【漫画家リレー小説】新生 えなりの奇妙な冒険 第二部
1 :
作者の都合により名無しです:
○このスレッドは漫画家リレー小説『えなりの奇妙な冒険』のリニューアル(リセット)版である!
○ただし内容に関連性はないため、旧版を読む必要はない!
前スレ
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/csaloon/1182416885/からの続き、いくぜ!!
○リレー小説は割り込み上等!文章の質も基本的に問わない!!
「この先こうなったら面白い」「あの漫画家に活躍してほしい」などと思ったら自分で書いてみよう!!
○無計画な規模の拡大による空中分解を防ぐための特殊ルール『人数制限』について!
・登場漫画家は60人まで(一般兵などの雑魚キャラは除く)
・漫画家の登場、退場(死亡、自主退場など)を書かれた方は、作品の最後に
登場人数、退場人数、残り人数を書く
・定員以上の漫画家を出したいときは、誰かの退場まで待つこと。但し、
出したいからといって瞬殺はNG。納得のいく退場描写を心掛けるべし
・書きたいキャラがいたら早い者勝ち
○その他読み手書き手の守るべきルールというかマナーを以下に記す!
・ストーリーの流れは把握すること
・メインは漫画家。漫画のキャラは出さない
・誤字脱字の訂正は最小限に抑える
・細かい設定、言葉遣いの失敗には優しく対応
書き手も人間、失敗はあるもの
・指摘は優しく。罵倒と助言は違う
・リレー小説に割り込みは付き物。割り込まれても怒ったりせず、それに合わせて話を考えるように
★前回までのあらすじ(可能なら前スレを読んでおくことをお奨めします)
漫画家が自作の能力を持つ、この世界とよく似ているがここではないどこかの世界。
この物語は、そこに生きる漫画家達の生き様を描いた一大叙事詩であ……ったらいいなという願望。
かつて矢吹健太朗が世界を牛耳らんとして起こした大戦は、漫画界の自由闊達な発展を願う
勇気ある漫画家達の活躍により、矢吹の敗北という形で幕を閉じた。
矢吹大戦の直後、『鬼畜・劣情・勝利』を旨とする秋田書店が小学館との間に戦争を起こす。
この戦争は数に勝る小学館の勝利に終わり、秋田書店は屈辱的な講和条約を結ばされることとなる。
それに反発する一部過激派勢力がゲリラ化、それらの掃討を進める小学館と散発的な戦闘を繰り返している。
21世紀初頭、CLAMPや赤松健を始めとする講談社の幹部連が突如として乱心、
少女漫画界への侵攻と武内直子の拉致、敵対者や不賛同者の洗脳など蛮行を繰り返す。
どうやら目的は洗脳装置を用いた精神支配による『ノアの洪水』を起こすことらしいが、これですら真実であるという確証はない。
彼らの手を逃れた少女漫画家であるPEACH-PITや竹本泉達は高い戦闘能力を持つ少年漫画家達に助けを求め、
来るべき戦いに備えようとしている。
それと同時期、秋田書店の車田正美と板垣恵介が集英社(週刊ジャンプ)を急襲、多数の漫画家が重傷を負ったとされるが被害の全容は不明。
またこれに便乗する形で講談社の真島を始めとする一団が秋田書店を装って集英社を襲撃、現在も戦闘中である。
これら大きな動きの他にも、国会議事堂での荒木&皆川対CLAMPや山中での留美子&椎名対藤田など各地で小規模な戦闘が頻発しており、
これから事態は一層混迷の度を増すと思われる。
3 :
集英社:2008/05/25(日) 19:35:47 ID:ovI0mTI80
・荒木飛呂彦 【ジョジョの奇妙な冒険】【SBR】
皆川を追ってCLAMPの隠れ家を襲う。
大川緋芭およびいがらし寒月と戦闘、これを破る。
なお、スタンドの切り替えに一分程度かかるらしい。
・皆川亮二 【PEACE MAKER】 【ARMS】
皆川“ピースメーカー”亮二。
PEACH-PITを襲ったCLAMPに急襲を掛ける。
中国拳法やARMSを使う。
現在猫井椿と戦闘中。
・大暮維人 【天井天下】【エア・ギア】
皆川と荒木にPEACH-PITの一件を伝えた後、ウルトラジャンプ編集部にいたが
秋田書店(正体は講談社)の襲撃に対して防衛任務に就く。
現在は久保帯人と戦闘に入りそうな気配。
・尾田栄一郎 【ONE PIECE】
・岸本斉史 【NARUTO】
車田に襲われ重傷。
・冨樫義博 【幽☆遊☆白書】【HUNTER×HUNTER】
休載を超えた休載漫画家。
CLAMPに拉致された妻の武内を救出しようとした折りに福地と知り合う。
東を拘束後、小学館の浦沢と共に集英社へ向かう。
・柴田ヨクサル【ハチワンダイバー】【エアマスター】
三浦と共に板垣と戦闘中。
板垣の猛攻により重傷を負っているが、起死回生の策があるとかないとか。
4 :
集英社:2008/05/25(日) 19:36:19 ID:ovI0mTI80
・鳥山明 【ドラゴンボール】
・和月伸宏 【るろうに剣心 −明治剣客浪漫譚−】【武装錬金】
冨樫と共に集英社へ行き、岸本から事の顛末を聞く。
その後許斐と車田の戦闘があった廃ビルに向かう。
・許斐剛 【テニスの王子様】
COOLなテニス漫画家。
車田を相手に互角以上の戦いをするが、幻術?により敗北。
どうやら戦闘の余波で集英社を破壊させられたようだ。
車田を追撃し戦闘になるも、どうやら敗れたらしい(明言はされていないが)。
現在は生と死の間にてドン引きしたり突っ込みを入れたりしている。
・本宮ひろ志 【風のJIN】【サラリーマン金太郎】
・猿渡哲也 【TOUGH】【傷だらけの仁清】
集英社で雑談中。
・岡本倫 【エルフェンリート】【ノノノノ】
襲撃してきた星野を殺害。眠りについていた?
5 :
小学館 :2008/05/25(日) 19:37:39 ID:ovI0mTI80
・椎名高志 【絶対可憐チルドレン】【GS美神 極楽大作戦!!】
超能力者で霊能力者だが煩悩の塊。
留美子と協力?して藤田を倒す。
・高橋留美子 【犬夜叉】【らんま1/2】
サンデーの重鎮。巫女さん→ビキニアーマーで美人で巨乳。椎名のセクハラに悩まされている?
講談社に操られた藤田和日郎と戦闘、これを破り正気に戻す。
このスレのオリジナル技『るーみっく・わーるど』を持つ。
・浦沢直樹 【20世紀少年】【MONSTER】
小学館ビッグコミックスピリッツ支部長にして小学館屈指の策士。
青山とちょっとした?遺恨あり。
冨樫に連れられて集英社へやってきた。
・雷句誠【金色のガッシュ!!】
小学館を襲った秋田書店(正体は講談社)の軍団と戦闘中。どうやら病み上がりらしい。
・藤田和日郎 【月光条例】【うしおととら】
サンデー屈指の実力者。
講談社に単身?戦いを挑むが敗北、洗脳されて留美子と椎名を襲う。
留美子に洗脳を解かれ、彼女らの仲間に復帰した。
6 :
講談社:2008/05/25(日) 19:39:16 ID:ovI0mTI80
・大川緋芭
・猫井椿
・もこな
・いがらし寒月 【ツバサ−RESERVoir CHRoNiCLE】【ちょびっツ】
四人でCLAMP。
人類の行く末を憂い、洗脳装置を使ったマインドコントロールによる『ノアの洪水』を起こそうとしている。
そのために必要な『銀水晶』を持つ武内直子を誘拐。
大川といがらしは荒木飛呂彦と戦闘するも敗北。大川は生死不明。
猫井は皆川亮二と戦闘中。
もこなは国会議事堂地下の隠れ家にて待機。
・赤松健 【魔法先生ネギま!】
CLAMPに時間跳躍弾を渡したり福地にえなりの居場所を教えるなど暗躍。
集英社襲撃に参加している。
・光永康則 【怪物王女】
安西を自らの血で蘇生させる。
その研究所を出るが目的等は不明。
・真島ヒロ 【FAIRY TAIL】【モンスターハンターオラージュ】
パクリ四天王の一角。
安西を唆した後、久保や星野と共に集英社を襲撃する。
ファンタジー作家のはずが何故かヤンキーっぽい。
・久米田康治 【さよなら絶望先生】
科学者。洗脳装置などを作っている。
有能なのだが些細なことで絶望するダウナー系。
・(畑健次郎)
久米田康治の弟子であり執事。結構かわいい男の子。
・(安西信行)
藤田の弟子。(元)パクリ四天王の一角。
秋田のゲリラに殺されるが、光永の血で蘇る。
真島に唆され、小学館への復讐を誓う。……のだが決心ぐらつき気味?
・(久保帯人)
集英社を裏切り、講談社に所属。
集英社襲撃に同行し、大暮と戦闘に入りそうな気配。
・(川下水希)
集英社を裏切り、講談社に所属。
久保&星野と共に矢吹健太朗を誘拐し、洗脳する。小悪魔。
・(矢吹健太朗)
(元)パクリ四天王の一角。
かつてパクリ漫画家として世界を支配しようとしたが、敗北。
その後作画担当としてラブコメを描くまともな漫画家になった。
久保たちに拉致され、河下に洗脳されて集英社襲撃に参加。
現在集英社にて岡本と対面中。
・藤真拓哉
赤松の弟子。
星野とさいふうめいを殺害後、福本を暗殺しようとするが福地達に阻まれる。
・小林尽
・瀬尾公冶
・寺嶋裕二
・篠原知宏
講談社の作家。
☆秋田書店
・車田正美
秋田書店の命で集英社を襲撃後、福本伸行の暗殺に向かう。
一度不覚をとったため配下の岡田と由利に任せ、
自身は追撃してきた許斐と戦闘。どうやら勝利したらしい(明言されてはいない)。
・板垣恵介
秋田書店筆頭。かなりの戦闘狂。
現在柴田ヨクサル、三浦健太郎と戦闘中。
・山本賢治
秋田書店元過激派幹部。
小学館勢力に拷問、暴行を受け瀕死の重傷を負ったところをヤマグチノボルに召喚される。
その後ヤマグチを食べて回復、みなもと悠と共にアライブでラブコメしていたが変態扱いされて仕置きされた。本当はド変態。
・佐藤健悦
山本の弟子。小学館に襲われ、死亡。
現在『生と死の狭間』にて光原、吉富、高橋(葉)、許斐らと共に状況を説明したりしながらのんびりしている。
重症のマゾヒストな上非常にかわいい男の娘。
・青山広美
・山根和俊
いろいろあって秋田書店に流れてきた。
情報収集などを行っている。
車田&板垣による集英社襲撃の事後処理難航中。
・岡田芽武
車田の舎弟。
獅子の黄金聖衣を身につけており、それから車田の力を得ているらしい。
由利より強いらしいが、PEACH-PITに敗北。
・由利聡
車田の舎弟。
木刀(聖剣?)を持っており、それから車田の力を得ているらしい。
車田の命を受け福本を襲撃するが、福地、東、藤真らの乱入のため失敗。
ちなみに岡田より弱いようだ。
・余湖裕輝
100人いる。
肉弾戦と治癒力には自信のあるウルフガイ。
満月時には人狼化し能力が上がるが、なにぶん見た目化け物なので目立つ。
☆えなりと仲間たち
・えなり
本編の(名目上の)主人公。玲奈と共に数少ない漫画家でない登場人物。
ロックバンド『えなりん』のボーカルをつとめているが、売り上げ不振により借金地獄に陥る。
福本伸行に唆され麻雀をやっていたら車田、岡田、由利に襲われた。
PEACH-PIT、福地、東の助けもあり辛くもこれを撃退、集英社に向かおうとしている。
・福本伸行
何をたくらんでいるのかえなりを『仕事』に誘う。
それとは別に星野、さいふうめいと麻雀勝負中、車田の襲撃を受ける。
また講談社にも狙われているが、理由は不明。
・えばら渋子
・千道万里
二人合わせてPEACH-PIT。
武内直子の依頼によりえなりに会い、CLAMPの野望を阻むため戦う。
車田正美配下の岡田芽武を下した後、福本その他と合流。
ヤングジャンプに移籍したコネから集英社の協力を仰ごうとしているようだ。
・福地翼
打ち切り同然の境遇にいたときに冨樫と会い、行動を共にする。
東を拘束後、赤松の言に従いえなりに会いに行く。
その後対由利・藤真戦を経てえなりたちの仲間に加わった模様。
・東まゆみ
元は矢吹の秘書をしていたが、なぜか『エンジェル部隊』の部隊長になっていた。
冨樫と福地の襲撃を受けて捕獲され、赤松に解雇宣告される。
他人と同契(リアクト)することで武器に変身する種族エディルレイドであり、えなりと同契する。
☆その他・無所属・不明
・武内直子
重要そうなアイテム『銀水晶』を持っている。
CLAMPに拉致され、昏睡中。
・高橋葉介
・光原伸
・吉富昭二
生と死の間にて佐藤と許斐を案内(?)中。
・三浦健太郎
ヨクサルと協力して板垣と戦闘中。
板垣の猛攻を受け、戦闘不能?
・玲奈
えなりの姉でジャーナリスト。
武内誘拐事件を探っていたが、講談社に捕まる。
CLAMPの企みを知り、阻止しようとしている。……はずなのだが何やら久米田達と仲良くしている。
・安彦良和
『神』に戦いを挑むも敗れ、死亡する。
と思ったらそれは平行世界での出来事だったらしい。
こちらの世界では今のところ平和に暮らしている。
・長谷川裕一
安彦が『神』と戦い、敗北した平行世界に登場。
地球へ奇跡的な生還を果たしたところを竹本に召喚?される。
情報収集という名目でコミックとDVDを40万円ほど衝動買いしてしまった。
☆退場者
・ヤマグチ・カナリア・グリーングリーン・ストライクウィッチ・ノボル
絵師を使い魔として召喚しようとしたら何の間違いか山本を召喚してしまう。
その後山賢に食べられてしまった。合掌。
・竹本泉
自称少女漫画家。
平行世界移動+平行世界の一部入れ替え(ただしほぼ制御不能)が出来、長谷川裕一を召喚する。
退場したのはマイナーだとか使いづらいとかいった大人の事情らしい。たぶんまだ山中の家で漫画を書いているだろう。
・西条真二
戦後処理の一環として秋田書店から小学館に移籍するが、
「小学館の漫画家達にゴリラと将棋打たせるわ
麻薬入りのスープや勃起と鼻血が止まらなくなる料理食わせるわ
好き勝手して挙句の果てにロリ孕ませて年表書いて逃亡」した。
・高橋ヒロシ
戦後処理の一環として秋田書店から小学館に移籍するが、
「移籍早々サンデーに殴り込んでそこの漫画家に
片っ端から喧嘩売って、一日で半分近くの漫画家を血みどろの
ボコボコにした挙句、予告も無しに逃亡」した。
・星野泰視
・さいふうめい
福本と麻雀勝負をしていたが、車田の襲撃で勝負は中断。
その後藤真に殺害される。
・みなもと悠
秋田書店月刊チャンピオン恋愛部門担当にして現アライブ恋愛部門臨時担当。らしい。
山本をボコった後ラブコメ状態に入ったが、結局山本のセクハラにキレて退場。
・星野桂
集英社を裏切り、講談社に所属。
集英社襲撃に同行していたが岡本に殺害される。
現在の人数:60/60
★オリジナル設定
・エンジェル部隊
講談社に心酔する同人漫画家をサイボーグ化した実働隊。
早い話が兵士A,Bである。
・るーみっく・わーるど
高橋留美子の能力。
特殊な力場を展開し、その中に自分の漫画のルールを適用させる。
さまざまな行動が適用された漫画内における制限を受けると考えてもらえばいい。
例えば『うる星やつら』や『らんま1/2』使用時に爆発を受けてもダメージにならない、など。
テンプレここまで。
それでは始めい!
「いやー、悪い悪い。ホントはもうちょっと威力を抑えるつもりだったけど
車田のヤツの事考えてたら、オラつい力が入り過ぎちまって…」
鳥山がいつもの調子で喋りながら超上空から降りてきた。
和月はさっきまで文句の一つでも言ってやろうと思っていたが、
鳥山のいつも通りのその様子を見て、何か馬鹿馬鹿しくなって止めた。
「もういいよ、鳥山先生。それよりさっきの話の続きなんだが。」
和月が「ヘルメスドライブ」を再び展開しながら鳥山へ話しかける。
「何だ?」
「先程の反応はそっくりそのまま健在なんだ。」
「車田!あのヤ」
「落ち着け鳥山先生!」
鳥山が激昂して再び穴へ衝撃波を叩き込む前に和月が口を挟んだ。
「落ち着いてくれ、鳥山先生。あと話は最後まで聞いてくれ。」
「…あ、ああ。すまねぇな和月。」
思った以上にカッとなりがちな先生と一緒だと話が進まねぇ、と和月は思った。
そしてそのころ小学館の三人だが
「…小学館はPEACH-PITに手を出すな。この件は集英社が処理する、との通達です。」
「何ですって!」
「マジ…いや、本当か椎名ァ!」
椎名の受けた通信の内容に留美子と藤田の二人が驚愕していた。
「…それで、その他には何て?」
眉を顰めながら、留美子が椎名へ尋ねる。
それに対して椎名は留美子よりさらに眉間の皺を深くして吐き捨てた。
「…近日、他社からの大規模な襲撃が予想される為、小学館は一時的に
一ツ橋グループの一員として集英社の命令系統下に入る事になった。
俺達は一度小学館本社へ戻り集英社からの命令があるまで待機、と。」
その言葉を聞くや否や、藤田が傍にあったビル屋上によくある
ジャンプの巨大看板を殴り倒した。
一方集英社近くの路地裏では柴田ヨクサルが
「 い゙ だ が ぎ い゙ い゙ い゙ !」
涙と鼻水と涎と血を吐き散らし、眼前の巨凶の名を
「 い゙ だ が ぎ い゙ い゙ い゙ い゙ い゙!」
かの地上最強の生物、板垣恵介の名を叫び
「 い゙ だ が ぎ い゙ い゙ い゙ い゙ い゙ い゙ !」
声の限り叫びながら猛然とその巨凶へ向かって駆け出した。
その無様にも壮絶な様を見て板垣は笑みを消した。
さっそくキターー!!
18 :
名誉回復:2008/05/29(木) 06:43:10 ID:BnTObuS10
「う…おおおおっ!!」
数十本の剣が同時に突き出されるような猫井のラッシュを、皆川がナイフで受け止める。
そのまま拳が戻るのに合わせてナイフを突き出したが、これは素早く飛び退いて避けられた。
ともかく勢いに乗り一気に追撃する。と見せかけて一旦間をおき、ちょうど猫井が動き出すタイミングに合わせて今度こそ本当の攻撃、箭疾歩を繰り出す。
だが猫井の選んだ技が悪かったかそれとも彼女の技量が皆川の読みを上回ったのか、
既に動きだしていた体が素早く回転して皆川の拳を避け、さらにその回転を利して後ろ回し蹴りを放ってきた。――
議事堂入口付近での戦闘は見た目こそ上空でのそれより地味だったが、驚嘆すべき技の応酬が間断なく繰り広げられていた。
惜しむらくはこの戦いを見届ける観客がいないこと、そして私にこれを描写し得る技量がないことであろう。
故に今一度、目に見える変化が生ずる瞬間まで場面を送ることをお許し願いたい。
……猫井も皆川も、各々の理由により激しい焦燥にとらわれていた。
猫井はここで下手を打てば計画に多大な支障を来しかねない相手との戦いであることを直感し、
皆川は単なる誘拐あるいは未遂事件だと思っていたものの奥に潜む邪悪な影の存在を薄々とだが感じていた。
さらに共通して先刻の光と熱が自分の仲間に害を与えたものではないかという疑念がある。
とはいえ二人の思いは一つ。
どちらかが倒れなければならない。
先に動いたのは、猫井だった。
だが、普通の人間には動いたとはわからなかっただろう。
それほど高速の刺突だった。
時の止まった世界で放られたナイフのように、一瞬のうちに剣先が皆川の左胸に迫っていた。
しかも、ただの、レイピアではなかった。
刀身は一面霜に覆われ、周囲を雹と霰が舞っている。『氷の刃』だ。
かすっただけでも凍傷は確実、直撃したなら腕だろうと足だろうと、心臓までも凍り付いてしまうだろう。
19 :
名誉回復:2008/05/29(木) 06:43:57 ID:BnTObuS10
皆川はそれを視て、避けた。前に。右手のナイフで。
『水の心』。近接戦闘時における、皆川亮二の基本にして奥義。
意識を集中し、自らを見ることで相手の動き考えを読む。怒りからも憎しみからも解き放たれた『心の自由』を旨とする概念である。
さすがに素手で受け流すわけにはいかぬ細身剣を超振動ナイフで受け、高い熱伝導性故に瞬時に凍り付いたそれを手放して猫井の懐に潜り込む。
そして、
「七月先生……技を借ります!! まあ俺もKYOでバーチャをちらっと描いてるってことで、どうか一つ!」
「まずい!これはまさか…!」
「「八極拳……」」
会心と痛恨、二つの声音が同じ語を口にした直後。猛烈な震脚が大地を揺らし、木の葉を散らせ、地表の雨水が再び宙に浮いた。
「裡門、」
剣を受けた右手をそのまま流れるように後方へ引いて、攻撃を逸らすと同時に肘撃ちを入れる。
「頂肘!!!!」
猫井には、爆弾を水月に叩きつけられたとしか思えなかった。
「が……はァッ!」
X0キログラムの体がゴム弾のように吹き飛び、木立に飛び込んで雨露と青葉の雨を降らす。
皆川の位置からでは姿は見えないが、おそらくもう戦うことはできまい。
と、普通の人間なら、いや漫画家でも思うのだろうが、彼等ほどの達人ともなれば、残念ながら借り物の技程度では倒れない。
「……どうしたの?追撃してこないの?チャンスのはずよ。」
先ほど受けたであろうダメージからは想像できないほどしっかりとした猫井の声が響き、
「はっ、よく言うぜ。俺が調子に乗って飛び込んできたら、さっきのレーザーで反撃するつもりだったんだろうが。」
返す皆川も驚いた様子は見られない。両手に炎のようなものを掲げ、猫井の出方をうかがっている。
「…そうね、当たりよ。でも、わかったところでどうするの?ライト・オブ・ソウルはカウンター専用技じゃあないのよ。さっきの何とかウサギはもう一回使えるのかしら?」
そう言いながら猫井は腰を落とし、ライトオブソウルの構えに入っている。
対する皆川の手は炎を纏い、そこだけが真夏の早朝であるかと錯覚するような白煙を振りまいていた。
「やっぱり無理みたいね。……それにしても、そんな炎で私と打ち合えるはずがないってことぐらい、わかりそうなもんだけど。」
哄笑する猫井だが、皆川はうろたえるでも馬鹿にするでもなく、変わらず澄んだ光と燃え上がる闘志を湛えたまま真っ直ぐに猫井を睨んでいる。否、見つめている。
20 :
名誉回復:2008/05/29(木) 06:44:18 ID:BnTObuS10
「……嫌な目ね。よっぽど自信があるの?レーザーに炎で、しかもこんな雨の日に勝てるとでも……思ってるのかしら!?」
不快感と不安感を振り払うように猫井が叫び、剣を上空高く放り投げた。その行為が意味するところは明白だ。
時間が不自然にゆっくりと流れる。雨粒一つ一つの落ちる音が聞こえるほど、両人の感覚と精神が研ぎ澄まされていく。
空中の剣が上昇を止め、寸毫の時間空に留まったのち、地に向かい始めた。
猫井の全身が発光し、純白の破壊が今にも溢れ出さんとする。
皆川の両手が発火し、触れる雨粒を乳白色の霧に変える。
剣が次第に速度を増しながらその瞬間へのカウントを進め、どこか上空で鉄の塊が何かにぶつかる音がした。
室内灯の煌々と灯るビルディングすらも息を潜め、やがて訪れる激突の瞬間を畏れている。
いまや互いのエネルギーは臨界点に達し、弾薬庫の留め金はすぐにも弾け飛びそうだ。
そして、まったく突然に停滞していた時間が激流となって流れ出た。
雨音は捕らえられぬ雑音となり、風は渦を巻いて荒れ狂い、立ち木は戦くように騒ぎ立てた。
しかし、外界の喧騒が彼らの目に入ることも、耳を騒がすこともなかった。
修羅場に匹敵する極限状態にある漫画家としては、それは当然のことであるが。
剣が突き立ったのは、偶然か必然か二人のちょうど中間だった。
二人が動いたのは、まったく同時だった。
だが、光と炎では速さが違った。
炎が皆川の手を離れるのとまったく同時に、猫井の光条は標的に着弾していた。
そして猫井の視界が色と形とに抽象化されたそれから、通常のものに戻っていた。
もはや外界の情報を精神集中を乱すものとして遮断する必要はないからである。
そのとき猫井が見たものは、一面の白だった。
純白、乳白、灰白、その他あらゆる白色があった。
困惑しつつ視野を広げると、眼前の白は立ち込める霧であり、それは降り続く雨に急速に薄れていこうとしていたのだとわかった。
だが、なぜそんなものがあるのか。そう思い目を凝らすと、その中で何かが蠢くのが感じられた。
「まさか……」
そう彼女がつぶやくより早く、霧の帳から飛び出てきた皆川亮二が彼女に向けて蹴りを繰り出してきていた。
「まさか!あの火は私を攻撃するためじゃなく、ライト・オブ・ソウルを防ぐために!?
そんな馬鹿な!!ありえない!!!」
だが、いかに信じがたいことであろうとも皆川がほぼ無傷であるという事実、猫井が今や狩られる側であるという現実は揺るぎない。
21 :
名誉回復:2008/05/29(木) 06:44:40 ID:BnTObuS10
――どの漫画家にも、『得意な演出』『お気に入りの表現』というものがある。
通常それらはそれぞれ物語の中に組み込まれ、独立した存在でしかない。
だが、一回々々は単体であっても、その漫画家の全作品を(あるいは主要なものだけでも)俯瞰したならば、必ず『似た展開』『お得意の表現』が見つかるはずだ。
そして、漫画家の中でそれらは時と共に蓄積されてゆき、やがて名を持たないが確かに存在する『技』へと昇華する。
皆川にとって、『水蒸気でレーザーを無効化』はその最たるものだ。
あえて完全な敵役の能力である発火能力を使ったのも、今の環境と相手の性質から半ば無意識に選択したためだ。
「長かったぜ……。いい、戦いだった。心からそう思うよ。」
皆川が誰に言うともなくそう呟く。
「だがよ、これで終わりにしようや。」
皆川の体がバネのようにねじれ、右足が急な角度で上昇する。
「……そうね、いい戦いだったわ。」
猫井がそこまで言葉を紡いだとき、皆川渾身のハイキックが彼女の頭部に炸裂していた。
「でも……一つだけ、間違ってるわ。……」
見開き二ページに相当するキックを受けて倒れようとしながら、なおも猫井は語る。
「……これは終わりなんかじゃない…これは……」
皆川も蹴りを繰り出した姿勢のまま、彼女の言葉に耳を傾けていた。
「……始まり……よ………。」
そう言い残し、猫井椿もまた、地に倒れ伏した。
22 :
名誉回復:2008/05/29(木) 07:34:34 ID:BnTObuS10
雨は、ようやく収まってきたようだ。これなら朝までには止むだろう。
国会議事堂は、先刻までの戦闘が全て幻想であったように静まり返っている。
だが、それが夢でも幻でもないことは、横たわる三人の女性と、それを見下ろす二人の男性の存在が雄弁に物語っている。
「やれやれ……。まさかCLAMP達と戦うことになるとは。つい数時間前までは想像することもなかったのにな。」
口を開いたのは荒木飛呂彦。
「そりゃあ俺だって同じだよ。だがまあ、勝ててよかったぜ。」
それに応えたのは皆川亮二。共にウルトラジャンプ所属の二人である。
「ああ、まったくだ。正直、戦うのはあの時以来で少々不安だったけれどもね。」
「ははは。……それじゃあ、本題に入るか。」
「うん。何故彼女らがPEACH-PITを襲ったのか、それを聞き出さなくてはこの戦いの意味が……」
みしり、と音がした。
倒れた三人の方に歩き出そうとしていた荒木が、慌てて飛び退いた。
『そうですね、荒木先生。本題はあくまでPEACH-PIT。私たちとの戦いは、あくまで成り行き上のことに過ぎない。』
地底から女性の声が響いてきた。
いや、地底ではない。これはもう地下……すでに、地表だ。
声の主はクラブなんかに鎮座していそうな巨大スピーカー。見れば地下からコードの類が延びている。
「これは……そうか、CLAMP最後の一人……」
そう荒木が言ったのと、森そのものが発芽するように大量のコード、そして電子機器が地面を割って現れたのはほぼ同時だった。
「噂に聞いたことがあるぜ……。CLAMPにコンピュータの達人がいるって話はよ。
そうだ、あの時もこんな化け物の血管みてえな電線に埋もれてたっけなあ。」
「僕は何度か会ったこともあるが……それが君の声かい?もこな君。」
二人の声に、今度は別のスピーカーが応えた。
『ええ、そうです。お久しぶりですね、荒木先生、それに皆川君。…すいませんね、どうもモニタ越しでないと……。
それはそうと、お二人ともやはり大したものですねえ。まさか猫井さんもいがらしさんも、大川さんまで負けてしまうなんて思いませんでしたよ。』
23 :
名誉回復:2008/05/29(木) 07:34:57 ID:BnTObuS10
慇懃無礼ぎりぎり、セーフでも感情を逆撫でしかねないもこなの声。
「お世辞は結構だ。で?次はお前が俺達の相手をしてくれるのかい?」
荒木と比してやや激情家な皆川がいらつきを隠しきれない声でそれに応える(ついでに銃をスピーカーに向けて)。
『いいえ。大川さん達が勝てなかった相手に私が何かできるものでもありませんし。
それにですね、私はこういうときのためにここで待機していたのですよ。あなた達、今回の件の事情を聞き出したいのでしょう?』
「その通りだ。別に僕としては教えてくれるなら君でも構わないんだけどね。」
『無理ですよ荒木先生。あなたの「隠者の紫」は電子機器操作が専門というわけではないでしょう?この分野でだけは荒木先生、私の方があなたより上手だわ。
まあそれはそれとしてですね。あなた達のウルトラジャンプには結構イカレた人たちが集まってるじゃないですか。
さすがにそんな変態どもの巣窟に女性を放り込むわけにはいきませんから。』
確かにUJには大暮、木城を始め六道、萩原、うたたねなどアレな人材が揃っている。餓狼の群に雌鹿を投げ込むようなものだ。
『ですから、大川さん達は救出させてもらいます。』
「なにっ!?」
皆川が振り返ると、三人が倒れていたはずのところは小山のように折り重なったコードで埋め尽くされている。
もこなと話している間に展開されたものであるらしい。
「しまった……!!」
『では荒木先生、皆川さん。もう夜も遅いですし、このあたりで解散といたしましょう。
ああ、そうそう。このまま帰るとまた付け狙われそうですし、私たちに一応勝ったご褒美ということで、教えておきましょう。』
『一応』という語が二人に疑問を抱かせたが、気付いていないのか知っていて言ったのか、構わずもこなは喋り続ける。
『あの二人は、私たちが目指す「漫画界の浄化」にとって最大の敵。だから今の内に倒しておこうとしたのです。結局逃げられてしまいましたけどね。』
「漫画界の浄化……?」
『それについてはまだ話せません。ごめんなさいね、皆川君。
ああ、それともう一つ。「漫画界の浄化」のため、私たちは「力」を手に入れました。
今夜はまだ十分に足りていなかったから使えなかったけれど、いずれお目に掛けられると思います。……あなた方の決定的な敗北とともに、ね。』
そこまで言い終えると回線が一方的に切られ、機械の山は砂地に水が染み込むように消えていってしまった。
「ちっ、言いたいことだけ言って逃げちまいやがった。……この地下をぶち抜いたら連中がいるかな?」
「まあ落ち着け。恐らくもう遠くへ行っているだろう。それよりも、さっき聞いた情報をもう一度確認してみよう。」
また激昂する皆川を荒木がたしなめる。
24 :
名誉回復:2008/05/29(木) 07:35:49 ID:BnTObuS10
「つっても量としては大した情報じゃねえんだよな。
えーっと、あいつらは『漫画界の浄化』とやらをしようとしてて、PEACH-PITはそれをするのに邪魔だから消そうとした、でも逃げられた……ってわけだな。」
「ああ。それにそのための『力』を手に入れたとも言っていた。
しかし……『漫画界の浄化』ねえ……。」
渋面を作る荒木に、皆川も頷く。
「そんなもん、どうせろくな『浄化』じゃないに決まってるさ。阻んでやってもどっからも文句は出ないだろうよ。」
「だな。じゃあ、これからどうする?僕はどうにも何かが起こりそうな予感がするんだ。」
「やっぱり、あんたもそう思うか?俺もだよ。
だから、いっぺん古巣のサンデーに行ってみようと思うんだがな。」
「なるほど、それはいい考えだな。なら僕も、UJの皆に伝えたあとで週刊の方に行こう。」
「決まりだな。こうなりゃ善は急げ、だ。俺は行くぜ。」
「ああ。一段落着いたら、またUJで合おう。」
こうして、議事堂での戦闘は終わった。
謎のままに残された事柄も多いし、これは単なる予兆に過ぎないのではないかという強迫めいた予感もあるが、とにかく一つの戦いが終わったのだ。
荒木と皆川がふと空を見上げると、雨雲の切れ間に春の星が瞬いていた。
――二人の囚人が鉄格子の窓から外を眺めたとさ。
一人は泥を見た。一人は星を見た。(フレデリック・ラングブリッジ『不滅の詩』)
25 :
名誉回復:2008/05/29(木) 07:43:18 ID:BnTObuS10
・皆川亮二:初登場・01/12/27
初勝利・08/5/29
思えば旧版ではいろいろ不遇なお人だったなあ。
鳥山と一緒に福本に隔離、ガンガンチームに理不尽な敗北、寺沢と睨み合ったまま放置etc...
・というかいつまで書いてんだって話だ。他の戦いほとんど終わって新展開に入ってるよ。
ここでエース戦とか思い出した俺はもう駄目だ。
・ピースメーカー面白いよ。
乙。これでUJ軍団にひとまずケリがついて他とクロス出来るようになった訳ね。
…こうして見ると、何気にUJって濃いメンツが多いんだなぁ。
「 い゙ だ が ぎ い゙ い゙ い゙ い゙ い゙ い゙ !」
涙と鼻水と涎と血を吐き散らし、遮二無二突撃してくる「エアマスター」ヨクサルを
三浦はそのへし曲がり歪んだ甲冑の隙間から、絶望的な思いで見ていた。
…あの様子だと身体各部の損傷は思った以上に酷いようだ。
最早アイツの全身のバネを活かした打撃は望むべきも無い。
駄目だ、ヨクサル。来るな。奴は、板垣は…!
一方板垣はヨクサルをごく冷静に分析していた。
…頭蓋骨骨折及び脳挫傷、鼻骨骨折、第7歯から第4歯欠損
第1歯及び第2歯欠損、頚椎捻挫、左鎖骨不完全骨折…
これで…半分ってところか。怪我としちゃ大した事は無いが、
あのルチャ野郎は全身のバネを使った打撃以外は話にならん。
ならこの特攻は…後ろのチャンバラ野郎が回復するまでの
時間稼ぎかそれとも陽動か…どちらにせよ潰すだけだ。
最初に動いたのは三浦だった。
右手の指と両膝を砕かれて、かの大剣を振るえない三浦が選んだ
攻撃手段は左腕義手のボウガンだった。
…大砲だとこの距離では発射するまでの隙が大きすぎる。
それではヨクサルの特攻に間に合わない。駄目だ。
威力は期待出来ないが、仕方無い。援護射撃程度には…!
三浦はとっさに板垣の頚椎を狙い、ボウガンを放った。
この類のバケモノにはそこ以外は分厚い筋肉に阻まれて効果が無い、
とこれまでの経験を踏まえて咄嗟に判断したからだ。
その矢を板垣は振り向きもせずに左手で易々と掴み取り
手中で素早く半回転させると三浦へ投げ返してきた。
甲冑の隙間、右目を目掛けて板垣から放たれたその矢を
義手で咄嗟に受けながら三浦はヨクサルの方を見た。
今までの僅かな時間でヨクサルは間合いをかなり詰めている
あと一歩でまず板垣の間合いに入る位置だ。
行くかヨクサル?あの地獄へ、板垣の間合いへと踏み込んで?
三浦の思いを他所に、何の躊躇も無くヨクサルは間合いに入った。
現在の人数:60/60
こっちも佳境に入ってきたな。どっちが勝つやら。
というか序盤から荒木だの板垣だの鳥山だの留美子だの豪華すぎてちょっと怖いんですけど先生方。
UJはなんか本当に凄い面子が揃ってる。
まあ今の連載陣にUJ出身が一人しかいないってのはどうかと思うけどな!
ときに皆川の裡門頂肘のときの台詞なんだけど、これってまさか七月鏡一がバーチャファイターの漫画を描いてたってこと……じゃないよな。
襲撃者達は既に内部へ突入し、集英社入口に動くものの姿は見えない。
ただ大暮の犠牲となった『エンジェル部隊』の屍が階段に散在しているのと、矢吹の砕いた外壁から砂埃が立ちのぼっているだけだ。
と、その砂埃の中から影が現れた。言うまでもなく、矢吹に奇襲?を受けた大暮維人である。
それに呼応するように、大暮の方を向いて彫像のように立っていた男、久保帯人も動いた。
「ようやく起きたか、下衆野郎め。」
和風の黒衣を纏った久保が、包丁を巨大化させたような奇妙な刀を突き付けながら口を開く。
同時に大暮が立ち上がり、腕をやや曲げて手前に突き出し重心を落とす構えをとった。矢吹の重力張り手の影響など少しも感じさせない、しっかりした姿勢だ。
が、いきなりそれを崩して外向的狂気の宿った眼で久保を睨み付けた。
「おちおち午睡を取るわけにもいかねえ状況のようなんでな。
しかし、下衆とは言ってくれるじゃねえか、この似非オサレ野郎がよお!!」
街でたむろする不良に凄腕の拳法家を足して、それから三ぐらいで割って足りないところに伝奇的なものを加えたような凶悪な視線と姿勢で中指を突き立てている。
もう久保がどうしてここにいるのかなどどうでもいいらしい。
久保もかなり頭に来た様子で、刀を正眼に構え直した。
「ああ、言ってやったさ、下衆野郎ってな。お望みならもう一辺言ってやろうか?
だが、あんたもだいぶ口が悪いねえ。……似非たあ言ってくれるじゃねえか、大暮さんよ。
俺がニセモンだってんなら、本物はどこにいるってんだ?ああ!?」
大暮のそれに比べれば幾分押さえられているが、久保もだいぶ少年ジャンプの域から駄目な方向にはみ出してそうな目つきをしている。
「決まってんだろ……。今てめえの目の前にいる男こそが、オサレ演出と少年誌的ハッタリの最終到達地点だ!!!」
まさに台詞そのもので台詞を体現するかのように、膨大な闘気の奔流とともに大暮が再び中国拳法風の構えをとった。
「面白れえ……!!見せてもらおうじゃねえか、てめえの魂を!!!」
久保もまた自身の闘志を高め、可視化した霊圧が黒い翼を形作る。
そして、
「ダブルインパクト大暮」
「久保帯人」
大暮が腕を十字に組み、久保が刀を横一文字に振り抜いてそれぞれの名乗りを上げる。
「推 (おして) 参 (まいる)」
「てめーを倒す男だ!よろしく!!」
大物ばっかりだとさすがに疲れるんで、しばらく繋ぎに専念しようと思ったり思わなかったり。
久保や大暮はさすがに看板だけあって動かしやすい。いざとなったら技名叫ばせるだけでもなんとかなるしね!
でもブリーチはDSのゲームしかやったことないんだ。ごめんよ久保。
前回のあらすじ
高橋:…以下が退場作家達だ。
許斐:待てオラァァァァァ!
・許斐剛…………予定
許斐:ハッ!
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ
許斐:嘘だろ高橋(葉)先生?
高橋:ああ、嘘だ。
光原:でも…おマヌケさんは見つかったようね。
許斐:( ゚д゚) !?
吉富:…二人ともあまり人をからかって遊ぶなよ。
高橋:来たか、吉富。あの娘は?
サトケン:………ゴフッ。
吉富:まだ意識は戻って無い。少しやり過ぎちゃったからね。
まあ、放っておけばきっちり回復するからいいんだけど。
あ、もう先程よりは変態じゃないから近づいても大丈夫。
高橋:分かった。
光原:それにしても難儀よね、この娘って。…ここまで性的に
倒置しちゃうってどれ程酷い仕打ちを受けていたのかしら。
吉富:まあ、代〇ニに通って、山本賢治と松山せいじに弟子入り、
デビューしてからは秋田書店一筋だから…ね、うん。
光原:…酷い経歴ね。
高橋:許し難いな、あの変態達は。
吉富:…イヤ、ヨースケ先生、いくらあの二人が底無しの変態でも
アンタにだけは変態って言われたくは無いと思うよ。
高橋:…何か言ったか。
光原:まあまあ。
吉富:んじゃ、この娘下ろすよ。…っと。しかしこんな世界でも
意識の無い娘一人背負って運んで来るのは骨だね。
高橋:御苦労、吉富。
光原:悪いわね、吉冨先生。あ、そうそう許斐先生、
貴方の事なんだけど…って風!?
吉富:強ッ!?
ビ ュ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ウ ゥ
フ
ワ ッ
許斐:…!?
光原:あ。
吉富:あ。
高橋:あ。
許斐:ア゙ッ――――――――!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しばらくお待ちください〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
光原:…まぁ、あの娘のスカート短かったから、こういう事もあるわね。
吉富:…あの娘、さっきまでアレだったから、その余韻ってヤツかな。
高橋:…こういうのも悪くないかもしれんな。
光原:…高橋先生!?
許斐:…嫌だ!もう変態は沢山だ!もう俺は集英社に帰るぞ!
光原:ごめんなさい。さっきも言おうとしたけど…
高橋:それは無理だ。
許斐:何故!?
吉富:だって、アンタもう死んでるし。
許斐:( ゚д゚) !?
許斐:嘘だろ高橋(葉)先生?
高橋:光原。
光原:分かったわ、高橋先生。…許斐先生?
許斐:!?
高橋:今から全てを見せてあげるわ。
貴方がどう死んだのか。
現在の人数:60/60
・やっと許斐死亡確認。でも退場はまだちょっと先かも。
・やはりサトケンの経歴は酷い。
これは耐性の無い奴には拷問だろ……。
許斐は別に退場させるほどではないと思うけどね。それよりも尾田とか岸本とか講談社若手組とかの方が問題な気も。
ヨクサルは何の躊躇も無く板垣の間合いへと踏み込んできた。
まずは板垣の蹴りだけが一方的に届く間合いだ。
だが、板垣は動かない。いや、動けない。
(左ッッ!)
そう。三浦の矢を防ぐために背面に回した板垣の左腕の方へ
ヨクサルは瞬時に、予想以上に速く踏み込んでいた。
(蹴りの間合いが!?クッ!)
反射的に板垣は背面から左拳を袈裟斬りの様に振り下ろした。
しかし
(空ッッ!)
そう。ヨクサルの軌道を薙ぎ払うはずの左拳は空を切り、
そして板垣は腹部に体を突き抜けるような衝撃を感じた。
(これは…勁ッ!)
その衝撃に体をくの字に曲げ、腹から空気をどぅと吐き出す。
(バカなッッ!奴の両腕はッッ!)
「が あ゙ あ゙ あ゙ !」
ヨクサルが吼えている。
相変わらず血と汗と涙で顔をグシャグシャにして吼えている。
(そうかッ!折れた腕でッッ!)
「 い゙ だ が ぎ い゙ ぃ゙ !」
板垣は再び腹部に体を突き抜けるような衝撃を感じ、
腹部から込み上げる血を吐きながら板垣は笑みを浮かべた。
その笑みへとヨクサルの蹴りが叩き込まれた。
その蹴りで板垣の巨体が宙を舞い、壁に叩きつけられたまま
立ち上がって来ないのを見て
三浦は大剣を引き抜き、ヨクサルの元へ駆け寄った。
熱く、荒い息を吐くヨクサルへと三浦が問いかけた。
「やったのか?俺達は、あの怪物を。」
ヨクサルは、しかし、表情を変えずに首を横に振る。
「ならどうする?今の内に撤退するか?」
ヨクサルはそれにも表情を変えずに首を横に振る。
「だろうな。なら」
「来゙ る゙ ぞ゙ 」
「任せろ。」
三浦は砕けた指と両膝に力を込め大剣を構え、
ヨクサルは止まらぬ足の震えを気力で押さえ、
二人は再び板垣の前に立った。
現在の人数:60/60
しょっぱなから熱い展開だなあオイ!
いよいよ決着が近いのか?
しかし最近の小学館は本当にヤバいね
このスレの戦いより、遥かに泥沼の戦争してるじゃないか
ここは秋田書店本社ビルの一角。その奥でチビでデブで不細工な男が
不細工な面をさらに不細工にしてモニターを眺めていた。
彼の名は青山広美、様々な出版社を転々として秋田書店へ流れ着いた
稀代のギャンブル漫画家である。
「このアホが!いい加減遊び過ぎなんじゃボゲェ!」
青山は先程からモニターに向かって、正確に言えばモニターに映された
同僚たる板垣恵介に向かって実に口汚く罵詈雑言を飛ばしていた。
「落ち着けよ先生、今の所は集英社の援軍は来ないんだからさ。」
その青山に後ろから銀髪ですっきりした印象の青年が声をかけた。
彼の名は山根和俊。彼も青山同様の流浪の漫画家である。
「鳥山先生に和月君は車田先生の所に行った。荒木先生達は
UJの連中とCLAMPと交戦中。冨樫先生は集英社の幹部と
会議中で残りは全て重体。もう集英社に駒は残ってないよ。」
「そりゃそうなんやが…。」
山根の尤もな意見を聞いても青山の顔は晴れない。
その時、部屋のドアがバーンと開いた。
「それなら!」「俺達に!」
「任せるじゃん!」
「「「「「任せるじゃん!」」」」」
見ると全く同じ顔の男が10人、思い思いのカッコイイポーズで
入り口の前に立っている。
彼、いや、彼等は余湖裕輝。漫画家のクローン人間集団であり
過去の戦争で他社を震撼させた「一人一殺」戦術の使い手だが
「帰れボゲェ!」
「「「「「酷いじゃん青山先生!」」」」」
今はどうも締まらないキャラである。
「まぁ、落ち着いてくれ青山先生。…で、今回は何かな、余湖先生?
僕らは今忙しくてね、馬鹿している暇はあまり無いんだ。」
山根もフォローしているようで何気に酷い事を言っている。
その二人の冷たい対応に余湖はいつもより少し多く凹みながら続けた。
「実はもうあの3人の下へついさっき俺達を12人送り込んだじゃん。」
その頃、板垣達が戦っているストリートの少し近くで1人の男が
仮面をつけた胡散臭い12人の男に囲まれていた。
つづく
「…今、こいつ『ヨクサル君に用がある』って言ったじゃん?」
「ああ、確かに言ってたじゃん。」
「俺も聞いたじゃん。間違いないじゃん。」
怪しい仮面の男達が一人の男を囲んで、しきりにプレッシャーを掛けている。
しかし、その男―――ノースリーブの赤い軍服の上下に赤いロングブーツと
全身赤一色のコーディネートにサングラスでキメた金髪の優男――――は
そのプレッシャーを気にする素振りをまるで見せていない。
その余裕と自信に満ちた態度が余湖×12人達をイラつかせた。
「仕事なのでな。この先に彼は居るのだろう?通して貰いたいのだが。」
男は相変わらずの態度で余湖達へと話を続ける。
その態度に思わず余湖達は銃を抜き、銃口を男へと突きつけた。
「ここは通行止めじゃん。」
「ってか俺達の邪魔をする奴は敵じゃん。」
「連行して尋問するじゃん。」
「とりあえずホールドアップじゃ…!?」
その時、轟音と共に余湖達の上空に巨大な影が現れた。
思わず余湖達が上空を見上げた瞬間
「甘いな!」
優男の銃は余湖達全員を打ち抜いていた。
激痛に呻きながら余湖達は思う。
(ぜ、全滅?)
(12人の俺達が全滅?)
(3分もたたずにか…?)
しかしその思いも次第に腹部の激痛に掻き消されてしまい、
しばらくすると余湖達はそのまま無明の世界へ落ちていった。
・余湖×12人 死亡
ついにあの男が動くか?
今は怒涛の最終局面に持っていくためのゆるい展開と見てるが。
ところで荒木&皆川vsCLAMPはストーリー上は昨日の話なんで荒木は何事もなければ週ジャンにいると思う。
「君達を12人?何の為に?」
「決まってるじゃん。あのダラダラしたバトル展開にケリを付ける為じゃん。
ジャ〇プでもあるまいし人気取りの為に無駄にバトる必要無いじゃん。」
「まあ、そやな。」
「それにあの2人を拉致って尋問すれば有用な情報も多分手に入るじゃん。
あと洗脳して古巣に喧嘩売らせるも良し、山賢に人間爆弾に改造させて
送り込むも良しじゃん。用はあの2人の使い道は豊富にあるって事じゃん。
だからみすみす板垣の娯楽の為に死なせちゃ勿体無いじゃん。」
ここは秋田書店本社ビルの一角。その奥で青山と山根に余湖が
板垣とヨクサル&三浦の元へ自分のクローンを多数送り込んだ理由を
とうとうと説明していた。
日頃のどこか抜けた雰囲気と違い、中々に理に適っていてかつ外道な作戦を
しっかりした口調で説明する余湖に二人は珍しく真面目に耳を傾けていた。
しかし、それも長く続かなかった。
先程の自分のクローン12人の死が仮面を通して即座に伝わってきたからだ。
最初は錯覚だと思った。そして錯覚だと願った。
だが、クローン達の死が紛れも無い本物と分かると
「只1人に一瞬で俺達が12人も?ば、化け物か…」
そう力無く呟いて崩れ落ちてしまった。
その光景を目の当たりにして驚愕する青山と山根。
だが異変はそれだけに収まらない。
「監視カメラだと…冗談ではないっ!」
モニターから何者かの声が微かに聞こえたと思いきや、
ブツリと音を立てて板垣達の中継が切れてしまった。
思いも寄らぬ事態に二人は一瞬完全に呆然としてしまった。
少しして二人は崩れ落ちた余湖を放置したまま机に戻った。
二人とも黙したまま今現在の状況について思考を巡らせる。
やがて青山が腐り切った表情のまま無言で煙草に火をつけた。
(…あのジジイが出て来たんか…よりによってあのジジイが…。
スマンな、板垣。ワイらは手ェ出せん。自力で何とかしてくれ。)
全てが終わった後で三浦健太郎は空を呆然と見上げながら思う。
あの時、俺達は奴が立ち上がる前に突っかけるべきだった。
だが俺もヨクサルも出来なかった。一歩も踏み出せなかった。
隣ではヨクサルが口から、鼻から、耳から目から傷口から、
その他あらゆる箇所から血を流して痙攣している。
済まない、ヨクサル。俺があの時もう少し早く動けば…
あれから平然と跳ね起き、筋力のみで上着を破り捨て、
上半身を露にしてからの板垣はまさに鬼だった。
奴は俺がこれまで斬り捨てて来たあらゆる異形より遥かに
獰猛で、俊敏で、狡猾で、凶悪で、そして恐ろしかった。
最初に動いたのは俺でもヨクサルでもなく。板垣だった。
俺の、俺達の呼吸を完全に読んでいたんだろう。
気が付いたら俺の前で板垣が拳を大きく振りかぶっていた。
そして顔面に強烈な衝撃を感じて
一回転
二回転
三回転…
地面に叩き付けられてその衝撃で意識を取り戻して…
駄目だ。その辺りの記憶に靄がかかっている。
ただ近くで発生したらしい爆音と銃声、悲鳴で意識を取り戻したら
血を流して痙攣しているヨクサルの傍で、
虚ろな目で方膝を付いたまま立ち上がれないまま
板垣がしきに血反吐を吐いていたのは覚えている。
すまない先生。俺が覚えているのはここまでなんだ。
全てが終わった後で板垣恵介は空を呆然と見上げながら思う。
あの時、真に警戒すべきは三浦じゃなくヨクサルの方だった。
確かに奴の体は小さい。三浦のあの一撃必殺の斬撃に比べれば
奴の体術によるダメージなど高が知れていると思っていた。
だから最初に三浦の野郎を全力で叩いておいた。
間合いを詰めて奴の攻撃を殺し、全力の一撃を叩き込んで
反撃の危険性も殺す。まさに定石通りだった。
宙を舞う三浦をそのままに俺はヨクサルへと突っ込んだ。
今思い出せば奴を俺はどこか舐めていたのだろう。
目を閉じたまま構えを取らず、棒立ちのヨクサルを見て
何の疑いも無く、俺は右拳を振りかざして突っ込んだ。
違和感に気付いたときは手遅れだった。
「 ダ イ゙ ブ 」
奴の呟きが聞こえ、
奴の両脚に力が入り、
奴は今までよりも速く、鋭く宙を舞い…
そうか
これが
これが―――
拳に奴の骨が砕ける感覚と、顔面に奴の蹴りが
叩き込まれる感覚を俺は同時に覚えた。
それから一瞬、俺の意識が消えた。
膝を付くまでの一瞬とは言え、間違い無く俺は奴の一撃に意識を飛ばされたんだ。
そうだ。奴は初めからこの一瞬だけを狙っていたんだ。
俺の全力の一撃に、奴の全力の一撃をカウンターでブチ当てて
文字通り一撃で倒す事「だけ」を考えていたんだ。
これまでの数十発の打撃も
腕を砕きながら放った勁も
小さな体に蓄積されたダメージも
三浦健太郎の存在も
全てはこの一撃を叩き込む為の
フェイク
――― 罠 ッッ!
駄目だ。脚に力が入らん。
そうだ。
この状態はアレだ。
完全に脳を揺らされたんだ。
血と反吐がこみ上げる。
久々だ。
おっと。
誰か来たか?
「聞こえるか?私だ、板垣君。」
その声は聞き覚えがあるな。
生きてたか、ジジイ。
「…何故…テメエが来た…安彦…良…和…」
「君を笑いに来た。そう言えば君の気が済むのだろう?」
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッ!」
駄目だ。
今の俺の動きはのろすぎる。
かすりもしない。
先程までの俺なら頭を潰していたが
今の俺ではヘルメットに掠るのが精一杯か。
無様な物だな。
両膝に痛みを感じる。
どうやら攻撃を外した隙に安彦に両膝を打ち抜かれたらしい。
十分に距離をとった上でこの状態か。
まずいな。
あのジジイならここで手は抜かない。
ほらな。
両手できっちりと珍妙な銃を構えている。
照準は…胴か。
「落ちろ!」
死ぬか?
