【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
空間内を飛び回っている「婢妖」を殺しすぎると、
ゲームの妨害とみなされてペナルティの可能性あり(苦痛or死などの)
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは白面から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。
「地図」 → 沖木島の地図。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
「名簿」→全ての参加キャラの名前が載っている。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが一つ入っている。内容はランダム。
※「ランダムアイテム」は作者が「エントリー作品中のアイテム」と「現実の日常品」の中から自由に選んでください。
必ずしもデイパックに入るサイズである必要はありません。
また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
【「婢妖」と禁止エリアについて】
ゲーム開始前からプレイヤーの体内には、白面の操る低級妖「婢妖」が憑り付いている。
この婢妖は白面の意思で宿主の体内で暴れ出し、宿主に激しい苦痛と死を与える。
24時間死者が出ない場合は白面により全ての婢妖が暴れ出し、全員が死ぬ。
この婢妖は宿主が死ぬと宿主の体から抜け出し、白面へと宿主の死を伝える役割を持つ。
婢妖は宿主の心臓のすぐ近くに寄生しており、無理矢理取り出そうとすると高い確率で死に至る。
一部の参加者は脳に婢妖が憑り付いており、多少記憶の操作がされている。
また、婢妖は空間内を多数巡回しており、参加者の監視・状況の報告などを行っている。
【放送について】
放送は6時間ごとに行われる。放送は体内に取り付いた婢妖を通じて、脳に直接響く
放送内容は「禁止エリアの場所と指定される時間」「過去6時間に死んだキャラ名」「残りの人数」
「白面の気まぐれなお話」等となっている。
参加者一覧
YAIBA:○鉄刃/○峰さやか/○鬼丸猛/○宮本武蔵
名探偵コナン:●江戸川コナン/◎毛利蘭/○毛利小五郎/○灰原哀
うしおととら:○蒼月潮/○とら/○秋葉流/○紅煉
からくりサーカス:○加藤鳴海/○エレオノール/○パンタローネ/○阿紫花英良
烈火の炎:○花菱烈火/○霧沢風子/○門都/○紅麗
犬夜叉:○犬夜叉/○日暮かごめ ○殺生丸 ○神楽
GS美神:○美神令子/◎横島忠夫/◎ドクターカオス/○メドーサ
金色のガッシュ:○高峰清麿/○シェリー・ベルモンド/○パルコ・フォルゴレ/○ココ
機動警察パトレイバー:○泉野明/◎太田功/○後藤喜一/○内海
スプリガン:○ボーマン教官/○染井芳乃/○御神苗優/○トニー・ベネット
焼きたて!ジャぱん:○東和馬/●諏訪原戒 ○ピエロ・ボルネーゼ ○河内恭介
ハヤテのごとく:○綾崎ハヤテ ●三千院ナギ ○タマ ○桂ヒナギク
らんま1/2:○早乙女乱馬/○天道あかね/○響良牙/○九能帯刀
ARMS:○高槻涼/○高槻巌/○キース・シルバー/○ジェームス・ホワン
タッチ:○上杉達也/○上杉和也/○浅倉南/○吉田剛
うえきの法則:○植木耕助/○鈴子・ジェラード/○アノン/○バロウ・エシャロット
メル:●虎水ギンタ/●スノウ/●ドロシー/○イアン
5 :
訂正:2006/09/27(水) 23:24:41 ID:54y/giVW0
参加者一覧
4/4【YAIBA】○鉄刃/○峰さやか/○鬼丸猛/○宮本武蔵
3/4【名探偵コナン】●江戸川コナン/○毛利蘭/○毛利小五郎/○灰原哀
4/4【うしおととら】○蒼月潮/○とら/○秋葉流/○紅煉
4/4【からくりサーカス】○加藤鳴海/○エレオノール/○パンタローネ/○阿紫花英良
4/4【烈火の炎】○花菱烈火/○霧沢風子/○門都/○紅麗
4/4【犬夜叉】○犬夜叉/○日暮かごめ ○殺生丸 ○神楽
4/4【GS美神】○美神令子/○横島忠夫/○ドクターカオス/○メドーサ
4/4【金色のガッシュ】○高峰清麿/○シェリー・ベルモンド/○パルコ・フォルゴレ/○ココ
4/4【機動警察パトレイバー】○泉野明/○太田功/○後藤喜一/○内海
4/4【スプリガン】○ボーマン教官/○染井芳乃/○御神苗優/○トニー・ベネット
3/4【焼きたて!ジャぱん】:○東和馬/●諏訪原戒 ○ピエロ・ボルネーゼ ○河内恭介
3/4【ハヤテのごとく】○綾崎ハヤテ ●三千院ナギ ○タマ ○桂ヒナギク
4/4【らんま1/2】○早乙女乱馬/○天道あかね/○響良牙/○九能帯刀
4/4【ARMS】○高槻涼/○高槻巌/○キース・シルバー/○ジェームス・ホワン
4/4【タッチ】○上杉達也/○上杉和也/○浅倉南/○吉田剛
4/4【うえきの法則】○植木耕助/○鈴子・ジェラード/○アノン/○バロウ・エシャロット
1/4【メル】●虎水ギンタ/●スノウ/●ドロシー/○イアン
62/68(○生存/●死亡)
新スレ乙!
乙!
「私にもこんな力があったんだなぁ……」
イングラムなしで建物を破壊できた野明。
生まれてはじめての体験に少し快感を覚えている。
「呪文も全て揃ったことですし、これからはさらに力を出して闘えますよ」
などと言っておきながらも、ゾフィスは厄介ごとが起きたらすぐにでも逃げ出すつもりでいた。
しかも、島の中を移動するのではなく、島の外へ本を燃やして移動する。
自分や野明には本を燃やせないが、周りの人間には燃やせる。
適当な相手を見つけて、燃やしてしまえばさっさと離脱できるだろう。
確実な退路を確保できているゾフィスは余裕綽々と言った感じである。
殺し合いのゲームとはいえ、自分は特別参加のようなもの。
そんな自分が殺される事はまずあり得ない。
しかしながら、それはゾフィスの思い違いである。
支給品として島にやってきた彼は、他の参加者たちのレベルを知らない。
この島にどんな化け物がいるのかを全く知らない。
野明や、顔も見ていないトイレからの脱出者だけしか知らない彼は、謂わば井の中の蛙状態。
さらに、野明がココと同じレベルまで呪文を覚えたのだから、自分はどこに行っても危険な目に遭うわけがない。
そんな間違った根拠に基づく自信が溢れていた。
「他の人たちにあったら、攻撃していいかな?」
無邪気な顔で野明が確認する。
かつてのココが、笑顔で一つの豪邸を燃やし尽くした時のように、今の彼女はゾフィスの力に魅入られている。
そんな彼女にゾフィスはニッコリ笑って答えた。
「もちろん構いませんよ。楽しみましょう、殺し合いのゲームを」
世界レベールの2人は、鎌石村から近づいてくる二つの気配に気付いていた。
「もうすぐ、誰かと合流するな」
「そうみたいだね、直線なら僕のピエロン・アイで見えるんだけど」
障害物の多い島の中では、そう簡単に確認できないらしい。
「でも、声ぐらいなら聞こえるかな……少し物騒な話をしてるよ。僕らを攻撃するって」
「ほう」
「どうする? って聞くまでもないか」
攻撃しようと考えている人間がいるのなら、それを停止させる。
当たり前の考えだった。そして、それを具体的にやろうと思えば、高槻巌の経験ほど役立つものはない。
「攻撃する人が相手という事は、まず戦力を奪うところからはじめよう。
こちらから攻撃するわけにも行かないしね」
ゲームに乗っていない事を証明するには、何よりも相手に誠意を示す必要がある。
そのためには、自分から攻撃をするわけにはいかない。
だからと言って、相手の攻撃を甘んじて受け入れるわけにも行かず、結論としては
敵の戦力ダウンを図る行動をとるのが一番いいということになる。
「でもねぇ、武器じゃなくて呪文で攻撃する人みたいなんだよね。
戦力は奪えないんじゃないかな」
「呪文というのは初めて聞く言葉だが、口を押さえてしまえば言いという事ならいくらでもやり様がある」
「そりゃ、そうだろうけどさ。でも、それって相手の顔を攻撃するんだろ。
一人は女の子みたいなんだよね、できれば避けたいなぁ。
どうかな、ここは僕に任せてくれない。僕の武器は安全だしさ」
ピエロの武器は人を傷つけない怪盗が使うトランプ銃。
当たれば、軽い切り傷を負うだろうが致命傷には程遠いという武器だ。
サーカスの笑いは愛そのもの。そう言い切るピエロにとって、これほど向いている武器はない。
「相手を傷つけずに、無力化するつもりか」
「ピエロだからね」
サーカスのピエロが相手を傷つけていては、世界レベールの名が廃る。
傷つけず、傷つかず、相手に戦力を奪い取って、殺しの意思すらも消失させる。
その上で愛を説く。ピエロの狙いはそれだった。
暫くして、そんな話し合いをしていた2つのグループが、道の真ん中で出会う。
「はじめまして、お嬢さん。そして、もう一方は……やはり、お嬢さんでよろしいかな?
私は通りすがりのサラリーマン、名を高槻巌という。こちらはケダムサーカスの団長、ピエロ・ボルネーゼ。
君たちの名前を教えてくれないかな」
野明もゾフィスも、世界レベールの2人に対して、むき出しの殺意を見せている。
だが、それを前にしても、紳士的な態度を崩さない高月巌。そして、いつもの笑顔を絶やさないピエロ・ボルネーゼ。
何かがおかしい、”勘のいい魔物”ゾフィスは僅かながらの違和感を感じ始めていた。
「私はゾフィス、こちらは警察官の泉野明です。よろしくお願いします」
(おかしい……震えが来るようだ。何かの違和感を感じている、この男たちには何かがある)
ゾフィスはまるで、ブラゴに敗れたときのような恐怖心を感じていた。
「ねぇ、ゾフィス。なに普通に挨拶してるの。攻撃していいんでしょ」
無邪気な野明は力を試したい。
新しく生まれた呪文の威力を確認したい。そんな気持ちでいっぱいだった。
「野明、止めなさ 「ディオガ・テオラドム」
刹那、ゾフィスの意識がはじけ飛ぶ。
一瞬の空白が、周りの音と景色を消し去り、何物も認識できなくさせる。
そして次の瞬間、目の前は焼け野原。ゾフィスの立っている道路のアスファルトが熱を帯びて蒸気を発し、
道路脇の木々はなぎ倒されていた。
「これで、よかったんですか……」
呆気ない。自分が感じていた恐怖は勘違いだったのか。ブラゴに勘のいい魔物などと言われていたが、
やはり勘が外れる事もあるのか。
しかし、そうじゃなかった。ゾフィスの勘はやはり正しかったのだ。
次の瞬間、ゾフィスはその事をまざまざと思い知る事になる。
「おやおや、一瞬にして焼け野原だね。凄いじゃないか」
「どうやら、鎌石村で起きた煙のうち一つはお嬢さん達が起こしたらしいな」
高槻巌も、ピエロ・ボルネーゼも無事。それどころか無傷。
ケダムサーカス団長として、150体もの分身が可能な男、ピエロ・ボルネーゼ。
パン職人が集まる大会でも、スナイパーたちから絶えず狙撃を受けつつ、それでいて周囲に気付かれる事なく狙撃をかわし続けた男。
そして、目に見えぬ攻撃も、その殺気だけを読んでかわす事が出来る最強の傭兵。静かなる狼こと高槻巌。
この2人に、息の合わない連携攻撃など当たるはずがなかった。
「野明、逃げますよ」
やばい予感が当たった。
ブラゴどころではない、まともにやり合えば最悪の場合、本を燃やす間もなく殺される。
「どうしたの、ゾフィス」
突然逃げ出した魔物の子に驚く野明。
自分はゾフィスと一緒なら、イングラムを凌ぐ力を身につけたのではなかったのか。
なのに、これでは話が違う。明らかに脅えきって、その場から逃げさるゾフィスを後ろから追いかけていく野明。
「逃げられちゃったねぇ」
「追わないといけないな、あの力は危険すぎる」
そう言って、高槻巌が2人を追撃しようとすると、
「待つさ。あの2人は僕に任せてくれるはずだろ」
と言って、ピエロが阻止した。
「そうだったな、あの2人は君に任せるとしよう」
「うん、任されたさ。君はもう一つの火災の原因を追ってくれ」
鎌石村で発生した火災は二つ。
その一つがゾフィスたちによるものだとしても、もう一つの火災が残っている。
つまり、鎌石村にはもう一つの危険な力が残っている事になる。
ピエロと巌は二手に別れ、それぞれの『危険な力』に対処すべく、
お互いが向かうべき場所へと向かっていった。
【C-4 鎌石村の道路/ゲーム開始から2時間30分経過】
【ピエロ・ボルネーゼ@焼きたて!!ジャぱん】
[状態]健康
[装備]トランプ銃@名探偵コナン
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)ガードレール製ナイフ 補充用トランプ1セット
[思考]1.泉、ゾフィスを止める。
2.傷つかず、傷つけず、ゾフィスを無力化する。
3.東たちを探す
4.この殺し合いの舞台に愛を広める
5.主催者に愛を伝える
【高槻巌@ARMS】
[状態]健康
[装備]ボーマンのオリハルコンナイフ2本@スプリガン ガードレール製投げナイフ24本
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)ジョーカーのカード
[思考]1・涼たちを探す
2.ゲームに巻き込まれた人たちを助ける
3.ゲームの打破
4.戦闘があった場所の調査
【泉野明@機動警察パトレイバー】
[状態]健康、ゾフィスに操られている
[装備]魔物の本(ゾフィス)@金色のガッシュ
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.ゾフィスと共にゲームを楽しむ
2.逃げたゾフィスを追いかける。
3.新呪文の威力を試したい。
[備考] ゾフィスがどこへ逃げたのかは次の書き手に任せます。
最強ペアを分離させてみました。
反省はしていない。
新スレ乙!!
あんど新作GJ!!
最強コンビのバラシ方が自然でいいです。
乙
やっぱりこの二人は最強コンビだなw
二人とも生きてるうちに再会できるかどうかわからないのがつらいけど
ブラゴより強いのかww
乙!
いい感じですね
一つ気になったことがあるとすれば、ゾフィスの思考です
呪文は魔物が覚えるものなので、パートナーが覚えたような表記は…
いや、別に矛盾が生じるわけではないけど…
新作乙
ゾフィスも恐怖するぐらいの最強ペアか……
でも、本気の呪文が当たればピエロも危ないっぽい
つか、ゾフィスに備考蘭欲しくなるようなSSだな
ゾフィスだけじゃなく、意思がある支給品にはあった方が良いのかな?
つーか、前スレ使わなくて良いのか?
というか烈火といいゾフィスといいイングラムフラグといい
一気にインフレする気配だな
前スレが止まってる。まずは前スレを使いきろう。
せめて981を超えるまでは。
制限が曖昧だし、突っ込める雰囲気じゃないからな
それにさ、序盤は勢いで行っちゃった方が良いんじゃん?
修正します。
>>19、24を参考にして微修正したものを前スレにうp
完了
乙
これでゾフィスにも勝ち目が出てきたな
ふと思いついたんだけど、主催者は東でもよかったかもしれないな
リアクションでなんでもできるし
例えば
コロッケパン→コロッケパイ→コロッケアイ→コロツケアイ→コロツアイ→コロシアイ→殺し合い
とか
だから981までは前スレ使えよ。いつまでたっても落ちないだろ。
この馬鹿は何を言ってるんだ?
サンデーはなかなか進まんね
誰かエレオノール動かしてくれ。
何故前スレを使わんの?
別にどっちでしたっていいような話題だろ
そういうんだったらさっさと前スレ埋めりゃいいじゃん
なんだこいつ……どっちでも良いならそれこそ前スレ使えよ
お前もな
>>38を全スレで言えってwwww頭おかしいのか?
>>37だって
>>36に対するレスなんだから前スレで言うのはおかしいだろ
ってかまだ会話続くんだったら前スレいくか?
本当に馬鹿だなw
確かに
>>38は
>>37に対してのレスだが、
>>37に前スレで言えと言っているんじゃない。
>>37が
>>36に対して、
>>35以前を「別にどっちでしてもいいような話題」と言うから
それに対して、「どっちでも良いならそれこそ前スレ使え」と言ったんだろう。
とりあえず落ち着け つ日
ナイスボケwwww
お礼にこれやるよ つ旦~
前スレ落ちたか…
46 :
作者の都合により名無しです:2006/10/06(金) 23:10:24 ID:JByQ0BnOO
age
キース、ハヤテ投下
古ぼけたアスファルトは、その漆黒の輝きを失い、所々白ずみ砂が溜まっている。
整備されていない道路には亀裂が入り赤茶けた土や雑草が顔を覗かせる。
この道を車で走るとさぞや走りにくかろう。1人の青年がそんな場違いな事を考えながら歩いている。
ここは殺し合いの島。
ある意味で、自分の存在意義を遺憾なく出し切れるであろう島だ。
けれど、キース・シルバーはあまり浮かれた気分になれない。
なぜだろう。
恐らく、殺し合いと言うものは強制されてやるものではないと考えているからではないだろうか。
この島における闘いは、若干だが、確実に自分が考える闘争とズレている。
だからだろうか、あの少女を殺さなかったのは。
「せっかく、素晴らしい所に来たというのに……」
虚しい。
この心の渇きを癒すのは、高槻涼との戦い以外にない。
彼との戦いだけは強制されたものではない。
彼との戦いには何の理由も要らない。
本能と言う理性とは正反対の概念が認める最高の相手、ジャバウォックの高槻涼。
彼と闘う時だけは、この精神に強いられた忌まわしい枷からも解放され純粋な闘いができるだろう。
〜・〜・〜・〜
二億円という金額はこの際考えない事にしよう。
綾崎ハヤテは別に任侠の世界に生きる人間ではないが、それでも人並みの恩義は感じる人間である。
だから、お世話になったお嬢さま相手に、借金だけ返済して「はい、さよなら」等と言える性格ではない。
親が残した1億5千万という膨大な借金の返済に加え、白皇学園への入学手続きなど、三千院ナギへの恩は計り知れない。
それに何より、今の自分は三千院家の執事。彼女を守ることにお金は関係ない。
だから少年は、何より三千院ナギの安全を確保する事を優先する。
だが、ここに来て少年はさらに新たな事を閃いた。
「思うんですけど、これはチャンスかも知れませんね。あのお嬢さまも、ここでは引き篭もれません」
執事としての一流を目指すハヤテは、主人を正しき道へ導く事も仕事の一つだと心得ている。
とすれば、あのナギが相手である場合、やはり引き篭もりからの解放が必要となってくるだろう。
見方を考えれば、これはチャンスなのである。
殺し合いの舞台とはいえ、ここは三千院家から遠く離れた無人島。
末はニートかネトゲ廃人というナギを更正するにはうってつけの場所である。
「どちらにしても、お嬢さまを見つけないといけません」
自分と一緒にいればナギは安全だと言う自信がある。
なぜなら、自分にはホワイトタイガーを一撃で倒す攻撃力と、ママチャリで時速80kmオーバーを叩き出す脚力、
そして支給品のジュラルミンケースがあるから。並みの化け物には負けないはずだ。
こんな事を考えて、ハヤテは達成困難な茨の道を選択した。
もちろん、本人にその意識は無い。自分自身が持つ強さゆえか、
それとも、今までに緊張感のある戦いに巻き込まれた事が無いからか。
どちらにしてもハヤテは、自分がいればお嬢さまの身の安全を確実に守れると言う自負がある。
それがどれ程の誤りか、本人は全く知らなくともハヤテはナギを守り、同時に更正させるという道を選択した。
その道は、既に達成不可能であると言うのに。
ハヤテがナギを捜し歩いてから、数十分が経過した頃。
彼は自身の目で信じられない物を目撃する。
目の前を歩いてくる軍服姿の白人男性。
引き締まった体と端正な顔つきは、男のハヤテから見ても十二分に映える姿である。
規則正しく踏みしめる軍靴は、まるでメトロノームのように単調で、それでいて軍人の力強さを明白に醸し出す。
「怖い」
ヤクザと対等に渡り合うハヤテでさえ、一瞬そう感じる事を禁じえない堂々たる姿。
軍人は見た目が大事。歩き姿一つとっても、その威容を保つため彼らは鍛錬を積むという。
だが、ハヤテが『怖い』と感じたのはそんな常識的なものに対してではなかった。
軍人の左手。
均整の取れた全身には、全く不釣合いな左手。
およそ人間の形をしていないそれを見て、ハヤテは少しばかりの恐怖を感じたのだった。
その姿をここにナギがいれば、このように表現しただろう。
ハリウ●ド式、実写版寄●獣
と。
「あれが噂のレフティですか……」
アニメオタクのナギがいれば、さぞ喜んだであろう。
泉●一役として軍人が適切かどうかに疑念の余地が残るが、左手の特殊メイクはアメリカ版のミ●ーそのもの。
ハヤテは、そのメイクのあまりの出来栄え一瞬妙な考えを浮かべてしまう。
「ひょっとして、これって三千院家のイベントですか?」
三千院家がこのような事をする体質でない事ぐらい執事であるハヤテは十分知っている。
けれど、最初に起きた人殺しを何らかのトリック、今回のミ●ーもナギが望んだものであると
考えれば、不思議と合点がいくではないか。
それに、ひょっとしたら、この沖木島とは三千院家の別荘なのかも知れないし……
等と、見当外れ極まりない推理をして、すぐさま否定する。
「いくらなんでも妄想がすぎますね」
とりあえず、あの軍服白人はハヤテにとってはじめて出会った島の人間だ。
左手が少しおかしいけれど、春先に多い頭のアレな人と考えるには手が込みすぎている。
大丈夫、怖がる必要は無い。ハヤテは自らにそう言い聞かせて白人男性に近づいていった。
「すいません。僕は綾崎ハヤテって言うんですけど。今この島で人を探していまして……」
ハヤテは両手を頭に当てながらジェスチャーでツインテールの髪型を表現しつつ、
「こんな感じの髪型の女の子見ませんでした? 年は13歳の子供なんですが」
と聞く。
けれど、
返事がない、ただの白人のようだ。
(あれ? 答え返ってきませんけど、やっぱり春先に多いアレな人なんですか)
「えくすきゅーずみ。こんな所に連れて来られて混乱してるのかも知れませんが、
こんな感じのツインテールの女の子を見かけませんでしたか」
『すいません』の部分だけを英訳し、再度同じ質問を繰り返す。
だがやはり、結果は同じ。
返事がない、ただの白人のようだ。
(えーっと、これはどうしたら良いんでしょうか?)
春先の人なのか。それとも白人ゆえに言葉が通じないだけなのか。
どちらにせよ、ハヤテは対応に困ってしまう。
寄●獣ネタに続くドラ●エネタ。
ここにナギがいたら、どうなっていた事か。
だが、しばしの沈黙の後。そんなハヤテの悩みは吹き飛んでしまう。
「その少女は見ていない。オレが会ったのは20歳前後の長髪の女だ」
(良かったァ。言葉は通じたんですね)
「ありがとうご 「やはり、どう考えてもオレの中の真実は一つしかない」
お礼を言おうとするハヤテを遮り、シルバーは話を続ける。
「兄キース・ブラックと母アリスによって与えられた運命であっても、
あの女に強制された運命であっても、闘争こそがオレの真実」
(え? トウソウ)
逃走、痘瘡、党争、闘争。この場合正しいのは言うまでもあるまい。
(逃走じゃないですよね)
「戦いの場へ、やはりそれこそがオレの真実だ」
言い終わるよりも早く、シルバーの足が厚底の軍靴と共にハヤテの股間に襲い掛かる。
瞬間、ハヤテは最高レベルの運動能力を駆使してかわす。
(えーー! ひょっとして、本当に頭のおかしい人だったんですか)
(この少年できるな)
ARMSと化していないからだろうか。
見た目普通の少年に、あっさりと攻撃をかわされてしまった。
ならばと、シルバーはARMSである左手で攻撃を仕掛ける。
大振りの、
だが、人間の速度を超えた一撃。
この攻撃は、一台の車を易々と大破させる威力を持つ。
だが、その攻撃でさえハヤテはジュラルミンケースで防ぎ、同時に衝撃を逃がすために後ろにステップしてかわす。
「なんなんだ、お前は」
高槻涼以外にも、こんな人間がいたのか。
並の人間にしては、戦闘能力は決して低くない。
「『なんなんだ』は、こっちの台詞ですよ。いきなり襲い掛かってくるなんて」
やはり、頭のおかしい人なのか。
それとも、このゲーム自体がそんなものなのか。
ハヤテにはどちらが正しいのか分からないが、それでも、この白人男性が危険な人間だと言う事は理解できた。
シルバーにしてみれば、嬉しい誤算だった。
高槻涼に会わずとも、そこそこに強い人間が現れた。
もちろん、まだこの少年には試していない事がある。本気のARMS、その力に少年がどれ程対抗しうるか。
それをまだ、シルバーは試していない。
ARMSに耐えられるのならば、この少年と本気で戦ってもいいかもな。
「お前に見せてやろう。我が力『ブリューナクの槍』を」
シルバーの左手中心に光が集中する。
その光、アニメでよく見た、
「メガ●子砲」
によく似ている。
シルバーはその光を左手で掴み取るように持ち、セ●戦の孫●飯よろしく片手かめ●め波の姿勢をとる。
そして、左手を突き出すと、集積された光はビームとなってハヤテの左頬を掠め通り過ぎていった。
「ビーム出すのか……」
反射的に避けられた。
だが、ハヤテにとって、喋る虎や、人間のように動くロボットを見た時以上の驚き。
(落ち着け、落ち着くんだハヤテ。そんな馬鹿な事があるものか。本物のビームなわけがない、本物なわけが……
きっとS●NYが出した新型ア●ボだ。いやぁ、S●NYの技術はスゲーなぁー)
驚き、見当違いの事を考えているハヤテを見てシルバーは誇らしげに語る。
「これが我が力『ブリューナクの槍』だ」
珪素系生命アザゼルを元に生み出された最強の兵器ARMS。
そのARMSの能力を最大限に活かし、ビーム兵器にまで昇華したのがこの『ブリューナクの槍』だ。
「一体、どうなってるんですか……」
疑問、と言うよりは溜息のような発言。
「不思議か? ならば説明してやろう」
ほとんど反射的に出た質問に対し、シルバーは答える。
それは、バトルモノのキャラにおける宿命。新しい能力は必ず説明しなければいけないという枷を彼も背負ってしまった。
「オレ達、キースシリーズの体には珪素系生命ARMSが寄生している。
そのARMSの力を最大限に引き出せるARMS適正因子を持つ人間ならば、
彼らの力を使って、このようなビームを撃つ事もできるのだ」
(つまり、まんま寄●獣ってわけですね)
「そんな著作権を無視するような真似して、大丈夫なんですかハリウ●ド!」
「何を言ってるんだ?」
微妙に会話が噛み合わなくなって来た。
日常的に多くのパロディーネタに遭遇するハヤテと、シリアス一辺倒の軍隊育ちなシルバーとでは、
若干会話にズレが生じるのも仕方ないと言える。
「ジャバウォック戦の肩慣らしだ、お前には本気を出してやろう」
ブリューナクの槍を避けるほどの身体能力を持つ少年。
この少年ならば、高槻涼との前哨戦に相応しいかも知れない。
「このARMSはまだ第一形態だ、本当の姿はこんなものではない」
シルバーはさらに、凄い能力を隠しているらしい。 つまり、
「では、さらにとんでもない変身を!」
という事になる。
ハヤテの言葉どおり、シルバーは変身する。
右手が、左手と同じように変形していく。
爪が伸び、指一本一本の節が強調され、昆虫のような関節が浮き上がる。
さらに、全身も大きく形を変え、キースの顔が胴体に移動する。
そして、別の顔が首の上に姿を現す。
完全に変身したその姿は、まるで映画のエイ●アンのように見えなくも無い。
「こ、これ。本当に洒落になってなくないですか?」
シルバーの変身は、本当に色んな意味で洒落になってない。
どこを間違えたんだろう。
単にお嬢さまの場所を聞こうとしただけだったのに……。
ハヤテは言いようも無い後悔の念に駆られてきた。
そんな2人の闘いが始まる。
【I-6 路上/朝】
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]1億円入りジュラルミンケース
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)一億円入りジュラルミンケース(重量約13s)
[思考]1.探索しながら移動
2.ナギ・ヒナギクの安全を確保
3.目の前の化け物に対処。あまり戦闘するつもりは無い。
【キース・シルバー@ARMS】
[状態]全身ダメージ(自己修復中)、変身中
[装備]不明(本人は確認済み)
[荷物]荷物一式
[思考]1.高槻涼を探す。
2.高槻涼と戦う。
3.目の前の少年(ハヤテ)相手に肩慣らしをする。
借金執事vs軍人シルバーの序章を投下しました。
色々と問題が多いかも知れません……
修正点とか、問題点とか、あったら言ってください。
乙
シルバー今後の服大丈夫か?
まぁ、このままハヤテに殺されないと決まってる訳じゃないけど
乙
寄生獣、ドラクエ、DB、無敵看板娘、ガンダムZZまでわかった。
パロディーネタほとんどわかんねえwww
にしてもARMS知らないから何とも言えないけどハヤテやばいんじゃないか?
そうとも限らない。
場所的に色んなキャラが乱入しそうだから、ヤバイのはむしろキース
メガ粒子砲 が
メガネ子砲 に見えた俺は勝ち組
アノン・さやか予約します
期待
さやか、アノン期待
植木は全く知らないので予習しておこう。
今見たら、ハヤテSS日本語になってない。ごめんなさい、すぐに直します。
まとめさん、出来る限り早く修正するのでハヤテSSはまだ収録しないでいただけますか?
頑張れ
>>59 GJ!!
つうか思考形態のギャップがw
>>63 完全体ARMSは対戦車ミサイルも通用しない化け物だから、まともに戦えば(一応は)生身の人間であるハヤテだと超ヤバイ。
でもこのロワだとどうなるかはわからんな。このままパロディ空間に引きずり込めば逆転できるかもしらん。
っていうか、元ネタの解説キボン
と言ったら駄目?
それは無粋だと思う
パロディの元ネタ解説なんて手品のタネをばらすようなもんだよ
分かる人だけ笑えばいいんだよ
どうしても気になるなら自分で調べろ
パロディの元ネタ、避難所の掲示板での解説もだめ?
シルバーの服がなくなったときのリアクションがみたいな
何も隠さずに堂々と街中を歩きそうで怖いw
>>70 Dr.ナギー「間抜け時空に引きずり込め!」
こうですか?わかりません!><
元ネタ解説、避難所ならいいのかなぁ……
でも、
>>72さんのような意見もあるし、どうしたら良いのやら……
77 :
72:2006/10/07(土) 22:21:05 ID:j/8e50pN0
いや、したいんだったら遠慮なくしてくれたらいいと思いますよ
自分の書いたものをどうしようと自由だし
俺が言いたいのは、強制するのは良くないってことだから
ささいな誤解からうるさい出会いを果たした犬夜叉、御神苗優、パルコ・フォルゴレの三人。
誤解の解けた三人は優とフォルゴレが何とか犬夜叉を説得し、協力しあうこととなった。
最年少ながら、最も落ち着きのある優がこの場を取り仕切る。
「じゃあ、まず各々の目的から話すとするか
オレの目的はこのゲームを壊すことだ。そのためには、まず胸に潜んでいるという化け物をどうにかしなきゃいけねぇ。
さしあたっての目標はこの化け物のことだな」
次に口を開いたのは犬夜叉だった。
「まずは、かごめと鉄砕牙を探す。あれさえありゃあ、あんな女の一人や二人どってことねえよ。
他のことはその後だ」
最後はフォルゴレ。
「私は高峰清麿という男を探している。中学生ながら頭がよく、とても頼りになるやつなんだ。
清麿ならきっとこの殺し合いを止める術を見つけてくれるだろう」
「日暮かごめに高峰清麿か」
名簿に目を通しながら優が言葉を続ける。
「一応聞いておくが、お前ら、もしくはお前らの知り合いにこの化け物をどうにかできそうなヤツはいるか?」
「かごめならどうにかできるかもしれねえが…あんまあてにできねえな」
「すまないが、私はそのような知り合いはいないな」
「そうか。となると他の参加者を見つけるしかねえか」
そう言うと、今度はバッグの中から地図を取り出す。
「海の位置と方角から考えて、今オレらがいるのはおそらくHー8だろう。
人を探すんだからこの氷川村に行くべきだと思うんだが、どうだ?」
「たしかに村に行けば誰かいるかもしれないが、もし殺人者がいたらどうするんだ?」
「その点は心配いらねえよ。どうやら犬夜叉は鼻が利くらしいからな。
話すににしても逃げるにしても、かなりの確率でこっちが先手を打てる」
「そういうことなら異論はない」
「おれもいいぜ。まあ、誰がいても逃げる気はねえけどな」
「じゃあ、さっそく出発といきたいが、最後にそれぞれの支給品の確認をしないか?道中何があるかわからねえんだ。
早めに確認しといて損はないぜ。
ちなみに、オレのはこの『ジャバウォックの爪』だ。まあ、ちょっとごついナイフってとこだな」
優の提案から犬夜叉、フォルゴレもそれぞれ自分のバッグの中身を確認していく。
「なんだこりゃ?こんなんでどうしろっつーんだよ!」
文句の声をあげたのは犬夜叉だった。
犬夜叉のバッグから出てきたのは五つのバッジ。
しかし、説明書を読んだ優が犬夜叉をなだめる。
「いや、これはただのバッジじゃないみたいだぜ。
説明書によると、それにはトランシーバーの機能が付いてるらしい。以外に役立つんじゃねーか?」
「とらんしーば?なんだそりゃ?」
「トランシーバーも知らないのか。
トランシーバーっていうのは、簡単に言えば、それがあれば遠くにいても会話ができるようになるんだよ」
「結局のところ武器じゃねえのかよ。ま、捨てるのももったいないし持っておくとするか」
犬夜叉の確認が終わった後、二人の注目はフォルゴレに移っていた。
フォルゴレが手にするのは不気味に光る黒い筒。
「ショットガンじゃねえか」
「ああ。これで私も自分の身ぐらいはなんとか守れそうだな」
ショットガンを手にするフォルゴレの表情は嬉しさと不安が入り交じっているようだった。
そこに犬夜叉が口を挟む。
「なあ、そんなんでどうやって身を守るんだ?」
この言葉には二人とも呆れてしまった。
「あのな〜、これはショットガンだって言っただろ?まさか、お前ショットガンまで知らないなんて言わないよな?」
「んだよ!そんなもん聞いたことねえよ、文句あっか!」
「ショットガンのことを聞いたこともないだって?(まあ、それ自体はないことでもないな。
だが、トランシーバーのこと、犬夜叉という名前、格好、そしてあの犬耳。いろいろと聞いてみた方がいいかもな)」
「なあ、犬夜叉。突然だが今年は何年だ?」
「年?そんなの気にしたことねえよ」
「そうか。それじゃあ、お前の生活について教えてくれないか?」
その質問に対しては渋々ながらも犬夜叉は答えていく。
フォルゴレも初めは真面目に聞いていたが、日本の歴史に疎い彼は途中から聞き流していた。
「なるほど。よく分かった。(犬夜叉の話が本当だとしたら、こいつがいたのは日本の中世だな。それも戦国辺り。
ということは、あの女は時間を超えて人を集めたって訳か。
そうなると、名簿にあったボーマン教官とトニー・ベネットの名前にも納得がいく。
あの二人は確かに死んだはずだ。けど、ここにいる。つまり、死ぬ前の時間から連れて来られたんだ。
あの女が生き返らせた、っていう可能性も無いこともないが、こっちの方がよっぽど可能性が高いぜ。
なんたって実例が目の前にいるんだからな。しかし、時間移動か…。こりゃあ、一筋縄ではいきそうもねえな)」
「ところでよ、何でこんなこと聞いてきたんだよ?」
「気になるところがあったんでな。まあ、そのおかげでいろいろと分かったがな」
「あの話しで何が分かったんだよ?教えろよ」
「それより出発しようぜ。そのことは歩きながらでも話してやるよ」
犬夜叉と優の問答も終わり、いよいよ一行は氷川村へと歩き出す。
うるさい出会いを果たした三人。
今度はどのような出会いが待っているのだろうか。
【H−8 道路/早朝】
【御神苗優@SPRIGGAN】
[状態]健康
[装備]ジャバウォックの爪@ARMS
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.氷川村へ行く
2.日暮かごめ、高峰清麿、妖脾をどうにかできる人物の捜索
3.ゲームの破壊
【犬夜叉@犬夜叉】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、探偵バッジ@名探偵コナン×5
[思考]1.氷川村へ行く
2.日暮かごめ、鉄砕牙の捜索
3.白面の打倒
[パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュ】
[状態]健康
[装備]ショットガン(残り20発)
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.氷川村へ行く
2.高峰清麿、妖脾をどうにかできる人物の捜索
3.ゲームの破壊
優、犬夜叉、フォルゴレ投下
初投稿なので問題、修正があったら教えて下さい
新作乙
そういや、うしおには時順だっけか?
こんな名前の妖怪がいたような気がした……
あぁ、なるほどと思う、今日この頃。
乙
初投稿にしてはうまいと思いますよ
問題点も特にないと思います
>>84 乙です
3人の特徴をよく捉えていたと思います
セリフが続いたところも誰のセリフなのか混乱することなかったし、問題はないと思います
また書いてください
解説はしない方がいいと思いますけどね
そういうの萎えるって人もいると思うし
九能と会ってから30分、ヒナギクは九能と2人森の中をさまよっていた。
ヒナギクはその間に九能という人物の性格を理解し、何とかまともな会話が出来るようになっていた。
「そういえば、九能君。あなたの持ち物は何?」とヒナギクは聞いた。
「うむ、説明書によると『天生牙』という刀らしい。ただ、この刀は何も切れないのだよ。桂ヒナギク」
そう九能は答えた。
「切れないって、どうゆうこと?」
「試しに木の枝を切ろうとしたところ、枝は切れていなかった」
「本当に?」
「ああ本当だ」と九能は答えると、近くの木の枝を切った。
確かに、彼の言うとおり枝は切れていなかった。
「本当に切れていないわね。何だか不思議ね」
「しかし、この刀は何なのだ。これではまったく役に立たないではないか!」
しかし、九能の言葉とは裏腹にヒナギクは何かを感じた。あの木刀・正宗と同じ何かを。
ヒナギクは九能にこう言った。
「ねえ、九能君。よかったら、この刀貸してくれない」
「ああ、いいぞ。僕と交際したいんだな」
「違うわよ。あなたと交際したいといっているわけじゃないんだから」
そうヒナギクは言うと天生牙を受け取った。
その瞬間、「どくん」と脈打つ音が聞こえた。
「桂ヒナギク。今の音は何だ」
「判らない。でも、天生牙から伝わったみたいだけど」
「どくん」再度、脈打つ音が聞こえた。
「九能君。この刀、脈打っているわよ」
「なんと、私が持ったときにはそんなことは無かったぞ」
「でも、本当に脈打っているわ。それにぼんやりだけど光っているわ」
その光はまるで刀がヒナギクの事を認めているようであった。
続けてヒナギクはこういった。
「この刀はあなたには反応しなくて、私には反応した。」
「つまり、この刀はあなたには使えないということなのよ。」
九能はヒナギクの言葉を聞いて、こう叫んだ。
「桂ヒナギクには反応して、この風林館高校の蒼い雷 九能帯刀が使えない刀があるとは。」
「何故だ。何故なんだ!えーい。こんな刀など捨ててくれるわ!」
そういうと九能はヒナギクから天生牙を取り上げて、捨てようとした。
しかし、ヒナギクは天生牙を九能から取り戻して、ある提案をした。
「ねえ、九能君。こんな使えない刀の代わりに、その刀を私の持っているこの刀と取り替えてもらえる?」
ヒナギクはそういうと磁双刀(N刀)を九能に見せた。
「こんな使えない刀をどうするというのだ。桂ヒナギク。」
「それに何故、お前と刀を取り替える必要があるのだ。」
九能は少し不服そうに言った。
「あなたも私も剣道をやっているし、お互いに刀が使えた方が今後役に立つと思うけど。」
ヒナギクはそう答えた。
「分かった。桂ヒナギク。お前からの交際の申し入れを受け入れよう。」
「違うわよ。刀を交換するだけなんだから。」
2人はお互いの刀を交換した。早速、九能は磁双刀(N刀)の試し切りを行った。
「おお、桂ヒナギク。この刀、すごく切れるぞ。」
そうゆうと九能は周りの木の枝をバッサバッサを切りまくっていた。
「あまり、切りすぎると刃こぼれするわよ。それに天道さんを探すんでしょう。」
「それもそうだな。それでは行こうか。桂ヒナギク。」
2人は再び森の中を移動し始めた。
移動しながら、ヒナギクは一人考えた。
(なぜ、この刀は切れないのだろうか?この刀には別の使い道があるのでは)
そう、この刀こそ使い手次第で一振りで百の命を救うも可能と言われ、
その一方、相手を冥界へ送り込むことが出来る最強の刀 天生牙。
今、ヒナギクという主の下でその真価が発揮されようとしていた。
【Dー4 森の中/ゲーム開始から1時間経過】
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]天生牙@犬夜叉
[荷物]荷物一式(食料・水二日分)、磁双刀(S刀)
[思考]1.三千院ナギ、綾崎ハヤテ 、天道あかねとの合流
2.ゲームからの脱出
3.天生牙の使い方についての考察
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康
[装備]磁双刀(N刀)
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.天道あかねとの合流
2.天道あかねと共にゲームを脱出
ヒナギク、九能を投下しました。
初投稿なのでどうかよろしくお願いいたします。
うーん……、まずは新作乙。
そして、初投稿お疲れ様と言っておく。
キャラの雰囲気自体は問題ないのだが……
↓ 突っ込みヨロ
と、人に振ってないで自分で説明するか。
以前、天生牙を出したSSが出て、NGになった経緯がある。
理由は、天生牙を使うとロワの大前提、『キャラが話の進行と共に減っていく』というものが壊れてしまうから。
生き返りを描写してしまうと、いつまでもキャラが減らないため話の進行そのものに影響を与えてしまう。
という理由で天生牙のSSは以前NGになり、天生牙を別のアイテムに変えたSSが修正版として投下され、
OKになるという事件があった。
なので……天生牙は厳しいと思うぞ。
文章が酷い
>>96 天生牙はNGアイテムですか。
天生牙自体は1回こっきりの復活アイテムも兼ねるので、婢妖から解放された登場人物も作るかと思ったんですけど。
修正案として考えていたのは、
・天生牙の機能を主催者(白面)の意志で冥界送りに限定する
・アイテムを鉄砕牙あたりに変える
ということです。
>>98 まぁ、オレ以外にも色々意見を言う人はいると思うので
暫く待ってみようや
>>99 分かりました。しばらく待ってみます。
アドバイスありがとうございます。
乙と言いたいところだけど、やっぱり天生牙はなあ…
一回NGにしたわけだし、今回をOKにしたら修正してくれた作者に申し訳がない
文章の方は、そして○○はこう言った、○○した、みたいなのは少なくした方がいいと思います
確かに一度そういう理由で却下されたんだから、これが通ってしまうと前の人は納得いかないだろうな……
んじゃ、オレも一言文章に対して(無視して構わんよ)
〜〜た。
という文が多すぎる気がした。同じ文末の繰り返しは、あまり良い印象を与えない。
だから、他の文末を使うように工夫したほうが面白いと思う。
処女作おめ。
でも、天生牙はちょっと…。
あとヒナギクは良く知らないが、九能の台詞廻しに違和感を感じた。
感情が感じられないというか。
いや、自分が書けって言われても書けないから恐縮だが、一読み手の感想ということで。
文章について文句付け出したらそのうち前の2つにも矛先が向きそうだ
>>106 修正乙。
服のことが微妙に触れられててワロタ
今のシルバーは全裸なんだな。って事はフリチンかw
まぁ、無粋な突っ込みらしいんで関係ないんだろうが、
読み手としては気になるな。
それと元ネタ解説は結局なしって事でいいわけか?
「ハァ…ハァ…もう大丈夫よね…」
突然襲い掛かってきた少年、花菱烈火から逃げるために走っていたさやか。
しばらく走り続け、近くに誰もいないことを確認して足を止める。
追ってくる者はいないようだ。
ひとまず安心する。次に、先ほどまで一緒に行動していた男のことを思う。
囮になって自分を逃がしてくれた男、諏訪原戒。
二分の一とは言っていたが、やはり諏訪原が勝つ可能性は低いだろう。
そう簡単に水を掛けられるとも思えないし、うまく掛けられても双子や阿修羅になってしまったら勝ち目はない。
今からでも戻って加勢するべきだろうか?
しかし自分が行ったところで何かできるわけでもない。
更に、もし既に諏訪原が死んでいて、戻った自分も殺されてしまったら何の意味も無い。
やはり村に行って諏訪原が来るのを待とう。そう決め、再び歩き出す。
(誰かいるみたいね…)
数分後、前の方で一人の男が歩いているのが目に入った。
声を掛けてこないということはこっちに気づいていないのだろうか?
男の姿をよく見てみる。見た目だけでは分からないが、凶悪な殺人者のようには見えなかった。
(よし、声を掛けてみよう)
そう思い、さやかは男に近づいていった。
アノンは鎌石小中学校での鬼丸との一戦を終え、島内を散策していた。
特に決まった目的があるわけでもないので、のんびりと歩いている。
しばらく歩くと、一人の少女を見つけた。
(ん〜、女の子が一人…か。あんまり面白そうな感じはしないな。)
見たところ武器も持っていないし、強そうにも見えない。戦ってみたところで時間の無駄だろう。
そう思いそのまま通り過ぎようとしたが、
「あ…あの〜…」
少女の方から声を掛けてきた。しかたなく、ゆっくりと振り返り、返事をする。
「やあ、こんにちは。僕はアノン。僕に何か用?」
「あ…わたしは峰さやかよ。よかった、あなたゲームには乗ってないみたいね」
アノンの態度に少し安心したようだ。さやかの顔が若干緩む。
しかし、
「え?」
一瞬驚いたような顔をし、次に怯えたような顔になる。
やっぱり声を掛けるべきじゃなかった。
そう思いながらも逃げ出そうとしたさやかだったが、
「あ、安心していいよ。君と戦う気はないから。君と戦っても面白くなさそうだしね」
「え…?」
その言葉に動きを止めアノンの方を見る。今度は困惑したようにしている。
「用はそれだけだよね。じゃあ、また会えたらいいね」
困惑しているさやかを置いてスタスタと歩き出したアノン。
が、ふと立ち止まってさやかに声を掛けた。
「そうだ、君、向こうに行くんだよね?だったら鬼さんを手当てしてあげてくれない?
ほっといたら死んじゃうかもしれないし」
「は?」
ますます困惑するさやか。アノンは無視して話を進める。
「別に死んじゃったらそれでもいいんだけど、どうせならまた戦ってみたいしね。
この鎌石小中学校ってところにいるはずだから、頼んだよ。」
地図を取り出し場所を示すと、アノンは再び歩き出した。
次第に小さくなっていくアノンの姿を、さやかは呆然と眺めていた。
「なによあいつ…訳分かんない」
アノンの姿が完全に見えなくなったころ、さやかは呟いた。
何だかよく分からないが、殺されなくてよかったと思うべきだろうか。
問題は、アノンの言ったことだ。
アノンは「怪我人がいる」というようなことを言っていた。
地図を確認する。鎌石小中学校なら、遠回りにはならない。
もしアノンの言ったことが本当だったら寄ってみるべきだと思う。
しかし、罠という可能性もある。もし罠だったら、殺されてしまうのかもしれない。
(…でもわたしを殺したいんだったらこんな回りくどいことする必要ないわよね。)
数分間悩み、結局行ってみることにした。
数歩歩き、ふと後ろを振り返る。誰かが来るような気配は全くない。
「諏訪原さん…」
一瞬悪い考えが頭をよぎる。しかしすぐにその考えを振り払う。
「戦いが長引いてるだけよね」
そう自分に言い聞かせ、再び歩き出した。
【D-7 朝】
【峰さやか@YAIBA】
[状態]:健康、悲しみ
[装備]:なし
[道具]:荷物一式(食料&水:2日分) アイテム(確認済み。武器ではない)
[思考]:1.鎌石小中学校へ行き、怪我人がいたら助ける
2.鎌石村へ行く
3.諏訪原を待つ
4.鉄刃を捜索する
【D-7 朝】
【アノン@うえきの法則】
[状態]健康
[装備]不明(本人未確認)
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.戦闘を楽しみつつ島内を散策する
2.強敵とは全力で、面白そうな相手はそれなりに、底が見える雑魚は無視
アノン・さやか投下しました
初投稿で少し自信ないですけど、指摘されたところはできるだけ直すつもりなのでよろしくお願いします
>>113 乙です
二人の会話も話の流れも自然だったと思います
アノンはこのまま進むと劣火と遭遇するのかな?
楽しみ
>>113 乙です
二人の会話も話の流れも自然だったと思います
アノンはこのまま進むと劣火と遭遇するのかな?
