新生 えなりの冒険実録

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189死後第2節
前回のあらすじ
犬に食われてたサトケンが目を覚ましたらそこはやたら電柱が立ち並ぶ生と死の間だった。
あとちょっと動くだけでパンチラ放題なメイド服姿になっていた。

光原(熟女)、吉富(少女)、ヨースケ先生(紳士)から話を聞いて分かった事は

・生と死の世界は非可逆的でかつ完全に断絶しているらしい。
・ツレビトは生と死の間にいて死者が来たら手を引き死の世界の門へ連れて行く存在。
・ツレビトでいる間はここ、生と死の間に留まり生の世界を眺める事はできる。
・死人が生と死の間に長い間留まっているとバケビトと呼ばれる自分が何者かも忘れた
 生と死の間を彷徨うだけの存在になってしまう。
・もしツレビトになっても一定期間死者を連れて行かなければバケビトになってしまう。

どうしても生の世界に未練があるのならツレビトになれ、とヨースケ先生は言ってくれた。
…正直そのまま死んでもツレビトになっても碌な事にならないのは気のせいか。

と、その時また目の前の風景が大きく変化した。今回はごく普通の寄宿舎の一室らしい。
隅のベットの傍ではつるぺたロリでピンク色の長髪が特徴的な女の子が全身包帯グルグル巻きの
目付きがヤバいモミアゲ男にツンデレな台詞と何らかの呪文を口にしながら接吻しようとしている。

「これは‥‥」
「今からここで人が死ぬ‥‥大勢‥‥」
「‥‥っていうか逃げてそこの女の子!」

遅かった。彼女の唇が男に触れる前に、男は彼女の細い体に手加減無しのボディーブローを叩き込む。
その勢いで床に倒れこみ激痛に悶える彼女を尻目に、男は仰々しい怪物が描かれたカードを差し出す。
「デス・レックス!」ヤバい目付きを更にヤバくして男が叫ぶと、カードから2本の骸骨の腕が伸びる。
その2本の骸骨の腕は男の胸に深々と突き刺さり、男の胸を出血も無く大きくムリムリと抉じ開ける。
その抉じ開けられた胸からは竜を思わせる程に大きな口が飛び出し、彼女を一息に喰らってしまった。

「やはり青い果実は丸ごとに限るな」
                                                            つづく