死ぬのか、俺は?
…!?
「 エ ク ス カ リ バ ー !」
…車田!
あの妙な銃のビームを衝撃波で掻き消しただと!?
相変わらず滅茶苦茶な野郎だ。
「退くぞ板垣!」
「逃したか。」
安彦は全てが終わった後の地で一人呟き、
そして突発的な眩暈に思わず片膝を付いた。
見ると万が一に備えて装着していたヘルメットの頭部が
大きく破損し、その辺りから血が一筋流れている。
(ヘルメットが無ければ即死だったな。
…まあいい。まずこの二人だ。)
まず三浦に声をかける。鎧の魔力の為か意識は有るようだが
鎧の中ははっきり言ってミンチより酷い事になっている。
ここからどこまで出来るかは分からないがとりあえず病院だ。
そしてヨクサルも
(…頭蓋骨骨折及び脳挫傷、鼻骨骨折、第7歯から第4歯欠損
第1歯及び第2歯欠損、頚椎捻挫、左鎖骨不完全骨折…これで…
三割というところか。あのメイドさんの事で話をしたかったのだが、
これではしばらく面会謝絶だな。)
やはり生きているのが不思議なほどの重症を負っていた。
そうした二人の惨状を見て、安彦は苦笑いを浮かべた。
登場人数:0
退場人数:▲2(柴田ヨクサルと三浦健太郎が瀕死の為一時退場)
現在の人数:58/60
・一時退場とかやっちゃってもいいかな?駄目なら修正するよ。
・ビームライフルをエクスカリバーで消すのは無茶だな。
・上空の巨大な影はMSでも戦艦でも適当に解釈して下さい。
・安彦先生の受け師さんは超カワイイ。
・結局余湖とエクストリームな人達は何もしてないけどまあいいや。
一時退場やっちゃってもいいんじゃない?というか一時退場って言い出したの俺だし。
ビームをエクスカリバーは戸田も似たようなことやってたしありでしょう。
ともかく熱い、いい戦いだった。序盤から快調で嬉しい限り。
上層部からの一方的な通達に、椎名も藤田も各々のやり方で不賛同を示す。
一方は彼に比べれば死んだ魚すら活き活きとして見えるほどのヘタレそのものを具現化したような目とそれに相応しい態度を取り、
もう一人は心の奥の奥から溶岩のごとく沸き上がる怒りを抑え切れぬと言った表情で手近な看板を殴り倒した。
だが二人とも、肩に暖かい感触を感じて正気に戻る。見れば留美子が二人の肩に手を置いてなだめるような姿勢をとっていた。
元々行き過ぎた女好きである椎名のみならず、一般には硬派で通している藤田でさえも一瞬我を忘れてその感触に身を任せてしまうほどの安らぎ。
だが、椎名も藤田も気付いた(椎名は少々気付くのが遅れたが)。
肩に置かれた手が震えている。恐れからではない。武者震いですらない。もちろん寒いからでもない。
先程彼らを突き動かした衝動と同じもの、怒りのためだ。
「いい?二人とも。まずは落ち着いて。」
声もそれが属する身体と同じく震えていた。この『落ち着いて』は自分に向けられたものでもあるのだろう。
肩に爪が食い込んでいないのがむしろ不思議なぐらいだ。
「落ち付けって、留美子さん。そりゃあ無理ってもんですよ。こんな無茶苦茶なことがありますか!?」
「俺も椎名と同じ意見です。いや、椎名の方がまだ自分を押さえられているかもしれない。
正直なところ、あなたさえうんと言えば今すぐにでも編集の連中に文句を言ってやりたいぐらいだ!」
たぶんその文句というのば言葉ではなく槍だったりするんだろうが、その激情ももっともだろう。
わけもわからぬ内に今進めている仕事を打ち切って、対して親交もない奴らの部下になれというのだ。これが理不尽でなくて何だろう。
その思いは留美子とて同じだ。だが彼女は、今ここの長なのである。
感情の暴風に吹き飛びそうな理性を繋ぎ止め、再構成し、さらに伝播させなければならない。
怒りのままに動けば、結局のところそれをぶつける相手を間違える。
ラブコメや恋愛漫画で些細な誤解からのっぴきならぬ事態へ転げ落ちる展開を何度も書いてきた留美子の、経験に裏打ちされた哲学だ。
「上の決定が一方的で気に入らないからって、それだけで逆らってもいいってものじゃあないわ。」
長い長い沈黙の末、ようやくそれだけが言葉になった。
同時に、そこまで言うと喉を占領していた小石が落ちたように思考が形をなし、舌が回り始めた。
「……だから、とりあえず今のところは大人しくしておいてあげましょう。」
しておいてあげる、というところを殊更に強調したのは、椎名と特に藤田を少しでも押さえるためだ。
「元々私たちにPEACH-PITを追う理由はあんまりないんだし、それなら今彼女たちが所属している集英社にまかせればいいんじゃない?」
「た、確かにそうですけど……やっぱり納得が……。」
「いや、言われてみれば留美子さんの言うことももっともだぞ、藤田。」
いついかなる時でも美人の味方をする男、それが椎名だ。
ましてやいま話しているのは尊敬する先輩であり、見た目的にも彼の好み直球ど真ん中な留美子。
小学館に対する怒りも何もかもドップラー効果が肉眼で観測できるほどの速度でSHIFTキーを押しながらゴミ箱に放り込まれ、従順な飼い犬が一人完成するのも当然だろう。
「いきなり変わるんじゃねえよ、椎名。お前も相変わらずだなあ……。留美子さん、この野獣とよく一緒にいられますね。」
藤田も椎名の変わりぶりに毒気を抜かれてしまったらしい。とりあえず怒りは収まったようだ。
「まあ、もう慣れたわ。それよりも私たちが今知らなくてはならないのは、藤田君、あなたについてよ。」
藤田君、あなたについてよ。
藤田君、あなたについてよ。
藤田君、あなたについてよ。
あなたについてよ。
あなたについてよ。
あなたについて
今知らなくてはならない
「お…お……、おおう……」
留美子の言い方も誤解を招きかねないものであったとは思うが、まあ普通人なら『何があって誰に操られる羽目になったのか』という意味だと察することが出来るはずだ。
だが、それを傍らで聞いていたのは椎名高志だった。
「まさか…そんな……まさか…!!?」
椎名は女性絡みでは桃色の思考がほとんどだ。故に、『あなたについて知らなくてはならない』などという語から引き出される情報はただ一つ。
え?どんな内容か書け?……あんた、このスレ削除させる気か?
「留…美…子……さん………」
ハムレットの父親もかくやと思わせる無念そのものの表情で立ち上がった椎名が、弱々しく呟いた。
「まさか……どうして……藤田に……藤田なんかに……!!!」
留美子も藤田も、椎名が何を言っているのかまるで理解できずに首を傾げる。
「こうなったら……、留美子さんを殺して俺も……」
ああなるほど、と留美子がようやく合点のいったという表情で手を叩いた直後、どこかの山中で大規模な放電現象が確認された。
ちなみに、幸いにも山火事その他の災害は発生しなかったようである。重傷者一名。
「えっと、どこまで話したんだっけ?…ああ、そうそう。藤田君、いったい何があったの?」
「お恥ずかしい話ですが、実は……かなり成り行き上らしくて。一応、事の発端は安西ですかね?」
「安西君?」
安西信行といえば、数日前から行方不明ではないか。それと関係があるのかと留美子が問うと、藤田は頷いた。
「あいつはMARの終盤頃から不調で、近頃は俺と会うこともほとんどなくなっていたんです。」
「それは私も知ってるわ。正直、小学館ってさっきの通達もそうだけどあんまり漫画家に優しくないし。」
「雷句もそれにはだいぶ腹を立ててましたよ。机を骨折するまで殴るぐらいなら俺に相談してほしかったんですけどねえ。」
ちなみにその雷句は今連載を持ってないのをいいことに講談社に殴り込みをさせられたり帰ってきたら傷も癒えてない内に襲撃を迎え撃たされたりしている。
そのうち訴えられても文句言えんぞ、小学館。
「でも、最近ようやく少し立ち直って、新連載を始める手はずも整ったんです。嬉しそうに言ってましたよ。」
「ところが、いつまでたっても始まらなかった……?」
「そういうことです。何の連絡もないんでさすがに妙だと思って編集に聞いてみたんですけど、彼らも安西が逐電したこと以外は何も知りませんでした。」
実は資料集めに出掛けた先で秋田書店のゲリラ勢力に暗殺されていたのだが、そんなことは知る由もない。
「不肖の弟子とはいえ俺の大事な教え子です。編集たちも行方を探してましたけど、だからといって何もしないわけにはいけないから
俺も自分であいつに何があったのか調べていたんです。」
「それで、何かわかったの?」
「いえ、安西についての情報が入る前に、黒博物館の縁で講談社の漫画家達から妙な話を聞かされまして。」
藤田の顔が険しくなった。引きずられるように留美子も神妙な顔つきになる。どうやらこれから核心に入るらしい。
「何人かから同じ話を聞いたんです。『最近マガジンが妙な動きをしている。何かよからぬ事を企んでいるらしい』…と。」
「それで?それで、どうなったの?」
留美子が詰め寄った。もし本当にマガジンや講談社が何かを企んでいるのなら、自分たちも無関係ではいられまい。
だから一言一句聞き漏らすわけには行かない、という当然の判断に基づく行動であるが、藤田には少々刺激のきつい光景である。
まあ椎名なら既に抱きつこうとして制裁の電撃か拳を喰らい倒れている頃だろうが。
「そ、それでですね……。」
心なしか声の響きが緊張したものになっている。視線が何かから逃れるように宙を泳いでいるのは見上げた自制心だと言っていいだろう。
顔か、或いは胸元を見ていないのは大したものだ。
「安西のことも大事ですが、こちらも放って置くわけにはいかないと思って調べてみたんです。そうしたら……」
そこで言葉が止まる。どうやらあまりその先を言いたくないようだ。
この先というのはつまり敗北から洗脳にいたる過程なわけであるから当然ともいえるが。
風がビルの谷間を吹き抜け、小鳥の鳴き声がいやに大きく響く。ついでに椎名がようやく回復して立ち上がった。
眼前の光景に目を見開き、何やらとりとめのないことを言いながら飛び掛かってきたのを留美子が一蹴すると、それでどうやら藤田も踏ん切りがついたらしい。
立ち直った椎名に留美子がこれまでの話を説明し、藤田が再び話し始めた。
「そうしたら、大当たりでしたよ。正面から行ってもわからないだろうと思って忍び込んでみたんですが、地下に何やら妙な部屋がたくさんありました。
で、驚いてつまずいたか何かしてしまいましてね。」
「で、敵に見つかったってわけか。」
「まあそんなわけだよ椎名。恥ずかしい話だけどな。
それでまあ雑兵どもが結構な数出てきまして。もしかするとあれが噂に聞いたエンジェル部隊とかいうやつかも。」
「いくら数が多いからって、そんな連中に藤田君が?それとも、そいつらはそんなに強かったの?」
留美子が訊く。いくら何でも、藤田和日郎が同人作家軍団ごときに負けるとは考えにくい。
もし藤田を倒せるほどの軍団なら、それは驚異以外の何物でもない。
「それが……よくわからないんです。後ろからガンとやられたんですが、気配も何も感じなくって。
たぶん雑魚に紛れながら気配を消して近づいてきたんじゃないかと思うんですが。
そして、気がついたら椎名が留美子さんを襲っていた。」
「へ?なんで俺が留美子さんを……。」
椎名はしばらく思案していたが、どうしても思い出せない。
悩んでいたら留美子が「藤田君は洗脳の説けた直後で記憶が混乱しているんでしょ」と言ってくれたので、なるほどきっとそうだと納得することにした。
もっとも同時に藤田は「せっかく忘れさせたんだから余計なことは言うな」と殺気の籠もった囁きを聞いていたが。
「だが、マガジンか、それとも講談社か……。何を企んでるにせよ、ろくな事じゃなさそうだ。放っておくわけにはいかないな。」
椎名は女絡み以外では案外頼りになる男である。伊達や酔狂やコネやら何やらでサンデーの看板をやっているわけではないのだ。
「ああ。あの警戒ぶりはただごとじゃなかった。よほど見られたら困ることをやってるんだろうよ。」
「だな。よし、それじゃあ……
今日は戦いもあって疲れてるからまた今度にしよう。」
ただし、本当にいざというとき以外は踊りこそしないもののダメ人間だが。
藤田も怒り心頭といった顔で椎名を睨み付けているが、原因の大部分が自分にあるため何も言えない。
そんなこんなでしばらくコントあるいはどつき漫才が続くうちに少しずつ一旦小学館に帰る方向で話がまとまってきたころ、椎名が再びテレパシーを受信した。
「いや、だから俺は決してびびってるわけじゃなくて、藤田が不覚をとるほどの相手なんだから慎重に行動するべきだと……
あれ?ちょっとすいません。何か、聞こえません? これは……テレパシーか?だいぶ弱いけど。」
「うーん、私にはわからないわね。藤田君は?……やっぱりダメか。椎名君、何を言ってるのかわかる?」
留美子も藤田も明文化された能力としてのテレパシーを持っていないからわからなかったのだろう。それほど減衰、散逸した念波だった。
「いや、だいぶ遠くの上に送信者が集中できてないか何かで聞き取りづらくて……。
あっ、今ちょっと聞こえた! ……どうも、助けを呼んでるっぽいですよ。」
「助けだと?どこでだ!?」
「ちょっ、落ち着いてくれ藤田、聞き取れなくなるじゃないか。気持ちは分かるけどさ。
え〜っと……?『こち………かん、……んのしゅ…きを……』」
しばらく、沈黙が続いた。
留美子にも藤田にも、そして椎名にも耐え難い沈黙だった。
どこかで誰かが助けを求めている。それが明らかなのにどこをどうすればそいつを助けられるのかわからない、というのは非常に心の痛むことだ。
唯一の手がかりであるテレパシーはどうやら30〜40秒程度の短いフレーズを繰り返しているらしい、と椎名が理解するまで、
実際には3分程度の時間だったが、三人には3時間以上にも思えた。
留美子と藤田は、時間の砂漠を果てもなく歩いているように感じた。その砂は凝集した時で、見渡す限り延々とくすんだ黄土色の地平が広がっていた。
椎名は、過去、現在、未来の全てが駆け足で一瞬のうちに過ぎ去るのを感じながら、微弱な念波を解読しようと見えない戦いを続けていた。
そして、まったく突然に椎名が目を見開いた。
その目は眼前の風景ではなく、彼の直感を見据えていた。霊感の雷に打たれるように、いきなり全てのパズルが一点の歪みもなく組み上がった。
「わかった!」
知らず、椎名は叫んでいた。
「何だか聞き覚えがあると思ったら……こいつは皆川だ!!」
「皆川だと!?」
藤田も叫んだ。
「それで!?皆川君は、どうしたって言ってるの?」
留美子は叫びこそしなかったが、興奮を隠そうともしていない。
椎名は一度深く息を吸い込むと、一語一語を絞り出すように淡々と語った。
「……小学館が秋田書店の軍勢に攻撃を受けた。現在自分を含む有志が防衛しているが、敵の増援に一流クラスの漫画家二名が参加し、苦戦中。
これが聞こえた者は救援を求む。だ、そうです。」
支援
「秋田書店、だと……」
藤田が拳を握りしめた。もしそこに石があったとしたら、粉々になっていただろう。
「あの腐れ外道どもめ……!!! まだ、やろうってのかよ!!!
俺達も!!読者も!!あいつら自身まで傷付けて、まだ足りないのか!!!!」
「……同感ね。こうなったら、四の五のいってる場合じゃないわ。今すぐ、小学館に戻るわよ!!」
留美子も、眼鏡の奥が悲しみと怒りに燃えている。
「ところで、椎名君。敵の増援、一流クラスの漫画家二人って事らしいけど……どんな奴か、皆川君は言ってた?」
鬼か、勝負師か、はたまた反逆者か、侍か。
留美子の頭の中を、様々な最悪の答えが駆け回る。
だが、椎名の返答は留美子と藤田の考えた最悪を軽く超えるものだった。
「………言って、いいんですか?」
「いいも何も、わかってるのなら言わなきゃ駄目だろうが。」
「そうよ。敵が誰か、少なくともどんなやつかわかれば対策も立てられるでしょ?」
「本当に、いいんですね?後悔しないんですね?」
「くどいぞ椎名!今は遊んでる場合じゃないんだ!わかってるのか!!」
「わかったよ、言うよ、言いますよ。」
藤田と留美子の怒気に圧され、苦虫を二桁は噛み潰した表情で椎名が言った名は、
「赤い仮面の男と、………
………安西、信行。」
一応補足しとくと仮面の男は記憶喪失のあの人。新キャラじゃないよ。
しかしおかしい。一〜二レス程度の繋ぎの話なはずだったのに、なんでここまで長くなってるんだ。
どうもギャグバージョンの椎名が絡むと俺の変なスイッチが全力でオンになってしまうらしい。
おつぅ。
そして仮面の人が素で分からないけどまぁ気長に続きを待つよ。
61 :
ヤクザ:2008/06/20(金) 14:50:35 ID:EW2koBaw0
山根 第3偵察部隊、応答を!…第4!第5!…駄目か。
青山 偵察部隊も全滅か。
山根 ああ。余湖先生達を一蹴するような連中が相手では
無理もない。とはいえ…
青山 集英社の手の内が見えんようになるのは痛いな。
山根 そうだな。少ししたらまた諜報員は贈ってみるが…
青山 望み薄やろな。
山根 …ハァ
青山 …ハァ
山根 …ところで青山先生。
青山 …何や。
山根 小学館と集英社への申し開きはどうする?
青山 そりゃ、今回もまたREDの連中に全部責任転嫁で
後は知らぬ存ぜぬで通すしかないやろ。
山根 相変わらず苦しいな。
青山 やかましいわクソガキ。そもそも…
ジリリーン ジリリーン
山根 僕が出るよ。…はい、秋田書店です。
本宮 俺だ。
山根 そ、その声は!まさか!まさか!?
本宮 青山を出せ。
山根 先生は…その…現在…
本宮 うるせぇぇぇ!青山出せやぁ―― っ!
山根 は、はいっ!…先生!青山先生!
青山 アホ!貸せクソガキ!…お電話代わりましたぁ〜青山で
本宮 じゃっかあしゃぁぁぁ―――― っ!!
青山 ブヒッ!
62 :
ヤクザ:2008/06/20(金) 15:28:38 ID:EW2koBaw0
本宮 テメェのゴタクに付き合う気はさらさら無ぇんだよ!この野郎!
いいか?とっとと小学館に喧嘩売ってる連中とウチに喧嘩売った
板垣のバカと車田のガキ!首根っこ掴んで引っ張って来い!
青山 あ…あの…
本宮 口答えするんじゃねえ!とっとと引っ張って来りゃいいんだよ!
それとな、またウチに喧嘩売ってみろ…テメエら全力で潰すぞ。
青山 あ…あ…
本宮 チンピラァ…集英社を……なめんじゃねぇぞボケェ―――ッ!!
ガ シ ャ ――― ン !
山根 ……
青山 ……
山根 …ハァ
青山 …ハァ
猿渡 …相変わらず荒っぽいですね、先生。
本宮 この位でいいんだよ。あのブタ野郎の話聞いてるといつの間にか
丸め込まれちまうからな。そういう相手は話を聞かないのが一番だ。
猿渡 そうですか。それはそうと許斐君、ヨクサル君と三浦君の事ですが…
本宮 ああ、上々だ。
猿渡 ……。
本宮 考えてもみろ。あの連中に喧嘩売って、両方に結構なダメージ与えて、
おまけに少なくとも2人は生きているんだぜ。将棋で言えば飛車角を
銀、桂馬、香車で殺った様なもんだ。
猿渡 ……。
本宮 本番はこれからなんだぜ。その最中に横からあのキチガイ連中に
手ぇ出されたら厄介だからわざわざここまでしたんじゃねぇかよ。
お前さんだって分かってンだろ?
猿渡 ……。
63 :
ヤクザ:2008/06/20(金) 15:39:50 ID:EW2koBaw0
本宮 なぁ、猿渡先生よ…。
猿渡 ……。
本宮 ……。
猿渡 ……。
本宮 …わーったよ!分かった分かった!
猿渡 何がですか?
本宮 許斐探して!三浦とヨクサル見舞いに行きゃいいんだろ!
猿渡 花とメロンは用意します。ちゃんと持って行って下さい。
本宮 ああ、分かったよ!ったく…っとに、お前さんはよぉ。
猿渡 何でしょうか。
本宮 無表情なのに妙に情に厚いのな。
猿渡 そうですか。
つづく
そういや本宮ってもともとこういう作風だったんだっけ。旧版のイメージが強すぎるのも問題だな。
今のところ講談社だって気付いてるのは冨樫だけっぽい?
前回のあらすじ
光原:今から全てを見せてあげるわ。
貴方がどう死んだのか。
許斐:!?
高橋:少なくとも車田の技を弾き返した事は覚えているな。
許斐:あ、ああ。
吉富:じゃ、その続きからだね。ほら。
「サムライドライブ!」
許斐が打ち返した車田の「スカーレットニードル・アンタレス」は
恐るべき衝撃を保ったまま二つに裂けた。
(倍返しだと!?)
そう。許斐は彼の放った致命的な一撃を正面から受け止め、
それを文字通り倍にして返して来たのだ。
理屈ではありえない。
神にも等しい力を持つジャンプ黄金期の漫画家の一撃を
一介のスポーツ漫画家がテニスラケットで打ち返す事も
打ち返した球が物理的に不可能な軌道を描く事もありえない。
そもそもテニスで打球が二つに分裂する事自体が不可能だ。
しかし許斐はそれを平然とやってのけた。
「許斐!」
車田が思わず許斐の名を叫ぶ。
それは自分の必殺技がいとも簡単に返された事への驚愕か
それとも今、同等の域に達した眼前の後輩に対する賞賛か。
ともかく車田はその技を防ぐ為、指を許斐へ…
「まだまだだね。」
許斐の打球は突きつけた指を容易に弾き、車田へと深々と突き刺さった。
「うわああああ―――― っ!」
許斐の一撃で車田は見開きの左斜め上、いや、上空へ吹っ飛ばされ
盛大に顔面から地面へ叩きつけられた。
(この威力…俺と…俺達と同等!)
これは賭けだった。
自分の最終必殺技「サムライドライブ」は、作品では相手の打球を
一瞬で文字通り真っ二つにして返す技である。
その(自分の脳内)原理を応用すれば、いかなる技でも。それを
二つに裂いてカウンターで倍返しする事が可能となる。
しかし相手は車田正美。
理不尽さで言えばあのゆで先生や平松先生にも引けを取らない。
拳が光速や絶対零度を越え、ボクシングで宇宙を砕く男の一撃を
俺が弾き返せるのか?
アンタレスが迫るのを感じた時、体が勝手に反応していた。
そうだな。
俺達は、漫画家は理屈じゃない。
出来ると思えば出来る。
自分の手で描き上げた物が俺達の真実だ。
車田先生、アンタが光速を超えるなら
俺は今、この手でアンタを超えてみせる!
例えこの一瞬だけでも!
車田の小宇宙の揺らぎから、五感の絶たれた許斐にも
自分が一世一代の賭けに勝った事が分かった。
しかしまだ終わりではない。
車田の小宇宙は前方からまだ沸々と湧き上がっている。
そうだよな。
あの車田先生がこの程度の一撃でやられる訳が無いか。
ならどうする?
「…手塚ゾーン」
口も聞けないはずの許斐がぼそりと呟いた。
それと同時に許斐の周囲にオーラが渦巻き始め、そして
(上空の…先程のアンタレスが!)
不自然な起動を描き、二発とも引き寄せられていく。
車田はその光景を見て全てを察した。
(ここで…今ここで!)
ボロボロの体に許斐が力を込める。
今の自分にアレを受けきる事が出来るのか?
この攻撃で倒し切れなかったら次はどうする?
聖闘士には同じ攻撃は二度通用しない?
そうした雑念も彼には最早無い。
自分の全てを、車田に叩き付ける…それだけだ。
(…あくまで俺を正面から「力」で倒す気か、許斐。)
先程の一撃で叩き付けられた体躯を瞬時に起こしながら
車田は腕を組み、許斐へと向き直る。
「貴様が『力』で来るならば面白い!俺も『力』で相手をしてやる!
我が全力の一撃で次元の果てまで吹き飛べ!許斐剛!」
悠久の時を経て砕けぬ黄金聖衣がメリメリと音を立てる程、
周囲の空気が歪む程に車田は腕に力を込めた。
「 グ レ ー ト ホ ー ン !!」
「 サ ム ラ イ ド ラ イ ブ ・ ア ン タ レ ス !」
吉富:…つづく。
許斐:え――――――― っ!
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:58/60
・平松伸二は最高だぜェェェ。
・グレートホーンを馬鹿にする奴は許さん。
・サムライドライブ・アンタレスは言うまでも無くオリ技。
いいじゃんオリジナル技。
キャッチ(略)とかるーみっく(略)とかもう出てるし。というかどっちも俺の仕業だけどな!
しかしこうして見るといかにテニスの王子様がぶっ飛んでたかわかるなあ。
一部が落ちてしまったな。
まあ新スレも軌道に乗ってるからいいっちゃあいいんだけど、なんか寂しい。
あっちは落ちたのか。まあこっちは落ちない程度にゆっくりやってけばいいさね。
そうしてればそのうち書き手も…増えるといいな。イヤホント。
ホントにな、えなりのその後が全く浮かばねえよ
そういや、ジャンプにキン肉マン載ってたな
73 :
迷える魂:2008/06/28(土) 07:45:29 ID:vyBIe4T70
時は少々遡り、所は講談社地下。
直線と直角で構成された灰白色の廊下に沿って窓のない鋼鉄の扉がどこまでも立ち並んでいる。
その中でも特に色彩を欠いた殺風景な部屋の中、男が泣いていた。
男の名は安西信行。灰色の部屋で灰色の時間を過ごし続け、闘志も復讐心も時の流砂に漂白されて萎えきってしまい、今やただそこにあるだけの存在に成り下がっていた。
なぜか?全ては不幸な偶然としか言いようがない。
数十時間前死の淵より蘇り講談社に所属したばかりの彼を知る者は少なく、そしてその数少ない人間達はみな彼よりも差し迫った眼前の課題に忙殺されていたのである。
真島ヒロと赤松健は集英社へと攻め込み、光永康則はいずこかへ出立してしまった。
そして彼はその存在を忘れられたまま、静かに、緩慢に滅んでいくかと思われた。
だが、安西が涙も涸れ果て脳裏に浮かぶ想い出も虚無の霞に覆われ始めた頃、彼の聴覚が何かを捉えた。
僅かな間に、あるいは長年の漫画家生活にすっかりと錆び付いた脳髄はしばらくの間それの存在を認識していなかったが、
それでも徐々に彼の心はそれが足音であると気づき、柄にもなく心臓が早鐘を打ち始めた。
<落ち着け。落ち着け。>安西は今にも飛び出そうとする手足を必死に押さえつけた。
足音の主が自分に用があるとは限らず、そしてもしもぬか喜びに終わったなら彼はもはや二度と立ち上がれないだろうからだ。
そうだ、世の中はそこまで甘くない。心の赴くままに自分が面白いと信じるものを描いたら剽窃と糾弾され、心を病んで尚馬車馬のように描かされ続けてきたんだ、いい加減学習しろ。
足音が近づいてくる。それが何だ、たまたまこの部屋がある通路を行き過ぎるだけだ。
自分がいる部屋の前で止まった。早合点するな、疲れたか何かで少し足を止めただけだ。
ノックの音がする。馬鹿げている、きっと気のせいに決まっている。
ドアノブをがちゃがちゃと回している?ああ、確かにノブが回っているな。でもそれだけだ。……ほら、止まった。
ドアが銅鑼を打ち鳴らしたような音を立てながら吹き飛んで、もう一度同じ音を響かせながら壁にめり込んだ。まあたまにはそんなこともあるさ。
74 :
迷える魂:2008/06/28(土) 07:45:57 ID:vyBIe4T70
何だって!!?
ようやく頭が現実に戻ってきた。今更のように目を白黒させながら立ち上がり既に存在意義を見失った蝶番が一つぶらぶらと揺れている入口に目を向けると、
そこには険しい目の男がいた。後ろに二名の男女が控えている。
「お前が、最近俺達の仲間になったっていう奴か?」
顔つきと同じ位険しい、それでいて無感情な声だった。安西はしばらく砂像のように呆然と立ちつくしていた。
人の声を聞くのがずいぶんと久しぶりのように思え、名状しがたいが恐らくは正の方向であろう感情が一度気に噴出してきたというのもあるが、
それ以上に、険しい声をした男の険しい目に彼の意識は吸い付けられていた。
何かを探している、という目であった。その眼光は安西を見ながら同時に安西を突き抜け、彼の居る狭い監獄のような部屋そのものを凝視していた。
虹彩は妄執のためか色を失い、瞳孔を中心とする幾多の同心円と化していた。それがある種の狂気を体現しているかのように見る者に恐怖を与えると同時に
もう一つ、今は亡き偉大なる魂を想起させ、歪んだ畏怖の心をも抱かせた。だが、安西には彼を襲った恐怖の理由は理解できても、畏怖の理由は理解できなかった。
「おい……」
低く呟きながら、男が安西へと一歩踏み出した。それだけで彼は三歩後ずさった。
だが、男の眼から視線を逸らすことは出来なかった。狂気と凶気を湛え、押さえ切れぬ負の何かを周囲に発散させているその眼を見ていると、
彼の奥深くに澱んでいた、あるいは沈殿していた凶悪なものが目の前にいる男のそれに反応し、対流を起こして正気を下へ下へと押し込みながら浮かび上がってくるのが感じられたからだ。
その感覚はある種恐ろしいものであったが、同時にそれ以上の歓喜に満ち溢れたものでもあった。
秋田のゲリラ勢力に奇襲を受けて殺された時。光永という男に助けられ、真島の話を聞いて小学館への復讐を誓った時。
いや、それらよりも遙かに昔、『四天王』と呼ばれ、雑誌や出版社の枠を超えて暴虐の限りを尽くしていた頃の気分そのものであったからだ。
「聞こえていないのか?お前が俺達の新しい仲間か、って聞いてるんだ。」
男がもう一歩前に出た。安西の沈黙に業を煮やしたのだろう、口調も心なしかさらに厳しくなっている。
だが、安西は先程とは逆に一歩前へ踏み出した。そして、今度は男の目を覗き込むのではなく睨み返している。
「そうだぜ。これから厄介にならせてもらう。まあよろしくな。」
そこまで一息に言った安西の目が自分と同質の光を湛えているのに気が付くと、男はようやく視線を安西だけに絞った。
後ろに控えている二人は何も言わない。男の邪魔をしないように、直立の姿勢は崩さぬまま数歩下がって待機している。
「で、てめえは何もんだ、甲羅?死にたくなるぐらい退屈してたから正直助かったけどよ、いきなり人の部屋のドアをぶっ飛ばすなんて普通じゃねえぜ。」
この何でもなさそうな安西の問いに、なぜか男は口を閉ざした。その質問には心底うんざりしている、と無言のまま雄弁に語っていた。
75 :
迷える魂:2008/06/28(土) 07:46:21 ID:vyBIe4T70
「俺は……」
男の声には、先程までは全く感じられなかった感情が含まれていた。恐らくは怒りであろう。だが、誰に対しての怒りなのか。
「俺には……記憶がない。自分は誰なのか、どうしてここにいるのか、俺は何を為すべきなのか、全ての問いに対して持っていたはずの答えを無くしてしまった。」
安西もさすがに少々ばつが悪くなり押し黙ってしまったが、男の独白はさらに続く。
「だが、ここ……講談社の連中が言うには、俺の記憶を取り戻す方法はある、ということだ。条件は講談社のために戦うこと。」
「そうかい、そりゃあ悪いこと聞いちまったな。しかしまあ、記憶を返してほしければ戦え、か。悪党だな。まあ俺にはその方がありがたいがね。
でもよ、そんな無茶を言うんじゃあ案外あんたの記憶はそいつらに取られたんだったりしてな。」
安西はだいぶ本気で言ったのだが、男の反応は醒めたものだった。
「連中は『難しい技術を使ってるからタダでしてやるわけにはいかない』とか言ってたが、まあそれでもいいさ。何だろうと。
俺に記憶をくれるなら、神でも悪魔でも関係ない。……何だって、やってやるさ。」
「ヒュウ、言うねえあんた、いい感じにいかれてるぜ。」
安西もまた、眼前にいる男の毒気に当てられて熾火のように燃え残っていたどす黒いものに火がついていた。
「で、あんたの名前は?本名はわからなくても、ここでの呼び名ぐらいあるだろ?」
男が頷く。
「ああ。俺はZX――『ゼクロス』と呼ばれている。お前は?」
安西が返す。
「俺は安西。安西信行、元小学館だ。まあとりあえず今後ともよろしく。」
そこまで会話が進んだとき、男が突然発作を起こしたようにうずくまった。
左手で身体を支え、右手で頭を押さえて何やら呻っている。どう見ても何か起こったとしか考えられない。
主の変調を察して二人の兵が駆け寄ったが、ZXがそれを押し止めるゼスチュアを取りながら立ち上がった。
足は少し震えているし頭も右手で押さえていなければ落ち着かないようだが、とにかく助けは無用と下がらせ、安西に向き直った。
その瞳には安西への、そして同時に自分自身への驚愕、困惑、その他種々の名状しがたい驚きの感情が満ちていた。
「小学館……」
ZXが呻いた。
「小学館……だと……」
「あ、ああ。ここに来るまではな。」
安西も眼前の男の奇異な行動に心を乱されてやや震えた声になっていた。
が、さすがにZXや雑兵よりはまだ残っていた冷静さで事態を推測する。
76 :
迷える魂:2008/06/28(土) 07:46:42 ID:vyBIe4T70
「まさか……記憶が戻ったりしたかい?」
もしそうだったら、自分はどうすべきなのだろう。様々な考えが頭をよぎるが、結局ZXの正体如何だと気付いて考えるのをやめた。
「いや……」
先程までよりも大分しっかりとした声でZXが応えた。どうやら思考と感情の大海から抜け出してきたらしい。海底の宝物を回収できたかどうかまではわからないが。
「全部……戻ったわけじゃない。」
その声はあくまでも無感情だった。
高揚も、落胆も、歓喜も、憤怒もない。
ただ、何かしらの事を成そうとする強い意志を感じる声だった。
「ほんの少しの間、何かが見えたような気がした。」
二人の兵士も、安西も、空間そのものまでもが息を潜めて彼の言葉に耳をそばだてているような沈黙があった。
しばらく無音の音を身体全体で聞くようにしてそこにいたZXだったが、またすぐに話しはじめた。
「それが何なのかは、わからない。だが……一つだけわかる。」
安西の目を見つめ、一言一言をやけに明瞭な発音で言った。
「俺は、小学館に行かなくてはならない。案内してくれるな。」
先程よりも長い沈黙の間、二人の悪鬼は睨み合うように立っていた。
片方の眼から不可視の邪悪な光線が飛び、もう片方の眼に反射、増幅して跳ね返る。そしてどこかへ叩きつけるための悪意が際限なく膨れ上がっていく。
現実にはありえないはずの光景だが、不思議とそれを疑いなく信じてしまえそうな沈黙だった。
その沈黙を破ったのは、安西ではなかった。
ZXでもなかった。
それは兵士の一人――別にどちらでもいいことだが、安西から見て左側に立っていた方だった。
「それは……いけません、ゼクロス様。」
両の手を白くなるほど握りしめ、声は砂利道を走る馬車のように震え、目にはうっすらと涙さえ浮かんでいる。
「あなた様の任務は、そこの安西様とともに集英社への攻撃に参加することのはずです。」
ZXが、ようやく二人の存在に気付いたようにゆっくりと声の方へ向き直った。
右の兵士は音のない呻き声を上げ続けている。左の、ZXを諫めた方の兵士は彼の目をちらりと見たとたん、「ひっ」と叫んだ。
その眼は、相変わらず何も映していなかった。通常目に無意識下の動きとなって現れるはずの感情――怒り、哀しみ、悦び、あるいはもっと単純に快、不快――
そのいずれも、ZXの空虚な眼窩に収まっている空虚な眼球と、その周りの空虚な筋肉群からは見て取ることは出来なかった。
77 :
迷える魂:2008/06/28(土) 07:47:19 ID:vyBIe4T70
勇気ある兵士は真空の温度を持つ目にじっと視られてなお、彼の職務に忠実であろうとしていた。
「で、ですから……どうか、どうか、今小学館へ、向かわれるのは……」
ZXが一歩前に出た。安西は趣味の悪いショウでも観るようににやつきながら傍観している。
「また、ご、後日、明日にでも……赤松様や、真島様、の、ご了解を……」
ZXが頷いた。
どうやら生き残れたらしいという安堵と、ZXの暴走を止めたことはきっとお手柄に違いないという喜びで、兵士二人の表情もほんの僅か緩んだ。
その顔のまま、左の男はZXの拳を、右の女は十字手裏剣を打ち込まれ、魂消る悲鳴を上げる間もなく崩れ落ちた。無論、即死だった。
安西が、ひゅうと口笛を吹いた。鉄錆を思わせる血の臭いが、辺りに広がりはじめた。
先程頭が下がったように見えたのは肯定の意志を見せるためではなく、胸部にある手裏剣を取るためだった。
もちろん戦闘中なら視線一つ動かさず取ることもできただろうが、なにぶん非戦闘態勢の時である。
そして二人の人間を手に掛けてなお、ZXの顔はぴくりとも動かなかった。
巌で出来ているのか、あるいは人の顔に似せた仮面を被っているのではないかと思われるほどに完璧な無表情だった。
「おいおいいいのかい?手下を二人殺しちまったうえ命令違反ってのは、俺だったら相当きつい罰にするぜ。」
言葉とは裏腹に、安西はどこか高揚しているようだった。かつての魔人に戻った男が久しぶりに殺戮の現場を見たのだから、無理からぬ事とも言えるが。
「ふん……そんなこと、どうだっていい。」
殺人を『そんなこと』と言い切るZXもまた、人であって人ならぬ悪魔に相違あるまい。
「小学館に、俺の記憶を取り戻すための何かがあるかもしれないんだ。あんな、そう……フラッシュバックというのか?あれが起きたのは初めてだった。」
興奮するでもなく、あくまで淡々と語る。
「記憶の手がかりなんてものが、あるとは思わなかった。それのためなら、手下殺しだろうが、上官への反抗だろうが……
なんだって、やってやるさ。」
そこまで言うと、ZXは深く深呼吸し、――どこからどう取り出したのか、霧が凝集するように出現した昆虫類を思わせる赤い仮面が彼の頭部を覆った。
同時に身体と四肢もまた、やけに生物的な印象を与える装甲に包まれる。
さすがの安西もこれには面食らったらしく、口を半開きにしたまま硬直していた。
そんな状況が見えているのかいないのか、ZXはあくまで調子を変えることなく、虚無をはらんだ声で告げる。
「さあ、もう話は十分だろう。安西とか言ったな、俺を小学館まで案内しろ。」
そして時は現在へと戻る。
雷句は、皆川は、留美子は、椎名は、藤田は、そして、安西とZXは――――――――!
78 :
迷える魂:2008/06/28(土) 08:13:04 ID:vyBIe4T70
というわ
けでかめんはらいだーでし
た
ー。
こんなマイナーなネタがわかるはずないよな、うん。
ああ、賢一兄さんじゃなくてコメントの話ね。
書き手は本当に欲しいねえ。単純に数が増えればその分活気が出ると思うし、
人多すぎの弊害なんてのは相当な大所帯にならないと縁がないだろうしね。
漫画二時創作系スレでそれとなく話題を振ってみようかとも思うがどうしてもわざとらしくなって結局出来ない。
ところで、この乱戦状態へさらに長谷川と安彦を放り込んでも書ける人いるかな?
あんまりこういうことは言いたくないけれども、現実世界が忙しくなって実質上引退せざるをえない状況なんだ。
なんで、俺が放り出しても書ける人がいたら二人を描いて、駄目だったらこれで最後にさせてもらいます。
>>78 ガノタなんで、安彦と黒本及び鋼鉄の七人限定の長谷川なら普通に書けるよ
ただ俺も忙しいから、あんま頻繁には書けないけれど
>>78 乙カレサマー。もし暇が出来て気が向いたらひょいと覗いて下さい。
ここはのんびりのんびりと年単位で保守していきますよ。多分。
あと展開は今までの流れをある程度踏まえてればお好きなように。
ここはイイと思った展開を勢い任せ先手必勝でOKなスレです。
あと宣伝は何となく気恥ずかしいので結構です。
保守
しかし、旧版の頃からそうだったけど特にジャンプの若手は扱いがひどいな。いやこのノリが好きだけどさ。
まともに活躍したのは許斐ぐらいじゃないか?
しかし許斐vs車田って絵的にものすごいシュールだ。
そしてなぜか唐突に『えなりチームに美水かがみ乱入』という電波を受信してしまい困っている。
いったいどうしろっていうんだラッキースターなんて友人の噂話でしか聞いたことねえよ行きつけの本屋にも置いてないし
そもそも女キャラならもう三人もいるじゃないかそれに話に聞く限りじゃ長谷川とか椎名のほうが相性よさそうだし
畜生あの野郎やけにトランシーなアニメ版主題歌をノンストップで流しやがってお前の下らない作戦はこれを狙っていたのなら予想以上の効果を挙げたぞッ!
やはりどうにかして一度読んでおいたほうがいいんだろうか。しばらく前からやけによく名を聞くようになったし。
>>82 それはいい電波www
アニメと漫画じゃ色々違うってよく聞くから漫画は読んでみた方がいいのでは?
漫喫にはありそうなものだが…
しかしえなりチームがまたカオスなことになりそうだw
グレートホーン。
それは人知を遥かに超えた力を持つ聖闘士が、その腕を組む構えで
双腕に極限まで蓄えた力を瞬時に相手に叩き込む、所謂「居合い」。
その迅さは光を超え、
その威力は虹を砕く。
物理的な威力に限定すれば数ある車田の必殺技の中でも
最強の一撃の一つと言ってもいい。
一方サムライドライブは人知を遥かに超えた力を持つテニヌ選手が、
その俺理論で相手の打球を二つに割り文字通り倍返しする所謂「魔球」。
たしかに色々な意味で恐るべき必殺技ではあるが、その程度では到底
かの不条理の極みにして暴君、車田は倒せない。ならばどうする?
(…ゆで先生、アンタの理論、使わせてもらうよ。)
許斐はボロボロの体に僅かに残された全ての力を込めた。
(…先程の一撃で、車田先生のアンタレスは2つになっている。なら…)
「…手塚ゾーン。」
(このアンタレスを2つ同時にサムライドライブで叩く事で
さらに倍にする!これで4倍!…そして!)
「うおおおおお!」
車田に直撃して跳ね返り、ロブが上がった状態のアンタレスを
許斐はあえてその場で待たずに一瞬ダッシュで前に出て、
(最後に通常の1.5倍のダッシュと!)
通常のスマッシュの打点よりかなり高い位置のアンタレス目掛けて
通常より高く、高く舞い上がり、
(2倍のジャンプで!)
そのラケットで正確にアンタレスを捉えた。
(車田先生!貴方を上回る2×2×1.5×2=12倍の一撃だ!)
「 サ ム ラ イ ド ラ イ ブ ・ ア ン タ レ ス !」
つづく
・別に車田が1000万パワーで許斐が100万パワーと言う訳ではない。
12倍なら勝てるってのは許斐の妄想と勢いでの発言みたいな。
・かがみは難しいよ。あとアニメと漫画はちょっと違うよ。
・忙しいと書く暇がなかなか見つからないよ。
まさにテニヌ。気合と思い込みでパワーアップするのが少年漫画だからこれでいいのだ。
グレートホーンのアルデバランもいいキャラだったんだけど、十二宮編以後は徹底的に不遇だったな。
やはり………顔か。
らきすた(ラッキースターの略じゃなかったのね)がどうしても見つからないからDOGSのついでに取り寄せてもらうことにしたよ。
しかしなまじのエロ本よりタイトル書くのが恥ずかしかったよ。
面白い漫画でありますように。
87 :
メロスのごとく:2008/07/13(日) 22:36:39 ID:x6IsHXtk0
久米田 おや?知らない内に板もスレも変わっていますね。
怜奈 そりゃそうよ。私達、何か数ヶ月放置されてたもの。
畑 あれ、そんな経ってました?
河下 ………
怜奈 あ、畑先生に河下先生も無事だったのね。
畑 無事って、大げさな。
怜奈 この類のSSはいきなり展開とか複線とか
一切合財放置して消えるって事があるのよ。
久米田 メタですね。
怜奈 まぁね。で、ついでにこっちも今までの展開のおさらいを
しておきたいんだけど。ホラ、前スレ少し前に落ちて
今、私達が何してるか分からない人も多いじゃない?
畑 っていうか読んでる人がそもそもあまり…
久米田 畑君。
畑 はい。
怜奈 んじゃお願いね。
畑 …はい。では、えーテステス。それじゃ始めますよー。
88 :
メロスのごとく:2008/07/13(日) 23:46:00 ID:x6IsHXtk0
ダンダンダダダダダン ダンダン ダダダ
久米田 (!)
チャラーチャラララーチャラーチャラララーチャラーチャラララー
チャラーララララーラーラーラーラーラー
怜奈 (何この80年代っぽい音楽?)
久米田 (ニヤリ)
〜〜〜〜〜〜 中 略 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
涙ーキスでーぬーぐーぅたぁー♪
「パンツ見せるのも仕事ですから。ただ見せれば
人気取れる訳でもないですし。」
「…やっぱり貴方ってプロよね。ムカつく位。」
「えーと!女の人が!裸で!おっぱいとか!」
「痴女ですよ河下君!天下の集英社に痴女が!」
ロンリーウエーィ♪
〜〜〜〜〜〜 中 略 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
畑 ふぅ〜。まぁ、今までのおさらいはこんな感じで。
久米田 お見事です畑君。でも原曲を使わずあえて自分で
アイドルソングっぽく歌い上げたのは何故ですか?
畑 今の僕はCV:白石涼子だからです。そもそも(ry
久米田 …成程。畑君、君の考えは分かりました。ですが(ry
怜奈 何言ってるかよく分からないが
とりあえずお前ら黙れ。
そういやこいつらも久しぶりだなってかお前らそのあらすじでいいのか?
えなり対ハムのアレを思い出すなあ。
そして白石女史なハヤテ君な畑君が歌うメロスのようにって破壊力ばつ牛ンなのは確定的に明らか。
90 :
えなりの卵:2008/07/15(火) 09:36:29 ID:/g+LD6pC0
ここはとある山間部。普段ならビル街から少し離れた森林浴場として良さそうだが、
現在そこにいる者たちにはどうでもよい事だ。
そもそも、ついさっき戦でもあったように、少しばかり木がなぎ倒されているのだ。
そうして広くなった場所はヘリの着地に丁度いいとばかりに、えなり一行は森林に降り立っていた。
するべき事は唯一つのみ。片時も見逃すまいという監視カメラを撃ち落す為。
どうやってやるのかえなりが問う前に、福地は“口笛”を“レーザー”に変える能力で撃ち落し始めていた。
それに続けとばかりに、千道も羽根を手裏剣のように放つ。
えばらは何処からか取り出した傘をバイオリンに変えて、奏でるように衝撃波をぶつけていた。
えなりも手伝おうとしたが、生憎武器となる東はまだ眠ったままなので、3人の力に関心している福本の隣で
ただ眺めていた。
3人の攻撃により、瞬く間に監視ゴーレムは破壊された。藤真の悔しがる顔が目に浮かぶようだ。
そうしていると、破壊による騒音からか、はたまたエネルギーの充填が完了したからか、
目覚めた東がヘリから降りてきた。
「もう寝てなくていいのか」
「あれだけの消費分だったらもう大丈夫よ。第一さっきから五月蝿くて眠るどころじゃないじゃない」
「お前な、頑張ってるのにそれはないだろ」
東の愚痴に応えるえなりを横目に、福本は腕時計を何気なく見た。そんな自身の行為で、
彼はある事を思い出した。
「そういや、まだ飯食ってなかったな」
そんな一言に、えなりを含めた他の面子も空腹を思い出した。
「そういえば、お昼がまだだったのだわ」
「色々と大変だったから、忘れてたわぁ」
「僕も」
「なら俺が何か買ってくるっスよ」
彼らの様子を見て、福地はそんな事を言い出した。
91 :
えなりの卵:2008/07/15(火) 09:39:31 ID:/g+LD6pC0
「いや、そんな悪いですよ。福地先生はさっきから働いてるじゃないですか」
「別にいいっスよ。皆何かリクエストはあるっスか?」
彼はえなりの気遣いに問題ないよ言うようにペンを片手にメモをとる体勢になっている。
「俺は缶ビールに焼き鳥」
「私はサンドイッチ一つね」
「私は万里と同じく、それに午○の紅茶」
「あら渋子、ペットボトルのお茶でいいの?」
「ここのところ、まともに紅茶が飲めてないから」
「なら私幕の内弁当」
「お前ちょっとは遠慮しろ。えっと、じゃ僕もお言葉に甘えてカツサンドを」
「了解っス。じゃあ近くのコンビニまで行って来るっスよ。『電光石火(ライカ)』!!」
途端に福地の足に木製のローラースケートのような物が装着される。そのまま彼は、滑る様に斜面を下っていった。
福地が出掛けてからしばらく、暇を持て余した一行は他愛もない話で盛り上がっていた。
そんな中、東が不意にこんな話題を持ちかけた。
「そういえばさ、あんたバンドのボーカルやってるのよね」
「そうだけど、なんでそんな事訊くんだよ?」
「いやさぁ、さっきの戦いで謳ってた時、練習無しだったのに上手かったなぁって」
「あら、えなりの歌ってそんなに素晴らしいものなの?」
「それだったら、私達も聴いてみたいわね」
「俺も聞いてて、なかなか良かったと思ったな。しかしそんな才能で借金持ちなんてな」
「それは言わないで下さい」
褒められて少し嬉しくなっていたえなりが、借金の事を聞いただけで途端に暗くなってしまった。
「世の中そう上手くいきませんよ。僕より凄い歌を歌える人が沢山いるのに……」
「あら、それは分からないわよ」
このまま行けば地球の核まで落ち込みそうだった気持ちのえなりに、えばらが言い出した。
92 :
えなりの卵:2008/07/15(火) 09:41:27 ID:/g+LD6pC0
「確かに、今のあなたはまだまだだわ。けれど、これからどうなるかはやってみて初めて分かるのよ。
それに、あなたの中には『心のたまご』があるはずよ」
「心のたまご?」
「自分がなりたいと思う自分が生まれてくる卵よ。今はまだ殻が割れていないけど、
あなたの力になってくれるはずだわ。第一、あなたは歌が好きだから歌い続けているのでしょ?」
「……」
それは彼に深く考えさせる言葉だった。今まで自分は、
来てくれない観客や増え続ける借金に気を取られ、一番大切なことを忘れかけていたのかもしれない。
「心のたまご……か……」
誰かに言うでもなく、えなりは呟きながら考えていた。そんな時だった。
「みんなーっ、大変っスよーっ!!!」
突如、遠くの方から福地の大声が響いてきた。自身の神器『電光石火(ライカ)』により、
その名のまま仲間の元に到着する。
「一体どうした!?」
「そんなに急いで何事なのよ!?」
彼はえなりたちに、息絶え絶えに言い始める。
「さっきコンビニにいたら、小学館が襲撃を受けているって情報があったっス」
「小学館に襲撃!?」
「お昼食べてる時間はねえっス。至急ヘリで向かうっス」
彼が急がせるまま、一行は再びヘリに乗り込んだ。小学館に向かう為に。
悲しいことに、福地はその敵襲の中に安西がいる事を全く知らない。
93 :
えなりの卵:2008/07/15(火) 09:48:50 ID:/g+LD6pC0
・やっとえなり達が書けた。自分怠けすぎだよ
けどこれから一ヶ月確実に書き込めないんで、えなりは好きな様に動かして下さい
・『しゅごキャラ』結構面白いよ
・畑の姿がハヤテなら、女装ネタもまた一興
それと『らきすた』関係はどうなんだろうね
旧えなりの赤松みたいに、萌え漫画描きに一部厳しい部分あるしなぁ
そんなこと言う自分だが、旧えなりに出た佐々木少年と福地を戦わせて見たいと思ってたりする
エロゲの厨設定vs少年漫画の地味能力設定って感じで
なるほど、しゅごキャラネタか。
だが一番の問題は主人公っぽく悩むえなりに強烈な違和感を覚えてしまったことだな。俺が。
旧版中期以降の呪縛は強力だぜェェェ
いわゆる萌え系は好き嫌いがはっきり分かれるからね。
まあ一度出してみて不評だったら竹本とかみなもととかヤマグチみたいに退場させればいいんじゃないか?
