【2次】漫画SS総合スレへようこそpart34【創作】

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437マジカル・インベーダー
D=アーネの顔を覗き込みながらヒューイットは提案する。がD=アーネは首を振って、
「いくらなんでも、そこまで世話になることはできない。第一、私は急がなきゃいけな」
「あっ! パステルカラーの可愛いコスチュームを来た美少女チームが窓の外に!」
「なにいいいいいいいいいぃぃぃぃっっ!(まさかパステリオンっ!?)」
Dアーネが、そして犬一号も一緒に、血相変えて窓に張り付き、外を見渡す。
が、そこには夕陽に染まった海辺の、静かで美しい景色が広がっているだけで。
「ああ、ごめん。僕の願望が見せた妄想幻覚だったようだ」
「し、心臓に悪いことを言わないでくれっ」
「まあまあ落ち着いて。ほら水でも飲んで」
青ざめたD=アーネが席に戻り、グラスを受け取って冷たい水を一口、飲む。
「ふぅ。とにかく、この恩はいずれ返すから今夜はこれで…………あ、あれっ?」
突然の目まいに襲われ、D=アーネはグラスを倒してしまう。
「こ、これ……は……ヒュー、イットさん、貴方まさか……今の水……」
「精神安定剤。こう見えてもデリケートでね、出張の時は常備してるんだ」
ヒューイットが立ち上がる。入れ違うようにD=アーネはテーブルに突っ伏した。昼間、
砂浜で魔力を使い果たした時に勝るとも劣らぬ勢いで、意識と筋力が失せていく。
「ごめんね。こうでもしなきゃダメみたいだったから」
「……ど、どうする、気……な、何を、企んで…………」
顔を上げヒューイットを睨み付けた直後、限界が来たらしい。怯え混じりの弱々しい表情
を浮かべたD=アーネの唇が「……へいか」と動いたのを、ヒューイットは確かに見た。
そしてヒーイットは、動かなくなったD=アーネを抱え上げ、お姫様だっこして、
また小さく溜息をつきながら歩いていく。隣の部屋へと。
「やれやれ。白馬の王子様ならぬ白馬の皇帝陛下には勝てないか。それなら、せめて……」
ヒューイットは、D=アーネをそっとベッドに寝かせた。バスローブ越しの
D=アーネの胸、その本当に微かな隆起が、規則正しいリズムで上下している。
「見返りは期待できない。そう言ってたね、君は」