今週のチャンピオンは?参

このエントリーをはてなブックマークに追加
880ハンター×ハンター批評
このスレで一貫した批判は「リアルではない」である。
その通り。ハンターはリアルな漫画ではない。冨樫の作風も考慮して説明する。

ハンターはゲーム、特にRPGをベースに考えてみると分かりやすい。
まず世界観は冨樫自身が舞台を考えたアンリアルワールドであり、RPGの舞台設定と同じものだ。
念は魔法であり、旅団はレベルが低い主人公達には勝ち目が薄いボスキャラ達である。
ハンターのキャラクター達はこのアンリアルワールドに設定されたゲームキャラであり
プレイヤーの視点を持つ”勇者”的存在であることは異論はないだろう。
旅団が細かく描かれているだけにこちらも主役(プレイヤーキャラ)に見えるかもしれないが
それは今週号のゴンとクロロの会話「なんで関係ない人を殺せるの?」は
ゴン=正義(プレイヤーキャラ)VSクロロ=悪(敵ボスキャラ)というゲーム的構図を明確にし、
勇者であるプレイヤーキャラが敵ボスと対決するという動機付けを行っており至ってゲーム的である。

つまり、ハンターの世界では冨樫が設定したゲーム世界の中にキャラクターを置いて、
そのキャラクターが設定の中でどう行動するのか?設定の中で何が起こるのか?
ということが最大の面白さである。
ゴン達はレベルが足りないので真っ向から戦えば旅団にはまず勝てない。
これがこのゲーム内の枷・設定で、例え「根性」があっても「心意気」があっても勝つことは
そのゲーム世界の崩壊を意味することから絶対にあり得ない。
だからこそ、ゴンと旅団が面と向き合えば何時死ぬか分からないという緊張感を生む。
クラピカの命を賭けた覚悟による反則的パワーアップという設定も至ってゲーム的だ。
戦士キャラは魔法が使えない代わりに力が強い。魔法キャラは魔法が使える代りに力が弱い。
つまり、クラピカは命を賭け旅団以外を攻撃できない設定をしたからこそ、旅団相手に力を発揮する。
881ハンター×ハンター批評(続き):2001/03/20(火) 12:18
これでハンターの面白さの構造は理解してもらえたと思うが、
これを面白くないという批判は「この設定された世界観が閉鎖的でリアリティがない」というモノだ。

この設定世界自体を面白くないと感じることは「ゲーム・RPGの設定が面白くない」ということになる。
「根性があってもレベルが足りないのでボスキャラは倒せない」
この設定自体がウソっぽいというのは間違いであり、この世界観ではこれがリアルなのだ。
つまり『ウソの設定世界の中で起こるリアル』なのだ。
一部の人はバキを例に取って批判しているが、バキは『リアルの設定世界の中で起こるウソ』なのだ。

これがどう違うというのだろうか?
「リアルである・リアルでない」ということは漫画の面白さには関係がないのは明白だろう。