエージェントだったけど、解雇されて流刑者になった」
ネオ「やっぱりそうか・・・だから俺の名前も知ってたんだ。」
L斗「うん、君が近づいてくることも分かってたよ。流刑者にはICタグが埋め込まれてるから、居場所がすぐ確認できるんだよ」
ネオ「やっぱりそうか・・・・・なあ、それより君、目が見えないのか?」
L斗「うん、この星のはやり病にかかって最近見えなくなった。でも、全てが終わったら、D太が治る薬を探してくれるって約束してくれた」
ネオ「そうか・・・」
そんな会話をしているうちに、雨は完全に止み、空の色も明るくなった。
D太はサッキー殺すつもりだったんじゃなかった?
まだか
>>411 そうです。
サッキーもカルカン山に来るとわかったんで、
わざわざ探す手間が省けた、ということです。
分かりにくかったですね。すみません。
>>412 なんとなく、このすれで最終回までいけそうな気が・・・・・
続き
その頃サッキーは、滝から少し奥に入ったところにあるボロい建物の中にいた。
この建物は廃屋になっていて、以前きこりモナーが住んでいたらしいが、
港街ができてから、たくさんのモナーが森を捨てて、そちらに移り住んで行った。
その中でサッキーはロープでぐるぐる巻きにされ、二人の女から見下ろされていた。
茜祢「ふーん、それでこいつがうちらの味方についてくれんの?」
麻緒「ちがう、どうやらひかるたちのグループとうちらを仲直りさせたいんだって」
サッキー「そや。仲直りしてくれへんかな?そうやないときみら全員死ぬかもしれへんで」
茜祢「あはははwうちらは死なないよ。ひかるたちは死ぬかもしれないけど」
茜祢は笑いながら言った。
茜祢「なんせこっちは美華が殺されたからね、向こうの人間も2人やった。今更そんなこといわれてもw」
サッキー「せやけど、ひかるたちは、もう君らと争う気はないって言うてるで?」
茜祢「あはははwあんたバカ?そんなの信じられるわけないじゃん!」
サッキー「ほんとやって。なあ、麻緒ちゃん」
麻緒「うん、さっき滝の下にひかるもいたよ。ひかるも仲直りしたいみたいなことを言ってた」
茜祢「どうせふりじゃないの?ひかるは男の前だと態度かわるしねw」
サッキー「そんなに信用でけへんのかいな。向こうは君らのこと信用する雰囲気になってきてんのに」
茜祢「・・・・?」
サッキー「スーフリとのことや。ぶっちゃけどうなん?つながってんの?」
茜祢「なにいいだすんだよ?いきなり。またその話かよ!」
サッキー「どうなのよ?ひかるたちは考えをかえてくれてんか。
君らに根拠がなくたって、信用するって感じになってきてん。
もしほんまに繋がってんのやったら、今すぐ手を切ったほうがええわ。
ひかるたちには黙ってるから。」
茜祢「繋がってねーよ!何回言ったらわかんだよ!」
サッキー「ほんまに?信用するで?」
サッキーは茜祢の目を真っ直ぐ見つめて言った。
茜祢「ほ、本当だって、言ってんじゃんか・・・・」
茜祢は気まずそうに視線を逸らした。
サッキー「なら、君らの喧嘩の原因になった食料の件、どう説明する?」
麻緒「あいつら、そこまで喋ったのかよ・・・」
茜祢「だから!それはあいつらにも散々言ったけど!街に調達に言った時にたまたま食料を売ってくれた店があったんだよ!
で、ぱしりにされてるだけでも悔しいから、買出しに行った3人だけで分けちゃおうってことになった!それだけ!」
サッキー「ゆかりってこは?」
茜祢「ゆかりはたまたま、あたしらが物を買ってるところをスーフリに見つかって逃げ遅れて撃たれた。それだけだよ!」
そういうと茜祢はサッキーの顔を覗き込んだ。
サッキー「?なんやねん?」
茜祢「あんたひょっとして、3人で港街にいた?あんたと、もう一人めがね男と、小さい女のこと。
スーフリとなにか話してなかった?」
サッキー「ああ、いたよ?他の二人は俺の仲間やけど、今は別行動や。」
そこまで言ってサッキーは気が付いた。
続きは深夜に書きます。
>>396すみません。なるべく急ぎます。
その2さん乙です。だんだん話がつながってきましたね。
では
>>394の続きです。
村中が慌しくなった。寝ていた猫達はすべて起こされ、村長の屋敷に集められていった。
ラムダ「ディルという奴はそんなに危険にゃのですか?」
ユキコ「危険よ。猫にとってはね」
猫A「村長。東地区の猫がまだですにゃ」
村長「誰か、東地区に伝令にいった者はいるかにゃ?」
誰もいなかった。
村長「直ぐに誰か、知らせに行くにゃ!」
二匹の猫が走っていった。
B介「慌てることないよ。ディルはまだ島にいるんだから」
もし、ディルが島を離れたら、バギーの中で探知機を見ている桃寿が警報を出すはずだ。
ユキコ「忘れたの? 奴はわずか十分ほどの間に湖を渡ったのよ。何か高速移動の手段を持っているに違いないわ」
B介「どんな? 本部に問い合わせたけど、奴のカプセルにそんな装備はなかったよ」
ユキコ「自分で作ったのかもしれないわ。カプセルにある材料を使って、大型のモーターを作ることは可能よ」
B介「確かに……それじゃあ、僕も東地区へ行ってみようか? ここは桃寿とユキコがいれば十分だろう」
ユキコ「そうね。頼んだわ」
B介は懐中電灯を持って立ち上がった。
ユキコ「ねえ。B介」
B介「ん?」
B介が振り返った。
ユキコ「あ! ごめん。後でいいわ」
さっき桃寿が言っていた事をB介に話してみようと思ったのだが、今はそんな時じゃないと思い後回しにした。
B介は怪訝な表情を浮かべながら出て行く。
ユキコ「ふう」
猫ばかりの中に取り残される。
ユキコ「猫……猫によく似た生き物と言ったほうがいいかな」
桃寿の言うとおり、地球とまったく縁のない惑星の生物が日本語を喋るなどという事はどう考えてもありえない。やはり、ここは未来の地球なのだろうか?
佐竹はここを一度調査して、地球に戻っている。もし、ここが未来の地球なら、佐竹は未来から過去へ移動したことになる。時間を逆行すること事が可能なのか?
ユキコは首を大きく横にふった。
ユキコ「それこそ、ありえないわ」
もし、未来だとしてもどのぐらい未来なのだろう? モナー族の言葉が現代の日本語とそれほど変わっていないところを考えるとせいぜい数十年。そんな短時間で地球がここまで変化するだろうか?
トランシーバーのコール音がユキコの物思いを中断させた。
時計を見ると、B介が出て行ってから十五分経っている。
ユキコ「こちらユキコ」
B介『ディルだ!! ディルが現れた!!』
ユキコ「なんですって!?」
B介『桃寿は何をやっていたんだ?』
ユキコはバギーに駆け込んだ。
桃寿「変よ。奴は島から全然動いてない」
ユキコ「でも、現に奴は東地区にいるのよ」
桃寿「もしかすると」
ユキコ「なに?」
桃寿「奴はICタグを外したんじゃないの?」
ユキコ「それは……ないとは言い切れないわね。ICタグはあまり深いところに埋まっていないから、ちょっと切り付ければ取り出せるわ。問題はディルが自分にICタグが埋められていている事や、タグの埋められている位置をどうやって知ったのか」
桃寿「オームならできるんでしょ」
ユキコ「そりゃできるけど、そんなことしてもオームにメリットはないわ」
桃寿「そっか」
B介『ユキコ!! ディルを見失った。奴はどこにいる?』
ユキコ「B介!! ディルはICタグを外しているわ!!」
B介『なんだって!?』
ユキコ「奴はどこから襲ってくるか分からないわ! むやみに動かないで!!」
B介『どうすればいい?』
ユキコ「今から、赤外線センサーを持っていくわ。それまで何とか持ちこたえて」
B介『分かった』
ユキコ「行ってくる」
ユキコはショットガンと赤外線センサーを持ってバギーから出た。顔には暗視ゴーグルを装着する。スイッチを入れると森の中が昼間のように明るくなった。
桃寿の誘導を受けながら、B介と合流したのは十分後。B介は六匹の猫達と一緒に小屋の中に隠れていた。
早速、赤外線センサーを作動させる。
ユキコ「半径五十メートル以内に熱源はないわね」
B介「やれやれ。結局、ディルはもうどこかに行っちゃっていたのか」
ユキコ「油断しないで。奴が私達の無線を傍受していたのなら、こっちに赤外線センサーがあることは分かっているはずよ。冷たい水を被って探知を逃れている可能性もあるわ」
B介「そこまでしないだろう。風邪ひくし」
ユキコ「破傷風の危険を冒してICタグを外した奴よ。そのぐらいやるかもしれないわ」
B介「そんなものかな」
一行は移動を開始した。
先頭にユキコが立ち、しんがりをB介が勤め猫達を挟む形で一列に移動していた。
五分ほど歩いたとき。
B介「ん?」
B介の持っていた赤外線センサーに反応があった。しかし、それは熱源ではなかった。
周囲の木々よりも温度の低い何かが、一行に近づいてきていた。
B介「ユキコ。何か近づいてくる」
ユキコ「ディルなの?」
B介「分からない。こんな変な反応」
そうしている間に、何かは急速に距離を詰める。
列の真ん中にいた子猫が空中に持ち上げられた。
子猫「ママ! コワいにゃあ!!」
そこに、いつの間にか黒い服に身を包んだディルヴァンガーが白い顔に不気味な笑みを浮かべて立っていた。
母猫「ぼうやを放してにゃ」
B介「その子を放せ!! ディルヴァンガー!!」
B介はピストルを構えた。同時にユキコもショットガンを構える。
ユキコ「くっ! この位置からじゃみんなに当たる」
ユキコとB介はディルとの距離を一気に詰めた。
至近距離でピストルとショットガンが同時に火を噴く。
だが……
ディル「ふふふ! ははは!! ひゃはははははは!」
ディルは不気味な笑い声を高らかに上げた。その身体にはまったく傷がついていない。
弾は確実に命中したはずなのに……
ユキコ「こいつ……まさか……」
B介「やめろおぉぉ!!」
ディルは鋭いナイフを子猫に突き立てた。子猫の衣服が切れ、中から小さなペンダントが零れ落ちる。
その瞬間、ディルの顔が引きつり子猫を落とした。
ユキコ「今だ!!」
ユキコは落ちてきた猫を受け止める。子猫の首には五芒星を象ったペンダントがかかっている。
ユキコ「やっぱり!」
ディルはその場で硬直していた。
桃寿「みんな避けてえ!!」
車の中にいたはずの桃寿が、ショットガンを構えてやってきたのはその時だった。
バン!!
桃寿のショットガンが火を吹く。
硬直していたディルに数十発の散弾が降り注ぐ。
ディルは空中に溶け込むように消えていった。
桃寿「……」
B介「……」
ユキコ「……」
三人はしばらくの間、無言で互いを見詰め合っていた。
最初に口を開いたのはユキコだった。
ユキコ「いつ……気がついたの?」
桃寿「奴がタルパだということかしら?」
ユキコ「そうよ」
桃寿「ユキコが出て行った後に、もう一度ディルのICタグから情報を取り寄せたの。
そしたら、タグは心音を感知していたわ。つまりタグはまだディルの身体の中にあったのよ。では、ここに現れたディルは……」
B介「タルパだと判断したわけか」
桃寿「そう。あなた達に知らせようと思ったけど、もし奴に盗聴されたらかなり拙いことになると思って……」
ユキコ「そうね。こっちにタルパに対する対抗手段があることが分かったら、奴は本気で襲ってきたでしょうね。今までは手を抜いていたんだと思うわ」
支援
翌朝、島に渡った三人が見たのは、変わり果てたディルの姿だった。
桃寿「これが、アーチャリーの恐れていたことだったのね」
ユキコ「ええ」
錆付いた大気圏突入カプセルの中で、凄まじい異臭を漂わせながら蹲っていた男は、とても二十代後半の青年には見えなかった。
しわがれた土気色の肌をした老人が息も絶え絶えの状態でかろうじて命を保っていたのだ。
B介「タルパに生命力を吸い尽くされたんだな」
B介はディルの頭にピストルを突きつけた。
だが、ディルはまったく反応しない。自分の身に何が起きているのかも理解できないらしい。
パン!
トリガーを引いた時、B介目を瞑ってしまった。
再び目を開いた時、老人は息絶えていた。
B介「しかし、ディルはなんで昨日子猫を手放したんだろう?」
ユキコ「五芒星のペンダントよ」
B介「え?」
桃寿「そうか。タルパが式神の同類なら弱点も同じってわけね。式神は五芒星や六芒星を見るとしばらく動けなくなるって何かの本にあったわ」
ユキコ「そう。この村の猫達は五芒星を神聖な紋章として崇めているの。だから、五芒星のペンダントをお守りにしている猫が多いのよ。後で調べたけど、ディルに襲われながら助かった猫はみんな五芒星のお守りを持っていたわ」
>>422支援ありがとうございます。
その頃、マタタビ国の地下では。
佐竹「D太。悪いけどヒヒイロカネの弾丸は今回別のエージェントに送ることにしたわ」
D太『一発でもいいから送ってもらえませんか?』
佐竹「それはできない。今の状況だとリョフは自分から、あなたに攻撃してくる様子はないみたいだわ。もう一方のエージェントは、アーチャリーから追撃がくる恐れがあるのよ。わかって」
D太『しかたないですね』
佐竹「だから、カルカン山への突入は次の補給が来るまで待って」
D太『了解しました』
佐竹「それともう一つ」
D太『なんでしょう?』
佐竹「徳田さんが近くでスーパーフリーと戦闘中なの。そっちが片付いたら、徳田さんにもカルカン山に行ってもらうわ」
D太『徳田さんか。そいつは心強いですが、徳田さんのピストルもタルパには利きませんよ』
佐竹「実は徳田さんに協力している流刑者がタルパを使えるのよ。もしかすると、彼ならリョフに勝てるかもしれないわ」
D太『誰です?』
佐竹「酒鬼薔薇よ」
次の瞬間、D太の顔が引きつった。
佐竹「どうしたの?」
D太『い……いえ……なにも』
通信を切った後、佐竹の胸に嫌な予感が過ぎるのだった。
続く
支援
その1さん乙です。
B介が死ぬかとおもいました。
では
>>414の続き
そういえば、港町でR子に食料を調達させようとしてスーフリに遭遇したとき、
スーフリは他の者たちと争っているから協力して欲しいと言ってきた。
そのとき、和田たちの後ろのほうの茂みからいくつかの人影がこちらの様子を覗っていた。
サッキー「あれは君らやったんか」
茜祢「やっぱ、あのときのはあんたか・・・他二人はどうしたの?」
サッキー「女の子の方は行方不明で、めがねの奴と手分けして探してる。そうだ!ここに来るときに木に道しるべがついとった。
ひょっとしたらめがねのやつがこの近くを通ったかも知れん。見たか?」
茜祢「さあ?見てないよ?」
すると麻緒がはっとした。
麻緒「そういえば、さっき、りさと殺り合ったとき、りさが撃たれて川に流れたのを泳いで追いかけてた男の子がいたけど・・・・!」
サッキー「なに?!間違いなくネオやと思う!それでどうした?!」
麻緒は言いづらそうに顔を背けた。
サッキー「なんやねん!一体なにがあったん?!」
麻緒「それが・・・りさたちの仲間だと思って撃っちゃった・・・」
サッキー「え・・・・」
サッキーは顔面蒼白になる。
麻緒「た、多分死んでないよ!!遠くて心臓狙えなかったから、肩に当たったみたいだった!」
サッキー「だとしても重傷やんけ!!」
麻緒「ご、ごめん・・・!知らなかったんだよ!こんなときだから警戒するしかなかったし・・・!!」
サッキー「ネオ・・・無事でいてくれ・・・!ほら言わんこっちゃない!無駄に争えば関係ないもんが犠牲になるんやで?!これやったらみんな地球にいたころと変わらんやんか!!」
サッキーはいつになくぶち切れモードだった。
麻緒と茜祢は顔を見合わせた。
サッキー「・・・?なんやねんな!感じわるっ!」
すると茜祢は僅かに笑みを浮かべた。
サッキー「??」
茜祢「あんた悪い奴じゃなさそうだね。信用してやってもいいよ?」
サッキー「え・・・?ほんまに?」
茜祢「ただし、条件がある。街まで行って、スーフリの連中から食料くすねてきてよ。
あいつらみんな買い占めやがってこっちは飢え死にしそうだっての」
サッキー「それでひかるたちと仲直りしてくれるん?」
茜祢「いいよ、ひかるのバカが謝ってくれれば」
サッキー「ありがとう!わかった。必ず約束ははたすからこのロープほどいてくれへんかな?」
麻緒が持っていたナイフでロープを切った。
サッキー「さんきゅ。ほな街までいってくるから。その間絶対喧嘩はやめてな」
茜祢「あたしたちはそこまで不誠実じゃないよ?早く食料おねがいね」
サッキーは二人に見送られ、森から出るべくパンツ一丁で走り出した。
429 :
少年法により名無し:05/01/23 10:31:25
その2さん乙です。
パンツ一丁というのも少し可哀想なw
さてここでスーフリの事情です。
関本「和田さん。ありましたよ」
関本が小さな金属の皿を差し出した。皿の上には血塗れになった小さカプセル状の物体が載っている。
和田「ご苦労。関本君」
和田はカプセルをピンセットでつまみ上げた。
和田「これが、その発信機なのか?」
関本「ICタグというものですよ。こいつと同じものが我々の身体に埋め込まれているはずです」
和田「なるほど。徳田のジジイはこれで僕らの居場所を常に把握していたわけだな。それで、あのR子という女は?」
関本「もう、麻酔が切れてぴんぴんしてます。麻酔の副作用はありません」
和田「そうか。それじゃあの麻酔を僕達に使っても大丈夫だね?」
関本「そりゃあもう」
和田「よかった。良い時に実験材料が来てくれたよ。でないと、僕達の中から誰を人体実験に使うかでもめるところだった」
小林「和田さんも人が悪いなあ。本当はあの女が酒鬼薔薇の恋人じゃないことは知っていたんでしょ」
和田「はははは! 当然さ。あの時のあいつらの顔を見たろ。あれは「人質を取られてしまった」て顔じゃない。「厄介払いができてラッキー!」て顔だった」
小林「しかし、いいんですか? このままじゃあいつらどっかへ行ってしまいますよ」
和田「別にかまわないよ。最初から奴らの戦力は期待していない。ただ、ここに長くいられて、徳田のジジイと手を組んだりしたらやっかいだ。むしろ、どっかへ行ってくれた方が助かる」
小林「なるほど。ところで関本。僕達のICタグを全部外すのにどのくらいかかる?」
関本「一日に二人として、五人だから三日だな」
和田「では四日後に反撃開始だな」
小林「あの女はどうします?」
和田「もう用はないし帰してもいいが、万が一徳田のジジイと手を組んだりしたら面倒だ。
戦いが終わるまで食料庫の見張りでもさせておこう」
一時間後。
R子「なんだい? このかび臭い部屋は」
小林「食料庫だよ。時々、泥棒がくるから君に見張っていてもらうのさ。腹が減ったら、適当にそこらへんのもの食っていいよ」
R子「泥棒? どんなやつらだ?」
小林「若い女の子だ。ただしピストルを持っているから気をつけな」
R子「ちょっと待てい!? あたしに武器はないのか!?」
小林「ない。こっちも、ピストルは一丁しかないからな」
R子「そんな。じゃあ逃げ出せるように、足の鎖だけでも外してよ」
R子の右足は長さ五メートルの鎖で繋がれていた。
小林「鍵はここだ」
R子の手の届かない壁に小林は鍵を吊り下げた。
小林「がんばって取りに来るんだな」
そのまま、小林は部屋から出て行く。R子は一人取り残された。
続く
以上スーフリの事情でした。
>>428 >森から出るべくパンツ一丁で走り出した。
warota
そういえば、まだパンツ一丁だったんだなw
おもしろいです
その1さん乙です。
R子とサッキーの再開ですね。
カキコしてくださった方々アリガトウございます。
サッキーは派手なプリントのパンツで飛び回っておりますw
続き
サッキーは、森の出口がすぐ分かった。
茜祢たちのアジトは少なからず日差しが入っていた。
散々回り道したが、結局出口に近い場所にループして戻っていた。
サッキーは森を抜けると、一度徳田のもとに戻った。
徳田はパイと船から動かなかったようだ。
徳田「サッキー、どうした?ネバは見つかったか?」
サッキー「徳田はん、ネバはみつからへん。でも徳田はんの連れの女の子たちにはあった」
徳田「なに?」
サッキー「じつは・・・・・」
サッキーはことの起こりを話す。
徳田「そうか・・あいつら・・・やっぱりな。4人も死んだか。愚かなことを・・・。
しかしお前の行動でまた団結できるんだな?」
サッキー「ああ。いまから港町にいって、スーフリから食料を調達せなあかん。」
徳田「待て、私もいこう」
サッキー「え?その怪我で?動けへんやろ?」
すると、徳田はすっくと立ち上がり、嘘のように歩き始めた。
サッキー「徳田はん?治ったんか?」
徳田「実は、ほかのフリーエージェントが万能薬を届けてくれた。そのおかげだ。
おれは本部の指令を受けて、カルカン山に向かわなければならなくなった。
ほかのタルパが暴れ出したので、担当するエージェントが力を貸してほしいと言ったらしい。」
サッキー「フリーエージェント??」
徳田「この星に送り込まれたエージェント以外に、フリーのハンターとして仕事を請け負っているものだ。
もちろん多少の前科はあるが、選ばれた人間しかなれない。」
サッキー「ほう。そんなんがいるんか。」
徳田「ああ。今のところは2人しかいない。気をつけろ。戦闘の腕は一級品だ。
お前も目立ったことをしていると、命を狙われるぞ」
サッキー「ああ。わかってる。」
徳田「さあ、早くスーフリを片付けるぞ」
サッキー「おう。」
パイ「自分はどうすれば?」
サッキー「ここで船をまもってくれへんかな?」
パイ「わかったにゃ」
徳田とサッキーは港町へむかった。
町に入ると、以前と変わらず人の気配はなく、ゴーストタウンとなっていた。
スーフリの姿も見当たらない。
徳田は持っていた警察用のベレッタをサッキーに差し出した。
徳田「コレで身をまもれ」
サッキー「いや、持たれへん。おれは銃刀類は無理やねん。」
徳田「そうだったな。ボウガンはどうした」
サッキー「あんたの連れの女の子たちにとりあげられてんか」
徳田「じゃあどうする。武器がなければ危険だぞ」
サッキー「もしやつらがいきなり襲ってきたら、落ちてる石でもなんでも武器にしたらええ。」
徳田「まあ、なるべくお前が戦闘に参加しなくてもいいような状況をつくるがな」
サッキー「ああ、頼むわ」
そういったときだった。サッキーたちが歩いている通りに沿った建物の影を何者かが横切った。
サッキー「・・・・・!」
徳田「おい、みたか?!」
サッキー「ああ、なんかおった。」
徳田「スーフリの誰かだとは思うが、意外に小柄な影だったな」
サッキー「そこまで見てへんかった」
徳田「二手に分かれた方がいいだろう。おれがスーフリを引きつける間にお前は貯蔵庫から食料を奪え。
その足で町を出て、娘たちのところへもっていけ。早く体力を付けてもらって、戦闘に参加してもらう」
(゚∀゚)ワクワク
サッキー「徳田はん、あんた優しいな。」
徳田「おれがあの娘たちを一喝してまとめて連れてくればすむ話なのだが、
さすがに死人が出ている。彼女らも精神状態はぼろぼろだろう。
あまり荒いマネはしたくない。それに双方お前の事を信用しているみたいだからこのままの状態を保ったほうがいい」
サッキー「そやな。わかった。」
徳田「貯蔵庫は調査によると、こっちの路地に入って、左側の4件目の建物だ。気をつけろ」
サッキー「わかった。」
サッキーは建物が入り組んだ路地に入る。
徳田はそのまま真っ直ぐ進んだ。
徳田「・・・・・?」
おかしい。徳田の流刑者探知機はなんの反応も示さない。
徳田「この町にはもうスーフリはいないのか?」
しかしさっき、たしかに人影が先の路地を横切ったのを見た。
徳田は用心しながら、町の中心部まで進んだ。
441 :
少年法により名無し:05/01/24 20:37:28
age
読んだ記念かきこ
sage
444ゲット!!(σ・∀・)σ
445 :
少年法により名無し:05/01/25 20:23:32
age
お待たせしました。
続きです。
しかし、相変わらずスーフリの面々は姿を現さない。
探知機のエリアを拡大しても、反応はなかった。
どうやらこの街にはいないようだ。
しかし、どこに行ったというのだろうか。
徳田は、通りの建物のドアを片っ端からあける事にした。
一方サッキーは、徳田がいる通りの一本裏手の道を走りぬけ、
とある建物の真っ赤なドアの前に出た。
徳田が言っていた、この町の貯蔵庫である。
サッキーはドアを開けようとしたが、鍵が掛かっていて開かなかった。
仕方ないので裏手に回る。
すると、裏には小さな窓があった。しかし、木が打ちつけられていて、中の様子はわからない。
サッキー「ちっ、どうせあいつらがやったんやな・・・」
サッキーは打ち付けてある板と板の間を覗き込んだ。
サッキー「・・・・!R子・・・!」
中にはR子がひとり、ふてくされた様子ですわり、端から食べ物を食い散らかしていた。
サッキー「おい、R子!」
サッキーはコンコンと、窓を小突きながら呼びかけた。
近くにスーフリがいるかもしれないので、あまり大きな声は出せなかった。
サッキー「おい、R子」
再び窓を叩く。
R子はようやく気がついた。
R子「サッキー?!!」
R子は窓の方に駆け寄ろうとしたが、足かせが邪魔した。
R子「マイダーリン♥♥助けに来てくれたのね!」
サッキー「ええ?ちゃう・・・いや、まあ、そんなとこかな?」
R子「いやーん、感激!早く中へ!」
サッキー「無理やわ・・・鍵がかかっとる」
R子「だったらドアや窓をぶっこわせばいーじゃない♥」
サッキー「せやけど・・・近くにスーフリがおったら・・・・」
R子「大丈夫よ!今やつらはこの町にはいないから」
サッキー「え?どういうこと?」
すいません、半分寝てるので、続きは明日の夜中です・・・。
書き手は大変ですね。乙。
その2さん乙です。
読んでくださってる方々ありがとうございます。
では、スーフリの事情を加えます。
藤村「本当に大丈夫だろうな?」
手術台の上に横たわりながら、藤村は思い切り不安そうな顔を関本に向けた。
関本「大丈夫♪ 大丈夫♪ 俺を信じろ」
藤村「信じろってな……おまえ医学部じゃないだろ」
関本「学歴差別はいけないな」
藤村「そういう問題じゃない!! 医学の心得もない奴が手術なんかして大丈夫かと」
関本「心配ない。手術って言ってもでっかいトゲを抜くようなものだ」
藤村「なら、なぜ麻酔をする?」
関本「ん? 麻酔無しでやるか? 痛いぞ」
藤村「いや……麻酔使ってくれ」
藤村の鼻の上にクロロホルムを浸した布が乗せられた。
程なくして藤村の意識がなくなる。
関本「さて、始めるか」
モナー族の医師が部屋に入ってきた。
医師「本当にこんなんで大丈夫かにゃ? わしらが手術をやるときはメスや針は火で炙ってから使うにゃ。こんな水で浸しただけで……」
関本「水じゃねえ。高濃度のエタノールだ」
医師「エタノール?」
関本「ようするに酒だよ。飲むなよ。お前らが飲んでる奴を蒸留して、うんと濃くしてある。雑菌ならこれでいちころだ。この部屋の壁や床も、俺達が着ている白衣も全部これで殺菌してある」
関本は藤村の右の二の腕にアルコールを塗りたくった。よく見ると皮膚の一箇所に赤くマーキングされている。
関本「ここにICタグが埋まっている。今から、俺がここを切開して取り出すから、あんたはその傷口を縫い合わせてくれ。さすがに俺もそれはできんからな」
医師「一つ聴きたいにゃ」
関本「なんだ?」
医師「なんぜ全部わしらにやらせないにゃ? 確かにお前の麻酔薬や消毒薬は凄いけど、メスさばきは危なっかしいにゃ。ICタグの場所さえ教えてもらえたら、後はわしらがやるにゃ」
関本「いや、別に意味はない。単に俺、一度医者の真似事したかっただけだよ」
一時間後
和田「手術は上手くいったかい?」
関本「ばっちりです。まあ、藤村の奴はまる一日安静にしていた方がいいでしょう」
和田「明日は僕を頼むよ。ああそれと摘出したICタグは取っておいてくれ」
関本「なんに使うんです?」
和田「徳田のじしいを誘き寄せるのに使う」
関本「なるほど。そいつはいい」
和田「僕らが町を空っぽにしたことに、奴らはすぐに気がつくだろう。明日あたりには安心して町に入ってくるだろうな。そして、四日後に僕らから摘出ICタグを町外れ置いておく。どうなると思う?」
関本「俺達が攻めてきたと思って、迎え撃ってくるでしょうね」
和田「そのとおり。で、僕達は奴らを背後から攻撃する。完璧な作戦だ」
関本「さすが和田さん。ところで町に残してきたR子の口から俺達がICタグを外していることがばれませんかね?」
和田「心配ないよ。あの女はどうせすぐに撃ち殺される。万が一助かったとしてもあの女にはICタグのことは話していないから」
関本「え!?」
和田「ん? どうかしたか?」
関本「い……いえ……なにも……」(やべ! 麻酔が覚めた時にベラベラ喋っちったよ)
数時間後、こっそりとアジトを抜け出す関本の姿があった。
関本「おお! 痛て」
手術が終わったばかりの左肩を抑える。
関本「早いところあの女の口を封じないとやばいな。俺がリンチにかけられちまうよ」
続く。
以上スーフリ事情パート2でした。
454 :
少年法により名無し:05/01/26 20:33:25
age
おもろい!!
さっきー出てきたところが良い!!
sage
続ききぼんぬ
その1さん乙です。
応援パピコありがとうございます。
続き
R子「やつらはいま、町から少し離れた荒地にいるよ。」
サッキー「ほんまに?何しに行ったん?」
R子「何しにいったんだっけ?確かICなんちゃらかんちゃら・・・・」
サッキー「うわ・・・そんな大事なこと、なんで覚えてへんの?」
R子「うるさい!難しいこと言われてもわかんないんだよ!とにかくここにいないのは事実だよ!」
サッキー「そうか・・・・・」
サッキーはしめたとばかりに、そこに落ちている大きな石を拾った。
そして、板の打ち付けられた窓に向かって叩き付けた。
ガッシャ−ン!!!!
窓が割れる。
続いてサッキーは、打ち付けてある板めがけて、思いっきり蹴りつけた。
バキ!!
板は折れた。
サッキー「よし!!」
その調子で他の板も壊し、サッキーはなんとか中にはいることができた。
R子「サッキー!!!!」
サッキーが中に入るなり、R子は両手を広げてこちらに駆け寄ってきた。
サッキー「うわあああ!」
しかし、サッキーの心配をよそに、R子の動きを足枷が制した。
R子はその反動で床にすっころぶ。
バタン!!
R子「いってー・・・・!」
サッキー「おいおい、落ち着けよ」
R子「きゃあああ!!ダーリン、何よその格好!」
サッキー「うわあ・・・・見るなよ恥ずかしい!」
パンツ一枚のサッキーにさすがのR子も目を背ける・・・ワケがなかった。
指と指の間からちゃっかり凝視している。
サッキー「くそう・・・・まあええわ・・・この食料少しわけてもらってもいい?」
R子「ダーリンのためなら喜んで」
サッキー「こら、話がはやいわ・・・・」
サッキーは倉庫mの中をキョロキョロ見回した。
壁にずた袋がかかっている。
サッキーはそれをはずすと、中にはいるだけ食料を詰めた。
サッキー「それと・・・・」
サッキーはまた倉庫内をうろうろする。
サッキー「おお、あったあった」
そういってサッキーが手にしたのは、
部屋の隅に畳んで置かれていた、関本の着替えだった。
サッキー「おれの趣味やないけど何も無いよりかはましやな。サイズも丁度ええわ」
そういいながらサッキーは、Tシャツとデニムパンツを身に着けた。
R子「ダーリン似合ってる♥]
サッキー「さてと・・・・」
サッキーはずた袋を担ぐと、R子の方に向き直って行った。
サッキー「サンキューR子、いろいろ助かったわ。んじゃ!」
R子「えええ?!ち、ちょっと!」
サッキーはR子を見捨て、さっさと倉庫から出て行った。
サッキー「すまんR子。今のおれはお前を助けるほどの余裕がない。お前やったらどんな環境でも生き延びれるやろ」
サッキーは足早に徳田の元へもどるべく、通りを駆け抜けた。
突然サッキーの前に何者かが立ちふさがった。
関本「待ちやがれ!てめえ!おれの服着てどこ行くんだ?!」
サッキー「ちっ!見つかったか・・!」
すると、関本の後ろから、もう一人、サッキーの知っている人物が現れた。
サッキー「・・・・・やっぱりそうか・・・・そういうことか・・・!」
461 :
少年法により名無し:05/01/27 20:36:05
age
>サッキーの知っている人物が現れた
誰?
sage
464 :
少年法により名無し:05/01/29 01:04:33
支援
お待たせしてすみませんでした。
では続き
関本の後ろから、サッキーの目の前に現れたのは、茜祢だった。
サッキー「俺にうそ付いたな」
茜祢「この状況で易々と相手の事信じるお前が馬鹿なんだよバーカ!!」
先ほど徳田といたときに、物陰を横切った小柄な影は、茜祢だということが判明した。
サッキー「別にもとから君は嘘ついてると思っとったよ。せやけど、もしかしたら仲直りしてくれるかとも期待してたんやけど」
茜祢「んなことするかよ!あんたをこの町に誘導して、スーフリの皆に返り撃ちにしてもらおうとおもってね!」
関本「てめーらだけでもりあがんじゃねぇ!おい!酒鬼薔薇!お前どこまで知ってる!R子って女から全部聞いたんだろ!」
サッキー「R子?何もきいてへんよ?おまえらこそドコいっとた?」
関本「うるせー!」
関本はポケットから、手術に使ったメスを取り出した。
関本「おい!茜祢!お前はどっか行ってろ!お前がいたら徳田に居場所知られちまう!」
茜祢「わかった。そのかわりこいつちゃっちゃと始末してね!」
そういうと茜祢は全速力で駆け出した。
そのころ徳田は、茜祢のICタグの反応に気付き、追跡を開始した。
あれ?!!
