サンデーキャラ・バトルロワイアル

このエントリーをはてなブックマークに追加
602開幕〜オープニング〜 ◆VIPPER2To.
そこに集められた者
彼らのそれまでは全員がそれぞれ「普通」の日常を送っていたとは言えないかもしれない。
しかし、彼らには確かな生があり、その生を全うしようとしていた。
しかし彼らの生はあるとき突然終わりを迎えることになる。
これから先に起きる現実は彼らを知っている君たちにとっては辛いものとなるかもしれない。
もしもそれに耐えることができないと思ったのならここで読むのをやめるのをオススメする。
時間を与えよう。
・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・・・
さぁ、もういいだろう。
今、この刻より日常は終わり、そして惨劇が始まる。
逃れることはできない惨劇が・・・。

第 一 回 
サ ン デ ー キ ャ ラ バ ト ル ロ ワ イ ア ル 開 幕
603開幕〜オープニング〜 ◆VIPPER2To. :2006/04/25(火) 19:51:33 ID:L2Mm01i00
目が覚めるとそこは大きな和室であった。
日本独特の畳の臭いのする部屋。それはかなりの大きさの部屋であった。
その中に数十人に上るであろう人間がいた。
いや、人間だけではない・・・とらのような怪物なんかもその部屋にはいた。
そんな中、目を覚ました義手の大男が悪魔のような形相をしていた。
「パンタロオォォォォネエェェェェ!!!!!!!!」
義手の大男はそういうと、滑稽な格好をした老人に一直線に襲いかかろうとした。
しかし、その2人の間に入る槍を持った少年が居た。
正義感溢れる眼を持った少年は、その眼を闇色に染めてしまった男をじっとみつめた。
そして何かを言おうとしたその時だった。

「みなさんおはようございます」

それは静かな、しかし凛とした声だった。
ざわめいていた部屋の中でもその声はしっかりと響き渡っていた。
それは、脳に直接語りかけるような声だった。
皆が一斉にその声の鳴る方へと振り向く。
そこにいるのは、その場に似つかわしくないとても美しい少女であった。
しかし、それ以上に・・・その少女が放つ禍々しい気に皆圧倒されつつあった。
彼女の眼は深淵。
どこまでも続く深い深い闇の色。
あらゆる光を飲み込んでしまうかのような黒であった。
604開幕〜オープニング〜 ◆VIPPER2To. :2006/04/25(火) 19:56:32 ID:L2Mm01i00
皆が目を奪われるそんな中で動きを示した者がいた。
それは、大男と老人の間にいた少年。
驚くべきことに彼の髪はみるみる伸びていき、彼の持つ槍もまたそれに共振するかのように禍々しいオーラを放ちつつあった。
「・・・・白面っっ!!!!!!」
そう叫ぶと、その少年は人間のものとは思えないほどの速さで中国風の少女に襲い掛かる。
そして、ためらうことなくその槍は少女を貫いた。
その少女は雲のように消えていった。
その瞬間奥の間へと続く大きなふすまが突然勢いよく開いた。
そこには白き面をもつ化け物がいた。
この世の闇をすべて集めたかのような化け物だった。
恐怖が和室に広まっていった。

「くっくっくっく。獣の槍・・・か。少々お遊びがすぎるようだな」
「ぐわぁぁぁ!!」
白面が少年へ話しかけたそのとき白面の本体をじっとみつめていた槍の少年が突然苦しみ始めた。

そして、その手に持たれていた槍が離れ、
いつの間にか部屋に置かれていたバックのひとつへと収納されていった。

「こんの、どあほぅが!!!お前は俺の餌なんだから勝手に死にそうになってんじゃねえよ!」
その言葉とともに雷鳴が白面に向かって轟いた。
金色の毛を持つとらのような化け物はまるで少年を守ろうとしているかのように白面の前に立ちふさがった。
605開幕〜オープニング〜 ◆VIPPER2To. :2006/04/25(火) 20:00:37 ID:L2Mm01i00
金色の化け物の放った雷を受けても白面には傷ひとつつくことなく、静かにそこにたたずんでいた。
「静かにしなさい。静まらなければ殺しますよ。」
そこにはいつの間にか姿を現していた先ほどの白面の使いの少女がいた。

金色の化け物を含め皆があっけにとられている間に
そのの少女の幻影が説明を開始した。
それが絶望へと続くゲームへの開始を告げることになるとは今はまだ誰も知らなかった。

「皆様、今のは卑妖という私の分身の一部の仕業です。
皆様の体にはそれぞれその妖怪を放っています。
もちろん、逆らうものには死を与えることも可能です」

その言葉に何人かの人間はざわつき始めた。
「しかし、私はそんな簡単に殺したりという無慈悲なことはいたしません。
現に先ほど私へ危害を加えようとした少年は生かしています。」
少年がわずかに身もだえするのを見てそれは確認できた。
「皆様にやってもらうことは簡単です。皆様には今から・・・
殺 し 合 い を し て も ら い ま す」
606開幕〜オープニング〜 ◆VIPPER2To. :2006/04/25(火) 20:01:42 ID:L2Mm01i00
場のざわめきは一気に加速した。
そんな中、一人の男が白面に近づいていった。
「ふん。気に入らないなぁ。このフェイスレスに命令するなんて。」
男は少女の横を通り過ぎ一歩、また一歩と奥の白面の本体へと近づいていく。
(妖怪?そんな非現実的なもの・・・。何かされる前に溶解の力ですべて溶かしてくれるわ)
男は白面の前にひるむことなく立ちはだかった。
「何者かしらないけど・・・さよおなら。」
腕をつきだし指先から強力な酸が放出される。
全てを溶かす“はず”の酸であったが、白面にはそれは蚊がさすほどの痛みも与えられずにいた。
「ば、馬鹿な!」
白面はその口元を歪め、にたりと笑みをこぼした。
「滑稽なり滑稽なり。我にそんなものが効くとでも思ったか。
脆弱なるものよ、我に逆らったものよ・・・その罪を死して償え」
次の瞬間白面の口からは凄まじい炎が吐き出され、男は文字通り跡形もなく消滅してしまった。
その場に居る全員が言葉を発することもできずに凍りついた。
607開幕〜オープニング〜 ◆VIPPER2To. :2006/04/25(火) 20:02:33 ID:L2Mm01i00
その様子に満足したのか、白面の使いである少女は説明の続きを始めた。
そして説明が終わりを迎えるときだった。
「───。以上で説明は終わりです。
そうそう、皆様の中にも大切な人がいらっしゃるでしょう。
大切な人に会わずに死んでしまうなんて嫌ですよね。
私が最後の情けで何人かの大切な人を連れてきました。
本当は全員の大切な人に会わせたかったんですが、今回は3名だけということで勘弁してくださいませ」
そういうと、目玉の妖怪が布につつまれた小さな箱をいくつか持ってきた。
その箱には布が被せられていた。
「それではご対面ください」
そういうと、目玉は一斉に布をはずした。
中村麻子、才賀勝、佐古下柳・・・この場に呼ばれたゲストの名だ。
ゲストにはそれぞれある異変があった。それは・・・

────ゲストには首から下が無かったということだ。

「麻子!!!」「勝ぼっちゃま!」「姫えぇぇぇぇ!!!」数人が一斉に叫ぶ。

それを見て、満面の笑みを白面を浮かべ、高らかに宣言する。

これよりバトルロワイアルを開催する!!!!!!