楽しみ
うわっだぶった
ごめん
スゲーーー、新作・新人ラッシュや。
一体何が起こったん? それに結構面白いし……
でも、
↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
「え?」
一瞬驚いたような顔をし、次に怯えたような顔になる。
やっぱり声を掛けるべきじゃなかった。
---
ここの理由が分からんかった。
すいません
アノンの台詞が抜けてました
>>110の13〜16行目は
アノンの態度に少し安心したようだ。さやかの顔が若干緩む。
しかし、
「ん〜、どっちかっていったら乗ってるってことになるかな?」
「え?」
こうです
それと、感想ありがとうございます
>◆AAxoi1ysvg
>(アレな人なら見慣れている…………いや、そうじゃない。きっとあの人はまともですよ)
> ハヤテは自らにそう言い聞かせて白人男性に近づいていった。
こらこら、怖がってた理由ってそれかい。
なんとも緊張感の無い闘いが始まりそうですね。 ハヤテならシルバーさえ何とかしてしまいそうな気がする。
>◆zunft50hV6
犬夜叉って不利ですね……最初は鼻が利くから全キャラ中トップレベルに優位な位置にいるかと思ったら、
一転して、イ●ンよりも不利な場所にいるという事が明らかになってしまった。
でもまぁ、 ↑ と違って、単独での戦闘力もあるし仲間も頼りになるし、そんなでもないのかなぁ……
>◆VzD25icSms
おぉ、天生牙SS二個目ですか……多分、残念ですけどNGでしょうね。
ご自身で修正案を持っていらっしゃるようなので、恐らく修正する事になるかと思われます。その時は頑張ってください。
文章について色々言われてますが、全ての意見に耳を傾ける価値はあると思いますけど、
でも、私は今のままでもいいと思っています。
>◆uP/3qlrDNA
もしも、鬼丸と再会したら初の同一漫画キャラ対面になるわけですか……でもなぁ、鬼丸は鬼だし、
あ〜ぁ、さやかの受難は終わりそうにねぇな……。原作だと大してキツイ目に遭ってないのに、なんでこうなるの?
まとめ報告です。
今日中にまとめ更新しようかとも思ったんですが、明日が休みなので
今週来たSSについては、明日にでも更新しようと思っています。
今日は、アイテムとキャラ紹介でも更新しておこう。……と自分に言い聞かせてトライ。
うしおととら、三週目を今読んでるところ。秋葉流の紹介文書きづれぇ
と、思ったら秋葉流の紹介文書いてたな俺……
やべ、若年性アルツハイマーだ。。。
一体何が起きたんだ?
久々に来てみたら予想外の新作ラッシュかよ。
それも新人ばかりか、サンデーロワが大きくなっていくのを感じるな
では、今から全部読ませていただきます
>◆VzD25icSms
そろそろ、修正か破棄かを決めたい所。
どうする?
後藤とアシハナ予約します
第四の新人さんキターーーー
期待してます。
>>123 天生牙がNG認定ということであれば、修正ということでお願いします。
修正版SSを今から落とします。
九能と会ってから30分、ヒナギクは九能と2人森の中をさまよっていた。
その間、九能と話をしていたが、話を聞けば聞くほど、合流する予定の
天道あかねという人物に同情していた。
なにせ、この30分の話が「天道あかね」と「おさげの女」の事の話だけ。
普通の女の子なら、これは耐えられないだろう。
(そんなに悪い人ではなさそうだけど。この人相当自意識過剰だわ。
でも、お姉ちゃん並のバイタリティはありそうね。)
普段のヒナギクなら速攻で九能と別れてナギやハヤテを探しにいくだろうが、ここは常識が通じない世界。
せっかく出来た仲間と別れて、2人を探しに行くほど愚かさではない。
でも、九能の話にヒナギクの我慢も限界に達してきたので、別の話題を振ることにした。
「そういえば、九能君。あなたの持ち物は何?」
「うむ、僕の持ち物は『聖刀満願丸』という刀だ。」
そう言うと九能は満願丸を取り出した。ヒナギクが見たところ、ただの日本刀だ。
「不思議に思うかもしれんが、この刀は3つの願いを叶えることが出来るのだよ。桂ヒナギク。」
「願いを叶えるって?本当に?」
「ああ本当だ。昔、満願丸に僕は選ばれたのだからな。」
「あなたがこの刀に選ばれたの?」
「そうだ。僕は満願丸に100万人目の勇者として選ばれたのだよ。」
九能は満願丸に選ばれた時のいきさつやどのような願いを叶えたかも話してくれた。
初めは、願いを叶える刀という都合のいい話などあるわけがないとヒナギクは考えていたが、
この世界に連れてこられたいきさつを考えると信じられる気がしてきた。
ただ、九能が叶えた願いについては誰から見ても、もっと気のきいた願いがあると思えるものばかり。
もし、九能が満願丸を使ったら、また無駄な願いに浪費されることになるだろう。
(もしも、この刀が本当に願いを叶える刀だったら、今後何かの役に立つはず。
でも、九能君が満願丸を使ったら、ただの棒きれになってしまう)
ヒナギクはある賭に出ることにした。
「ねえ、九能君。よかったら、この刀貸してくれない」
「ああ、いいぞ。僕と交際したいんだな。」
「違うわよ。あなたと交際したいといっているわけじゃないんだから!」
あいかわらず自分の世界に入っている九能を無視しつつヒナギクは満願丸を受け取った。
その瞬間、満願丸がヒナギクに語りかけたのだ。
『選ばれし者よ。汝の願いを言え、3回まで叶えてつかわす。』
なんということだろう、ヒナギクは満願丸に選ばれてしまったのだ。
自分としては、九能から一時的に刀を取り上げておくだけだったのだが、こうなっては仕方がない。
「まだ、特に願いはないわ。あったら、きちんとお願いするから。」
『了解した。』
満願丸は今にでもヒナギクの願いを叶えそうな様子だったが、満願丸はしかるべき時に使うべきだ。
今は九能に満願丸を返そう。元々彼の持ち物なのだから。
「九能君ありがとう。刀を返.....」
ヒナギクがそう言いかけた時、満願丸との成り行きを見ていた九能は悔しそうに叫んだ。
「確かに、顔よし、姿よし、裕福な上に人格者で強くて賢い僕には3つの願いは
多すぎるとは思ったが、何故選ばれし者の僕ではなく、桂ヒナギクを選んだのだ。満願丸よ!」
『汝は、過去の我に選ばれし者。よって、今度は別のものを選び、その願いを叶えることとする。』
九能は満願丸の回答にあまり納得していないようだ。その上ショックも受けているようだ。
自意識過剰の彼からしてみたら、一度選ばれた刀に拒絶されることなどあってはならないことだろう。
(可哀想ね)
確かに九能には願いを叶えさせないようにしようとしたとはいえ、結果的に良心が咎める行為をしたことには変わりない。
そこで、ヒナギクは九能のプライドを傷つけないように提案という形で話すことにした。
「ねえ、九能君。それじゃ、満願丸と私の持っているこの刀とを交換しない?」
ヒナギクは磁双刀(N刀)を九能に見せた。
「ほう、これは見事な刀だな。それによく切れそうだ。」
「あなたも私も剣道をやっているし、お互いに刀が使えた方が今後役に立つと思うわ。
この刀の代わりに私は満願丸を貰うけど、それでいいかしら?」
「分かった。桂ヒナギク。お前からの交際の申し入れとして、お互いの刀を交換しよう!」
「勘違いしないで!満願丸と交換で刀をあげるだけなんだから!」
少し怒りつつヒナギクは磁双刀(N刀)を九能に渡し、九能は早速試し切りを行った。
九能が使う磁双刀(N刀)によって周りの木や岩がスパスパ切れていく。
(この人、意外と出来るわね。これならお互いに自分の身は守れそうね。)
「おお、桂ヒナギク。この刀すごく切れるぞ。これなら早乙女乱馬も一刀両断できるぞ。」
「あまり、切りすぎると刃こぼれするわよ。それに天道さんを探すんでしょう。」
「それもそうだな。それでは行こうか。桂ヒナギク。」
2人は再び森の中を移動し始めた。その間、ヒナギクは一人考えた。
(とりあえず、切り札になりそうなものを手に入れたわ。ゲームから脱出するにしても、出来ればこの刀を使わずに済むといいんだけど...。)
どんな願いも3つだけ叶えることの出来る聖刀満願丸。今、ヒナギクという主の下でその真価が試されようとしていた。
【Dー4 森の中/ゲーム開始から1時間経過】
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]磁双刀(S刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料・水二日分)、聖刀満願丸@らんま1/2
[思考]1.三千院ナギ、綾崎ハヤテ 、天道あかねとの合流
2.ゲームからの脱出
3.満願丸の使い方についての検討
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康
[装備]磁双刀(N刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.天道あかねとの合流
2.天道あかねと共にゲームを脱出
修正SS投稿しました。
NG認定されていた天生牙を聖刀満願丸に変更しました。
きちんと考えられるキャラに満願丸か…。
ゲーム(白面)そのものへの干渉とか集団蘇生とかは適当な理由で自粛(あるいは制限)させて欲しいところ。
九能がらしすぎてワロタ。
相当苦労したんだろうな……
文章が最初と全然違うよ、マジ乙。
それと、九能にワロス
満願丸については、色々言われるかもしれないけど
とりあえず、オレはこれでいいと思うわ。
修正乙です
修正前よりだいぶ読みやすいですし、満願丸も制限かければ問題はないと思います
大変でしたでしょうに、本当に乙です
修正乙です
でも、願い事3つってのは協力過ぎるんじゃないかと思う
バランスを崩さない程度のちょうどいい願いなんてそうはないんじゃないの?
制限するにしても
鉄砕牙に変えるって案もあったけどその方が無難だと思うな
天生牙より酷い代物にしか思えん
あれが駄目ならこっちで、とか考えが足りな過ぎじゃないか?
天生牙が何で駄目だったのかよく考えて支給品を選定してくれ
GJー
ただ、上でも言われてる通り三つの願い事は不味い気がする
制限つけようにも漠然としすぎてどうしたもんか
はっきり言おうぜ、このままならNG必須だって
オブラートに包みすぎてちゃこの作者には伝わらないぞ
まともな作者なら一度NG指定された天生牙やら聖刀満願丸やら出さないだろ
遠慮して言ってるとややこしい事にされるぞ
マンガン丸の制限方法……
美神を送り込んで、ネタキャラ(剣)にしてしまう。
嘘です。
やっぱり、NGか?
それじゃ、聖刀満願丸で使用制限を掛けたバージョンで再修正させていただきます。
九能と会ってから30分、ヒナギクは九能と2人森の中をさまよっていた。
その間、九能と話をしていたが、話を聞けば聞くほど、合流する予定の
天道あかねという人物に同情していた。
なにせ、この30分の話が「天道あかね」と「おさげの女」の事だけ。
普通の女の子なら、これは耐えられないだろう。
(そんなに悪い人ではなさそうだけど。この人相当自意識過剰だわ。
でも、お姉ちゃん並のバイタリティはありそうね。)
普段のヒナギクなら速攻で九能と別れてナギやハヤテを探しにいくだろうが、ここは常識が通じない世界。
せっかく出来た仲間と別れて、2人を探しに行くほど愚かさではない。
でも、九能の話にヒナギクの我慢も限界に達してきたので、別の話題を振ることにした。
「そういえば、九能君。あなたの持ち物は何?」
「うむ、僕の持ち物は『聖刀満願丸』という刀だ。」
そう言うと九能は満願丸を取り出した。ヒナギクが見たところ、ただの日本刀だ。
「不思議に思うかもしれんが、この刀は3つの願いを叶えることが出来るのだよ。桂ヒナギク。」
「願いを叶えるって?本当に?」
「ああ本当だ。昔、満願丸に僕は選ばれたのだからな。」
「あなたがこの刀に選ばれたの?」
「そうだ。僕は満願丸に100万人目の勇者として選ばれたのだよ。」
九能は満願丸に選ばれた時のいきさつやどのような願いを叶えたかも話してくれた。
初めは、願いを叶える刀という都合のいい話などあるわけがないとヒナギクは考えていたが、
この世界に連れてこられたいきさつを考えると信じられる気がしてきた。
ただ、九能が叶えた願いについては誰から見ても、もっと気のきいた願いがあると思えるものばかり。
もし、九能が満願丸を使ったら、また無駄な願いに浪費されることになるだろう。
(もしも、この刀が本当に願いを叶える刀だったら、今後何かの役に立つはず。
でも、九能君が満願丸を使ったら、ただの棒きれになってしまう)
ヒナギクはある賭に出ることにした。
「ねえ、九能君。よかったら、この刀貸してくれない」
「ああ、いいぞ。僕と交際したいんだな。」
「違うわよ。あなたと交際したいといっているわけじゃないんだから!」
あいかわらず自分の世界に入っている九能を無視しつつヒナギクは満願丸を受け取った。
その瞬間、満願丸がヒナギクに語りかけたのだ。
『選ばれし者よ。汝の願いを言え、3回まで叶えてつかわす。』
なんということだろう、ヒナギクは満願丸に選ばれてしまったのだ。
自分としては、九能から一時的に刀を取り上げておくだけだったのだが、こうなっては仕方がない。
「まだ、特に願いはないわ。あったら、きちんとお願いするから。」
『了解した。』
満願丸は今にでもヒナギクの願いを叶えそうな様子だったが、満願丸はしかるべき時に使うべきだ。
今は九能に満願丸を返そう。元々彼の持ち物なのだから。
「九能君ありがとう。刀を返.....」
ヒナギクがそう言いかけた時、満願丸との成り行きを見ていた九能は悔しそうに叫んだ。
「確かに、顔よし、姿よし、裕福な上に人格者で強くて賢い僕には3つの願いは
多すぎるとは思ったが、何故選ばれし者の僕ではなく、桂ヒナギクを選んだのだ。満願丸よ!」
『汝は、過去の我に選ばれし者。よって、今度は別のものを選び、その願いを叶えることとする。』
九能は満願丸の回答にあまり納得していないようだ。その上ショックも受けているようだ。
自意識過剰の彼からしてみたら、一度選ばれた刀に拒絶されることなどあってはならないことだろう。
(可哀想ね)
確かに九能には願いを叶えさせないようにしようとしたとはいえ、結果的に良心が咎める行為をしたことには変わりない。
そこで、ヒナギクは九能のプライドを傷つけないように提案という形で話すことにした。
「ねえ、九能君。それじゃ、満願丸と私の持っているこの刀とを交換しない?」
ヒナギクは磁双刀(N刀)を九能に見せた。
「ほう、これは見事な刀だな。それによく切れそうだ。」
「あなたも私も剣道をやっているし、お互いに刀が使えた方が今後役に立つと思うわ。
この刀の代わりに私は満願丸を貰うけど、それでいいかしら?」
「分かった。桂ヒナギク。お前からの交際の申し入れとして、お互いの刀を交換しよう!」
「勘違いしないで!満願丸と交換で刀をあげるだけなんだから!」
少し怒りつつヒナギクは磁双刀(N刀)を九能に渡し、九能は早速試し切りを行った。
九能が使う磁双刀(N刀)によって周りの木や岩がスパスパ切れていく。
(この人、意外と出来るわね。これならお互いに自分の身は守れそうね。)
「おお、桂ヒナギク。この刀すごく切れるぞ。これなら早乙女乱馬も一刀両断できるぞ。」
「あまり、切りすぎると刃こぼれするわよ。それに天道さんを探すんでしょう。」
「それもそうだな。それでは行こうか。桂ヒナギク。」
2人は再び森の中を移動し始めた。その間、ヒナギクは一人考えた。
(とりあえず、切り札になりそうなものを手に入れたわ。ゲームから脱出するにしても、出来ればこの刀を使わずに済むといいんだけど...。)
しかし、ヒナギクは気づいていなかった。
九能のデイバックに白面が入れていた満願丸の使用説明書があったことに。
九能は過去に満願丸を所有していたので特に読んでいなかったのだろうが、そこには残酷な現実が書かれていた。
『聖刀満願丸・・・どんな願いも3つだけ叶えることの出来るアイテムです。
ただし、願い事には代償が伴います。満願丸で願いを1つ叶える毎に私に報告され、
何かしらの代償が必要となります。代償はあなたの願いによって変わります。
くれぐれも注意してお使いください。』
【Dー4 森の中/ゲーム開始から1時間経過】
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】
[状態]健康
[装備]磁双刀(S刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料・水二日分)、聖刀満願丸@らんま1/2
[思考]1.三千院ナギ、綾崎ハヤテ 、天道あかねとの合流
2.ゲームからの脱出
3.満願丸の使い方についての検討
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康
[装備]磁双刀(N刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.天道あかねとの合流
2.天道あかねと共にゲームを脱出
[備考]満願丸で願いを叶える代償は以下の通り。
軽度の願い 「使用者自身が一定時間婢妖に苦しめられる」
最大級の願い「使用者もしくは使用者が大切に思う人の命」
ただし、自分もしくは他人が苦しむ願いをした場合は、特にペナルティ無し。
白面からみて、取るに足らないあほらしい願いも特にペナルティ無し。
ヒナギクの場合、ナギが既に死亡しているため1つ目の願いはペナルティ無し。
なんだかなぁ…
ロワは殺し合いが目的であって、アイテムの使用によって死亡とかは好ましくないんだが…
この人、本当にバトロワがなんであるか分かってるのかなぁ?
修正する度に別の問題を出されたって困るんだけど
もしかして、新手の荒らしなんだろうか?
なんつーか。ふざけんな。
>>144 流れをぶった切ってすみませんでした。
>>148 特に荒らしているつもりは無いんですが、本家バトロワの三村みたいにゲームマスターの裏を
かくことの出来る人物&アイテムをどこかで入れておきたいというのが自分自身の考えです。
うーん、戦術の幅を広げたいんじゃなく主催の裏をかかせたいならやっぱりこの武器は不向きだと思う
ていうか願いが叶うアイテムを支給した段階で、それによって実現可能なことは把握してて対処法も持ってるだろうし
裏をかかせたいならそのキャラが元来持ってる特殊能力を駆使させるか、アイテムを本来の用途と違う目的で使うとか、そのぐらいさせなきゃならないと思う
>>150 今までの流れで、その考えがことごとく間違っているとは思わないの?
別にゲームマスターの裏をかくアイテムなんて必要ないような気がするんだが…
自分達に不利になるアイテムをゲームマスターが支給する意味も分からないし
ていうか、裏をかくとか以前にバトロワをやってくれよ
殺し合いがメインであって、裏をかくだのは二の次だから
えと……修正お疲れ様です。
ただ、二点不備があります。
1つ
『聖刀満願丸・・・どんな願いも3つだけ叶えることの出来るアイテムです。
ただし、願い事には代償が伴います。満願丸で願いを1つ叶える毎に私に報告され、
何かしらの代償が必要となります。代償はあなたの願いによって変わります。
くれぐれも注意してお使いください。』
ここで言う”私”は当然、白面を指していると考えられますが、白面の喋り方としては違和感がありすぎです。
敬語を使う白面というのは原作でも出てきていません。
2つ
万能系アイテムとはそれ自体が既にNGです。また、満願丸は原作でも描写が少なく、実際にどの程度の願いをかなえ、
どの程度の効力を持っているのかも不明なため、このような万能アイテムを支給されても他の書き手が書けません。
私自身書き手をやっていますが、もし、これの続きを書くとしたら、紅煉をぶつけてすぐに満願丸を破壊します。
それぐらい、どんな制限をかけても万能系アイテムはNGだと思っていてください。
ご自分で、鉄砕牙の修正版を考えていたと言われているのですから、それが一番確実です。
糞書き手が出たと聞いて飛んできました
願い1:如何なる障害からも守られる確実な安全を参加者全員に。
願い2:白面と婢妖を全滅させる。
願い3:全ての参加者をも元いた世界に戻す。
---
仮に、こういう願いをかなえたとしたらどうなるんでしょうか?
一回目の願いで、満願丸のペナルティを阻止し、二回目以降で本番の願いを叶える。
こうすれば、ペナルティを食わずに簡単に脱出できてしまいます。
言いたい事は、繰り返しになりますが、万能アイテムは駄目です、という事。
厳しいようですが、このままではNGにする以外ないと思います。
分かりました。再修正を行います。
今度はアイテムは鉄砕牙ということで。
主催者の裏をかかせるキャラなんていくらでもいるだろう
清麿とかリーマンとか・・・
まあ頑張ってください
>>156 ありがとうございます。
色々とお手数おかけしますが、もう一度頑張ってください。
とりあえず修正要請聞いてくれてありがとう
>>157 流兄ちゃんも忘れちゃいけない
したらばに試験投下スレを作ろうぜ。どうよ?
それには賛成だが、すでに似たようなスレがなかったっけ?
みたら立ってるのは没ネタスレだった。
他スレでは分かれてるし、そのスレタイだと試験投下スレとして利用しようとする人は少ないんじゃないか?
まぁこのスレでそれが問題ないのなら別に構わんけど。
>>165 そうですか……なら、作っておきましょう。
どうせ、悪いものじゃないですし
ん、乙。
>>156 というわけで今までが今までだけに修正した作品はまずしたらばに落としてくれないか。
とりあえずNGアイテムとしては
聖刀満願丸、天生牙、あと、まだ出てないが、スプリガンの聖杯
こんなものか?
>>167 ありがとうございます。それでは早速修正版を投下させていただきます。
流れぶった切って質問いいかな?
ジャバウォックの爪@ARMSが支給されてるって事は、高槻の方のジャバウォックの爪も折れてるって事なのかな?
それとも再生できるから平気? 爪だけでナイフみたいに使えるなら、ボキボキ折っては再生して武器量産も
出来そうだとか心配になってさ。 。ARMSは読んでたんだけど、うろ覚えで良く分からないんだ
いいと思います。
すみません。
質問しますが開始時刻って朝六時で良いでしょうか?
そういう設定で書き始めちゃったんですが。
OK
別に上から見ているわけじゃありませんが、
すげーよくなりましたね。
支給品についても結界能力くらいならロワ範囲?に思います。
時刻は七時半を過ぎた頃。
灯台の入り口から二人の男が出てくる。
オレンジの派手な服装の男、後藤喜一。
その服は彼が隊長を務める特車二課の制服である。
後藤は少し違和感を感じていた。
手元にあった三百円で後藤がボディーガードに雇った阿紫花という男。
彼のこの制服に対する反応の薄さである。
ある意味で有名(どういう意味合いかは後藤他諸隊員の名誉の為、割愛しておく)な
第二小隊の制服はその独特の色合いのせいもあるためか、それを見た者に多かれ少なかれの反応があるのである。
阿紫花にはレイバー小隊という物珍しい部署に対する興味も、仕事の不始末に対する皮肉めいた発言もない。
「最近のお巡りさんって言うのは派手なんですねえ」という一言だけだった。
そう、まるで第二小隊の存在を知らず、制服を始めて見たかのような。
ここで後藤は、集められた当初にそれはまず無いだろうと頭の中にしまい込んだ一つの考えを再び取り出す。
それはパラレルワールドという安っぽいSF小説のような考え。
もしそうならば、この不可思議な世界も、自分に配られた支給品も、特車二課をおそらく知らないであろう阿紫花の反応も説明は付く。
「旦那、どうかしたんですかい?早く行きやしょうや。」
考え込み、足を止めていた後藤に先を進む阿紫花が話しかける。
「なに、考え事をしてただけさ。ところで歩きながらで良いんだが、少し質問したいことがある。」
後藤は自分の考えを確かめる為に質問の提案を持ちかける。
「刑事さんお得意の取調べって奴ですか?」
「どっちかっていうと聞き込みって奴かな。この場合。
なあに、あんたが言いたくないことは喋らなくてもいいさ。」
煙草を吹かしながら、後藤と阿紫花は砂利道を音を立て進む。
「レイバーって言う物を知らないか?」
「・・・いやあ、聞いたことも無いですねえ。なんですかいそりゃあ?」
暫しの沈黙のあとに阿紫花は答えた。
「やっぱりそういうことか。」
後藤は自分の考えが確かなものだと確信した。
自分の世界でレイバーの存在を知らない人間など殆ど居ない。
阿紫花が嘘を吐いている可能性も無いわけでは無いがそんな嘘を吐くメリットも考え付かない。
つまり、阿紫花は特車二課やレイバーの存在を知らないのではなく、その存在自体が無い世界から連れてこられたのだろう。
「そういうことって言うのはどういうことなんです?」
状況を飲み込む事の出来ない阿紫花は後藤に何のことかを尋ねる。
後藤はレイバーについてや自分の世界、自分が達した結論、そもそものパラレルワールドの概念などを分かりやすく教えた。
「大体の事情は承知致しやした・・・」
阿紫花は訝しげな顔をしては居たが後藤の話をとりあえずは信じる事にした。
「しかしロボットが居るなんて、酔狂な世界もあったもんだ。
まあ、あたしの世界も信じられないような事はありましたがね。」
「ほう、そりゃ興味深いな。詳しく聞かせてもらえりゃしないかね?」
「構いはしませんが、旦那はそれを聞いてどうするんですかい?」
「出来るだけ、それぞれの世界についての情報は仕入れておいたほうが良い。
最初に集められた場所でも化物みたいな連中は居たし、支給品に関しても単なる重火器や刃物の部類じゃなく特殊なものもあるだろう。
対処法が分かれば万々歳って所さ。」
「そういうことなら、とりあえずあたしの知ってる信じられないようなことでも話やしょうか。」
阿紫花は後藤の先見の明に改めて感心する。
そして自動人形のこと、黒賀の者やしろがねなどの人形繰り達について
そして世界に蔓延するゾナハ病についてなど自分が殺し屋である事意外、包み隠さず話した。
殺しのクライアントならともかく、ボディーガードとクライアントの関係は円滑なものにしておきたい為だ。
「自動人形のサーカスがばら撒く病原菌で人々が苦しんでいるか。確かに俄かには信じ難いね。
しかし、その黒賀やしろがねといった人々が使う人形に関しちゃ、支給品で配られていたとしても余り恐れる事は無いだろうな。」
「確かに人形は訓練を積んだ者じゃなければ有効に使えやしませんからね。
恐ろしいのはパンタローネって自動人形でさ。エレオノールって嬢ちゃん守る為ならなんだってしやす。」
「ふむ。こいつはこの支給品も使えるようにしとかなけりゃいかんかな。」
後藤はデイパックから和紙で出来た小さい箱とその取り扱い説明書を取り出した。
「そりゃあ一体なんです?」
阿紫花はとても武器には見えないその箱を開けようとする。
「おっと、止めておいたほうが良い。この中には外堂とかいう化物が住んでいるらしくてな。
人の欲望、恨みや妬みの心を糧にして生きる化物だそうだ。
俺は信じる気にはなれんかったし、特殊な術者じゃなけりゃ使えんものらしいから使う気は無かったんだ。
だが、そう四の五の言ってる場合じゃないからね。おそらくこいつも俺やアンタの世界とは別の世界の物だろうなあ。」
差し出した手を引っ込めて、阿紫花はホッとした顔をする。
「しかし、こんなもんどうする気ですかい?ある種の外れみたいなもんだ。」
「この説明書に外道を操る為の歌や印の結び方が書かれてる。
ある程度マスターしたら俺みたいな何の力の無い人間でも使えるらしい。
だが、強力になりすぎれば取って喰われたりするかもしれんがね。」
後藤はそんなことを眉一つ動かさずに言ってのけた。
そんな事を話しているうちに時刻は九時をまわった頃。場所はH-8辺りだろうか。
「こいつは・・・」
所々、地面が軽く抉られている。並の脚力で蹴った者ではないだろう。
「誰か居たようですね。しかもこいつはかなりの実力者が戦ったあとみてえだ。」
そんな地面を見て阿紫花はただ事ではないと言った風に口を開く。
先程、優と犬夜叉が戦った後なのだがこの二人には知る由も無い。
「しかし、死体が近くに無いって事は戦闘はしても、殺し合いをしていた訳じゃあないって所かな・・・」
「どっかに埋めたのかもしれやせんよ?」
「それは無いさ。毒殺ならともかく、これだけの戦闘を行ったんだ。
少なくとも血液の匂いがしたり、どこかに少しぐらい血溜りがあっておかしくない。
そもそも、殺し合いが公然と認められたこの場所で、一々死体を埋めるなんて行為はしないさ。そうだろう?」
「そいつはそうですね。」(そうだろうと来たもんだ。あたしが殺し屋って事もお見通しですかね。)
阿紫花は後藤に鎌をかけたつもりだったが、それも必要はなかったようだ。
そして確信する。この男の頭は切れる。そう、まるで鋭利なかみそりのように。
「さて、氷川村へ急ごう。」
二人はとりあえず、人の集まるであろう氷川村へ先を急ぐ事にした。
【H-8/ゲーム開始から三時間経過】
【阿紫花英良@からくりサーカス】
[状態]:健康
[装備]:オリハルコンナイフ@スプリガン
[道具]:荷物一式(食料&水:2日分)
[思考]:1.氷川村に向かう
2.ゲームには乗らない
3.降りかかる火の粉は払う
【後藤喜一@機動警察パトレイバー】
[状態]:健康
[装備]:お外堂さん入りの和紙の箱@うしおととら
[道具]:荷物一式(食料&水:2日分)
[思考]:1.氷川村へ向かう
2.出来るだけ早い内にお外堂さんを扱えるようにする
3.野明、太田の情報を集める
4.ゲームの阻止
備考:お外堂さんは設楽水乃緒が使っていたものです。
印と歌を覚えれば誰にでも扱えるよう調整されています。
しかし、箱が壊れる・術が使えないうちに箱から出す等をすると人間の参加者は取り付かれます。
どうだったでしょうか?
問題点がある場合は書き直しますので言ってください。
おおぉ、いい感じじゃない。
お外堂さんって結構特殊な武器なんで自分で紹介は考えときました。
お外堂さん@うしおととら
香川県、設楽の里で古くから祀りあげられていた妖怪
原作では外堂使いにしか使えないとなっているが
印と呪禁歌(じゅごんのうた)を覚えれば使えるという設定
原作に登場した呪禁歌(じゅごんのうた)の一覧
「天風を具して参れ。土を捲き重ねて来たれ。」
「肉を食み甘を吸い忘るる事なかれ」
「昔日に縹渺とすすき野の啼く彼の時を思えい汝よ。」
「時は流れて逝きて留まること能はずともなお。」
「侍髪長くして長柄は隠形の型。汝を幾重にも責め刻む。
いわくこれより汝が棲まふのは小さき箱。以って現に出ること能はず。」
「」内の歌を組合すことで外堂を強化したり、弱めたりすることが出来る。
あと、訂正です。
>>181 三行目「並の脚力で蹴った者ではないだろう」→「並の脚力で蹴ったのではないのだろう」
六行目「戦った後なのだが」→「戦った跡なのだが」
新作乙
はじめて3時間以上経過したグループの登場だな。
一応「すれ違いの山頂」が三時間経過してる
>>184 GJ!
後藤さんはそう簡単にお外堂さんにしはいされなさそう
>>172 俺もうろ覚えで申し訳無いが、まず折る→再生→折るの無限ループは可能だと思う。
次にジャバウォックの爪だけど、AMRS殺しに折られたのでなければ再生しているはず。
原作でもブルーメンにくれてやって、対ARMSのミサイルでも作れば良かったのにね。
相手に拾われて再利用でもされたら困るからダメかw
それとジャバウォックの爪といっても、効果的なのはARMS相手のみで後は頑丈?な爪にしかならんよね。
巌のアレはまた色々と条件やら有りそうだし、本人とはいえヒョイヒョイ使ったり、ましてや他のキャラが使うってのは無いよね。
ロワ条件下だと再生能力に制限かかりそうだから、今は無限ループ不可能かと。
通常のARMSだとナイフとしては使いづらいし、
ARMS自体かなり硬質だからそうポキポキとは折れないだろ
おそらく通常のARMSの爪の場合はコアが壊れた時みたいに風化するんじゃないかと思うけど
そういや爪だけでも共振機能付いてるから銀の変身に反応してるかもな
作中の描写から適当に推測してみた。反論ある人は突っ込みよろしく
06〜08時:
内海、加藤
御神苗、フォルゴレ、犬夜叉
イアン
とら
潮
刃
殺生丸
ボーマン
パンタローネ
植木
エレオノール
流
風子、南
鈴子、鬼丸
蘭、東、良牙
トニー
ホワン
小五郎、メドーサ
河内、美神
門都
ヒナギク、九能
涼
紅煉
達也
ココ
08〜10時:
太田、タマ
和也
後藤、アシハナ
横島、あかね
アノン
さやか
ハヤテ、シルバー
巌
ピエロ、野明
烈火
シェリー
乱馬、武蔵
清麿、神楽
芳乃
吉田
かごめ、灰原
カオス、紅麗
10〜12時:
該当なし
そういえばまとめさんどうしたの?
更新されてないみたいだし連絡もないし
うしとらとバトロワの終盤って似てるよな。(メル欄・ネタバレ注意)が。
別にパクりだって言いたいわけじゃないんだけど。
そのシーンの何がどう似てるのかさっぱりわからんクマー
というかスレ違いなんで小説板か懐かし漫画板のバトロワスレへ
連絡が遅れて申し訳ありません。
最新話まで更新しました。
基本的に土日更新なので月曜に来ると更新が遅くなります。
各キャラ登場回数(プロローグ除く)
1回(生存) 29人
鉄刃、鬼丸猛、毛利小五郎、蒼月潮、とら、秋葉流、加藤鳴海、エレオノール
パンタローネ、霧沢風子、門都、紅麗、殺生丸、美神令子、ドクターカオス
メドーサ、ココ、内海、ヘンリー・ボーマン、トニー・ベネット、東和馬、河内恭介
高槻涼、ジェームズ・ホワン、上杉達也、浅倉南、植木耕助、鈴子・ジェラード
バロウ・エシャロット、
1回(死亡) 5人
江戸川コナン、三千院ナギ、虎水ギンタ、スノウ、ドロシー
2回(生存) 28人
宮本武蔵、毛利蘭、灰原哀、紅煉、阿紫花英良、犬夜叉、日暮かごめ、神楽
高峰清麿、シェリー・ベルモンド、パルコ・フォルゴレ、泉野明、太田功、後藤喜一
染井芳乃、御神苗優、綾崎ハヤテ、タマ、桂ヒナギク、早乙女乱馬、天道あかね
響良牙、九能帯刀、キース・シルバー、上杉和也、吉田剛、アノン、イアン
2回(死亡) 1人
諏訪原戒
3回(生存) 5人
峰さやか、花菱烈火、横島忠夫、ピエロ・ボルネーゼ、高槻巌
198 :
作者の都合により名無しです:2006/10/13(金) 19:15:05 ID:i9I5xD4p0
前回集中発生した新人の方々は新作を作っているのだろうか。
wktkしながら待っている今日この頃。
書く気はあるけどアイデアがないなんて言えない
書く気も、アイデアもあるけど、書いてる途中なんていえない。
期待させてもらおうか
一度、予約をブッチした手前聞きにくいんですが
予約期限ってどれぐらいなんでしょう?
そういや予約に関するルールテンプレにないな
期限は3日だったと思うけど
三日か……
まだ予約しないほうがいいな。もう少し書き上げておこう。
>>203 どうも。
どうせ過疎だし、期限は守らなくてもいいけど
予約したままトンズラされたら困るから、3日たって出来ないようなら
連絡入れて再予約て形で
206 :
204:2006/10/14(土) 01:35:20 ID:CFhSVXTc0
そんな事言われると予約したくなるが、多分一週間経っても書けないと思うので
ギリギリまで予約はしない。それに、過疎じゃない。
土日には一作来ると信じてる。
書きたいけどキャラの把握が出来てないんだよな…
土日使って原作読み込もう
期待してるぜ
もう今日中には新作来ないのかな…
来週までに……っていうのなら……
いや、別に急かしてるわけではないんでゆっくり書いてくれたらいいですけど
お久しぶりの朝投下。自己リレーなのは御勘弁……
互いを見定めあう視線が交差している言葉のないこの状況の危うさに気付く。
その危うさとは殺し合い前提のこの島で自然に個人と個人の間に流れる緊張感なのだと鈴子は理解した。
誰かが歩み寄らねばいずれそれは致命的な結果へつながるだろう。
だから、勇気を言葉にしてその間隙を埋めにいく。
「黙ってても仕方ないですわ。まずはお互い自己紹介からどうでしょう?
私はジェラード・鈴子ですわ。あなたは?」
返ってくる自己紹介なし。
危険な兆候を回避すべく行ったこの挨拶に男が乗らなかったことは余計に空気を悪化させた。
同時に鬼相の彼はゲームに乗っているのではという懸念が鈴子に生じる。
首筋から温度が抜け落ちていく気がした。
自分が楽観的過ぎたことへの不安と焦燥が思考を覆い尽くしていく。
「あなたはゲームに乗っているの?」なんてふうに話を続けられるほど冷静でいられない。
ならばいち早い逃走を、という考えは脳内のどこかが拒絶している。
要するに相手がゲームに乗っているとこちらで決めつける行為を選択できぬままに、
鈴子は張り詰めるほどに緊張感の増した空間に身を留めていた。
けれど選ばなければ選ばさせられるだけである。
確かめるように右腕の包帯に目を落としていた男が再びこちらを向いた時その表情は、確かに笑っていた。
少なくとも鈴子にはそう見えた。
(――来るの!?)
中途半端とはいえ強引に戦闘モードへと入った身体が反射的に右手を跳ね上げる。
迎撃の為のショットの構え、けれど弾の素となるビーズのない現在それはまったくの無意味。
いや、無意味なはずだった。
突き出した右手の向こうでは早業で立ち上がっていた男が防御姿勢をとっていた。
ほんのわずかではあるが不意を突かれた――とでもいいたげな不快感が顔にある。
ただし、このときの鈴子にはそれら理由を推察するまでの時間はない。
(あ、いけない……でも、チャンスですの?)
少しだけできた優位な時間、枷が外れたように良く動く身体を翻して一気に建物へと飛び込んだ。
校外の古ぼけた風景からは期待はずれのありふれた光沢を放つ床が続く廊下を土足が騒がしく通り抜けていく。
二つ、扉が脇を過ぎていったことを認めて速度を落とさないように気にしつつ振りかえった。
四角に切り取られた朝の光のモニターにはゆっくりと歩いて建物へ近づいてくる男の影が浮かび上がっている。
その悠然とした動きは鈴子にいくばくかの思考の余裕をくれた。
(このままの距離を保てばとりあえずは安全そうですわね。
…そういえばさきほどはどうして彼は怯んだのでしょう?
確かに私も急な動きでしたけれどなんだかひどくオーバーな……ッ!!)
自分のものとは違う良く響く足音が後方から聞こえ、わかりきったことを確かめるために鈴子はもう一度振り向いた。
明らかに自分より上の速度で猛然と彼が追ってくる。
一方逃げる鈴子はもう少しで校舎の端へ到達する位置にいた。
その先は開放された渡り廊下が続き講堂兼体育館へと続いている。
またその手前には二階への上り階段がある。
武器も力もないのに殺し合いルールの中で誰かに追いかけられる。
平和に暮らしてきた中学生ならおそらく恐怖に駆られるだけであるところではあるが、
いくつもの修羅場や戦闘を経験してきた鈴子はもう少し冷静に考えることができた。
(このまま逃げ続けてもダメ、速度差でどこかで追いつかれますわ。
かといって戦う手段もない。何も手はないの? ………いえ)
廊下の端、階段と渡り廊下に分岐するポイントは近い。
思考と決めた覚悟とつながった記憶が鈴子の中に一つの閃きを生む。
デイパックの中身を思い返しつつ賭けですわね、と小さく呟いた。
聴覚はしっかりと接近を捉え警告してくれている。
ちらりとだけ、三度振り返った鈴子は分の悪さを確信してからその不安を噛み潰す。
(でも……やるしかありませんわっ!)
出入り口をくぐり繋がる渡り廊下へ躍り出る。
斜めに差し込んでくる光の中へ飛び込むと同時にできるだけ速度を落とさないように反転し、右腕を砲身に見立てるが如く突き出す。
同時に左手をデイパックの中へ滑らせて適当な大きさの何かを掴む。
聴覚が男のペースの乱れを聞き取り、慣性を利して跳び退る形から着地、転進。
抜き放たれた左手は掴みだした何かを緩く彼へ向けて放った。
ゲームの暗さと強く対照を為す陽光が廊下から飛び出した鈴子の視界を白く染めている。
期待しているのは彼もまた側面から差す光によって視界をいくらかでも遮られていること。
自分が何を仕掛けたかを確認するために彼の勢いが減じていること。
彼との距離が遠すぎもせず過剰に近すぎもしない程よい距離でいてくれること。
ある程度は仕掛けたとはいえ、偶然頼みの賭け。
けれどこの分の悪い賭けは鈴子の期待の範疇で第一段階を潜り抜けていた。
投げつけられた白衣を足を止めて打ち払った彼の拳は鈴子の1メートルほど前を風切った。
追いかけっこは停止、代わって2メートルほどの距離を開けて"腕"を男へ向け突きつける鈴子という構図が出現している。
「話を聞いてくれませんか? ………でないと、撃ちます!」
命綱は"鉄"あるいは"百鬼夜行(ピック)"に見立てた腕一本。
知らない相手には「何やってるの?」と馬鹿にされそうな行為でも彼には通じるはず。
他でもないアノンと戦って彼は傷ついたのだから。
最初のオーバーアクションと感じた反応も初めて神器という力を経験した残像、戸惑い、警戒ゆえに違いなく。
それこそが無力な鈴子がつけこめる部分だった。
今はアノンの残像と度胸、そして演技力が武器。
覚悟を決めた鈴子の目はもう鬼に対しても押し負けることはない、……はずであった。
「まずはあなたの名前を教えてくれません? さっきは答えてくれませんでしたわ」
不愉快げな鬼は目に光を蓄えたまま今度も答えない。
再び沈黙が続くことを恐れてこの問いを諦めた鈴子が次の質問に移ろうとしたとき。
視覚――いや全身すべてから神経を震わされる感触が伝達された。
戦慄が体内を駆け抜け、冷や汗が吹き出る。
潮のようにそれが引いた後も手足の末端部にかすかに残る震えが浴びせられた恐怖を印している。
勇気とハッタリで作り上げた見掛けの優位ももはや大きく崩れていた。
それでも、生き残った元気を纏め上げて鈴子は何とかその優位を保とうとする。
「な……名乗りたくないならいいですわ。それよりあなたはゲームに乗るつもりですね」
沈黙は一変した重い空気と混ざり合って鈴子を追い詰めていく。
それでもまだ懇切丁寧に事情を説明すれば説得できるかもと自分に言い聞かせて希望を繋いだ。
そうでなければどうなってしまうかなんて考えたくも無かった。
結局元通り押し潰されそうな二度目の対峙は舌打ちで破られる。
「操れぬか……。まあよかろう。我が名は鬼丸、やがて天下を制するものだ」
「…鬼丸さん、ですわね」
「ところで、そのできもしないくだらぬ脅しはいつまで続ける気だ?
いつまでもオレは寛容ではないぞ」
「え?」
再び目にした彼の笑みは自信と邪悪に満ちた笑顔。
それよりなにより実体のない脅しであることを言い当てられてさらに動揺が走る。
ここで引けば完全な敗北であることはわかる。だから、引いてはいけない。
消し飛びそうな心を支えることができたのはぐるぐる回るたったそれだけの思考。
心理戦ではこの程度のやり取りは当然という知識はあってももはや上手く切り返せる状態ではなかった。
完全に固まってしまった鈴子の様子を察して、疾風の如く鬼が動く。
突き出していた右手に痛み。重心が崩される浮遊感。背中から垂直に突き抜ける衝撃。
「こうなる前にさっさと引き金を引くべきだったな。雑魚が」
暗転する視界、鉛のような身体、降りてくる侮蔑。
それは完全な敗北の痛み――望まぬレッテルも受け入れられるほどの。
それから数分後。
鬱然と地面に座り込んだ鈴子にアノンについての質問が続いていた。
主にその戦闘能力について聞かれていたような気がするが、どう答えたのかはよく覚えていない。
ともかく彼はある程度の満足を得ていたようだし、嘘をつくほど頭が回っていたはずもないので淡々と喋っていたのだろう。
質問の時間も終わり、何も考えたくない頭で自分のデイパックを漁る鬼丸を見ていた。
恐怖も希望も存在価値を完膚なきまでに打ち砕かれた自分というくすみの下に埋もれている。
陰鬱な沈み込みの時間は冷たく通る彼の声で終わる。
「使えそうなのはこの針程度…。そうそう当たりは引けぬか。
では、不要な残りはここに置いておくぞ。ああそうだ、こいつをくれてやろう」
そう言って無造作に放り出された鈴子のデイパックのそばに鬼丸は取り出した飯ごうのような物体を置いた。
既に鬼丸はこの場を去っていくらかの時間が過ぎている。
未だ立ち上がることもできず、どん底をさまよう鈴子ではあったがそれでもようやく思考力を取り戻しつつあった。
まず第一に殺されなかったことが不思議だとは思った。
しかしその結果を「自分には殺すほどの価値もない」と自己変換して納得し、気持ちはますます暗く落ち込む。
それでさらに時間を無駄にしたあとで、ようやく自分のデイパックとその脇の物体に目がいった。
(……あれは、なんでしたっけ?)
ゆっくりと、つい先程の記憶を必死にたぐって鬼丸が言っていたことを思い出す。
(確か…そう、……『クレイモア地雷』って…地雷!?)
(そうですわ。『自分で使うつもりはなかったがこういう風に役に立つとは』、とか)
(スイッチ……私に起爆スイッチを見せて『生殺与奪はここにある』……)
「そうですわ、『刀と交換ならこれを引き渡しても良い』とも言ってましたわね」
おずおずと立ち上がり物体に恐る恐る手を伸ばす。
指に感触が生じたところで良く知らぬ機械への恐怖が作用して慌てて手を引っ込めた。
そのまま1メートルほど間を取って呆然と立ち尽くす。
改めて落ち着いて考えれば、自分は脅迫を受けたということらしい。
爆発を起動できるスイッチは彼の手にあり、爆発する地雷はここにある。
鬼丸は刀とそのスイッチを交換してくれるとは言ったが、再会の時に私が満足するものを渡せなければその時は恐らく殺されるだろう。
彼にも探し物があり、私は今そのための手段として生かされたというだけである。
わざわざ置いていった地雷は不完全とはいえ主催者が参加者に与えた束縛と似た意味を――
つまりはそれを甘んじて所持することが服従と無抵抗の印代わりだと言いたいのだと思う。
「……一体どうすればいいの?」
突きつけられた現実にたゆたう。
拾うことも逃げることもできないまま、1メートルの間隙に大きなため息が吐き出される。
キラキラと降り注ぐ陽光はいまや自分の暗澹たる心中と対比を為す輝きだった。
無力を刻み付けられた精神と身体は決意も、方針も失って漂っていた。
【D-6 鎌石小中学校→どこかへ移動/ゲーム開始より2時間経過】
【鬼丸猛@YAIBA】
[状態]右腕軽傷(処置済み)
[装備]注射針
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、クレイモア地雷(遠隔起爆モード)×2+起爆スイッチ
[思考]1.鉄刃他、目をつけた強敵を打ち倒し覇道を制す
2.刀剣を手に入れ、アノンへの屈辱を返す
※アノンと神器についての大まかな情報を入手。但し神器情報はレベル8「浪花」まで。
【D-6 鎌石小中学校/ゲーム開始より2時間経過】
【鈴子・ジェラード@うえきの法則】
[状態]健康、但し精神状態はどん底
[装備]ナースキャップ
[荷物]荷物一式(食料二日分&水一日半分)、クレイモア地雷(遠隔起爆モード)×1
なりきりナース医療セット(包帯、消毒液、注射器数本、輸血パック、ナースの制服)
[思考]1.激しく落ち込んでいます
鈴子弱すぎだろ
新作乙
鈴子災難だなぁ……
でも、鬼丸がどっか行ったって事はさやかと出会うのは鈴子って事になるわけだ。
初めて問題のない人間と出会えるわけだなwww
文字通りの地雷だな。
540 :Classical名無しさん :06/10/16 16:26 ID:8H6/T3d2
過疎スレに久々の新作が
でも、日本語としておかしいorz
どうしたらいいんですか、先生
鬼円は刀欲しがってるけど、風神剣は島の反対側だな。
新作乙
鈴子悲惨。でも、生きてるだけいいところか。
そんなわけでまとめ更新
久々の有給で最初にやった事が更新と子犬の世話
キーボードにう●ちがついた事は内緒だ。
新作乙だぜ
鬼丸の行動に期待なんだぜ
新作お疲れ様です。
日本語に気になる点はありますが、全然問題ないと思います。
日本語に気になる点はあるけど贅沢はいえないのでいいと思います
新作乙です。
鬼丸は怖いですねぇ……冷静に切れてます。
刀が手に入ったら最強クラスになれますし、優勝候補かもしれません。
>>224 ゴメンなさい。 風神剣出したのは私です。。
ココ、河内、美神予約
期待
新作乙!