あー・・・・辻褄あわなくなった・・・・orz
書き直していいですか。
>>465の下4行は無視してください。すいません
関本の後ろから、サッキーの目の前に現れたのは、茜祢だった。
サッキー「俺にうそ付いたな」
茜祢「この状況で易々と相手の事信じるお前が馬鹿なんだよバーカ!!」
先ほど徳田といたときに、物陰を横切った小柄な影は、茜祢だということが判明した。
サッキー「別にもとから君は嘘ついてると思っとったよ。せやけど、もしかしたら仲直りしてくれるかとも期待してたんやけど」
茜祢「んなことするかよ!あんたをこの町に誘導して、スーフリの皆に返り撃ちにしてもらおうとおもってね!」
関本「てめーらだけでもりあがんじゃねぇ!おい!酒鬼薔薇!お前どこまで知ってる!R子って女から全部聞いたんだろ!」
サッキー「R子?何もきいてへんよ?おまえらこそドコいっとた?」
関本「うるせー!」
関本はポケットから、手術に使ったメスを取り出した。
サッキー「おい、やめろって!お前等が暴れたってどうもならんって!徳田はんが探知機で見つけてすぐくる!」
関本「白々しいな!てめーわ!おれと茜祢がICタグ外したことくらい知ってるくせによ!」
サッキー「なに?!ほんまかいな!!そんなことができんの?」
関本「・・・・・・・」
茜祢「あんたばか?」
サッキー「茜祢ちんもやったん?」
茜祢「あんたがあたしらのアジトからいなくなった直後に、別ルートから回り道して、スーフリと落ち合ったんだよ。それと茜祢ちんとか呼ぶのはヤメロ!きもい!」
サッキー「せやから、さっき俺らの前を横切ったときに探知機に反応なかったんやな?」
茜祢「まあね」
サッキー「なあ、麻緒ちゃんもこっちと繋がってんの?」
茜祢「麻緒は関係ないよ。あたしだけ。あいつも誘ったけど断られた。しかも、ここに来る前に引きとめられて、うざかったから殺した」
サッキー「・・・!!!」
茜祢「そんなに驚かないでよwいーじゃん別に。あんたの友達のめがねのコ、麻緒が撃ったんでしょ?仇とってやったんじゃん?」
サッキー「ともだちやろ?!!」
茜祢「はあ・・うざいし・・・」
乙
ツジツマ合わせも大変ですね。
>>469 ありがとうございます。
多分、書く前にきっちり計算すればもーまんたいなんですがね・・汗
続き
関本「悪いが秘密を知ったお前には死んでもらう!もちろんR子にもな!」
関本は、メスをぎらつかせてサッキーに襲い掛かってきた。
その頃徳田は、町の中央の通りに建っている家全部のドアをあけ、中を確認し終わった。
しかし、これといった手がかりは得られなかった。
徳田「おかしいな・・・・一体どこに消えたというのだろうか・・・・」
ひょっとするとスーフリは見込みがないと諦めて別の町に移ったという可能性がある。
しかし、この周りは果てしなく荒野が広がっていて、歩いて別の町に行くにはまる3日かかる。
それにエージェントの探知機で、流刑者を確認できるのは最大でも半径10キロ程度である。
町の外ににげられては確認のしようがない。
徳田は追跡を諦め、再びサッキーと落ち合うことにした。
探知機にスイッチをいれ、サッキーの反応を確認すると、裏通りに向かった。
関本はメスを振り回し、サッキーを襲う。
サッキーはわたわたと、必死で回避する。
関本「ちっ!すばしっこく動き回りやがって!」
すると、表を見張っていた茜祢が走ってきた。
茜祢「関本!徳田のじじいがこっちに向かってるよ!やばいよ!」
関本「どーしろってんだ!」
茜祢はきょろきょろとあたりを見回した。
すると、倉庫のまえに置いてある、大きな壷が目に入った。
茜祢はそれをもってサッキーの後ろに回った。
サッキーは関本の攻撃を交わすので手一杯になっており、茜祢には気が付かない。
茜祢「えい!!」
ガシャ−ン!!!
茜祢は壷をサッキーの頭に精一杯振り下ろした。
サッキーの脳内で赤い光が炸裂する。
サッキー「う・・・・・・」
サッキーはその場に倒れた。
関本「やったか・・・・・?」
茜祢「ハァハァ・・・う、動かないね・・・」
関本「と、とにかく逃げるぞ!」
茜祢「う、うん!」
二人は再び町の外に出るべく走り去った。
支援sage
その2さん乙です。
茜祢が裏切り者だったのですね。
それにしても、関本はアホですね。
では、スーフリ事情パート3です
アジトの一室にスーフリメンバーが集まりテーブルを囲んでいた。約一名を除いて。
和田「関本はどこへ行ったんだ? これから作戦会議だというのに」
小林「さっき、こっそり出て行くのをモナー族が見てたそうです」
和田「たく! 徳田に見付かったらどうすんだ。せっかく電波の届かない距離まで離れたのに……」
藤村「それなら大丈夫です。関本の奴、すでにICタグを外してます」
和田「外した? 自分のをどうやって?」
藤村「タグの場所さえ分かれば、モナー族の医者でもできるそうです。というより、モナー族の医者に任せた方がよっぽど安全です」
小林「あの野郎。タグを外したのをいいことに、一人で茜祢に会いに行ったんじゃないのか?」
沼崎「あいつ一人だけいい思いしやがって。和田さん。早いとこ俺達のタグもモナー族に外させましょう」
和田「慌てるな。手術の前後、僕らは無防備になる。全員一度に手術をしてそのときにここを襲撃されたらどうなる?」
沼崎「そうでした」
和田「手術は一人ずつだ。前の奴が麻酔から完全に回復してから次の奴をやる」
和田は一同を見回した。
和田「では作戦会議に入ろう。小林君、君の立てた作戦案を」
小林がテーブルの上に鉄の小箱を載せた。
小林「この中に藤村と関本から外したICタグが入っている。この箱ならICタグの電波は十分に遮れるわけだ」
小林は町の地図を広げた。
小林「町のはずれに関所がある。ここにタグを置いておく。念のため爆薬をここに仕掛けておきますが、おそらく徳田は引っかからないでしょう。奴は関所の裏手にある林から攻めてくるでしょう。そこで風上から林にクロロホルムを流すのです」
和田「なるほど。眠っている間にズドンか。いいねえ。中々卑怯でよい作戦だ。それに女の子は無傷で手に入る」
沼崎「茜祢は利用しないんですか?」
和田「もちろん利用するよ。茜祢には対立グループと和解させて、徳田達が林の中に行くようにうまく誘導してもらう」
その1さん乙ですー。
その戦略で
サッキーたちVSスーフリの一戦お願いしてもいいでしょうか?
話をまとめます。
・サッキーは約束どおり食料を手に入れた
・茜祢にやられた衝撃で、記憶があやふや
・ひかるたちは森でサッキーの帰りを待っている。
・麻緒は茜祢に殺された。
こんなとこで・・・すみませんが検討願います。
わたしはなかなかうまく書けません。
んで、徳田すれ行ってきます。
>>475 了解しました。
ではそれで続きを書きます。
>>477いえ、とんでもない。
>>473の続きです。
徳田が駆けつけた時、サッキーは倉庫の入り口前で倒れていた。
徳田はしゃがみこんで脈を計る。
徳田「よし。脈はあるな。しっかりしろ! 何があった」
サッキー「ううん。頭いてえ……あれ? ここはどこや?」
徳田「倉庫の前だ。私がここへ来たときには君は倒れていた」
サッキー「倒れとった? なんで?」
徳田「記憶障害か……最後に覚えていることは」
サッキー「なんやろ……徳田はんと船を出た後……あかん。その先が思い出せん」
徳田「仕方ない。今は安静にしていた方がいいな。落ち着くまで、しばらくそこで横になっていろ。後で薬をやる」
サッキー「すまへんな」
徳田は倉庫の入り口に歩み寄った。
徳田「む!!」
懐からピストルを出して構える。
徳田「そこにいるのは誰だ!!」
R子「う……撃たないで!!」
洞窟の中でトランシーバーのコール音が鳴り響いた。
本来ならこんな地下まで電波は届かないが、入り口付近に中継器をセットしておいたのでここでも使えるのだ。
まき「サッキーかな?」
ひかる「きっとそうだよ」
さおり「待て! スーフリ罠かも……」
止めるまもなく、ひかるはトランシーバーを取った。
徳田『私だ』
ひかる「徳田さん!! 無事だったのね」
徳田『私は無事だ。だが酒鬼薔薇がやられた』
ひかる「ええ!? サッキーが」
徳田『命に別状はない。ただ、記憶をなくしている。誰にやられたのか思い出せないんだ』
ひかる「そうですか……」
徳田『それよりお前達。すぐに町へ出て来るんだ。スーフリがいなくなっている。やつらはICタグに気がついて、探知範囲外に逃げたらしい』
ひかる「分かりました」
十分後、三人は洞窟を出た。
声をかけられたのは町の入り口まで来たときだった。
茜祢「ひかる」
三人はいっせいに振り返る。茜祢が一人で立っていた。武器は手にしていない。
ひかる「茜祢。あんたも徳田さんに呼び出されたの?」
茜祢「実は、あんた達に謝りに来た」
いきなり茜祢は土下座した。
ひかる「ちょっと、なんの真似」
まき「てめえ何かたくらんでいるんじゃないのか!!」
茜祢「あんた達の言うとおりだったよ。麻緒の奴、スーフリと組んでいた」
ひかる、まき、さおり「え?」
茜祢「いっしょにいながら、全然気がつかなかった。許してほしい」
さおり「まてよ。麻緒はどこにいるんだ?」
茜祢「あたしが殺した」
ひかる、まき、さおり「!?」
茜祢「だめかな?」
まき「だめだな。お前は信用できない」
さおり「まあ、待てよ。武器はもっていないみたいだ。信用はできないけど、徳田さんのところへは連れて行こうぜ」
三人は茜祢の両手を縛ると、町の中へ連行していった。
続く
乙
483 :
少年法により名無し:05/01/30 01:56:08
>>480の続きです。
倉庫の前に徳田はいた。町のモナー族を指揮して、倉庫の食料を運び出していたのだ。
ひかる「徳田さあん!!」
ひかる達に気がついた徳田は三人に手をふる。直後に怪訝な表情を浮かべた。
徳田「なぜ茜祢を縛っている」
まき「こいつ、スーフリと繋がってやがったんだよ」
徳田「そうなのか? 茜祢」
茜祢「疑われても仕方ないと思うけど、あたしはやってないよ。やっていたのは麻緒なんだ」
徳田「麻緒はどこへ行った?」
茜祢「あたしが殺した」
さおり「出鱈目言ってんじゃねえよ!! 殺したなら死体はどこだよ!!」
茜祢「死体は川に流れていったんだ。ひかる!! あんたなら信じてくれるよね」
ひかる「悪いけど、あたしも信用できないわ。今、言ったことはまったく逆で、あんたが麻緒を騙していたという可能性もあるしね」
茜祢「そんなあ……そうだ、サッキーに聞いてよ。サッキーを壷で殴ったのはあいつなんだ」
徳田「残念だが、彼は頭を打ったショックで過去一時間分の記憶を失っている」
ひかる「そ……そうだ!! 徳田さん! サッキーはどこなの?」
徳田「倉庫の中で休んでいる」
それを聞くなり三人は倉庫に駆け込んでいった。茜祢も縛られたまま一緒に入っていく。
ひかる「サッキー大丈夫?」
サッキーは木箱を積み重ねた即席のベッドの上で横になっていた。
サッキー「やあ」
まき「酷いこぶ。誰にやられたのよ?」
さおり「痛くない? あたしバファリン持っているよ」
サッキー「おおきに。でも、バファリンならさっき飲んだから大丈夫や」
茜祢「サッキー。誰に殴られたか覚えてないの?」
サッキー「そのへんの記憶がどうしても思い出せんのや」
茜祢「困ったわね。この娘達、あたしが犯人だと思っているのよ。犯人は麻緒だっていっても信じないの」
サッキー「そう言われてもな。思い出せんもんわな。なあ、あんたら、今のところは茜祢を信用したってもええんないか」
まき「あんたちょっと甘いよ」
サッキー「甘いかもしれん。しかし、証拠もなしに仲間を疑ったりしたあかんで。そんなんじゃ誰も信用できなくなる」
まき「でもさ……」
サッキー「スーフリを倒すにはみんなで協力せなならん。わかったってや」
ひかる「まあ、サッキーがそういうなら」
まき「おい。ひかる」
さおり「まあ、しゃあねえな。一応、こいつの言ってること辻褄あってるし……でもな、もしテメエがスーフリと繋がっているって分かったら容赦なくぶっ殺すからな」
茜祢「だから、あたしはやってないって」
R子「おまえら!! ここで何をやっている!?」
サッキー「ゲ!!」
ひかる「なによ。おばさん。何か文句あるの」
R子「大有りだ!! 人の亭主に何、色目使ってんだ!!」
まき「マジ?」さおり「うそだろ」
サッキー「コラ!! 勝手に何を言ってるんや。僕がいつお前と結婚した」
R子「ああん。ダーリン、記憶喪失でそんなことも忘れてしまったのね」
サッキー「記憶喪失をいいことに出鱈目言うな!!」
ひかる「サッキー。誰よ? このおばさん」
サッキー「ストーカーや」
数分後、3人娘によってR子は倉庫からたたき出されていた。
その頃、関本はようやくアジトに帰りついた。
小林「おい関本。今までどこへ行ってたんだ?」
関本「ちょっと野暮用だよ」
小林「この野郎。茜祢といいことやってたんだろ」
関本「まあ……そんなところだ」
小林「ところで、手術だけどお前がいなくてもできるそうじゃないか」
関本「げ! ばれてた」
小林「今、モナー族の医師が和田さんの手術をやっている。それが終わったら、今度は沼崎だ」
関本「おまえは?」
小林「俺は和田さんの前にやった。麻酔からの回復が思ったより早くてな。この調子なら、予定を繰り上げて明日にでも町に攻め込めるぞ」
関本「そうか」
そして、翌朝。
町中に警報が鳴り響いた。そのとき、サッキー達は朝食中だった。
ひかるがトランシーバーを取り、見張り小屋で当直に着いていたまきに連絡を取る。
ひかる「まき!! 何があったの?」
まき『スーフリだ!! 関所に突然やつらの反応が現れた』
全員が見張り小屋に集まった。
徳田「奴ら。いつの間にこんな近くに」
さおり「まき。お前寝ていたんじゃないのか?」
まき「ちゃんと起きていたよ」
サッキー「まあ待ちいな。まきちゃんが寝ていたとしても、こんなに早く近づけるとは思えへんな。奴ら、この辺りに穴を掘って隠れとったんとちゃうか」
徳田「確かに、地下に潜られたらICタグは反応しない。してやられたか」
ひかる「それよりどうする? 関所はちょっとした要塞だよ。下手に近づいたらやられちゃうよ」
徳田「この関所を攻めやすい場所はどこだ?」
茜祢「林だよ。裏手の林からなら見付からないで近づける」
まき「茜祢。おまえなんでそんな事分かるんだ」
茜祢「以前に何度かあの辺りに行ってるのさ。食料の調達に行ったときに奴らに追い回されたのもあそこさ」
まき「本当かよ?」
徳田「まあ、まて。確かに茜祢の言うとおりだ。裏の林が一番攻めやすい。そこから行くぞ」
林の風上では。
関本の持っているトランシーバーが数回コールサインを点滅させた。
関本「茜祢からの合図だ。クロロホルム放出開始」
和田「ふふふふふ。まんまと罠にはまったな。徳田。女の子達は生かしておくが、貴様だけは生かしておかん。僕はあんたの正義面見てると虫唾が走るんだよ」
小林「酒鬼薔薇はどうします?」
和田「生け捕りにしよう。何かの役に立つだろう」
× × ×
関本「そろそろいいぞ。クロロホルムの効果は消えた」
和田「突入開始」
五人の男達は林の中に入っていった。
続く
その1さん乙です。
クロロホルムは果たして効いたんでしょうか・・・
続き
サッキーたちがいる港町から、船で20キロほど北に行くと、もう一つ港町がある。
その町は大きく、わりと文化も進んでいて活気に溢れている。
街にはモナーたちが行きかい、にぎわっていた。
突然町の入り口に、白い服をきた人間が3にん現れた。
3人とも男で、髪や髭を無造作に伸ばしている。
町長「あの・・・このまちににゃんか用ですかにゃ・・・?」
異様な雰囲気を放つ人間たちに町民は気が付き、仕事をやめて一斉にそちらを見る。
彼らは2003年に千葉でおきた少女撲殺事件の珍走加害者、天野、鈴木、石橋だった。
しかし、地球にいたときの凶悪な表情はなく、なんだか朗らかな顔を浮かべている。
天野「私達は、麻原尊氏の命を受け、あなた達を救いに来た者です。」
真ん中にいる男天野が口を開いた。
町長「はぁ?」
天野「あなた達は今の生活に満足していますか?」
モナーたちはざわめきながら3人に近づいた。
上祐の脇にいた林が口を開く。
鈴木「お前達は生きている以上、もっと人生を楽しむ権利がある。私達はそのお手伝いがしたいのだ」
石橋「あなたたちも尊氏の偉大さを知り、 きっと涙をながすことでしょう・・・・」
町長「あの〜・・・にゃにを言ってるかわからないにゃ・・・・」
すると、3人は声を合わせていきなり変なお経のようなものを唱え出した。
モナーたちは最初、あっけにとられていた。
しかし、なんだかいい気持ちになり、気が付くとそこにいたモナーたちはお経に聞き入ってしまっていた。
全員聞き入ったことを確認すると、天野は大声でさけんだ。
天野「尊氏様!ばんざーい!尊氏様のいうことはすべて正しい!」
すると、モナーたちは、取り付かれたかのように一緒に叫び出した。
そうやらマインドコントロールをかけたようだ。
鈴木「天野、こんなモナーたちなんか、これくらいですぐマインドコントロールにかかるな」
天野「ああ。人間にはおれたちのじゃまだ効かないが、モナー程度なら簡単だな。」
どうやらこの町を侵略するつもりらしい。
オウムは徐々に事業拡大している。
こうして町や村を順番に信者がまわり、この星のモナー族全員にマインドコントロールをかけようとたくらんでいた。
すると、奥にある建物から、一人の少年が現れた。
石橋「ほう、この町にも人間がいたのか・・・・」
鈴木「おい、どうする?」
少年はつかつかと3人に歩いてきて言った。
E太郎「てめえら!モナーたちに何したんだよ!!」
支援
>ひかる「サッキー。誰よ? このおばさん」
>サッキー「ストーカーや」
> 数分後、3人娘によってR子は倉庫からたたき出されていた。
warota
その1氏もその2氏も犯罪者の名前とか詳しいですね。
その2さん乙です。読者の皆様ありがとうございます。
いやあ、天野達のことは自分で書いておいてすっかりその存在を忘れていましたw
E太郎の活躍に期待します。
>>494 これを参考にしています。
http://www.hamq.jp/linkB.cfm?i=CALAKU&pn=6 >>488の続きです。クロロホルムの効果は?
クロロホルムの効果は絶大だった。林の中では様々な動物が倒れている。
小林「お!! あそこに人間が倒れているぞ」
小林の指差す先にまきがうつ伏せに倒れていた。
そこから、少し離れたところに、ひかるとさおりが倒れている。
沼崎「うひょひょひょひょ。大漁だぜ」
藤村「それでは早速」
沼崎と藤村がひかるに手を伸ばしかける。
和田「君達。お楽しみはまだお預けだよ。徳田を始末するのが先だ」
沼崎、藤村「ち!」
小林「おい。また、誰か倒れているぞ」
和田「徳田か?」
小林「いや。女だ」
R子だった。
和田「これは……どうでもいいや」
男達はR子を無視して先に進む。
程なくして、彼らは倒れている二人の人間を発見した。
片方は茜祢、そしてもう片方は……
和田「見つけたぜ。クソジジイ」
和田はピストルを抜いた。そして、うつ伏せに倒れている徳田の後頭部に突きつける。
関本「しかし、茜祢の奴も馬鹿だな。ちゃんと濡れた布を口に当てておけと言っておいたのに……ん? なんでこいつ後手に縛られているんだ?」
さらによく見ると、茜祢の身体が小刻みに震えている。
関本は茜祢の襟首を掴み引き起こした。
茜祢「うーうーうー」
茜祢は口に猿ぐつわをかまされ唸っていた。
和田「くたばれ!! ジジイ」
パン。
徳田の頭から血しぶきが……飛び散らなかった。
和田「なんだあ!? これは……」
徳田の身体を引き起こしてみると、それは綿を詰めたぬいぐるみだった。顔には『ハズレ』と書かれている。
藤村「ひえええ!! 許してくれえ!!」
最後尾にいた藤村が突然悲鳴を上げた。
一斉に振り返った男達が見たものは、さっきまで倒れていた三人娘+R子によってタコ殴りにされている藤村の姿だった。
まき「おら! おら! おら!」
さおり「今までの借り、百万倍にして返してやるぜ!!」
和田「動くな!!」
和田は三人にピストルを向けた。
次の瞬間、風を切る音とも飛んできた矢が和田の手に刺さる。
和田「うわああ!!」
和田はピストルを落とした。
新しく作ったボーガンを持ったサッキーが木の陰から現れる。
サッキー「和田はん。この前のお誘いの返事やけど、検討した結果、今回は見送らせて頂くことに決定したしましたのでよろしゅうに」
和田「ボーガンを撃ってから言うなあ!!」
サッキー「まあ、順番なんかどうでもええやないか」
和田「貴様……記憶が戻っていたのか」
サッキー「いいや、記憶は今でも戻ってへんで。ただな。茜祢が致命的なミスをしてくれたおかげで、僕を殴ったのがこいつだって分かったんや」
和田「なに?」
続く。
すみません。出かける時間になりましたので、続きは明日になります。
その1さん乙です。
>和田「ボーガンを撃ってから言うなあ!!」
>「まあ、順番なんかどうでもええやないか」
わろたw
>>494 葵氏のHPみると殆ど載ってますが、
その1さんがまとめてくれた参考サイト見たり、
http://kangaeru.s59.xrea.com/ ←これ見たりしてます。けっこう興味深い事件ばっかりで、おもしろかったりします。
続き
E太郎は勇敢にも、天野の胸倉をつかんだ。
鈴木「なにをする」
石橋「君は我々オウムの布教活動を邪魔する気なのかね?」
かつてDQN珍走だった人間とは思えないほどの口ぶりだ。
E太郎「オウム真理教・・・!麻原は死刑になったんじゃねーのかよ!!」
天野「蘇られたのである。聖なる日に我々のためにな。」
E太郎「なに?」
天野「今はニボシ国を拠点にし、この星のモナーたちに素晴らしき教えを広めているのだ」
E太郎「この星を支配しようって気かよ!お前等は洗脳されてんだよ!いい加減に気づけよ!!」
天野「洗脳とは心外だな。我々は尊氏に出会わなければ、きっとこのまま滅びていたことであろう。
君も我々とともに歩まないかね?そうすれば必ず全身全霊が清められる。そんな乱暴な立ち振る舞いもなくなるぞ」
E太郎「うっせえ!!俺は俺だ!!モナーたちだてそうだ!今すぐ元にもどせよ!!」
天野「それはできない。君らは我々とともにニボシ国に向かうのだ。尊氏に導かれるままに・・・」
E太郎は天野から手を離した。
E太郎「そうかよ・・・・!だったら力ずくで出てってもらうぜ!覚悟しな!」
E太郎はそういうと構えた。
しかし、3人は無言でE太郎を見つめた。
E太郎「おい、どうした、構えろよ!お前等だってもと珍走だろ?喧嘩買ってやってんだから・・・」
しかし3人は動こうとしない。
天野「君のような荒くれ者こそ、尊氏のお考えを学ぶ必要があるな」
E太郎「うるせえ!そっちが考えを変えないなら容赦しねえ!」
E太郎は天野に飛び掛った。そして左右に2、3発顔を殴りつけた。
しかし、どういうわけか天野は何も抵抗しない。
E太郎「ちっ!調子狂うぜ!」
E太郎は天野から手を離すと、隣にいた鈴木を殴りつける。
しかし鈴木もまた、やられるがままになっている。
E太郎「一体なんだってんだ?それでも元珍走か?!!」
E太郎は石橋の顔に蹴りを入れた。
石橋は衝撃で後ろに倒れるが、抵抗するどころか、痛みに呻きもしない。
E太郎は攻撃をやめた。
E太郎「どうなってんだ・・・?こいつら・・・・・まったくダメージがねえ・・・」
すると天野が口を開いた。
天野「気がすんだかね?君こそいう事を聞かないのなら、我々も少々荒い手を使うしかないようだ」
E太郎「なに?」
天野は胸元から、小さな銀の筒を取り出した。
それをE太郎に向ける。
E太郎「・・・・・・」
天野「いくら体術に長けていても、凶器には適わないだろう」
それは小さく改良されたレーザーガンだった。
鈴木「おい、天野、それは上祐さんが万が一のためにくれたもの。こんな子鼠一匹のために使うのは、もったいない気もするが」
天野「今使わずにいつつかうのだ?」
石橋「これであのガキを黙らせて、ここにいるモナーたちを全員二ボシ国へ連れて行こう」
天野「ああ」
そういうと天野は、E太郎に向けて引き金をひく。
スキューン!!
通常の銃声にマイクロ波を混ぜたような音が鳴り響く。
天野「何?!」
E太郎は側転でレーザー波をよけた。
そのまま全速力で建物の角に逃げ込む。
鈴木「くそう!追え!」
3人は走り出す。
住民のモナーたちは、その様子を空ろな目で眺めていた。
その目には、今にも雨が降り出しそうな不安な空模様しか写っていなかった。
読んだ記念カキコ
わくわく
続き
E太郎は物凄いスピードで通りを駆け抜ける。
天野「にがすか!」
それを3人が懸命に追った。
しかしE太郎の足の速さには到底ついていかなかった。
E太郎は建物のポーチや店先の軒下などを掻い潜り、器用に逃げ回った。
鈴木「おい、天野!手分けして捕まえるぞ。俺は右、石橋は左、天野はそのまま中央だ」
天野「そうだな・・・!挟み撃ちだ!」
そういうと3人は分かれた。
E太郎「ちっ!どうしたら・・・!」
後ろから天野が迫ってくる。
ふと前に石橋が現れた。
裏通りから先回りしたようだ。
E太郎「くそぅ!」
E太郎は物凄い高さまでジャンプした。
そのまま建物の屋根にとび乗り、走り出す。
石橋「こしゃくな!これでも喰らえ!」
石橋は突然懐から何かを取り出した。
それは手榴弾だった。石橋はピンを抜くと、E太郎が走る先にある家にむかって投げつけた。
ドカーン!!!
物凄い爆発音が鳴り響くとともに建物は崩壊する。
ちょうどその上を走行していたE太郎は、思いっきり爆発に巻き込まれる。
天野「おい!石橋!何をしている!手榴弾は取って置きだと言われただろう!」
石橋「すまない・・・しかしこのままでは永久に捕まらない」
天野「ふん、まあ良い。瓦礫の中からあのガキを探そう。」
そこに鈴木も駆けつけ、崩壊した建物に入り込んだ。
柱やレンガやらがごちゃごちゃに崩れた山の中からE太郎は引っ張り出された。
E太郎「・・・・う・・・・・」
E太郎は頭から血を流している。
天野「おい、立て」
天野は無理矢理E太郎の腕を掴んだ。
しかしなかなかE太郎の意識は戻らない。
鈴木「こいつはもう駄目そうだな・・・ここに放置し、モナーたちだけニボシ国に連れてゆくとしよう」
天野「駄目だ。アーチャリー様に命を捧げられる人間はこいつしかいない」
石橋「なに?こいつにするのか?アーチャリー様に捧げる生贄は」
天野「ああ。さっき見ていて分かった。こいつの運動神経は並の人間とは思えない。これで充分合格だ」
鈴木「では、尊氏に差し出す生贄はどうする?」
天野「こいつ以上に身体能力に長けた人間がいいだろう」
鈴木「これ以上の人間が流刑者の中にいるのか?」
石橋「フリーエージェントなら間違いなくこれ以上だが」
天野「駄目だ。政府を敵に回すことは駄目だ。探すのだ。もう一人、素晴らしき能力を持った流刑者を」
支援sage
その2さん乙です。
オームが実際に作ったレーザーは目潰しにしか使えなかったそうです。それを考えると格段の進歩ですね。
さて、E太郎の運命やいかに……
その前に
>>497の続きです。
話は少し遡る。徳田の探知機がスーフリの反応を感知した後。
サッキー「徳田はん。こんなもの隠しとったんか」
徳田は一度一行を連れて関所とは反対側に行き、洞窟に隠してあったバギーに全員を乗せた。
全員を乗せるとバギーは町を大きく迂回し林のそばにバギーを停止させる。
徳田「ここからは、バギーでは近づけない。徒歩で行くぞ」
全員が徳田から支給されたボディアーマーを身につける。
徳田「茜祢。君はここに残ってくれ」
茜祢「え? なんで」
徳田「誰かがここでバギーを守らなきゃならん。頼むぞ」
茜祢「分かったよ」
徳田「他の者は全員、林に突入だ」
一同「おお!!」
サッキーを先頭にひかる、まき、さおり、R子、そして徳田が林に突入していく。
一人残った茜祢は、ほくそ笑んだ。
頃合を見計らってトランシーバーを取り出すと、スーフリとの間で取り決めたコールサインを送った。
それが終わると、ペットボトルの水でハンカチを濡らしながら呟く。
茜祢「くくく。まさか、こんなに上手く……」
さおり「行くわけねえだろ」
声は直ぐ背後から聞こえた。
茜祢「な!?」
驚いて振り向いた茜祢の目に映ったのは、さっき林へ突入していったさおり、まき、ひかる、R子の姿だった。
茜祢「あんた達!?」
ひかる「あたし達は林の中を迂回してあんたの背後に戻って来たのよ」
茜祢「な……なんで?」
まき「ばーか。徳田さんは最初からお前の嘘を見破っていたんだよ」
サッキー「下手に拷問に掛けるより、泳がして様子を見ることしようって、みんなで相談したんや」
再び林の入り口に視線を戻すと、サッキーと徳田が立ち塞がっていた。
茜祢の逃げ道は完全に断たれた。
茜祢「この野郎!!『証拠もなしに仲間を疑ったりしたあかん』なんて言ってたくせに、最初から疑っていたのか!!」
サッキー「悪いけど、証拠ならちゃんとあるんや」
茜祢「記憶が戻ったのか?」
徳田「違うな。お前は昨日、酒鬼薔薇が壷で殴られたと言ったな。なぜそのことを知っている?」
茜祢「え?」
徳田「私が昨日、無線で酒鬼薔薇がやられたと伝えた。しかし、壷で殴られたとは一言も言っていない。あの時点でそのことを知っているのは、私とR子と犯人だけのはずだ」
茜祢「しまった」
徳田「さあ。スーフリは何をたくらんでいる?」
茜祢「しらないね」
徳田「ふん。濡れたハンカチを用意しているところを見ると毒ガスのようだな。みんな!!
こいつを縛ってバギーに乗り込め」
回想終わり。
サッキー「とまあそんなところや。バギーはBC戦用に作られてるよって、中に入ってしまえばクロロホルムなんぞなんともあらへん。後はガスが薄くなるのを待ってから、林に入ってみんなで眠ったふりしてたってわけや」
小林「くそう!!」
小林は落ちているピストルを拾おうとして屈みこんだ。
パン!!
