週刊少年ジャンプ38号
ヒカルの碁 第128局 最後の手がかり
※ネタバレです。早すぎるのでsage進行でお願いしますね!
ただ…佐為を思うがゆえの早打ち…
そのヒカルの早打ちは鬼気せまるものだった…
「パチッ パチッ 」
息を飲む周囲の人たち…いつしか声を発する者は誰もいなくなった…
ただ、対局する2人の表情を見れば、盤上の形勢は明白だった…
「負けました…」
「よしっ 佐為どうだっ………」
ヒカルは喜びに満ちた顔をいないはずの背後の佐為に向けた…
だが、その表情は空しさに変わる…
…かつて喜びを分かち合えた者が、ここにはいないことに…
「秀策の東京のお墓ってどこですか?」
「巣鴨もなんゆうたかのう…ああ…本妙寺じゃ…」
マスターの言葉を聞いて河合さんを連れて碁会所を出ようとした時、
周平が突然呼び止めた…
「車で駅まで送ったる!来んさい!」
……駅に向かう車の中…周平は改めて先の一局について語った…
「新藤君…今日は完敗じゃあ…」
「夏の国際アマ大会ん時にゃあ上京するけェ…そん時また手合わせしてくれんね」
広島から東京に移ったヒカルは早速、本妙寺に向かう…
だが佐為はいなかった…墓の側で腰を落とすヒカルに河合さんが声をかけた…
「もういいか?ったく昨日今日とさんざんうろつき回ってよ…
何やってんだよ!何か探してんのか?棋院にはねーのかよ!
碁のことなら おまえやっぱり棋院だろ?」
夜…河合さんと別れて自宅に戻ったヒカルは、部屋の壁にもたれた…
「疲れた…」
朦朧とする意識の中で、ヒカルは河合さんの別れ際の言葉を思い出した…
「棋院か…もう一度だけのぞいてみようかな…」
「ヒカル!ちょっと こんな時間からどこ行く気!? もうすぐ晩御飯よ!」
止めようとする母を振り切り、夜の外に飛び出すヒカル…
まるで何かに導かれるように棋院に向かって歩き始めた…
「やっぱりいない…」
シンと静まり返った棋院の中で、ヒカルはただ呆然とするだけだった…
「いない…ここにもいない…佐為…なんでいなくなったんだ…わけ分かんねェよ…
前にお蔵でお前が言っていた…自分がもうじき消えるって…
オレも気にしなかった…だって佐為が消えるなんて考えたことがないんだ…」
…オレは本当に考えたことがなかったんだ…佐為…
「おや 新藤君…何してんの?こんな時間に」
その時、明かりの付いた事務室のほうで人が見えた…
その姿は会館の受付のおじさんだった…
「ねェどこか…知らない? オバケの出そうなとこ!」
「お…おばけ!?……アッハッハッ!!」
笑われてふと我に戻ったヒカルは、慌てて会館から出ようとする…
「あっ待てよ!あそこならホントに出るかも!」
ポン!と手を叩いたおじさんは、ヒカルを通路の奥に通した…
そこにはヒカルの知らないドアが見えた…
「この部屋のことは知らなかった?」
うなづくヒカルを横におじさんはカギでドアを開けた…
「ここは…」
電気がつけられた部屋を見てヒカルは驚いた…
ヒカルの見たものは果たして何なのか?