鬼丸もマーダーになったし鈴子にもフラグが立った臭いな
あと、予約期待
鈴子は別に鬼丸のスイッチの他には
地雷から離れなれないような細工はされてないってことでいいの?
地雷を置いたまま、どっかに行く事が出来るって事か?
>>232 されてないです。
>>227-228 要するに文が読みにくい、見辛いってことですね、すみません。反省し精進いたします。
他スレ経由でよいアドバイスも頂けましたし。
なら話が早い、修正して
現在の鈴子の心理的には離れづらいよな、相手がこちらのことをみてて
離れたら爆発させるだろうとか。
まとめのクレイモア紹介文読んでみろ。
相当広い範囲を爆破できるみたいだ。っていう事は、不用意に離れる事も出来ないんだな。
>>237 でも鈴子はそこまでの説明はされてない、または、覚えてないんだよね?
俺も鈴子が何故クレイモア地雷から逃げないのか不思議に思った。
クレイモアの仕組みを知っていれば、逃げるのは難しくないから、
鈴子はクレイモアについて知らない
と考えるしかないんじゃないか?
ついでに、鬼丸も知らないって事にしておかないとな。
まぁ、知りそうもないわけだが
このロワは支給品に説明書は付いてないんですか?
はっはっは、仮に支給品が割り箸だったとして、それに説明書が付いてると思うかい?
きっとついてるのとついてないのがあるんだろうさ。
見返してみると大体の物には付いてるんだろうけど、自転車やマリア・ゾフィスに説明書があるとも
思えないし物によってだろう。あと、イングラムみたいに説明書があっても読んでいないケースもある。
マリアには説明書ついてるよ。
原作は何にでも付いてたから聞いてるのかもね
んじゃ、ゾフィスにも説明書付けとくか。
説明書ついてるのとついてないのがあるってことでいいんじゃないかな
ざっと見てみたけど他のロワとかでもそんな感じだし
ゾフィスの説明書はネタで見てみたいけどな。
23:00に投下予定
wktk
>>249 きっと本の最初のほうに使用上の注意が書いてあるんだよ
>>249 「とくぎにラドムとありますが」
「ハイ、ラドムです」
「して、そのラドムとはなんですか」
「魔術です」
〜〜 記憶の中の英雄 〜〜
それはスロー再生のビデオのようだった。
崩れ落ちる少年の瞳はどこを見ているわけでもなく、ただ眼球の黒い部分だけ中央に固定されている。
───また変な異世界に飛ばされちまったのかなぁ……
少年の言葉には少し喜びが混ざっている。
───思い出しても許せねえ……人の命をなんとも思ってないんだ!……
転がるように表情が変わる。あぁ、この子は生きてたんだな。
───なあ、一緒にあの…えーとさ。そう、あの悪そーな女を倒してこんな世界ぶっつぶそーぜ!
私の目に映る、無邪気さと勇ましさが同居した表情。
虎水ギンタと言う子は正義の味方であることを楽しんでそうに見える。
良くも悪くも生まれついてのヒーロー。
もしも、彼が主役になれる世界があるのなら、彼は英雄にでも救世主にでもなれただろう。
でも、ここは主役のいない世界。
私の他愛ない行動で、英雄は崩れていく。力を失った彼の上半身が、重力に従って直下へ落ちる。
自重に耐え切れず、膝が音もなく曲がり始める。
(あぁ、ギンタ君は死んじゃうんだ)
最初に抱いた印象は、まるでアニメのワンシーンでも見ているかのように他人事。
だけど、それは徐々にリアルさを増していく。
彼の両膝が大きな音を立てて、地面に激突する。
(やっぱり、死ぬの?)
膝が180度曲がり、彼は自分の踵に尻餅をつく。
(ねぇ、本当に死んじゃうの?)
少年がゆっくりと倒れていく姿を見て、私の心にある何かが叫びだす。
(嘘でしょ、本当に死ぬの。嫌だ、信じられない。どうして?)
決心した事とはいえ、目の前で小さな子供が死んでいくのは耐えられない。
私は目の前で流れるスロー再生の死亡劇を見つめる事しかできず、ただただ呪文のように
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」
と何度も呟いた。この言葉に何の意味もないと知りつつも、私には他に何もできなかったのだ。
結局、ギンタ君は私の目の前で死んだ。誰でもない、私が殺したのだ。
(どうです? 貴方にはこんな素晴らしい力があるんですよ)
素晴らしくなんかない、どうして私をこんな事に巻き込むの。私は殺し合いなんてしたくないの。
貧乏でも、希望を持って暮らしていたあの頃に戻して。大学を目指して一生懸命勉強していたあの頃に戻して。
大声で叫びたかった。でも、どれだけ願っても、悔やんでも、時は戻らない。
そうよ、もう引き返せないんだわ。大体、ギンタ君を殺そうと思ったのは他ならぬ私だ。
自分で殺そうと考えて、自分で殺したんだ。昔と違ってゾフィスのせいにはできない。
暫くして何とか冷静さを取り戻した私は、返り血を洗い、人殺しをしたという証拠を隠滅する。
返り血を拭うという点において、私が手に入れた力は便利だった。
怪しく蠢くピンク色の物体。今その物体は私の背中に取り付いている。
何かの生き物らしいが、コミュニケーションは取れない。酷く原始的な生き物のように感じるが、
それ故、他の生き物に寄生するのは上手いらしく、私の体にピッタリとくっ付いてしまっている。
この生き物は洗い切れなかったギンタ君の残り血を全て吸い取ってしまった。
どうやら、この生き物には他の生物の血液を、自分の宿主に還元する能力があるらしい。
また、自分の宿主が持っている血液を、宿主の意思に従って自由に操り、時には武器として時には盾として
使う事も出来るようだ。
何も喋らない分、ゾフィスよりはマシなんだろうけれど、私にとっては怖い力である。
それでも、決意した事を実行するためにはこの力に頼らざるを得ない。
〜〜 心溶かす出会い 〜〜
ホテルから出て暫く歩いた私は、道中で一組の男女と出会った。
河内恭介さんと美神令子さん。2人とも私と同じ年代の人だ。
島にいても特に行く当てがない私は、簡単な自己紹介をして彼らと行動を共にする事にした。
彼らも、全く疑うことなく、共に行動する事を許してくれた。
彼らが私を疑わなかった理由は恐らく二つだろう。
一つは、ゲームが開始された直後なので、彼らが今までに殺人者と出会わなかったと言う事。
これは推測に過ぎないが、ゲームが始まって数時間しか経っていないのだから、あながち外れとも思えない。
もう一つは、私自身の見た目。お世辞にも可愛いとは言えないルックスだが私は女の子だ。
年頃の女の子が、人に危害を加える人間であるとは誰も思わないだろう。だから彼らはほとんど私を疑っていない。
ただ、そうは言っても、美神さんだけは私を少し疑っているようだが、あまり大きな問題ではない。
今は若干の疑念より、私自身の心の弱さが問題になる。
殺す。
言葉にすれば簡単だが、実際には難しい。
目を閉じれば今なお、崩れ落ちていくギンタ君の姿が見えてくるようだ。
人一人の命は決して軽くない。
私は親友のためとは言え、見ず知らずの人間たちの命を奪い尽くさなければならない。
出来るだろうか。
いや、難しい事は分かっている。それでも、やらなければならないのだ。
私は彼らから見えない左手掌に、親指大のナイフを作り出す。それは自分の血液を材料にした武器。
私の背中に寄生する生物が血液の凝固作用を利用して作ったもので、中々に硬く、強い力で斬りつければ、
人を二人殺す事など訳はない。私は、このナイフで二人を切り殺すだけで目的を達する事が出来る
後は決心だけ。
だが、その事が容易ではない。
「そっか、ヨーロッパから来たんか。大変やなぁ」
他愛ない雑談からスタートする私と彼らの関係。情がうつっては殺しにくいと分かっていても、
中々に覚悟を決められない私は雑談に流されてしまう。
「ワイはな、日本から来たパン職人や。パンタジアって言うそら有名なパン屋の職人やねんで」
「意外ねぇ、なんの取り柄もなさそうな顔してるのに。パンなんか本当に作れるの?」
「取り柄のない顔って何やねん、ワイかて日本屈指のパン職人やで。そら、東や諏訪原、冠には負けるけど、
ワイ以上の職人はそうはおらん。美神さんやココさんにもいずれ食わしたるさかい、待っとってや」
「東、諏訪原ってどっちもこの島にいるじゃない。私は何でも一番がいいのよ、一番美味しいパン食べさせてよね」
そんな会話をしながら、私たちが向かっていく先は平瀬村。
会話の流れから行くと、平瀬村で河内さんのパンが食べられるんだろうか。でも、私は貧乏だから無理だな。
「日本屈指のパン職人って、河内さんって凄い人なんだね。でも、私は貧乏だから、河内さんに払うお金がなくて
パンは食べられそうにないなぁ」
日々の生活に困るほどではないけれど、冗談抜きに私の家は貧乏で、美味しいものなんて食べた事がない。
それどころか、貧乏すぎて街の食材屋から物を盗むと疑われるほどに貧窮していた。
もちろん、実際に盗んだ事はない。だが、貧乏人にまともな生活など出来ないという現実を学ぶには
十分すぎる環境だった。けれど、そんな私に対して河内さんは優しい言葉をかけてくれる。
「貧乏って、ワイの家も相当に貧乏やったで。いや、今もやな。親父が火事で亡くなって以来ずっと貧乏や。
兄弟に満足な飯を食わせるために、学校も通わずこの年でパン職人になってなぁ……」
茶色に染めた短い髪型が、いかにも今風の若者を意識させる河内さんは意外にも貧乏人。
私と同じだ。
「ちょっと駄目人間の癖に、貧乏話とかしないでよね。私まで金に縁がなくなりそう」
「ちょ、美神さん。誰が駄目人間ですねん」
「あんた、私の知ってる助平な駄目人間によく似てるのよね。何ていうか雰囲気全体がさ」
「なんでやねん!」
面白い人たちだ。ここが殺し合いの空間である事を忘れさせられる。
彼らが明るいのも、恐らく命の危機に直面した事がないからなんだろうが、それでもこのムードは私の心を暖めていく。
「まぁ、ともかくや。いつか絶対パンを食わしたる。いや、いつかと言わず平瀬村に着いたらすぐでもええで」
「でも、私はお金を払えないし」
「お金なんか要らんわ。全員この島に連れて来られた被害者同士やろ。パンぐらい仲良く食わな」
「令子、東君のパンがいい」
「なんでやねん!」
「だって、彼のパンが一番なんでしょ。この島にいたら一番美味しいパンが食べたいじゃない」
憎まれ口を叩く美神さんも、決して河内さんが嫌いなわけじゃなさそうだ。
本当に、彼らは楽しそうに話をする。
駄目だ、これ以上彼らと話をしていると躊躇いが強くなってしまう。
「美神さん、アンタそんな事言うてますけどな、ワイかて凄い職人やねんで。証拠見せたるさかい、
なんかコインみたいなの貸してくれへんか?」
「コインなんか持ってる訳ないじゃない。代わりにこれで我慢してくれる」
そう言って美神さんが取り出すものに、私は我が目を疑った。
それは使用済みの薬莢。映画やテレビでしか見たことはないが、銃弾を撃った後に生じる残りかすだ。
これがあるという事は、美神さんと河内さんの二人は戦いを経験している事になる。
「物騒なもん持ってますなぁ。まぁ、これでも代わりになるやろ。よう見とってや」
河内さんは左手の背に、薬莢を載せてそれをクルクルと動かしはじめた。
「これはコインロールちゅうてな、手先を器用にするための修行の一つや。
ここまで滑らかにできる人間は世界でもそうおらんで」
確かに河内さんが自信を持つのも納得できる。
薬莢は油を塗った車輪のように、滑らかに彼の手の上を踊る。
「確かにコインロールは巧いみたいだけど、パンも美味いとは限らないじゃない」
美神さんの指摘はもっともだ。けれど、私にはそれ以上に気になることがある。
「あのぉ、コインロールは凄いと思うんだけど。それより、その薬莢はどうしたの?」
戦いの痕跡を残す物体。念のために確認しておこう、彼らは一体なぜこれを持っているんだ。
「あぁ、これはな。美神さんが撃ったスナイパーライフルの弾丸や。
さっき、ワイが変な仮面の大男に襲われたときに美神さんが助けてくれたんやけど、そん時に使ったもんやな」
さっき? 襲われた?
河内さんは微塵もそんな素振りを見せていなかった。
私を疑わなかったのも、そんな経験がないからだと思っていたのに、どうやら考えが完全に違っていたらしい。
「襲われたって、本当に? だったら、どうしてそんな明るく振舞えるの」
信じられない。だって、ここは殺し合いの島だよ。その大男だって、私だって十分に危険なんだよ。
単純に能天気なだけ? いや、違う。そんな雰囲気じゃない。
疑問に思う私に、河内さんは丁寧な説明をしてくれた。
「まぁ、普通は一度襲われたら少しは暗くなったりもするんやろうが、ワイはパン職人や。
パン職人のワイが、明るさを失ったらあかん。ワイら料理人は人を幸せにする義務を負っとる。
そのワイらが暗くなったら、誰も幸せになんかなれへん」
河内さんは、職人としての誇りを強く持っているらしい。
東さん、諏訪原さんより格下でも、彼は立派な職人魂を持つ人間であるようだ。
「正直言うとな、ココはん。アンタを見つけたとき、ワイは少し疑とったんや。
命助けてくれた美神はんと違ごうて、アンタには何の恩もない。それに加えて、ここは殺し合いの会場や。
誰かて疑うやろう」
意外な言葉が出てきた。
私を受け入れ、明るい言葉で接してくれた河内さんが私を疑っていると言う。
「けどなぁ、やっぱワイはパン職人や。そら、さっき言うた人たちに比べたら二流かも知らん。
それでも、やっぱりパン職人なんや。人を疑って、不幸せを作っていく事はワイらの仕事やない。
たとえ力はなくても、食事を作り、笑顔を作っていく事がワイらの仕事や。
だからな、ココはん。ワイは誰に襲われても、最後まで明るさを失わへんつもりや」
簡単に聞こえるが、凄い覚悟だ。
これが、パン職人と言う人種なのか。よく見ると、河内さんの左手足に少しの切り傷がついている。
さらによく見れば、彼は歩くのもキツそうだ。
「そんな偉そうな事言ってるけど、さっきまでのアンタ見てたら、とても信じられないわよ。
仮面男に襲われて、『ウギャァァァ!!』とか叫んでさぁ、情けないったらありゃしない」
美神さんは、長い髪の毛で河内さんの髪型を真似しながら、面白可笑しく叫び声を再現する。
駄目だ。
こんな事をしていては、いつまで経っても彼らを殺せない。
際限なく大きくなっていく躊躇を胸に、私は歩いていく。
そのうちに、平瀬村が見えてきた。
「材料あるかどうか分からへんけど、もしあったらアンタにパン食わせたるで」
そう言いながら、クシャっと私の頭を撫でてくれる河内さん。
「暖かい手。この手で作ったパンは美味しいだろうなぁ……」
「これはな、太陽の手甲って言うてな。ワイが気を失うほど辛い思いをしながら、獲得した手や。
見てみい、ワイの腕、中々凄い筋肉やろ」
引き締まった筋肉、暖かい手。
この手なら、どんな小麦粉でも力強く捏ね上げ、人のぬくもりが感じられるパンを焼き上げられるだろう。
彼の暖かい手は、私の頭の中にある冷たい何かを溶かしていくようで心地よい。
「河内さん。平瀬村についたら、すぐにパン食べようね」
私はそう言いながら、彼の手を握り締める。
「ウギャァァァ!!」
河内さんが叫び声を上げた。
それは奇しくも、美神さんが茶化しながら再現した叫び声と同じものだ。
「ちょ、ココはん。なんかおかしいで、手を離してくれまへんか」
私は手を離さない。
左手に隠し持っていた手製のナイフを彼の手に突き刺し、そこから血種を使って河内さんの血を吸い取っていく。
「ちょっとぉ、河内君。なんの冗談よ」
「冗談ちゃいます。ホンマに苦しいんや」
美神さんには何が起こったのかわからないらしい。
そりゃそうだ、私が河内さんの血液を全部吸い取っているのだから、見た目には出血していないし、
か弱い女の子が手を握っているのだから、別に何か害のある行動には見えないだろう。
そして、その事は河内さんにも言える。
「一体、何が起こってるんや。ワイの体から血が抜けてってるみたいや」
みたい、ではなく、実際に抜けている。
「血が抜けてる? ひょっとしてアンタ、吸血鬼の仲間なの。
河内君から離れなさい、本当に怒るわよ!」
今さらながらに、美神さんがスナイパーライフルを構えて私を脅す。
言われるがままに、河内さんから離れたが、もう十分だ。彼の血液は大量に頂いている。
しかし、私が吸血鬼か。そんな程度のものであれば、どれだけ気が楽な事だろう。
現実に、私の身に巣食う悪魔はそんなレベルの物ではないのだ。
「吸血鬼の仲間が、なんの目的で河内君を攻撃したかは分からないけど、
今すぐに彼を戻しなさい。でないと、撃ち殺 ……
私は美神さんが言い終わるよりも早く、吸い取った河内さんの血液を彼に返す。
ただし、凝固した弾丸としてだ。
空から降る雹のごとき、血塊弾の乱射。
河内さんの体全体にそれが当たり、彼は原形を留めぬほどに変形してしまう。
もはや、生きてはいないだろう。
「許さ ……
何かを言いかけた美神さんに、私は一発だけ血塊弾を打ち込む。
それで十分だった。
弾は、彼女の左胸に命中し、ほんの僅かな出血をもたらす。
その一撃で、彼女はその場に倒れた。
〜〜 決意の理由 〜〜
優しかった河内さん。憎まれ口を叩きながらも、何だかんだで人を守ってくれた美神さん。
二人とも死んだ。殺したのは、またも私だ。
河内さんの暖かい手のぬくもりを感じながら、二人を殺してしまった私は、もう人間じゃない。
「河内さんのパンが食べたかったなぁ……」
今もなお、河内さんの手の温もりは私の髪の毛に絡まっている。
髪をすくと、そこに彼がいるようだった。
その温もりは、彼だけじゃなく、幼き日のあの人を思い出させる。
自殺しようとして、川に身を投げた少女。
彼女の手もまた暖かかった。私は河内さんの温もりで、シェリーの事を思い出すことが出来たのだ。
河内さんは優しかったけれど、それでも私が大切にしているのはシェリーだけ。
シェリーを思い出したら、殺せないなどと言う気持ちは吹き飛んでしまった。
私は彼女のためにこの島にいて、彼女のためにこの島にいる者たちを皆殺しにするだろう。
けれど、なぜか私の心は晴れない。やっぱり、三人も殺しちゃったからかなぁ。
河内さんが持っていた食料を口に運ぶ。
パン職人を名乗っていた彼の持つ支給食は、やはりパン。
一見するとただのコッペパンだったが、まろやかでとても美味しい。
それに、コッペパンとは思えないほど、中身が白く鮮やかで、輝いて見えるほどだった。
自然、私の目に涙がたまる。
「殺したくなかった。私だって、パン食べたかったよ」
本心である。けれど、私が殺しを止める事はない。
もしもシェリーが今の私を見たら、なんと言うだろう。
優しかったはずのココはもういない。今の私はゾフィスに操られているわけでも、
背中に取り付く化け物に操られているわけでもない。
単純に自分の意思で、人殺しに手を染めている。
やっぱり、もう貴方には会えないわね。
それでも、もし貴方に会えたなら一言だけ言わせてください。
「貴方を愛しています」
【F-2 平瀬村付近/開始後4時間】
【ココ@金色のガッシュ!!】
[状態]:健康
[装備]:魔導具「血種」@烈火の炎
[道具]:荷物一式(食料&水:2日分)、アイテム(不明)、スナイパーライフル
[思考]:1.シェリーをこの世界から脱出させるために他参加者を全滅させる。
2.顔をあわせたくないのでシェリーに会いたくない。
【美神令子@GS美神極楽大作戦!】 死亡確認
【河内恭介@焼きたてジャぱん!】 死亡確認
乙!
ココはもう三人も殺ったか。
途中まで改心フラグきた?と思ったけど、やられたよ。
ここは平瀬村へと続く道の上。一人の男の奇妙な死体が転がっている。
その死体は、全身穴だらけなのにほとんど血液が流れていないと言う、不思議なものだった。
開いた穴の周囲には、ピンク色の何かが付着しており、傍目には血液に見える。
しかし、実際にはその何かは血液ではない。血である事は確かだが、液体ではなく、固体。
ココという少女が放った血塊弾が、粉末状になり穴の周囲に散らばったものだった。
仕組みは簡単である。
ココの放った血塊弾は、所詮たんぱく質が凝固した物体であり、その正体は牛乳に出来る膜と同質である。
この物体が、男に降り注ぎ、男の体のあちこちにぶつかって、粉々に砕けた。
その砕けた粉末が、彼の体に纏わりつき、血液のように見える物体へと変化したのである。
同じ事が、隣にいる女にも起こった。
その女は、左胸、心臓の位置に血塊弾を受けた女。
血塊弾の衝撃により、気を失っていた彼女の胸にも、軽い出血のような跡が見られる。
これは、粉末と化した血塊弾。
「全く、シャレになんないわよ」
美神令子が起き上がる。左胸のポケットには、スナイパーライフル用の弾丸が入っている。
「これ、持っておいて良かったわ」
運良く、弾丸が身を守ってくれた。
本来、人を殺すはずの道具なのだが、使い方によっては身を守る事もある。
職業柄、様々な危険と接する美神は用心のために、弾丸を急所近くに置いていたのだった。
「河内君、死んじゃったのね……」
霊魂は見えない。もう成仏してしまったのだろうか。
自分が信じた少女に命を奪われるなど、どれだけ不幸でもあってはならない出来事だ。
しかし、それが起こってしまった。GSとして、これまで多くの悪霊を見てきた美神は、
河内の霊が悪霊にならない事を祈らずにいられない。
「それにしても、あの女は絶対に許さん!」
周りを見渡すと、スナイパーライフルが無くなっている。
役立つ武器だと言う事で、あの女が盗んでいったのだろう。弾丸も一発だけ、あの中に込められている。
そして、役に立たない武器として特大ヘラは残されていた。
こんなもの持っていたところで邪魔になるだけなのだが、それでも美神はそれを手にした。
「河内君、アンタの無念は私が晴らしてあげるわ」
数時間とはいえ、行動を共にした男が持っていた武器だ。
情が薄い美神でも、その武器は必要なのだろう。河内の仇をとるために。
「何があっても、アイツはぶっ殺す。私を嘗めた真似して許されると思ってんじゃないわよ」
いや、どうやら河内の仇として見ているのではない。
純粋に、自分を騙した女として、ココの事を恨んでいるようだった。
美神令子は、スナイパーライフルの弾丸を胸に、特大ヘラを背中に持って、再び歩き始める。
今度、あの女に会ったらただでは済まさない。
美神という女は、自分が世界の中心にいると思っている。だからこそ、ココは殺す。確実に。
【F-2 平瀬村付近/開始後4時間】
【ココ@金色のガッシュ!!】
[状態]:健康
[装備]:魔導具「血種」@烈火の炎
[道具]:荷物一式(食料&水:8日分、若干消費)、アイテム(不明)、スナイパーライフル(残弾1)
[思考]:1.シェリーをこの世界から脱出させるために他参加者を全滅させる。
2.顔をあわせたくないのでシェリーに会いたくない。
【F-3 平瀬村へ向かう道路/開始後4時間】
【美神令子@GS美神極楽大作戦!】
[状態]:健康、左胸に血痕がありますが怪我はありません。
[装備]:特大ヘラ@らんま1/2
[道具]:スナイパーライフルの弾丸27個
[思考]:1.主催者を倒す
2.横島の捜索
2.ココを許さない
【河内恭介@焼きたてジャぱん!】 死亡確認
投下終了しました。
途中、マジに投下し忘れてしまいました。 ごめんなさい。
ご意見、よろしくお願いします。
途中に感想いれてすまん…
改めて乙!
美神にしてはあっさり死んだなと思ったらこういうことだったのね
乙
美神あっさり死にすぎじゃないか?
と思ったら生きてんのかw
でも河内は死んじゃったか
わりと好きなキャラだったから残念だ
だーまーさーれーたーーーーーーーー!!
GJ
GJ!
偽改心フラグに美神とダブルで騙されたw
この詐偽師めw
美神、あの服のどこに弾入れてたんだw
すごいおもしろかった!GJ!
ココ改心?と思ったら騙され美神の死亡?と思ったら騙された
河内は残念だがココのこれからに期待
放送かかって美神が生きてること知ったらココはどうするかな
>>274 修正
【F-2 平瀬村付近/開始後4時間】
【ココ@金色のガッシュ!!】
[状態]:健康
[装備]:魔導具「血種」@烈火の炎
[道具]:荷物一式(食料&水:8日分、若干消費)、アイテム(不明)、スナイパーライフル(残弾1)
[思考]:1.シェリーをこの世界から脱出させるために他参加者を全滅させる。
2.顔をあわせたくないのでシェリーに会いたくない。
[備考]:血種は同じ血液型の人の血液しか吸血できません。しかし、ココはその事に現時点では気付いていません。
【F-3 平瀬村へ向かう道路/開始後4時間】
【美神令子@GS美神極楽大作戦!】
[状態]:健康、左胸に血痕がありますが怪我はありません。
[装備]:特大ヘラ@らんま1/2
[道具]:スナイパーライフルの弾丸27個
[思考]:1.主催者を倒す
2.横島の捜索
3.ココを許さない
【河内恭介@焼きたてジャぱん!】 死亡確認
もう一つ、皆さん感想ありがとうございます。
随分と報告が遅れてしまいましたが、前回のSSについて、
パロの元ネタ説明の話が出ていましたが、元ネタは説明しない事にしました。
以上です。
ではまた、お会いしましょう。
GJ!
しかし疑問に思ったのが河内のコインロール
これが出来るという事は河内は達磨になっているのでは?
原作ではコインロールの修行は達磨になった後にやってその後は
ジャパンの実験でトロロに変身したまま人間に戻ってないと思いますが‥
それはこの世界に呼ばれた瞬間に元に戻されたんじゃないの?
白面が何を考えてるかはわかんないけど達磨とかトロロで殺し合いなんて緊迫感がないし
まあそもそも細かい時期なんてあんまり考えなくていいと思うよ
某ロワの某キャラも時期的に矛盾があるけど誰も触れてないし
河内より達也が可哀想だと思った。
何で?
河内は支給食が究極コッペパン。達也は支給品が炊飯ジャーパン
コッペパンのリアクションてどんなのだっけ?
ロッテファン
ジャンプ
そんじゃ最近は普通の人間(?)でもがゴザになったりヒューパンになるようになったし
ココもジャンプしないといけないのかなw
今回のSSも、前回のSSと若干内容が被ってたから、
次のSSも被らせて、ジャンプしたココからスタートするわけか。
↓例
「殺したくなかった。私だって、パン食べたかったよ」
私は無意味に飛び上がりながら、つい本心を口にしてしまう。
そういうのはピエロに任せとけばいいんじゃね?
でも一応武器として支給されてるわけだし
このままハズレのままで終わらせちゃうのもな・・・・
炊飯器で叩けばいいんじゃない?
河内、諏訪原死亡
ピエロはゾフィスの近く。
東はシルバーの近く。
パン勢ヤバくね?
なあに、かえって耐性が付く。
メルの正義チームなんてとっくに全滅してるのに何を今更w
ピエロは一般人じゃないから、ゾフィスごとき余裕で対応できると思われ。
唯一の問題点は、相手を傷つけるつもりがないところだが、まぁ書き手次第だろう。
東も、まだシルバーと合流したわけじゃないし、したとしてもサブマシンガンを持ってるから無問題。
サブマシンガンを持っていると言っても、所詮は超一流のトンデモパン職人、
相手はこういうことに関してのプロで、漫画みたいなレーザービームまでぶっ放すんだぜ?
パン作り対決で例えるなら、材料も設備の一級品の東相手に、
シルバーが普通の家庭よりは凄い程度の物で挑むようなもん。
つまるところ、ピエロの方は無問題なんだなwww
まぁ、東も書き手次第だろう。 難しい局面だけど、誰か書いてるのかなぁ……
…って誰も執事がシルバーを喰うとは考えないのかよ(*´д`*)
別に近づいたからって遭遇させなくちゃいけないわけでもないしな。
ニアミスのドキドキ感とか見せ方は色々ある。
むしろ、発見されないようなに駆け引きするだけでも燃える
まとめサイト更新しました。
>>◆AAxoi1ysvg
楽しませてもらいました。 まとめのほうも、少し工夫しておきましたので、フェイクはちゃんと入っているかと……
↑ トリップ忘れてしまいました。
更新乙です
>>305 乙〜
あとひとつ訂正して欲しい。
軍人と執事でシルバーのARMSが「マッドハンター」になっているが、正しくは「マッドハッター(イカレ帽子屋)」です。
早っ!!
お疲れ様です。
達也予約します
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
>>311 ぶっちぎりのハズレをひいた一般人の達也がどうなるか楽しみです
さらなるハズレを出そうと思っている俺。
炊飯ジャーパンは炊飯器で叩けるし、良牙なら中に入れて焼き殺す事も可能。
これよりも、ハズレと呼べるアイテムが一つだけ思い浮かぶ。
後は何時出すかだけだ。
ハズレってのは少ないからこそ引き立つわけで、ハズレばっかあってもウザいだけ
そういう後先をまったく考えていない一発ネタとか勘弁してくれませんかねぇ……
当たりか外れか微妙なお勧め支給品
・ビデオカメラ型銃@GS美神
作中で美神がムカつく相手を暗殺するために横島に持たせたもの。
一見普通のハンディカメラだが、とあるボタンを押すとカメラ部分から銃弾が発射される。
普通のビデオカメラとして機能するかは不明。
・おむすび@うしとら
うしおが東の長からもらった笹の葉に包んだおむすび。
食べても減らず腐らないので食糧問題は解決。
>>315 すまんねぇ、出そうと思ってたのは八宝斎のコレクション@らんま1/2
らんまが使えば、それなりに効果を挙げられるし、名探偵コナンのネタをやれば殺人も可能なアイテム
だったんだが、まぁ止めておこう。
見た目どうみてもハズレだけど、使い方によっては強力な武器になる
小麦粉&ライター@ARMS
確かに東が手に入れたら脅威だな
支給品不明キャラ一覧
峰さやか、宮本武蔵、灰原哀、とら、紅煉、パンタローネ、紅麗
日暮かごめ、ココ(不明アイテム一つ所持)、タマ、早乙女乱馬
響良牙、高槻涼(不明アイテム一つ所持)、キース・シルバー
ジェームズ・ホワン、アノン、バロウ・エシャロット
合計17人。ということは17個のアイテムがさらに出てくる事になるわけか。
神社の境内。一人の少年がパンを食べている。
少年、上杉達也は炊飯器の中に収まったパンを、ちぎっては口に運んでいく。
「ふう、うまかったな」
しばらく黙々と食べ続け、残り半分ほどになったところで手を止める。
「さて、これからどうするかな」
炊飯器をデイパックにしまいながら呟いた。
南と和也を捜す。しかし、手がかりは何も無い。
この広い島で闇雲に捜し回っても簡単には見つからないだろう。
それに今の自分はほとんど丸腰だ。
誰かに襲われたらひとたまりもない。
「……村に行ってみるか」
人を捜すなら村に行くのがいいだろう。
南や和也に会えなくても、仲間を見つけられるかもしれない。
ゲームに乗った人間もいるかもしれないが、だからといってずっと隠れてるわけにもいかない。
そう結論付けると、達也は立ち上がり、
「よし、行くか」
一番近くの村、平瀬村へと歩き出した。
【E−2・菅原神社/ゲーム開始から一時間経過】
【上杉達也@タッチ】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】荷物一式、ジャぱん2号・炊飯ジャーぱん(炊飯器入り、半分消費)
【思考】1、平瀬村に行く
2、南と和也を捜す
3、なんとかして脱出する
短いけど、達也投下しました
乙
なんか、村に集まってくな。しかし、ある意味平瀬村は一番危険なところかも知れない。
新作乙
村に行くって選択は正しいのかそうじゃないのかよく分からないね
マーダーも近づいてるし
平瀬村つーと、最強マーダーココと、なんだか油断できそうにない内海課長のいるところだな。
最悪の運を持った一般人達也が、どうなるか楽しみだが……
>>325 読者視点で見ると、明らかに間違った行動っぽい。
そういう意味では、村を避けてるキャラは正しい。
基本的に村に行くのは危険だな
鎌石村→トニー、泉(ゾフィス)、パンタ
平瀬村→ココ
氷川村→キース・シルバー
村に行かなかった灰原は賢明だったけど近くに烈火いるし、どうなんのかね
>>327 灰原とカナメだと逆に烈火だと殺り損ねそうだけどな。
姫のことを思い出したりして。
だが、殺れればもう彼は外道から脱出不可能。
灰原は頭脳系キャラで一番戦闘を避けそうなキャラだからなぁ。
>>328 烈火は反時計回りに島回ってる感じがするから大丈夫じゃね?
アノンも近づいてるけど、論外だろうし。
灰原もかごめも支給品不明だからな
返り討ちにされるかもしれない
ボーマン教官、ドクターカオス、紅麗 予約。
期待
ちょっと質問
呪泉郷の水ってどうなったの?
諏訪原といっしょに焼けたのか
それとも近くに転がってるのか
335 :
作者の都合により名無しです:2006/10/28(土) 15:24:16 ID:d6yeJZ83O
ボーマン死亡フラグ来たか?
どうだろ?
既に十分死んだ気がするから、放送まではあんま殺さないような気がする。
ボーマンの方が有利に思えたりする俺は少数派か
死者今のところ7人だな
全部で68人だし最初の放送はこんなもんなのかな
命との人形使い繋がりで仲間に引き入れようとするかもしれん
ボーマンは普通に仲間入りしそう
そしたら老人ハーレムだな
武蔵もいれたら完璧だ
老人かどうか知らんが、年齢だけで言ったらとらも捨て難い。
シルバー、ハヤテ、乱馬、武蔵、予約します
超期待
おお!期待してます
期待。
シリアス空間の住人は、やっぱシルバーだけか。
シルバー組が来たら、後はゾフィスだけ?
それで放送に行って良いわけかな?
だからそんなに焦るなって
こっそりと更新報告。
1.出発を追加。
2.
>>333のような質問があるので、支給品マップを現在地マップと同じ形式で作成する予定。
ただし、現在、まとめサイト作成支援ツールをVC++で作成しており、それが完成するまでマップは出来ない。
つまり、1・2週間では支給品マップが出来ません。
3.なんか、まとめで欲しい機能ありますか?
乙!
特には追加なくてもいいかなあ
ささいな日常会話から端を発したこの戦い。
しかし、ハヤテはただ逃げ回るだけであった。
「(そりゃそうだよ。お嬢様を見つけるのが第一目的だし、何よりあんなのと戦ったら命が幾つあっても足りないよ!)」
ハヤテがそう思うのは無理なかった。
追ってくるのはおよそ人間とは思えない容姿を持つ戦神、キース・シルバー。
そして何よりハヤテを恐れさせたのは、その腕から放たれる『ブリューナクの槍』と
呼ばれる荷電粒子砲の存在であった。
「いつまで逃げるつもりだ!この小動物が!」
ハヤテが逃げている最中も、その無数のビームが容赦なくハヤテを襲う。
ある時は避け、また、ある時は物影に隠れるなどしてハヤテは何とかやり過ごしていた。
「(まずい。非情にまずい。一体どうすればいいんだ?)」
打開策が何一つ見つからないことに焦るハヤテ。
しかし、そこに一つの妙案が思いつく。
その名は 『ヤ シ マ 作 戦』
それは某大ヒットアニメの初○機、零○機と第五使徒ラ○エルとの戦いでの作戦。
ラミ○ルはキース・シルバーと同様に荷電粒子砲を使う敵であった。
その時に使用された作戦というのが、荷電粒子砲を零○機が盾で防ぎ、その間に初○機が狙撃するというものである。
そして、見事この作戦は成功している。
「(この作戦を使えばいいんだ!)」
盾はジュラルミンケースで代用。問題は狙撃方法がないということであったが、
そこは必殺技で代用することにした。
そして、何度目かわからないブリューナクの槍を避けた直後に、ハヤテは作戦実行のため再びキース・シルバーと向かい合う。
「いきますよ!」
「ほう、やっとやる気になったか」
しかし、ハヤテにその言葉は届いていなかった。
振り向いた直後、ハヤテの目に飛び込んできたのはキース・シルバーの後に広がる凄惨な光景。
さっきまで確かに存在していたはずの民家が、道路が、木が、軒並み原型を保っていなかった。
その光景を見たハヤテは絶句し、再び逃走を開始する。
「また逃げるのか!」
「(僕の考えが甘かった…。そりゃあジュラルミンケースぐらいでビームを防げるわけないよな…。
やっぱりアニメと現実を一緒にするのはよくないなぁ)」
いつかナギに言われた言葉が思い出される。
「(しかも、これで振り出しだよ。それにもう何も思いつかないし…。
助けてください、ミ○トさん!!)」
「こ、こりゃあ…」
乱馬と武蔵もまたハヤテと同様にその光景に絶句していた。
「一体何があったんだ?」
「分からん。だが一つだけ言えることは、この近くで暴れている者がおるということじゃ」
「だったら、そいつのとこに行ってみようぜ」
「ふむ…。そうじゃな、一人だけで暴れているとは考えづらい。おそらくこれは戦闘の跡じゃろう。
ここは、乱馬の言うとおりこの破壊の跡を辿ってみよう。その先にこの戦闘の張本人がいるはずじゃ」
こうして武蔵と乱馬もまた、この荒れた道を走り出した。
そして、一匹の怪物と、それに追われる一人の少年を発見する。
「どうやらあの怪物が張本人らしいな」
「ああ、そのようじゃ。よし、乱馬はあの怪物の目を引き、時間を稼いでくれ。ワシはその隙にあの少年を逃がす」
「わかった。じじぃもあれの流れ弾に当たらねえようにな」
「何を言っとるんじゃ?ワシを誰だか忘れたか?」
「へいへい、400年生きた宮本武蔵だろ」
「分かっとるようじゃな。では行動開始じゃ!」
乱馬は一直線にキース・シルバーに、武蔵はハヤテに向かって駆けだした。
「(はぁ…。今日、僕、死ぬんだ…)」
建物の影でハヤテはこの状況の打開を諦めかけていた。
「(けど、ただで死ぬわけにはいかない!お嬢様のためにも、死ぬ前にあの使○に一太刀でいいから浴びせてやる!)」
覚悟を固め、瞳を閉じ、一回大きく深呼吸をする。
「(よし!綾崎ハヤテ、ガ○マじゃないけど最初で最後の特攻だ!見ててください、お嬢様!)行きますよ!
って、おじいさん、こんなところで何やってんですか!?危ないから、ここは僕に任せて早く逃げてください!」
いつの間にかハヤテの目の前には小さな老人が立っていた。
おそらく深呼吸している間に現れたのだろう。
「安心せい。ワシは宮本武蔵。お主の味方じゃ」
「はぁ、僕は綾崎ハヤテです。味方してくれるのは嬉しいんですけど、おじいさんを危険な目に合わせることはできませんよ。
さっきも言ったように早く逃げてください」
「ホッホ、誰がワシが戦うと言った?あれを見てみい」
武蔵が指さした方を見てみると自分と同じ位の少年があの怪物と戦っている。
「さぁ、乱馬が時間を稼いでいる内にワシらは逃げるぞ」
しかし、ハヤテはその申し出を拒否する。
「すいません、宮本さん。見ず知らずのあの人が戦っているのに、僕だけ逃げる訳にはいきませんよ」
そう言うと、ハヤテはキース・シルバーを正面に据え、あの時のことを思い出す。
それは、執事復帰のため執事クエストに挑戦した時のこと。
自分の力不足から守るべき主を命の危機に晒してしまった。
あの時はお嬢様を救うためだった。
状況が違うとはいえ、誰かを助けたいというのは一緒だ。
周囲の風がハヤテを中心に渦巻いていく。
刹那、ハヤテの体が疾風のようなスピードでキース・シルバーに向かっていった。
「(ちっ、こいつ強ぇ)」
ブリューナクの槍を恐れずにキース・シルバーに挑んだのはいいものの、その人を越えた腕力と、
タフネスの前に乱馬は苦戦を強いられていた。
ハヤテを逃がすための時間を稼ぐのが目的とはいえ、少しも手を抜くことを許してくれるような相手ではなかった。
「(じじいはもう逃げたか?にしても、この調子じゃ俺が逃げられるか怪しいぜ。
どうも、簡単に逃がしてくれるような奴じゃないらしいしな)」
そんなことを考えている間にもシルバーの剛腕が頬を掠めていく。
「どうした?お前もただ逃げるだけか?」
「ちっ、言ってくれるぜ」
二人が初めてとも言える会話を交えた時、乱馬の目に必殺技を放つハヤテの姿が目に入った。
「おさげの人!避けてください!」
その声によってキース・シルバーもハヤテの姿を確認する。
が、気付くのが少し遅かった。
ハヤテの必殺技がキース・シルバーの体を貫いていく。
「何!?バカな!ARMSも持たない人間ごときにこの俺が!?」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
次の瞬間、乱馬が見たのは地面に倒れる右半身のないキース・シルバーと、ハヤテの姿であった。
「おい!だいじょうぶか?」
「あ、はい…。大丈夫です。この技を使うと反動で体がボロボロになっちゃうんですよ…」
倒れるハヤテを介抱する乱馬。
そこへ、武蔵も駆けつける。
「よく頑張ったな、乱馬!ハヤテ!二人とも疲れたじゃろう。さっさと診療所に行って休もう」
「ああ」
乱馬は動けないハヤテを背負い診療所へと歩き始める。
「(それにしても本当によくやったわい。あんな化け物を倒してしまうんじゃからな)」
感慨にふけりながら武蔵は後ろを振り向く。
しかし、そこで武蔵が見たのは、今にもブリューナクの槍の発射しようとするキース・シルバーの姿であった。
「(なんじゃと!?こやつ生きておったのか!)」
そして、光が走った。
「乱馬!ハヤテ!危ない!!」
ビームが乱馬を飲み込もうとする直前、武蔵がとった行動は乱馬を突き飛ばすことであった。
「!?急に何すんだよ!じじ……い…?」
乱馬が見たのは光に飲み込まれる武蔵の姿。
「(おい、何の冗談だよ?まさか俺達をかばったのか?)」
乱馬はなかなか状況を把握する事ができなかった。
そこにハヤテの声が響き渡る。
「乱馬さん!あの化け物生きてますよ!」
それは悪夢のような現実。
半身が無いのに関わらず、キース・シルバーは生きていた。
「小動物が調子に乗りやがって!この罪は死を持って償ってもらうぞ!」
「…げるぞ」
「え?」
「逃げるって言ってんだよ!お前がこの状態じゃ戦う訳にゃいかないだろ!
それに、ここで死んじまったらじじいに申し訳が立たねえ」
「はい…(宮本さん…)」
すぐさま乱馬は逃走体勢に移る。
しかし、キース・シルバーは簡単にはそれを許さない。
「逃がすか!」
またもブリューナクの槍が襲いかかる。
それを何とか紙一重でかわす乱馬。
「ちっ、やっぱ簡単には逃がしてくれねぇか」
「乱馬さん、これを使ってください!」
そう言って、ハヤテはジュラルミンケースを乱馬に手渡す。
「これを投げてください。必ずあいつに隙ができます!」
「その言葉、信用させてもらうぜ!」
そして、乱馬は思い切りジュラルミンケースをキース・シルバーに向かって投げつけた。
「ふ、こざかしい」
億劫そうにケースをはたくキース・シルバー。
その時であった。
はたくと同時にケースが開き、一万枚にも及ぶ一万円札が視界を覆い尽くす。
「なんだと!?」
視界が晴れたとき、キース・シルバーの前には乱馬の姿はなかった。
「ハァハァ…、ここまでくれば安心だな」
「ええ、どうやら逃げ切れたらしいですね」
乱馬が行き着いた先は当初の目的地、沖木島診療所。
しかし、さっきまで共にこの地を目指した侍はこの世にいない。
「じじい………」
流れるのは一粒の涙。
こんなところで泣いてはだめだ。
乱馬は自分に何度も言い聞かせる。
しかし、思いとは裏腹に涙が止まることはなかった。
【Iー7 朝】
【キース・シルバー@ARMS】
[状態]右半身消失
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、支給品不明)
[思考]1,キズの修復
2、高槻涼を探す
3,高槻涼と戦う
4、ハヤテ、乱馬への復讐
【Iー7 沖木島診療所/朝】
【早乙女乱馬@らんま1/2】
[状態]体力消費少、悲しみ、男
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、支給品不明)
[思考]1、体を休める
2、あかねを捜す
3、武蔵の仇を討つ
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]体力消費大(自分では動けない)、悲しみ
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、一億円入りジュラルミンケース)
[思考]1、体を休める
2、ナギ・ヒナギクの安全を確保
3、できれば武蔵の仇を討ちたい
【宮本武蔵@YAIBA】死亡確認
*キース・シルバーの右半身は近くに転がってます
*武蔵の荷物一式は消滅しました。支給品は不明です。次の作者に任せます。
シルバー、ハヤテ、乱馬、武蔵、投下しました。
期待にそえられたかは分かりませんが、不備があったらお願いします
乙!
ヤシマ作戦www
ジュラルミンケースは投げたんじゃないの?
ハヤテってそんなムチャが出来るキャラだったっけかな。コミックスがないので確認出来ん……
自爆技だから反動が大きいけど一応出来る
この技で巨大ロボを貫いてた
>>361乙
話の流れはよかったですよ。
でも、自分が気になった点がいくつかあります。
>>363さんが指摘するようにハヤテの支給品に
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、一億円入りジュラルミンケース)
で一億円入りジュラルミンケースを持ったままなこと。
あと、キース・シルバーが人間を消し飛ばすビームを何発も撃ちながら
EN切れになっていないことが気になりました(原作未読。
感想ありがとうございます。
指摘されたジュラルミンケースは、元々ハヤテは二つ持っています
ブリューナクの槍に関しては、シルバーは完全体になっていたのでEN切れは起こしません
乙。
ヤシマ作戦知らん。 そして、武蔵さようなら。
ハヤテはやっぱ、人間よりも強いのかなぁ……
なんか、本気出して闘えばシルバーより強そうな気がするわけだが、まーいーか。
>>365 ジュラルミンケースは2個ありますよ。
さて、今からこれもまとめに追加するか。
新作乙
このままハヤテはパロキャラになってしまうんだろうか。
原作だとパロるのはナギの役目だったような気がしないでもないが、
既にナギはなくなっているので、仕方ないか。
>>365 エネルギー切れはしません
ただ片手のみの変形の時なら無茶な連射をするとオーバーヒートしますが
完全変形の場合はオーバーヒートもしないはずです
通常弾(片手のみの変形)で軽く人が消し飛びます
ただ今は完全変形のはずだから数十軒の家を軽く消し飛ばす威力があるはずなんで
ちょっと威力描写が足りない気がしますが・・・
未読で文句を言うなんてどういう神経してんだ?
ムゥゥゥサァシィィィィ!!
新作乙!
前半はギャグ話だと思ったら、武蔵死んじゃったのね…
新作乙
武蔵は死んでしまいましたか。
さやかや刃の反応が楽しみです。
あと、予約している三キャラですが、ちょいと時間がかかりそうなので
中間報告だけしておきます。
威力不足はロワの制限ってことでいいのでは?
原作のままの威力だと氷川村が消滅するし。
あと、ちょっと気になるのだが…
今のシルバーは全裸?それともジャバウォック変身後の涼みたいにズボンは残ってる?
ともあれ
>>361GJ!
改めて原作見るとシルバーの連射能力は凄いな・・・
完全体だと火力だけなら対ピッコロ戦の超かめはめ波ぐらいはあるかも
威力不足というより、描写不足。
>>373 威力不足はいいんだけど、なんか威力が通常弾と変らないような印象が・・・
となると通常弾の威力は?て感じになるし、
通常弾と完全体の時との差別化がほしかったかなぁて感じ
いや、多分だけど
>振り向いた直後、ハヤテの目に飛び込んできたのはキース・シルバーの後に広がる凄惨な光景。
>さっきまで確かに存在していたはずの民家が、道路が、木が、軒並み原型を保っていなかった。
と書いてあることから、意図的に描写を薄くして、威力が強いとも弱いとも取れるように書いたんじゃないのか?
だから、威力が不足している何ていうのは、推測に過ぎない気がするんだが……
もし、ここで威力をある程度しっかり断定しておきたいんだったら、もう少し細かく描写するだろうよ。
それは次の書き手に任せたってことだろ?