一瞬早く銃声が鳴り響き、小林の頭が血に染まる。
徳田「年貢の納め時だ!! スーパーフリー」
後は一方的な戦いだった。
小林に続いて沼崎も銃殺され、藤村と和田は重症を負って捕らえられた。
ただ一人、関本だけが隠し持っていた発炎筒を使ってその場から姿を消していった。
続く
なるほど
早く最後まで一気に書けやっ
その1さん乙です。
そうか。。。。茜祢は自分で暴露してましたね。
わたしも読んでて気が付かなかった。
>>513 ごめん・・・もうちょっと・・・・・
>>505続き
天野たちは、気絶しているE太郎を船に乗せた。
町のモナーたちもそれに釣られるかのように、4,5組に別れて全員船に乗った。
天野「さあ!出発だ!尊氏を待たせてはいけない」
その声を皮切りに、船は向こうの大陸に向けて動き出した。
天野たちがくるまでは、あれほど平和ににぎわっていた町が
一瞬にしてもぬけのからになった。
そのゴーストタウンに一人、人間が入ってきた。
Q一「おそかった・・・・・!」
Q一は町の中央まで走っていき、通信機を立ち上げる。
Q一「佐竹さん、町はもぬけのからです。」
佐竹「参ったわ・・・天野たち、ICタグを外したのね。反応がないわけだわ。」
Q一「E太郎ってがきは、もう連れ去られちまいました・・・!町の住人も」
佐竹「Q一、追って!!」
Q一「はい!」
Q一は港の桟橋に繋いでいた赤兎馬に飛び乗った。
Q一「行け!」
手綱を引くと、赤兎馬は水上を走り出す。
改良は成功したらしい。
この速さなら天野たちに追いつけそうだった。
佐竹はQ一との通信を切った後呟いた。
佐竹「このままE太郎をアーチャリーなんかに渡したら大変なことがおこる・・・・
でも、麻原の生贄には誰を選ぶつもりかしら・・。」
佐竹は流刑者リストを開いた。
佐竹「とくに身体能力が優れているものはいないけど・・・・強いて言うなら酒鬼薔薇くらいかしら。
でも彼自身がタルパの媒体になってる。やつらの餌になるのは生粋の人間でないと無理。
ということでネバダもありえないわ。」
佐竹の頭の中に、D太やQ一、徳田やユキコの顔が浮かんだ。
佐竹「いいえ、彼らはまだ政府の手の中にある。エージェントたちを狙うことはしないと思うけど・・・」
そのとき発信音が鳴った。
佐竹「Q一、どうしたの?」
Q一「天野たちの船、発見しました!たしかにE太郎が乗ってます。モナーたちも!」
佐竹「わかったわ。Q一、モナーやE太郎に当たらないように天野たちを狙撃しなさい。遠くからよ!近づいてはだめ!」
Q一「了解!」
Q一はロングバレルのショットガンを引き抜くと、スコープを覗いて天野の頭部に狙いを定める。
佐竹「せっかく麻原たちには寿命が近づいてきている。ここでまた蘇られたら面倒だわ。生贄なんか渡さないわよ」
>>490 訂正
>上祐の脇にいた林が口を開く。 →天野の脇にいた鈴木です。スイマセン・・・;
どうやったらこんなん間違えるんだか・・・・orz
支援sage
乙!
続き
Q一が引き金を引こうとした瞬間、スコープの中の天野が、
こちらを振り返った。
Q一「やべ、気づかれた・・・?」
天野はQ一と目を合わせ、ニヤリと笑う。
そして、E太郎を追ったときに使いそびれたレーザーガンをこちらに向けた。
Q一「くそっ!」
スキューン!
天野は何のためらいもなく発砲した。
Q一はそれをうながす。
そして再びショットガンを構えた。
天野「ちっ・・・!政府の邪魔が入った。おい、石橋、お前はモナーとこのがきを連れてさきにニボシ国へ行け。俺と鈴木はあいつを始末する。」
石橋「ああ、わかった。」
そういうと石橋は、E太郎が乗せられている船に移る。
Q一「ちきしょっ!二手に分かれやがった!トマホークでも打ち込みゃ、両方ともしとめられるが、モナーたちに当たる・・・」
520 :
少年法により名無し:05/02/03 11:45:11
その2さん乙です。Q一と天野達の戦いどうなるか。
>>513すみません。もうしばらくお待ちを
>>510の続き
湖の上でその島を発見したのは、操縦室で当直についていたひかるだった。スーパーフリーを倒してから三日目の事である。探知機を作動させると青い光点と赤い光点が島のある位置に現れた。
ひかる「サッキー! 徳田さん! 起きて!! 島が見えたよ」
徳田はとても今まで寝ていたとは思えないような素早い動きで寝袋から飛び出してきた。
だが、サッキーはそんな徳田よりも先に操縦室に入る。
ひかる「どうしたの? 目が真っ赤よ」
サッキー「ネオに会えると思うと、一晩中眠れんかったんや。こんな事なら、ひかるちゃんに眠ってもらって、僕が当直についとった方がよかったかな」
スーパーフリーを倒した後、徳田はサッキーを連れてD太と合流しなければならなかった。しかし、町を守るためにどうしても地球人の手が必要になる。まきとさおり、そしてR子を残して一行は出発した。
ひかる「あの島にネオ君がいるのね」
サッキー「ああ」
徳田「D太の報告によれば、ネオはネバダをさらったタルパを追いかけている途中でD太に出会ったらしい。タルパの特徴を聞いたところ、それはD太が追いかけているリョフというタルパと同じらしい」
サッキー「リョフはなんでネバをさらったんやろ?」
徳田「リョフは新たな媒体を求めていると言っていたらしい」
サッキー「まさか!? ネバダを……」
徳田「それは分からん。だが、奴の行き先は分かっている。あれだ」
徳田の指差した先には、水平線から突き出しているコニーデ状の山があった。
サッキー「あれが、カルカン山?」
徳田「そうだ」
スマソ
>>520は私です。
同じ頃、別の場所からカルカン山を見ている者がいた。
D太「こんな目と鼻の先に奴がいるというのに踏み込めないとはな」
カルカン山にリョフがいることが分かりながら、対タルパ装備がないためにD太はここ数日、この島で足止めを食っていたのだ。
D太「ん?」
ふと、探知機に目を向けると、赤い光点と青い光点が現れていた。
D太「来たか」にやりと笑みを浮かべる。
D太「酒鬼薔薇聖斗。本来なら殺すところだが、リョフを始末するまでの間は生かしておいてやる」
続く。
マジデワクワク
その1さん乙です。
意外にすんなり最後までもってけそうな気が・・・
>>519続き。
Q一はしばし考えた。
そして、とりあえず石橋は無視し、先に天野と鈴木をしとめようと思った。
目的がオウムの事業拡大のためにというなら、信者を易々と殺すことはないだろう。
今ここでこの二人を無視してE太郎を追いかけても、どうせ邪魔されるだろうと思った。
すいません・・・眠いので続きは明日で・・・・
支援sage
続き
むしろ、モナーたちを遠ざけてくれて好都合だ。
Q一は再びショットガンを構えなおした。
Q一「赤兎馬、もっと近づくんだ・・・」
Q一は手綱を引いて赤兎馬を前に進める。
天野はまたしてもレーザーガンを構えた。
Q一「何度やっても同じだよ!レーザー波は通常の弾丸よりも目に見えやすい」
予想通り、天野はレーザー波を飛ばしてきた。
Q一はまたしてもよける。
天野「きりが無いな。あっちはそれ相応に装備しているようだが、こっちはこれしかない」
鈴木「どうするんだ?」
天野「使いたくは無いが、アーチャリー様のタルパを呼び出そう」
鈴木「しかし、そんなこと簡単にできるだろうか?そもそも政府を敵に回せば厄介なことに・・・」
天野「仕方なかろう。尊氏たちのタルパ延命のために生贄は必要だ。それを邪魔するものは例え政府だろうと構わない」
鈴木「致し方ないな・・・」
天野はレーザーを構えたまま、鈴木はオウム仕様の通信機でアーチャリーたちのいる宮殿に繋ぐ。
Q一「なんだ・・・?どこに連絡してるんだ?」
Q一はショットガンを構えながら様子を見守った。
通信機の向こうに出たのは直子だった。
鈴木「直子さん、お疲れ様です。実は厄介な事態が起こりまして、アーチャリー様のタルパをこちらに飛ばしてもらえないかと」
直子「事態は大体理解している。しかしアーチャリー様のタルパを飛ばすわけにはいかない」
鈴木「なぜです?」
直子「B介とユキコが裏切った。アーチャリー様はそのおかげで余計なエネルギーを使われ、とてもお疲れだ。」
鈴木「しかし、フリーエージェントが私達を狙ってます。せっかくいい生贄を見つけたのに、このままでは邪魔されます。
我々にはレーザーガンしかありません。こんなものではあのエージェントはしとめられません」
直子「仕方ない。アーチャリー様に話をしてみる」
直子はモニターの向こうに消えた。
その間にも、天野はレーザーガンをQ一にむけ、連続で発砲している。
マシンガンのように、続けざまに引き金を引けるところがこのレーザーガンの利点だった。
Q一は雨のように向かってくるレーザー波をよけるのに手一杯で、なかなかショットガンを構えられない。
しばらくして鈴木が見つめているモニターの中に再び直子が現れた。
直子「やはりアーチャリー様のタルパは飛ばせない。その代わり、そちらに強力な念を飛ばした。
生贄はまだ近くにいるか?」
鈴木は石橋がモナーたちを誘導した方を見た。
まださほど離れた距離には行っていない。船の中に気絶したE太郎が見える。
鈴木「近くにいますが。呼び戻しますか?」
直子「その必要はない。アーチャリー様のタルパの念は、生贄に乗り移るだろう。
もし生贄として適している者ならば、かなり強力になる。
エージェントなどは足元にも及ばないくらいにな。アーチャリーさまにも極力負担がかからない。」
鈴木「なるほど。では生贄をエージェントに差し向けます。」
支援
続き
鈴木が通信を切ったと同時に、遠く離れたところにいた石橋が叫び声をあげた。
石橋「ぐあああああ!!!」
天野「石橋!どうした!」
鈴木「アーチャリー様の念があのガキに乗り移った」
天野「なに?」
石橋は倒れたらしい。遠くて確認できないが、今まで気絶していたはずのE太郎が立ち上がった。
Q一「なにが起こったんだ・・・・?」
天野「アーチャリー様はこんな所まで念をとばせるのか?」
鈴木「ああ。あのガキは生贄に適しているらしいな。憑依したみたいだ。しかし、アーチャリー様の憑依は僅かな時間しか持たない。」
天野「早急にけりをつけなければなるまい」
E太郎の目の色は明らかに今までとは違っていた。目を覚ました途端、気づいた石橋の腕をもいだ。
石橋は気絶した。
E太郎は空ろな目付きで立ち上げると、船から一歩踏み出した。
そして水上をゆっくり歩いて天野たちのいる方に向かった。
鈴木「おい!あのエージェントをしとめろ!」
鈴木はE太郎にむかって叫んだ。
E太郎は答えずに鈴木たちの船に近寄り、止まった。
鈴木「きこえないのか!アーチャリー様の念をやどしているんだろう?早くあのエージェントを・・・・」
そこまでいいかけた時だった。
突然E太郎は片手を振り上げた。
その瞬間、風が巻き起こり水しぶきが舞った。
Q一「!」
水しぶきが止んだ頃には鈴木は血まみれになって倒れていた。
天野「ぎゃあああ!!貴様!何をした!!」
E太郎は無表情のまま立ち尽くしている。
天野は慌てて鈴木の脈を探ったが、もう死んでいるらしい。
Q一「どうなってんだ?あいつアーチャリーに乗り移られてんじゃねーのか?」
天野「違う!あのエージェントを殺すのだ!我々ではない!」
しかしE太郎はまるで話を聞かないかのように、もう一度手を振り上げた。
天野「ぐわあああああ!!!」
またしても水しぶきが起こり、天野は八つ裂きになった。
血しぶきが遠くにいるQ一の頬に飛んでくる。
Q一「こんなところまで・・・あいつの破壊力はどうなってんだ?」
E太郎は遠くにいたQ一に気づいた。
Q一「気づかれた!!」
EたろうはパシャパシャとあるいてQ一に向かってきた。
Q一「なんだよ!やんのか!あいにく俺はタルパとか幽霊とか信じねえ!」
Q一はショットガンを構えた。
Q一「・・・まてよ?あっちは何も凶器を持ってねえ。ここでおれがガン使ったら卑怯者みてえじゃね?」
そういうとQ一はガンを下ろしてキョロキョロした。
さっきまでいた港町からはさほど離れてはいなかった。
Q一は手綱を引いて赤兎馬を港に向かわせた。
E太郎はそれに気づき、Q一を追いかける。
陸地に誘導して、体術で戦おうと思ったのだった。
やがて港に着くと、Q一は赤兎馬を納屋の裏に待機させ、町の中心部へ向かった。
ついこの前、E太郎とネオが戦ったところだった。
E太郎はQ一を狙って付いて来た。
Q一はE太郎を振り返り言った。
Q一「さ、かかってこいよ。おめえの体からアーチャリーを追い出してやるからよ!」
E太郎は突っ立っている。
その時、通信機が勝手に自動通信モードになり、佐竹がモニターに現れた。
佐竹「Q一!やめなさい!いまのそいつはあなたの手に負える相手じゃないわ!」
Q一「邪魔しないでください!男同士の素手で真剣勝負なんすから!」
Q一はモニターを見ないで言った。
佐竹「あんたは本当に・・・釣られやすすぎ・・・そいつは暫くすれば憑依状態が溶けるわ!それまで手を出してはだめ!」
Q一「大丈夫です!」
佐竹「大丈夫じゃないから言ってるのよ!早く逃げて!」
Q一は無視して戦闘体制にはいる。
するとE太郎は、先ほど天野たちにやったときと同様、片手を上に翳した。
振り下ろせば、真空状の風邪がQ一にあたり、八つ裂きにされてしまう。
佐竹「Q一!!」
E太郎は手を振り下ろした。
一瞬物凄い風が起こり、砂埃で何もかもが見えなくなる。
佐竹「Q一!!!」
砂埃が大分治まり、視界がはっきりしてきたときにはQ一の姿はそこには無かった。
Q一はそこから50メートルくらい先の小屋の突っ込んでいた。
しかし、どこも切れてはいなかった。
吹き飛ばされる直前に、すぐ近くに置いてあった店の看板を盾にしたのだった。
Q一「いてててて・・・。本当にこんなの続けさまにやられたらかなわねえ・・・何とかしなきゃ・・」
俺も支援支援
乙!
支援
ここまで読んだ。
お待たせしてスイマセン。
続き
Q一は立ち上がった。
E太郎はまた手を翳して攻撃の準備をしている。
Q一「どうするか・・・・・」
Q一が考えている間にもE太郎は手を振り下ろした。
ビュン!!
またしても鋭いかまいたちがQ一を襲った。
Q一「くそう!!」
Q一は大きく跳んで建物の屋根に上った。
砂埃が舞い上がり、E太郎はQ一の行方を確認できなかった。
きょろきょろしている。
Q一「しめた・・・」
Q一は屋根の上を移動し、E太郎の頭上まで来た。
そしてE太郎の頭めがけて思いっきり飛び降りた。
E太郎「・・・!!!!」
ドカ!!!
Q一の蹴りはキレイに決まった。
E太郎は衝撃を受けるとそのまま倒れこんだ。
Q一「よし。これでアーチャリーはでてったろう?」
Q一は上から話しかけた。
E太郎は反応がない。
Q一「おい。ひょっとして死んじまった?」
Q一はE太郎の頭をつかんで起こそうとした。
するとE太郎の肩が少し動いたかと思うと、そのままゆっくり立ち上がった。
Q一「お?生きてんじゃん。よかった・・・・」
そこまで言いかけたときだった。
ドカ!!
Q一「うっ!!」
Q一の腹に強烈なパンチが入った。
E太郎はまだ憑依されたままだった。
Q一は一気に後ろの納屋に吹っ飛ぶ。
Q一「・・・・・まだ・・・・治ってねえのか・・・・」
Q一はそういいながらなんとか起き上がろうとしたが、
Q一「・・・っ・・・」
どうやらあばら骨が2,3本やられたらしい。
Q一「くそ・・・なんて力だ・・・」
E太郎がこっちに近づいてきた。
Q一はもう逃げることしか考えていなかった。
いつも乙かれ。
最近見るの忘れてた。乙です!
>>540-541 最近忙しく、進みがわるくてごめんなさい。
続き
E太郎はわき腹を押さえて倒れているQ一の前で止まった。
そしてまた手を振り上げる。
Q一「・・!!」
振り下ろす一瞬手前でQ一は右に転がってよけた。
その直後に物凄い爆発があり、いままでQ一が倒れていたところに
ぽっかり穴が開いた。
Q一「う・・・くそっ!!」
Q一はなんとか起き上がりよろよろと港まで歩いた。
そして桟橋に待たせていた赤兎馬にのると、海に逃げた。
E太郎はそれを追い、走り出した。
赤兎馬はぐったりしているQ一を振り落とさないように安定した走りでE太郎を突き放した。
そんままどんどん北の方に進み、いつの間にか町は見えなくなっていた。
赤兎馬はしばらくして止まった。
Q一「・・・ん?どうした?赤兎馬」
わき腹に万能薬を塗りながらQ一は顔を上げた。
真っ直ぐ先の水平線上に突き出ている山がある。
その少し離れたところに、明かりの点った一隻の船が止まっていた。
Q一「あの船は・・・D太先輩の・・」
Q一は手綱を引いて赤兎馬を近づけようとした。
Q一「・・・・ん?」
Q一の後方で水しぶきの音がする。
Q一「なんだ?」
Q一は振り返って度肝を抜かれた。
なんとE太郎の姿が見える。完全に逃げ切ったと思っていたが、着実に追跡されていた。
Q一「憑依状態がまだとけねえのか!でも今のあいつは化け物だ。逃げるしかない!」
Q一は手綱を引き、赤兎馬を走らせた。
E太郎もスピードを上げて追ってくる。
Q一「ちっ!ガン使ったらはえーのに、一応タルパの中の人は人間だから、撃ったら死んじまう・・・!」
Q一はD太達が乗っている船の方向に赤兎馬を走らせた。
D太の流刑者探知機に緑の光点と赤い光点が表れた。
D太「ん?Q一か?あいつ何してんだ?」
フリーエージェントは緑の光で表され、付けているピアスに埋め込まれたタグで反応するようになっている。
ふたつとも物凄い速さでこちらに近づいている。
D太「もう一つは・・・・・ああ、福岡の・・」
ネオ「E太郎か?!」
D太の横でL斗と雑談していたネオが言った。
D太「知り合いかよ。つーかてめえはなに掃除さぼって呑気に雑談してんだ?L斗、そいつに構うな」
ネオ「すいません・・・・」
ネオは甲板に出て行った。
L斗「あんな言い方ないのに・・・・」
D太「いいんだよ。あんな居候にただ飯食わしてやってんだ。それよりもあいつに何かされたら即俺に言えよ?」
L斗「う、うん・・・・(何もされないとおもうけど)」
ネオは甲板の床をデッキブラシで磨いていた。
すると何かが水上をこちらに移動してくるのが見えた。
ネオ「E太郎?」
しかしそれはQ一だった。
Q一を乗せた赤兎馬は軽やかにジャンプして柵を飛び越え、ネオの前の降り立った。
ネオ「あ、あのー・・・」
Q一「D太先輩は?!」
Q一が喋ると同時にD太が船室から出てきた。
D太「なんだよQ一」
Q一「それが、アーチャリーの念がある流刑者に乗り移って、太刀打ちできない状態なんです」
D太「おいおい、オウム対策はお前の担当だろ。おれは有害流刑者担当。仕事増やすなよな」
Q一「ちょっ・・何いってんすか?薬草届けてやった恩も忘れて・・・」
D太「わかったわかった。で、お前でも太刀打ちできないってのはどうなんだよ。」
Q一「武器使えば確実に勝てます。でも媒体になってるE太郎が死ぬ。だから体術でなんとか念を追い出せないかと」
D太「ほっとけよ。時間がたてば勝手に消えて元にもどるんだろ?」
するとQ一の通信機に自動受信ランプがついた。
モニターに佐竹が現れる。
佐竹「それが、E太郎みたいに身体能力が高く、エネルギーの因子がプラスだと、憑依は溶けないの。
強引にでも追い出してやらないと・・」
ネオ「憑依?それってタルパのことですか?憑依されやすい体質ってあるんですか?」
佐竹「あなたはネオむぎ茶ね?あるわよ。勿論精神的なものもあるけど。一度憑依されると媒体が死ぬまで溶けないの。
それを溶いてくれる僧侶がカルカン山にいるから、酒鬼薔薇やあなたもここまできたんでしょ?」
ネオ「それじゃあ、E太郎も・・・」
佐竹「それは大丈夫。彼の場合、念が乗り移っているだけだから、ショックを与えればすぐに出て行くわ。」
D太「体術しかないな」
おもしろいね。書くの大変そうだなぁ。
>>546 ありがとうございます。話が浮かばないときは思考停止になり、そういう時がちょっと大変ですw
続き
Q一「すいません、エネルギーがプラスの因子?なんのことですか??」
佐竹「あなた訓練所の非科学の授業、いつも寝てたんですってね。」
D太「人間は誰でもかれでも必ずエネルギー波を出してるんだ。いわゆるオーラってやつだ。
そのエネルギー波には、赤や紫や青の色が付いていて、そのときの精神状態によって変わってくる。
まあ、そのオーラにもプラスとマイナスってのがあって、マイナスの因子を持ってる人間は、常に他人のオーラを
吸い取らないと生きていけない。で、吸い取られた人間はオーラの力が弱くなっていってマイナスに変わっちまうんだ。
逆に強いプラスのオーラを持ってると、マイナスの奴が近づいても強い波動で跳ね返して、
エネルギーを取られないように防御状態に入るんだよ。
ただ例外に強力な何かに入り込まれちまうと、条件反射で防御状態になるから、なかなか悪いものも出て行かない」
佐竹「D太説明ありがとう。・・・Q一が寝そうになってるからもういいわ」
ネオは昔、興味本位で妹と占いハウスに行った事があった。
その時に占い師にそんな事を言われた記憶があった。
「マイナスのオーラを持っているから、もっと前向きに明るく振舞いなさい」
その時は半信半疑だったが、今のD太の説明や、ここで今までに見てきたことを考えれば、
それも信じるしかなかった。
D太「・・・・きたぞ・・!」
D太の声と同時に甲板のすぐ下から水しぶきを上げてE太郎が飛び出してきた。
ネオ「E太郎・・・!!」
E太郎は甲板に降り立った。
Q一「どうする・・・?」
D太「おい、Q一、L斗を船室につれてけ」
Q一「はい。さ、行くぞ」
Q一はL斗の手を引いて船室へ消える。
ネオ「どうするんですか?」
D太「さがってろ」
ネオ「・・・・?」
D太はベルトに付けていた武器の類を一切外した。
D太「来いよ。俺が相手になってやるからよ」
E太郎はD太の前に歩み出た。
そしてまた手をふり上げる。
・・・・・と、思ったその瞬間、目にも留まらぬ速さのD太のソルトがE太郎のわき腹にヒットした。
E太郎は吹っ飛んで柵にぶつかった。
ネオ「え・・あ・・?何が起こった?速過ぎて分からなかった・・・・」
D太「所詮、念が乗り移った人間だから、こんなもんだな」
船室からQ一が出てきた。
Q一「なんか変身中に攻撃うけた戦隊ヒーローみたいだった・・・卑怯くせーな」
D太「卑怯もくそもあるかよwいちいち出方を待つなんてやってられるか!」
乙
筆者その1氏また最近いないな
支援sage
その1さん最近でてきませんね。忙しそう。
続き
ネオ「凄いですね。体術も得意なんですか?」
Q一「D太先輩をなめんなよ。動きに無駄がないからな。」
D太は膝についたほこりを払った。
D太「体術つかうとさ、服汚れるし汗かくからやなんだよな」
Q一「いつもそればっかりですね」
そういいながらQ一はたばこを加えて火をつけた。
D太「おい!おれの船でたばこ吸うんじゃねえよ!」
Q一「甲板にでてるときくらいいいじゃないですか」
D太「お前、灰とか下に落としたら殴るぞ!」
Q一「はいはい気をつけます・・・・」
Q一がそこまで言いかけたときだった。
Q一「D太先輩危ない!!」
ネオ「・・・・!!」
バキ!!!
突然D太は頭部を殴られて倒れた。
後ろにはE太郎が立っていた。
Q一「しぶといな・・・・まだ出て行ってねーのか」
ネオ「そうだ・・・!」
ネオはD太に没収されたスピリットを船室までとりに行く。
そして俊足で戻ってくると、蓋を開けて一気飲みした。
Q一「なにしてんだ?」
ネオ「ウィック・・・・ウィック・・・・・」
酔拳キターーー??!
554 :
少年法により名無し:05/02/15 00:21:05
支援
なかなか書き込めなくてすいません。
続き
Q一「おい、お前何やってんだ?」
ネオ「・・・ウィック・・・さあ・・・ウィック・・・俺が相手ら・・」
ネオはベストキットの構えをする。
E太郎はネオに標的を変え、容赦なく襲い掛かった。
E太郎が手を振り下ろすと同時に爆発が起こる。
Q一「う・・・っ・・・!!」
Q一が目を開けたときには床がへこんでいた。
その物音でD太が目を覚ました。
D太「・・・一体何が起こったんだ・・・・???」
Q一「おい!ネオむぎ!大丈夫か?!!」
そのときだった。
一瞬太陽の光を遮って影を落としながら何かが空から降ってくると同時に、
E太郎の頭部に衝撃が走る。
そのままE太郎は吹っ飛ばされた。
E太郎に衝撃を与えた物体はネオだった。
そのままネオはゆっくり床に降り立った。
D太「おまえ・・・・!」
Q一「強いね・・・・・」
ネオ「ウィック・・・・ウィック・・・」
しかし間髪いれずにE太郎は起き上がると、再びネオに襲い掛かった。
ネオが促すと同時にすぐ次の攻撃を繰り返し、瞬時にまたよける。
この繰り返しだったが、その動きは人間の目で確認できるものではなかった。
D太「・・・?・・・まったく動きについていけねえ。ネオむぎにこんな能力があったなんてな・・・・」
D太がつぶやいた直後だった。
ネオとE太郎は高さ5メートルくらいまでジャンプした。
今度は空中戦だった。相変わらず動きは激しく速い。
D太「・・・こいつら人間か・・・?!いや、まてよ・・?これは呂布退治に使えるかもしんねえ・・・」
E太郎は右足を垂直に上げると体をスクロールさせ、ネオにタックルをはかった。
Q一「ああ・・・!やべえ!」
D太「いや、ネオむぎの勝ちだ・・・!」
E太郎がネオに襲い掛かったときにはネオはすでに、そこにはいなかった。
Q一「消えた・・・!」
D太「後ろだ。Q一、あぶねえぞ。」
D太はQ一の襟を掴んで、後ろに下がらせた。
Q一「?」
その瞬間、消えていたはずのネオが、E太郎の後ろに姿を現したかと思うと、
ビュン!!!
風邪を切るすざまじい音がして、鮮やかなネオのかかと落しが、E太郎の肩にクリーンヒットした。
E太郎はそのまま急降下して海に落ちた。
ものすごいしぶきがあがり、今までQ一が立っていた場所に滝が落ちる。
D太「決まったな。」
ネオは船に着地すると、そのまま気を失った・・・というか、
酔いつぶれて寝てしまった。
D太「Q一、こいつを船室のベッドまで頼む」
Q一はネオを担ぐと船室に消えた。
D太はそれを見届けると、海に飛び込んだ。
船の真下に潜ると、気絶したE太郎が浮かんでいた。
D太はE太郎の手を自分の肩に回すと、船の上に引き上げた。
D太「おい、いきてるか?」
D太がE太郎の肩をゆさぶった。
その瞬間、E太郎が大量の水を吐き出した。
E太郎「・・・う・・・・」
D太「気が付いたな?自分の名前いえるか?」
E太郎「・・・E太郎です・・・・ここは?俺は一体・・・」
D太「ようやく念抜けたな。」
暫くしてネオが目を覚ましたときには、甲板に全員集合していた。
D太「だからさ、ネオむぎとE太郎がコンビ組めばなんとかなるんじゃね?」
Q一「そんな簡単なことで呂布がたおせますかw!そんなに酒鬼薔薇と結託すんのが嫌なんですか?」
D太「嫌だね。徳田さんだけこっちにくればいいんだよ。」
O一「またそんな事言って・・・無理です。却下!」
ネオ「酒鬼薔薇・・?!サッキーがどうしたんですか?」
E太郎「あ、ネオ、お前無事だったか!よかった!お前の捜し人サッキーがすぐ近くにいるってよ!よかったじゃん」
ネオ「ほんとか?!徳田さんもいるってことは、スーフリ片付いたってこと?」
Q一「ああ、どうやらな。今からこっちにくるよ。すぐそこに船で来てんだ。実は」
ネオ「・・・・サッキー・・・よかった・・・!」
L斗「あ、来たらしい・・・!」
L斗の第六感通り、一隻の船がこちらに近づいてきた。
乙華麗。
早く最後まで書け
いつも読んでくださってる方々、本当にありがとうございます。
とぎれとぎれになってしまっていて、申し訳ないです;
続き
サッキーたちの船は、ネオのいる船のすぐ横に着いた。
中から徳田が顔を出す。
D太「徳田さん!」
徳田「久しぶりだな。」
すると、徳田を押しのけて、サッキーが無理矢理顔を覗かせた。
D太「・・・・!」
こいつが酒鬼薔薇・・・!
D太の顔は一瞬引きつった。
L斗「・・・・」
サッキー「ども!」
ネオ「あ!サッキー!!久しぶり!!」
サッキー「ねお・・・!よかった・・!俺めっちゃ心配しとったよ!」
ネオ「こっちこそ!」
徳田「再会を喜ぶのはまだ早い。D太、我々もそっちに移動していいか?」
D太「はい。」
数分後、全員揃うことができた。
紅一点のひかるは、居心地が悪そうにサッキーの隣をキープする。
D太「おいおい、これから呂布と接触するってのに、なんで女連れなんだ?」
徳田「なに、心配ない。船に残っていてもらってL斗と一緒に見張りをさせればいい。
それに彼女はなかなか優秀だ」
D太「け、なんだかんだ言って花が必要ってか(俺なんか彼女と別れたのに)」
ネオ「Q一さん?どうしたんですか?」
Q一「もろ好みかも・・・・・」
ネオ「はあ?」
Q一「ひかるちゃんだよ。彼氏とかいんのかな?」
ネオ「さあ。でもあの様子だと、サッキーに気がありそうな」
Q一「ああ?そんなの俺を好きにならせるにきまってんじゃん」
D太「・・・こういううざい展開になる・・・・」
そのときD太の通信機がなった。
D太「佐竹さんどうしました?」
佐竹「みんないるわね?」
E太郎「あの、港町のモナーたちどうなりました?俺それが心配で寝てません」
佐竹「そのことで連絡したの。安心して。皆はあのあとすぐに簡易マインドコントロールが解けて、無事町に帰ってもらったわ」
Q一「すいません。本来ならそれ、おれの仕事のはずが・・・」
佐竹「ほんとよ。あとで借りはかえしてもらうから。」
E太郎「そうですか、よかった・・・でも俺がいてやれないから、心配なことには変わりないけど・・・」
佐竹「大丈夫。たまたまその町と、森を挟んだところの港町が提携しててね、
もうひとつの方には人間が住み始めてるから、そのこたちに、あなたの街のことも任せておいたわ」
ひかる「ひょっとして、それってまきやさおりやパイのこと?」
佐竹「そう。彼女たち、今は譲り合って真面目にやってるから安心して。」
サッキー「R子が微妙だけどな・・・」
佐竹「さて、本題はこれから。今から呂布に接触するわけだけど、その問題が片付いたら、
こんどはオウムを片付けるのにも力を貸してほしいの」
徳田「そういえば、サッキーは村井にあっているんだったな」
サッキー「ああ。タルパの村井ね。」
Q一「おまえだってタルパのサッキーだろw」
徳田「余計なつっこみは、話が逸れる。
たしかユキコたちがアーチャリーなどの行方を追っていたらしいがどうなったんです?」
佐竹「駄目でした。アーチャリーも麻原も、タルパを出してこられては強すぎて太刀打ちできなかった。
今はディルバンガーを追ってもらってます。
そこでQ一をオウム対策に回したんですが、並みの人間にアーチャリーの念が憑依するだけであの有様では、
手の打ちようがなくて・・・」
Q一はE太郎のほうに視線を向けた。
徳田「まあ、布教活動はたしかに危険です。なんせカルト集団ですから気をつけなければいけませんが、
アーチャリーたちは力を使いすぎましたし、あとは寿命を待つだけでは?」
佐竹「それが、タルパの寿命を延ばす方法があるらしいんですよ。
生粋の人間で、身体能力に優れたものの魂を手に入れることによって、消耗していたタルパの力を元に戻すことができる・・・」
乙〜。
>>561 気にしないでマイペースに書いて下さい。
こっちも毎日見れないし・・
D太、サッキー殺すのは後回しか
その1氏こないね
その2氏は毎度乙です。
ここまで読んだ。
支援
まだ?
571 :
少年法により名無し:05/02/24 21:18:42
支援
お待たせしてすみません。コンクールの締め切りに追われていてしばらく続きが書けませんでした。
時間がないというよりも、私の脳内で同時に二つも物語を作れなかったもので。
>>570は私です。
では、リョフにさらわれたネバダのエピソードから。
暗闇の中、どこからか歌声が聞こえてきた。
ネバダ「ここは……どこ?」
どこに目を向けても一面の闇。誰もいない。
歌声はどこから聞こえてくるのだろうか?
