バスケットボールの籠に詰め込まれた赤木の死体。
「あ、赤木…」
魚住はライバルだった赤木剛憲の変わり果てた姿を見つめていた。
ライバルとして何度も戦ってきたその姿、その顔…見間違えるはずもなかった。
「……嘘……でしょ……?…おにい……ちゃん……?……いやあああぁぁぁぁ!!!」
悲鳴が上がる。
それに続いて、あちこちで安西たちを非難する声が上がる。
そんな中で魚住は、声を上げることができないでいた。
赤木の死にショックを受けていたせいもあるが、まさかあの安西が赤木を殺すとは信じられなかったから。
『ホッホッ、よろしく魚住君』
湘北と練習試合をした時の、人の良い笑顔。
あの笑顔と、今目の前にいる安西の顔はどこも変わりがないように思えた。
「(安西先生…ヤツは、赤木は…あなたの大事な選手ではなかったのですか!)」
銃撃。
それは天井への威嚇射撃だったが、多くの者がとっさにその場に伏せて身を守ろうとした。
その中で、魚住は微動だにせずに安西を見据えていた。
彼の中の激しい怒りが、安西から目をそらすことを許さなかったのである。
「……赤木君は今回のことに反対してね。仕方ないので殺してしまいました」
何の感情もこもっていないその言葉。
「私も本当は殺したくはなかったんですがね。あんまり五月蝿く反対するものだから……つい……ほっ」
ただのバスケットボールを扱うかのように、かつての教え子の頭部をシュートする姿。
それら全てが魚住にとって許しがたかった。
すぐにでも立ち上がって安西に詰め寄り、問い詰め、怒りをぶつけたかった。
だが、周囲にいる銃を持った男たちの存在がそれを許さない。
魚住がいくら頭に血が上りやすいとは言え、そのくらいのことは理解できた。
そのうちに説明が終わり、気づいた時には激しい眠気が彼を襲っていた。
気がつくと、魚住は観音堂の中に倒れていた。
「酷い夢だったな。……っ!これは…首輪?」
首に手をやると、そこには『首輪』らしきモノの感触がある。
そして、目の前にはデイパックがひとつ転がっていて…
「夢じゃ…なかったのか…?」
赤木の無残な死体が、うつろな表情をした赤木の顔が、目の前に浮かぶ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
思わず魚住は吠えていた。
吠えながら観音堂の扉を開け放ち、外へ駆け出す。
境内に生えていた大木に駆け寄ると、魚住はそこに何度も頭突きをした。
赤木とのゴール下の争い。
赤木のはえたたき。
赤木の強烈な(ゴリラ)ダンク。
赤木はライバルだった…いや、魚住は赤木が自分よりも格上の存在であると確信していた。
その赤木が、好敵手として尊敬していたと言ってもいい赤木が。
最も信頼していたであろう安西の手で殺され、無残な姿を晒した。
「うがあああああああああああ!!!」
魚住の額からは血が滴り落ち、境内の石畳を赤黒く染める。
「…………はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
しばらく頭突きを続けていた魚住は、やがて大木の前に座り込んでいた。
顔面は血で染まっている。
「赤木…さぞ無念だっただろう……」
仇を討つなどと言うつもりはないが、赤木のために何かしてやらなければならない。
「赤木のため…赤木の……」
しばらく考え込んでいた魚住は、ある考えに至る。
「赤木がもし生きていたなら、キャプテンとして、湘北のメンバーを身体を張ってでも守ろうとしただろうな…
そう、この『殺し合い』とやらに反対したように…」
顔面の血を拭い、魚住は立ち上がった。
「俺が赤木の代わりに湘北の奴らを守るなどと思い上がったことは言わんが…少しでも手助けができれば…」
何もできずに見殺しにしてしまった赤木に対して少しは顔向けができる、魚住はそう思った。
デイパックから取り出した大振りな鉈を手に持って、魚住は街道を西へと歩いていた。
とにかく湘北のメンバーを見つけて、少しでもその手助けをするしかない。
そう硬く決心していた魚住。
…だが、彼は赤木の死でかなり気持ちが高ぶっていたのだろう。
参加者名簿の中に顧問である『田岡茂一』の名前があることに気づいていなかった。
さらに、興奮に気を荒げ、額から血を流しながら大鉈を握り締めて歩いているその姿…。
どこから見ても殺人者にしか見えない自身の姿を、魚住は客観的に見る余裕が無かった。
冷静さを欠いた状態で、彼がどこまで無事でいられるのか…それは誰にも判らない。
【C-05/街道/1日目・午前1時ごろ】
【男子4番 魚住純@SLAM DUNK】
状態:額に怪我 かなりの興奮状態
装備:大きめの鉈
道具:支給品一式
思考:1.赤木に代わって湘北メンバーの手助けをする
花道と似たような展開になってしまいましたが、魚住は花道よりも赤木への思い入れが強そうなので、
もうちょっと暴走気味にしてみました。
それにしても、書けるキャラはあらかた書いてしまった…あとどうしよw
もっと人増えないかねー
293 :
作者の都合により名無しです:2006/06/28(水) 17:52:07 ID:oS7jHPipO
>>292 よかった、今度こそ魚住のフラグが活きるようだ
GJ!