>>377 別に書き直して欲しいとか、批判してるわけじゃなくて
贅沢を言えば・・・て言う感じです
今回のダメージが制限で回復しないで威力が落ちるかもしれないし
普通に回復するかもしれない
威力が落ちてるかもしれないけど痛みパワーアップで威力が元に戻るかもしれない
と次の書き手しだいだし
赤子が母親の表情を読む時は、その大部分を瞳に頼っていると言う。
ある実験で母親の目を隠し赤子に見せたところ、赤子は泣き出したそうだ。
目は、それ程に表情の主要部分を担っていると言っていい。
だからこそ、異形の瞳を持つ者達は化け物として遥か昔から恐れられている。
ここにいるのは、仮面の男。
仮面には耳まで裂けた口、無機質な灰色の肌がある。
だが、それ以上に目立つのは、右頬にある三つの瞳。
本来の瞳の下にあるそれらが、仮面の不気味さと神秘さを強調する。
そんな紅麗を見ながら、ドクター・カオスは思う。
(全く、不気味な仮面をつけおって。この島で殺し合いが行われていると言うのに、
あんな面を付けていたら、心象が悪くなるじゃろうが)
紅麗とカオスの目的は、使える人間の勧誘と使えない人間の排除である。
勧誘の立場から見れば、見た目は重要な位置を占める訳だが、紅麗はその事に無頓着だった。
「なぁ紅麗。その仮面は外さんか、なんか不気味じゃぞ」
「私の素顔はとても見られたものではないので、仮面で隠すしかないのですよ」
それにしたって、もう少し趣味のいい仮面を選べばいいものを。
これが紅麗の美的センスなのか。カオスには全く理解できない。
そんな会話をしながら二人が歩くのは、神塚山の麓を通る道。
赤土の上に、丸い飛び石が均等に配置された登山道である。
周囲を背の高い木々に囲まれ、僅かに陽の光がこもれ出るこの場所。
ここは、数百年前から変わらぬ面影を残しているように見える。
「懐かしい。つい、火影にいた頃を思い出してしまいますね」
紅麗は幼少期に過ごした、戦国日本の村に思いをはせる。
「なんじゃ、若造。こんな田舎に住んでた事があるのか。
最近の若いのにしては、珍しいのう。ここは過疎が進んでいって廃村になった島じゃろうに」
「ふっ、こんな島よりももっと田舎でしたよ」
紅麗が住んでいた村は忍びが住む隠れ里。
戦国という、20世紀の5分の1程の人口しかなかった時代に、存在した忍の里、火影。
そこに住んでいた住人は百人にも満たず、今考えられている過疎の村等とは比べ物にならない。
「まぁ、感傷に浸っている場合じゃないですがね」
紅麗が空を見上げると、木の葉の間から太陽が顔をのぞかせる。
四百年前から今日まで、その姿は変わらない。
時空流離の力に乗ってやってきても、太陽だけは変わらない景色。
「こら紅麗、何をボォーッとしとるか。鷹野神社が見えてきたぞ」
鷹野神社。
紅麗達が立っているところからは、かろうじて鳥居が見える程度。
石畳の階段が100メートルほど続き、その上に建立されているようだ。
「ドクター、誰か使える者がいるかも知れません。行ってみましょう」
紅麗は、カオスの返事を待たずして階段を上り始める。
「待たんか、紅麗。建物と言うところは人が集まりやすいのじゃ。
だから、神社のような所に行くときにはキチンと準備をしてだなぁ……」
無視。準備などする必要はない。
神社に誰がいようと、紅麗には島中の人間で最強クラスの戦闘力がある。
一体何を警戒して、何を準備するというのか。
大体、支援物資のない現状では準備といっても出来る事は、知れている。
カオスを無視して、神社へと進む紅麗。
後ろから追いかけるカオス。しかし、カオスが追いついた時には、既に紅麗は神社に着いていた。
「全く、無茶しおって。無用心ほど命取りになるものはないぞ」
「ドクター、お静かに」
紅麗の仮面の下から、明らかな緊張感が伝わってくる。
神社の境内の中。目立つものは一つしかない。
僧侶たちの居なくなり、世話をする者がいなくなった石庭。
長い間、雨風に晒され苔の生えた狛犬。
何かしらの衝撃を受け、壁の一部が倒壊した社。
だが、これらは決して目立つものではない。目立つのは、一体の人形。
自動車ほどの大きさを持ち、足の変わりにキャタピラがついた形状のそれは、道化人形の形をしている。
明らかに、神社の境内には不似合いな物。
それを見て、紅麗もカオスも一気に緊張感を高めた。
「なぁ、紅麗。なんか、動きそうな気がせんか? あの人形の両腕から、ミサイルがちゅどぉおーんって」
「何を馬鹿なことを。漫画の読みすぎですよドクター」
「何を言うか、紅麗。実際にワシがなぁ…… 「静かに!」
紅麗がカオスを制する。その視線の先には、破壊された社。
「ドクター、私は腕から重火器を出すような人形は聞いたことありませんが、動く人形なら知っています。
ですが、今はそれよりも、あそこを見てください」
半壊した社から、初老の男が出てくる。
軍服姿にベレー帽、引き締まった体とシャンと伸びた背筋。
年は取っているが、明らかにベテラン軍人としての風格を備えている。
「初めまして、仮面の小年と初老の人よ」
「こちらこそ初めまして、メイジャー(少佐)」
自己紹介をかわす二人。その距離およそ30メートル。
紅麗とカオスは、目を合わせながら、あの男は使えるか、使えないかを判断しようとしている。
「軍人のようじゃな、かなり使えると見たが、あやつは勧誘せんのか?」
「あの人は必要ありません。年のため既に退役しているようですし、あの年齢で少佐と言うのは昇進も遅すぎです。
肉体的にも、知能的にも役に立たないでしょう、この場で殺します」
紅麗は首に下げたアクセサリを外す。
アクセサリを右手に握りこむと、それは剣に変形する。
ネックレスブレードという名の武器。
使用者の意思によって、ネックレスから剣へと自在に姿を変える能力を持つ。
紅麗はそれを八双に構え、男に突撃する。
「メイジャー、初めて会ったばかりで申し訳ありませんが死んでください」
「せっかちな、若者だな」
少佐が構える。こちらは丸腰。
容赦なく紅麗は、ネックレスブレードを持って切りかかる。
しかし──
「紅麗、後ろじゃ!」
──背後から襲い掛かるもう一人の男に、弾き飛ばされる紅麗。
背後から現れたのは少佐の分身体、いや、正確に言うとこちらが本体。
分身体を社に配置し、本体は物陰に隠れて様子を伺う。
また、人が持つ"気配"と言うものを少佐は本体から分身体へ移し変えている。
これが、ボーマン少佐の能力『ドッペルゲンガー』。ドイツ語で双子を意味する超能力だ。
「これは驚きました。人は見かけによらないと言いますが、その年齢にしては中々の能力です。
加えて、突然襲い掛かってきた暴漢への対応も完璧と言ってよいでしょう。流石は軍人と言ったところですか」
社に激突した紅麗は、何事もなかったかのように起き上がる。
「しかし、分身能力は非常に見事なものでしたが、私たちの仲間には既に似たような能力者がいます。
やはり、貴方に死んでいただく事は変わりませんね」
そう言いながら、紅麗はネックレスブレードをボーマンの足元へと放り投げる。
「突然、死ねと言われても気の毒でしょう。その剣をお使いください。
切れ味は保証できませんが、首輪から剣へ自在に変化できる能力を持っています。
上手く使えば不意をつく事が出来るかもしれません。また、そこにいるドクターを人質にとっても構いません。
彼は私の大切な仲間ですから、人質としての価値は保証しますよ」
先手を喰らいながらも、自分が格上と言う自信は失っていない。
それどころか、ボーマンの攻撃力を測った紅麗は自信以上の確信を持っている。
この老人相手に自分が負けるはずないと言う絶対の確信を。
「余裕のつもりかね、年寄りを甘く見ると大変な目にあうぞ」
そう言いながらもボーマンは、ネックレスブレードをあさっての方向へ蹴り飛ばす。
こちらも、武器を使うつもりは無いようだ。
再び睨み合う両者。互いの距離は先ほどより僅かに縮んでいる。
「こら紅麗。お前、仲間を探しておるんじゃないのか?
分身の術を使える人間などそうおらん。そのジジィに仲間になってもらえ」
カオスが横から口出しするが、返答したのは紅麗ではなく、ボーマン。
「ご老人。私とて、いきなり襲い掛かってくるような輩の仲間になるのは御免だよ。
降り掛かる火の粉は払わせてもらう。紅麗と言ったな、初めて会ったばかりで申し訳ないが、君にこそ死んでもらおう」
ボーマンの態度を見て、カオスは勧誘を諦めた。
(全く、紅麗のせいで大切な人材が一人失われてしまうわい。アヤツは本当に仲間集めをするつもりがあるのか)
カオスは元々、好戦的な性格ではない。
必要があれば戦うし、戦う事も多いが、基本的に避けられる戦闘はしない人間である。
だからこそ、紅麗の態度も、ボーマンの態度も、カオスには理解できない。
(戦うなら止めはせんが、ワシを巻き込まんでくれよ)
既にカオスは、二人の戦闘を止める事を諦めている。もう、どうにでもなれ。
一方の紅麗は既に戦闘モード。ボーマンの自信たっぷりな言葉に対して呆れ返っているようだ。
「全く、そんな自信はどこから出てくるのか……。
別魅の術が使える年寄りなら、私も部下にいます。その程度で勝てると思わないで頂きたい」
そして、紅麗は自分にも別魅の術は使えると言う事を示すため、6体に分身する。
「公平を期すために、私にも別魅が使えると言うことを教えてあげましょう。
しかし、格下の貴方相手に同じ術は使わないのでご安心ください。この術は使用しないで貴方を殺します」
言い終わると、紅麗の分身たちは消え、本体だけが残された。
「全く、お前ら。どう止めても戦うつもりじゃな。なら、勝手に戦っとれ。
じゃが、くれぐれもワシを巻き込むなよ。人質など言語道断じゃからな!」
ブツクサ文句を言いながら、カオスは紅麗とボーマンの中間に立つ。
そして、両者を目で制しながら、右手を振り上げる。
「戦闘、開始じゃ!!」
合図とともに、紅麗が襲い掛かる。生身だが、そのスピードはボーマンの弟子・御神苗優に匹敵する。
20メートルの距離を一瞬にして縮め、右拳を振るう。
しかし、直撃寸前という所で、ボーマンは消え、紅麗の背後から本体が一撃を食らわした。
「どうした、珍しい術じゃないと言っておっただろうが」
今度はボーマンの挑発。仮面の下にある紅麗の表情は読めない。
再度、紅麗が特攻する。しかし、ボーマンの余裕は崩れない。
「何度やっても同じ事だ。私に君の攻撃は当たらない」
先ほどと同じように、攻撃をかわされた紅麗は死角からの一撃を受けてしまう。
(なるほど、メイジャーの自信も頷ける。どうやら、別魅とは若干違う種類の術らしいな)
紅麗が使う別魅は、分身体に気配を持たせる事が出来ない。
何体に分身しても、気配は本物の肉体だけが持っている。
それに対して、ボーマンが使うドッペルゲンガーは本体の持つ気配をそっくり分身体に移し変えるものだ。
そのため、ボーマンは常に気配を持たない体で死角から敵に攻撃をする事が出来る。
(だが、その程度の些事。勝負に影響は無い)
三度、紅麗が特攻する。この構図は先ほどと何ら変わらず、結果も同じものであった。
「こら紅麗。お前、真面目にやらんか。紅はどうした? あの天使を出せば、お主の勝ちに決まっとろうが!」
「ドクター、同じ事を何度も言わせないでください。格下の人間相手に、私が本気を出すわけにはいかないでしょう。
紅は私にとって最高の術です。それをこの程度の相手に出したとなれば、沽券にかかわります」
「アホ、実際に負けとるだろうが。さっさと片付けんとワシが怖いんじゃ!」
カオスは紅麗の連れである。ボーマンが勝利した場合、カオスの命は保証できない。
だからこそ、カオスも必死になる。と言うより、この場で一番必死なのは傍観しているカオスかもしれない。
「ご心配なさらず。この術はいずれ破って見せますよ」
紅麗が四度目の突撃をする。
その姿は、闘牛場の牛のように馬鹿正直で何の工夫も無い。
「アホーー! 少しは工夫せんか!」
「全く、馬鹿の一つ覚えとはよく言ったもんだ」
飽き飽きした様子で、ボーマンは紅麗の攻撃を捌く。
分身体を残し、気配の無い本体で死角からの攻撃。やる事はいつもと変わらない。
しかし──
「メイジャー、馬鹿の一つ覚えは貴方の方ですよ」
──紅麗は分身ボーマンに殴りかかった後、背後を振り返り、しっかり本体のほうを睨みつけていた。
四度目の突撃も、ボーマンの勝ち。
ボーマンは紅麗の攻撃をかわし、きっちりと一撃を浴びせた。
しかし、今回だけは三度目までと違う。今回の攻撃で、紅麗は本体の位置を見破っていた。
「貴方の別魅がどれ程素晴らしくとも、何度も見せられれば仕組みが分かります。
貴方は、常に私の死角に本体を置き、そこから攻撃をしてくる。右拳を振るって殴る私の死角は、私の右側だ。
だから、貴方はいつもそこにいる。もう、別魅の術は通用しない、次こそ覚悟して頂こう」
紅麗が五度目の突撃をする。
今度の突撃は、今までとは違い、紅麗が完全にドッペルゲンガーを見切っている。
「いいぞ、紅麗。勝てる、確実に勝てるぞ、やってしまえ!」
一転、カオスの表情が明るくなる。よっしゃ勝てる、自分はあの老人に虐められないで済む。
一方のボーマンには焦りが浮かぶ。
もう、ドッペルゲンガーは通用しない。一体どんな手で紅麗を迎え撃つべきか。
紅麗の突撃速度、筋肉の付き方から見て、彼の攻撃力はA・Mスーツなしの自分を遥かに上回る。
まともに受けてはいけない。 どうする?
五度目の攻撃を、今までと同じようにドッペルゲンガーでかわすボーマン。
気配を残した分身体を紅麗の前に置き、本体は紅麗の左後ろに回る。
「メイジャー、右と言ったら左などという小細工で私の目は誤魔化せません!」
そこは死角ではない。
紅麗は振り返っており、ボーマンの本体は真正面に位置する。
「終わりだ」
紅麗の前蹴り。ただの軍服しか着ていないボーマンの鳩尾に強烈な一撃を送り込む。
ボーマンは十数メートル弾けとび、障害物に当たって停止した。
障害物の上、ボーマンはよろめきながら動いている。
その姿を見て、紅麗は勝利を確信した。
「メイジャー、目は口ほどにものを言うと言う諺をご存知か。
貴方が本体を死角に隠す直前、貴方の目は、その死角の方角を向いている。
先ほど言ったのは唯のブラフ。本当は、貴方の目を見て、術を破ったまで」
ボーマンは、ふらつく足を抑えながら立っている。
たった一撃で、彼のあばらは折れ、内臓にまでダメージを負ってしまった。
A・Mスーツがないとは言え、この身体能力の差は予想していない。
だが、これでいい。
これでこそ、勝てる。 ボーマンは、勝利を確信した。
「メイジャー、もう貴方に攻撃をかわす力は残ってないはずだ。次こそトドメ」
紅麗が最後の攻撃を仕掛ける。
彼の目には、頭には、勝利の二文字しか浮かんでこない。
だから、彼はボーマンを受け止めた障害物が何なのか、考えていなかった。
その障害物が目に入っていても、頭に入っていなかった。
紅麗が、あと一歩と言うところでボーマンに一撃を加える瞬間。
その障害物、グリモルディは動き出す。両足につけたキャタピラを全開にして。
突然動き出したグリモルディに対して、紅麗は咄嗟に両腕を伸ばし対応する。
押し切ろうとするグリモルディと、両腕を突っ張って耐える紅麗。
しかし、キャタピラ駆動のグリモルディと、紅麗は生身。両者の力の差は歴然。
「複雑な動きは不可能だが、前進後退と、片手の操作なら出来るようになった」
ボーマン少佐が、繰り糸を動かすとグリモルディは傍らにあった狛犬を持ち上げる。
「勝負は私の勝ちだ!」
腕を横に振るうだけの単純な攻撃。
しかし、両手がふさがった紅麗には対応不可能、狛犬が紅麗のこめかみに激突する。
そのまま吹き飛ばされ、社に激突する紅麗。
「石像で殴られたら、流石にあの男も生きていないだろう」
念のために数秒間、社を見るが紅麗は全く動かず。
「どうやら、決着はついたようだね」
今度はカオスのほうを向く。
「次はあなたの番だ、ご老人」
「全く紅麗の奴め、油断しすぎじゃぞ……あぁ、そうじゃ。お互いジジィ同士、仲良くせんか?
ワシを殺しても何にもならんぞ、お互い助け合って生きようじゃないか」
「断る」
グリモルディでの攻撃。
脅威の反射神経でギリギリかわすカオスだが、スピードと破壊力が桁違いだ。
「ぎゃーー、止めんか。殺すな、ワシを誰だと思っておる。ヨーロッパの魔王、天才錬金術師ドクター・カオスだぞ」
無視。
ボーマンの攻撃は、なおも続──
──かなかった。
ボーマンの背後に、そこにいるはずのない青年が一人。
ボーマンの首筋に、そこにあるはずのない西洋刀が一振り。
突然、首筋に冷たいものを当てられ冷や汗をかくボーマン。
「まさか、ありえる筈がない」
グリモルディ越しとはいえ、攻撃の手ごたえは完璧だった。
実体のない分身体を殴ったのではない。実体のある本体を殴ったはずだった。
硬い石で頭を殴った攻撃だ。助かるはずがない、ここに奴がいる筈ない。
だが、ボーマンがそう思っていても、いるはずのない男は確かにいるのだ。
ボーマンの背後に、剣を持ち、立っているのだ。
紅 麗 が!
背後から、喉に剣を突きつけられたボーマン。
実戦ならば、この時点で勝負ありとみていいだろう。敗者はボーマンだ。
「メイジャー、素晴らしい戦いぶりでした。別魅を破られた後、貴方は焦りながらも打開策を模索していた。
そして、見つけたのが人形の利用だ。貴方は敢えて私に吹き飛ばされ、人形の位置まで自然な形で移動した。
その後は、ヨタヨタした足取りで人形の繰り糸を掴み、操り始めた。
ヨタヨタした足取りの貴方は、私から見れば格好の獲物。実際そう見えましたよ。ですが、それは私を誘い込む罠だった。
そのおかげで、私はトドメしか頭に入らなくなり、注意力不足のまま突撃した。結果、その人形にしてやられた訳ですか」
「そのはずだ。なぜ、生きている? 私のグリモルディは確実に"何か"を殴ったはずだ。
まさか、これが別魅の術なのか、分身体にまで感触を与える事が出来るのか?」
「いいえ、別魅はあくまで幻術。感触はありません。あなたの人形が殴ったのは、別魅の中に隠した、紅」
刹那、社が炎を上げる。
壁面全体が熱によって軋みだし、障子戸からは火炎が噴出す。
そして、社はまるで火でできた卵のように割れ、中から天使が飛び出てきた。
「ご紹介します。彼女の名は紅、私の最高のパートナーです」
燃え盛る炎は、既に建物を飲み込むほどに巨大化している。
もし、あれで攻撃されたら一たまりもあるまい。
「まさか、そんな隠し玉があったとはね。私の負けだ、殺せ!」
観念したボーマンに抵抗の様子はない。
だが、驚いた事に、紅麗までもがネックレスブレードを下げた。
「この勝負、貴方の勝ちですよメイジャー。私は使わないと決めた武器、別魅、紅の全てを使ってしまったのですから」
紅は社を完全に燃やし尽くした後、紅麗の下へ戻ってくる。
そして、カオスも紅麗に寄ってくる。
「信じておったぞ、紅麗。よくぞ勝ってくれた!」
「全く、ドクターも態度を変えすぎですよ。年寄り同士で仲良くするんじゃなかったんですか」
「いや、そのぉ、あれはだな……アハハッ」
シドロモドロするカオスを放っておいて、紅麗はボーマンに話しかける。
「メイジャー。貴方の格闘能力、特殊能力、判断力、どれを取っても素晴らしいものでした。
もしよろしければ、私の下で共に働いていただけないでしょうか?」
「私を殺すのではなかったのか?」
「貴方の能力を失うのが怖いのですよ。有能な人間は、誰もが欲しがるものです。
協力して、あの不遜な女狐に一泡吹かせようじゃないですか」
突然の勧誘。
この青年は、突然襲い掛かってきて、突然戦いを止めて、突然勧誘してきた。
ボーマンは戸惑いながらも答える。
「不遜なのは君の方だろう。私が断れば、命を落としてしまうではないか……」
正直な話、素顔すら晒さない暴漢の仲間になるつもりはない。
だが、この男の戦闘能力は自分を遥かに上回っている。
ここで断れば、間違いなく殺される。今現在できうる最良の手は、この男の仲間になる手だけだ。
「分かった。君の仲間になろうじゃないか」
やむを得ない判断。
「それで、私は何をすればいいのかな? 上官殿」
紅麗も、ボーマンも、既に戦闘態勢を解いている。
「メイジャー、貴方にお願いしたいのは、役に立たない人間の排除と役立つ人間の勧誘です。
このゲームからの脱出、あの女狐に対する報復、この二つを目的とした準備ですよ」
早い話、先ほど紅麗がやったように戦闘をしろ、と言うことだ。
「弱い者、知能の低い者、あの女に関する情報を持たない者。
とにかく、脱出やあの女との戦闘に役立たないと思われるものは全て殺してください。
逆に使えると判断したものであれば、仲間にするようお願いします。
役立つ、役立たないの判断はご自身でして下さい」
言葉は丁寧に、けれど態度はあくまで威圧的。
慇懃無礼を絵に描いたような紅麗の態度は、見るものに決して好感を与えない。
だが、これに逆らえば命がない。
「OK、分かった」
「では。ドクター、メイジャー。二人ともこれからは単独で行動し、それぞれの任務を遂行してください。
午後8時に再びこの神社に集合します。神社が禁止エリアになった場合は、G-5の神社へ続く三叉路に集合しましょう。
その時には、素晴らしい成果を期待していますよ」
「ちょっと待て紅麗。ワシ一人でゲームの解析をやるんかい!」
「当然ですよドクター。我々に与えられた時間は少ない、有効に利用するには散開するより他はないでしょう」
戦闘力に自信のないカオスは、かなり不安になってくる。
まぁ、錫杖もあるし、苦手とはいえ陰陽術も使えるのだから、大きな心配は要らないのだけれど……
「とにかく、事は最速をもって良しとします。今すぐ散会し、ドクターはゲームの解析。
メイジャーは役立つ人間の抽出に向かってください」
紅麗の指示に従いボーマンが早速動き始める。
数秒たって、カオスが嫌々ながら移動を開始。正直、戦闘したくないなぁ……と強く思っている。
紅麗一人、神社に残る。
手入れをする者がいなくなった神社は、古びた物になり、昔いた火影を思い出させる。
「母上、紅麗は必ず生きて戻ります。どうかそれまで、ご無事でいて下さい」
冷酷な仮面の下には母親への愛情が隠れている。
ボーマンを殺さなかったのも、ある意味、この男が持つ愛情ゆえかも知れない。
冷酷さと愛情が混沌の中で同居する男、紅麗。
紅麗もゆっくりと、神社を後にした。
【G-6 鷹野神社/開始から5時間】
【紅麗@烈火の炎】
[状態]全身に軽度の打撲。先頭に支障なし
[装備]ネックレスブレード@MAR
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1、カオスにこのゲームの解析をさせる。
2、ボーマンにゲームに役立たない人間の排除、役立つ人間の勧誘をさせる。
3、有能な参加者を配下に、従わないものは殺す。
4、主催者を倒し、その力を我が物に。
5、午後8時に鷹野神社へ
【ドクター・カオス@烈火の炎】
[状態]健康
[装備]錫杖@うしおととら
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.紅麗に協力
2.ゲームの解明
3.いずれ紅麗の肉体を奪う
4.ちょっと戦闘が不安
5.午後8時に鷹野神社へ
[備考]紅麗とカオスはボーマンの名前を聞いていません。
【ボーマン教官@烈火の炎】
[状態]あばらが折れている。戦闘に若干支障あり。
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、グリモルディ@からくりサーカス
[思考]1.紅麗に協力
2.ゲーム脱出に役立つ人間の勧誘、役立たない人間の排除
3.御神苗優との合流
4.ゲームからの生還
5.人形繰りをより確実なものにする。
6.午後8時に鷹野神社へ
[備考]グリモルディの操作は前進後退、右腕の操作程度なら可能です。
旋回や両腕の操作には、まだ時間がかかります。
[備考]鷹野神社の社は全焼しました。
投下終了。
不備があったら指摘お願いします。
修正……orz
【ドクター・カオス@GS美神極楽大作戦!】
[状態]健康
[装備]錫杖@うしおととら
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.紅麗に協力
2.ゲームの解明
3.いずれ紅麗の肉体を奪う
4.ちょっと戦闘が不安
5.午後8時に鷹野神社へ
[備考]紅麗とカオスはボーマンの名前を聞いていません。
【ボーマン教官@スプリガン】
[状態]あばらが折れている。戦闘に若干支障あり。
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、グリモルディ@からくりサーカス
[思考]1.紅麗に協力
2.ゲーム脱出に役立つ人間の勧誘、役立たない人間の排除
3.御神苗優との合流
4.ゲームからの生還
5.人形繰りをより確実なものにする。
6.午後8時に鷹野神社へ
[備考]グリモルディの操作は前進後退、右腕の操作程度なら可能です。
旋回や両腕の操作には、まだ時間がかかります。
[備考]鷹野神社の社は全焼しました。
超乙!
訂正
【ドクター・カオス@烈火の炎】→ 【ドクター・カオス@GS美神】
【ボーマン教官@烈火の炎】→ 【ボーマン教官@スプリガン】
乙!
初めはさよならボーマンって思ってたけど順当に仲間入りしたな
散開して仲間を探すっていっても紅麗以外は殺さなそう
乙
ボーマン強いのか弱いのか分からんな
AMスーツなしのボーマンと、自称『紅より強い』紅麗だからねぇ……
乙
いい感じに散らばりましたね
次に出会いそうなのは誰かな
352 名前:346[sage] 投稿日:06/11/02(木) 00:51 ID:Cu9Qgu5A
今回のは、意識的に長くした。
長文の練習になれば、と思ってな。
予想通り感想は少な目だった。
まぁ、練習をかねてたし、しゃ〜ね〜かな。
レスさんくす
もし、どこのロワかわかったら、是非添削してくれ。
自分のためによりよいものを書きたい。
何が言いたい?
この戦い素直に剣使ってたらボーマン勝ってたんじゃないか?
ファーストアタックで頚動脈をスウーとやって
>>399GJ
ボーマンも紅麗強く感じる迫力ある戦闘シーンでした。
乙。
…でもこんな饒舌な紅麗は想像できないw
でボーマンて言われた通り役立たないやつ殺したりするキャラ?その場凌ぎで言ったとかでなく
ボーマンはとびっきりの使命感の持ち主
教え子の優には
「戦いにおいて最も重要なのは鋭い洞察力と冷静な判断力
そして、任務遂行のためには私情を捨てる徹底した非常さだ。」
と言ってたから、
これを使命と感じたら徹底的にやるんだろうな・・・
基本的にはかなり優しい人だから、任務遂行はするが手荒な事はしないって人だけど
ナイフの腕はスプリガンの世界で5本の指に入る腕前、
原爆を時限式に変えられるくらい爆弾の知識に長けていて、ブービートラップも使えます
ボーマンはおそらく
利用できるやつ→仲間に勧誘
利用できないけど害もない→仲間に勧誘はしないが殺しもしない
利用できない上マーダー→戦闘
だと思われ
黙っててもばれないししね
>>409 >…でもこんな饒舌な紅麗は想像できないw
ゴメンなさい、土日を使って修正します。
>でボーマンて言われた通り役立たないやつ殺したりするキャラ?その場凌ぎで言ったとかでなく
これも、ひょっとしたら伝わっていなかったでしょうか。スイマセン。
今回のボーマンは思いっきり『その場しのぎ』で答えています。
ボーマンのキャラから考えると、「上官からの」「正式な」命令があった場合は何でもすると思います。
けれど、今回は「初対面のガキから」「脅し紛いの」命令を受けたわけで、言う事聞くかどうかは微妙です。
個人的には
>>411さんの言われたとおりになると思います。
また、紅麗の命令にしても、役立たない奴は殺せとありますが、そもそも役立たないかどうかは自分で判断しろ
と言うものなので、誰を連れてきても役立つと思ったと言い張れば命令違反にはなりません。
今回のような曖昧な命令を出したのは、烈火原作の『小金井を斬れ』命令を強く意識しました。
ぶっちゃけ、紅麗は何が何でも殺せ、とは一言も言ってないと思います。
何はともあれ、ご指摘ありがとうございました。
土日のどちらかには直せると思いますので、ご容赦ください。
>>まとめ人。
素早い更新お疲れ様です。
質問!
サリン出したいんだけど、OK?
サリンって何?地下鉄サリンの奴?
そうだとしたらやめといたほうがいいと思う
扱いに困るから
そうか。 分かった。
具体名出さずに神経ガスとすればいいんじゃないか?
いや、多分名前じゃなくて、広範囲に効くズガン効果の事を言ってるんだと思われ。
おれも、その事が聞いてみたくてレスしたし……
確かに死ななかった場合の後遺症とかめんどくさそう
どうせなら確実に死ぬようなやつのほうがいいな
ARMSのC-0048(アルの作った毒ガス)とか
無難な支給品考えるのって難しいな。
今回みたいな、ただの剣みたいなのを出し続けるわけにもいかんし
支給品を考えるのは本当につらいよな。
塩化カリウムの錠剤とかなら、人間は楽に殺せるんだが化け物相手にはつらいよね。
うん、無難なのは、各種重火器、爆弾ぐらいな物か……
消火器は本当に凄いと思ったが、あぁいう名支給品は中々思い浮かばない。
思いつきで質問なんだが、硫酸とかどうよ?
そういや他の作品のものでも現実にあるものならいいのか
ドライブで出て来たエンジン付きスティクボードとか
423 :
作者の都合により名無しです:2006/11/03(金) 02:58:13 ID:W6he/c9O0
コナンに出た太陽電池のスケボーってありか?
いいと思うけど
コナンに出た小さくなる薬(メホホ・ブルササンGだっけ?)ってありか?
アポトキシン4869じゃ
スマン、然して面白くも無いがネタレス、
って20秒でレス来たのかwwwwww
携帯だったら自演と疑われるなw
ありだと思うな
ってか当然出るだろうと思ってたからまだ出てないのは以外だ
難しいだろ、ただの毒薬として使うなら、青酸カリ(既出)や砒素を出せばいいわけだし
若返りの効果を狙うなら、オリ要素出てくる。 無難な支給品つーとなぁ……
散々言われているが、バッボとかになってくるかな。
すまん、マジレスしてしまった
オリ要素になりえるので当然無しだと思ってネタレスにしたんだが、
>>428みたいなのもいるんだな、意外だ
そうか…俺だけだったんだ…
いや、他のところで幼児化したキャラ見たことあったからそういうのも大丈夫なんだと思ってた
らんまとかも幼児化してたから、結構ありかもな。
姿が小さくなるだけで、本質は変わらないわけだから
オリ設定つっても、文字ベースじゃ見えないオリ設定だし。
毒薬として使われてそのまま人が死んだら荒れそうなのがなぁ……
いや、それはそれでありだと思うが
ほぼ確実に人が死んで、かつ後が残らない毒だっけ?
けど幼児化する確立はねずみウン万匹のうち一匹とかどうだとか…
老人キャラが追い詰められて、自分でけじめをつけようと飲んだら
全盛期の状態にもどって逆転勝ちするとか…
ボーマンとか武蔵あたりがよかったんだがな
ボーマン → 若返る(強化)
カオス → 若返る(強化)
鳴海 → 人間化(弱体化)
とら → 前世(弱体化)
紅煉 → 前世(弱体化)
パンタローネ → 飲めんのか?
ゾフィス → 飲むな!
灰原 → 組織にいた頃を思い出して自害
アポトキシン4869で強化できる奴って少ない気がする。
武蔵だったらいけたのにな
惜しいことをしたもんだ
若返りであって、時間を戻すわけではない、と思う
そこらへんがハッキリしていないので無しということでFA
アポ4869はあくまで致死性の毒薬であって幼児化はイレギュラーでしかないんだぞ。
飲んだ奴全員にイレギュラー効果が出るわけあるまい。
アポはなんか荒れそうだな、
子供にさせるなら素直に乱馬で出て来たキノコの方がよさそうだ
年の数茸か。あれなら、カオスが10歳になってもおかしくないしなぁ。
でも、見た目変わるだけで中身は変わらんないんだよね。
外見はカッコよくても、中身はボケ爺さんのままなカオス
それって肉体年齢は変わってるってこと?
変わる、詳しくはらんま1/2の33巻参照。
それを出す意味は?
地図ならもともと全員に支給されてるけど
それじゃだめなの?
481 :Classical名無しさん :06/11/04 14:53 ID:yUBpBYtc
サンデーでレベル低いって言われても気にするな。
あの頃は見てたけど、具体的な指摘はほとんどなかったろ。
要は、その程度の事だって事だ、大してレベル低くない。
大体、今回投下された奴だって紅麗が喋りすぎとか突っ込まれて
書き手自身も修正宣言してるけど、実際原作の紅麗も初期はあれぐらい
喋ってたし、大してレベル低いとは思わんよ。
まぁ、続き書いてくれや。あそこは読み専だけど感想ぐらい書きに行くわ。
誰かが、どこかにいると言う情報が分かるだけでも、大した情報だと思うので、これを支給する事は意味があると思います。
支給されている地図だと、どこに参加者がいるか分からないので……
もちろん、かなり問題アリな支給品ぽいので、駄目と言われれば出しませんが……
無理だな、やめろ
後々のことを考えるとデメリットが大きい
自分の好きな展開を書きたいが故に目先のことし考えてないと面倒なことになりかねん
問題あると解ってるなら出すんじゃねえよ
>>477 最初は○○だったけど△△になったキャラを、△△の時期から連れて来たのに、
○○の頃のキャラが混ざってたら不味いんじゃないでしょうか……
>>450 >「小金井は今の今までジョーカーと闘っていただろう?何を言っている」
さすがに、裏武道殺陣の小金井VSジョーカーの時期を初期とは言えませんよね?
初期位置は解っても更新は週一だぞw
はっきりいって便利過ぎるからやめた方がいいとは思うが
マーダーが手に入れた時は大変な事になると思うし
仲間集めたい奴が持ったら一気に大所帯になるぞ
お兄ちゃん、なんでこの人ID変わってるん?
>>453 二度にわたるご指摘ありがとうございます。
やはり、紅麗は無口に修正した方がいいですか。
ゴメンなさい、もう一度お時間いただいて修正させていただきます。
マップについては、荒れそうなので支給しないようにしておきます。
ところで、そのマップが見れなくなったのは気のせいでしょうか?
>>456 二度?
マップについてだけど、サイトすら見られないんだぜ!
>>451を見る限りでは、
>>448=
>>451だよね?
ちょっと無理そうだから鳥晒したのかな
実は俺様の正体は◆AAxoi1ysvg様だから見逃せって事かな
>>457 一度、他の方からも同じような指摘をされていまして……orzゴメンなさい。
>>458 単に447で書いたときのトリップが残ってただけです。
ご意見ありがとうございます。
しかし、本当にまとめが見られなくなりましたね。
更新中なのでしょうか……
いいえ、当然448=451ですけど。と言うか、ID:64URxZP30=ID:WpcH3yMk0ですよ。
もうレスするのやめにして、作業に入ります。
まあ、とりあえずこの話は終わりね
まとめサイト情報です。
現在、更新作業中です。サイトは全体的に見られません。
他のロワを荒らした書き手が何を言ってるんだかw
まとめサイトをやってるから叩かれないだけなのにね(;_;)
冷静さを失った書き込み申し訳ありませんでした。
まとめサイトは、本日中に復旧する予定です。
一部機能の追加のため、HTMLの基礎知識がない身としては、
一旦サイトを停止せざるを得ません。この点、ご了解ください。
まとめサイトの修復が完了しました。
栞機能を作り直していたのですが、キチンと動いていない場合は報告してください。
よろしくお願いします。
地図云々の話が出ていたけど、烈火がもっている天界モバイル@うえきの法則の機能についてなかったっけそういうの?
ていうか何故素直に探知機にしようとしなかったんだ……
探知機ならコナンのメガネがいいと思う
最初から全員に発信機ついてるってことには出来ないかな
それとも、そういう設定は後からつけない方がいい?
あと、一つ質問
普通の速さで歩いた場合、一エリア分移動するのにどのくらいかかる?
2エリア分離れてるキャラが放送までに出会うのは問題ない?
探知機なら見鬼くんが・・・・
と言いたい所だけど碑妖がうじゃうじゃいるような状態じゃ無理か・・・
>>453 ちょうどその頃の紅麗もよく喋ってる。
修正の必要があると思ってる奴、お前だけなんじゃないのか?
つーかそれさ、書き手が初期のって言ってるから
初期から来たんじゃないよって言ってるだけだよな
確かに……、最初から誰も修正要望なんて出してないな。ごめん。
つーことは、このままでいいじゃん -> 書き手
イアン、エレオノール予約です。
初めて投稿するので、よろしくお願いします。
また、水曜日中まで投下できない場合は、破棄してください。
よろしくお願いします。m(_ _)m
イアン、エレオノール予約です。
初めて投稿するので、よろしくお願いします。
また、水曜日中まで投下できない場合は、破棄してください。
よろしくお願いします。m(_ _)m
>>471 大体、一時間ぐらいじゃね?
放送まで、つっても残り何時間あるかはキャラによるので分からん。
>>475 そもそも、
>>453はまだ投下していない
>>477の書き手さんへのレスなんだぜw
それに書き手さんは修正宣言しているし、書き手さんも無口だと思ったんじゃねぇの、知らんけど。
>>461でもう作業に入るって言ってるんだし、あんまり引っ掻き回すなよな、荒らしじゃないならさ。
>「メイジャー、目は口ほどにものを言うと言う諺をご存知か。
>貴方が本体を死角に隠す直前、貴方の目は、その死角を向いているのだ」
ボーマンにこんな設定ありましたっけ?
>>481 君はオリジナル皆無にしろって言うの?
人間一般の癖だろ。
オレは戦闘のプロだぜ? 外しはしない!……な人がそんな癖持ってんのかね。
本体を隠す方向ってのが微妙だよな
別に本体が消えたり現れたりするわけじゃないはずだから
分身を出す方向ってならまだわかるけど
素人のキャラじゃあるまいし、目線なんてオリジナルの設定なら有り得ないだろ……
それに戦闘中なら死角もころころ変わるだろ、動き回るんだから……
そもそも本体を死角に隠すんじゃなくて
分身に気配を残して死角に回ってるんだろう……
486 :
作者の都合により名無しです:2006/11/08(水) 13:00:43 ID:omqarbD5O
オリ設定絶対許さない!
ただのオリ設定ならまだしもキャラがおかしくなっちゃダメだろ
本スレ
>>481 ありません。これは私独自の設定でした。
こちらに関しては指摘が多いので再度修正いたします。
本スレ
>>483 私は持っていると考えたのですが、
>>485さんの意見もありますので、
多数決と言う事で、このような欠点は無いとさせて頂きます。
本スレ
>>484 確かに、本体が消えたり現れたりする訳ではないと思います。
しかし、原作7巻の描写を見る限り、ボーマンの本体は御神苗の動体視力から逃げ出す
ほどのスピードで移動しているように見受けられます。
また、ボーマン本人がドッペルゲンガーを催眠術の一種と言っている事から、
ひょっとしたら、催眠術を使っている際に本体が移動しているのかも知れません。
どちらにせよ、紅麗にしたら消えているかのように移動するはずと思って、このような描写をしました。
修正に時間をかけすぎるのは、他の書き手に迷惑がかかるため、今回の修正は本日18時までに行います。
また、何度も修正をして大変申し訳ありませんでした。
修正箇所は次の二点と、最後の一点になるかと思います。
1.そもそも本体を死角に隠すんじゃなくて
ここは、『本体が隠れる』等の表現に置き換えて対応したいと思います。
2.目線の設定については全て削除いたします。
最後の三点目についてですが、こちらのご指摘についてです。
>それに戦闘中なら死角もころころ変わるだろ、動き回るんだから……
大変申し訳ありませんが、詳しく説明していただけないでしょうか。
死角がコロコロ変わることは私自身、存じ上げておりますし、それを踏まえたうえで記述したつもりであります。
何か、不具合がありましたら大変お手数ですが、説明をお願いいたします。
>しかし、原作7巻の描写を見る限り、ボーマンの本体は御神苗の動体視力から逃げ出す
>ほどのスピードで移動しているように見受けられます。
>また、ボーマン本人がドッペルゲンガーを催眠術の一種と言っている事から、
>ひょっとしたら、催眠術を使っている際に本体が移動しているのかも知れません。
これ、気になったんだけど、いいのかな?
>三点目
動き回ってれば死角なんてころころ変わるんだから
隠す直前の目線の死角は、攻撃に移った時には既に死角じゃなくなってるだろ……
>>483さんへのレスで言っている
癖を持っていると考えた根拠を教えてくれないか?
非常に気になるし、根拠も出さずに言われるのは気持ちが悪い
それと
>>482はフォローでもなんでもない
原作を知らないのに、何も考えてずにレスしただけだろ……
原作を知らないって事の根拠は、人間一般の癖とか言っている点ね
アーカムで教官までやってたスプリガンが「人間一般の癖」を放っておくわけないだろう……
>>490 個人的には、そんな描写は見受けられない
ドッペルゲンガーを上手いこと使ってるだけだろ……
どのページのどの流れをそう言っているのか教えて欲しいところだな
13 名前: 紅麗と個性的な老人達 ◆AAxoi1ysvg 投稿日: 2006/11/08(水) 16:15:28
>>491さん、こちらに気付いてください……
・ ボーマン少佐の戦闘シーンはp57から、途中休憩を挟んでp97まで。
・ 初回登場時は、優の両サイドピッタリをついて来る。この際、気配は二つ(P57の台詞より)。
内1体は偽者と言う描写あり。
・ ボーマンの能力は自分をもう一人出現させる物と優は言っている(P62)。
注: 多分一人ではなく、複数。
・ P62,63で少なくとも、二体の分身を出している。
・ P64で出てきているのは、本体っぽい(確定描写なし)。その後停戦を申し入れている。
・ P75で、↑のボーマンが何時の間にやら分身体に入れ替わっている。
・ P76のボーマンは本体。 ヨシノを押さえつける描写あり。
・ ↑のボーマンとP78で戦闘を開始する。
・ P79で、優の背後に一体現れる(本体・分身不明)。
このボーマンには少なくとも、優のナイフにぶつかって金属音が出るだけの現実感あり(P79、三コマ目)
以上の描写から、たとえばP79のボーマンを本物とするとP78のボーマンからP79のボーマンへ移動する間
優の視線から外れていたことになります。
これが、ボーマンの言う催眠術(P88)なのか、それとも、超速で動いているからなのかは描写がありません。
そのほかにも、実体があるはずのボーマンがいつの間にか別の場所に移動していると言う描写は多々あります。
14 名前: 紅麗と個性的な老人達 ◆AAxoi1ysvg 投稿日: 2006/11/08(水) 16:19:55
すいません、流石に仕事中はこれ以上の書き込みができそうにないので
22時以降までレスは出来ません。
---
どんな職場だwwww外回りの営業とかなら出来るのか?
>・ P64で出てきているのは、本体っぽい(確定描写なし)。その後停戦を申し入れている。
>・ P75で、↑のボーマンが何時の間にやら分身体に入れ替わっている。
ここら辺、原作読んでみたがゴチャゴチャしててよく分からんな。
戦闘停止して普通に話してるんだから入れ替わる時間はいくらでもあるような気がするし、
P64で止めを刺そうとしていたボーマンが実は偽者と言う可能性もありえる。
>・ P76のボーマンは本体。 ヨシノを押さえつける描写あり。
>・ ↑のボーマンとP78で戦闘を開始する。
>・ P79で、優の背後に一体現れる(本体・分身不明)。
> このボーマンには少なくとも、優のナイフにぶつかって金属音が出るだけの現実感あり(P79、三コマ目)
ここは意味不明だがそもそもボーマンの偽者に実体が無いという描写は無い。
ひょっとしたらボーマンは偽者に実体を持たせて、そいつで攻撃できるかも知れない。
と思ったがそうだったら、本体で攻撃する訳ないしな。偽者はやはり実体を持たない攻撃できない体
と言うわけでナイフにぶつかって金属音が出せると言うのは実体の証拠になるのか?
あと、前半は関係ないだろ
細かい説明ありがとう
でも、やはりドッペルゲンガーを上手く使っているだけで、
御神苗の動体視力から逃げ出すほどのスピードで移動しているとは見受けられないなぁ……
P75だけど、距離を縮めて後ろを取っただけで本体じゃないかな
トーンだけになって消えてないし、分身じゃないと思う
P78-79は、気配を察知して振り向いたけどドッペルゲンガーで、
勝手に背中を向けて切られたように見える
けれど、明確にそうだと書いてあるわけでも無いし、
御神苗の動体視力を上回る超スピードで移動しているってのが正解かもしれない
もうどっちか分からないから、これは書き手さんの方にした方が良いね
ところで、目線の癖の根拠は教えて貰えないのだろうか……
>>495 よく読め、微妙に書き手の意見と違ってるぞ
>>496 ありがとう、
>>78-79についてが微妙に違ってるな
「P79が本物だとすると超スピードで移動してる事になる」
ここでP79を本物とするのは「ナイフがぶつかって金属音」がしているからだよな
これなんだけど、やはり超スピードじゃなくてドッペルゲンガーだわ
今さっき気付いたんだけど、P65で御神苗がドッペルゲンガーについて
「幻だけでなく気配まで存在させて『攻撃できる』とはな…」って言ってる
これで、攻撃できる=本体ってのは消えるってのが根拠
>御神苗の動体視力を上回る超スピードで移動しているってのが正解かもしれない
いくらなんでも、これは無いと思う。これがあったら、ボーマン普通に攻撃してるだろ。
書き手本人も、
>>489では超スピードで移動しているか、催眠術(ボーマン曰くドッペルゲンガー)を使って移動しているか
と二つ可能性あげているが、超スピードはあり得ない。
>P78-79は、気配を察知して振り向いたけどドッペルゲンガーで、
>勝手に背中を向けて切られたように見える
P79の効果音はどう解釈するんだ?
P82でも、斬られた直後に消えてるぞボーマン。
>>497 『攻撃できる』をどう解釈するかねぇ・・・
仮にダメージがあるんだったら、P82の切り傷も納得できるが
どうしてボーマンは隠れたところでドッペルゲンガーだけ使って
攻撃しなかったんだろうね?
>>499 それは距離制限か時間制限でもあるんだろう
>>497 「攻撃できる」はオミナエの台詞であって、ボーマンの台詞では所詮こけおどし、みたいだが……
もう、ワケワカメ
そうかぁ……
となると、こけおどし=眠術の一種
で、音やら感覚も催眠術による効果ってのが落とし所か?
催眠で人を殺せる世界だしなぁ……
そう考えるとP86で、「だんだんわかって来た」御神苗が分身の攻撃を回避しているのも確証がなかったからか……
P88で分かるまでは催眠に掛ってドッペルゲンガーの攻撃も有効だったけど
それ以降は攻撃も無駄?
P90で教官が消えれたのは集中が切れたから?
P92では分身を完全に無視しちゃってるもんなぁ……
もしくは超スピード
P82一コマ目、二コマ目のナイフダメージ → 消えるも、幻術でFAか……
まぁ、今回のSSには別に問題無さそうだし、この程度にしておきたい所だが。
今さらながら、何でボーマンなんだよ。ボーとかいただろうに……
戦闘描写のページ数数えられるようなキャラをバトロワに出すっておかしいだろうが……
描写ページ数というよりも、能力が解明されていないのが問題
505 :
作者の都合により名無しです:2006/11/08(水) 20:56:36 ID:UVePuSlA0
ドッペルが攻撃できるとしてAMスーツを傷つけられるか?と言ったら無理だよな
とりあえず本編で攻撃できたとしても、
ここでは制限で出来ない、そのことには文章で触れないってことで
弱い自分と言う受け入れ難い現実を目の当たりにさせられたイアン。
彼は何よりも先に力を求めた。
そんな彼があても無く彷徨い続けて数時間経った頃。
時刻は正午という頃に見つけた。白いガーゴイルとも言うべき巨体を。
「おいおい何でこんなのが横たわってるんだよ。」
嘘だろうと思いながらも白い体を舐め回すように見る。
「そうだこいつはどうやって使ったらいいんだ。」
ネックレスかブレスレッドかさもなければイアリングか。
全長9mの巨体を隅から隅まで探す。ついでにその周辺も探す。
「あると思うんだけどなぁ・・・。」
「でも待てよ。ガーディアンって召喚するまでは別のところに居るはずだよな・・・。」
と言うことはここにアクセサリは無いのかな。
なんだか混乱してきたがこんな外見はガーディアン以外に考えられない。
こいつを使うのはアクセサリかな。それとも別の何かかな。
とにかく周辺を探す以外に手は無さそうだ。
元来メカが得意と言うわけではないエレオノールは困り果てていた。
読めもしないマニュアル片手に何とかコクピットまでは辿り着けた。
ここからが問題である。
「糸はどこだ。」
やはり彼女の頭からは人形=繰り人形という図式が離れないようである。
コクピットの隅々まで探して糸を求める。
90年生きたサーカスと人形だけの女。エレオノール。
彼女がコクピットを見つけられただけでも良しとするほかは無い。
イングラムの外にはARMの知識を持つイアン。
イングラムの中には繰り人形の知識を持つエレオノール。
微妙に惜しいが二人とも正解には辿り着けない。
【H-5 イングラムコクピット/放送直前】
【エレオノール@からくりサーカス】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)イングラムの説明書、イングラム@機動警察パトレイバー
[思考]1.どうしたらいいの?