ネバダ「あたい。なんでこんなところに……」
呟いた瞬間、一つの光景が彼女の眼前に浮かび上がる。
思い出したくもなかったおぞましい光景が……
ネバダ「ひ!?」
井上「おい!はやくやっちまおう!」
K「おう、しっかり押さえてろ!」
いつの間にか両手を縛られていた。
ネバは必死に足をばたつかせ抵抗した。
井上「大人しくしろ」
欲望にまみれた男達の手がネバダに伸びる。
ネバダ「いやああああああああぁぁぁぁぁ!!」
次の瞬間、すべての光景が消えていた。
また、一面暗闇の中。歌声だけが聞こえてくる。
ネバダ「ひ……ひっく。死にたい……」
そのとたん、歌声がぴたりと止む。
少女の声「死にたいの」
ネバダ「え?」
振り返るとそこに一人のメガネを掛けた少女が立っていた。
少女「あたしは死にたくなかった」
ネバダ「ひ!! ご……ごめん。ミタ」
少女「死にたくなかったよ」
ネバダ「ひいいい!!」
すべての光景が消えた。
ネバダ「ここは?」
そこは絶壁の途中にテラスのように張り出した平たいの岩の上だった。
ネバダ「なんで……こんなところに?」
リョフ「気がついたか?」
ネバダ「え?」
振り返った。顔半分に酷い怪我を負った少年がそこに立っている。よく見ると生身の部分も腐りかけていた。その顔には見覚えがある。
ネバダ「松田?」
リョフ「ほう。知っていたか」
ネバダ「知ってるよ!! 長崎にいた時、あんたがあたいを付回していた事に気がつかなかったと思っているのかい!! このド変態!!」
リョフ「あひゃひゃ!! ばれていたのかよ」
ネバダ「この!!」
ネバダは立ち上がると、カッターを抜いた。
リョフ「あひゃひゃひゃw それで俺をどうしよって」
ネバダ「こうすんのよ!!」
リョフの身体にカッターを突き立てた。
だが、リョフはそれを避けようともしない。
カッターは何の抵抗も受けずにリョフの身体にめり込む。
ネバダ「ひ!? な……なんで」
ネバダが手放したカッターはリョフの胸に残る。
リョフはまったく痛がる様子もなく突っ立っていた。
リョフ「あひゃひゃ!! 返してやるぜ」
刺さっていたカッターを無造作に抜き取るとネバダの足元に放り捨てた。
ネバダ「あんた。一緒にいた宮野は……?」
リョフ「宮野? そういえばそんな奴もいたな。奴なら死んだぜ」
ネバダ「死んだ?」
リョフ「そして、松田もな」
ネバダ「なにを言ってるの? あんたは……」
リョフ「生きてるように見えるかい?」
ネバダ「……」
見えなかった。
ネバダ「まさか? タルパ?」
リョフ「あひゃひゃw そういうことさ。
本当なら松田が死んだ時点で俺はエネルギーを失って物質に干渉する力がなくなるはずだったんだがな、
どこからかエネルギーが流れてきたんだよ。おかげで、こうして今でも活動できる。
エネルギーの流れを追って辿り着いた場所がここさ」
ネバダ「ここは、どこなの?」
リョフ「カルカン山だ」
ネバダ「カルカン山!? あたい達が向かっていた……」
そこまで言いかけてネバダは黙った。自分はもうサッキーやネオと会わないつもりで飛び出してきたことを思い出したからだ。
リョフ「この山から俺達タルパが活動するのに必要なエネルギーが湧き出しているのさ。だから、ここを離れたら俺も動けなくなっちまう」
ネバダ「あんた。何が目的だよ」
リョフ「あひゃひゃw 決まっているじゃねえか。お前を餌にして奴を誘き寄せるのさ」
ネバダ「奴って?」
リョフ「酒鬼薔薇聖斗」
ネバダ「サッキーを呼び出してどうすんのよ!?」
リョフ「あひゃひゃw 奴の身体を俺が使うのさ。
奴の身体にはすでにバモイドとかいうタルパが取り付いているそうだから、
普通なら俺も手を出せないんだがな。
ここの僧侶なら、奴の身体からバモイドを引き離せるそうだ」
ネバダ「バッカじゃないの!! そんな偉い修行僧が、あんたみたいなバケモノの頼みなんか聞くわけないじゃない」
リョフ「あひゃひゃw 俺が頼むのじゃねえよ。酒鬼薔薇自身が僧侶に頼み込むのさ」
ネバダ「え?」
リョフ「この島に奴を誘き寄せた後、バモイドを目覚めさせるのさ。バモイドはお前を生贄にしたがっている。目覚めたバモイドにお前の居場所を教えてやれば、奴はお前を殺しにくるだろう。お前を殺した後で、正気に戻った酒鬼薔薇はさぞかし悲しむだろうな」
ネバダ「……」
リョフ「悲しんだ奴は、一刻も早くバモイド追い出してくれと僧侶に頼むだろう。俺は僧侶が首尾よくバモイドを追い出すまで、死んだふりでも決め込んでいるさ」
ネバダ「無理だよ。サッキーがここに来るわけない」
リョフ「あひゃひゃw なんでだ?」
ネバダ「サッキーはあたいの事、嫌いなんだよ。だから来るわけない!!」
リョフ「そいつはどうかな」
リョフの南の方に目を向けた。
リョフ「奴の気配がどんどん近づいてくるぜ。あひゃひゃw」
ネバダ「うそ」
リョフ「嘘じゃねえよ」
リョフの指差す先には大きな海が広がっていた。そこに小さな船が浮かんでいる。
ネバダ「サッキー。ネオ。こっちへ来ちゃだめ」
ネバダの呟きは誰の耳にも届かなかった。
続く。
すみません。やはり一気には書けません。
その2さん。レーザーに関する記述をサイト収録時に変更させていただきます。
どうかご了承下さい。
キタ━(゚∀゚)━!!!
乙華麗!ゆっくりでいいので続きキボンヌ
おもしろい
支援
読んだ記念真紀子。
583 :
小山田うんこ:05/02/27 02:16:33
オレも出演させてくれ
誰だよお前
長らく放置プレーしてしまってごめんなさい。
実は、自宅のpcが故障しまして、何にも出来なかったとです。
>>583 小山田は
>>81あたりから登場してます。
続き
ネオ「ん・・・?今ネバダの声が聞こえたような・・・・」
サッキー「気のせいやろ?それにしても・・松田U1がネバダをさらった犯人だったとはなあ・・・」
D太「松田じゃないよ。媒体はもう死んでる。邪悪なのは呂布だよ」
ネオ「最初に一緒にいた宮野はどうしたんだろう?」
Q一「死んだぜ?宮野なんてとっくの昔にな。神作はお前等が殺したんだろ?」
サッキー「あれは・・正当防衛なんですけど」
Q一「誰も責めたりしてねえよ。こっちはゴミが一掃されて助かってんだ」
E太郎「しかし、政府も考えましたよね。間接死刑なんて。結構感情的に法案決めてんですね。」
D太「感情的も何も、そもそも法律だって、もとになってんのは痛めつけられた市民の感情だ。
ここに送られた時から流刑者に人権はない。」
サッキー「あのう、居住権を認めてもらえたら、少なくてもここに隔離されて生きるだけの人権はもらえるんです?」
D太「それまで生きていられたらもらえんじゃねえ?」
L斗「・・D太」
D太「なんだよ。とにかくな、おまえら流刑者は、こうして命をすり減らして他人の役に立つ以外に認められる道はねえんだ」
そういうとD太は背中を向け、船室に入っていった。
ひかる「なにあの人、かっこいいけど口悪すぎ」
L斗「ごめんね・・・D太はいろいろありすぎて、流刑者に対して人一倍強い憎しみをもってる・・・・」
佐竹「L斗、あんまりそういう事は喋らないで」
サッキー「もしかして、D太さんは少年犯罪の被害者遺族なん?!」
L斗「あ、いや・・」
サッキー「そんなんやったら・・・・」
Q一「あんまり詮索すると怒られっぞ。あの人神経質だかんな〜」
嫌な空気が流れた。
徳田「佐竹さん、さっきの話の続きなんですが・・・」
徳田が話題を変える。
徳田「身体能力が高いものを生贄にすることで、タルパの寿命を延ばすことが出来るといっていましたよね。
その目的によってE太郎は狙われた訳ですが、もう一人狙われる可能性のある者が出てくると思うんです。
麻原とアーチャリー、延命させなければならないタルパは2体いるわけですから。」
佐竹「もうひとり・・・」
Q一「俺はネオだと思う。こいつが酔ったときの能力は半端じゃねえ。」
ネオ「えええ!!怖いこと言わないでくださいよ!」
徳田「彼の身体能力の高さはずっと潜在していたらしく、我々の流刑者データには載ってなかったんです。
ですからオウムもまだ気がついていないはずです。」
佐竹「もし気づかれたら、オウムはどんな手を使ってでも彼を拉致しようとするわ。絶対そんなことさせないで」
Q一「分かりました。」
するとD太が船室から出てきて言った。
D太「もう時間を割けません。このまま山に進入します。」
佐竹「待って。もう少しでヒヒイロカネ弾が来るから」
D太「いえ、向こうには人質がいます。それに、ここにいるのは徳田さんをはじめ、戦いに慣れているものが多いんで、
やるだけやってみます。どうしても駄目なようなら引き返すつもりです」
佐竹「でも、死者が出たらどうするの?危険すぎる」
D太「死にたくねえやつは無理に参加させる気はないです。俺とQ一、徳田さんは義務ですが」
ネオ「俺は行く。ネバをたすけなきゃ」
サッキー「俺も。」
ひかる「サッキーがいくならあたしも」
D太「お前は駄目だ。」
ひかる「なんでよ?」
D太「女だからだ」
ひかる「そういうの、男尊女卑って言うのよ」
D太「はぁ?差別してる訳じゃねえぞ?もし女の顔に傷でもつくようなことがあったらお前だって嫌だろ?」
ひかる「そんなこと覚悟の上です。サッキー、あたしが守ってあげるね」
サッキー「は・・・はは・・・」
D太「あほか。勝手にしろ。何があっても自己責任でな」
ひかる「わかってるわよ。いちいち一言多いのね」
D太「あ?俺は仕事でやってんだぞ?おまえら一般流刑者の安否考えてもの言ってんだろうが」
ひかる「言い方ってもんがあるでしょ!」
Q一「はいはいそこまで〜。E太郎、お前どうーすんだ?」
E太郎「・・・・・・・・・」
Q一「無理強いしてねーから、な。町のモナー達が心配なんだろ?」
E太郎「はい・・・それがあるから・・・でも、ネオと・・・」
ネオ「・・・・?」
E太郎「ネオと連拳で、どこまでやれるのか試してみたいんです。だから俺も行きます」
ネオ「・・・E太郎・・・」
D太「よし。全員参加決定だな」
L斗「え?!俺も行くよ!」
徳田「お前はここに残ったほうがいいな」
L斗「嫌です!俺も行きます!」
D太「L斗!お前は駄目だ!」
L斗「大丈夫だよ!」
D太「駄目だ!いいか、呂布は今までに出会った流刑者とは全然レベルが違う。俺ももしかしたら、自分で手一杯になって
お前を守ってやれなくなるかもしれねえんだ」
L斗「そんなこと分かってるよ。でも、俺には自分を犠牲にしても、ひとの役に立つ義務があるんだ。だから・・・」
D太「・・・・・おまえの気持ちはわかった。でも・・・・」
徳田「D太、連れて行ってやったらどうだ?この子は視力を失くした時点で何か悟ってるように見えるんだが」
E太郎「大丈夫ですよ。俺達もいますから。ここに一人残していくほうがかえって危ない気もしますし」
D太「・・・そうだな・・」
Q一「いい流れを切るようでもし分けないですけど、D太先輩がこの子にどれだけ情を感じていようが、
流刑者には変わらないんだし、この星に快適に住まわせるためにも、協力させたほうがいいんじゃないっすかね?」
D太「・・・わかった。みんなで行こう」
L斗「ありがとう!」
>>586 ネオだと勘違いされたのか。(゚∀゚)ワクワク
続きが気になります
続き
全員を乗せた船は、山から少し突き出ている岩場に到着した。
船を縛りつけ、わらわらと降りる。
D太は鞄からケーブルや電池を取り出し、船のロープが縛り付けられているきに固定した。
サッキー「なにしてるんですか?」
Q一「馬鹿用の罠。この船を盗もうとするやつが、ロープを解こうと触った瞬間、電流が流れる仕掛けだよ
無理にでも船を動かして引きちぎろうとすれば、爆発する仕組みになってんだ」
サッキー「へえ〜さすがですね。」
D太「よし、できた。さて、行くか・・・・」
ひかる「でも、物凄い断崖絶壁ね。ロッククライミングでもしろっていうの?」
徳田「ああ」
ひかる「えええ?!無理よ!」
D太「無理ならいつでも帰っていいぞ」
ひかる「やるわよ!!」
そういうとひかるは一番のりで岩を登りだした。
岩はデコボコが細かく、道具などはなくても登れそうだった。
ひかるのあとに続き、サッキーやネオも登り出す。
D太「L斗、つかまれ」
L斗「で、でも、足手まといになりたくないよ」
D太「いいから」
D太はL斗を背負った。
D太「Q一、お前が先頭だ。」
Q一「ラジャ」
そういうとQ一は、スピードを上げてひかるの前に出た。
D太「徳田さんは最後尾へいいですか?」
徳田「立場上そうなるだろうなと思っていたよ」
徳田は言われなくても一番後ろにいる。
E太郎「徳田さん、俺達が最後の砦みたいですね。下からなんか攻めてきたら、二人でやっちゃいましょう」
徳田の前にいたE太郎が振り返り、言った。
徳田「ああ。まったく政府も人使いが荒いな。俺は老体に鞭打ってるってのに、こんな仕事させるなんてな」
E太郎「信用されてんですよ。むしろ俺はワクワクしてます。」
徳田「おめでたいやつだな。ま、若いときはそうでないとな。そういうエネルギーのない人間は犯罪に走りやすい」
E太郎「でもなー・・多分俺は、あのまま地球にいたら、さらに犯罪者になっっていたかもです。ここに来てからですよ。
こんなに自分の命や他人の命の価値を感じ取れたのは・・」
徳田「そうか、それはよいことだな」
E太郎「・・・でも、俺ここに来てからも人殺しました。肛門鍵棒差込事件の加害者たち。」
徳田「報告は聞いてる。あれはしょうがないだろ。やつら、全員でおまえを袋叩きにして殺そうとしたそうじゃないか。
最初はお前もされるがままになっていたが、命の危険を感じ必死の抵抗をした結果があれだ」
E太郎「・・・・・」
E太郎はそのとき付けられた傷が背中やわき腹に大きく残っていた。
致命傷だったのだが、港町のモナーたちによって助けられた。
徳田「流刑星での正当防衛なんてやむをえないことだ。気にするな」
E太郎「・・・はい」
徳田「そういえば、エージェントの中にも君と同じ事をいってた子がいてな」
E太郎「・・・え?」
徳田「そのこは今、オウム対策に当たってるんだが、ここに来てから生きてる実感を手に入れられたそうだ」
E太郎「そうですか・・・ひょっとして、政府の目的はそこにあったんじゃないんですか?
生きる実感ということを身につけさせ、命の大切さを考えられる人間にする、そうすれば、被害者に償うこともできる。
けど、ここまできてもなにもかわらなく凶悪行為を働くものは、更生の見込みがないから間接死刑・・・・」
徳田「まあ、そういうことだ。地球の刑務所や施設はなんの役割も果たしてない。だからこういうシステムが必要になってくるんだ。
さっき、D太が言ってたが、一見被害側感情で決めていると思うだろ?しかし、そんなことはない。
ちゃっかり世の中の有益に繋がるように政府は考えてるんだ」
E太郎「D太さんはやっぱり被害者遺族だったんですね?」
徳田「ここだけの話、そうだ。奴には弟がいたが、苛めによって殺された。そのせいで家族は崩壊し、両親も死んだ。
ちょうどL斗が弟さんと同じ歳だから、あいつは肩入れしてるんだ。」
E太郎「俺は、理由もあったけど、世間一般から見りゃ加害者です。けど、被害者遺族のD太さんに助けられました。
皮肉ですね・・・・」
徳田「・・・そうだな・・・さ、もう少しで上に着くぞ」
岩山の頂上は目の前まで迫ってきていた。
乙華麗。ゆっくり都合のいい時で大丈夫ですよ。
ここまで読んだ
その2さん乙です。
すみません。中々書きにこれなくて。
それではリョフの事情をお送りします。
テラスから半身を乗り出しているネバダの背後で、リョフは気味の悪い笑い声を立てた。
リョフ「あひゃひゃ!! 来たぜ来たぜ雑魚どもが」
ネバダ「なんで、そんなところにいて分かるのよ?」
リョフ「気配さ。さて、ちょっくら行って来るぜ」
ネバダ「何をする気よ!?」
リョフ「酒鬼薔薇を死なない程度にいたぶってやるのさ。奴が気を失えばバモイドが目覚める。そこでこの場所を教えてやるのさ。 後は奴らの反撃を適当に食らってやられたふりをする。完璧な作戦だろ。あひゃひゃ!!」
ネバダ「まって!! あんたは新しい身体が欲しいんでしょ。それならあたいの身体を上げる。サッキーに手を出さないで」
リョフ「おまえの身体?」
リョフはネバダを一瞥した。
リョフ「だめだな」
ネバダ「なんでよ?」
リョフ「おまえはすでに別のタルパに取り付かれている」
ネバダ「え?」
リョフ「気づいてなかったようだな」
ネバダ「そ……そんな……それじゃあ、あたいからお坊さんに頼んでタルパを追い出してもらうよ。それならいいよね」
リョフ「だめだ。それでは、俺の目論見を僧侶に知られちまう。じゃあ行って来るぜ」
リョフはテラスの端から飛び降り、ネバダの視界から消えた。
ネバダ「サッキー」
ネバダの目から涙が零れる。
続く
以上、リョフの事情でした。
ネバたんはぁはぁ
クライマックスもうすぐか?
その1さんもその2さんも乙です。
お待たせしました。
カルカン山の話も気になりますが、先に
>>424の続きをお送りします。
夕日で赤く染まった砂漠をバギーは走っていた。
桃寿「まだ、見付からないの?」
ステアリングを握りながら桃寿は言う。
B介「まだ」
助手席でB介はコンピューターの画面を凝視していた。
ユキコ「まいったわね。水素がもうほとんど残ってないわよ。日が沈んだらアウトだわ」
B介「見つけた!!」
画面に補給カプセルを現す光点が現れる。
程なくしてバギーは高さ二メートル直径一メートルのカプセル近くで停止した。このカプセルの中に佐竹からの補給物資が入っているのだ。
ユキコ「非常用食料が二週間分、ショットガン通常弾が十発、ヒヒイロカネ弾が三発」
B介「他に新しい電源ユニットが入っているはずだけど」
桃寿「これかしら?」
桃寿はカプセルからキャスター付のトランクを引っ張り出した。
ユキコ「で、これは何なの?」
B介「超電導バッテリー。燃料電池よりはるかに大量の電力を蓄えられる。フル充電しておけば一週間はバギーを走らせることができるんだよ」
桃寿「凄い!! これならミーシャ市までノンストップで辿り着けるわ」
ユキコ「取り付けにどのくらいかかるの?」
B介「一時間ぐらいだな」
アーチャリー「そうか。では一時間はここを動けぬな」
桃寿「そうね……え!?」
三人はいっせいに振り返った。
桃寿「アーチャリー!?」
いつの間にか三人の背後に立っていたアーチャリーに向かって桃寿はショットガンを構える。
アーチャリー「慌てるな。ここでおぬしらとやりあう気はない。わらわは話し合いに来たのじゃ」
よく見ると、アーチャリーの身体は透けて背後の景色が見える。どうやら実体ではなくタルパを飛ばしてきたようだ。
アーチャリー「そのつもりがあるなら、おぬしらに声などかけずに背後から襲っておる」
ユキコ「たしかにそうですね」
桃寿「でも、『つもり』がいつ変わるか分からないから、銃は引っ込めないわよ」
アーチャリー「好きにせい」
電源ユニットの交換はB介一人に任せてアーチャリーとの話し合いを始めた。
アーチャリー「上祐達が盗賊団を退治に行ったのは知っているじゃろう」
ユキコ「ええ」桃寿「知ってるわ」
アーチャリー「盗賊団はほぼ壊滅したが、流刑者一名が数匹のモナーを連れて我らの包囲を破って逃げ出した。わらわは意識をこのタルパに移して探しておったのだ」
桃寿「見付かったの?」
アーチャリー「見つけたことは見つけたが、奴はタルパ使いじゃった。このまま戦闘になればわらわもかなり消耗する。オームの精鋭を呼ぼうかと思っておったら、おぬしらを見かけたのでな」
桃寿「あたし達にやれと言うの?」
アーチャリー「わらわは別に命令しているわけでも、頼んでいるわけでもない。ただ、モナー族に危害を加えた流刑者が近くいることをおぬしらに教えにきてやっただけじゃ」
ユキコ「なるほど。エージェントとしてはそれを聞いて黙っているわけにはいきませんね」
桃寿「でも、なんか利用されているみたいね」
アーチャリー「『みたい』ではない。事実利用しておるのじゃ」
アーチャリーにはまったく悪びれる様子が無い。
桃寿「ムカつく。撃っちゃおうか」
アーチャリー「やめておけ。わらわの本体に傷はつかん。貴重なヒヒイロカネ弾頭を消耗するたげじゃ」
ユキコ「その通りよ。銃は引っ込めて。アーチャリー様。通報感謝します。それにしても上手い手ですね」
アーチャリー「なにがじゃ?」
ユキコ「私達に別のタルパ使いをぶつけてヒヒイロカネ弾頭を消耗させるという作戦。見事ですわ」
アーチャリー「おお!!」
アーチャリーは左手のひらに右の拳をぽんと打ちつけた。
アーチャリー「そうかその手があったか!! ユキコは頭がよいな」
桃寿「敵に名案授けてどうすんのよ!!」
ユキコ「知っていると思っていたのよ!!」
アーチャリー「これこれ仲間割れは良くないぞ」
桃寿「とにかく、電源ユニットの取り付けを急がないと。あたし、B介を手伝ってくるわ」
桃寿は立ち上がり、B介の方に向かった。
アーチャリー「さてユキコよ。電源ユニットを取り付けるまで、おぬしと話がしたい」
ユキコ「戻って来いという話なら聞けません」
アーチャリー「そんな事は言わん。第一、おぬしにはマインドコントロールが利かんしな。
日本政府と取引をしたいのじゃ」
ユキコ「それは私に言われても」
アーチャリー「分かっておる。だから、おぬしの口から上に伝えてほしいのじゃ」
ユキコ「上祐に知られたくないのですか?」
アーチャリー「その通りじゃ。おぬしの残していった通信機を使うと他の者に知られてしまう。おぬし、この世界をどう思う? なにかおかしいと思わんか?」
ユキコ「星座のことかしら?」
アーチャリー「気がついていたか。上祐達の観測結果ではこの惑星の位置は地球とほぼ同じとなった。誤差はせいぜい一光年」
ユキコ「私ではなく桃寿が気づいたのです。彼女は未来の地球ではないかと言ってました」
アーチャリー「未来の地球か。そういう考え方もできるな。だが、それはありえん。地形などがあまりにも元の地球とかけ離れておる。これだけ変化するには一億年は掛かるじゃろう。しかしそこまで時間が経てば星座の形も大きくずれるはずじゃ」
ユキコ「ではいったい?」
アーチャリー「オームの科学スタッフは二つの仮説を立てた」
ユキコ「仮説?」
アーチャリー「一つは、この世界は実はバーチャルリアリティではないかと」
ユキコ「マトリックスのような?」
アーチャリー「そうじゃ。我らの肉体は実はまだ、地球にあって意識だけが電脳世界を彷徨っているのでないかと。だが、そうだとすると、架空の住民であるモナー族に対し日本政府があまりにも気を使いすぎる。そして架空世界であるなら、死者が出るはずがない」
ユキコ「確かに。私達エージェントを送り込む必要もないですしね」
アーチャリー「そうじゃ。そして我々は一つの結論に達した」
ユキコ「どうなったのです?」
アーチャリー「我々は大きな勘違いをしていたのだ。我々は今まで、ワームホールを抜けて何光年も離れた宇宙空間に出たと思っていた。だが違っていたのだ。我々はワームホールに入ったが、出てはいない。ここはワームホールの中に作られた世界なのだ」
ユキコ「なんですって?」
連投エラーに引っかかってしまった。もう書き込めるかな?
アーチャリー「我々の入ったワームホールは、どこにもつながっていなかったのじゃ。人間の想念がワームホールの中に一つの世界を生み出してしまったのだ」
ユキコ「人の想念? それじゃあタルパと同じじゃないですか」
アーチャリー「そうじゃ。どうやら、ワームホールの中では人の想念が実体化しやすいらしい。実際、この世界ではタルパが簡単に生まれてしまっている。我々のいるこの惑星は最初にワームホールに入った人間の想念が実体化してしまったのだろう」
ユキコ「最初に入った人間? そりじゃあここは佐竹さんが思い描いた世界?」
アーチャリー「地球とほぼ同じ環境の惑星。日本語を喋る猫型異星人。こんな都合のいい惑星が偶然あるはずがない。誰かが意図的に作らなければ、こんな世界はありえんのだ」
ユキコ「……」
アーチャリー「そこで、頼みがある。もう直ぐ、この世界にワームホールを空ける機材が届く。新しいワームホールが開いたら、わらわを最初にそこに入れてほしい。タルパを生み出せるわらわなら、きっと人の住める世界を生み出せるだろう」
ユキコ「それは……」
アーチャリー「分かっておる。おぬしに答える権限が無いことぐらい。だから、わらわの意思を佐竹とやらに伝えてほしい」
ユキコ「分かりました」
アーチャリー「頼んだぞ」
アーチャリーは空中に溶けるように消えていった。
しばらくして、電源ユニットの交換が終わった。
探知機を作動させたが、近くに流刑者の反応はない。
桃寿「アーチャリーの奴。ガセネタもってきたのじゃないの?」
アーチャリー「失礼な」
B介「うわわわ!!」
いつの何かB介の背後にアーチャリーが立っていた。
アーチャリー「ここから北へ六キロ先の村に奴らはいる。途中の小高い丘がICタグの電波を遮ってるようじゃ」
B介「それはどうも。奴ら何をしてます?」
アーチャリー「村の倉庫ある。扉が開いていたのをいいことに、中にある食べ物だったり飲み物だったりとかをダンボール箱に詰めてガーっと運び出しておる」
桃寿「ダンボール? この世界にそんなものあったかしら?」
アーチャリー「どうやらタルパを分裂させてダンボールに変形させているようじゃ。中々器用なことをする。では後はまかせたぞよ」
アーチャリーは再び消えた。
沢山乙〜。
色々な組が動いてますね
>>607ありがとうございます。
その倉庫では。
,_ ::| ヒャ アビル∧_∧ /まだまだ
./|| | ∧_∧ __( ゚∀゚ )< ダンボールが足りないぞ!
/::::::|| |( ゚∀゚ ) // /|∪ ) \もっと もっと アビレ!
|::::::::::|| | |つ ./ ̄| ̄ ̄| |(_)_)
|::::::::::|| | (_)| ̄ ̄|__|/|
, .|::::::::::|| | |__|__|/ ∧_∧
. /l| .|::::::::::||/ アビルー __ ( ゚∀゚_)_アビッ
∠,∧l| .|:/´/ .∧_∧ ///| ( つ|\\\
|゚∀゚ )アビー .|/ ( ゚∀゚ ) | ̄ ̄| | (__ノヽ\| ̄ ̄|
|'A),と) / O/とヽ| |__|/
村猫「あんたら、わしの倉庫で何してるにゃ!!」
猫達を指示していた女は、立ち止まって何事も無かったような顔で言う。
アビル「なにか?」
村猫「手に何を持ってるにゃ!!」
アビル「ええ、持ってますけど、どうしましたか?」
_.. ''´;;;;;;::::::ヾ:、_
,ィ;;;;;;;;;;;;;;;;::::::::;;;;;;;;;;;;;゙:、
;ili;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;iiiiiヽ、
;iilllliii;;;;;;;;;;;iillii;;;;;;;;;;;;ト:;;;;;;iiiiiiii゙、
iiillllllllllliiiiiiillllllllliii;;;;;ノ! i::::;;;iiiiiiiiii
iiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiiii/ / ハ;;;;;;iiiilllllll
lllliiiiiiiiリリリi==∠ ,,..==i;;;iiiiillllll
iiiiiiiiii{ jソ ''こハ |ィフゝ!|iiiiiiiiii <持ってますけど、どうかしましたか?
llll::;;;| l. |iiiiillllli
!iiiillll. (.、_,.) !lllllliiリ
!lllllllli:、 _,. --、_ ,!ii;'〃
}llllllllllヽ `ーー'′ イllll!/
_ ノiiiiiiiiiiiill ヽ、 / |iiiiiiト-'、_
アビル優キタ━(゚∀゚)━!!!
まったく悪びれる様子もなく女は段ボール箱を平然と抱えている。
ここが地球なら倉庫に荷物を取りに来た作業員に見えなくもないが、ダンボールという素材のない惑星では無理があった。
村猫「その箱に入っているのはうちの商品にゃ!! 泥棒!!」
アビル「泥棒なんて、倉庫が開いていたから、ちょっと拝借程度に……」
村猫「ふざけるんじゃないにゃ!! オマエのために開けていたんじゃないにゃ!!
すぐに返すにゃ!! そんなに持っていかれたらお店がつぶれるにゃ!!」
アビル「つぶれても、あたしが原因か分からないし」
村猫「店がつぶれたら確実にオマエが原因にゃ!! さっさと箱を放すにゃ」
アビル「放せばいいの?」
アビルは手を放した。しかし、ダンボールは落ちない。
よく見ると、ダンボールの底から二本の足が生えて立っていた。
村猫「ひええええ!! バケモノ!!」
ダンボールは一人で歩き出した。
さらに周囲ではアビル輩下の猫達に混じって十個のダンボールが歩き回っている。
部下A「姉御!! 車がこっちに向かってきます」
アビル「ち! オームの追っ手か。ずらかるよ! おまえら」
アビルを先頭に六匹の猫と十個のダンボールタルパが一斉に走り出した。
だが、その行く手を一台のバギーが遮る。
アビル「ち!!」
バギーから二人の女と一人の男がショットガンを構えて降りてきた。
B介「大人しくしろ」
アビル「あんた達、オームじゃないわね」
ユキコ「私達は日本政府のエージェントよ。抵抗しなければ殺しはしないわ」
桃寿「それにしても落ちぶれたものね。こんなところまできて窃盗団やるなんて」
アビル「うるさい!! あたしはちゃんと更生してまじめに芸能人やっていたんだ!! なのにとっくに終わったこと暴きたてやがって」
B介「暴き立てたって? 自分からばらしたくせに」
アビル「うるさい!! ふん! 政府のエージェントが何よ。 オームじゃなきゃ怖くないわ」
歩き回っていたダンボール達がアビルの近くに集まり始めた。
アビル「今、面白いもの見せてあげるよ」
十個のダンボールが合体した。
高さ三メートルほどの巨大ダンボールがそこに現れる。
ユキコ「これが奴のタルパ?」
桃寿「こんなお間抜けなタルパもあるのね」
B介「ある意味確かに面白いが」
巨大ダンボールから手足がにょきっと伸びた。
アビル「あははは! 驚いたか!! なんだが分からないけど、この惑星にきてからあたしは」
桃寿がショットガンをダンボールに向けた。
アビル「こんな凄いことが」
ショットガンが火を噴く。
アビル「できるように」
ダンボールタルパは空中に溶けるように消えていった。
アビル「なった……んですけど……」
三人は無言でアビルに近づき銃を突きつけた。
冷凍マグロのように冷たい視線が、元女性タレントに突き刺さる。
アビル「ええっと……」
ユキコ「で」
ユキコは冷たく言い放つ。
ユキコ「どんな凄いことができるようになったって?」
アビル「お店の人、ごめんなさい」
万引きは犯罪です。絶対にやめましょう。
マタタビ国の地下。
佐竹「ええ。わかったわユキちゃん。ご苦労様」
通信を切ってから佐竹は小さなため息ついた。
佐竹「私がこの世界を作った? とても、信じられないけど……」
一冊の同人誌を手に取った。それには彼女が中学生の頃に書いた童話が掲載されている。
佐竹「まさか、これが」
その内容は文明を築いた猫達の物語だった。
続きます。
すみません。またしばらく書けません。
いえいえお疲れです。ゆっくりでいいのでお願いします。
クライマックスに近づいてきたか?
あびる(w
このスレ内で終わりそうかな?