まあ俺が電波を受信した本人だからこう思うだけかもしれないけど。
あと、もし本当にやるなら佐々木よりも茄子茸(だっけ?)本人のほうが一発ネタとしては優秀かも。
確かに漫画家じゃないけれども、言動のアイタタぶりでは近年トップクラスとかいう噂を聞くし。
えなりktkr今回はまったりとした雰囲気で和んだw
えなりの成長フラグが立ってて良い感じ。それにしても福地は働き者だなw
次回はやっぱり安西と戦うことになってしまうのかな。
小学館、週刊サンデー編集部前。
普段は漫画家や漫画家志望者や編集者で溢れ返っているここも、今日は異様な雰囲気に包まれていた。
資本的に集英社とある程度連動しているここは、集英社の『週刊少年ジャンプ』が襲撃を受けたとの報を受けてすぐに封鎖された。
しばらく前より秋田書店と泥沼の抗争状態になっておりサンデーも数度の攻撃を受けているためにその対応は素早く、
サンデー並びに小学館の関連施設全てから関係者以外の人間が閉め出されるまでにはさほどの時間を要しなかった。
だから、そこだけ不自然なまでに警備が薄い正面の大通りから五十人はいるであろう秋田と思しき暴徒が現れたときも、誰一人として動揺する者はいなかった。
なぜならそこは最大の罠であり、常人を、いや、並の漫画家を遙かに上回る力を持つ男、雷句誠が防衛していたからである。
もっとも当の雷句は先日無策な上層部により講談社へ単身突撃させられ、
窮地に陥ってなんとか帰還したと思ったらいきなり危険度最大の部署に配属されて胸中穏やかならぬ状態だが。
ともあれ、いくら雷句がベストの状態ではないと入っても相手は所詮努力も年期も足りないアマチュア集団である。
スピリッツの浦沢が『リハビリテーション』と揶揄したのもむべなるかな。
「やはり万一のことがないか心配だ」と言って雷句の元に向かった皆川が道化に見えるほどに力の差は歴然としていた。
皆川が雷句の元へたどり着くまでの3〜4分足らずの間に魔法すらほとんど使わず20人近くを沈め、「ようやく勘が戻ってきた」と涼しい返事をしたほどである。
だが、その直後に敵の増援が現れた。数は二名。
人数と反比例するように彼らの気配は禍々しく且つ強大で、間違いなくメジャー誌の看板クラスであろうことは容易く想像できた。
そして、二人のうち向かって右側の男の姿を認めたとたん、雷句の身に尋常ならざる戦慄が走った。
なぜなら、その男こそは彼の兄弟子、安西信行であったからである。
雷句が安西と対峙するのとほぼ同時にもう一人の男が皆川に十字手裏剣を投げつけ、戦闘が始まった。
昆虫を思わせるフルフェイスのヘルメットを被ったそいつは忍者、それも古典的な少年漫画に出てくる忍者を思わせる一流の体術と暗器の使い手で
昨夜の怪我と疲労が完全に治りきっていない皆川は苦戦を強いられる。
やや遅れて安西と雷句も戦闘状態に入るが、こちらはもう少し極端だった。
雷句は相手が安西ということで、生来の純粋で一本気な性格も手伝ってどうしても手が鈍り、加えてつい数刻前までの死闘(作者談)の影響も色濃い。
対照的に安西には全く手心を加えようなどと言う意志は見えず、むしろ同門であることが却って彼の歪んだ怒りに油を注いでいるかのようだった。
安西達が現れてから数分足らずで戦局は完全にひっくり返された。
皆川は仮面の男ZXの前に防戦一方、雷句は安西の執拗な攻撃に息も絶え絶えといった状況であった。
エンジェル部隊達はその間隙を縫ってサンデーへ進攻を再開し、まさに絶体絶命という状況まで小学館は追い詰められていた。
だが、あわやというその瞬間に皆川の賭けが功を奏した。
彼の発信し続けていたテレパシーを自らもテレパスである椎名高志が受信、同行していた高橋留美子と藤田和日郎までも連れて現れたのである。
そしてそのまま藤田は雷句をかばう形で安西と戦闘開始、椎名はどう見ても危険性レッドゾーンな連中の相手は御免と雑魚の掃討を始め、
留美子は皆川に加勢してZXと対峙した。
これで機運は再びサンデーに向くかと思われたが――
「まずいな……。」
サイコキネシス(観念動力)で秋田の雑兵(正体は講談社のエンジェル部隊)を数人まとめて吹き飛ばしながら、誰に言うともなく椎名が呟く。
一部の隙なく着こなしていたであろう高級そうなスーツは土と木の葉と埃にまみれて数十年着た切り雀だったかのように見え、シリアスにしていればそれなりに整った顔も焦燥が色濃い。
数分前に皆川からのテレパシーを受信し小学館に急行したのだが、なにぶん三人ともつい先程まで戦闘していたため疲労困憊である。
椎名は直接戦闘に参加していたわけではないが、かなり長距離かつ長時間のテレポートを繰り返したため疲労の度合いは留美子や藤田とさほど変わらない。
平時なら同人崩れの雑魚など何十人かまとめて戦闘不能にするほどの威力を持つサイコキネシスも本来の力を発揮出来ていない。ギャグとシリアスの中間っぽく吹き飛ばすのがやっとだ。
しかしそれでも、椎名は相手の質という意味では最も負担が軽い。
だから周囲の状況や今後の戦況などに頭を回す余裕があるのだが、
(やばい……やばいぜ留美子センセエ……不都合な真実しか見えやしねえーーーー!!)
「何でだよおオイ!!!藤田ァ!! あんたは、あんただけは俺の味方なんじゃあなかったのかよ!!!
応えろよ!!応えてくれよォ!!!」
「ああ。僕は君の味方だ。弟子を裏切るような師匠なんて、いるわけがないじゃないか。
だから、ここで君を止める!! 留美子さんが、僕にしてくれたように!!!」
「仲間になっている」と聞かされていた藤田が敵として現れたことで、安西の精神は非常に不安定な状態にあった。
心のタガが外れかけ、暴走する一歩手前である。
「意味わかんねえ事を言うんじゃねえ甲羅ァ!!チェンジARM、ダガー!!」
「わからなくてもいいさ。僕は口下手だから、行動で示す!!聖ジョルジュの剣!!」
対して藤田は、いつもと変わらぬ鋼鉄のようであり流水のようでもある光を放つ目で安西を見据えている。
だが、後ろに引いた形となった雷句には、二人の現在の状況は見た目通りのものではないことがわかってしまった。
安西は自身の肉体や精神を破壊しかねないほどの力が内面で底流となって渦を巻いており、
藤田は眼光こそいささかの衰えも見せないものの体力、精神力ともに砂利道を走ったタイヤの如く摩耗している。
「藤田殿……!!安西……!!
頼むっ! 虫のいい願いなのだろうが……死ぬな…!!!」
留美子の花火爆弾『八宝大火輪』と、仮面の男ZXの膝蓋に取り付けられていた『衝撃集中爆弾』が空中でぶつかり合い、爆風が留美子、皆川、ZXを覆う。
「皆川君、大丈夫かしら?」
「ええ。お久しぶりです留美子さん。
助かりましたよ。正直、もうだいぶ駄目かなと思いましたから。」
小洒落たTシャツは埃にまみれ、所々ほつれや破れのみならず刃物によるとしか思えない傷や、まだ真新しい赤い染みが付いている。当然、それを着ている皆川の状態も推して知るべしだ。
だが、先日の怪我や疲労が残っているのに加え、テレパシーを使いながらZXと戦っていたのだ。この程度で済んでいると言うべきなのかもしれない。
「駄目よ、そんな弱気じゃ。勝てると思ってない人間が勝てるわけはないわ。
……ところで、こいつは何物?」
まだ緑色のビキニ水着としか言いようのないコスチュームのままの留美子が言う。ちなみに親指程度の太さがある鋼線っぽいものが上半身に何本か絡み付いていてなかなか扇情的だ。
適度に筋肉が付いた白い腕が指す先には、徐々に晴れてきた爆煙の中を焦るでもなく怯えるでもなく、高揚するでもなく、ただ隙なく歩いてくるZX。
「いや、それがさっぱり。大方秋田書店の刺客なんでしょうけど、まったく読めないんですよ。
ロボットとかそういうアレじゃなさそうですけど、心が閉ざされているというか空洞というか……」
「そう……。何だか、嫌な感じね。何だか、誰かの泣き声が聞こえるみたい。」
半ば独り言のように呟きながら構える留美子の足が、僅かに震えている。
恐れではない。限界まで駆動する身体に蓄積された損耗が、ついに脳の下す命令を実行できなくなる危険水域を超えたのだ。
『るーみっく・わーるど』も今度こそ本当に発動できない。
つい数十分前まで藤田和日郎と命懸けの戦いをしていた彼女もまた、皆川に負けず劣らずの満身創痍であった。
そして数分の後、椎名の見た最悪の幻視はまさに顕現しようとしていた。
すなわち、留美子と藤田、そして椎名が加わってもなお、天秤は彼らに傾こうとはしなかった。
むろんそれは彼らが皆今立っていられるのが不思議なほどの死闘の直後であったこと(約一名例外)が大きいのだろうが、
それはルールの不在こそが唯一のルールである戦いにおいては考慮されてはならないものだ。
椎名は数を頼みに圧す敵兵の足止めで手一杯であり、他を助けにこの場を離脱するなど不可能だ。
留美子と皆川は一切の感情とそして感覚までも何処かへ置き去りにしてきたようなZXの戦い振りに苦戦を強いられている。
藤田は半ば正気を失いかけた安西の暴力的な攻撃を受けて防戦一方。雷句は蓄積されたダメージが大きくまだ戦える状態にない。
要するに、打開策の見つからない絶望的な消耗戦である。
その戦場に飛び込んでくる鋼鉄の咆哮を最初に聞きつけたのは、あろうことか安西であった。
「なんだ……この空間を打ち鳴らすような重低音は? まるでスピードメタルのドラムロールだ!!」
音というものは、普通考えるより強く記憶と同期している。
雑踏の中でたまたま耳に入った言葉なり音楽なりが脳の深層に眠っていた遙か昔の出来事を思い起こさせることも、珍しくはない。
本能的な意識が全面に顕在していた安西が、普段傾倒していたメタルを思わせる音を耳にして一瞬自失したとしても、何の不思議があろうか。
そしてその一瞬に、安西の意識はバネ仕掛けのように激しく揺さぶられた。
「駄目じゃないか安西。漫画でもなんでも、途中で他のことに気を取られちゃあさ。」
藤田の剛拳がこめかみに砲弾を思わせる速度と威力で叩きつけられていた。
「ぐうっ……し、師匠………藤田ァ……!!!」
さすがに戦闘不能までは至らなかった安西が再び藤田に殺気を叩きつけたが、確かにこの瞬間から天秤は動きはじめた。
藤田の後ろでゆっくりと、だが確実に、雷句誠が立ち上がりはじめたのもその一つ。
「なんだ……あれは?自動車……いや、バイク…なのか!?
あんな化け物バイクが、存在するのか!!」
次にその姿を認めたのは、皆川。
なるたけ挟撃の形にするべく痛む身体に鞭打って動き回っていた彼の目が、彼方の黒点を見定めた。
昨日まで、そして恐らく明日からは数限りない車と人で埋め尽くされている大通りも今は封鎖のため閑散としており、その車らしき物は奇妙に場違いに思えた。
いや、たとえ平時であったとしても、このバイクは明らかに『ここにあるべきではない物』に見えただろう。
それは一見したら幅狭のバギーかと思うような、怪物自動二輪だった。
もしかすると自動二輪という言い方も不適当かもしれない。
深いモスグリーンのボディを持ち、ノーズに『07』と白地で刻印されたそのバイクには、前輪が二つあった。
悪路での戦闘を前提として制作された事を示す、兵器の証である。
重量1トン、排気量3000、カウルはフルセラミックで出力は20000rpmを軽く叩き出す。
武装はノーズから戦車の主砲のように生えた40mmライフルと、戦闘機のそれを彷彿とさせるリヤウイングに取り付けられたミサイル。
昨今の緩いバトル漫画家たちが夢想するアイテムとは明らかに一線を画す、戦争のために作られた『兵器』であった。
そいつが猫科獣の吠えるような排気音を奏でながら、幅50メートルはある幹線道路を埋め尽くすような威圧感をばらまいて近付いてくる。
乗物オタクでもある皆川がその野性的なフォルムと、舗装道路を走っているだけなのに躍動するかのような活き活きとした動きとに目を奪われていたとき、
ぐんぐん大きくなる化け物バイクの上で立ち上がる人間がいた。
短く切りそろえられ、いかにも少年漫画の主人公といった感じに後ろへ逆立った茶髪の中に二筋だけ鮮やかな赤毛の混じるその男が、
カッターシャツの上から結んだネクタイが風を受けて激しくはためくのも構わず何事か叫んでいる。
「だ、誰!? あんなバイクに乗って、いえそもそも今この場に現れるなんて漫画家以外ありえないけれど、あんな物を持ってる知り合いはいないわ!!」
ZXの攻撃を必死で捌いている留美子の脳内に、最悪の仮説が浮かぶ。……知り合いでなければ味方である可能性は低く、味方でないのならばこの状況で現れる以上敵でしかありえない。
しかし、幸運にもその想像は外れた。
何やら特撮ヒーローのようなかけ声と派手なジャンプから留美子たちとZXの間に跳び蹴りの動作で割り込んだ男は、こう言った。
「小学館ってのは、どっちだい? SOSが聞こえたから、助けに来たんだけど……」
いつの間に着替えたのか、競泳用水着のような光沢のある黒いSFスーツの上から青のロングコートを羽織ったそいつの名は、長谷川裕一。
謎の乱入者に大きく救われた感のある四人に比べ、椎名は少しだけ星の巡りが悪かった。
男(長谷川)が飛び降りたあともバイクの速度はまったく落ちず、雑兵の群れへ、つまり椎名のいる方向へ真っ直ぐ突っ込んできたのである。
「うわあああああ!!こ、殺す気かあああぁぁぁっ!!!」
とっさに三メートル程度テレポートして轢き逃げアタックは避けた。
が、まだ避け方が甘かった。
ほっと一息つこうとした椎名に向けて――実際には椎名を狙ったわけではないのだろうが――羽の付いた筒状の物が煙を吐きながら飛んできた。
「み、みさいる……… ? 」
本来対戦車用として開発されたそれの威力は凄まじく、着弾地点が軍団からだいぶ離れた場所であったにもかかわらず
殆ど全員(椎名含む)を吹き飛ばし、さらに10人以上(椎名含まず)を戦闘不能にしてしまった。
「チクショウ……敵の新手か!?味方ごとぶっ飛ばそうなんて、悪趣味な外道め!!」
悪態を付きながらなんとか椎名が起きあがると、先程の大惨事を巻き起こしたバイクの化け物がUターンして彼へ向かってきた。
「やる気かてめー!!上等だ、相手になってやんよ!!!
俺あこれでもサンデーの看板張ってんだ!!かかってきやがれ下衆野郎!!!」
椎名は既に両手にサイキックエネルギーを集めて気合十分だったが、突然相手のバイクが止まった。
何事かと少々面食らっていると、長身の男が鉄の馬から飛び降りた。どうやら長谷川だけでなくもう一人乗っていたらしい。
「こっ……こいつは………!!!」
「すまなかった。あの中に小学館側の人間がいるとは思わなかったものだから……。」
その男の口調は穏やかで本心から謝っているようだったが、椎名の全身が『こいつは敵だ』と声を限りに叫んでいた。
長身にぴったりとフィットした赤い軍服の上からでも引き締まった体躯が見て取れ、スポーツサングラスをかけた顔は嫌味なまでに整っている。
その上一挙手一投足にカリスマというかなんというかオーラっぽいものが漂い、詰まるところ町中を歩いていたら黄色い嬌声が上がること間違いなしの優男であった。
椎名がこの男を敵と断じたのは、要するに嫉妬である。
(今のうちにこいつを抹殺せねば……!! 遠からず俺に害をなすっ!)
そう感じて霊波刀を振りかざし男に斬りかかったが、あっさりと赤く光る剣で受け止められた。
「なんだ…?やはり、敵なのか?
私は小学館を助けに来たのだ。君がサンデーの漫画家だというのなら、その剣を仕舞いたまえ。」
男の声には静かながらも空気が倍の密度になるような威圧感があった。
『戦えば死ぬ!』椎名の本能はそう告げていた。
「い、いや……それならいい。こちらこそ済まなかった。
見ての通りの状況だからな。誰かは知らないが、協力してくれるというのならお願いするよ。」
コロコロと秋の空より速く態度を切り替えられるのも、見ようによっては椎名の特技と言えなくもない。
今は勝てないとわかったとたんに平謝りし、改めて協力を要請する。まさに電光石火の早技である。
「なに、わかってくれればいいのだ。こちらも誤解されるようなことをしてしまったからな。悪かった。
私は安彦。安彦良和だ。いわゆるマニア誌を中心に活動させてもらっている。
もっとも今は一つの長編にかかりっきりだがね。とにかく、よろしく頼むよ。」
どうやらそれが功を奏し、和解には成功したようだ。
「まずは、ゴチャゴチャとうるさい雑兵どもから片付けるとするか!!」
右手にビームサーベル、左手にギリシャ風の剣を構えて安彦が叫ぶ。
「安彦良和……どっかで聞いたような気がするなあ。まあいいや。俺は椎名高志。サンデーの漫画家さ。」
内心胸を撫で下ろしている椎名。
「そんじゃあ一丁……共同戦線といくかぁ!!
こんな二束三文の雑魚はさっさと倒しちまって、向こうの留美子さんたちに加勢しねえとな!!」
こちらは右手にサイコエネルギー、左手にサイキックソーサーを浮かべて吠える。
太陽は中天に座し、都会特有のアスファルト臭を含んだ暑い風が吹き抜ける。
人気の無い大都会などという矛盾した地に立つ者9+30人ぐらい。
藤田和日郎・雷句誠VS安西信行。
皆川亮二・高橋留美子・長谷川裕一VSZX(村枝賢一。)
椎名高志・安彦良和VSエンジェル部隊×約30人。
そして――打ち合わせていたわけでもないのに、まったく同じタイミングで全員が動いた。
聖ジョルジュの剣とダガーソードが火花を散らし、
長谷川とZXが二言三言のやりとりの直後上空に飛び、
安彦と椎名が各々の武器で兵士を叩き伏せる。
今ここに、最悪の大乱闘勃発。と書いて野球を思い出す人ってどれぐらいいるんだろうか。
――――――――――――――――――――――――
・最後とか言っておきながらこのままいくとあと二回ぐらい書かないと収まりそうにない感じ。
・横島と皆本が混じり合ってどうにもシリアスモード椎名がうまく書けない。
・今回安彦と長谷川はだいぶマイナーどころからネタを持ってきてるんで、使い辛かったら適当に換装させといてくださいな。
・そういえば、いわゆる萌え系は不遇といっても畑とか河下とかは結構愛されてる印象を受けるけれども。
・MTGでも歌でもない題名を付けるのは久々だな。
103 :
おまけの人々:2008/07/15(火) 22:00:36 ID:Q9L11kX90
それは、恐るべき闘争が幕を開けた小学館から
かなり離れた講談社の一角にて。
畑 だから!何度言えば分かるんですか師匠!アイドル声優はただのアイドル崩れとは
違うんです!アイドルと声優!両方の魅力を備えたそれがアイドル声優なんですよ!
久米田 それが逃げだと言うのですよ畑君!私は見てきたのです!所謂ブームで祭り上げられ
実力も無いまま持て囃され、努力もせずに漫然と活動を続け、ブームが去った後には
何も残さずに姿を消したそのような連中を幾人も!
畑 そうした連中と今のアイドル声優は違います!
久米田 何が違うと言うのですか!昔も今も世の真実はそう変わる物ではありません!
怜奈 …ねぇ、河下先生。
河下 はい?
怜奈 あの二人、殴り飛ばしてもいい?畑先生が何かオタ臭いアイドルソング歌ってから
いきなりアイドル声優とやらについて議論始めてかれこれ30分、正直ウザイわ。
河下 ダメですよ。いくら何でも暴力はちょっと。
怜奈 ってか今、アンタら戦闘中でしょ?ちょっとくらい仕事しなくてもいいの?
河下 私達の仕事はバックアップですから。何かトラブルが無い限り仕事は無いんですよ。
ほら、今の所モニターにも計器にも全くもって異常なし。
怜奈 まぁ、それならそうなんだろうけど…。
河下 「知らせが無いのは良い知らせ」、のんびりしてましょう。
怜奈 まぁ、そうね…で、あの二人殴ってもいい?
河下 ダメですってば。
そして講談社のまた別の一角にて。
もこな ちぃ?
大川 何かあったの?
もこな …ちぃ。
大川 何も無い?ならいいじゃない。赤松君と私達の計画が
上手く行ってるって事なんだから。今の所は、ね。
104 :
おまけの人々:2008/07/15(火) 22:33:11 ID:Q9L11kX90
もこな ちぃ!
大川 違和感?何か?
もこな ちぃ。
大川 …小学館と集英社の両者を相手にしている割に
状況があまりに万全過ぎる、か。
もこな ちぃ。
大川 分かった。情報操作の可能性を考慮しろって事ね。
まさか貴方にその分野で一杯食わせるような漫画家が
存在するとは思えないけど、一応チェックしておくわ。
つづく
・いきなりスレが進んだなぁ。何とも驚いた。
・落とし神を出そうと思ってやっぱりやめた。
・集英社どう動かそうかな。
長編乙
これは熱くなりそうだw大人数を動かすとはスゲー
久米田と畑自重しろwww
藤田は某ジュビロや単行本の後書きでのキャラが強烈すぎて、どうしても「僕」呼ばわりにとてつもない違和感があるな
和月 「こ…」
鳥山 「これは!?」
ゴールドクロス
「「 黄金聖衣 の 欠片!」」
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部
第19話 親愛なるテニスの王子様、許斐剛へ その@
鳥山 「オメエの言ってた車田の反応ってのはコイツの事か。」
和月 「あぁ。聖衣の中に残された小宇宙が反応してたって訳だ。
これならさっき先生がギャリック砲を喰らわせても反応が
全く変わらなかったことも説明が付く。」
鳥山 「って言うと?」
和月 「つまり黄金聖衣は悠久の時に及ぶ神々との戦いを経て完全には
破壊された事がない程に頑丈ってのは嘘じゃなかったって事だ。
小宇宙は多分装着してる内に自然に強く染み付いたんだろう。」
鳥山 「成程…じゃ、何でそのバカ堅い聖衣が壊れてんだ?」
和月 「今の時点じゃ俺にも全く見当も付かないな。まぁ取りあえず
コイツを持って帰ってみっちりと調べてみるしかないな。」
鳥山 「許斐の方は?」
和月 「そっちは相変わらず手掛かり皆無、チリ一つ見つからないな。
レーダーはフル稼働しているんだが…っと、本社から連絡?」
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>>103 相変わらずオタク全開な師弟が最高過ぎ。
一人醒めてる玲奈もいい。
>>107 直情径行型の鳥山と苦労人な和月がいい感じ。
旧版では見られなかった『まともにヒーローやってる和月』にも期待したかったり。
>>106 富士鷹はまあアレだけども単行本のあとがきでは『僕』が多かったと思うんだ。
まあこればかりは個人個人のイメージに左右されるんでどうしようもないけど。
とりあえず俺の中での藤田は一人称僕です。
吉富 さあ、はじめるザマスよ。
光原 いくでガンス♪
高橋 フンガー
許斐 まともに始めんかこのバカ共!
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部
第19話 てに☆ぷり そのA
許斐 違ェ!
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部
親愛なるテニスの王子様、許斐剛へ そのA
許斐 …ったく。
光原 まあまあ。
吉富 それじゃ、続きね。前回アンタがよく分かんない理論で
何かインチキ臭い超必殺技出した訳なんだけど、
車田先生も腕組んだ状態から凄い技出してきたんだ。
許斐 …具体的な描写とかは?
吉富 メンドいからパス。
許斐 おい。
吉富 アンタらの技がどの位トンデモだったかってのは、
まぁ、これを見てもらえば一目瞭然だね。
許斐 …えーと、何?鳥山先生と和月先生と…クレーター?
光原 あなたと車田先生の技が正面衝突した余波で出来た穴よ。
鳥山先生と和月先生はそれを調べに来ただけ。
許斐 本当ですか?
光原 断言してもいいわ。あのテニス、すごいのよ。
許斐 ひゃあ。
吉富 つーか、あり得ぬだろう。
高橋 説明を続けようか。
許斐 あ、あぁ。
高橋 端的に言えばお前と車田の技は互角で均衡状態に入った訳だ。
お前達の言葉で言えば「千日戦争」だな。
許斐 …。
高橋 で、ここからが問題だ。かのジャンプの新旧看板作家同士が
全力で戦って発生したこの「千日戦争」、それに干渉するには
どう考えても人知を超えた超パワーのような物が必要な筈だ。
許斐 まぁね。
高橋 だが、これを見て欲しい。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
車田 (黄金聖衣が砕けた!?この戦いの中で人を超え俺を超え、
神の域にまで辿り着いたというのか、許斐剛!)
許斐 うおおおおお!
車田 この…車田正美が!ぐ…おおおお!
許斐 うおおおお!行けえええ!
タ ー ン
許斐 …へ?
車田 …許斐?
許斐 ……!
車田 …許斐!許斐!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
許斐 …何だこれは?
光原 描写が分かり難くて御免なさいね。まぁ、要は車田先生を
あと一歩のところまであなたが追い詰めた所で…
吉富 謎の第三者に脳天を打ち抜かれたって事だよ。
許斐 馬鹿な!あり得ん!
高橋 そう。まさしくあり得ない。あの状態のお前達二人に
気取られる事無く狙撃を遂行する事もあり得なければ
只の銃で、しかも今の銃声から推測するに恐らく
本来狙撃用ではない銃を用いてジャンプ看板作家を
狙撃、殺害する事もあり得ない話だ。
許斐 …どういう事だ!
高橋 詳しい事は分からない。が、
吉富 アンタは死んだ。
光原 もう元へは戻れない…って事だけは確かね。
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もしやゴルゴ?www
この手の展開最近少なかったから楽しみ。
新キャラ枠を空けて待ってます。
全てが終わった後、何処かのサバンナで車田はパチパチと音を立てて
燃える焚き火を、板垣と共にぼんやりと見ていた。
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部
親愛なるテニスの王子様、許斐剛へ そのB
車田は思う。
結局俺は、また肝心な所で何も出来なかった。
手代木が時空の間に消えた、あの時と同じだ。
神に最も近い漫画家の一人だ?俺が?笑わせる。
今の俺は姿も見せずに許斐を殺した奴の微かな殺気に
心底怯え、尻尾を巻いて逃げた、惰弱な腰抜けだ。
まるで男として認められない、只の屑だ。
「酷い面じゃねぇか。車田。」
ぼそりと正面の板垣が呟く。
「お前に言われたくは無いな、板垣。」
同じくぼそりと車田も返す。
「そりゃ俺の面は酷ぇ事になってるさ。思いっ切り殴られたからな。
だがお前さんのはそういう問題じゃねぇ。何だその面は?」
板垣がずい、と車田に顔を寄せた。
「お前さんのその湿気た面構えだよ。何時ものお前さんの
無駄に自信に満ち溢れた、フッとかフンとか言葉の端々に
無駄に付いて来る、あの鬱陶しい面構えは何処行った?」
だが板垣の若干挑発的な言葉にも車田は黙して答えない。
「…ったく、仕方無ぇな。まぁいい。奴が戻って来たら飯だ。」
そう言うと板垣は顔を引っ込めた。
人気の無い草原でパチパチと音を立てて焚き火が燃えていた。
この組み合わせ好きだな
基本的に義や男らしさを規範とする故に迷ったり後悔したりする車田と、己のエゴに忠実で一切の迷いが無い板垣
旧のときは理性の荒木に本能の板垣というコンビが好きだったが、こっちもなかなか
しばらくして彼方から途方も無く巨大な獣を
担いだ男がゆっくりと歩いてきた。
全身はち切れんばかりの筋肉と頬に刻まれた三本の疵、
落ち武者のようなボサボサの髪に鋭い眼光が印象的な
その男に、車田は何故か懐かしい物を感じた気がした。
「遅れて悪いな、板垣の旦那。」
「いいって事よ。それより飯だ。」
男と板垣は気さくに言葉を交わす。二人は親しい間柄のようだ。
「あぁ。…で、このお方が何で旦那とここに?」
男はそう言って獣を地面に下ろすと、車田の方を向いた。
「まぁ、色々あったんだよ。」
「もう少し分かり易く頼むよ旦那。…っと、お久しぶりです車田先生。」
ニヤニヤしながら話をはぐらかす板垣を軽くあしらって
男は車田へと丁重な挨拶を続ける。
しかし、どうしても車田はその男に見覚えが無い。
車田は酷く当惑した。
「オイオイ、コイツはお前さんの元同僚なんだぜ。
まさかド忘れしたんじゃねぇだろうな?」
「仕方無いか。俺も昔と比べて少し見た目が変わってるからなぁ。」
少し見た目が変わった元同僚、その言葉で記憶を辿るも
やはり車田は目前の野生的な男に見覚えは無かった。
「ヘッ、日頃第六感だのセブンセンシズだの言ってる割には勘が鈍いな。
まぁ、いいか。俺の方から紹介してやるよ。」
その言葉に少し落胆した様子の男を差し置いて、板垣は言葉を続けた。
「こいつは島袋、島袋光俊。元集英社の漫画家だ。」
馬鹿な……!?
違う。俺の記憶の中の島袋はこう、眼と鼻の穴が極端に大きくて、
胸毛が濃くて脚が短くて、不条理な体付きをした男の筈…
「何だその顔?言うだろ?『男子三日会わざれば克目して見よ 』ってな。
馬鹿して集英社追い出されてから色々あったんだよ。この馬鹿にもよ。」
「馬鹿は無いだろ、旦那。ってかそっち系はアンタの方がずっとアレだぞ。」
驚愕を隠せない車田を差し置いて、二人の雑談はダラダラと暫く続いた。
そしてそのダラダラした会話に一区切り付いた頃、板垣は腰を上げ、
「まぁいい。飯にするぞ。肉は俺が焼くから二人共少し待ってろ。」
そう言って素手で肉を切り分け、焚き火の上にそっと肉をすえた。
人気の無い草原でパチパチと音を立てて焚き火が燃えていた。
人気の無い草原でジュウジュウと音を立てて肉が焼けていた。
特別出演 島袋光俊(ちょっとしたらすぐ退場させる予定)
いかん。字、間違えた。
島袋光俊→島袋光年(しまぶー)
しまぶーktkr
まさかこいつが出てくるとは予想外だ
上の人も言ってるけど板垣と車田の対比がいい感じ。
当然サバンナは夕暮れ時で遥か左手にバオバブの木が見えますね?
ガプッ
モニュ…モニュ……
ゴクッ
ガッ
モニュ…モニュ……
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部
親愛なる焼肉の王子様、許斐剛へ そのC
焚き火を囲んで三人の屈強な男達が肉を喰っていた。
何物とも知れない、巨大な獣の肉を、
ただ軽く塩を振って焼いただけのその肉を、
男達は何も言わずに、ひたすらに喰らっていた。
本当に旨い物を喰うとは
賞賛も、
反応も、
薀蓄も、
その他全ての不純物をも必要としない、神聖な行為だった。
しばらくして山のようにあった獣の肉が尽きた。
我に返ったようにほぼ同時に顔を上げた三人は
お互いの顔を見て、思わず笑ってしまった。
「…オイオイ何だその面は、車田も島袋も?酷いったらありゃしねぇ。」
「…ヘッ、そういう旦那こそ、唯でさえ不細工な面がグシャグシャだぜ。」
「…フッ、どうやら先程とは別の意味で俺の弟子達やファン達には
見せられぬ面になっている、と言う事か。こういうのも久々だな。」
肉を喰っている内に思わず流れていた滝の様な涙を拭おうともせず
男達は腹の底から笑った。
人気の無い草原でパチパチと音を立てて焚き火が燃えていた。
ひとしきり笑ってから、男達は横になって空を眺めていた。
とびきり旨い物を腹一杯食った後のこの幸せな時間を、
闘争も、
対立も、
立場も、
その他あらゆるこれまでの煩わしいゴタゴタも全て忘れ
この静寂を男達は満喫した。
しばらくして、島袋が口を開いた
「で、これからだけど板垣の旦那。」
「何だ?」
「…俺と一緒に一緒にグルメ漫画、やってみないか?」
その言葉に思わず板垣は目を丸くする。
「グルメ漫画ァ?」
「そうさ。世界のあらゆる美味を求めるグルメハンターって奴さ。
旦那と俺なら料理漫画界のトップ、取れるぜ。」
島袋のその言葉に板垣は少し躊躇いの表情を見せた。
だが、すぐに右手を左右に振った。
「ないない、それはない…ってか。」
「俺の知り合いにゃ料理漫画家も多くてな、俺が本気出したら
あの中華料理バカに和食天然素材バカが路頭に迷うだろ。」
「……」
「それによ、今の俺は集英社してみりゃ不倶戴天の敵だ。お前が
俺と手ェ組んだ時点で干されちまうだろうが、このバカ野郎。」
「そっちが本音か?相変わらず素直に物が言えないんだな、板垣。」
横から車田が口を挟む。
「うるせぇよ。」
車田の言葉を受けてか、板垣は横になったまま身をよじり、
車田と島袋の二人に背を向けた。
「少なくとも集英社に戻ったら俺たちはお前の敵なんだぜ、島袋。
今ここで闘りたいんなら好きにしな。」
背を向けて横になったまま、板垣は島袋へあっさりと衝撃的な言葉を告げる。
「フッ、敵か。そうだな、俺と板垣は今日集英社を襲撃したばかりだからな。
集英社の人間にしてみれば不倶戴天の敵だな。」
車田も相変わらず横になったまま、同じくあっさりと衝撃的な言葉を告げた。
「敵…。」
その言葉を心の中で反芻しながら島袋は少し両腕に力をこめる
しかし、すぐにふっとその力を抜いた。
「いいのか?」
「ああ。旦那はともかく車田先生が動くのは何か理由がある筈だ。
今ここで闘ってそれを聞き出すってのも無い訳じゃないけど、
まだもう少し様子を見てからにしておくさ。」
そう言うと島袋は目を閉じた。
「ただ覚えておいてくれよ、旦那、車田先生。集英社の命令があれば
アンタ達二人にも容赦無しだ。そんじゃお先にオヤスミ…」
島袋が寝静まった後、車田と板垣はぼそぼそと話を続ける。
「で、これからどーするよ車田。」
「俺はまず出来の悪い馬鹿弟子達を回収しに行く。お前はどうだ板垣。」
「特に無いな。いつも通りぶちのめしたい奴をぶちのめしに行くだけだ。
赤松のガキでも年増の留美子でも安彦のジジイでも猿渡の馬鹿でも
青山の豚野郎でもどれでもいいのさ。まぁ、移動手段はお前だが。」
その言葉に車田は苦笑を浮かべた。
「ま、どっちにしても全ては明日からだ。寝るぞ、車田。」
「ああ、そうだな。」
そう言うと二人とも目を閉じた。
人気の無い草原でパチパチと音を立てて焚き火が燃えていた。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:58/60
・翌朝、日が登る少し前に板垣&車田は聖闘士カードを残して
どこかに消えてたとさ。
・それを見たしまぶーは苦笑いを浮かべていつもと同じように
狩りに行ったとさ。
・というわけで車田&板垣がテキトーに動ける状態になったよ。
・怪我は肉を喰ったら治るぞ。スゴいね、人体。
相変わらずこの二人いいなw
最初は悪役っぽかったが、最近はむしろ強大で胡散臭い集英社や小学館に立ち向かう、孤高の男達ってイメージに
いいねえ、内容もさることながら叙情的?な文章が上手い。
悩みまくって結局わけのわからない長文になってしまう俺も見習いたいよ。
確かに板垣せんせーはグルメ漫画を描いていてもおかしくないなw
128 :
追悼:2008/08/03(日) 10:06:59 ID:7a/01Mx20
客もまばらなバーで二人の男が静かに酒を飲んでいた。
一人は緑色のジャケットに黒いシャツ、黄色いネクタイの
飄々とした粋でイナセな細身で短髪の男で、
もう一人は黒のタートルネックに黒のパンツと全身黒で
コーディネートした、狂気を感じさせる眼の男だった。
「酒飲みの旦那も遂に逝っちまったよ。」
「そうですか。」
視線を合わせずに二人はぽつり、ぽつりと言葉を交わす。
その表情は様々感情が含まれているらしい、重い物だった。
「旦那の生き方は何と言うか、自分を削っていくような、壊していくような
生き方だったからな。いつかこういう日が来るとは思っていたんだが」
「…でも、早過ぎましたよね。」
「そうだな。」
二人は少し沈黙の後、一口、酒を口に含んだ。
「こういうヤクザな生き方してるといつ逝くか分からないからな。」
「ですね。僕のツレも…」
「すまない。」
頭を下げる粋な男に、黒い男はいい、とでも言うように軽く手を振る。
「いや、アイツと僕は今でも共にありましたね。」
「『皇帝』、か。」
黒い男が、粋な男へ顔を向けた。
「ええ。アイツの遺したアレがある限り、僕とあいつは一心同体です。」
その言葉に粋な男はふっと表情を潤める。
「そうだな。」
「ええ。」
二人は眼を合わせると、グラスに残っていた酒を一気に干した。
129 :
追悼:2008/08/03(日) 10:37:55 ID:7a/01Mx20
「よし。ここからは仕事の話だ。」
空になったグラスをテーブルに置いて、粋な男が言った。
先程までの重い雰囲気とは打って変わって口調も軽い。
黒い男は、その様子にかえって痛々しい物を感じたが
敢えて口を挟まずにそっと頷いた。
「あのテニスの件は銀行に報酬を振り込んでおいた。」
「いつものあそこですか。」
「ああ。あと安彦の坊やはまだ遊ばせておくとさ。」
「悠長な事ですね。もう少し試練を与えても…」
「いいんだよ。前回と前々回はそれで壊れちまったんだから。
で、水島の馬鹿は相変わらずこっちに来る気は無いらしい。」
「あの人、頑固ですからね。」
「ったく、あ〜んなイカレ連中の為に馬鹿やって…」
いつも通りのように見えて何処と無く重い雰囲気の中、
黒い男はマスターに向かって軽く手を上げた。
「マスター、ボトル。」
「おい。」
「いいんですよ。こんな日はこれで。」
「って。」
「いいんですよ。今日はあの人の分まで…ってね。」
「…まぁ、いいか。」
二人の酒は結局カンバンまで続いた。
・合掌
・あの人、リアルはともかく作風からすると
「僕」と敬語がとても似合わない。
・何気に緑ジャケットの方も結構トシだ。
タイムリーだな
ニュースみて驚いたわ
ご冥福をお祈りします
また一人巨匠が亡くなられたか・・・
赤塚先生のご冥福をお祈りいたします。
そういえば旧版最終部で動いた数少ない人物の一人でしたなあとかそんなことばかり頭に浮かぶ俺はとんでもない罰当たりだ。
ご冥福をお祈りします
旧版のとき、どうやって戦わせようかと作品内容をこじつけたりして一生懸命能力考えてた時が懐かしい
結局、披露する機会は永遠に失われてしまったけれど
福地が作り出したヘリコプターへ最初に乗り込んだのは福本だった。
本当に人が乗ることを前提に作られたのか疑問に思うほど堅いシートに腰を下ろし、しばし思案に耽る。
(さっきもそうだったが、なんてひどい座席だ‥‥ これにガソリンエンジンの強烈な振動がくれば、立派な拷問装置の完成っ‥‥!!
能力とやらで模型から作ったヘリに文句を言うのもどうかとは思うが、これじゃあ立っていた方がましだっ‥‥!!
さて‥‥小学館、福地の言葉を信じるならその中でも週刊少年サンデー、か‥‥。漫画界トップ3の一つだが、俺は付き合いがなかったからな‥‥。
確かラブコメ・スポーツ・職業系の比較的地味で堅実な漫画家が多い雑誌というイメージがあるが‥‥。
『ラーメン屋のマガジン』『網棚のジャンプ』そして『漫研のサンデー』などと言われているな。
コアなファンを多く抱え、週刊少年誌にしては珍しいほど長期間同じ雑誌で描いている奴が多い、とも聞く‥‥!
ということは、安定した戦力を期待できるベテラン作家がいる可能性が高いっ‥‥!!
ククク、どうやら少しは運が向いてきたっ‥‥!! あとはこのチャンスを物にするためにどう動くべきか、それに焦点を絞るっ‥‥!!)
福本の鋭角的な貌に刃物のような笑みが浮かび、誰もいないというのに空気がどよめくようにざわついている。
(まず、襲撃とやらがどの程度のものかわからないが、それの鎮圧に貢献したならば好印象を与えることが出来るっ‥‥!!
ピーチ何とかのえばらと千道もなかなか使えるようだし、福地は先程の戦いを見るにかなりの使い手‥‥恐らくメディア展開クラス、
えなりの坊やも東とやらのおかげでなんとか戦力になってくれるだろうし、メジャー誌の看板作家でもいない限り盤石っ‥‥! 盤石だっ‥‥! 問題ないっ‥‥!!
あとは恐らく戦闘には加われず、そして交渉の矢面に立つことになるであろう俺を司令官、出来ればリーダーとサンデーの連中に認識させるような行動が必要っ‥‥!!
いや‥‥それよりも同じサンデー漫画家である福地にある程度任せる方が向こうの感情を和らげられるか‥‥?
人間は‥‥結局の所人間は、真に理性的に行動するなど出来るわけが無いっ‥‥!!
ならば、感情から逃れられないのならばっ‥‥!! 利用するっ‥‥!! 徹底的にっ‥‥!)
そう考えて福地翼を呼ぼうとしてはじめて、福本は彼の威圧感によって重力が倍加したようなヘリコプターの中にいるのが自分一人だと気付いた。
彼の思考していた時間はそれほど短いものではなかったはずだ。もう全員乗り込んでいるどころか、小学館への道程を半ばぐらいまで終えていてもおかしくない。
どうやら何か起こったらしい。さっき話してみた感覚では、どうもお人好しそうなのが多かった。この重要なときに自分から面倒事へ首を突っ込んでいないといいが。
福本が異常に気付いてヘリを降りようとしていたころ、そのすぐ側では
「だから、今はそれよりも小学館の方が大事でしょう!?」
「そんなことはないのだわ千道! これは確かに助けを呼ぶ心の声よ!」
「この嫌な臭いはきっと不法投棄されたゴミっス! 山を汚すって事は温泉を汚すのと同義っス!! 樹に変えてやらないといけないっス!!」
「今は臭いより声の方が大事でしょう!? あんた、嗅覚が聴覚より偉いっていうの!?」
「言ってる意味がまったくわかんないっス!! 万物の頂点に立つのは温泉と45億年前から決まってるっス!!」
「ごめん、福地の言ってることのほうがわかんなぁい……。」
何やら異臭がするだの音やら声やらが聞こえただのと不毛な議論という名の馬鹿騒ぎが繰り広げられていた。
「どうでもいいけど、何をするにしても早く決めた方がいいんじゃないの?」
「そうですよ! 変な臭いだのなんだのはあとからでもなんとか出来ますし、今は急いで小学館に向かいましょうよ!
(というか、ただでさえ色々大変なのにこれ以上面倒なことはごめんだよ〜〜!!!)」
だが、えなりと東の比較的冷静な意見によって、
「東の言うとおりなのだわ! 声の正体を迅速に確かめてから小学館へ向かう!! それでいいんじゃなくって!?」
「探偵ごっこは漫画の中だけにしなさいよぉ、えばらぁ! そもそも声が聞こえたなんてのも錯覚じゃあないの?」
「えばらさん、今は謎の声とかよりも重要なことがあるっス!」
「そうそう、福地さんの言うとおりですよ!」
「今大事なのは、ゴミをちゃんと処理して山をきれいにする事っス!! そうっスよね、えなり君!!」
「ちがーーーう!! 違いますから!!」
……事態はさらに混沌とした様相を示し始めた。
(なっ‥‥何をしているんだっ‥‥!?)
相当な場数を踏んできた福本もさすがにこの狂乱は予想外だったらしく、ヘリを降りようとしたままの姿勢で固まってしまった。
(一刻を争う事態だということがわかっていないのか‥‥? ギャグやドタバタをやっている場合では無いというのにっ‥‥!!
くそっ‥‥!! どんな時でもユーモアを忘れないのは結構なことだが、これだから少年漫画家は扱いづらいっ‥‥!)
それでもとにかく事態を収拾させようと彼らの中に割って入ろうとして、再び福本の足が止まった。
ただし今度は放心によるものではなく、その逆、精神を一点に集中させている故である。
彼の耳が、葉擦れと喧噪の中からそれらとは明らかに異質な音を捉えていた。
(草木が音を吸収してしまう上にあいつらがうるさくて非常に聞き取りづらいが、確かにこれは人間と犬‥‥恐らくは野犬の足音っ‥‥!
足音と言うよりは下生えをかき分けて走るときの音と言ったほうが正しいが、あいにくそれを一言で表現できるような言葉を知らないっ‥‥
犬のほうは‥‥最低でも五頭はいるっ‥‥恐らく十頭以上っ‥‥! 殺気立っているっ‥‥!!
人間は一人‥‥! 大方素人が粋がって一人で山に入ったか仲間とはぐれたかして、野犬の縄張りに入り込んだなっ‥‥!
馬鹿がっ‥‥! 山は‥自然はっ‥‥! 魔物だっ‥‥!! それを甘く見たお前が悪いっ‥‥!!
‥‥あのお人好しどもが助けに行こうなどと言い出してまた時間を無駄にする前に、さっさと退散‥‥! この場を立ち去るっ‥‥!)
微動だにせずそこまで思考した福本が「おいっ‥‥」とえなりたちに声をかけようとした瞬間、福本から見て前方左手、えなりの背後に密生していた葛の茂みから
青い塊が何事か叫びながら飛び出してきた。
「わあっ!! な、なん、なん、何だ!?」
混乱をどうにか収集させようとして結果的に火に油を注いでいたえなりは背後の茂みががさがさと音を立てていたのに気付いておらず、
突然の闖入者にいよいよ平静を失った。
「あーーーっ人がいたぁ!! 助かった〜〜〜〜!!!」
突如現れた青髪の少女がそう言ってとりあえず手近にいたえなりの背後に隠れたのにも殆ど気付かず、ただ何かしら叫んでいるっぽいのにだけ反応して頭を抱える始末であった。
「ほら千道!! 右の茂みから音が聞こえるのだわ!!」
「あらあ本当……。しょうがないわねえ、今回ばっかりはえばらの言うことが正しかったみたい。」
福地やえなりよりはまだいくらか冷静さを残していたえばらと千道は、福本の次に乱入者の存在を察していた。
「出てきたのだわ! 彼女が助けを呼ぶ声の主よ、間違いないのだわ!」
「あれえ……? あの子、どこかで見たような……。」
複雑に絡み合って天然の網を形成する葛の弦をかき分けながら脱兎の如く走り出てえなりの背後に隠れたのは、
腰まで届く青い長髪とどこか小動物じみた顔、小学生程度の小柄な体躯とフェティッシュな夏物のセーラー服――しかも非常に丈が短い――が
奇妙にアンバランスな印象を与える少女だった。
「だから福地、ちょっとは落ち着いて! ……はっ!? 何か来るわ!」
「山が温泉で温泉がね温泉が山して温泉なんっスよ! え?なに?」
この面子で唯一の純少年漫画家かつ非常な直情径行型の福地を相手に説得を試みる愚を東が悟り始めたころ、彼女も闖入者の存在に気付いた。
そしてどうにか正気に戻った福地は、少女を追っていたものたちが間もなくここに現れることを察知していた。
それは少女の怯え様からも見て取れる。
ところどころ枯葉や樹液にまみれながらもふわりと伸びた髪の中で一筋だけ重力に逆らうようにぴんと跳ねた毛が震えている。
小文字のオメガを想起させるどこか愛嬌のある口が空気中に放り出された金魚のようにあわただしく開閉している。
「来るぞっ‥‥!!」
突然に現れた少女のために生まれた一種異様な緊迫しつつ弛緩した空気を、福本の短いが有無を言わさぬ強い声が書き替えた。
「来るって、何が……?」
「野犬っ‥‥! 野生化した犬の集団だっ‥‥!」
恐る恐る口を開いたえなりの問いに答えるように、福本が滔々と喋りだした。
「言っておくが、犬といってもジャーマンシェパードや柴といった、運動能力に優れかつ気性の激しい連中をベースにした雑種が大半を占めるっ‥‥
血肉の味と群れでの狩りを覚えたそいつらは、もはや狼といっても遜色がないっ‥‥!
そんな連中だっ‥‥!! そいつらが今の今まで追い掛けていた獲物を諦めて逃げ出すか、隙を衝こうと尾行でも始めるか、それとも人間相手に正面から突っ込んでくるか‥‥
お前達、どう思うっ‥‥?」
「言ってる場合ですか!? 吠え声が聞こえますよ! 突っ込んできますよおーーっ!!」
「突っ込んでくるのだわ!」
「うふふ……突っ込んでくるう……」
「そう、突っ込んでくるっス!!」
「そこをっ‥‥!」
福地が言うのとほぼ同時に茂みを飛び出して襲い掛かってきた一頭に福本がパンチを叩き込んで昏倒させた。
「ガツン‥‥! だっ‥‥‥!!!」
そして手近な石を拾い上げ、
「よく見ろ‥‥半殺し‥‥これが、半殺しだっ‥‥!!」
倒れたままの野犬の頭部に思い切り叩きつけた。
「いいか‥‥こいつらは、全殺し‥‥止めを刺せっ‥‥!!
残酷だと言うだろうが、傷を負った野生動物は凶暴になるっ‥‥!
そのままにしておけば、俺達ではない別の誰かが死ぬと思えっ‥‥!!!」
あまりに厳しい福本の言葉に少々意気を削がれもしたが、所詮漫画家からしたら野犬のたかだか十数頭などお話にもならない。
数分も経たぬ内に全滅させ、一応の埋葬までするほどの余裕があった。
「……で、君は誰?」
戦闘には加わらずにいたえなりが尋ねると、少女はいつの間に立ち直ったのかやたらと元気な調子で
「いやー助かった助かった。ホントもう駄目かと思ったよ、ありがと!」
などと喚きだし、一息ついてからこう名乗った。
「私は美水かがみ。漫画家だよ! コンゴトモヨロシク!」
「漫画家ぁ!?」
「そ、漫画家。コンプティークってとこで、『らき☆すた』ってのを描いてるよ。最近アニメにもなったんだ。よかったら見てね!」
「ああ……聞いたことあります。結構評判いいらしいですね。(っていうかあれ原作あったんだ……)」
相手が漫画家とわかったとたん少々露骨にえなりの態度が変わったが、まあある程度は仕方がないだろう。
「ところで、君たちは何てーの? 見たとこ君以外はみんな漫画家っぽいけど。」
「ああ……あっちの小柄な人形二人が江原渋子さんと千道万里さん。二人でPEACH-PITと言うそうです。
その隣の女の人……女の子? が東まゆみさん。僕と……えーっと、…上手く説明できないからいいや。」
「なんだい、気になるじゃないか。もしかして恋人とか?」
「間違ってもそんなんじゃないです。で、左にいるバンダナをした人が福地翼さん、顔に傷がある怖そうな人が福本伸行さんです。」
「ほうほう、なかなかそうそうたる面々じゃあないか。そんな人たちと一緒にいる君は何もんだい?」
「えーっと、僕は……えなりです。作者の怠慢でそれ以外の名前はないの。職業は一応ロックバンドのボーカルをやってるんですけど(長いので略)」
と、いきなり美水が吹き出し、堰が切れたように笑い出した。
「な、なんですかいきなり!」
「えなり? えなりぃ!? え・な・りいいぃぃ!!?
いやいやいやいや、ないないこれはないって。どう見てもえなりって顔じゃないもん。もっとカズマとかタイキとか……」
「僕はトリーズナーでもアンデッドロンリーウルフでもありませんから! それとその笑い方なんか腹が立つんですけど!!」
「いやーごめん。でも名前って大事だよ? 名は体を表すともいうしさ。挿絵のない小説じゃあ特にね。
それをえなりじゃあどうしても『あの顔』が浮かんじゃうじゃん。
うーん、ラルバ村の焼け跡や海底神殿に行くにはシルバードもマーメイドハープもないし、ダーマ神殿のある中東・チベット近辺は最近物騒だし、
そもそもFC版準拠だったら改名できないし……やっぱり竜の首コロシアムだね! 大丈夫、サボテンダーはスナイパーアイがあれば倒せるから!」
「言ってる意味がまったくわかりません!!!
だいたいこの名前は旧版からの伝統ですし、厨房除けの効果もあるんですよ!!
そんなに変更したかったらテキスト形式で保存してからテキストエディタの置換機能を使えばいいでしょう!?」
書いている本人にもわけがわからない不毛な言い争いは、しかしえばらと千道により遮られた。
「名前なんてモノの本質を示すには至らない些細なものなのだわ。」
「でも同時に必要なものでもあるから、大切にしたほうがいいけれどねえ。」
「あっ、えばらさんに千道さん、助かりました。美水さんをなんとかして……?」
えなりの言葉が途中で止まったのは、PEACH-PITの二人がまるで敵を見るときのようなとしか形容しようのない目で美水を見ていたからであった。
「あなたはだぁれ? 自称美水さぁん……。」
「え? なんのこと?」
「とぼけても無駄なのだわ! ……私たちの描いてた『ローゼンメイデン』も結構同人業界では人気があって、
中には年齢制限かかること間違いなしの本を作者の私たちに送ってくる命知らずも何人かいたのだわ。」
「その中に、あなたの『らき☆すた』ものを一緒に描いてた人も、私たちがそれに興味を持つぐらいいたのぉ。」
※この物語はフィクションであり、全ての台詞および出来事は作者の想像によるものです。
「そしてねえ、美水かがみは男で間違いないんだって。」
「お前はどう見ても女なのだわ!! この名探偵えばらの目はごまかせないのだわ!! おとなしく正体を現しなさい!!」
ここまで二人に一気にまくし立てられて、当の美水はもとより端で聞いていたえなりや福地までも唖然としていたが、
しばらくの沈黙の後、美水が静かに語り始めた。
「確かにこのスレでは『漫画家は一部本人のキャラ立ちが凄かったりする場合を除き、性別の合致する自作のキャラをモデルとする』という不文律があるね。
でも、私が現実世界と同じように男の姿を取ったとして、だよ。
誰をモデルにすりゃあいいのさ。
犯罪気味ロリコンなこなたの父親?
後書きページの猫っぽい生物?
それとも作品の傾向からプロファイリングしたステレオタイプなオタク青年?
ほら、ろくなのがいないでしょ?
これじゃいまいちイメージが沸かないでしょ?
沸いたとしても一発ネタで終わっちゃうよ。
だから、私は女――
泉こなたのキャラ、ポジションにいる方がこのスレ的にいいと思うんだよ。」
「お、思いっきりメタ的な視点で語ったわねえ……。」
「……とりあえず、今のところは信用してやるのだわ……。」
美水の大演説に、何となくえばらも千道も毒気を抜かれてしまったようだ。
「そういえば、昔の私は特にキャラが立ってるわけでもないのにモデルがいなかったなあ……。」
「オイラはなんでモデル主人公じゃないんっスかね? 植木モデルって扱いにくいっスか?」
他の面々も何やら己を鑑みたりしている。
「ククク‥‥なかなか話術の上手い嬢ちゃんだ‥‥。」
「っていうかこの演説って思いっきり旧15部104の丸写しじゃないですか!!」
そんなこんなでだいぶ遅くなってしまったが、ようやくえなり達一行は小学館へ向かうヘリコプターに乗り込んだ。
場面転換が唐突すぎるがここは気にしない方向でお願いします。
ちなみに美水は戦闘能力がほぼ0であり、これからの戦いには付いて来れないだろうということで事情を説明して麓の街まで送
ろうとしたが、本人が根拠不明の自信を持って同行を強硬に主張したためヘリに乗っている。
これについては特に福本が強く反対したが、結局少女のわがままというのは通るものであると全員が思い知らされる結果となった。
(少女なのは見た目だけのような気がしないでもないが。)
そして彼らは、一路小学館へ向かう。
To Be Continued...
――――――――――――――――――――――――
「はーーい! 今回初登場の美水かがみだよー! cv平野綾らしいよ? 中の人は声優に疎いらしいよ?
原作の読み込みが足りなくて口調が変かもしれないけど、あくまで泉じゃなくって美水だって事で許してね。他の漫画家さんたちもそうだけど。
というわけで、今回は慣れないギャグ編で大変苦労したと中の人が言ってるみたいだけど、どうだったかな? ご意見・ご感想お待ちしてまーす!
さーて、来週のえなりの奇妙な冒険は―――
たいへん! 小学館が秋田書店っぽい連中に襲われてるっちゃ!
留美子さんや藤田君も苦戦してるし、サンデーが危ない!
そこに現れたのは長谷川裕一君と、なんと安彦良和さん!