知らないキャラがあるなら漫喫やブックオフに行けばいいよ
知ってるキャラばかり書いてたら、他の書き手も残り物だけになって大変だろうから
あと増えることより減らすことの方がロワでは重要なのを忘れないで
繋ぎだけでなく、今後はバトルにも期待してます
>あと増えることより減らすことの方がロワでは重要なのを忘れないで
それは・・・スレの人口のことを言ってるんじゃないのか
295 :
作者の都合により名無しです:2006/06/28(水) 18:22:38 ID:oS7jHPipO
失礼、そっちの意味だったか
まぁ、漫画喫茶もブックオフも近くにないんだけどね。
確か家から1時間くらいのとこにブックオフがあった気がするけど…
桜木、田岡、魚住
この辺は同じような行動を取りそうだ
オツカレチャーン
偏った漫画しか登場しないな
SDもいいけど、いちごやテニスやヒカ碁やろくブルも出してくれよ
ムシャ |
ムシャ |
∩___∩ | ぷらぷら
| ノ ヽ (( |
/ ● ● | J ))
. (( | ( _●_) ミ ・
彡、 |∪}=) ,ノ ∴
/ ヽ/^ヽ ヽ 。
| ヽ \ |
| ヽ__ノ
つまんね
301 :
まとめ:2006/06/29(木) 12:05:06 ID:JdVQLuPi0
【晴子】E-05/神塚山山中/一日目・午前0時30分ごろ
【ハマー】F-05/神塚山山頂/1日目・午前0時半ごろ
【田岡】F-03/路上の電話ボックス/一日目・午前1時ごろ
【高菜】G-05/神塚山/1日目・午前1時ごろ
【ピヨ彦・鈴音組】E-07/トンネル付近/1日目・午前1時ごろ
【リョウ・春香組】G-08/平野/一日目・午前1時ごろ
【中島】J-07/浜辺/一日目・午前1時ごろ
【魚住】C-05/街道/1日目・午前1時ごろ
【ボルボ・真中組】F-02/平瀬村の民家/1日目・午前1時半ごろ
【猿野】【桜木】D-02/川のほとり/1日目・午前1時半ごろ
【三井】A-2/崖周辺/一日目・午前2時前後
【冴子・一貴組】E-02/菅原神社/一日目・午前2時ごろ
【月・本田組】I-10/琴ヶ崎灯台/1日目・午前2時ごろ
【イブ】H-06/源五郎池/1日目・午前2時ごろ
>>301 ハマーと高菜は同じ場所にいる
加筆分は、旧ロワの作者の投下宣言がなかったので無効になった
303 :
まとめ:2006/06/29(木) 19:46:54 ID:nreGp11l0
【晴子】E-05/神塚山山中/一日目・午前0時30分ごろ
【ハマー・高菜組】F-05/神塚山山頂/1日目・午前0時半ごろ
【田岡】F-03/路上の電話ボックス/一日目・午前1時ごろ
【ピヨ彦・鈴音組】E-07/トンネル付近/1日目・午前1時ごろ
【リョウ・春香組】G-08/平野/一日目・午前1時ごろ
【中島】J-07/浜辺/一日目・午前1時ごろ
【魚住】C-05/街道/1日目・午前1時ごろ
【ボルボ・真中組】F-02/平瀬村の民家/1日目・午前1時半ごろ
【猿野】【桜木】D-02/川のほとり/1日目・午前1時半ごろ
【三井】A-2/崖周辺/一日目・午前2時前後
【冴子・一貴組】E-02/菅原神社/一日目・午前2時ごろ
【月・本田組】I-10/琴ヶ崎灯台/1日目・午前2時ごろ
【イブ】H-06/源五郎池/1日目・午前2時ごろ
猿野と桜木はどうなってるんだろ
このままじゃ繋ぎかかれないのかな
>>書き手の方
私用で遅れがちな更新を許して欲しい。こんなことしか出来ないが応援している。
>>まとめ
超トン。まとめに載せて欲しい何かあったら、他の人も手伝って貰えると有難い。
つーか、作品紹介欄にリンクを貼って、参加者の最新状態を残しているが、見難いよな・・・
どうしたらいいだろう。
>>304 一応、勝手に桜木の状態表を書いてみた。作品紹介のリンクから飛べるはず。
あれで良かったら、猿野SSの方に状態表を追加してみる。
>>305 乙!