しばらく留守にしてました。申し訳ない。
>>618 多分終わると思います・・・多分。
今月中に終わらないと、このすれ落ちると思うんで。
その1さん乙です。あびるに笑いました。ダンボールって出てきたから、もしや?とは思いましたがw
>>593続き
Q一「よっしゃ、到着」
Q一は一足はやく、岩山の頂上に着いた。
そこはちょっとした広場のようなスペースになっていたが、何も無かった。
その向こうにまた木々がうっそうとした山があり、さらにその頂上に小さな建物が見える。
Q一「なんだ、せっかくここまで来たのに、あの建物に呂布がいんのか。もう一分張りしないとな」
ひかる「よいしょ・・・あー、もう駄目。つかれた・・・」
後ろでひかるがあと一歩のところで上れないでいた。
サッキー「ひかるちゃん、俺が先に登って上から引き上げるから、ちょっと待ってな。」
しかしサッキーが言い終わらないうちにひかるはもの凄い力で上に引き上げられた。
Q一「大丈夫?」
Q一はひかるの腕をひっぱって引き上げると、そのままお姫様だっこにして着地させた。
ひかる「・・・あ、ありがと・・」
続いてネオとサッキーも頂上にたどり着く。
ネオ「あのさらに上の、寺みたいな建物の中にネバがいるのか・・・」
Q一「そうみたいだな。彼女はまちがいなくそこにいると思う。」
Q一が流刑者探知機を見ながら言った。
Q一「でも、呂布の反応は出てないんだ。ま、本体の人間が死人なんだから、タグが反応しなくても当然なんだけど」
支援
支援ありがとうございます。
続き
続いてL斗を背負ったD太も到着する。
D太「おう、Q一、反応あったか?」
Q一「はい、ネバダって子はあの寺院のなかにいると思います。」
D太「そうか。呂布はどっからかかってくるかわからない。慎重にいこうぜ」
Q一「はい。」
しかし、徳田とE太郎はいつまでも登ってこない。
Qは下を覗いた。
Q一「!!」
Q一は素早く飛び降りた。
D太「どうした!」
岩の一部が突き出しているところに徳田とE太郎がいた。
2人の前に、一人の少年が立っている。
徳田は拳銃を構えていた。
Q一「呂布!」
Q一は落下しながらマシンガンを構えた。
D太「待て!Q一!やつには普通の弾は通用しねえ!!」
D太が上からさけんだ。
サッキー「こらあかん!ネオ、俺等も下におりるぞ!」 ネオ「ああ!」
しかしD太がそれを手で制した。
ネオ「?!」 D太「罠かも・・・・」 サッキー「??」
Q一はサブマシンガンを発砲させた。
呂布は素直に射撃される。
そしてその場に倒れた。
徳田「妙だな・・・」
その様子をサッキーらは上からきょとんとした様子で眺めた。
次の瞬間・・・・・
ネオ「うわあああああああああ!!!」
突然サッキーの隣にいたネオが空中に浮かび上がった。
いや、浮かんだのではなく呂布に捕まれたのだった。
D太もサッキーも下の出来事に気を取られていて即座に反応できなかった。
D太「くそ!おい!お前もやれ!」
D太は空中に浮かんだネオの後ろにいる、にやついた化け物にコルトパイソンを向けると同時に、
サッキーにプラズマガンを投げた。
サッキー「ネオ!今たすけるからな!」
サッキーはそういっておもむろにプラズマガンを掴んだ。
ネオ「だめ・・・だ・・・サッキー・・・武器に触ったら・・・」
ネオのつぶやきは遅かった。
サッキー「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・しまった・・・・・・・・・」
サッキーはヘナヘナと地面に崩れ落ちた。
D太「おい!どうした?!」
ひかる「サッキー!!」
ひかるはいち早くサッキーのそばに駆け寄った。
ひかる「サッキーしっかりして!!」
呂布「あひゃひゃひゃひゃw出るぞ出るぞ!!バモイドが・・・!」
D太「・・・・!バモイド・・・?!」
サッキーはゆっくり体を起こした。
ひかる「サッキー!よかった・・・!・・・・?」
今までのサッキーではなかった。明らかに別人というより、何かが乗り移ったかのようだった。
D太「・・・・・・・・!」
ただならぬ妖気がビリビリ伝わってきた。D太は息を呑む。
呂布「おい、バモイド!お前の生贄の花嫁をな、ちょっと借りてるぞw」
バモイド「・・・・・・・・・・・・・」
呂布「あの花嫁がいないと、タルパ延命はできないんだろ?あひゃひゃひゃw取り返しに来いよ!」
バモイドは両手を高く翳した。
その手を振り下ろした瞬間、周囲に風が巻き起こった。
ひかる「サッキー!!」
全員が目を開けたとき、サッキー、いや、バモイドの体も宙に浮いていた。
ネオ「・・・・うぅ・・・」
ネオが口から血を流している。
D太「・・・!なにしてんだ!!」
呂布はネオを盾にして攻撃をかわしたのだった。
L斗「D太!!ネオくんが死んじゃうよ!!助けてあげてくれよ!!」
言われなくてもD太は呂布に向けて発砲した。
呂布「きかねえよwあひゃひゃひゃww」
D太「くそ!」
呂布「じゃな、あの寺院でまってるぜww」
呂布はネオを手放すと、凄いスピードで寺院の方に移動していった。
それをバモイドが追う。
L斗「ネオ・・・!大丈夫?!」
ネオ「ああ・・なんとか・・・サッキーは?またバモイド出てきちゃったな・・」
D太「そうか・・・呂布に前あった時、新たな媒体を手に入れたいといってた。あれは酒鬼薔薇のことだったのか・・・」
ひかる「サッキーはどうなるの?」
ひかるは今にも泣きそうな顔でD太に聞いた。
D太「知るか。それが分かったらこんなに苦労しねえ」
すると、徳田、Q一、E太郎がようやく到着した。
Q一「D太先輩、下にいた呂布はやっぱりタルパの分身でした。あいつはこれから先、何体に別れて襲ってくるか分かりません」
徳田「その時は、我々も別れて対応することになるな・・・」
D太「ですね・・・」
(゚∀゚)支援!
626 :
少年法により名無し:05/03/07 00:47:08
ここまで読んだ
支援ありがとうございます。
続き
Q一「とりあえず、寺院に向かいますか」
徳田「ああ。なにが起きるか分からない。気を引き締めていくぞ」
全員寺院の方に向かって歩き出した。
E太郎「D太さん、どうしたんです?」
L斗の手を引っ張って歩くE太郎が振り返って言った。
D太「くそう・・・呂布のやろう・・・!なんとかしてやる・・なんとか・・・」
徳田「あんまり一人で抱え込むな。」
7人は寺院に続く山道を黙々と歩き続けた。
途中、呂布の分身がどこかから現れるんじゃないかと、緊張が張り詰めていたが、
何かが木の影から出てくる様子もなく、だんだん行動が大胆になってくる。
Q一「ここから先が急に狭くなってきてるな。もうすぐか?」
E太郎「どうしたネオ、疲れたか?もうちょっとだってよ。頑張れ!」
E太郎がそういってネオの背中をバシッと叩いた。
ネオ「うあっっ・・・・・!!!」
E太郎「?!」
ひかる「ネオ、大丈夫?」
Q一「そうか、さっき呂布に盾にされたときに・・」
D太「見せてみろ」
D太はネオのシャツの裾をめくり、背中を触った。
D太「ここ、痛いか?」
ネオ「っ・・!めちゃくちゃ痛いです・・・!]
D太「だろうな。肩甲骨のちょっと上、ひび入ってる」
E太郎「おまえ、よく我慢してたな・・・」
ネオ「いまからネバ助けにいくのに、泣き言言えないだろうとおもって」
徳田「えらいな」
Q一「俺、ちょっと万能薬のこってますよ」
D太「おれもあとちょっとしかない。足して一人分だな。」
ネオ「あ・・・使わなくていいです。別に普通にしてたらそんなに痛くないですから」
ネオは歯を食いしばって言った。
Q一「お前すげえ痛そうだぞ。意地張るな。D太さん、次に地球から物資が届くまでどのくらいかかりますかね?」
D太「いや、物資は来ても、この薬は無いと思うぞ。つうか違法で作ってるから、制限されてる」
ネオ「だったら尚更です。これから何人怪我人がでるか分からない。ここで使ってしまったら・・・」
D太「もともとこの薬は、持ってただけでラッキーパンチみたいなもんなんだ。いつかは切れる。
だいたいこの薬が必要になるくらいの怪我人は、これから先、俺がださせねえ」
徳田「またひとりで責任かぶろうとしてるな・・・・」
D太はネオの背中に薬を塗った。 ネオの怪我はあっという間によくなる。
ひかる「もうこれで、だれも怪我はできないわね・・・」
D太「致命傷にならなきゃ、おれやQ一が何とかする。医療スプレーだってある。
それより・・・・万が一、自分の命に危険が及ぶと察知したら、何でもかまわないから逃げてくれ。
仲間を思いやって、とかは無しだ。」
ネオ「・・・・・」
E太郎「・・・・・」
ひかる「・・・・・・はい」
D太「いくぞ。」
7人は狭い山道を登った。
しばらくすると、大きな建物の入り口が見えてきた。
徳田「ついに、来たな」
Q一「ぐずぐずしてらんないから、入りましょう」
Q一が扉に手をかけたときだった。
呂布「やっときたか」
呂布が上から現れた。
L斗「松田!」
D太「松田じゃねえ」
すると、呂布は突然3体に分離した。
ネオ「おい!ネバダはどこにいる!」
呂布「さあ・・・探しに来いよ!もう儀式ははじまってんだからなwあひゃひゃひゃひゃww」
呂布は3体とも別々の扉から入り、中に消えた。
D太「俺等も別れて追うぞ!」
D太、L斗、ネオ
徳田、E太郎
Q一、ひかる
というチームに別れ、呂布を追いかけ別々の扉に入った。
D太たちが入った扉の中は、奇妙な構造の部屋だった。無数の階段が壁に取り付けられている。
D太「なんだ?この部屋・・。」
呂布「あひゃひゃひゃひゃww」
ふち上を見ると、呂布が天窓に消えた。
D太「待て!」
D太は手前にあった階段を登るべく、一歩踏み出した。
スカッ
階段はD太の足をすり抜けた。
D太「は?なんだ?幻覚か?」
ネオ「それより・・この世界は・・なんていうか・・どうみてもCGゲームみたいですね、とても現実だとはいえません」
D太「・・いくらここがワームホールを抜けた先の世界だからって、こんな魔法みたいなことってあるかよ・・・」
ネオ「あ・・!そういえば!おれ、この星にきて、正座を見たんです。スピカとか・・・いくらなんでもおかしいですよね・・!」
D太「そういえば、おれもこの星に来て、当然のように星や海を見てきたけど。。。たしかに普通にかんがえれば、ありえない・・」
L斗「今はそんなことより、登れる階段探そう!!」
L斗が言った瞬間、突然明かりが落ち、部屋は真っ暗になった。
D太「なっ!!」
しかし、また次の瞬間、再び明るくなった。
ネオ「なんで今電気消えた?!」
D太「なにか・・・仕掛けてあるのか?」
3人は手当たりしだい階段に足を踏み入れる、が、どれも透けてしまい、なかなか見つけ出せないでいた。
しかも、階段はどれもストレートに上まで繋がっているものはなく、途切れながら続いている。
D太「登れるもんだけ見つけて繋いでけってことかよ・・!」
その時、反対側にいたL斗が叫んだ。
L斗「あった!これなら登れるよ!」
ネオ「こっちのも大丈夫だよ!」
D太「ん?これも大丈夫みたいだ」
とりあえず、D太は上まで登ってみる。その一番上の段から手が届くのは、
斜め右上に取り付けてあった階段だった。
D太「これが正解なら、あれも登れるようになってるはずだ」
D太は大きくジャンプして、標的になっている階段の手すりを掴んだ・・
筈が、スカッっと雲を掴むように、下に落ちた。
L斗「D太!大丈夫?!」
また一瞬だけ電気が消え、また明るくなる。
ネオ「こっちのはどうだろ」
ネオもまたD太と同様に試した見たが、
ネオ「ハズレだ・・・・・・」
L斗「どうなってんの???」
その間にも何回か、電気が消えたりついたりする
L斗「みんな!これなら大丈夫だよ!2つ目の階段もあたりみたい!」
D太とネオはL斗を追って、3つ目の階段に手をかけた。しかし、
ネオ「くそ!またはずれだよ!」
L斗「ここじゃないのか・・・」
また定期的に電気が消える。
D太「・・・・まさか・・・!」
ネオ「何かわかったんですか?」
632 :
ikoi:05/03/07 16:14:11
つーか高志きもい
633 :
ikoi:05/03/07 16:14:44
だれ?それはおれ
634 :
ikoi:05/03/07 16:15:13
うんちの帝王
よく続きが思いつくよね。その1氏とその2氏は別人でしょ?
違う人が書いた後の続きをよく繋げれるなぁと思います。
乙
>>635-636 ありがとうございます。
いや、私もよく細かな設定を飛ばしてしまうことが多くて、その1さんが修正してくれてたりします。
続き
D太「ひょっとすると、この部屋動いてんじゃないか?」
ネオ「え?」
L斗「動いてるような感じはしないけど?」
D太「もういちど、2つ目まで登れる階段さがしてくれるか?3つ目からは登れなくてもいいから」
ネオ「わかりました」
3人は再び調べ始めた。
L斗「D太、ここがそうだよ!」
D太「やっぱり・・・さっきL斗が見つけたところより少しかなり位置がずれてる・・・とりあえず登ってみよう」
3人は再び2つ目の階段の一番上までのぼった。
3つ目からは登れなくなっている。
D太は腕時計に目をやった。
D太「あと5秒・・4、3、2、1・・・」
ゼロの瞬間また電気が落ちる。
ネオ「・・・!」
そしてまた明るくなった。
D太「おい、ネオむぎ、 一つ目の階段、まだ登れるようになってるか?ちょっと軽く触って確かめてくれないか?」
二つ目の階段の一番下にいたネオは、かがんで手を伸ばした。
スカッっと階段が透ける。
ネオ「あれ・・?幽霊階段になってるさっきはこれを登ってここまできたのに・・・」
D太「さっきまで、俺等が登ってきた一つ目は、あっちだ。あの小さい紙が置いてあるやつだ」
D太が指差す方を見ると、ちいさく「あたり」と書かれた紙が置いてある階段が目に入った。
ネオ「え・・?あんな遠くに行ってる」
D太「電気が消えるごとに、一階ごと回転して移動してんだ。ルービックキューブみてえにな」
L斗「ルービックキューブとは、また古い・・」
D太「うるさい。電気は2分ごとに消えてる。3つ目の当たり階段が回って来るまでここを動かなきゃいいんだ」
ネオ、L斗「なるほど!」
3人はしばらくその位置で待機した。
その間5回電気が消えた。
D太「よし、3つめの当たりが来たぞ!この上まで登っちまえば、他は飛ばしてもさっき呂布が消えた天窓までジャンプでいける!
次に消えるまで2分間しかない!急ぐぞ!」
3人は一気に3つめの階段をかけ上がった。
D太「ネオむぎ、さきに行け。俺はL斗を・・」
ネオ「はい!」
ネオはさらにスピードを上げると、4つ目の階段を飛ばして天窓の際まで一気にジャンプした。
D太「L斗掴まれ!」
L斗「うん」
ネオ「D太さん、あと30秒!」
D太はL斗の腕を掴むと、助走を付けていっきにジャンプした。
しかし、重さは二人分だ。
窓際の一歩手前で勢いを失った。
ネオ「ああ!!」
D太「くそ・・!」
D太は先に金具が付いた紐を窓に向かって投げた。
金具は窓際の木にささり、D太はL斗を抱えたまま、なんとかぶらさがる。
D太「ネオむぎ、金具のさきについてるルアーみたいなのを回してくれ」
ネオが取っ手を回すと、D太たちはスムーズに上に引き上げられた。
ネオ「おお!ミッションインポッシブルみたいだ!」
L斗「ああ怖かった・・・ネオありがとう」
D太「ふう・・助かった・・さんきゅ」
ネオ「ひやひやしましたよ・・・・さて、行きますか!」
D太「よし!行くか!」
L斗「うん!」
3人は窓を開けると、一気に中に入った。
続いてQ一とひかるはというと、
Q一「なんだ・・?ここは」
2人は洋風建築の大広間のようなところに出た。
いくつかの彫刻の石像や、絵画などが飾られていて、広間の端にピアノが置かれている。
さらに、部屋の両端に2階に続く吹き抜けの階段が設置されていた。
ひかる「なんか奇妙なところね・・・外からみればどうみてもお寺なのに、こんな洋館みたいな部屋があるなんて」
Q一「それより、このピアノや部屋ん中のオブジェ、なんか変じゃね?」
ひかる「確かに変だけど・・・ここに住んでるえらいお坊さん?がこういう趣味なだけじゃないの?」
Q一「違うよ、サイズだよ。どうみても人間用じゃねえの?このピアノとか」
ひかる「そう言われてみれば・・・」
Q一「僧が意外に人間だったりしてな。」
ひかる「ああ、それも無きにしも非ず・・ね。それにしても、ピアノなつかしいな・・・」
ひかるは4歳から地球で事件を起こすまで、ピアノを習い続けていた。
かなりの腕前で、音大を目指していたのだった。
ひかる「そんなことあったな・・・・」
気がつくとひかるは夢中になってピアノを弾いていた。
Q一は気にも留めないでオブジェなどを調べていた。
こんなときでなかったら、ひかるのかなでる音に耳を澄ましていたいところだが。
ひかる「あ、楽譜がおいてある。ドビッシーの『亜麻色の髪の乙女』だわ。あたしが昔発表会で弾いた曲ね」
そういうとひかるは弾き始めた。
イントロの部分が終わり、クレッシェンドの部分に差し掛かったときに異変に気付いたのはQ一だった。
Q一「なんか・・・変だ・・!ひかるちゃん!ちょっと弾くのやめたほうがいい!」
ひかる「え?」
不気味な緊張がビリビリと伝わってきているのがQ一には分かった。
次の瞬間、ピアノの隣においてあった柱時計の針が12時に重なり大きな鐘の音が広間全体に響き渡った。
Q一「さっきまでこの時計、止まってなかった?!!」
ひかる「きゃああ!!怖いこといわないでよ!!!」
ひかるはQ一の隣に駆け寄る。
そのとき、にわかに振動が伝わってくるのがわかった。
天井の端のコンクリートがパラパラと落ちてくる。
Q一「・・なにか、でかいもんがこっちに近づいてるかも・・・!」
訂正
>>638 D太「さっきおれが何気に置いた紙だよ」
ネオ「え・・?あんな遠くに行ってる」
D太「電気が消えるごとに、一階ごと回転して移動してんだ。ルービックキューブみてえにな」
L斗「ルービックキューブとは、また古い・・」
D太の台詞が抜けてました。
乙!
---------------------------------ここまで読んだ-------------------------------------
で、小山田圭吾の役は何?
その2さん乙です。何が近づいてくるのな?
長らく留守にしてましたが、作家教室の課題を書き終わりましたので復帰します。
>>636 リレー小説というは初めてでしたが最初に設定を決めておけば、けっこううまくみたいです。
>>644 だいぶ前にO山田の名前で出てきて、もうお亡くなりになりましたよ。
ではネバダの事情です。
禍々しきモノが近づいてくる気配に、彼はゆっくりと目を覚ました。
ベータ「また、タルパか。やれやれ。ゆっくりと瞑想させてほしいにゃ」
山頂で結跏趺坐していた一匹の猫が立ち上がる。
その頃……
ネバダ「サッキー……いえ、バモイド」
テラスの上に座り込んだネバダを、空中に浮かんだサッキー=バモイドが見下ろしていた。
ネバダ「待って!! あたいは今、ここで生贄になるわけには行かないの!」
バモイドは降りてこない。ただジッとネバダを見下ろしている。
ネバダ「バモイド?」
ようやく、バモイドは口を開く。
バモイド「今のおまえは生贄にできぬ」
ネバダ「え? どうして? あたいが汚れているから?」
バモイド「花嫁よ。おまえのオーラは深い憂いに満ちている。いったい、何があった?」
ネバダ「それは……」
バモイドはネバダから視線を逸らした。何もない空中の一点を見つめている。
ネバダ「どうしたの?」
バモイド「愚か者!! それで隠れているつもりか!!」
バモイドは何もない空中に向かってフォースを放った。
フォースが通り過ぎる寸前に姿を隠していたリョフが姿を現し慌てて避ける。
リョフ「おいおい。覗き見していた事は謝るよ。おまえの大事な儀式を邪魔する気はないから早くやっちまいな」
バモイド「貴様。なにをたくらんでいる」
リョフ「何もたくらんじゃいないって。タルパ同士仲良くしようぜ」
バモイド「黙れ。貴様のような下衆タルパなど見ているだけでも腹が立つ」
リョフ「分かった分かった。下衆は退散するから、花嫁と仲良くやっていな」
リョフは猛スピードで下界へ去っていった。
バモイド「逃がさん!!」
バモイドもリョフを追って下界へ向かう。
ネバダ「いったいどうなっているの? は!」
ネバダは思わず息を呑んだ。
ネバダ「サッキー!?」
サッキーがテラスの上に横たわっている。
ネバダ「どういう事? バモイドと分離できたの?」
ベータ「いいや。分離はできてないにゃ」
ネバダ「誰?」
声の方に目を向けるといつの間にか一匹の猫がそこに立っている。
ベーダ「よ」
,、ァ
,、 '";ィ'
________ /::::::/l:l
─- 、::::;;;;;;;;;`゙゙''‐ 、 __,,,,......,,,,_/:::::::::/: !|
. : : : : : : `゙'ヽ、:::゙ヾ´::::::::::::::::::::::`゙゙゙'''‐'、. l| よ
、、 . : : : : : : : : r'":::::::::::::::::::::::::,r':ぃ::::ヽ::::::::ヽ! ,、- 、
.ヽ:゙ヽ; : : : : : :ノ:::::::::::::::::::::;;、-、、゙::: rー-:'、 / }¬、
. \::゙、: : : :./::::::::::::::;、-''":::::::::: ,...,:::,::., :::':、 _,,/,, ,、.,/ }
ヽ:ヽ、 /::::::::::::::::::::::::: _ `゙''‐''" __,,',,,,___ /~ ヾ::::ツ,、-/
`ヽ、:::::::::;;;、、--‐‐'''''',,iニ- _| 、-l、,},,  ̄""'''¬-, ' ''‐-、 .,ノ'゙,i';;;;ツ
_,,,、-‐l'''"´:::::::' ,、-'" ,.X,_,,、-v'"''゙''yr-ヽ / ゙゙'ヽ、, ,.' j゙,,, ´ 7
,、-''" .l:::::::::::;、-''" ,.-' ゙、""ヾ'r-;;:l 冫、 ヽ、 / __,,.ノ:::::ヽ. /
l;、-'゙: ,/ ゞ=‐'"~゙゙') ./. \ / '''"/::::;:::;r-''‐ヽ
,、‐゙ ヽ:::::..,.r'゙ ,,. ,r/ ./ ヽ. ,' '、ノ''" ノ
,、‐'゙ ン;"::::::. "´ '゙ ´ / ゙、 ,' /
' //::::::::: {. V /
/ ./::::::::::::: ', / /
. / /:::::::::::::::::. ',. / ,.、 /
ネバダ「誰?」
ベーダ「さて、誰でしょうにゃ。あんた達はわしに会いに来たのじゃろ」
ネバダ「マオドム・ベータ?」
ベーダ「そうじゃ」
ベータは下界を見下ろした。
ベーダ「やっとる。やっとる。バモイドとリョフが戦っておる」
ネバダ「どっちが勝つの?」
ベーダ「さあな。タルパを倒すには本体を叩くのが一番にゃ。しかし、この山ではタルパのエネルギーが湧き出しているので、本体を失ってもタルパは活動できるにゃ。勝負はつかないにゃ」
ネバダ「本体? サッキーの本体そこにあるけど。そうだ! リョフはサッキーの身体を欲しがっているのよ」
ベータ「にゃるほど。じゃあリョフとやらはバモイドの本体には手が出せないにゃ。となると、エネルギーの吹き出し口を塞いでしまえば、すでに本体を失っているリョフは消え去るにゃ」
ネバダ「そんな事できるの?」
ベーダ「簡単にゃ。噴出し口のところまで行ければにゃ」
ネバダ「どうやって行くの?」
ベータ「この山の麓に洞窟があるにゃ。その一番奥に小さな穴が開いているにゃ。それを岩で塞げばいいにゃ。ただし、2〜3日で圧力に負けて穴は再び開くにゃ」
ネバダ「それで、リョフは消えるの?」
ベータ「消えるにゃ。再びエネルギーが噴出しても、そのときには手遅れにゃ」
ネバダ「バモイドは?」
ベータ「バモイドは宿主がいるから消えないにゃ。ただし、残念な事にわしはここから離れる事ができないにゃ。だから、それはおぬしがやるしかないにゃ」
ネバダ「分かった。それじゃ早速……どうやってここから降りるのよ?」
ベータ「じっとしてるにゃ」
ベータがネバダの額に手を翳した。
ネバダは額に熱いものを感じるが、それは一瞬にして終わる。
ネバダ「何をしたの? は!!」
今までにない感覚がネバダに目覚めた。自分の内部にいる何者かの存在を感じる。
ベータ「これで、おぬしのタルパはおぬしの意のままにゃ。ただし気をつけるにゃ。タルパはおぬしの生命力を著しく削ぐ。使いすぎるとたちまち婆様になってしまうぞ」
ネバダ「うん分かった。ねえ、それ、サッキーにもやってくれない」
ベータ「たやすいことにゃ」
ベータはサッキーに屈みこむと額に手を翳した。
一瞬光った後、ベータが手を放すと額に梵字のような文様が残っている。
ベータ「これでよし。バモイドが次に戻ってきたら、この者の意のままになるにゃ」
ネバダ「ありがとう。ベータ」
ネバダは立ち上がった。
ベータ「もう行くのかにゃ? もう直ぐ、この者は目を覚ますぞ」
ネバダ「サッキーと顔を合わせるの辛いから。サッキーが目を覚ましたらよろしくね」
ドクン、ドクン、ドクン。
ネバダの中で強暴な力が目覚めた。しかし、以前のように意識まで乗っ取られることはなかった。荒れ狂う力をネバダ次第に自分のコントロール下においていく。
ハイパーネバダ「シャー!」
ハイパー化したネバダはテラスから飛び降りていった。
続く。
その1さん乙です。復帰されるということで、安心しましたよ。
この呂布戦、死人が出ると思ってましたが、ネバのおかげでスムーズに片付きそうです。
では
>>640の続き
Q一はひかるの手を握り、自分の後ろに追いやった。
物音は部屋中を振動させながら、ドアの前で止まった。
Q一「・・・・?」
ひかる「なんなのよ・・・・!」
そのとき、物凄い音を立ててドアがぶち破られた。
Q一「なっ!!」
ひかる「きゃあああああ!!!」
ドアを壊して中に入ってきたのは巨大な人間だった。
しかしよく見るとそれは、奇形な生き物としか言いようが無かった。
手が異常に長く、両目はつぶれていて、顔中つぎはぎだらけの化け物だった。
ひかる「いやああああ!!!」
化け物はひかるの悲鳴に反応し、こちらを見た。
そして、次の瞬間、
長い手を振り回し、Q一を吹っ飛ばした。
Q一は広間の奥の壁まで吹っ飛んだ。
ひかるは驚愕しきってその場にへなへなと座り込む。
化け物はズンズンと音を立ててひかるに近づいてきた。
ひかる「・・・・・た・・・たすけて・・・・・・」
ひかるはその一言を言うのが精一杯だった。
化け物は片手でひかるの身体をつかんだ。
しかし、その手は音を立ててはじけた。
化け物はこの世のものとも思えない悲鳴を上げてひかるから手を離した。
Q一がおくからコンプリートショットガンで射撃したのだった。
ひかる「Q一くん!!」
Q一はショットガンを向けながら化け物に近づいた。
化け物は再び暴れ出した。
図体がでかい割りには動作が異常に速い。
しかしQ一はその動きを追ってはことごとく狙い撃ち抜いた。
化け物はついにうごけなくなり、音を立てて崩れ落ちた。
ひかる「やった!!」
Q一「Q一様をなめんなよ。射撃の腕ならD太先輩より俺のがすげえ」
ひかる「でも、大丈夫?さっき吹っ飛ばされて壁に激突したでしょ?怪我してない?」
Q一は額に手を当てた。
Q一「・・・っ!ちょっと切れてるかも・・・血が出てる」
Q一は手のひらに付いた血をひかるに見せた。
ひかる「じっとしてて・・」
ひかるはQ一の怪我の手当てをしようと背伸びをした。
しかしなかなか届かない。
Q一「あははははwちっちゃいんだね」
ひかる「もう、Q一くんが長身すぎんのよ!すこしかがんでよ!」
Q一はかがむと、ひかるの顔をじっと覗き込んだ。
ひかる「な、なによ・・・」
Q一「なんだよ。見ちゃわりいのかよ」
ひかる「いや、悪いわけじゃないけど・・・」
ひかるは慌てて目を逸らした。
Q一「わかったわかった。ごめんな。さ、行くか」
Q一はさっさと背を向けると、床に置いていたショットガンを拾った。
ひかる「え・・・あ・・怪我は?」
Q一「さあ、つばでもつけりゃ治るよ」
打って変わってそっけないQ一の態度にひかるは動揺した。
その時背後で物凄い爆音がした。
Q一は振り返るまもなく、倒れていたはずの化け物につかまれた。
ひかる「死んだんじゃなかったの?!!!!」
Q一「放せよ!この・・・」
しかし化け物は恐ろしい力でショットガンを持つ右手ごとQ一を封じ込めた。
Q一「はっw・・少しは知能があるってか・・・」
そういうとQ一は空いている左手で、かばんに括りつけていたコンパクトシマシンガンをはずし、下に落とした。
ショットガンは怯えているひかるの前に落ちた。
Q一「ひかるちゃん!それでこいつの脳天狙って撃って!」
化け物につかまれたQ一が上から叫んだ。
化け物はひかるを無視し、Q一の頭をもぎ取ろうとしている。
ひかる「で、でも、あたしこんなもの使ったことない!Q一くんに当たるかも・・!」
ひかるは泣きじゃくりながら叫んだ。
Q一「もうそれしかねえんだよ!早くやれって!!」
Q一はいつものおちゃらけたキャラからは想像もつかないような表情で怒鳴った。
ひかるは仕方なくマシンガンを拾い上げると、化け物の頭を狙った。
しかし化け物は動きをとめない。
なかなか狙いが定まらなかった。
そのとき、大きな銃声が広間に響き渡った。
化け物は一瞬力を緩める。
Q一は隙を突いて手から飛び降りた。
ひかる「誰かいるの・・?」
2階に銃を構えて立っている徳田の姿があった。
Q一「徳田さん」
徳田「悪かったな、もっと早くにくればよかった」
ひかる「助けてくれてありがとう!」
徳田「いや、撃ったのは俺じゃない、まあ、撃ち方は俺が教えてやったんだがな」
良く見ると、広間のシャンデリアのうえにE太郎が銃を構えて乗っている。
Q一「なんてとこにいるんだおまえはw」
E太郎「なんだ俺、すっかりなんちゃってエージェントだな。」
徳田「E太郎よくやった。俺はもう歳だからな、こういうのは若いのが頑張ってくれよ」
2人は上から降りてきた。
Q一「なんだ、徳田さんたちが入った部屋とここは繋がってたのか」
E太郎「みたいですね。なんか俺等、最初庭園に出ちゃったんですよ。他に入り口もないから、壁つたって窓から入ったんです。そしたらここに出た。」
Q一「おかしいな・・・あのとき、おれら別行動になった時に、おれとひかるちゃんは一番右に、徳田さんたちは一番左に、真ん中に入ってったのはD太先輩たちでしょ?真ん中の空間を差し置いて左右が繋がってるなんて事あるかな?」
ひかる「でも、そういうことあるんじゃない?D太くんたちがどういう部屋に入ったかはわからないけど。」
徳田「いや、かなり大きな庭園だった。ということは、この寺院の一階は庭園によってくりぬかれてるということになる。なのにこの広間の大きさ・・・
そとから見ればこんなにおおきな建物ではなかったはずだ。俺達が入ったドアとD太たちが入ったドアはすぐ隣だ。D太たちだって庭園か、この広間のどっちかにでてこないことは、建築的にみればありえない」
E太郎「まるで、ゲームの世界ですね・・・」
Q一「・・・・ゲーム!そう!ゲーム以上だ・・!いくらワームホールを隔てた未知の世界だからって・・」
徳田「この寺院は・・というか、この星はありえないことばかりだ。俺がこの星に来たなかりのとき、まず第一に思ったのだが、なぜ地球と同じくらいに太陽の明るさが届いているのかということ、そしてなぜ地球から見たのと同じ位置に星座があるのかということだ」
Q一「・・・なんとなく・・・そういうこと勘ぐっちゃいけない気がするのは俺だけ?]
沢山来てる!乙
佳境に入ってきてる?