二人の助けを借りて、反撃開始だっちゃ!
って、うちらの出番はどうなるっちゃ!? 福地君、急ぐっちゃ!
次回、
『掟破りの大乱入!? 小学館に嵐吹く!!』
で、会うっちゃ!
………って、文じゃなくて綾だって!!」
登場人数:1
退場人数:0
現在の人数:59/60
1部と比べ書き手のレベルもさがったし、つまらんな
本当にかがみktkr
福本…所詮模型のヘリに突っ込んじゃダメだw
えなりチームカオスすぎるw
小学館に各勢力が集結しつつあるその時、集英社では血と塗れた重厚な造りの扉の前に
見るからにキ○ガイなピエロと、ハットリ君の面を被った、やはり変質者が立っていた。
反吐が込み上げる程に濃い血と臓物の匂いの中、あちこちに散らばる犠牲者の残骸に
目もくれずに、スッと背筋を伸ばして扉の前に立つ二人のその姿はホラー映画、
それも某アルバトロス社が嬉々として買い付けるような悪趣味ホラー映画を思わせた。
「さて、ここでウチのトップがキミをお待ちかねだよ♪」
キ○ガイなピエロが変質者の背をポンと叩いてその扉を開く事を促す。
彼は集英社屈指の狂人、冨樫義博。集英社・小学館襲撃の最中に
いきなり小学館へ現れ、小学館のトップである仮面の変質者、浦沢直樹を
半ば拉致するような形で集英社へと連れて来たのだ。
なお現在集英社は1階正面入り口を防衛していた筋金入りの変態、大暮維人が
講談社に洗脳された元集英社漫画家の矢吹健太朗の不意打ちを喰らった隙に
講談社漫画家の突入を許しており、各所で戦闘状態に突入していた。
ちなみに現在二人がいる付近の惨状は先程まで講談社の尖兵、エンジェル隊と
集英社の無差別殺人鬼、岡本倫との衝突、いや、岡本倫による一方的な虐殺が
原因である。
「その前に一つ話して貰おうか。」
扉に手も触れずに浦沢はその顔を冨樫に向ける。
「あの妙な口に俺を飲み込んでから口にした言葉について詳しくだ。
お前は今回の襲撃について何もかもお見通しといった口ぶりで
『秋田書店は今回の騒動に関与していない』の様な事を言ったな。」
「まぁね。」
大した事ではない、といった様子で、冨樫は相変わらずキレた笑みを浮かべ
浦沢へと顔も向けずに平然と答えた。
「ならば話せ!今ここでだ!」
掴みかかる勢いで浦沢は冨樫へと詰め寄る。
それでも冨樫は涼しく狂った表情を崩さない。
その表情のまま冨樫は浦沢がここに居ないかの如く
一歩前に進み、血に塗れた扉をノックした。
「…冨樫!」
「失礼♪小学館の浦沢直樹クンを連れてきたよ、先生方★」
登場人数:1
退場人数:0
現在の人数:59/60
・状況説明だけで大半。
・集英社、放置し過ぎたよなぁ。
・アルバトロスなホラーは色々凄い。
・
>>134-141 新作だそこをガツンだ乙ゥ。
コピペはダメね。登場人数:0だわ。
んなこたぁない
状況説明は非常に重要だと思うからこのぐらいで問題ないと思うよ。
ただ、岡本に矢吹が接触してるはずなんだけど。
虐殺場から移動した後で出遭ったと思えばいいのかな?
補足(おまけ)
・岡本倫…寝起きそのままテキトーにフラフラと歩いてる。
とりあえず人の気配を感じたら即ちょんぱしに行く虐殺モード中。
・冨樫……倫タンが偉い人達の部屋やあんまり下の方に来ても困るから
囮として集英社の一般人達をわざと結構多く配備してた。
・矢吹……何か上の方で悲鳴が聞こえるから思わず駆けつけた。
まーこんな感じの隠れ設定があったりなかったりだけど
基本的にアバウトにやっちゃってます。
もし仮にこれ関連の投稿をしたい人がいれば自由に変更して全く無問題。
竹本泉は長谷川が居なくなってがらんとした部屋の中で、
彼の置き手紙を見やると、一つ溜息をついた。
また君は行ってしまった。
前の世界と、その前の世界と、そのまた前の世界と同様に
結局僕は君を戦乱から遠ざける事は出来なかった訳だ。
置き手紙には「短い間だが世話になった。」とだけ走り書きされている。
恐らく麓の店で買って来た山のような書籍にDVDはまだ封も切ってない。
よほど急いでここを出たのだろう。
「バカだねぇ。」
と、思わず竹本は呟いた。
思えば彼はいつもそうだった。
その無駄に強い正義感の為か、これまで見てきたどの世界でも彼は
頼まれても無いのに真っ先にトラブルに首を突っ込んで、ボロボロになる。
今回もまた名も知らない誰かの為に厄介事に首を突っ込んでいるんだな。
まあ、彼らしいといえば彼らしいが。
この感じだとこの世界では君と再び会う事はないか。さようなら長谷川君
…出来ればもう少しゆっくりと話でもしたかったんだけどね。
竹本は長谷川の残した手紙に山のように積まれた書籍、DVDに眼をやると
再び溜息をつき、そしてゆっくりと身支度を始めた。
ところ変わってここは夢と希望がたくさん詰まった某店長の店。
開店休業気味の平日昼下がり、サンバイザーも眩しい店長が一人で店番をしていた。
他の店員がいわゆる年に二回だけの大規模同人誌即売会へ出かけてしまい
都合の付くのが自分だけのこの状況、いつもなら不平不満たらたらなのだが
今日は珍しく彼は上機嫌だった。
「…俺は間違っていなかった!」
一人、彼はそう呟くとグッと拳を握り締める。
そう、今まで自分の趣味で入荷した各種懐かしめのアニメDVDが売れたのだ。
「こんな古臭い商品、売れる訳無いじゃないですか!」
「もっと新しい人気商品を入荷しましょうよ店長!」
「ってか邪魔ですよコレ!デッドストックです!」
等と今までボロクソに言われてきた俺のお気に入りのあいつらがきれいに売れた。
って事はアレだ。時代の流れがどうあれ俺は間違っていなかったんだ。
「フフ…フフフ!ハーハハハハハハ!」
思わず彼は一人、高笑いを上げた。
その時、久々に店の戸が開いた。
人として微妙にアレとは言えそこは店長、彼はすぐさま身を引き締め接客モードに入る。
「いらっしゃいませ!…って竹本さんですか!いやーよく来てくれました!
今日も良い物入ってますよ!オススメは…」
「いや、今日は返品に来たんだ。」
「…へ!?」
「僕の知り合いがさっき勝手に買って来ちゃった本やDVDとか42万6520円分なんだけどね。」
「…え…ええ…?」
「ごめんね。今度何かあったら買いに来るからさ。」
それからしばらくして、店内に店長の深い悲しみを湛えた慟哭が響き渡ったという。
おわり
シリアスな竹本……想像できねえ!
これがリレー小説の醍醐味だなと改めて実感したよ。
実際あの人の漫画真面目に設定突き詰めていくとだいぶ暗くなりそうなのが多いからな。
平行世界移動の元ネタであるさよりなパラレルの最終回とかギャグタッチにしてあるけどだいぶ黒いというか怖いというか。
153 :
小学館前:2008/08/16(土) 12:57:30 ID:xkV9IClh0
長谷川とZXが上空で交差するその一瞬に、眼にも留まらぬ技の応酬が繰り広げられた。
満身創痍の留美子、皆川では眼で追うのがやっとの異形とヒーローの技の応酬、
しかし二人はその一瞬で明らかな違和感に気付いた。
(…あの長谷川とか言うヒーロー野郎、バッタ男の動きを完全に読んでる?)
(…というより、完全に相手の動きが『分かっている』って感じ?)
そう。ZXの動きのおこりを見るや否や、長谷川はそれに対し最適な反撃行為を見せていた。
武術や格闘技の達人達が僅かな筋肉や目線、空気の動きを捉えて
それに応じた動きを見せるというのは、よく言われている事である。
だがそれを初見で、ここまで完全に実現するのはまずありえない。
しかも技の技量と威力自体はバッタ男の方が少し上回っている。
という事は、技量以外の何かが二人の間には存在する可能性が強いという事だ。
(何よ、あのヒーロー男?)
留美子は思わず眉間に皺を寄せた。
同様の疑念がZX・村枝の方にも生じていた。
目の前のオールドスタイルなSF男は俺の動きを完全に読んでいる。
記憶の無い俺にも武術の心得は幾つかあるから分かるが、奴の見切りは武術のそれとは
全く異質な物だ。あらかじめ俺の全ての行動パターンを把握してあるかのような動きだ。
…まさかとは思うが、この男はもしかして俺について何か知っているのか?
ふとZXは少し腕を下げて長谷川へと声をかけようとした。
だが気がそれたその一瞬で、長谷川は一気に中距離まで間合いを詰めてきた。
咄嗟にZXはそれを迎撃すべく、肘の手裏剣へ手を伸ばす。
しかしZXが手裏剣を手に取った瞬間、長谷川の姿が消えていた。
「この…ばかやろーっ!」
思わずZXはその声の方へ顔を向けてしまう。
その瞬間、顔面に突き抜けるような衝撃が走った。
ZXはその一撃でドロドロになった意識下で長谷川の声を反芻しながら
長谷川の追撃の一撃をまともに喰らって吹っ飛んで行った。
154 :
小学館前:2008/08/16(土) 13:18:59 ID:xkV9IClh0
吹っ飛び、起き上がったはいいが片膝をついたままのZXへ
留美子、皆川は即座に追撃をかけようとする。
しかし長谷川は二人に背を向けたまま両手を広げ、それを押し留めた。
そのまま四人の間に沈黙が続いた。
一方えなり達ご一行のヘリでは
「ゔ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」 (cv平野綾)
今回も次回予告をしようと張り切ってた美水かがみが模型ヘリの
あまりの乗り心地の悪さに乗って30分で酔って真っ青な顔で
アホ毛もヘナヘナにしてドロドロに苦しんでいた。ダメじゃん。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:59/60
・少し割り込んだよ。
久米田 だから!声優は声優でアイドルはアイドルでいるべきなのですよ!
自分の身も弁えずに!自分の才能を過剰に自己評価して!
そうして無駄な時間を過ごしてきた人をどれほど見てきたものか!
畑 それ以上椎名へ○るを侮辱する事は許しませんよ!師匠!
怜奈 …あー!もう!
河下 はい?
怜奈 もーイヤ!限界!あの二人、超ウザい!頼むから何とかして!
河下 はい。…あのー、畑先生?久米田先生?
久米田 後にして下さい河下君!
畑 取り込み中です!邪魔しないで!
河下 …えいっ♪
ポ チ ッ
怜奈 今何かボタン押して…ってうわー!
久米田 痴女!?
畑 痴女!!
河下 うふふ。
怜奈 このバカ!アンタ何スクリーンに大映しにしてんのよ!
河下 何って、集英社の岡本倫ですよ?
怜奈 そういう話じゃないだろこのエロ女!
畑 えーと!その!とりあえず何とかして下さい河下先生!
久米田 消しなさい河下君!今すぐ!ほら!
河下 はい。
ポ チ ッ
畑 …ふー。
久米田 やれやれですね。
河下 駄目ですよ、畑先生も久米田先生も。
今は仕事中なんだから私語は慎まないと。
畑 あ…はい。
久米田 分かりました、河下君…ところで先程の痴女ですが。
河下 はい。
久米田 あれは一体誰が撮影してるのですか?
どう見ても戦闘中の集英社に潜り込んでリアルタイムで、
しかもマルチアングルで映像を送って来るのは
並みの漫画家では出来る芸当ではないと思いますが。
河下 あれは…
藤真 僕だ。
畑 あれ、お帰り藤真先生。
河下 お疲れ様、藤真先生。
怜奈 誰このショタ?
久米田 藤真拓哉、赤松先生の一番弟子の魔法使いの漫画家ですよ。
これからはアイドルのプロデューサーも始めるみたいですね。
成程、彼ならアレにはうってつけです。
怜奈 …って事はあの痴女を盗撮してたのはあのショタって訳ね。
久米田 ええ、まあ。
怜奈 んじゃ、一つ聞いてくるわ。
河下 藤真先生、もう仕事終わりって訳じゃなさそうですね。
藤真 …先生から命令があった。一旦本社帰還のち戦線に復帰せよ、と。
畑 相変わらず忙しいって事ですか。
藤真 ああ。
怜奈 あー、藤真先生だっけ?ちょっといい?
藤真 何者だ、貴様。
怜奈 見た通り人質よ。アンタの師匠にとっ捕まった、ね。そりゃそうと
さっきから集英社の痴女盗撮してたのアンタだって聞いたけど。
藤真 監視と呼べ、無礼者。
怜奈 カメラ寄った時のアングルが基本的にローからの煽りなのは何故よ?
藤真 !?
怜奈 いや、ね。フリーのジャーナリストなんかやってるとエロ本な仕事
やる事も結構あるんだけど、アンタのカメラアングル見てると
投稿系エロ本の読者投稿のアイドル盗撮写真とか思い出すのよ。
藤真 ……!
怜奈 で、そこの所どーなのよ。
藤真 ……来れ(アデアット)
ヒ ュ ン
怜奈 消えたわね。
畑 いなくなっちゃいましたね。
久米田 そうですね。
河下 消えましたね。
畑 …まぁ、集英社の方の監視は続けてくれてるみたいですし、
とりあえず集英社の矢吹先生の方でも見てみますか。
久米田 そうですね、仕事しますか。
怜奈 (そりゃそーと。)
河下 (はい?)
怜奈 (どう考えてもあのショタにスカートの中、ガン見されてるよ。)
河下 (大丈夫ですよ。)
怜奈 (イヤ、大丈夫じゃないだろ。)
河下 (大丈夫ですって。見せ方を熟知しているって事は、
見えない角度や方法も熟知してるって事ですから。)
怜奈 (そういう問題でも…)
河下 (…セクハラにはもう慣れたから。)
怜奈 (………)
つづく
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:59/60
・勝手に藤真を変態にしてしまった。すまない。
・合言葉はBee
きた!ラッシュきた!久々の投稿ラッシュきた!これで勝つる!
・やっぱり王道一直線をいく長谷川最高。
あとリレー小説で割り込みはむしろ賞賛されてしかるべきだと思うので断らなくてもいいと思う。
どうしても書きたいシーンがあるとかで割り込まれたくなかったらその旨を書いておけばいいわけだし。
・えなりチームに匹敵する超混沌空間にワクワクが止まらねえ! 別に読んでて死ぬわけじゃないのでご安心を。
やはり少年誌的お色気漫画家が集まったら猥談になるのは必然か。
保守
ヒャッハー!規制のせいで書き込めねぇぜ!
…ネタは一応あるんだけどね。
そんなときは規制が解除されたときに備えて書き溜めておくのがいいと思うよ。
それとこの板なら保守は一ヶ月ぐらい必要ないと思うんだけどどうなんだろうか。
in小学館
畑 さて、矢吹先生の方は…ええい、このスイッチだ。
久米田 いきなりガンダムネタはやめなさい、畑君。
畑 くそっ、しょうがねえな。
怜奈 おー映った映った…相変わらず馬鹿みたいに顔真っ赤で鼻血大放出ね。
河下 それはもう。今の矢吹先生、根っからの少年誌ラブコメ主人公ですから。
怜奈 随分と変わったものね。
久米田 あの人のおかげですよ。
怜奈 あの人?
畑 アレの原作者ですよ。ど○みマニアでピ○キーマニアでバカエロ大好きな
も○たんのバカエロでペド脚本の人ですよ。
怜奈 …詳しいのね。
畑 あの人、僕の作品のアニメの監督さんと付き合いがありましたから。
怜奈 そーなんだ。
久米田 おっと、矢吹先生の方でやっと何か動きがあったみたいですよ。
in集英社
矢吹 (…さて落ち着け俺。今までの経験とあの人の教えとかからこうしたシチュを
何とか切り抜ける方法を考え出すんだ。大丈夫、実は俺はラブコメの天才だ。
水希もあの人も赤松先生もCLAMP先輩もそう言ってた…言ってたと思う。)
岡本 ………。
矢吹 (こういうパターンはアレだ。部室や更衣室を開けたら着替え中でドッキリ♪とか
曲がり角でぶつかってイヤーン♪とかシャワー室でアッハーン♪とかの
王道パターンその25だ。それが普通の廊下になっただけの事なんだ。)
岡本 ………。
矢吹 (そうだ。まず場に相応しい展開を幾つか考え出して、そこから最適なのを選ぶんだ。
待ってろよ、水希。俺はもう他の女の子達のおっぱいとかには惑わされないからな。
今の俺はお前一筋なんだ。最高だ水希。他の女よりずっと良い。水希の大きくて
柔らかい胸に比べたら他の女のなんて物足りないよ。水希の胸は最高(ry …っと。)
岡本 にゅ?
矢吹 (おっと、危ない危ない。ウッカリと少年誌じゃイっちゃいけない方面に
発想が飛ぶ所だった。…さて、このシチュに相応しい選択肢は…
この3つだな。)
@ とりあえず、全裸の彼女に何か服を着せてあげる。
(大きめのサイズのワイシャツが個人的にはオススメだ!)
A とりあえず、鼻血と汗でドロドロの顔をハンカチで拭う。
(汗だくで鼻血まみれの顔は正直キモいぞ!気を付けろ!)
B とりあえず、二人で獅子舞を舞って親睦を深める。
(二人で息を合わせて踊れば好感度大幅UPだ!イエー!)
矢吹 (制限時間は10秒、慎重に正確に、でも迅速に選ばないとね。)
岡本 ……?
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:59/60
答え――B
答え――B
答え B (ガオン!!)
なんかもう矢吹先生キャラ変わりすぎ。もちろん今のほうがいいけど。
「おーれのー 闘志がァ 真っ赤に燃ーえーるゥー♪
ギャンブルーー ジェエットでーー クーロースゥイィンンーー♯」
今この瞬間、俺は、長谷川裕一は確かにシャングリラに足を踏み入れていた。
『ゲッター』シリーズ! 『勇者』シリーズ! 『ゼオライマー』! 『ギャンブラーZ』! 『流星のカルナバル』! etcetc!!
大手量販店とはとても信じられないぐらいマニアックな品揃えだ。どちらかというと個人経営の専門店にありそうなものだが。
「この手をあーかく そーめるたび 閉じ込めたこーのおーもーいぃーーーー♭
コオォォン ジャッジャッジャッジャジャジャジャ ジャジャジャジャン ジャッジャッジャッジャジャジャジャ ジャジャジャジャン♪(イントロ)」
ああ、こうして家路を急ぐ時間すらもどかしい。心を燃え上がらせる主題歌たちが勝手に口をついて出てきてしまう。
しかし、いったいあの店は何だったのだろう? 奇跡の生還を果たし、そして今また新たな戦場に身を投じようとしている俺に対するせめてもの餞だろうか?
だとしたら、神か悪魔か知らないがなかなか粋なことをするものだ。
「Danger! 悪がしーのび寄ーるゥ♪
Let's Go! 今だはーしり出ァせェ♯
Diving! 後ろ振ーり向くーなァ♭
Keep on! 平和まァもるたァめェ♪♪」
肩に食い込む荷物の重さすら、その中に封じられた何物にも代え難い凝縮された時間を思わせる。
気がつくと街路樹の銀杏に飛びつき、梢から梢へライダーキックを繰り出しつつ声も枯れんと熱唱しながら飛び回っていた。
恐らく端から見ると相当変な奴に見えただろうが、そんなことは関係ない。
今はこの逸る気持を抑えつつ竹本の家まで辿り着くことが最優先の命題。情報収集の名の下に全ての行為は正当化されるのだ!
赤信号の交差点を天高く跳躍して飛び越えようが、民家の庭先を土足で走り抜けようが、ポイ捨てされた煙草をゴミ箱に捨てておこうが、そんなことは大した問題ではない。
全てはこれからの計画を立てるとともに英気を養うという崇高なる目的のための偉大なる行為なのだ!!
そんなこんなでさすがに自己弁護のネタもつきてきたころ、ようやく竹本の家に帰ってきた。
窓ガラスやドアノブ、煙突などを除いて外観のほぼ全てが木材のみで構成されたログハウスのような家だが、それでもやはり見逃すことはなかった。
いくら素材が木といっても、その組み合わせ方は人間特有の直線的なもの。休耕田や真新しい切り株の多い里山であっても、
杉やブナの木立、ワラビやウラジロといったシダ植物の群、あるいは名も知れぬ灌木の中に人工物はどうしようもなく目立つ。
個人的にはもう少し金属的な作りの家のほうが好みだが、これはこれで秘密の地下室なんかがありそうな風情だ。悪くはない。
家の左手を流れる小川でひとまず口を漱ごうかとも思ったが、最近は山中にも化学物質の魔手が伸びてきているというようなことを聞いたのでやめておいた。
体調を壊しでも壊したらアニメ鑑賞、あ、いや、情報収集に支障をきたすかもしれないからな。
山の湿気のせいかうっすらと露の浮いたドアノブを回して家の中へ入り、靴を脱ぎ捨てて一直線にテレビとデッキを探す。
玄関を入ってすぐ右の居間らしきところにあった。旧式なブラウン管だがサイズは恐らく24型。贅沢は言えまい。これなら十分だ。
テレビ台の中にDVDプレイヤーを見つけた。よかった、きちんと配線されている。台のガラス戸を押し開けて電源を入れる。
トレイ開閉ボタンを押す。よし、あとはDVDを……あれっ、無い!? バカな、いったいどうして!?
来た道をもう一度辿るが見つからない。どこかに落としてしまったのか、それとも誰かに盗られてしまったのか。
さすがにあれをもう一揃い買えるだけの金はない。いったいどうしたらいいんだ。考えろ、考えろ裕一。
しばらく自分でもわからぬままぐるぐると歩き回っていたが、やがて意を決してあの店へ戻って聞いてみることにした。
もちろんどんな事情があったところで払い戻しなんかしてもらえるほど世の中甘くはないとはわかっているし、落とし物が店に届けられるわけはない。
それでも、俺の足はここに向いた。そして長年の経験から、俺は自分の勘というやつをある程度信頼することにしている。
自動ドアの前に立つと、特有のモーター音とともに店内の冷えた空気が肌に感じられた。
入口近辺にある流行の品々を無視し、まっすぐ左手のレジに向かう。
よかった、さっきの店員のままだ。だめでもともと、一応聞いてみるか。
「……というわけなんです。何かご存じではありませんか?」
「ちょっと待て。『……というわけなんです。何かご存じではありませんか?』だけでは何もわからん!」
「だから、かくかくしかじか、こういうわけなんです!!」
「なるほど……。それは災難だな。だが少年よ!! 一つだけ、一つだけ聞かせてくれ!!!」
「何ですか!?」
見ればサンバイザーの奥の表情が疑念と『ありえない、絶対ありえない』と『いや、でももしかしたら……』を合わせたような名状しがたいものになっている。
やけに高いテンションにつられてこちらまでつい大声になってしまう。他の客がいない時でよかった。
そして次の瞬間、彼が発した言葉! それは俺の動きをたっぷり十秒は止めるほどの圧倒的威力を持っていた。
「君の背負っているリュックサックの中身は……なんだ?」
あれ? 本当だ。言われるまでリュックを背負っていたことすら忘れていた。
確かこの中にあの時たっぷりと買い込んだ荷物を入れたんじゃなかったっけ?
ってことは俺の収穫祭の編み上げ……じゃない、収穫した品々はひょっとしてこの中!?
じゃあ俺はいったい…………何をやっていたんだぁぁぁぁぁあああ!!!!????
だいたいこんな感じの思考が超音速で俺の精神を削り取りながら回転していたんじゃないかと思う。
思う、というのはその時の記憶がほとんどないからだ。
こんな事は全力で忘れてしまいたい、ってことだろう。だからこれを読んでる君たちもすぐに頭の中から叩き出すんだ。いいな。
あの店員が呆れと驚愕と安堵をそれぞれ自乗したような調子の声で『ありがとうございました』と言っていたような気がしたが、よく覚えていない。
ともかく鉛色のリフレインが魂を重く震わせ続ける中を、ほんのちょっとした向かい風すら土砂混じりの大暴風雨のように感じながら店を出て、三度竹本の家に辿り着いた。
もう何というか、卑近な例えで言えば残虐非道な敵組織の幹部が実は自分の兄だったと知ったときに匹敵する大ダメージだった。もちろんベクトルは違うが。
こちらのほうが全ての憤りの向かう先が自分である分始末が悪いかもしれない。
忘れよう。忘れるんだ。
目を開けばほら、そこにはシャングリラの、あるいはユートピアへのゲートが開かれるのを待っているじゃあないか。
さあ、アニメという名の楽園へ旅立とう! ……もちろん情報収集のためだからな? そこのところを誤解しないように。
エネルギープラグ、接続確認!
ハードウェアへの電力供給、異常なし! メインスイッチ押下!
BIOSロード完了、コマンド入力受付状態に移行! システムオールグリーン!!
次だ! ソフトウェアの取出および設置開始!
梱包フィルム剥離に取りかかれ! くれぐれも保存状態を悪化させないように細心の注意を払って……
……待て、何だあの影は!?
テレビの向こうにある窓の、更に奥。
鬱蒼と茂る木立をも超えて、僅かに見える市街地に何か巨大なものが動いた。
だが、いくらビルに匹敵する大きさの物体といえども、この山奥の家から、しかも山道や畑跡による分断以外はほとんど隙間なく繁る森を越えて
眼前の理想郷に全身のあらゆる感覚器官を集中させていた俺に存在を気付かせるなど、普通ではありえない。
その様な状況的事実を確認する前に、前の世界において幾多の死線を超え磨かれた精神が直観的に理解してしまった。
俺は少しばかり、休息をとりすぎたのだと。
俺がSF・ロボットコーナーの前で品定めをしている間に、視野狭窄に陥って右往左往している間に、もはや全ては動き出してしまったのだ。
ここから先は、寸暇を惜しむことすら滅多に許されない修羅道を進む以外に道はない。
後悔はしていない。もともとあの時捨てたはずの命だし、何より自ら望んで選んだ生き方だ。
だから……アニメや漫画に興じるのは、もう少し後にしよう。
出来るだけ早く全てを終わらせ、その後でゆっくり、平和の尊さを噛みしめながら楽しむために、ここに置いていこう。
俺が迷わないための、錨として。
さっきは気が動転していて気付かなかったが、この街の静けさはどうだ。
こうして繁華街を歩いていても人影はまばらで、とてもそこそこ大きな都市だとは思えない。これではまるでゴーストタウンだ。
だが、この口をつぐむような沈黙以上に俺の心を乱すものがある。
俺が今ここにいる理由、あの巨大ロボットだ。
とても視界が悪かった上に少しの間しか見えなかったが、白を基調としたカラーリングに頭部の鍬形のようなアンテナ、
そして何より、視界に入るか入らないかのうちに俺の心を震わせたという事実。
大量の続編やメディア展開を持つあれを描くことの出来る漫画家は多い――事実俺もスピンオフ作品を一つ描いている――が、あの筆を使いこなした画風はあの人以外にありえない。
まず間違いなく『機動戦士ガンダム』! そして『安彦良和』さんだ!
そう思うと、胸の奥から何か熱いものがこみ上げてくるように感じる。
俺のかつての同僚にして、尊敬する先輩。
そして……『神』との戦いにおける、艦隊総司令。
もちろん、俺の世界の安彦さんそのままというわけではないだろう。だが、俺をこの世界に呼んだのが竹本である以上、そう変わりはないはずだ。(※)
『クラッシャージョウ』の挿絵をつとめ、『アリオン』や『ジャンヌ・ダルク』、『三河物語』と言った神話・歴史物を得意とし、『機動戦士ガンダム』を手がけた安彦良和さんに違いない。
※竹本の漫画『さよりなパラレル』では、別の世界でも外見や性格、社会的地位などがほとんど同じ人物が頻繁に登場していた。
そう思うと足も自然に早まり、気付けば異様な気配の漂う一角に入っていた。
風景自体は他の路地と変わらない――人の気配がしないところまで――が、肌に感じる空気がひどくひりついたものになっている。
これは、今まで漫画家として、そしてスーパーロボット乗りとしてその身を置き続けてきた世界――戦場の空気だ。
そうだ、よく考えてみれば何の意味もなくガンダムなんかを安彦さんが出すわけはない。
この街の不気味な沈黙も、そう考えれば納得がいく。漫画家同士の争いなんて、読者に見せられるものじゃあない。出版社が戒厳令を敷くのはよくあることだ。
だとしたら、安彦さんもまた戦っているに違いない。理由はわからないが、とにかく合流し、できれば加勢しなくては。
そう思って大通りや路地や、あるいは建物の中も走り回ってみたがいっこうに見つからない。
おかしいな、ガンダムなんて大きなものを使っていれば音もでるし、いくら高いビルの多い都会であっても目立つはずなんだが……。もしかして、もうどこか別の場所へ移動してしまったのか?
そう思ってさすがに途方に暮れていたとき、風を切るような空気を震わせるような、独特の音が響いた。
それが耳に入るやいなや、俺は駆け出していた。
理由は単純だ。その音は聞き間違えようもなく、ガンダムの主力武器の一つ、ビームライフルの発射音だったからである。
ガンダムのものにしては音が小さいが、恐らく生身での白兵戦になっているんだろう。
とにかく、音の出所に向かおう。そこに安彦さんがいるはずだ!
はやる気持のまま音の方向へ向かった俺には、街が急に広くなったように思えた。
さっきあてもなく探し回っていたときにはそれほど感じなかったが、早くどこかに行きたいと思えば思うほど目的地は遠く感じるらしい。
感覚的には一時間ほども走っていたように思えたが、きっと実際には五、六分というところだっただろう。
消火栓のある辻を曲がると、とたんに血の臭いが濃くなり、角から二十メートルほど先のところに血まみれの男が二人と、そして血とは違う赤色の軍服を着た男、安彦さんがいた。
「逃げられたか……」などと呟いているのが聞こえる。
「安彦さん……」
俺がそう呼びかけると、彼はひび割れたヘルメットを脱いで端正な顔をこちらに向けた。感慨が俺の心を満たす。
「誰かと思えば、長谷川君じゃないか。久しぶりだな。」
よかった。本当に寸分も違わない。俺の知っている安彦さんそのものだ。
「ええ。お久しぶりです。……しかし、ひどい状況ですね。
こちらでも、戦いがあったんですか。」
「ああ。秋田書店の連中が集英社を襲ったようだ。私はちょっとした所用で集英社の柴田君に用があっただけなのだが、巻き込まれてしまってね。」
「それは……大変でしたね。最近、他のところでも不穏な噂をよく聞きます。何かよくないことが起ころうとしているみたいだ。」
竹本から聞いた話の他にも何やら起こっているらしい。
まったく、嫌な予感がする。こんな時は示し合わせたように次々と事件が起こり、どうにもならないところまで進んでしまうことが多いんだ。
「うむ。だが今は、目の前のことから済ませていく他ないな。
とりあえず、三浦君と柴田君を病院に連れていこう。このままでは危ないかもしれん。」
「三浦と柴田っていうと、あの倒れてる二人ですか? 俺はてっきり敵かと……」
「確かに、この状況ではそう思われても仕方ないか。まあ詳しい説明は後でしよう。」
そして俺達は安彦先生の自動二輪と俺のカロス17を使って二人を病院まで運び、必要な手続きを済ませ、
これまでとこれからについて話し合っているときに謎のテレパシーを受信した。
んむ、終わり?規制?
「安彦さん……今の、聞こえましたか?」
小学館が秋田書店に襲撃されて云々と聞こえた。本当なら捨て置くわけにはいかない。
「ああ。長谷川君にも聞こえたか。小学館はここからほど近いから届いたんだろうな。どうする?
……といっても、君の答えはもう決まってるか。まったく、清々しいまでの少年漫画家め。」
「ええ。今すぐ小学館へ向かいましょう!」
そして今、安彦さんの一tバイクに乗って小学館への道をひた走っている。
もともと一人乗りなのでだいぶ乗り心地は最悪に近いが、この非常時に文句を言ってはいられない。
しかし、片側三車線の幹線道路に他の車が一台も見えないというのも、何となく寒気のする光景だ。
こんな異常な光景が地上のどこにも現れないように、俺達が、俺達漫画家が頑張らないといけないんだと強く思う。
そして小学館の建物を遙か遠くに認め、その周囲で戦う人間達をはっきりと見分けられる距離まで近付いたとき、俺の脳髄にまたも電流が走った。
「なんてこった……何であいつがいるんだよ!? 襲撃者は秋田書店じゃないのか!?」
「どうした、長谷川?」
どうも仮面ライダーがいるように見えてならない。しかも、俺の気が確かならあのフォルムは、テレビ放映されなかった幻のライダー『ZX』!
あれが漫画化されたという話は村枝賢一の『仮面ライダーSPIRITS』以外に聞いたことがない。
「いや、あいつは確か元小学館だったっけ……。でもそれにしちゃあ、あいつと戦ってる女の人は高橋留美子さんに見えるんだよな……。
安彦さん、すいませんが俺はあの仮面ライダーとやらせてください。」
「わかった。何か事情があるのだろう? 他の連中の相手は私がしておく。後顧の憂いを気にせず、存分にやりたまえ。」
「ありがとうございます。」
そう言って立ち上がり、戦闘の準備に入る。
時速150キロメートル近く――これでも抑えている方だ――で疾走るバイクの上だから風圧が凄く体勢を崩しそうになったが、まあそこは気合いでカバーした。
「クロノ、スーーーーーーツッ!!!!」
風を全身に感じながら、変身の合図となる言葉を叫ぶ(別に叫ぶ必要はない。本当は心の中で思うだけで十分である)。
そして、転送されてくるスーツが周囲の物質を取り込んで固定されてしまわないように、遮るものの無い空中へ思い切りジャンプ!!
そしてジャンプの頂点で(別に頂点でなくてもいい)パスコードを完成させることで、
「ディメンジョン!! チェンジィィィイイ!!!!」
体内の重心点に存在する経口受信装置に向けてクロノスーツが電送され、漫画家・長谷川裕一は時空監視員『クロノアイズ』へと変身するのだ!!
……まあ全部俺が描いた漫画の中での設定で、実際はこうじゃないけど。
だが、スーツの能力に関しては時空間干渉系以外、ほぼ全ての再現に成功している!
すなわち、頭部以外の全身を覆うスーツは防弾・対光学兵器の強固な鎧であると同時に全身の能力をUPさせ、
特にブーツは強化され最大18メートルのジャンプを可能にする!
背部に取り付けられた反重力ブースターは最大で時速380キロメートル、24時間の飛行が可能!
頭部を防護するヘルメットは側頭部から後頭部の下半分までしかないように見えるが、実際はこの状態でもフィールドを放射し頭部を強固にガードしている!
そしてジャンプの勢いのまま、対峙する三人の間へ飛び込んだ!!
「……小学館ってのは、どっちだい? SOSが聞こえたから、助けに来たんだけど。」
いきなりの乱入に全員少々面食らった様子だったが、すぐに目のやり場に困る格好の女性が応えてくれた。
「私たちよ。」
落ち着いてよく見たら、全身ひどい怪我だな。この人の仲間らしい男のほうもそうだ。
「私は高橋留美子。こっちの男の人は皆川亮二君よ。あの仮面の男に小学館が襲われたから戦ってるんだけど、正直苦戦してるわ。
……加勢してくれるっていうなら、悪いけどすぐにお願い。」
やっぱり、高橋留美子さんだったか。
あの時代に生きたオタクたちにとって、彼女とラムちゃんは永遠の偶像と言っていい。
俺なんかは『クロノアイズグランサー』で主人公の母親にラムちゃんのコスプレをさせたこともあるし、他にも彼女の影響力は筆舌に尽くしがたい。
そんな、言ってみれば伝説の人と出会え、その上言葉まで交わせるなんて思わなかった。これだけは、この戦争騒ぎに感謝してもいいかもな。
と、喜びを噛みしめるのはもう少し後にした方がいいな。
仮面ライダーのほうがさっきから動いていないのも不気味だ。
どうもいきなり割り込んできた俺を警戒しているか観察しているらしい。あるいはその両方か。
あいつが襲撃者だということから考えても、やっぱり村枝じゃあないんだろうか?
俺だとわかってあいつが何も言わないわけもないだろうに。などと思っていると、そいつが仮面の奥で呟くように話しはじめた。
それは、紛れもない村枝賢一の声だった。
だが、そうであるが故に、その語られた内容は俺を驚愕させたのだ。
「キサマ‥‥
キサマは‥‥俺が‥‥誰か 知っているか!?」
何だぁ!??
とても村枝とは思えない邪悪な声で何を言いやがるてめえ!! 貴様ら俺の名を言ってみろ! ですか!?
と一瞬思ったが、声の調子は明らかに威圧と言うよりは焦燥や渇望と言った方がしっくりくる。
まさか記憶喪失か? だが、お前は記憶を失ったぐらいで容易く悪に染まる人間じゃないはずだ!!
……高橋さんたちが悪っていうのは、さすがに考えられないし。
だから、こう言ってやる。
「知らねえな。俺の知り合いの仮面ライダーなら、こんな事はしねえよ。
俺にわかることはたった一つ……。」
指を突き付け、不自然にならない程度にポーズを取って思いっきり言い放つ!
「てめえが今刻んでんのは、最悪の記憶だ!!」
「!!
チィィ!!」
俺の言葉を宣戦布告と受け取ったか、仮面ライダーZXはおもむろに空中へ飛び上がった。
いいさ、相手になってやる。
あいつが村枝じゃあなかったら張り倒す。
村枝だったら張り倒して正気に戻してやる。
そう考えるか考えないかの内に、俺の足もまた地を蹴り、空を駆けていた。
常人ではありえない空中での姿勢制御からZXがとった構えは、本能がそうさせるのか、仮面ライダー伝統の跳び蹴り――ライダーキック。
そして俺もまた、ごく自然にその動作に入っていた。
「石ノ森先生……あなたの技を借りることを、『すごい科学で守ります!』に免じてお許しください!!!」
「ライダァァァアアアア――」
「ゼ・ク・ロ・ス‥‥」
原作/少年漫画板有志
「「キィーーーーーーーーック!!!!」」
新生 えなりの奇妙な冒険
第二部
二つの流星が交錯する瞬間、俺は本能的に感じていた。
こいつは、間違いなく村枝賢一その人だ、と。
仮面ライダーZX
――Forget Memories――
【次回予告】
「ぐぎゃああああ!!
裕一ーーーー!!!」
断末魔の吠声を上げ、仮面ライダーZXが、村枝賢一が爆散する。
「ぐああ! 賢一ーーーッ!!」
長谷川裕一は、まだ硝煙の立ち上る友の命を奪った銃を構えたまま、倒れることも、慟哭することすら出来ない。
運命であった……
師に続き、宇宙戦士長谷川は
かつての親友をも、戦場で殺めてしまった
だが
苦労と絶望の中、明日をも知れぬ戦士たちには
さらに過酷で残酷な運命が待っていた……………
次回、"闇への彷徨”
お楽しみに!!
(マップス2巻を持っていると楽しめる可能性が増すかも知れません)
・タイトルの元ネタは『小学館の嵐』とセットで安彦先生が挿絵を描いていた某スペースオペラから。
・一人称って難しい。高千穂遥の文体を真似るとかそんな余裕全然なかった。
・名残惜しいけれども、これで一旦私は引退させていただきます。
個人的な最終回ってことでちょっとはっちゃけすぎた。何というかもうごめんなさい。
・ROM&感想はこれからも出来る限り続けさせていただきます。
・ふと思い立って新生スレに書いたSSをまとめてみたら190kb。調子がいいと長文になるせいか。
旧版のえなり&岩代対ハムも入れたら200kbいってるなこりゃ。
ZXの漫画版はテレビマガジン版を初めとして色々とあるし(っていうかSPIRITSの元ネタ)、
TV放映も特番扱いとはいえ一応はされていた(DVDも出てるよ)
…等というツッコミはあるが、それはおいといてGJ!
あんたの書く話はクオリティ高くて面白かった
また暇があればいつでも書きに来て下さい、待ってます
前回までのあらすじ
集英社の廊下で全裸美少女(痴女)にばったり出くわした矢吹健太朗。
この危機的状況を乗り切れる選択肢は三つの内ただ一つ。つまり三択。
@ とりあえず、全裸の彼女に何か服を着せてあげる。
(大きめのサイズのワイシャツが個人的にはオススメだ!)
A とりあえず、鼻血と汗でドロドロの顔をハンカチで拭う。
(汗だくで鼻血まみれの顔は正直キモいぞ!気を付けろ!)
B とりあえず、二人で獅子舞を舞って親睦を深める。
(二人で息を合わせて踊れば好感度大幅UPだ!イエー!)
制限時間は10秒。さぁ選べ。
選びたくない?そんな事を言う奴はUSBケーブルで首吊って14へ行け。
1秒経過
矢吹 (落ち着け、落ち着け俺。まずはしっかりと選択肢をチェックするんだ。
正解は必ずこの3つの中にある。焦って勢いで選ぶとろくな事はない。
10秒きっちり使って答えればいいんだ。えーと、@が服を着せて…
って何だ裸ワイシャツがオススメって!誰の好みだよ!(俺 by 作者)
違うだろ!裸にはエプロンだよエプロン!玄関で台所で彼女が裸エプロン!
…ああ!それは男の夢!男のロマン!ちち!しり!ふともも!)
〜〜〜〜〜〜〜 以下妄想150行以上 省 略 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
6秒経過
矢吹 (…何やってるんだ!もう制限時間半分も残ってないぞ!馬鹿か俺は!
まあいい、選択肢は把握した。これで…ダメだ!全然わかんねー!)
矢吹 (マズイ!このままじゃ…!)
選択ミス→任務失敗→講談社クビ→仕方無く他社に営業→秋田書店に拾われる
→エロ調教→エロ漫画家→人生の落伍者→水希にフラれる→自殺
ガ━━━━━━(;´Д`)━━━━━━ン
矢吹 (このままじゃ俺が死んじゃう〜!)
7秒経過
矢吹 (残り3秒だって!?マジでヤバい!ルナ先生やってる場合じゃねぇよ!
…でも俺にはさっぱりわかんねー!どうすれば…一体どうすれば!)
とぅるるるるるる…(ってこれはッ!)ぶつッ!!もしもしはい、矢吹です。
矢吹よ…おお矢吹…わたしのかわいい矢吹…いいか、矢吹…これは試練だ。
…何言ってるんですかボス!いいからこの選択肢何とかして下さいよ!
早くしないと俺が(中略)で死んじゃうんですよ!
岡本 ( ゚д゚)ポカーン
矢吹 矢吹よ…逆に考えるんだ、「死んじゃってもいいさ」と考えるんだ。
もしもし!ボス!…ぶつッ!!ボス…う…うぅ…HEEEEYYYYあァァァんまりだァァァァ!
岡本 ( ゚д゚)ポカーン
9秒経過
矢吹 (チクショー!残り1秒!こうなったら直感で選ぶしかない!まずB!獅子舞!
…直感的に考えて無理!次@かA!…着替えかハンカチ持ってたっけ!
荷物!ポケット!…ポケットあった!ハンカチはあった!着替えは無い!なら!
答えはAだーっ!
答えはAだーっ!
答えはAだーっ!
つづく
おまけ 小学館付近上空にて
福地 いよいよ小学館が見えてきたッス!みんな、気を引き締めていくッス!
東 分かったわ!…あなたもいい加減、覚悟を決めなさい、えなり!
えなり あ…あぁ!
えばら …っと、ちょっと待つのだわ!前から何かが凄い速さでこっちへ飛んでくるのだわ!
福本 小学館の‥‥迎撃か‥‥っ!!
えばら 違うのだわ!
千道 なら?
えばら 集英社のビルから…これは…人?…人がこっちに吹っ飛ばされて来るのだわ!
千道 何ですってぇ!?
かがみ 嘘ぉ!?
えばら 避けるのだわ!
福地 駄目ッス!間に合わないッス!
東 みんな!衝撃に備えて!
ド カ ー ン
東 みんな、大丈夫?
えなり あ…あぁぃ。何とか。
福本 機体は‥‥!!
福地 マズいッス!これじゃ高度が維持できないッス!
かがみ って事は…
えなり 落〜〜ち〜〜る〜〜!
かがみ あ〜〜〜れ〜〜〜〜!
福本 人が飛行中のヘリに激突だと・・・・!馬鹿っ・・・・!通るかっ・・・・!こんな展開・・!
えばら いいからとっとと降りるのだわ!
つづく
・やっぱり下調べを怠ったらいけないか。特撮は門外漢だったもので……。
・先生! 14に行くと王大人っぽいことが書いてあります! これじゃあ死亡フラグどころか生存フラグですよ!
・なぜか矢吹の脳内イメージが黒猫のラスボスなのでただでさえ高い破壊力が致命的な致命傷になってる。
・レス下さったお二方、ありがとう。そう言っていただけると嬉しいです。
復帰はできるかどうかわかりませんが、努力します。
・創作発表は二日前から様子を見てたけど、今の様子なら
このスレが率先して移動してもメリットのほうが大きそうだと思うんだけどどうだろうか。
俺も創作発表板の様子見てた
今は各板のSSスレのやつらが異文化交流してる
雰囲気はいいけど実際に移転してるスレはまだ少ないようだ
まあとりあえずこのスレが埋まるまではここでのんびりやってればいいんじゃないかな。
そりゃそうとマガジンZ休刊らしい。悲しいね。
そうかなあ。
俺としては板にこだわる気はないし、あそこなら問題ないと思うけれども。
どうせ向こうに行っても奇跡が起きない限りのんびりムードが崩れるようなことはないだろうし。
マガジンZ休刊か。正直仮面ライダーとクロノアイズが載ってた雑誌程度の認識しかないけど(講談社系とは縁遠かった)、
それでも残念だ。
まあ通ってもこの間マロンに飛ばされた時みたく移転で済むだろ。
創発に移ったって別にいいし。
前回のあらすじ
矢吹健太朗のキャラが滅茶苦茶になった。ファンの方ごめんなさい。
矢吹 答えはAだーっ!
答えはAだーっ!
答えはAだーっ!
岡本 (゚Д゚) ポカーン
矢吹 (さーて、ポケットポケット…と、これか。ハンカチハンカチ。ふぅ。
気を利かせて水希が入れてたんだな。ありがとう、水希。)
あ、ちょっとゴメンね…っと。ふーやれやれ。
岡本 ( ゚Д゚) …!?
矢吹 (何かちんまりして縫い目が多くて、一部地厚?変なデザインだな。
まぁいいか。コットン素材は気持ちいいね…ってアレ?)
岡本 (* ゚Д゚) ビキッ!?
矢吹 (怒ってる?もしかして超怒ってる?何で?)
岡本 (* ゚Д゚) ビキビキ
矢吹 …ちょ、ちょっと、俺が何か?
岡本 …にゅ。
矢吹 え?ハンカチ?ハンカチが何…ってコレは!!
岡本 にゅ!!
矢吹 えーと生地がいちご柄の綿100%で!下の方が布が厚めになってて!
伸縮性に優れた三角状のデザインのコレってもしかして!
岡本 にゅにゅにゅ…!!
矢吹 パ…
岡本 に ゅ ――――――――――――――― っ !!!
ド カ ー ン
矢吹 ギ ャ ―――――――――――――――――!!!
ど ひ ゅ ー
矢吹 だああああぁ!やべぇこっちガラス窓!
ガ シ ャ ー ン
矢吹 ギ ャ ―――――――――――――――――!!!
ど ひ ゅ ー
矢吹 (マズイ!いくら今の俺がラブコメ漫画家でもこの高さから落ちたら
人型に地面にめり込むだけじゃ済まない!何とか…って!)
えばら 避けるのだわ!
福地 駄目ッス!間に合わないッス!
矢吹 ヘリ!?何でこんな所に!?うわあああぁ!
ド カ ー ン
矢吹 何だ、この展開!ふざけるなあああぁ!
福本 人が飛行中のヘリに激突だと・・・・!
馬鹿っ・・・・!通るかっ・・・・!こんな展開・・!
in小学館
畑 矢吹健太朗、岡本倫の攻撃を受けロスト!
河下 大変な事になっちゃいましたね。
怜奈 何なのよ、このバカ展開。
久米田 (…河下君。)
つづく
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:59/60
・矢吹健太朗アホ展開編、完。…多分。
・下書無用、推敲上等のアホ文章は楽。
ああ…矢吹…【南無八幡大菩薩】(嘘)
日頃あざとい漫画描いてるからこういう目に遭うんだ。きっと。
しかしえなりチームのカオスっぷりが本当に冗談じゃ済まないレベルになってきたなあ。
旧版が荒木・車田・鳥山と正統派だったのを思い出すと破壊力倍率ドン! さらに倍!
集英社付近の何処かで講談社代表にして稀代の魔術師、赤松健が
筋骨隆々とした学生服の男とぽつり、ぽつりと言葉を交わしていた。
あの慇懃無礼で傲岸不遜な赤松にしては珍しく
その男にはあまり飾らぬ言葉で語りかけていたが、
男は言葉少なに頭を垂れているのみだった。
その態度を見て、赤松は男の意を察した。
「そうですか…では貴方は。」
赤松のその言葉を聞くと男は頭を上げサングラスを外し、
「長い間、お世話になりました。」
そう言って赤松に対して深々と頭を下げると、くるりと背を向けた。
その背を赤松は無言で見送った。
彼の名は小林尽、
かつてマガジンで看板を張っていた作家の一人だった。
これまでの幾度の戦争ではその恵まれた肉体と独自の格闘術、
そして外見に似合わぬ恋愛コメディ漫画家としての能力を活かし
講談社の仲間達の為、八面六臂の活躍を見せていた。
何時からであっただろうか、そうした自分に迷いが生じたのは。
前の戦争か、それともその前の戦争からなのか、それとも…
今となっては分からない。
だが今の彼は「講談社の敵」と呼ばれる者に拳を振るう事に迷いが生じてしまった。
この中途半端な覚悟では、共に戦う仲間にいつか致命的な傷を負わせる事になる。
だから彼は講談社を去る事を赤松に告げた。
人気の無い通りを歩きながら、これで良かったんだ、と小林は一人呟いた。
その時、集英社の方で少年の叫び声とガラスの砕ける音が響いた。
思わずその音の方へ振り向いた小林は、驚くべき光景を見た。
人!?
そう、恐るべき速度で集英社から人、しかも少年が中空へと飛ばされている。
これ以上、自分の目の前で人が死ぬのを見過ごす訳には行かない!
そう思った小林は咄嗟に少年を全速力で追いかけた。
全力で追いかければこの少年を地上で受け止める事も不可能じゃない、
少年の飛ばされる様子を見て、そう思ったからだ。
だが数秒後、その思いは絶望へと変わった。
目前で、少年と偶然小学館近辺を飛んでいたヘリコプターが正面衝突したのだ。
上空で爆散するヘリコプターを見て、思わず小林は咆哮を上げた。
バラバラとヘリコプターの焼け焦げた破片らしきものが降り注ぐそこで、
小林は天を仰ぎ、一人咆哮を上げていた。
その時彼は奇妙な物が上空から舞い降りるのを見た。
それは、ヘリコプター墜落事故現場に似つかわしくない、白く可愛らしい物だった。
それは、天を仰ぐ小林の下へと、まるで導かれるように真っ直ぐに舞い降りてきた。
それは、小林が咄嗟に受け止めたそれはいちご柄の女性用の下着だった。
それは、そして何の手違いか偶然か、小林の顔面にするりとジャストフィットした。
顔面にそれを装着した瞬間、小林の全身に突き抜けるような衝動が走った。
心臓が高鳴り、筋肉が唸り、血液が沸き立ち、全身の細胞がいつもより熱を発する、
そんな凄まじい衝動のまま思わず小林は辺り一面に響き渡るような叫びを上げた。
「フォォォォ――ッ!エクスタシィィ―――――!」
つづく?
何で!? と思って調べてみたら納得。
古林さん何やってんですか本当。
小林の変態仮面は、本家にパワーこそ劣っていたが、女キャラの可愛さは比較にもならないぐらい本家を上回っていた(特に春夏)
村枝賢一→仮面ライダー→石ノ森章太郎→(ゲーオタフィルター)→ゼルダの伝説→姫川明
……誰か電磁波遮断装置下さい。変な展開ばかり浮かんで困る。
それと、トランジスタにヴィーナス1巻読むと竹本と島本はどうも友人っぽいね。
ただ長谷川繋がりで出したわけじゃなかったんだ。
新生になってから厳しいなあ
誰かその電波を分けてくれよ。こっちは逆に何のネタも浮かばん。
一応、この小学館の戦いが終わったら書けるえなり成長イベントは頭にあるんだがなぁ。
それより、主人公なんだからいい加減名前つけてやろうや。
自分としては「ジュン」にしたいとこだが、何か案ないかい?
前もずっとえなりだったし、えなりはえなりのままでいいと思う。
あとマガジンZやHxLの作品を個人的な趣味で結構ネタにしてたから
休刊の知らせを聞いて以来、展開に困るそんな秋。
名前変更はどうだろうかねえ。
俺の中では『変えたい』と『変えなくていい』が7:3ぐらいかな。
変えたい理由も変えなくていい理由も美水登場話(
>>138)で書いたとおり。
それと本当に名前変更するとしたら、どちらかというと無個性な名前のほうがいいと思う。
厨臭いだのなんだのと文句をつけたがる厨はこのスレにはいないと思うけど、用心しておくに超した事は無いからな。
個人的にはジュンならいいと思うけれども。
ネタは……いつか書こうと思ってて結局時間が足りなかったやつが三つほど死蔵されてるけど、
ここに書いてもいいかな?
休刊はまだ経験したことがないけど、辛いだろうなきっと。
ここは一つ新たなネタ元を探す時間ができたと前向きに……無理か。
個人的にはウルトラジャンプが今かなり面白いけれども。
それは地上を遥かに離れた辺境の時空にて。
板垣 ここにお前さんの馬鹿弟子がすっ飛ばされてるって訳か。
車田 ああ。あの馬鹿は実力はあるが、どうも頭に血が上りやすくてな。
今回も無駄な大技を無駄に使い、しかもそれを逆手に取られて
こんな辺境の時空まで飛ばされたという訳だ。
板垣 馬鹿だな。
車田 ああ、馬鹿だ。
板垣 で、その馬鹿ってのはあそこに転がってるズダボロのアレか?
車田 …ああ。どうやらその様だ。
板垣 ゆくか。
車田 ゆこう。
板垣 成程、確かに相変わらず血の気の多そうな面構えだな。
車田 ああ。血を滾らせるのは結構なんだが。
板垣 それにしてもボロボロだな。…こいつ肉喰ったら治るタイプか?
車田 どうかな。一旦REDに戻り、木々津に診せた方が…何!?
岡田 …………ぅ。
板垣 ッッ!!
車田 岡田!意識が戻ったのか!?
岡田 ……て…よぎ……ぶ…る……ま…
板垣 ッッ!?
車田 手代木?ぶるま?何を言っている!?