桜木の見たが問題なかったよ
猿野もあれでいいかと
11話から15話がリンク飛べなくなってた
暇なときでいいからコツコツやって行ってくれるとありがたい
ほんとコツコツでいいから
リンク更新。ちくしょー、勝手が判らないとこうなるから嫌だ。
多分平気なはず。
寝る。
今は◆SzP3LHozswと◆jKyibSnggEしか書いてないんだな
この二人しか書き手がいないなら二人で話し合って、誰がどれを書けるとか明らかにしといたほうがいいんじゃないかと思った
二人でこのまま進めて行ってくれればいい
◆SzP3LHozswはきっと最後まで生き残る
あんまりプレッシャーかけるのは良くない
>>309 生き残ったじゃない
書き手ロワで最後まで残ってたよ
312 :
作者の都合により名無しです:2006/07/01(土) 17:57:45 ID:1fQDkbBMO
過疎ってるなー
本当に人がいるのか心配になるぜ
書き手ってほんとに二人しかいないの?
三井作者やリョウ作者まで消えちゃった?
古今東西
こいつには期待しているキャラクター
自分は月
1stじゃネタキャラだったから、今度こそ本領発揮してもらいたい
原作じゃネタキャラだったから、今度こそ本領発揮してもらいたい
ジャガーにいぴょーう
318 :
作者の都合により名無しです:2006/07/03(月) 23:32:42 ID:8ow4l5J2O
桜木にいっぴょ〜
がんばれよ、なんか応援したくなったぜ
応援してくれるなら書いて欲しいな
このままじゃ続けてくれてる二人に申し訳ない
書き手は自己リレー即リレー上等でいいからどんどん投下してよ
もうこうなったら多少のズガンになっても誰も文句は言わないから
つーか、人がいるんだったら書いてくだされ。
期待とか言ってないでさ。
やはり大多数が知らないメンツでの一般人ロワは無理があったな
>>仮管
いつもご苦労様
報告までに、まとめサイトの参加者一覧が飛べなくなってるね
暇な時に調節してはどうか
>>320-321>>323 何でもいいから書こうぜ
俺は書いても感想貰えないと分かったから、これ以上書く気ないけど
面白い作品なら感想もポンポンわくけど、無理して感想言えなかったんだよな。
やっぱ読み手としてはどんな作品でも頑張って感想書くべきか
人が集まるまでの繋ぎ的役割なら構わないけど、「このまま二人で続けてくれればいい」とか言われると萎えるかな。
>>321で書いたのはそういうこと。
>>324 SSとは比べ物にならないが、やってみると感想も結構大変なのよ
被ってるけど良いかなぁとか、これは誤解されないかなぁとかね
まぁ、一番大変なのは
>>325も言ってるように、
面白くないSSの場合なんだけどね。
つーか、上で挙げた理由も面白く無いSSの場合の苦労で
面白ければ
>>325の言うようにポンポン湧くんだけどね。
つーかよ、過疎スレでそんなに感想を期待されても厳しいぜ……
>>326 最初から鳥を出して、
>>326一行目の通りに言って下されば100%伝わりますぜ?