ここまで読んだ
その2さん乙です。
そちらのグループもそろそろ迷宮を抜けそうですね。
>>651の続きです。
『カルカン山のてっぺんには大きな神殿があります。
神殿にはマオドム・ベータという偉いネコのお坊さまがすんでいます。
お坊さまはとても強いほう力をもっていて、どんなバケモノもかないません。
だけど、お坊さまはカルカン山をはなれることができません。カルカン山をはなれたら、
しんでしまうのです』
佐竹は地球から大急ぎで取り寄せた本を閉じた。
佐竹「どうして直ぐに思い出せなかったのかしら。『オカカ国』『ニボシ国』『マタタビ国』『ミケ村』『ミーシャ市』『カルカン山』。全部この童話で使った地名だったわ。猫の名前もそう。すべて私と共同執筆者が考えたもの」
一方カルカン山では。
ネバダ「凄い!! あたい、空を飛んでいる」
山の斜面に沿って降下していたネバダは、急上昇に転じた。
ネバダ「遊んでる場合じゃないか。洞窟を探さなきゃ」
麓に沿って飛行を続ける。
麓は深い森に覆われていて、上から見ても洞窟は見当たらない。
不意にネバダの脳裏にベータの声が響いた。
ベータ『言い忘れたことがあるにゃ。エネルギーの噴出し口は全部で五つあるにゃ』
ネバダ「ええ!? 先に言ってよ」
ベータ『仕方ないにゃ。猫は忘れっぽいからにゃ。五つのうち、一つは山頂にあるにゃ。これはわしが封じるにゃ。でも、他の四つはわしを閉じ込めている結界の外にあるので手が出せないにゃ』
ネバダ「なんで、結界に閉じ込められているのよ?」
ベータ『それは知らないにゃ。いつからそうなっていてのか、覚えていないにゃ』
ネバダ「いいけど、洞窟はどこにあるの?」
ベータ『山の東西南北に一つずつあるにゃ。それとこれだけは覚えておくにゃ。穴を全部塞いだら、直ぐにタルパの使用をやめるにゃ』
ネバダ「どうして?」
ベータ『今は山のエネルギーでタルパが動いているにゃ。でも、エネルギーが止まったらタルパはおまえ生命力からエネルギーとるにゃ。空を飛ぶなんて無茶な使い方をしていたら、二〜三年は直ぐに歳をとってしまうにゃ』
ネバダ「分かった」
ネバダはさらに飛び続けた。程なくして洞窟が見付かる。
ネバダは急降下して洞窟に飛び込んだ。
洞窟の奥から暖かい風のようなものを感じる。それは風ではなくエネルギーの流れだ。
洞窟の奥に行けばいくほど、エネルギーの流れは熱くなってくる。
ネバダ「あれかな?」
前方にほんのりと輝く竪穴が現れた。
ベータ『一応注意しておくにゃ。それを塞いだら、恐らくリョフは異変に気がつくにゃ。残りの三つの穴を塞ぐ邪魔しに来るにゃ。塞いだら直ぐに次の穴に向かうにゃ』
ネバダ「分かった」
ネバダは両手を前方に突き出す。
ネバダ「エイ!!」
手のひらから放たれたフォースが天井の岩を突き崩す。
竪穴が埋まり。エネルギーの流れは止まった。
ネバダ「これで一つ」
ネバダは大急ぎで洞窟を抜け、次の洞窟へと向かった。
乙〜(*´∀`*)
>>665 応援ありがとうございます。
ではオーム編です。
はるか南、ニボシ国でも異変が起きていた。
上祐「アーチャリー様。今、なんとおっしゃいました?」
アーチャリー「この惑星を放棄したい。そう言ったのじゃ」
上祐「そんな……なぜです!? この世界に来てから、どれだけ苦労してこのアーレフ帝国を築いてきたか……」
アーチャリー「おぬし達の苦労は分かっている。しかし、この世界でどう頑張っても、地球への反撃はとうてい不可能じゃ」
上祐「そんな事はありません。今、こうしてモナー族を集めて……」
アーチャリー「集めてどうなる!? 猫達を教育して地球の武器を作らせ、軍隊を結成しても、地球の軍隊相手に勝ち目はない。どうせ、おぬしはわらわの能力を当てにしているのだろう」
上祐「そうです。アーチャリー様の能力があれば」
アーチャリー「確かに、この世界に来てからわらわの能力は地球にいた頃よりもはるかに強くなった。だが、それはこの世界の特殊性によるものであるということが科学スタッフの結論ではないか。それでも、おぬしは地球への反撃ができると思っているというのか?」
上祐「……」
アーチャリー「どうなんじゃ?」
上祐「本当のことを言いましょう。私も地球への反撃はすでに諦めております」
アーチャリー「そうであろう。ならば、この世界を放棄しても問題あるまい。わらわが代わりの世界を作ってやる」
ドゥルガー「それはごめんだわね」
突然部屋に入ってきた四つ年上の姉にアーチャリーは目を向けた。
アーチャリー「姉上。どういうことです?」
ドゥルガー「あなたの作った世界なんかまっぴらだということよ。私達はこの世界に踏みとどまって、ここに理想郷を建設するの」
アーチャリー「おろかな。ここにいれば、いずれ日本政府が自衛隊を派遣してくる。陸自の1個連帯でもやってくれば我々はひとたまりもない」
ドゥルガー「あら? ずいぶんと弱気ね。自衛隊なんて貴女の能力があれば、蹴散らせるんじゃなくって?」
アーチャリー「それは……」
ドゥルガー「何か、問題でもあるのかしら?」
アーチャリー「姉上。今まで黙っていましたが、タルパは……」
ドゥルガー「術者の生命力を削ぐらしいわね」
アーチャリー「知っていたのですか!?」
ドゥルガー「知っていたわ。地球では貴女しか能力が開花しなかったけど、ここに来てから私もタルパを使えるようになったの」
アーチャリー「なんですと!?」
ドゥルガー「そして、それを克服する方法もね」
アーチャリー「どういうことです?」
ドゥルガー「他人の生命力を吸い取ることによって、タルパを延命できるそうじゃない。だから、貴女には内緒で生贄を集めていたの」
アーチャリー「……」
ドゥルガー「なぜ、今頃になってそんな事を言うかというと、貴女の生命力が弱くなるのを待っていたのよ。この前、貴女は天野達に念を送ったけど、コントロールに失敗して天野達を殺してしまったわね。もうかなり弱っているんじゃなくて」
アーチャリー「く……上祐。おぬしも知っていたのか?」
上祐「申し訳ありません」
ドゥルガー「あら。上祐をせめちゃ可哀相よ。彼は私の頼みを聞いてくれただけだから」
ドゥルガーが指をパチっと鳴らした。
部屋の中に六体のタルパが現れる。
ドゥルガー「アーチャリー。今までご苦労だったわね。これからはこの国は私が頂くわ」
アーチャリー「姉上。こんな木偶人形で、わらわのタルパに勝てるとでも思っているのですか?」
ドゥルガー「思っていないわ。でも、貴女は本気で戦って大丈夫かしら? この子達のエネルギーは生贄のものを使っているけど、あなたのタルパは貴女自信の生命力を使っているのよ。この子達を倒す頃には、貴女はお婆ちゃんになっているわね」
アーチャリー「くぅ。卑怯な」
ドゥルガー「ほーほほほほほほ!! ほめ言葉ととっておくわ。連れてお行き」
六体のタルパに連行され、アーチャリーは地下牢へ連行された。
ドゥルガー「アーチャリー。貴女は自衛隊と戦うための貴重な戦力よ。だから、それまでは生かしておいて上げるわ。私に逆らわない限りね」
続く。
ここまで読みます太
その1さん乙です。
意外な展開になってきましたね。
>>672続き
徳田「なんだ、Q一やD太は全て知っているのかと思ってたが」
Q一「何を?」
徳田「この世界の数々の謎について。そもそもここはどこなのか、何をどうすればこんな世界に出られるのか」
Q一「おれは何もしりませんよ。そういえば・・・・D太先輩は一回だけ地球と衛星通信したことがあるって言ってましたけど」
徳田「本当か?そんな事が出来るのか?!どこに繋いだ?!」
Q一「いや・・・だから、別れた彼女の家のPCに。」
徳田「馬鹿な・・・不可能だ・・・何億光年離れてると思ってるんだ・・?」
Q一「でしょ?ときどきあの人や佐竹さんの言ってることって理解しがたいものがあるんすよ。だから俺も深く突っ込まないようにしてます。とりあえず、言われたことだけしっかりやれば給料でるし」
ガシャン!!!
不意に後ろで大きな音がした。
さっきの化け物が壁を壊しながら起き上がった。
Q一「しぶといやつだ!!」
Q一はマシンガンを発砲させた。
ミシンのような音を立てながら、雨あられのように弾丸を浴びせる。
化け物は少しずつ後ろに押され、ついには壁を破って向こう側に消えた。
E太郎「消えた!」
Q一「いや、消えたんじゃない、落ちた。壁のむこうは断崖絶壁だ!」
徳田「なんだって?!さっきまで庭園だったんじゃないのか?」
ひかる「????」
4人はしばらく立ち尽くした。
徳田「この寺院のからくりといい、得体の知れない化け物といい・・・」
E太郎「とにかく。進むしかないでしょ。」
Q一「なにか・・この建物、いや、この島全部に特殊な気が満ちているかんじだな・・いや、満ちてるというより、今までバランスが取れてたものが、なにかを止めたせいで崩れ始めてるかんじ?」
ひかる「もう。考え込んだらきりが無いでしょ?とりあえず入れるところがあったら入ってみようよ」
E太郎「そうですよ。不可解な出来事なんて今に始まったことじゃないし・・そもそも流刑制度ってのが可決された事自体ストレンジなことです。」
Q一「うん、そうだな。憶測は時間の無駄だ。いまは目の前の事実を信じよう」
4人はホールの端っこにある扉に入った。
扉の中は真っ暗だった。
Q一はジッポライターを点火させ、かばんの中をあさってランタンを出した。
Q一「ひかるちゃんがもってて」
Q一はランタンに火をつけるとひかるに渡した。
真っ暗だった空間は少し見えるようになった。
洋風の造りの廊下だった。壁に絵画がかけられている。
E太郎「うお・・なんかバイオハザードみてえ」
4人は用心しながら先へ進んだ。
カツン・・・カツン・・・・
暗い廊下の向こうから足音が聞こえてくる。
ひかる「・・・いや・・」
Q一「静かに・・・!明かり消したほうがいい」
ひかるは慌てて火を落とす。4人は息を殺した。
カツン・・・
相手は一人じゃないようだ。
Q一たちがいるすぐ先の曲がり角のすぐ裏まできているらしい。
向こうも明かりを持っていて、足音とともに、だんだん明りも近づいてきた。
Q一はショットガンを構えた。
同時に徳田とE太郎もピストルを取り出した。
ひかるは息を呑んで見守る。
ついに相手は角を曲がった。
明かりで顔が照らされる。
Q一「・・・・・・・・・・なんだ・・・ビビッて損した・・・」
そこにはD太とネオ、L斗の3人がきょとんとした顔で立っていた。
D太「お前らなにしてんの?」
Q一「なんでD太先輩たちがそっちからくるんですか?」
D太「そりゃこっちの台詞だよ。」
徳田「なんだ・・・結局ドコをどういっても繋がってるのか?これじゃあループだな」
E太郎「まったく・・・!こんなんじゃ一生掛かっても呂布とは戦えないっすよ!」
ネオ「どうしよう・・早くネバダを助け出さないと・・・!」
その時、L斗がD太の手を離れ、ふらふらと一人で歩き始めた。
D太「L斗、なにしてんだ?あぶねえだろ?」
D太は慌ててL斗の手を取った。
L斗「あ、あのさ、この変に窓とかない?」
D太「?ねえけど・・」
L斗「え?でもなんか風吹いてるよ。こっちから外気がでてるような感触があるよ」
L斗の指差す方にはただの壁しかない。その壁には大きな絵画がかけられている。
ひかる「ええ?気のせいじゃない?そっちは壁しかないよ?それよりなによ、この絵画、怖すぎる・・」
D太「フランシスコ・ゴヤっていう画家の『わが子を食べるサトルヌス』。こんな有名な絵しらねえのかよ」
ひかる「な、なによ!こんなマニアックなの知るわけ無いでしょ!」
ひかるはむかついて、絵をはじいた。
ギギギギ・・・・・・・バタン!!
全員「え・・・?」
絵は壁ごと向こう側に倒れた。
その向こうに光が差している。
L斗「まちがいなよ!この先から風が吹いてる!」
L斗はD太の手を離れると、一人で光の差すほうに走り出した。
D太「おい!一人でいったらだめだ!」
D太は慌てて追いかける。その後をおって全員走り出した。
D太「ここは・・・?」
全員大きな畳の部屋に出た。
部屋の向こうには大きな窓があり、外と繋がっていた。
窓の下を除くと、今まで自分達が登ってきた岩山や森がうっそうと広がっていて、その下には海が見える。
ネオ「あ、あれ、俺達の船が見える!」
E太郎「なんかこの部屋はどう見ても寺の経堂だな・・・」
そのとき、後ろで声がした。
「うるさいにゃ・・・また来客か・・今忙しいのに・・」
振り返るとそこには一匹の猫が立っていた。
D太「もしかして、あなたは・・・・」
ベータ「皆まで言わずともわかるにゃ。どうせあの少年たちを追ってきたんだにゃ。」
ベータの指差す方にサッキーが倒れていた。
ネオ「サッキー!!!」
続く
その2さん乙です。ついに迷宮を抜けましたね。
>>663の続きです。
リョフ「ち! しつこい野郎だ」
バモイドの放ったフォースがリョフの分身の一つを打ち砕いた。
リョフ「くそ。再生している暇もないぜ。破壊力は明らかに奴の方が上か。エネルギー効率は俺の方がいいが、こんなエネルギーの濃密な地域じゃ意味がねえな。ん?」
突然、バモイドの動きが鈍った。
リョフ「何があったんだ?」
そのとき、リョフも気がついた。エネルギー密度が急激に低くなっていることに。
リョフ「ち! 誰か、エネルギー噴出孔の一つを塞いだな。しかし、これでバモイドの追撃から逃れられるそうだが」
バモイドに目を向けると、本体の方へ引き上げつつあった。
リョフ「よし、今のうちに噴出孔を塞いだ奴を片付けるか。全部塞がれたらいくら俺でも動けなくなる」
下界に目を向けると東へ向かうハイパーネバダの姿が見えた。
リョフ「あいつ!! いつの間にタルパを制御できるようになったんだ?」
リョフはネバダに向かって急降下していった。
ネバダの脳裏にベータの声が響いた。
ベータ『今、バモイドを呼び戻した。目が覚めたら西の洞窟に向かってもらう。おぬしは安心して東の洞窟へ向かうにゃ』
ネバダ「うん。分かった」
前方に大木が現れた。避けようとしたそのとき大木が砕け散る。
ネバダ「え?」
大木の破片をまといながら奴は姿を現した。
リョフ「ふざけた真似しやがって」
ネバダ「リョフ!!」
リョフとハイパーネバダは空中で衝突した。
凄まじい閃光が走り、周囲が粉塵で覆われる。
粉塵が収まった後にネバダとリョフが空中で対峙していた。
両者とも凄まじいGを受けたはずなのに、全くダメージがない。タルパには慣性を中和して術者を守る能力が備わっていたのだ。
リョフ「てめえ、いつの間にタルパを制御できるようになった?」
ネバダ「あんたが行った後、マオドム・ベータがやってきて、こういう事ができるようにしてもらえたのさ」
リョフ「くそう!! 坊主を侮っていたぜ。俺の企みもばれているって事だな」
ネバダ「そうさ。ここであたいの邪魔をしたって無駄だよ。大人しく消滅しな」
リョフ「そうは行くか!! こうなったら俺の邪魔をする奴は皆殺しにしてやる。噴出孔は閉じさせないぜ」
リョフは七体の分身を生み出した。
リョフ「行け!! 他の噴出孔を守りに」
分身のうち二体が西の洞窟へ、二体が南の洞窟へ向かった。
残った四体がネバダに向き直る。
リョフ「テメエは俺達がぶっ殺す」
ネバダ「そうは、行くかあ!!」
ネバダはフォースを放った。
フォースを避けて、バラバラに散ったリョフの一体にネバダは襲い掛かった。
ネバダ「シャー!!」
リョフ1がパンチを食らって地面に叩きつけられた。
他の三体が集まってくる前にネバダはその場所から素早く離れる。
リョフ2「あひゃひゃひゃ!! 逃がさねえぜ」
リョフ3「あひゃひゃひゃ!! ズタズタに引き裂いてやる」
ネバダは空中の一点で静止した。
左右から二体のリョフが迫ってくる。
ネバダ「シャー!」
頃合を見計らってネバダは急上昇した。
リョフ2とリョフ3が空中で激突する。
激突で生じた粉塵の中からリョフ4が飛び出してきた。
ネバダ「シャー!!」
空中で一回転したネバダは、リョフ4に向かって急降下した。
ネバダ「シャー!!」リョフ4「あひゃひゃひゃひゃ!!」
両者が空中で激突。
粉塵が収まった。
ネバダとリョフは空中で互いの両手を押さえた状態で組み合っていた。
ネバダ「グググ」リョフ4「ゲヘへへ」
両者とも手が封じられているため、隙を狙って蹴りを入れて攻撃しているが、決定的なダメージはどちらも受けない。
リョフ4「あひゃひゃひゃ!! いつまで持つかな」
ネバダ「そっちだって同じでしょ」
リョフ4「それはどうかな?」
ネバダ「え?」
リョフ2「あひゃひゃひゃ!!」リョフ3「あひゃひゃひゃ!!」
下方から二体のリョフが迫ってくる。
ネバダ「うそー!!」
リョフ4との組み手を解こうとするが、リョフ4は逃がすまいと組み付いてくる。
リョフ4「あひゃひゃひゃ!! 噴出孔が開いている限りタルパはいくらでも復活できるんだよ。テメエはタルパをまとっているが中身は生身の人間だからな。タルパの回復力が追いつかないくらいのダメージを受ければ死ぬぜ」
そうしている間にリョフ2がネバダの両足を押さえつけた。
完全に逃げられなくなったネバダにリョフ3が殴りかかる。
リョフ3「あひゃひゃひゃ!! サンドバックだぜ」
タルパのシールドが衝撃を吸収してくれているのでネバダの本体はダメージがないが、それでもシールドのダメージは徐々に積み重なっていく。
周囲のエネルギーを吸収してダメージを回復させてはいるが、リョフ3の攻撃速度はハイパーネバダの回復速度をわずかに上回っていた。
ネバダ「ぎゃあああ!!」
ついに、吸収し切れなかった衝撃がネバダの胸に伝わる。
今一歩で肋骨にヒビが入るところだった。
ネバダ「うううう」
苦痛に顔を歪めるネバダの姿を三体のリョフは邪悪な笑みを浮かべて見つめていた。
リョフ3「あひゃひゃひゃ!! どうする? 止めを刺すか」
リョフ2「あひゃひゃひゃ!! もう少し楽しもうぜ」
ネバダ「殺せ!! 殺すならひと思いに殺せ!!」
リョフ4「あひゃひゃひゃ!! ひと思いにやっちゃったら、つまらねえだろ」
リョフ2「お! 1号が戻ってきたぜ」
最初にネバダのパンチを食らって地面でのびていたリョフが復活して急上昇してきた。
リョフ3「殴り役交代だ。1号。ん?」
直後、リョフ3の顔面をリョフ1のパンチが捉えた。
リョフ4「どうした!? 1号……」
すべてを言い終わる前に、今度はリョフ4の顔面にパンチが炸裂。
両手が自由になったネバダは、足を押さえているリョフ2にフォースを放つ。
至近距離からフォースを食らったリョフ2は粉々に砕け散った。
リョフ3「どういうことだ?」
リョフ4「てめえまさか?」
劉備「その通りだ」
リョフ4「バカな!! 劉備は消滅したはず」
劉備「私は消えていなかった。眠っていただけだよ。しかしうかつだったな、リョフよ。身体を分裂させなければ、私も目覚めることはできなかった」
ネバダ「あんた……誰?」
劉備「松田の中で眠っていた彼の良心のようなものさ」
劉備はそう言うと、早くも復活しようとして空中の一点に集まろうとしていたリョフ2の残骸に手を差し込んだ。
リョフ2の残骸は劉備に吸収されていく。
リョフ3「おい。やべえぞ。奴に吸収されたら復活できない」
リョフ4「なら。奴を砕いて俺達が吸収すればいい」
ネバダ「そうは行くか!!」
ネバダはフォースを放つと同時にリョフ3に殴りかかった。
ネバダのパンチを食らったリョフ3は山肌に叩きつけられる。
リョフ4「くそ!!」
リョフ4は3を見捨てて逃げ出した。
リョフ3「うう。くそ」
山肌から再び飛び上がろうとしたリョフ3に劉備が掴みかかる。
リョフ3「テメエなにする」
かまわず劉備はリョフ3を、猛スピードで突進してくるネバダに向かって投げた。
リョフ3「うわあああ!!」
ネバダのウエスタンラリアートが炸裂。リョフ3は粉々になった。
劉備「もう一体は逃げたようだな」
リョフ3の残骸を吸収しながら劉備は言う。
ネバダ「あんた……本当に味方なの?」
劉備「味方だ。君にはいつか詫びなければならないと思っていた。長崎で松田が君に随分嫌な思いをさせた。許してほしい」
ネバダ「今更いいよ。そんな昔のこと」
劉備「ありがとう」
ネバダ「それより、奴を追いかけよう」
劉備「そうだな。奴は洞窟の中に入った。そこでエネルギーを吸収している。恐らく捨て身の攻撃をかけてくるつもりだろう」
ネバダ「どうするの?」
劉備「私が囮になる。奴の攻撃をひきつけている間に君は噴出孔を塞げ」
ネバダ「わかった」
ネバダと劉備は並んで飛び続けた。
劉備「奴と戦う前、君に頼みたいことがある」
ネバダ「なに?」
劉備「この世界で松田に好意を寄せていた女がいた。だが、松田はその思いに応えられなかった」
ネバダ「なんで?」
劉備「松田は……君を愛していた。君には迷惑な話だが……」
ネバダ「……」
劉備「松田は危険なリョフを倒すため自ら進んで友達の手にかかって死んだ。だが、松田は決して自分を殺した友を怨んでなどいない。むしろ感謝していたぐらいだ。そこでだ。桃寿という女に会ったら伝えてほしい。松田を殺したL斗の事を怨まないでほしいと伝えてくれないか」
ネバダ「……」
劉備「ダメか?」
ネバダ「どうして、自分で伝えないの?」
劉備「私はリョフが滅びると同時に滅びてしまう。だから、君に頼みたい」
ネバダ「伝えることはできるよ。でも、桃寿って人がそれで納得してくれるかな? 人殺しのあたいがこんな事言うのはなんだけど、どんな理由があっても、好きな人を殺されたら許せないと思う」
劉備「そうだろうな。無理なことを頼んでしまった」
ネバダ「ごめん。でも、松田が死んだことは伝えとくよ。死んだことも知らないでいるのは可哀相すぎるし……ただ、あたい嘘つくかもしれないよ。事故や病気で死んじゃったことにするかも。でないと、桃寿って人はL斗って人を殺すかもしれないし」
劉備「そうだな。どうするかは、君に任せよう」
洞窟の入り口についたのはその時だった。
劉備「出て来い!! リョフ!!」
突如、洞窟から巨大な手が伸びてきた。
ネバダ「な!?」
リョフ「あひゃひゃひゃ!! 出てきてやるぜ」
洞窟から出てきたのは、身長十メートルまで巨大化したリョフだった。
ネバダ「このお!!」
ネバダの放ったフォースが命中する。だが……
リョフ「あひゃひゃひゃ!! 蚊が刺したみたいだぜ」
劉備「君は手を出すな。奴の隙を見て洞窟に入るんだ」
ネバダ「わかった」
リョフ「あひゃひゃひゃ!! なんの相談してんだ」
劉備「来い!! リョフ。貴様も吸収してやる」
リョフ「あひゃひゃひゃ!! 逆におまえを吸収してやるぜ」
リョフの巨大な拳が劉備に襲い掛かる。だが、動きが鈍く、劉備は拳を余裕で避けた。
劉備「どうした!! リョフ。エネルギーを吸いすぎて動きが鈍ったか!!」
リョフ「この野郎!!」
怒り狂ったリョフは劉備を追い回した。そして、いつの間にかネバダのことを忘れていた。
洞窟の一番奥に着いたネバダは竪穴を塞ごうとする。
ネバダ「そうだ!! 塞ぐ前に」
洞窟の外では、リョフの手が劉備を捉えていた。
劉備「く!! 離せ!!」
リョフ「あひゃひゃひゃ!! このまま吸収してやるぜ」
と、そのとき。
ずきゅーん!!
洞窟の中から巨大なエネルギーの本流が飛び出し、リョフに襲い掛かった。
リョフ「うぎゃああああああ!!」
リョフはたちまち砕け散る。
劉備「何があったのだ?」
ネバダが洞窟から出てきたのは、劉備がリョフの残骸を吸収し終わった時だった。
ネバダ「うまくいったみたいね」
劉備「何をやった?」
ネバダ「噴出孔の中に入ってエネルギーを限界までタルパに吸収させたんだよ。そして、それをフォースで一気に解き放った」
劉備「無茶をする。下手をすればエネルギーが暴走して制御できなくなるところだったぞ」
ネバダ「げ!! そうだったの。もうやめとこ。でも、リョフもやってたよね?」
劉備「たがら、最初に捨て身の攻撃と言っただろう。奴は制御不能になるのを覚悟の上でエネルギーを吸収していたのだよ」
ネバダ「ねえ。思うんだけどさ。エネルギーを止めなくても、あんたが残りのリョフを全部吸収してしまえばいいんじゃないの?」
劉備「それはダメだ。正直、奴を吸収するのはこれが限界だ。
これ以上吸収すると私の方が奴に乗っ取られる。
それにこうしている間も、私の中でリョフが暴れるのをやっとのことで食い止めているんだ」
ネバダ「そっか」
続く
>>679訂正
>リョフは七体の分身を生み出した。→ リョフは八体の分身を生み出した。
一体少なかった(汗
その2さん。続きは以下の設定でお願いします。
1サッキーが次に目を覚ましたら、バモイドはサッキーのコントール下に入っている。
2リョフの分身が二体ずつ、東と南の噴出孔を守っている。
3噴出孔を閉じるとリョフは力を失い、数時間後には完全消滅する。バモイドとハイパーネバダも同時に眠りにつく。
その1さん乙です。
わかりました。その設定でいきますね。
>>675続き
ネオがサッキーのもとへ駆け寄る。
ネオ「サッキー!大丈夫か?!」
サッキー「う・・・頭が痛い・・・・」
サッキーは顔をしかめて身を起こした。
徳田「大丈夫そうだな。」
ネオ「でも、ネバダは・・・?」
ベータ「彼女なら大丈夫にゃ。タルパを制御できるようになったにゃ」
ネオ「ネバダは無事なんですか?!よかったあ・・」
サッキー「タルパを制御できるようになった?どういうことです?」
ベータ「君もできるようになってるはずだがな??」
D太「申し訳ないですが、説明してもらえませんか?」
ベータはやれやれ、といわんばかりに、今までの経緯を説明した。呂布のこと、ネバダのタルパのこと、エネルギーの噴射口のことなど・・・
D太「噴射口・・・それを閉じないとタルパはきえないんですね」
ベータ「だからそれを実行しにネバダは一人でいったにゃ。」
ネオ「俺等も追わないと!」
D太「まあ、待て。話を最後まで聞いてからだ。この屋敷の奇妙な構造や、あの変な化け物についてですが・・・」
ベータ「あの建物のからくりは、呂布みたいな有害な物が外部から入ってこないように仕掛けたものにゃんだが、
結局呂布は上手くここまできてしまったから、なんの意味も無かったにゃ。
この島全体をつつんでいるエネルギーによって、あらゆることが出来る。無いはずの場所に空間を作るなどわけない事にゃ。
各噴射口から出ているエネルギーのバランスで、タルパの力も最大限まで引き出せる。
しかし今のところ、ネバダが2つの噴射口を閉じておる。そのせいで空間にひずみが生まれる。あの化け物はsこからでてきたにゃ。」
Q一「なるほど、バランスが崩れたからあんなのがでてきたのか?」
サッキー「全部穴塞いだらどうなりますのん?おれはタルパが消えてくれればめでたしめでたしやけど」
ベータ「この島は崩れる」
全員「ええ?!」
ベータ「いいか、おまえたち、穴を全部塞いだら即座に島からはなれるにゃ。いいにゃ!」
D太「でも、あなたはどうするんです?」
ベータ「この島と運命をともにするにゃ」
D太「そんな・・・だって・・」
ベータ「案ずるにゃ。この日が来るのをまっておったにゃ。」
D太「?」
ベータ「タルパやこの島に流れる特殊なエネルギーは、本来なら神の領域にゃ。おいそれと人間やモナーが使っていいものじゃあないにゃ。
こんなことを続けていると、いつか必ず大きな災いがふりかかってくるにゃ。そしてわしは、そのエネルギーがないと生きられないにゃ。
要するに、これから先こんな有害な物を回りに振りまきながら生きることはしてはならないにゃ。もう覚悟はできてるにゃ。」
D太「・・・・・・・」
ベータ「さあいくにゃ。まだ東と南の噴射口が開いてるにゃ。そしてネバダをはやくみつけてやるにゃ」
全員「・・・はい」
全員は窓に向かった。
最後に部屋を出ようとするサッキーにベータがいった。
ベータ「いいか、穴を塞ぎ終わったら、即タルパの使用をやめるにゃ。」
サッキー「わかった。」
一同は森を抜け、広い所に出た。
D太「酒鬼薔薇、いまの呂布に対等に戦えるのはお前だけだ」
サッキー「はい?」
D太「俺等は生身の人間だ。多分全員でかかってやっと一体倒せるかどうかが関の山だ。だから、南の噴射口はお前一人でやれ」
サッキー「わかった。第3の噴射口は僕が塞ぐ」
ネオ「サッキー一人で大丈夫か?」
サッキー「大丈夫。やっとバモイドが自分でコントロールできるようになったんや。最後くらい思う存分パワーつかってやる」
徳田「使いすぎに気をつけろよ」
サッキー「分かってます。それじゃ」
サッキーは空中に浮かぶと、すっと移動して消えていった。
D太「さて、俺達は東の噴射口を探すぞ」
残りの全員で穴の捜索にむかった。
L斗「なんか、風がこっちから吹いてる、風っていうか多分エネルギーだとおもう」
L斗の言葉を頼りに、森の奥深くへ進んだ。
ひかる「ねえ、あの穴じゃないの?」
ひかるの指差す方をみると、たしかに洞窟があり、小さな穴がぽっかり開いている。
Q一「よし、俺に任せろ」
Q一が近づき、そこに落ちている岩で噴射口を閉じようとした。
「あひゃひゃひゃひゃwww待ったぜ!」
上で声がした。
Q一「ち!」
いつの間にかすげぇ進んでる。乙華麗
692 :
少年法により名無し:05/03/15 14:55:04
その2さん乙です。そろそろリョフと決着が着きそうですね。
>>685の続きです。
劉備「さて、穴の残りは二つだな」
ネバダ「うん。ちゃっちゃっと片付けちゃおう」
ネバダは空中へ飛び上がろうとした。
ネバダ「あれ?」
その場にへなへなとへたり込む。
劉備「どうした?」
ネバダ「足に力が入らない。なんでだろう? こんなにエネルギーがいっぱいなのに」
劉備「おまえ……ひょっとして、ここへ来てから何も食べていないのではないか?」
ネバダ「あ! 言われてみれば」
そのときになって、ネバダは空腹感に気がついた。
ネバダ「タルパのエネルギーの前に、あたいのエネルギーがなくなりそうだよ」
脳裏にベータの声が響いたのはその時だった。
ベータ『ネバダ。一度わしのところへ戻ってくるにゃ』
ネバダ「そっちになにか食べるものある?」
ベータ『食べ物なら用意してあるにゃ。すぐに戻るにゃ』
いかん。上げてしまった。
>>692は私です。
ネバダは劉備に抱えられ、ベータのところへ戻った。
ベータ「よくやったにゃ。とりあえずパンでも食べながら話を聞くにゃ」
受け取ったパンに猛然とかぶりつくネバダに、ベータはネバダが出かけている間にあった経緯を話した。
ネバダ「じゃあ、サッキーやネオが残りの穴を塞ぎに行ったのね。大丈夫かな?」
ベータ「心配しても始まらん。おぬしは体力の回復に努めるのじゃ」
劉備「ベータ様。それでは私がどちらかのグループを支援に行きます」
ベータ「うむ。それがいいにゃ」
劉備「では」
ベータ「ちょっと待つにゃ」
劉備「なにか?」
ベータ「おぬしの姿はリョフと同じにゃ。このまま行くと、敵と間違えられるにゃ。姿を変えるにゃ」
劉備「申し訳ありませんが、私もリョフも元の宿主の念が強く残留しているため、姿を変えることはできません」
ベータ「ではわしが手伝ってやるにゃ」
そういうとベータは劉備の顔に手をかざした。劉備の顔はしばらくの間、光る靄に包まれる。靄が晴れた後に現れた顔は……
ネバダ「猫?」
その姿はまさに八頭身モナー。
ベータ「これなら怪しまれんじゃろう」
ネバダ「そうかな?」
劉備「ありがとうございます」
ネバダの危惧など、まったく気にせず劉備は飛び立っていった。
ネバダ「別の意味で怪しまれそうな気がするんだけど……」
ベータ「さて、戦いはもう先がもう見えたにゃ。ここでおぬしに話しておくことがあるにゃ」
ネバダ「なんですか?」
ベータ「南の彼方で、禍々しきモノが蠢いておるにゃ。何者かが、多くのタルパを動かしいる。恐らく戦争に使うつもりにゃ」
ネバダ「オームのアーチャリーかな? でも、タルパは術者の生命力を吸い取るのでしょ。戦争なんかに使ったらアーチャリーだってただじゃ済まないはずよ」
ベータ「いや。奴らは、どうやら生贄を立てているにゃ」
ネバダ「生贄?」
ベータ「そうにゃ。他人の生命力を吸い取って、タルパを動かしているにゃ」
ネバダ「そんな!! 生贄になった人達はどうなるの?」
ベータ「もちろん、助からないにゃ。さて、おぬしはこれからどうしたいにゃ? この山を離れたら、奴らは強力なタルパの宿主であるおぬしを放ってはおかんにゃ。仲間になるか、敵になるかの選択を迫られるにゃ」
ネバダ「あたいは別にオームと戦う気はないよ」
ベータ「では、仲間になるかにゃ?」
ネバダ「それもいや」
ベータ「では、戦うしかないにゃ」
ネバダ「でも、戦ったらどんどん歳を取っちゃうんだよね。それもやだなあ」
ベータ「戦う気があるなら、おぬしにこれを授けるにゃ」
ベータは紫色の小箱を出した。箱を開くと直系一センチ程のクリスタル球が十二個入っている。
ネバダ「なに? これ」
ベータ「オルゴナイトクリスタル。タルパを動かしているエネルギーを凝縮した結晶体にゃ。これがあれば短時間……おぬしらの時間で三分前後の間はタルパを動かせるにゃ」
ネバダ「いいの? もらって」
ベータ「いいにゃ。どの道、ここに置いておいても意味ないにゃ。もうすぐここは海に沈むにゃ」
ネバダ「え!? 沈む」
ベータ「実はこの山も、巨大なタルパによって支えられていたにゃ。エネルギーが止まればこの山は支えを失って崩れるにゃ」
ネバダ「そんな」
ベータ「大丈夫。おまえ達が逃げるくらいの余裕はあるにゃ。エネルギーが止まったら、十時間ぐらいで崩壊が始まるにゃ。それまでに逃げるにゃ」
いつも乙。
(゚∀゚)乙!