岡田 ……ダメ…だ…ろ…てよ…ぎ……その…体…で……ブル…マ………は…
…そ…の……色々…な……部分…が…はみ出…て……すぴー。
車田 おい。
岡田 ……って…待て………旧スク……は…っっ……エロ…ス……ぐー。
車田 板垣!!
板垣 応ッッ!!
BAGOOOOOOOOOOOOOOOOOOONN!!
岡田 #%&7rdcvgftybふんじおk45d6f7t8gyh9うい」「おk@p!!!
岡田 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッッッッ!!!
板垣 …殺すか?
車田 …一応俺の弟子だ。殺す時は俺が殺す。お前は手を出すな。
さて、あの馬鹿を見てくる。お前はそこに居ろ。
板垣 ああ。
車田 起きろ、岡田。
岡田 !?…その声は!
車田 状況を考えろ、岡田。今はこんな辺境の時空で馬鹿な昔の事を夢に見ている場合か。
状況も把握できず勢いのみで突き進むからあの程度の雑魚にも不覚を取る。
岡田 く…車田様ぁーっ!申し訳ありません!
車田 次はこのような無様な真似は許さん。覚悟しておけ。…分かったら戻るぞ。
板垣の方もケリがついたのでな。
岡田 か、畏まりました!…!?…ところで車田様、その聖衣の右肩の部分ですが…!
車田 あの男の最期の小宇宙の痕跡だ。
岡田 あの男?
車田 ジャンプ看板作家、許斐剛。
岡田 !!
車田 あの男、実力では俺と天と地ほどの開きがありながら、小宇宙の全てを燃やす事で
人を。俺を、そして恐らく神をも超えて、一瞬とは言え俺に敗北を覚悟させてみせた。
圧倒的な力量に慢心し、隙を突かれ無様な敗北を喫した貴様とは雲泥の差だ。
岡田 …申し訳ありません。
車田 恥を知れ、岡田。
岡田 …はい。
車田 (…今何処で何をしている、許斐剛。)
光原 先生、許斐先生?
許斐 ……。
光原 …駄目ね。自分が死んだって分かったら、すっかり腐っちゃって。
高橋 無理も無い。普通の漫画家は死ぬ事に慣れてないからな。
光原 吉富先生も古巣(GAO&Z)が潰れて凹んでるし佐藤先生はまだ重症、辛気臭いわね。
高橋 そういう時もある。
・書いてから岡田回収したの板垣合流前だった事に気付いた。
…まぁいいや。大した事じゃない。
・最近の手代木星矢でスカーレットニードルが拷問技になってたまげる。
つーかどう考えても、無印の頃からスカーレットニードルは拷問技だw
慈悲深い技だとかミロは言ってたが、あの技を最初に編み出した蠍は明らかにドS
スカーレットニードルはね・・・・・・
一撃で決まれは慈悲深いんだろうが蠍座の星の数分だもんな
まぁ、今後えなり達がどんな戦いをするか見てみよう
俺? 全くネタが浮かびません
岡田……旧版の頃はどう見ても車田より強そうだったのに……
まあ以前が異常すぎただけか?
えなり(仮)たちは矢吹の乱入で読めなくなったな。
このまま小学館へ向かうか、集英社に進路変更するか、それとも二手に分かれて両方か……。
「ちょっと待てーー!! (仮)ってなんだー!!!?」
「ん? (笑)のほうがよかったかい?」
「もっとダメーー!!!」
208 :
作者の都合により名無しです:2008/09/28(日) 19:38:02 ID:QYxxn5Kg0
岡田がやけに強く書かれるようになったのと前後して
車田がゆで将軍戦に入ったから余計そう見えるのかも。
えなり(笑)チームは順当に行けば集英社へinだけど、
個人的には小学館へ向かってほしい。
何しろ桃種にかがみと見た目ロリなのが三人もいるから
あの真性ロリコンがどういう反応をするか今から楽しみ。
ネタが無い…暇も無いんだよなぁ。
流れが早いわけでもないし誰かにせっつかれてるわけでもないから、そういう時は漫画でも読んでゆっくりするのが一番いいよ。
そんな俺は書けないのにネタばかり浮かんで困る。誰かこの電波を受信してください。
ジュン(仮名)のところは東もたしか見た目ティーンだったはず(元ネタ準拠なら)。
というか男3:女4ってどうなんですか。少年誌的には正しいのですかそうですか。
「…っと、ちょっと待つのだわ!集英社のビルから…これは…人?
…人がこっちに吹っ飛ばされて来るのだわ!」
えばらが叫びながら指差す方へ振り向いた東は、言葉を失った。
(…矢吹…様!?)
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部 「小学館上空墜落編」
東まゆみはかつて、矢吹の秘書だった。
彼が「遺産」と強力な「力」を手に入れ、多くの人間を、漫画家を、
そして世界を蹂躙するのを、彼女はすぐ傍で目にしてきた。
彼が大戦で敗れ、「遺産」と「力」を失うまでの数年のそうした経験は
彼女に強いトラウマを残していた。
だから彼女は秋田書店が小学館と戦争を起こした際の有耶無耶の内に
恩赦を受けた後、漫画家としての再雇用を各社から求められた際も
矢吹を保護、というより監禁していた集英社ほか一ツ橋グループではなく
資本的に関係の薄い、というよりライバル関係に近い講談社を選んだ。
彼女が業界トップ出版社のオファーを敢えて蹴り講談社を選んだのは
なるべく矢吹から離れたかった為だった。
そこまでして距離を置きたかった相手が今ここに、
しかもヘリコプター飛行中の上空数十メートルという非常識な場所にいる事は
彼女の言葉を、冷静な判断力を、思考すらも奪ってしまった。
「駄目ッス!間に合わないッス!」
福地の悲痛な叫び声に東が意識を取り戻した時は手遅れだった。
もはやこの距離では謳を詠唱し、えなりと同契する時間は無い。
自分の迂闊さを呪いながら、咄嗟に彼女は叫んだ。
「みんな!衝撃に備えて!」
その瞬間、ヘリコプターに強い衝撃が走った。
正面衝突だった。最早一刻の猶予も無い。
衝撃が収まった後、彼女は即座に全員の安否を確認した。
流石に無傷とは行かずともこの状況で重傷者が出なかっただけ幸運か、
そう思い東は少しだけほっとする。
しかし状況はそう安易に済むほど簡単ではないらしい。
「マズいッス!これじゃ高度が維持できないッス!」
福地の悲痛な叫びが再び起こる。
…やっぱりね。と、東は少し肩をすくめた。
よく考えればここ数日は妙にツイていなかった。
これまで講談社で比較的穏やかな漫画家生活を送ってたはずなのに
あの冨樫と福地君の襲撃を受けて捕獲されるわ講談社はクビだわ、
あの変態揃いの秋田書店の中でも群を抜いてヤバそうな木刀男に
目つきの悪く「ン」の多い金ピカ男、そして車田正美に命を狙われた。
おまけに冴えないミュージシャンについ先程まで敵だった福地君、
同僚ながら胡散臭い福本先生、ゴスロリ少女二人にオタク少女?といった
あまりお近づきになりたくない連中と、珍道中する破目にもなった。
何なんだろう、私の人生…
そんな事をつらつら考えてる内、彼女は思わず苦笑いを浮かべていた。
その時、ヘリが大きくガクンと傾いた。
…拙いわね。
東の予想通り、機体は真っ逆さまに墜ちていく。
えなりとかがみの二人は素っ頓狂な叫びを上げるばかりで役に立たない。
ヘリに突っ込んできた矢吹様と操縦していた福地君は衝突の衝撃で
意識が少し朦朧としているらしく、あまり当てにならない。
福本先生も流石に空は飛べず、ゴスロリ少女の二人、千道とえばらは
金ピカ男に負わされた傷がまだ癒えてない。なら…
東はぱん、ぱん、と自分の頬を叩いた。
ここは自分が何とかしなければいけない。
覚悟を決めよう、さっき自分でえなりに言った様に。
正念場だ。
東がざっと機内を見渡し、この状況を一瞬で把握する。
そして咄嗟に彼女はえなりとかがみの奥襟を引っ掴んで叫んだ。
「千道さん!えばらさん!」
その様子に全てを察した二人も即座に動いた。
えばらは予想外でナンセンスな展開をぼやく福本に、
千道は意識の今一つハッキリとしない福地と矢吹に、
早くヘリを降りろ、と促す。
全員が半ばヤケクソ気味に上空へダイブしたその瞬間、
背後でヘリコプターが爆発した。
…危機一髪か。
東はそっと胸を撫で下ろした。
しかしここは地上数十m。そのまま墜落すれば間違いなく即死である。
えなり一行の受難は続く。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:59/60
214 :
おまけ:2008/10/05(日) 17:20:41 ID:7K5i/Sxg0
「参ったわね…。」
背中に何本もコードが刺さった少女と向かい合いながら、
至る所にコードが巡らされ、モニターが据え付けられた
某攻殻や某シリアルエクスペリメンツっぽい部屋で
少女が憂鬱そうな声を上げた。
「小林先生が離脱、瀬尾先生、寺嶋先生、篠原君の反応が消失、
おまけにエンジェル隊の消耗も数値以上じゃない。
…ここまで好き放題情報操作されてたなんて、どういう事よ。」
一つ溜息をつき、少女が薄暗い部屋の中で見えもしない天を仰ぐ。
彼女は講談社の重鎮が一人、「CLAMP」の大川緋芭。
「ちぃ。」
無表情で無機質ながら、どこか申し訳無さそうなものを感じさせる様子で
向かいの少女、もこなが大川のボヤキにぽそりと答える。
「いや、貴方の働きを疑ってる訳じゃないのよ。ただ…。」
大川はそう言うとそこらへんの適当な椅子に座ると、足と腕を組み、
若干眉間に皺を寄せて黙りこくってしまった。
その頃、赤松は行き過ぎた盗撮癖を咎められ顔を真っ赤にして飛び去った一番弟子、
藤真の事を思い、眼鏡をキラリと光らせて光永と共にふふん、と笑っていた。
登場人数:0
退場人数:▲3(瀬尾公冶、寺嶋裕二、篠原知宏)
現在の人数:56/60
・すまない。この三人を扱うスキルは自分には無い。死に様はその内やると思う。
・普通の文章は下書き無しでも時間がかかるものだね。
・ふふん
>>214 その三人、出した人がそのまま放置したからな
正直、俺も処理に困ってたので助かる
たまにこうして旧版を忍ばせる展開があるのもいいね。
東も2ch受けは悪いタイプだけど実力がないわけじゃないと思う。いやまあセイヴァーはヴァンパイアファンとしてはいろいろ言いたいこともあるけど。
・実は俺もあの三人は参加してた当時から持て余してた。誰だよあの文章はともかく展開が稚拙すぎるのを書いた奴。
いっそ弐瓶あたりの当て馬にしようかとか考えてたよ。
というかアレは旧版で散々問題にされてた『無計画な新キャラ大量投入』そのものだった。
ああいう書き手がいるとスレが駄目になる。
・俺の場合3〜4レスもので2〜3時間程度、アンハッピーとかダーティペアみたいな大物になると6時間ぐらいは掛かったかな?
表現に懲りだしたりするとあっという間に時間が過ぎていくから気をつけたほうがいいと言っておこう。
・うじゃうじゃ
>>216 まあ確かに、あの三人出た当初は俺も扱いに困ったよ。こいつらの血を生贄にして平野召喚しようかって。
そういう俺自身も、由利まだ殺してねえからなぁ。あいつも生贄にしようか。
そういや、サンデーでふしぎ遊戯描いてた人が連載はじまったよな。
少女漫画家もこれから話に関与してくるのだろうか。
というか、旧スレで少女漫画家って誰かいたっけ?
・人様の思いもよらぬネタや展開を練って捻って繋げていくのはリレー小説の醍醐味よ。
…瀬尾と寺嶋も結構イイ感じの(ネタ)キャラだったんだけどね。あースキル不足ゥ。
・長文は書けないから無問題。
・次に新キャラ出す時は、普通の人も読むもう少しメジャーな所から選ぼうっと。
・渡瀬はさすがにベテランだけあって読みやすかった。少年誌でどこまでやれるか期待。
旧版に出た少女漫画家はCLAMPと武内ぐらいなはず。
・もちろん他の書き手との連携がリレーの醍醐味だけど、
投げっぱなしにして回収は他人任せとか(誰も拾わなかったら自分で拾えるようなネタにしてほしい)
逆にルートを完全に独占して自分の考えたストーリー以外書かせないとか(割り込む余地と心の余裕が欲しい)
そういうのは困るんです。
・見返してみると結構メジャーどころでも登場してないのがたくさんいるしね。
サンデーだと田辺とか松江名とか。
そういえば車田にボコられた尾田と岸本はどうなるんだろうか。仮退場でもいいような気はするけども。
・結局主人公の名前はえなりのままで行くの?
今書いてない人間が何を言うかって感じだけども、個人的には改名に賛成だが。
前回のあらすじ
「フォォォォ――ッ!エクスタシィィ―――――!」
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部 「小林尽、覚醒編」
小林は心の底から沸々と湧き上がる熱い何かに突き動かされる様に
高らかに歓喜の叫びを上げた。それはこの数年、あらゆる事物の為に
自らを律してきた彼が捨てた、いや捨てようとしてた感情の迸りだった。
その迸りのままにまず彼は学ランの上着を脱ぎ捨てた。
…足りない。自分の中に生じた炎を縛る鎖はまだまだ太過ぎる。
この熱に身も心も焼き尽くされる前にもっと自分を解放しなくては!
続いて彼は咆哮を上げながらシャツをボタンも外さずに引きちぎり、
その勢いのままに学生服のズボンも脱ぎ捨てた。
上下を脱ぎ捨て、ビキニタイプのブリーフのみの姿でそこに立つ
小林のパンプアップされた筋肉からはシューシューと熱気が立ち上る。
この時の彼を見ていた者がいれば、少しづつ体外へと解き放たれた
彼の中に燃え盛っていた炎が、まるで彼の周囲の空気を音を立てて
歪ませていくように感じられたと思われる。
だが、それでも彼にはまだ足りない。
下着に残る微かだが媚薬のように甘い香りが彼に輝けと囁く。
しかも、只自分を解き放つのではなくもっと 「輝け」 と囁くのだ。
輝け?
輝け?
輝け?
…輝け!!
衝動的に彼は自らのビキニブリーフの両脇を掴んだ。
「フオォォォオ…!」
彼はその驚異的な腕力でブリーフを上へと引っ張り上げ、激しく食い込ませていく。
通常の物理学で考えれば一瞬にして千切れてしまうはずのそれが
腰から臍、臍から胸、胸から肩、そして頭上まで引き伸ばされていくのは
彼の中に燃え盛る何かの成せる業か。
「オォォォオ!!!」
彼はその叫びと共に極限まで引き伸ばされたブリーフの端を掴んだ両手を
目にも留まらぬ速さで縦横無尽に走らせた。
するといかなる事か!つい先程までありふれたビキニブリーフだった物が
瞬時に首と股間を極細の紐状の何かで結び、股間をちまき型に強調し締め上げる
これまで見た事の無い、最も異様で、性的で、且つ何処か神々しさを感じさせる
何かへと変化しているではないか。
媚薬の如き香りが出した「輝き」に対する小林の答えがこの姿だった。
悪魔や神すらも食い殺すワイルドさ!エレガントに酔い、クレイジーに舞う!
来い、俺の中に燃え盛る炎よ。何処までもクレバーに抱きしめてやる!
小林がちまきを引き絞る紐が引き千切れそうな程に全身に力を込めた瞬間、
それまで内から溢れ出さんと荒れ狂っていた熱が、奥底へと収束していった。
小林は月に吼える神獣の如き歓喜の声を上げた。
つづく?
222 :
おまけ:2008/10/08(水) 00:12:24 ID:qLSdNl+S0
爆発するヘリコプターから間一髪で仲間達を機外へ脱出させた東、えばら、千道は
上空へと逃れ出たその瞬間、天をも裂く獣のような叫びを聞いた。
見ると遥か地上で一人の男が咆哮を上げながら衣類を脱ぎ捨てている。
顔にはちょうどクロッチの、つまり女の子の大切な場所と接する布地の厚い部分が
鼻にぴったり触れる様にぱんつを、それもいちご柄のぱんつをぴったりと被り、
鍛え上げられた筋肉からは異様な熱気を発しており、
近づくのが躊躇われるどころではない異様な雰囲気を漂わせている。
何者よ、あの変態?
三人は一斉に眉を顰めた。
だがその男の変態はまだ序の口だった。
三人が上空から密かに見守る中、男はビキニの両端を肩より上まで引っ張ると
一瞬にしてその端を交差するように首へ掛け、股間をちまき状に強調する格好へ
変身してのけたのだ。
「「「ぎゃああああああああああああああ!!!」」」
思わず三人とも人の目も忘れ、蛙が潰された時のような悲鳴を上げてしまう。
これまでいかにも美少女然としてきた彼女達の意外な反応を見た同僚達は
微妙な視線を三人に容赦なく浴びせた。
そして彼女達は思った。
「あの変態、絶対に殺す」と。
つづく。
さすがかつて高橋留美子をも戦慄させた変態仮面、ヤバすぎる。
これからどうなるのか本気で展開が読めないよ。
◆ソードマスター悪徒にショックを受けてどうしても筆が進まない為、
今回の投稿は予定を変更して適当なネタでお送りします。ご了承下さい。
病室で天井を見上げながら、岸本斉史は一人、心底苛立っていた。
原因は何か?
集英社を襲撃した車田正美に手も足も出ず、完膚なきまで叩きのめされた事?
――否。
確かにあの敗北は彼に激しい屈辱を与えた。
だが今感じている苛立ちはそこから来る類の物とは違う、もっと単純な物だ。
「サ〜〜リ〜〜〜〜」
部屋の外では誰かがギターをかき鳴らし、渋谷系らしき曲をずっと歌っている。
正直あまり上手くはない、というより気持ちの悪い歌だと思う。
おっと、苛立ちの原因が何かだったな。車田先生にボロ負けした事以外なら…
集英社と小学館が同時に襲撃を受けている今、自分が何の役にも立てない事?
…それも、否。
「お〜い〜で〜よ〜サ〜〜リ〜〜〜〜。」
…っていうか
「ボ〜ク〜に〜笑いか〜け〜たぁん、キ〜ミ〜は〜サ〜〜リ〜〜〜〜 」
コレだってばよ。
「うるせぇ―――― ってばよ!」
そう叫ぶと岸本は咄嗟に懐の苦無をその鬱陶しい歌が聞こえてくる方へ投げつけた。
そして苦無が突き刺さる鈍い音と僅かな悲鳴があった後、病院らしく静かになった。
それから少しして、岸本は久々にとても安らかで深い眠りに付いたとさ。
つづく?
面会謝絶の札が下がった病室前に、変な男達が数人いた。
一人は男なのに唇が艶々でほんのりと頬を染めている潤んだ目のショタ坊や、
一人は何故か小脇にダッチワイフを抱えたガッシリした体格の大学生っぽい青年、
そして一人は渋谷系の歌を生演奏で歌い続けるマッシュルームカットのゴボウ男と
どう見てもあまり近づきになりたくないような連中だった。
「ヨクサル先生も三浦先生も大丈夫?」
「…だといいけど。」
「サ〜〜リ〜〜〜〜。」
彼らは柴田ヨクサルと三浦健太郎を見舞いに来た白泉社の漫画家だった。
これから少しして何者かの飛び道具により三人は重傷を負う事になるのだが
力尽きたので今回はこれにて完結とする。
おわり
アレは凄かったよな……。ショックを受けるのもよくわかる。
というかまさかの岸本再登場に驚いたよ。
「あれ?一週読み飛ばしたかな?」と素で思って、満喫に行ったら愕然としたわアレw
あんな凄いの見たのは竜童のシグ以来だ
旧スレだったら、間違いなくKIYU陣営に入っていた逸材
地上数十m、見下ろすには高いのに、墜ちていくのを実感するには低すぎる高さ。
あの変態(小林)を眼下に、東は静かに思う。
あぁ、これは罰なんだと。あの敗北のときに矢吹様と運命を共にしないで、
逃げてばかりだった自分への罰なんだ。
だからこそ、こんな場所でまた矢吹様に会って、そして人生に幕を閉じるんだと。
だが、今は裁きの時ではなかったようだ。なぜなら――
「……あれっ? あたし達生きてる?」
未だ大地はあんなに遠かったのだから。
「なっ何が起きたって言うの?」
「私達、ヘリから飛び降りたはずよね?」
えばらと千道も一体どうなったのか良く理解できていないようだ。
えなりとかがみはあまりの急展開に言葉もなく唯呆然としていた。
しかし、福本は冷静に自分達の状況を把握し始めていた。
「なんだこれは……浮いているんじゃない……見えない床の上に立っているのか?
まるでガラス板……だが危うさじゃなく優しさがある様な……」
「見えない床(・・・・・)!?」
その解釈に、福地はもしやと意識をしっかりしようと顔を上げる。そう彼は知っているのだ。そんな物を生み出せる人物がかつての仲間にいたことを。
はたして辺りを見あたせば、確かにそこに彼女はいた。
「田辺先生!!!」
「お久しぶりです、福地先生」
修験者のような白い衣装を着た女性―――田辺イエロウが立っていた。
「ちょっ、ちょっと待ってよ!! なんで人間が空中に立ってるのよ!?」
しばしののちに頭が働きだした東はその人物をみて仰天した。そう、
彼女が今いるのは自分達のすぐ目の前。足場のない処のはずなのだ。
「あれは田辺先生の結界術っスよ。応用すれば、今みたいに足場も作れるっス」
「もう福地先生、『先生』なんて付けなくっていいですよ。わたしの方が後輩なのに」
福地の説明に、田辺は懐かしき仲間としての態度で返答した。
「それで、小学館は今どんな状況なんスか?」
それまでの笑顔から一転して、福地は田辺に真剣な表情で質問する。
彼女も同様に、その顔は戦場の物だった。
「私も、さっきまで買い出しに行っていたので詳しくは不明ですが、連絡では
約30人の兵士を連れた2名の漫画家が襲撃してきたと。1人は正体不明ですが……」
「……もう1人は、一体誰なんスか?」
福地は田辺を急かすが、その後の沈黙がやけに長く感じられた。下界ではパンツをかぶった変態が筋肉を誇示している。
彼女は意を決し、自分自身も認めたくなかった真実を告げた。
「……安西先生です」
登場人数:1(田辺イエロウ)
退場人数:0
現在の人数:57/60
えなり達助けようとしたら、キャラが増えてもうた
いいのかな、これ?
集英社1Fにおける久保帯人と大暮維人の死闘は熾烈を極めた。
一人は週刊少年誌最強の漫画雑誌「ジャンプ」の看板作家の死神、久保帯人。
一人は現在「マガジン」と「ウルトラジャンプ」の看板作家にして外道、大暮維人。
選ばれた漫画家達の集う雑誌において頂点を狙い得る漫画家同士だけあり、
共に恐るべき並外れた腕前にして、その力は伯仲。
互いに千変万化の技を繰り出し、一進一退の攻防が続く。
技では久保、だが大暮の迅さにその技は致命の傷を負わす事ままならず。
迅さでは大暮、だが久保の技にその迅さは致命の傷を負わす事ままならず。
互いに決め手を欠くまま攻防は続き、時間のみが過ぎていった。
数度目の攻防後、互いに間合いを取った。
その一瞬で大暮は考える。
あの技を掻い潜り、奴に一撃を与える手段はないかと。
その一瞬で久保は考える。
あの迅さを捉えて、奴に一撃を与える手段はないかと。
そして
「ブッ…」
「卍解」
互いに気勢を高め
「殺!!」
「天鎖斬月」
久保はその出刃包丁のような刀を細め漆黒で覆い、大暮はA・Tを装着する。
これはつまり、細かい説明を省けば共にその「迅さ」で勝負という事だ。
同状況下で同じ結論に至った、その事が何故か妙に二人を苛つかせた。
つづく。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:57/60
・ブリーチ初めて読んだ、20冊くらい。思ったより車田だった。あと女の子上手くなってた。
・でもブリーチのヨン様とエアギアの連中は何やってるかさっぱり分からない。
・
>>228-229乙でさぁ。自分以外の人の新作は嬉しいね。…さて、どう捻ろうか。
おおう、俺がブン投げてしまったところが拾ってもらえた。ありがとう。
・きた!田辺さんきた!これで勝つる!
・漫画家は60人までなら何人出してもいいですとも。
事後処理はある程度他の人に任せるぐらいの気持ちでいいんじゃないかと思う。
・やっぱり大暮や久保は派手になるよな。
・久保はどうか知らないけど大暮はファンの間でも「絵はプロレベル、話は漫画を以下略」って評価だからしょうがない。
233 :
作者の都合により名無しです:2008/10/19(日) 19:54:22 ID:+F8lWtq50
えなり は 2しかしらない
○○ なんだよ
234 :
おまけ:2008/10/19(日) 22:38:03 ID:VNfJNiO10
イエロウ ……安西先生です。
福地 !!
東 嘘でしょ!だって、あの人!
イエロウ 私だって信じたくは無いです。でも…!
かがみ あの〜
イエロウ 何ですか?
かがみ いや、安西先生って誰?…ってほら、私って前は出番無かったじゃない。
普段マニアな人達とばっかり付き合ってて普通の少年誌の人知らないし。
いやいやいや、別にその安西先生を馬鹿にしてる訳じゃないよ?ただ
イエロウ 仲間ですよ。小学館のね。
かがみ ふーん。で、その先生が今小学館に攻めて来てると。大変だねぇ。
東 (かがみ先生!ちょっと!)
イエロウ …ええ。もういい?
かがみ いや、あともー少し。
イエロウ …何?
かがみ なるほど、つまりその安西先生が秋田書店の人達と一緒に攻めて来たと。
イエロウ ええ。
かがみ …変だね。
イエロウ 何が?
かがみ 言ってたよねイエロウさん、安西先生は少しイタイけど悪い人じゃないって。
イエロウ ええ。
かがみ それが変なんだって。あの秋田書店だよ?そこで一線張るような人が
「少しイタイけど悪い人じゃない」程度だなんてありえないじゃない。
イエロウ !!
かがみ いや、ね。私のいる雑誌もHなゲームの漫画とか扱ってるからその繋がりで
秋田書店の人と会う事もあるけど、あそこの人達ってもうそりゃ酷いよ。
ましてそこで一線張る人だよ?並大抵の悪人や変態じゃ勤まらないよ?
東 …どの位酷いのよ秋田書店。
かがみ そりゃもう、こんな改変コピペが出来るくらいかな。
>死にたい人にお薦めの危険な出版社 秋田書店
>
>・中国拳法を極めた俺なら大丈夫だろうと思っていたら同じような体格?の原始人に脚を喰われた
>・アニメ化されたロボ漫画表紙から1Pの巻頭カラーで幼女がくぱあしていた
>・背景がぐにゃりとしたので後ろを振り向いてみると地上最強の生物が枕元に立っていた。
>・ショタ少年がガチで実姉に突っ込んで果てたというか姦った後から切ないストーリーとかが展開する
>・雑誌が触手に襲撃され、女も「男も」全員一流のおもてなしされた
>・前話クライマックスから最終話までのあらすじの間にキングクリムゾンが発動した。
>・ヒロインの1/3が読者によるレイプ妄想被害者。しかもあんなに可愛い奴が女の訳ねーだろという都市伝説から「男の子ほど危ない」
>・「そんな危険なわけがない」といって出て行った漫画家が5週後原稿料だけ持たされて戻ってきた
>・「私、お兄ちゃんと一緒に死ぬ」と手ぶらで特攻していったブルマー爆弾幼女が手と足をもがれカッチョイイ手足付きで戻ってきた
>・第1話から2ヶ月以内に終了は打ち切りにあう確率が150%。一度打ち切られて単行本も出ない確率が50%の意味
>・秋田書店における殺人事件による死亡者は1日平均120人、うち約100人が漫画家。
東 なるほど。
板垣 ハーックションッッ!
山賢 クションッッ!
吉富 クシュン。
サトケン くしゅ。
なるほど、安西は秋田書店に所属するには狂いっぷりが足りない、と。
そんな方面からのアプローチもあったか。
かがみも出た当初は大丈夫かこいつと思ったけど案外いい働きしてるな。
>>238 すげぇ、このスレのまとめサイトがあるなんて・・・・・・
3スレ目になるかと思ってたのに
本当にGJ!!! 最高で御座います!!!
>>238 ありがとう以外の言葉が見つからないほどありがとう。
暇を見つけていろいろいじってみるよ。
いずれはここから新規を呼び込めるようになれるといいな。
Wikiを手探りでいじってみた。登場人物は別ページ作ってそこへリンク張る形に。
登場人物の名前の横に代表作入れた方がいいならその内ひっそり入れてみる
(赤松健 【魔法先生ネギま!】 みたいにする)けど、まーどうだろう。
あと最初のアレが本当に速攻で消されてた。酷い。
wikiがやっと一通り完成。内容は古いので手直しや編集とか出来れば宜しく。
二人は共にギリリと歯噛みし、互いに凄まじい目で睨み合っている。
確かに集英社に所属する大暮には、集英社を裏切り牙を剥く久保は不倶戴天の敵であり、
同様に久保にとって講談社に所属しつつ講談社に仇なす大暮は、不倶戴天の敵である。
だが二人の間の激しい敵意はそれだけが原因ではない。
…気に入らねぇな、あのダサ坊と俺が同じ戦術に至るってのは。
大暮は心の底からそう思う。
デビュー当時の久保を集英社の人間から知らされた時、大暮は彼の全てを鼻で嗤った。
こいつが期待の新人の久保?画力、コンテ、構成力…あらゆるセンスにおいて話にならねぇな。
金持ちのガキが半端な覚悟でコッチの世界に踏み込んでくるんじゃねぇよ、このダサ坊が…!
その後久保がジャンプの看板を張るようになっても彼に対するそうした認識は変わらなかった。
…あの中二病エロ漫画上がりの馬鹿が俺と同じ?気に入らねぇな。
久保は心の底からそう思う。
デビュー当時、集英社の人間から大暮が彼の渾身のデビュー作品を鼻で嗤った事を聞いた時から、
久保は彼の事が気に喰わなかった。ギャンブル狂いでエロ漫画家に身を落とした馬鹿の癖に
ほんの少し先に中二病全開なエロ漫画で成り上がったからっていい気になりやがってこの野郎…!
その後大暮がマガジンとUJの看板を張るようになっても彼に対するそうした認識は変わらなかった。
要するに彼らは初めから互いの事が気に入らなかったのだ。
その二人が今、こうして敵、味方に別れて熾烈な戦いを繰り広げるのは必然だったのかもしれない。
睨み合って数秒、互いに微塵の隙も見せない。
然るに動けない。迂闊に動けば忽ち挽肉である。
戦局は再び膠着に陥った。
…これは拙い。大暮、久保の両者共にそう思う。
格闘が基本で、所謂迅速な回復手段に乏しい大暮は、特殊能力の宝庫たる久保は早めに倒しておきたい。
また集英社へ侵攻中の久保も集英社の援軍に到着されると非常に厄介である為、早めにケリをつけたい。
よって二人とも何とか相手を動かす必要が出て来たのだ。
だが、どうやれば…
息詰まる数秒の睨み合いの後、二人は同時に口を開いた。
「ダサ坊。」
「中二病エロ漫画家。」
その一言のみで彼らは互いに黙り、息詰まる睨み合いは更に数秒続いた。
そして
「んだらあああああああああああ!!」
「死にやがれええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
二人はその叫びと共に姿を消した。
後に残るは超音速の轟音と破壊の痕跡のみ。
つづく
245 :
おまけ:2008/10/26(日) 18:47:11 ID:kiQYU+E90
かがみ ともかくね、秋田で一線張る人だよ?並大抵の悪人や変態じゃ勤まらないよ?
イエロウ 確かにそうね。あの坊主頭の料理人の料理を食べた時も酷い目に会ったもの。
福地 いや、あの担担麺とても旨かったっスよ。
イエロウ …すみません、少し福地君は黙っていて下さい。
福地 はいっス。
かがみ その安西先生、別人とかニセモノってのは〜?
イエロウ …残念ですが、それは無いです。
かがみ 何で?
イエロウ 留美子先生が確認してますから。
かがみ そっか。んじゃそれが本人として、何でそこにいるの?
イエロウ …脅迫?
えなり 誰かが人質に取られてるとか?
東 いや、自分の意思で契約したかも。
えばら きっと何者かに誘惑されたのだわ!
千道 …誘惑、ねぇ。
福本 ククク…!
福地 何がおかしいっスか福本先生!
福本 とことん寝ぼけた事だな、お前達…!奴等がそんな悠長な手を使うと思うか…?
東 どういう事!?
福本 考えてもみろ…!秋田書店は鬼畜…劣情…勝利…これを旨とする外道…っ
そんな連中がこの緊急時に…相手の意向に左右される手段は取らない…っ!
あるだろう…!相手の意思を塗りつぶし…完全に服従を強制する方法が…っ!
かがみ そーか!アレかぁ!
イエロウ …何!?
かがみ 洗脳だよ洗脳!
イエロウ !!
かがみ ほら!よくHなゲームとか漫画でよくあるじゃない!変な薬とか電波とか催眠術とかで
ヒロインの意思に関係なくHな事をやるってのが!いやーそれだよそれ!きっとその
安西先生も薬とか何とかでグヘへへへ〜嫌がっていても体は正直じゃないか〜って
福本 …少し黙ってくれないか、お嬢ちゃん。
246 :
おまけ:2008/10/26(日) 19:05:00 ID:kiQYU+E90
かがみ ともかくそういう事だね!安西先生は鬼畜な人達に洗脳されたと!
福本 …まあ、そうだが。
かがみ んふふ〜洗脳ときたか〜!…そういえば聞いた事があるよぉ。
秋田書店にも催眠とか洗脳とか出来る人がいるって。
えなり 本当ですか!?
かがみ …そこは『知っているのか、かがみん!』って返して欲しかったんだけどね。
ま、いっか。ちょうど今月のチャンピオンREDにも催眠術使ってる人いたし。
東 それ持ってるの!?
かがみ いや、まあココに。ただ…。
イエロウ 借ります!
かがみ あ。
イエロウ ここに安西君についての手がかりがある訳ですね!なら!
ペラ
く ぱ あ
イエロウ キャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
かがみ …あちゃあ。
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退場人数:0
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・あのSSは全くのフィクションです。
・イエロウも多分血を垂れ流しながらあの坦々麺を食ったのだろう。
・今月のREDを読んだ人には分かるがアレは酷い。流石土居坂崎。
くぱあ自重w
全くえなりの長きにわたる歴史の合間も、あそこはちっとも変わらねえ
福地……坦々麺食ってなんともなかったんかい
とんでもない体だな
【スレタイ】
大暮と久保が同属嫌悪に見える奴の数→
【本文】
とりあえずwikiの見た目整理と過去ログの追加をしておきました。
[スレッドを立てる]
にア[スレッドを立てない]
センキュー。過去ログ忘れてたよ。
さて、様々な漫画家達が戦いに身を投じている最中、安西が蘇生した部屋に赤松と光永はいた。
あのとき同様、暗い室内で2人は、壁に寄り掛かっていた。
「計画は順調なようだな、赤松」
「CLAMP(彼女たち)の計画はやや難航してきているみたいですよよ。洗脳装置の要である銀水晶の
回収は成功したものの、部隊数は不自然に減少しているみたいですし……」
「人が悪いな。聞いているのは“お前の計画”のほうだよ」
「あぁ、そうでしたねぇ」
そんなやりとりを交わしながら、赤松はうっすら笑みを浮かべている。
純粋なものではない、仕掛けた悪戯が見事成功したような子供のようだ。
「順調にエンジェル部隊は殺されているみたいですね。このままいけば、目標数まであと僅かです。
それに怜奈さんには洗脳計画の方だけ伝えたので、解放すれば真っ先に記事を書くに違いありません」
「こっちも、私と役立たず3人の血で奴の蘇生に成功した。意図を説明すれば、あいつも賛同するだろう。
それと、とある山奥で秋田書店の佐藤健悦とみられる死体を発見した」
「それは今どこに?」
「この階で冷凍保存されている。血によって蘇生する前に報告しようと思っていてな」
「なら後で、真島君にも現状を伝えておきましょう」
つまるところ、彼らもまた裏切り者、それも講談社内で起こしている。CLAMPがリーダーなんて思ってはいない。彼女らはただの隠れ蓑に過ぎなかったのだ。
しばらくして、赤松は思い立ったように壁から背を離した。
「それでは、起きたばかりの彼に会ってみましょうか」
その矢先、
「その必要はない」
と、何処からともなく男の声がした。よく見れば、闇の向こうに誰かいる。
いやもっと言えば、闇と一体になっているようにそこにいる。
「私を蘇らせてくれた事、感謝いたします我が主人(マイマスター)」
「挨拶もなしに少々礼儀知らずではないか? 吸血鬼、平野耕太」
なんと、光永が蘇らせたのは『アワーズ』で漫画の連載が終了した平野耕太だった。
「構いませんよ、光永さん。それにしても平野さん、今の貴方は聞いた話とは随分見た目が違うようですが?」
確かに、今の平野の姿はあの丸々太ったデブではない。赤いコートに身を包み、欧米人の様にひょろりと背が高い。
「姿形など、この私にとっては至極無意味なものだ」
「なるほど」
吸血鬼はそのような物かと赤松は納得することにした。
「それで、あなたは我々と共に来て下さいますか?」
「私が望むのは戦場だ。殺し殺され、奪い奪われる戦場だ。講談社にいれば、それが手に入るのだろう?」
「了承のようですね、あなたや光永さんの能力とエンジェル部隊の死体があれば、最強の軍隊も夢ではないですから」
「あっそうそう」
赤松は何かを思い出したかのように言葉を続けた。
「相手側に生薔薇乙女がいるんですが、それはどうします?」
登場人数:1(平野耕太)
退場人数:0
現在の人数:58/60
・実は前から出したかったんだ、後悔はしていない
・とは言うものの、赤松たちの裏切り行為って、ここ大丈夫なんだろうか
ついに来たか平野耕太。
なんか先々赤松たちの思惑を超えて暴走しそうな予感もするが、さて。
そして見事な裏切りだと感心はするがどこもおかしくはない。
もっとぶっ飛んだ展開でもない限りどこからも文句は出ないと思うよ。少なくとも俺は支持する。
大抵のネタはきっちり受け止めて明後日の方向へブン投げるから大丈夫。
ぶっ飛んだネタ上等。むしろもっとガンガンやっちゃってもOKよ。
…密かに考えていた山秋&ヒラコーの「ゲームショップヒラコー」物語は別の機会にするか。
ゲーマガのアレはグダグダでステポテチーンで面白いよ。
>>254 いや、そのなんだ、すまん……
それより、ネタとして敵役に良さそうな同人関係っているかね?
ひぐらしの原作者でもそのうち出せたら出そうかと思ってるけど
>>255 いや、こちらこそネタだから。あと同人やラノベは門外漢なのでちょっと分からない。
例えば月とかひぐらしとか名前とエロ本しか知らないので何とも。
俺も同じく門外漢だが、聞くところによると月姫とかの作者がだいぶアレで悪役にもってこいらしい。
しかし、本編を読まずにエロ同人だけ読むってのはありなのか?
連投になって申し訳ないが、一読者としてはやはり主人公の名前は変えてもいいんじゃないかというか変えてほしい気がする。
俺が旧版終盤からの参加でえなりという名前に思い入れが無いからかもしれないけど、やっぱり違和感のようなものがあるんだ。
俺はえなりはえなりでいいと思う
名前つけても呼称がえなりなら構わんが
荒木を動かそうと思ったんだが読み直してきたらどこがどうなってるか混乱してきたぞ
普通に動かせそうな中では荒木、鳥山、和月、山賢、ヒロ君、岡本倫が
今のところよく分からないというか放置状態かと。
…この人数でも放置気味の面子が出るのね。
超音速の轟音が響き渡る集英社入り口近辺、
大暮と久保、二匹の獣が互いの首を狩らんとその背を狙い続けていた。
そこは何者の姿も認められず、ただ巻き起こる鎌鼬が散乱する瓦礫や破片を砕き、
轟音と共に床、壁、天井に無数の傷を残しているように一見、見える。
だがよく目を凝らせばその中に魔獣が見えてくる。
そして耳を澄ませばそこから咆哮が聞こえてくる。
「…ッ……だらぁ…ッ!!」
「……く…うら…ぁ…ッッ!」
互いにその迅さは音を超え、それにより生じる衝撃波は周囲に深い痕を残す。
一触するだけで千々に千切れかねない驚くべき迅さでその背を奪い合うその姿は
まさに超高速ステルス戦闘機同士のドッグ・ファイトを思わせた。
実力伯仲の凄腕同士、攻防は一進一退。
だがこの超音速バトル、戦局は少しづつ一方へ傾いていた。
(…拙ぃ…な。)
大暮の怒涛の連撃を何とか捌きながら、久保は顔を顰める。
スピード自体は互角、いや、若干久保が不利程度の差はあるが致命的ではない。
その差を自分の技と得物のリーチで補う、その構図は先程と変わらない、だが…
(…速…過ぎる…!)
そう、あまりに速過ぎるのだ。
確かに彼の能力ならば大暮の動きにさえ、付いて行く事は不可能ではない。
だが彼の真価は、相手に応じて千変万化の能力を駆使し翻弄、打破する戦法にある。
それが大暮に合わせてついスピードを上げ過ぎた為、状況を判断し、能力を変更、
それを発動、行使するだけの時間すら命取りな高速展開に突入してしまったのだ。
「スピード勝負」という相手が若干有利な土俵の上のがっぷり四つ、
寸分も隙を見せる事も集中を切らす事も許されないこの状況は、
久保を少しづつ追い込んでいった。
「…どぉ……ぁ…ンの…クソ…野郎ッ…!!」
大暮の嘲りが聞こえてくる。
この状況でも大暮には俺を挑発するだけの余裕があるらしい。
今の彼にはそこまでの余力は無い。
このままではジリ貧である。
今此処で勝負を決めなければ嬲り殺しである。
(ならば…)
彼は強引に大技を振るい、相手の体勢を少々崩してから距離を取り刀を一旦納める。
そして抜き出したるは先程とは異なり少々長いが何の変哲も無い日本刀。
その刀に彼はいかなる必勝の策を秘めているのか…
だが彼がその刀を抜き放つ、僅か一瞬の隙に大暮の姿が消えた。
「…遅ぇな。」
大暮の声が背面より聞こえたその刹那、時が止まる。
そして壁に叩き付けられた衝撃で再び彼の時は動き始めた。
臓を砕かれ、無様に地に膝をつき、血を吐く久保の姿は痛々しい。
だがその眼は…
(まだ死んでない!?ケッ!クソ野郎が!)
久保のその様子に大暮は歯噛みすると、間髪入れずに突っ込んでいった。
もしかしたら大暮にも自分の得意分野でここまで喰い付かれた焦りがあったのかもしれない。
或いは最高速度に達した自分の一撃を喰らってなお、闘志を失わなかった相手への恐れが
あったのかもしれない。或いは…
ともかく大暮は地に膝をつく久保へと、一直線に追撃をかけた。
その焦りが彼の右脚を奪う事になるとは知る由も無く。
つづく
次回予告
久保の「氷輪丸」により右脚を氷結、粉砕された大暮!
その衝撃と苦痛に身悶える彼に止めを刺さんと襲い掛かる久保!
回避不能!絶体絶命!
だが!だがしかし!
久保が大暮目掛け振り下ろした刀は、何時の間に右胸に生じた
ジッパーから伸びる!謎の三本目の腕により弾き飛ばされた!
次回ッ!えなりの奇妙な冒険ッ!
参上ッ!その名は荒木飛呂彦ッッ!!
えなりの掟は俺が守る。
・昔の次回予告は色々な意味でアレだったと思い出しながらのネタ。
・あの人の予告も色々な意味でアレだったと思い出しながらのネタ。
・
>>259、スマンね。先に使うよ。
ネタバレ満載の次回予告懐かしいなおい。
しかし予想通りというかなんというか派手なバトルだ。
荒木と久保って旧版でも戦ったよな、しかも最初の方
スティッキーで荒木が何処まで魅せるか見物だな
小学館の戦いって書くのきつそうだよな、ネタ数的に
別に予告は予告だけだから無視して進めてもいいと思うけどな。
嘘予告なんてジャンプじゃ日常茶飯事だし。
ところで何で最近次回予告をよく見るようになったんだ?
あとエジプトで久保と戦ったのはえなり(仮)で、荒木は小栗と和月が相手だったような気がする。
小学館は変な題名の人がいなくなったのがきついな。
旧版初期の三大名勝負の一つ安西vs藤田にいた面子が4人全員揃ってることに気付いたけど、
これをどう活かせばいいのか思いつかない。
保守ついでに、久し振りに安西の漫画を見た感想を言いたい
あいつは遂に恥を捨てたのか?
『うえき』のヒデヨシそっくりな奴がいたぞ
>>268 そもそもあの漫画を読んでいる人間がいたのか。
270 :
裏看板久米田:2008/11/09(日) 14:49:30 ID:dZ+g53gT0
暫くの間、もこなと共に大川は眉間に皺を寄せ、現状況を少しでも把握しようと
懸命に首を捻り、そして気付いた。
自分達は正確な情報を何も知らないという事に。
「…成程。」
彼女は一人憂鬱そうに呟くと、よっと腰を上げた。
ところ変わってこちらは特撮に出てくるような胡散臭い機械類の立ち並ぶ白い部屋。
その中で神経質そうな男がしきりに指示を飛ばしていた。
「いいですか畑君?先程の矢吹君の映像から軌道を推定、落下地点を算出するのです!
河下君は現在の集英社における両陣営の戦力の再スキャンをお願いします!急いで!」
彼の名は久米田康治。講談社所属の科学者である。
日頃はサブカルなネタに五月蝿く、些細な事で絶望する少し使いにくい人材だが
ひとたび本気を出せは凡百の漫画家数十人の働きを見せる。
彼がサンデー、マガジンで裏看板を張っていたのは伊達ではないのである。
「…誰が『裏』看板ですかあぁぁ!?」
「何言ってるのよ、先生。」
あらぬ方向を向き、身を震わせて、虚ろな目でメタな台詞を叫ぶ彼に、
背後からツッコミを入れるのは妙齢のジャーナリスト、玲奈。
元々彼女は講談社の内実を探る為に侵入して失敗、拉致、監禁されている身なのだが
何故かこの場では久米田をはじめ畑、河下といった講談社の人間と打ち解けている。
そんな彼女が
「ほら。」
と、久米田へ飴を添えてコーヒーを渡した。
「有難うございます、玲奈さん。」
久米田はコーヒーを受け取り彼女へ丁寧な礼を返すと、一口啜り深い溜息をついた。
その様子を玲奈は軽い笑みを浮かべながら見ていた。
271 :
裏看板久米田:2008/11/09(日) 15:08:08 ID:dZ+g53gT0
「…何ですかその表情は。」
久米田が玲奈へ怪訝そうな表情で問う。
「いや、ね。先生もやる時はやるんだなって。」
「やる時って…。」
「事前の資料だとヲタなネタに五月蝿くて神経質ですぐに絶望する
凄い扱いにくいマイナー系ダメ人間だってあったから。」
その正しいがあんまりな発言に、久米田は肩を落とす。
そこから彼が気を取り直すまで、玲奈のフォローは暫く事になった。
そんな二人の様子を畑は何故か少しじっとりした目でちらちら見て
そんな畑の様子を見て河下は人知れず黒い笑みを浮かべた。
そんなこんなで珍しく久米田が頑張ってるにも拘らず
情報収集はあまり捗ってないのだ。ダメじゃん。
つづく
272 :
裏看板久米田:2008/11/09(日) 15:20:39 ID:dZ+g53gT0
次回予告
河下 「ああっ!二人が何か怪しげムードにッ!!」
畑 「あぁあーっ!!ちょっと待っ…」
お 待 ち な さ い ッ !!
河下 「!!?」
畑 「!!?」
ザッ!
河下 「ああッ…!?大川さんッ!!」
畑 「大川さんだーッ!!」
・久米田総受け。
・よく考えたら本編全く進んでない。
・ネタ予告。
久米田も相変わらずだな。
ストーリーの進展はそれほど気にせず、まあゆっくりやりましょう。
小学館前にて、とある師弟が対峙している。二人を今繋いでいるのは、親子より強い絆の代わりに、二振りの刃だ。
藤田は冷たき水のような瞳で聖ジョルジュの剣を振るう。その眼は衰える事を知らない様だ。
しかし、彼は目の前の相手――安西に疑問を持ち始めていた。
安西は憎しみや怒りやらが入り混じり、さながら火薬庫のように危険な状態だ。
だが、幾ら疲弊しているとはいえ、実力では遥かに勝る師匠相手にここまで迫れるだろうか。
何か、今の彼は何かが違う。藤田のなかでその考えは次第に強くなっていた。
そして次の瞬間、それは形を表していた。藤田が安西につけた腹の傷の異常だった。
なんと、煙を上げたかと思えば見る間に傷口が癒えていったのだ。それは明らかにおかしい変化だった。
確かに、彼自身の能力の中に、治癒系統の物は存在する。しかし、師匠である藤田にも
弟子仲間である雷句にもあのような癒え方は記憶にない。
「安西、君はまさか……」
「あぁ、今の俺は普通じゃねぇよ……」
師匠の驚愕した顔に、安西はあまりにも“いい笑顔”で話す。
「俺の味方だぁ? 冗談言うなよ。見捨てられて殺されて、目ぇ覚ましたら人間じゃなくなってたんだよ。
今の俺は半不死なんだよ……お前らのせいでなぁ!!!」
安西は憎しみのままに、ダガーを振り上げ藤田に斬りかかった。そのとき、
「安ざぁあああああい!!!!」
空高くから彼ら目掛けて飛んできたのは、青い翼「花鳥風月(セイクー)」を纏ったふくちだった。
その数分前、えなり達は先程からの馬鹿騒ぎを続けていた。
その中で、誰も気づかぬ間に、福地の瞳は次第に真剣なものになっていた。
「けれど……」
「どうしたんですか、福地先生?」
えなりの問いに、彼は切り出した。
「仮に、安西先生が洗脳されていたとしても、止めに行かなきゃならないっス。
こんな所でふざけてる場合じゃない筈っス」
そのセリフだけ聞けば、彼の態度は普通のものと受け取れただろう。だが、彼の眼には並々ならぬ何か、別の感情がうかがえた。
「どうしちゃったのよ福地、そこまで怖い顔して」
「貴方、一体何を考えているの?」
東とえばらの問いかけも、今の福地には届かない。
「ここで止まってる訳にはいかないっス! 皆が行かなくても、俺一人で止めにいくっス!!!」
そう叫ぶと、福地は背中から青い翼――花鳥風月(セイクー)を生やし、小学館の方角へ飛び立ってしまった。
「行っちゃいましたね、福地先生」
「何しようってのよ、あいつ」
一同は、勝手に行ってしまった福地に唖然としてしまったが、気を取り直した田辺が指揮を執った。
「とにかく、福地先生を追いましょう。ついて来て下さい」
彼女は道になるように結界をはっていく。間は空いているが、全員が飛び越せるように敢えて狭い。
えなりが矢吹を、東が美水を背負う形で、足場を跳びながら走った。
「小学館に着く前に、福地先生がああなってしまった理由について話します。飽くまで私の推測なんですが」
「何か知ってるんですか?」
「はい、前に聞いた事があるんですが……」
福地には、師匠と呼べる人がいなかった。彼は漫画家としての技能を、殆ど独りで学んだのだ。
確かに、サンデーの漫画家は仲がいい。困ったことがあれば助け合える。しかし、それは仲間であって師匠にはできない。
どんなに努力しても決して手に入らないもの。彼はいつしか師弟関係というものに
一種の憧れのようなものを持つようになった。
そんな彼にとって、藤田組は輝いて見えたのかもしれない。時には助けてもらい、時には目標にできる存在。
安西や雷句は、福地の持っていないものをもっていたのだ。
「そう、それで彼は……」
「憧れていたものを持っていたのに、それを自ら消そうとしている。先生には、それが耐えられなかったのでしょう」
「確かに、手にしたかったものを持っているのに壊しちゃうなんて、見せられたら堪ったものじゃないわよねぇ」
「でも、それなら早く行かないとまずいんじゃない?」
田辺の説明に共感していたえばらと千道に、美水が割って入る。
「ククッ……今の奴なら、思いが過ぎて殺害……なんてこともありえるな……」
彼らはひた走る。戦場と化し、福地が向かった小学館へと。
・二番目のレスに題名忘れちまったよ。俺ってバカ野郎
・何ジョジョ、文章が色々おかしい? 書いた奴が駄目ならしょうがないじゃないか
・考えてみれば旧版だと福地ってサンデー勢と関わりが殆どなかったよな
・師匠について云々はほぼフィクション。でも安西と福地って好対照だと思うねん
・久米田だってやるときゃやる男さ
大丈夫だよ父さん、俺が書いてた奴に比べりゃまともなほうさ。
ただ、最後から2,3行目で美水が福本笑いをしたように見えてちょっと笑ってしまったよ。
旧版での福地は十傑集だったからね。
ああいう現実世界と関係ない組織は、うまく動かせば面白くなるんだけど扱いが難しい。
278 :
おまけ:2008/11/09(日) 21:57:31 ID:dZ+g53gT0
小林はこれまでに無いほど酔いしれていた。
顔面に装着したいちご柄の下着から仄かに漂う甘い香りに、
肩に食い込み、股間をちまき状に締め上げる超違法改造なパンツに、
そして何よ、りこれまで自分があらゆる相手にひた隠しにしてきた
心の底で青い炎を上げ燃え盛る情熱&衝動、
英語で直訳すればパッション&インパルスに酔いしれていた。
そして気が付いたら自分一人残して誰もいなくなっていた。
怪訝に思い先程まで可愛い女の子達が嬌声?を上げていた辺りを見ると
彼に目もくれず一目散に集英社や小学館がある方へと向かっている。
その様子を見ると何か大変な事がそちらの方で起こったらしい。
後を追うべきか否か、つい最近まで世話になった講談社に報告するか否か、小林は悩んだ。
ついでに上空にいた女の子達全員、何故か見上げてもパンツが見えなかった事も悩んだ。
一方その頃、美水かがみは
(…東先生もPEACH-PITの二人も、意外とやるねぇ。ヘリから落ちてるあの状況でも
さっき空中にいる時もずっと『パンツはいてない』やってるなんて只者じゃないよぉ。)
そんな本当にどーでもいい事を考えながら東の背でむふぅと笑みを浮かべた。
それを察してか察してないか、東は背にぞくりと悪寒を感じた。
・
>>274-276、新ネタ乙でさぁ。小学館が動いてくれるのは嬉しいね
(自分で小学館を動かすのは色々とかなり無理なんで)。
・40分位で適当に書いた。推敲もクソもない文章は多分酷い。
・ついでに自分の前のネタも誤字が酷くて恥ずかしい。
>>パンツはいてない
>>パンツはいてない
>>はいてない
工エエェェ(´д`)ェェエエ工
その後に「パンツじゃないから恥(r」と続くわけですね分かります
すまん
誤:パンツはいてない→正:ぱんつはいてない
282 :
山根と青山:2008/11/12(水) 16:16:18 ID:5NzfO15U0
山根 …ハァ
青山 …ハァ
山根 …偵察部隊に諜報員は全滅。余湖先生達もコテンパンにやられて
おまけに集英社、というより本宮先生に目を付けられてるか。ハァ。
まったく、久々の出番なのに全く打つ手が無いね。
…白旗でも揚げようか?
