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>>134 前スレ142他)
畑「うーん、キユ君トイレに行ったっきり帰ってこないなあ。
矢吹様、僕キユ君を迎えに行っていいですか?それとも散歩に出かけたのかな」
コロッセオやスタジアム跡の真上にくっついている矢吹専用展望室ティールームでは、
真下から流れてくる黒煙やらなんやらに包まれ煤だらけになっていたが、
中でのんびりお茶している矢吹のところまでは煙は届いていなかった。
矢吹「なに、彼もわかっているさ。気が済んだら帰ってくるとも。
それよりスタジアムの方の映像が繋がりにくいと運営に伝えておけ」
ハーブティを嗜みながらのんびり試合中継2つを楽しむ暇人矢吹。
しかし大会運営スタッフへの電話を終えた執事・畑健二郎からの報告を聞いて眉をぴくりと動かした。
畑「あの、この艦の総合火葬場から妙な報告が来てるんですけど・・・
その、先日大会予選を行ったじゃないですか。そこで大量に死者が出たわけですが、
彼らの・・・バラバラで現在身元検分中の遺体を保管してあったカプセルに、
妙な反応があるので調査班を送って欲しいと・・・その」
神妙な顔つきの畑に、矢吹は『ああ、そんなのあったね』とは到底口に出せなかった。
矢吹「反応とはなんだ?漫画家の死体を集めると核融合でも起こるのか」
もちろん冗談で言った矢吹だが、畑は大真面目な顔になり。
畑「僕・・・久米田師匠に聞いた事があるんです。
いろんな漫画と漫画家を混ぜ合わせて練成する、禁断の錬金術があるって。
様々な漫画の特性を持った、フランケンシュタインみたいな化け物が生まれるって!
確かナントカ漫画家と呼ばれた恐ろしい合成生物が・・・なんだっけ」
何かホラーの見すぎじゃないかと笑い飛ばす矢吹だが、心に引っかかるものを感じた。
矢吹「ははは・・・いや、そうだあの場所には『10年前』の瓦礫が一部置いてあったな。
キユがそいつの反応に気づいて近づいてしまうと、少々厄介な事になる。
畑、火葬場に連絡して今すぐカプセル内の死体を全部灰にしろ。火力最高でだ」