聖闘士星矢の女性キャラ

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「本当か!?」
ミロは、はからずもこんな可愛い子を手に入れる事が出来たと喜びかけたが、はたと気付いた。
「……お前、も?」
シャイナはフッと、自嘲ぎみに笑った。
「わたしの素顔を見たのはお前が初めてじゃないんだよ。まず……」
シャイナは指折り数えはじめた。
「星矢だろ、アイオリア、カシオス、氷河、瞬、邪武、蛮、檄、市、那智……」
「な……、そんなに見られてるのか!?」
「カシオスはもういないから……。だからお前は、10人目だ」
シャイナは力なく微笑んだ。
「じゅ、10人目……」
ミロの表情が暗くなる。
「ひとつ聞くが……それは先着順なのか?」
「取りあえずね。こんなに見られたの他にいないみたいでさ。どうすりゃいいのか……」
シャイナは投げやりに応えると、腕時計を見た。
「あ、飛行機の時間に遅れちまう。じゃ、そう言う訳だから。またな、10人目の愛しい人」
シャイナは素っ気無くそう言うと、ミロを置いて歩き出した。
『い、愛しい人……』
口調に感情がこもっていないのと、何人目かは別として。
<愛しい人>という言葉に、ミロの胸が、きゅっと疼いた。
「はッ。待てシャイナ、どこへ行くんだ!?」
「日本だよ。星矢を見舞いにね」
シャイナはミロを振り返ると、これまでとはうって変わって晴れやかな表情を浮かべて言った。
「く、星矢め。1人目だからって……」
シャイナの姿が人波に紛れていく様を見ながら、ミロは呟いた。