青山 止めとけ。確かに昔ワイらも一ツ橋グループにいたが裏切り者は裏切り者や。
旗を目印に鉛弾腹一杯ブッ込まれんのがオチやで。
山根 冗談だよ。
青山 んな場合かクソガキ。…とはいえこの状況は確かに白旗揚げたくもなるわ。
せめて本宮のアホが何とかなるとかここで新しい新戦力が!とかあればな。
山根 (…酷い説明口調だな。)
バ ―――――――― ン
余湖 ここで!
余湖 新しい!
余湖 新戦力じゃん!
青山 帰れ!
余湖 酷いじゃん!実際下に…
バ タ ン !
ガ チ ャ !
青山 ケッ!塩盛っとけ塩!
山根 鍵までかけるか?酷いな。余湖先生達をそこまで嫌う事もないだろう?
余湖先生が今回役に立たなかったのも相手が悪すぎただけの話なのに。
青山 やかましい!奴等の顔なんぞもう見たくも無いわ!
山根 やれやれ。
283 :
山根と青山:2008/11/12(水) 17:01:24 ID:5NzfO15U0
ドンドン! ドンドン!
余湖 おーい、青山先生。あの人、久々に来てるじゃん。
本当じゃん。開けるじゃーん…
山根 どうする?本当に誰か来てるみたいだけど。
青山 知るか!
ドンドン! ドンドン!
山根 …まぁいいか。僕が行くよ。
余湖 おーい、青山せんせー…ぅげぐぼあるぁ!
山根 !!
青山 !!
余湖 …ゲフッ
青山 コイツ!!
山根 青山先生、下がって!…空流征弩(クルセイド)!
ド カ ―――――――― ン
山根 やったか!?
青山 …いや!
?? ……。
山根 僕の超光速の拳圧によって生み出す真空の刃を受けて何も無いだと!?
貴様!何者だ!?
山賢 …ただの人間だよ。
青山 おどれのどこが普通の人間や。ってかオドレはこっち来るなや変態野郎。
余湖 (…ガクッ)
山根 あ、余湖先生がまた一人死んだ。
山賢が、戻ってきただと……
でもサトケン(の死体)は講談社に。一体どうなることやら
285 :
大川はガチ:2008/11/16(日) 21:19:26 ID:JPDmgCaS0
大川 久しぶりね、玲奈さん。
玲奈 久しぶり…って、何で講談社の重鎮のアンタが此処にいるのよ。
大川 …水希。
河下 はい。それでは前回のあらすじです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あ ら す じ 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
河下 「ああっ!二人が何か怪しげムードにッ!!」
畑 「あぁあーっ!!ちょっと待っ…」
お 待 ち な さ い ッ !!
河下 「!!?」
畑 「!!?」
ザッ!
河下 「ああッ…!?大川さんッ!!」
畑 「大川さんだーッ!!」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
玲奈 …どこにそんな展開あったよ。
大川 いやぁ、目を潤ませて久米田先生と玲奈さんをこっそりと見つめる
畑君の可愛い事、可愛い事。
河下 全くですね。思わず私も見入ってしまいましたよ。
やっぱりこの二人…畑×久米田は王道ですね、大川先生。
大川 ふふふ
河下 うふふ
玲奈 …オイ!ちょっと待てお前等!
286 :
大川はガチ:2008/11/16(日) 22:04:55 ID:JPDmgCaS0
大川 まぁ、それはそうとこっちにはちゃんと用があってきたのよ。
久米田 …どういった用件ですか?
大川 それは…
久米田 成程。つまりもこな先生達の方は情報操作を受けている為
私達の方で独自に情報収集を、と。
大川 ええ。貴方達なら出来ると思って。お願い出来ないかしら?
久米田 やってはみますが…まずは何からでしょうか。
大川 …そうね。とりあえず小学館の現状をもう一度洗い直して貰えるかしら。
本命の集英社や瀬尾先生、寺嶋先生、篠原君の事も気になるけど
小学館の方で何か異常な、良からぬ事が起こってるみたいなのよ。
戦力の消耗が小学館が群を抜いて激しいのも気がかりだわ。
久米田 分かりました…畑君?
畑 はい?
久米田 頼りにしてますよ。
畑 は…はい!その…僕、頑張ります!師匠!
大川 ( ´∀`) ……
河下 ( ´∀`) ……
大川 (*´∀`) ポワワ
河下 (*´∀`) ポワワ
玲奈 …オイ。
美華さ…じゃなくて大川自重w
鉄球を喰らって頭をやられたようです。今夜が峠ですね。
いつも思うがボケ倒しつつもきちんと話を進めてるのが凄い。
あぁ、大川が完全にボケだぜ。
それに引き替え、赤松はなんかラスボス臭が……
こんなんじゃ赤松にやられちまうぞ、大川。
あと、ラスボス臭で少女臭を連想したら俺の仲間だ(何
誰も来ねぇ orz
どうした? 旧版終盤や新生初期に比べたらだいぶ活気がある状況じゃないか。
悲観するほどのものではないと思うがね。
とはいえ、もっと人が欲しいのも事実だよな。
どっか宣伝しても大丈夫そうな場所ってないもんかなあ。
とりあえずこのスレ埋まるまではのんびりでいいじゃない。
293 :
山賢と山根:2008/11/23(日) 10:53:54 ID:8ueHimaa0
山賢 久し振りだな、ココも。
青山 いいからオドレはとっとと帰れやこの殺人狂。
山賢 冷てェな。元は仲間だろうが。
山根 黙れ。僕達は今、お前達RED連中の為に厄介事に巻き込まれ通しなんだ。
本来なら今ここで叩きのめして小学館に突き出してもいい位だぞ。
山賢 チッ、ウゼェな全く。用が済んだら帰るよ。
青山 用って何や。
山賢 情報だよ。
青山 …成程、つまりオドレとあの女装坊やをコケにしくさった小学館連中の
情報が欲しいからココに来た。グダグダ言わんでとっとと遣せ、と。
山賢 ああ。
山根 一応聞いておこう。その情報で何をする気だ?
山賢 決まってんだろうが!あのクソヤロー共のケツ犯して喰って殺してやるんだよ!
青山 …このドアホが。
山根 全く救い様の無い馬鹿だな。
山賢 うるせぇ!テメェら腰抜け共と違って俺達は散々舐められてボコられて
ブッ殺されても全然何もしねェでこんなクソ溜の片隅でガタガタ震えて
ヤツラの御機嫌伺いしてるようなクソな真似やってられねえんだよ!
山根 そして浅慮の末に特攻してまた返り討ちか?
馬鹿も大概にして貰いたいな。
山賢 テメェ…調子に乗るなよ、この打ち切り野郎。
山根 …何か言ったか山本?
青山 …おい。
山賢 聞こえねェなら何度でも言ってやるぜこの腰抜けのヘタレ二流打ち切り漫画家ヤロー!
山根 …貴様!
山賢 おっと!いい目になったじゃねェか!…んならさっきの続きと行くか?あぁ?
山根 上等だ!表へ出ろ!
青山 大概にせぇ!このアホ!
ゴ ッ !
294 :
山賢と山根:2008/11/23(日) 11:33:05 ID:8ueHimaa0
山根 ぐっ…!
山賢 (…奴だけ殴った?)
青山 ンな事してる場合かこのアホ!頭に血ぃ上らせやすいのも大概にせぇや!
…おい!山本!
山賢 あ、あぁ。
青山 情報は提供したる!ただオドレに教えてやれる新情報なんざ殆ど無いがな!
山賢 …何だと?
山賢 …成程、つまり今の所、偵察部隊に諜報員は全滅、復活した余湖も役立たずで
おまけに集英社つーか元宮のジジイに目ェ付けられてる訳か。
ヘッ、情報どころか八方塞りじゃねぇか。
青山 まぁ、んな所やな。今の状況でワイらに出来るのは車田と板垣、それに
元RED、現ゲリラ連中の探索を遅らせる事くらいや。
山賢 つまり?
青山 オドレが今日ココに来た事はスルーしてやる。あとオドレが今まで何処で何をして
これから何をしてもワイらの知ったこっちゃ無い、ケツはオドレらで拭けって事や。
…分かったら小学館でも何処でも好きな所へとっとと失せや。
山賢 …そうさせて貰うさ。じゃあな。
青山 …行ったで。
山根 …行ったか。
青山 …んなら。
山根 …ああ。
ポ チ
山根 …GPS、各種カメラ、集音マイク、レーダー等、順調に作動、やれやれ。
これで山本経由で少しは情報が入る様にはなるか。
青山 スマンな。あの状況でわざと自分だけ殴られて奴の注意を引いた隙に、
奴の背に各種装置を取り付けるなんて損な役目させて。
山根 いいって事だよ。これで事態が少しでも好転するなら問題ないさ。
青山 そうか。
もしや、山賢も参戦か!?
やばい展開かもしれんのに、ネタが全く浮かばん!
俺はどうすりゃいいんだ!?
山賢が来たら地獄絵図になりそうだな。まあ安彦とか長谷川もいるし収まりは……つきそうにねえー!
>>295 逆に考えるんだ。
『山賢を参戦させない方向に話を持っていってネタが降りてくるまで時間稼ぎをしよう』と考えるんだ。
山賢はリアルだと新ネタが望めない状況になっちまってるけど、まだまだ旧でも使ってないネタ沢山あるからなあ
298 :
作者の都合により名無しです:2008/11/26(水) 01:54:38 ID:D/cI911dO
「安ざぁあああああい!!!!」
その声に安西が振り返った。見れば福地が空から自分の方へ飛んでくるではないか。
その事を理解した時には既に遅く、安西は福地の拳を顔面に食らった。地面が近い故多少は減速していたとはいえ、
花鳥風月(セイクー)の飛行速度で安西は殴られたのだ。それにより、彼は数人のエンジェル部隊諸共吹っ飛ばされた。
「まさか、福地君なのか……」
突然の事態に唖然とした藤田だったが、気を取り直し福地の方を見遣った。
「お久しぶりっス。藤田先生、雷句先生」
それは、福地が連載を終了してから長らく存在しなかった光景だった。変わらない福地の雰囲気に、二人は懐かしさを覚えた。
一方、安西は突然の襲撃に怒り心頭だ。周りの兵士を突き飛ばしながら立ち上がると、キッと福地の方を見た。
「福地、テメェ……」
そんな安西に、福地も振り向いた。
「お久しぶりっスね、安西先生」
だがその顔は先程とは明らかに違う、戦士の表情だった。
「テメェもだ、福地。テメェも俺の事を見捨てやがったじゃねぇか。何が味方だ、何が仲間だ」
「どうやら洗脳されてる様じゃねぇっスね。だったら……」
安西の腕が炎を纏い始めるのを見て、福地も構えに入った。
「お前らの綺麗事なんてうんざりだ!! 燃えて無くなれ!!!!」
「力尽くでも止める! “声”を“冷凍ガス”に変える能力!!!」
安西の炎と、福地の冷凍ガスが衝突した。その結果発生した水蒸気が冷やされ、さながら煙幕のようになる。
その中から先に飛び出したのは……
「くたばりやがれ福地ィイイイ!!!」
ダガーを振り上げた安西だった。しかし、福地は鉄化した手ぬぐいで防御できた。
実は最初に殴ったとき、既に『“相手の思考”を“電子メール”に変える能力』の限定条件をクリアしていたのだ。
「先に言っとくがな、安西先生」
静かに、だが怒りの声を福地が放つ。
「俺もあんたにはムカついてんだ。藤田先生みたいに優しくはねぇぞ」
・バトル描写はホント難しい。その上ネタがない
・山賢のカオシックルーンって古本で読んだことあるけど面白いよね
・安西はもう駄目なのは周知の事実だが、最近の月光条例もどうなのよ?
・えなり成長イベント案は前から暖めとるんだが、まずは小学館をどうにかせねば
前回のあらすじ
大川 (*´∀`) ポワワ
久米田 大川先生。
大川 (*´∀`) ポワワ
畑 あの、あのー…大川先生?
大川 …あ、畑君。
畑 こっちは終わりましたよ。
大川 お疲れ様。二人とも流石ね。
…って、二人とも何?その顔。
畑 えぇと、その、現状なんですが…
大川 拙い?
久米田 …これを見た方が早いです。
大川 有難う。…で、これよね。ふむ。
大川 ……
久米田 ……
畑 ……
大川 …何これ?
久米田 現状です。小学館における我々講談社の。
大川 嘘…
畑 …で済めば良いんですけどね。
大川 何で!?何で安彦先生が出て来るのよ!?
…久米田先生、角川に連絡を!早く!
河下 (…あの、玲奈さん?)
玲奈 (…何?)
河下 (…何で大川先生あそこまで慌てているんですか?)
玲奈 (…イヤ、アンタ、あの安彦先生が出張って来てるのよ?)
久米田 駄目です!全通信、角川側に拒絶されてます!
大川 …何て事!
河下 (…安彦先生ですよね?一応名前は知ってますけど、確か前々回の戦争で
一線を退いてるはずですよ?もう過去の人じゃないですか。)
玲奈 (…何を寝惚けた事言ってるのよ。あの人は…)
大川 久米田先生!システムへの侵入は!?
久米田 …それも駄目です!既に第666プロテクトが発動されてます!
大川 畑君!対角川の軌道衛星監視システムを発動させて!
畑 やってみま…よし!発動します!
大川 状況は!?
畑 ちょっと待って下さい。もう少しで…ってこれは!?
大川 !?
畑 角川本社近くに一体の…モビルスーツ!?こちらに銃口…うわあぁぁ!
信じられません!地上からの狙撃で衛星が次々と!
玲奈 (…あの戦争でガタガタになった角川を一人で守る為にそうしただけよ。
逆に言えばあの人は一人いればどこも迂闊に手を出せない訳。)
河下 (…抑止力という事ですか。)
玲奈 (…ええ、おまけに戦局を単騎で一転しうる知略と戦力も持つ存在、
…つまりあの『ガンダム』そのものよ。)
河下 (……)
玲奈 (…何で…)
大川 …何で…あの人が…!
畑 これまでの状況によると「自分の知人、柴田ヨクサルを襲撃した憎き秋田書店が
小学館を襲撃してる為、援軍として参じた」という事らしいですが…。
大川 …違うわね。そんな事であの人は動かない。
久米田 ならば?
大川 …いや、まさかね。…それはそうとそれ例外の戦力は?
久米田 安彦先生以外の小学館側は高橋留美子、藤田和日郎、椎名高志、雷句誠。
皆川亮二、それに…長谷川裕一です。長谷川以外は満身創痍ですが…。
畑 こちらの安西先生に『ライダー』、あとエンジェル部隊少数では分が悪いかと。
大川 安彦先生以外もこれとは、参ったわね。
303 :
その頃の講談:2008/11/30(日) 13:58:24 ID:Zrlu/q2+0
畑 今の所、安彦先生は目立った動きを見せておらず、
その為か戦況は五分と五分といった所ですが…。
大川 赤松先生は?
久米田 現在所在不明です。
大川 こんな時に!一体何処に…!
赤松 …一体何処にいるんでしょうね?
平野 何を言っている。
赤松 独り言ですよ。それはそうと先程の事ですが…
平野 貴様が望むのならばこの現世に途方も無い地獄を生み出してやろう。
人でなしが人を喰らい、血と炎が街を、河を、空を染める戦場をだ。
だが今の私はあくまで貴様の銃に過ぎん。お前の命に従うのみだ。
赤松 ならばシンプルに行きましょうか。
平野 というと?
赤松 『見敵必殺』でお願いします。
平野 ほぅ?
赤松 作戦開始時刻より現世のあらゆる人間の生殺与奪は貴方の手に預けます。
存分に殺して殺して殺しつくして、その血肉を味わいなさい、吸血鬼。
平野 フフ…フフフ…!フハハハハ!…よく言った、我が主!
任せておくがいい!この現世に存分に地獄を生み出してやろう!
赤松 お願いします。ただ作戦開始まではもう少しお待ち頂けますか。
平野 了解だ、マスター。
・他の人の新作は嬉しい。
・ヒラコーの口調がうろ覚えなんでデーモン閣下みたいになってる。こんなんだっけ。
・山賢はガイスターバーンにSPEED、フレンチ姦姦もオススメ。
いやいや、アーカードの喋りはこんなんだったはず。作品はうれしいなホント
それより赤松は大川よりどす黒いなやっぱ。旧作と一番違う待遇だぜ
泥沼じゃー修羅場じゃー暴走気味の福地と暴走安西ですかこれはヤバイ。
最近サンデー見れなくなったけど、藤田までおかしくなってきたのか? 留美子先生カムバック。
安彦先生はさすがに格が違うな。
今出てる漫画家で比肩できそうなのは両高橋と2ch補正で荒木ぐらい?
それと赤松は旧版終盤でずいぶん株を上げてたと思うよ。さすがに今ほどじゃないけど。
えーそれでは、人も揃ってきたところで話の種を提供すべく突発企画『読んだことない漫画の内容をこのスレで得た情報から適当かつ真剣に推理してみるテスト』を執り行いたいと思います。
まずは俺から。ちょうど都合よくえなり(仮)チームが全員未読というお前それでいいのか?な状態なのであの5人から書いてみる。(田辺女史の結界師は既読)
・PEACH-PIT(ローゼンメイデン)
心の卵の下りは作者のコメントから判断してしゅごキャラなる漫画のほうのネタだと思うので除外。
恐らくヒロインとライバルキャラがモデルであろうこと、またミーディアム(下僕?)という概念および
西洋人形風の外見という情報から考えて、ポケットモンスターやロックマンエグゼ系の漫画ではないかと推測。
で、平凡な日常を描いたりとか近所の事件を解決したりとか大会に出たりとかするような感じのお話だと思う。
・福本伸行
まとめwikiを見ると結構作品数が多いので、複数の漫画のネタが混ざっているだろうと思う。
だが、直接的な戦闘用能力をほとんど持っていないことから考えて比較的現実的なギャンブル系漫画を描いているのではないか。
えなり(仮)の発言や対由利戦の言動を考慮すると単純なギャンブルというよりそれに伴う極限状態を書くタイプの作家か?
・福地翼(うえきの法則)
サンデー出身であることや戦いに慣れていそうな記述からして恐らくアクションバトル系の漫画を描いているのだろう。
模型やモップなどの小道具から舞台は現代であると推測。
『○○を××に変える能力』と『○○に××を加える能力』の二種類が存在するのが今ひとつよくわからないが、登場人物の特技や縁深いものが能力になるのか?
だとすると、さまざまな分野のエキスパート(というより、サンデーなのだから若手が中心になりそうだが)がそれぞれの威信を賭けて戦うみたいな感じの漫画に思える。
・東まゆみ(EREMENTAR GERAD)
『武器に変身する種族』という設定と、たしかガンガン系の作家であったことを鑑みるにDQFF系のヒロイックファンタジーが連想される。
ヒロインの女の子が隠れ里を飛び出すか迫害や災害に遭って焼け出されるかして巻き込まれ型の主人公に出会う、とかそんな感じ。
で、秘境や大都市を旅したり差別問題に苦しんだりする。あとついでに世界の危機も救う。
・美水かがみ(らき☆すた)
戦闘能力0でオタク系、掲載誌が18禁ゲームなんかも扱っているという情報からして、まず頭に浮かぶのはエッセイ系漫画。
日々の近況や新作の感想なんかを作者の代わりに女の子たちにやらせるゆるめの漫画かな?
ただ、これだとアニメ化が難しそうな気もする。大幅な改変が入ったんじゃないかと予想。
>>306 l / ヽ / ヽ \
/ / l ヽ / | \
| し な 間 勘 〉 // l_ , ‐、 ∨ i l | | \ 読 原 は
| ら っ に 違 |/ l ,-、,/レ‐r、ヽ | /`K ,-、 <
| ん て あ い / | l``i { ヽヽ l | / , '/',` //`|_/ め 作 や
| ぞ も わ の |> ヽl´、i '_ 。`、llィ'。´ _/ /,) /\
| | な 修 |`/\ヽ'_i ,.,.,.⌒´)_ `_⌒ /__/l \ っ を く
っ | く 正 |/ / l´,.-― 、l`ー一'_冫 /l l | /
!!!! | が \ ', / /`7-、二´、,.| /// | /
lT´ { / / ト、 |::| /// / / !!!!!
l´ ヽ、 > ー ,/ |ニ.ノ-' / / _
i``` 、/ } ',,,..' |-'´,- '´  ̄/ ヽ∧ ____
\/ ' \_ `´ノ7l´ / // ヽ l ヽ
/ ̄ |  ̄ ̄/ ノ L___/ ★ U |
/ ヽ /`ー´ /l |
設定とか勘違いしててもそこはまあノリで進めればいいじゃない。
ロック歌手だってライブでよく歌詞ド忘れするんだしハハーン。
…自分のネタ読み返してみたら色々と酷い事になってた。
やっぱり原作読まずにノリと妄想で進め過ぎると駄目ね。
これからはちゃんと読むよ。手始めにネギま読むよ。
…何で魔法学園モノが異世界ファンタジーバトル漫画になってるんだ。
>>308 タカヤという単語が突然頭に浮かんだ。
そして306の妄想ローゼンとうえきがだいぶマジで見てみたい。
俺も何か書こうかと思ったが、思ったより推理ってか妄想が難しくてだめだ。
まぁ、読んでない漫画家について書くのはきついよな
知ってる漫画家とのバトルだと余計にな
MARは読むべきなのか、しかし読んだら死にそう
関係ないけど、東方って商業用漫画出てるんだな
なんかネタになるかな?
>>310 悪い事は言わないから烈火だけにしとけ
あれで十分ネタ書けるから
つかMAR以降の安西漫画の能力って、基本的に烈火の能力の縮小再生産だし
旧版でもMARネタはほとんど出てなかったしねえ。烈火とうしとらばっかりだった。
ただ、MARにもある意味おいしいネタはないわけでもない。
「脆くて儚いから人間は美しいんだ」とか
「なんかかわいそうっすね」「一部の連中だろう」とか
「なんで平気で人を殺せるんだー」とか
外道系・道徳観念欠如系の敵キャラには結構はまり役だから困る。
東方はよくわからないから不用意なことは言えないが、出したければどんな役回りで出してもいいと思うよ。
ただ、基本的に原作の知名度より本人の実力のほうが優先されるっぽいからあまり強すぎるとまずいかも。
超音速の蹴りで臓を砕かれ、無様に地に膝をつき、血を吐きながらも
依然としてこちらを睨む、久保のその眼に大暮は嫌な物を感じた。
あの眼には見覚えがある。
集英、講談の区別無く、一流が追い詰められた時に見せる眼だ。
その状況に狼狽し、恐怖し、絶望する負け犬の眼でもなく
その状況に焦燥し、困惑し、暴走するハネッ返りの眼でもない。
ただ勝つ為に全ての力を注ぎ、そして最後に勝ってみせる
決して絶望もしなければ諦めもしない、勇気ある者の眼だ。
そんな眼をした男が今、前にいる。俺は…
「だらぁッッ!」
思わず大暮は久保へと間髪入れずに突っ込んでいった。
あの眼には見覚えがある。
前の戦争と、その前の戦争で何度も見てきた眼だ。
その眼をしたあの人は星をも砕く地上最強を名乗る仮面の男を相手に
ラスト5秒で全てをひっくり返してみせた。
その眼をしたあの人は無数の拳銃を突き付けて勝ち誇る吸血鬼達を
一瞬の∞の軌道を描く連撃で叩き伏せて見せた。
その眼だ。
その眼をした奴は最後の最後まで手を緩めてはいけない。
その眼が睨み続ける限り何度でも何度でも打たねばならない。
今此処で斃し切らねば、殺られるのはこちらだ。
前方を見やると久保が地に膝をついたまま先程抜き放った別の刀を構え
何やらぶつぶつと呟いている。
どうやら思った通り何らかの策を弄しているという事らしい。
…構わねぇ。
大暮は更に脚を速めた。
奴は確か無数の特殊能力を持ち、それを自在に扱い相手を斃すタイプだ。
しかも明らかにこちらよりも技の引き出しが多い。
あちらがどんな技を使ってくるかは奴の脳味噌を穿りでもしなければ分からない。
ならば奴がそれを使う前にこちらが叩きのめすしかない。
そういう事だ。
音速を超えた迅さは轟音を響かせ、残像を生み、鎌鼬を巻き起こす。
大暮が刻む一歩毎に地は抉れ、軋む。
その中で久保は片膝立ちのまま、刀を八相に構えた。
久保も大暮も、引く気は毛頭無い。
面白ぇ。
大暮は思わず唇を吊り上げて笑っていた。
面白い。
久保は思わず唇を吊り上げて笑っていた。
次の瞬間
「けえっ!」
「シッッ!」
二人の気勢が響き、
次に鈍い音が続いた。
つづく
2ch受けの悪いこの組み合わせでここまで魅せるとは純粋に凄い。
ところで大暮の言ってる人物が誰だったかどうしても思い出せない。
旧版の話……だよね?
316 :
おまけ:2008/12/07(日) 11:37:58 ID:f3xertCZ0
既に無い右足を押さえ、地に伏せ、苦悶の声を殺す大暮を
久保が見下ろしていた。
ずくずくに腫れ上がり、口と鼻、耳に眼から血を流した凄惨な顔で、
左眉の上から右の頬まで袈裟斬りの様に手酷い疵の刻まれた顔で、
久保が大暮を見下ろしていた。
既に吊りあがった笑みは双方の顔から消え、
周囲には外部の喧騒を他所に静寂が広がり、
先程までの激闘を示すのは只その破壊の痕跡のみであった。
暫くして久保が刀を再び八相に構える。
「…悪く思うな、大暮。」
そう呟く久保の目はこれまでのギラギラした光は無い。
この戦いで彼の胸の内に何があったか、それは彼にしか分かるまい。
久保は刀を振り下ろした。
鈍い音がした。
・「新と旧版の内容に必ずしも関連性がある訳ではない」ってのを逆手に取って
テキトーな俺設定とか過去とかくっつけてる。駄目ならその内変更するよ。
・普通の文章だと書くのが遅い。展開も遅い。
・∞の軌道を描く人の再アニメ化が嬉しい。ビバ島袋。
いや、こっちが勝手に早合点して空回りしてただけなんで、まったく問題はないです。
展開は遅くても問題ないさ。打ち切りにさえならなければ続いてくれるだけで十分です。
えなり一行は小学館へ向かいイエロウの作った結界の道をひた走る。
これまでのどこかズレた雰囲気も今は封印し全員が全員、
いや、一人表情に締まりの無いオタク野郎を微妙に除いて全員、
実にシリアスな表情で結界の道をひた走っている。
それもその筈、イエロウから先程伺った事情から推測すると
最悪、安西と福地が文字通りの同士討ちを始めかねない。
それを避ける為には自分達も早く彼らの元へ辿り着かねばならない。
だからボケとかやってる場合ではない、という訳である。
その雰囲気に気圧されてか、かがみは口を噤んでいたが
それはそれで退屈なので東に背負われたままふと周囲を見回すと…
パンツを顔に被った筋肉質の変態が地上を物凄いスピードで追ってきていた。
しかも凄い勢いで間を詰めてきている。
よく考えたらそりゃそうだ。いくら結界張っているとは言え此処は地上数十m、
空が飛べない人間は地上を走るのに比べ幾分足も竦んで遅いに決まっている。
あぁ、最初にあの変態から少し離れた所で地上に降りるように言うべきだった…
そんな事をグダグダ考えている内にいよいよ間合いが詰められていく。
思わずかがみは声(cv平野綾)を上げた。
「たいへんたいへーん!イエロウさん!東っち!桃種せんせー!えなりん!福本先生!
後ろの方からあの変態さんが凄い勢いで追っかけてきてるよぉ!」
それを聞き、背後を振り返り、その事実を確認した途端、
女性陣の顔色がさっと変わった。
超音速の魔獣がその牙を剥く。
迎え撃つは刀を構えた死神。
共にその貌に歪んだ笑みを浮かべ
舞うは命を賭した輪舞曲。
「けえっ!」
魔獣が吼え、死神へと顎を大きく開き、
「シッッ!」
死神が吼え、刀を横薙ぎに振り払った。
鈍い音がした。
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部 「集英社地獄編」
その刹那に地に倒れ、天を仰いでいたのは
――久保であった。
片膝を付いたままにも拘らず、先に見せた久保の薙ぎ払いは
これまでの大暮との死闘の中で最も鋭く凄まじい物であった。
それは好敵手とも呼び得る強敵との戦いで自らを高めた故か
それとも大暮に対する敵愾心か、はたまた己の意地か。
ともかくその一撃は横にも縦にも避けられぬ鋭さと、、
触れる物全てを一刀両断せしめる威力を秘めていた。
だが大暮の一撃はそれを上回っていた。
退く――
避ける――
逃げる――
そうした小細工を全く排除した大暮の攻撃一辺倒の、
文字通り渾身の一撃である。
その一撃は己を狩らんとする久保の横薙ぎを蹴り潰し
そのまま久保の顔面を打ち抜いた。
刀に触れた瞬間、大暮は突き抜けるような痛みと痺れを
右脚に感じたが構わずそのまま打ち抜いた。
その蹴りは刀ごと久保の顔に深々とめり込み、
久保の頭蓋骨はめりめりと悲鳴を上げた。
大暮の渾身の一撃で久保は完全に地に倒れた。
絶好の好機である。
刺す様な痛みと痺れの酷い右脚に大暮は力を込める。
先程の一撃で右脚に何か食らったようだが構わねぇ。
此処で、
今此処で――
地に倒れ虚ろな目で天井を見上げる久保へと止めを刺さんと
大暮が踏み砕かんばかりに地を蹴った
その瞬間――
まるで硝子細工の様に大暮の右脚が砕けた。
あまりの事に、一瞬彼には何が起こったか理解出来なかった。
だが次の瞬間、焼け付くような激痛が襲い、彼は全てを理解した。
「ぎぃ…っ!」
大暮は最早無い右脚を抱えて地に倒れ伏した。
悲鳴を押し殺したのは彼のせめてもの意地か。
つづく。
・やっと大暮の右脚がもげた。
・数ヶ月ぶりにチェックした板垣版の餓狼伝が原作上等でたまげる。
・中古で買った餓狼伝ゲーム版の梅川が総合バリバリでカッコイイ。
致死量ぎりぎりの文章(褒め言葉)だ……。久保と大暮にはこの文体が一番合ってそうだな。
ちなみにゲーム版餓狼伝はあのゲームサイド(旧ユーズドゲームズ)でも紹介された本物の良作だよ。
そういえば読み返してみて思ったけど、赤松的には本命はジャンプ潰し+犠牲や死体を使った何かっぽいけど、
サンデーのほうは自分達に目が行かないようにするための単なる陽動というか工作というかなんだな。安西と仮面ライダーが勝手に暴走して全面戦争っぽくなってるだけで。
それで安彦御大まで出張ってきたのはまあ予想外としても、CLAMPは追い込まれてるし本題の集英社襲撃は今のところうまくいってるみたいだしと
今回の赤松組は相当強いな。このままいけばマジにラスボスもありえるぞ。
規制解除きたかな。
>>323 まぁ、赤松って矢吹他四天王みたいに目立ってないけど他のマンガのネタとか使うしな
漫画描くときの計算もなんか凄まじい領域いってるしな
ラスボスの素質はあるんだよな
話変わるけど、このスレの想像すると荒木先生だけ異質
他は皆漫画のキャラ化してんのに、あの人だけ単行本のあの顔まんまなんだ……
荒木は漫画以上に本人がキャラ立ちまくりだからw
ところで今週のベルセルク、三浦の巻末コメントに唖然とした
アイマス休暇かよ、この野郎
昔はときメモで今はアイマス厨なのか
右脚を砕かれた衝撃と激痛に立ち上がれない大暮を尻目に、
暫くして久保がゆらりと起き上がった。
起き上がったとはいえ久保の激闘で負ったダメージは決して軽くない。
むしろ片足を失っただけの大暮よりも五臓六腑と無数の骨を砕かれた
久保の方が余程大きなダメージを受けていると言っていいだろう。
それにも拘らず、最後に立っていたのは久保であった。
一方今まで「空の王」を自称し、空を飛ぶ様に戦場を駆けた大暮は
今や幾ら残された片脚に力を込めても、最早起き上がる事も出来ない。
俺の負けか。
畜生。
大暮は込み上げる苦悶の呻きや涙を必死に抑えつつ
地に伏したまま、強く歯噛みした。
「…氷輪丸」
久保がぼそりと呟いた。
「…要は…触れる物全てを凍らせる…氷雪系最強の斬魄刀だ。
…俺が先程抜いたのは…そいつだ。」
「…あぁ?」
「…肉弾戦主体の相手なら…これを発動させれば…十中八九ケリがつく。
…遠距離から氷を飛ばしても…相手の攻撃を氷か…刀で受けても…
その時点で相手はその接触部分から…凍…ゴフッ。」
「――」
時折血を吐きながら、久保は言葉を続ける。
「…まさか貴様が…正面からあれ程激しく突撃してくるとは…思わなかった。
…今こうしているのは…紙一重…って奴かもしれん。」
それだけ言うと久保は黙り込んだ。
二人の間に暫く静寂が流れた。
暫くの静寂の後、久保がゆっくりと歩を進め、大暮の傍へ立った。
ずくずくに腫れ上がり、口と鼻、耳に眼から血を流した凄惨な顔で、
左眉の上から右の頬まで袈裟斬りの様に手酷い疵の刻まれた顔で、
大暮を見下ろす久保に先程までのギラギラした光は無い。
地に伏したまま久保を見据える大暮も、苦悶に歪んではいるが
久保と同様、その目には先程までのギラギラした光は無い。
この戦いで彼等の胸の内に何があったか、それは彼等にしか分かるまい。
久保が刀を再び八相に構えた。
「…悪く思うな、大暮。」
そう言うと刀を振り下ろした。
その瞬間
「スティッキーフィンガーズ!」
大暮の背に突如ジッパーが生じ、そこから大暮ではない何者かの叫びと共に
三本目の手が伸びるのを久保は目にした。
鈍い音がした。
肉と骨の絶たれる音ではない。
これは
…これはッ!俺の刀が弾かれた音だッ!
次の瞬間、大暮の背のジッパーが大きく開き、先程の手を伸ばした何者かが
ドシュウゥゥ!と飛び出て来た。
不意に刀を弾かれた久保は防御が間に合わず、
その無防備な体に強烈な拳が数発、一瞬で叩き込まれた。
つづく
荒 木 降 臨
次回予告
「先程の攻撃で君の顔、首、両腕にジッパーを付けておいた。
少しでもおかしな動きを見せたら即座に各部のジッパーを開く。
泣き別れになりたくなければ抵抗は止しておく事だ。」
「…そう言えば…アンタ…昔…ジャンプで裏看板張ってる時…言ってたな…
『勝ち誇った時、そいつは既に敗北してる』…ってよ…。」
「何だと?」
「…今のアンタは…まさしくそれなんだよ…。」
「!!」
「…アンタも一緒に逝きやがれ!これで終わりだロートル野郎!」
タイトル未定。
・調べ返してみたらブチャラティって何かする時あまり叫ばないのね。
・前の大暮の胸から云々とかは忘れて頂戴。
・氷輪丸は疲れたから解除してたって事にして頂戴。
・それにしても「…」が多過ぎだ。ラノベ好き中学生の文章でもあるまいし。
漫画の台詞は「…」がかなり多いよな
これは小説と漫画という表現形式の違いなんだろうけど、漫画やラノベしか読まないとそのままの形式で小説に持っていっちまうんだろう
まあこのスレは「漫画のノリを再現」みたいな感じだから、別にいいと思うけど
それに久保にはよく合ってると言わざるを得ない。
氷輪丸というとなんとなくやられっぱなしなイメージがあるが、もともとハッタリで持ってるような漫画だから本気で設定を生かすと恐ろしいことになるな。
>>325 ぎりぎり露伴が浮かぶか浮かばないかだもんなあ。荒木凄すぎ。
そんな俺はなぜかヤマグチとやらのイメージがうる星のランちゃんで固定されててどうしたものか。
>>332 とりあえず、ネットでもなんでもいいから「ルイズ」というキャラを探すんだ
ピンクの髪が目印だからすぐ見つかる
たぶんそれイメージすれば間違いないはずだから
>>333 ありがとう、こういうキャラだったのか。
髪型はそう外れてもいない!などとわけのわからない負け惜しみを言ってみる。
……しかし、気の強そうな容貌で赤面がデフォルトってどんな組み合わせだって証拠だよ
異質なものを組み合わせる歪みは確かに創作の常套手段だけど、これは少々やりすぎでは?
やはり個人的にはもっと鉄の女的な(略)だが後々好意に変わっても問題ないように主人公を真っ当に評価し(略)いいかみんな、女の子と書いて好きと(略)
って思うんだが、どうなんだろう。今はあんなキャラのほうが受けるのかな?
335 :
短編:2008/12/16(火) 20:05:15 ID:GGoYi2+n0
大暮の背のジッパーから不意に飛び出した謎の男の一撃で、
再び久保は地に膝をつき、一瞬にして眼前で突如起こった
全く予想外の事に大暮は言葉も無い。
その二人を尻目に、男はふわりと地に舞い降りた。
大暮も久保も、その男はよく知っていた。
数十年のキャリアを持ちながらその身は全く老いを見せず、
その姿はプレタポルテ・コレクションにでも現れそうな
ゴージャスでセクシー、且つエレガントな佇まいながら
ひとたび敵に回せば、触れることすら死を意味する化物。
思わず大暮は呟いていた。
「…何でアンタが此処に…荒木先生…!?」
だが荒木は大暮の問いに応えず歩を進め、そのまま久保の傍へ立った。
久保は歯噛みし、凄まじい目で荒木を睨み付けている。
だが荒木はその目をまるで気にする素振りも無い。
「…さて久保君、」
荒木が口を開いた。
「先程の攻撃で君の顔、首、両腕にジッパーを付けておいた。
少しでもおかしな動きを見せたら即座に各部のジッパーを開く。
泣き別れになりたくなければ抵抗は止しておく事だ。」
声を荒げる事無く、一息でさらりと言ったこの言葉、
だがそれは聞く者に背筋が凍る程の凄みを感じさせる。
久保は、しかし、それを受けて尚、相手を射殺すような目で睨み続けた。
自分達の周囲で空気がまるで地鳴りのような音を立て始める、
そんな錯覚さえ覚えるような緊迫したこの状況を、
大暮は脚の痛みも忘れ、ただ固唾を飲んで見守っていた。
やばい荒木凄いよ。さすがはこのスレでも屈指の古株だ。
ゴ ー ジ ャ ス 荒 木 てか?
338 :
裏看板荒木:2008/12/21(日) 12:07:48 ID:ufL3qruX0
幕の下りかけた闘争に突如現れた荒木を、刺す様な目で睨む久保。
状況は正に一触即発、一寸した切欠で再び戦闘状態に入るだろう。
しかし荒木はあくまで平然と、久保へ話しかけ続けた。
「それはそうと、少し質問したい事があるんだが。」
「…何だ。」
「まず久保君、君が僕達に牙を剥く理由だ。」
「…答えると…思ったか?」
「答えてくれれば穏便に済むんだけどね。」
「…断る。」
あくまで寄る術もない態度の久保に荒木はやれやれ、と軽く息をつく。
その様子を見て、今度は久保が口を開いた。
「…情報なら…アンタのスタンドで…勝手に引きずり出だせばいいだろう?
アンタが…ジャンプで裏看板…張ってた…昔…みたいにな。」
「『裏』は余計だよ、久保君。それに…」
「…それに?」
「君にこれ以上危害を加えたくないんだよ。出来るならね。」
それを聞いた久保はペッと血の混じった唾を吐き捨てた。
「…危害を加えたくない?今更…何甘い事言ってんだよ。」
「今更、か。…確かに君には再起不能寸前の傷を負わせてしまったな。
だが僕には幸い君の傷を癒す能力もあってね、今なら十分間に合う。」
荒木のその言葉に久保は口を噤んだ。
だが荒木に向けられるその目は依然として強い憎しみを称えている。
一対一の真剣勝負に割り込んで一撃を加えた事以上の何かが
根底にありそうな、その憎しみの源は何か?
一瞬にして思いを巡らすも、思い当たる節は少なくとも荒木には無い。
荒木は当惑した。
339 :
裏看板荒木:2008/12/21(日) 12:53:56 ID:ufL3qruX0
とは言え相手が此処まで頑なでは、通常の質問、尋問は意味を成さない。
このままでは情報が引き出せない。それは困る。
状況に余裕があれば、先程久保が言ったようにスタンド、『ヘブンズ・ドアー』を
問答無用で叩き込み情報収集してもいいのだが、今の状況はのんびり一分、
スタンドを切り替えている隙と暇はどう考えても無い。
あくまで交渉で情報を引き出すしかないのだ。
(ちなみに先程の『久保へ危害を加えたくない』という言葉は嘘ではないが
優先順序としてはかなり下の方で必要ならば迷い無くぶちのめすだろう。
その辺の線引きはしっかりしてるのだ。)
やれやれ面倒な事だ、と荒木は心の中で呟いた。
その頃えなり一行は凄まじい勢いで追いかけてくるパンツを被った変態マッチョに
問答無用で上空から迎撃を加えたが、その悉くを避けられた所であった。
東、えばら、千道、あとイエロウの怒涛の攻撃をその変態は超人的、且つ官能的な動きで、
おまけに股間のちまきと大胸筋をアッピルしたセクシーなポージングで回避してみせた。
その頃小林尽改め帰ってきた変態仮面(自称)は小学館へ向かう見ず知らずの少年達に
「そっちは危険だ。近づいたら駄目だ。」等と忠告に駆け寄る、その途中で凄い迎撃を受けた。
その悉くを華麗に回避して見せたのは鍛え上げられた肉体とその底に燃え盛る情熱の
成せる賜物か。
つづく
・久保の所、手間取るなぁ。早く他の止まってる展開に移りたいなぁ。
・REDの偽真紅が復活したら桃種が厄い事になってたまげる。
2ch的にはこのまま荒木の勝ちなんだが、久保がまだ隠し玉持ってそうなんだよなー。
あと小林さんはとりあえずパンツを脱ぐ……ゲフンゲフン外すべきだと思う。
341 :
いざ、突入:2008/12/26(金) 00:11:38 ID:K820nznR0
「一体どうなってるのよ、これは」
先程の映像を目の当たりにし、最悪だと思っていた大川だが、彼女からすれは小学館の状況は悪化していた。
「福地翼……かの秋田書店との戦いの直後姿を消していたと聞いていましたが」
「なんでここまで邪魔が入るのよ。この作戦そのものが囮だからいいものの、イレギュラーが多すぎるわ」
久米田と大川がそんな会話をしていると、畑が新たな映像を発見した。
「師匠、大川先生、この映像を」
その映像で、二人は更に気が滅入りそうになった。
「なにやってんのよ、あの変態は」
そこに映っていたのは、パンツを被った変態、小林尽だった。
裏切った福本、取り逃がしたPEACH-PITまで映り、大川は否応にも現在における自身の作戦の甘さを見せつけられた感覚に陥った。
そんな中、怜奈は一人別の人物に釘付けになっていた。
「あれって……」
それは自分の弟、えなり2世の姿だった。
「いい加減当たんなさいよ、あの変態!!」
銃(ランチャー、ショットガン、マシンガンに切り替えられる特製)で攻撃していた東が毒づいた。無理もない。
彼らは上空をひた走りながら小林を撃退しようとしているのだが効果が全くない。というのも、標的が非常識かつトラウマ必至な避け方をしているのに加え、
たまに一般人がいるので決定打が出せないのだ。
「けどさぁ、見た目アレなだけで無害なんじゃ……」
「何言ってるのよ貴方は!!」
「あんな物を女性に見せる時点で立派な害悪よ!!!」
東の後ろから出た美水の発言に、えばらと千道は猛烈な勢いで反論した。
「どうやら間に合わなかったみたいですね」
そう言うイエロウが指差す方向を見ると、先程と小学館前の動きが変わっている。これが何を意味するか。
「福地のヤツ……既に安西と殺(や)りあっているみたいだな……」
「なっ!?」
福本の答えは的中していた。もはや猶予など完全にない。このままなら、どちらかが死ぬかもしれない。
「そこでだ、俺に提案がある」
―――あの仮面男を連れて小学館へ突っ込むぞ
「えっ!?」
「今……なんて?」
「冗談でしょ!?」
「あんた何考えてんのよ!?」
「みなぎってキター!!」
これには女性陣は全員驚愕せざるを得なかった。イエロウ以外の3人は怒りも混じっている。美水は関係ないとばかりにハイテンションだ。
だが、それとは逆にえなりはこの案に納得していた。
「いや、それが一番良いと思いますよ」
「ちょっと、えなり! あんたまで何言いだしてんのよ!!」
「いいですか。その方が効率がいいんですよ」
突っ掛かってきた東を含めた女性陣にえなりは説明し始めた。
「ここでやっていてもあの変態は追撃できないでしょうし、時間は待ってくれないんです。けれど小学館前まで行けば話は別です。
一般人のいない空間ですから流れ弾も気にしなくていいし、小学館の先生方と協力すれば敵の軍隊諸共倒せるかもしれないんです。」
「なるほど、確かにその方が賢明そうなのだわ」
「言われてみれば、そうした方が早いわね」
一同は、えなりの珍しい長文に説得させられた。小学館は目前だ。全員近くのビル屋上に一旦降りると、福本は其々に支持をだした。
「いいか? 戦闘能力が皆無に等しい俺と美水は矢吹と此処に待機する。他の奴らで小学館に加担するんだ」
えなり達を地上に降ろすため、再びイエロウは結界の道を作り出す。先程とは違い階段状に配置していく。
「ところでさ、えなり」
「ん?」
その途中、東はえなりに問いかけた。
「さっきの長文って、自分が空気にならないようにする為のものなの?」
「なんでそうなんだよ」
・やっと書けたー。プロットは頭の中にあるのにいざ書くと途端に進まなくなる
・ほら、久保は自分のマンガでもアレだしさ
・偽真紅って何さ!? 情報下さい
・SBRの大統領のスタンドが「隣の世界」へ行けるスタンドだった(ネタばれ注意)
nのフィールドネタと絡めたら面白そうだ
344 :
343追記:2008/12/26(金) 00:27:26 ID:K820nznR0
あと書いてて気づいた。えなり2世に名前がないと一番困る事
怜奈ってえなりのこと何て呼ぶんだ?
いよいよ大乱闘が始まりそうでワクワクが止まらねぇ!
まともに主人公やれるか、旧版みたく空気以下の存在になるか、ここが勝負どころだぞ→ジュン(仮)←もう名前これでいいんじゃね?
あと>・やっと書けたー
非常によくわかる。書いてくそばから新しい展開が入り込んだり表現被りに苦心したりで大変だよ。
ところで、このスレって作中設定で何月頃だっけ?
クリスマス前なら、マガジンのあの漫画使って中性子爆弾ネタやりたいんだが
ミナガーが大活躍
誰もいねぇ
>>346 特にいつとは決まってなさそう。
前スレのどこかで「夏」とあったような気もするし、名誉回復の最後では「春」と書いてあるし。
そのときの気分でいいと思うよ。 つまり、マガジンのその漫画を使って中性子爆弾ネタをやっても一向に構わない。
中性子爆弾で最初に思い出したのが小松左京の「復活の日」だった俺はいろいろな意味でもうだめだ。
あと
>>347 >>291を参照のこと。
349 :
荒木長考:2008/12/30(火) 08:04:09 ID:/LBke+/v0
情報、そう、今必要なのは情報である。
よくよく考えてみれば今の状況は明らかに不条理な要素が多すぎる。
確かに秋田書店はこれまで集英社に対して何度も喧嘩を売ってきた。
戦力の規模、勝ちを拾う可能性、その他諸々を考慮してか否か、
何度ぶちのめされても僕達に何度も喧嘩を売ってきた。
そうした不条理で恐るべき連中ではあるが、今回は特に酷い。
気になる点はまず一つ、「ペースが速すぎる」事。
あの連中がゲリラ行為を散発的に行う事はこれまでも間々あった。
板垣、山賢といった戦闘狂が上層部の集団ならありうる話である。
だがそれはあくまで散発的ゲリラ行為程度の規模に収まる筈。
つい最近まで集英社を筆頭とした一ツ橋グループと全面戦争して、
徹底的に叩かれたその直後にまた大規模戦力を投入して
多面的に侵攻を開始するのはこれまでも一寸例が無いように思える。
先の戦争で水島、浜岡の穏健派両巨頭がその身を封印して
あの連中の箍が外れてしまったからか、それとも何か…。
もう一つ気になる点は「最近集英社の漫画家の秋田への移籍が多過ぎる」事。
確かに今までも集英社の漫画家が秋田書店へ移籍する事は時々あった。
僕が集英社に籍を置いてからでも高橋陽一先生、画太郎君、八神君が秋田へ移籍、
短期を含めればにわの君、なみえ君も籍を置いていた事もあった。
だがそれは…まあ、言っては何だが、少なくとも絶頂期に移籍した訳ではない。
だが今回は違う。
これまで敵対を確認しているのが車田先生、矢吹君、久保君、河下君、星野君の5人。
車田先生は相変わらず黄金期そのままの暴君にして常に絶頂期であり、
残る4人はいずれもジャンプの看板を背負っても可笑しくない実力を持つ漫画家である。
そうした5人が何故秋田へと急に移ったのか。催眠?洗脳?それとも…。
350 :
荒木長考:2008/12/30(火) 08:28:30 ID:/LBke+/v0
荒木は思索を巡らすも、この不条理な状況を説明するだけの
理由は見つからない。故に情報を求めた。
「スティッキーフィンガーズ」で大暮の中に密かに潜り込んだのも
自らの耳と目で真実を確認する為であった。
普通に考えれば集英社の誇る情報網から幾らでも情報は手に入るのだから
わざわざ自分が戦線に赴き情報収集しなくてもいいのだが、
あえてそうした理由は…
今はまだ語るまい。この物語はまだ未整形にして不条理のまま進めよう。
膝を付き、刺すような目で睨む久保を前に、一瞬で荒木は思索を巡らした。
その最中、ふと彼は集英社と水が合わずに秋田書店へと移っていった後輩の事を思った。
細やかで繊細な恋愛と心温まる物語を描くその人が失われた事を、当時惜しんだものだ。
やはり「努力・友情・勝利」を頑なに押し付けるのも問題だったのだ。
とはいえ暴力と肉欲渦巻く秋田書店の方が彼に合ってるとはやはり思いがたい。
彼は今頃、どうしているだろうか…
そのころ砂の嵐に隠された、空に聳え立つRED本部、通称バ○ルの塔では
どこぞの捕虜が尋問…というより神判を受けてひゃあ!と声を上げていた。
つづく
・なみえ、まこりん達を馬鹿にしてる訳じゃないのよ。ハングリーハートも好きよ。
・バトルより説明文は楽である。
・偽真紅とはRED連載中の「デッド・ソウル・リボルバー」の事。
(作者手製の同作品公式HP
ttp://tomozo.yokochou.com/dsr_index.html )
色々と二転三転迷走&暴走を続けて中々に愉快な作品である。
本当に荒木はナイスなキャラだぜ
前線で戦うのも頭脳派なのもお手の物
そろそろ荒木だったら講談社の思惑に気付きそうだぜ
あと、偽真紅見てきたんだが
確かに金髪であの髪形は似てるかもしれん
352 :
おまけ:2008/12/30(火) 12:01:52 ID:/LBke+/v0
えなり 行くぞ!目指すは小学館!
東 了解!
イエロウ 待ってて福地先生、安西先生、留美子先生、みんな…!
千道 それじゃ、行って来る。
えばら 福本先生、あとは…
福本 案ずるな…っ
えばら ええ、任せたのだわ!
かがみ いってらっしゃーい。
スタタタタタタタタタタタ
かがみ おーもうあんな所まで。みんな足速いねー。
福本 そうだな。
久保 ……ゴフッ。
かがみ それにしても何と言うかアレだね。少年誌の人達と私達って
やっぱり根っこの所で色々違うねぇ。何か情熱的というか
熱血で青春というか。
福本 そうだな。ところで…
かがみ 何?
福本 お前さんは…これからどうする気だ…?
かがみ 私?
福本 来てるみたいだぞ…。小学館に…お前さんの…御大将が…っ。
角川の人間だろう…?戻らなくて…良いのか…っ?
かがみ あー、いいのいいの私は。
福本 ほぉ…?
かがみ ん?なーにーその目?…変な勘ぐりしてなーいー?
福本 まぁ…俺は物事の裏をかくのが芸風だ…。お前さん達と違って…
突然現れた美少女が云々って類の寝言は…信じていないのでな。
かがみ 寝言は酷いね、福本先生。落ち物は少年の夢だよ?ロマンだよ?
福本 そんな夢など…ただの妄想…。偽り…偽りの享楽…!
かがみ …ふー。
福本 まあいい…この話は終わりだ。キリが無いからな。
…おいおい…そんな目をするな…お嬢ちゃん。
かがみ うー。
ブルルルルル
福本 おっと…電話か。…俺だ。
?? フオオオオオオ!
福本 …誰だ?
小林 あ、失礼しました!僕です!福本先生、小林です!
福本 久しぶりだな…。
小林 ええお久しぶりで…フオオオ!
福本 …お前。…何処で…何をしている…っ?
小林 フオオオ!実は今そこのビルの下にいるんですが!
福本先生達が空を走って小学館に向かったのを見て!
危ないから近寄らないようにと言おうと思って…フオオ!
福本 ちょっと待て…もしや…お前…っ!
小林 フオオオオ!福本先生はそこのビルに留まっていて下さい!
今、小学館一帯は厳重警戒態勢に入って…フオオオオ!
僕はあの少年達を止めて来ます!それでは!
福本 待て…っ!小林…っ!奴らは…っ
プチ
かがみ 切れちゃった…折り返し出来る?
福本 今やってる…駄目か。
かがみ ありゃ。
福本 やれやれ…。
354 :
おまけ:2008/12/30(火) 12:46:19 ID:/LBke+/v0
かがみ で、誰から?
福本 下の…変態からだ…っ。
かがみ 知り合いだったの!?あの変態と!?
福本 正確に言えば…「元」知り合いだな…。少なくとも俺の知ってるあいつは…
あの類のキチガイじみた…変態ではない…っ!何が…あったんだ…っ!
かがみ で、誰よ。
福本 小林尽…!
かがみ え、あの人!?ホント!?
福本 珍しいな…お前が週刊漫画作家を…知ってるとは…っ。
かがみ そりゃもう、私ら美少女作品ならメディア問わずチェックしてるからね。
小林尽といえばそりゃ有名だよ。んー、もーホントね。
ちょっと前まで夏と冬の楽しいイベントで金髪ツインテツンデレお嬢が
二本挿しで汁まみれになってたりする本出して大儲けしようと
私の周りのみんながみんな単行本揃えてたもの。
福本 おい。
かがみ …いや、私は違うよ?