2.イングラムの糸を捜す。
3.加藤鳴海を捜す。
【H-5 イングラム周辺/放送直前】
【イアン@MAR】
[状態]全身に軽度の裂傷
[装備]ニューナンブ式38口径の拳銃(残弾3/5)
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.生き残ってギドに会う。
2.強大な力を手に入れる。
3.化け物(とら)に復讐する。
4.イングラムをどうやって使うか調べる。
[備考]イングラムは白面の手により林の中に隠されています。
初めて投下しました。
ご意見よろしくお願いします。
処女作乙
なんか馬鹿二人って感じだな……
>紅麗と個性的な老人達
これは結局通しなの、修正なの? そろそろ書き手が来る時間帯みたいだが……
よく考えたら、弾丸3発でエレ殺すのって不可能なんだよな・・・
エレオノールってそういや白金だったな。
>>508 初投下オメ
>>510 流石にもう、修正はいらんだろ。
ハヤテ、乱馬投下します。
初めてですので、うまく出来ていると幸いです。
息を切らしながら、診療所待合室にある椅子に腰掛ける2人。
双方、体力には自信があるほうである。でも、今回は闘った相手が悪い。
何せビームを放つ相手だ、似たような相手(ハーブ)と闘った事がある乱馬はいざ知らず、
唯の(?)執事であるハヤテにはきつ過ぎた。
「ハァハァ、……なんて辛い事件なんでしょうか……
宮本さんは僕を助けるために飛び出してきて、ぼく達のために死んでいったんですね」
「悔やんでもしょうがねぇだろーが。それより、あの野郎は絶対ぶち殺してやる」
乱馬が闘志を燃やす。
「そうは言っても、相手はあの化け物ですよ」
肩で息をしながら、ハヤテが答える。その喋り方に『使○』と言った著作権考慮の気配は無い。
もはや、そんな気力も無いのだろう。
「勝ち目はあるんですか?」
「あぁ、あるぜ」
と言って、乱馬はバックを下ろす。
ズシリと重いそのバックは人一人分の重さがありそうだ。
「なんで、そんな重いもの背負ってたんですか? 下ろせばもっと楽に闘えたでしょう」
「そんな暇なかったんだよ。それにあんな化け物がいるとは思ってなかったしな」
「でも、そのせいで宮本さんは、宮本さんは死んだんですよ!」
「悪いとは思ってるけどよ……」
途端に空気が悪くなる。
シーン
2人の間に沈黙が流れた。
最初に口を開いたのはハヤテである。
「スイマセン、少し言い過ぎました」
乱馬より遥かに社交性に優れた少年は、何よりこの雰囲気を改善しようと考えたのである。
「乱馬さん。僕ら協力できませんかね、2人とも共通の目的を持ってますし」
「共通の目的って何だよ?」
「宮本さんの敵討ちです!」
「勝てねぇかも知れねぇぜ、重しをとってもスピードが上がるだけだしな」
「僕も一緒に闘います」
「足手まといはいらないぜ。大体、お前知り合いは探さなくていいのか? 俺も探す奴が一人いるしな」
「もちろん、探すべき人はいます。でも、敵を探しながらでも、人探しは出来ます」
「でも、足手まといはいらねぇ。ジジィの仇は俺が一人で討つ。」
話をしていたら、体力が回復してきたらしい。
乱馬は立ち上がり、診療所を後にしようとする。
診療所で薬を求めていたサムライはもういないのだ、だから長居する必要はない。
「待ってください、せめて荷物の確認ぐらいしていきませんか?
あれだけ重たい荷物だったんです、きっと役に立ちますよ」
「役に立つとは思えねぇけどな。ま、それぐらいならいっか」
何とか、乱馬の足止めに成功したハヤテは乱馬の許可を取り、彼のバッグを開ける。
そこから出てきたのは、銃弾。それも何種類もある銃弾。それと、一枚の紙だった。
「えーっと、説明書によると銃火器の予備弾みたいですね」
この島にある全ての銃火器の予備弾が、乱馬の支給品らしい。
その数量は数え切れないほどある。そりゃ、重いわけだ。
「これは、凄い支給品ですよ!」
「なんでだよ?」
「だって、さっきのビーム男にこれを投げつければ暴発してビーム男にも凄いダメージ
を与えられます。また、銃火器を持っている人は弾も欲しがるはずなので、仲間を
集めるときの交渉がし易くなるんですよ」
「へぇ、そりゃ凄いじゃねーか。んじゃ、それお前にやるよ。じゃーな、また会おうぜ!」
再び、診療所を出ようとする乱馬。
「いや、待ってくださいって。僕はまだほとんど歩けないですし……」
疲労がたまり過ぎて、自分では満足に動けないハヤテ。
「何だお前、面倒見て欲しいのか? なら、そう言やいいのに。
ま、一緒にいてやってもいいけど、荷物は代わりに持ってくれよ。
重たくてしょーがなかったんだ」
「アナタは、この僕にさらに重労働をさせるつもりですか……」
「まーな、その程度の重労働、命には代えられないだろ?」
「どういう意味ですか?」
「今度、アイツに出会ったら俺は本気で闘わなくちゃならねぇ。
だから、体は軽くしておきたいんだ」
「なるほど、そうですか……」
ハヤテにとって、この場に放置されると言う危機は去った。
だが、体力が回復した暁にはジュラルミンケースと銃弾全部と言う重しが加わる。
体力には自信があるので、大丈夫だろうが……。
まぁ、これも執事の仕事ですかね。
「ところで、話は変わりますけど。僕たちまだ自己紹介していませんでしたね。
僕は綾崎ハヤテと申します、乱馬さんの名前は?」
「俺は早乙女乱馬。無差別格闘早乙女流の二代目だ」
「え ?」
ハヤテが凍りつく。その名前はあり得ない名前だったからだ。
「早乙女○馬って、水をかぶると女になる高校生で、許婚が何人もいるという、あの……」
再び台詞に○が入る。馬鹿な、あり得ない。嘘だろとハヤテは思っている。
「なーんで、○が入るんだ。俺の名前は早乙女乱馬だ。
それと、お前がなんでそんな事知っとるんだ」
「い、いえ……それは、そのぉ……説明すると長くなるんですが……」
と言いながらハヤテは、バッグの中から名簿を取り出す。
そこには、江戸○コナン、毛○欄等の国民的アニメの登場人物や、
最高視聴率32.9%を達成した驚異的アニメの登場人物、上○達也、和也兄弟など、
あり得ないほどの豪華メンバーが揃っていた。
「なんで、今まで気付かなかったんだろう……」
そして、ここにいる早乙○乱馬も、巨匠高橋留○子の大傑作らんま1/2の主人公で、
アニメの熱闘編は何と140話を超えるロングランだったと言う伝説がある。
「嘘ですよね???」
「おい、お前、一体どうしたんだ?」
一人驚くハヤテに、事情の飲み込めない乱馬。
2人のコンビは続く。
【Iー7 沖木島診療所/5時間後】
【早乙女乱馬@らんま1/2】
[状態]体力消費微小、悲しみ、男
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1、体を休める
2、あかねを捜す
3、武蔵の仇を討つ
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]体力消費大(自分では動けない)、悲しみ
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、一億円入りジュラルミンケース)、銃弾一式(2〜30kg)
[思考]1、体を休める
2、ナギ・ヒナギクの安全を確保
3、できれば武蔵の仇を討ちたい
4、早乙○乱馬ってマジ?
NGに異論がある人なんていないよね?
うーん、今までのSSでオタク知識が結構あるキャラてことになってるから
それをどう調節するかだな・・・
生い立ちからすれば、そんなにマンガだのに接せる環境でもないし
基本的にナギからの受け売り、又聞きてことで何か知ってることがあったら
「そういえば聞いた事がある」
「知っているのか、ハヤテ?」
この乗りで行くか?
それ、何て雷電?
ジャンロワの雷電は北斗神拳知ってたりするが…これは行き過ぎな感じ
初めての投下作品は無難なものにしようという教訓かなこれは
ジャンプロワの両さんも原作通りなら知ってるだろう漫画ネタは知らないことになってるしなあ
パロネタはやんないって方向性の方が無難な気がする
いやしかし
>>524よそれがハヤテの面白いところなんじゃないか、
まあたしかにそういう事をするとタマやハヤテがかなり有利になったりするが
そこら辺はこのキャラクターの持つ特性という事でジャンロワでも雷電は、
ほかの作品の支給品やら技を民明書房で解説してたしね、
つーか、これ実在の人物として知っているとかじゃなくて、
漫画のキャラとして知っているってことだよな?
さすがにそこまでやったら不味いだろ……
いや、むしろ実在の人物の方が不味いか?
色んな世界がごちゃ混ぜになって、処理をするのがかなり面倒になるよな。
でもまぁ、やったからには書き手さんも何か考えてあるんだろう。
まずはそれを聞かせて貰ってから、NGにするか話し合おうじゃないか。
オタク知識豊富とは言え、参戦作品の知識は、ネタよりも弊害の方が大きいだろうからNGの方が良いと思う。
参戦作品の知識を許すと話が崩壊する恐れがあるし。極端な例としては
「原作の烈火は『うしおととら』の単行本を所持しているので白面の詳しい知識がある」とか。
まとめ、ハヤテには未参戦作品のパロで頑張って欲しい。
スイマセン、パロが行き過ぎました。
>>517,518のみを修正致します。
「ところで、話は変わりますけど。僕たちまだ自己紹介していませんでしたね。
僕は綾崎ハヤテと申します、乱馬さんの名前は?」
「俺は早乙女乱馬。無差別格闘早乙女流の二代目だ」
「格闘技の使い手ですか、それは素晴らしいですね。
僕は三千院家の執事をやっています。体力にはそこそこ自信があるんですが、
乱馬さんみたいに戦闘力は高くないですね」
先ほどの戦闘で見た乱馬の能力は確かである。
一緒にいて損はないし、人助けをしてくれた人間ならナギの側にいても安心できると言うものだ。
「とりあえず、体力が回復するまでここにいましょう」
「そうだな」
ハヤテはまだ疲れている。
歩けるようになり、30kg近い重しを背負っても移動できるようになるまで
一時間ほど休憩が必要になりそうだ。
【Iー7 沖木島診療所/5時間後】
【早乙女乱馬@らんま1/2】
[状態]体力消費微小、悲しみ、男
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1、体を休める
2、あかねを捜す
3、武蔵の仇を討つ
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]体力消費大(自分では動けない)、悲しみ
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、一億円入りジュラルミンケース)、銃弾一式(2〜30kg)
[思考]1、体を休める
2、ナギ・ヒナギクの安全を確保
3、できれば武蔵の仇を討ちたい
タイトルは
診療所で一休み
に変更します。
>何せビームを放つ相手だ、似たような相手(ハーブ)と闘った事がある乱馬はいざ知らず、
ハヤテも、『決戦氷川村』に出ていた『執事クエスト』かまたは別のネタで、
ビーム出すロボットか何かと戦ってなかったっけ?
>ズシリと重いそのバックは人一人分の重さがありそうだ。
これまでのSSで、こんな設定あったっけ?
>「だって、さっきのビーム男にこれを投げつければ暴発してビーム男にも凄いダメージ
> を与えられます。また、銃火器を持っている人は弾も欲しがるはずなので、仲間を
> 集めるときの交渉がし易くなるんですよ」
支給品を確認したら、勝てそうに無い相手に凄いダメージを与えられる物でした。
なんてのは、ちょっとばかしご都合展開が過ぎているんじゃないか?
それに、なんでまた銃弾一式で仲間集めの交渉がしやすくなるの?
他のものでは代用できないという、固有のものでもない限り、好戦的な奴は奪おうとするだろう。
そもそも仲間集めをしている奴なら、普通に受け入れるだろうしさ。
『殺してでも奪い取る』でも『仲間を集めて主催を倒そう』でも無く、
『殺したいor倒したい標的がいる』上に『銃弾が必要』でも『仲間はいらない』
って感じの人なら仲間になってくれるか?
でも、そもそも『殺してでも奪い取る』上に『銃弾が必要』な人も少ないから
メリット、デメリット共に少ないのか。
>それに、なんでまた銃弾一式で仲間集めの交渉がしやすくなるの?
この下は揚げ足取りだろ。
>>何せビームを放つ相手だ、似たような相手(ハーブ)と闘った事がある乱馬はいざ知らず、
>ハヤテも、『決戦氷川村』に出ていた『執事クエスト』かまたは別のネタで、
>ビーム出すロボットか何かと戦ってなかったっけ?
すいません、もう一度確認してきます。
>>ズシリと重いそのバックは人一人分の重さがありそうだ。
>これまでのSSで、こんな設定あったっけ?
ありません。
しかし、乱馬は原作で男子高校生が持ち上げられないほどの重りを軽々持ち上げて
何ごともないように移動する描写があります。ですので、30kg程の重りを背負っているのであれば、
問題ないと解釈しました。
ちなみに、原作では良牙の傘を片手で扱ってます。
>それに、なんでまた銃弾一式で仲間集めの交渉がしやすくなるの?
普通に、交渉道具があれば交渉しやすくなると考えるのは当たり前だと思いますが……
>「勝ち目はあるんですか?」
>「あぁ、あるぜ」
>と言って、乱馬はバックを下ろす。
>ズシリと重いそのバックは人一人分の重さがありそうだ。
>「なんで、そんな重いもの背負ってたんですか? 下ろせばもっと楽に闘えたでしょう」
>「そんな暇なかったんだよ。それにあんな化け物がいるとは思ってなかったしな」
>「でも、そのせいで宮本さんは、宮本さんは死んだんですよ!」
>「悪いとは思ってるけどよ……」
>「勝てねぇかも知れねぇぜ、重しをとってもスピードが上がるだけだしな」
>しかし、乱馬は原作で男子高校生が持ち上げられないほどの重りを軽々持ち上げて
>何ごともないように移動する描写があります。ですので、30kg程の重りを背負っているのであれば、
>問題ないと解釈しました。
ガンガンロワでメタ知識完備のマーダーがいたなあ・・・・・・。
> 交渉道具があれば交渉しやすくなる
まあ確かに、ロワの場合道具がないと仲間になってくれないヤツは危険すぎて仲間にしないほうがいいような気もするな。
交渉はしやすくなるかもしれないが、その交渉はしないほうがいいということでは?
>普通に、交渉道具があれば交渉しやすくなると考えるのは当たり前だと思いますが……
銃弾一式が交渉道具になる奴なんてどれだけいるんですか?
銃器を持っている奴に交渉を持ちかけて襲われるデメリットと比べてそんなにメリットありますか?
って感じのことが、
>>533に書いてあるんですけどそれは無視ですか?
>他のものでは代用できないという、固有のものでもない限り、好戦的な奴は奪おうとするだろう。
>そもそも仲間集めをしている奴なら、普通に受け入れるだろうしさ。
>
>『殺してでも奪い取る』でも『仲間を集めて主催を倒そう』でも無く、
>『殺したいor倒したい標的がいる』上に『銃弾が必要』でも『仲間はいらない』
>って感じの人なら仲間になってくれるか?
>
>でも、そもそも『殺してでも奪い取る』上に『銃弾が必要』な人も少ないから
>メリット、デメリット共に少ないのか。
>>537 いや、銃弾一式で交渉になる相手なんてほとんどいないと言いたかった
銃弾一式を交渉の道具にしないと仲間にならない奴の条件なんて
『銃弾が必要』+『誰かを殺してまで奪うつもりは無い』+『盗むつもりも無い』+『仲間はいらない』
というかなり限られたものだから、交渉道具になんかならない場合の方が圧倒的に多いし
『殺してでも奪い取る』な奴と交渉に入っちゃうデメリットなんかもある
それと、『道具が無いと〜〜危険』というのには同意します
破棄します。
交渉云々について、グチグチ言ってる奴は馬鹿?
キャラの台詞だろが
昨日の22時戻ると言っておきながら、申し訳ありません。
結局ボーマンの話はOKという事でよろしいでしょうか。
>>540 新作は残念でしたが、次を頑張ってください。
通しでも良いと思いますけど、
>>505の下の二行をボーマン教官の状態表のどこかに追加して貰えますか?
そうすれば、今後はこのような事態が起こらないと思うんです。
ボーマンの問題は修正で解決するもんじゃないしな。
SS自体、原作の表記に従ったもんだし、544がFAか
改めて、長作&名バトル&何度もの修正お疲れ
ちょっと質問
ゲーム開始は午前6時で、放送は正午ですよね?
>>540 斬念です
ID:NPGHAljh0、ID:F7WlpR2U0こと、◆p1LOs/O8aA先生の次回作に期待してます
それにしても、何故IDが変わってるんですか?
717:Classical名無しさん :06/11/09 18:45 ID:g17gMwbs [sage]
「ハァハァ、……なんて辛い事件なんでしょうか……
宮本さんは僕を助けるために飛び出してきて、ぼく達のために死んでいったんですね」
何この説明口調
719:Classical名無しさん :06/11/09 18:53 ID:xM2XVOSk [sage]
>>717 それなんて斬?
っていうか晒すなら出自を…
GS美神とスプリガンのコラボと言えば
真っ先にGS7巻の「バトルロイヤル初もうで!!」を思い出してしまうんだが・・・
やっぱり触れない方がいいんだろうなw
テンプラ修正
【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる。
勝者のみ元の世界に帰ることができる。
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、プレイヤーはスタート地点からテレポートさせられMAP上にバラバラに配置される。
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる。
空間内を飛び回っている「婢妖」を殺しすぎると、
ゲームの妨害とみなされてペナルティの可能性あり(苦痛or死などの)
なお、ゲームの開始は午前六時である。
【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収。
ただし、義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない。
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される。
ゲーム開始直前にプレイヤーは白面から以下の物を支給され、「デイパック」にまとめられている。
「地図」「コンパス」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランダムアイテム」
「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。
「地図」 → 沖木島の地図。
「コンパス」 → 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる。
「筆記用具」 → 普通の鉛筆と紙。
「水と食料」 → 通常の成人男性で二日分。
「名簿」→全ての参加キャラの名前が載っている。
「時計」 → 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する。
「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが一つ入っている。内容はランダム。
※「ランダムアイテム」は作者が「エントリー作品中のアイテム」と「現実の日常品」の中から自由に選んでください。
必ずしもデイパックに入るサイズである必要はありません。
また、イベントのバランスを著しく崩してしまうようなトンデモアイテムはやめましょう。
これで、正式に6時スタートになったな
そういえばハヤテは必殺技を使ったら全身筋肉痛になるんじゃ
なかったけ?だから一時間程度じゃ治らないと思うけどなぁ
まあ、動ける様になるまで半日程度ってところか
乱馬におんぶされる訳か。
その時は、是非メイド姿でおぶられて欲しい。
「う〜ん、何も見つからないね」
「そうじゃな〜、何もないのう」
蘭、東、良牙の三人は氷川村に到着し、小麦粉を求め家宅を捜索していた。
しかし、家の中には小麦粉どころか食料と言えるものは何一つ無い。
念のため、周辺の家の中も調べてみるが結果は同じだった。
その間、良牙はお湯を求めてガスを灯そうとするが、火すら着くことはなかった。
あらかた調べ回った後に、三人はあることに気付く。
「けど、変よね。食べ物だけじゃなくて、台所に包丁も無いなんて。お皿やコップはあるのに…」
「ああ、変じゃ。何て言えばいいのかわからんが、なんていうか生活感が無いっていうか…。
とにかくそんな感じなんじゃ」
三人が気づいたのは、この島には電気、水道、ガスが通ってないということ。
そして、食料、武器が自らの支給品しか無いということであった。
「これからどうしよっか?小麦粉も見つかりそうにないし…」
蘭が今後のことについて話し合おうとした瞬間、彼方からの光が家の1/4ほどを飲み込んでいく。
幸い、三人は無事であったが、事態を把握しきれない。
「きゃあっ!!一体何!?」
「お、俺にもわからん!」
「プギー!?(な、何があったんだ!?)」
三人は、それが借金執事と戦神との戦いの流れ弾だとは夢にも思わなかった。
「と、とりあえず落ち着こう」
一番に落ち着きを取り戻したのは蘭であった。
行く先々で殺人事件に巻き込まれた経験は伊達ではない。
「お、おう、そうじゃな」
「(そ、そうだ。まずは落ち着かなくては)」
蘭の声により二人共落ち着きを取り戻す。
「まずは逃げよう。ここにいつまでも留まるのは危険よ」
「そうじゃな」
良牙も首を縦に振る。
そして、周りに人がいないのを確認すると三人は一気に家を飛び出した。
「何もなくてよかったのう」
「そうね。家が吹き飛んだときはどうなるかと思ったけど、何もなくて本当によかったわ」
運がよかったのか、三人は誰にも会わずにI-6まで逃げ切ることができた。
しかし、安心するのもつかの間、不意に後から声を掛けられる。
「ちょっといいかしら?ゲームにに乗ってないようだから聞きたいんだけど、ココっていう娘を見なかった?」
声の主はシェリー。
乱馬と武蔵と別れたシェリーはココの手がかりを探していた。
「あ、すいません。ココっていう人には会ってません」
「そう。時間を取らせてゴメンね。それじゃあ」
「あ、ちょっと待ってください!あなたのお名前は?」
「シェリー・ベルモンドよ。あなたは?」
「毛利蘭です。ところで、シェリーさんは江戸川コナン、毛利小五郎、灰原哀に会いませんでしたか?」
「河内、諏訪原、ピエロもじゃ!」
「ゴメンなさい。その人達には会ってないわ。
私が会ったのはキース・シルバーっていう危険人物と早乙女乱馬、宮本武蔵の二人組だけよ」
「ピギーーーー!?(乱馬だって!?)」
乱馬という名前が出た途端、今までおとなしかった良牙が暴れ出す。
「ちょっ!?良牙君、急にどうしたの?」
「なんか早乙女乱馬っていう名前に反応したようじゃが」
「その早乙女乱馬っていうのは良牙君の知り合いなの?」
良牙は首を縦に何度も振る。
「シェリーさん、その早乙女乱馬がどこに行ったか分かりませんか?」
「あの二人は診療所に行くって言ってたわ」
「診療所ですね。さっそく行ってみます。シェリーさん、ありがとうございました!ココさんを見つけたらシェリーさんのこと伝えておきますね」
「ありがとう。私の方もあなた達の知り合いに会えたら伝えておくわね。それじゃあね」
こうして蘭達とシェリーの邂逅は終わった。
そして、目的も定まる。
その先にいるのは早乙女乱馬。
【I-6 朝】
【毛利蘭@名探偵コナン】
[状態]健康
[装備]偽火@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1、早乙女乱馬に会うため、診療所に行く
2、良牙を元の姿に戻す
3、コナン、小五郎、灰原、あかねを探す
【東和馬@焼きたて!ジャぱん】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、サブマシンガン)
[思考]1、早乙女乱馬に会うため、診療所に行く
2、河内、諏訪原、ピエロを探す
【響良牙@らんま1/2】
[状態]健康・Pちゃん
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分、本人は確認済み)
[思考]1、診療所に行き、乱馬にお湯を貰う
2、あかねを探す
【シェリー・ベルモンド@金色のガッシュ】
[状態]土まみれ
[装備]スパヴェンタ@からくりサーカス
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1、ココ、清麿との合流
2、ココを守る
3、ココと共にゲームからの生還
蘭、東、良牙、シェリー、投下しました
不備があったら教えてください
電気使えないんじゃマリアの再起動はほぼ不可能か・・・
562 :
作者の都合により名無しです:2006/11/11(土) 08:31:39 ID:hX6ZQAz5O
予想していた事だが、良牙の豚人生は短かったな。
マリアの電源は発電機という手が残ってる。
電撃使いが充電するという方法は無理ですか?
出来る人は知らないけど。(烈火の炎かMARの電撃系の装備とかでも良いだろうけど
あと
>>560さん乙
特に問題はなかったように思われます。
問題なく良牙は人間に戻れそうだ。乱馬とも位置近いし。
キースとも遠くはないけど。
電撃使いって言うと、とらか。雷神剣という手もあるな。
なにはともあれ、投下乙
ご承知のように今後が気になるいいSSだと思う。
マリアの充電方式って、でっかいコンセントじゃないかったっけ?
コンセントに電気流せばいい
そんな細かく考えなくても「電気があれば充電可能」ってだけでいいじゃん
充電で今の所確実に出来そうなのはシェリーのスパヴェンタだが、島の逆側だもんな・・・
あとは車のバッテリーという手もあるが・・・
この辺はどうなんだろう?
よく考えたらすぐ近くに横島がいるな
文殊の電の字で充電という手もあるか
だったら中世行った時使えよ、という突っ込みは無しで
中世のときは、文殊使えなかったと思うけどな。
アシュ編以降だろ。
>>572 すまん文殊が使えるようになったのは、おキヌ蘇生直後だった・・・
あと、遅れたが
>>569長い間お疲れさま
生存キャラ登場回数 プロローグ含まず
1回(18人)
鉄刃、毛利小五郎、蒼月潮、とら、秋葉流、加藤鳴海、パンタローネ、霧沢風子
門都、殺生丸、メドーサ、内海、トニー・ベネット、高槻涼、ジェームズ・ホワン
浅倉南、植木耕助、バロウ・エシャロット
2回(30人)
鬼丸猛、灰原哀、紅煉、エレオノール、阿紫花英良、紅麗、犬夜叉、日暮かごめ
神楽、美神令子、ドクター・カオス、高峰清麿、パルコ・フォルゴレ、ココ、泉野明
太田功、後藤喜一、ヘンリー・ボーマン、染井芳乃、御神苗優、東和馬、タマ
桂ヒナギク、天道あかね、九能帯刀、上杉達也、上杉和也、吉田剛、鈴子・ジェラード
アノン
3回(12人)
峰さやか、毛利蘭、花菱烈火、横島忠夫、シェリー・ベルモンド、ピエロ・ボルネーゼ
綾崎ハヤテ、早乙女乱馬、響良牙、高槻巌、キース・シルバー、イアン
こうしてみると、意外なキャラばっかが3回出場してるんだな……
いや、乱馬とかは予想通りなんだけど。
白面の者を放って置くつもりはさらさらない。
あいつを、あのでっかい化け狐を倒さなくては。
「とらぁーーっ!どこだぁーーー!!」
共に旅をし、幾度と無く死線を潜り抜けてきた頼れる相棒の名を叫ぶ。
――が、いつもなら憎まれ口の一つや二つをすぐに返してくるアイツからの返事は、全く無い。
蒼月潮は走っていた。
動かないと。ここにいてじっとしてたって仕方が無い。
先程見た地図を確認した所、近くに無学寺という寺があるらしい。
さらにそのまま道なりに進めばトンネル。
この二つがある北へ行こう。そう決めたのだ。
「流にーちゃーん!!」
うしおの知る信頼できるもう1人の仲間、秋葉流の名を叫ぶ。
――やはりというべきか、返事は無い。
北へ行くには、うしおなりに考えた、ちょっとした理由があった。
光覇明宗で修行を積んだ僧侶である彼なら、もしかしたら錫杖なんかを探しに寺に寄るかもしれない。
また、彼の相棒のとらは一応とは言え妖怪。こんな朝から日差しの強い場所にいるよりかはトンネルの暗闇のなかにいる方がよっぽど妖怪らしい。
・・・・と、そこまで考え、うしおは後者は無いなと苦笑する。
あのバカのことだからどーせ朝っぱらからフラフラしてるんだろうな。
アイツほど妖怪らしくない妖怪も珍しいぜ。
「たはは・・・・アイツどっかの人間に手ェ出してたらとっちめてやんねーとな」
もちろん付き合いの長い身として、とらがそんなことをするヤツでない事ぐらいは分かっている。
共に戦ってきたことで培ったこの信頼関係は決して崩れることは無いだろう。
自然と彼から笑みがこぼれる。
右手に光る朝日が映し出す少年の横顔。
その表情から伺えるモノは―――
――――白面の最も恐れ、嫌うであろう『希望』そのものだった。
【F-10 道路/ゲーム開始から1時間】
【蒼月潮@うしおととら】
[状態]健康
[装備]雷撃刃@犬夜叉
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.とら・秋葉流を探す
2.無学寺を目指し北へ行く
3.白面の者を倒す
初投下です。
つなぎで申し訳無いですが、なにか不備矛盾等あればお願いします。
初投下、乙だ!
とら、毛利小五郎、メドーサ予約
うお、それに門都を含んだメンバーで書こうと予約しに来たのに。
……頑張れよ!
>>581 マジですか……週末までかかりそうなので、
581さんにお願いしてもよろしいでしょうか?
や、そっちが先なんだし頑張れ。
どうしても無理ならやるけど週末にはできるんだろ?ファイトだ。
了解しました。
では、この三人で書きたいと思います。
つーか
>>582みたいな事言われれば、言われた方は遠慮するに決まってるだろ
何故
>>582は無意味な事を言いにトリ付きで出てくるのかと
まあトリ出すべきではなかったな
馴れ合い厨か……
厨って言葉が好きなんだな
予約するわけでも無いのに鳥を出してる奴は何のアピールだ?
>>578 うしおは、これから暫く誰とも絡めそうにないな。
とりあえず、灰原たちを追いかけていく事になるのかな?
そうすると、烈火がいるわけか……
あー、槍ともとらとも再開できずに終わりそうな潮
そうでもないだろ
結局は書き手次第なんだし
あと、再開→再会ね
小五郎とメドーサの二人は平瀬村を目指して進んでいた。
二人は、平瀬村で知人や、役立つ情報の捜索などをした後、時計回りに島を散策する予定である。
当初、平瀬村への移動はメドーサが渋っていたのだが、小五郎が説得して行く事になった。
そもそも、二人のゲームに対する考え方は根本から異なっている。
メドーサは危険な場所へは近づかない事を前提として作戦を練る。
全員が広間に集められたとき、そこには自分以上の強者が何人かいた。
彼らに近づく事は、それ自体がデメリットである。
不確定要素のある戦い、負ける要素のある戦い、そんなものはプロフェッショナルのする戦ではない。
だからこそ、メドーサは安全に慎重に、コマを進める。
そして、その上で最終的に生き延びる道を探すのである。
そんな彼女が、様々な生き物の集まる村への移動を渋るのは当然と言えた。
なぜなら、村には凶悪な力を持つ化け物たちも集まりやすいだろうからだ。
これに対して、小五郎の考えは情報を重視するものだ。
もちろん、小五郎だって危険な場所へは近づきたくない。
だが、一体この島のどこが危険で、どこが安全なのか。
村に近づく事が危険とメドーサは言うけれど、それとて情報のない今では確証はない。
裏をかいて、村に近づく事こそ安全と言う可能性も否定できない。
ともかくも、今の状況だと安全な場所と危険な場所の切り分けは不可能だ。
だったら、少々の危険は覚悟のうえで情報を集めるために島中を散策した方がいい。
島の状況が掴めて来れば、安全な場所がどこなのか明確に分析する事が出来るだろう。
それに、この島のどこかには蘭やコナンがいる。
彼らの保護者として、父として、小五郎はあの二人を守る責任を負っている。
だから、小五郎は島を散策して、あらゆる場所で聞き込み捜査を行おうとした。
「情報集めはいいけどさ、あたしは危なくなったら、さっさと逃げるよ」
等と愚痴を言いつつも、メドーサは小五郎の案に従い、島での捜索を行う事になった。
さしあたって向かうのは平瀬村。 だったのだが……
「小五郎。気配を感じないかい?」
「確かに、感じますな。大妖怪の気配をビンビンにね」
小五郎に気配を感じ取る能力はない。
だが、心眼の力は近くにいる大妖怪とらの心理を読み取って、気配よりも詳細に状況を分析する事が出来る。
「どうする? この気配は只者じゃないね、あたしとしては近づきたくないんだけどさ」
「そうも行きませんよ、聞き込みは情報集めの基本ですからな」
━━━━━
獣の槍が怖い。
傍から見れば、そんな風に見えるかもしれない。
だから、さっきはせっかくのご馳走も食べ損ねた。
大妖怪だなんて、調子に乗っていても一本の槍を心底怖がるあたり妙にカワイイ雰囲気が出ている。
「どーすっかなー。うしおの奴も見つかんねーし」
ゲームで優勝を目指すのも、良いかも知れないが、うしおが五月蝿いだろうな。
とすれば、やっぱり、うしおを探すしかないか。
「面倒くせーな。全く、あのボケガキはワシがいないと何もできん癖に文句だけは一人前に言いやがるからよぉ」
うしおを探すのは気乗りがしないが、他に考えも浮かばない。何より、槍を振り回されれば後が厄介だ。
と、ここまで考えて奇妙な事に気付いた。
獣の槍は本当にこの島に来ているのか。
白面の者は槍を恐れていたはずだ、奴の立場になって考えてみれば槍をこの島に持ってくると言うのはおかしい。
かと言って、こんな事をしている島には結界を張るだろうし、獣の槍とて易々と入り込むことは出来ないだろう。
ひょっとしたら、うしおは槍のない状態じゃないのか?
あれれ、なんだか考えがループしてきた。
こんな事はさっきも考えていた気がする。
「あーー、もうヤメだヤメ」
色々考えるのは性に合わない。
まず、うしおを探す。次に槍を探す。
槍が見つからなければ、うしおを食う。
複雑な事考えるのは止めて、さっさとうしおを見つけよう。
そんなとらの近くに、一組の男女が来た。
うしおじゃなかったら、面倒だし会いたくないな。
━━━━━
「小五郎、アンタは後ろに下がってな」
相手は只者ではない。
竜神族のメドーサが心底警戒している。
情報収集のためとはいえ、何でこんな化け物とコンタクトを取らなければならないのか。
メドーサは自身の体が、緊張のため硬くなっていくのを実感する。
「そんなに固まってちゃぁ、相手も警戒するでしょう。もっとリラックスして下さいよ」
化け物の力が分からない小五郎は暢気なものだ。
心眼で聞こえる声は、あくまで、とらのコミカルな部分のみを表す。そんな状況では警戒できない。
だが、今から二人がコンタクトを取ろうとしている妖怪は、コミカルなだけの妖怪ではない。
二千年生きた大妖怪、とらだ。
間違いなく島の中でも最強の部類に入るとらを相手に、無警戒でいるのは非常識極まりない。
自然、メドーサに汗がたまる。
(っち、超加速が使えればいいんだけどね)
「駄目駄目、そんなんじゃかえって警戒されちゃいますよ」
そう言いながら、小五郎は自らとらの下へと歩みだす。
「そこにいる妖怪さん、出てきて頂けませんか?
私は毛利小五郎と言いまして、しがない探偵をやっている者なんですが……」
「馬鹿、小五郎、殺されたいのかい」
「貴方ほどの大妖怪が、こんなちっぽけな探偵を殺すなんてあり得ないでしょう。
ねぇ、とらさん」
小五郎の大胆な行動に、とらが戦慄する。
どういうわけか、相手は自分の名前と居場所を知っているらしい。
仕方ない。うしおに会うまであまり目立ちたくなかったが、姿を現すことにしよう。
「いや、別に殺しゃしねーけどよ」
と言って、道端に隠れていたとらが現れてくる。
その風格、妖気、なるほど大妖怪だな。とメドーサは感じる。
そして、物干し竿を握る右手に力が入る。
そして、一方のとらは面倒くさそうな表情をしている。
人間に会っちまったら、守ってやらねーとうしおが五月蝿い。
だから、会いたくなかったんだ。
「相方のうしお君は行方不明ですか。何だかんだ言って、心配なご様子ですな」
煙草を蒸かしながら、小五郎が喋りだす。
今度はうしおの名前が出てきた。一体、この人間は何なんだ。
「そう、警戒なさらないでくださいよ。私は只の人間なんですから。
もっとも、巷じゃ少しは名の売れた探偵でもあるんですがね」
「なんでワシやうしおの事を知ってやがる、まさか白面の回し者か」
「とんでもございません。ちっぽけな探偵事務所の所長です。
別名、眠りの小五郎とも言いますが。まぁ、とらさんから見れば、只の人間ですよ」
只の人間が、なぜ自分やうしおの事を知っている。
「この業界、色々な情報がありましてね。800年前の勇姿は私の耳にも入っておりますよ」
「タンテイつーのは、ワシやうしおの事まで調べられるってのかい」
ありえる筈がない。
探偵が何なのか、とらにはサッパリ分からない。
しかし、それでも、並の人間にはとらとうしおの関係まで判る筈がないのだ。
なにせ、本来ならとらの姿は、普通の人間には見えないのだから。
「まぁ、私は推理力だけが取り柄みたいなもんすから。アナタの事もかなり詳しく調べさせてもらいましたよ。
そして、アナタが気になされている獣の槍のこともね」
一呼吸おきながら、話を続けていく。
「実は私、今回の事件に潜入捜査員として忍び込んでいまして、白面の者の弱点を探る事が目的なんです」
「っけ、人間に白面の相手が出来るかよ」
「出来ないでしょうな、獣の槍がなければ」
「当たり前だっつーの」
「しかし、逆を言えば槍さえあれば白面を倒せる。さらに、この島には様々な世界から集められた強者どもがいる。
私に言わせれば、確実に白面を倒せると思いますがねぇ」
小五郎は白面の者の脅威を、とらの心中からしか察する事が出来ない。
あれは存在そのものが絶望なのだが、そんな事、小五郎には分からない。
「っけ、話にならねーな」
一瞬、とらと小五郎との会話に間が空いた。
その瞬間にメドーサが割ってはいる。
「一体、なんの話をしてるのさ?」
「私らをこんな所へ閉じ込めた女の話ですよ。白面って言って有名な妖怪なんですがね……」
こう言って、小五郎はとらとメドーサに白面の者に関する説明を始めた。
とはいっても、全ての説明はとらの心を読んで得られた知識を元にしている。
一通り説明が終わった後、メドーサもとらも小五郎の知識に感心しきったようだ。
「アンタ、なんでそんな事知ってるんだい」
神属にだって、こんな話は出ていない。
「人間の癖に、よく知ってやがる」
百年も生きていられない人間が、こんな知識を持っているとはとらにとっても予想外だ。
「どうです、皆さん。ここは一つ協力して白面を叩こうじゃないですか?
メドーサさんは、最終的に生き延びる事を考えていらっしゃる。
とらさんのような大妖怪にいてもらえれば心強いでしょう。
とらさんも、獣の槍とうしおさんを探していらっしゃる。
探し物に関しては、私がプロですから。三人の利害関係は一致すると言う事で」
「っけ、んなこと言って、お前らワシの力をあてにしとるだけだろうが!」
小五郎の申し出を受ければ、人間を守らねばならない。
死なせると、うしおが五月蝿いからだ。
面倒くさい、正直言ってやりたくない。
だが、そんな事を考えると、小五郎はそこを突いてくる。
「我々との同行を断っても構いませんが、もし我々が死んだら、見殺しにした事になるでしょうな。
そのとき、潮君はなんと言うか……
これは、私の探偵としての勘ですがね、獣の槍は既にこの島に来ていますよ。
白面が嫌がる槍とは言っても、やはり獣の槍は偉大ですからな。
ひょっとしたら、持ち主を求めて既に島中を動き回ってるかもしれませんなぁ。
いやいや、もしかしたら既にうしお君は槍を持ってるのかも……
堪りませんなぁ、とらさん」
「ふざけんじゃねーぞ、人間の小僧が!」
大妖怪とらが軽く見られている。
戦闘力でも、年齢でも遥かに下を行く小僧に舐められている。
これが許されることか。
無意識のうちに、とらは自分の拳に力を入れていた。
っと、そこへメドーサが物干し竿をもって横から入る。
「小五郎は殺させないよ。思った以上に使えるみたいなんでね」
物干し竿を喉に突きつけ、明らかな威嚇。
けれど、威嚇されているとらはノホホンとしており、メドーサのほうが汗をかいている。
「別に殺しゃしねーよ。ちょっとムカついただけだ」
「とらさん、怒るのは構いませんが、貴方も白面には苦い思いをさせられているでしょう。
ここは一つ、全員で協力する他、ないと思いますがね」
小五郎としては、とらの力は何より得がたい大切なものだ。
白面の者に関する詳細な知識、数々の妖怪を屠ってきた強大な戦力。
こいつを巧く垂らしこんで、娘たちを守らせれば、これ程頼りになるものはない。
だが、当のとらは、係わりに会った人間が死んでしまう事を恐れている。
見殺しにした。と言う事態になる事を恐れている。
「それに、とらさん。もし、我々を見捨てて、その後我々が死んでしまったら。
後でうしお君に相当怒られるでしょうなぁ」
「っへ、お前たちの事なんか最初から知らねー、って言えば済む事よ」
とらは中々に頑固者。
こいつを仲間にするのは骨が折れそうだ。
結局その後、とらと小五郎は何分かやりあった後、別れる事になった。
「あばよ人間。精々死なねーよにな」
「そちらこそ、お気をつけて、うしお君によろしく言っておいて下さい」
大妖怪とらはプカプカ浮きながら、どこかへと去っていった。
━━━━━
「あーぁ、せっかく。力強い味方が手に入ると思ったのに」
小五郎の対応が悪かった。
心眼の力に溺れ、嫌味まで言ってしまったのが不味い。
殺されなかっただけでも僥倖といったところか。
まぁ今回は、とらの力こそ逃したが、代わりにメドーサから、より強い信頼を得ることが出来た。
「小五郎、アンタ本当に凄いじゃないか」
推理をしない名探偵の能力に彼女は心底驚いている。
まぁ、これだけでも収穫だな。
「しかし、アンタが潜入捜査員だったなんてね……人は見かけによらないねぇ」
勢いで出しただけの大嘘なのだが、メドーサは真面目に信じている。
でも、潜入捜査員と言う肩書きは結構使えるかもしれない。
今しばらくは、この嘘をつき続けておこう。
そんな二人は再び、平瀬村を目指し始めた。
【F-3 平瀬村へ向かう道中/開始から3時間】
【毛利小五郎@名探偵コナン】
[状態]健康
[装備]魔道具「心眼」@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料・水二日分)
[思考]1.蘭&チビっ子達との合流
2.ゲームからの脱出
【メドーサ@GS美神極楽大作戦】
[状態]健康
[装備]妖刀・物干し竿@YAIBA
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.小五郎を利用して状況を有利に運ぶ
2.生き延びる
【とら@うしおととら】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、支給品不明(本人未確認)
[思考]1.獣の槍の確認
2.蒼月潮の捜索
3.他の人間にはあまり会いたくない。
投下終了です。
ご意見、ご感想よろしくお願いします。
乙です
おっちやんはこのままハッタリキャラで行くのかな
乙!!
小五郎がいいキャラだしてるなwww
メドーサの信頼を得られたしいい感じだ
とらの方もスタンスを変えてきたね
潜入捜査員ってwww
信じんなよ、そんなもん
心眼強えーなぁ。小五郎確変しっぱなしじゃないか。
いつ心眼の存在がばれるかが鍵かな。
今更だけどさ
小五郎&メドーサって清麿&神楽とすごいかぶってるきがする
能力比べると清麿>小五郎だろうけど、メドーサと神楽はどっちが上だろうか
犬は未読だからよく分からんな
ただ、メドーサはかなり強いはず
ロワ内ではベスト10くらいには入るんじゃないかと思う
神楽はあんま強くないと思う。とりあえず、個人的な強さランキング。
上に行くほど強い。
ジャバウォック、とら、紅煉
烈火、メドーサ、紅麗、鳴海、殺生丸、シルバー
パンタローネ、横島、美神、御神苗、乱馬、良牙、九能
清麿、あかね、ハヤテ、エレオノール、アシハナ
(一般人ども)
鬼丸と刃は剣があるかどうかで強さが変わる上、
現段階ではまともな剣を装備してないか、剣を見つけてないかのどちらかなので
考慮しないものとした。
鳴海はまだ登場時期決まってなかったよね?
記憶無くした直後くらいならもう一段下がる予感
>>609 乙!他人のそういうネタを見るのは面白いな。
良かったら、鬼丸と刃も剣の有無2パターンで入れちゃってくれ!
ところで、これは制限は考慮されているランキングでおk?
>ジャバウォック、とら、紅煉
ここら辺は別格だな……
>>611 制限は考慮してないよ。
後、自分で神楽強くないとか言っておきながらランクに入れるの忘れてた。
ランク分け書いてみたけど既にあるじゃん…orz
>>611 覇王剣、魔王剣ありにしたら白面以上になるな
ジャバウォック、とら、紅煉、刃(覇王剣)、鬼丸(魔王剣)、犬夜叉(鉄砕牙)、潮(獣の槍)
シルバー、ジェームズ・ホワン、紅麗
烈火、メドーサ、鳴海(?)、殺生丸、門都、犬夜叉
パンタローネ、乱馬、良牙、九能、刃、鬼丸、御神苗、ボーマン
横島、美神、風子、神楽、潮、清麿、芳乃
あかね、ハヤテ、エレオノール、アシハナ
(一般人ども)
────
結構適当なところがある。
あまり、突っ込まないように。
スイカ島の修行の件を考慮に入れれば、九能のランクを一つ上げてもいい気がするし、
鳴海のランクも登場時期で変わりそう。
あと、一般人の中では毛利親子が何気にトップクラスだと思う。
ランク厨はどのスレにもいるな
>>614 俺のはいい加減だから、そっちのランク見せて。
>>613 そうか、考慮してないのか。
>>614 そんな強いのか……、なんか迫力とかで補正掛かってるわw
>>616 まあいいじゃん
他に話題も無いことだし
犬夜叉(鉄砕牙)って強いんだなぁ……
乱馬、良牙、九能も思ったより強い、この漫画家のキャラを侮っていたんだぜw
>>616 過疎ってるし閑散としているよりは良いじゃんw
白面
鬼丸(風神剣) 刃(雷神剣) 潮(槍) とら 紅煉 烈火 紅麗 メドーサ アノン 殺生丸 涼
流 エレオノール パンタローネ アシハナ 門都 犬夜叉 神楽 美神 横島 ピエロ ボーマン ホワン シルバー 巌 うえき バロウ
刃 鬼丸 風子 シェリー ココ トニー 乱馬 良牙 九能
鳴海 清麿 フォルゴレ カオス 優 ハヤテ タマ ヒナギク あかね 鈴子 イアン
小五郎 蘭 潮 泉野 大田 後藤 内海 芳乃 達也 和也 吉田
灰原 さやか かごめ 東 南
知らないキャラは大体だけど
ただでさえ荒れやすいランキングなのに
知らないキャラを大体で入れるとか何も考えてなさそうだな
知らないキャラなんてデータが無いんだから主観的にしか見れないだろ
そういうランキングならチラシの裏でやれよ
とりあえず、スマンかった。
最後の一言だけ
>>622 パトレイバー読んでないでしょ?
以後スルーヨロ
わざわざ「知らないキャラがいる」なんて宣言をしている馬鹿に言っただけだから気にするな
客観的なら参考にはなるからまだマシ
改行するなりして見やすくし、見て貰おうという考え方ができない
自己満足の為だけのレスならチラシの裏がお似合いだ
乱馬達はコンクリを素手で軽く砕く描写があったりと意外にパワフルなんだよな。
あかねも周りがデタラメなだけで結構強い方だし。
高橋作品は怪力と非力が極端だってのもあるけど
巌は特殊武器持ったら一気に化けそう
>>613 覇王剣はなんでも切れるってだけでそんなに強くないだろ
どちらにしても風神剣がある時点で融合でもしないかぎり出番はないけど
覇王剣ってビーム出してなかったっけ?
あれ惑星破壊する威力でしょ?
清麿にいたっちゃ攻撃力が無いだけだけどなぁ
運動神経も中学生にしてはかなりのものだし、戦闘慣れしてるし
以前、MIT卒並の頭って話があったけど
実際は「MIT首席卒業生の論文を暇つぶしに読んで、たいしたことないと思う」ような頭だよ
飛んでくる光線を見るだけで、部屋の壁と、置いてある物から、角度と射程を計算して安全地帯割り出せる頭だよ
6桁×6桁の計算を数秒(問題いってから1コマ)で暗算できる頭だよ
すまん、熱くなった
ちょっとかこうと思っただけなのに、俺はこんなにも漫画に情を注いでいた男だったのか…
>>629 東ほどじゃないが、計算能力も優れてるな……
化けもんかよ、清麿……
心眼って確か、原作で陽炎か誰かが破ってたよな。
心を無にして、読ませなくするみたいな方法を使ってさ。
まぁ、心を読まれてるって事さえバレなきゃ最強なんだろうけど
あんな事できそうなキャラいるかな……やっぱ、世界レベールかな
あんま頭使わず運と勘で動く奴なら対処できる、とかいうことはない?