>>697>>698応援ありがとうございます。
では
>>668の続きです。
ニボシ国では、新女王就任を祝う宴が一晩中催された。
その翌朝。
O竹「うう。頭痛て。ん?」
二日酔いの頭を手で押さえようとして、手が動かないことに気がついた。
O竹「ん? なんだ?」
酔いつぶれて眠っている間に、なにやらゴワゴワした布のような物に包まれていたらしくO竹は全く身動きがとれない。
O竹「どうなっているんだ?」
ドゥルガー「お目覚めかしら?」
O竹「これはドゥルガー様。あの、身体が動かないのですが」
ドゥルガー「そりゃあそうよ。私のタルパが身体に巻きついているのだから、動ける方がおかしいわ」
O竹「タルパ!? どういうことです!?」
ドゥルガー「あら? 昨夜あなた達言ったわよね『ドゥルガー様のためには命も捧げる覚悟です』て。だから早速捧げてもらおうと思って」
O竹「いえ……それは……所謂、言葉のあやというものでして……!」
その時になって、ようやくO竹は自分を包んでいるものの姿に気がついた。
O竹「ドゥルガー様もお人が悪い。これはタルパではないじゃないですか」
ドゥルガー「いいえ。タルパよ」
O竹「だってこれはどう見ても……」
どう見ても、それは体育用具のマットにしか見えない。
ドゥルガー「うふ。タルパには決まった形がないのよ。昨夜あなたに巻きついたときは、ただの荒縄の姿をしていたのだけど、どうやら夜の間にあなたの記憶に反応して、その形態に変化したみたいね」
O竹「そ……そんなあ!!」
ドゥルガー「マットで人を殺したあなたには、相応しい形ね。大丈夫よ。戦闘時には、巨人タイプに変形するから」
O竹「戦闘って?」
ドゥルガー「これから、マタタビ国に攻め込むのよ」
O竹「マタタビ国!? 待ってください!! あそこは日本政府の基地があります」
ドゥルガー「そうよ。だから、タルパが必要なんじゃない」
O竹「あの……戦闘になったときの私めの安全は……」
ドゥルガー「大丈夫よ。あなたはタルパに包まれているから戦死する心配はないわ。
ただ、タルパに生命力を吸い尽くされて死んじゃうかもしれないけど」
O竹「……」
O竹は今にも泣きそうな顔でドゥルガーを見つめた。
ドゥルガー「いいじゃないの。老衰で死ぬわけだから、大往生じゃないの。ほーほほほほほほ」
ニボシ国の王宮にドゥルガーの高笑いが響き渡る。
その高笑いはタルパ封じの仕掛けを施した地下牢に閉じ込められているアーチャリーの耳にも届いていた。
アーチャリー「姉上。思い通りにはいかせぬぞ」
地下牢の石壁にはヒヒイロカネが埋められていて、タルパは通ることができない。
だが、アーチャリーは閉じ込められる前に隙を見て一体のタルパに指令与えて放っておいたのだ。
続く
うわ〜。たくさん続きが来てる。今からまとめて読む。
筆者さん乙
>>703ありがとうございます。
では
>>695の続きです。
D太達が東の噴出孔でリョフとぶつかった頃、南の噴出孔を守っていたリョフは凄まじいプレッシャーを受けていた。
リョフ7「この気配は……間違いない。バモイドだ」
リョフ8「くそ! 奴まで敵に回ったか」
リョフ7「どうする? 俺達二人じゃ勝ち目はないぞ。分裂して仲間を増やすか?」
リョフ8「駄目だ。分裂したら俺達一体一体の能力は下がる。それにこれ以上分裂すると俺達の中に僅かに残留している劉備が目覚める」
リョフ7「くそ!! こうなったら」
リョフ7は飛び上がると山腹めがけて次々とフォースを放った。
山腹には次々と穴が開いていく。バモイド=サッキーが現れた時には大小三十の穴が山腹に穿たれていた。
サッキー「これは? 何を企んでいるんや?」
サッキーは穴だらけになった山腹を見つめ警戒する。
リョフ7「あひゃひゃひゃ!! 来たなバモイド。邪魔はしないから、好きなだけ穴を塞いでみな。どれが本物か分ければな」
サッキー「まさか? 本気で言ってるの?」
リョフ8「おい、7号。それがおまえの作戦だったのか?」
リョフ7「あひゃひゃひゃ!! どうだ! どれが本物か分かるか!!」
サッキー、リョフ8「アホ」
敵と味方から、同時に突っ込みを入れられリョフ7はうろたえる。
サッキー「エネルギーが噴出している穴が本物に決まっているやろ」
リョフ8「分裂したせいで戦闘力だけでなく知能まで低下したみたいだな」
リョフ7「しまったあぁぁぁぁ!!」
サッキー「まあ何はともあれ、7号はんがせっかく邪魔せんいうてくれたし、遠慮のう穴を潰させてもらいますわ」
言うと同時にサッキーは迷うことなく本物の洞窟に向かって降下する。
リョフ8「させるか!!」
リョフ8がサッキーの背後からフォースを放った。
が、サッキーは瞬時に振り返ると左腕を突き出す。左腕を中心に半透明のエネルギーシールドが発生し、フォースを苦も無く跳ね返した。
直後にサッキーは右手を突き出しフォースを放つ。
リョフ8「ぎゃあああぁぁぁぁ!!」
リョフ8は慌ててシールドを張ったが、サッキーのフォースはシールドごとリョフ8の左腕を吹き飛ばした。
二人が対峙している間にリョフ7はサッキーの背後に回りこんでいた。
リョフ7「食らえ!!」
リョフ7の放ったフォースがサッキーの背中を直撃する。
リョフ7「やったぜ」
サッキー「今、何かやった?」
何事もなかったようにサッキーは振り返った。
リョフ7「バカな!? 直撃のはずだぞ。こいつはバケモノか!?」
サッキー「悲しいな。バケモノにそないなこと言われるなんて」
リョフ7「くそ!!」
サッキーはリョフ7に向かってフォースを放った。
リョフ7は慌てて洞窟へ逃げ込む。
サッキー「逃がさへんでえ」
後を追いかけて洞窟へ飛び込もうとしたサッキーに、早くも左腕の再生を終えたリョフ8がしがみつく。
サッキー「放せ!!」
リョフ8「あひゃひゃひゃ!! 誰が放すか」
リョフ8はフォースをゼロ距離で撃ち込んだ。
サッキー「うう!!」
分厚いバモイドの装甲も衝撃を完全に吸収できず、サッキーは苦痛に顔を歪ませる。
リョフ8「あひゃひゃひゃ!! 効いてるぜ効いてるぜ。それもう一発」
二発目のフォースによって、バモイドの装甲にヒビが入った。
サッキー「ええ加減にせんかあい!!」
サッキーの放ったフォースがリョフ8を粉々に打ち砕いた。
サッキー「さて、再生する前に穴を塞いだる」
再び、洞窟に向かう。
と、そのとき、洞窟の中から何かが飛び出してきた。
サッキー「なんや?」
大木のように太い触手が五本、洞窟の中から伸びてサッキーを絡めと取ろうした。
サッキー「これは?」
絡み付こうとする触手に向かって次々とフォースを放つ。
触手はあっさりと砕けた。しかし、砕けるそばから次々と再生していく。
リョフ7「あひゃひゃひゃ!!」
触手の先端にリョフの顔が現れた。
リョフ7「噴出孔と一体化したぜ。これでもう俺は無敵だ」
続く。
出かける時間になりましたので、続きは明日になります。
ファンタジーですね。いつも思い出したらのんびり読んでます。
710 :
少年法により名無し:05/03/18 19:24:29
>>709 ありがとうございます。
では、
>>707の続きです。
サッキーは機関銃のようにフォースをリョフに浴びせ続けた。
だが、
リョフ7「あひゃひゃひゃ!! 無駄無駄」
攻撃の手を少しでも緩めると直ぐに再生してしまう。
サッキー「くそ」
サッキーはチラッと後を振り返った。
リョフ8の残骸が銀河系のような渦を巻き今にも再生しようとしている。再び前方に目を戻すと、リョフ7触手がもうスピードでこっちへ伸びてくるところだった。
サッキー「ち。こうなったら」
サッキーは一度大きく後退。
リョフ7「あひゃひゃひゃ!! バモイド怖気づいたか!!」
サッキーは五百メートルほど後退すると再び反転した。
猛スピードでリョフ7に迫る。
リョフ7「あひゃひゃひゃ!! きやがれ」
双方の距離がみるみる詰まっていく。
五十メートルの距離まで迫った時、サッキーがフォースを放った。
リョフ7「あひゃひゃひゃ!! 無駄だって言ってるだろ。ん? どこへ消えた?」
サッキーの姿がない。慌てて気配を探る。
気配は真上にあった。
いかん!! また上げてしまった。
リョフ7「なに? 岩盤の中だと?」
ちゅどーん!!
洞窟の天井が崩れ落ち、サッキーが中に現れた。
リョフ7「しまった!!」
背後からフォースの連続攻撃を受けリョフ7は洞窟から押し出された。
サッキー「さて、後は穴を塞ぐだけやな」
リョフ8「させるか!!」
再生を終えたばかりのリョフ8が洞窟に飛び込んできた。
見ると、リョフ8の右腕は剣に変形している。
今には岩を砕こうとしていたサッキーに切りつけてきた。
サッキー「危ないやっちゃなあ」
サッキーは岩盤に向けていた右手をリョフ8に向け、フォースを放った。
リョフ8は右手の剣を砕かれるが、突進は止まらずサッキーに体当たりする。
洞窟の底で転げ周っている間に、リョフ8はサッキーにしがみついていた。
洞窟内はエネルギー密度が濃いため、再生も早い。
すでに右腕が再生している。
サッキー「気色悪い!! 放せ!! モガ!!」
リョフ8の右手がサッキーの口を覆った。思わずサッキーはリョフ8の腕を掴み引き剥がす。
リョフ8「かかったな」
突然、サッキーの掴んでいた腕が変形を始めた。
サッキー「なんや?」
腕は一振りの剣に変形していく。サッキーの掴んでいる部分は柄になっていた。
サッキー「しまった!!」
身体が痙攣して動けなくなる。
リョフ8「あひゃひゃひゃ!! バモイドをコントロールできるようになったけど、これは直ってないようだな」
リョフ8は動けなくなったサッキーを洞窟の外に引きずり出した。
サッキー「うう……くそおぉぉ」
動けないサッキーを地面に横たえるとリョフ8は宙に舞い上がり、両手をサッキーに向けた。
リョフ8「あひゃひゃひゃ!! くたばれ!! バモイド」
フォースを矢継ぎ早に放つ。
リョフ7「あひゃひゃひゃ!! 俺にもやらせろよ」
リョフ7も攻撃に加わる。
動けないサッキーに次々とフォースが炸裂する。
リョフ7「しぶとい奴だぜ。まだくたばらねえ」
リョフ8「くたばっていいのか? こいつの身体を使うんじゃねえの?」
リョフ7「どの道、こいつからバモイドを引き離すのは無理だ。それより、こいつを早く始末して東の穴に向かおうぜ。向こうを攻撃にいったのは全員生身の人間だ。全員生け捕りにして俺達の宿主にしてしまおうぜ」
リョフ8「生け捕りか。東の穴を守っている6号と7号は苦労しているだろうな。殺さないように手加減しなきゃならねえし」
リョフ7「だから、早くとどめを刺さして、向こうを手伝いにいこうぜ」
リョフ8「分かった。さあとどめだ」
リョフ8とリョフ7は一度攻撃を止め、手のひらにエネルギーを蓄える。
バモイドの装甲は限界に達していた。これ以上攻撃を受けると中にいるサッキーを守りきれないだろう。
リョフ7、8「くたばれ」
フォースを放とうとしたそのとき、上空から急速に迫ってくるプレッシャーにリョフ達は気がついた。
直後に、強力なフォースが上空から襲い掛かり、今まさにフォースを放とうとしていたリョフ7、8の腕を打ち砕く。
リョフ7「なんだ?」リョフ8「何が来たんだ?」
サッキーの痙攣が治まったのはその時だった。
サッキー「ネバ……来てくれたんか」
サッキーはリョフに気がつかれないように洞窟に入る。
サッキー「それ!!」
岩蓋を穴に被せた。
リョフ7、8「しまったあ!!」
だが、エネルギーはまだ消えていなかった。
リョフ7「くそ! こうなったら」リョフ8「最後の穴を守りにいくぞ」
その1さん乙です。
実は自宅のpcが壊れてしまいまして、(今もネカフェから書いてるんですがorz、)
コンスタントに書き込みが出来なくなってしまいました。
なので、このまま最終回まで続きお願いしてもいいでしょうか。わたしの計算だと、今月27日にはスレが落ちると思います。
話も大体まとまってきたので、下手に二人で進めるよりも、一人でまとめたほうが上手くいくかと思います。
申し訳ないですがお願いします。
>>715 そうだったのですか。
分かりました。続きは私が書きます。
27日っていったらもうほとんど時間がないですね。
急がないと……
とりあえず
>>701の続きです。
その頃ミーシャ市では、ユキコ達が空き倉庫を借りてそこを仮設基地として使用できるように整備をしていた。一通りの作業が終了してから任務終了の報告を佐竹にする。
ユキコ「無事に任務完了しました。現在、国王はオカカ国の亡命政権と和平条約を結んでいます」
佐竹『ご苦労様。こっちも朗報よ。ヒヒイロカネ弾頭が届いたわ。もっとも、対リョフ戦には間に合わなかったけど』
ユキコ「そうですね。カルカン山の方はどうですか?」
佐竹『なんとか方が付きそうよ。一応、あなた達の足として、高速艇を湖に送り込む用意をしていたのだけど、それも無駄だった……! 何者?』
突然、佐竹の表情が強張った。
ユキコ「どうしました?」
言った後でユキコも気がつく。自分の背後に誰かが立っていることに……
B介「誰だ!? おまえ。どこから入ってきた?」
ユキコが振り向くと、B介と桃寿がユキコの背後に立っている男にショットガンを向けていた。
村井「まて! 私はアーチャリー様の使者だ」
ユキコ「アーチャリーの?」
佐竹『先日の提案でしたら、まだ検討中ですよ』
村井「そのことではない。時間がないので手短に言う。アーチャリー様が幽閉された」
佐竹『なんですって!?』
村井「現在アーレフ帝国はドゥルガー様が掌握している。そして……」
突然、村井の姿が消えかかった。
村井「もう、限界のようだ。私はもう消える。その前に聞いてくれ。ドゥルガー様もタルパを使える。そして日本政府に戦いを仕掛ける気だ」
ユキコ「戦いを? ドゥルガーはタルパの弱点を知らないの?」
村井「知っている。だから生贄を集めていたのだ。生贄の生命力を糧にしてタルパを動かす気だ」
ユキコ「そんな」
村井「タルパの数は六体。明日の朝、三台のバギーで進撃を開始する」
B介「ここへ、来るのか?」
村井「違う。攻撃目標は、マタタビ国の日本基地……」
そこまでだった。村井は三人の見ている前で溶けるように消えていった。
おっつ〜
ここまで読んだ
ゆっくりでどうぞ。毎度おつかれです
>>719>>720>>721応援ありがとうございます。
では、
>>690の続きです。
Q一は、すばやくピストルを抜くと上に向かって射撃した。
リョフ5「あひゃひゃひゃひゃ!! 無駄無駄無駄!! 効かねえぜ!!」
直後にQ一は胸に強い衝撃を受け、洞窟の外へ吹き飛ばされる。
Q一「いってえ!!」
リョフ5「あひゃひゃひゃひゃ!! 頑丈な野郎だぜ」
ひかる「Q一君!!」
倒れたQ一にひかるが駆けよる。
D太「この野郎!! よくもQ一を」
近くにあった岩を踏み台にして大きくジャンプしたD太は、空中に浮いていたリョフ5に向かって気の篭ったパンチを叩き込んだ。
リョフ5「ぐえ!!」
リョフ5は山腹に叩きつけられる。
D太「ちったあ効いたようだな。うお!!」
突然、背後から攻撃を受けた。
リョフ6「あひゃひゃひゃひゃ!! 生身の人間の割にしてはなかなかやるぜ」
D太は地面に叩きつけられるように落ちた。
L斗「D太!! 大丈夫!?」
D太「来るな!! 隠れて……」
地面に倒れているD太の顔をリョフ6が踏みつける。
リョフ6「他人の心配なんかしている暇はないぜ。あひゃひゃひゃひゃ!!」
D太「ぐ……くそう」
ズキューン!!
銃声が鳴り響き、リョフ6の体に鉛弾が食い込む。
リョフ6「あひゃひゃひゃひゃ!! ジジイ。そんな物が俺に効かないってまだわからないのかよ」
徳田「分かっているさ。ただ、お前にこっちを向いてもらいたかっただけだよ」
言い終わると同時に徳田は持っていた扇子をリョフに見えるように広げる。
リョフ6「それは!!」
扇子の模様を見たとたん、リョフ6は硬直する。
徳田「まさかと思ったが、本当に効果があったとはな」
徳田の持っている扇子には大きく五芒星が描かれていた。ここへ来る途中、ディルバンガー戦の報告書を読んだ徳田が秘かに用意していたのである。
リョフから力が抜けた瞬間、D太はリョフ6の足を振り払い立ち上がった。
立ち上がると同時に、動けないリョフ6に後ろ回し蹴りを叩き込む。
リョフ6は後に吹っ飛び、大木に激突する。
その間に復活したリョフ5を、E太郎とネオが相手していた。
息の合った連係プレイでリョフ5に挑みかかる。だが、二人がかりでもリョフをけんせいするのがやっとだった。
大木にめり込んだリョフ6に止めを刺すべく、D太は突進する。
だが、D太の蹴りが炸裂するよりも一瞬だけ早く、リョフ6の硬直は解けた。
大木が大きな音を立てて倒れる。
D太「くそ!! どこだ?」
Q一「先輩!! 右です」
遅かった。
右わき腹に鋭い衝撃を受け、D太は吹っ飛ぶ。
吹っ飛んで大木に叩きつけられたD太にリョフ6はフォースを矢継ぎ早に叩きつける。
Q一「やめろう!! 死んじまうだろう」
駆け寄ろうとしたQ一もフォースで吹き飛ばされた。
リョフ6「あひゃひゃひゃひゃ!! お遊びは終わりだぜ」
地面に横たわって動くことのできないD太に、リョフ6はおもむろに右手のひらを向ける。
リョフ6「心配するな。殺しはしないよ。目が覚めたときにはおまえは俺の新しい宿主さ。
あひゃひゃひゃひゃ!!」
D太「なに? 宿主」
リョフ6「あひゃひゃひゃひゃ!! 行くぜ」
フォースを放とうとしたその瞬間、上から襲ってきたフォースがリョフの右腕を打ち砕いた。
リョフ6「何?」
上を向いたリョフ6の目に映ったのは、猛スピード接近する八頭身モナー=劉備の姿。
リョフ6は、まったく対処する余裕もなかった。劉備のフルパワーフォースの直撃を受け、粉々に吹き飛ぶ。
粉塵が収まった時、D太の目に移ったのは地表に立つ人身猫頭の劉備だった。
D太「誰だか知らないが助かったぜ」
劉備「喜ぶのはまだ早い」
劉備はリョフ5の方に目を向ける。
E太郎とネオがリョフ5のフォース攻撃に翻弄されていた。
ほとんど、紙一重でかわしているが、かわすそばから次のフォースが襲い掛かる。
きりがない。
劉備は慎重に狙いを定めフォースを放った。
フォースはリョフ5を直撃する。
劉備「こいつは私が引き受ける!! 二人はその間に穴を塞げ」
ネオ「分かった!!」E太郎「すまねえ」
ネオとE太郎は洞窟へ突入する。
その後を追おうとしたリョフの前に劉備が立ちふさがる。
リョフ「てめー分かっているのか!! 穴がふさがれたらテメエも消えるんだぞ」
劉備「もとより承知」
短い攻防が続いた後、異変は訪れた。
タルパ達を動かしていたエネルギーが急速に薄くなっていく。すべての穴が、今ふさがったのだ。山頂の穴はまだふさがっていないが、その穴から湧き出すエネルギーは、麓に届く前にほとんど拡散してしまいタルパを維持するには足りなかった。
リョフ「く……くそ……消える。消えていく」
劉備「諦めろ。我々は本来存在することを許されないモノなのだ」
リョフ「いやだ! イヤダ!! 消えたくない!! イヤダァァ!!」
二つのタルパは次第に姿が薄くなっていき、やがて完全に消滅する。
それを見ていた七人は、しばらくの間呆然としていた。
ひかる「あたし達、勝ったの?」
Q一「どうやら、そうみたいだな」
ひかるが口を開いたのを皮切りに、一同は活動を再開する。手始めにひかるとネオ、E太郎が怪我をしたQ一とD太の手当てを始めた。
その間に徳田は、本部に報告を送る。
一人、何もすることのないL斗の頭に、突然声が響いた。
L斗「みんな!! ベータからの声が聞こえる」
徳田「ベータはなんと言ってる?」
L斗「今から、最後の力を使って空間に穴を空ける。それを通って船着場へ行け。みんなが通ったら、最後の穴を閉じる。十時間後には山の崩壊が始まるので、それまでに安全圏まで逃れろって」
L斗が言い終わると同時に、背後の空間がゆがんだ。
光の輪が現れ、その中にみんなが乗ってきた船が現れる。
徳田「みんな急ぐんだ!!」
ネオとE太郎はD太を担ぎ、Q一はひかるの肩を借りて、L斗は徳田に手を引かれ空間の穴を超えた。目の前で船が波に揺れている。
徳田「さあ時間がない。急いで乗り込め」
ネオ「待ってください。まだ、サッキーが」
サッキー「僕ならここにおるで」
ネオ「サッキー!!」
サッキーはすでに甲板の上にいた。
サッキー「僕らが出た場所な。船の甲板の上やったんや」
ネオ「僕ら?」
サッキーの背後からネバダが顔を出す。
ネオ「ネバダ?」
ネバダ「ごめん。ネオ」
ネオは急いで船に駆け上がり、ネバダの元に歩み寄る。
ネバダ「死ぬほど辛かったけど……あたいもう『死んだ方がいい』なんて言わない。だから……」
ネオ「だから?」
ネバダ「もう一度、ネオやサッキーと一緒にいたい。だめ?」
ネオ「ダメなわけ、ないだろ」
× × ×
佐竹から緊急通信が入ったのは、船がカルカン山から二十キロ離れた時だった。
徳田「なんですって? 分かりました。で、カプセルが届くのは? 一時間後ですね」
Q一「徳田さん。どうしました?」
徳田「大変なことになった。オームが本部を攻撃しようと計画している」
Q一「ええ!? 」
徳田「一時間後に高速艇を積んだ輸送カプセルが近くの水域に着水する。我々は高速艇に乗り移って、ミーシャ市へ向かう。そこに高速バギーが用意されているらしい。それで大至急本部に戻る」
Q一「しかし、間に合うでしょうか?」
徳田「間に合わせるのだ。すでに他のエージェントが本部防衛に向かった。我々の到着まで、佐竹さんも持ちこたえてくれるだろう」
Q一「ですが、俺も負傷しているし、なによりD太先輩が戦える状態じゃありません」
徳田「彼らに頼むしかあるまい」
徳田が示したのは、船尾でカルカン山を見つめているサッキー、ネオ、ネバダ、ひかる、E太郎達だった。
ドドドドドドーン!!
突如、カルカン山の方向から大音響が響く。崩壊が始まったのだ。
ネバダ「さようならベータ。さようなら劉備」
続く
リョフ死亡記念sage
>>730応援ありがとうございます。
物語りもいよいよ終わりが近づいてきました。
では
>>717の続きです。
○日本基地
地上レーダーが接近する三台のバギーを捉えたのは、カルカン山が崩壊してから五日目のことだった。
佐竹「とうとう来たわね」
佐竹はマイク取った。
佐竹「接近中の武装バギーに告げます。これ以上の接近はマタタビ国への侵略と見なします」
無論、そんな警告でバギーが停止するはずがない。
○オーム遠征軍
バギーの助手席に座っていた菊池直子は後部座席を振り返った。
直子「返答はいかがいたします?」
ドゥルガー「ほほほ!! 返答の必要はないわ。このまま突き進むのよ」
直子「は!!」
バギーはさらに進み続けた。
だが、基地まで後十キロまで迫った時、突然停止を命じた。
直子「どうしました?」
ドゥルガー「地雷原よ。先行させたタルパが見つけたわ」
直子「ロケット砲で破壊しますか?」
ドゥルガー「必要ないわ。タルパに除去させます」
○日本基地
メインディスプレーの中でオームのバギーが停止して一分後、バギーの進行方向でいくつもの爆発が起きた。
佐竹「地雷原を見破られたわね。B介君。オームのロケット砲の射程は二千メートルだったわね」
B介「はい。後八キロ接近されると町が射程に入ります」
B介、ユキコ、桃寿が基地へ帰還したのは、五時間前のことだった。三人はほとんど休息する暇もなく戦闘に
佐竹「ここに立てこもりたいところだけど、それだけマタタビ国の町を巻き込んでしまうわ。打って出るわよ」
ユキコ「しかし、ここを空にするわけには」
佐竹「ユキちゃん。あなたはここに残って、徳田さん達と連絡を取って」
ユキコ「わたしも出撃します」
佐竹「ダメ。あなたは一晩中バギーを運転していたのよ」
ユキコ「しかし」
佐竹「睡眠不足の人に来られても邪魔なだけよ」
○オーム遠征軍
直子「敵が出てきました」
ドゥルガー「ほほほほほ!! 立てこもっていれば、少しは長生きできたのに。よっぽど町を犠牲にしたくないみたいね。それで、敵の数は?」
直子「バギー1台。他、小型車両10台」
ドゥルガー「小型車両? なにそれ」
直子「分かりません。二つのキャタピラだけで走っています。どうやら遠隔操作のようですが」
○装甲バギー
B介「なんですか?これは」
http://news.com.com/Photo+Combat-ready+robots/2009-7348_3-5473209.html バギーの両脇に奇妙な車両が数台並走していた。
佐竹「戦闘ロボットTalonよ。私が遠隔操作しているの」
桃寿「ロボット? マシンガンの付いたラジコン車にしか見えないけど」
B介「いや、戦闘ロボットは別に人型にする必要はないんだ」
佐竹「B介君。バギーはここで止めて。ここから、Talonを操縦するわ」
B介はバギーを停止させた。
B介「しかし、それなら基地からコントロールすればよかったのではないんですか?」
佐竹「Talonの操縦システムはこのバギーに取り付けてあるの。今から外して基地に運び込んでいる暇はなかったわ。それに、バギーから操縦していれば敵の目をこっちにひきつけておける」
Talon部隊が一斉に突入を開始しました。
○オーム遠征軍
直子「二号車。応答ありません」
ドゥルガー「おのれ!! こしゃくな真似を」
周囲は混戦状態だった。三台のバギーにTalonが次々と襲い掛かる。ドゥルガーはタルパを出して対抗するが、タルパが近づくとTalonは逃げ回り、その間に別のTalonがバギーを攻撃する。一台だけヒヒイロカネ弾頭を装備したTalonがあった。
その攻撃でタルパは何度も消滅させられ、そのたびにタルパ復活のために生贄の生命力が吸い尽くされた。
直子「三号車から連絡。敵バギーを射程に捕らえました。直ちに攻撃します」
ドゥルガー「まて! 早すぎる」
遅かった。三号車からロケットがすべて発射される。
○装甲バギー
佐竹「今よ!! 進路反転全速前進」
B介「ラジャー!!」
B介はステアリングを大きく回し、アクセルを最大限に踏み込んだ。
その後方でロケットが迫ってくる。
バギーの後方百メートルにロケットは次々と着弾する。
粉塵が収まると、そこには巨大なクレーターができていた。
佐竹「Talonの数が半分に減ったわ。ドゥルガーはタルパの一部を攻撃にまわしてくるわよ。桃寿さん。準備はいい?」
桃寿「ええ」
桃寿はショットガンを構え、サンルーフから身を乗り出した。
砂塵の舞う中、人型のタルパがこっちへ飛んでくるのが分かった。
桃寿「まだまだ」
トリガーに掛かった指が緊張する。
タルパが十メートルまで迫った時、桃寿はトリガーを引いた。
バン!!