福本 ……。
かがみマジ自重しろw
こいつだけCV:平野綾で脳内再生余裕だから困るわw
荒木の思考とかどきどき魔女裁判とか見所が多かったのに漫画祭りで全部吹っ飛んだよ。
全体的にアクションやら戦いやらが多くて殺伐とした雰囲気の中でああいうキャラがいると展開に緩急が付いていいね。
許斐 (大暮さんも、荒木先生も車田先生も、久保も、そして他の集英社の皆も…
全員自分の信じる物の為に戦っている。なのに俺は…。)
吉富 おーい、許斐先生。
許斐 (こんな地の果てで何もせず、事態をただ無為に眺めているだけか。
何がジャンプ看板作家だ。何が…!)
吉富 おい。
許斐 …吉富先生か。
吉富 蕎麦出来たよ。
許斐 …要らん。
吉富 はい?
許斐 …俺の事は放っておいてくれ。
吉富 そう。
ゴ ッ
許斐 (ガクッ)
吉富 全く、ちょっと死んだからって腐ってばかり。鬱陶しいったら。
ズルズルズル
高橋 二人は?
光原 もうすぐよ、…ほら。
吉富 ふぅ、お待たせ。許斐先生も連れて来たよ。
高橋 …気絶してるようだが?
吉富 あぁ、グズグズしてウザイからちょっとブン殴って連れて来た。
光原 よく出来たわね。いつもなら私達三人でもかなり厳しいと思うけど。
吉富 あーあ、今の先生、ホント腑抜けもいい所だから。
それこそ仮にジャンプにいたら1ヶ月持たない位のね。
高橋 成程。
吉富 んじゃ、健悦先生も呼んでくるよ。光原先生は許斐先生起こして。
全員揃ったら蕎麦ね。
光原 ええ。
?? …先生。
許斐 (…声が聞こえる。)
?? …先生、先生?
許斐 (…声が聞こえる。鈴の鳴るような綺麗な、澄んだ声だ。
耳に心地よく、安らぎを与えてくれるそんな声だ。)
?? …先生、大丈…ですか?
許斐 (…後頭部に柔らかさと温もりを感じる。これは…
膝枕…?そうか、俺は気を失って…。)
?? …先生、許斐先生…。
許斐 …ん、…ありがとう。もう大丈…!?
サトケン …許斐先生!
許斐 うわああああああああああ!!
サトケン 許斐先生!僕、先生が倒れたって聞いて心配して!それで…!
許斐 うわ!やめろ!頬を寄せるな!抱きつくな!おい!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しばらくお待ちください〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
光原 おめでとう。
高橋 おめでとう。
吉富 おめでとう。
サトケン 皆さん。有難うございます!許斐先生、その、僕…!
許斐 ちょっと待てオイ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜しばらくお待ちください〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
吉富 さて、色々あったけど1年のシメは蕎麦だね。みんな、お疲れ。
光原 お疲れ様。
サトケン お疲れ様です!
高橋 お疲れ様。まぁ、時の流れの無いこの生と死の間で年の瀬を祝うというのも
よく考えれば妙な話でもあるがな。
光原 いいのよ、高橋先生。そういう物なんだから。
許斐 ………。
吉富 全く、いつまで仏頂面してるんだか。
サトケン ごめんなさい。僕のせいで…。
光原 いいのよ、気にしないで。…許斐先生?
許斐 …何か。
光原 健悦先生には悪気はないわ。先程の膝枕は気絶し貴方を思っての物。
確かに彼は性癖が人とかなり違ったマゾヒスティックな男の娘だけど
だからといってその純粋な厚意を無碍にする物でもないわ。でしょう?
許斐 …それはそうだが。
光原 それに健悦先生に貴方の看病を頼んだのは私達よ。
許斐 何故?
光原 あの娘が一番適任だと思ったからよ。あの娘は頑なな貴方の心を
解きほぐすだけの、恋人の様な優しさにオトメの様な清らかさ、
メイドの様な自己犠牲の精神に少年の瑞々しい身体を持ってるわ。
誰かの傷ついた心を癒すには最適なのよ、あの娘。
許斐 …いや、少年の瑞々しい身体はちょっと要らないんだが。
光原 とにかく、機嫌直して。皆、待っているわ。
許斐 …分かった。
光原 フフフ。
吉富 あ、そっちもう良い?んじゃ始めるよ。
ズズー ズズズー
吉富 いや、それにしても今年も色々あったね。
高橋 全くだ。来年はこの混沌とした状況が少しは収まればいいが。
吉富 どうだろうね。
光原 少なくとも今の状況を見る限り来年も多分…厄いわね。
許斐 集英社と小学館が襲撃されてる今以上に厄介事が?
サトケン もしかして師匠が、また師匠が何かやらかすんですか?
光原 誰が何するかまではハッキリとは分からないけど…
高橋 とりあえず直にこの2人が動くだろうからな。
許斐 この2人?
高橋 この2人だ。
赤松 作戦開始時刻より現世のあらゆる人間の生殺与奪は貴方の手に預けます。
存分に殺して殺して殺しつくして、その血肉を味わいなさい、吸血鬼。
平野 フフ…フフフ…!フハハハハ!…よく言った、我が主!
任せておくがいい!この現世に存分に地獄を生み出してやろう!
吉富 あぁ、あの馬鹿とデブね。相変わらずだね、あの馬鹿オタク。
いい加減シメてもいいと思うんだけど。
高橋 個人的な感情で動くな、吉富。
吉富 あ?
高橋 我々は安易に現世に干渉してはならない。それは分かっている筈だ。
吉富 でも、いい加減ホイホイこっちに来たような人間とか生き返らせたり
無駄に戦争起こしたり好き勝手されるのもムカつく訳ね。
光原 その程度ならまだ問題無いわ。動くのはもっと厄い状況に陥ってからよ。
高橋 そうだ。あの坊やが少し羽目を外して遊ぶ位なら問題ない。
吉富 ちっ。
光原 平野先生の方は?いい加減に成仏した方が良いと思うけど。
高橋 彼は彼で、どうしても現世に未練があるらしい。
何度勧めても頑としてあちらへと行く気はない様だ。
光原 そう。その生き方の方が余程辛いと思うけど。
吉富 何だかねぇ。
ズズー ズズズー
許斐 …何だかな。
吉富 何か?
許斐 アンタ達の話、蕎麦食ってまったりしながらするスケールじゃないよな。
光原 そうでもないわよ。
許斐 そうなのか?
吉富 まぁね、ウチ等の上の妖怪爺さんに比べればこの位可愛い物だよ。
許斐 そうなのか。
吉富 まぁいいや、あの馬鹿見てんのも何だから変えていい?
高橋 紅白は気が進まないな。
光原 格闘技もちょっとね。
サトケン あ、皆さん蕎麦のお代わりまだありますよ?
高橋 貰おう。
吉富 アタシも。
サトケン ついでに蜜柑持って来ましょうか?
光原 ありがとう、気が利くわね。
こうして現世の喧騒と場の空気に若干困惑気味の許斐を他所に
生と死の間の年の瀬はまったりと過ぎていったとさ。
つづく
362 :
新年初オマケ:2009/01/01(木) 00:22:27 ID:L1WixaKc0
*本編とは一切関係なし!
えなり「新年明けましておめでとう御座います」
千道「今年は素敵な年になるといいわねぇ」
えばら「えぇ、そうなる事を祈っているのだわ」
東「とは言うものの、私達の作中の時期はズレてんだけどね」
かがみ「まぁいいじゃんいいじゃん。今年もこのスレが愛されるよう願おうよ」
福本「くくっ……、実現には、俺たちが……、更なる物語を紡がなければな……」
福地(どうでもいいけど、皆早く来ないっすかねぇ……)
こういう儀礼的な挨拶はどうも肌に合わないが……あけましておめでとうございます。
このスレの存続と更なる発展を願って新年の挨拶に代えさせていただきましょう。
去年の今頃はどうだったのかなと思って見返してみたら、半月以上もSS投下のない暗黒時代だった。
よくここまで続いたものだと何か感慨深いよ。
大川 …ふぅ。年は明けてもいつの間に情況が好転してるなんて事はない物ね。
前門の小学館に校門の安彦先生、全くやれやれだわ。
怜奈 あのー、大川先生。
大川 何?
怜奈 何かあっちの連中がおかしくなっているんだけど。
大川 はぁ?
久米田 正月を愛す〜る すばらしいこころを〜♪
畑 門出辺に門松〜 鏡もちうまい〜♪
怜奈 …ね。
大川 何これ?
久米田 一年365日 正月三昧♪
畑 四千年の歴史をへ〜て♪ 今日も 日が昇る〜♪
怜奈 さっきからこの変な歌をエンドレスで歌ってんのよ。
大川 …ってちょっと。
久米田 元旦がきた〜♪ 元旦がきた〜♪ 元旦がきた〜♪ 元旦がきた〜♪ 元旦がきたぁ〜♪
畑 今日も日が昇る〜♪
大川 …河下さんは?
怜奈 あっちで初詣にいく準備してる。
大川 何て事!講談社の防衛軍は何をしているの!
怜奈 …何かこのモニター見るとみんな酒飲んで餅喰って凧上げて羽根突きして…
大川 まずいわね、このままじゃ講談社がみんな永遠におめでたくなってしまう!
私達だけで何とかしないと!一年365日全てを正月休みになんてさせはしないわ!
怜奈 …何なの、このノリ。
大川 説明は後!今はこの状況を何とかしないと!…怜奈さん!?
怜奈 え…えぇ。
大川 貴方は私の背後を見張って!何かあったら私に…
?? はつもうでビーーム!
怜奈 うわー!
大川 怜奈さん!!…よくも!
?? わーっはーっはははははーっ、そおれ全員正月モードになあれーっ。
年始参りアタック!年賀状カッター!かがみ餅爆弾!
大川 そんな攻撃!
?? ぬおぅ?全部かわしただとぉ〜〜っ!ならば!
大川 させない!…大川緋芭が命じる!全力で…
?? 甘いわ!はつもうでビーム!
大川 うわー!
?? わーっはーっはははははーっ、そおれ改めて全員正月モードになあれーっ。
大川 皆さん、明けましておめでとおーーーっ!
怜奈 おめでとおーーーっ!
河下 おめでとおーーーっ!
久米田 元旦がきた〜♪ 元旦がきた〜♪ 元旦がきた〜♪ 元旦がきた〜♪ 元旦がきたぁ〜♪
畑 世界みな平和〜♪
?? わーっはーっはははははーっ、はーっはははははーっ…
大川 …ハッ!
河下 どうしたんですか、大川先生?
久米田 酷くうなされていた様でしたが。
畑 何か、ありましたか?
大川 …いや、その、すね毛の変態が来て、ビーム出して、皆が正月気分になって…。
怜奈 …大川先生、アンタ疲れてんのよ、きっと。
大川 …そうかも。
正月特別編、夢オチでおわり
・年が明けた。めでたい。
・正月仮面のテーマを出したいが為だけのネタ。一般人置いてけぼり。
・次はとりあえず一周年を目標に、皆様色々と宜しくお願いします。
正月仮面でよかったなと思わずにいられないw
安彦の持ってる剣ってどんな効果あったっけ?
「アリオン」からだよね?
今原作を持ってないから確かなことはいえないが、ヘパイストスが鍛えたただの強力な剣だったと思う。
特殊能力の類はなかったんじゃないかな?
関係ないけど先月と今月の天上天下が旧版終盤の大暮対福地みたいな展開で何となく嬉しかった。
遅れちゃったけどサンクス
しかし良いネタって浮かばねぇな
留美子、皆川は動かなかった。
いや、動けなかった。
戦争の続く小学館前、そこに二人、異形がいた。
一人は自分達の味方を自称する特撮ヒーローコスプレ男。
もう一人は秋田書店の刺客と思わしき謎のバッタ怪人、
留美子、皆川の眼前で、この二人が激闘を繰り広げていた。
特撮ヒーローコスプレ男vs謎のバッタ怪人。
オイオイ、ここは遊園地のヒーローショー会場じゃないんだぜ?
とでも言いたくなるような対戦カードだが
色物臭いその外見とは裏腹に両者共その実力は本物だった。
「ライダァァァアアアア――」
「ゼ・ク・ロ・ス‥‥」
彼らは叫びと共に宙を舞い、
「「キィーーーーーーーーック!!!!」」
その蹴りで地を穿つ。
そこらのイベント会場で只の着ぐるみ連中の子供騙しのショーではない、
昔、その昔、自分が夢中になった本物の「ヒーロー」達が今、ここにいる。
その光景を前に二人は動けなかった。
その戦いに割り込めなかった。
留美子、皆川共に満身創痍と言う事もあるが、
恐らく理由はそれだけではないだろう。
二人の握っていた拳には汗が滲んでいた。
その様子をちらりと見て、安彦は薄い笑みを浮かべた。
甘い。
幾多の戦場を駆けた歴戦の猛者ながらこの甘さ、
相も変わらぬ事だな、高橋君。
さて…
安彦の眼前では椎名が超能力と霊能力をフルスロットルで
哀れな雑兵達を蹴散らしていた。
出し惜しみや計算など微塵も無く、全ての敵を全力で叩く。
まさに猪突猛進、椎名無双である。
こちらの坊やは少し焦りすぎだな。
この状況で、そこまで全力で飛ばす必要もあるまい。
それに…
「でえぇぇぇーーーっ!」
椎名の叫びと共に、次々と雑兵達が数人纏めてテレキネシスで吹っ飛んでいく。
元々満身創痍、体力は殆ど残っていない筈。
ならば…
椎名の獅子奮迅の活躍で秋田の雑兵、いやエンジェル部隊は残り僅か4人、
全員が全員既に戦意乏しく、怯えの色を隠せていない。
その哀れな連中に鬼気迫る表情で椎名が向き直り、一蹴しようとした瞬間、
椎名の顔が急激に蒼白になり、膝から崩れ落ちた。
当然こうなるか。
やれやれ…
安彦は軽く溜息をついた。
つづく
○予告
(成程、高橋留美子は今尚、小学館のアイドルと言う事か。
ならばその甘さも頷ける。だが…)
「…村枝!?」
「…村枝ですって?」
「…お前は…何を知っている…!」
「ふざけるなよ、賢一!
仮面ライダーってのは!悪の手で怪物に改造されて!
大事な物を全部奪われて!人生を滅茶苦茶にされて!
それでも!人の!正義の為にあらゆる悪と戦う男だ!
皆が憧れた!本物のヒーローなんだよ!
お前の様にンなチンケな理由で小悪党に味方するような
馬鹿野郎とは…違うんだよ!」
タイトル未定。投稿時期もっと未定。
・新ネタが出ない。本当に出ない。
・親戚に連れられて行った某遊園地のヒーローショーのアクションが
超ガチでたまげる。
小学館前の戦い進んでんなぁ
高橋留美子が「甘い」ってのはまだいい方だぜ
妖怪化よりはずっとな(旧版の別府編でのインパクトは凄かった)
にしても
>エンジェル部隊は残り僅か4人
どうしよう……えなりの活躍どうしよう……
これは珍しい正統派次回予告。
安彦御大の冷徹な視線は吉と出るか凶と出るか。
>>374 大丈夫、いくらでもやりようはあるさ。
例えばその4人の中に村枝みたく何かされた一線級漫画家が混ざってたとか。後付けは連載の華だと思うのは間違ってるような気がするけど気にしない。
炎と冷凍ガスの衝突から、福地と安西の戦いは続いていた。とは言ったものの、実際には二人ともそれほど傷を負っていない。
福地側は、「“相手の思考”を“電子メール”に変える能力」により事前に安西の攻撃を避けられたのだ。一方の安西は、
半不死としての再生能力に加えて魔道具「韋駄天」によって攻撃を避け続けている。
そんな様子を、藤田と雷句はただ見続けるしかない。
「安西、何故私達の敵になってしまったのだ? 何がお前を変えてしまったのだ」
「雷句、今は少し休め。お前は病み上がりでこの場所に来たんだろ?」
「くそっ、私がこんな状態じゃなければ……」
「それは僕も同じなんだ。しかし、今は福地君に任せて……何っ!?」
いきなりだった。地面から突如藤田達の方へ「崩」の火炎が迫ってきたのだ。実は安西は戦いの中で仕掛けていたのだが、
福地はメールの内容を「“自分に対する攻撃”に関しての思考」に限定してしまっていた為気付けなかったのだ。
「しまった!!」
福地も気づいたが状況は悪い。火球は殆どが福地より藤田達の方に近い。更に向かおうとしたときに魔道具「海月」が襲ってきた。
攻撃そのものは避けられたが火球にはもう届かない。4人の目には「崩」が着弾する未来が見えた。
「結っ!!!」
結果としてそれは叶わなかった。透明な防御壁が攻撃を全て防いだのだ。
そしてこの防御壁――結界を作れる人物に気づくのに時間は掛からなかった。
「イエロウ殿!!」
「田辺先生!?」
「まさか君かい、田辺君!?」
「田辺、テメェ」
2人は喜び、福地は驚き、そして安西は怒りから名前を呼んだ。
「もうやめて下さい。福地先生、安西先生」
一方、椎名と安彦が相手をしていたエンジェル部隊も残り4人となっていた。
しかし、椎名が倒れてしまった瞬間を見た部隊は、全員で武器を構え突撃を開始した。
一人が気絶し、もう1人が護りながら戦うことになる事で、今までより有利に攻められると考えたのだろう。
結論としてそれは失敗した。何故なら、後ろからの攻撃に邪魔されたのだ。そしてその攻撃をしたのが、
「な、なんとか間に合ったぁ〜」
そう、我らが主人公えなりである!!
ちなみに、東はまたもやレヴェリー・メザーランス形態である。
『当ったり前でしょ。この形態は私の中でも速さはピカイチなんだから。それより』
「えばらさんと千道さんと一緒ならなんとかなる。ところで、あなたは……」
えなりは安彦の方を向きながら尋ねた。
「安彦良和だ。君はえなり君だね」
「僕のこと、知ってるんですか!?」
「それはそうさ。なんせ、矢吹との戦いでは君も活躍していたんだから」
「いやー、そう言われると、なんか気恥かしいですよ」
「まぁ、そんな事より、まだ来るみたいだ」
見れば、敵兵が最後の足掻きとばかりに迫ってくる。しかし、その数残り3人。
そして、えなり達のもとへ、PEACH-PITの二人もやってきた。
こうして、小学館を襲撃したエンジェル部隊30人は全滅した。
その頃、ビルの屋上では福本とかがみが戦いを観ていた。
「いやぁ、なんかえなり君達も活躍できたみたいだねぇ」
「そうだな。ここまで……小学館が激戦になっていたとは……少し想定外だったがな」
「で、これから先生はどうすんの?」
「小学館と提携を組む。奴らのこと……こちらが敵意がないと分かれば……取り入るのは容易いはずだ。そう言うお前は……どうする?」
「んー、私は特に戦う事できないからなぁ。安全なとこがいいから小学館に就こうかなって」
「くくっ、その方がいいだろうな」
この時、二人は気づくべきだったのか。それとも、止める術を持たぬから敢えて気づかぬべきだったのか定かではない。
矢吹が独りでにムクリと立ち上がり、何処かへ消えてしまった事に。
続く
・やっと浮かんだネタがこれだよ!!
・出来たら今度また書こうかな
乙でさあ。暇と余裕とネタがあればどんどん書いておくんなまし。
さて、今回の新ネタではどう遊ぶかな。
冨樫が集英社上層にある血に塗れた重厚な造りの扉を叩いてから
どれ程の時間が経つか、ともかく浦沢は反応を待つ。
「…大体5ヶ月ってトコかな♪何せ完全に放置中だからね★」
冨樫の意味不明な言葉を無視して浦沢は反応を待つ。
そして一瞬とも永遠とも思える時間を経て、
「…おぉ!来たか先生!…まぁ入れ入れ!」
部屋の奥から豪放で陽気な声が聞こえてきた。
二人はその声に従い、重い戸を開き部屋に入った。
その部屋意外に広く、その割にあまり物が置かれていない。
手前には壁に絵が二、三点に木彫りの置物、
あと応客用のソファーとテーブルに分厚い灰皿
奥の方にも幾つかの書棚にマホガニーのゴツい机のみと
要はいかにもな組織重役用の部屋である。
中に居るのは三人、マホガニーの机に腰掛けたチョイ悪オヤジに
それに付き添う体格のいい折り目正しいスーツの眼鏡男、
そしてその二人に何かを説明する…何だコイツは?
室内だというのにカウボーイハット?を目深に被り、
且つ顔の下半分をケープですっぽり覆い目だけ覗かせている。
おまけに白のロングコートに胡散臭い模様の黒手袋着用…。
冨樫といいいコイツといい、集英社は変態を飼う趣味でもあるのか?
「…で、お前さん達が拾った金ピカ鎧の欠片な、きっちり調べとくからよ。
お前さんはちょいと1階の大暮に手ェ貸してやってくれないか?
アイツじゃ現役バリバリのジャンプ看板作家の相手は厳しいからな。」
浦沢の様々な疑念を他所に、本宮は変態へと指示を出す。
変態は一瞬躊躇するような素振りを見せたが、無言で頷くと
まるでニンジャの様に足からスルスルと床をすり抜けて、姿を消した。
「…先生。」
変態が姿を消してから、巨漢が本宮へと声をかけた。
「猿渡、来客中だぜ?」
「構いません。」
「何だよ。」
「確か1階に荒木先生が現れ、久保先生へ一撃を加え、大勢は決した
…という情報が先程こちらに届きましたが。」
「で?」
「さらにその状況で和月先生を送る必要は無いのでは?」
それを聞いた本宮は肩をすくめた。
「オイオイ、逆だぜ。今だから送るんだよ。」
微妙に怪訝な表情をした猿渡に、本宮は話を続ける。
「荒木も何だかんだで詰めがまだ甘ぇよ。確かに頭は回るが元仲間でも
問答無用でブッ潰す覚悟ってのはまだ無ぇ。全く、何十年やってきて
青年誌行ってもまだ少年誌だぜ、アイツは。それにな…」
「それに?」
「…荒木が久保から余計な事を聞き出されたら面倒だ。」
それを口にした時の本宮に、浦沢はこわい物を感じた。
冨樫はその傍らで実に嬉しそうな笑みを浮かべていた。
つづく
・和月は二つの能力を同時に使ってる訳じゃない。カッコイイ格好をしてるだけ。
・集英社放置プレイ数ヶ月。やっとちょっと動く。
「もうやめて下さい。福地先生、安西先生」
結界をはった田辺はただ静かに告げた。
突然の登場に、福地は驚きから先程までの怒りは引っ込んだ。
しかし、更なるサンデー組の登場に安西の方は腸が煮えくり返っている。
「お前もか、田辺。俺の邪魔をするってぇのか、甲羅」
「安西先生、洗脳されているかどうか分かりませんが、どうか正気に戻ってください」
田辺の説得も、今の安西にはなんの効果もない。
「けっ、今度はそうきたか。生憎だったな、田辺」
「どうやら、安西……先生は洗脳されてる訳じゃねぇっス」
「えっ、どういう事ですか、福地先生!?」
「安西先生は自分の意志で小学館を、藤田先生や雷句先生を襲ったって事っス」
「わざわざ解説ありがとよ、福地。しかし、お前らを殺してぇのはやまやまだがな」
安西は何処からか自身の魔道具を取り出した。宝玉型魔道具『次元界玉』である。
「生憎と、兵士が全滅したら撤退しろって言われたんでな。次は必ず息の根を止めてやるよ。退くぞ、村枝」
「なっ、待ちやがれ!!!」
長谷川の制止も虚しく、村枝―――ZXの姿は安西やエンジェル部隊と共に魔次元へと消えていった。
「ふざけるなよ、賢一! 仮面ライダーってのは! 悪の手で怪物に改造されて!
大事な物を全部奪われて!人生を滅茶苦茶にされて!
それでも! 人の! 正義の為にあらゆる悪と戦う男だ! 皆が憧れた!本物のヒーローなんだよ!
お前の様にンなチンケな理由で小悪党に味方するような馬鹿野郎とは……違うんだよ!」
敵が消え、傷つき疲弊した陣営が残った小学館前で、長谷川の悲しき叫びが木霊していた。
「どういう事なのよ、久米田先生」
ライブ映像を目の当たりにして、大川は久米田に尋ねた。エンジェル部隊が壊滅した直後に撤退など彼女は聞いていないのだ。
「これは、その……赤松先生が極秘に出していた命令らしくて……私も詳しくは知らないもので……」
「だぁ、もう。赤松先生は何考えてるのよ。聞こうにも携帯の電源切ってるみたいだし、今どこにいるのよホント」
少々しどろもどろな彼の返答に、大川は溜息を吐きながらこの状況を嘆いていた。
(これでいいんだよな、赤松)
久米田は心の中で赤松に問いかける。
(確かに、彼女達CLAMPも実力はある。しかし、赤松には全てにおいて負けていると言っていい。
あいつの事は、私が一番知っているんだ)
大川達に気づかれることなく振り向き、再び向き直る。
久米田康治、人知れず裏切り者街道まっしぐらであった。
・自分で続き書いてもうた。書こうとしてた人すいません
・あと、あの次回予告のセリフ勝手に使っちゃったよ
・そろそろ上映するらしいドラゴンボール実写版で鳥山がどうなるか心配
・本宮のセリフが意味深だぜ
・ところで、サンデーの鈴木が宮下と一緒に番長状態で出たら笑えるかい?
すまん
人の事言えた義理じゃないけど
物書いて誰も来ないと精神的にすごく辛い
ごめんね、見に来てるんだけどリアクションしないでごめんね(´・ω・`)
正直すまんかった。
ROMっているだけで反応していなかっただけなんだ。
人数制限とか大丈夫かしら?
普段ROM厨なんだ。反応出来なくてすまん
スレ自体はいつも見てるよー
388 :
384:2009/01/19(月) 20:15:12 ID:N9FFDoFM0
見ていてくれてうれしいぜ
考えてみたら、他の人が返事書く義務まではないんだよな
自分もなんか勘違いしてたわ
気分切り替えて話題変えよう
今話題のドラゴンボール実写版についてどう思う?
・すまない、平日は返事とかチェックとか遅くなる。
・どうしても弄って欲しく無さそうな部分以外は人様のネタも
ガンガン借りて使って弄ってOKじゃないの、多分。
・実写版DBと実写版春麗の事は口にしないで欲しい。
・ユタがぁぁぁぁぁぁぁ!!
集英社の人気の無い一室でコート姿の変態がレーダーを見ていた。
その変態は帽子を目深に被った上に、顔をケープで隠しており
一切の表情が窺い知れない。
ヘルメスドライブの反応は3つ。
かなり微弱な反応が2つに強力な反応が1つ。
この反応からすると微弱な2つは久保と大暮、
強力なのは…
「…荒木先生!?」
意外な人物の登場にこの変態、和月も思わず声を上げてしまった。
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部 「荒木飛呂彦 絶望編」
声を上げてしまうのも無理は無い。
和月の受けた任務は「久保と戦闘中の大暮への助勢」のみ、
そこに荒木がいるという情報など全く受けていない。
しかもこれまでの情報によると荒木は集英社が襲撃を受ける少し前に
講談社の重鎮、CLAMPのメンバー2人と戦い、これを撃破したらしい。
幾らあの荒木飛呂彦といえ、それ程の相手と交戦、撃退した上で
即座に集英社に戻り、突如久保と大暮の戦闘に介入するとは…。
和月は小さくかぶりを振った。
今はそんな事をぐだぐだと考えている場合じゃないな。
荒木先生は平然とそういう事をやってのける人だった。
今はそれでいい。
さて、俺はどうすべきか。
一旦戻ってこの事を報告し、再度指示を仰ぐか、
それともさらに助勢して久保を完全に倒すか。
その時、レーダーの反応が大きく動いた。
何だと!?
和月がレーダーに目を遣ると、果たして先程まで微弱だった反応
…久保と思わしきそれが急速に強まっている。
和月は自分の見通しの甘さを恨んだ。
よく考えればこの反応の変化は十分に予想出来た。
少年漫画家、特にジャンプの人間は逆境に陥れば陥る程強くなる。
二対一、しかも敵に圧倒的な格上がおり、こちらはボロボロ。
少年誌的展開には持って来いの逆境である。
共に戦った事もある和月には分かる
センスに問題はあるが久保も間違いなく少年漫画の申し子。
この美味しい状況を逃す筈も無い。
見開きで必殺技ブチかまして一発逆転である。
「ちぃっ!」
即座にレーダーを解除すると
和月は地を蹴り、天井へと飛び上がり、
「武装錬金…」
胸の核金へと叩き付けるように手を当て、
思いっ切り天井を蹴り、
「シークレットトレイル!」
その瞬間に新たな武装錬金を発動した。
天井を蹴った勢いで床へとぶつかると思った瞬間、
その身はするりと床をすり抜け、下の階へと移った。
そしてその下の階でもその下の階でもさらに下の階でも同様に
次々と音も無く床をすり抜けていく。
槍や斧、爆撃や蹴りで床をぶち抜いていくより遥かに速く、
和月は重力に引かれるままに久保達の元へと向かう。
忍者刀を握る和月の手に血が滲んだ。
時を少し前に戻し、所も変わってこちらは集英社1階。
荒木は立ち上がれぬほどの深手を負いながら、それでも尚、
刺すような目で睨み続ける男、久保と向き合っていた。
情報が必要となる。
今現在のあまりに不可解な状況を少しでも理解する為に
どうしてもそれが必要となる。
目の前の男は久保帯人。
少し前まで背を預け、共に世界を揺るがす「悪」と戦って来た仲間であり
ファッションセンスは…まぁ35点といった所だが信頼に足る実力者。
何よりも自分を慕っていた後輩である。
その久保が自分を不倶戴天の敵として強い憎悪を向けている。
不可解である。実に不可解である。
故に情報が必要となる。
「参ったね。どうしても僕に話をする気はない、という訳か。」
「…貴様の言葉など…信用出来るか…!」
「信用出来ないかな?」
「…たり前だ。…貴様に口を割って…殺られるくらいなら…
何も言わぬまま…死ぬ方が…まだマシだ。」
荒木の意図とは裏腹に久保には寄る術もない。
しかしその全く寄る術もない態度の中に、荒木は突破口を見出す。
…そうか。彼は僕を全く信じていないという事か。ならば、
不意に荒木は拳を突きつけていた「スティッキー・フィンガーズ」を解除した。
それと同時に久保の体に付けられていたジッパーも次々と消えていく。
思わぬ事態に久保の表情が大きく歪んだ。
「…何の真似だ!荒木!」
思わず声を荒げる久保、それに対し荒木は
あくまで涼しげな表情を崩さぬまま答えた。
「君の傷を治す。」
「何だと!?」
「…荒木先生!?」
あまりに予想外の展開に久保だけでなく大暮も声を上げた。
無理も無い。戦闘中に自分達を真底憎み、命を狙う敵の傷を、
しかも重症の味方より先にするなどあり得ない話である。
「あぁ、そうそう。僕のスタンドだが、切り替えるまでに『1分』かかる様になってね。
済まないが久保君、もう少し待っていて貰えないかな?」
「なッ!」
「何ィィーッ!!」
平然と自分の致命的な弱点まで晒す荒木に思わず台詞が荒木調になる2人ッ!
何を考えるか策士、荒木飛呂彦ッ!?
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
To Be Continued...
・絶望編まだ続くよ。終わらせられなかったよ。
・全く関係無いが妙に面白いよ天体戦士サンレッド。
マルエツ一の市とか小ネタがツボに入った。
田舎で療養中故しばらくネットに繋げなかったよ。
それにしても、結構人いたんだなここ。てっきり三人ぐらいしかいないと思ってた。
あと、人様のネタを勝手に使わなかったらそれはリレー小説じゃないから。
>>376-378,
小学館前がようやく一区切り付いたか。
安西と村枝の今後が心配です。あと消えた矢吹も。
>>380,381
こちらは相変わらず終わりの見えない泥沼状態で。
後ろで構える本宮も新鮮でいいね。
>>384 わかる。すごくよくわかるよ。
俺も五時間ぐらい掛けたSSが軽くスルー、を2回連続で喰らったときとか本当に泣きそうになったから。
おかげで少しでも感想付けられる部分を増やそうと、限界まで書き溜めてから投下する癖が付いてしまった。
>>390 荒木ほど謎な行動が似合う奴もなかなかいないな。
久保の異様なまでにかたくなな態度は知らないうちに洗脳されていたからなんだよ!! とか妄言を吐いてみる。
395 :
崩れゆく聖域:2009/01/21(水) 13:24:00 ID:VcRv7kbg0
――数刻前――
「…っと、本社から連絡? 何だってんだこんな時に……」
ぼやきながら支給品の無骨な携帯電話を取り出して耳に当てた和月だったが、二言三言言葉を交わした直後、大きく体勢を崩して大口を開く陥穽にもう少しで落ち込みそうになった。
「ど、どうしたんだ和月!?」
困惑顔で見ていた鳥山が駆け寄ると、和月は驚愕と憤怒で青と赤両方になった顔を向けた。その精神には足下のクレーターにも匹敵する穴が穿たれているに違いない、と思わせる表情である。
「鳥山さん……」
和月の声は消え入りそうだったが、それは今にも激憤の叫びを上げそうな自分を必死で押さえているからに相違ない。彼の身体の震えは恐れというには余りにも激しすぎる。
「ジャンプが……俺たちのジャンプが、秋田書店の連中に襲われている、と……!!!」
「何だって和月!!! それは本当か!!!? 車田のところの連中め、ふざけやがって!!!」
「ああ!! こうしちゃあいられねえ!! 鳥山さん、俺は行くぜ!!!」
何を憚ることもなく怒りを顕わにする鳥山を見て、和月も己が内の炎を抑えきれなくなってきた、いや、抑えるつもりが無くなったようだ。
武装錬金『モーターギア』を足下に発現させると、鳥山の返事を待たずにレース用自動車に匹敵するスピードで放置された種々の車両の間を縫って走り去ってしまった。
「やれやれ、あいつもいつまでたっても若いなあ……。」
後に残された鳥山は、誰に言うともなくそう呟く。先程の怒りと熱は、全て和月に吸収されてしまったかのように退いてしまっていた。
そして彼自身そのことを自覚しつつ、開いた手で砂を掬ったときのような形容しがたい感情が己の内に染みだしてくるのがわかった。
それは身体を震わせる希望であり、眼を輝かせる羨望であり、重い呼気を吐かせる諦念であった。
ふと、こんな時だというのに何故だか過去と内面へ向かう記憶の波が寄せる。
鳥山は、ある意味でもはや漫画家ではない。
『DRAGON BALL』が、彼を永遠に変えてしまったのだ。
今なおその名を冠した商品が作られ続けるほどの、数十年に一度あるかなきかといった大ヒット作の代償は、永劫の責苦だった。
なるほど、気の遠くなりそうな年月を修行に費やしてなお大成せず、必死の思いで勝ち取った連載すら打ち切られ、手に職もなく底辺の日々を送るよりはまだしも幸福かもしれない。
だが逆に終わらせることを許されず、もはや自分のものではないかのような際限なくインフレーションを続ける物語をいつ終わるとも知れぬまま描き続けるのもまた、地獄のもう一つの極であると言っていい。
そしてようやく八年近い業苦から解放されたとき、彼は自らの中から力――戦闘力ではなく、漫画を書くための力――がまったく失われたことに気付いてしまった。
通常の状態を遙かに上回る慢性的なネタの枯渇が、終わりの見えない強行軍が、鳥山明を漫画家として再起不能にしてしまったのだった。
だから彼は、いつまでも純真な少年のように漫画に対し真摯に苦悩する和月を、自分と同じ虚無にとりつかれてもまだ漫画家であることを止めていない冨樫を、
また自身と世界の両方を相手に戦い続けている漫画家たちを、見守りたいと思っている。
「そうだ―― あいつらには……ジャンプのみんなには、未来があるんだ! それを守るのが、オラ達の役目なんだ!!」
396 :
崩れゆく聖域:2009/01/21(水) 13:24:42 ID:VcRv7kbg0
過去の炎が現在の魂を再び点火したと見えて、鳥山の目に再び強い意志の光が宿った。 あまりに強く、どこか危険なものをも感じさせる光であった。
――彼が守っているのは、見たがっているのは、あるいは自らの影なのかもしれない。
もし自分が漫画家として再起不能にならなかったら、というもう一つの可能性を追いかけている。ありえない話ではない。
だが、もっとありそうなのは純粋な父性と正義感からジャンプを、そして漫画界を守りたいと考えている、という線。
さらにもう一つ、一番可能性が高くもっとも恐ろしいのは、その眼光の奥底にはこれから始まるであろう戦いへの期待と歓喜があるのではないか、ということだ。
鳥山明は、全盛期から今日に至るまで戦いを戦い単体として純粋に楽しむことでも知られている。もしそう思っていたとしても、何の不思議もない。
だとすると、この超一流の実力を持った男が加わることで、事態は収束へ向かうのか、それとも――
―――――――――
――現在――
いかにも都会的な機能然としたオフィスであった。
それぞれの部屋の隅に申し訳程度の鉢植えが痩せた土と貧弱な観葉植物を必死に抱え込んでいる他は全てが事務処理という大目的のためのみに配置された、非人間的なまでの機能性を備えた部屋が無機的に配列され続けている。
組織、街、社会、といった実体無き怪物の一部として、人間をその中に取り込み細胞と化す厳格なシステムの、一つの末端部分である。
だが、今日は少しばかり様子が違った。――より正確に言えば、今日は少しばかりしかいつもと様子の違わないところを見つけることはできなかった。
素焼きの鉢植えは床に中身をぶちまけた無惨な姿を晒し、机はメートル単位で定位置を弾き飛ばされ、
椅子はキャスターを宙で空転させ、ガラスが微塵に砕かれた窓からはヒートアイランドの熱風が吹き込んで、リノリウムの清潔な床に書類の束へ姿を変えた落葉を降らせていた。
滅多に訪なうことのない風に吹かれて、印刷用の上質紙が、恐らく想像したこともないであろう空中を漂っている。その片面には、全国の子供達が固唾を飲んでその一挙手一投足を見守っているヒーローの戦う姿が写し出されていた。
集英社、週刊少年ジャンプ編集部の一角である。
しばらく前――具体的な時間ははっきりしない。一時間程度かもしれないし、もしかしたら半日経っているかもしれない。
ある特異な暦を適用したなら十ヶ月以上も経過していることになる――に、秋田書店と思しき軍団に急襲を受け、かつて漫画雑誌の代名詞とまで言われたジャンプは今や半壊状態に陥っていた。
数年前の大戦争の後、集英社は大した事件もなく、平穏に過ごしていたことで漫画家たちの戦闘力が落ちていたり、編集が手綱を取りきれなくなった一部の漫画家が離反するなどしていたことも一因ではあるが、
今回はそれ以上に敵の手並みが鮮やかすぎた。
まずはかつてジャンプの屋台骨を――それとも彼の稼いだ金で階段を建て替えたというから『土台を』か?――支えた男、車田正美を単騎で奇襲させ、主力・看板漫画家を中心に戦闘能力を奪う。
それから間髪入れずに、今度は拠点制圧を想定したのであろう私兵を投入して一気に状況を決する――効果的な戦術であるという以上に、大戦の後小学館と争って敗れた秋田がどこにこれほどの兵力を残していたのかと思うほどの休みない攻め手であった。
397 :
崩れゆく聖域:2009/01/21(水) 13:25:33 ID:VcRv7kbg0
僅か二度に分けて兵力を投入しただけで『休みない攻め手』もないだろうと思われるかもしれないが、僕(筆者)はそうは思わない。
そもそも漫画家というのは常人と比べて人と龍の間ほども離れていようかというほどの力を持つ代わり、本当に数が少ない。同人崩れの三流半すら一応の戦力になる程と言えばわかってもらえるだろうか。
つまり漫画家は、彼(あるいは彼女)ら一人一人が一国一城の主であり、一騎当千の猛者なのだ!
そして作家の多分に漏れず、彼らもまた制御不能な存在だ!
雑誌社側は発表の場を提供するという形でなんとか繋ぎ止めているが、それすら薄氷としか言いようのない非常に危うい状態であることは、かつての大戦を例に挙げるまでもなく自明だろう。
(※もちろんこの物語の中での話です。漫画家さんや編集者さんの実状については僕(筆者)はまったく無知であることをお断りしておきます)
そんな漫画家たちを曲がりなりにも統率し、戦略として扱いうると言うのは、これはまさに驚嘆すべき事態なのである!
だから僕(筆者)はこの光景に賞賛の念を込めて『休みない攻め手』と表現したのだ。
――何やら上で御講釈があったが、実際はまったく的外れである。
車田の強襲は単なる単発の攻撃で、次の大規模な侵攻はその尻馬に乗った別口の輩が行っていることだ。
だが、結果として上にあるような有効な攻撃となっていることは事実であり、ジャンプの残存漫画家たちは苦しい戦いを強いられている。
系列雑誌から大暮、荒木、岡本といった援軍が来ているとはいえ、車田正美に受けたダメージは大きく、彼らの討ち漏らした兵士の排除にすら手こずるような有様であった。
この部屋の向かいに並んでいる会議室の一つで立ち回りを演じている下着姿の女性も、そんなジャンプ漫画家の一人である。
飾り気のない下着は性的なものを殆ど感じさせず、それよりも少年のように撥ねた髪の中で燃える、額から伸びる炎が目を引いた。
「くっ……こいつら、いったい何人いるのよ!!」
全体の格好に著しく不釣り合いな小洒落た籠手が填められた手で4,5人いる雑兵を殴り飛ばしながら呻く。
籠手からも炎が吹き出しているが、一目見て本調子でないとわかるほどその勢いは弱々しい。直撃ですら戦闘不能がやっとという有様だ。
(空知君や松井君とはぐれちゃった……大丈夫かしら? ……人よりも自分のことを心配した方がいいか。弾丸を使い続けてないととても立っていられない……でも、残りは一発だけ!)
彼女の名は天野明。ジャンプで『家庭教師ヒットマン REBORN!』を連載中の中堅漫画家である。余談だが、連載開始から一年以上経ってバトル路線にシフトという結構珍しい経歴を持つ。
そのおかげで今こうして戦えているのだが、
「ううっ……もう!?」
炎の勢いが弱まり、火自体もだんだんと消えていく。好機と見た敵達が種々のどこかで見たような武器を構えて包囲網を狭めてくる。
やはり暴君王車田正美から受けたダメージは重い。いかに初連載を当てた現役漫画家であろうと、ある種伝説の領域に踏み込んだ男と戦って無事でいられるはずもなかった。
でも、と天野は思う。あの男の強さに、死ぬ気で近付いてみせると思う。あいつに一矢報いるまでは、死んでも死にきれないと思う。
「まだよ! 死ぬ気の炎が消える前に……最後の一撃!!」
例え話にある蝋燭のように大きく燃え上がった炎を両手に籠め、大地も割れよとばかりに思い切り振り下ろす。
クレーターを想起させる形に橙色の炎が天井まで吹き上がり、驚愕に一瞬反応の遅れた兵達を呑み込み、焼き尽くした。
……もっとも実際は一度程度の火傷で戦闘力を奪うにとどまっているのだが、こればかりはどうしようもない。
398 :
崩れゆく聖域:2009/01/21(水) 13:26:14 ID:VcRv7kbg0
そしてその衝撃力は炎を撒き散らすと同時に当然ながら下方にも伝わり、高熱で脆くなった床に天野を起点として蜘蛛の巣状の裂け目が走り、――崩れ落ちた。
震度七を超える大地震にも耐えるよう設計された金属と合成樹脂の建材が薄氷を少し丈夫にした程度のように割れ、隕石の如く炎に包まれながら階下へ落ちる。
もはや額の炎がかき消えた天野もまた、瓦礫と化した床よりも一拍遅れてコントロール室と思しき機械類の散乱する部屋に降り立った、というよりも墜落したと言う方が正確だろう。
炎とともに精神力も戦闘力も消え去ってしまったと見えて、燃え上がっていた眼光は年相応、少なくとも外見年齢相応よりももう少し低い位に不安と恐怖を湛えたものに変わり、
柔肌とも言える素肌には瓦礫との接触によるものであろう、先程までは無かったはずの傷がいくつも刻まれていた。――残念ながら衣服というか下着は無傷だったが。
舞い上がった有害な化学物質を含む粉塵に咳きこみながら、彼女の抱える不安感はいや増していった。
埃が晴れず視界は周囲数十センチまで閉ざされ、崩落の大音響に耳はまだ麻痺している。
それだけに、濡れた床の感触と不快な鉄臭い臭気が今いる場所の戦慄すべき惨状を想起させるのだ。
毛糸の手袋に戻ってしまった籠手を血が出そうなほど握りしめながら、知らず懐にしまった玩具めいた拳銃へ手が伸びていた。
煙が収まるまでの時間は数十秒に過ぎなかっただろうが、天野には何十分にも感じられた。そして視界が晴れたとき、彼女の目に映し出されたのは想像していたような光景ではなかった。
天野明の想像を遙かに凌駕する大虐殺(Hecatomb)だった。
それでも喉まで出かかった悲鳴と嗚咽を石を呑み込むようにして辛うじて抑えながら、痛む足を引きずって歩き出した。
眼を逸らそうとしても、どうしても何者かによる殺戮の犠牲者が目に入ってしまい、定かならぬ激情が溢れそうになってしまう。――部屋の瓦礫以外全てが、五体を引き千切られた屍体で占められているのだ。
「はっ!?」
陰惨たる感情の渦の中に新たな怒りと闘志の熾火が現れつつあるのを感じながら早足に立ち去ろうとしたとき、あるものが彼女の足を止めた。
「まさか、あれは……あの人は……!!」
白黒チェック模様の服を着た、頭蓋を砕かれた女。
「星野……さん…!!!」
数週間前より行方知れずとなっていた、星野桂の亡骸がそこにあった。
登場人数:1
退場人数:0
現在の人数:59/60
399 :
崩れゆく聖域:2009/01/21(水) 13:36:39 ID:VcRv7kbg0
【次回予告】
葬送の光条が炸裂し、一つの灯火が消えた。
幻想の無頼は永遠の求道者と対峙し、魔の淵より帰還せし男は偉大なる先達と邂逅する。
彼らを止める術は、最早(Never More)無い。
次回、《Boom and Burst》.
えなり(仮)の勇気が漫画界を救うと信じて……!!
・ちょっとだけ時間ができたので書いてみたけど、やっぱり勘が鈍ってるなあ。
・あれも描こうこれも書こうと思うとどうしても長くなるから、ここで一旦区切ろう。
・もしかすると復帰できるかもしれないし、できないかもしれない。
・鳥山のキャラが違いすぎるね、どう考えても。なんとなく俺の中では引退した長老みたいなイメージが強いらしい。
・俺がこのまま書いた場合次回で天野は消えると思うので、使いたい人は早めに生き残らせてください。
・なんというか、使いたいキャラが他の人に使われてしまうかもしれないときの緊張というか興奮というかはリレーの醍醐味だよね。
・それにしても後半ひどい。これじゃあまるで鬱グロ好きの中坊だ。
・ついでに次回予告もひどすぎワロタ。見事にバグっておる。
気付いたら大量に投下されてて吹いたっていうwww
このスレは投下される時とされない時じゃ波がでかいなw
鳥山は切ないね。ドラゴンボールはあまりにもでかくなりすぎた。
天野きたか。リボーン読んだことないから今度読んでみるか…
残り一人は誰が来るかね…?
投下乙。
随分シリアスにいってるなー。そして人物枠は残り1か。
誰か退場で枠が空くか、いったん埋まるか。
鳥山は旧でも、力は凄いけど漫画家として壊れてるから全力にほとんど耐えられないって設定だったな
これは作家の格も漫画描写も強すぎる故の枷みたいなもんだけど、鳥山の現状と上手く絡めてるのが凄いと思った
前回のあらすじ
「なッ!」
「何ィィーッ!!」
ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部 「荒木飛呂彦 絶望編」
荒木の全く予想外の行動に狼狽を隠せない久保、大暮を前に
彼の平然と腕時計を見てる姿には先程までとは一転して
殺気どころか警戒心すら見えない。その気になれば何処にでも
攻撃が入りそうな程に全身隙だらけである。
しかし久保は動かない。否、動けない。
「思ったより『一分』は長いものだな。」
時計から目を離すと荒木は誰とも無く呟く。
その言葉に久保は「スティッキー・フィンガーズ」を解除してから
1分が経過した事に始めて気が付いた。
コンマ1秒の世界で生死を分かつ一撃を繰り出せる男を前に
1分もの間、何もせず無防備な身を晒す事、
それは普通ならば賭けを通り越した自殺行為である。
しかし荒木はそれを平然とやってのけた。
何の真似だ。罠か、それとも…
久保の思考が混乱に混乱を重ねていった。
「さて、久保君、大暮君。君達の傷だが…余りに傷が深過ぎる上に、
欠損した部分も多く、『クレイジー・ダイヤモンド』では間に合わない。
だから今回は『ゴールド・エクスペリエンス』で身体の部品を作り…」
荒木の説明も久保の耳には残らない。
只、頭を乱すばかりである。
「…だが今回の処置はあくまで応急処置に留まる。僕のスタンドで
作った部品はあくまで部品、身体に馴染むにはかなり時間が要る。
特に君達のような肉弾戦も得意とするタイプはね。暫くは病院で
リハビリが必要になるな…何か質問はあるかな?」
荒木の説明がいつの間に終わった。
聞きたい事があれば聞け、と言っているが何を聞けばいい?
俺は、俺は…
「何も…分からない。」
そう。何も分からない。
「どういう事かな、久保君。」
「…分からないんだよ、荒木。今の俺は…アンタを不倶戴天の敵と憎み…
集英社を襲撃し…アンタの仲間達に…重傷を負わせた…反逆者だ。
情報が欲しいだけなら…集英社の情報網からでも…俺を倒して…
スタンド使って…引っ張り出しても…どちらでも構わないはずだ。
なのに…何故…今…敵の…俺を…!?」
「真実の為だ。」
そう言うと荒木のスタンドが肩に触れた。
体温を持たぬスタンドから何故か暖かさが広がってくる。
「真実?」
「そうだ。僕が只の奴隷ならば他より与えられた情報を当然と考え、
その情報を通じてのみ世界を見て、それに疑念も挟まないだろう。
だが今回の事件は不可解な点が多すぎる。だから僕は此処に来た。」
「……。」
「そう、自分の目で全てを確かめる為に、大暮君の中に潜んでだ。」
「…で?」
「…そうだな。依然として僕の方もまだ分からない事の方が多いが、
一つだけ分かった事がある。」
「…何だ。」
「君が秋田書店に組するような人間ではない、と言う事だよ。久保君。」
「!?」
驚きを隠せぬ表情の久保へ、荒木は言葉を続ける。
「強い怒りと悲しみに毒されてるが、君の目は純粋すぎるんだよ。
秋田の連中の目はもっと、こう、ヒネ曲がり、淀み、腐った、
ゲス野郎の目だ。君とは違う。」
「……。」
「君が集英社に反逆したのも、仲間に深手を負わせたのも事実だ。
だが、僕は君の目を信じたい。昔と同じ、その目をだ。」
荒木のスタンドは少しづつ久保の傷を癒していく。
久保は俯いたまま何も言わない。
無言のまま時が流れた。
暫くして久保の傷が一通り癒えた。
痛みと違和感は残るとは言え、それまでの瀕死の状態に比べれば
遥かに上等な状態である。腕も、足も何とか動く。
「…ふぅ。さて、次は大暮君か。」
そう言うと荒木はくるりと久保に背を向け、大暮の元へ歩み寄り、
そのまま大暮の右脚も治し始めた。
相変わらず先程同様に隙だらけなまま、荒木は大暮を治療する。
その様子を見て久保ははっと気付いた。
荒木はあえて隙を晒していたのである。
これは命を賭けて相手を信じ、そしてそう信じた自分を信じると言う
強い意志の現れである。覚悟の表明である。
俺は、俺は…
荒木のその覚悟を見て、久保は…
突如、背に焼け付くような衝撃を覚え、地に倒れた。
一瞬遅れてその背から噴水のように血が噴出した。
予告
激闘が終わった集英社、
その1階を埋め尽くす氷塊に荒木は何度も拳を打った。
拳の皮が破れ、肉が削げ、骨が見えても尚、打った。
しかしその氷塊は何者をも拒むように全てを弾き返した。
そして人々に無敵と称されるスタンドでさえ
それに傷一つ付けられない事を悟った時、
荒木は叫んだ。
辺りに血を吐くような叫びが響いた。
登場人数:0
退場人数:▲3(大暮維人、和月伸宏、久保帯人)
現在の人数:56/60
・気が向いたのでもう一発。
・過程すっ飛ばして結論から。殺すか(仮)かは微妙に。
・いきなり投稿が増えてたまげる。
・
>>399おかえり。復帰歓迎、気が向いたら又来て下さい。
・何より放置されてたネタが色々サルベージされたのが嬉しい。
・鳥山は難しいんだよなぁ。
・水曜は日曜と並んで新作がどっと来るんだぜ。ここはサンデーかマガジンかいな
・荒木カッコいい+久保死んだ=集英社で波乱の予感
・鳥山は強いけど、現役で漫画描いてない+能力が応用利かないの二重苦さね
・このスレで「リボーン」の作者が出るとは思わなんだ
天野で思ったんだが、旧版の方じゃ「同人=弱い」という認識ってなんかあったよね
初期に木下出てきたときも佐々木出てきたときも色々言われてたし
このスレとしては、この理由を考えるのって別に無意味じゃないと思うんだがどうだろうか
携帯から読んでるから気付かなかったが、
和月いつ退場した?
>>408 まだしてないダス(過程すっ飛ばして結果だけ書いた)。
そうか。
今後の展開によっては、
少年誌につき物のウソ予告になる可能性もあるのか。
一気に状況が動き出したなあ。そしてこのあと二週間ぐらい誰も書かないとかでも別に驚かない。
>>406 荒木は何だかんだ言って心の底では人間を信じてるんだな。人間賛歌がジョジョのテーマだし当たり前か。
それと、予告段階で退場させるのは個人的にはどうかと思う。退場させてなるものかと割り込んでくる人間とかがいるかもしれないし。
まあ、俺の勝手な考えだけどもね。
>>407 まず、「同人=弱い」の構造はごく初期に作られたものっぽい。
当時はまだ週刊少年漫画と共同でやってた頃だし、今も向こうや漫画サロンとかで見かける
『同人=低レベル・盗作・絶対悪』という考え方の人間が多かったんじゃないかと勝手に推測してるが。
関係ないが、久々に旧版の楽屋裏を見たら真剣に気分が悪くなった。
あんな状況になるぐらいなら今の少人数でまったりやってるほうがいいや。
やっぱそうなっちゃうのかねぇ
しかし、例えばPEACH-PITなんて典型的な同人上がりだけど良作を描いてるしな
『同人=悪』じゃないのだがそう考えてしまう人もいるんかねぇ
まぁ、これ以上は邪魔そうだからあんまり言わないけど
同人でも創作と二次創作を区別した方が……。
414 :
下水GUY:2009/01/25(日) 14:10:26 ID:auHOtZMG0
地上の喧騒を他所に、此処は実に平和なものである。
無駄な争いを引き起こす者もいなければ、持ち込む者もいない。
最初は汚水の臭いが少々気になるが、すぐ慣れるから大丈夫。
ここは秋田書店地下数10mの下水道。
世の人は魑魅魍魎が巣食う人外魔境と呼ぶけれど、
なに世界を見渡しても此処ほど平和な場所も無い。
「互いのテリトリーを脅かさない」。
この最低限の暗黙のルールさえ守れば何者も拒まず
全ての存在を受け入れる、安住の地である。
その一角で一人の少年…いや、一匹というべきか?