フォルゴレとか
>>631 それなら美沙ママがやってたから巌でも出来るだろうな
まあ、小五郎相手ならそんなことするほど追い詰められるとは思えないけど
パンタローネにも心眼て通用するのかな?GS美神のマリアとかさ。
一応は無機物だよね。
話としては、通じない方が面白そうだな。
まぁ、どっちでも矛盾はないな
え? 心眼の破り方って「右ストレートでぶっとばす」で十分なんじゃないの?
どうして使えなくなった?
自分の持っている数々の呪文なら、この苦境も容易く乗り越えられるはずだったのに。
今はなぜか、一番基本的な『ラドム』しか使えない。
この状況では、迫りくる道化師から身を守る術など無いではないか。
『ラドム』を撃ちつくして、心の力が無くなった所で殺されるのが落ちだ。
だから今は、道化師から逃げるしかない。なのに、逃げる事もままならない。
新しいパートナーである泉野明との関係が、ココの時に比べて奇妙なのだ。
どういう訳か知らないが、ゾフィスの体は野明から10m程しか離れられなくなっている。
だからこうして、道化師から逃げる場合も野明のスピードに合わせて逃げる事になる。
最悪だ。
野明は決して足が速い方ではない。
道化師は決して足が遅い方ではない。
今は、何かの理由で道化師がゆっくり追いかけてきているから大丈夫だが、いずれ追いつかれるだろう。
不味い、最悪だ。追いつかれたら殺されてしまう。
「いや……待てよ……」
たった一つあるではないか。
この最悪な状況を切り抜ける打開策が。
「野明! あそこの木を爆破します、呪文を……」
「だ、駄目、もう疲れて……」
全く、この小娘が。
役に立たないったらありゃしない。
まぁいい、木を燃やしてそこに本を投げ込めば、こんなガキともおさらば出来る。
「疲れてても、構わん。サッサと呪文を!」
唱えるだけだ。どれだけ息を切らしていても出来る筈。
「はぁ、はぁ、ら、ラド…… 、ん、もが」
だが、野明の口が呪文を唱える事は無かった。
「全く、こんな危険な呪文唱えないでくれよ」
道化師が野明の口を塞いだのだ。
「僕は、攻撃が目的じゃないよ。落ち着いて話を聞いて欲しいさ」
(危害を加えない?)
野明を背後から押さえて、口を片手で塞ぎ、道化師は自分に害意がない事を伝えてきた。
「君たちが危険な呪文を使うんで、こうして疲れるまで待ってたけど、
呪文さえ使わなかったら、僕は何もしないさ」
(信じて、いいのか?)
野明の口を塞がれている今、ゾフィスは無力だ。
敵意が無いと言うのなら、話を聞いてみるべきかも知れない。
だが、もしも、罠だったら。
(どうする? 何が正解だ。考えろ、俺は千年前の魔物たちさえ従えた魔物だろうが!)
この島にいるゾフィス以外の全ての者たちに適応されるルール。
それは突き詰めれば『殺しあえ』の一言のみ。
ゾフィスは支給品なのだから、このルールの適用外にいるわけだが、道化師から見れば参加者と違わない。
もしも、道化師がルールに忠実ならゾフィスを生かす理由は無い。害意が無いと言うのは罠だ。
しかし、罠だからと言って今のゾフィスに何が出来るだろう。
呪文は防がれ、身体能力では到底敵わない。
打開策の見当たらぬまま、時間だけが過ぎていく。
すると、道化師の方から動き始めた。
「僕の目的は、このゲームを停止させる事と、参加者全員の安全を確保する事さ」
(嘘をつけ)
「だから、君たちが危険な呪文を使わないって約束してくれれば、僕は何もしない」
(信用できるか)
ふと、ゾフィスの目に奇妙なものが飛び込んでくる。
「いや、何もしないわけには行かないかな。君たちを守らせてくれないかな? ピエロに任せれば超安心さ」
(お前に何のメリットがある)
道化師に押さえつけられた野明がもがく。
「んー、ぬ、ん、(この変質者、離してよ)」
「あ、ゴメンよ。苦しいかい? でも、呪文を使わないって約束してくれないと離せないさ」
ピエロ・ボルネーゼは優しい人間である。
本来、自分よりも年下の女の子(生年は野明が上だが)を押さえつけるような真似はしない。
だが、ここでこの二人を野放しにしたら、他の人間が危ない。
だから、已む無く野明を押さえつけている。
「見ず知らずの道化の言葉など、信用できん」
ゾフィスの答えは当然のものだ。
どれだけ心優しい男でも、ピエロ・ボルネーゼの見た目は怪しげな道化。
一体、どうやって信じろというのか。
ゾフィスは道化師と対峙しながら、その後方にある二つの物体を見つめる。
いや、正確に言えば、二人の人間。
彼らは、道化師の背後から近づいてきている。
事態は、ゾフィスにとっていい方向に転がり始めてきた。
「呪文さえ使わなければいいのさ。君たちの安全は僕が保障するから、信じてよ」
ゾフィスは無言のまま、道化師の背後にいる一組の男女を見つめる。
その内の一人、紺色胴衣に袴姿をした男が、飛び込んでくる。
「突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き」
道化師に近づくなり、いきなり突きの連続。この男の名は、九能帯刀。
「ちょ、ちょっと待って。なんで、いきなり……」
背後からの攻撃に、慌てながらもボルネーゼは対応する。
世界レベールのスピードを駆使しながら、磁双刀の連撃を交わしていく。
しかし、九能のスピードも並ではない。
その動きは、剣道部のヒナギクから見ても、明らかに人間のレベルを超えていた。
(凄い、九能君。ただの変態だと思ってたけど。
いや、ただのじゃなくて、物凄い変態だと思ってたけど。剣道は強い)
左足の踏み切り、右足の踏み込み。左手の握り。
全てが、高段者以上の実力を示している。
かつて新撰組の天才剣士沖田総司は、二段突きを操ったと聞く。
だが、九能の突きは二段どころではない。絶え間なく続く多段突き。
その素早さに、さしもの世界レベールピエロも全身に切り傷を作っていった。
「止めてくれ、僕は何もしてないさ」 「九能君、止めて」
道化師とヒナギクの言葉を受け、九能の動きが止まった。
そして、今度は矢継ぎ早に喋り始める。
「止めてくれるな桂ヒナギク。白昼堂々、天下の往来で婦女暴行を働く不埒な輩に正義の鉄槌を下してやるのだ」
「誰が、婦女暴行さ!」
「無論、貴様の事だ。道化の者よ、名を名乗れ」
九能は磁双刀をボルネーゼの眉間につけて問う。
ちなみに、この場所は往来ではなく、往来から少し外れた草原の中である。
「僕の名前…… 「人に名前を聞くときは、自分から名乗るのが礼儀だな。よし、僕から名乗ろう」
「九能君、それ二回目」
ヒナギクの突っ込み空しく九能は自己紹介を続ける。
「僕は風林間高校剣道部主将、連戦連勝剣道界期待の超新星。人呼んで風林間高校の蒼い雷。九能帯刀、17歳」
「……そ、そうかい。僕はピエロ・ボルネーゼ。ケダムサーカス団長、22歳さ」
ボルネーゼの自己紹介が終わると、九能は野明を見つめる。
「そこの美少女よ、名は?」
「あ、あたし? 私の名前は泉、泉野明」
「泉野明、僕が来たからにはもう安心だ。道化師は今すぐ成敗するから、安心してこの胸に飛び込んでくるがいい。
そして、桂ヒナギク、天道あかねと共に健全なトリプル交際を」
「い、いや……助けてくれたのは嬉しいけど、交際はちょっと……」
助けてくれた男は、紛れも無い天才剣士。だが、疑う事なき変態。
そして、その変態は道化師に向かって攻撃を開始する。
「いくぞ、ピエロ・ボルネーゼ! 正義の剣受けてみよ」
「ちょっと、話を聞いてくれよ」
ボルネーゼの弁解に、耳を貸すつもりは無い。
九能の超人的な剣技を、ボルネーゼが世界レベールのスピードで避ける。
そんな先ほどと同じ構図が繰り返された。
━━━
「野明、チャンスですよ」
「うん」
変態の助けにより、野明の口が自由になった。
魔物の本を構え、呪文の体勢を取る二人。 そして、
「ラドム」
ゾフィス得意の爆裂呪文がボルネーゼに襲い掛かる。
「おぉ、泉野明。君の愛の告白しかと受け取ったぞ」
愛の告白ではなく、援護射撃なのだが九能にとっては同義だ。
次第に、ボルネーゼの余裕が無くなってきた。
九能の突き、ゾフィスの爆裂呪文に追い込まれ、ボルネーゼの体には無数の傷が刻まれていく。
そんな事態を見て、ヒナギクが異常に気付き始めた。
(おかしい、あの人全く抵抗してない)
脅威の身体能力で、攻撃を避け続ける道化師が全く攻撃していない。
あれだけ、素早いのなら、攻撃力も相当強いはずだ。なのに、全く攻撃しない。
(ひょっとして、あの人悪い人じゃないんじゃ……)
道化師の姿。若い女を押さえつけていた姿。
それらが、ボルネーゼに対して婦女暴行を働く不健全な男子と言う印象を与えていた。
だが、それは間違ってたんじゃないか?
その証拠に、あの道化師は攻撃を避けるだけで、全く反撃してない。
「ちょっと、泉さん。攻撃を止めて、あの人が可愛そうよ」
「止める? なんで、アイツは婦女暴行の現行犯だよ、許したら婦警の名が廃るよ」
「その通りだよ野明。あの道化師は今のうちに殺す」
桂ヒナギクは、たった今気付いた。
異常なのは道化師ではなく、この二人だったのだ。
磁双刀を中段に構え、ヒナギクは二人に警告する。
「止めなさい、婦女暴行ぐらいで殺す必要は無いわ」
「これはおかしな事を。この島のルールは殺し合いですよ。何なら、あなたから先に殺してあげましょうか?」
ゾフィスは呪文の的をヒナギクに変更する。
「ほらほら、避けなさい。並の人間なら一撃で死にますよ」
爆裂呪文の嵐がヒナギクに襲い掛かる。転がるように動き、かろうじて避けるヒナギク。
呪文は一撃も当たらない、いや、ゾフィスが当てない。
ヒナギクに攻撃して遊んでいるのだ。
「そら、足に当てますよ」
宣言どおり、ラドムが一撃ヒナギクの右足に当たる。
威力を抑え、殺さないように調節したラドム。
だが、それでもヒナギクの右足首から先が千切れ飛んでしまった。
「おや? もう動けませんか」
右足の無くなったヒナギクは、そのまま地面に倒れこんでしまう。
だが、その両手には磁双刀を握りしめ、そして両目はしっかりとゾフィスを睨んでいる。
「貴方たち、こんなことして許されると思ってるの?」
「思ってるさ、これがこの島のルールだからね」
今まさに、ゾフィスが止めを刺そうとしていた。
━━━
「不味いさ、やっぱり、あの呪文は危険だったさ」
ボルネーゼは、ヒナギクの様子を見て呟く。何としても、ゾフィスを止めなければ。
だが、目の前の剣士がそれを許さない。
「ピエロ・ボルネーゼ。貴様、戦いの最中に余所見をするとは何ごとだ!」
ゾフィス対ヒナギクの戦いは九能の背後で行われている。だから、九能はその戦いに気付かない。
「君の連れが危ないのさ、今すぐ攻撃を止めてくれよ」
「戦いの最中にそのような世迷言。この九能帯刀、決して騙されはせんぞ。
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き」
再び、九能のラッシュ。
防戦一方のボルネーゼ。
(不味い、不味いさ)
このラッシュをかわして、ヒナギクを助ける方法は幾つも無い。
たった一つだけ、ボルネーゼは思いついた方法を即座に実行する。
生身の左腕で、九能の突きの一つを受ける。
受けた左腕は感覚の全てを失い、言う事を聞かぬ只の物体と化す。
そして、その物体から血飛沫が舞い上がった。
「目くらましか!」
血飛沫のいくつかが、九能の眼球に入り、一瞬だけ視界を潰す。
その一瞬の隙を突いて、ボルネーゼはヒナギクの下へと駆け寄った。
━━━
「ラドム」
ヒナギクに向けて、最後の呪文が唱えられる。
爆裂呪文が、線を描いてヒナギクに進んでいく。
だが、それがヒナギクに当たる事は無かった。
当たったのは、ボルネーゼの背中。
「だから言ったでしょ、ピエロがいれば超安心」
━━━
「おのれ! ピエロ・ボルネーゼ、目くらましとは卑怯な」
血を拭い、九能が動き出す。
「防がれましたか。野明、二発目です」
ゾフィスが、止めの一撃を野明に促す。
そして、ピエロ・ボルネーゼは意識を失い倒れる。
「ラド…… 「待てい!」
止めの呪文が九能によって阻まれる。
「貴様ら、神聖なる決闘を邪魔しおって。この九能帯刀が成敗してくれる」
「なら、あなたから先に死になさい」 「ラドム」
今度は、爆裂呪文が九能に放たれる。
「効かんわ!」
九能は磁双刀で爆裂呪文を切り払う。『ラドム』は刀の切っ先に触れ、九能に当たる前に爆破した。
剣が相手では、『ラドム』だけだと分が悪い。一瞬のうちに、ゾフィスはそう判断して、野明に指示を出す。
「野明、逃げますよ」 「了解」
今回ばかりは野明も了承した。素手の男ではなく、剣を持った男が相手では、明らかに不利だからだ。
「逃さんぞ」
逃げ出す野明とゾフィスを追いかけようとする、九能。
だがそれを、ヒナギクが止めた。
「待って、九能君。ピエロさんが……」
ヒナギクの目の前。意識を失って倒れているボルネーゼ。
「ピエロさんが、死んじゃう」
まだ、生きてはいる。だが、左腕に穴が開き、背中には背骨を削り取るほどの大怪我。
さらに、全身には磁双刀による裂傷がついている。いくら、世界レベールのピエロとはいえ、これでは……
「血が止まらない。九能君、何とかしてよ」
「分かったぞ、桂ヒナギク」
九能は自分の胴着を脱ぎ、それでボルネーゼの傷口を塞ごうとする。
だが、胴着はただひたすらに血を吸い取るだけ。そうしていくうちにも、見る見るボルネーゼの体温は落ちていく。
「起きて、起きてよ。ピエロさん。お願いだから、起きてよ!」
桂ヒナギクの叫びも空しく、昼空に響き渡るだけだった。
【D-3 道路沿いの草原/開始から5時間】
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】
[状態]右足喪失、出血が続いており、止血しないと死にます。
[装備]磁双刀(S刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料・水二日分)、鉄砕牙@犬夜叉
[思考]1.三千院ナギ、綾崎ハヤテ 、天道あかねとの合流
2.ゲームからの脱出
3.鉄砕牙の力についての検討
4.ピエロ・ボルネーゼの埋葬
5.ゾフィス、野明を警戒
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康、上半身裸
[装備]磁双刀(N刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.天道あかねとの合流
2.天道あかねと共にゲームを脱出
3.ピエロ・ボルネーゼの埋葬
4.ゾフィス、野明を警戒
5.ヒナギクの治療をしたい(ただし、治療手段は持っていない)
【C-4 高原池近く/開始から5時間】
【泉野明@機動警察パトレイバー】
[状態]健康、ゾフィスに操られている
[装備]魔物の本(ゾフィス)@金色のガッシュ
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.ゾフィスと共にゲームを楽しむ。
2.九能帯刀から逃げる。
【ピエロ・ボルネーゼ@焼きたて!!ジャぱん】 死亡確認
予約無しですが、ゾフィス、野明、ピエロ、ヒナギク、九能投下です。
>>648 修正
【C-4 高原池近く/開始から5時間】
【泉野明@機動警察パトレイバー】
[状態]健康、ゾフィスに操られている、心の力消費大
[装備]魔物の本(ゾフィス)@金色のガッシュ
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.ゾフィスと共にゲームを楽しむ。
2.九能帯刀から逃げる。
>>649 乙。キャラ設定とアイテム設定からのコメントが何点かあるけどいいかな?
ヒナギクは実際もっと強いよ。原作6巻収録の話では巨大ロボット軍団をまっぷたつにしているし、
ラドム連射を刀で避ける芸当ぐらいは出来ると思う。
それとヒナギクで一番はずして欲しくないポイントだけど、絶体絶命の時は「ハヤテくーん」と叫ばせて欲しい。
もう一つはゾフィス(魔物)を妖怪扱いするかどうかということなんだけど、妖怪扱いする場合は、
鉄砕牙の守りの力で攻撃が無効化されるのでその点をどこかで描写して欲しい。
魔物≠妖怪ということなら、今のままでいいと思う。
これ、ピエロ殺したのは……野明になるんだよな?
嘘でしょ、いや、矛盾も何もないのは分かるけど、洗脳って、こんな感じなんだろうけど……
ヒナギクの強さに関してはこんなもんじゃないかと思うけどな
ピエロは好きなキャラだっただけに残念だ
まあいろいろと扱い辛いキャラだし
早めに死んでよかったかもね
乙!
面白かったよ
ピエロが死んでマーに続きパンもリーチがかかったな
九能もらしくてよかった
>>650ヒナギクに関しては、ロボを一刀両断にしたのは潜在能力を限界まで引き出せる正宗を装備してたことによるものだと思うからこんなもんだと思うよ
パンファンより、パトファンの方が辛いんだが……
ピエロは女かばって死んだ分、まだマシだろ。
ショックは受けたがすごく良かった!
ゾフィスの洗脳解けてからの反応が楽しみだ。
生存キャラ59人 登場回数(プロローグ含まず)
1回(14人)
鉄刃、秋葉流、加藤鳴海、パンタローネ、霧沢風子、門都、殺生丸、内海
トニー・ベネット、高槻涼、ジェームズ・ホワン、浅倉南、植木耕助、バロウ・エシャロット
2回(31人)
鬼丸猛、毛利小五郎、灰原哀、蒼月潮、とら、紅煉、エレオノール、阿紫花英良、紅麗
犬夜叉、日暮かごめ、神楽、美神令子、ドクター・カオス、メドーサ、高峰清麿
パルコ・フォルゴレ、ココ、太田功、後藤喜一、ヘンリー・ボーマン、染井芳乃、御神苗優
東和馬、タマ、天道あかね、上杉達也、上杉和也、吉田剛、鈴子・ジェラード、アノン
3回(14人)
峰さやか、毛利蘭、花菱烈火、横島忠夫、シェリー・ベルモンド、綾崎ハヤテ、桂ヒナギク
早乙女乱馬、響良牙、九能帯刀、泉野明、高槻巌、キース・シルバー、イアン
---
私見
いい感じに出揃ってきたと思う。
生きていれば、単独トップのピエロがいた訳だが……
あと放送までに描写必要なの誰かな
いないと思う。
暫く待って(土曜日ぐらい)、放送に行くとするか?
とすると、禁止区域をどこにするか決めておきたいんだが……
乙です
ゾフィスの本についてだけど
たしか、持ち主やパートナーの意思じゃ燃やせないってモンだから、最初の思考がちょっと…
788名前:作者の都合により名無しです[sage]投稿日:2006/09/08(金) 03:03:16 ID:iyVEEVYm0
>>786 一応キャンチョメにやられたバーゴは自分が付けた火で本燃やされてる
>>661 ゴメンなさい。たった今確認したところ、
ガッシュ10巻P.72の描写によれば、『バーゴが付けた火』で『フォルゴレが燃やして』いました。
なので、前半の思考は確かにおかしいです。
禁止区の数って決まってたか?
修正版を投下します。
>>661と
>>650を考慮しました。
ただし、魔物と妖怪は異なるものと言う解釈でSSを書いておりますので、その点は変わりません。
どうして使えなくなった?
自分の持っている数々の呪文なら、この苦境も容易く乗り越えられるはずだったのに。
今はなぜか、一番基本の『ラドム』しか使えない。
この状況では、迫りくる道化師と闘う術など無いではないか。
『ラドム』を撃ちつくして、心の力が無くなった所で殺されるのが落ちだ。
それに、問題はそれだけではない。
どういう訳か知らないが、ゾフィスの体は野明から10m程しか離れなくなっている。
だから、遅い野明のペースに合わせて逃げなければならない。
この状況では、野明の体力が尽きて、動きが止まった所で追いつかれるのが落ちだ。
最悪だ。
今は、何かの理由で道化師がゆっくり追いかけてきているから大丈夫だが、いずれ追いつかれるだろう。
不味い、最悪だ。追いつかれたら殺されてしまう。
「いや……待てよ……」
たった一つあるではないか。この最悪な状況を切り抜ける打開策が。
「野明! あそこの木を爆破します、呪文を……」
「だ、駄目、もう疲れて……」
全く、この小娘が。
役に立たないったらありゃしない。
道化師を巧く騙して、本を燃やさせなければ行けないのに。
「疲れてても、構わん。サッサと呪文を!」
唱えるだけだ。どれだけ息を切らしていても出来る筈。
「はぁ、はぁ、ら、ラド…… 、ん、もが」
だが、野明の口が呪文を唱える事は無かった。
「全く、こんな危険な呪文唱えないでくれよ」
道化師が野明の口を塞いだのだ。
「僕は攻撃が目的じゃないよ。落ち着いて話を聞いて欲しいさ」
(危害を加えない?)
野明を背後から押さえて、口を片手で塞ぎ、道化師は自分に害意がない事を伝えてきた。
「君たちが危険な呪文を使うんで、こうして疲れるまで待ってたけど、
呪文さえ使わなかったら、僕は何もしないさ」
(信じて、いいのか?)
野明の口を塞がれている今、ゾフィスは無力だ。
敵意が無いと言うのなら、話を聞いてみるべきかも知れない。
だが、もしも、罠だったら。
(どうする? 何が正解だ。考えろ、俺は千年前の魔物たちさえ従えた魔物だろうが!)
この島にいるゾフィス以外の全ての者たちに適応されるルール。
それは突き詰めれば『殺しあえ』の一言のみ。
ゾフィスは支給品なのだから、このルールの適用外にいるわけだが、道化師から見れば参加者と違わない。
もしも、道化師がルールに忠実ならゾフィスを生かす理由は無い。害意が無いと言うのは罠だ。
しかし、罠だからと言って今のゾフィスに何が出来るだろう。
呪文は防がれ、身体能力では到底敵わない。
打開策の見当たらぬまま、時間だけが過ぎていく。
「僕の目的は、このゲームを停止させる事と、参加者全員の安全を確保する事さ」
(嘘をつけ)
「だから、君たちが危険な呪文を使わないって約束してくれれば、僕は何もしない」
(信用できるか)
ふと、ゾフィスの目に奇妙なものが飛び込んでくる。
「いや、何もしないわけには行かないかな。君たちを守らせてくれないかな? ピエロに任せれば超安心さ」
(お前に何のメリットがある)
道化師に押さえつけられた野明がもがく。
「んー、ぬ、ん、(この変質者、離してよ)」
「あ、ゴメンよ。苦しいかい? でも、呪文を使わないって約束してくれないと離せないさ」
ピエロ・ボルネーゼは優しい人間である。
本来、自分よりも年下の女の子(生年は野明が上だが)を押さえつけるような真似はしない。
だが、ここでこの二人を野放しにしたら、他の人間が危ない。
だから、已む無く野明を押さえつけている。
「見ず知らずの道化の言葉など、信用できん」
どれだけ心優しい男でも、ピエロ・ボルネーゼの見た目は怪しげな道化。
一体、どうやって信じろというのか。
ゾフィスは道化師と対峙しながら、その後方にある二つの物体を見つめる。
いや、正確に言えば、二人の人間。
彼らは、道化師の背後から近づいてきている。
事態は、ゾフィスにとっていい方向に転がり始めてきた。
「呪文さえ使わなければいいのさ。君たちの安全は僕が保障するから、信じてよ」
ゾフィスは無言のまま、道化師の背後にいる一組の男女を見つめる。
その内の一人、紺色胴衣に袴姿をした男が、飛び込んで来た。
「突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き」
道化師に近づくなり、いきなり突きの連続。この男の名は、九能帯刀。
「ちょ、ちょっと待って。なんで、いきなり……」
背後からの攻撃に、慌てながらもボルネーゼは対応する。
世界レベールのスピードを駆使しながら、磁双刀の連撃を交わしていく。
しかし、九能のスピードも並ではない。
その動きは、剣道部のヒナギクから見ても、明らかに人間のレベルを超えていた。
(凄い、九能君。ただの変態だと思ってたけど。
いや、ただのじゃなくて、物凄い変態だと思ってたけど。剣道は強い)
かつて新撰組の天才剣士沖田総司は、二段突きを操ったと聞くが、九能の突きは比較にもならない。
絶え間なく続く多段突き。剣が何本にも分身して見えるほどの超高速。
その素早さに、さしもの世界レベールピエロも全身に切り傷を作っていった。
「止めてくれ、僕は何もしてないさ」 「九能君、止めて」
道化師とヒナギクの言葉を受け、九能の動きが止まった。
そして、今度は矢継ぎ早に喋り始める。
「止めてくれるな桂ヒナギク。白昼堂々、天下の往来で婦女暴行を働く不埒な輩に正義の鉄槌を下してやるのだ」
「誰が、婦女暴行さ!」
「無論、貴様の事だ。道化の者よ、名を名乗れ」
九能は磁双刀をボルネーゼの眉間につけて問う。
ちなみに、この場所は往来ではなく、往来から少し外れた草原の中である。
「僕の名前…… 「人に名前を聞くときは、自分から名乗るのが礼儀だな。よし、僕から名乗ろう」
「九能君、それ二回目」
ヒナギクの突っ込み空しく九能は自己紹介を続ける。
「僕は風林間高校剣道部主将、連戦連勝剣道界期待の超新星。
人呼んで風林間高校の蒼い雷。九能帯刀、17歳」
「……そ、そうかい。僕はピエロ・ボルネーゼ。ケダムサーカス団長、22歳さ」
ボルネーゼの自己紹介が終わると、九能は野明を見つめる。
「そこの美少女よ、名は?」
「あ、あたし? 私の名前は泉、泉野明」
「泉野明、僕が来たからにはもう安心だ。
道化師は今すぐ成敗するから、安心してこの胸に飛び込んでくるがいい。
そして、桂ヒナギク、天道あかねと共に健全なトリプル交際を」
「い、いや……助けてくれたのは嬉しいけど、交際はちょっと……」
助けてくれた男は、紛れも無い天才剣士。だが、疑う事なき変態。
そして、その変態は道化師に向かって攻撃を開始する。
「いくぞ、ピエロ・ボルネーゼ! 正義の剣受けてみよ」
「ちょっと、話を聞いてくれよ」
ボルネーゼの弁解に、耳を貸すつもりは無い。
九能の超人的な剣技を、ボルネーゼが世界レベールのスピードで避ける。
そんな先ほどと同じ構図が繰り返された。
━━━
「野明、チャンスですよ」
「うん」
変態の助けにより、野明の口が自由になった。
魔物の本を構え、呪文の体勢を取る二人。 そして、
「ラドム」
ゾフィス得意の爆裂呪文がボルネーゼに襲い掛かる。
「おぉ、泉野明。君の愛の告白しかと受け取ったぞ」
愛の告白ではなく、援護射撃なのだが九能にとっては同義だ。
次第に、ボルネーゼの余裕が無くなってきた。
九能の突き、ゾフィスの爆裂呪文に追い込まれ、ボルネーゼの体には無数の傷が刻まれていく。
そんな事態を見て、ヒナギクが異常に気付き始めた。
(おかしい、あの人全く抵抗してない)
脅威の身体能力で、攻撃を避け続ける道化師が全く攻撃していない。
あれだけ素早いのなら、攻撃力も相当強いはずだ。なのに、全く攻撃しない。
(ひょっとして、あの人悪い人じゃないんじゃ……)
道化師の姿。若い女を押さえつけていた姿。
それらが、ボルネーゼに対して婦女暴行を働く不健全な男子と言う印象を与えていた。
だが、それは間違ってたんじゃないか?
その証拠に、あの道化師は攻撃を避けるだけで、全く反撃してない。
「ちょっと、泉さん。攻撃を止めて、あの人が可愛そうよ」
「止める? なんで、アイツは婦女暴行の現行犯だよ、許したら婦警の名が廃るよ」
「その通りだよ野明。あの道化師は今のうちに殺す」
桂ヒナギクは、たった今気付いた。
異常なのは道化師ではなく、この二人だったのだ。
磁双刀を中段に構え、ヒナギクは二人に警告する。
「止めなさい、婦女暴行ぐらいで殺す必要は無いわ」
━━━
「不味いさ、やっぱり、あの呪文は危険だったさ」
ボルネーゼは、ヒナギクの様子を見て呟く。何としても、ゾフィスを止めなければ。
だが、目の前の剣士がそれを許さない。
「ピエロ・ボルネーゼ。貴様、戦いの最中に余所見をするとは何ごとだ!」
ゾフィス対ヒナギクの戦いは九能の背後で行われている。だから、九能はその戦いに気付かない。
「君の連れが危ないのさ、今すぐ攻撃を止めてくれよ」
「戦いの最中にそのような世迷言。この九能帯刀、決して騙されはせんぞ。
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き」
再び、九能のラッシュ。
防戦一方のボルネーゼ。
(不味い、不味いさ)
このラッシュをかわして、ヒナギクを助ける方法は幾つも無い。
たった一つだけ、ボルネーゼは思いついた方法を即座に実行する。
生身の左腕で、九能の突きの一つを受ける。
受けた左腕は感覚の全てを失い、言う事を聞かぬ只の物体と化す。
そして、その物体から血飛沫が舞い上がった。
「目くらましか!」
九能に隙が生まれる。その間にボルネーゼはヒナギクの下へと駆け寄った。
「これはおかしな事を。この島のルールは殺し合いですよ。
何なら、あなたから先に殺してあげましょうか?」
ゾフィスは呪文の的をヒナギクに変更する。
「ほらほら、どうします? 並の人間なら一撃で死にますよ」
爆裂呪文の嵐がヒナギクに襲い掛かる。
磁双刀を振り回し、爆裂呪文を防ぐヒナギク。
呪文は磁双刀の切っ先に触れ爆破し、ヒナギクの体に届かない。
「中々にやるじゃないですか。野明、スピードを上げますよ」 「了解」
野明の詠唱スピードが上がる。
数を増した爆裂呪文の連射にヒナギクの体は付いて行けない。
そして、
ボムッ
ヒナギクは、自分の右足から鈍い音を聞いた。
そこをあるはずの足が消し飛び、夥しいほどの血が出てくる。
「いやあーーーーーーーーぁー、嘘よ、ハヤテくーん。助けて!」
恋する男の名前を叫ぶ。
だが、その男はいない。
ヒナギクの叫びは誰にも聞き入れられることなく、彼女はその場に倒れこんでしまった。
「おやおや? もう動けませんか」
ヒナギクは、全く動かない。動けない。
体だけでなく、精神まで。
自分の右足がなくなると言う異常事態に彼女の精神は飛んでしまっている。
「もう飽きましたね」
動かなくなった相手に興味はない。
今まさに、ゾフィスが止めを刺そうとしていた。
━━━
「不味いさ、やっぱり、あの呪文は危険だったさ」
ボルネーゼは、ヒナギクの様子を見て呟く。何としても、ゾフィスを止めなければ。
だが、目の前の剣士がそれを許さない。
「ピエロ・ボルネーゼ。貴様、戦いの最中に余所見をするとは何ごとだ!」
ゾフィス対ヒナギクの戦いは九能の背後で行われている。だから、九能はその戦いに気付かない。
「君の連れが危ないのさ、今すぐ攻撃を止めてくれよ」
「戦いの最中にそのような世迷言。この九能帯刀、決して騙されはせんぞ。
突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き、突き」
再び、九能のラッシュ。
防戦一方のボルネーゼ。
(不味い、不味いさ)
このラッシュをかわして、ヒナギクを助ける方法は幾つも無い。
たった一つだけ、ボルネーゼは思いついた方法を即座に実行する。
生身の左腕で、九能の突きの一つを受ける。
受けた左腕は感覚の全てを失い、言う事を聞かぬ只の物体と化す。
そして、その物体から血飛沫が舞い上がった。
「目くらましか!」
九能に隙が生まれる。その間にボルネーゼはヒナギクの下へと駆け寄った。
━━━
「ラドム」
ヒナギクに向けて、最後の呪文が唱えられる。
爆裂呪文が、線を描いてヒナギクに進んでいく。
(ハヤテ君ゴメン。もう、二度とアナタには会えないの。ナギと二人で幸せになってね)
死を覚悟するヒナギクに、超スピードでボルネーゼが近づく。
「そんな死にそうな顔、女の子には似合わないさ」
ボルネーゼは、爆裂呪文を抜き去りヒナギクの前に立つ。
そして、爆裂呪文は彼の背中で爆発した。
その威力は、彼の胴の半分近くを持っていく程強大で、傷口からは噴水のように血が出た。
けれど、ボルネーゼの表情は何一つ変わらない。
「さっき言ってたハヤテ君が好きなんだろ。だったら、彼に会って可愛い笑顔を見せなきゃさ」
背中からは、滝のように血が流れ続けている。
けれどボルネーゼは、痛いとか、苦しいとか、そんな表情を一切見せない。
道化師が見せる表情は笑顔一つ。
「どうして、どうして、苦しいって言わないの? 私よりアナタの方が大変じゃない!」
「僕は平気さ」
「嘘よ。そんなんで平気な訳ないじゃない。なんで笑ってられるのよ!」
「ピエロだからさ」
それが、ボルネーゼの最期の言葉だった。
彼は意識を失い、無言のまま、その場に倒れこんでしまった。
━━━
「おのれ! ピエロ・ボルネーゼ、目くらましとは卑怯な」
血を拭い、九能が動き出す。
「野明、さっさと呪文を唱えなさい」
ゾフィスが、止めの一撃を野明に促す。
けれど、野明が動かない。
(どうして、どうして、あの人。あんなの傷ついてるのに人を守ってるの?)
かつて野明は婦警だった。
どれだけ傷ついても、人を守るために働く職人だった。
右頬にある傷痕に手を触れる。
(私は、何か大切な事を忘れてる気がする)
「野明、正気に戻りなさい!」 「あ、うん!」
今はゾフィスと一緒にやってる事が正しいんだ。
間違ってない。
野明は道化師とヒナギクに止めを刺すため、最期の呪文を唱える。
「ラド…… 「待てい!」
しかし、それは九能によって阻まれた。
「貴様ら、神聖なる決闘を邪魔しおって。この九能帯刀が成敗してくれる」
「なら、あなたから先に死になさい」 「ラドム」
今度は、爆裂呪文が九能に放たれる。
「効かんわ!」
九能は磁双刀で爆裂呪文を切り払う。『ラドム』は刀の切っ先に触れ、九能に当たる前に爆破した。
九能の剣技が相手では、『ラドム』だけだと分が悪い。一瞬のうちに、ゾフィスはそう判断して、野明に指示を出す。
「野明、逃げますよ」 「了解」
今回ばかりは野明も了承した。素手の男ではなく、剣を持った男が相手では、明らかに不利だからだ。
「逃さんぞ」
逃げ出す野明とゾフィスを追いかけようとする、九能。
だがそれを、ヒナギクが止めた。
「待って、九能君。ピエロさんが……」
ヒナギクの目の前。意識を失って倒れているボルネーゼ。
「ピエロさんが、死んじゃう」
まだ、生きてはいる。だが、左腕に穴が開き、背中には背骨を削り取るほどの大怪我。
さらに、全身には磁双刀による裂傷がついている。いくら、世界レベールのピエロとはいえ、これでは……
「血が止まらない。九能君、何とかしてよ」
「分かったぞ、桂ヒナギク」
九能は自分の胴着を脱ぎ、それでボルネーゼの傷口を塞ごうとする。
だが、胴着はただひたすらに血を吸い取るだけ。そうしていくうちにも、見る見るボルネーゼの体温は落ちていく。
「起きて、起きてよ。ピエロさん。お願いだから、起きてよ!」
桂ヒナギクの叫びも空しく、昼空に響き渡るだけだった。
【D-3 道路沿いの草原/開始から5時間】
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】
[状態]右足喪失、出血が続いており、止血しないと死にます。
[装備]磁双刀(S刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料・水二日分)、鉄砕牙@犬夜叉
[思考]1.三千院ナギ、綾崎ハヤテ 、天道あかねとの合流
2.ゲームからの脱出
3.鉄砕牙の力についての検討
4.ピエロ・ボルネーゼの埋葬
5.ゾフィス、野明を警戒
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康、上半身裸
[装備]磁双刀(N刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.天道あかねとの合流
2.天道あかねと共にゲームを脱出
3.ピエロ・ボルネーゼの埋葬
4.ゾフィス、野明を警戒
5.ヒナギクの治療をしたい(ただし、治療手段は持っていない)
【C-4 高原池近く/開始から5時間】
【泉野明@機動警察パトレイバー】
[状態]健康、ゾフィスに操られている、心の力消費大
[装備]魔物の本(ゾフィス)@金色のガッシュ
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.ゾフィスと共にゲームを楽しむ。
2.九能帯刀から逃げる。
[備考]支給品『ゾフィス』は野明から10m以上離れる事が出来ません。
【ピエロ・ボルネーゼ@焼きたて!!ジャぱん】 死亡確認
修正投下しました。
>>672は投下ミスなので無視してください。
乙
ピエロがあああピエロのくせになんでかっこいいんだ畜生
>>664 ただカルディオの時サウザーは心臓の炎でわざと火を付けたんだよね
この二つを合わせると出来ない事もないような気がしないでもない
修正乙
ハヤテくーん、の叫びを入れたわけか……
そのおかげで、ピエロが、ピエロがーーーーーーーー
もう、放送に入れるな。
>>660の言う通り土曜日位まで待って放送投下するか。
禁止区域はドコにする?
何処でもいい
まだ序盤だし消えても問題ないAかJまたは両方の1列分あたりかな
>>631 原作で心を無にして心眼破った事なんて無いやろ?
陽炎ってYAIBAの宮本武蔵より高齢で420〜430才のやった主人公の産みの親で、心眼使う敵とは闘っても無い。
原作では、主人公の仲間の青年が心眼使いの敵の女に苦戦してたが、
ひょんな事から青年は欲情し、あらぬ妄想を巡らせながら女に飛びついた
女は心眼から強制的に相手の思考が脳に伝わって来るので、
こんなケダモノの妄想聴くなら外した方がマシだと考えてやむおえず、心眼を取り外した。
ムサくモテナイ青年のヒワイな本能的思考により、ウブな淑女が苦しみ降参した形になった。コメディ‐タッチな闘いだった。
その後主人公側と交戦してない、心眼使いの敵は、陽炎と闘う舞台すらないはずだけど?
ようは、キレて暴れたりしてるヤツ相手だった時のみ心眼の効果が発揮されない。
>>686 烈火30巻 16ページより、
「強い!! 心が閉じられてて、動きが読めない」
んで、禁止エリアについてだけど
正直、今の状態だとどこを禁止しても大して変わらん。
なので、A,J行、01,10列を禁止エリア化することを提案。
要は、周りから追い込んでいく形。
死亡人数は9人か
結構いいペースだな
ちょっと質問
>>679 本当に乙です。台詞を入れていただいて感謝します。
ヒナギクとピエロとのやりとり、野明の心の迷いがいい感じです。
あと、禁止エリアともう一つ放送で提案したい事があるんだが、
ゾフィスの呪文を増やさないか?
今のところ、制限で『ラドム』しか使えなくなってるみたいだけど、
放送ごとに使える呪文が一つずつ増えていくってのはどうだろう?
つっても、後2つぐらいしか無かったと思うけど。
>>693 いいと思うけど、6時間毎に一つだとちょっと辛いな。数えてみたけど、ゾフィスの呪文は8つあるよ。
ラドム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・基本術(爆発)
テオラドム・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ラドムの強化版(中級呪文)
ロンド・ラドム・・・・・・・・・・・・・・・・・・ムチを放ち、ふれた部分が爆発する
オルガ・ラドム・・・・・・・・・・・・・・・・・螺旋状にラドムを放つ
ギガラド・シルド・・・・・・・・・・・・・・・・爆風による盾で相手の攻撃を防ぐ(防御術=ギガノ級)
ギガノ・ラドム・・・・・・・・・・・・・・・・・・テオラドム以上の威力を持つ術(ギガノ級)
ディガン・テオラドム・・・・・・・・・・・・複数のテオラドムが降り注ぐ
ディオガ・テオラドム・・・・・・・・・・・・ゾフィス最大の術。巨大な爆発球を放つ
術の習得順番はランダムで問題ないと思うけど、最大術のディオガ・テオラドムの習得は最後にした方がいいかもしれない。
そんなにあったのか……調査乙。
すると、今覚えているラドムと最大術ディオガ・テオラドムは除いて、
残りの6つを2個ずつか、3個ずつ、解禁していくのはどうだろう?
んで、最後にディオガ・テオラドムと
>>694 術の習得数については、同時に2つ、3つというのは問題ないと思う。
また、魔物が習得する術は本人の気持ちや成長にう影響されるらしいから、
ゾフィスのやる気次第(心の持ち方)でその時に必要だったと思う術を覚えさせればいいと思う。
どちらかというと術の威力の方が気になるな。
最大術ディオガ・テオラドムの威力は、山を吹き飛ばす程の威力を持つディオガ・グラビドンとほぼ同じ。
「とら」や「紅煉」あたりなら遜色ないバトルになるけどね。
>また、魔物が習得する術は本人の気持ちや成長にう影響されるらしいから、
>ゾフィスのやる気次第(心の持ち方)でその時に必要だったと思う術を覚えさせればいいと思う。
確かにその通りなんだけれども、
1.原作の場合、一度覚えた呪文は忘れない。
2.ゾフィスの心の持ち方って言ってしまうと、ご都合主義になる恐れアリ。
そもそも、ロワ制限で強引に呪文を抑えている状態なんだから、
本来の習得メカニズム(魔物自身の成長)を当てはめる必要は無い。
あと、やる気次第と言ってしまうと、強敵に出会ったときに都合よく術を覚えそうで嫌だ。
威力に関しては……どうなんでしょ?
支給品の癖に最強格とほぼ互角の攻撃力つーのはなーーーー、個人的にはアリなんだが。
反論が来そうでコワイ。
ただ、どれだけ威力があっても、覚えるのは6時間に3つとしても、今から13時間後。
ちょうど、一日目終了時点と言うことになる。
なので、威力に関しては、後回しで良いんじゃないかと。
世界レベールのピエロ終盤まで活躍すると思ったが…追悼。
九能先輩が以外に強いな。
ラドムでさえまともに当たれば体の一部吹っ飛ばせるのに、ディオガ級ともなればどうなるのか…
原作で人間が呪文受けても怪我はしても体が欠損したりはしなかったから、威力が高いとは感じた
むしろ、階段ぶっ壊した描写からすれば弱いぐらいだが
原作によればラドム一撃でも、まともに建造物を破壊する威力がある。
パンタローネって相手が人間かそうでないかでぜんぜん戦闘力がかわってくるんだが
ありえない力を持った人間だらけのロワだとちょっとかわいそうな気がする
>>702 制限されてはいるけど、そこそこ強いでいいんじゃないの?
設定だと戦車相手とかだと相手を圧倒するから兵器とは見えない人形を
使って自動人形を倒すだったけ?
確か、観客である人間に見えるスピードで動くんだっけか。
ってことは、人間がいた場合、速く動けないのか。
とらみたいな奴と人間がいるときに戦ったら確実に死ぬなww
武器を持たない人間は観客とみなされ、観客が見えない速度では動けない。
武器を持つ人間は観客とはみなされず、人間の目では捉えられない速度での戦闘行動が可能。
銃器などは武器とみなされるが、人形は武器とみなされない。
ちょいと質問なんですが、
ttp://1st.geocities.jp/sundayroyale/000-049/016.html >引っ掻き回したデイパックから今更見つけた説明書ではあったが、
>これが「偽火」という名前の魔導具というものであること、
>炎の映像(?)を作り出すものであること以上の記述は見つけられなかった。
と記述があるけれど、偽火って実際に炎出すよね。
んで、炎の映像(?)、(?)ってあるって事は、
これは、説明書には、炎を出すって書いてあるけど、
偽って記述から、蘭が勝手に誤解して映像(?)になった
と解釈してよい?
つまり、説明書にはキチンと炎が出ると書いてあるって事で。
乙
ところで
>>688の禁止エリアの案はそういうことだったのか?
周りから何箇所か選ぶって意味かと思ってたけど
一度に36ヶ箇所は多すぎでない?
ほとんど海なので、問題ないと思った。36箇所のうち陸地は9箇所あるが、
どれも、半分ぐらいしか陸地がない。 つまり、実質4箇所ぐらいしか禁止になってなかったりする。
うん、まあ、とりあえず他の人の意見も待ってみよう
俺は最初だしこれでもかまわないとは思うけど
ゾフィスの事なんだが、わざわざ一支給品に対して説明は要らないと思う。
放送後に勝手に呪文が増えてる程度でいいんじゃないか?
そもそも支給品を強化するってのはどうかと思うんだが。
ただでさえ自立行動して正式参加者の人格を変えちゃってるのに。
禁止区域はこれで良いと思う。
>>711 ゾフィスの点についてはちょいと悩んだ。
放送で魔物の子と記述したのは、シェリー、ココ、清麿、フォルゴレのガッシュ連中に
魔物の子の誰かが参戦している事を知らせるためって考えていたんだが。ちょいと浅はかだったかも知れない。
確かに、ゾフィスを強化するってのは不要かもな……
ラドムだけで十分強い気がする。
どうせゾフィスを強化するんなら
参加者の力の制限をされた奴の緩和を宣言した方がいいんじゃないか?
なんかえこひいきしてるような感じになってるし
「最後になりますが、今まで力を制限された者や魔物の子供を連れている参加者に朗報です。
この放送が終わった後、力を制限された者の制限の緩和および、魔物の子が使える呪文を二つ増やします。
是非、有効活用してください」
こんな感じで
>>705 鳴海が聖ジョルジュの剣、勝と正二郎が刀使ったりしてるので刀剣類もセーフっぽい。
他にしろがね−Oがクラブで戦ってるので、近代兵器っぽい物でなければ武器OKみたい。
だからまず起こらないだろうが、相手が獣の槍もった潮だろうが覇王剣もった刃だろうが
パンタローネは能力を抑えて戦わないといけない事に…
あと、犬夜叉やら神楽やらメドーサやら見た目が人間ぽい奴にも制限は働くようになるのか?
しろがねも人間ではないよな
勘違いしてはいけないのが、
目的:観客に見てもらう事
手段:能力を制限
だと言う事。
鬼丸や刃が相手なら、フルスピードで動いても見てもらえるだろうから、能力制限はかからないんじゃないか?
連れがいたら困るけど。
読んでないからよく分からないんだけど
その相手の強さってのはどうやって判断してるの?
見ただけで大体分かるの?
>>714 操り人形を使ってる場合は武器持っているのでなく芸をしているとみなされて
観客扱いになる。
あとマサルはどうか知らんがナルミは高速で動く自動人形を
何回か倒しているよ。
ここからは推測になるけどグラブについては芸をする道具扱い
聖ジョルジュの剣は体の一部に見なされると思うけど、
原作だとルシールや米兵達がメチャクチャ重火器つかってるけど自動人形は
普通に動いてたりしたしそこら辺は冨士田ジャピロが何も考えてなかっただけ
かと思うから俺的には剣も武器と判断して特殊能力は芸と判断するでいいと思うよ。
ところで、放送後のネタ考えてるor書き上げてる人いる?
>>717 細かい事は
>>718の言うとおり
>冨士田ジャピロが何も考えてなかっただけ
になってしまう。
雷神剣・風神剣の玉って剣から外して単体発動できるのかな。
とか思ってみる。
無理
少なくとも原作でそういう描写はない
725 :
作者の都合により名無しです:2006/11/25(土) 04:10:23 ID:cL4tk8Go0
>>724 単体発動は竜神の玉のみの特殊能力か…
すまん、なんか応用利きそうだなと思ったんだ…
ジャバウォック用の弾丸
出来なくはないんだろうけど
原作でやってないことはやらない方がいい
ならば、達也/和也のキャッチボール用アイテムとして使用。
これならば、出来るはず。
玉や手榴弾を金属バットでホームラン!
