HUNTER×HUNTER Part193【本スレ】

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「…ウボォー、質問してもいい?」
「ん…なんだよ?」
「…………」
俺の腕をさすりながら、シャルナークは照れ臭そうに言葉を続ける。
「その……ウボォーって、童貞?」
「ぶっ!?」
と、予想外の質問にテンプルを打ち抜かれ、俺は一気にマットへ沈む直前まで追いつめられた。
そんなダウン直前の俺に、シャルナークはさらなる追い打ちをかけてくる。
「俺もまだこの歳でバージンなんだ…」
「そ…そうなのか。はは…」
「笑わないでくれよ。俺、実は結構気にしてるんだから…」
「はは…」
乾いた唇を何度も湿らせ、俺はひたすらクリンチでこの場をしのぎ続けた。
先ほどのテンプルへの一撃が効いているのか、未だに思考能力の方は回復してこない。
「…流星街にいた時も、旅団の中では俺とコルトピだけだったんだよね。バージンだったのって…」
「へ、へえ…」
「コルトピはああいう性格だから、バージンでもおかしくなかったけど、俺の場合は…」
「…………」
熱く潤んだシャルナークの瞳が、次第に俺をコーナーへと追いつめていった。
同時に身体がより一層、強く圧しつけられる。
桜の花びらのような唇が上向きに俺を見つめてくる。
「俺……ずっと、バージンを捨てられなかったことがコンプレックスだったんだ」
「うっ…」
「ウボォー…」
「ま、待て。落ち着けって……どうせまた、俺のことをからかってんだろ?」
「そんな…からかってなんていないよ。俺、ウボォーにだったら…」
そしてシャルナークは、ガードが下がった俺の顔面を捉えるべく、強烈なフィニッシュブローを放った。
「ウボォーにだったら……俺のバージンあげる」
「――――!?」
頭の中で繰り返される、ボクシングアナウンサーの悲痛な叫び。
『挑戦者の強烈なパンチ、チャンピオン危うし!チャンピオン危うし!』