「チ、簡単には外れそうもないか…」
カーブミラーに映した首輪は、鈍い光を放っていた。
海坊主は、太い首に嵌められた首輪を一撫ですると、さも面倒くさいといった風に顔を翳らせた。
一見しただけだが、首輪の出来は『プロ』の目から見ても上出来と言わざるを得ないほどである。
複雑な作りになっているのは確かなようだった。無理に手を出せばドカンといくというのも本当だろう。
せめて工具でも揃っていれば話は別なのだろうが、生憎と手元にそんな気の利いた用意はない。
首を締め付ける息苦しさは忌々しかったが、安易に今すぐ解体というわけにはいかないようだった。
渋々、海坊主はここで首輪を外すのを諦めた。
ガードレールに腰掛けて、海坊主は腕を組んだ。その顔は渋いままだ。
背中へ吹きつける海風も、今は煩わしいだけだった。
海坊主は腹を立てている。
――元々は生粋の傭兵だった。謂わば戦闘のプロである。
盲目となり、喫茶店のマスターに納まった今でも、腕は衰えていないし、プロとしての誇りも捨てたわけじゃない。
裏の世界では未だ現役だし、世界1のスイーパーは俺だという自負もある。
それが、碌な戦闘経験も無さそうな一般人を相手に殺し合えと言われたのだ。海坊主の誇りは踏み躙られたようなものだった。
「フン!くだらねえ」
誰に言うでもなく、呟いた。
優勝しようと思えば、それは可能だろう。それだけの経験も、実績もある。――しかし、だからこそくだらないと思った。
仕事じゃないのだから金にはならない。また、殺し合わねばならない理由とてない。
すべてが無意味なのである。
スイーパーといえど、罪の無い者を無意味に殺生するの気分の良いことではなかった。
誰が何のために画策したことかはわからなかったが、無性に腹が立つ。こんなことに巻き込んだ奴等を、捻り殺したいと思った。
海坊主はやおら立ち上がると、スッと足を上げ、それまで腰掛けていたガードレールを思い切り蹴った。
ガードレールが轟音とともに飴細工のようにひしゃげた。
あとには海坊主の巨大な足の形が、くっきりと型取られていた。
「……まずは首輪を外す道具を手に入れるか。どう動くかはそれからだな」
そう言うと、進路を北西に取った。
【D-08/車道/1日目・午前1時30分ごろ】
【男子02番 伊集院隼人@CITY HUNTER】
状態:健康
装備:なし
道具:支給品一式(※ランダムアイテムは不明)
思考:1.首輪を外す道具を探すため、鎌石村に向かう
2.主催者達を殺す
なんとなく投下しづらい雰囲気だったけど、書けたから投下してみる。
タイトルは『臆病な傭兵』にかけてみた。
自分もとりあえず人が集まるまでは頑張ってみようと思ってる。
読んでも面白くはないかもしれないけど、それでも書ける間は書いてみようかなと。
自己リレー・即リレー・ズガンを問わないとのことだから、多少は気が楽になったし。
ハードボイルド海坊主GJ!! ネタキャラに傾きかけた前回と打って変わってシリアスじゃないか
プロとしてのプライドに基づき脱出派に回るという姿勢がイカす。
シティーハンター勢はロワ内屈指の実力者として、今後の活躍に期待出来そうね。
>>330 >盲目となり、喫茶店のマスターに納まった今でも、腕は衰えていないし、プロとしての誇りも捨てたわけじゃない
ここでは盲目って書いてあるけど、最初に数行だと鏡に首輪を移して確認してるみたいだけど…
盲目なのかそうでないのか、どっち?
>>330 海坊主がどっちに傾くかでロワが変わると思ってたら正当派の脱出組か
こいつなら首輪も解体出来るだろうから一気に脱出フラグが立ったな
GJ!
>>332 そのへんは原作でも曖昧なんだよな
原作読むと分かるが盲目の癖にほとんど障害らしい障害がないんだよ
だからそこまで厳密にしなくても良いとオモ
短いながらも、面白い上に綺麗にまとまってますね、さすがです
誇りの中に傲りが見えなくもない海坊主は、まだ転がりかねない感じも良いですね
>>333 つまり原作でも、鏡を見たりテレビの音だけじゃなく映像を見て反応してるんですね?
もし違うのなら、別に重要でもない部分なんですから
矛盾があるならカットで良いじゃないですか
魅上照を予約します。
>>335 ガンガレ、超ガンガレ!
ちなみに、期限はあって無いようなもんだから気楽に書いておくれ
すいません、確かにややこしい記述でしたね。
>>328の二行目を削除します。
仮管さん、お手数ですが、そういうことなので宜しくどうぞ。
映したじゃなくて、映ったにすれば良んじゃね?