って切りが無いな。
うえきがゴミとして使うとかどうだろうか
731 :
第一放送:2006/11/25(土) 15:18:51 ID:6Rrc/V6y0
「こんにちは皆さん。12時になりましたので最初の放送に入ります」
島の何処かから女の声が聞こえてくる。
遠近感のぼやけた声で、どこから響いているのか全く分からない。
これは彼女の持つ妖しの力なのか。それとも、それ以外の力なのか。
そんな事は誰にも分からなかった。
分かる事は、この放送が一方的に主催者から参加者たちに向けられているものであり、
参加者には聞くことしか出来ないと言う事である。
「まずは死亡者です。
宮本武蔵、江戸川コナン、諏訪原戒、ピエロ・ボルネーゼ、河内恭介、三千院ナギ、虎水ギンタ、スノウ、ドロシー
以上9名になります。
知人を亡くされた方は気の毒ですが、優勝できれば彼らと再会できるかもしれませんよ」
クスクスと笑いながら、話を続ける。
「続いて、禁止エリアの発表です。
禁止エリアはA,J行と01,10列になります。合計36マスですが海に出ない限り大きく影響しないでしょう。
そうそう、海に出ようとした参加者が一人いましたが、すぐに殺されてましたね。
自業自得です。馬鹿な考えは捨てて島の中だけで行動した方が利口ですよ」
「最後になりますが、今まで力を制限された者や魔物の子供を連れている参加者に朗報です。
この放送が終わった後、力を制限された者の制限の緩和および、魔物の子供が使える呪文を二つ増やします。
是非、有効活用してください」
一方的な放送は終わり、後には参加者たちそれぞれの反応だけが残された。
放送投下です。
乙。
後は予約の清麿/神楽組を待つだけか。
乙。
全く問題ないじゃないか。試験投下スレじゃなくて、こっちに落としてくれればよかったのに。
確かに、清麿ならすぐにゾフィスの正体を見抜くだろうな……ガッシュ無しでどこまで戦えるのか。
制限緩和って必要か?現状優位な奴らが更に優位になるだけなんたが。
今の死亡者だって一部を除いてパワーゲームで押し切られてるのに
更に一般人と格差を広げてどうしたいのよ?
超人同士の派手な戦いが見たいのなら参加者選考時点から間違ってる気がする。
ぶっちゃけ現状の一般人じゃ制限付きキャラに策を労してハメても返り討ちしか想像できない。
自分の知恵が足りないだけかも知れないが、一書き手として思った事を書いてみた。
それはゾフィスのこと言ってるんだよね?
だったら別に問題ないでしょ
今だって飛び抜けて強いって訳でもないし
一般人だって支給品とか作戦次第では強キャラに勝てる
ゾフィスを強化したいからだよ
そもそも支給品が強化されるってのが意味不明だけどなw
そこらへんを突っ込まれた時に出てきたおかしな案
参加者の一人、ですら無い支給品を贔屓するのはどうかと思うけどねw
それにしても読解力が無いのか……、
はたまた現行のログを読んでいないのか……
まだマシな後者だと願う
別にゾフィスはどうでも良いんだが、わざわざ主催者が制限を掛けた一部の強キャラを
主催者が更に強化する意図が分からないんだ。
制限のせいで苦戦どころか、制限付きでも圧倒的なのに。
開始早々緩和するくらいなら最初から最強状態で参加させりゃ良かったのにと思っただけ。
勝手な解釈で長々書いてスマン。これで消えるんで許してくれ。
重要なのは、その強化が本当に必要なのかって事だろ。
別に必要は無いな
悪魔じゃなかったら、必要だって方は理由を教えてくれ
ロワの空気を読んで登場早々に行動不能になったマリアが
この放送後は理由もなく復活していそうだな。
始まってから強化とか余計なことは必要ないと思うな。
わざわざゾフィスの事をガッシュ勢に伝える必要もないと思うし
ゾフィスの強化はもっと後でもいいんじゃないか?
序盤からそんなに強くすることもないと思う
それに、ひょっとしたらまだ他の魔物の子が出るかもしれないんだし
多分ないだろうが
いつも思うんだけど、もっと早く言おうよ……
ごめん
でもこのまま進めたら後々面倒になると思う
ゾフィス強化を含めた放送が試験投下スレに投下された日付を見てみ?
今日になって言い出すのは、どれ程の正論でもその時点でオカシイって事に気付いてください。
とりあえず、放送のゾフィス&参加者強化の部分を削ろうかと思うけど、
>>734氏には謝っておいたほうがいいと思うよ。
彼のSSは最後の一行以外、まるで問題ないにも拘らず、放送修正の割を食うわけだから。
何時間かけか知らないけど、彼の時間は無駄になるわけだよ。
木曜日にあげられたネタに対して、日曜日に突っ込むなんて事しないようにしてね。
住人全員にスレを毎日覗いて反論があるなら即しろというのは流石に酷だ。
木曜から日曜ね。 間に土曜挟んでるのね
749 :
第一放送:2006/11/26(日) 16:57:29 ID:k/8n1gWK0
「こんにちは皆さん。12時になりましたので最初の放送に入ります」
島の何処かから女の声が聞こえてくる。
遠近感のぼやけた声で、どこから響いているのか全く分からない。
これは彼女の持つ妖しの力なのか。それとも、それ以外の力なのか。
そんな事は誰にも分からなかった。
分かる事は、この放送が一方的に主催者から参加者たちに向けられているものであり、
参加者には聞くことしか出来ないと言う事である。
「まずは死亡者です。
宮本武蔵、江戸川コナン、諏訪原戒、ピエロ・ボルネーゼ、河内恭介、三千院ナギ、虎水ギンタ、スノウ、ドロシー
以上9名になります。
知人を亡くされた方は気の毒ですが、優勝できれば彼らと再会できるかもしれませんよ」
クスクスと笑いながら、話を続ける。
「続いて、禁止エリアの発表です。
禁止エリアはA,J行と01,10列になります。合計36マスですが海に出ない限り大きく影響しないでしょう。
そうそう、海に出ようとした参加者が一人いましたが、すぐに殺されてましたね。
自業自得です。馬鹿な考えは捨てて島の中だけで行動した方が利口ですよ」
一方的な放送は終わり、後には参加者たちそれぞれの反応だけが残された。
こんな感じでOK?
>>「最後になりますが、今まで力を制限された者や魔物の子供を連れている参加者に朗報です。
>> この放送が終わった後、力を制限された者の制限の緩和および、魔物の子供が使える呪文を二つ増やします。
>> 是非、有効活用してください」
この一文ははっきり言って蛇足だと思うわざわざキースシルバーや紅蓮などの制限されていても強い強敵をさらに
強くする意味が無いし、呪文については魔物の子の精神状況や戦いの中で呪文を増やせばいいと思うし原作の設定が意味を
成さなくなるのはちょっとダメだと思う。
>>734 と言うわけで、スマン。色々時間かけたんだろうが、恐らく没になると思う。
個人的に言えば、最後のはねの部分がチト気になったもののSSの内容そのものは良かったと思う。
今いる人だけでも、
>>750に答えて欲しいと思う。
あと、放送書いた人ゴメン。勝手に書き換えた。
別人だったのか
勝手に他人のSS書き換えれとか正気か?
すまん、別人って言って言い逃れをしたかっただけ。
心配するな本人だよ。
それはそれで意味分からんのだが
だから、元々放送を書いた人間だといってます。
ゴメンなさい。 もうこのネタ終了
もう、予約してよい?
もちろん
>>750 >>752 分かりました。試験投下スレのSSはボツで、別の内容で書き換えます。
人物は同じ清麿・神楽で書き上げたら、試験投下スレに投下します。
乙
24時間の猶予期間って、実質放送ごとに延びていく罠。
もちろん、それは清麿にとって望む事ではないだろうけれど……
それはそうと、普通にこっちに投下してくれればいいのに……
>>764 すいません。正直、自信が無かったもので、試験投下スレの方に落としました。
どんまい。
いや、内容に問題がなかったからね……
まぁ、自信がなかったら確かにしょうがないかも。
>>766 ありがとうございます。それでは本スレに内容を落とします。
〜第1回放送開始 3時間前〜
平瀬村に到着した清麿と神楽は、まず周辺の民家を調査した。
民家には少し前に誰か居た形跡はあったものの、食料や人が住んでいた形跡はまったく無い。
当然かもしれないが電気、ガス、水道等も全く通じていない。
(おかしい。過去に人が住んでいたとしたらなんだかの生活感があるのが自然だ。
しかし、この民家にはそんな生活感がまったくない。まるで映画のセットだ。
この様子だと生きていくのに必要なものはほとんど置かれていないと考えるのが自然だろう。
そうなると食料は自分たちへの支給分だけか。もし、他の参加者がその事実に気づいたら、
食料の奪い合いが自然に発生する。まったくやってくれるぜ!)
「神楽。ここには何も無いようだ。少し戻ってあたりを調べてみよう」
(もしかしたら、他の参加者に会えるかもしれない。神楽のように攻撃してくるかもしれないが、
今は少しでも情報が欲しい)
「わかった。」
(清麿は色々と調べているようだけど、こんなことであたしを自由にできるのかね?)
2人は平瀬村近辺の調査を始めた。
〜第1回放送開始 1時間半前〜
平瀬村近辺を調べた結果、清麿は薬草(ドクダミ)を、神楽は男の死体を見つけた。
ただ、男の死体は妙なことに血を抜かれているようだ。
(この島には吸血鬼でもいるのか。まあ、妖怪がいるくらいだから居てもおかしくはないが...)
「神楽。すまないがこの死体を埋葬させてくれ」
(このままにしておく訳にはいかないし、最低でも人間として葬ってやりたい)
「そんなの放っておけばいいじゃないか。それかあたしの屍舞で護衛用の操り人形にするかい?
それとも食べてしまうかい?」
戦国時代に生きている神楽にしてみれば、死体など日常茶飯事。特に気にするものでもない。
自身もたくさんの人を殺してきたし、妖怪にとって人を食らう行為など人間が肉を食らうのと同じである。
この死体は血が残っていなくてまずそうだが。
「..いや、やっぱり埋葬しよう。それとばちあたりかもしれないが、服はもらっておこう」
そういうと清麿は死体から服をはぎ取った。服をはぎ取った後、死体を丁重に埋葬した。
(さすがに死体を食べるのは辛いが、この島では何が生死を分けるか分からん。
使えるものは最大限活用する!)
「あんた。もったいないことをするね。食べられるのにさ。」
神楽は清麿の行為にちょっとあきれた様子だった。やはり妖怪。人間とは感性が違う。
そんなことはお構いなしに清麿は神楽に頼み事をした。
「神楽すまないが、この服をその剣で俺の指示通りに切ってくれないか?」
「いいけどさ。この服で何をするんだい?」
(こいつ死体からはぎ取った服を何に使うつもりだ?)
「見てればわかるさ。」
清麿は神楽に自分の指示通りに服を切らせると、それを元に簡単な止血帯やひもを作ってしまった。
「気休めかもしれないが、こんなものでも大怪我をしたときには役に立つ。」
「それに、さっき集めていたドクダミも色々な薬として使える。」
そんな清麿の行動を見て、神楽は感心したように
「へえ、こんなものがね。」
とつぶやいた。
(こいつ色々と生き残るための知恵も持っていそうだな。今は信じて行動してみるか)
そんな矢先、突然あの放送が流れた。
〜第1回放送開始〜
女からの放送は一方的に始まり、そして終わった。
「9人死亡か。神楽。あんたの知り合いはこの中にいるか?」
清麿は神楽へ尋ねてみた。
「あたしが知っている奴はいないね。」
(まあ、あたしは誰が死のうが生きようが関係ないけどね)
神楽は清麿を励ますように話を続ける。
「良かったじゃないか。あと24時間は猶予が出来たんだし。」
(少しでも他人が死んでくれれば、あたしが自由になるチャンスが増える。
この調子であと一人か二人は死んでくれないかね)
しかし、清麿は神楽に強い調子で言った。
「良かったですまされるもんじゃない!すでに9人も犠牲になってしまったんだぞ。
とっととこのゲームを止めないと、もっと犠牲者が増えることになるんだぞ。」
今の彼は主宰者への怒りに凝り固まっているようだ。
「清麿、何言っているんだよ。このゲームは殺すか殺されるか。そういった目的じゃないか。」
(あたしはとりあえず生き残りたい。そのためにあんたと協力しているだけなんだから。)
「確かにこのゲームの目的はそうだろう。それでも俺はこの主宰者が許せないんだ!」
「清麿。そういえば、あんた主宰者の正体を探るって言っていたよね。何か収穫があったのかい?」
(初めてあったときに1日あれば、正体が分かると言っていた。本当に分かっているんだろうか?)
清麿は神楽の問いに
「いや、俺たちが調べて分かったことといえば、
『俺たちに殺し合いをさせること』、
『海からの脱出は不可能であること』、
『この島は殺し合いのための舞台装置にすぎないこと』、
『まともな食料は支給された分しかないこと』、
『主宰者は俺たちの殺し合いを楽しんでいること』
ぐらいだ。」
と答えた。それに対して、神楽はあきれたように
「そうなるとさっきの死体は食料で取っておけば良かったんじゃないか!」
(これだから人間は分からないよ。そんな大切なことに気づいていながら。)
と清麿に食ってかかった。
清麿はそんな神楽の様子に関係なく続けて話し始めた。
「しかし、主宰者の正体を考える上で分かったことがある。」
「それはなんだい?」
(何か分かったのか?生き残りたいためのはったりじゃないだろうね?)
「この主宰者は『人の心を弄ぶこと』や『他人の苦痛を見る』が好きらしいとだということだ。」
清麿は神楽にその理由を説明した。
「単に殺し合いをさせるだけなら、情報を与えずに参加者に勝手に殺し合いをさせればいいし、
最悪、頭の中にいるあの化け物に俺たちを操らせて、意志のない人形にしてしまえばいい。」
「しかし、主宰者は俺たちの心を操る訳でもなく、逃亡防止と監視用にあの化け物を頭の中に
入れているだけだ。つまり、主宰者は『俺たちの意志による殺し合い』を期待している訳だ。」
「参加者の中には殺し合いが好きな奴もいれば、そうではないおとなしい奴もいるはずだ。
殺し合いが好きな奴はまだしも、おとなしい奴でもどうしても他の参加者を殺す必要が
出てくるかもしれない。参加者はそう言った『人の心の葛藤や苦痛』を楽しんでいるとしか思えない」
「そうでなければ、俺たちに対してあんなふざけた放送をすることも無いだろうし、頭の中に
あの化け物を入れて俺たちの行動を監視していることはしないだろう。」
(へえ、こいつさっきの放送と合わせて、ここまで主宰者の正体について考えていたのか?
意外とやるもんだね)
「神楽。あんたが話していた奈落もこんな奴だが、奈落がゲームの主宰者と言うことはないか?」
「それは無いね。奈落にはこんな大規模な舞台装置を作る力はないよ。それに奈落なら、
あんな化け物ではなく最猛勝に監視をさせる。」
(それに奈落の目的は四魂のかけらで、こんな殺し合いではないしね。)
「となるとあの化け物の正体が分かれば、主宰者の正体を突き止められる訳だな。」
清麿は神楽に改めて言った。
「神楽。この近辺は調べたから、別の場所へ移動しよう。あの化け物の正体を知っている誰かが
いるかもしれない。その人物から主宰者の正体へたどり着けると思う。」
「そうすれば、あんたや俺、他の参加者を自由にする方法が見つかるかもしれない。」
神楽は念を押すように言った。
「清麿。言っておくけど、明日の朝までに女の正体が分からなかったら、どうなるかは
分かっているんだろうね?」
(こいつを殺すのは惜しいけど、とりあえず脅しておくか)
清麿は分かっているように答えた。
「分かっている。あんたに殺されるんだろう?とりあえず、今は俺を信じてくれ。」
「分かっていればいいよ。それじゃ、行くよ」
清麿と神楽は移動を開始した。主宰者の正体を暴くために。
【F-3 平瀬村へ向かう道路/開始から6時間(第1回放送直後)】
【高峰清磨@金色のガッシュ!!】
[状態]全身に軽度の裂傷(血は止まっています)
[装備]魔導具「門構」+「無名」@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、薬草(ドクダミ)、止血帯、ひも
[思考]1.色々と調べる。
2.虫(婢妖)の正体を知っている人物を探す。
3.主催者の女について調べる。
4.神楽を自由にする。
【神楽@犬夜叉】
[状態]健康
[装備]風神剣@YAIBA
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.とりあえず、清麿は殺さない。
2.清麿を少しは信じ始めており、自由になるために賭けようとしている。
3.いつかは自由になる。
4.明日の朝までに女の正体が分からなかったら清麿が殺すつもり。
※薬草(ドクダミ)は解熱、解毒、傷薬として使用できます(薬に関する知識が必要)
※河内の服で作った止血帯やひもは大怪我にも対応できます。
※清麿には医療知識(原作2巻より)やサバイバル知識(原作9巻他より)があります。
※清麿と神楽は北方向へ向かいました。
清麿・神楽組 本スレに投下完了しました。
つまり鳥なんかの生物は無し、薬草は有り、てことか
つうことはきのこも捜せば見付かるのかな?
動物がいなくて、植物がいるって事だろ。
実際、今までのSSでも植物は普通にいたわけだし。
ちなみに、キノコってのはやっぱ年の数茸か?
年の数茸が出るなら年増メドーサをコギャル版にして貰いたいなw
あれのメドーサはいくつだったんだ?
20歳の美神を年増呼ばわりしてたところを見ると、19歳以下って事は分かるんだが……
ってか今のメドーサってどんな状態なんだ?
おっちゃんが「お嬢さん」とか言ってたからコギャル状態だと思ってたけど
ヒント 「おっさんは高校二年の娘持ち」
ざっと見だが「外見年齢は高く、清純はヒロインと言うのは無茶」って記述があったぞ
やはり、年の数茸は必須か……
予約してもよろしいでしょうか?
もちろんです
そもそも許可を取る必要はないですよ
初めてなので不安ですが、
キース・シルバー、早乙女乱馬、綾崎ハヤテ、毛利蘭、響良牙、東和馬、御神苗優、パルコ・フォルゴレ、犬夜叉
予約です。
あと、放送またぎます。
多いな
頑張れー
頑張って下さい
どんな内容でも全力で感想を付けさせてもらいます
>>787 すごいな……初めてで、それにチャレンジするとはある意味冒険。
応援してます、頑張ってねー
しかも放送を跨ぐ……
初めてってのはここでのことで
他ロワの経験者だったりしてw
ちょっと聞きたいんだけど、ガッシュの魔物ってもう出さないほうがいい?
強すぎるって話だったっけ?
この程度の傷、キース・シリーズなら、一時間もしないうちに回復する。
けれど、この島ではARMSが原因不明の不調を訴えているため回復が遅い。
「しかし、それでも足だけなら2時間で回復する」
回復次第、綾崎ハヤテと乱馬に復讐する。
彼らの戦闘力は既に知っている、歩けるようになれば十分に殺せるはずだ。
だから、両足が回復したらすぐにでも殺しに行こう。
この戦神を侮辱した罰を与えてやろうではないか。
(しかし、回復する時いつも思うのだが……)
ARMSは服までは回復してくれない。
ズボンや下着までハヤテに破かれてしまった。
今の状態で、人間の姿に戻ればセクハラ間違いなし。
(支給品は一応身に着けるものではあるが……)
それは服でもなければズボンでもない。
大事なところを全く隠してくれない支給品。
(滑稽だな)
そう言えば、支給品に関してもう一つの事を思い出す。
説明書には、戦神の力を得るための装飾品と書いてあった。
「あり得ない話だ」
自身を神と形容するシルバーでさえ、神とは存在しないモノと言う認識がある。
こんな支給品を渡すなど、あの女は何を考えているのか。
力はブリューナクの槍で十分。自分がこれを使う事はないだろう。
何とか診療所へ避難する事が出来た。
あの白人が半身を失っても動けた事は驚いたが、ここまで来れば安心だ。
なにせ、あの状態では這って動くしかない。だから、ここまでは来られないだろう。
しかし、それはそうと体中のあちこちがギシギシと軋む。
動くのさえ辛いが、今はそんな事も言ってられない。
今後の事、ナギの事、考えなければならない事は山ほどある。
さしあたって、今考えるべきことは宮本武蔵の事か。
ハヤテは思う。
自分の不用意な行動が原因で亡くなってしまった老人の事を。
悔やんでも悔やみきれない、なぜ自分はあんな軍人に話しかけてしまったのか。
あんな事さえしなければ、宮本は死ななかったはずではないか。
悲しんでも悲しみきれない、自分を助けてくれた老人が目の前で消滅してしまった。
ハヤテの目から涙が流れる。
分かっている、これは悲しみの涙だ。
「泣いてたって仕方ねーぜ」
突然投げかけられる言葉は無慈悲な正論。
ハヤテにだって分かっている、生き残った者のすべき事は泣く事ではない。
だが、すぐに割り切れるものではない。
「宮本さんが死んだのは僕のせいなんですよ!」
「だったら、お前が悲しめばジジィは生き返るってのか?」
それは違う。やはり、自分のなす事は悲しむ事ではない。
よく見ると、乱馬の瞳にも涙があった。
悲しいのは乱馬も同じなんだ。そう思うと、ハヤテは泣いてばかりいられないと思えてくる。
けれど、ハヤテの涙が止まる事はなかった。
「とりあえず、おめぇはそのベッドで横になっときな。俺が湿布でも探してきてやるよ」
乱馬の言葉に従い、ハヤテは診療所のベッドに横たわる。
その枕はすぐに涙でにじんできた。
フォルゴレの目に映るのはこの世のものとは思えない地獄絵図。
魔物の子の戦いだって、ここまで凄惨なものにはならない。
「想像以上に酷い事になってるな」
「へっ、上等じゃねぇか」
御神苗と犬夜叉は臆することなく、氷川村へと歩を進める。
けれど、フォルゴレは中々同意しきれない。率直に言って怖いのだ。
「おい、行くぞ」
犬夜叉の声が聞こえるが、フォルゴレは動けない。
「震えてんのか? 心配すんなって、俺が守ってやるからよ」
「み、見くびってもらっては困るな……私はイタリアの英雄パルコ・フォルゴレだ」
強がっていても、震える体は止まらない。
フォルゴレは分かっているのだ。今、氷川村に向かえば戦闘は免れない。
「怖いなら、残ってても構わないんだぜ」
御神苗が言う。彼なりに心配してくれているんだろう。
氷川村へ進めば激戦は避けられない。
腕に覚えがある二人はともかく、フォルゴレは足手まといでしかないかも知れない。
けれど、だからと言ってフォルゴレはどこへ向かえばいいのだろう。
残ると言っても、安全な場所などありはしない。
それにだ。
自分は、キャンチョメと共に魔物の王を決める戦いに参加している。
逃げる事は、キャンチョメにも、清麿にも教わっていない。
「怖くなどない。私は不死身の男パルコ・フォルゴレだ」
深呼吸をし、震える体を力で押さえつけながら、フォルゴレは氷川村へと進む。
武蔵が死んじまった。
八宝斎と面影重なるジジィなだけに、心のどこかで武蔵は大丈夫と思ってたのだろう。
明らかに油断だった、自分がしっかりしていれば武蔵を守ることが出来たはずだ。
酒樽につめて、ダイナマイトと一緒に山に生き埋めにしても死なない八宝斎と武蔵は同じに出来ない。
それは分かってたはずだ。
乱馬の目に涙があふれてくる。
泣くな。泣いたところで、解決する問題ではない。
俺たち武道家のやる事は泣く事じゃないだろ。
(乱馬よ、古来より妖怪退治は武道家の務め)
不意に父玄馬の言葉が思い出される。
そうだ、アイツを許しておいては武道家の名が廃る。
何より、このままでは第二・第三の武蔵を生み出しかねない。
その中にはあかねも含まれているかも知れないのだ。
「やっぱ、アイツとはもう一度闘う事になりそうだな」
自分のため、武蔵のため、あかねのため。
あの男は確実に倒す。乱馬は決意を新たにした。
「さて、それはそうと湿布はどこだ?」
この部屋に来たのは、ハヤテのための湿布を探すためだ。
それに、武蔵の遺言で医療道具も探さなければならない。
そう思って、辺りを探してみるが……
何一つ見つからない。
置いてあるものは、一般の家庭にも普通にある当たり前の家具ばかり。
机、椅子、ベッド、タンス、カーテンなどなど。
医療器具として使えそうなものは一つも置いていない。
「湿布もねぇのか。ま、アイツはほっときゃ治るだろ」
そもそも、自分の使った技の反動なんだから、時間が経てばケロッと治るはずだ。
そう思って、乱馬はハヤテの寝る部屋へと戻る。
早乙女乱馬に会う。
新たな目的を手に入れ、東、蘭、良牙の三人は沖木診療所へと向かう。
しかし、沖木診療所と言えば、家を吹き飛ばすビームの発生した方角でもあるのだ。
「怖いわね……」
「大丈夫じゃ。使いたくはないが、銃もある事じゃしな」
決して使わないだろうと思っていたサブマシンガンを片手に東は蘭の前に立って進む。
暫くして、目的の沖木診療所が見えてきた。
診療所の隣には、二台分のスペースの駐車場と小さな庭がある。
そして、目の前にはデコボコしたアスファルトと、それを挟んで一軒の家。
診療所の近くには、他に何も見当たらなかった。
「どうやら、ビームの主はおらんようじゃな」
そうは言っても安心できない。
この付近に、先ほどの騒動を引き起こした張本人がいる事に違いはないのだから。
東は慎重に診療所へと足を進める。
診療所の中には、待合室と受付。
そして、奥にはいくつかのドアがあり、そこは診察室へと続いているようだった。
そして、東が診察室のドアを開けてみると、一人の少年がベッドに横たわっていた。
「誰ですか?」
診察室に突然の侵入者。
彼らは見た目、自分と同じ年代の男女だが、男の方がサブマシンガンを抱えている。
「おぉ、スマンかった」
ハヤテが警戒心をむき出しにして男を見つめていると、彼はサブマシンガンをデイパックにしまい込んだ。
「突然来てスイマセン。私は毛利蘭、彼は東和馬と言います。あなたが早乙女乱馬君ですか?」
侵入者たちが話しかけてくる言葉は極めて常識的なものだった。
当初持っていたサブマシンガンも、今はデイパックの中に片付けられている。
恐らく、サブマシンガンは護身のために持っていただけだろう。
ハヤテはそう判断して、彼女の言葉に答える。
「いいえ、僕は綾崎ハヤテです。乱馬さんなら、もうすぐ戻ってくると思いますよ」
と、言った側から乱馬が戻ってきた。
「なーんでぇ、随分人が増えたじゃねぇか」
ちなみに、乱馬は一通り診療所全体を見て回ったようだが、結局医薬品の類は一つも見つからなかったそうだ。
俺の目の前に同年代の人間が四人集まった。
乱馬も目の前にいる。
後は、乱馬にお湯の事を説明させ、お湯を作れば男に戻れる。
「アナタが早乙女乱馬君? 私は毛利蘭といいます。そして……」
蘭さんの手が震えながら俺を抱き上げる。
「この豚が……良牙君です」
震える彼女の両手からは、子豚に変身させたという後悔の念が伝わってくる。
だが、心配ない。乱馬が変身体質の事を説明すれば、俺は男に戻れるんだ。
「知ってるよ、Pちゃんだろ」
バンダナを掴みながら、ひょいと乱馬が俺を持ち上げた。
「良牙、てめぇ、豚になって運んでもらったのか?
ま、方向音痴のお前にはその方が良かったかもな」
いきなりの憎まれ口。乱馬はこんな奴だ。男に戻ったら、一発殴ってやろう。
それに、そんな事よりも今は、早く変身体質の事を説明してくれ。
「乱馬君は良牙君が子豚になっても驚かないの?」
「あぁ、いつもの事だからな」
「え? いつもの事って……」
驚く蘭さんと東に、乱馬が変身体質の事を説明する。
呪泉郷の水の事、水を掛けると変身する事、お湯をかぶると元に戻る事、必要な事は全て説明した。
「新一でも推理できないわね……」
「変身体質って、一体どんな物食べたらそんなリアクション取れるんじゃ……」
「どこのメルヘンですか、それは……」
蘭さん、東、綾崎は三人とも信じられないといった表情だ。
そりゃそうだろう、呪泉郷の事を知っていても、実際にその泉に溺れても、信じたくないのが変身体質だ。
「少し驚いたけど、とにかく、良牙君はお湯さえあれば元に戻るのね? だったら今すぐお湯を沸かそうよ」
そうだ、今すぐ沸かしてくれ。
「でも、沸かそうにも道具がないですよ」
な、何だと!!
「そうじゃなぁ……」
ここまで来て、俺は男に戻れないのか。
こんな事では、あかねさんを助けられないじゃないか。
このままだと……
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「良牙君ったら酷いのよ。全く助けてくれなかったわ」
「ぶひ、ピギィー」
「何よPちゃんだって、役に立たないじゃない」
「あかね、無事か?」
「乱馬、怖かった」
「俺が来たからにはもう大丈夫だ」
「ありがとう乱馬。大好き!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
って事になってしまうではないか。許さんぞ乱馬!
「ブヒッ、フー、ピギー」
「おいおい良牙、何怒ってんだ?」
何があっても、乱馬より先にあかねさんを助けるんだ。
「落ち着くんじゃ良牙。とりあえず、全員の支給品を確認すれば、何か方法が見つかるかも知れんじゃろ?」
そうか。頼むぜ、お前ら。これ以上乱馬にいい格好はさせられん。
って、まだコイツもいい格好してないか?
「右側に一人、左側に……四人か? なんか、小動物の匂いが混じってるな」
「その四人と小動物は一緒にいるのか?」
「あぁ、そうだな」
犬夜叉の嗅覚を頼りに、俺たちは氷川村まで進んできた。
こいつの言葉を信じれば、氷川村には二つのグループが存在するらしい。
ゲームの性質を考えれば、4人(+1匹?)のグループに合流した方がいいだろうな。
「よし、犬夜叉。俺たちをその四人の所まで案内してくれ。
フォルゴレはショットガンを構えるんだ。いつでも闘えるようにな」
俺自身もジャバウォックの爪を装備して準備を整える。
隣では、フォルゴレが息を荒くしてショットガンを抱えていた。
しかし、フォルゴレか……
正直な事を言うと、俺はコイツの扱いに困っている。
犬夜叉はともかく、フォルゴレは明らかに非戦闘要員だ。
安全な場所があるなら、そこに隠れていてもらいたい。
だが、冷静に考えてみればこの島で安全な場所などどこにあるのだろう。
仮にあったとしても、俺には分からない。
こうなったら、俺と犬夜叉で守るしかないな。
「おい、さっき言った四人はこの家にいるらしいぜ」
犬夜叉が指差したのは診療所。地図によると、ここは沖木診療所だろう。
四人は医薬品を求めてやってきたのだろうか。
だとすると、結構頭の切れる奴がいるみたいだな。
「犬夜叉、フォルゴレ、慎重に入るぜ」
「じゃ、みんなの持ち物を確認するわね。良牙君の支給品が移動用のアイテム。
これは、お湯を沸かすのには使えないわ」
「良牙にこんなん渡しても、豚に真珠じゃねーか。
あかねさーん、とか言って海の上を飛んでる姿が目に浮かぶぜ」
そこまで方向音痴なんですか? 伊澄さんを思い出しますね。
「だから良牙君はこの支給品を使わなかったんじゃない?
で、それはおいといて、乱馬君の支給品はと……これ、コナン君の靴じゃない!」
乱馬さんが出した支給品は子供用の小さい靴。
あれはお嬢さまも履けないだろうな。
「説明書にはキック力増強シューズって書いてあるぜ。
電気と磁力で足のつぼを刺激して筋力を極限まで高めるアイテムみたいだな」
「なんで、あの子がそんな物持ってるわけ?」
「俺に聞かれても知らねーよ、この位のガキだと何でも遊び道具にするんじゃねーか?」
「う〜ん。仮面ヤイバーごっことかで使ってたのかな?
ま、これもお湯は沸かせないと」
「俺の支給品は、このマシンガンじゃ。これもお湯を沸かすには使えんのう」
慣れない手つきで東さんがマシンガンを取り出す。
なんだか不安になりますね。僕なら、あれの使い方ぐらい熟知してるんですけど。
で、次は僕の番ですか。
「僕の支給品はジュラルミンケースと中に詰まったお金です。
火種があれば、燃やす事ぐらい出来るわけですが、これだけだと無理ですよね」
「残ったのは私の支給品だけど、これは炎の映像を出す支給品で炎そのものは出ないのよね」
「微妙に惜しい支給品じゃな」
診察室の床には各々の支給品が並べられている。
どれをとっても、キチンとした目的にあわせれば役立つ物ばかりだ。
けれど、今回の目的はお湯を沸かすというもの。
その目的に沿ってみた場合、残念ながら全て使えない。
蘭さんの支給品だけはとても惜しいのだけれど。
「これじゃ、お湯は沸かせねーか……良牙には頼みたい事があるってのに」
良牙さんに頼みたい事って?
それが何なのか分かりませんが、三千院家の執事として、ここは僕の能力を見せるところですね。
後一歩で何か思い浮かびそうなんですよ。
「うーん、どうしようもないのかしら」
「まぁ、俺の友達の諏訪原に会えれば木を擦って火を起してくれるぞ。そんなに焦らんでいいんじゃないか?」
「ぶひ!?」
東さんの言葉とは違い、明らかに良牙さんは焦っている。
気持ちは分かるので、ちゃんと考えてますよ。
「他にも、この診療所にある物をかき集めてみませんか? 火を付けられる何かがあるかもしれませんよ」
僕の提案により、皆が集めてきてくれたのはどれもこれも普通の家庭で見かける物ばかり。
トイレットペーパー、ティッシュペーパー、タオル、ハンカチ、台所用洗剤。
お風呂用洗剤、石鹸、たわし、スチールウール、皿、コップ、スプーン etc
けれど、これらを見て僕は閃きました。
これなら、火を作る事が出来ます。
「乱馬さん、この時計を壊していただけませんか? 中の電池を取り出したいんです」
僕が乱馬さんに渡したのは全参加者に渡されている時計。
時計の中には小さなボタン電池が入っているはずだ。
乱馬さんは時計を壊し、中から電池を取り出す。
僕はそれを受け取ると、電池の両極にスチールウールを当ててショートさせる。
さらに、赤熱したスチールウールにトイレットペーパーを付けると、勢いよく燃え出した。
「凄いわハヤテ君」
「やるのぉ」
どうですか、これが三千院家執事の実力です。
コンコンッ
と、今からお湯を沸かそうというときに、誰かがドアをノックしました。
ここには全員揃ってるはずですので、また新しい人が来たのでしょう。
あの白人男性じゃなきゃいいんですが……
「はい、どなたですか?」
蘭さんが、ドアを開けるとそこには三人の男性がいた。
一人は僕と同じ年ぐらいの男の子。
一人はやはり、同じ年ぐらいの男なんですが、和服姿なのが印象的ですね。
最後の一人は、若干年齢が高めの白人です。結構格好いいですね……
って、ショットガン握ってますよこの人!
「フォルゴレ、銃はしまってくれ。俺たちは戦いに来たわけじゃない」
先頭になっている男の子が言うと、白人はすぐにそれをデイパックにしまう。
驚かさないでくださいよ。
「突然の来訪ですまない。俺の名は御神苗優。こいつが犬夜叉で、こっちがフォルゴレだ。
俺たちは今、このゲームを壊すための仲間を集めてるんだ」
なるほど、ゲームの破壊と言うのは誰もが考える発想ですね。
「いきなり来てそんな話をされても困ります」
いやいや、蘭さん。アナタだっていきなり来たでしょうに。
「確かに困るかも知れないが、最終的にはアンタだってこのゲームを何とかしたいだろ?」
「そりゃ、そうですけど……」
「蘭さん、ここは彼らの話を聞いてみましょう。ゲームの破壊には僕も興味があります」
お湯を沸かすのが遅れるのは残念ですが、ゲーム破壊と湯沸しだったら前者の方が優先順位が高い。
ここは御神苗さんの話を聞いた方が後々のためになると思います。
「ありがとう。んじゃ、俺たちの方からゲーム破壊に繋がるかも知れない話をさせてもらうぜ」
まずは、ゲームに参加している人物たちの説明。
染井芳乃、ヘンリー・ボーマン、トニー・ベネット、高峰清麿、シェリー・ベルモンド、
日暮かごめ、殺生丸、神楽という名前が出てきた。
彼らのうち信頼できる能力を持つ者は、ヘンリー・ボーマン、高峰清麿、日暮かごめ。
警戒すべき者は、トニー・ベネット、殺生丸、神楽。
特筆すべき能力がないか、または情報が少ないのが、染井芳乃、シェリー・ベルモンド。
となっている。
続いて、このゲーム参加者たちに関する御神苗さんの考察。
彼が考えるには、このゲームの参加者たちは異なる時代から連れてこられた可能性が高いということだ。
その根拠となるのが犬夜叉と言う人物。
御神苗さんは、彼の知識が戦国日本のものであるため、このような仮説を立てたらしい。
しかし、世の中には地下鉄を知らない現代人がいるぐらいだから、正直言ってこの仮説は信じがたい。
それに、厳しい事を言えば御神苗さんの話は全てこのゲーム破壊に直接繋がるものではない。
「情報提供ありがとうございます。ですが、それだけではゲーム破壊はできないのでは?」
「厳しいことを言うね。確かに、俺たちもこれで何とか出来るとは思っちゃいない。
とりあえずは、体に取り憑いた化け物を何とかしてくれる人間を探すところから始めてるんだ。
アンタ達はそういう人間に心当たりはないか?」
この言葉を皮切りに、蘭さん、乱馬さん、東さんと僕の四人が参加者名簿に載っている知人たちを紹介し始めた。
しかし、その中で役立ちそうな能力を持っているのは二人だけと言う結果だ。
やはり、ゲーム破壊と言うのは物凄く難しい事なのだろう。
ちなみに役立ちそうな人間とは、毛利小五郎とピエロ・ボルネーゼ。
毛利小五郎さんは別名『眠りの小五郎』とも言われた名探偵で、数々の事件を解決してきた頭脳の持ち主らしい。
彼の頭脳があれば、このゲームの解明と破壊も出来るだろうという事だ。
ちなみに、毛利小五郎氏は蘭さんの父親らしい。
もう一人、ピエロ・ボルネーゼさんは少し信じられない能力を持っている。
世界レベールのピエロで、ケダムサーカスの団長と言うところまでは常識的なのだが。
150体の分身が可能、100ヶ国語以上を話す事が出来る。
さらに、ヘリコプターから世界最深の洞窟までパラシュート無しで飛び込む事も可能。
おまけに、ドラ●もんのように多くの道具を持ち運ぶ事まで出来るそうです。
この時点で人間辞めてるような気がしますが、彼の凄いところはさらにあります。
「俺のパンと、ピエロのおっ兄ちゃんのリアクションがあれば何でも出来るじゃろうな」
東さんが説明するには、ピエロさんと同格の能力を持つ黒柳さんと言う方が、
かつてパンを食べたりアクションで、過去の歴史を変えたとの事です。
逆転タルトと言う物を食べて、黒柳さんがリアクションを出したら、今までの勝敗が全て逆転したと。
って、言ってて意味が分からなくなりました。
大体、過去の歴史を変えるってどういう事ですか……
僕は咲夜さんみたいにお笑い目指してないので、突っ込みは控えたいのですが……
「信じられない話ばかりね」
「その話が本当だとすると、俺たちは時間を越えて集められたってより、世界を超えて集められたって考えたほうがいいな」
「でも、いくらなんでも、こんな話信じられないわよ」
「確かに信じられないだろうが、今世間に公開されてる科学なんて氷山の一角に過ぎねぇ。
全ての科学力を導入すれば、これぐらい出来るかも知れねぇぜ」
どこのSFですか!
「そんな嘘言わないでよ」
「嘘じゃない、証拠に毛利にも信じられる話をしてやるよ」
そう言って御神苗さんは乱馬さんの方を見つめる。
「なぁ、早乙女。お前、眠りの小五郎って探偵知ってるか?」
「知らねぇな」
「綾崎と東は?」
「知らん」 「知りません」
「俺も知らねぇ。数々の難事件を解決してきてTVにも出演経験がある有名な探偵を知らないなんておかしいだろ?」
「確かにそうだけど……」
「いいか? 俺たちがここに集められて、変な化け物が体に取り憑いた時点で既におかしな事が起こってるんだ。
常識に囚われて物事を考えていたら、本質を見失うぜ」
説得力が有るような無いような……
お嬢さま、僕はどうしたら良いのか分からなくなってきました。
「まぁ、ともかく、今はゲーム破壊に役立つ人材を集める所から始めるべきだ。
あんた達にも、このトランシーバーを渡しておく。何かあったら連絡してくれ」
「これ、コナン君のバッジじゃない!」
またコナン君ですか。
「トランシーバー機能が内蔵されたバッジらしい。連絡を取り合うには便利だろ?」
「なんであの子がこんな物持ってるわけ?」
「だから、その年頃のガキは何でも遊び道具にするんだろ」
どうやら、この短い時間に蘭さんのコナン君に対する印象はガラッと変わったようだ。
コナン君、隠し事は良くないよ。
「後はトランシーバーで連絡を取り合おうぜ。俺たちは他の人材を探すから、それじゃな」
御神苗さん達が去っていきます。
正直、彼がもたらした情報は驚きの一言でした。
まぁ、ビーム出す化け物がいる時点でこの島が普通じゃない事ぐらい気付いてましたけど。
「ちょっと、待つんじゃ」
え? まだ、何かあるんですか。
「今から俺たちは、この子豚のためにお湯を沸かすんじゃ。それだけ見て行ってくれんかのう」
「いいけど、なんでだよ?」
「アンタの仮説じゃと、俺たちは違う世界から集められた可能性があるって事じゃろ?
この豚、響良牙はその証拠になるかも知れん男じゃ」
「どういうことだ?」
「良牙は、水をかぶると豚に、お湯をかぶると人間になる変身体質を持ってるそうじゃ。
俺も美味い物食って変身する人間なら見たことはあるのじゃが、水で変身する奴は知らん」
「なるほど、そいつが本当に変身すれば、俺の仮説が裏付けられるって訳か」
「そういう事じゃ」
それだけ言うと、全員でお湯を沸かす準備を開始する。
大き目の皿に、椅子を壊して作った木材を並べる。
さらに、その上に水を入れた丼を乗せる。これで、簡易湯沸かし器の完成です。
しかし、今からお湯を沸かそうというところで、また別の話が来ました。
「なぁ、御神苗。1人だけの奴が動き始めたぜ」
「何だと、犬夜叉、そいつはどこにいるんだ?」
「匂いはあっちの方からしてくるな」
犬夜叉さんが、北東の方を指差していますが、僕達には何の事かサッパリ分かりません。
「すいません、何の事か説明してもらえますか?」
「あぁ、スマン。この犬夜叉は鼻が利くんで人のいる大体の場所が分かるんだが、
それによると、向こうの方角に誰かがいるらしい」
指し示された方角は、ビームを出す使●がいた所。
どうやら、犬夜叉さんは本当に匂いで人の位置が分かるらしい。
犬だけに、犬並みの嗅覚なんですか……
もう、僕はどう突っ込んで良いのか分からなくなってきましたよ。
「多分、武蔵を殺した野郎だな」
間違いなくそうでしょうね、悲しい記憶が蘇ってきます。
「おい、早乙女。殺したってどういう事だ」
「あぁ、実は……」
乱馬さんと僕の二人で、ビーム男の事を説明する。
この付近に出ていた、家を吹き飛ばす光や、光によって消し飛ばされた宮本武蔵さんの事。
全てを説明した。
「そんな危険な奴がいるってのか……そいつはゲーム破壊には役立たないだろうな」
「当然ですよ、物凄く好戦的な人で話しさえまともに出来ません」
「とにかく、そんな奴がおるんじゃったら、早く安全なところに逃げた方が良いじゃろうな」
「賛成ですね。犬夜叉さんの嗅覚を頼りに、彼に遭遇しないよう逃げましょう」
「その事なんだが……」
乱馬さんが、会話をさえぎる。
「言うのが遅れたが、逃げるのはお前たちだけで逃げてくれないか。
俺と良牙の二人はアイツと闘う」
「無茶ですよ、勝ち目なんか無かったじゃないですか」
「良牙が来なかったら、そうかもな。でも、俺と良牙が組めば天下無敵だ。
武蔵の仇は必ず取ってやるぜ」
「何言ってるのよ、相手はビームまで撃つ化け物なんでしょ」
「だが、まるっきり勝ち目がない訳じゃねぇ」
「大体、そんな危険な事に良牙君を巻き込むなら、お湯なんか沸かさないわよ」
「良牙、アイツを放って置くと、あかねにも危険が及ぶかも知れねぇ。
お前の力が借りたいんだ、頼む。俺一人じゃ勝てねぇ」
「ブヒ?」
「勝手な事ばかり言わないでよ。大体、仇討ちなんて人殺しと同じじゃない」
「殺すつもりはねーよ。だが、やられっぱなしで済ます訳にゃいかねーんだ」
恐らく、乱馬さんは宮本さんが死んだ事を自分のせいだと思っている。
今になって気付いた事だが、彼が死んで一番悲しんでいるのは乱馬さんなんだ。
乱馬さんにとって、宮本さんはこの島で知り合った最初の友人なんだろう。
だから、仇をとると言う気持ちも理解できる。
「俺は早乙女の気持ちが理解できるぜ。仇討はともかくとして、そんな危険人物は放って置けないな」
「そんな、御神苗君、何言ってるのよ」
「俺も早乙女に賛成だな」
「犬夜叉君まで……」
「いいか毛利。そんな奴を野放しにしてたら、無力な人間が次々に殺されちまう。
その武蔵って男みたいにな。危険な事かも知れねぇが、誰かがやらなきゃ駄目なんだ」
「どんな理屈を並べても、人を傷つけるんでしょ。そんなのおかしいわよ」
「殺す訳じゃないんだから、いいだろ。それとも、お前は危険人物を放置していても大丈夫だってのか」
「そう言う訳じゃないけど……」
なんか、空気が悪くなってきた。
双方の言い分が理解できるだけに、なんとも言い難い。
「と、とにかく。良牙さんを戻しましょう」
別の話題を振って、雰囲気を入れ替えなければ。
簡易湯沸かし器に火をつけて、お湯を作る。
「良牙さんが恥ずかしがるでしょうから、女の人は外してください」
無理矢理に、蘭さんをこの部屋から追い出す。
乱馬さん、御神苗さんと一緒にしていたら、彼女の精神が崩壊しそうだからだ。
ちなみに、良牙さんの服は彼女が持っていたので、それは僕が代わりに預かる事にした。
「ありがとう、綾崎。じゃぁ、毛利の手前で出来なかった話をするぜ。そのビーム男と闘う作戦だ」
「作戦って、おめぇ何勝手に仕切ってんだよ」
「相手は家をなぎ払う危険生物だぞ、仇討ちより確実に倒す方が優先だ」
危険生物? そうですね、あれは生き物ではあっても人間じゃありませんでした。
「良牙と組めば確実だって言ってるだろ。武蔵の事も知らねぇお前にでかい面されたくねーな」
「そうか……なら、早乙女に任せる。だが、危なくなったら手出しさせてもらうぜ」
あの白人男性は最初、人間だった。
いや、正確に言うと人間のように見えた。
乱馬さんや、御神苗さんは彼を殺さない、と言っているけれど本当にそれは正しいのだろうか。
相手が人間である場合、殺しは殺人として法律で裁かれます。
いえ、法律以前に倫理や道徳の問題で許されていません。
けれど、彼は既に人間じゃないように思えます。この場合、僕はどうしたら言いのでしょうか……
乱馬さんに断られた御神苗さんは今、フォルゴレさんと話しています。
理性的に考えれば、彼が一番正しい事と理解できるんです。
彼は仇討ちではなく、人間に害する危険生物駆除と言う観点で相手を見ています。
事実、あの生物は宮本さんを殺しました。
通常の人間倫理に照らし合わせれば、あの生物は駆除されるべきなんです。
でも、だからって僕は、僕は……
「綾崎、お湯が沸いたぞ」
「東さん……」
「色々考える事はあるじゃろうが、今は良牙を戻すのが先じゃ」
「そうですね……」
沸いたお湯を子豚にかけると、彼は見る見る大きくなり、バンダナ姿の少年へと姿を変えていく。
「良牙も元に戻ったし、後はあの男を倒すだけだな」
目の前で子豚から人間へと変化する男を見て、俺は自分の仮説の正しさを確信した。
そして、これは同時にこの島が如何に危険であるかを示すものでもある。
この島には、複数の世界からヤバイ生き物たちが集められている。
人間を殺す事をどうとも思わない彼らが集まる事により、殺し合いが促進され、
あの女の目論むゲームが成立するって訳だ。
だが、本当のヤバさは実は他のところにある。
それは参加している人間たちの倫理観崩壊だ。
さっき毛利と話していたとき、俺は彼女の考えに感動しちまった。
『どんな理屈を並べても、人を傷つけるんでしょ。そんなのおかしいわよ』
こんな事、生半可な覚悟で言えるもんじゃねぇ。流石は名探偵の娘って訳だ。
だが、誰も彼もが毛利のように言える訳じゃない。
それどころか大半の人間は、人を殺した人間以外の生き物なら、殺しても構わないと考えるだろう。
全く、厄介なゲームだぜ。
それに正直な話、俺自身、まっとうな人間を守るためなら少々の殺しも仕方ないって思っている。
こんな事じゃ駄目なんだろうけどな。
ま、考えてたってしょーがねぇ。
今はここにいる連中を死なさない事が大事だ。
まずは、早乙女とビーム男の対決だが、この戦いでも、無駄に犠牲を出すわけには行かない。
「早乙女、お前がその男と闘う事はもう止めねぇ。だが、闘う時、俺と犬夜叉が側にいてもいいだろ?
