【バキ】漫画SSスレへいらっしゃいpart12【スレ】

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383魔界編
お互い鏡を見ているような形相。傲慢さと残酷さが滲み出ている。
間合いを詰めつつ、お互いの攻めを読み合う。肉体は触れていない。だが飛び交っている。
拳と蹴りが数百発もお互いの間を。一流の闘いはミリとコンマの奪い合いである。
そして2人は超一流の更に上。一瞬の間に全てを読みあっている。お互いの動きを。
 「ケッ。ガキの情交じゃあるめえし、にらめっこなんぞつまんねえッ!!」
勇次郎が吐き捨てると大胆に地を蹴る。まるで稲妻の様な速さ。一瞬で間合いが詰まる。
しかし相手は象山である。あまりにも無策な特攻。絶対の勝算を以って迎撃の突きが飛ぶ。

勇次郎の眼前に鈍器のような右拳が迫る。しかし勇次郎、その拳を前に更に踏み込む。
額で拳を受ける格好。ピシリ、と妙な音が響く。一歩間違えれば頭蓋が砕ける間合い。
だが鬼の反射神経はそれすら見切る。響いたのは象山の拳の断裂する音である。
 (やるねえ)
痛みより先に相手に感嘆する象山。この男は心底、強い男とケンカするのが好きらしい。
勇次郎は右拳を中に受け流し、更に踏み込む。同時右足で象山の右足の甲を蹴り砕く。
384魔界編:04/02/17 23:24 ID:J7GucHdg
形としては勇次郎が象山の右拳を奪い、右足を封鎖した形だ。だが、象山は笑っている。
彼のヒザが勇次郎の金的にめり込んでいるからだ。勇次郎は笑っている。勿論、象山も。
闘争本能が痛みを凌駕しているのだ。
 「大したもんだな、コツカケしてなお潰れちまったぜ」
絡み合ったままニヤリと笑う勇次郎。彼の股間の辺りが血で真っ赤に染まっている。
 「いいのかい、色男。病院行かなくてよ。2度と女抱けないぜ、このままじゃ。
  勝負はまあ、引き分けって事でいいんだぜ?」
 「そんな気は微塵もねえくせに、タヌキが。女はもう何千人も抱き飽きてる。今はよ」
勇次郎が象山の右腕を引き込む。そのまま空で一回転する象山。合気である。
 「どんなイイ女抱くより、てめえを殺してえッ!!」

象山の肉体が紙のように舞っている。どんな達人でも地球の引力には逆らえない。
回転した象山の、ちょうど延髄(首の裏)が地面スレスレの場所にある。勇次郎は笑う。
そしてそこへ目掛け、鬼の蹴りを叩き込む。だが象山。まるでネコのように体を旋回させ、
勇次郎の顔に右つまさき蹴りを決める。勇次郎の鼻が潰れ、象山の耳が千切れる。
相殺の形だが、体勢は象山が不利だ。