タルパの姿は消滅していく。
かに見えた。
桃寿「く!!」
タルパは生贄の生命力を吸って再び蘇る。
佐竹「構わず撃ち続けなさい。無限に復活はできないはずよ」
桃寿「はい」
桃寿はさらにショットガンを撃ち続けた。
○タルパの中
O竹「やめてくれえ!! やめてくれえ!!」
タルパの中でマット犯の一人が悲鳴を上げていた。
タルパが復活するたびに、皮膚の皺が増えていくのだ。
O竹「なんだ? これは?」
O竹の手のひらに真っ白な髪の毛が載っていた。タルパ内部は外から完全に隔絶されていて、他人の髪の毛がここに入り込むはずがない。O竹は恐る恐る頭に手をやる。
O竹「うわわわわわわわわ!!」
頭髪は一本残らず抜けきっていた。
○装甲バギー
桃寿「ようやく復活が止まったわ。ん?」
タルパが消滅した後に、一人の老人の死体が横たわっていた。
それがタルパに生命力を吸い尽くされたO竹の変わり果てた姿であるなど、桃寿は知るよしもなかった。
佐竹「安心するのはまだ早いわよ。Talonもかなりやられたわ。次のタルパが来るわよ」
通信機からコール音が鳴り響いた。
ユキコ『佐竹さん。徳田さんから連絡です。三十キロ東の地点まできているそうです』
佐竹「まだ三十キロ」
ユキコ『バモイドとハイパーネバダが三分だけ活動可能です』
佐竹「三分。だけど、三十キロの距離はどうするの?」
ユキコ『タルパを発動すれば現地まで一分五十秒で飛んでこられます。一分ほどですが戦えます』
佐竹「いいわ。それでお願いするわね」
佐竹が通信を切ったとき、二体のタルパがこっちへ向かってくるのを桃寿は見つけた。佐竹はTalonを自動戦闘モードに切り替え自分もショットガンを構える。
佐竹「援軍は来るわ。それまで持ちこたえるのよ」
桃寿「はい」
答えると同時に桃寿はトリガーを引く。
戦いは始まった。
○上空五百メートル。
ネバダ「サッキーあれじゃないかな?」
ネバダの指差す先で、激しく煙が上がっていた。
サッキー「そう見たいやな」
ネバダ「でもどっちが敵かな?」
サッキー「タルパを動かしいる方やろ」
○オーム遠征軍
ドゥルガー「なんなの? あれは?」
突然戦場に降り立った二体のタルパがドゥルガーの操るタルパに襲い掛かった。
ドゥルガー「この感覚……間違いない!! バモイドだわ。ふん。いくらバモイドでも、生贄無しにはそんなに長くは持たないはずよ」
直子「ドゥルガー様!! 生贄がもうありません」
ドゥルガー「なんですって?」
ドゥルガーは十秒ほど思考してから、サンルーフを開いて屋根に上り始めた。
直子「ああ! ドゥルガー様。どこへ行くんです?」
ドゥルガー「直子さん。私の脱出後、十分でここを降伏させてね。私が死んじゃったら、オームが滅びちゃうから。ほほほほほほほほ!」
高笑いを響かせながら、ドゥルガーはタルパの一体に掴まって空へ逃げていった。
直子「わがまま女めえ」
直子が前方に視線を戻すと、バモイドとハイパーネバダが三号車をスクラップに変えている最中だった。
直子「つーか、十分ももつか!! 今すぐ降伏よ!!」
○日本基地
桃寿「今、なんて言ったの?」
憎しみのこもった眼差しを桃寿から向けられ、ネバダは内心冷や汗を流した。
ネバダ「だから、松田が……死んだって」
桃寿「嘘よ!! 彼は強いタルパを持っているのよ。殺されるはずないわ」
ネバダ「だがら、病気なんだって……」
桃寿「病気って? なんの病気よ?」
ネバダ「その……リョフに……」
桃寿「まさか、リョフに生命力吸い尽くされた……?」
ネバダは無言で頷いた。
桃寿「そんな……こんなことなら、カルカン山なんか行かせるんじゃなかった」
その場に泣き崩れる桃寿に、ネバダはかけられる言葉がなかった。
明日に続きます。
>>737の続きです。
○日本基地最深部
日本基地の最深部に運び込まれたそのメカは、一見するとSF映画に出てくる荷電粒子砲に見えた。
似たようなものかもしれないが、これは武器ではない。どっちかというと、これは土木作業機械に近いものだ。
E太郎「スゲー機械だな。こいつでワームホールを開くのか」
手すりから身を乗り出してE太郎は興味深げに眺めていた。
ユキコ「そうよ。ただし、どこへつながるか分からないけど」
B介「下手をすると太陽のど真ん中に出るかもしれない。出現場所をコントロールする方法はないんだ。ただし、アーチャリーの仮説が正しいなら、この穴を最初に観測した者の深層意識が出現場所を決定するそうだ」
ユキコ「政府がアーチャリーの提案を呑んだって事は、仮説が正しかったからじゃないの?」
アーチャリーの提案を日本政府が受け入れると決定をしたのは、対ドゥルガー戦の最中であった。
B介「いや。アーチャリーを使って実験をしたいみたいだよ」
E太郎「しかしよ、実験もへったくりも、アーチャリーをここに連れてこない事にはどうにもならないだろ。いつになったら、ニボシ国へ進撃するんだ?」
ユキコ「私達だけで攻め込んでも、犠牲が増えるだけよ。タルパを使える酒鬼薔薇とネバダがいないと」
E太郎「とにかくよ。俺は早いところワームホールを開いて、オームの連中やモナーに悪さをする奴を追っ払ってほしいんだよ。そのタルパ使いはなにをグズグズしてんだ!!」
ユキコは少し顔をしかめた。
ユキコ「ネバダはちょっとデリケートな事情があって、医者に見てもらっているの。それが終わってからよ」
E太郎「なんだよ? そのデリケートな事情って」
ユキコ「女にはいろいろとあるのよ」
E太郎「しかしなあ、ネオも付き添っているんだろ。まさか? ネオの子を身ごもった?」
B介、ユキコ「ブッ!」
E太郎「な、分けないよな。ガハハハ!!」
ユキコ「あんたって本当にデリカシーがないわね」
E太郎「なんだよ。ネオはあの娘が好きみたいだったし、そういう事もあるかなと思って言っただけだが」
ユキコ「だから、思っても口に出していい事といけない事があるでしょ!! あなたそのうちセクハラで訴えられるわよ」
B介「ユキコ、ユキコ」
ユキコ「なによ?」
B介「女の子がセクハラを訴えにくい状況の一つを、君が作ってしまった事をお忘れなく」
ユキコ「わ……分かっているわよ」
ユキコは少し頬が赤くなった。
そのとき、ホールの入り口に四人の人影が現れる。
サッキー「ほわー! ごっついメカやな。これが、空間穿孔機ちゅうんか」
E太郎「ネオ。用事は、もう済んだのか?」
ネオ「もう大丈夫。心配はない」
ユキコは無神経な男に聞かれないように、ひかるに近づいてそっと耳打ちした。
ユキコ「どうだったの?」
ひかる「どうもこうも、想像妊娠だったわ」
ユキコ「想像妊娠! まあ、外道の子を身ごもらなくて良かったわね」
だが、ネバダはなぜか元気がない。
ユキコ、ひかる「どうしたの?」
ネバダ「桃寿って人は、ここにいないの?」
ユキコ「桃寿? さっきから見かけないけど」
ネバダ「あたい……あの人に嘘をついちゃったよ」
ネバダはさっきの経緯を話した。
ユキコ「それは、仕方ないと思うわ」
ひかる「あなたが悪いんじゃなし、気に病むことないよ」
ユキコ「でも、桃寿大丈夫かしら? また、リスカなんかやらなきゃいいけど」
○日本基地・車庫
ユキコ達が桃寿の姿を見つけたのは、それから三十分後だった。何事もなかったかのようにバギーのGPSを操作している。
ユキコ「桃寿? なにしてたの?」
桃寿「あら? みんな遅かったわね。あんまり遅いから、みんなのバギーのGPSをセットして置いたわよ」
ユキコ「いや……つらいなら無理しなくても」
桃寿「つらいわよ。だから、何かやっていたいの。忘れるために」
桃寿はまるで平気そうに見えたが、その目には微かに涙が光っていた。
○ニボシ国・地下牢(五日後)
実の妹閉じ込めてある地下牢にドゥルガーが訪れたのは、戦場から逃げ出してから五日後のことだった。
アーチャリー「おや。姉上ではありませんか。しばらくお目にかからぬ間にずいぶんおやつれになりましたな」
ドゥルガー「ちょっとタルパに生命力を吸われましたの。大したことありませんわ」
アーチャリー「それは大変でしたな。で、戦はどうなりました?」
ドゥルガー「惨敗よ。どうも、情報が漏れていたみたいね」
アーチャリー「ほう。どこから情報が漏れたのやら」
ドゥルガー「まったく困ったものね。ほほほほほほ」
口では笑っていたが、目は笑っていない。ドゥルガー目は『テメーだろ。チクッたのは』と語っていた。
アーチャリー「それで、姉上。今日はいかなる用でしょう? 和平交渉なら引き受けてもよいが」
ドゥルガー「和平? 何、寝言をおっしゃってますの。私はあなたのタルパを借りに来たのよ」
アーチャリー「わらわのタルパを……まだ戦う気ですか? タルパぐらい貸してもよろしいが、レンタル料は高くつきますぞ。恐らくそれは姉上の命となるでしょう」
ドゥルガー「上祐の命にまけといてもらえないかしら?」
アーチャリー「上祐にタルパを使わせるつもりですか。姉上もあざといことを」
なかなかですな。
>>743どうも。
さて、今夜中に最後まで行けるかな?
○ミーシャ市病院
病室の扉が開き、Q一が入ってきた。
Q一「D太先輩。本部はいよいよオームに総攻撃をかけるようです」
D太「そうか」
ベッドの上で寝そべっていたD太は、そっぽを向いて返事をした。
Q一「何をふてくされているんですか? そりゃあ肝心な時に怪我して活躍できなかったのは分かるけど」
D太「そんなんじゃねえ!! いや、それも確かにあるがな」
Q一「どうしたって言うんです? 酒鬼薔薇のことですか?」
D太「なあ、Q一。お前から見て、あいつをどう思う?」
Q一「どうって? そりゃあ憎いっすよ。結局、ひかるちゃんはあいつについて行っちゃうし」
D太「恋敵としてじゃねえ。人間としてどう思うかと」
Q一「そりゃあいい奴だと思いますよ。でなきゃ、ひかるちゃんがほれるわけないし」
D太「そうか。実は俺もそう思うんだ」
Q一「へ? そりゃまたすごい心境の変化ですね」
D太「正直、俺は怪我してむしろ助かっている。奴を殺さないのは、この怪我のせいだと自分に言い分けできるからな」
Q一「とは言っても、今の奴の人格は、更生プログラムで無理やり変えられたものですからね」
D太「そうだな。いくら奴が変わったと言っても、奴が昔犯した罪は消えるわけじゃない。だが、だからと言って俺の手で今の奴を殺すのは、俺が奴の同類ということになってしまう」
Q一「そうですね」
○ニボシ国国境
猫A「ああ!! あれはなんにゃ!?」
数百匹のモナー族兵士が警戒する国境線の上空を、一機の無人偵察機が通り過ぎた。二キロ先で停止しているバギーの中では、その偵察機から送られてきたデータが分析されている。
ユキコ「思ったとおりね。ドゥルガーの奴、モナー族を盾にする気だわ」
B介「徳田さんどうします? 迂回しますか?」
B介は無線で指示を求めた。
徳田『迂回しても無駄だ。新開発のマタタビガスでモナー族を無力化する。桃寿、頼んだぞ』
桃寿「OK」
桃寿はTalonの操縦機を操作した。
二十台のTalonが一斉に国境へ向かう。
猫B「止まるにゃあ!!」
制止しようとするモナー族兵士にマタタビガスを放出。
このガスは原料にマタタビを使っているわけではなく、そういう名前をつけただけである。
モナー族を眠らせるが後遺症とかはまったくないという、モナー族専用に開発された麻酔ガスだ。
徳田「前進」
徳田の号令を合図に、三台の装甲バギーが前進を開始した。
徳田、E太郎、ひかるの一号車を先頭に、ユキコ、桃寿、B介の二号車、サッキー、ネオ、ネバダの三号車が続く。
国境線まで来たところで運転手以外の人員はすべて降りて、道で寝転んでいる猫たちを拾っては道の脇にやり、バギーの通路を確保した。
三十分ほど作業が終わり、前進を開始する。
ひかる「徳田さん。新手が来ました」
ひかるが偵察機からの映像を見ながら言う。
徳田「モナーか?」
ひかる「人間です。数は十一。ICタグを外していないので識別可能です。沖縄県集団強盗事件犯人のヒガ、チネン、スエヨシ。福岡連続強姦魔の東。
愛知県女子高生ストーカー殺人事件の鈴村。福山県郡山市強姦事件の服部と国分。
名古屋集団恐喝事件犯人の青山、夏山、久代、そして札幌市高校生誤認嫉妬殺人事件の犯人と、恋敵殺人事件の犯人です」
徳田「生かしておく必要のない奴らだな」
徳田はマイクを取った。
徳田「二号車。遠慮はいらん。徹底的に懲らしめてやれ」
二号車の中から桃寿はTalonに指令を送った。
Talonと流刑者達の間で戦闘が始まった。だが、それは戦闘と言えるものではなかった。一方的な殺戮であった。
流刑者の達の屍を乗り越え、三台のバギーはさらに奥に進む。
偵察機が新たな敵を捕らえた。
ひかる「今度はすべてICタグを外しています」
徳田「顔を拡大してできるだけ識別しろ」
ひかる「はい!!」
ひかるの手がコンソール上を流れるように動いた。
ひかる「顔をコンピューターと照合して何名か判明しました。茨城県の耳きりヤマンバの二名。武蔵村山市交通事故逆恨み殺人事件のシマダとマキノ、寝屋川の岡本。
後は不明です。ただ……」
徳田「どうした?」
ひかる「一人として武器を持っていません」
徳田「そうか。どうやら奴らはタルパの生贄だな」
徳田はマイクを取った。
徳田「三号車。バモイド、ハイパーネバダ出撃せよ。二号車、ヒヒイロカネ弾頭用意」
ひかる「麻原です。麻原が現れました」
徳田「なに?」
ひかる「麻原が次々と生贄の命を吸い取って巨大化してます」
徳田「二号車。Talonを下がらせろ」
○戦場
身長十メートルにまで巨大化した麻原が、逃げ遅れたTalonを次々とスクラップに変えていた。
サッキー「ネバダ。最大出力でいくで」
ネバダ「うん」
サッキーとネバダは両方の掌を正面に突き出した。
サッキー「デヤー!!」ネバダ「シャー!!」
二つのフォースが巨大麻原に穴を開ける。
ユキコ「合図したら一斉射撃よ」
B介、E太郎、ひかる、ネオ「おお!!」
ユキコ「ファイヤー!!」
五丁のショットガンが一斉に火を噴いた。
麻原の下半身は完全に消滅する。
だが。
サッキー「あかん。もう再生してるわ」
ネバダ「もう一発いくよ」
サッキーとネバダは全力で麻原にフォースを叩き込んだ。
下では、ネオ達がショットガンを打ち込んでいる。
だが、いくら攻撃しても麻原はすぐに再生しては襲ってくる。
徳田「桃寿。Talonを麻原の背後に回り込ませろ。麻原が取り込んでいる生贄を攻撃するんだ」
桃寿「だめです。麻原の中にはマシンガンも通用しません」
徳田「では、まだ取り込んでいない生贄を撃て。これ以上奴に生贄を供給させるな」
桃寿「はい」
とは言ったものの、無抵抗の流刑者を殺すのは気が引けた。
桃寿「悪く思わないでね。オームに捕まったあなた達がいけないのよ。それに、あなた達は本来死刑になるべきなのよ」
桃寿はTalonに射撃を命令した。
わずか三十秒で、予備の生贄はすべて死に絶えた。
ネバダ「サッキー!! ベータにもらったクリスタルがあと二個しかないよ」
サッキー「しゃあない。この攻撃で最後や。後はどうなっても逃げるでえ」
サッキーとネバダは最後のフォースを放った。
サッキー「あかん。また、再生する。ネバダ逃げるぞ」
ネバダ「待って!! サッキー」
麻原が倒れていく。よく見ると下半身がない。
サッキー「生贄の生命力が尽きたようやな。ほな、今度こそ最後の攻撃や」
サッキーとネバダは地上に降りると残ったすべてのエネルギーをフォースに込めて麻原に叩き込んだ。同時にバモイドとハイパーネバダは消滅する。
そして麻原も空中に解けるように消えていった。
そこから、少し離れた場所で一人の老人が絶命していた。
麻原を操っていた上祐である。タルパに慣れていない上祐は麻原を操っている間に生贄の生命力が尽きていた事に気がついていなかったのだ。
そして、麻原は生贄がすべて死に絶えた後、上祐の生命力を吸い続けていたのである。上祐は死ぬまでそのことに気がつかなかった。
○宮殿
久子「上祐様がやられました。ドゥルガー様。お逃げください」
ドゥルガー「おのれ!! かくなる上は私自らタルパを使って」
久子「おやめください。タルパを動かすのに必要な生贄はすべて使ってしまいました」
ドゥルガー「何を言っているの? 生贄ならまだいるじゃないの」
久子「は?」
久子がその意味に気がついた時には、彼女の体にタルパが巻きついていた。
久子「ドゥルガー様。まさか」
ドゥルガー「そうよ。あなた達に生贄になってもらうわ」
○宮殿の外
宮殿の窓から四体のタルパが飛び出してきた。
B介「あれは、この前本部を襲撃した奴らだ」
B介はタルパの一体にショットガンを向けて撃った。
ネオが別の一体を撃つ。
だが、いくら撃ってもタルパは次々と再生してしまう。
そうこうしている間に残弾が乏しくなってきた。
ネバダ「サッキー。あたい達も」
サッキー「待て! クリスタルはあと二個。一人一回ずつしかタルパを使えん。僕一人で行く」
サッキーはクリスタルを掴むとバモイドをまとって宮殿に突入した。
行く手に立ちふさがるタルパをフォースで蹴散らし、長い廊下を突き進む。
ついにドゥルガーのいる大広間に出た。
ドゥルガー「来たわね。バモイド」
サッキー「降伏する気はあらへんか?」
ドゥルガー「ないわ」
サッキー「ほな。すまんけど死んでもらうで」
サッキーはドゥルガーに向かって突進する。
一体のタルパが立ちふさがった。
サッキー「邪魔や!!」
タルパは一撃で砕け散った。
次の瞬間。
サッキー「グア!」
強いフォースを受けて、サッキーは後方に吹っ飛んだ。
ドゥルガー「ほほほ。おばかさん。フォースが撃てるのはタルパだけだと思っていたようね。わたしやアーチャリーも使えるのよ」
サッキー「く」
そのとき、サッキーの胸に張り付いていた光り輝いていたクリスタルが点滅し始めた。エネルギー切れだ。
ドゥルガー「ほう。そのクリスタルにエネルギーを封じ込めていたのね。それ、どこで手に入れたの?」
サッキー「企業秘密には答えられへん」
ドゥルガー「まあ別にいいわ。そんなこと。それより、そろそろエネルギー切れのようね。バモイドを消さないと、あなたの生命力が吸い取られるわよ。もっとも、バモイドを消したらわたしがとどめを刺してあげるけど」
サッキー「一年や二年寿命を縮めても、あんたを倒す」
ドゥルガー「甘いわね。私を倒す前にあなたの寿命は尽きるわ」
サッキー「くそ」
サッキーはバモイドを消滅させた。
ドゥルガー「ほほほほほほほ。わたしに殺される道を選んだのね。いいわ。たっぷりかわいがってあげる」
ドゥルガーの正面で、さきほどサッキーが打ち砕かれたタルパが再生する。
再生が終わると同時に、タルパは何かを吐き出した。
サッキー「これは?」
老婆の死体だった。
トゥルガー「あら? 久子さん。とうとう生命が尽きたようね。残念だけどしかたないわね。あなたにずいぶん役に立ってもらったわ。感謝しているわよ」
サッキー「おい。この婆さん久子っていうたな。まさか、あんたらの幹部やないのか?」
ドゥルガー「ほほほほほ。その通りよ」
サッキー「それじゃあ、今動いているタルパは?」
ドゥルガー「その通り。幹部達の命を糧にして動いているのよ」
サッキー「仲間やろ」
ドゥルガー「仲間? 違うわね。奴隷よ」
サッキー「あんたなあ……」
ドゥルガー「あなたに私を批判できるの? 快楽のために、何の罪もない子供を殺したあなたに」
サッキー「それは……」
ドゥルガー「あんなひどいことをして、よくまあ生きていられるわね。死んで詫びようとは思わないの?」
サッキー「それは……」
ドゥルガー「あなたと比べると私なんかましな方よ。私がタルパに命を食わせた奴らはろくでもない犯罪者ばかり。特にうちの幹部連中は救いようがないわね。信者から金を巻き上げるわ。サリンをばら撒くわ。おかげで、私たち子供がどれだけ苦労したことか」
サッキー「みんな、あんたのお父さんの指示やろ」
ドゥルガー「私達の父がすべてを支持していたとでも言いたいの。確かにそうかもしれないけど、父を担ぎ上げた幹部達も同罪よ。あいつらが父をおだて上げたりしなければこんな事にはならなかった」
サッキー「難しい事はよう分からんけどな。あんたの親父さんが、ろくでもない宗教初めなんだら、こんなことにならなんだ」
ドゥルガー「ふん。だったら、どうだっていうの? それよりあなたはどうなの?
自分の罪をどう償うつもり」
サッキー「なんども、死のうと思った」
ドゥルガー「結局、死ぬ勇気がなかったのね」
サッキー「違う。死んでも、償いにならんて施設に人達に諭された」
ドゥルガー「馬鹿ね。施設の人間なんてあなたに死なれると責任を取らされるからそんな事言っただけよ。本当は死ぬばいいと思っていたはずね」
サッキー「そうかもしれん。けどな、死ぬことは一回しかできん。死んだら苦痛すらなくなる。僕の罪は一回死ぬだけで許されるようなことやない。生きて償いせなあかんのや」
ドゥルガー「ふん。それで、どんな償いができるというの?」
サッキー「とりあえず今は、放置しておくと確実に悪さをするあんたを倒す。それが、今の僕にできる償いや!!」
ドゥルガー「いいわ。倒して御覧なさい」
その直後、さらに一体のタルパが現れた。廊下で撃破したタルパが復活してきたようだ。
サッキーは一瞬だけバモイドを出した。
フォースを放つ。
タルパの一体に命中するが
ドゥルガー「ほほほほほ! 今の力、あなたの寿命の一か月分ね。そんな小出しの力でこの子達が倒せると思っているの」
サッキーはポケットに手を入れた。
ドゥルガー「あなたとのお喋りにも飽きたわ。そろそろ死んでもらうわよ」
二体のタルパが襲いかかる。
サッキーはポケットから手を抜いた。
ドゥルガー「なにそれ? 扇子」
手にしていた扇子を広げる。
タルパの動きが止まった。
扇子に描かれているペンタグラム五芒星の魔力だ。
ドゥルガー「悪あがきを。そんな事でタルパの動きを止められるのは精々三十秒よ」
ドドドーン!!
天井に大穴が開いたのはそのときだった。
ネバダ「サッキーをいじめるな!!」
ドゥルガー「なに?」
突然天井の穴から飛び込んできたハイパーネバダに対処が遅れた。
二体のタルパが一瞬にして砕かれる。
ネバダ「シャー!」
ドゥルガー「このガキ」
ドゥルガーは飛び回るハイパーネバダにフォースを撃ちまくる。
その時、ドゥルガーは身体の異変に気がついた。急速に皮膚の皺が増えているのである。見ると、さっきネバダに打ち砕かれたタルパがよみがえろうとしている。
ドゥルガーの生命を糧として。
ドゥルガー「駄目よ!! 今、再生しちゃ。駄目!!」
慌てて、タルパを消そうとするが混乱して制御がうまくいかない。
そして、外で戦っていた四体のタルパも生贄の生命力を使い果たし、ドゥルガーの生命力からエネルギーを吸い始めた。
ドゥルガー「駄目!! 吸わないで、消えて」
ようやくタルパの制御に成功して一体ずつタルパを消していくが六体のタルパすべてを消し去ったときには、ドゥルガーの姿は八十近い老婆となっていた。
サッキー「ネバダ!! クリスタルが点滅しとる。はよタルパを消すんや」
ネバダ「え? やだ、いつの間に」
徳田たちが宮殿に入ってきた。
徳田「勝負あったな。アーチャリーはどこにいる?」
ドゥルガー「この建物の地下よ」
徳田「そうか。ではみんな行くぞ」
徳田について全員が部屋の出口へ向かった。
ドゥルガー「待ちなさい」
徳田「なんだ?」
ドゥルガー「とどめを刺さないの?」
徳田「必要があるとは思えないが」
ドゥルガー「私には殺す価値もないというのね」
徳田「そういう事だ」
○地下牢
アーチャリー「そうか。オームはわらわ一人になってしまったか」
寂しそうに言うアーチャリーの目に涙が光っていた。
徳田「お姉さんは生き残ったが」
アーチャリー「姉はわらわの作る世界などまっぴらだそうだ。どうせ、この世界に残していっても何もできまい。ここは、ひとつ姉に滞在許可を与えてもらえないだろうか」
徳田「分かった。国王に掛け合ってみよう」
アーチャリー「では、わらわをどこへでも連れて行くがよい」
しばらく見てなかったら話しについていけなくなった・・今から読み返します
ワクワク
お待たせしました。
お名残惜しいですが、いよいよ最終回です。
○日本基地最深部
相転移ジュネレーターが稼動し、莫大エネルギーが発生した。
発生したエネルギーは伝道管を伝わって、空間穿孔砲に送り込まれる。
佐竹「エネルギー充填八十%……九十%……百% 空間穿孔ビーム発射準備完了」
佐竹は背後を振り返ってアーチャリーに言った。
佐竹「さあ、トリガーを握ってください」
アーチャリー「うむ」
アーチャリーはトリガーを握り締め、目を瞑り一心に一つの事を念じた。
アーチャリー「人の住める世界、人の住める世界、人の住める世界」
アーチャリーはなかなかトリガーを引こうとしない。
離れたところで見ているギャラリー達にも緊張した雰囲気が伝わってくる。
アーチャリーは突然クワっと目を開いた。
目もくらむようなビームが発射される。
十のマイナス三十五乗メートル以下の量子力学的領域では、ワームホールが一瞬開いては消えるという現象が常に起きている。
ビームはたまたま開いたワームホールの一つに命中した。
ビームを受けたワームホールは閉じることができずに、どんどん広がっていく。
やがて直径二メートルに広がったワームホールにエキゾチック物質のリングが詰め込まれ、ワームホールは安定した。
光り輝く空間の穴がそこに生まれる。異世界への入り口だ。
アーチャリー「では、行ってくるぞ」
佐竹「お気をつけて」
アーチャリーはゆっくりと異世界に踏み込む。
そこに呼吸できる空気はあったが、荒涼とした大地が広がっているだけだった。
アーチャリー「花がほしい」
とたんに、荒涼とした大地が花に覆われていく。
アーチャリー「神殿がほしい」
岡の上に白亜の神殿が出現した。
アーチャリー「まだ安定していないのだな。わらわの思い通りに作り変えられるぞ。この世界」
アーチャリーが戻ってきたのは、一時間後のことだった。
アーチャリー「大丈夫じゃ。人が住めるようになった」
その日がXデーとなった。
その時点までに、モナー族から許可をもらえなかった者は新しく作られたワームホールの向こうへ追放されるのである。
関谷「放せ!! 放せよ! 俺をどこへ連れて行く気だよ」
Q一「ええい! きりきり歩け」
港町を逃げ出し、ジャングルに隠れていた関谷も捕えられ、生き残ったスーフリメンバーと一緒に追放された。
R子「あーん、ダーリン。なんであたしまで追放されるの」
追放されまいとサッキーにしがみつくR子を、ネバダとひかるが二人がかりで引き剥がす。
ネバダ「あんたはミケ村虐殺事件の関係者でしょうが!! 追放されて当然よ」
抵抗しながらも、R子はワームホールに放り込まれる。
ひかる「茜祢。謝るなら、あなたの滞在許可を出していた事にしてくれるって、市長が言っているけどどうする?」
茜祢「ごめんだね。さあ、どこへでも連れていきな」
茜祢は、胸をはって異世界へ消えて行った。
アビル「優が何をしたって言うのよ。優は悪くないもん」
桃寿「あんたはこの世界に来てまで窃盗団やっていたでしょうが」
アビルは抵抗しながらワームホールに放りこまれた。
アーチャリー「これで全部か?」
佐竹「捕まえておいたのは全部です。まだ、潜伏中の者達がいますが捕まえ次第そちらへ送り込みます」
アーチャリー「では、そろそろわらわも行こう。直子と克也を連れてきてくれ」
最初の戦いの後、菊池直子と高橋克也は捕虜となって基地の一室に監禁されていたのである。
ほどなくして高橋が連行されてきた。だが、直子はなかなか現れない。
佐竹「B介君を向かえに行かせたのですが、遅いですね」
アーチャリーはサッキーの元に歩み寄った。
サッキー「なんぞ用ですか?」
アーチャリー「バモイドをよろしく頼むぞ。間違っても、わらわの世界に連れてこないでくれ」
サッキー「なんでバモイドを、そない恐れるんや? 自分で作っておいて」
アーチャリー「あの頃は小さかったからな。バモイドの設定をミスってしまった。あやつ、わらわを花嫁にしようとしたのじゃ。もう少しで殺されるところだったわい」
サッキー「それは大変やったな」
ちょうどそのとき、直子が入ってきた。大きな荷物を持って。
佐竹「あら? B介君は?」
直子「急用ができたとか言ってどっかへいってしまいました」
アーチャリー「まて。直子。なんじゃその大きな鞄は?」
直子「お土産ですわ。ほほほ」
アーチャリー「いいから、開けてみい!」
巨大な鞄の中から、猿轡を噛まされ手足を縛られたB介が出で来る。
B介「ああ、死ぬかと思った」
桃寿「もてるわね。B介」
B介「あんな、おばさんにもてても嬉しくない」
B介の背後で、直子がアーチャリーに引きずられ消えていく。
○マタタビ国国境
国境の検問所を一台のバギーが通り過ぎた。
中に乗っているのは、サッキー、ネオ、ネバダ、ひかるの四人とパイの一匹。
佐竹『あなた達はもう自由です。この世界で好きなように生きてください。ただし、モナー族に迷惑を掛けるような事はしないように。もし、そんなことがあったら、あなた達ももう一つの世界に追放します』
出発前に佐竹から言われた事をネバダは思い出していた。
ネバダ「アーチャリーの世界ってどんなところかな?」
ひかる「そうね。そんなに酷いところじゃないと思うわよ。自然環境わね。行ってみたい?」
ネバダ「ちょっと見てみたかったような、見てみたくないような」
ひかる「社会構造は最悪だと思うけど。アーチャリー女王を崇める絶対王政になっているんじゃないかしら?」
ネバダ「やっぱ、行きたくない」
ひかる「そう。でも、行きたかったら簡単よ」
ネバダ「どうするの?」
ひかる「そこらへんのねこちゃんを虐めれば直ぐに連れてってもらえるわ」
ネバダ「帰って来れなくなるでしょ」
ひかる「あはは」
ネバダ「あんた、まさかあたいを向こうに行かせたいんじゃないでしょうね?」
ひかる「なんで?」
ネバダ「サッキーを独り占めするため」
ひかる「おお!! その手があったか」
ネバダ「あのねえ!!」
ひかる「冗談! 冗談! ところでネオ。これからどこ行くの?」
ネバダ「誤魔化すな!」
ネオ「ミケ村だよ。パイを一度里帰りさせてやらないとな」
ネバダ「そういえば、そうだったね。パイはずっと帰ってなかったし」
パイ「あのう」
ネバダ「どうしたの? パイ」
パイ「里帰りさせてもらえるのは嬉しいですにゃ。でも、そのまま置いてきぼりということにはにゃらないですよね?」
ネオ「パイ。僕らに着いていきたいのか?」
パイ「はい。村の生活は退屈ですにゃ」
ネバダ「あたい達に着いてきてもいいけど、パイのお父さんがなんて言うか分からないよ」
パイ「困ったにゃ。オヤジはきっと『跡継ぎがいつまでもふらふらしているにゃ』て言いますにゃ」
ネバダ「パイって村長の息子だったわよね。そういえば」
パイ「里帰りやめようかにゃ」
ネオ「ダメだ!」
ネオは断固たる口調で言う。
ネオ「このまま里帰りしないと、パイのオヤジさんに恨まれるからな。なあサッキー」
サッキー「あ……ああ。そうやな」
サッキーはハンドルを握りながら気のない返事をする。
ネバダ「どうしたの? サッキー。元気ないけど」
ひかる「疲れているんじゃないの? 運転代わろうか」
サッキー「ええて、ええて。ひかるちゃんかて疲れているやろ」
ネオ「それにしても随分ゆっくり走るな」
ネオの口調には、若干皮肉がこもっていた。
サッキー「省ネエ運転や」
ネオ「省ネエって、これはソーラーカーだぞ」
サッキー「間違えた。安全運転や」
ネオ「そうか。ならいいんだけど。ミケ村に着くのを遅らせようとしているのかと思ったよ」
サッキーのこめかみにツーっと冷や汗が流れる。
後部シートにいるネバダとひかる、パイは知らなかったが、サッキーは
出発前にネオから釘を刺されていたのだ。
ネオ『ミケ村に着いたら、どっちを選ぶかはっきり決めろ』と。
サッキー「そないなこと言われてもなあ……どないすりゃええんや」
思わず後頭部をドツキたくなるような事を呟きつつ、サッキーはバギーを走らせ続けた。
THE END
以上で物語は終わりです。長い間ありがとうございました。
前スレから約半年、とても楽しく書かせていただきました。
そして私も、その2さんの作品を楽しく読ませて頂きました。
機会がありましたら、またこのような事をしてみたいと思います。
最後に昔のトリップをつけさせてもらいます。
終わった━(゚∀゚)━!!!
半年もあった?凄いな・・・本当にお疲れ様です。時々覗きにきてました。
ハッピーエンド?で終わってよかったです。
その1さん、その2さん、乙でした。上手く感想など言えたらいいのですが、
良かったとしか言葉がでてきません。
長い間乙です
完結したんですね。お疲れ様でした。
私は1週間に1度くらいのペースでこちらをのんびり読ませてもらってましたが、
楽しかったです。
お疲れ様でした。初めから読み直すとまた面白そうw
最後皆死ぬと思ってた
読んでくださった方々ありがとうございます。
今にして思うと、その2さんとは会ったこともないのに、よく続けられたなと思います。
これはこの板だから返って上手くいったのではないでしょうか。
文芸関係の板でこれをやったら、おそらくお互いの設定がぶつかりあって挫折したと思います。(実際に別板にそういうスレがありますので)
それとその2さんの過去レスに「人間性重視で書きたい」とありましたが、私は逆に設定重視なので互いの不足分を補う形で上手く噛み合ったのでしょう。
このスレは明後日には落ちるそうですが、たまにこのスレを思い出したらまとめサイトに遊びに来てください。
>>766-770 いつも読んでくださり、本当にありがとうございました。
リロードするたびに、皆さんの応援レスが付いているので、本当に励みになりました。
煽りの多い小藩ですが、このスレに来て下さる方達は、本当に優しい人たちばっかりでした。
また機会があったらよろしくです。
>その1さん
その1さんの書くストーリーは本当に粗がなくて読みやすかったです。
さすが作家の卵さん!
わたしもいろいろ勉強になりました。(ちなみにわたしはイラストレーター志望でして、)
文章書くのは初めてで、細かな設定で行き詰まってしまったときや、ミスったときなどに、
ナイスフォローしてくださり、本当に申し訳なかったです(汗
最終話もまかせっきりになってしまってスイマセン。
また機会があれば一緒に書きたいですね。
サイトにもたまに遊びにいかせて頂きます。では!
お疲れ様。今来て完結してて驚いた。面白かったです