山形マット死事件とは?

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424名無しさん
児玉家に対する妬みや反感も多かった。
家の塀には「ころしてやる」と落書きされた。
生意気だという近所の老人もいた。児玉家を貶めるための
根も葉もないデマがまことしやかに囁かれた。
事件に対して、「あそこの育て方なら当然」という
近所の主婦の声もあった。
容疑者の身内の子どもたちは、児玉家の玄関前で有平君の妹をとりかこみ
「兄ちゃん殺されてうれしいか」と罵った。

「遊んでいただけだ」と「やった子どもたち」を弁護する近所の主婦は
有平君の死を「飼っていた虫をうっかり死なせたようなものだ」と言う。
「人間の死に重みを感じていない」と記者たちに言われて
彼女は憤懣やるかたない。筆者はよく地元の人から、
「せっかくおさまってきたのを、ほじくりかえすな」と言われた。
だが「裏切り者」に対する憎悪はもっと激しい。明倫中のある父兄が
事件に関して正義派的な発言をした。すると、その妻が学校関係の
母親の集まりで執拗な嫌がらせや集団シカトをされた。
彼女は、精神的なショックで耳が聞こえなくなってしまった。

(1995年 『季刊 人間と教育』第7号、労働旬報社: p.70−82より)