元ジャンプ編集長が集英社に辞表、独立

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3名無しさん@お腹いっぱい。
新会社の資本金は8200万円。堀江、原、北条の3氏が各1000万円、大手出版社の「新潮社」が33.4%(2800万円)出資している。「新潮社とは隆慶一郎さんが小説をマンガ化したときから十数年のお付き合い」という。

新潮社からはヘッドハンティングの話も持ちかけられたが、「もうサラリーマン生活は…。辞表を出したことは、サラリーマン失格ということ」と断った。

堀江氏は早大法学部卒。昭和54年、集英社に入社し、「週刊少年ジャンプ」編集部に配属。若手編集者時代、北条氏のデビュー作「キャッツ・アイ」や「シティ・ハンター」を担当。

大ブームを巻き起こした「北斗の拳」(作・無論尊、画・原哲夫)も堀江氏抜きでは誕生しなかった。主人公ケンシロウが駆使する「北斗神拳」は全エネルギーを集中して相手の経絡秘孔(けいらくひこう)を一撃、カラダの内部から破壊するという殺人拳だが、このアイデアも、「お前はすでに死んでいる」という決めセリフを考えついたのも堀江氏で、「北斗の生みの親」(原氏)。

平成5年にジャンプの5代目編集長に就任した堀江氏は、635万部という週刊誌史上最高の発行部数を記録した。だが、社内の派閥争いに巻き込まれ2年で編集長を更迭され、「『メンズ・ノンノ』『BART』の編集長と冷や飯を食わされてきた」(同社関係者)。

それでも、『BART』では原氏の「公権力横領捜査官 中坊林太郎」などを連載し、好評だったが、昨年暮れに突然の休刊通告。その後、「デジタルメディア部企画室室長」への異動を命じられたのを機に、4月に辞表を提出し、5月末で退社。「ほとんど慰留されなかった」。

現在は社長業で忙しい毎日だが、「マンガは世界に通用するメディア。創作力の触媒となるべき編集者の質も高めたいし、この会社からいろんな雑誌へ質の高いコンテンツを供給したい」と張り切っている。

すでに、新潮社が来春創刊する計画のマンガ週刊誌(誌名は未定、創刊時約50万部の予定)を請け負い、雑誌のコンセプトづくりを進めている。新雑誌では、古巣の集英社などと全面対決することになるが、堀江氏は、「ライバルですか? いまの少年ジャンプですね」と、意欲満々だ。