万が一、お前たちが負けたときに、俺達が代わりに闘う」
「分かった、その代わり手出しするんじゃねぇぞ」
早乙女が人間に戻った響に声を掛ける。
「おい、良牙。聞いてただろ、手を貸せ!」
「断る」
「な、おい。聞いてなかったのかよ、あかねだって危ないかも知れないんだぞ」
「分かってるさ。だがな乱馬、俺はあかねさんだけじゃなく、蘭さんも泣かせる訳には行かないんだ」
「この豚野郎、惚れっぽい男だなお前は! あかりちゃんはどうした?」
「何とでも言え。とにかく俺は蘭さんを守るんだ」
響は、診察室を出ようとする。そして、ドアの前で立ち止まり、綾崎の方を向きなおす。
「綾崎、お湯ありがとうな。おかげで男に戻れたぜ。
お礼に俺の支給品をやるよ、それがあれば全身筋肉痛のお前でも動けるはずだ」
その言葉を最後に、響が部屋を出た。
早乙女にどんな考えがあったかは知らないが、これで早乙女の作戦は潰れたわけだ。
「早乙女、ビーム男との戦闘は俺と犬夜叉とお前の三人でやる。もう、文句ねぇよな」
「あぁ、仕方ねぇ」
本当のことを言えば、早乙女にだって戦わせたくない。
こいつはどう見ても、ただの高校生だ。ビームを撃つ化け物との戦いに耐えられるとは思えない。
だから、戦闘力のある者だけで闘いたい。
だが、今さらそんな事も言えなくなってきた。
とにかく今は、生き残る事を優先して作戦を立てよう。
それに、さっきフォルゴレに伝えた戦術もある。絶対にこいつ等を死なせはしない。
規制?
俺は考えている作戦を全員に説明する。
「いいか、俺たちはこれからビーム男をこの診療所の目の前に誘き寄せる」
「どうやってじゃ」
「狼煙を上げるんだ、診療所の駐車場で上げれば奴は来るだろう。
そして、その間非戦闘要員の東、綾崎、フォルゴレの三人は診療所向かいの家に隠れてるんだ。
後は俺たち三人が目標を倒す」
そうして、俺たちは二手に分かれて作戦を実行する。
俺、犬夜叉、早乙女の三人が診療所の駐車場に位置し、綾崎、フォルゴレ、東の三人が診療所向かいの家に隠れる。
その上で、ビーム男を誘き寄せるために駐車場で火を起す。
ちなみに、この作戦。早乙女には秘密にしているが、やはり俺はコイツを戦わせるつもりがない。
だから、ショットガンを持っているフォルゴレに狙撃してもらうようお願いしている。
早乙女は恨むだろうが、命には代えられないって訳だ。
時刻は正午間近。
ビーム男を呼び寄せるために、火を起す。
作戦開始だ。
御神苗さんの指示で、僕と東さん、フォルゴレさんの三人は診療所から向かいの家へと移動しました。
成り行きでこんな事に巻き込まれてしまいましたが、僕はまだ悩んでいます。
「綾崎、まだ悩んどるんか?」
「えぇ、蘭さんが言ったように、今からやる事はただの暴力ですよ。でも、僕はその暴力を否定しきれないんです」
「その悩みはみんな思ってる事じゃよ。じゃがな、俺はそれを解決する方法を思いついたんじゃ」
「え? 本当ですか、東さん」
「このゲームそのものを破壊するジャぱんを作ればいいんじゃ」
えーっと?? ジャぱんって……
「小麦粉も手に入らんこの状況だと厳しいかも知れん。じゃが、何の犠牲も出さずに俺たちが助かる方法は他にないんじゃ」
「リアクションの話ですか? そんな事本気で言ってるんですか!」
「本気じゃ。綾崎は信じられんかも知れんが、俺のパンが起すリアクションは本物なんじゃ」
「でも、そんなもので……」
「お前も見たじゃろう、良牙が豚から人間になる姿を。綾崎の常識では考えられん現象が実際に起こるんじゃよ」
確かに東さんの言うとおりだ。
僕のいた世界だと、変身する人間も、ビームを撃つ化け物も、何一つ考えられなかった。
この島では、常識の全てが崩壊しているといっていい。
だとすれば……
「こんにちは皆さん。12時になりましたので最初の放送に入ります」
っと、色々考えている途中に正午になったようです。
「まずは死亡者です。宮本武蔵、江戸川コナン……」
宮本さん、本当に死んでしまったんですね。
コナン君も死んでしまったんですか。蘭さんが追い詰められなければいいんですが……
「諏訪原戒、ピエロ・ボルネーゼ、河内恭介……」
「う、嘘じゃろ……」
そういえば、この三人は東さんの知り合いでしたね。
これがゲームの残酷さですか。
「三千院ナギ……」
え……三千院ナギ? お嬢さま? 嘘ですよね?
僕は信じませんよ。だって、今でもお嬢さまとの想い出は鮮明に覚えてるんですから。
───僕は君が欲しいんだ!
クリスマスの日、営利誘拐が切欠で知り合った僕とお嬢さま。
───この家で、私の執事をやらないか?
帰る家をなくした僕に、仕事と寝る場所をくれたお嬢さま。
そのお嬢さまが死んだ? 僕の大切な人が死んだ?
「僕は、僕は信じませんよ。そんな話、ある訳ないじゃないですか」
「おい、ハヤテ大丈夫か?」
「僕は大丈夫ですよ、フォルゴレさん。だって、お嬢さまが死ぬ訳ないじゃないですか」
目の前が真っ暗になったみたいだ。
死んだ? お嬢さまが死んだ。 ハハッ、僕はこれからどうしたらいいんですか。
「ハヤテ、君の大事な人が亡くなったんだな。辛い気持ちは私にもよく分かる。だが、まずは落ち着くんだ」
「分かる? あなたに何が分かるって言うんですか! 清麿さんはまだ生きてるじゃないですか!」
僕は強引にフォルゴレさんのショットガンを奪い取る。
そして、それを自分の米神に当てる。だって、お嬢さまが死んだなんて信じられないんですから。
「これは夢ですよ。引き金を引いたら、僕はいつも通り三千院家のベッドで目を覚ますんです」
「止めるんじゃ綾崎。大切な人を亡くして、辛い気持ちは俺も分かる。俺だって友達を三人も亡くしたんじゃ。
じゃが、言ったじゃろう。パンさえ作れば、全てが解決できるんじゃと。だから、落ち着くんじゃ」
パンを作れば解決できる? そのパンはドラゴ●ボールだとでも言うつもりですか。
ハハッ、それもいいですね。
「なら東さん。僕と一緒に来てくれませんか、パン作りとお嬢さまの仇討ちです」
「言っとる事が支離滅裂じゃな……パンさえあれば仇討ちなんて必要ないじゃろうが」
「それじゃ、僕の気持ちが収まらないんですよ! アナタは黙ってついてくれば良いんですよ!」
「それとフォルゴレさん、このショットガンは頂いていきます」
「ショットガンはいいが、まずは落ち着くんだハヤテ」
『ズドンッ!』
「僕のどこが落ち着いてないって言うんですか! それと、東さんは、さっさとこれに乗ってください」
東さんを乗せるのは、良牙さんがくれた支給品『青き稲妻』。いわゆる空飛ぶホウキです。
僕は東さんと二人でこれに乗って、お嬢さまを殺した奴を……殺しに行きます!
「んじゃ、フォルゴレさん。運がよければまた会いましょう」
行ってしまった。
私がついていながら、なんと言う失態だ。こんな事でイタリアの英雄と呼べるのか。
いいや、呼べない。
英雄なら、混乱した少年を止めるべきだ。
私はパン作りも、仇討ちも否定するつもりはないが、正気を失ったハヤテは何をするか分からない。
まずは彼を止めて、落ち着かせなければいけない。
追わねば。
「おい、フォルゴレ! 今の銃声は何だ?」
追うと決意した私の前に、乱馬が来る。ちょうど良い。
「ハヤテがホウキに乗って逃げた。今の彼は何をするか分からん、一緒に追ってくれ乱馬」
ホウキで逃げたハヤテに、私たちが追いつけるかどうかは分からん。
だが、今の私には他に思いつく手段などないのだ。
些細な意見の違いから、仲たがいした俺たち。
半ば強引に蘭さんを連れ出し、二人でここまでやってきた。
「ねぇ、良牙君。乱馬君の事とか放って置いていいの?」
「あんな乱暴な奴、どうなっても構いませんよ蘭さん」
「友達じゃないの? お湯だって作ってもらったのに」
「お湯の代わりにホウキをあげたでしょうが」
「そりゃ、そうだけど……」
蘭さんは、アイツらが心配なようだが、俺は心配してない。
乱馬がそう簡単にくたばる筈ないからだ。
それよりも、気になるのは今のこのシチュエーション。
邪魔者のいない場所で、華の女子高生と二人きり。
暗く長い青春のトンネルを、今やっと抜け出た気分だぜ。
あかりさん、あかねさん。この響良牙、君たちへの気持ちを忘れたわけじゃない。
だが、蘭さんは俺の恩人なんだ。
豚だった時の俺を抱え、危険な氷川村まで俺のために入ってくれたんだ。
彼女のぬくもりを、俺は決して忘れないだろう。
だから今は、彼女の側にいさせてくれ。
「こんにちは皆さん。12時になりましたので最初の放送に入ります」
おっ、もうこんな時間か。
「まずは死亡者です」
ま、あいつ等が死ぬ事はないだろうな。
「宮本武蔵、江戸川コナン、諏訪原戒、ピエロ・ボルネーゼ、
河内恭介、三千院ナギ、虎水ギンタ、スノウ、ドロシー。以上9名になります」
ほらな。だから大丈夫だって言ったろ。ね、蘭さん?
「こ、コナン……コナン君? コナン君なの」
コナン君? って誰だっけ?
そうだ、乱馬の支給品の持ち主だ。
確か、蘭さんの家に居候してるって言う……
「コナン君、どうして……まだあの子は小学生なのよ! どうして、コナン君が死ななきゃいけないのよ」
「蘭さん、辛い時は泣いてくれ。俺の胸ならいつでも貸す」
「良牙君……」
蘭さんの体は思った以上に、華奢で頼りない。
こんな彼女を泣かせた奴は誰だ。俺はそいつを絶対に許さねぇ!
御神苗の野郎が、ビーム男を呼び寄せるための火をつける。
俺はこいつの考えがイマイチ掴めないが、これまでの話から見て、早乙女に戦わせるつもりはなさそうだな。
素手の早乙女より、小刀を持った自分の方が強いって事か。
ま、俺から見りゃどっちも弱いんだけどな。
ビーム男は、相変わらず北の方をぶらぶら動いてやがるな。
早乙女達の話から考えれば、復讐のために早乙女と綾崎を探してるってとこか。
「こんにちは皆さん。12時になりましたので最初の放送に入ります。まずは死亡者です」
おっ。もう、そんな刻限か。
かごめが死んでなきゃいいんだけどな。
「宮本武蔵、江戸川コナン、諏訪原戒、ピエロ・ボルネーゼ、
河内恭介、三千院ナギ、虎水ギンタ、スノウ、ドロシー。以上9名になります」
かごめはまだ無事か。
殺生丸も生きてやがるのは気に食わねぇが、そう簡単に死ぬような奴じゃねぇからな。
「ピエロ・ボルネーゼは死んだのか……」
御神苗が何か考えてやがる。
ゲーム破壊のために必要な人材とか言ってたな。
心配すんなって、鉄砕牙さえ戻れば俺一人でもあの女を蹴散らしてやるからよ。
『ズドンッ!』
なんだ、この音は?
「ショットガンか! フォルゴレ達に何かあったのか。早乙女、頼む。あいつらの様子を見に行ってくれ」
「何で俺が」
「いいから行くんだよ」
「わ、分かったよ……」
早乙女をフォルゴレ達の方に向かわせたって事は、やっぱコイツ自分がビーム男と闘うつもりなんだな。
ま、弱い奴はいない方が俺も都合良いしな。
「御神苗、ビーム男がこっちに来るぜ」
「そうか……何だかんだで、残ったのは二人だけになっちまったな。ライカンスロープの力、期待してるぜ」
「その、らいかんなんとかって言い方止めろよな」
「すまねぇ、半妖だっけか?」
「犬夜叉だ」
早乙女、フォルゴレ、綾崎、東、響、毛利の匂いはどんどん遠ざかっていく。
代わりにビーム男が煙に誘われてこっちに来やがる。
来やがった。
思ったより、貧弱な体してやがるな。
右手が生えてねぇし、右足も細くてよろめいてる。
こりゃ、簡単に片付きそうだな。
【I-7 沖木島診療所/放送直後】
【御神苗優@スプリガン】
[状態]健康
[装備]ジャバウォックの爪@ARMS
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.ビーム男(キース・シルバー)を倒す。
2.日暮かごめ、高峰清麿、毛利小五郎、妖脾をどうにかできる人物の捜索。
3.ゲームの破壊。
【犬夜叉@犬夜叉】
[状態]健康
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、探偵バッジ×3
[思考]1.ビーム男(キース・シルバー)を倒す。
2.日暮かごめ、鉄砕牙の捜索。
3.白面の打倒。
【キース・シルバー@ARMS】
[状態]右腕消失。右足は不完全だが、歩ける程度に修復完了
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、小竜鬼のヘアバンドと篭手@GS美神極楽大作戦!
[思考]1.高槻涼を探す。
2.高槻涼と戦う。
3.ハヤテ、乱馬への復讐。
4.目の前の二人(犬夜叉と御神苗)にハヤテ、乱馬の居場所を聞く。
【I-5 北側の道路/放送直後】
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]体力消費大(自分では動けない)、深い悲しみ、重度の精神錯乱
[装備]蒼い稲妻@GS美神極楽大作戦!
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、一億円入りジュラルミンケース、ショットガン(残り20発)
[思考]1.疲労が大きく、全身ガタガタでまともに動けないが休むつもりはない。
2.ナギの仇を討つ。
3.東にパンを作らせる。
[備考]ハヤテは支給品の時計を持っていません。
【東和馬@焼きたて!ジャぱん】
[状態]健康、悲しみ
[装備]サブマシンガン
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.錯乱しているハヤテを落ち着かせる。
2.ゲームを無効にするためのパンを作る。
【I-6 道路/放送直後】
【パルコ・フォルゴレ@金色のガッシュ】
[状態]健康
[装備]探偵バッジ@名探偵コナン
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.綾崎ハヤテを落ち着かせる。
2.高峰清麿、妖脾をどうにかできる人物の捜索。
3.ゲームの破壊。
【早乙女乱馬@らんま1/2】
[状態]体力消費少、男
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、キック力増強シューズ@名探偵コナン
[思考]1.フォルゴレと共に綾崎ハヤテを追う。
2.あかねを捜す
3.武蔵の仇を討つ
【H-7 道路/放送直後】
【毛利蘭@名探偵コナン】
[状態]健康、深い悲しみ
[装備]偽火@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、探偵バッジ@名探偵コナン
[思考]1.小五郎、灰原、あかねを探す。
[備考]蘭は偽火の効果を誤解しています。
【響良牙@らんま1/2】
[状態]健康、男
[装備]なし
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.あかねを探す。
2.蘭を守る。
3.コナンの仇を討つ。
初めてなのに、長めのSS書いてスイマセン。
不備があったら指摘してください。
>>826 修正
【I-5 北側の道路/放送直後】
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく!】
[状態]体力消費大(自分では動けない)、深い悲しみ、重度の精神錯乱
[装備]蒼い稲妻@GS美神極楽大作戦!
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)、一億円入りジュラルミンケース、ショットガン(残り20発)
[思考]1.疲労が大きく、全身ガタガタでまともに動けないが休むつもりはない。
2.ナギの仇を討つ。
3.東にパンを作らせる。
[備考]ハヤテは支給品の時計を持っていません。
支給品『蒼い稲妻』は制限により、高く浮かび上がる事が出来ません。
【東和馬@焼きたて!ジャぱん】
[状態]健康、悲しみ
[装備]サブマシンガン
[荷物]荷物一式(食料&水二日分)
[思考]1.錯乱しているハヤテを落ち着かせる。
2.ゲームを無効にするためのパンを作る。
大作乙です
そうですね、少し長いかもしれないですね
次はもっと短くまとめたらいいと思います
内容的には問題ないです
戦闘が楽しみです
>>829 乙です。内容的にはいいと思います。
ただ、指摘はいくつかありますがよろしいですか?
・正直内容を追うのが大変だったので、できればAパート、Bパートと複数に分けた方が読みやすかったと思います。
・登場人物が多いので「誰の視点」、「誰の台詞」で話をしているかを要所要所で明確にした方が良かったと思います。
アイテム面での指摘の指摘は以下の2点です。
・「青い稲妻」の制限は無くてもいい気がします。他の飛べる妖怪・魔物の制限がどの程度かは分かりませんが、
小さいビルぐらいの高さぐらいの飛行能力はあってもいいと思います。
・キース・シルバーの支給品ですが、使った場合の反作用について明記しておいた方がいいかと思います。
それでは、よろしくお願いします。
荒らしたり無闇に叩いたりするのは良くないけど、
適切な批判・批評がないと書き手が育たないぞ。
大作乙
内容にちょっとした疑問です。蘭は人殺しを肯定はしませんが、どうしても殺さなきゃならなかった
と言う気持ちに何回か共感をしたことがあるので今回の場合殺しを最初から否定するのではなく
私も空手の有段者なんだからとかいって殺さず気絶させるという展開になるかと
あと [備考]蘭は偽火の効果を誤解しています。とありますが何を誤解しているのですか?
〉834
以前あった質問のやつかと
「偽火の説明書には『火の映像を出す魔道具』とあったが本当は『普通の火を出す魔道具』。
説明書を見た蘭は偽火が本物の火を出せる事を知らないでも良いか(意訳)」て質問があった。
回答は「展開次第じゃね?(意訳)」だったような。
ちなみに「本物の火(火影の焔術)」に対して普通の火だから「偽火」と言うらしい
>>832 支給品に関する制限は自由だろ。
大体、小さなビルだったら十分制限されてる。
>>833 蘭はこんな感じだと思うが……そんな事より、コナンみたいな長期連載で原作の話するなら、どこか分かりやすく言ってやれよ。
なんか、最近クダラナイツッコミが多いね。
最後の一行は余計だね
乙
確かに視点変更や、長さが原因で読みにくいってのはありましたが、ストーリー自体は問題ないと思います
乙!
ハヤテが坂道を転がりだしたな
話し事態は前に言われているように問題はなかったと思うよ
今回の反省を生かして次も頑張ってください
乙!!
読みごたえあって面白かった!
良牙の妄想場面がいかにも原作にありそうでワロタ。
しかしすごいね。台詞だけで誰が喋ってるかわかるもんだね。
戦闘シーン楽しみだ。
乙だ!
誰も触れていないが、氷川村の混雑状況を回避した事に敬意を表する。
これで、他の書き手も書きやすくなったと思うよ。 調べる手間が省けるし。
>>792 スルーされてるのが可哀想なので回答。
強さについては、単にゾフィスが強すぎるだけかと。
そりゃ、ブラゴとかゼオンとかもっと強いのもいるが……
あと、自律行動ができる支給品はあまり必要ないって言う意見も多いと思う。
ただ、細かい所は、その魔物によるので最終的なことは何とも言えない。
それはそうと、支給品でペイント弾って出してもよい?
通常兵器?については特に制限ないんじゃない?核とか戦闘機とか無茶なのでなければ。
>>792 自分も質問に回答させていただきます。
魔物の本とそのパートナーという設定があるから、心の波長を自由に変えることの出来るゾフィス以外は支給品としては難しいところ。
白面が無理矢理使えるようにしたという設定にすれば何とかなるもしれないと思うけど。
本無しで戦闘可能な魔物(「とら」レベルの強者)はこんなところ
・ゼオン・・・・・・本無しかつ相当手加減した状態で参加者のほぼ全てをOKできる。なお、最大術ジガディラス・ウル・ザケルガは最強呪文バオウ・ザケルガを打ち負かしたことがある。
・ブラゴ・・・・・・本無しでブルドーザーを吹き飛ばせるほどの腕力あり。なお、最大術バベルガ・グラビドンの威力は小さい島なら陥没可能。
・レイン・・・・・・元魔界の暴れん坊。本無しで数々の魔物を葬ってきた。最大術ガルバドス・アボロディオの威力は広大な土地に傷跡を残すことが出来る程。
・デモルト・・・・同じく狂戦士と呼ばれた千年前の魔界の暴れん坊。その巨体から繰り出される攻撃は凶器そのもの。
なお、参加者のパートナー魔物の実力は
ガッシュ・・・・・本あり+清麿なら、ゼオンと並ぶほどの実力あり。その上、バオウ・ザケルガを使ったら、島毎参加者を一掃できる(バオウに喰われる)。
ブラゴ・・・・・・・前述の通り
キャンチョメ・・・最弱レベルだがポルク(変化)、コポルク(小人化)、ディカ・ポルク(巨大化した幻を見せる)は意外と使い勝手がよい。
なお、最大術ディマ・ブルクを使ったときは8つの分身に攻撃(力持ち=参加者の中では中級レベル)が可能。
ゾフィス・・・・・・本有りありなら、意外と強い。ただし、ガッシュ、ブラゴから見た場合、実力は数段劣る。
個人的には色々な魔物の石版を配置しておいて、白面側のトラップとして出すのも1つのアイデアだと思うけどね。
何気に新旧高橋作品の主役が出会ったんだな
そういえば声も同じだったな
あの二人
魔物は、強さ的には出しても特に問題ないんじゃないかと思う
パートナーなしでバランス崩す程強い奴はいないし
パートナーに会う頃には終わりも近くなってると思うし
重要なのはどっちかっていうと
参加者の出番を取るかもしれないってことかな
今、自我のある支給品は
バンダナとゾフィスだけだっけ?
大丈夫かな?
847 :
作者の都合により名無しです:2006/12/03(日) 12:11:32 ID:b71dY3PQO
制限あるとはいえ自律行動できる準参加者はこれ以上増やして欲しくないな
846
充電できればマリアも
上げちまった。スマン
まあ書き手次第だね
乱馬・キッド組とか毛利蘭・ティオ組を見てみたい。
清麿・魔物は強すぎるからなぁ。
清麿・ウマゴンでもパンタローネクラスとやりあえるだろうし。
キャンチョメでも危険回避とか逃亡がかなり有利になる。
もう魔物の子はいらね。出したきゃ参加者投票で選んどきゃ良かったのに
なあ書き手次第だね
無理のない展開で出してくれるならいいね
ただ自分が出したいだけの適当な展開だったらNG
>>851 いや、参加者投票の前に魔物は出さないって決まってた
ガッシュ本編の焼き直しになりそうでちょっと微妙。
とはいえ、他に面白いアイテムが多そうのは乱馬と美神、烈火くらいか?
この前YAIBA読んでたら面白そうな物発見した
いつか機会があれば出すかも
ヤイバといえば既に死んだキャラの持ち物にとして単体では意味無い「○の玉」とかていうのもありかな
例えば当の玉とか
そういや、蒼い稲妻の高さ制限ってどれぐらいなんだろ?
上空からサブマシンガン乱打されても困るだろうから、
やっぱ、一般人キャラがジャンプして届くぐらいの高さがちょうどいいか?
「とら」とかの元々飛行能力のあるキャラの制限がどれくらいになっているかだな。
さすがに飛行能力0にはなっていないだろうし。
桂ヒナギク、九能帯刀
予約
でも魔物がゾフィスだけだと、ガッシュ参戦した意味があまりないような…
せめてもう一体くらいはいいんじゃね?自立ってもパートナーから離れると弱体化するとかにして
ガッシュの魔物に関して。
誰かが出してくれれば、いくらでも書けるって書き手は多いと思いますが、
逆に自分で出そうと言うリスクが取れる人は少ないと思います。(って、自分がですが……)
今までの展開から見て無理のないように、自律行動がとれる支給品を出そうと思えば、必然的に出せるキャラは限られてきます。
たとえば、とらの支給品が魔物だったりしたら、今までお前はどこに隠れてたのかと言う話になってしまうわけです。
ムリヤリ、キャンチョメあたりがデイパックに隠れていたみたいな描写も出来なくはないかも知れませんが、
少なくとも私には出来ません。それは、他のキャラでも同じです。
現状、不明支給品を保持しているキャラは
峰さやか、宮本武蔵(死亡、アイテム壊れている可能性あり)、灰原哀、とら、紅煉、
パンタローネ、日暮かごめ、タマ、ココ、ジェームズ・ホワン、アノン、バロウ・エシャロット
となっていたと思いますが、この中で自我持ちアイテムを持ってても、矛盾がなさそうな
キャラはほとんど居ないのではないでしょうか。
バロウあたりはほとんど描写がなかったと思うので、大丈夫かも知れませんが……
なので、個人的意見ですが、ガッシュの魔物は中々出しづらいと思います。
ジャンプみたいにホイホイカプセルのような何でも入る物に
入ってる設定だったら良かったんだけどね。
でも主人公であるガッシュくらいは出してみたいんだよな…
ちょっと考えてみようかな…
>>860 頑張って下さい
楽しみにしてます
コナンの支給品て判明してたっけ?
ホワンは目が見えない状態だから書き手しだいなら出せるかもしれない
ただホワンぐらいの使い手なら目が見えなくても気配でわかりそうだから
最初にゼオンにやられて気絶状態だとか・・・
あ、そういやコナンの支給品(高槻涼所持)を忘れてた。
ホワンは無理だろ。支給品の形状を確認済みだ
良牙の爆砕点穴ってキースに効くのかな?
爆砕点穴って人体には無効だけどアームズ部分には効く気がするな。
一応無機物だし元々割れたり砕けたりしてるし
魔物について
本に魔物が封印されていて、本を開くと魔物が出てくるって設定でよくね?
ガッシュ本編の設定を借りて魔物が石版に封じ込められたという事にしたらどう?
石版としてなら一応鈍器(腕力のないキャラにとっては外れアイテム)としても利用できるし、封印が解除されたら魔物を出せばいい。
解除方法は月の光(原作では月の光によく似ている光)ということにすれば、SSに出すのも出さないのも自由に出来ると思う。
なんでそんなに魔物を出したいの?
単なる妄想だよ
実際に出るかどうかは書き手次第
細かいことは気にせず一緒に妄想しようぜ
どっちかって言うとゾフィスにはさっさと退場してもらいたい。
ロワで頑張る泉が見たいんであって、支給品に言いなりの人形は見たくない
いっそのこと、ココが野明からゾフィスを奪う展開にでもする?
前は完全な操り人形だったけど、今回は自分の意志でコントロールというのも面白いと思うけどね。
野明の本来の純粋さにほだされて案外いい子になってしまうゾフィス…
「ありがとう、殺さないでくれて。あんたもやれば出来るじゃない!」とかって頭なでられて照れたりして…うぬ。
見てみたいそんなゾフィー
今後見たい対戦カード
・ 野明&イングラム vs ココ&ゾフィス
・ キース・シルバー vs 響良牙
良牙って強いよな
ベジータの「我ながら情けない威力だぜ」並の破壊力あるし
防御力もそこそこ。加えて、岩石破壊技も使える。
>>860 予約は今日までですけど大丈夫ですか?
もし無理そうだったら報告してください
ピエロ・ボルネーゼの墓を作った九能とヒナギクは、手を合わせながら彼の冥福を祈る。
「ピエロ・ボルネーゼ、見事な死に様であった。この九能帯刀、しかと胸に刻みつけたぞ」
「ピエロさん、安らかに眠ってください。私はもう長くないかも知れないけれど、
貴方にもらったこの命を最期まで大切にします」
ヒナギクの表情は笑顔である。
ピエロ・ボルネーゼが生前、最期まで失わなかった表情を引き継ごうと考えているのだ。
彼女の右足からは今も血が流れており、苦痛は想像に難くない。
それでも、ヒナギクは九能に支えられつつ、自分の足でピエロの墓前に立つ。
そして、別れの言葉を続けていく。
「ハヤテ君は今、大変な状態に立たされています。彼の主人が亡くなってしまって……
だから、私が彼の支えになりたいんです。私が貴方に助けてもらった時のように、笑顔で彼を支えます」
最後に九能とヒナギクは二人で声を合わせ、挨拶をした。
「貴方のご冥福をお祈りしています」
ピエロ・ボルネーゼに別れの挨拶を済ませた彼らは、ヒナギク治療のため鎌石村へと向かった。
今現在、彼女の右足は袴の帯で止血されており、出血は僅かながら勢いを弱めている。
けれど『僅か』である。
命が危ない事に依然変わりはなく、根本的解決策が求められている。
何としても、医療知識を持つ人間を探し出し、この出血を止めなければならない。
「桂ヒナギクよ、もうすぐ鎌石村に着くぞ」
九能はヒナギクと刀三本、荷物3人分、ピエロの遺品全て背負い歩いている。
ヒナギクの体重は45kg。
決して重過ぎるわけではないが、かと言って多くの荷物と一緒に抱え込むのは苦痛だ。
けれど、不思議な事に九能は全く不平を垂れない。
「鎌石村についたら、すぐにでも医者を探してやる。それまで堪えるのだぞ桂ヒナギクよ」
島にいる者、総勢68名。その中に医療知識を持っているものがどれ程いるだろうか。
非常に少ない事が予想される。いや、全くいない事も考えられる。
九能とて、変態ではあるが高校生である。
その程度の事、頭に浮かばなかった訳ではないだろう。
いや、彼の場合浮かばなかったかもしれないが、ここでは便宜上頭に浮かんだとしておこう。
だとすると、彼が医者を探すといっているのは嘘だ。
ヒナギクを元気付けるための嘘だ。
ヒナギクの吐息は、徐々に弱々しくなっている。
九能とて分かっているのだ、ヒナギクの命が後僅かである事ぐらい。
ピエロの墓から、30分ほど歩くと鎌石村役場が見えてきた。
背負われているとは言え、これ以上の移動はヒナギクの負担となる。
九能は役場に入り、そこでヒナギクを休ませる事にした。
鎌石村役場は木造平屋建て、瓦屋根と言う古めかしい建築物。
中に入れば、非常に小さな待合室と、役人たちがいたであろう事務所があった。
九能は待合室のベンチにヒナギクを寝かせる。
「僕はこれから医者を探してくる。しばしの辛抱だ」
「ううん……医者はいいわ…………ここにいて」
ヒナギクの否定。密室で二人きりになる事の要求。
これはもしや……
いや、疑うまでもない。
「交際だーー!」
み し!
「誰が交際を申し込んでますか!」
ヒナギクのフォワイト・●ァングが九能を襲った。
「痛いではないか、桂ヒナギク」
ヒナギクは、吐息交じりの苦しそうな声で話を続ける。
「いい九能君、聞いて。貴方が今後歩むべき道を説明するわ」
「天道あかね、桂ヒナギクと三人で、島のアダムとイブになるのだな」
ど げ し!
「誰がなりますか!」
ハート・ブ●イクショットが九能に炸裂。
蛇足だが、両技はたまたま偶然炸裂しただけである。
ヒナギクがはじ●の一歩全巻制覇している事を保証している訳ではない。
「痛いではないか……」
胸を押さえながら、苦しむ九能。
そんな九能を無視して、ヒナギクは話を進めていく。
「いい、九能君。貴方のこれからの行動方針を説明するわ。
1、天道あかねさんとの合流。
2、綾崎ハヤテ君との合流。
3、鉄砕牙の謎解明。
4、ゲームからの脱出」
「5、桂ヒナギクとの熱い口づけ」
ば っ こ ん!
「誰がしますか!」
ヒナギクのギャラクティ●・マグナムが炸裂。
蛇足だが、(以下略)
「少しは人の話を聞きなさい」
「わかったよ、桂ヒナギク」
本当に分かったのだろうか、不安どころじゃない。
多分5秒で忘れるだろうとヒナギクは思っている。
けれど、ヒナギクに残された時間は後僅かしかない、だから今はこの男に託す他ないのだ。
「5番目の行動指針は、今から書く手紙を綾崎ハヤテ君に渡す事」
「……」
自分で渡せばよいではないか。
と言い出すべきかどうか、流石の九能も迷った。
医者を探すなと言ってみたり、今後の行動方針を指示してみたり、手紙を書いてみたり。
これらの事が何を意味するか分からないほど、九能も馬鹿ではない。
「手紙を書くから、九能君は外に出てて。10分したら、また入ってきてね」
ヒナギクの右足には、九能の袴から切り取った帯が巻いたある。
出血は完全に止まりきらず、今もなお彼女の命は削られ続けている。
けれども、ヒナギクは痛いや辛いと言った表情を少しも見せていない。
生徒会長としての意地もあるのだろう。
生来の負けず嫌いもあるのだろう。
だが、彼女が辛い表情を見せないのはそれだけが理由ではない。
先ほど亡くなったピエロ・ボルネーゼ。
彼の死に様が、ヒナギクに大きく影響を与えている事は間違いない。
「分かった。では10分後にまた入るぞ、桂ヒナギクよ」
九能はヒナギクが手紙を書きやすいようにと、デイパックの中から紙と鉛筆を取り出す。
そして、そのまま鎌石村役場を出て行った。
残されたのはヒナギクただ一人。
ヒナギクが書いた手紙の内容は、自分の事、ハヤテの事、ナギの事である。
五分ほどで手紙は書きあがった。
その後彼女はベンチに横になり、この島で起きた出来事、白皇学院ですごした学園生活を思い出す。
「九能君、馬鹿だけど面白い人だったわ。最初に出会えたのが彼だったのは良かったのかもね」
ヒナギクは死を目前にして、いつもよりさらにポジティブな考えを持てるようになった。
九能帯刀の馬鹿さ加減や、自己中心的な性格もネタと考えれば面白い人になる。
「でも、ハヤテ君やナギに出会えなかったのは辛いかな……あ、ナギにはもうすぐ会えるか。
ナギ。向うに行ったら、私がマリアさんの代わりにメイドをやってあげるからね」
生徒会長として、全校生徒の憧れの的として。
自分にはナギを守る義務があるとさえ感じていた。
その義務感は、執事であるハヤテ程ではないにしろ、かなり強いものだった。
そして今、良し悪しはともかくとして、ヒナギクはもうすぐナギの下へと逝ける。
「お姉ちゃん、貸してたお金は、そのままあげるわね。でも、お酒は程々にするのよ」
既にお金は酒に変わっている。教育上良くないことだが、今さら彼女が生活態度を変えるとも思えない。
あの姉にはなんだか散々な目に遭わされた気もするが、お金より大事なものを教えてくれた尊敬できる姉だ。
「そして……ハヤテ君……私は貴方に一番会いたかった」
三月三日、ヒナギクの誕生日。
いつもいる時計台の上で、彼と一緒に見た夜景が忘れられない。
もちろん、夜景だけでなく、隣にいた彼の表情、自分を抱いてくれた彼の温もり等。
あの日の事は全て覚えている。
「もう一度、見たかったな……」
きっと綾崎ハヤテは、何度でも夜景を見せてくれるだろう。
彼の胸に埋まりながら一緒に居ても、何も言わないで支えてくれるだろう。
「もう…………会えないんだ」
自分の体のことはよく分かる。
自分はあと一時間と持つまい。その間に傷を治し、ハヤテを探す事など絶望的だ。
ヒナギクは元々負けず嫌いな性格である。
だから、大抵の事ならば、『負けてなるものか』と気合いを入れて頑張る人間だ。
絶望的、なんて言葉で彼女が諦める事は通常あり得ない。
だが、今おかれた状態は並大抵の事ではない。
自分に残された道は死を待つ事だけなのだ。
「あれ……涙?」
気がつけば泣いている。
笑顔でハヤテを支えたい。そう思っていたのに泣いている。
「駄目だよ、ピエロさんは死ぬまで笑顔だったじゃない」
けれど、涙は止まる事がない。
「やっぱり、私。死ぬのが怖いんだ……」
当たり前の事である。どことも知れない島で、好きな男にも会えず死んで行くのである。
それが怖くなくて、何が怖くなるのか。
「死にたくない、死にたくない、死にたくないよ。ハヤテ君に会いたいよ。
お姉ちゃんにも会いたい、みんなに会いたい。白皇学院に戻りたいよ」
叶わぬ願いと分かっている。
けれど、ヒナギクは叫んでいた。泣き叫んでいた。
大切な人たちに出会いたい、たったそれだけの小さな願いを叫んでいた。
この島では、そんな些細な願いさえ叶わないのだ。
ヒナギクは先ほど書いた手紙を読み返してみる。
『綾崎 颯 君へ
桂 雛菊です。
貴方がこの手紙を読んでいる時には、私はもう天国に行っています。
天国では、凪のためにメイドさんやってるでしょう。
颯君は絶対こっちに来ない人だから、凪が心配でしょうけど、安心してください。
凪の面倒は私が責任を持って見ます。決して引き篭もりにはさせません。
颯君とは知り合って、3ヶ月ぐらいの仲だったけど、
私にとって、貴方はかけがえのない人です。
誕生日に一緒に見た、時計台からの夜景が忘れられません。
あの時の貴方のぬくもりが忘れられません。
私はあの時初めて、自分の気持ちに気付きました。
貴方が好きです。大好きです。
死んでしまう事より、貴方に会えない事の方が悲しいです。
けれど、貴方はこっちに来ないでくださいね。
もし来たら、凪と二人で追い返しますよ。
それでは、最後になりますが、
貴方がこの島で生き残れる事を祈っています。
私は笑顔で貴方の生還を望んでいます。
』
手紙には『私は笑顔で……』と書いてある。
そうだ、ピエロとの約束があった。
笑顔でハヤテを支えるんだ。
「でも、私はピエロさんみたいに強くないよ……」
あふれる涙は止めようがなく、いつまでもヒナギクは泣き続けている。
と、その時だ。
「桂ヒナギクよ、手紙は書き終わったか?」
み し!
「ノックぐらい、しろ!」
ヒナギクのウイニング・●・レインボーが炸裂。
「いい、九能君。ノックは人類最大の発明なのよ。今度忘れたら本気で殴るからね」
全く、この男はいつまでも自己中心的なんだから……
と思って、ヒナギクは自分の体の変化に気付いた。
涙が止まっている。
先程まで、どうしても止められなかった涙が今は止まっている。
(まさか、九能君。わざとやったんじゃ……)
真相は定かではない。
だが、九能の変態に助けられたのは事実だ。
ヒナギクは涙を拭き、九能に最後のお願いをする。
「この手紙を綾崎ハヤテ君に渡して欲しいの」
「……分かった」
九能は手紙をデイパックの中へと仕舞い込む。
「それと、これはハヤテ君にあったら伝えて欲しい事なんだけど。
桂ヒナギクは死ぬまで笑顔だったって、言って欲しいの」
「…………」
「お願いね」
「断る! 伝えたい言葉があるのなら、自分の口で言えばよいではないか、桂ヒナギクよ。
僕はそのためなら何でもするぞ。君一人背負って、島中歩き回るぐらい簡単だ」
「もう……苦しくて、ほとんど動けないのよ」
ヒナギクの寝ているベンチの下は、血の海と化している。
ヒナギク程の体重を持つ人間の場合、約2リットルの出血で死んでしまう。
彼女の命は残念ながら、もう持たない。
「ここにいて。私が死ぬまで……」
「あぁ、分かったぞ。桂ヒナギク」
ヒナギクはベンチの上で横になり、目を閉じる。
その表情は微笑んでいるかのように見えた。
「私は、笑顔でハヤテ君を支えています。ハヤテ君も頑張ってください」
こうして、白皇学院生徒会長・桂雛菊は死んだ。
「桂ヒナギクよ。お前の死に様もまた、見事であった」
その表情は、まるで菊の花のように輝いていたという。
【C-3 鎌石村役場 / 放送から1時間】
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康、パンツ一枚
[装備]磁双刀(N刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水六日分)、トランプ銃@名探偵コナン
ガードレール製ナイフ、補充用トランプ1セット
磁双刀(N刀)@烈火の炎、鉄砕牙@犬夜叉
[思考]1.天道あかねとの合流
2.ゲームを脱出
3.鉄砕牙の力についての検討
4.ゾフィス、野明を警戒
5.綾崎ハヤテの捜索。手紙をハヤテに渡す。ヒナギクが死ぬまで笑顔だった事を伝える。
[備考]止血のために袴の帯を切ったため、現在はパンツ一枚になっています。
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】 死亡確認
>>879さん、遅れて申し訳ありません。
投下終了です。
ご意見よろしくお願いします。
投下乙です
ヒナギク死んだのは残念ですね
まあ足がなくなっちゃったんじゃ仕方ないな( ´∀`)
とにかくGJです
>>894 修正
【C-3 鎌石村役場 / 放送から1時間】
【九能帯刀@らんま1/2】
[状態]健康、パンツ一枚
[装備]磁双刀(N刀)@烈火の炎
[荷物]荷物一式(食料&水六日分)、トランプ銃@名探偵コナン
ガードレール製ナイフ、補充用トランプ1セット
磁双刀(S刀)@烈火の炎、鉄砕牙@犬夜叉
[思考]1.天道あかねとの合流
2.ゲームを脱出
3.鉄砕牙の力についての検討
4.ゾフィス、野明を警戒
5.綾崎ハヤテの捜索。手紙をハヤテに渡す。ヒナギクが死ぬまで笑顔だった事を伝える。
[備考]止血のために袴の帯を切ったため、現在はパンツ一枚になっています。
【桂ヒナギク@ハヤテのごとく】 死亡確認
何気にスッパダカなのか、
>>895 乙です。ヒナを殺したのは本当に残念だけど、いい感じでした。
乙!
やっぱヒナは死んだか……
このコンビは地味に好きだったから残念だけど、いい死に様だったと思うよ
手紙を託された九能に期待!
うわあああ、感動した乙!
九能先輩の変態度120%アップでむかうところ敵なし
今の、九能って全キャラNo.1の変態か。
ハヤテも手紙なんか、拒否すんじゃね?
死にそうな女を前にしても、空気読んでるんだか読んでないんだか。
九能は原作で真面目になった描写ゼロだからなぁ……
しかし九能、これから服はどうするつもりだ?
約430kB、そろそろ次スレ?
>>904 失礼な、九能はいつも全身全霊で真面目だぞ
ただ根本的に変態なだけだ
遅ればせながら乙。
一体誰がハヤテの暴走を止めるんだろう。
それと、ヒナギクの伝言はルージュで書かれたものだと思ってよい?
>>907 おそらく九能が今回の一軒でトップ
次点で本当に敵討ち戦に突入、そのまま死ぬか、助けられて改心か
そん次は、タマか? でも案外「一緒に敵討ちに来るんだ!」とかどうとかなりそう
ん〜、あとはマイナーだなぁ
フォルゴレの台詞にでてた清麿と出くわす…、う〜ん
大穴で植木、両親に利用されて捨てられた設定は一緒
新作期待age
メドーサの超加速に対応できそうなキャラがいません
そこは制限あるだろ
>>910 ジャバ男君の反物質に対応できるキャラがいるわけがありません
そんな事いったら、とらはどうやって殺したらいいの?
とらの場合、原作設定だと獣の槍ぐらいだし、白面への憎しみがあれば死なないしね。
まあ、全妖怪に対して、妖穴を切るという手段(犬夜叉からの設定)が有効なら、それで殺すことも可能だと思う。
何巻だか忘れたけど粉々のぐしゃぐしゃにすれば死ぬみたいなこと書いてあったような
それをいっぺんに出来るのが獣の槍って感じで書かれてた
圧倒的な攻撃力の光線の類なら殺せるんじゃないか?
それでもいつかは復活するらしいけど・・・
妖怪相手に常識とか
反物質相手に妖怪とか
信者相手にマジレスとか
俺もARMSというか皆川好きだけどさ、反物質とかよく見つけたよなw
これって、リアルエターナルフォースブリザード状態だよなw
皆川の作品は、中途半端に理系っぽいのが嫌だ。
なんか、科学っぽくやってるが、その実まるで……
スレ違いです
作品の批判がしたいなら該当スレに言ってください
それにしても、過疎ってるのに静かに荒れてるな、このスレは
まあ少なくともスプリガンは
まず大きな嘘をついて小さな嘘をちょっとづつ付けることで現実味を出していた
と、どっかのインタビューで答えてたけどな
>921
まあ、あれだ、穴があるからこそ、科学考証をして遊ぶ余地があるってもんさ。
ナギ 武蔵 ピエロ
予約
死人だとぉー!
死体使用か・・?
死者スレみたいなネタか!?
自己リレーになりますが……予約しても良いでしょうか?
>929
イイヨイイヨー
灰原、かごめ予約
期待してます
頑張ってください
よーし、じゃあ俺もバロウ、ボーマン予約
超期待
>>931 もうすぐ予約期限ですけど大丈夫ですか?
無理そうなら連絡お願いします
936 :
作者の都合により名無しです:2006/12/24(日) 23:46:18 ID:6vfCXQJj0
信用しないわけじゃないけど
期限過ぎてるわけだし一応連絡は欲しいかな
予定が込み入ってしまい期限に間に合いそうもありません
期待してくれた方には申し訳ありませんが予約を解除させてもらいます……
お騒がせして本当にすいませんでした
>>938 まあこんな状況じゃ他に予約来ることはないと思うし、書いてくれたらいいと思いますよ
>>931 もう予約期限過ぎてますよ
信用はしてますけど、連絡だけでもお願いします
test
>>939 ゴメンなさい。執筆が遅れました。
申し訳ありませんが、予約の延長を……お願いします。
あと、進行状況ですが今のところ50%ぐらいです……
もし、あと三日経っても書けなかった場合は予約を破棄してください。
許可する
944 :
茨城:2006/12/25(月) 23:26:52 ID:Q9u+RLDPO
慇懃ブレード!うひゃひゃ
吉田予約します
豚 キムチ予約
マーダー紹介
花菱烈火
オープニングから数えて最高の4回登場しているマーダー。
全キャラ中トップレベルの戦闘力を誇り、本来は正義系のキャラである。(本人は否定している)
オープニングで主君であり恋人でもある佐古下柳を殺されて優勝を決意する。
本来の性格と殺人者とのギャップが悲壮感を漂わせる名マーダーの一人だが、殺害実績は一般人一人と奮わない。
また、火竜に逃げられて戦闘力が落ちたこと、支給品が武器でない等、マーダーとしての性能に疑問も残る。
今後の活躍に期待。
マーダー紹介
キース・シルバー
恐らく、全マーダー中2番目の強さを持つキャラ。
コアを破壊されない限り無制限に回復する耐久力と、家一軒軽く破壊できる攻撃力、さらには飛行能力有りの支給品まで持つ。
また、戦闘力だけでなく戦意も高く、過去二度の戦闘は全て自分から仕掛けている。
しかし、シェリー戦で相手を生かしたり、ハヤテ戦でも明確な殺意があったかどうか不明だったりと、戦意十分だが殺意に疑問がある。
また、最高クラスの支給品を持っているが使うつもりがないのもマイナス。
おまけに、現在控えている戦闘ではシルバー自身に明確な戦意がない上に大きなハンデまで背負っている。
目的の高槻涼に出会えるのかが注目される。
>>941 期限が切れたので予約は無効になります
まあ他に書いてる人もいないと思うし
書き上がり次第投下お願いします
マーダー紹介
ココ
全マーダー中、最も原作での登場が少ないキャラ。
当然のように戦闘シーンは原作になく、ゾフィスの付属品と考えることもできる。
特徴がないのが特徴。という路線を突き進むキャラだが、それだけに扱い易く既に二人殺している。
使用武器は魔導具『血種』のみだが、人畜無害なルックスを持っているため相手に警戒されず攻撃できる。
また、魔導具『血種』以外にも、不明アイテムを一つ所持している。
今後の注目は殺し損ねた美神に対する反応と、シェリーへの愛情。
マーダー紹介
紅煉
文句なしの最強マーダー。強すぎて扱いに困る程。
原作ではヒョウに殺されているが、同類のとらが体を真二つにされても、実害ほぼ無しで動けた事から、通常攻撃で死ぬのか疑問が出る。
恐らく、対妖怪用の攻撃を持ってない限り倒せない。
これに加えて、無制限に分身を作る能力や、炎と雷を自在に出せる能力等、反則的な強さである。
おまけに、殺害に対する抵抗を全く感じない性格と、人間を食べ物としか思ってない性格があいまって、無敵無差別の殺人鬼っぷりを発揮している。
このようにマーダーとしては欠点の見当たらない紅煉だが、書き手からみると、この上なく書き難そうだ。
今後の注目は一体誰がコイツを殺せるのかだろう。
意外なキャラの登場を期待したい。
さげ
吉田を予約したものです
期限を過ぎてしまってすいませんが、明日中くらいには投下できると思います
あれ?トリが違う…
やばい、トリ忘れた…
証明する方法は無いけど本人です
どっちにしても明日には投下します
本当にすいません
スレ立て乙
終わったなwここもw
一概にそうとも言い切れない
刃予約
じゃあもう少し悪あがきを見せてもらおうか