ともかくその少年が目を覚ました。
節くれだった数本の前足で目を擦り、大きく伸びをすると
傍を流れる水を掬い、こくりと目覚めの一口。
続いてその前足で顔と触覚もスリスリ擦り、清めていく。
そう、彼は少年にして蟲、蟲にして少年。
世に出る事無くこの地下深くで暮らす異形の漫画家。
名を掘骨砕三と言った。
彼が世に出ないのは実力の問題ではない。
一つは余りに強過ぎる自作への拘りの為である。
現行を真っ黒にする位にキッチリと書き込まねば気がすまぬ癖に
モブの一人、背景の草一本に至るまで自分で描かねば済まない、
そうした病的な拘りの為、その為の極端な寡作の為である。
もう一つはその作風の為である。
彼の作風は、まぁ、その、…此処で説明するのも何なのでググれ。
ただし元々18禁の上、かなり人を選ぶので自己責任でお願いする。
415 :
下水GUY:2009/01/25(日) 14:47:32 ID:auHOtZMG0
ともかくこの漫画家は、この地下深くの下水道に住み、
基本的にのんびり過ごしている訳である。
そんな彼の元に、珍しく外からの客が現れた。
目は同心円状に渦巻き、口は耳まで裂ける程吊り上がっている。
髪はボサボサでもみ上げもダイナミックに、伸び放題伸びている。
肉体は全身ガッチリと鍛え上げられ、強い獣臭を漂わせている。
何と言うか人間というより怪物に近い雰囲気の男である。
「おぉい、こっちだよぉ、山本先生。」
前脚を振ってこっちこっち、と掘骨が男を呼び寄せる。
そう、男は山本賢治、秋田書店の外道である。
「…すまねぇな、先生。ちょっと迷っちまってよ。」
申し訳無さそうに頭を掻く山賢に掘骨はいいよいいよ、と脚を振った。
「いいよ先生。ぼくも丁度起きたばかりだから。
…あぁ、そうだ。今日はどうしたの?」
「まぁ、話せばちょっと長くなるんだが…」
それから山賢は彼にこれまでの事をかくかくしかじかと話した。
小学館に喧嘩売って半殺しにされた事、アライブに寄ってツンデレロリを喰った事、
みなもと悠にセクハラして玉を叩かれた事、秋田に帰ったら情報を貰えなかった事…
どれも実に碌でもない事ばかりだが、実際そんな事しかしてないので仕方無い。
ともかくそういった事を素直に洗い浚い話した。
掘骨の出したBM(バイオ・ミート)の燻製を齧りながら長々と話した。
全てを聞き終えると、掘骨は溜息を吐いた。
「ふぇぇ〜。相変わらずだなぁ。」
「面目無ぇよ。で…」
「また小学館に行きたいって?」
「あぁ。」
山賢のその返事に、掘骨は少し表情を曇らせた。
416 :
下水GUY:2009/01/25(日) 15:35:28 ID:auHOtZMG0
「道は知ってるよ。この下水道は地上のどこまでも続いているからね
…でも、やめた方がいいと思うけどなぁ。」
「先生に迷惑は…。」
「そういう問題じゃないよ。」
「なら?」
「これ以上死んで欲しくないもの。君にも、秋田書店の人達にも。」
「そうか。」
「勝ち目はないよ。全然勝負にならないよ。」
「…分かってる。だがよ、」
「でも?何で?」
「小学館の連中には借りがあるんだよ。俺達をバラバラにして
仲間を、健悦を笑いながら嬲り殺しにしたあの連中にはな。」
「先に手を出しちゃったのは君達だって聞いてるよ。」
掘骨の言葉に、山賢は口を噤んだ。
二人とも押し黙って、暫く向き合っていた。
暫くして山賢が立ち上がった。
「…邪魔してすまなかったな、先生。」
「これからどうするの?」
「小学館へ行く。」
「無理だよ。地上は厳重封鎖中、ここも普通に行くとBMとUSBMの餌だよ。」
「行くといったら行くんだよ、俺は。」
そう言うと山賢は背を向けて歩き出した。
思わず掘骨はその背を追いかけていた。
「どうして?行っても死んじゃうだけだよ?」
「死ぬ前に借りは返す。」
「死んじゃったら意味ないじゃない。」
「借りを残したまま生きていても意味は無ぇ。」
幾ら掘骨が説得を試みても、山賢はまるで聞く耳を持たない。
417 :
下水GUY:2009/01/25(日) 16:18:35 ID:auHOtZMG0
「あー!もう!」
全く聞き分けない山賢に痺れを切らし、掘骨が山賢のマントを引っ掴んで止めた。
「何で!何でそこまで!小学館とケンカしたがるの!
どうやっても勝てっこないのに!死んじゃうのに!」
掘骨は珍しく声を荒げ、目を潤ませる。
それに対し、山賢は振り向いて答えた。
「…健悦をよ。」
「…健悦先生?」
「あぁ。健悦を笑いながらボロ屑の血達磨にしたあのアマがのうのうと
小学館の看板張ってるのがどうしても我慢ならなくてな。」
「……。」
「あの時、奴が俺をタイマンで全殺しにした事はムカつくが仕方無ぇ。
俺があの妖怪ババアより弱かっただけだからな。だが健悦は違う。
あいつは俺が負けた時点で部下共々降伏してたんだよ。
それを聞く耳持たねぇで大虐殺だ。盛大に哄笑しながらな。」
「……。」
「どっちが先に手ェ出したとか、秋田と小学館で手打ち済んでるとか
ンな理屈は知った事か。あのアマは死んでもブッ殺す、それだけだ。」
山賢の言葉に、二人とも押し黙った。
二人の間に沈黙が流れた
暫くして掘骨が口を開いた。
「行ったら死ぬよ?」
「ああ。」
「本当に死んじゃうよ?」
「構わねぇよ。」
「…そう。」
ぱっと掘骨が山賢のマントを離した。
418 :
下水GUY:2009/01/25(日) 16:37:18 ID:auHOtZMG0
「…小学館の近くまでの道は教えるよ。メモとかある?」
「…必要無ぇ、覚えるさ。」
「そう。それじゃ、ここをこう行って、ここを曲がって、そこをこうして…」
ぽつりぽつりと、掘骨が小学館への道を説明する。
山賢はそれに時々頷きながら聞いている。
二人の表情はまるで弔辞のそれの様に暗く、重い。
それが終わると、山賢は腰を上げた。
「じゃあな。」
「それじゃ。」
別れの挨拶も手短に、山賢は小学館へ、死地へ向かった。
掘骨は山賢が残したBMの燻製を一口齧った。
登場人数:1(掘骨砕三)
退場人数:▲1(掘骨砕三)
・山賢、小学館へ向かうの巻。
・掘骨先生はヤンチャン烈(一般誌)に隔月連載中。でも時々落とす。
・下水道にBMとUSBMが互いを喰い合ってる一角があるって俺設定。
山賢もカオスヒーロー路線に……と見せかけて盛大に裏切ってくれそうなのが楽しみでならない。
そしてまたもや陰謀の臭いがしてきたわけだが。
降伏した健悦たちを虐殺したってのが真実なら、山賢との戦いの影響で妖怪化してたってことかな
旧でも山賢にボコボコにされる→妖怪化して山賢を殺し、勢いあまって虐殺の流れだったし
421 :
幕間の休憩:2009/01/28(水) 14:47:21 ID:idq2s73v0
大川 エンジェル部隊が壊滅したらいきなり撤退したけど、
どういう事なのよ久米田先生。
久米田 これは、その……赤松先生が極秘に出していた命令らしくて……
私も詳しくは知らないもので……
大川 だぁ、もう。赤松先生は何考えてるのよ。
聞こうにも携帯の電源切ってるみたいだし、今どこにいるのよホント…
怜奈 …ねぇ、河下先生?
河下 何ですか?
怜奈 アンタ達、一度指揮系統見直した方がいいんじゃないの?
現場の赤松先生とこっちのCLAMP先生達の連携、ちぐはぐじゃない。
ヒ ュ ン !
赤松 そうでもないですよ。
怜奈 うわっ!何か来た!
畑 ひゃあ!ち、違いますぅ!
河下 え!?ええ!?
赤松 大袈裟ですね。何もそこまで驚かなくてもいいじゃないですか。
私も講談社の一員なんですから。…あ、お久しぶりです大川先生。
大川 お久しぶりです、赤松先生。…ところで。
赤松 はい。
大川 貴方一体何を考えているの?
赤松 と、言いますと?
大川 率直に言わせてもらえば、貴方の行動が理解出来ないという事よ。
特に今回の小学館襲撃に関しては疑問点が多すぎるわ。
赤松 成程、そういう事ですか。礼を欠いてしまった様で申し訳ありません、
ただどうしても今回の作戦上私もこの手順を踏む必要がありまして…
かくかくしかじか
赤松 …という訳で、今回の撤退はあくまで戦略上の一時的な物。
それにあくまで本命は集英社であり…
大川 …ふむ。それで。
赤松 ええ。ですから…
久米田 …あの、皆様。
畑 あ、師匠。
怜奈 何?
久米田 赤松先生の説明で、大川先生納得しましたか?
大川 …そうでしたか、済みませんね、勝手に余計な勘ぐりしちゃって。
赤松 いいんですよ。こちらの説明不足もありましたし。ええ。
河下 …どうやら。
久米田 そうですか、良かった良かった。
怜奈 …どうだろうね。
赤松 それでは私は再び現場に戻ります。皆様の尽力、期待しています。
大川 ええ、こちらの方は任せてくださいね、赤松先生。
ヒ ュ ン !
畑 ふぅ。本当にあの人、神出鬼没ですよね。
河下 まぁ、あの人原作で何でもアリになってますから。
怜奈 いや、あの人エロコメ畑の人じゃなかったっけ。
河下 毎週ノルマとしてパンツとか乳出してれば異世界魔法バトルばっかり
やっていてもエロコメとしてOKなんですよ。
畑 巨大ロボやクトゥルー出してもHシーンあればエロゲみたいな話ですね。
怜奈 んなもんかな。
大川 うーん、…さて。
畑 大川先生、どちらへ?
大川 赤松先生も戻ったし、戦況も今の所は問題ないみたいだから、
ちょっと一服してくる。久米田先生、少しの間宜しくね。
久米田 お任せを。
コツ コツ コツ
河下 大川先生、行っちゃいましたね。
久米田 ええ。…さて、それではこちらは仕事に戻りましょうか。
畑 そうですね。
コツ コツ コツ
大川 …さて、
スチャッ
大川 …もしもし、もこな?私よ。…ええ、そう。…そちらの情報修正は?
…成程、そう。…なら、椿と寒月の二人も招集かけて頂戴。急いで。
コツ コツ コツ
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:59/60
>毎週ノルマとしてパンツとか乳出してれば異世界魔法バトルばっかり
>やっていてもエロコメとしてOKなんですよ。
言っちゃったよこの人
それぞれ謀がからまっとるな・・・
まあ、伏線っぽいものは見るほうも書くほうも話半分でいきましょうや。
あんまりこだわりすぎると旧版みたくまずいことになりかねないし。
427 :
小ネタ:2009/02/03(火) 12:22:19 ID:0ZqcOvP20
安西 生憎と、兵士が全滅したら撤退しろって言われたんでな。
次は必ず息の根を止めてやるよ。退くぞ、村枝。
長谷川 なっ、待ちやがれ!!!
かがみ おぉ?何かあの安なんとか先生が特撮の人達と一緒に
ベタな捨てゼリフ残していきなり消えちゃったよ。
福本 そうだな。
かがみ んじゃ福本先生、こっちもそろそろ降りよっか。
福本 待て…っ。
かがみ 何で?
福本 小林が…まだ残っている…っ!
かがみ あぁ、あの変態さん。でも敵じゃないんでしょ?
福本 あぁ…。確かに敵では無い…恐らく…悪人でも無い…っ。
だが…っ!
かがみ だが?
福本 考えろ…っ。連中は敵襲に応戦していた…つい先程まで…っ。
敵が去ったとは言え…警戒は…怠らない…っ。臨戦態勢…っ。
そこに…変質者が奇声を上げながら突入してきたら…っ!
かがみ あ、そうか。
15分後、小学館前の女性漫画家の全力攻撃(特に高橋留美子の電撃)を
喰らった小林が、ビルの谷間のどこぞへとほうほうの呈で逃げてったのを
じっくり確認した福本とかがみの二人は、ビルからのんびりと降りたとさ。
ここで矢吹の存在を、少なくともかがみは素で忘れていた事が
吉と出るか凶と出るか、それは今後の展開次第。べん、べべん。
グイーン
福本 ところで…。
かがみ なーにー。
福本 俺は小学館と付き合いがある…。連載も経験した…っ。
だが…っ、お前は根本が…完全に角川の人間だ…っ。
かがみ まぁね。
福本 顔見知りとして…ある程度の口利きはしてやるが…っ
冷や飯食わされる覚悟は…しておけ…っ。
かがみ …んー、多分そんな事もないよ?
福本 根拠の無い楽観論は…空しいだけだ…っ!
かがみ いやいや、小学館ってかサンデー系は売れっ子と美少女系には甘いよ。
その点でいけばアタシは(ある意味)両方OKだし。
福本 売れっ子はともかく…美少女系に甘い…?
かがみ うん。サンデーのエロゲの人やGXの二丁拳銃とか見たら分かるじゃん。
昔からサンデーはオタ系に甘いんだよ。少なくともジャンプよりはね。
…ジャンプはホント厳しいからね。うなーの人とかいちごの人の次回作とか
何でここまでキツイ扱いするのかなってくらい…
福本 ……。
かがみ …そう考えるとサンデーは凄いよ。家でも外でもエロゲ三昧なエロゲ少年が
エロゲ知識でヒロインを攻略する落ち物漫画一押しなんて普通やらないよね。
うん、やっぱり漫研のサンデーは伊達じゃないね。いやーホントね。
あ、何その目…あーそっか。エロゲの何たるかを知らないとエロゲ漫画の話も
分からないね。ゴメンゴメン。よし、じゃあ、このかがみ様がエロゲの何たるかを
一からキッチリとレクチャーしてあげるよ。えへん。では、そもそもエロゲとは…
福本 (この、駄目オタクが…っ。)
・あれはエロゲじゃなくてギャルゲなんて話は聞く耳持たないんで宜しく。あとヒロインは桂馬。
・とはいえ実際そんなに甘いかといったらそうでもない気もする。
>>428 乙!執筆待ってました!
福本はカイジ、かがみは平野綾ボイスで再生されたぜ
>>428 新作キタ━━━(゜∀゜)━━━!!
このコンビ別世界の人間過ぎるけど意外に合うもんだなあ
福本、最初の頃は赤木っぽいイメージだったけど最近はカイジだなw
突っ込み入れやすいからかな?
「ふざけるな‥‥。それにエロゲとは何だっ! だいたい‥‥」
「成人向けゲームだよ。18禁ゲームとも書くね。そもそもパソコン黎明期から……」
「聞いてないっ‥‥! 帰れっ‥‥!!」
かがみは何となくアリスやエルフよりリーフやキーのほうに造詣が深そうなイメージがあったりなかったり。
あと、残念ながら復帰は不可能となりました。最短でも一年は感想すら無理そう。
天野とか鳥山とか放置したまま消えることになってしまい、誠に申し訳ない。
>>431 こちらとしても残念です。くれぐれもお大事に。
気が向いたらスレを覗いてみて下さい。
433 :
作者の都合により名無しです:2009/02/11(水) 10:50:29 ID:0dYvJvMw0
かがみ「あれあれ? 怒らせてもいいの〜? 使うよ、エロゲ。」
福本「いいだろう……使ってみろ、エロゲとやらを……!! それで満足したなら、帰れっ……!!」
かがみ「運がよかったね。今日はHDDの空き容量が足りないみたいだよ。」
福本「もういい……!! もう……喋るなっ……!!」
復帰したときマジでうれしかったのに、引退なんて本当に残念
この人文章うまいから読み応えがあってよかったんだけどな
あと、ついでに聞きたいんだけどかがみが登場したときの次回予告の「文じゃなくて綾」ってどういうこと?
平野は一人、夢を見ていた。
それはあの時と同じ光景だった。
そこで彼は心臓に大穴を空けられ、身動きも儘ならず、
ただぼんやりと空を眺めていた。
傍らでは男が一人、酒を喰らっていた。
その男は静かな、岩のような男だった。
体格的にはさほどの大きさではないものの、
全身に肉の厚みを感じさせる男だった。
頭、首、肩、胸、腹、脚、眼、眉、鼻、唇…
いや、その吐息までも太さを感じさせる男だった。
その男が若干腫れた顔を夜風に晒しながら、
手酌で酒を喰らっていた。
「私の負けか。」
平野がぼそりと呟いた。
「ああ、お前さんの負けだ。」
男は手許の酒を干した。
「醒めない悪夢などない。城も領地も消え果てて、配下の下僕も死に果てた。
彼女の聖餅跡も消えて失せた。彼女はお前さんの物になんぞならない。」
そう言うと男はよっ、と腰を上げた。
「お前さんにはもう何もないのさ。哀れだな、『不死の王(ノー・ライフ・キング)』」
「どうしました?」
馴染みのある声に目を開くと、いつの間に赤松が戻っていた。
確かに少し講談社で用事を済ませたらすぐ戻るといったが、
しかし、それにしても早い。
…一体何だ奴の表情は?何故物珍しそうな顔で俺を見る?
「…何でもない。時間が来たら呼べ。」
そう言って赤松を追い返して気付いた。
両頬が一筋の血で濡れている。
どうやら眼から流れた血、いや、血涙で濡れていたようだ。
「この俺が、夢だと?」
平野は深く眉間に皺を寄せた。
登場人数:0
退場人数:0
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・太い人は太い人だから、銀も杭も何も使わないで殴り殺すと思う。
特に板垣版だと人間扱いされて怒ってたからその位やりかねん。
・元ネタそのまま引っ張った彼女とか聖餅とかどうしよう。
・平野文はラム(うる星やつら)の人でベテラン。平野綾とは別人。
アーカードの能力を持つヒラコーを素手で仕留めるとは、流石だな猫弾きのオッサンw
>彼女とか聖餅とか
まあそのあたりの設定はゆる〜く適当に考えていきましょうか
前にも誰か言ってたけど、あまり拘りすぎるとドツボにハマるし
FF6が元ネタっぽい名前で呼ばれてた三人組で唯一活躍してたあの人ですかい。
餓狼伝は今でも全えなりスレ三指に入る傑作だと信じてる。
あと文についての説明ありがとう。声優ネタだったのか。
言われてみればあの予告うる星やつらだ。
438 :
まとめるゼ。:2009/02/11(水) 17:08:39 ID:NqRlhwTA0
えなり どうも、えなりです。主人公です(本当)。
謎の店長 始めましてだ諸君!私はアニメのモノなら何でも揃う!
某専門店夢ヶ丘店の某店長だ!
えなり …っていうか何ですかこれは!何の関連性もない俺が
何でいきなりこんな事になっているんですか!
謎の店長 落ち着け脇役の少年!
えなり Σ (゚Д゚;)
謎の店長 君に来て貰ったのは他でもない!今日は君が!
登場人物紹介のアシスタントをやるんだ!
えなり 何で!?俺は今みんなと小学館に突入したばかりです!
今ここが主人公の腕の見せ所なんですよ!本当に!
謎の店長 大丈夫だ少年!
えなり 何で!?
謎の店長 君のような脇役がいなくても物語はちゃんと展開する!心配するな!
えなり ガ゙━━ΣΣ(゚Д゚;)━━━ン!!
謎の店長 それでは「新生 えなりの奇妙な冒険」第二部のキャラ現状確認を始めるぞ!
さて!まずは集英社だ!
・荒木飛呂彦…集英社1Fにて久保(講談社)と交戦中。
・皆川亮二……小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・大暮維人……集英社1Fで久保(講談社)と交戦、敗北する。
・冨樫義博……暗躍中。現在、浦沢(小学館)と共に集英社上層部に到着。
・許斐剛………車田(秋田)と交戦、敗北。現在は生と死の間でのんびり。
・鳥山明………車田vs許斐の調査に行き、数刻前、和月に置いて行かれた。
・和月伸宏……集英社に到着。久保(講談社)を奇襲?
・尾田栄一郎…車田集英社襲撃の際に重傷を負う。
・岸本斉史……同上
・本宮ひろ志…集英社上層部で策謀中。
・猿渡哲也……本宮に付き添っている。
・岡本倫………覚醒。星野桂(講談社)を殺害。
・天野明………集英社で講談社勢と交戦中に星野桂(講談社)の死体を発見。
謎の店長 うむ!流石は最大手!人材も13人全員、粒ぞろいだな!
よし!次は講談社だ!
・大川緋芭……荒木(集英社)に敗北、講談社に帰還。策謀中?
・猫井椿………皆川(集英社)に敗北、講談社に帰還。
・もこな…………国会議事堂地下の隠れ家にて待機。時々講談社と通信。
・いがらし寒月…荒木(集英社)に敗北、講談社に帰還。
・赤松健………暗躍中。現在は平野(講談社)の元へ戻った模様。
・光永康則……安西(講談社)を蘇生。現在は研究室から外出中。
・真島ヒロ……集英社襲撃中らしい。
・久米田康治…講談社で現場のバックアップ中。
・畑健次郎……講談社で現場のバックアップ中。
・安西信行……光永(講談社)に蘇生され小学館へ侵攻、撤退する。
・久保帯人……現在集英社1Fで荒木(集英社)と交戦中。敗北?
・川下水希……講談社で現場のバックアップ中。
・矢吹健太朗…集英社襲撃後に偶然えなり一行と合流するも姿を消す。
・藤真拓哉……盗撮癖が判明。
・小林尽………変態仮面。小学館前の女性漫画家達にフルボッコにされ撤退。
・村枝賢一……ZX。安西と共に小学館へ侵攻、撤退する。
・平野耕太……吸血鬼。光永(講談社)に蘇生される。夢を見ていました。
謎の店長 17人!成程、多くの事態で裏から糸を引いているだけの事はある!
えなり あ…あの…。
謎の店長 すまないな少年!話を振る時は振る!だからその時を待っているんだ!
一気に行くぞ!小学館!
・高橋留美子…小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・椎名高志……小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・藤田和日郎…小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・雷句誠………小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・浦沢直樹……策士。現在冨樫(集英社)と共に集英社上層部に到着。
謎の店長 …他の四人を頼むぞ藤田!お前なら!お前なら出来る!
この私がライバルとして認めた男なら出来る筈だ!
えなり あの、先生。
謎の店長 …サイン会の時も!合作の時も!あの時も!
お前は常に全力だった!そんなお前だからこそ…
えなり あの…あの、し
謎の店長 おおっーと少年!今の私は某専門店夢ヶ丘店の某店長だ!
それ以上でもそれ以下でもないぞ!さて、秋田書店!
えなり (…いや、どう考えてもバレバレだろ。)
・車田正美……許斐(集英社)を葬り板垣を回収。その後、島袋と肉を喰う。
・板垣恵介……ヨクサル&三浦と相打ち、安彦(角川)に敗北。その後、島袋と肉を喰う。
・山本賢治……秋田に戻るも情報を得られず、地下から小学館へ向かう。
・佐藤健悦……光原、吉富、高橋(葉)と生と死の狭間にいる。
・青山広美……秋田書店で悪戦苦闘中。山賢に諜報装置を仕込む。
・山根和俊……同上
・岡田芽武……えなり一行に敗北、異次元に飛ばされるも車田に回収される。
・由利聡………えなり一行に敗北。
・余湖裕輝……ヤラレ役化した。
謎の店長 秋田書店は9人!癖の強過ぎるこの連中、どう動くか!
これで四大出版社は終了!その他に移る!まずは主人公一行!
えなり そう!主人公一行!
謎の店長 福本伸行&美水かがみとその仲間達だ!
えなり 違えェェェェェェ!!
・福本伸行……小学館近辺のビル屋上に待機、戦闘終了後小学館へ向かう。
・美水かがみ…同上
・福地翼………小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・えばら渋子…小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・千道万里……小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・田辺イエロウ…小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・東まゆみ……小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・えなり………同上。
謎の店長 主人公達の合流により、どう動くかこの戦局!どうなる小学館!!
小学館からますます目の離せない事態だ!計8人!
えなり 何で俺が一番最後でしかも同上なんだコラァァァァァ!!
謎の店長 最後にその他だ!
・武内直子……昏睡中。
・えなり玲奈…講談社地下でほのぼのしてる。
・安彦良和……小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・長谷川裕一…小学館前にて講談社勢と交戦、撃退する。
・高橋葉介……生と死の間の住人。
・光原伸………生と死の間の住人。
・吉富昭二……生と死の間の住人。
謎の店長 その他が7人!合計13+17+5+9+8+7=59人!
今回は間違い無いぞ!では少年!さらば!
えなり チクショォォォォ!何なんだアンタはコラァァァァァ!!
退場者 15人
・ヤマグチノボル…パンツじゃないから恥ずかしくない人でもある。山賢に喰われた。
・竹本泉…………長谷川を異世界から召還。今は普通に仕事中。
・高橋ヒロシ、西条真二………秋田から小学館に移籍して、滅茶苦茶して逃亡。
・島袋光年・…板垣&車田と美味い肉を喰った。
・さいふうめい、星野泰視……福本、えなりと麻雀後、藤真(講談社)に殺される。
・柴田ヨクサル、三浦健太郎・…板垣と相打ち
・星野桂…………集英社を襲撃するも岡本倫に殺害される。
・みなもと悠………山賢とラブコメして原稿描く為に退場。
・瀬尾公冶、寺嶋裕二、篠原知宏…平野(講談社)復活の贄にされる。
・ほりほねさいぞう…山賢に小学館への道を教える。
・謎の店長………好き勝手やって帰った。
まとめ乙です!!
やっぱこうして見ると小学館は人数少ないな
リアルだと雷句先生がとんでもない事言っちゃってたし……
えなり、今は耐えるんだ
書けたらお前にも出番あげるから
あれ、えなりとえなり姉って60人制限にカウントされるの?
この2人は漫画家じゃないし、スレ的に最早必須キャラだから、人数制限から除外していいのではないか
そういや……どうなってんだっけ?
最初の方はカウントしていなかったような気もするしなぁ
このスレのテンプレでは60人のうちに入れてたな。
確かに立ち位置が特殊だし例外条項でもいいとは思うが。
ところで、いい感じの人物紹介もあったところでお気に入りの登場人物とか書き散らしてほしいというかなんというか。
俺は現実のほうで思い入れがあるのもあって留美子さんを応援中。今度こそ頼れるお姉さんになってほしい。
自分は福地と東を推すかな。
旧版から、特に福地はもっとなんか書けるんじゃないかって思っててさ。
俺はやっぱりかがみだな。
正直元ネタのことは何一つ知らないが、初登場以来一貫したボケっぷりが気に入った。
原作買ってみようかな……。
皆川と車田。
何やってもOKそうな、好き勝手に暴れさせるのが楽しいキャラと、
どうしても自分で動かせない、先行きを見守るのが楽しいキャラ、
対照的だがこの2人、それぞれ楽しいね。
…いや、原作読んでない訳じゃないよ?アニメも見たよ?
あとネギま読んだら唐突に能力がチート級になってたまげる。
旧版のdatを電子の海から発掘してアップロードしてみたものの、24部だけ見つからない。
申し訳ないが、誰かお持ちの方ご協力いただけないでしょうか。
突如荒木の背後で、ズン、と何かが落ちてきたような強い衝撃を感じた。
一階の天井から物が落ちたにしてはあまりに強過ぎる衝撃だ。
天井を破るような物音もなく、突如生じたこの衝撃、何事だろうか。
そう思い、大暮の治療を中断して荒木が背後に振り向くと、
…久保が地に伏し、その背からは噴水のように血が噴出していた。
傍にはその止め処なく流れる血で手を、脚を、真っ白なコートを汚す異形がいた。
帽子を目深に被り、ケープで顔を覆い、目だけを爛々と光らせたその異形へと
思わず荒木は叫んでいた。
「和月君!!」
新生 えなりの奇妙な冒険 第二部 「荒木飛呂彦 絶望編」
「…お久しぶりです、荒木先生。」
そう言うと和月は荒木へと歩み寄ってきた。
「久保の反応が急激に強くなるのを見て、上層部から駆けつけました。
それにしても先生らしくもない。決着も付かない内にあれ程の隙を…」
「和月君ッ!!」
荒木の再度の叫びに、和月は口を噤んだ。
和月が荒木の様子を伺うと、その叫び声以上に強い怒りが見て取れる。
「何て事をしてくれるッ!」
「何って…先生が隙を見せた所に…久保が…その…襲撃を…
…だから…久保の戦闘能力を…。」
和月がそれを言い終わる前に、荒木は彼の胸倉を掴んだ。
「状況判断出来ないのかッ!敵と見れば即座にブッ殺すしか能が無いのかッ!
和月ィーッ!それでは脳ミソがクソで詰まった秋田の下種連中と同類だッ!」
「…せ、先生?」
「その忍者刀と襲撃方法から予想するにッ!今の君の能力は『シークレットトレイル』!
物体透過を可能とするッ!暗殺にうってつけの能力ッ!選択は正解だッ!だがッ!」
「…だが?」
荒木は和月を掴む手に更に力を込めた。
「久保に手を出す必要は無かったんだッ!!」
荒木のその叫びは集英社の1階全域に、
…そして上層部の一室に響き渡った。
「ほぉ。」
スピーカーから響くその叫びに、本宮は目を細めた。
登場人数:0
退場人数:0
現在の人数:59/60
・和月経由で盗聴してるとでも考えて頂戴。
なんかヤバい予感がぷんぷんするヨ。
荒木も和月も結構頭に血が上るタイプだし、大暮の仲裁に期待………もっと無理か。
何か荒木と本宮率いる集英社派閥が対立しそうな悪寒
こっちの本宮は旧版の豪放磊落さとうってかわって老獪というか一癖も二癖もありそうな黒幕オーラを放っている感じ
鳳凰の羽ばたきとでも呼ぶべき痛烈な一撃に身を焼かれた尾田は
成す術もなくかつての師であり盟友が仲間を蹂躙するのを見ていた。
岸本を手も触れずに問答無用で異次元へ吹き飛ばし、
村田の超高速走(ラン)を光速雷迅の一撃で打ち砕き、
稲垣の無数の策を右腕の手刀一閃で斬って落とし、
澤井の奇怪で不条理な必殺技も問答無用で踏み潰し、
許斐の一撃を指一本で止め…
そこから何があったかは全く覚えていない。
何か凄まじい衝撃を受けた気はするがそれが何かは分からない。
ただ気が付くと樹の下にいた。
サバンナの真ん中で根を張り、枝を伸ばし、葉を茂らせる
奇妙なこの大樹の下に尾田は横になっていた。
起き上がり周囲を見渡せど広がるのは360°サバンナの草原。
集英社、小学館など出版社で犇く神保町ではどう考えてもない。
オレは車田にここまで飛ばされたのか?それとも…
「気が付いたか。」
尾田が考え事をしていると、何処からか男が声をかけてきた。
つい先程周囲を見渡しても何もいなかったこの草原に人が?
そう思い改めて周囲を見回すと、背後の樹の傍に男が佇んでいた。
「尾田先生だな。」
袖を破った空手胴着に身を包む、いわゆる格闘家らしい
その男はどこか「風」を感じさせる男だった。
左胸に心臓でも打ち抜かれたような大きな傷跡がある。
過去、余程の戦いを経験したのだろう。
「ああ。…オマエは?」
「風来坊さ。」
尾田の問いに、男はさらりと答えた。
「風来坊?」
規制か?
それともリアルタイム更新?
「ああ。ストリートファイター、破壊魔、ドリームバスター…色々な呼び名はあったが
基本的に俺は一箇所に根を張らず、世界を放浪して回っていたものでね。」
「そうか…どこかの凄ぇ格闘家と思ったけどな。」
尾田のその言葉に男は、ふっと軽い笑みを浮かべた。
「そうでもないさ。…それはそうと、君が先程うわ言で繰り返していた
『くるまだ』というのは、あの車田先生の事か?」
「 !! 」
男のそれを聞いた途端、尾田の表情が急速に険しくなった。
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・一回で収まりきらなかったのでつづく。
・今読んでもジュウベイ面白いけどなぁ。
確
か
み
て
み
ろ
!
いや、実物を見たことがあるわけじゃないけど、それでも凄まじいインパクトだった。
漫画自体はストリートファイターも破壊魔も好きだけど。
そして消えたと思ってた尾田キター
ここから本筋に絡めるまで復活したら純粋に凄いと思う。
あと、いまいち主人公らしくないえなり(仮)だが、
彼の能力は実力派漫画家をなぜか惹き付けるある種のカリスマ性なんだよ! という電波を受信したりしないでもない。
まあよくあるパターンなんだけど。
その異変に気付いたのは大暮だった。
荒木と和月の陰に隠れてその姿の全ては見えないが
久保の背から流れる血の量が急激に減っている。
…確かに普通の人間は椿三十郎のように血飛沫を噴出さねぇ。
あれはあくまで誇張表現、先程のアレもそれと同じだ。
だが、背中をザックリ叩き斬られた人間がその流血を
瞬時に止める事もまた無い、と言うよりあり得ねぇ。
あのバカ野郎は実は胸に七つの傷がある某拳法伝承者…ンな訳ねぇな。
奴の名を言ってみろ?久保だよ。…こんな時に何やってる、バカか俺は。
ともかく奴は怒りや筋力や気合で背中の流血を抑えられるタイプじゃねぇ。
一体何が?
その時、大暮は微かな冷気を感じた。
激高する荒木やそれに少しうろたえる和月には感じ取れないほど
僅かな冷気である、しかし大暮はそれを確かに感じ取った。
それにとてつもなく不穏な物を感じた大暮は再度、久保へと目を向けた。
大暮は見た。
伏せた久保の顔に、何やら「面」らしき物がいつの間に被さっている。
「〜〜〜〜ッッ!!」
大暮は声を上げようとした。
遅かった。
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460 :
久保の心情1:2009/03/06(金) 00:16:06 ID:bGB+B7arO
久保には超強力な切り札が存在していた。
もちろん切り札と言うからには普段から容易に使ったりはしない。
けれど、それほどの能力ならば平常から使えば良いではないかと、普通に考えれば誰でもそう思うだろう。
もちろん、久保自身も常にこの能力を使えるのなら、使っているだろう。
そうでなければ大暮相手に苦戦を強いられることも無かっただろう。
つまり、この能力には何らかのリスクが存在するのだ。
この久保の切り札となる能力を《虚化》と呼ぶ。
死神化したその身をさらに、《虚》でも最高レベルとされる《破面》に近づけることで、莫大な霊力を得るのだ。
その代償に、タイムリミット(久保の場合11秒)を過ぎると、体内にある霊力がからっぽになってしまうのだ。
けれど、胸に致死的なダメージを負った今、久保には選択肢が無かった。
《虚化》するしかないのか。久保は自問する。
荒木は、自分を信じてくれた。
大暮は荒木の説得で攻撃を中断していた。
この二人には嘘や偽りが感じられなかった。
久保は考える。
つまり、この状況は不意をついて攻撃を仕掛けてきた和月の独断によるもの。
久保は考える。
和月さえ倒せば……。
461 :
久保の心情2:2009/03/06(金) 00:30:30 ID:bGB+B7arO
久保は考える。
しかし自分に、秘天御剣流史上最高の使い手とされる神速の和月を倒せるのか。
しかし、もう時間は無かった。
もう一度荒木と話をする為にも、そして自分の信念の為にもこんなところで倒れる訳にはいかない。
そうだ。こんなところでくたばる訳にはいかないのだ。
久保はそこまで考え、和月を倒す決意を固めた。
久保が右手を左頭部にやり、そのまま虚空を掻く。
すると、久保の顔には、どこか鬼を思わせる白い面が被さっていた。
この面は、久保の誇りと、信念と決意の証でもあったのだ。
───11秒開始。
いくぜ!和月!
ドンッッッッッ!!!
なんという王道展開。
く、久保応援しちゃっていいんかな・・・w
なんつーか、上のほうの留美子の台詞じゃないけど誤解が誤解を生んで鬱展開まっしぐらになりそうで怖いんですけど。
さすが赤松発案の作戦だ、予想外のことが起こりまくってもなんともないぜ。
464 :
作者の都合により名無しです:2009/03/06(金) 19:52:08 ID:e/BgjNVsO
なん…だと…「ペニス一郎」
465 :
1/11:2009/03/07(土) 23:22:02 ID:rZHp7pu80
大暮に遅れる事コンマ数秒、荒木も久保の異変に気付く。
僅かコンマ数秒、されどこの遅れは致命的。
それまで地に伏していた筈の久保は間近で白刃を躍らせている。
髑髏を模した面を被り、黒い衣を靡かせたその姿はまさに死神。
その面の奥から覗く瞳は闇の様に黒く暗く、虚ろ。
荒木は考える。
和月君はまだ、久保君に気付いていない。
彼に背を向け、僕の相手をしていたからだ。
荒木は考える
そして
「WRYYYY!!」
荒木は咄嗟にそれまで掴んでいた和月のコートの襟を離すと
「ゴールド・エクスペリエンス」で思いきり和月を殴り飛ばした。
その瞬間、荒木の左肩から右脇腹へと鋭く赤い線が奔り抜け、
…荒木の左手が落ちた。
一秒経過。
・
>>460-461、グッドだよ。予想外の動きはイジリがいあるわ。
・タイトルはあくまで11秒の中の1秒ってだけの意味。
・今川監督には鉄人やマジンガーやるよりも真ゲッターというか
石川賢作品にリベンジして欲しかった。ぎゃん。
一気に動き出したなあ。
このまま和解でハッピーエンドとか思ってた俺が甘かったよ。
関係ないがうる星のファンブックで留美子さんがチャイナ好きということを知って以来
彼女のイメージが絶チルの不二子さんで固定されてしまってどうしよう。
なんか福地先生も復活するみたいだな
超サンデーの方で『タッコク』を連載するってブログに載ってた
そういや、そのブログの2007年9月あたりの本棚の写真みるとさ
明らかにジョジョにしか見えない本が並んでるんだけどさ
うえき自体、能力バトル系漫画だったし。
処女作の読み切りは、もっとジョジョっぽかったらしい。
469 :
2/11:2009/03/10(火) 11:54:29 ID:VUNJvhSA0
左手を落とされた荒木は小さな呻きを上げて膝を付いた。
先の一秒で殴り飛ばされた和月はまだ宙を舞っている。
そして久保は眼前の光景に凍り付いていた。
違う。
俺が斬ろうとしていたのは和月だ。
荒木じゃない。
荒木…先生じゃない。
俺はどうすれば?
…そうだ、まず先生の傷を治さないと。
俺はあの人ともう一度話をしなければいけない。
あの人は俺を信じて攻撃を止め俺の傷を癒し
「〜〜ッッ!クソだらぁああ!」
大暮の声が聞こえる。
おい、右脚はまだ完全には治ってないだろ。
無理するなよ、継ぎ目から血、出てるぞ。
…そうか、左脚だけでもこ
次の瞬間、大暮は久保に倒れこむようにしがみ付き、
そのまま縺れる様に押し倒し、馬乗りになった。
「久保!!」
大暮は久保の名を叫ぶと、上から滅茶苦茶に殴りつけた。
右脚の異常と怒りの余り、技術の欠片もない不良の喧嘩のような
大降りで不細工な、かつ手打ちになってしまっている大暮の拳を
しかし、久保はただ瞬きもせずに数発受けた。
二秒経過。
470 :
おまけ:2009/03/10(火) 13:57:20 ID:VUNJvhSA0
福本 さて、到着だ…。
かがみ はーい。おぉー!凄いねこりゃ。
福本 そうだな…。角川の重鎮…薔薇乙女…小学館の主力が
一堂に会する機会は…そうないからな…。
かがみ ねぇ先生、先行っていい?
福本 ああ…行け…。
かがみ ありがとー先生!行って来るよ!…おーい!安彦せんせー!!
福本 やれやれ…。
かがみ おーい!えなりーん!東っちー!留美子せんせー!みんなー!
椎名 !!
留美子 …何アレ?
長谷川 …こんな危険地帯に少女が?…安彦先生!!
安彦 落ち着け、長谷川君。あれは漫画家だ。
そうだろう、えなり君?
えなり あ、はい。えーとあの人は美水かがみ、漫画家です。
俺達と一旦別行動をとる事にしてたんですが…
長谷川 事情は分かった!だがここは危険地帯、少女の一人歩きは…
安彦 長谷川君。
長谷川 ハイッ!
安彦 あれは男だ。
長谷川 !!
えなり えーと、しかも人としてダメっぽい位の美少女オタです。
長谷川 …そうか。
留美子 で、どう…って貴方もどうしたのよ、椎名君。
椎名 あ。いや…。
留美子 ならいいけど。
椎名 は、はい。
(…言って欲しい!あの声でただの漫画家には興味はないとか
椎名!○○するわよ!とかこのバカ椎名とか何とか…!!)
グダグダのまま おわり
和月のバカヤローってか本宮のバカヤロー
せっかくいい感じで終わりそうだったのがまた泥沼だよ。
OK,ここに鬱モード突入した天野が乱入して更にカオスに
* *
* + うそです
n ∧_∧ n
+ (ヨ(* ´∀`)E)
Y Y *
いや半分ぐらい本気だけど。
そしてとうとう長谷川と椎名が美水と出会ってしまったか。
ところで、登場時の台詞から考えて旧版の光原みたくスレ内では女ってことになってるんだと思ってたんだけど。
かがみ女だったの?見落としていた。直すなら直すよ。
>>472 ごめんなさい!久保の心情を書いたん俺だ!
何だか、こんな感じかなぁ?なんて考えてしまって
ごめんね!
現実のかがみは男だと
まー、かがみのキャラってまんまこなただから男でも女でも大して変わらんけどなw
・とりあえず登場話(
>>134-141)を見る限り、桃種には完全に女扱いされてるし、本人もそれを肯定するような発言をしているっぽい。
さらに地の文も「少女」ってなってる。
・だがWikiのほうは最初から「実は男」のままで変わってない。
・それ以後の本編では性別に関する描写は見られない。
最初に出した人は女のつもりだったっぽいけど、確定はしてないってとこか。
次に書く人が決めちゃっていいんじゃないかな?
個人的にはスレ内限定で完全女に賛成だけど。
強力なショタが二人もいるんだしロリももう少し増員してほしいなどと供述しており、詳しい動機は不明。
>>474 美水じゃなく柊のキャラがこなたになったのが一瞬頭に浮かんじまったじゃねーかw
あ、俺も女に賛成っス。
最終的には書く人の好み次第だけど。
前回のあらすじ
「ただの漫画家には興味ありません。この中に宇宙人、未来人、
超能力者がいたらあたしのところに来なさい。以上。」
合流早々ぶっ飛んだ挨拶をかましてくれた美水かがみ。
そんなSF小説じゃあるまいし…と誰も思うよな。俺も思ったよ。
だけどかがみは(ry
留美子 椎名君?
椎名 スミマセン。
留美子 …まぁいいわ、それじゃ本編始めるわね。
椎名 ハイ。
留美子 まぁ、私たち出番ないんだけどね。
地下深い下水道を一人の男がざぶざぶと歩いている。
日も射さぬ暗闇の中で、その男の目だけがらんらんと光っている。
普段は魑魅魍魎が跋扈する此処も、今は男以外姿を見せない。
まぁ、それも無理はない。
全身から血と暴力の匂いを漂わせた男が、殺る気満々の表情で
脇目も振らず歩いてくるならば、どんな命知らずの馬鹿でも逃げる。
男の名は山本賢治、秋田書店の殺人狂である。
しばらくして山本が歩みを止めた。
ほりほねから教わった道をどれ程歩いたにせよ、まだ小学館までは結構な、
相手から手を出されない程度には距離が残っている筈だが、
突如、喉元に刃を突きつけられるような強いプレッシャーを感じたのだ。
「威嚇…いや、警告か。」
山本は思わず独りでに呟くと、ギッと歯を噛んだ。
少しでも気を抜けば脚が退がり、一歩でも退けば二度と戻れなくなる。
山本は脚に力を込めた。
保守。最近書く時間が取れん。
479 :
3/11:2009/04/08(水) 21:37:04 ID:hCcbqN0P0
荒木が人間を超越した者のみが上げる、独特の叫びを上げてから数秒、
宙を舞っていた和月は頬が激しく擦れる感触で意識を取り戻した。
頬に触れるそれを指で触ると、それは硬く冷たく何処までも広がっているらしい。
もしや、と思い身を捩り仰向けになると、不意に幾つもの光が飛び込んできた。
思わず和月は目を顰め、そして過去幾度も経験した同類の事象と照らし合わせ
自分の現状をすっかり理解した。
要は誰かに思いっ切りブン殴られ、吹っ飛んでる間、気を失っていたって訳だ。
こういう時、次に何をするべきかは…そう、分かっている。
和月はすぐ間近に敵の気配が無い事を曖昧ではあるが確認すると
防御の姿勢を取りつつ、コートを翻し跳ね起きた。
「ぐぅ…っ!」
瞬間、顔に鋭い痛みが走り、思わず呻きが漏れる。
加えて手足はまるで無数の蟻が這うように痺れ、意識はまだ朦朧としている。
しかし和月はその不調を押し殺し、周囲の状況をざっと確認した。
自分から少し離れた所に自分の帽子が転がり、
そこから更に少し先で荒木先生が夥しい血を流し、左手を抑えて蹲っている。
そしてその近くでは…仮面の男がチンピラに馬乗りでボコ殴りにされている。
チンピラ…いや、アレはたしかウルジャンの大暮とかいうヤンキー野郎か。
仮面の男は血塗れの日本刀を持っていて、センスの悪い髪の色と着物で…
…久保!!
和月が状況を完全に把握したその瞬間、久保と和月の目が合った。
その不気味な仮面の奥に潜む久保の目に、和月は酷く嫌な物を感じた。
上手く説明出来ないが、何か取り返しの付かぬ事を起こしそうな、
そんな黒々とした、不吉な何かが渦巻いているように感じられたのだ。
咄嗟に彼は自分の忍者刀の武装錬金を解除し背から別の得物を取り出した。
鬼神丸国重。
幾多の戦いを経て尚その殺傷力を失わない刀である。
幕末期より幾千人もの血を吸い続けてきた業物である。
業深い、忌まわしい、人殺しの道具である。
過去、「人斬り」としての自分が孫六兼元と共に用いていたそれを再び抜く事、
それは是非も慈悲も無く、只「人斬り」としての役目を果たせという事である。
「お前さんのその…能力でケリが付くに越した事は無ぇさ。俺もその方がいい。
だが今回は何か妙な予感がしてな。秋田の馬鹿連中のハネッ返りの裏で
本気でヤバい何かが動いてるような、そんな感じがするんだよ。」
本宮の言葉が脳裏に浮かぶ。
「今の平和ってのは一ツ橋だけじゃねぇ、色々な所の連中の犠牲の上にある。
それをまたすぐブッ壊されたんじゃ堪らねぇ…無茶な頼みとは思ってるが…。」
本宮の苦渋に満ちた表情が脳裏に浮かぶ。
今まで失って来た中間達の顔が浮かぶ。
今まで斬り捨てて来た者達の顔が浮かぶ。
中間達や敵の亡骸で埋まった道がどこまでも続いていくのが見える。
再び和月と久保の目が合った。
その瞬間、虚ろだった久保の目に光が戻り、
まるで朝、布団をのけて寝床から起き上がるように
大暮を造作も無く跳ね除けて久保が起き上がった。
和月は鞘を払い、まるで弓を絞るような奇妙な構えで刀を構えると
深く腰を落とした。
三秒経過
いまさらだが、本宮が物凄く黒幕にみえるなw
ほしゅ☆
続き、書きたいな。
…時間欲しいなァ
和月が奇妙な構えを取り、腰を落とした瞬間、
荒木の顔が青褪めた。
和月君の抜いた刀は「逆刃」ではなく「真剣」。
その構えは所謂「牙突」。
そこから導かれる答えは「悪・即・断」。
駆け引きは無く、突貫に絞った超攻撃型スタイルで
「悪」、即ち標的を瞬く間に「断つ」という事だ。
…躊躇いも容赦も無いという事か。
自分のスタンドで思うように傷が治らないのに焦れながら
荒木は更に思考を巡らせる。
久保君の方はあの仮面を被ってから何かがおかしい。
あの仮面と着物のコーディネートが変とかそういうレベルじゃなく
仮面の奥に光る眼にこれまでとは違う、何か嫌な物を感じる。
感情の暴走か、それとも何か。
ともかく満身創痍とはえ、あの大暮君を造作も無く撥ね退ける力が
今の彼に伴っているのは非常に危険だ。
何とかしなければ、僕が何とか…
荒木が思考を巡らせるその時、地が大きく揺らいだ。
隕石か何かが近くに落ちたような衝撃が床に走った。
荒木はこの衝撃に覚えがあった。
「和月ッ!」
荒木は思わず声を上げた。
四秒経過
484 :
おまけ:2009/04/26(日) 12:24:45 ID:a8LQpqa80
かがみ うーん、小学館の人勢揃いかぁ…凄いねー。ふー、夢みたいだよ。
留美子先生に藤田先生にって事は…あー、椎名先生いたー。
あー、どーもー美水かがみですー(cv:平野綾)。
椎名 あ、どうも、椎名です。
かがみ いやー、毎週見てましたよ絶チル。イイですねーツンデレロリって。
椎名 あ、ありがとうございます!ええ、ロリ大好きですから!
留美子 …椎名君?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 中 略 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
かがみ あー、ごめんなさーい。あの台詞とかあの台詞とかお金も貰わないで
勝手に口にしちゃダメって口煩く会社から言われてるんですよー。
椎名 …そうですか。
かがみ まー、そんな気を落とさないでね?先生の作品のツンデレ台詞なら
機会があったらやってあげるからさ。ね?
藤田 …2人とも何馬鹿やってるんだ。
椎名 あ!…あぁ、悪い。
かがみ あ、藤田先生。始めましてー美水かがみですー。よろしくー。
…んじゃアタシはこの辺で。
留美子 …やれやれね。
安彦 まぁ、あのタイプの人間が一人位いるのも悪くは無い物だ。
…ところで留美子君。
留美子 はい。
安彦 あずま先生を知らないか?最近姿を晦ましているのだが。
留美子 吾妻先生?
安彦 いや、あずまきよひこ先生だ。
留美子 …すみません、ちょっとウチでは。
安彦 なら見かけたら教えて欲しい。彼がいないと電撃が潰れかねないのでな。
留美子 分かりました。
安彦 (…彼女は上層部から今回の件についてほぼ何も知らされていないようだ。
成程、高橋留美子は今尚、アイドルという事か。ならば…)
くっそ〜、時間はあるのに筆が進まん!!
どうしよう……
何人くらいで回してるのかな、ここ…
ごく少数なのは確か。人が増えればもう少し活気も出るんだろうけど。
書いたことあるけど、軸になる書き手の足を引っ張らないか
心配でそれきり書いてないぜ
489 :
作者の都合により名無しです:2009/05/04(月) 12:44:46 ID:L7xTLm3oO
別にそんな身構える事も無いと思うけどねぇ。
懐かしいなあこのスレ
491 :
幕間:2009/05/05(火) 20:36:28 ID:Jue/9ZzN0
安彦 (成程、高橋留美子は今尚、アイドルと言う事か。
ならばその甘さも頷ける。だが…)
福本 …そろそろいいかな、安彦先生。俺達は…小学館の連中の
親睦会に参加する為に…来た訳ではないのでな。
安彦 福本君か。久々だな。
えなり …そ
千道 その通りよ、安彦先生!
えばら 私達には目的があるのだわ!
東 こんな所で足止めを食う訳には行かないんです!
えなり …あの。
安彦 そうした事情があったのか。…美水?
かがみ んー、まー東っちはともかくえばらんと千道っちは集英社行くっぽいよ。
安彦 成程。
えなり ………。
安彦 少しいいかな、福本君。
福本 …何かな、先生。
安彦 あの3人の事だが。
服本 ククク…!
安彦 どうした?
福本 ククク…いや、失礼。まぁ…仕方無いのさ。三人共…今まで放置された…。
4ヶ月…!4ヶ月間の長期に亘ってだっ…!アンタにも…分かるだろう…?
その分…出番に餓えているんだよ…あの…お嬢ちゃん達はな…!
安彦 悪いが、あのお嬢さん達が無闇に必死な理由は聞いていない。
福本 ……!!
安彦 私の知りたいのは君達と小学館連中がこれからどう動くか
…というより君がどう彼等を動かそうとしているか、だな。
福本 …安彦。
安彦 君の事は買っているのだよ、私は。
隕石か何かが近くに落ちたような衝撃を地面に感じた荒木は
思わず和月の名を叫び、その方へ向き直った。
…そこには既に何も無かった。
ただ彼の立っていた辺りに小型のクレーターを思わせる破壊痕と
そこから床を放射線状に広がる亀裂のみが残されていた。
もしや、と思い久保の方を見るも、そこにも既に何も無い。
少し離れた所で大暮が呆然としているだけである。
荒木は傷の痛みを堪えて、大暮の元へと駆け寄った。
所変わってこちらは集英社上層部。
先程発生した衝撃を本宮、猿渡、浦沢、冨樫の四人も感じていた。
「和月か。」
本宮がぼそりと漏らす、それに浦沢が怪訝そうな反応を示した。
「先程の色物が?」
それを聞いた本宮は浦沢へ首を向けた。
「…先生よ、変なお面被ったお前さんがンな事言う事ぁ無ぇだろ。」
まぁ、それはそうと今の衝撃は間違いなく奴さ。だろ?」
そう言うと本宮は猿渡の方へと首を向けた。
「はい。この衝撃は間違いなく和月先生の物、秘天御剣流です。」
表情を変えずに猿渡は答えた。
それを聞いて本宮は再び浦沢へ首を向けた。
「まぁ、そんな訳だ。」
さて、舞台は再び集英社一階に戻る。
何を尋ねても茫然自失とした様子で反応の無い大暮を
荒木はスタンドで一発ブン殴ってから先の事を尋ねた。
それに対して大暮は、無言で遠くの壁を指差した。
そこにはぽっかりと大きな穴が開いていた。
五秒経過
493 :
作者の都合により名無しです:
ペニス一郎「5秒ー、後手ー大暮三段ー」